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JP2019119852A - 粘着剤組成物及びそれを用いてなる粘着剤、偏光板用粘着剤、ならびに画像表示装置 - Google Patents

粘着剤組成物及びそれを用いてなる粘着剤、偏光板用粘着剤、ならびに画像表示装置 Download PDF

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JP2019119852A JP2018233039A JP2018233039A JP2019119852A JP 2019119852 A JP2019119852 A JP 2019119852A JP 2018233039 A JP2018233039 A JP 2018233039A JP 2018233039 A JP2018233039 A JP 2018233039A JP 2019119852 A JP2019119852 A JP 2019119852A
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Abstract

【課題】液晶表示装置の製造時に、偏光板(保護フィルム)と液晶セル(ガラス)との貼り合わせに用いる粘着剤として使用した際に、高温高湿条件下に曝した場合でも白化現象が起こらず、更にはリワーク性にも優れる粘着剤を形成する粘着剤組成物を提供すること。【解決手段】アクリル系樹脂(A)、アルカリ金属塩(B)、及び、構造中に反応性官能基とアルコキシ基をそれぞれ1つ以上含有し、アルコキシ基含有量が15重量%以下であるオリゴマー型シランカップリング剤(C)を含有する粘着剤組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、粘着剤組成物、及びそれを用いてなる粘着剤ならびに偏光板用粘着剤に関し、更に詳しくは湿熱環境下においても粘着剤層の白化が起こらないものであり、更にはリワーク性にも優れる粘着剤を形成する粘着剤組成物に関するものである。
従来、偏光性が付与されたポリビニルアルコール系フィルム等からなる偏光子の両面が保護フィルムで被覆された偏光板を、2枚のガラス板の間に配向した液晶成分を挟持させた液晶セルの表面に積層し、液晶表示板が製造されている。この液晶セルの表面への偏光板の積層は、偏光板表面に設けた粘着剤層を上記液晶セル面に当接し、押し付けることにより行われるのが通常である。
これらの保護フィルムと偏光子を貼り合せるための接着剤にはポリビニルアルコール系樹脂を含む接着剤が好適に使用され、具体的にはポリビニルアルコール系樹脂と架橋剤を配合してなる水溶液を偏光子上に塗布し保護フィルムを積層したのち、加熱・乾燥することで偏光板が製造されている。上記偏光板の製造工程においては、接着剤に含まれる水分が保護フィルムを透過することが好ましく、保護フィルムとして、透湿性の高いトリアセチルセルロースフィルム(TACフィルム)がこれまで好適に使用されてきた。
しかし、近年では、寸法安定性や、耐久性の観点からTACフィルムに替り、オレフィン系フィルム、特にはシクロオレフィン系フィルム(COPフィルム)が偏光子の保護フィルムとして用いられるようになってきている。
また、このような偏光板と液晶セル(ガラス基板)との貼り合わせに用いられる粘着剤には、貼り合わせ時に位置ずれや異物の噛みこみが生じた際に液晶セルから糊残りなく剥離できるリワーク性が求められている。
一方、偏光板の保護フィルムとしてシクロオレフィン系フィルム等の透湿度が低い保護フィルムを用いた場合、湿熱環境下に曝されると、常温に戻した際に結露現象により粘着剤層が白化してしまうという問題(湿熱白化現象)があった。
このような問題に対して、特許文献1には、水酸基含有モノマーを多く共重合してなるアクリル系樹脂を用いた粘着剤が耐湿熱白化性に優れていることが提案されている。また、特許文献2には、オリゴマー型シランカップリング剤を用いた粘着剤がリワーク性に優れることが提案されている。更に、特許文献3には、アクリル系粘着剤に帯電防止性能を付与する目的でアルカリ金属塩を使用した粘着剤が提案されている。
特開2013−213203号公報 特開2016−44291号公報 特表2011−51722号公報
しかしながら、上記特許文献1の開示技術のように、耐湿熱白化性を持たせるために水酸基含有モノマーのような極性基を多く用いた場合では、粘着力が高くなりすぎたり、アクリル系樹脂溶液の保存安定性が低下したりするという問題があった。また、上記特許文献2に記載の粘着剤では、使用するシランカップリング剤(シリコーンアルコキシオリゴマー)について、官能基当量とアルコキシ基量が共に幅広く規定されており、様々な種類のシランカップリング剤を用いることが可能となっているものの、シクロオレフィン系フィルムなどの透湿度が低い保護フィルムを使用した際の耐湿熱白化性には改善の余地があった。更に、上記特許文献3の開示技術では、耐湿熱白化性については一切考慮されておらず、またモノマー型シランカップリング剤を使用しているためリワーク性に劣るものであった。
そこで、本発明ではこのような背景下において、高温高湿条件下に曝した場合でも白化現象が起こらず、更にはリワーク性にも優れる粘着剤が求められており、かかる粘着剤を形成する粘着剤組成物を提供することを目的とするものである。
しかるに、本発明者はかかる事情に鑑み鋭意研究を重ねた結果、アクリル系樹脂を含む粘着剤組成物において、更にアルカリ金属塩と特定のアルコキシ基含有量を有するオリゴマー型シランカップリング剤とを併用することで、高温高湿度条件下に曝した場合でも白化が起こらず、耐湿熱白化性に優れ、更にリワーク性にも優れる粘着剤が得られることを見出し、本発明を完成した。
即ち、本発明の要旨は、アクリル系樹脂(A)、アルカリ金属塩(B)、及び、構造中に反応性官能基とアルコキシ基をそれぞれ1つ以上含有し、アルコキシ基含有量が15重量%以下であるオリゴマー型シランカップリング剤(C)を含有する粘着剤組成物に関するものである。
更には、本発明は、上記粘着剤組成物を用いてなる粘着剤、偏光板用粘着剤及び画像表示装置に関するものである。
本発明の粘着剤組成物を用いて得られる粘着剤は、高温高湿度条件下に曝した場合でも白化が起こらず、耐湿熱白化性に優れ、更にリワーク性にも優れるものである。そして、本発明の粘着剤組成物は、種々の用途、とりわけ偏光板用に好適な粘着剤を得ることができる。
本発明においては、アクリル系樹脂に、アルカリ金属塩とシランカップリング剤を含有させ、更にシランカップリング剤として、アルコキシ基含有量の比較的少ないオリゴマー型シランカップリング剤を用いることにより、アルカリ金属塩の含有でリワーク性が低下することの懸念もあったところ、その問題もなくリワーク性を維持しながら、耐湿熱白化性に優れた粘着剤組成物が得られることを見出したものである。
以下に、本発明を詳細に説明する。
なお、本発明において、(メタ)アクリルとはアクリルあるいはメタクリルを、(メタ)アクリロイルとはアクリロイルあるいはメタクリロイルを、(メタ)アクリレートとはアクリレートあるいはメタクリレートをそれぞれ意味するものである。また、アクリル系樹脂とは、少なくとも1種の(メタ)アクリル酸アルキルエステルを含む重合成分を重合して得られる樹脂である。
本発明の粘着剤組成物は、アクリル系樹脂(A)、アルカリ金属塩(B)及びオリゴマー型シランカップリング剤(C)を含有するものである。
<アクリル系樹脂(A)>
本発明で用いられるアクリル系樹脂(A)としては、(メタ)アクリル酸アルキルエステル(a1)を主成分とし、好ましくは極性基含有モノマー(a2)、必要に応じて、その他の共重合性モノマー(a3)を含有する共重合成分を共重合してなるアクリル系樹脂をあげることができる。
なお、「主成分とする」とは、共重合成分全体に対して通常50重量%以上、好ましくは60重量%以上、特に好ましくは70重量%以上含有することを意味する。
上記(メタ)アクリル酸アルキルエステル(a1)としては、例えば、アルキル基の炭素数が通常1〜20(好ましくは1〜18、特に好ましくは1〜12、更に好ましくは1〜8)のもの、好ましくは脂肪族系の(メタ)アクリル酸アルキルエステルが挙げられ、具体的には、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、iso−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、等が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし2種以上を併用してもよい。
これら(メタ)アクリル酸アルキルエステル(a1)の中でも粘着物性に優れる点、重合時の安定性に優れる点でメチルアクリレート、エチルアクリレート、n−ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレートが好ましい。
上記(メタ)アクリル酸アルキルエステル(a1)の含有量としては、アクリル系樹脂(A)中に10重量%以上が好ましく、30重量%以上が更に好ましく、50〜99.9重量%が特に好ましい。かかる含有量が少なすぎると、粘着物性や耐久性が低下する傾向にある。
また、アルカリ金属塩(B)との相溶性に優れる点で、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−ブチルアクリレートを含有していることがより好ましく、これらの含有量は10重量%以上が好ましく、30重量%以上が好ましく、40〜99.9重量%が好ましい。
次に、極性基含有モノマー(a2)について説明する。
本発明における極性基含有モノマー(a2)とは、水酸基含有モノマー、カルボキシル基含有モノマー、窒素原子含有モノマーを有する共重合可能なエチレン性不飽和モノマーを指すものであり、本発明においては、水酸基含有モノマー、カルボキシル基含有モノマー、窒素原子含有モノマーから選ばれる少なくとも1つを含有することが好ましい。
上記水酸基含有モノマーとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、5−ヒドロキシペンチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、8−ヒドロキシオクチル(メタ)アクリレート等のアクリル酸ヒドロキシアルキルエステル、カプロラクトン変性2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等のカプロラクトン変性モノマー、ジエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート等のオキシアルキレン変性モノマー、その他、2−アクリロイロキシエチル−2−ヒドロキシエチルフタル酸、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、ヒドロキシエチルアクリルアミド等の1級水酸基含有モノマー;2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−クロロ2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等の2級水酸基含有モノマー;2,2−ジメチル2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等の水酸基モノマーが挙げられる。
上記水酸基含有モノマーの中でも、架橋剤との反応性に優れる点、耐湿熱白化性が向上する点で1級水酸基含有モノマーが好ましく、重合時の安定性の点で2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートが好ましく、架橋剤との反応性が速くエージングが短くなる点で4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートを使用することが好ましい。更には2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートは、ジ(メタ)アクリレート等の不純物が少なく、製造しやすい点で好ましい。
なお、上記水酸基含有モノマーとしては、不純物であるジ(メタ)アクリレートの含有割合が、0.5%以下のものを用いることも好ましく、特に好ましくは0.2%以下、更に好ましくは0.1%以下であり、具体的には、かかる不純物量の2−ヒドロキシエチルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレートが殊に好ましい。
上記カルボキシル基含有モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、β−カルボキシエチルアクリレートなどのアクリル酸のダイマー酸等が挙げられ、中でも耐湿熱白化性の点、重合時の安定性の点で(メタ)アクリル酸が好ましい。
上記窒素原子含有モノマーとしては、例えば、アミノ基含有モノマーやアミド基含有モノマー、その他の窒素原子含有モノマー等が挙げられる。
上記アミノ基含有モノマーとしては、例えば、アミノメチル(メタ)アクリレート、アミノエチル(メタ)アクリレート等の1級アミノ基含有モノマー、t−ブチルアミノエチル(メタ)アクリレート等の2級アミノ基含有モノマー、エチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート等の3級アミノ基含有モノマー等が挙げられる。
上記アミノ基含有モノマーの中でも、架橋促進効果が高い点、樹脂の保存安定性が高い点で3級アミノ基含有モノマーが好ましい。
アミド基含有モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリルアミド;メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、エトキシメチル(メタ)アクリルアミド、プロポキシメチル(メタ)アクリルアミド、iso−プロポキシメチル(メタ)アクリルアミド、n−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、iso−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド等のアルコキシアルキル(メタ)アクリルアミド系モノマー;ジメチル(メタ)アクリルアミド、ジエチル(メタ)アクリルアミド等のジアルキル(メタ)アクリルアミド系モノマー;N−(ヒドロキシメチル)アクリルアミド等の水酸基含有アミドモノマー;(メタ)アクリロイルモルホリン等の複素環式アミドモノマー;等が挙げられる。
上記アミド基含有モノマーの中でも、樹脂溶液の安定性の点や、帯電防止剤の移行を抑制する点で(メタ)アクリロイルモルホリン、アルコキシアルキル(メタ)アクリルアミド系モノマー、ジアルキル(メタ)アクリルアミド系モノマーが好ましい。
かかる極性基含有モノマー(a2)の中でも、水酸基含有モノマー及びカルボキシル基含有モノマーを有することが架橋剤との反応性に優れる点で好ましい。
上記極性基含有モノマー(a2)の含有量としては、共重合成分全体に対して、0.1〜20重量%であることが好ましく、更に好ましくは0.2〜15重量%、特に好ましくは0.5〜10重量%である。かかる含有量が多すぎると、リワーク性が低下する傾向にあり、少なすぎると耐久性が低下する傾向にある。
また、腐食が問題となる用途においては、極性基含有モノマー(a2)として、カルボキシル基含有モノマーを含有する場合の含有量は、共重合成分全体に対して、1重量%以下であることが好ましい。
上記その他の共重合可能なエチレン性不飽和モノマー(a3)としては、例えば、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、オルトフェニルフェノキシエチル(メタ)アクリレート等の芳香環含有モノマー;シクロへキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシルオキシアルキル(メタ)アクリレート、tert−ブチルシクロヘキシルオキシエチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート等の脂環含有モノマー;2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、3−メトキシブチル(メタ)アクリレート、2−ブトキシエチル(メタ)アクリレート、2−ブトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、オクトキシポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコール−モノ(メタ)アクリレート、ラウロキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ステアロキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート等のエーテル鎖含有モノマー等が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、屈折率及び複屈折を調整しやすい点、耐光漏れ性(耐光漏れ性とは偏光板を液晶セルに貼り合わせるための粘着剤として使用した際に、高温や湿熱試験後にバックライトの光が漏れるのを防ぐ性能のことである。)に優れる点では、芳香環含有モノマーが好ましく、特に好ましくはベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレートが好ましく、屈折率及び複屈折を調整しやすく、低極性被着体(例えば、シクロオレフィン等)への接着性に優れる点では、脂環含有モノマーが好ましい。
本発明で用いられるアクリル系樹脂(A)は、(メタ)アクリル酸アルキルエステル(a1)、好ましくは更に極性基含有モノマー(a2)、その他の共重合可能なエチレン性不飽和モノマー(a3)を適宜選択して含有する重合成分を用いて、例えば、有機溶媒中に、かかる重合成分、重合開始剤を混合あるいは滴下して、重合することにより製造することができる。
上記重合反応は、溶液ラジカル重合、懸濁重合、塊状重合、乳化重合等の従来公知の重合方法により行うことができるが、これらの中でも、溶液ラジカル重合、塊状重合が好ましく、特に好ましくは溶液ラジカル重合である。
上記重合反応に用いられる有機溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、ヘキサン等の脂肪族炭化水素類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール等の脂肪族アルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類等があげられる。
これらの有機溶媒の中でも、重合反応のしやすさや連鎖移動の効果や粘着剤塗工時の乾燥のしやすさ、安全性の高さから、酢酸エチル、アセトン、メチルエチルケトン、酢酸ブチル、トルエン、メチルイソブチルケトンが好ましく用いられ、更に好ましくは、酢酸エチル、アセトン、メチルエチルケトンである。
これら有機溶媒は、単独で用いてもよいし2種以上を併用してもよい。
また、かかる溶液ラジカル重合に用いられる重合開始剤としては、例えば、通常のラジカル重合開始剤である2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリル、4,4’−アゾビス(4−シアノ吉草酸)、2,2’−アゾビス(メチルプロピオン酸)等のアゾ系開始剤、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロリルパーオキサイド、ジ−tert−ブチルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド等の有機過酸化物等が挙げられ、使用するモノマーに合わせて適宜選択して用いることができる。これらの重合開始剤は、単独で用いてもよいし2種以上を併用してもよい。
かくして得られるアクリル系樹脂(A)の重量平均分子量は、40万〜250万であることが好ましく、特に好ましくは60万〜200万、更に好ましくは80万〜180万である。かかる重量平均分子量が小さすぎると耐久性が低下する傾向があり、大きすぎると製造時に希釈溶剤が大量に必要となり、乾燥性が低下し、粘着剤層中に残溶剤が多くなり耐久性が低下する傾向がある。
上記アクリル系樹脂(A)の分散度(重量平均分子量/数平均分子量)は、10以下であることが好ましく、特に好ましくは7以下、更に好ましくは5以下である。
かかる分散度が高すぎるとリワーク性が低下したり、耐久性が低下したりする傾向がある。なお、かかる分散度の下限は通常1である。
なお、上記の重量平均分子量は、標準ポリスチレン分子量換算による重量平均分子量であり、高速液体クロマトグラフ(日本Waters社製、「Waters 2695(本体)」と「Waters 2414(検出器)」)に、カラム:Shodex GPC KF−806L(排除限界分子量:2×10、分離範囲:100〜2×10、理論段数:10,000段/本、充填剤材質:スチレン−ジビニルベンゼン共重合体、充填剤粒径:10μm)の3本直列を用いることにより測定されるものであり、数平均分子量も同様の方法で測定することができる。また分散度は重量平均分子量と数平均分子量より求められる。
上記アクリル系樹脂(A)のガラス転移温度(Tg)は、−100〜10℃であることが好ましく、特に好ましくは−70〜−10℃、更に好ましくは−65〜−15℃である。かかるガラス転移温度が高すぎるとタックが低下しやすくなる傾向があり、低すぎると耐熱性が低下する傾向がある。
なお、上記ガラス転移温度は下記のFoxの式より算出されるものである。
Tg :アクリル系樹脂(A)のガラス転移温度(K)
Tga:モノマーAのホモポリマーのガラス転移温度(K)
Wa:モノマーAの重量分率
Tgb:モノマーBのホモポリマーのガラス転移温度(K)
Wb:モノマーBの重量分率
Tgn:モノマーNのホモポリマーのガラス転移温度(K)
Wn:モノマーNの重量分率
(Wa+Wb+・・・+Wn=1)
即ち、アクリル系樹脂(A)のガラス転移温度(Tg)とは、アクリル系樹脂(A)を構成するそれぞれのモノマーをホモポリマーとした際のガラス転移温度及び重量分率をFoxの式に当てはめて算出した値である。
なお、アクリル系樹脂(A)を構成するモノマーのホモポリマーとした際のガラス転移温度は、通常、示差走査熱量計(DSC)により測定されるものであり、JIS K7121−1987や、JIS K 6240に準拠した方法で測定することができる。
上記アクリル系樹脂(A)の屈折率は、通常1.440〜1.600であり、好ましくは1.460〜1.550、特に好ましくは1.470〜1.500である。かかる屈折率は積層する部材の屈折率差を小さくすることが部材界面での光損失が小さくなり好ましい。
上記屈折率は、薄膜にしたアクリル系樹脂(A)を、屈折率測定装置(アタゴ社製「アッベ屈折計1T」)を用いてNaD線、23℃で測定した値である。
上記アクリル系樹脂(A)単層のヘイズは1.0以下であることが好ましく、特に好ましくは0.8以下、更に好ましくは0.5以下である。かかるヘイズが高すぎるとディスプレイの画質が低下する傾向にある。
ヘイズは、拡散透過率及び全光線透過率を、HAZE MATER NDH2000(日本電色工業社製)を用いて測定し、得られた拡散透過率と全光線透過率の値を下記式に代入して、算出したものである。なお、本機はJIS K7361−1に準拠している。
ヘイズ(%)=(拡散透過率/全光線透過率)×100
かくして本発明で用いられるアクリル系樹脂(A)が得られる。
<アルカリ金属塩(B)>
本発明で用いられるアルカリ金属塩(B)としては、アルカリ金属カチオンとアニオンの塩である。アルカリ金属カチオンとしては、リチウムカチオン、ナトリウムカチオン、カリウムカチオン等が挙げられる。かかるアルカリ金属カチオンの中でも、耐湿熱白化性に特に優れる点でリチウムカチオンが好ましい。
また上記アルカリ金属塩(B)のアニオンとしては、有機アニオン、無機アニオンが挙げられる。かかるアニオンの中でも、スルホニウムアニオン、イミドアニオン、フッ素含有アニオンが耐湿熱白化性に優れる点で好ましい。
上記アルカリ金属カチオンとアニオンの組み合わせとしては、例えば、N,N−ビス(フルオロスルホニル)イミドリチウム、N,N−ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドリチウム、N,N−ビス(ノナフルオロスルホニルエタン)イミドリチウム等が耐湿熱白化性に特に優れる点で好ましい。
上記アルカリ金属塩(B)の含有量としては、アクリル系樹脂(A)100重量部に対して0.1〜20重量部であることが好ましく、更に好ましくは1〜15重量部であり、特に好ましくは2〜5重量部である。かかる含有量が少なすぎると耐湿熱白化性が低下する傾向にあり、多すぎるとリワーク性や耐久性が低下する傾向にある。
<オリゴマー型シランカップリング剤(C)>
通常、シランカップリング剤とは、構造中に反応性官能基とアルコキシ基をそれぞれ1つ以上含有する有機ケイ素化合物である。
本発明では、構造中に反応性官能基とアルコキシ基をそれぞれ1つ以上含有し、アルコキシ基含有量が15重量%以下であるオリゴマー型シランカップリング剤(C)を含有するものである。
上記反応性官能基としては、例えば、エポキシ基、(メタ)アクリロイル基、メルカプト基、水酸基、カルボキシル基、アミノ基、アミド基、イソシアネート基等が挙げられる。これらの中でも、耐久性やリワーク性に優れる点で、エポキシ基、メルカプト基が好ましい。
本発明におけるアルコキシ基はアルコキシシラン由来のアルコキシ基を指し、それ以外の分子中に含まれるアルコキシ基は含まれない。
例えば、ポリエーテル変性シランのポリエーテル部の末端やポリエーテル構造はアルコキシ基として含まれない。
上記アルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロピドキシ基等が挙げられる。これらの中でも、炭素数1〜8のアルコキシ基であることが好ましく、特に好ましくは炭素数1〜2のアルコキシ基であり、具体的には、メトキシ基、エトキシ基である。
なお、オリゴマー型シランカップリング剤(C)は、反応性官能基及びアルコキシ基以外の有機置換基、例えば、アルキル基、フェニル基等を有していてもよい。
オリゴマー型シランカップリング剤(C)のアルコキシ基含有量は、15重量%以下であることが必要であり、好ましくは1〜15重量%、特に好ましくは3〜14.5重量%、更に好ましくは6〜12重量%である。かかるアルコキシ基含有量が多すぎるとリワーク性が低下する傾向にある。なお、少なすぎると耐久性が低下する傾向にある。
オリゴマー型シランカップリング剤(C)の重量平均分子量は、2,000以上であることが好ましく、特に好ましくは2,300〜30,000、更に好ましくは3,000〜20,000、更に好ましくは4,000〜18,000である。かかる重量平均分子量が上記範囲にあるとリワーク性と耐久性のバランスに優れる傾向にある。
なお、上記の重量平均分子量は、標準ポリスチレン分子量換算による重量平均分子量であり、下記の方法により測定できる。
装置:ゲル浸透クロマトグラフ
検出器:示差屈折率検出器RI(東ソー社製 RI−8020型、感度32)
カラム:TSKgel guardcolumn HHR−H(1本)(東ソー社製 φ6mm×4cm)、TSKgel GMHHR−N(2本)(東ソー社製 φ7.8mm×30cm)
溶媒:テトラヒドロフラン(THF)
カラム温度:23℃
流速:1.0mL/分
また、オリゴマー型シランカップリング剤(C)の反応性官能基当量は1600g/mol以下であることが好ましく、特に好ましくは1500g/mol以下、更に好ましくは100g/mol〜1000g/mol、殊に好ましくは150〜900g/mol、最も好ましくは300〜700g/molである。かかる官能基当量が上記範囲であれば、耐久性により優れる傾向にあり、大きすぎると粘着剤とした時にシランカップリング剤が失活して長期保存後の耐久性が低下する傾向にあり、小さすぎるとリワーク性が低下する傾向にある。
オリゴマー型シランカップリング剤(C)は、オリゴマー型のシランカップリング剤であり、言い換えると、有機ケイ素化合物の一部が加水分解して重縮合した2量体、3量体等のオリゴマー型の有機ケイ素化合物(オルガノシロキサン化合物)である。
オリゴマー型シランカップリング剤(C)としては、例えば、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン等の有機ケイ素化合物の一部が加水分解し重縮合したオリゴマー型有機ケイ素化合物(エポキシ基含有シリコーンアルコキシオリゴマー等)、或いはこれらオリゴマー型有機ケイ素化合物の一部をエーテル変性したオリゴマー型有機ケイ素化合物等の、オリゴマー型エポキシ基含有シランカップリング剤;γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン等の有機ケイ素化合物の一部が加水分解し重縮合したオリゴマー型有機ケイ素化合物(メルカプト基含有シリコーンアルコキシオリゴマー等)等の、オリゴマー型メルカプト基含有シランカップリング剤;等が挙げられる。
これらの中から、オリゴマー型シランカップリング剤の、それぞれの条件を満足するように適宜選択して用いればよい。また、上記オリゴマー型シランカップリング剤(C1)は、1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
オリゴマー型シランカップリング剤(C)として、具体的には、信越化学工業社製の市販品である、「X−24−9590」(重量平均分子量:13,700、含有アルコキシ基:メトキシ基、アルコキシ基含有量:9.5重量%、反応性官能基:エポキシ基、エポキシ当量:592g/mol)、「X−24−9589」(重量平均分子量:4,700、含有アルコキシ基:エトキシ基、アルコキシ基含有量:14.5%、反応性官能基:エポキシ基、エポキシ当量:1509g/mol)、「X−24−9579A」等が挙げられる。
これらの中でも、特に好ましくは、「X−24−9590」である。
オリゴマー型シランカップリング剤(C)の含有量は、アクリル系樹脂(A)100重量部に対して、0.001〜2重量部であることが好ましく、特に好ましくは0.005〜1重量部、更に好ましくは0.01〜0.5重量部、更に好ましくは0.015〜0.3である。かかる含有量が多すぎると、ブリードアウトして耐久性が低下する傾向があり、少なすぎるとリワーク性が低下する傾向がある。
なお、本発明の粘着剤組成物には、発明の効果を阻害しない範囲で、上記オリゴマー型シランカップリング剤(C)以外のシランカップリング剤を用いることができるが、かかるシランカップリング剤の含有量が多すぎるとブリードにより耐久性が低下する傾向がある。このため、上記オリゴマー型シランカップリング剤(C)以外のシランカップリング剤の含有量は、具体的には、アクリル系樹脂(A)100重量部に対して0.5重量部以下であることが好ましく、更に好ましくは0.3重量部以下、特に好ましくは0.1重量部以下である。
本発明の粘着剤組成物には、上記アクリル系樹脂(A)、アルカリ金属塩(B)及びシランカップリング剤(C)の他に、架橋剤(D)を含有することが好ましい。
<架橋剤(D)>
架橋剤(D)としては、例えば、イソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤、アジリジン系架橋剤、メラミン系架橋剤、アルデヒド系架橋剤、アミン系架橋剤、金属キレート系架橋剤が挙げられるが、これらの中でも基材との接着性を向上させる点やアクリル系樹脂(A)との反応性に優れる点で、イソシアネート系架橋剤を用いることが好ましい。
上記イソシアネート系架橋剤としては、例えば、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート等のトリレンジイソシアネート系架橋剤、1,3−キシリレンジイソシアネート等のキシリレンジイソシアネート系架橋剤、ジフェニルメタン−4,4−ジイソシアネート等のジフェニルメタン系架橋剤、1,5−ナフタレンジイソシアネート等のナフタレンジイソシアネート系架橋剤等の芳香族系イソシアネート系架橋剤;イソホロンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、メチルシクロヘキサンジイソシアネート、イソプロピリデンジシクロヘキシル−4,4’−ジイソシアネート、1,3−ジイソシアナトメチルシクロヘキサン、ノルボルナンジイソシアネート等の脂環族系イソシアネート系架橋剤;ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族系イソシアネート系架橋剤;及び上記イソシアネート系化合物のアダクト体、ビュレット体、イソシアヌレート体等が挙げられる。
これらイソシアネート系架橋剤のなかでも、トリレンジイソシアネート系架橋剤がポットライフと耐久性の点で好ましく、キシリレンジイソシアネート系架橋剤またはイソシアヌレート骨格含有イソシアネート系架橋剤がエージング時間短縮の点で好ましく、非芳香族非含有イソシアネート系架橋剤が耐黄変性の点で好ましい。これらの中で具体的には、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートとトリメチロールプロパンのアダクト体、及びヌレート体が、耐久性、ポットライフ、架橋速度のバランスに優れている点で好ましい。
上記エポキシ系架橋剤としては、例えば、ビスフェノールA・エピクロルヒドリン型のエポキシ樹脂、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエリスリトール、ジグリセロールポリグリシジルエーテル等が挙げられる。
上記アジリジン系架橋剤としては、例えば、テトラメチロールメタン−トリ−β−アジリジニルプロピオネート、トリメチロールプロパン−トリ−β−アジリジニルプロピオネート、N,N’−ジフェニルメタン−4,4’−ビス(1−アジリジンカルボキシアミド)、N,N’−ヘキサメチレン−1,6−ビス(1−アジリジンカルボキシアミド)等が挙げられる。
上記メラミン系架橋剤としては、例えば、へキサメトキシメチルメラミン、ヘキサエトキシメチルメラミン、ヘキサプロポキシメチルメラミン、ヘキサプトキシメチルメラミン、ヘキサペンチルオキシメチルメラミン、ヘキサヘキシルオキシメチルメラミン、メラミン樹脂等が挙げられる。
上記アルデヒド系架橋剤としては、例えば、グリオキザール、マロンジアルデヒド、スクシンジアルデヒド、マレインジアルデヒド、グルタルジアルデヒド、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒド等が挙げられる。
上記アミン系架橋剤としては、例えば、ヘキサメチレンジアミン、トリエチルジアミン、ポリエチレンイミン、ヘキサメチレンテトラアミン、ジエチレントリアミン、トリエチルテトラアミン、イソフォロンジアミン、アミノ樹脂、ポリアミド等が挙げられる。
上記金属キレート系架橋剤としては、例えば、アルミニウム、鉄、銅、亜鉛、スズ、チタン、ニッケル、アンチモン、マグネシウム、パナジウム、クロム、ジルコニウム等の多価金属のアセチルアセトンやアセトアセチルエステル配位化合物等が挙げられる。
上記架橋剤(D)は、単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
上記架橋剤(D)の含有量は、アクリル系樹脂(A)100重量部に対して、0.01〜10重量部であることが好ましく、特に好ましくは0.05〜5重量部、更に好ましくは0.08〜3重量部、殊に好ましくは0.1〜1.5重量部である。かかる含有量が少なすぎると、耐久性が低下しやすい傾向があり、多すぎると応力緩和性が低下して基板が反りやすくなったり、長時間のエージングが必要となったりする傾向がある。
更に、本発明の粘着剤組成物には、本発明の効果を損なわない範囲において、その他の成分として、樹脂成分、アクリルモノマーや、重合禁止剤、酸化防止剤、腐食防止剤、架橋促進剤、ラジカル発生剤、過酸化物、ラジカル補捉剤、帯電防止剤(但し、アルカリ金属塩を除く。)等の各種添加剤、金属及び樹脂粒子等を配合することができる。また、上記の他にも、粘着剤組成物の構成成分の製造原料等に含まれる不純物等が少量含有されたものであってもよい。
上記その他の成分の含有量は、アクリル系樹脂(A)100重量部に対して、5重量部以下であることが好ましく、特に好ましくは1重量部以下、更に好ましくは0.5重量以下である。かかる含有量が多すぎるとアクリル系樹脂(A)との相溶性が低下し耐湿熱白化性が低下する傾向にある。
かくしてアクリル系樹脂(A)、アルカリ金属塩(B)及びオリゴマー型シランカップリング剤(C)、好ましくは更に架橋剤(D)、また、必要に応じて更にその他の成分を混合することにより、本発明の粘着剤組成物を得ることができる。
なお、混合方法については、特に限定されるものではなく、各成分を一括で混合する方法や、任意の成分を混合した後、残りの成分を一括または順次混合する方法等、種々の方法を採用することができる。
本発明の粘着剤組成物は、架橋(硬化)させることにより粘着剤とすることができ、更に、かかる粘着剤からなる粘着剤層を光学部材(光学積層体)上に積層形成することにより、粘着剤層付き光学部材を得ることができる。
上記粘着剤層付き光学部材には、粘着剤層の光学部材面とは逆の面に、更に離型シートを設けることが好ましい。
上記粘着剤層付き光学部材の製造方法としては、〔1〕光学部材上に、粘着剤組成物を塗布、乾燥した後、離型シートを貼合し、常温(23℃)または加温状態の少なくとも一方でのエージングよる処理を行う方法、〔2〕離型シート上に、粘着剤組成物を塗布、乾燥した後、光学部材を貼合し、常温(23℃)または加温状態の少なくとも一方でのエージングによる処理を行う方法、等が挙げられる。これらの中でも、〔2〕の方法で、常温状態でエージングする方法が、光学部材を痛めない点、光学部材との接着性に優れる点で好ましい。
なお、上記において、光学部材としては、偏光板である場合に特に有効である。
かかるエージング処理は、粘着剤の化学架橋の反応時間として、粘着物性のバランスをとるために行うものであり、エージングの条件としては、温度は通常室温〜70℃、時間は通常1日〜30日であり、具体的には、例えば23℃で1日〜20日間、23℃で3〜10日間、40℃で1日〜7日間等の条件で行えばよい。
上記粘着剤組成物の塗布に際しては、この粘着剤組成物を溶剤に希釈して塗布することが好ましく、希釈濃度としては、固形分濃度として、好ましくは5〜60重量%、特に好ましくは10〜30重量%である。
また、上記溶剤としては、粘着剤組成物を溶解させるものであれば特に限定されることなく、例えば、酢酸メチル、酢酸エチル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル等のエステル系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤、トルエン、キシレン等の芳香族系溶剤、メタノール、エタノール、プロピルアルコール等のアルコール系溶剤を用いることができる。これらの中でも、溶解性、乾燥性、価格等の点から酢酸エチル、メチルエチルケトンが好適に用いられる。
また、上記粘着剤組成物の塗布に関しては、ロールコーティング、ダイコーティング、グラビアコーティング、コンマコーティング、スクリーン印刷等の慣用の方法により行われる。
上記方法により製造される粘着剤層のゲル分率については、耐久性能と偏光度低下抑制の点から30〜95重量%であることが好ましく、特に好ましくは35〜90重量%であり、更に好ましくは50〜85重量%である。ゲル分率が低すぎるとリワーク性が低下する傾向にあり、高すぎると浮きや剥がれが生じやすくなる傾向にある。
上記ゲル分率は、架橋度(硬化度合い)の目安となるもので、例えば、以下の方法にて算出される。すなわち、光学部材、とりわけ偏光板等の基材に粘着剤層が形成されてなる粘着シートから粘着剤をピッキングにより採取し、粘着剤を200メッシュのSUS製金網で包み、23℃に調整した酢酸エチル中に24時間浸漬し、金網中に残存した不溶解の粘着剤成分の重量百分率をゲル分率とする。
上記方法により製造される粘着剤層は、指で触れたときに程好いタック感があった方が、実際に被着体に貼る際に濡れ性が良いため、作業性が上がる傾向があり好ましい。
本発明の樹脂組成物を用いて得られる粘着剤層の電気特性としては、表面抵抗値が低いことが静電気対策として好ましく、特に好ましくは5×1012Ω以下、更に好ましくは5×1011Ω以下、殊に好ましくは1×1011Ω以下である。かかる表面抵抗値が、高すぎると、粘着剤が帯電しやすく液晶表示用途として使用した際に静電気による表示ムラが発生しやすくなる傾向にある。
本発明において、粘着剤層付き光学部材、とりわけ粘着剤層付き偏光板は、直接あるいは離型シートを有するものは離型シートを剥がした後、粘着剤層面をガラス基板に貼合して、例えば液晶表示板に供されるものである。
本発明の粘着剤のリワーク性は、剥離した際に被着体に粘着剤層が付着しないことが好ましい。また剥離する際の粘着力としては30N/25mm以下が好ましく、更に好ましくは0.1〜25N/mm、特に好ましくは0.1〜20N/mmである。粘着力が高すぎると、リワーク時に被着体を破損しやすくなる傾向がある。
上記粘着力は、つぎのようにして算出される。
粘着剤層付き偏光板について、幅25mm幅に裁断し、離型フィルムを剥離して、粘着剤層側を無アルカリガラス板(コーニング社製、「イーグルXG」)に押圧して、偏光板とガラス板とを貼合する。その後、オートクレーブ処理(50℃、0.5MPa、20分)を行った後、23℃×50%RHで24時間放置後に、引き剥がし角度180°、剥離速度300mm/分で剥離試験を行う。また長期リワーク性に関しては、オートクレーブ処理後23℃×50%RHで所定の期間放置した後に引き剥がし角度180°、剥離速度300mm/分で剥離試験を行う。
本発明の粘着剤組成物は、耐久性及び耐湿熱白化性に優れるとともに、保存安定性、リワーク性にもバランスよく優れる粘着剤を得ることができるものであり、光学部材用粘着剤、特には偏光板とガラス基板等を貼り合わせる偏光板用粘着剤として有用である。
偏光板を構成する保護フィルムとしては、トリアセチルセルロース系フィルム、アクリル系フィルム、ポリエチレン系フィルム、ポリプロピレン系フィルム、シクロオレフィン系フィルムなどがあげられ、本発明はいずれの保護フィルムを用いた偏光板に対しても好適に用いられるが、特には、シクロオレフィンフィルムを積層された偏光板が本発明の効果が得られやすい点で好ましい。
また、上記粘着剤を用いることにより、偏光板と液晶セルとを貼り合わせて画像表示装置を作製することができ、得られる画像表示装置は、精度よく作製でき、耐久性に優れるようになる。
以下、実施例をあげて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り以下の実施例に限定されるものではない。なお、例中、「部」、「%」とあるのは、重量基準を意味する。
まず、下記のようにして各種アクリル系樹脂を調製した。なお、アクリル系樹脂(A)及びシランカップリング剤(B)の重量平均分子量、分散度、ガラス転移温度に関しては、前述の方法にしたがって測定した。
なお、粘度の測定に関しては、JIS K5400(1990)の4.5.3回転粘度計法に準じて測定した。
<アクリル系樹脂(A)>
アクリル系樹脂(A)として以下のものを用意した(表1参照)。
〔アクリル系樹脂(A−1)の製造〕
還流冷却器、撹拌器、窒素ガスの吹き込み口及び温度計を備えた4ツ口丸底フラスコに、n−ブチルアクリレート(a1)71.3部、2−ヒドロキシエチルアクリレート(a2)8部、アクリル酸(a2)0.7部、ベンジルアクリレート(a3)20部、酢酸エチル53部、アセトン42部、重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.013部を仕込み、内温を沸点まで上昇させて反応を開始させた。次いでAIBNを0.04%含む酢酸エチル溶液を30部滴下し、還流温度で3.25時間反応後、酢酸エチルにて希釈してアクリル系樹脂(A−1)溶液(固形分21.3%、粘度5,440Pa・s/25℃、アクリル系樹脂(A−1);重量平均分子量127万、ガラス転移温度−42℃、分散度4.3)を得た。
〔アクリル系樹脂(A−2)の製造〕
還流冷却器、撹拌器、窒素ガスの吹き込み口及び温度計を備えた4ツ口丸底フラスコに、n−ブチルアクリレート(a1)69.3部、2−ヒドロキシエチルアクリレート(a2)10部、アクリル酸(a2)0.7部、ベンジルアクリレート(a3)20部、酢酸エチル53部、アセトン42部、重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.013部を仕込み、内温を沸点まで上昇させて反応を開始させた。次いでAIBNを0.04%含む酢酸エチル溶液を30部滴下し、還流温度で3.25時間反応後、酢酸エチルにて希釈してアクリル系樹脂(A−2)溶液(固形分21.5%、粘度6,840Pa・s/25℃、アクリル系樹脂(A−2);ガラス転移温度−41℃、重量平均分子量127万、分散度4.3)を得た。
〔アクリル系樹脂(A−3)の製造〕
還流冷却器、撹拌器、窒素ガスの吹き込み口及び温度計を備えた4ツ口丸底フラスコに、n−ブチルアクリレート(a1)91.3部、2−ヒドロキシエチルアクリレート(a2)8部、アクリル酸(a2)0.7部、酢酸エチル53部、アセトン42部、重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.013部を仕込み、内温を沸点まで上昇させて反応を開始させた。次いで2,2−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル(ADVN)を0.04%含む酢酸エチル溶液を30部滴下し、還流温度で3.25時間反応後、酢酸エチルにて希釈してアクリル系樹脂(A−3)溶液(固形分21.7%、粘度6,000Pa・s/25℃、アクリル系樹脂(A−3);ガラス転移温度−53℃、重量平均分子量139万、分散度3.5)を得た。
上記で使用したモノマーは、下記メーカーのものを使用した。
・n−ブチルアクリレート(三菱化学社製 Tg−56℃)
・2−ヒドロキシエチルアクリレート(大阪有機化学社製 Tg−15℃)
・アクリル酸(三菱化学社製 Tg106℃)
・ベンジルアクリレート(大阪有機化学社製 ビスコート#160 Tg6℃)
また、上記Tgは各モノマーのホモポリマーのTgである。
<アルカリ金属塩(B)>
アルカリ金属塩として以下のものを用意した。
(B−1)N,N−ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドリチウム(森田化学社製)
<アルカリ金属塩以外のイオン性化合物(B’)>
アルカリ金属塩以外のイオン性化合物として以下のものを用意した。
(B’−1)トリブチルメチルアンモニウム−N,N−ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド
<シランカップリング剤>
オリゴマー型シランカップリング剤及びモノマー型カップリング剤として以下のものを用意した。なお、オリゴマー型シランカップリング剤の重量平均分子量に関しては、前述の方法にしたがって測定した。また、アルコキシ基含有量、反応性官能基、エポキシ当量またはメルカプト当量、含有アルコキシ基については、断りのない限りカタログ値を採用した。
(C−1):信越化学工業社製、「X−24−9590」(重量平均分子量:13,700、アルコキシ基含有量:9.5%、反応性官能基:エポキシ基、エポキシ当量:592g/mol、含有アルコキシ基:メトキシ基)
(C−2):信越化学工業株式会社製「X−24−9589」(重量平均分子量:4,700、アルコキシ基含有量:14.5%、反応性官能基;エポキシ基、エポキシ当量:1509g/mol、含有アルコキシ基:エトキシ基)
なお、C−2のアルコキシ基量及びエポキシ当量については以下の方法により測定した値を用いた。
〔X−24−9589〕
試料約50mgをバイアル瓶に秤量し、d−クロロホルム1mLを加えて溶解させ5%(w/v)クロロホルム溶液を調製した。これをNMR測定用サンプルチューブへ入れ、以下の条件にて、1HNMR測定を行った。
≪測定条件≫
測定装置 :Bruker社製Ascend TM 400
プローブ :cryoプローブ
パルスプログラム:シングルパルス
測定温度 :23℃(296K)
積算回数 :16回
パルス遅延時間 :10sec
(C’−1):信越化学工業株式会社製、「X−41−1059A」(重量平均分子量:2,270、アルコキシ基含有量:42%、反応性官能基:エポキシ基、エポキシ当量:350g/mol、含有アルコキシ基:メトキシ基、エトキシ基)
(C’−2):信越化学工業株式会社製、「KBM−403」(モノマー型シランカップリング剤 アルコキシ基含有量:39%(構造式からの計算値)、反応性官能基:エポキシ基、エポキシ当量236.3g/mol、含有アルコキシ基:メトキシ基)
<架橋剤(D)>
架橋剤(D)として以下のものを用意した。
(D−1):トリレンジイソシアネートとトリメチロールプロパンのアダクト体(東ソー社製、「コロネートL55E」)
<実施例1〜2、比較例1〜5>
上記の成分を下記表2の通りに配合し、酢酸エチルにて固形分濃度を12.5%に調整し、粘着剤組成物を得た。
上記で得られた粘着剤組成物を用いて、下記の通り評価用サンプルを作製し、下記性能を評価した。評価結果を表3及び4に示す。
〔粘着剤層付き偏光板[I]、[II]の作製〕
得られた粘着剤組成物を厚み38μmの離型シート(三井化学東セロ社製「ルミラーSP−0138BU」)に乾燥後の厚みが25μmとなるように塗布し、100℃で3分間乾燥したのち、トリアセチルセルロース(TAC)フィルムを両面に積層した偏光板の一方のTACフィルム表面に、離型シートと反対側の粘着剤層面を貼り合わせ、23℃×50%RHの環境下で7日間エージングし、粘着剤層付き偏光板[I]を得た(層構成;離型シート/粘着剤層/TACフィルム1/偏光子/TACフィルム2)。(TACフィルム1:厚み40μm、TACフィルム2:60μm)
コロナ処理を施したシクロオレフィン系フィルム/偏光子/TAC系フィルムのCOP面と粘着剤層面を貼り合わせた以外は同様にして粘着剤層付偏光板[II]を得た。
なお、上記のTACフィルムはトリアセチルセルロースフィルム(厚み60μm)、COPフィルムはシクロオレフィンフィルム(厚み50μm)である。
粘着剤層付偏光板[I]及び粘着剤層付偏光板[II]を用いて以下の評価を行った。
〔リワーク性〕
上記で得られた粘着剤層付き偏光板[I]を25mm幅にカットし、離型シートを剥離して粘着剤層面を無アルカリガラス(コーニング社製「イーグルXG」:厚み1.1mm)に押しつけ、2kgローラーにて貼り合わせ、オートクレーブ処理(0.5MPa×50℃×20分間)を行った後、23℃×50%RHの環境下で1日、20日静置し、その後、引き剥がし角度180°、300mm/分の剥離速度で引き剥がした時の粘着力を測定し、下記基準にて評価した。
(評価基準)・1日後
◎・・・10N/25mm未満かつ糊残りなし
〇・・・10N/25mm以上30N/25mm未満かつ糊残りなし
△・・・30N/25mm以上糊残りなし
×・・・糊残り有
(評価基準)・20日後
◎・・・25N/25mm未満かつ糊残りなし
〇・・・25N/25mm以上30N/25mm未満かつ糊残りなし
△・・・30N/25mm以上糊残りなし
×・・・糊残り有
〔耐久性〕
得られた粘着剤層付き偏光板[I]及び[II]を20cm×15cmにカットし、離型シートを剥離して粘着剤層面を無アルカリガラス(コーニング社製「イーグルXG」:厚み1.1mm)に押しつけ2kgローラーにて2往復して貼り合わせたのち、オートクレーブ処理(0.5MPa×50℃×20分間)を行い、初期耐久性試験用のサンプルを作製した。
得られたサンプルについて、(1)耐熱性(80℃×500時間)の条件で暴露した後の偏光板について以下の評価を行った。
(評価基準)
○・・・偏光板の全面に発砲もしくは端部に浮きが見られない
×・・・偏光板の全面に発泡もしくは端部に浮きが見られる
〔耐湿熱白化性〕
得られた粘着剤層付き偏光板[II]を3.5cm×3.5cmにカットし、離型シートを剥離して粘着剤層面を無アルカリガラス(コーニング社製「イーグルXG」:厚み1.1mm)に押しつけ2kgローラーにて2往復して貼り合わせたのち、オートクレーブ処理(0.5MPa×50℃×20分間)を行い、耐湿熱白化性試験用のサンプルを作製した。
得られたサンプルについて、初期のヘイズを測定した。その後、60℃×90%RHの環境下に250時間暴露した後、取出し室温に放置した。そして、取り出し直後のヘイズを測定し、耐湿熱白化性を評価した。なお、ヘイズ値は1.1mm無アルカリガラスの値をブランクとして差し引いた値である。
(評価基準)・取り出し直後のヘイズ
〇・・・1%未満
×・・・1%以上
〔ゲル分率〕
得られた粘着剤層付偏光板〔I〕の離型シートを剥離し、粘着剤層面から粘着剤をピッキングしSUS製の200メッシュ金網で包んだ後、23℃に調整した酢酸エチルに24時間浸漬し、金網中に残存した不溶解の粘着剤成分の重量百分率をゲル分率(%)とした。
〔帯電防止性〕
<表面抵抗値>
上記粘着剤層付偏光板〔I〕を23℃×50%RHの雰囲気下で24時間静置した後、粘着剤層の離型シートを外し表面抵抗率測定装置(三菱化学アナリテック社製、装置名「Hiresta−UP MCP−HT450」)を用い粘着剤層の表面抵抗率(Ω/cm)を測定した。
上記結果より、極性基含有モノマーを通常より多く含むアクリル系樹脂(A)とアルカリ金属塩(B)及びアルコキシ基量が15重量%以下のオリゴマー型シランカップリング剤(C)を使用したアクリル系粘着剤組成物から得られる粘着剤を使用した実施例1及び実施例2では、リワーク性及び耐湿熱白化性に優れていることがわかる。
一方で、アルカリ金属塩を使用していない比較例1〜3ではリワーク性には優れるものの耐湿熱白化性に劣ることがわかる。またアルカリ金属塩を使用しているが、アルコキシ基量が15重量%以下のシランカップリング剤を使用していない比較例4及び5は耐湿熱白化性は優れるもののリワーク性に劣るものであった。
粘着剤層の白化現象は、高温高湿度条件下において粘着剤層に侵入した水分が常温に戻った際に結露し、更に凝集して白化すると考えられる。吸湿性の高いアルカリ金属塩を使用した場合、粘着剤中に分散したアルカリ金属塩が水分を上手く分散し白化を抑制しているものと推察される。
またアルカリ金属塩の吸湿性が高いため、アルコキシ基量が多いシランカップリング剤を使用すると、シランカップリング剤の加水分解反応によりリワーク性が低下してしまうところ、アルコキシ基量が少ないシランカップリング剤を使用することでアルカリ金属塩を使用しても過度な反応が起こらずリワーク性を維持できるものと推察される。
本発明の粘着剤組成物は、液晶表示装置の製造時に、偏光板(保護フィルム)と液晶セル(ガラス)との貼り合わせに用いる粘着剤として使用した際に、長期間にわたり優れたリワーク性を示し、かつ、シクロオレフィン系フィルムのような低極性フィルムを保護フィルムとした偏光板を用いた場合でも耐湿熱白化性に優れた粘着剤を得ることができるものであり、ディスプレイやそれを構成する光学部品を貼り合せるための光学部材用粘着剤、特に、偏光板と液晶セルのガラス基板等を貼り合わせるための偏光板用粘着剤として有用である。

Claims (9)

  1. アクリル系樹脂(A)、アルカリ金属塩(B)、及び、構造中に反応性官能基とアルコキシ基をそれぞれ1つ以上含有し、アルコキシ基含有量が15重量%以下であるオリゴマー型シランカップリング剤(C)を含有することを特徴とする粘着剤組成物。
  2. 上記オリゴマー型シランカップリング剤(C)の重量平均分子量が、2,000以上であることを特徴とする請求項1記載の粘着剤組成物。
  3. 上記アクリル系樹脂(A)が、水酸基含有モノマー、カルボキシル基含有モノマー、窒素原子含有モノマーから選ばれる少なくとも1つの極性基含有モノマー(a2)を0.1〜20重量%を含有する共重合成分を共重合してなるアクリル系樹脂であることを特徴とする請求項1または2記載の粘着剤組成物。
  4. 上記アルカリ金属塩(B)の含有量がアクリル系樹脂(A)100重量部に対して0.1〜20重量部であることを特徴とする請求項1〜3いずれか記載の粘着剤組成物。
  5. 上記オリゴマー型シランカップリング剤(C)の含有量がアクリル系樹脂(A)100重量部に対して0.001〜2重量部であることを特徴とする請求項1〜4いずれか記載の粘着剤組成物。
  6. 更に、架橋剤(D)を含有することを特徴とする請求項1〜5いずれか記載の粘着剤組成物。
  7. 請求項1〜6いずれか記載の粘着剤組成物が、架橋されてなることを特徴とする粘着剤。
  8. 請求項7記載の粘着剤を用いてなることを特徴とする偏光板用粘着剤。
  9. 請求項7記載の粘着剤で、偏光板と液晶セルを貼り合わせてなることを特徴とする画像表示装置。
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