JP5468167B1 - 積層体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 基材フィルムの表面に対し、少なくとも、ハードコート性を付与する為のハードコート層と、防指紋性と良滑性とを兼ね備えた防指紋・防汚(Anti Fingerprinting and Scraching)層と、を積層してなること、を特徴とする積層体とした。
【選択図】 なし
Description
本願発明に係る積層体に関して、第1の実施の形態として説明する。
まず本実施の形態にかかる積層体に用いる基材フィルムとして、可視光に対して透明なプラスチックフィルムを用いる。具体的には、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリカーボネート(PC)、ポリメチルメタアクリレート(PMMA)等によるフィルムが挙げられる。中でも広く流通しておりハンドリングに優れる、また耐熱性、機械的強度にも優れ、さらには安価であり透明性と可撓性とをも兼ね備えている、という点より、PETフィルムを用いることが好ましいと言えるので、本実施の形態ではPETフィルムを用いることとする。そしてその厚みは25μm以上200μm以下であれば好ましいと言え、本実施の形態では50μmであるものとする。
SiOxCy(但し 1.9≦x≦2.1 / 0.01≦y≦0.4 である)
で示されてなるものであることとする。
炭素含有の酸化珪素をハードコート層として用いることで、膜厚を薄くしても表面保護層としての機能を呈することが可能であり、これをプラズマCVD法により積層することで、より所望の薄さで積層することが出来るので好適であると言える。ちなみに、本実施の形態において得られるハードコート層はプラズマCVD法により形成された炭素含有酸化珪素による層であることは上記の通りであるが、その膜厚は具体的には100nm以上1000nm以下であることが好ましい、これは、100nm未満であると薄すぎて表面保護層としての機能を呈することが充分には出来ず、また1000nm以上であると本実施の形態にかかる積層体の所望する可撓性を得られなくなるからである。
SiOxCy(但し 1.9≦x≦2.1 / 0.01≦y≦0.4 である)
で示されてなるものであることとするのであるが、これは、xの値が2に近いほど耐擦傷性や耐摩耗性が良好なものとなる傾向が見て取られ、しかしxの値が2より小さいほど耐擦傷性や耐摩耗性が低下する傾向が見て取られることより、本実施の形態では 1.9≦x≦2.1 であるものとしているのである。そして同時に炭素Cに関わるyの値を 0.01≦y≦0.4 であるものとすることで、耐擦傷性、耐摩耗性に優れた硬質表面を呈するハードコート層を得られるのである。
・ 基材フィルム
PETフィルム(厚み50μm 帝人デュポン株式会社製 製品名「HB3」)
紫外線硬化型有機無機ハイブリッド樹脂(日本曹達株式会社製 製品名「NH−1000G」)
これをPETフィルム表面にグラビアコート法により塗布積層する。
積層後、60℃の雰囲気下で1分間乾燥させた後、高圧水銀灯による紫外線照射を行い、これを硬化する。
硬化後の厚みは3μmとなるようにする。
炭素含有酸化珪素をプラズマCVD法により中間層の表面に積層する。
用いる炭素含有酸化珪素はSiOxCy(但し x=2.05 y=0.37)である。
これは有機シラン化合物としてHMDSOを用い、これと酸素ガスとを原料として中間層の表面に成膜即ち積層する。
膜厚は250nmとする。
具体的な積層の手法は次の通りである。
高周波プラズマCVD装置を用い、1×10−3Pa以下にチャンバー内を真空排気した後、原料の混合ガスとして、ヘキサメチルジシロキサン(HMDSO)の流量を5sccmとし、酸素(O2)の流量を350sccmとして、ヘキサメチルジシロキサン(HMDSO)と酸素(O2)との体積比が、HMDSO:O2=1:70となるように制御して、チャンバー内に導入した。その後、プラズマ励起電力を0.33W/cm2として、高周波プラズマCVDを実行し、炭素を含有する酸化珪素のハードコート層を形成した。
フッ素含有アクリレートを金属メッシュに含浸させペレット化したものを蒸着材料とする。これを用いた真空蒸着を実行することで防指紋・防汚層を積層する。
防指紋・防汚層の厚みは20nmとする。
具体的な積層の手法は次の通りである。
抵抗加熱真空蒸着機を用いて、1×10−3Pa以下にチャンバー内を真空排気した後、フッ素含有アクリレートを金属メッシュに含浸させたペレットを抵抗加熱電源を用いて加熱し基板上に防指紋・防汚層を形成した。
(実施例1)
PET/中間層/ハードコート層/防指紋・防汚層
(参考例1)
PET/中間層/防指紋・防汚層
(比較例1)
PET/中間層/ハードコート層
(比較例2)
PET/ハードコート層
(試験1)
耐SW(SteelWool)性試験
・ #0000のSWを用い500g荷重で擦った時に傷が入らない回数を調べる。
(試験2)
耐久性試験
・ 上記試験1を実行する前と1000回実行した後のそれぞれの水接触角を調べる。
Claims (6)
- 基材フィルムの表面に対し、
少なくとも、
ハードコート性を付与する為のハードコート層と、
防指紋性と良滑性とを兼ね備えた防指紋・防汚(Anti Fingerprinting and Scratching)層と、
を積層してなる積層であって、
前記防指紋・防汚層が、フッ素含有アクリレートを主成分とする有機物を真空蒸着法によって積層されてなるものであり、
前記ハードコート層が、プラズマCVD法により形成された炭素含有酸化珪素による層であり、
前記炭素含有酸化珪素の一般式が
SiOxCy(但し 1.9≦x≦2.1 / 0.01≦y≦0.4 である)
で示されてなること、
を特徴とする、積層体。 - 請求項1に記載の積層体であって、
前記基材フィルムの表面と前記ハードコート層との間に、予め中間層を積層してなること、
を特徴とする、積層体。 - 請求項2に記載の積層体であって、
前記中間層が、紫外線硬化型有機無機ハイブリット樹脂をウェットコーティング法で積層してなること、
を特徴とする、積層体。 - 請求項1ないし請求項3の何れか1項に記載の積層体を用いてなること、
を特徴とする、液晶表示装置。 - 請求項1ないし請求項3の何れか1項に記載の積層体を用いてなること、
を特徴とする、フレキシブルディスプレイ。 - 請求項1ないし請求項3の何れか1項に記載の積層体を用いてなること、
を特徴とする、携帯型通信機器。
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