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JP2913731B2 - ディジタルデータの高能率符号化方法 - Google Patents

ディジタルデータの高能率符号化方法

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JP2913731B2
JP2913731B2 JP2053504A JP5350490A JP2913731B2 JP 2913731 B2 JP2913731 B2 JP 2913731B2 JP 2053504 A JP2053504 A JP 2053504A JP 5350490 A JP5350490 A JP 5350490A JP 2913731 B2 JP2913731 B2 JP 2913731B2
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Sony Corp
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    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
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    • H04B1/66Details of transmission systems, not covered by a single one of groups H04B3/00 - H04B13/00; Details of transmission systems not characterised by the medium used for transmission for reducing bandwidth of signals; for improving efficiency of transmission
    • H04B1/665Details of transmission systems, not covered by a single one of groups H04B3/00 - H04B13/00; Details of transmission systems not characterised by the medium used for transmission for reducing bandwidth of signals; for improving efficiency of transmission using psychoacoustic properties of the ear, e.g. masking effect
    • HELECTRICITY
    • H03ELECTRONIC CIRCUITRY
    • H03KPULSE TECHNIQUE
    • H03K21/00Details of pulse counters or frequency dividers
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  • Signal Processing For Digital Recording And Reproducing (AREA)
  • Reduction Or Emphasis Of Bandwidth Of Signals (AREA)
  • Compression Or Coding Systems Of Tv Signals (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、いわゆる高能率符号化によって入力ディジ
タルデータの符号化を行うディジタルデータの高能率符
号化方法に関するものである。
〔発明の概要〕
本発明は、入力ディジタルデータを複数の帯域に分割
し、分割された帯域毎に複数のサンプルからなるブロッ
クを形成し、各帯域毎に直交変換を行い係数データを得
て、係数データを量子化するようにしたディジタルデー
タの高能率符号化方法において、直交変換の単位時間ブ
ロック長を高域では低域に比べて短くすることにより、
高域では高い時間分解能を得ることができ、更に、低域
では高い周波数分解能を得ることができるディジタルデ
ータの高能率符号化方法を提供するものである。
〔従来の技術〕
オーディオ或いは音声等の信号の高能率符号化におい
ては、オーディオ等の入力信号を時間軸又は周波数軸で
複数のチャンネルに分割すると共に、各チャンネル毎の
ビット数を適応的に割当てるビットアロケーション(ビ
ット割当て)による符号化技術がある。例えば、オーデ
ィオ信号等の上記ビット割当てによる符号化技術には、
時間軸上のオーディオ信号等を複数の周波数帯域に分割
して符号化する帯域分割符号化(サブ・バンド・コーデ
ィング:SBC)や、時間軸の信号を周波数軸上の信号に変
換(直交変換)して複数の周波数帯域に分割し各帯域毎
で適応的に符号化するいわゆる適応変換符号化(AT
C)、或いは、上記帯域分割符号化といわゆる適応予測
符号化(APC)とを組み合わせ、時間軸の信号を帯域分
割して各帯域信号をベースバンド(低域)に変換した後
複数次の線形予測分析を行って予測符号化するいわゆる
適応ビット割当て(APC−AB)等の符号化技術がある。
これら各種高能率符号化における帯域分割のための具
体的な手法としては、例えば、入力オーディオ信号を所
定単位時間でブロック化し、該ブロック毎に高速フーリ
エ変換(FFT)を行うことで時間軸を周波数軸に変換
(直交変換)して各ブロック毎のFFT係数データを得
て、当該係数データを複数の周波数帯域に分割する手法
がとられることがある。この場合、当該FFT係数データ
を量子化(再量子化)することで符号化が行われる。ま
た、オーディオ信号の帯域分割の際には、例えば人間の
聴覚特性を考慮した帯域分割が行われることがある。す
なわち、一般に臨界帯域(クリティカルバンド)と呼ば
れている高域程帯域幅が広くなるような帯域幅で、オー
ディオ信号を複数(例えば25バンド)の帯域に分割する
ことがある。
ところで、一般に音に対する人間の聴覚特性には、マ
スキング効果と呼ばれるものがあり、当該マスキング効
果には、テンポラルマスキング効果と同時刻マスキング
効果等がある。上記同時刻マスキング効果とは、ある大
きな音と同時刻に発生する小さな音(或いはノイズ)が
当該大きな音によってマスクされて聞こえなくなるよう
な効果であり、上記テンポラルマスキング効果とは、大
きな音の時間的な前後の小さな音(ノイズ)が、この大
きな音にマスクされて聞こえなくなるような効果があ
る。このテンポラルマスキング効果において、上記大き
な音の時間的に後方のマスキングはフォワードマスキン
グと呼ばれ、また、時間的に前方のマスキングはバック
ワードマスキングと呼ばれている。また、テンポラルマ
スキングにおいては、人間の聴覚特性から、フォワード
マスキングの効果は長時間(例えば100msec程度)効く
ようになっているのに対し、バックワードマスキングの
効果は短時間(例えば5msec程度)となっている。更
に、上記マスキング効果のレベル(マスキング量)は、
フォワードマスキングが20dB程度で、バックワードマス
キングが30dB程度となっている。
〔発明が解決しようとする課題〕
ここで、符号化の際に上述のように上記所定単位時間
ブロック内のオーディオ信号を高速フーリエ変換した場
合、該信号のエンコード時には、逆高速フーリエ変換
(IFFT)が行われる。このようなデコード、エンコード
によって得られる信号には、通常、これらFFT,IFFTによ
り発生するノイズがブロック内全体に現れることにな
る。このため、例えば、上記FFT,IFFTされるブロック内
に過渡的変化が生じている場合、すなわち例えば第10図
に示すように、ブロック内の無信号(無音)部Uに、例
えばカスタネットの打音による信号のように急激にレベ
ルが増大する信号Cが入って来ることでブロック内の信
号の過渡的変化が大きくなっているような場合には、上
記FFT,IFFT処理を施すことによるノイズが上記無信号部
Uにも現れることになる。すなわち、第11図に示すよう
に上記無信号部Uにも上記大レベルの信号部Cに起因し
たノイズ成分が現れることになる。したがって、この信
号を再生すると、本来無信号であった部分でのノイズが
目立つようになる。
このような過渡的変化のあるブロックをFFT,IFFT等で
処理することによって発生するノイズの、上記大レベル
信号部Cの時間的に後のノイズは、第12図に示すような
長時間のフォワードマスキングFMの効果でマスクされる
ため、耳につくことが少ない。しかし、該大レベル信号
部Cの時間的に前のノイズは、バックワードマスキング
BMの効果が短時間であるため、耳に付きやすくなる。す
なわち、当該バックワードマスキングBMの効果の作用す
る時間よりも前の時間のノイズは耳につく。
上述のようなバックワードマスキングBMの効果が期待
できない場合の対策としては、例えば、上記高速フーリ
エ変換処理が施される単位時間ブロック長を上記バック
ワードマスキングBMの効く時間範囲(例えば5msec)程
度に短くすることが考えられる。すなわち、上記大レベ
ル信号部CによるバックワードマスキングBMの効果が有
効に作用する時間まで、上記高能率符号化処理の際の時
間分解能を上げる(ブロック長を短くする)ことが考え
られる。
しかし、上述のようにフーリエ変換される単位時間ブ
ロック長を短くすることは、当該ブロック内のサンプル
数が減ることにほかならないため、当該フーリエ変換に
よる周波数分解能は逆に下がることになる。ところが、
人間の聴覚における周波数分析能力(周波数分解能)
は、一般に、高域ではさほど高くないが低域では高いも
のである。したがって、当該低域での周波数分解能を確
保する必要性から、現実には上述したように単位時間ブ
ロック長をあまり短くすることはできない。すなわち、
低域で時間分解能を上げることは好ましくない。
なお、一般に、低域信号では定常区間が長く、逆に高
域信号では短いため、高域での時間分解能を高める(ブ
ロック長を短くする)ことは有効となる。
そこで、本発明は、上述のような実情に鑑みて提案さ
れたものであり、高域では高い時間分解能を得ることが
でき、更に、低域では高い周波数分解能を得ることがで
き、かつ、時間分解能を上げることができない低域でブ
ロック内の大レベル信号部に起因したノイズの聞こえを
少なくすることが可能なディジタルデータの高能率符号
化方法を提供することを目的とするものである。
〔課題を解決するための手段〕
本発明のディジタルデータの高能率符号化方法は、上
述の目的を達成するために提案されたものであり、入力
ディジタルデータを複数の帯域に分割し、分割された各
帯域毎に複数のサンプルからなるブロックを形成し、各
帯域毎に各ブロックの直交変換を行い係数データを得
て、当該係数データを量子化するようにしたディジタル
データの高能率符号化方法において、直交変換の単位時
間であるブロックの長さを高域側の帯域では低域側の帯
域に比べて短くするようにしたことにより、高域では高
い時間分解能を得ることができ、更に、低域では高い周
波数分解能を得ることができるディジタルデータの高能
率符号化方法を提供するものである。また量子化される
各帯域毎の係数データは、いわゆる臨界帯域での各帯域
(例えば25バンド)の係数データとすることができる。
〔作用〕
本発明によれば、直交変換の単位時間ブロック長を高
域では低域に比べて短くすることで、人間の聴覚におけ
る周波数分析能力及び時間分解能を考慮した符号化が可
能となっている。
〔実施例〕
以下、本発明を適用した実施例について図面を参照し
ながら説明する。
本発明のディジタルデータの高能率符号化方法が適用
される一実施例のディジタルデータの高能率符号化装置
は、オーディオ或いは音声等の入力ディジタルデータ
を、例えば、前述の高能率符号化の帯域分割符号化(SB
C)等によって符号化するものである。すなわち、本実
施例の高能率符号化装置では、第1図に示すように、い
わゆるミラーフィルタのQAF(quadrature mirror filte
r)41,42によって、入力端子30を介して供給される上記
入力ディジタルデータを、高域程帯域幅が広くなるよう
に複数の帯域に分割し、高速フーリエ変換(FFT)回路4
3,44,45によって、この分割された帯域毎に複数のサン
プルからなるブロックを形成して、これら各ブロック毎
に例えば高速フーリエ変換による直交変換(時間軸を周
波数軸に変換)を行うことで係数データ(FFT係数デー
タ)を得ており、更に、該FFT係数データを量子化処理
部58によって適応的な割当てビット数で量子化した後、
出力端子31から出力するようになっている。ここで、上
記ブロックを形成する際には、高域ではブロック長を短
くすることで時間分解能を上げ、低域では1ブロック内
のサンプル数を増やして(ブロック長を長くして)周波
数分解能を上げるようにしている。なお、本実施例で
は、上記量子化される各帯域毎の係数データは、いわゆ
る臨界帯域(クリティカルバンド)での各帯域(例えば
25バンド)の係数データとしている。
この時、本実施例装置においては、少なくとも最も低
域の帯域の直交変換前のブロックデータの過渡的変化を
検出する検出回路50と、上記量子化の割当てビット数を
決定する決定手段であるビット割当て回路57とを有し、
上記検出回路50の出力に基づいて上記ビット割当て回路
57を制御し、過渡的変化があった時には低域用の上記FF
T係数データに対する量子化の割当てビット数を増加す
るようにしている。すなわち、本実施例において、上記
検出回路50では、具体的に、前述した第10図のような過
渡的変化部のある、特にレベルが増大する信号の立ち上
がり部を有するブロックを検出するようにしている。
本実施例装置は、このようにして低域で検出されたブ
ロックに対して、量子化の割当てビット数を増やすよう
にすることで、前記大レベル信号部Cに起因するノイズ
の聞こえを小さくするようにしている。
先ずこの第1図において、入力端子30には例えば48kH
zのサンプリング周波数fsでサンプリングされたオーデ
ィオのディジタルデータ(0〜24kHz)が供給されてお
り、該ディジタルデータは上記QMF41,42により、高域程
帯域幅が広くなるように大まかに3つの帯域(0〜6kH
z,6kHz〜12kHz,12kHz〜24kHz)に分割される。上記QMF4
1では、上記0〜24kHzのディジタルデータが2分割され
て12kHz〜24kHzと0〜12kHzの2つの出力が得られ、12k
Hz〜24kHzの出力は高速フーリエ変換回路43に、0〜12k
Hzの出力はQMF42に送られる。QMF42へ送られた0〜12kH
zの出力は、該QMF42で更に2分割されて6kHz〜12kHzと
0〜6kHzの2つの出力が得られる。これら出力は、高速
フーリエ変換回路44,45にそれぞれ送られる。
各高速フーリエ変換回路43,44,45では、供給された各
帯域のデータの複数サンプルで1ブロックを構成し、当
該ブロック毎にフーリエ変換処理を施してFFT係数デー
タを得るようになっている。この時、上記高速フーリエ
変換回路43では、64サンプルで1ブロックを構成して、
このブロック毎に上記FFT係数データを得るようにして
いる。この結果、該12kHz〜24kHzの帯域での時間分解能
は、約2.67msecの高時間分解能となる。上記高速フーリ
エ変換回路44では、1ブロック64サンプルでFFT係数デ
ータを得ており、この結果、当該6kHz〜12kHzでの時間
分解能は約5.3msecとなる。また、上記高速フーリエ変
換回路45では、1ブロック128サンプルでFFT係数データ
を得ているため、該0〜6kHzでの時間分解能は約10.67m
secとなっている。
ここで、本実施例では、量子化処理部58での量子化の
際に、人間の聴覚特性に基づくマスキングを考慮した適
応的な割当てビット数で量子化を行うようにしているた
め、上記各フーリエ変換回路の出力を、同様に人間の聴
覚特性に基づいた臨界帯域の各帯域に対応させている。
すなわち、上記高速フーリエ変換回路43の出力が、臨界
帯域の高域のバンドB24とバンドB25の2つの帯域と対応
し、高速フーリエ変換回路44の出力がバンド21〜B23の
3つの帯域と、高速フーリエ変換回路45の出力が臨界帯
域の低域のバンドB1〜B20の20個の帯域と対応するよう
にされている。
上述した本実施例での周波数軸上の帯域分割の様子を
第2図に示し、周波数領域と時間領域での分解能を第3
図に示す。
第2図において、低域(0〜6kHz)のバンドB1〜B20
での係数データ数は、例えば、バンドB1〜B8は各1個,
バンドB9〜B11は各2個,バンドB12とB13は各3個,バ
ンドB14〜B16は各4個,バンドB17とB18は各6個,バン
ドB19は9個,バンドB20は11個とする。中域(6kHz〜12
kHz)のバンドB21〜B23での係数データ数は、例えば、
バンドB21は7個,バンドB22は11個,バンドB23は14個
とする。また、高域(12kHz〜24kHz)のバンドB24とB25
での係数データ数は、例えば、各16個としている。
第3図は、上述した帯域分割,高速フーリエ変換等の
処理のI単位を示し、b(m,n)におけるm,nの2つのパ
ラメータにより、ブロックが指定されている。mは帯域
ナンバーを、nは時間ナンバーを示している。該第3図
において、0〜6kHzの低域では、各帯域の1ブロックが
10.67msecの時間長(時間分解能)となることを示して
いる。また、6kHz〜12kHzの中域では1ブロックの時間
長が5.3msecとなることを、12kHz〜24kHzの高域では1
ブロックの時間長が2.67msecとなること示している。
すなわち、上述のように、本実施例においては、聴覚
から必要とされる周波数軸上の分解能と時間軸上の分解
能を同時に満足するような構成となっていて、低域(0
〜6kHz)では処理のサンプル数が多いため周波数分解能
が高く、高域(12kHz〜24kHz)では帯域幅が広くなると
共に時間分解能が高くなっている。また、中域(6kHz〜
12kHzでも時間分解能が高くなっている。
ところで、上記各フーリエ変換回路によってブロック
毎に高速フーリエ変換処理が行われる際、該ブロック内
のデータに前述の第10図のような過渡的変化部がある場
合、このブロック内の無信号部にも前記大レベル信号部
Cに起因した前述の第11図のようなノイズが発生する。
この時、上記ブロック内の当該大レベル信号部Cによる
上記バックワードマスキング効果の時間は前述したよう
に約5msecとなっている。したがって、このバックワー
ドマスキングを効果的に利用するためには、上記ブロッ
ク長すなわち時間分解能を5msec程度に抑える必要があ
る。本実施例の符号化装置においては、上述したよう
に、高域(12kHz〜24kHz)及び中域(6kHz〜12kHz)で
の時間分解能が2、67msec及び5.3msecとなっているた
め、この高域・中域での時間分解能は略満足できる値と
なる。
また、本実施例の装置では、低域での周波数分解能を
確保する必要性から、当該低域での時間分解能が上述の
ように10.67msecとなっている。更に、10.67msecの時間
分解能であっても、該低域でのブロック内の上記大レベ
ル信号部Cに起因するノイズに対応できるようにしてい
る。すなわち、具体的には上述したように、この低帯域
の直交変換前のブロックデータの過渡的変化を検出(過
渡的変化部のあるブロックを検出)し、過渡的変化部の
あるブロックが検出された時に、低域用の該ブロックの
上記FFT係数データに対する量子化の割当てビット数を
増加してノイズの聞こえを小さくするようにしている。
再び第1図に戻って、上記QMF42の0〜6kHzの出力す
なわち低域出力は、小ブロック化回路46へも送られる。
当該小ブロック化回路46では、高速フーリエ変換回路45
での128サンプル1ブロックを更に3つの小ブロック
T1,T2,T3に分割する。この時の3つの小ブロックは、
時間的にT1→T2→T3の順となっている。これら各小ブロ
ックT1,T2,T3は、各小ブロック内のエネルギ値を求め
るエネルギ演算回路47,48,49にそれぞれ送られる。該エ
ネルギ演算回路47,48により求められた小ブロック内の
エネルギ値は、割算器51に、エネルギ演算回路48,49か
らのエネルギ値は割算器52に送られる。割算器51では小
ブロックT2のエネルギ値から小ブロックT1のエネルギ値
が除算(T2/T1)され、割算器52では小ブロックT3のエ
ネルギ値から小ブロックT2のエネルギ値が除算(T3
T2)される。これら各割算器51,52の出力は、各々比較
回路53,54の伝送される。当該回路53,54では、上記各割
算器52,52の出力に対し、共通端子から供給される基準
入力に対してM倍となるか否かが比較される。上記小ブ
ロック単位の変化分が1単位でもM倍を越えた場合に
は、それぞれ所定の信号が出力される。すなわち上記12
8サンプル1ブロックが過渡的変化部のあるブロックで
あることを示す所定の信号が出力される。この比較器5
3,54の出力はOR(論理和)ゲート55を介してラッチ回路
56に送られる。当該ラッチ回路56では、端子32からのブ
ロック単位(128サンプル単位)のクロックに基づい
て、上記ORゲート55の出力を取り込んで上記ビット割当
て回路57に送るようにしている。このような除算(T2
T1,T3/T2)、比較等の一連の処理を行うことで、前記
バックワードマスキングの効果が期待できない過渡的変
化部のあるブロックのみを検出することができる。例え
ば、ブロック先頭から信号の立ち上がりまでが5msecよ
りも長いため、当該ブロック内で上記大レベル信号部C
によるバックワードマスキングの効果が完全でないよう
なブロックを検出することができる。
該ビット割当て回路57においては、上記ラッチ回路56
で128サンプルブロック単位で取り込まれた所定の信号
に基づいて、上記0〜6kHzの帯域の該ブロックの量子化
割当てビット数を増加するようにしている。例えば低域
の各帯域の該ブロックの割当てビット数を他の帯域のブ
ロックよりも1ビットずつ余分に与えるようにする。ま
た例えば、該過渡的変化部のあるブロックへの割当てビ
ット数を他のブロックの2倍程度とする。或いは上記M
の値に応じて最大2倍程度まで割当てビット数を増やす
ようにする。
このように、本実施例においては、該低域の過渡的変
化のブロックがあった場合には、該ブロックに対する量
子化割当てビット数を増加させることで、該ブロックで
のノイズの聞こえを小さくするようにしている。また、
過渡的変化のあるブロックの検出を低域のみで行ってい
るため、例えば全帯域で検出を行う場合よりも誤動作が
少なくなっている。なお、低域での量子化割当てビット
数を増加した場合は、高域等の割当てビット数は減少さ
せる。
第4図に上述の第1図の符号化装置に対応するエンコ
ーダの構成を示す。
第4図において、第1図の出力端子31からのデータ
は、入力端子61に伝送されてくる。該伝送されたデータ
は、デマルチプレクサ62を介して再び高域(12kHz〜24k
HzのバンドB24とB25),中域(6kHz〜12kHzのバンドB21
〜B23),低域(0〜6kHzのバンドB1〜B20)のデータに
分けられる。該高域のデータは逆高速フーリエ変換(IF
FT)回路63に、中域のデータは逆高速フーリエ変換回路
64に、低域のデータは逆高速フーリエ変換回路65にそれ
ぞれ伝送され、各逆高速フーリエ変換回路63〜65で逆高
速フーリエ変換処理が施される。上記逆高速フーリエ変
換回路64,65の出力は、上記QMF42の逆特性の合成フィル
タ66に送られて合成される。また、上記QMF41の逆特性
の合成フィルタ67には、当該合成フィルタ66の出力と上
記逆高速フーリエ変換回路63の出力とが送られ、ここで
合成される。この合成フィルタ67の出力がエンコード出
力として出力端子68から出力される。
第5図に、第1図の量子化処理部58の具体的な回路構
成を示す。この第5図の回路は、第1図の各高速フーリ
エ変換回路43,44,45からのFFT係数データを臨界帯域で
分割し、各バンド毎のエネルギ(又はピーク値,平均
値)に基づいて各バンド単位の許容ノイズレベルを設定
するノイズレベル設定手段としての総和検出回路14及び
フィルタ回路15と、上記各バンドのエネルギと、上記ノ
イズレベル設定手段の差のレベルに応じた割当てられた
ビット数で、或いは、低域での過渡的変化のあるブロッ
クに対して割当てビット数を増やすようにして、各帯域
毎の量子化を行う量子化回路24とを有するものであり、
上記ノイズレベル設定手段は上記臨界帯域の高い周波数
のバンド程同一のエネルギに対する許容ノイズレベルを
高く設定するようにしている。
すなわち、該具体例回路は、前述の第1図の装置同様
な少なくとも最も低域の帯域の直交変換前のブロックデ
ータの過渡的変化を検出する検出回路50が含まれ、量子
化の割当てビット数を決定する決定手段であるビット割
当て回路57を有し、検出回路50の出力に基づいて上記ビ
ット割当て回路57を制御し、過渡的変化があった時には
低域用のFFT係数データに対する量子化の割当てビット
数を増加するようにしている。
また、第5図の回路では、後述するように、許容ノイ
ズレベルを設定するための許容関数を、許容関数制御回
路28に制御される許容関数発生回路29で発生させ、この
許容関数に基づいて上記許容ノイズレベルを設定してい
る。
その後、上記量子化回路24からの量子化出力は、バッ
ファメモリ25を介して、この具体例回路の出力端子2か
ら出力されるようになる。
なお、この具体例回路は、特に単位ブロック(フレー
ム)当たりのビットレートを一定化するようなビットレ
ート調整(いわゆるビットパッキング)を行うようにも
している。
すなわち、第5図において、各高速フーリエ変換回路
43,44,45からは、例えば実数成分値Reと虚数成分値Imと
からなるFFT係数データが得られる。これらFFT係数デー
タは、振幅位相情報発生回路12に伝送され、該振幅位相
情報発生回路12では上記実数成分値Reと虚数成分値Imと
から振幅幅Amと位相値とが得られて、該振幅値Amの情報
が出力されるようになる。すなわち、一般に人間の聴覚
は周波数領域の振幅(パワー)には敏感であるが、位相
についてはかなり鈍感であるため、当該具体例回路では
上記振幅位相情報発生回路12の出力から上記振幅値Amの
みを取り出して以後の処理に用いるようにしている。
このようにして得られた振幅値Amのデータは、帯域分
割回路13に伝送される。当該帯域分割回路13では、上記
振幅値Amのデータを上記臨界帯域幅に分割している。
上記帯域分割回路13で臨界帯域に分割された各バンド
(例えば25バンド)毎の上記振幅値Amは、それぞれ上記
総和検出回路14に伝送される。当該回路14では、上記各
バンド毎のエネルギ(各バンドでのスペクトル強度)
が、各バンド内のそれぞれの振幅値Amの総和(振幅値Am
のピーク又は平均或いはエネルギ総和)をとることによ
り求められる。該回路14の出力すなわち各バンドの総和
のスペクトルは、一般にバークスペクトルと呼ばれ、こ
の各バンドのバークスペクトルSBは例えば第6図に示す
ようになる。なお、該第6図では図示を簡略化するため
上記臨界海域のバンド数を12バンド(B0〜B12)で表現
している。
ここで、上記バークスペクトルSBのマスキングに於け
る影響を考慮するため、上記バークスペクトルSBに所定
の重みづけの関数を畳込む(コンボリューション)。こ
のため、上記総和検出回路14の出力すなわち上記バーク
スペクトルSBの各値は、フィルタ回路15に送られる。該
フィルタ回路15では所定フィルタ係数(重みづけの関
数)が乗算されて、上記バークスペクトルSBの畳込み処
理が行われる。該畳込み処理により、第6図中点線で示
す部分の総和がとられる。
ところで、上記バークスペクトルSBのマスキングスペ
クトル(許容可能なノイズスペクトル)を算出する場合
の後述する許容可能なノイズレベルに対応するレベルα
においては、このレベルαが小さいとマスキングスペク
トル(マスキングカーブ)が下降することになり、結果
として量子化回路24の量子化の際に割り当てるビット数
を増やさなければならないようになる。逆に、レベルα
が大きいとマスキングスペクトルが上昇することにな
り、結果として量子化の際の割り当てるビット数を減少
することができるようになる。なお、上記許容可能なノ
イズレベルに対応するレベルαとは、後述するように、
逆コンボリューション処理を行うことによって臨界帯域
の各帯域毎の許容ノイズレベルとなるようなレベルであ
る。また、一般にオーディオデータ等では、高域部分の
スペクトル強度(エネルギ)が小さい。したがって第5
図の回路においては、これらのことを考慮して、エネル
ギの小さい高域にいく程上記レベルαを大きくし、該高
域部分のビット割当て数を減らすようにしている。この
ようなことから、上記ノイズレベル設定手段は高い周波
数程同一のエネルギに対する上記レベルαを高く設定し
ている。
すなわち、該具体例回路では、上記許容ノイズレベル
に対応するレベルαを算出し、該レベルαが高域程高く
なるように制御している。このため、上記フィルタ回路
15の出力は引算器16に送られる。該引算器16は、上記畳
込んだ領域でのレベルαを求めるものである。ここで、
上記引算器16には、上記レベルαを求めるための許容関
数(マスキングレベルを表現する関数)が供給される。
該許容関数を増減させることで上記レベルαの制御を行
っている。該許容関数は、後述する関数制御回路28によ
って制御された関数発生回路29から供給されている。
すなわち、許容ノイズレベルに対応するレベルαは、
臨界帯域のバンドの低域から順に与えられる番号をiと
すると、第(1)式で求めることができる。
α=S−(n−ai)…(1) この第(1)式において、n,aは定数a>0、Sは畳
込み処理後のバークスペクトルの強度であり、第(1)
式中(n−ai)が許容関数となる。ここで、上述した様
に、エネルギの少ない高域からビット数を減らす方が全
体のビット数削減に有利であるため、この具体例回路で
はn=38,a=1としており、この時の音質劣化はなく、
良好な符号化が行えた。
上述のようにして、上記レベルαが求められ、このデ
ータは、割算器17に伝送される。当該割算器17では、上
記畳込み処理された領域でのレベルαを逆コンボリュー
ションするためのものである。したがって、この逆コン
ボリューション処理を行うことにより、上記レベルαか
ら、マスキングスペクトルが得られるようになる。すな
わち、このマスキングスペクトルが許容ノイズスペクト
ルとなる。なお、上記逆コンボリューション処理は、複
雑な演算を必要とするが、本具体例では簡略化した割算
器17を用いて逆コンボリューションを行っている。
次に、上記マスキングスペクトルは、合成回路18を介
して減算器19に伝送される。ここで、当該減算器19に
は、上記総和検出回路14の出力すなわち前述のバークス
ペクトルSBが、遅延回路21を介して供給されている。し
たがって、該減算器19で上記マスキングスペクトルとバ
ークスペクトルSBとの減算演算が行われることで、第7
図に示すように、バークスペクトルSBは、該マスキング
スペクトルMSの各レベルで示すレベル以下がマスキング
されることになる。
該減算器19の出力は、上記ビット割当て回路57に送ら
れる。当該回路57には、低域,中域,高域の各帯域用の
量子化の際の割当てビット数のデータが格納されたROM5
7a及び57bが配されている。ここで、ROM57bには、上記
臨界帯域の各帯域のエネルギと上記ノイズレベル設定手
段の差のレベルに応じた量子化割当てビット数のデータ
が格納されている。上記ROM57aには、ROM57bに比べて、
同一の入力に対して低域での割当てビット数が多くなる
ようなデータと、中,高域での割当てビット数が少なく
なるようなデータとが格納されている。当該ROM57a,57b
の出力は、上記検出回路50からのラッチ出力によって切
換られる切換選択スイッチ57cに送られる。該スイッチ5
7cは、該ラッチ出力が例えば“1"すなわち過渡的変化部
のあるブロックを検出した時には、上記ROM57aの出力を
選択するように切り換えられ、ラッチ出力が例えば“0"
すなわち過渡的変化のあるブロックが検出されない時に
は上記ROM57bの出力を選択するように切り換えられるも
のである。このようにして切り換えられた各ROMの出力
は、量子化回路24に供給されている。該回路24では、各
ROM57a,57bの出力データに応じて、遅延回路23を介して
供給されている振幅値Amの量子化を行っている。すなわ
ち、換言すれば、該量子化回路24では、過渡的変化のな
いブロックの場合には、上記臨界帯域の各帯域のエネル
ギと上記ノイズレベル設定手段の差のレベルに応じて割
当てられたビット数で上記各バンドの成分を量子化する
ことになる。また、過渡的変化があるブロックの場合に
は、量子化ビット数が多く割当てられて上記各帯域の成
分を量子化することになる。なお、上記遅延回路21は合
成回路18以前の各回路での遅延量を考慮して上記総和検
出回路14からのバークスペクトルSBを遅延させ、遅延回
路23は上記ビット割当て回路57以前の各回路での遅延量
を考慮して上記振幅値Amを遅延させるために設けられて
いる。
ここで、上述した合成回路18での合成の際には、最小
可聴カーブ発生回路22から供給される第8図に示すよう
な人間の聴覚特性であるいわゆる最小可聴カーブ(等ラ
ウドネス曲線)RCを示すデータと、上記マスキングスペ
クトルMSとを合成することができる。したがって、この
最小可聴カーブRCとマスキングスペクトルMSとを共に合
成することで、許容ノズルレベルはこの図中斜線で示す
部分までとすることができ、量子化の際に図中斜線で示
す部分の割当てビット数を減らすことができるようにな
る。なお、この第8図は、信号スペクトルSSも同時に示
している。
また、上記バッファメモリ25からのデータは、データ
量演算回路26によってデータ量が求められた後、比較回
路27に送られる。当該比較回路27では、上記データ量と
端子3からのビットレート調整のための1フレーム内ビ
ット数の目標値のデータとが比較され、その比較結果が
上述した関数制御回路28に伝送されている。したがっ
て、当該関数制御回路28は、上記関数発生回路28を制御
することにより、該関数発生回路28から、上記レベルα
を求めるための許容関数を発生させるようにすると共
に、ビットレート調整のための関数をも発生させるよう
にしている。
上述したように、第5図の回路においては、過渡的変
化のないブロックの場合には、エネルギの小さい高域に
いく程、許容ノイズレベルを大きくし、当該高域部分の
ビット割当て数を減らすようにしているため、量子化の
際の割当てビット数を減らすことができるようになる。
また、過渡的変化のあるブロックの場合には、更に低域
の割当てビット数を増加させ(高,中域での割当てビッ
ト数は減少)るようにしているため、ブロック内の上記
大レベル信号部Cによるノイズを目立たなくすることが
できる。
なお、この具体例回路においては、上述したビットレ
ート調整処理及び/又は最小可聴カーブの合成処理を行
わない構成とすることもできる。すなわち、上記ビット
レート調整を行わない構成の場合には、データ量演算回
路26,比較回路27,関数制御回路28が不要となり、関数発
生回路29からの許容関数は、固定され(例えば許容関数
が38−iのように固定される)ることになる。また、最
小可聴カーブを合成しない構成の場合には、最小可聴カ
ーブ発生回路22,合成回路18が不要となり、上記引算器1
6からの出力は、割算器17で逆コンボリューションされ
た後、すぐに減算器19に伝送されることになる。
上述した第5図の回路は、2つのROMの出力を切り換
えることで、量子化の際の割当てビット数の2段階切り
換えを行うような例を示しているが、この割当てビット
数データの切り換えの他の具体例としては、例えば第9
図に示すように、1つのROMのアドレス指定による切り
換えとすることもできる。
すなわち、この第9図の回路は、第5図のビット割当
て回路57及び第1図の検出回路50の他の具体例の要部を
示す回路であり、ROM72には、量子化の際の複数種類の
割当てビット数を示すデータがアドレス別に格納されて
いる。該第9図において、減算器19(第5図の減算器1
9)の出力は、ROM72のアドレスデータを発生させるアド
レス発生器71に供給される。また、該アドレス発生器71
には、合成回路70を介した第1図の割算器51,52の出力
も供給されるようになっている。すなわち、該アドレス
発生器71は、上記過渡的変化のあるブロックが検出され
た時に、上記ROM72に対して、その過渡的変化の度合い
に応じた割当てビット数のデータが格納されている記憶
領域のアドレスデータを発生する。また、上記過渡的変
化のブロックが検出されない時には、上記ROM72内に格
納されている割当てビット数データのうち、例えば第5
図のROM57bに対応するデータが格納されている領域のア
ドレスデータを発生する。このようなアドレスデータが
上記ROM72に送られることで、対応する割当てビット数
のデータが出力されるようになる。このようにすること
で量子化のビット割当てを細かくすることができ、より
適応的な量子化が可能となる。
〔発明の効果〕
本発明のディジタルデータの高能率符号化方法におい
ては、直交変換の単位時間ブロック長を高域では低域に
比べて短くするようにしたことにより、高域では高い時
間分解能が得られ、時間分解能を高くできない低域では
高い周波数分解能が得られ、かつ、ブロック内の大レベ
ル信号部によるノイズの聞こえを小さくすることが可能
となっている。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明実施例のディジタルデータの高能率符号
化装置の概略構成を示すブロック回路図、第2図は帯域
分割の様子を示す図、第3図は周波数領域と時間領域の
分解能を示す図、第4図は実施例符号化装置に対応する
エンコーダの構成を示すブロック回路図、第5図は量子
化処理部の具体的構成を示すブロック回路図、第6図は
バークスペクトルを示す図、第7図はマスキングスペク
トルを示す図、第8図は最小可聴カーブ,マスキングス
ペクトルを合成した図、第9図はビット割当ての他の具
体例を示すブロック回路図、第10図は過渡的変化の存在
する高速フーリエ変換前のデータを説明するための図、
第11図は高速フーリエ変換,逆高速フーリエ変換後のノ
イズ発生を説明するための図、第12図はテンポラルマス
キングを説明するための図である。 41,42…QMF 43〜45…高速フーリエ変換回路 46…小ブロック化回路 47〜49…エネルギ演算回路 50…検出回路 51,52…割算器 53,54…比較回路 55…ORゲート 56…ラッチ回路 57…ビット割当て回路 58…量子化処理部

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】入力ディジタルデータを複数の帯域に分割
    し、分割された各帯域毎に複数のサンプルからなるブロ
    ックを形成し、各帯域毎に各ブロックの直交変換を行い
    係数データを得て、当該係数データを量子化するように
    したディジタルデータの高能率符号化方法において、 上記直交変換の単位時間である上記ブロックの長さを高
    域側の帯域では低域側の帯域に比べて短くするようにし
    た ことを特徴とするディジタルデータの高能率符号化方
    法。
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