JP3799892B2 - ベルト定着器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真技術を用いて用紙等の記録材にトナー画像を形成することのできるプリンター、ファクシミリ、複写機等の画像形成装置に用いられる定着器、より詳しくは加熱される定着ベルトを用いたベルト定着器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、電子写真技術を用いて用紙等の記録材上にトナー画像を形成する画像形成装置は、回転駆動される感光体と、この感光体に露光して表面に静電潜像を形成する露光手段と、前記静電潜像を現像してトナー画像となす現像手段と、そのトナー画像を記録材に転写させる転写手段と、この転写手段によりトナー画像が転写された記録材を通過させつつ加熱して記録材上にトナー画像を定着させる定着器とを有している。
【0003】
定着器は、通常、加熱される回転体と、これに圧接されている回転体とを有しており、これら両回転体によって、通過する記録材を挟圧しつつ加熱し、記録材上のトナー画像を記録材上に溶融定着させるようになっている。
このような定着器においては、2つの回転体に周速差があると、その挟圧部(圧接部)を通過する記録材上のトナー画像に擦れが生じて画像が乱れることから、2つの回転体とも駆動するということはなされておらず、一方の回転体のみを駆動し、他方の回転体はこれに従動させる構成が採用されている。
また、加熱される回転体がローラであると、その初期的な加熱に長時間を要することから、加熱される回転体を無端ベルト(定着ベルト)として、その初期的加熱時間を短縮したベルト定着器が知られている。
【0004】
図9はベルト定着器の第1例を示す図である(特開平9−138600号公報)。
このベルト定着器は、無端状の耐熱ベルト6と、このベルト6をその内側から支持するローラ7a,7bと、ベルト6を加熱するローラ8と、ベルト6の外周面に接する加圧ローラ9とを有しており、加圧ローラ9がモータMで矢印a方向に回転駆動され、ベルト6が加圧ローラ9に従動する。
トナー画像が形成された記録材は、ベルト6と加圧ローラ9との圧接部Nに矢印bで示すように供給され、圧接部Nを通ることでトナー画像が加熱溶融されて記録材上に定着させられる。
図10はベルト定着器の第2例を示す図である(特開平8−334997号公報)。
このベルト定着器は、回転駆動される定着ローラ2と、ヒータを内蔵した加熱ローラ3との間に定着ベルト1を巻掛け張架し、定着ベルト1を介して定着ローラ2に加圧ローラ4を圧接させ、この圧接部Nに、トナー画像Tが形成された記録材Sを図示矢印方向に通し、前記トナー画像Tを加熱溶融して記録材S上に定着させるようになっている。
また、この定着器は、記録材上のトナーが定着ベルト1の表面に転移してしまうという現象(いわゆるオフセット現象)を防止するために、定着ベルト1の表面に離型剤としてシリコーンオイル等の離型オイルを塗布するオイル塗布ローラ5を備えている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
図9に示した従来のベルト定着器では、回転駆動される加圧ローラ9とこれに従動するベルト6との圧接部Nに、比較的滑り易い記録材、例えば、合成樹脂製シートが供給されると、この滑り易い記録材の介在によって、駆動側の加圧ローラ9と記録材との間および/または記録材と従動側のベルト6との間でスリップが生じ、そのために加圧ローラ9とベルト6との間に周速差が生じ、結果として安定した定着動作がなされなくなってしまうおそれがある。
同様に、図10に示した従来のベルト定着器では、定着ローラ2で駆動されるベルト1とこれに従動する加圧ローラ4との圧接部Nに、比較的滑り易い記録材が供給されると、この滑り易い記録材の介在によって、駆動側のベルト1と記録材との間および/または記録材と従動側の加圧ローラ4との間でスリップが生じ、そのためにベルト1と加圧ローラ4との間に周速差が生じ、結果として安定した定着動作がなされなくなってしまうおそれがある。
特に、図10に示したベルト定着器では、ベルト1の表面に離型オイルが塗布されるので、上記スリップが助長される。また、ベルト1の表面に塗布されたオイルは前記圧接部Nの端部N’に徐々に侵入し、当該端部N’における定着ローラ2と加圧ローラ4との摩擦力を低減させるので、上記スリップがより一層助長されることとなる。
本発明の目的は、以上のような問題を解決し、安定した定着動作がなされるベルト定着器を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1記載のベルト定着器は、加熱される定着ベルトと、この定着ベルトに圧接される回転体とを有し、これら定着ベルトと回転体のうち一方が駆動され、他方が従動し、トナー画像が形成された記録材を、前記定着ベルトと回転体との圧接部の中央部に通して、前記トナー画像を加熱溶融し記録材上に定着させる定着器であって、
前記定着ベルトの両端部に、その周方向に沿って、高グリップ部材が設けられており、かつこの高グリップ部材が、自由状態で前記定着ベルト端部の外径よりも小さな内径を有する伸縮性を備えたエンドレスベルトで構成されているとともに,当該エンドレスベルトの半径方向に伸びる空隙ないし貫通孔によるオイル通過性を有していることを特徴とする。
請求項2記載のベルト定着器は、請求項1記載のベルト定着器において、前記定着ベルトの表面に離型オイルを塗布するオイル塗布手段が設けられていることを特徴とする。
請求項3記載のベルト定着器は、請求項1または2記載のベルト定着器において、前記高グリップ部材が、オイル吸収性を有する接着層を介してベルトの両端部に固着されていることを特徴とする。
【0007】
【作用効果】
請求項1記載のベルト定着器によれば、トナー画像が形成された記録材が、一方が駆動され他方が従動する、加熱される定着ベルトとこの定着ベルトに圧接される回転体との圧接部の中央部を通過することにより、前記トナー画像が加熱溶融されて記録材上に定着させられる。
そして、前記定着ベルトの両端部には、その周方向に沿って、高グリップ部材が設けられているので、定着ベルトの両端部には、前記回転体に対する高グリップ部が形成されることとなる。
したがって、上記定着ベルトと回転体との圧接部の中央部に、比較的滑り易い記録材が供給され、この滑り易い記録材の介在によって、駆動側の定着ベルト(または回転体)と記録材との間および/または記録材と従動側の回転体(または定着ベルト)との間でスリップが生じそうになったとしても、前記高グリップ部の作用によって駆動側の定着ベルト(または回転体)に対する従動側の回転体(または定着ベルト)の従動性が向上し、定着ベルトと回転体とが略同一の周速で回転することとなる。このため、上記スリップが防止され(少なくとも著しく生じ難くなり)、結果として安定した定着動作がなされることとなる。したがってまた、記録材上のトナー画像に擦れが生じにくくなって画像乱れがほとんど生じなくなる。
しかも、前記高グリップ部は、自由状態で前記定着ベルト端部の外径よりも小さな内径を有する伸縮性を備えたエンドレスベルトで構成されているので、定着ベルトの端部に対して高グリップ部材が伸縮してフィットし、定着ベルトの端部に対して良好に沿った状態の高グリップ部を形成することができる。
また、例えば高グリップ部材を定着ベルトの両端部に巻き付けて固着した場合には、その継ぎ目から高グリップ部材が剥がれやすくなるというおそれがあるが、この請求項1記載の構成によれば、そのようなおそれがなくなるとともに高グリップ部材が定着ベルト端部の補強材としての役割も果たすこととなるので、機械的信頼性が向上する。結果として、定着ベルトを薄く構成することが可能となるので、画像を形成しているトナーのその付着量に応じた凹凸に対する定着ベルトの追従性が向上し、定着強度ないし定着の均一性が向上することとなる。さらにまた、定着ベルトの熱容量が小さくなるので、より急速な加熱が可能となる。
請求項2記載のベルト定着器によれば、請求項1記載のベルト定着器において、前記高グリップ部材が布で構成されているので、その高グリップ部材の表面は、布を形成する糸体(織られまたは編まれ等した糸体)によって細かな凹凸状となり、この凹凸は前記表面に略均一に広がった状態となる。
したがって、定着ベルトの両端部における駆動伝達で発生する振動および速度変動が非常に少なくなり、結果としてスムーズな駆動伝達がなされることとなる。
また、前記凹凸は、糸体で形成されるので、その凸部は丸みをおびている。したがって、回転体における応力集中が軽減され、回転体の耐久性が向上することとなる。
さらに、高グリップ部材を、例えば凹凸を有するフィルムやゴム部材等で構成した場合に比べて、強度的(特に剪断力に対する強度)にも優れたものとなる。
すなわち、高グリップ部材が例えばフィルムやゴム部材等で構成されている場合には、その端縁部に剪断力が加わると、先ず、端縁部にクラックが入り、次いでこれが急速に伝播拡大して裂けてしまうが、高グリップ部材が布で構成されている場合には、端縁部の繊維にクラックが入ってこれが破断しても、この破断が伝播するということがなく、1本の繊維破断にとどまることとなる。
したがってまた、例えば、定着ベルトの蛇行を、定着ベルトが張架されるローラのフランジ(ガイドリング)の内側面にベルトの端縁部を当接させて規制しようとする場合には、ベルトの端縁部に作用する剪断力が大きなものとなるが、定着ベルトの両端部に布で構成された高グリップ部材が設けられていると、高グリップ部材の破断が生じ難くなるとともに、ベルト全体への破断の伝播も生じ難くなる。
請求項3記載のベルト定着器によれば、請求項1または2記載のベルト定着器において、前記定着ベルトの表面に離型オイルを塗布するオイル塗布手段が設けられているので、オフセット現象が生じ難くなる。
前述したように、定着ベルトの表面に離型オイルが塗布される構成とすると、このオイルが定着ベルトと回転体との圧接部の端部に徐々に侵入して行くこととなるが、この請求項3記載のベルト定着器によれば、定着ベルトの両端部に、高グリップ部材が設けられているとともに、この高グリップ部材がオイル吸収性を有しているので、前記圧接部の端部に侵入していったオイルは、高グリップ部材によって吸収されることとなる。
したがって、定着ベルト両端部の表面、すなわち高グリップ部材の表面に存在するオイルの量は僅かなものとなり、結果として圧接部両端におけるグリップ力が確保され、上記スリップが防止されて(少なくとも著しく生じ難くなって)、安定した定着動作がなされることとなる。
すなわち、この請求項3記載のベルト定着器によれば、定着ベルトの表面に離型オイルを塗布するものであるにもかかわらず、安定した定着動作を得ることが可能となる。
請求項4記載のベルト定着器によれば、請求項1または2記載のベルト定着器において、前記定着ベルトの表面に離型オイルを塗布するオイル塗布手段が設けられているので、オフセット現象が生じ難くなる。
また、定着ベルトの両端部に、高グリップ部材が設けられているとともに、この高グリップ部材がオイル吸収性およびベルト周方向へのオイル流動性を有する材料で構成されているので、前記圧接部の端部に侵入していったオイルは、前記高グリップ部材によって吸収されることとなる。
したがって、定着ベルト両端部の表面、すなわち高グリップ部材の表面に存在するオイルの量は僅かなものとなり、結果として圧接部両端におけるグリップ力が確保され、上記スリップが防止されて(少なくとも著しく生じ難くなって)、安定した定着動作がなされることとなる。
すなわち、この請求項4記載のベルト定着器によれば、定着ベルトの表面に離型オイルを塗布するものであるにもかかわらず、安定した定着動作を得ることが可能となる。
しかも、前記高グリップ部材がベルト周方向へのオイル流動性を有する材料で構成されているので、仮に高グリップ部材がオイルで飽和状態となったとしても、この高グリップ部材内に吸収されたオイルは、前記圧接部においては、その圧接力によってベルト周方向において当該圧接部以外の部位へと排除されることとなる。
したがって、仮に高グリップ部材がオイルで飽和状態となったとしても、圧接部においては、定着ベルト両端部の表面に存在するオイルの量が僅かなものとなり、結果として圧接部両端におけるグリップ力が確保され、上記スリップが防止されて(少なくとも著しく生じ難くなって)、安定した定着動作がなされることとなる。
請求項5記載のベルト定着器によれば、請求項1,2,3,または4記載のベルト定着器において、前記定着ベルトの表面に離型オイルを塗布するオイル塗布手段が設けられているので、オフセット現象が生じ難くなる。
また、定着ベルトの両端部に、高グリップ部材が設けられているとともに、この高グリップ部材がオイル通過性を有しており、かつオイル吸収性を有する接着層を介してベルトの両端部に固着されているいるので、前記圧接部の端部に侵入していったオイルは、前記高グリップ部材を経て前記接着層によって吸収されることとなる。
したがって、定着ベルト両端部の表面に存在するオイルの量は僅かなものとなり、結果として圧接部両端におけるグリップ力が確保され、上記スリップが防止されて(少なくとも著しく生じ難くなって)、安定した定着動作がなされることとなる。
すなわち、この請求項5記載のベルト定着器によれば、定着ベルトの表面に離型オイルを塗布するものであるにもかかわらず、安定した定着動作を得ることが可能となる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
<第1の実施の形態>
図1は本発明に係るベルト定着器の第1の実施の形態を示す概略側面図、図2は主要部の概略斜視図である。
【0009】
この定着器100は、加熱される定着ベルト110と、この定着ベルト110に圧接される回転体としての加圧ローラ120とを有し、トナー画像(図示せず)が形成された記録材Sを、矢印S1で示すように定着ベルト110と加圧ローラ120との圧接部Nの中央部N1に通して、トナー画像を加熱溶融し記録材S上に定着させるようになっている。
この実施の形態の定着器100は、前記圧接部Nにおいて定着ベルト110を内方から支持するバックアップ部材としてのバックアップローラ130と、定着ベルト110を加熱する加熱手段としての加熱ローラ140とを有しており、定着ベルト110は、バックアップローラ130と加熱ローラ140との間に張架されている。
150はオイル塗布手段としてのオイル塗布ローラであり、定着ベルト110の表面に離型オイルを塗布するようになっている。
【0010】
これら定着ベルト110および各ローラを回転させるための駆動ローラとしては、オイル塗布ローラ150以外のローラであればどのローラを用いることもできるが、この実施の形態では、加圧ローラ120を駆動ローラとして用いている。
すなわち、加圧ローラ120は、図示しない駆動手段によって図1の矢印方向(反時計方向)に回転駆動され、バックアップローラ130、定着ベルト110、加熱ローラ140、およびオイル塗布ローラ150が従動するようになっている。具体的には、加圧ローラ120に対して定着ベルト110およびバックアップローラ130が圧接されていることにより、定着ベルト110およびバックアップローラ130が加圧ローラ120に従動し、定着ベルト110が加熱ローラ140に巻き掛けられていることにより、加熱ローラ140が定着ベルト110に従動し、定着ベルト110に対してオイル塗布ローラ150が圧接されていることにより、オイル塗布ローラ150が定着ベルト110に従動するようになっている。
図1において、111はバックアップローラ130への巻掛け部における定着ベルト110の表面温度を検出するためのサーミスタである。このサーミスタ111は加圧ローラ120との圧接部Nの上流側に設けられている。
【0011】
バックアップローラ130は、金属製の芯材131と、この芯材131の表面に設けられた比較的肉厚の弾性層132とを有しており、芯材131の軸131aで定着器100のフレームの側板101に対して回転可能に支持されている。加熱ローラ140は、熱伝導性に優れた材料(例えばアルミニウム)でパイプ状に形成されており、その内部に熱源であるハロゲンランプ141が配置されている。この加熱ローラ140は、定着ベルト110の巻掛け部において定着ベルト110を急速に加熱することが可能である。この実施の形態の加熱ローラ140はテンションローラとして構成されており、図示しない適宜の付勢手段で定着ベルト110の張り方向に付勢されている。なお、図1において、143は加熱ローラ140の温度を検出するためのサーミスタである。
【0012】
加圧ローラ120は、パイプ状の熱伝導性に優れた芯材121と、この芯材121の表面に設けられた比較的肉薄で前記バックアップローラ130の弾性層132よりは硬い弾性層122と、この弾性層122の表面に形成された、記録材およびトナーに対する剥離性に優れた表層122aとを備え、芯材121の内部に熱源であるハロゲンランプ123が配置されている。
加圧ローラ120は、定着器100のフレーム側板101に対して回転可能に支持されており、この定着器100が取り付けられる画像形成装置本体(図示せず)に設けられた図示しない駆動手段によって図1の矢印方向(反時計方向)に回転駆動される。なお、加圧ローラ120は、その半径方向へは移動不能に取り付けられており、弾性層122および前記バックアップローラ130の弾性層132の弾性力で、定着ベルト110を介してバックアップローラ130に圧接されている。その圧接部Nは、バックアップローラ130の弾性層132が加圧ローラ120の弾性層122よりも肉厚で柔らかいことから、バックアップローラ130側に凸状に形成される。図1において、124は加圧ローラ120の表面温度を検出するためのサーミスタである。
【0013】
フレーム101には、図示しない画像形成装置の転写部でトナー画像が形成(転写)された記録材Sを定着ベルト110と加圧ローラ120との圧接部(ニップ部)Nの中央部N1に導く、ガイド102が設けられている。また、圧接部Nの下流側には、排紙ローラ対103と、定着後の記録材Sを図示しない画像形成装置の排紙経路に導くガイド104とが設けられている。なお、上記各サーミスタは、図示しない画像形成装置の制御部に接続されており、各サーミスタからの検出温度に応じ、制御部によって前記各熱源123,141への通電量が制御されるようになっている。
【0014】
この実施の形態の主な特徴は定着ベルト110の構造にあるので、それについて説明する。
図3(a)は定着ベルト110(バックアップローラ130と加熱ローラ140との間に張架される前の状態の定着ベルト110)の端部の分解斜視図、(b)はその側面図、(c)は端部の斜視図、(d)はその側面図である。
図4(a)は定着ベルト110の部分省略断面図(図3(c)におけるIVa−IVa断面図)、(b)(c)はそれぞれ図(a)の部分拡大図である。
【0015】
定着ベルト110は耐熱性のベルトであり、無端状のベルト基体112と、このベルト基体112の幅方向(図2において左右方向であり各ローラの軸線方向)における中央部112aの表面に被覆された表層113とを備えており、両端部112bには、その周方向に沿って高グリップ部材Gが設けられている。
ベルト基体112は、例えば導電性を有するポリイミドで構成する。
表層113は、ベルト基体112の幅方向における中央部112aに高離型材料(記録材およびトナーに対する剥離性に優れた材料であり、例えばシリコーンゴム)をコーティングすることによって形成してある。
この実施の形態における高グリップ部材Gは、図4に示すような布で構成されている。ここでいう布には、横糸114aと縦糸114bとで織るまたは編んだもの(網状体を含む)の他、図5に示すような不織布も含まれる。
糸体(横糸および縦糸)114は、図4(b)に示すように単線(例えばいわゆるモノフィラメント)で構成してもよいし、図4(c)に示すように複数本の細線114cの集合体(例えばいわゆるマルチフィラメント)で構成してもよい。いずれにしても、糸体114の材料としては、アラミド、ポリイミド、ガラス繊維、PET(ポリエチレンテレフタレート)等を用いることができる
図4(b)に示すように糸体114を単線で構成した布の場合でも、糸体114同士の隙間C1にオイルが保持され得るので、この布Gはオイル吸収性を有することとなるが、図4(c)に示すように糸体114を複数本の細線の集合体で構成すると、糸体114自体の内部にもオイルが吸収されることとなるので、オイル吸収性を高めるには糸体114を複数本の細線の集合体で構成することが望ましい。少なくとも横糸114a、縦糸114bのうちいずれか一方は、複数本の細線の集合体で構成することが望ましい。
また、前記隙間C1は、図4(a)において上下方向に開いているとともに、ベルト周方向(図4において紙面と直交する方向)においても連通しているので、この布Gはオイル通過性を有しているとともに、ベルト周方向へのオイル流動性を有している。
布Gとしては、図5に示すような、不織布(例えばノーメック不織布)を用いることもできる。不織布もオイル吸収性および、ベルト周方向へのオイル流動性を有している。
なお、図3、図4、図5において、115は高グリップ部材Gをベルト基体112に固着している接着層(例えば接着剤)である。
この実施の形態では、高グリップ部材G(図3参照)を、自由状態で定着ベルト端部112bの外径よりも小さな内径を有する伸縮性を備えたエンドレスベルト状に構成し、この高グリップ部材Gを、図3(a)(b)に示すように、その伸縮性を利用してベルト基体112の端部112bの外径よりも多少広げた状態で前記端部112bに接着層115を介して図(c)(d)に示すように装着し、高グリップ部材Gを、その収縮性および接着層115でベルト基体112の端部112bに固着してある。
【0016】
この実施の形態による定着器100によれば、次のような作用効果が得られる。
(a)トナー画像が形成された記録材Sが、一方が駆動され他方が従動する、加熱される定着ベルト110とこの定着ベルト110に圧接される回転体としての加圧ローラ120との圧接部Nの中央部N1を通過することにより、前記トナー画像が加熱溶融されて記録材S上に定着させられる。また、定着ベルト110の表面に離型オイルを塗布するオイル塗布手段150を備えているので、オフセット現象が生じ難くなる。
そして、前記定着ベルト110の両端部には、その周方向に沿って高グリップ部材Gが設けられているので、この高グリップ部材Gによって、定着ベルト110の両端部には、加圧ローラ120に対する高グリップ部が形成されることとなる。
したがって、上記定着ベルト110と加圧ローラ120との圧接部Nの中央部N1に、比較的滑り易い記録材Sが供給され、この滑り易い記録材Sの介在によって、駆動側の加圧ローラ120と記録材Sとの間および/または記録材Sと従動側の定着ベルト110との間でスリップが生じそうになったとしても、前記高グリップ部(G)の作用によって駆動側の加圧ローラ120に対する従動側の定着ベルト110の従動性が向上し、定着ベルト110と加圧ローラ120とが略同一の周速で回転することとなる。このため、上記スリップが防止され(少なくとも著しく生じ難くなり)、結果として安定した定着動作がなされることとなる。したがってまた、記録材S上のトナー画像に擦れが生じにくくなって画像乱れがほとんど生じなくなる。
しかも、高グリップ部材Gは、自由状態で定着ベルト110端部の外径よりも小さな内径を有する伸縮性を備えたエンドレスベルトで構成されているので、定着ベルト110の端部112bに対して高グリップ部材Gが伸縮してフィットし、定着ベルト110の端部112bに対して良好に沿った状態の高グリップ部を形成することができる。
また、例えばテープ状の高グリップ部材を定着ベルト110の両端部に巻き付けて固着した場合には、その継ぎ目(巻き付け始端部と終端部との間)から高グリップ部材が剥がれやすくなるというおそれがあるが、この実施の形態の構成によれば、そのようなおそれがなくなるとともに高グリップ部材Gが定着ベルト端部の補強材としての役割も果たすこととなるので、機械的信頼性が向上する。結果として、定着ベルト110を薄く構成することが可能となるので、画像を形成しているトナーのその付着量に応じた凹凸に対する定着ベルト110の追従性が向上し、定着強度ないし定着の均一性が向上することとなる。さらにまた、定着ベルト110の熱容量が小さくなるので、より急速な加熱が可能となる。
またさらに、前記高グリップ部は、定着ベルト110の両端部に、その周方向に沿って高グリップ部材Gを固着するだけで構成することができるので、例えばベルト110の端部自体を、これが高グリップ部となるように加工する場合に比べて定着ベルト110の製造が簡単になる。
(b)高グリップ部材Gは布で形成されているので、その高グリップ部の表面G4(図4参照)は、布を形成する糸体114によって細かな凹凸状となり、この凹凸は前記表面G4に略均一に広がった状態となる。
したがって、定着ベルト110の両端部における駆動伝達で発生する振動および速度変動が非常に少なくなり、結果としてスムーズな駆動伝達がなされることとなる。
また、前記凹凸は、糸体114で形成されるので、その凸部は丸みをおびている。したがって、加圧ローラ120における応力集中が軽減され、加圧ローラ120の耐久性が向上することとなる。
さらに、前記高グリップ部を、例えば凹凸を有するゴム部材等で構成した場合に比べて、強度的(特に剪断力に対する強度)にも優れたものとなる。
すなわち、高グリップ部材Gが例えばフィルムやゴム部材等で構成されている場合には、その端縁部に剪断力が加わると、先ず、端縁部にクラックが入り、次いでこれが急速に伝播拡大して裂けてしまうが、高グリップ部材が布で構成されている場合には、端縁部の繊維(糸体)114にクラックが入ってこれが破断しても、この破断が伝播するということがなく、1本の繊維破断にとどまることとなる。
したがってまた、例えば、定着ベルト110の蛇行を、定着ベルト110が張架されるローラのフランジ(例えば図2に示す加熱ローラ140のガイドリング145)の内側面(145a)にベルトの端縁部を当接させて規制しようとする場合には、ベルトの端縁部に作用する剪断力が大きなものとなるが、定着ベルト110の両端部に布で構成された高グリップ部材Gが設けられていると、高グリップ部材Gの破断が生じ難くなるとともに、ベルト110全体への破断の伝播も生じ難くなる。
(c)高グリップ部材Gはオイル吸収性を有しているので、さらに次のような作用効果が得られる。
すなわち、定着ベルト110の表面に離型オイルが塗布される構成であると、前述したように、オイルが定着ベルト110と加圧ローラ120との圧接部Nの端部N2に徐々に侵入して行くこととなるが、このベルト定着器100によれば、定着ベルト110の両端部に、その周方向に沿って高グリップ部材Gが設けられており、この高グリップ部材Gが、オイル吸収性を有しているので、前記圧接部の端部N2に侵入していったオイルは、高グリップ部材Gによって吸収されることとなる。
したがって、定着ベルト両端部の表面、すなわち高グリップ部をなす高グリップ部材Gの表面G4(図4参照)に存在するオイルの量は僅かなものとなり、結果として圧接部両端におけるグリップ力が確保され、上記スリップが防止されて(少なくとも著しく生じ難くなって)、安定した定着動作がなされることとなる。
すなわち、このベルト定着器100によれば、定着ベルト110の表面に離型オイルを塗布するものであるにもかかわらず、安定した定着動作を得ることが可能となる。
(d)高グリップ部材Gが、ベルト周方向へのオイル流動性を有しているので、仮に高グリップ部材Gがオイルで飽和状態となったとしても、この高グリップ部材G内に吸収されたオイルは、前記圧接部N2(図2参照)においては、その圧接力によってベルト周方向(図4の紙面と直交する方向)において当該圧接部N2以外の部位へと排除されることとなる。
したがって、仮に高グリップ部材Gがオイルで飽和状態となったとしても、圧接部においては、定着ベルト110両端部の高グリップ部をなす高グリップ部材Gの表面G4に存在するオイルの量が僅かなものとなり、結果として圧接部両端N2におけるグリップ力が確保され、上記スリップが防止されて(少なくとも著しく生じ難くなって)、安定した定着動作がなされることとなる。
【0017】
<第2の実施の形態>
図6は本発明に係るベルト定着器の第2の実施の形態の要部を示す図で、(a)は定着ベルト110部分平面図、(b)(c)はそれぞれ図(a)におけるb−b断面図である。同図において、上記第1の実施の形態と同一部分ないし相当する部分には同一の符号を付してある。
この実施の形態の特徴は、オイル吸収性およびベルト周方向(図6(a)において上下方向(矢印Y1,Y2方向))へのオイル流動性を有する高グリップ部材Gを、図(a)(b)に示すように、ベルト面と直交する方向(図(b)において上下方向)、横方向(図(a)において左右方向)、および縦方向(図(a)において上下方向)に伸びる微細な空隙C2を有する合成樹脂製の耐熱テープで構成し、または、図(c)に示すように、連泡多孔質材料(例えばシリコーン製スポンジ)で構成した点にある。図(c)において連泡孔部をC3で示してある。
図(a)(b)に示したような合成樹脂製の耐熱テープも、上記微細空隙C2の作用によって、オイル吸収性およびベルト周方向へのオイル流動性を有している。
また、図(c)に示したような連泡多孔質材料も、上記連泡孔部C3の作用によって、オイル吸収性およびベルト周方向へのオイル流動性を有している
したがって、この実施の形態によっても、第1の実施の形態による(a)(c)(d)と同様の作用効果が得られる。
すなわち、高グリップ部材Gがオイル吸収性およびベルト周方向へのオイル流動性を有する材料で構成されているので、仮に高グリップ部材Gがオイルで飽和状態となったとしても、この高グリップ部材G内に吸収されたオイルは、前記圧接部N2においては、その圧接力によって図(a)に矢印Y1,Y2で示すようにベルト周方向において当該圧接部N2以外の部位へと排除されることとなる。
したがって、仮に高グリップ部材Gがオイルで飽和状態となったとしても、圧接部N2においては、定着ベルト両端部の表面すなわち高グリップ部材Gの表面G4に存在するオイルの量が僅かなものとなり、結果として圧接部両端N2におけるグリップ力が確保され、上記スリップが防止されて(少なくとも著しく生じ難くなって)、安定した定着動作がなされることとなる。
【0018】
<第3の実施の形態>
図7、図8は本発明に係るベルト定着器の第3の実施の形態の要部を示す図である。これらの図において、上記第1、第2の実施の形態と同一部分ないし相当する部分には同一の符号を付してある。
この実施の形態の特徴は、高グリップ部材Gが、オイル通過性を有しており、かつオイル吸収性を有する接着層116を介してベルトの両端部112bに固着されている点にある。
具体的には、例えば、図7(a)(b)に示すように、布からなる高グリップ部材Gを、オイル吸収性を有する接着層(例えばシリコーン系接着剤)116を介してベルトの両端部112bに固着する。
または、図8(a)に示すように、微細な空隙C2を有する合成樹脂製の耐熱テープ(図6(a)(b)に示したテープ)からなる高グリップ部材Gを、上記接着層116を介してベルトの両端部112bに固着する。
あるいはまた、図8(b)(c)に示すように、多数の貫通孔C4を有する合成樹脂製の耐熱テープからなる高グリップ部材Gを、上記接着層116を介してベルトの両端部112bに固着する。
なお、図5に示した不織布、あるいは図6(c)に示した連泡多孔質材料もオイル通過性を有しているので、これらを上記接着層116を介してベルトの両端部112bに固着してもよい。
この実施の形態によっても、第1の実施の形態による(a)と同様の作用効果が得られる。
また、この実施の形態によれば、前記圧接部Nの端部N2に侵入していったオイルは、布Gを経て前記接着層116によって吸収されることとなる。
したがって、定着ベルト両端部の表面G4に存在するオイルの量は一層僅かなものとなり、結果として圧接部両端におけるグリップ力が良好に確保され、上記スリップが防止されて(少なくとも著しく生じ難くなって)、より安定した定着動作がなされることとなる。
なお、図7のものによれば、第1の実施の形態による(b)〜(d)と同様の作用効果が得られ、図8(a)のもによれば、第1の実施の形態による(c)(d)と同様の作用効果が得られる。
【0019】
【実施例】
さらなる具体例について説明する。
(定着ベルト110に関し)
構造はシームレスベルトとし、ベルト基体112は導電性を有するポリイミドからなる無端ベルト状シートで構成する。ベルト基体112の厚さは150μm程度とする。
ベルト基体112の幅は、392mm程度とし、その中央部にのみシリコーンゴムを200μm程度の厚さでコーティングして表層113を形成し、両端部に幅27mm程度の露出部112bを形成する。この露出部112bに高グリップ部材Gを設ける
ベルト基体112の内径はφ60mm程度とする。
【0020】
(加圧ローラ120に関し)
構造は両端部に中空軸部125(図2参照)を有する鉄(SUM24)製の外径φ32mm程度、内径φ22程度のパイプ部121の外周面に弾性層122としてシリコーンゴムを、さらにその外周面に表面層122aとしてフッ素樹脂を被覆した構造とする。
弾性層122のゴム硬度はJIS−A20°程度とし、層厚は1.5mm程度とする。
表面層122aは、フッ素ラテックス塗料を塗布した後、熱硬化させたフッ素ラテックス被膜とする。層厚は60μm程度とする。
中空部に設けるハロゲンランプ123の発熱量は100Vで230W程度とする。
加圧ローラ120の外径は35.2mm程度とする。
軸部124を含むローラ幅(軸線方向長さ)は444.3mm程度とする。
バックアップローラ130に対する押圧荷重は軸部125,125にかけ、片側60Kg(両端総荷重120Kg)程度とする。尚、バックアップローラ130及び加圧ローラ120はフレーム101に定位置固定(軸間距離一定)され、特別の押圧手段は設けない。押圧荷重は、両ローラ120,130の外径の和よりも軸間距離が短くなるようにフレーム101に両ローラ120,130が固定されることにより、両ローラが互いに食い込むことにより生じる。ローラへの荷重作用位置はフレームへの固定位置であり、軸124の軸受であるベアリング(図示せず)の位置となる。
定着ベルト110との圧接部Nの周方向長さL2は11mm程度とする。
【0021】
(バックアップローラ130に関し)
構造は両端部にφ10程度の軸部131aを有するφ26程度の中実の鉄(SUM24)製ローラの外周面に弾性層132としてシリコーンゴムを、さらにその外周面に表面層132aとしてPFA(4弗化エチレン・パーフルオロアルコキシエチレン共重合体)を被覆したものとする。
バックアップローラ130の外径は38.5mm程度とし、軸部131aを除くローラ幅は398mm程度とする。
弾性層132の層厚は6.25mm程度とする。ゴム硬度はJIS−A10゜程度とする。
表面層132aは熱収縮性PFA樹脂チューブを用いる。被覆後の層厚は110μm程度とする。
【0022】
(加熱ローラ140に関し)
構造は両端部にφ20程度の軸部144を有する、外径φ28程度、肉厚3mm程度のパイプ状アルミニウム製ローラとする。
軸部144を除くローラ幅は393mm程度とする。
ローラ中空部に配置される発熱手段141はハロゲンランプとする。その発熱量は100Vで695W程度とする。
【0023】
(オイル塗布ローラ150に関し)
構造はφ10mm程度の鉄(SUM24)製シャフト151上に、オイル含浸層152aとオイル供給層152bとからなるオイル保持層152、および表面層153を順に積層した構造とする。
オイル塗布ローラ150の外径は36mm程度、軸端部を含まないローラ幅は337〜392mm程度、望ましくは高グリップ部にかからず通紙範囲をカバーする範囲とする。具体的には337mm程度とする。
オイル含浸層152aは、スポンジで構成し、厚さは11mm程度とする。
オイル供給層152bはフェルトで構成し、層厚は2mm程度とする。
表面層153は、多孔質PTFE(4弗化エチレン重合体)樹脂で構成し、層厚は120μm程度とする。
離型剤の材質はジメチルシリコーンオイルとする。粘度(20°Cでの)は、100センチストークス程度とし、含浸させる総量は140g程度とする。
定着ベルト110への当接荷重(押圧荷重)は総荷重0.5以上2Kg以下の範囲で適宜設定し得るが、より好ましくは1Kg程度とする。
オイル塗布ローラ150と定着ベルト110との当接幅(ベルト移動方向に関する長さ)は3mm程度とする。
【0024】
以上、本発明の実施の形態および実施例について説明したが、本発明は上記の実施の形態または実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において適宜変形実施可能である。
例えば、請求項1、2記載の定着器に関しては、オイル塗布手段は設けなくてもかまわない。
【0025】
【発明の効果】
請求項1〜5記載のいずれのベルト定着器によっても、安定した定着動作がなされることとなる。しかも、定着ベルトの端部に対して高グリップ部材が伸縮してフィットし、定着ベルトの端部に対して良好に沿った状態の高グリップ部を形成することができるとともに、定着ベルトの機械的信頼性が向上し、定着ベルトを薄く構成することが可能となるので、画像を形成しているトナーのその付着量に応じた凹凸に対する定着ベルトの追従性が向上し、定着強度ないし定着の均一性が向上することとなる。また、定着ベルトの熱容量が小さくなるので、より急速な加熱が可能となる。
さらに、
請求項2記載のベルト定着器によれば、スムーズな駆動伝達がなされるとともに、回転体の耐久性が向上し、さらに、高グリップ部材の強度が優れたものとなる。
請求項3〜5記載のいずれのベルト定着器によっても、定着ベルトの表面に離型オイルを塗布するものであるにもかかわらず、安定した定着動作を得ることが可能となる。
【0026】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るベルト定着器の第1の実施の形態を示す概略側面図。
【図2】主要部の概略斜視図。
【図3】(a)は定着ベルト110(バックアップローラ130と加熱ローラ140との間に張架される前の状態の定着ベルト110)の端部の分解斜視図、(b)はその側面図、(c)は端部の斜視図、(d)はその側面図。
【図4】(a)は定着ベルト110の部分省略断面図(図3(c)におけるIVa−IVa断面図)、(b)(c)はそれぞれ図(a)の部分拡大図。
【図5】(a)は定着ベルト110の部分省略断面図(図3(c)におけるIVa−IVa断面図に相当する図)、(b)は図(a)の部分拡大図である。
【図6】本発明に係るベルト定着器の第2の実施の形態の要部を示す図で、(a)は定着ベルト110部分平面図、(b)(c)はそれぞれ図(a)におけるb−b断面図。
【図7】本発明に係るベルト定着器の第3の実施の形態の要部の第1例を示す図で、(a)は定着ベルト110部分平面図、(b)は図(a)におけるb−b断面図。
【図8】(a)は本発明に係るベルト定着器の第3の実施の形態の要部の第2例を示す断面図(図7(a)におけるb−b断面図に相当する図)。(b)(c)は本発明に係るベルト定着器の第3の実施の形態の要部の第3例を示す図で、(b)は定着ベルト110部分平面図、(c)は図(b)におけるc−c断面図である。
【図9】従来技術の説明図。
【図10】従来技術の説明図。
【符号の説明】
S 記録材
100 定着器
110 定着ベルト
112 ベルト基体
112a ベルト基体の幅方向における中央部
112b ベルト基体の端部
113 表層
G 高グリップ部材
115,116 接着層
120 加圧ローラ(回転体)
150 オイルローラ(オイル塗布手段)
N 圧接部
N1 圧接部の中央部
N2 圧接部の端部
Claims (3)
- 加熱される定着ベルトと、この定着ベルトに圧接される回転体とを有し、これら定着ベルトと回転体のうち一方が駆動され、他方が従動し、トナー画像が形成された記録材を、前記定着ベルトと回転体との圧接部の中央部に通して、前記トナー画像を加熱溶融し記録材上に定着させる定着器であって、
前記定着ベルトの両端部に、その周方向に沿って、高グリップ部材が設けられており、かつこの高グリップ部材が、自由状態で前記定着ベルト端部の外径よりも小さな内径を有する伸縮性を備えたエンドレスベルトで構成されているとともに,当該エンドレスベルトの半径方向に伸びる空隙ないし貫通孔によるオイル通過性を有していることを特徴とするベルト定着器。 - 前記定着ベルトの表面に離型オイルを塗布するオイル塗布手段が設けられていることを特徴とする請求項1記載のベルト定着器。
- 前記高グリップ部材が、オイル吸収性を有する接着層を介してベルトの両端部に固着されていることを特徴とする請求項1または2記載のベルト定着器。
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