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JP6387625B2 - ガスバリアフィルムの製造方法 - Google Patents

ガスバリアフィルムの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、ガスバリアフィルム及びその製造方法に関し、さらに詳しくは、ロールトゥロールでガスバリアフィルムを製造する際に、フィルムの表面に傷等がつきにくいガスバリアフィルム及びその製造方法に関する。
酸素や水蒸気等に対するバリア性(ガスバリア性ともいう。)を備えたガスバリアフィルムとして、基材フィルム上に、金属層や無機酸化物層をガスバリア層として設けたものが提案されている。こうしたガスバリアフィルムは、食品や医薬品等の包装材料として、また電子部品や表示素子の保護材料として、また太陽電池バックカバーシート材料として、その需要が大いに期待されている。
ガスバリアフィルムは、ロールトゥロール方式で効率的に製造することが検討されている。例えば図6に示すように、ロールトゥロール方式では、ロール状に巻かれたフィルムロールから繰り出されたフィルム101が、平坦化層やガスバリア層の形成工程を経てロールに巻き取られる。このロールトゥロール方式においては、ロール巻きされたガスバリアフィルム100のガスバリア層102の表面S11上に、基材フィルム101の裏面S12が重なりながら巻き取られる。この巻き取りの際、裏面S12が表面S11を締めながら重なる「巻き締まり」により、裏面S12が表面S11に強く押し付けられたり擦ったりしてガスバリア層102の表面S11に傷等が生じ、ガスバリア性が低下するという問題があった。
こうした問題に対し、例えば特許文献1には、基材フィルム上に有機層と無機層とが積層された有機無機積層型のガスバリアフィルムにおいて、第2の面に低硬度層を設け、その低硬度層の鉛筆硬度を、第1の面に設ける有機層の鉛筆硬度よりも2段階以上低くする技術が提案されている。この技術によれば、低硬度層を裏面に設けることにより、第1の面に設ける有機層は、低硬度層に接触することによって生じる傷等が抑制されるので、その後に有機層上に緻密な無機層を形成することができ、ガスバリア性の低下を抑制できるとしている。また、このガスバリアフィルムにおいては、第2の面に設ける低硬度層を、最終製品の完成までの適当な段階で剥離することが好ましく、また、低硬度層は粒子を実質的に含有しないことが好ましいとされている。
特開2011−213112号公報
しかしながら、特許文献1で提案されたガスバリアフィルムは、剥離できることが好ましい低硬度層を設けているため、ガスバリアフィルム全体の厚さが厚くなるとともに、製造コストが嵩むという難点がある。また、最終工程までの間に低硬度層を剥離する工程が加わって作業が繁雑になるとともに、剥離時に剥離ができない等の工程不良が生じるおそれがある。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、ロールトゥロールでガスバリアフィルムを製造する際に、フィルムの表面に傷等がつきにくく、効率的に製造可能なガスバリアフィルム及びその製造方法を提供することにある。
(1)上記課題を解決するための本発明に係るガスバリアフィルムは、基材と、前記基材の一方の面に設けられた第1有機層と、前記第1有機層上に設けられた無機層と、前記基材の他方の面に設けられた第2有機層とを有するガスバリアフィルムであって、前記第1有機層の硬度は前記第2有機層の硬度よりも大きく、前記第1有機層の表面について1μm四方の矩形領域で測定したときの算術平均粗さRaの平均値は1nm以下であり、前記第2有機層の表面について1μm四方の矩形領域で測定したときの算術平均粗さRaの平均値は5nm以下であることを特徴とする。
本発明に係るガスバリアフィルムにおいて、前記第1有機層の硬度と前記第2有機層の硬度との差は、10N/mm以上であるように構成してもよい。
本発明に係るガスバリアフィルムにおいて、前記第2有機層の硬度は、150N/mm以上450N/mm以下の範囲内であるように構成できる。
本発明に係るガスバリアフィルムにおいて、前記第2有機層が、該第2有機層の厚さよりも大きい平均粒径の有機粒子を含むように構成してもよい。
(2)上記課題を解決するための本発明に係るガスバリアフィルムの製造方法は、基材の一方の面に第1有機層が設けられ、他方の面に前記第1有機層よりも硬度が小さい第2有機層が設けられたフィルムを巻き取ったフィルムロールを準備する工程と、前記フィルムロールを繰り出して前記第1有機層上に無機層を形成する工程とを有し、前記第1有機層の表面について1μm四方の矩形領域で測定したときの算術平均粗さRaの平均値は1nm以下であり、前記第2有機層の表面について1μm四方の矩形領域で測定したときの算術平均粗さRaの平均値は5nm以下であることを特徴とする。
本発明に係るガスバリアフィルムの製造方法において、前記無機層を形成した後に巻き取ってフィルムロールにする工程を有してもよい。
本発明に係るガスバリアフィルムの製造方法において、準備された前記フィルムロールは、前記基材の他方の面に前記第1有機層よりも硬度が小さい前記第2有機層を形成する工程と、前記第2有機層を形成した後に前記基材の一方の面に前記第1有機層を形成する工程とを経て形成することができる。
本発明に係るガスバリアフィルム及びその製造方法によれば、ロールトゥロールでガスバリアフィルムを製造する際に、フィルムの表面にダメージや傷がつきにくく、効率的に製造することができる。
本発明に係るガスバリアフィルムの一例を示す模式的な断面図である。 本発明に係るガスバリアフィルムの他の一例を示す模式的な断面図である。 第1有機層と第2有機層とが設けられたフィルム(無機層が形成される前のフィルム)を巻き取る態様の説明図である。 無機層が形成されたガスバリアフィルムを巻き取る態様の説明図である。 実施例1で形成した第1有機層の表面画像である。 従来のガスバリアフィルムを巻き取る態様の説明図である。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。本発明は以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
[ガスバリアフィルム]
本発明に係るガスバリアフィルム10は、図1及び図2に示すように、基材1と、基材1の一方の面に設けられた第1有機層2と、第1有機層2上に設けられた無機層4と、基材1の他方の面に設けられた第2有機層3とを有している。そして、第1有機層2の硬度は、第2有機層3の硬度よりも大きく、第1有機層2の表面について1μm四方の矩形領域で測定したときの算術平均粗さRaの平均値は1nm以下であり、第2有機層3の表面について1μm四方の矩形領域で測定したときの算術平均粗さRaの平均値は5nm以下であることに特徴がある。
こうしたガスバリアフィルム10は、第1有機層2の硬度が第2有機層の硬度よりも大きいので、図3に示すように、無機層4が設けられる前のフィルム10a(第1有機層2と第2有機層3とが設けられたフィルム10a)を巻き取る際の巻き締めによって、第2有機層3の表面S2が第1有機層2の表面S1に押し傷や擦り傷等を生じさせ難くすることができる。その結果、その後に第1有機層2上に設ける無機層4を、第1有機層2に由来する傷等に影響されることなく緻密に形成することができ、ガスバリア性を高めることができる。
さらに、第1有機層2の表面S1について1μm四方の矩形領域で測定したときの算術平均粗さRaの平均値は1nm以下であるので、傷が抑制された第1有機層2上に無機層4を平坦かつ緻密に設けることができる。また、第2有機層3の表面S2について1μm四方の矩形領域で測定したときの算術平均粗さRaの平均値は5nm以下であるので、無機層4に重なる第2有機層3は、無機層4の表面S3に大きな凹凸を押し当てることがなく、無機層4に傷や欠陥が生じるのを防ぐことができる。その結果、高いガスバリア性を有するガスバリアフィルム10を提供できる。
以下、ガスバリアフィルムの構成要素を順に説明する。
(基材)
基材1は、一方の面に第1有機層2を形成し、他方の面に第2有機層3を形成することができる樹脂シート又は樹脂フィルムであれば特に制限はない。基材1の構成材料としては、例えば、環状ポリオレフィン(COP、COC)等の非晶質ポリオレフィン(APO)系樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン2,6−ナフタレート(PEN)等のポリエステル系樹脂、ポリイミド(PI)樹脂、ポリエーテルイミド(PEI)樹脂、ポリサルホン(PS)樹脂、ポリエーテルサルホン(PES)樹脂、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)樹脂、ポリカーボネート(PC)樹脂、ポリアリレート(PAR)樹脂、シクロポリオレフィン(CPO)樹脂、ポリプロピレン(PP)樹脂、ポリアミド(PA)樹脂、エチレン−四フッ化エチレン共重合体(ETFE)、三フッ化塩化エチレン(PFA)、四フッ化エチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(FEP)、フッ化ビニリデン(PVDF)、フッ化ビニル(PVF)、パーフルオロ−パーフロロプロピレン−パーフロロビニルエーテル共重合体(EPA)等を挙げることができる。
また、上記の樹脂材料以外にも、ラジカル反応性不飽和化合物を有するアクリレート化合物よりなる樹脂組成物、上記アクリレート化合物とチオール基を有するメルカプト化合物よりなる樹脂組成物、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、ポリエーテルアクリレート、メタクリレート等のオリゴマーを多官能アクリレートモノマーに溶解した樹脂組成物等の光硬化性樹脂、及びこれらの混合物等を用いることもできる。さらに、これらの樹脂の1種又は2種以上をラミネート、コーティング等の手段により積層させたものを基材1として用いることもできる。
基材1の厚さは、通常、3μm以上、500μm以下、好ましくは12μm以上、300μm以下である。この範囲内の厚さの基材1は、フレキシブルであるとともに、ロール状に巻き取ることもできる点でロールトゥロール工程で好ましく用いることができる。
基材1は、長尺材であってもよいし枚葉材であってもよいが、ロールトゥロール工程で使用できる長尺の基材を好ましく用いることができる。長尺の基材1の長手方向の長さは特に限定されないが、例えば10m以上の長尺フィルムが好ましく用いられる。なお、長さの上限は限定されず、例えば10km程度のものであってもよい。なお、基材1は枚葉材であってもよく、一方の面に第1有機層2を形成し、他方の面に第2有機層3を形成した枚葉材を積層して重ね合わせた場合も、上記した本発明の効果を奏することができる。
基材1には、種々の性能確保のために添加剤が含まれていてもよい。添加剤としては従来公知のものを適宜用いることができ、例えば、ブロッキング防止剤、熱安定剤、酸化防止剤、塩素捕獲剤等を挙げることができる。なお、基材1を、透明性が必要とされるOLED等の発光素子の基板として用いる場合には、基材1は無色透明であることが好ましい。より具体的には、例えば400nm以上、700nm以下の範囲内での基材1の平均光透過度が80%以上の透明性を有するように構成することが好ましい。こうした光透過度は基材1の材質と厚さに影響されるので両者を考慮して構成される。
基材1の表面は、必要に応じて、コロナ処理、火炎処理、プラズマ処理、グロー放電処理、粗面化処理、加熱処理、薬品処理、及び易接着処理等の表面処理を行ってもよい。こうした表面処理の具体的な方法は従来公知のものを適宜用いることができるので、ここでの説明は省略する。また、無機層4を形成しない側の面には、後述する第2有機層3が設けられるが、それ以外の機能層を設けてもよい。機能層の例としては、マット剤層、保護層、帯電防止層、平滑化層、密着改良層、遮光層、反射防止層、ハードコート層、応力緩和層、防曇層、防汚層、被印刷層、及び易接着層等が挙げられる。
(第1有機層)
第1有機層2は、図1及び図2に示すように、基材1の一方の面に設けられ、その後に無機層4が設けられる層である。この第1有機層2は、後述する第2有機層3の硬度よりも大きい硬度を有している。さらに、この第1有機層2の表面S1について1μm四方の矩形領域で測定したときの算術平均粗さRaの平均値は1nm以下である。
図3に示すように、無機層4が設けられる前のフィルム10a(第1有機層2と第2有機層3とが設けられたフィルム10a)を巻き取る際には、第2有機層3が第1有機層2に対して巻き締めることになる。本発明では、第2有機層3は第1有機層2に比べて軟らかいので、巻き締め時に第2有機層3が第1有機層2に対して押し傷や擦り傷等を起こし難く、そうした傷等の発生を抑制することができる。その結果、第1有機層2の表面に生じる傷等を少なくすることができ、その後に第1有機層2上に無機層4を形成する場合、無機層4を緻密に形成することができ、ガスバリア性を高めることができる。
硬度は特に限定されず、各種の測定手段で測定された硬度で評価することができるが、一例としては、後述する実施例で測定したように、ISO 14577準拠のインデンテーション試験法に基づくマルテンス硬さHMで評価することができる。マルテンス硬さの測定装置は特に限定されず、各種のものを用いることができる。後述する実施例では、株式会社フィッシャー・インスツルメンツのピコデンターHM500(商品名)を用いて測定し、第1有機層2の厚さに対して10%の厚さまでプローブを差し込んで得られた結果で評価しているがこれに限定されない。
第1有機層2の硬度は、第2有機層3の硬度と比較して大きければよく、この相対差によって本発明の効果を実現できる。なお、その差の現実的な具体的目安としては、10N/mm以上であればよく、30N/mm以上であればより好ましい。この差になる第1有機層2と第2有機層3は、種々の有機化合物を用いて形成することが可能であり、用いる有機化合物を選定することにより、第1有機層2と第2有機層3とを任意の硬度差で容易に形成することができる。また、第1有機層2と第2有機層3の硬度差をこの範囲にすることにより、第2有機層3の巻き締めにより第1有機層2に生じ得る傷等の発生をより一層低減することができる。その結果、その後に第1有機層2上に設ける無機層4を、傷等の影響なくより緻密に設けることができ、ガスバリア性を一層高めることができる。
なお、第1有機層2と第2有機層3の差の上限は特に問題にならないが、現実的な目安としては100N/mm程度である。
第1有機層2の表面S1について1μm四方の矩形領域で測定したときの算術平均粗さRaの平均値は1nm以下であることが望ましい。この範囲の算術平均粗さRaの平均値を持つ第1有機層表面S1を形成することにより、粗さの小さい平坦な第1有機層2上に平坦で緻密な無機層4を設けることができる。算術平均粗さRaの平均値の下限は特に限定されず、小さければ小さいほど良いが、0.05nm程度である。なお、算術平均粗さRaは、JIS B 0601に規定された方法で測定した結果であり、その平均値は5個のデータを任意に測定した結果の平均である。
第1有機層2の算術平均粗さRaの平均値が1nmを超えると、その第1有機層2表面の凹凸により、その第1有機層2上に設けられる無機層4に欠陥等が生じて緻密でなくなることがあり、ガスバリア性が低下する傾向が見られる。
また、第1有機層2は、基材1の表面が有する凹凸、傷、突起等の影響を小さくする平坦化層として機能するので、基材1の表面に影響されない無機層4を形成できる点でも有利である。
第1有機層2の構成材料としては、従来公知のものを適宜用いればよく、例えば、ゾルゲル材料、電離放射線硬化型樹脂、熱硬化型樹脂、及びフォトレジスト材料等を挙げることができる。こうした有機材料で形成した第1有機層2は、応力緩和機能も兼ね備えることから好ましい。より具体的な材料としては、アクリレートを含む高分子化合物が汎用的なものとして挙げられるが、他には、スチレン、フェノール、エポキシ、ニトリル、アクリル、アミン、エチレンイミン、エステル、シリコーン、カルドポリマー、アルキルチタネート化合物、イオン高分子錯体等、光硬化又は熱硬化性のもの、高分子化合物と金属アルコキシドの加水分解生成物の混合物等を含む、高分子化合物が適宜使用される。
特にガスバリア機能を保持させつつ層形成を容易にする観点からは、電離放射線硬化型樹脂を用いることが好ましい。より具体的には、アクリレート基やエポキシ基をもつ反応性のプレポリマー、オリゴマー、及び/又は単量体を適宜混合した電離放射線硬化型樹脂;その電離放射線硬化型樹脂に必要に応じてウレタン系、ポリエステル系、アクリル系、ブチラール系、ビニル系等の熱可塑性樹脂を混合して液状とした液状組成物のような、分子中に重合性不飽和結合を有し、紫外線(UV)や電子線(EB)を照射することにより、架橋重合反応を起こして3次元の高分子構造に変化する樹脂;等を好ましく用いることができる。
第1有機層2は、こうした樹脂を、例えば、ダイコート法、ロールコート法、ミヤバーコート法、及びグラビアコート法等の従来公知の塗布方法で塗布、乾燥、硬化させることにより形成することができる。また、第1有機層2の形成材料として、無機層4との良好な密着性を確保する観点からは、無機層4と同じ材料系の塗膜を形成できるゾルゲル法を用いたゾルゲル材料を用いることもできる。ゾルゲル法とは、有機官能基と加水分解基を有するシランカップリング剤と、このシランカップリング剤が有する有機官能基と反応する有機官能基を有する架橋性化合物とを少なくとも原料として構成された塗料組成物の塗工方法、及び塗膜のことをいう。有機官能基と加水分解基を有するシランカップリング剤としては、従来公知のものを適宜用いることができる。また、第1有機層2の材料として、耐熱性の観点からは、従来公知のカルドポリマーを用いることも好ましい。
第1有機層2には、上記した算術平均粗さRaの平均値の範囲を外さないことを前提にして、必要に応じて粒子が含まれていてもよい。第1有機層2に含まれる粒子は、無機層4が形成される前の第1有機層2と第2有機層3が設けられたフィルムを巻き取る際に、第2有機層3の表面S2との間の滑り性を向上させることができる。その結果、第1有機層2の表面S1や第2有機層3の表面S2に擦れ傷等が生じるのを抑制することができ、その後に設ける無機層4を欠陥なく緻密に形成することができる。
粒子は、有機材料で構成された有機粒子でもよいし、無機材料で構成された無機粒子でもよいし、有機材料と無機材料とで構成された有機無機複合粒子でもよい。その粒子径や形状等は特に限定されず、第1有機層2の厚さや上記した算術平均粗さRaの平均値を考慮して任意に選択することができる。
粒子の具体例は、有機粒子としては、ポリスチレンビーズ、メラミン樹脂ビーズ、アクリルビーズ、アクリル−スチレンビーズ、ベンゾグアナミンビーズ、ベンゾグアナミン・ホルムアルデヒド縮合ビーズ、ポリカーボネートビーズ、ポリエチレンビーズ等を挙げることができる。その有機粒子の表面は疎水性基を有していてもよい。無機粒子としては、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ゲルマニウム、酸化インジウム、酸化スズ、インジウムスズ酸化物(ITO)、酸化アンチモン、酸化セリウム等の金属酸化物粒子、フッ化マグネシウム、フッ化ナトリウム等の金属フッ化物粒子等の無機化合物粒子や、金属粒子、金属硫化物粒子、金属窒化物粒子等の金属化合物粒子を挙げることができる。また、無機粒子の表面に有機官能基が存在する有機無機複合粒子を用いてもよく、例えば、金属酸化物の場合には水酸基及びオキシ基を有し、金属硫化物の場合にはチオール基及びチオ基を有し、窒化物の場合にはアミノ基、アミド基及びイミド基を有するものを挙げることができる。
なお、粒子径は、第1有機層2の厚さとの関係も考慮されるが、通常、1nm以上、100nm以下の範囲内であることが好ましい。粒子は、凝集粒子であってもよいが、凝集粒子である場合は二次粒径が上記範囲内であればよい。また、粒子は、単一の材質や単一の平均粒径のものだけでなく、材質や平均粒径の異なるものを2種類以上組み合わせて用いてもよい。
第1有機層2の厚さは、0.05μm以上、好ましくは0.1μm以上、また、10μm以下、好ましくは5μm以下である。
(第2有機層)
第2有機層3は、図1及び図2に示すように、基材1の他方の面に設けられている。この第2有機層3は、前記した第1有機層2の硬度よりも小さい硬度を有している。さらに、この第2有機層3の表面S2について1μm四方の矩形領域で測定したときの算術平均粗さRaの平均値は5nm以下である。第2有機層3は有機化合物で構成されることから、後述する無機層4よりも当然軟らかいが、その第2有機層3の硬度を上記範囲にすることにより、硬い無機層4へのダメージを極力防ぐことができ、ガスバリア性をさらに高めることができる。
第2有機層3の硬度は、第1有機層2の硬度よりも小さければ特に限定されず、各種の測定手段で測定された硬度で評価することができる。この硬度についても、第1有機層2と同様であり、その説明も上記の第1有機層2での説明と重複するのでここではその説明を省略する。第2有機層3の硬度と、第1有機層2の硬度との相対差についても、上記の第1有機層2での説明と重複するのでここではその説明を省略する。
第2有機層3の硬度は、第1有機層2との間で上記の相対関係があればよいが、硬度の絶対値としての具体的目安としては、150N/mm以上、450N/mm以下の範囲を挙げることができる。こうした硬さ範囲の第2有機層3は、ロールトゥロールで巻き締める際であっても、第1有機層2に傷等をつけたり、無機層4に傷等をつけたりするのを抑制することができる。なお、この範囲の硬度を持つ第2有機層3は、樹脂材料の配合等によって作り分けすることができるとともに、第2有機層3の硬度よりも大きい硬度を持つ第1有機層2との差を持たせるように作り分けすることもできる。所定の硬度を持たせるための作り分けは、後述する実施例と比較例でも挙げたように、骨格構造の異なる樹脂を用いたり、同時に配合するモノマーの種類、配合量等や、架橋剤の種類、配合量等を調整したりすることにより容易に実現することができる。
図3に示すように、無機層4が設けられる前のフィルム10a(第1有機層2と第2有機層3とが設けられたフィルム10a)を巻き取る際には、この第2有機層3は第1有機層2に対して巻き締めることになる。この第2有機層3の作用効果は、上記の第1有機層2での説明と重複するのでここではその説明を省略する。
第2有機層3の表面S2について1μm四方の矩形領域で測定したときの算術平均粗さRaの平均値は5nm以下であることが望ましい。この範囲の算術平均粗さRaの平均値を持つ第2有機層表面S2を形成することにより、ロールトゥロールで巻き取る際に接触する第1有機層2の表面S1との間の滑り性が良くなり、第1有機層2の表面S1に擦り傷等を生じさせ難くすることができる。その結果、良質な表面S1を有する第1有機層2を得ることができ、その第1有機層2上に無機層4を形成できるので、ガスバリア性を高めることができる。算術平均粗さRaの平均値の下限は特に限定されないが、0.1nm程度である。この値が0.1nm未満だと、粗さが極めて小さくなり、滑り性が不十分になり、巻き取りが困難となることがある。
第2有機層3の算術平均粗さRaの平均値が5nmを超えると、その第2有機層3の表面の凹凸が大きくなり、その結果、第2有機層3に接触する第1有機層23の表面S1にその凹凸を原因とした形状転写によって、第1有機層2の算術平均粗さRaの上昇が生じることがあり、その第1有機層2上に設けられる無機層4に欠陥等が生じて緻密でなくなることがある。
第2有機層3の構成材料としては、第1有機層2と同様、従来公知のものを適宜用いればよく、例えば、ゾルゲル材料、電離放射線硬化型樹脂、熱硬化型樹脂、及びフォトレジスト材料等を挙げることができる。より具体的な材料としては、アクリレートを含む高分子化合物が汎用的なものとして挙げられるが、他には、スチレン、フェノール、エポキシ、ウレタン、ニトリル、アクリル、アミン、エチレンイミン、エステル、シリコーン、カルドポリマー、アルキルチタネート化合物、イオン高分子錯体等、光硬化又は熱硬化性のもの、高分子化合物と金属アルコキシドの加水分解生成物の混合物等を含む、高分子化合物が適宜使用される。
特に電離放射線硬化型樹脂を用いることが好ましい。より具体的には、アクリレート基やエポキシ基をもつ反応性のプレポリマー、オリゴマー、及び/又は単量体を適宜混合した電離放射線硬化型樹脂;その電離放射線硬化型樹脂に必要に応じてウレタン系、ポリエステル系、アクリル系、ブチラール系、ビニル系等の熱可塑性樹脂を混合して液状とした液状組成物のような、分子中に重合性不飽和結合を有し、紫外線(UV)や電子線(EB)を照射することにより、架橋重合反応を起こして3次元の高分子構造に変化する樹脂;等を好ましく用いることができる。
第2有機層3は、こうした樹脂を、例えば、ダイコート法、ロールコート法、ミヤバーコート法、及びグラビアコート法等の従来公知の塗布方法で塗布、乾燥、硬化させることにより形成することができる。
第2有機層3には、上記した算術平均粗さRaの平均値の範囲を外さないことを前提にして、粒子が含まれていることが望ましい。その粒子は、第2有機層3に含まれ、第2有機層3が第1有機層2や無機層4に接触する際の接触面積を減らすように機能し、滑り性を高めるように作用する。その結果、無機層4形成前のフィルム10aやガスバリアフィルム10A,10Bの滑り性が高まり、巻き取り搬送性を高めることができる。
第2有機層3に含まれる粒子が、上記の算術平均粗さRaの平均値の範囲を外さないようにするには、粒子の平均粒径が、第2有機層3の膜厚よりも大きく、且つ、第2有機層3内部での粒子の存在量が少ないことが望ましい。すなわち、第2有機層3の膜厚よりも大きい粒子を僅かに含有させることによって、1μm四方の狭い矩形領域で測定したときの算術平均粗さRaの平均値を5nm以下にすることができる。そのための粒子の平均粒径としては、第2有機層3の膜厚よりも100nm以上大きく、1000nm以上は大きくない(1000nm未満)ことが好ましく、粒子の配合量としては、樹脂100質量部に対して0.01質量部以上、0.2質量部以下の範囲内であることが好ましい。なお、小さい粒子を多く含有させると、1μm四方の狭い矩形領域で測定したときの算術平均粗さRaの平均値を5nm以下にすることができず、5nmを超えてしまう。
粒子は、有機粒子が好ましい。有機粒子は、無機粒子に比べて軟らかく、フィルムロールとして巻き取る際に、第1有機層2や無機層4に傷等をつけたりするのを抑制することができる。有機粒子としては、ポリスチレンビーズ、メラミン樹脂ビーズ、アクリルビーズ、アクリル−スチレンビーズ、ベンゾグアナミンビーズ、ベンゾグアナミン・ホルムアルデヒド縮合ビーズ、ポリカーボネートビーズ、ポリエチレンビーズ等を挙げることができる。その有機粒子の表面は疎水性基を有していてもよい。これらの有機粒子においては、粒子径や形状等は特に限定されず、第2有機層3の厚さ、上記した算術平均粗さRaの平均値、第1有機層2の表面S1や無機層4の表面S3との間の滑り性、等を考慮して任意に選択することができる。なお、粒子は、単一の材質や単一の平均粒径のものだけでなく、材質や平均粒径の異なるものを2種類以上組み合わせて用いてもよい。
第2有機層3の厚さは、0.05μm以上、好ましくは0.1μm以上、また、10μm以下、好ましくは5μm以下である。
(無機層)
無機層4は、図1〜図4に示すように、第1有機層2上に形成され、ガスバリア性を持っている。無機層4の構成材料としては、通常、無機酸化物(MO)、無機窒化物(MN)、無機炭化物(MC)、無機酸化炭化物(MO)、無機窒化炭化物(MN)、無機酸化窒化物(MO)、及び無機酸化窒化炭化物(MO)から選ばれるいずれかの材料を挙げることができる。Mとしては、珪素、亜鉛、アルミニウム、マグネシウム、インジウム、カルシウム、ジルコニウム、チタン、ホウ素、ハフニウム、バリウム等の金属元素を挙げることができる。Mは単体でもよいし2種以上の元素であってもよい。各無機化合物は、具体的には、酸化珪素、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化インジウム、酸化カルシウム、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化ホウ素、酸化ハフニウム、酸化バリウム等の酸化物;窒化珪素、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化マグネシウム等の窒化物;炭化珪素等の炭化物;硫化物;等を挙げることができる。また、これらの無機化合物から選ばれた2種以上の複合体(酸化窒化物、酸化炭化物、窒化炭化物、酸化窒化炭化物)であってもよい。また、SiOZnのように金属元素を2種以上含む複合体(酸化窒化物、酸化炭化物、窒化炭化物、酸化窒化炭化物も含む)であってもよい。
好ましいMとしては、珪素、アルミニウム、チタン等の金属元素を挙げることができる。特にMが珪素の酸化珪素からなる無機層4は、透明で高いガスバリア性を発揮し、また、窒化珪素からなる無機層4はさらに高いガスバリア性を発揮する。特に酸化珪素と窒化珪素の複合体(無機酸化窒化物(MO))であることが好ましく、酸化珪素の含有量が多いと透明性が向上し、窒化珪素の含有量が多いとガスバリア性が向上する。また、Mが珪素と亜鉛のSiOZnやMが珪素と錫のSiOSnからなる無機層4は、透明で高いガスバリア性を発揮する。
無機層4は、イオンプレーティング法、DCスパッタリング法、マグネトロンスパッタリング法、プラズマCVD法等の方法で成膜できる。無機化合物で形成された無機層4の厚さは、通常10nm以上、500nm以下の範囲内である。この範囲とすれば、ガスバリア性、フレキシビリティを確保しつつ、色味の調整もしやすくなり、生産性も確保しやすいという利点がある。
本発明では、こうした無機層4が傷やダメージ等のない平坦な第1有機層2上に設けられるので、緻密な無機層4が形成される。また、ロールトゥロールで巻かれてフィルムロールになる場合であっても、滑り性が良く軟らかい第2有機層3に接触するので、巻き締められても無機層4への傷やダメージ等の発生を防ぐことができる。その結果、高いガスバリア性を持ったガスバリアフィルムを得ることができる。
(その他の層)
ガスバリアフィルム10には、必要に応じて各種の層や部材を設けることができる。例えば、オーバーコート層、保護層、透明導電層、ハードコート層、帯電防止層、防汚層、防眩層、カラーフィルタ等から選ばれるいずれかを挙げることができる。これらのうち、オーバーコート層、保護層、透明導電層、帯電防止層、防汚層、防眩層、カラーフィルタを、ガスバリアフィルム10の構成要素として設けることが好ましい。
例えば、上記した第1有機層2と同様の平坦化層を無機層4上に形成してもよい。無機層4上に平坦化層を形成すれば、無機層4の表面が有する僅かな凹凸や突起をさらに無くして平坦面にすることができるので、特に有機EL素子や電子ペーパー素子等のディスプレイ用途に適用した場合に、僅かなムラやぎらつき等をなくすことができるという利点がある。無機層4上に形成する平坦化層については、上記した第1有機層2の構成(材料、成膜方法、厚さ等)と同じにできるのでここではその説明は省略する。
例えばオーバーコート層5は、ガスバリアフィルム上に設ける他の機能層との密着性を高めるためのプライマー機能を有してもよい。プライマー機能を持つオーバーコート層5は、重合性化合物で構成することができる。重合性化合物は、特に制限されないが、例えば、ポリウレタン系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−アクリル共重合体樹脂、塩素化ポリプロピレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ブチラール系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ニトロセルロース系樹脂、酢酸セルロース系樹脂、ウレタン−アクリル共重合体樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は、単独、又は2種以上の混合物として使用することができる。これらのうち、特にウレタン−アクリル共重合体樹脂が、柔軟性、強靭性及び弾性を兼ね備えており好ましい。なお、オーバーコート層5は、紫外線吸収剤又は光安定剤の一方又は両方を含有してもよい。
上記の平坦化層やオーバーコート層以外の機能層である透明導電層、ハードコート層、保護層、帯電防止層、防汚層、防眩層、カラーフィルタ等についての説明は省略するが、それらの層や部材については、従来公知の技術を適用できる。また、バックカバーシートの場合においては、耐加水分解層やシーラント層を設けてもよい。この説明も省略するが、それらの層についても従来公知の技術を適用できる。
[ガスバリアフィルムの製造方法]
本発明に係るガスバリアフィルム10の製造方法は、基材1の一方の面に第1有機層2が設けられ、他方の面に第1有機層2よりも硬度が小さい第2有機層3が設けられたフィルム10aを巻き取ったフィルムロール20aを準備する工程と、そのフィルムロール20aを繰り出して第1有機層2上に無機層4を形成する工程とを有している。このとき、第1有機層2の表面S1について1μm四方の矩形領域で測定したときの算術平均粗さRaの平均値は1nm以下であり、第2有機層3の表面S2について1μm四方の矩形領域で測定したときの算術平均粗さRaの平均値は5nm以下であることに特徴がある。
こうしたガスバリアフィルム10の製造方法は、第1有機層2の硬度が第2有機層3の硬度よりも大きいので、無機層4が設けられる前のフィルム10a(第1有機層2と第2有機層3とが設けられたフィルム10a)を巻き取る際に、巻き締めによって第2有機層3が第1有機層2に押し傷や擦り傷等を生じさせ難くすることができる。その結果、その後に第1有機層2上に設ける無機層4を、傷等の影響なく緻密に形成することができ、ガスバリア性を高めることができる。さらに、第1有機層2の表面S1について1μm四方の矩形領域で測定したときの算術平均粗さRaの平均値は1nm以下であるので、傷が抑制された第1有機層2上に無機層4を平坦かつ緻密に設けることができる。
(準備工程)
準備工程は、基材1の一方の面に第1有機層2が設けられ、他方の面に第1有機層2よりも硬度が小さい第2有機層3が設けられたフィルム10aを巻き取ったフィルムロール20aを準備する工程である。フィルムロール20aは、購入したものであってもよいし、自前で製造してもよい。基材1上に第1有機層2と第2有機層3のいずれを先に形成してもよいが、フィルムロール20aを自前で製造する場合には、基材1の他方の面に第1有機層2よりも硬度が小さい第2有機層3を形成し(第2有機層形成工程)、その第2有機層3を形成した後に、基材1の一方の面に第1有機層2を形成する(第1有機層形成工程)ことが好ましい。
最初に第2有機層3を基材1に形成することにより、ロールトゥロールで巻き取ってフィルムロールにする場合、第2有機層3が有する滑り性や柔らかさ等によって、第2有機層3の表面S2が基材の一方の面を擦って傷等をつけるのを抑制することができる。その結果、傷等の発生を抑制した基材1上に、第1有機層2を良好な状態で形成し、ロールトゥロールでフィルムロールにすることができる。さらに、その第1有機層2上に形成する無機層4も、傷や欠陥のない緻密な状態にすることができる。
(無機層形成工程)
無機層形成工程は、第1有機層2と第2有機層3とを基材1上に形成した後にロールトゥロールで巻き取ってフィルムロール20aにした後において、そのフィルムロール20aを繰り出して第1有機層2上に無機層4を形成する工程である。フィルムロール20aは、第1有機層2と第2有機層3との硬さの相対関係や、算術平均粗さRaの平均値を所定の範囲にしたことにより、第1有機層2上には巻き締めにより発生する擦れ傷等が抑制されているので、その第1有機層2上に緻密で良質な無機層4を形成することができる。その結果、ガスバリア性の良いガスバリアフィルムを製造することができる。
(その後の巻き取り工程)
無機層4を形成した後に巻き取ってフィルムロール20Aにする工程を有してもよい。無機層4を形成した後に巻き取ってフィルムロール20Aにする工程を有する場合においても、第2有機層3の表面S2について1μm四方の矩形領域で測定したときの算術平均粗さRaの平均値は5nm以下であるので、無機層4の表面S3に大きな凹凸を押し当てることがなく、無機層4に傷や欠陥が生じるのを防ぐことができる。その結果、高いガスバリア性を有するガスバリアフィルム10を提供できる。また、第2有機層3は有機化合物で構成されていることから、無機層4よりも当然軟らかいが、その第2有機層3の硬度を上記範囲内にすることにより、硬い無機層4へのダメージも極力防ぐことができる。その結果、ガスバリア性をさらに高めることができる。
本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例の記載に限定されるものではない。
[実施例1]
基材1として、厚さ50μmの環状オレフィンフィルム(商品名:ZF14−50,日本ゼオン株式会社)のフィルムロールを用いた。そのフィルムロールから繰り出した基材1の一方の面に、下記の硬化性樹脂組成物A1をマイクログラビアコーターを用いて硬化後の厚さが1μmになるように塗布した後に70℃で乾燥し、その直後に300mJ/cmで紫外線を照射して硬化させ、厚さ1μmの第2有機層3を有するフィルムを巻き取った。
次に、巻き取ったフィルムロールからフィルムを繰り出し、基材1のもう一方の面に、下記硬化性樹脂組成物B1をマイクログラビアコーターを用いて硬化後の厚さが3μmになるように塗布した後に70℃で乾燥し、その直後に300mJ/cmで紫外線を照射して硬化させ、厚さ3μmの第1有機層2を有するフィルムを巻き取った。
次に、巻き取ったフィルムロール20aをロールトゥロール機能を備えたスパッタリング装置内に装着した。装着したフィルムロールからフィルム20aを繰り出し、第1有機層2上に、スパッタリング法で厚さ50nmの酸化ケイ素を成膜して、無機層4を設けたガスバリアフィルムを製造し、巻き取って、実施例1のフィルムロール20Aとした。
(硬化性樹脂組成物A1)
・ウレタンポリマー(商品名:BS−371、荒川化学工業株式会社製)10質量部
・多官能モノマー(商品名:ペンタエリストールトリアクリレート、日本化薬株式会社製)10質量部
・有機ポリマー粒子(平均粒子径:2μm、商品名:FCSマット270C、株式会社DNPファインケミカル製)0.01質量部
・反応性Si微粒子(平均粒子径:30nm、商品名:SIRMIBK−H84、CIKナノテック株式会社製)1.5質量部
・低揮発光重合開始剤(商品名:EsacureOne、日本シベルヘグナー株式会社製)2質量部
・メチルイソブチルケトン 40質量部
・シクロヘキサン 40質量部
(硬化性樹脂組成物B1)
・反応性脂環骨格樹脂(商品名:M−9050、東亞合成株式会社製)20質量部
・多官能モノマー(商品名:ペンタエリストールトリアクリレート、日本化薬株式会社製)20質量部
・メトキシ系シランカップリング剤(商品名:KR−513、信越化学工業株式会社製)5質量部
・低揮発光重合開始剤(商品名:EsacureOne、日本シベルヘグナー株式会社製)2質量部
・トルエン 30質量部
・メチルエチルケトン 30質量部
[実施例2]
実施例1において、第1有機層2を形成する下記の硬化性樹脂組成物B2を用いた他は、実施例1と同様にしてガスバリアフィルムを作製して巻き取り、実施例2のフィルムロールとした。
(硬化性樹脂組成物B2)
・反応性脂環骨格樹脂(商品名:M−9050、東亞合成株式会社製)32質量部
・多官能モノマー(商品名:ペンタエリストールトリアクリレート、日本化薬株式会社製)8質量部
・メトキシ系シランカップリング剤(商品名:KR−513、信越化学工業株式会社製)5質量部
・低揮発光重合開始剤(商品名:EsacureOne、日本シベルヘグナー株式会社製)2質量部
・トルエン 30質量部
・メチルエチルケトン 30質量部
[実施例3]
実施例1において、第1有機層2を形成する下記の硬化性樹脂組成物B3を用いた他は、実施例1と同様にしてガスバリアフィルムを作製して巻き取り、実施例3のフィルムロールとした。
(硬化性樹脂組成物B3)
・反応性脂環骨格樹脂(商品名:M−9050、東亞合成株式会社製)20質量部
・多官能モノマー(商品名:ペンタエリストールトリアクリレート、日本化薬株式会社製)20質量部
・メトキシ系シランカップリング剤(商品名:KR−513、信越化学工業株式会社製)5質量部
・有機ポリマー粒子(平均粒子径:2μm、商品名:FCSマット270C、株式会社DNPファインケミカル製)0.02質量部
・低揮発光重合開始剤(商品名:EsacureOne、日本シベルヘグナー株式会社製)2質量部
・トルエン 30質量部
・メチルエチルケトン 30質量部
[比較例1]
実施例1において、第1有機層2を形成する下記の硬化性樹脂組成物B4を用いた他は、実施例1と同様にしてガスバリアフィルムを作製して巻き取り、比較例1のフィルムロールとした。
(硬化性樹脂組成物B4)
・反応性脂環骨格樹脂(商品名:M−9050、東亞合成株式会社製)20質量部
・PMMAポリマー(商品名:HRAGアクリル、株式会社DNPファインケミカル製)20質量部
・メトキシ系シランカップリング剤(商品名:KR−513、信越化学工業株式会社製)5質量部
・低揮発光重合開始剤(商品名:EsacureOne、日本シベルヘグナー株式会社製)2質量部
・トルエン 30質量部
・メチルエチルケトン 30質量部
[比較例2]
実施例1において、第1有機層2を形成する下記の硬化性樹脂組成物B5を用いた他は、実施例1と同様にしてガスバリアフィルムを作製して巻き取り、比較例2のフィルムロールとした。
(硬化性樹脂組成物B5)
・反応性脂環骨格樹脂(商品名:M−9050、東亞合成株式会社製)20質量部
・PMMAポリマー(商品名:HRAGアクリル、株式会社DNPファインケミカル製)20質量部
・メトキシ系シランカップリング剤(商品名:KR−513、信越化学工業株式会社製)5質量部
・反応性Si微粒子(平均粒子径:30nm、商品名:SIRMIBK−H84、CIKナノテック株式会社製)1.5質量部
・低揮発光重合開始剤(商品名:EsacureOne、日本シベルヘグナー株式会社製)2質量部
・トルエン 30質量部
・メチルエチルケトン 30質量部
[比較例3]
実施例1において、第2有機層3を形成する下記の硬化性樹脂組成物A2を用いた他は、実施例1と同様にしてガスバリアフィルムを作製して巻き取り、比較例3のフィルムロールとした。
(硬化性樹脂組成物A2)
・ウレタンポリマー(商品名:BS−371、荒川化学工業株式会社製)10質量部
・多官能モノマー(商品名:ペンタエリストールトリアクリレート、日本化薬株式会社製)10質量部
・有機ポリマー粒子(平均粒子径:2μm、商品名:FCSマット270C、株式会社DNPファインケミカル製)0.01質量部
・反応性Si微粒子(平均粒子径:30nm、商品名:SIRMIBK−H84、CIKナノテック株式会社製)10質量部
・低揮発光重合開始剤(商品名:EsacureOne、日本シベルヘグナー株式会社製)2質量部
・メチルイソブチルケトン 40質量部
・シクロヘキサン 40質量部
[測定]
硬度は、マルテンス硬さHMで評価した。マルテンス硬さHMの測定は、マルテンス硬さ測定装置(装置名:ピコテンターHM500、株式会社フィッシャー・インスツルメント製)を用いて行った。測定は、有機層(第1有機層2、第2有機層3)の厚さに対して10%の厚さまでプローブを差し込んで得られた結果(N/mm)で評価した。得られた結果を表1に示した。
算術平均粗さRaは、JIS B 0601に準拠し、走査型プローブ顕微鏡(装置名:Nanocute、エスアイアイ・ナノテクノロジー株式会社製)を用いて測定した。測定試料として、実施例1〜3及び比較例1〜3で無機層4を形成する前のフィルムロール20aからフィルムをサンプリングして用いた。測定は、DFMモードの大気測定にて行い、測定エリア1μm四方の矩形領域として測定した。測定箇所を5個としてそれぞれの算術平均粗さRaの値を測定し、その平均値を求めた。その結果を表1に示した。
ガスバリア性の評価は、水蒸気透過率(WVTR)で行った。水蒸気透過率の測定は、水蒸気透過率測定装置(装置名:DELTAPERM、Technolox社製)を用い、温度40℃、湿度90%RHの雰囲気下で差圧法にて、測定を開始した後、1日経過後の値で比較した。得られた結果を表1に示した。
[結果]
結果を表1に示す。表1に示すように、実施例1〜3のフィルムロールに巻かれたガスバリアフィルムは、いずれも高いガスバリア性を示した。なかでも、実施例3は、第1有機層2に有機粒子を入れた場合であっても、1μm四方の矩形領域で測定したときの算術平均粗さRaの平均値は1nm以下であり、その第1有機層2上にガスバリア性の良い無機層4を形成することができた。なお、図5は、実施例1の表面画像であり、1μm四方の矩形領域で測定したときの算術平均粗さRaの平均値は1nm以下であることを示している。
1 基材
2 第1有機層
3 第2有機層
4 無機層
5 オーバーコート層
10,10A,10B ガスバリアフィルム
10a 第1有機層と第2有機層が設けられたフィルム
20A フィルムロール(無機層が設けられている)
20a フィルムロール(無機層が設けられていない)
S1 第1有機層の表面
S2 第2有機層の表面
S3 無機層の表面
S4 オーバーコート層の表面
R 巻き方向
M 搬送方向
100 ガスバリアフィルム
101 基材
102 無機層
120 フィルムロール
S11 無機層の表面
S12 基材の表

Claims (2)

  1. 基材としてのフィルムの一方の面に第2有機層を設けた後、前記第2有機層を有するフィルムを巻き取る工程と、
    前記第2有機層を有するフィルムを繰り出し、前記基材の他方の面に第1有機層を設け、前記第1有機層及び前記第2有機層を有するフィルムを巻き取ったフィルムロールを準備する工程と、
    前記フィルムロールを繰り出して前記第1有機層上に無機酸化物、無機窒化物、無機炭化物、無機酸化炭化物、無機窒化炭化物、無機酸化窒化物、及び無機酸化窒化炭化物から選ばれる無機層を形成し、前記無機層を形成した後に巻き取る工程とを有し、
    前記第2有機層の硬度は、前記第1有機層の硬度よりも10N/mm以上小さく、かつ150N/mm 以上450N/mm 以下の範囲内であり、
    前記第1有機層の表面について1μm四方の矩形領域で測定したときの算術平均粗さRaの平均値は1nm以下であり、前記第2有機層の表面について1μm四方の矩形領域で測定したときの算術平均粗さRaの平均値は5nm以下であることを特徴とするガスバリアフィルムの製造方法。
  2. 前記第2有機層が、該第2有機層の厚さよりも大きい平均粒径の有機粒子を含む、請求項1に記載のガスバリアフィルムの製造方法。
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