JP3557674B2 - 高能率符号化方法及び装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、いわゆる高能率符号化によって入力ディジタルデータの符号化を行なうディジタルデータの高能率符号化方法及び装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
オーディオ或いは音声等の信号の高能率符号化の手法及び装置には種々あるが、例えば、時間領域のオーディオ信号等を単位時間毎にブロック化してこのブロック毎の時間軸の信号を周波数軸上の信号に変換(スペクトル変換)して複数の周波数帯域に分割し、各帯域毎に符号化するブロック化周波数帯域分割方式であるいわゆる変換符号化方式や、時間領域のオーディオ信号等を単位時間毎にブロック化しないで、複数の周波数帯域に分割して符号化する非ブロック化周波数帯域分割方式である帯域分割符号化(サブ・バンド・コーディング:SBC)方式等を挙げることができる。また、上述の帯域分割符号化と変換符号化とを組み合わせた高能率符号化の手法及び装置も考えられており、この場合には、例えば、上記帯域分割符号化方式で帯域分割を行った後、該各帯域毎の信号を上記変換符号化方式で周波数領域の信号にスペクトル変換し、このスペクトル変換された各帯域毎に符号化を施すことになる。
【0003】
ここで、上述した帯域分割符号化方式に使用される帯域分割用フィルタとしては、例えばQMF(Quadrature Mirror filter)等のフィルタがあり、これは例えば文献「ディジタル・コーディング・オブ・スピーチ・イン・サブバンズ」(”Digital coding of speech in subbands” R.E.Crochiere, Bell Syst.Tech. J., Vol.55,No.8 1976) に述べられている。このQMFのフィルタは、帯域を等バンド幅に2分割するものであり、当該フィルタにおいては上記分割した帯域を後に合成する際にいわゆるエリアシングが発生しないことが特徴となっている。また、文献「ポリフェーズ・クワドラチァ・フィルタ −新しい帯域分割符号化技術」(”Polyphase Quadrature filters −A new subband coding technique”, Joseph H. Rothweiler ICASSP 83, BOSTON)には、等帯域幅のフィルタ分割手法が述べられている。このポリフェーズ・クワドラチァ・フィルタにおいては、信号を等バンド幅の複数の帯域に分割する際に一度に分割できることが特徴となっている。
【0004】
また、上述したスペクトル変換としては、例えば、入力オーディオ信号を所定単位時間(フレーム)でブロック化し、当該ブロック毎に離散フーリエ変換(DFT)や、離散コサイン変換(DCT)、モディファイドDCT変換(MDCT)などを行うことで時間軸を周波数軸に変換するようなスペクトル変換がある。このMDCTについては、文献「時間領域エリアシング・キャンセルを基礎とするフィルタ・バンク設計を用いたサブバンド/変換符号化」(”Subband/Transform Coding Using Filter Bank Designs Based on Time Domain Aliasing Cancellation,” J.P.Princen A.B.Bradley, Univ. of Surrey Royal Melbourne Inst. of Tech. ICASSP 1987)に述べられている。
【0005】
このように帯域分割フィルタやスペクトル変換によって帯域毎に分割された信号を量子化することにより、量子化雑音が発生する帯域を制御することができ、マスキング効果などの性質を利用して聴覚的により高能率な符号化を行うことができる。また、ここで量子化を行う前に、各帯域毎に、例えばその帯域における信号成分の絶対値の最大値で正規化を行なうようにすれば、さらに高能率な符号化を行なうことができる。
【0006】
更に、周波数帯域分割された各周波数成分を量子化する場合の周波数分割幅としては、例えば人間の聴覚特性を考慮した帯域分割がある。すなわち、一般に臨界帯域(クリティカルバンド)と呼ばれている高域ほど帯域幅が広くなるような帯域幅で、オーディオ信号を複数(例えば25バント)の帯域に分割することがある。また、この時の各帯域毎のデータを符号化する際には、各帯域毎に所定のビット配分或いは、各帯域毎に適応的なビット配分による符号化が行われる。例えば、上記MDCT処理されて得られたMDCT係数データを上記ビット配分によって符号化する際には、上記各ブロック毎のMDCT処理により得られる各帯域毎のMDCT係数データに対して、適応的な配分ビット数で符号化が行われることになる。
【0007】
上記ビット配分手法及びそのための装置としては、次の2手法及び装置が知られている。
【0008】
例えば、文献「音声信号の適応変換符号化」(”Adaptive Transform Coding of Speech Signals”,R.Zelinski and P.Noll, IEEE Transactions of Accoustics, Speech, and Signal Processing, vol.ASSP−25, No.4, August 1977 )では、各帯域毎の信号の大きさをもとに、ビット割当を行っている。この方式では、量子化雑音スペクトルが平坦となり、雑音エネルギが最小となるが、聴感覚的にはマスキング効果が利用されていないために実際の雑音感は最適ではない。
【0009】
また、例えば文献「臨界帯域符号化器 −聴覚システムの知覚の要求に関するディジタル符号化」(”The critical band coder −−digital encoding of the perceptual requirements of the auditory system”, M.A.Kransner MIT, ICASSP 1980)では、聴覚マスキングを利用することで、各帯域毎に必要な信号対雑音比を得て固定的なビット割当を行う手法及び装置が述べられている。しかしこの手法ではサイン波入力で特性を測定する場合でも、ビット割当が固定的であるために特性値が、それほど良い値とならない。
【0010】
これらの問題を解決するために、ビット割当に使用できる全ビットを、上記各帯域或いは各帯域をさらに小分割したブロック毎に予め定められた固定ビット割当パターン分と、各ブロックの信号の大きさに依存したビット配分を行う分とに分割して使用すると共に、その分割比を入力信号に関係する信号に依存させ、例えば信号のスペクトルが滑らかなときほど上記固定ビット割当パターン分への分割比率を大きくするような高能率符号化装置が提案されている。
【0011】
この方法によれば、サイン波入力のように特定のスペクトルにエネルギが集中する場合には、そのスペクトルを含むブロックに多くのビットを割り当てる事により、全体の信号対雑音特性を著しく改善することができる。一般に、急峻なスペクトル成分をもつ信号に対する人間の聴覚は、極めて敏感であるため、このような方法を用いることによって信号対雑音特性を改善することは、単に測定上の数値を向上させるばかりでなく、聴感上、音質を改善するのに有効である。
【0012】
なお、ビット割り当ての方法にはこの他にも数多くの方式が提案されており、さらに聴覚に関するモデルが精緻化され、符号化装置の能力が向上すれば聴覚的にみてより高能率な符号化が可能になる。
【0013】
また、本件出願人は、先に、特願平5−152865号の明細書及び図面において、スペクトル信号から聴感上特に重要なトーン性の成分を分離して、他のスペクトル成分とは別に符号化する方法を提案しており、これにより、オーディオ信号等を聴感上の劣化を殆ど生じさせずに高い圧縮率で効率的に符号化することを可能にしている。
【0014】
ところで、波形信号をスペクトル変換する方法として上述したDFTやDCTを使用した場合において、例えばM個のサンプルからなる時間ブロック毎に当該スペクトル変換を行うと、M個の独立な実数データが得られることになる。このとき、時間ブロック間の接続歪みを軽減するために、通常は、両隣のブロックでそれぞれM1個のサンプルずつオーバーラップさせるようにしているので、平均して、上記DFTやDCTでは(M−M1)個のサンプルに対してM個の実数データを量子化して符号化することになる。
【0015】
これに対してスペクトルに変換する方法として上述のMDCTを使用した場合には、両隣の時間ブロックとM個ずつオーバーラップさせた2M個のサンプルから、独立なM個の実数データを得るようにしているので、平均して、当該MDCTではM個のサンプルに対してM個の実数データを量子化して符号化することになる。したがって、このように符号化されたデータを復号化する復号化装置においては、上述のMDCTを用いて得られた符号からなる各ブロックに対して逆変換を施して、得られた波形要素を互いに干渉させながら加え合わせることにより、波形信号を再構成することができる。
【0016】
ここで、一般に、変換のための時間ブロックを長くすることによって、スペクトルの周波数分解能が高まり特定のスペクトル成分にエネルギが集中する。したがって、両隣のブロックと半分ずつオーバーラップさせて長いブロック長で変換を行い、しかも得られたスペクトル信号の個数が、元の時間サンプルの個数に対して増加しない上記MDCTを使用すれば、上記DFTやDCTを使用した場合よりも効率の良い符号化を行うことが可能となる。また、隣接するブロック同士に十分長いオーバーラップを持たせることによって、波形信号のブロック間歪みを軽減することもできる。
【0017】
ところが、音響波形信号をブロック毎に符号化する場合、各ブロックにおけるレベルやスペクトル分布等の波形信号の性質によって、満足な音質を達成するために必要な、符号化の際のビット数は異なる。例えば、各ブロックに同一のビット数を割り当てる固定ビットレートの符号化を行う場合には、ビットレートが低くなるに従って、満足な音質を達成するために必要なビット数を確保することができないブロックが出てくる。
【0018】
従来、このように必要なビット数を確保できないブロックが発生する場合には、例えば、USP 4,972,484に述べられているように、各帯域の量子化精度をほぼ均等に低下させることによって対処する方法が知られている。しかし、この方法では、特にビットレートが非常に低く、各帯域の周波数成分が3から7段階程度に量子化されているような場合には、量子化雑音が大きくなりすぎ、音質劣化が目立ってしまう。
【0019】
また、符号化のための十分なビット数が確保できない場合のもう一つの対応策としては、そのブロックにおける高域の周波数成分を削り、後に再生されることになる再生帯域を狭くするという方法が知られている。この方法によれば、聴感上重要な低域側の信号に対して十分な量子化精度を確保できるため、ビットレートが低い場合にも、各帯域の量子化精度をほぼ均等に低下させる方法と比較すれば良好な音質を確保することができる。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述のように再生される帯域幅を各ブロック毎に決定すると、ブロック毎に再生されたりされなかったりする周波数成分が変調され、耳障りな雑音になる、という欠点があった。
【0021】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る高能率符号化方法は、このような実情に鑑みてなされたものであり、波形信号を複数の信号周波数成分からなるブロック毎に分割し、当該ブロック内の複数の信号周波数成分を符号化するに際し、波形信号の性質に応じて、ブロック毎にビット割当を行う帯域幅(後に再生されることになる帯域幅)を可変する方法であって、現在のブロックにおいてビット割当可能な帯域幅が、先行するブロックにおいてビット割当を行った帯域幅よりも広く、かつ、先行するブロックにおいてビット割当を行った上記帯域より高域の、現在のブロックの信号周波数成分レベルが所定の値より小さいとき、現在のブロックにおいてビット割当を行う帯域幅を、先行するブロックにおいてビット割当を行った上記帯域幅より拡大するようにしたものである。
【0022】
ここで、上記現在のブロックにおけるビット割当を行う帯域幅の決定の際には、当該ブロックのビット割当可能な帯域幅(再生可能な帯域幅)の情報に依存した決定を行うようにする。また、上記現在のブロックにおいてビット割当を行う帯域幅を拡大するのは、拡大された帯域の信号周波数成分レベルが所定の値より小さいときや、先行するブロックにおけるビット割当を行った帯域幅よりも高域の信号周波数成分レベルが所定の値より小さいときである。
【0023】
また、本発明の高能率符号化装置は、波形信号を複数の信号周波数成分からなるブロック毎に分割するブロック信号周波数成分生成手段と、当該ブロック内の複数の信号周波数成分を符号化する信号周波数成分符号化手段とを有し、当該ブロック内の複数の信号周波数成分を符号化するに際し、波形信号の性質に応じて、ブロック毎にビット割当を行う帯域幅を可変する装置であって、上記信号周波数成分符号化手段は、先行するブロックでの上記ビット割当を行った帯域幅の情報を保持する帯域幅情報保持手段と、当該帯域情報保持手段が保持する先行するブロックでの上記ビット割当を行った帯域幅の情報に基づいて現在のブロックのビット割当を行う帯域幅を決定する帯域幅決定手段とを具備し、上記帯域幅決定手段は、現在のブロックにおいてビット割当可能な帯域幅が、上記帯域幅情報保持手段に保持された帯域幅よりも広く、かつ、上記帯域幅情報保持手段に保持された帯域より高域における、現在のブロックの信号周波数成分レベルが所定の値より小さいとき、現在のブロックにおいてビット割当を行う上記帯域幅を拡大するようにしたものである。
【0024】
ここで、上記帯域幅決定手段は、上記現在のブロックにおけるビット割当を行う帯域幅の決定の際に、当該ブロックのビット割当可能な帯域幅の情報に依存した決定を行う。また、上記帯域幅決定手段が上記現在のブロックにおいてビット割当を行う帯域幅を拡大するのは、拡大された帯域の信号周波数成分レベルが所定の値より小さいときや、先行するブロックにおけるビット割当を行った帯域幅よりも高域の信号周波数成分レベルが所定の値より小さいときである。
【0026】
【作用】
本発明によれば、各ブロックの帯域幅を先行するブロックで決定した帯域幅を参照して決定することにより、安定した再生帯域幅を確保しており、これによって上述の耳障りなノイズの発生を防止するようにしている。
【0027】
【実施例】
以下、本発明の好ましい実施例について、図面を参照にしながら説明する。
【0028】
図1には、本発明にかかわる音響波形信号の符号化装置の一実施例の基本構成を示す。
【0029】
この図1に示す実施例装置において、入力端子10を介して入力された音響信号等の信号波形は、変換回路11によって信号周波数成分に変換された後、信号成分符号化回路12に送られ、ここで各信号周波数成分が符号化される。この信号成分符号化回路12の出力は、符号列生成回路13に送られ、ここで符号列が生成される。この符号列が出力端子14から出力される。
【0030】
次に、図2には図1の変換回路11の一具体例の構成を示す。
【0031】
この図2において、入力端子20を介して入力された波形信号は、帯域分割フィルタ21によって二つの帯域に分割される。ここで、当該帯域分割フィルタ21から出力される二つの帯域の信号の帯域幅は、入力端子20に供給された波形信号の帯域幅の1/2となっており、当該波形信号の1/2に間引かれたものである。これら二つの帯域の信号は、それぞれが対応する順スペクトル変換回路22,23に送られ、ここでMDCT等の順スペクトル変換処理される。この順スペクトル変換回路22,23からのスペクトル信号成分は、それぞれ対応する出力端子24,25を介して、図1の変換回路11からの信号周波数成分として出力され、後段の図1に示す信号成分符号化回路12に送られるようになる。なお、図1の例では、当該順スペクトル変換回路22,23からの二つの帯域に対応するスペクトル信号成分を1つの出力として示している。
【0032】
もちろん、変換回路11としては、この具体例以外にも多数考えられ、例えば、入力信号を直接、MDCTによってスペクトル信号に変換するもととしても良いし、MDCTではなく、DFTやDCTによって変換を行うものとしても良い。なお、いわゆる帯域分割フィルタのみによって信号を帯域成分に分割することも可能であるが、本発明の高能率符号化方法は、特定の周波数にエネルギが集中する信号に対する符号化の場合に特に有効に作用するので、多数の周波数成分を比較的少ない演算量で得ることができる上述のスペクトル変換によって、信号を周波数成分に変換する方法をとると都合が良い。
【0033】
次に、図3には、図1の信号成分符号化回路12の一般的な構成を示す。
【0034】
この図3において、入力端子30を介して変換回路11から供給された各信号周波数成分は、正規化回路31によって所定の帯域毎に正規化が施された後、量子化回路33に送られる。また、上記入力端子30からの各信号周波数成分は、量子化精度決定回路32にも送られ、ここで各信号周波数成分に基づいて上記量子化回路33における量子化精度情報を計算する。したがって、上記量子化回路33では、上記正規化回路31で正規化された信号に対して、上記量子化精度決定回路32で計算された量子化精度情報に基づいた量子化を施す。当該量子化回路33からは、上記量子化された信号成分に加え、上記正規化回路31での正規化における正規化係数情報と、上記量子化精度決定回路32で計算された量子化精度情報と出力され、これらが出力端子34から出力される。この出力端子34の出力が図1の符号列生成回路13に送られる。
【0035】
次に図4には、図1の高能率符号化装置によって生成された符号列から音響信号を再生して出力する高能率復号化装置の基本構成を示す。
【0036】
この図4において、入力端子40には、前記高能率符号化装置によって生成され、伝送メディアや記録メディア等を介した符号列が供給される。この符号列は符号列分解回路41に送られ、ここで各信号成分の符号が抽出される。当該抽出された各信号成分の符号は、信号成分復号化回路42に送られ、ここでそれらの符号から各信号成分が復元される。当該復元された各信号成分は、その後、逆変換回路43に送られ、ここでの逆変換によって音響波形信号となされる。当該音響波形信号は出力端子44から出力される。
【0037】
なお、上記記録メディアとしては例えば光ディスク,光磁気ディスク,磁気ディスク等のディスク状の記録媒体や、磁気テープ等のテープ状記録媒体、或いは、半導体メモリ,ICカードなどを挙げることができる。また、伝送メディアとしては、電線若しくは光ケーブルや電波等を挙げることができる。
【0038】
次に、図5には、図4の逆変換回路43の一具体例の構成を示す。なお、この図5の逆変換回路43は、図2の変換回路に対応したものである。
【0039】
この図5において、図4の信号成分復号化回路42によって復元された前記二つの帯域に対応する信号成分は、それぞれ入力端子50,51を介して対応する逆スペクトル変換回路52,53に送られ、これら逆スペクトル変換回路52,53によって逆変換される。逆スペクトル変換回路52,53によって逆変換された各帯域の信号は、帯域合成フィルタ54に送られ、ここで帯域合成され、出力端子55を介して出力される。
【0040】
以上、本発明の高能率符号化及び復号化装置の基本構成とその基本動作について説明したが、これ以降は、従来から行われてきた高能率符号化方法と比較しながら、本発明の高能率符号化方法及び復号化方法について説明する。
【0041】
先ず、図6を用いて、従来から行われてきた高能率符号化方法を図1〜図3の構成に適用した場合について説明する。
【0042】
この図6の例に示すスペクトル信号成分SPは、例えば図2のような構成の変換回路11によって得られたものである。なお、この図6の例では、MDCTにより得られたスペクトル信号成分の絶対値のレベルをデシベル(dB)値に変換して示している。すなわち、変換回路11においては、入力信号を所定の時間ブロック毎に例えば128個のスペクトル信号成分SPに変換する。
【0043】
次に、この変換回路11からのスペクトル信号成分SPは、図3に示した一般的構成の信号成分符号化回路12に送られることになる。この信号成分符号化回路12では、上記変換回路11からの128個のスペクトル信号成分SPを、図6中のU1からU15にて示す所定の帯域毎にグループ(これをここでは符号化ユニットと呼ぶことにする)にまとめて、各ユニットU1〜U15にそれぞれ対応する正規化係数NL1〜NL15にて各ユニット毎のスペクトル信号成分SPを正規化し、さらに各ユニット毎の正規化されたスペクトル信号成分SPを量子化する。なお、この例では、ブロック内の各符号化ユニットのそれぞれの帯域幅は、低域側で狭く、高域側で広くとられており、聴覚の性質に合った量子化雑音の発生の制御ができるようになっている。
【0044】
ここで、各符号化ユニットにおいて必要な量子化精度情報は、例えば、聴覚モデルに基づいて、各符号化ユニットに対応する帯域での最小可聴レベルやマスキング・レベルを計算することによって求めることができるが、マスキング・レベルは入力波形信号のスペクトルのエネルギ分布によって異なるので、各符号化ユニットにおいて必要な量子化精度はブロック毎に異なり、したがって、十分満足な音質を確保するために必要な量子化ビット数の合計もブロック毎に異なる。
【0045】
このため、例えば、前述したように、各ブロックに同一のビット数を割り当てる固定ビットレートの符号化を行う場合には、ビットレートが低くなるに従って、満足な音質を達成するために必要なビット数を確保することができないブロックが出てくる。従来は、そのようなブロックにおいては、例えば前記USP 4,972,484に述べられているように、各帯域の量子化精度をほぼ均等に低下させることによって対処する方法が知られている。しかし、この方法では、前述したように、特にビットレートが非常に低く、各帯域の周波数成分が3から7段階程度に量子化されているような場合には、量子化雑音が大きくなりすぎ、音質劣化が目立ってしまう。また、前述したように、符号化のための十分なビット数が確保できない場合のもう一つの対応策としては、そのブロックにおける高域の周波数成分を削り再生帯域を狭くする(すなわち高域の周波数成分に対してはビット割当を行わずに伝送しないようにすることで後に再生される帯域を狭くする)という方法も知られており、この方法によれば、聴感上重要な低域側の信号に対して十分な量子化精度を確保できるため、ビットレートが低い場合にも、各帯域の量子化精度をほぼ均等に低下させる方法と比較して、良好な音質を確保することができる。しかしながら、上述のように再生される帯域幅を各ブロック毎に決定すると、図7の図中斜線で示したように、時間ブロックと共に再生可能符号化ユニット数Vが変化し、ブロック毎に再生されたりされなかったりする周波数成分が変調され、耳障りな雑音になるという欠点がある。
【0046】
このようなことから、本発明の高能率符号化方法では、上述のように決定された再生可能符号化ユニット数Vをそのまま再生符号化ユニット数Wとするのではなく、過去の履歴(先行するブロックでの再生符号化ユニット数)に基づいて、現在のブロックでの再生符号化ユニット数Wを決定するようにしている。
【0047】
図9には、上記過去の履歴に基づいて再生符号化ユニット数Wを決定する本発明符号化方法における再生符号化ユニット数決定の処理方法のフローチャートを示す。
【0048】
この図9において、入力波形信号を符号化するに先立ち、先ずステップS1では、デフォルトの再生符号化ユニット数W0を再生符号化ユニット数Wとし、ステップS2では、ブロック番号Jを1にする。次にステップS3では、再生可能符号化ユニット数Vを計算し、ステップS4では、これを現在までに設定されている再生符号化ユニット数Wと比較する。
【0049】
このステップS4での比較において、上記Vの値がWの値以下であれば、ステップS5に進み、ここで当該Vの値を新たな再生符号化ユニット数として設定した後、ステップS9に進む。また、ステップS4での比較において、上記Vの値がWの値より大きな値をとるのであれば、ステップS6に進み、ここでW+1の符号化ユニットからW0までの最大レベルXを計算し、次のステップS7においてこれを所定のレベル値X0と比較する。ただし、最大レベルの近似値として正規化係数をXの値としても良い。
【0050】
ステップS7での比較において、上記Xの値が上記値X0よりも小さいのであれば、ステップS8に進み、ここで再生符号化ユニット数Wをデフォルトの値W0に設定してからステップS9に進む。また、ステップS7での比較において、上記Xの値が上記値X0以上であれば、上記Wの値を変更せずにステップS9に進む。
【0051】
ステップS9では、上記Wの符号化ユニットまでの帯域のスペクトル信号成分を符号化する。ただし、ここでWはV以下の値をとるので、W+1の符号化ユニットからVの符号化ユニットまでに含まれるスペクトル信号成分を符号化するために割り当てられたビットを、Wの符号化ユニットまでの各符号化ユニットに再割当をしてから符号化をするようにしても良い。
【0052】
次のステップS10においては、当該ブロックで符号化を終了して良いかどうかを判断し、終了で無いのであれば、ステップS11に進み、ここで次のブロック処理のためにブロック番号を1つ増加させた後、ステップS3に戻って以上の処理を繰り返す。
【0053】
ここで、図7の図中太線で示す部分は、図9のフローチャートに示した方法で処理した場合の、各ブロック毎の再生符号化ユニット数Wの変化の様子を示したものである。また、図6同様に示す図8には、例えば図7の図中N1、N2、N3、N4、N5で示すブロックにおける各符号化ユニットの各正規化係数と、再生符号化ユニット数Wの値、再生可能符号化ユニット数Vの値とを示している。
【0054】
すなわち、上記図9のフローチャートに示した方法によれば、図7及び図8に示すように、一旦、WにW0の値が設定されると、次にW0に再設定されるまで再生符号化ユニット数が増加せず、再生符号化ユニット数が変化するのは、再生可能ユニット数が、WにW0の値が設定され後の再生可能ユニット数の最小値を下回った場合のみである。このため、再生帯域幅が安定し、高域の信号が現われたり消えたりするために生じる耳障りなノイズの発生を防止することができる。また、所定のレベル値X0を十分小さく設定しておけば、WにW0が再設定され、帯域が拡がる場合でも、既に高域側の信号レベルは非常に小さくなっているので、帯域が急に拡大されたような違和感が生じることはない。
【0055】
以上述べた方法の変形として、高域側の信号レベルがすべて所定レベルより小さくなったかどうかをチェックし、そうであれば符号化ユニット数Wをデフォルト値W0に設定するのではなく、図10に示すように、減衰する帯域に合わせて、段々に拡大していくことも可能で、これも本発明の方法に含まれる。
【0056】
ただし、図8に示したように帯域を拡大する方法は、図10に示されたように帯域を拡大する方法と比較して帯域拡大の制御がより容易に行える上、再生帯域幅もより安定に決定することができる。また、実際の音響信号では、高域成分の方が先に減衰することが多いので、図8のように制御する方法をとることによって聴感上の違和感の少ない符号化をより容易に実現することができる。
【0057】
次に、図11には、上述した本発明の高能率符号化方法を実現する図1の信号成分符号化回路12の具体的構成を示す。この図11の構成は、図3に示す一般構成を以下のように変更したものである。
【0058】
すなわちこの図11に示す信号成分符号化回路(信号周波数成分符号化手段)は、先行するブロックでの再生帯域情報(ビット割当を行った帯域幅の情報、図8や図10の例では再生符号化ユニット数の値)を保持する帯域幅情報保持手段である帯域幅記憶回路62と、当該帯域幅記憶回路62が保持する先行するブロックでの上記再生帯域情報(再生符号化ユニット数の値)に基づいて現在のブロックの再生符号化ユニット数を決定する帯域幅決定手段としての制御回路63を具備するものである。
【0059】
この図11において、入力端子60を介して図1の変換回路11から供給された各信号周波数成分は、正規化回路61に送られる。ここで、当該正規化回路61では、図1の変換回路11からの信号周波数成分数を所定の帯域毎に正規化し、その正規化係数情報及び被正規化周波数成分を出力する。これら正規化係数情報及び被正規化周波数成分は、量子化回路65に送られる。また、正規化回路61からの正規化係数情報は、量子化精度決定回路64と制御回路63にも送られる。上記量子化精度決定回路64は、各ブロック毎に各符号化ユニットの量子化精度を計算し、これに基づいて再生可能符号化ユニット数Vを計算する。
【0060】
また、帯域幅記憶回路62には、現時点までの再生符号化ユニット数Wが記憶されている。制御回路63は、量子化精度決定回路64から送られてきた再生可能符号化ユニット数情報と、帯域幅記憶回路62から送られてきた再生符号化ユニット数情報及び正規化係数情報とに基づいて、処理中のブロックにおける再生符号化ユニット数Wを、図9に示した方法で決定する。
【0061】
次に、制御回路63は、決定された再生符号化ユニット数情報及び制御信号を量子化精度決定回路64に送る。当該量子化精度決定回路64は、高域側の(V−W)個の符号化ユニットに割り当てられていたビットを、決定された再生符号化ユニット数の符号化ユニット内に再割当し、最終的なビット割当を決定する。
【0062】
量子化回路65は、上記量子化精度情報に基づいて各符号化ユニット毎にスペクトル信号の量子化を行う。この量子化回路65の出力には、正規化及び量子化されたスペクトル信号と共に、正規化係数情報と量子化精度情報も含まれている。上記量子化回路65からの出力が、出力端子69を介して図1の符号列生成回路13に送られる。
【0063】
また、上記制御回路63によって決定された再生符号化ユニット数情報は、帯域幅記憶回路62にも送られ、以後のブロックの処理のためにここに記憶される。
【0064】
以上、説明したように、本発明の高能率符号化方法では、過去の再生符号化ユニット数、すなわち過去の再生帯域幅情報を参照して現在の再生帯域幅を決定するようにしているため、再生帯域が安定し、高域の信号成分が現われたり無くなったりするために生じる耳障りな雑音の発生を防ぐことができる。また、特に、帯域拡大は高域側の信号が十分に減衰してから行われるため、帯域幅が切り替わることに対する違和感を抑えることができる。
【0065】
なお、上述の実施例では、帯域分割フィルタによる帯域分割とスペクトル変換処理とにより入力波形信号をスペクトル信号成分に変換する場合について説明を行ったが、もちろん、帯域分割フィルタを使用せずに、スペクトル変換処理のみによって入力波形信号をスペクトル信号に変換する場合についても本発明の符号化方法を適用できることは言うまでもない。また、必ずしも、DFT、DCT、MDCT等のスペクトル変換を組み込んだ方法を使用しなくてもよく、例えば、帯域分割フィルタで分割した帯域毎に符号化ユニットを構成する場合にも、本発明の符号化方法を適用することができる。
【0066】
また、以上の説明では、符号化ユニット数によって再生帯域幅が決定される場合について述べたが、例えば前述の本件出願人による特願平5−152865号の明細書及び図面のように、スペクトル信号をトーン性の信号とその他の成分に分離し、トーン性の信号をその他の成分とは別に符号化する方法の場合にも、符号化ユニット数の代わりにトーン性の信号及びその他の信号の両者の再生帯域を規定する再生帯域情報、再生可能帯域情報を用いることによって、図7、図8、図9を用いて説明を行ったのと同様な方法で安定的に再生帯域を制御することが可能である。
【0067】
以上、音響信号に対して本発明の符号化方法を適用した例を中心に説明を行なったが、本発明の符号化方法は一般の波形信号の符号化にも適用することが可能である。しかし、音響信号の場合、本発明を用いると、耳障りな雑音を効果的に無くすことができ特に効果的である。
【0068】
【発明の効果】
以上の説明からも明らかなように、本発明においては、各ブロックの帯域幅を先行するブロックで決定した帯域幅を参照して決定することにより、安定した再生帯域幅を確保しており、再生帯域がブロック毎に頻繁に変化することが無いため、高域側の信号が現われたり無くなったりするために生じる耳障りな雑音が発生せず、十分なビットレートが与えられない場合にも、聴感上の音質劣化を最小限に抑えることが可能になった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施例の高能率符号化装置の基本構成を示すブロック回路図である。
【図2】実施例の高能率符号化装置の変換回路の一具体例の構成を示すブロック回路図である。
【図3】実施例の高能率符号化装置の信号成分符号化回路の一般的な構成を示すブロック回路図である。
【図4】本発明の高能率符号化方法又は装置での符号化により得られた符号列を分解復号化する高能率復号化回路の基本構成を示すブロック回路図である。
【図5】高能率復号化回路の逆変換回路の一具体例の構成を示すブロック回路図である。
【図6】本発明に係わる符号化方法の説明に用いるスペクトル信号成分と符号化ユニットとを示す図である。
【図7】本発明による符号化方法の説明及び従来の符号化方法との比較に用いるための図である。
【図8】本発明における各ブロックの符号化ユニットの正規化係数と、再生可能符号化ユニット数及び再生符号化ユニット数との関係を示す図である。
【図9】本発明による高能率符号化方法の処理手順を説明するためのフローチャートである。
【図10】本発明における各ブロックの符号化ユニットの正規化係数と、再生可能符号化ユニット数及び再生符号化ユニット数との関係の他の例を示す図である。
【図11】本発明実施例の高能率符号化装置の信号成分符号化回路の具体的な構成を示すブロック回路図である。
【符号の説明】
11 変換回路
12 信号成分符号化回路
13 符号列生成回路
61 正規化回路
62 帯域幅記憶回路
63 制御回路
64 量子化精度決定回路
65 量子化回路
【産業上の利用分野】
本発明は、いわゆる高能率符号化によって入力ディジタルデータの符号化を行なうディジタルデータの高能率符号化方法及び装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
オーディオ或いは音声等の信号の高能率符号化の手法及び装置には種々あるが、例えば、時間領域のオーディオ信号等を単位時間毎にブロック化してこのブロック毎の時間軸の信号を周波数軸上の信号に変換(スペクトル変換)して複数の周波数帯域に分割し、各帯域毎に符号化するブロック化周波数帯域分割方式であるいわゆる変換符号化方式や、時間領域のオーディオ信号等を単位時間毎にブロック化しないで、複数の周波数帯域に分割して符号化する非ブロック化周波数帯域分割方式である帯域分割符号化(サブ・バンド・コーディング:SBC)方式等を挙げることができる。また、上述の帯域分割符号化と変換符号化とを組み合わせた高能率符号化の手法及び装置も考えられており、この場合には、例えば、上記帯域分割符号化方式で帯域分割を行った後、該各帯域毎の信号を上記変換符号化方式で周波数領域の信号にスペクトル変換し、このスペクトル変換された各帯域毎に符号化を施すことになる。
【0003】
ここで、上述した帯域分割符号化方式に使用される帯域分割用フィルタとしては、例えばQMF(Quadrature Mirror filter)等のフィルタがあり、これは例えば文献「ディジタル・コーディング・オブ・スピーチ・イン・サブバンズ」(”Digital coding of speech in subbands” R.E.Crochiere, Bell Syst.Tech. J., Vol.55,No.8 1976) に述べられている。このQMFのフィルタは、帯域を等バンド幅に2分割するものであり、当該フィルタにおいては上記分割した帯域を後に合成する際にいわゆるエリアシングが発生しないことが特徴となっている。また、文献「ポリフェーズ・クワドラチァ・フィルタ −新しい帯域分割符号化技術」(”Polyphase Quadrature filters −A new subband coding technique”, Joseph H. Rothweiler ICASSP 83, BOSTON)には、等帯域幅のフィルタ分割手法が述べられている。このポリフェーズ・クワドラチァ・フィルタにおいては、信号を等バンド幅の複数の帯域に分割する際に一度に分割できることが特徴となっている。
【0004】
また、上述したスペクトル変換としては、例えば、入力オーディオ信号を所定単位時間(フレーム)でブロック化し、当該ブロック毎に離散フーリエ変換(DFT)や、離散コサイン変換(DCT)、モディファイドDCT変換(MDCT)などを行うことで時間軸を周波数軸に変換するようなスペクトル変換がある。このMDCTについては、文献「時間領域エリアシング・キャンセルを基礎とするフィルタ・バンク設計を用いたサブバンド/変換符号化」(”Subband/Transform Coding Using Filter Bank Designs Based on Time Domain Aliasing Cancellation,” J.P.Princen A.B.Bradley, Univ. of Surrey Royal Melbourne Inst. of Tech. ICASSP 1987)に述べられている。
【0005】
このように帯域分割フィルタやスペクトル変換によって帯域毎に分割された信号を量子化することにより、量子化雑音が発生する帯域を制御することができ、マスキング効果などの性質を利用して聴覚的により高能率な符号化を行うことができる。また、ここで量子化を行う前に、各帯域毎に、例えばその帯域における信号成分の絶対値の最大値で正規化を行なうようにすれば、さらに高能率な符号化を行なうことができる。
【0006】
更に、周波数帯域分割された各周波数成分を量子化する場合の周波数分割幅としては、例えば人間の聴覚特性を考慮した帯域分割がある。すなわち、一般に臨界帯域(クリティカルバンド)と呼ばれている高域ほど帯域幅が広くなるような帯域幅で、オーディオ信号を複数(例えば25バント)の帯域に分割することがある。また、この時の各帯域毎のデータを符号化する際には、各帯域毎に所定のビット配分或いは、各帯域毎に適応的なビット配分による符号化が行われる。例えば、上記MDCT処理されて得られたMDCT係数データを上記ビット配分によって符号化する際には、上記各ブロック毎のMDCT処理により得られる各帯域毎のMDCT係数データに対して、適応的な配分ビット数で符号化が行われることになる。
【0007】
上記ビット配分手法及びそのための装置としては、次の2手法及び装置が知られている。
【0008】
例えば、文献「音声信号の適応変換符号化」(”Adaptive Transform Coding of Speech Signals”,R.Zelinski and P.Noll, IEEE Transactions of Accoustics, Speech, and Signal Processing, vol.ASSP−25, No.4, August 1977 )では、各帯域毎の信号の大きさをもとに、ビット割当を行っている。この方式では、量子化雑音スペクトルが平坦となり、雑音エネルギが最小となるが、聴感覚的にはマスキング効果が利用されていないために実際の雑音感は最適ではない。
【0009】
また、例えば文献「臨界帯域符号化器 −聴覚システムの知覚の要求に関するディジタル符号化」(”The critical band coder −−digital encoding of the perceptual requirements of the auditory system”, M.A.Kransner MIT, ICASSP 1980)では、聴覚マスキングを利用することで、各帯域毎に必要な信号対雑音比を得て固定的なビット割当を行う手法及び装置が述べられている。しかしこの手法ではサイン波入力で特性を測定する場合でも、ビット割当が固定的であるために特性値が、それほど良い値とならない。
【0010】
これらの問題を解決するために、ビット割当に使用できる全ビットを、上記各帯域或いは各帯域をさらに小分割したブロック毎に予め定められた固定ビット割当パターン分と、各ブロックの信号の大きさに依存したビット配分を行う分とに分割して使用すると共に、その分割比を入力信号に関係する信号に依存させ、例えば信号のスペクトルが滑らかなときほど上記固定ビット割当パターン分への分割比率を大きくするような高能率符号化装置が提案されている。
【0011】
この方法によれば、サイン波入力のように特定のスペクトルにエネルギが集中する場合には、そのスペクトルを含むブロックに多くのビットを割り当てる事により、全体の信号対雑音特性を著しく改善することができる。一般に、急峻なスペクトル成分をもつ信号に対する人間の聴覚は、極めて敏感であるため、このような方法を用いることによって信号対雑音特性を改善することは、単に測定上の数値を向上させるばかりでなく、聴感上、音質を改善するのに有効である。
【0012】
なお、ビット割り当ての方法にはこの他にも数多くの方式が提案されており、さらに聴覚に関するモデルが精緻化され、符号化装置の能力が向上すれば聴覚的にみてより高能率な符号化が可能になる。
【0013】
また、本件出願人は、先に、特願平5−152865号の明細書及び図面において、スペクトル信号から聴感上特に重要なトーン性の成分を分離して、他のスペクトル成分とは別に符号化する方法を提案しており、これにより、オーディオ信号等を聴感上の劣化を殆ど生じさせずに高い圧縮率で効率的に符号化することを可能にしている。
【0014】
ところで、波形信号をスペクトル変換する方法として上述したDFTやDCTを使用した場合において、例えばM個のサンプルからなる時間ブロック毎に当該スペクトル変換を行うと、M個の独立な実数データが得られることになる。このとき、時間ブロック間の接続歪みを軽減するために、通常は、両隣のブロックでそれぞれM1個のサンプルずつオーバーラップさせるようにしているので、平均して、上記DFTやDCTでは(M−M1)個のサンプルに対してM個の実数データを量子化して符号化することになる。
【0015】
これに対してスペクトルに変換する方法として上述のMDCTを使用した場合には、両隣の時間ブロックとM個ずつオーバーラップさせた2M個のサンプルから、独立なM個の実数データを得るようにしているので、平均して、当該MDCTではM個のサンプルに対してM個の実数データを量子化して符号化することになる。したがって、このように符号化されたデータを復号化する復号化装置においては、上述のMDCTを用いて得られた符号からなる各ブロックに対して逆変換を施して、得られた波形要素を互いに干渉させながら加え合わせることにより、波形信号を再構成することができる。
【0016】
ここで、一般に、変換のための時間ブロックを長くすることによって、スペクトルの周波数分解能が高まり特定のスペクトル成分にエネルギが集中する。したがって、両隣のブロックと半分ずつオーバーラップさせて長いブロック長で変換を行い、しかも得られたスペクトル信号の個数が、元の時間サンプルの個数に対して増加しない上記MDCTを使用すれば、上記DFTやDCTを使用した場合よりも効率の良い符号化を行うことが可能となる。また、隣接するブロック同士に十分長いオーバーラップを持たせることによって、波形信号のブロック間歪みを軽減することもできる。
【0017】
ところが、音響波形信号をブロック毎に符号化する場合、各ブロックにおけるレベルやスペクトル分布等の波形信号の性質によって、満足な音質を達成するために必要な、符号化の際のビット数は異なる。例えば、各ブロックに同一のビット数を割り当てる固定ビットレートの符号化を行う場合には、ビットレートが低くなるに従って、満足な音質を達成するために必要なビット数を確保することができないブロックが出てくる。
【0018】
従来、このように必要なビット数を確保できないブロックが発生する場合には、例えば、USP 4,972,484に述べられているように、各帯域の量子化精度をほぼ均等に低下させることによって対処する方法が知られている。しかし、この方法では、特にビットレートが非常に低く、各帯域の周波数成分が3から7段階程度に量子化されているような場合には、量子化雑音が大きくなりすぎ、音質劣化が目立ってしまう。
【0019】
また、符号化のための十分なビット数が確保できない場合のもう一つの対応策としては、そのブロックにおける高域の周波数成分を削り、後に再生されることになる再生帯域を狭くするという方法が知られている。この方法によれば、聴感上重要な低域側の信号に対して十分な量子化精度を確保できるため、ビットレートが低い場合にも、各帯域の量子化精度をほぼ均等に低下させる方法と比較すれば良好な音質を確保することができる。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述のように再生される帯域幅を各ブロック毎に決定すると、ブロック毎に再生されたりされなかったりする周波数成分が変調され、耳障りな雑音になる、という欠点があった。
【0021】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る高能率符号化方法は、このような実情に鑑みてなされたものであり、波形信号を複数の信号周波数成分からなるブロック毎に分割し、当該ブロック内の複数の信号周波数成分を符号化するに際し、波形信号の性質に応じて、ブロック毎にビット割当を行う帯域幅(後に再生されることになる帯域幅)を可変する方法であって、現在のブロックにおいてビット割当可能な帯域幅が、先行するブロックにおいてビット割当を行った帯域幅よりも広く、かつ、先行するブロックにおいてビット割当を行った上記帯域より高域の、現在のブロックの信号周波数成分レベルが所定の値より小さいとき、現在のブロックにおいてビット割当を行う帯域幅を、先行するブロックにおいてビット割当を行った上記帯域幅より拡大するようにしたものである。
【0022】
ここで、上記現在のブロックにおけるビット割当を行う帯域幅の決定の際には、当該ブロックのビット割当可能な帯域幅(再生可能な帯域幅)の情報に依存した決定を行うようにする。また、上記現在のブロックにおいてビット割当を行う帯域幅を拡大するのは、拡大された帯域の信号周波数成分レベルが所定の値より小さいときや、先行するブロックにおけるビット割当を行った帯域幅よりも高域の信号周波数成分レベルが所定の値より小さいときである。
【0023】
また、本発明の高能率符号化装置は、波形信号を複数の信号周波数成分からなるブロック毎に分割するブロック信号周波数成分生成手段と、当該ブロック内の複数の信号周波数成分を符号化する信号周波数成分符号化手段とを有し、当該ブロック内の複数の信号周波数成分を符号化するに際し、波形信号の性質に応じて、ブロック毎にビット割当を行う帯域幅を可変する装置であって、上記信号周波数成分符号化手段は、先行するブロックでの上記ビット割当を行った帯域幅の情報を保持する帯域幅情報保持手段と、当該帯域情報保持手段が保持する先行するブロックでの上記ビット割当を行った帯域幅の情報に基づいて現在のブロックのビット割当を行う帯域幅を決定する帯域幅決定手段とを具備し、上記帯域幅決定手段は、現在のブロックにおいてビット割当可能な帯域幅が、上記帯域幅情報保持手段に保持された帯域幅よりも広く、かつ、上記帯域幅情報保持手段に保持された帯域より高域における、現在のブロックの信号周波数成分レベルが所定の値より小さいとき、現在のブロックにおいてビット割当を行う上記帯域幅を拡大するようにしたものである。
【0024】
ここで、上記帯域幅決定手段は、上記現在のブロックにおけるビット割当を行う帯域幅の決定の際に、当該ブロックのビット割当可能な帯域幅の情報に依存した決定を行う。また、上記帯域幅決定手段が上記現在のブロックにおいてビット割当を行う帯域幅を拡大するのは、拡大された帯域の信号周波数成分レベルが所定の値より小さいときや、先行するブロックにおけるビット割当を行った帯域幅よりも高域の信号周波数成分レベルが所定の値より小さいときである。
【0026】
【作用】
本発明によれば、各ブロックの帯域幅を先行するブロックで決定した帯域幅を参照して決定することにより、安定した再生帯域幅を確保しており、これによって上述の耳障りなノイズの発生を防止するようにしている。
【0027】
【実施例】
以下、本発明の好ましい実施例について、図面を参照にしながら説明する。
【0028】
図1には、本発明にかかわる音響波形信号の符号化装置の一実施例の基本構成を示す。
【0029】
この図1に示す実施例装置において、入力端子10を介して入力された音響信号等の信号波形は、変換回路11によって信号周波数成分に変換された後、信号成分符号化回路12に送られ、ここで各信号周波数成分が符号化される。この信号成分符号化回路12の出力は、符号列生成回路13に送られ、ここで符号列が生成される。この符号列が出力端子14から出力される。
【0030】
次に、図2には図1の変換回路11の一具体例の構成を示す。
【0031】
この図2において、入力端子20を介して入力された波形信号は、帯域分割フィルタ21によって二つの帯域に分割される。ここで、当該帯域分割フィルタ21から出力される二つの帯域の信号の帯域幅は、入力端子20に供給された波形信号の帯域幅の1/2となっており、当該波形信号の1/2に間引かれたものである。これら二つの帯域の信号は、それぞれが対応する順スペクトル変換回路22,23に送られ、ここでMDCT等の順スペクトル変換処理される。この順スペクトル変換回路22,23からのスペクトル信号成分は、それぞれ対応する出力端子24,25を介して、図1の変換回路11からの信号周波数成分として出力され、後段の図1に示す信号成分符号化回路12に送られるようになる。なお、図1の例では、当該順スペクトル変換回路22,23からの二つの帯域に対応するスペクトル信号成分を1つの出力として示している。
【0032】
もちろん、変換回路11としては、この具体例以外にも多数考えられ、例えば、入力信号を直接、MDCTによってスペクトル信号に変換するもととしても良いし、MDCTではなく、DFTやDCTによって変換を行うものとしても良い。なお、いわゆる帯域分割フィルタのみによって信号を帯域成分に分割することも可能であるが、本発明の高能率符号化方法は、特定の周波数にエネルギが集中する信号に対する符号化の場合に特に有効に作用するので、多数の周波数成分を比較的少ない演算量で得ることができる上述のスペクトル変換によって、信号を周波数成分に変換する方法をとると都合が良い。
【0033】
次に、図3には、図1の信号成分符号化回路12の一般的な構成を示す。
【0034】
この図3において、入力端子30を介して変換回路11から供給された各信号周波数成分は、正規化回路31によって所定の帯域毎に正規化が施された後、量子化回路33に送られる。また、上記入力端子30からの各信号周波数成分は、量子化精度決定回路32にも送られ、ここで各信号周波数成分に基づいて上記量子化回路33における量子化精度情報を計算する。したがって、上記量子化回路33では、上記正規化回路31で正規化された信号に対して、上記量子化精度決定回路32で計算された量子化精度情報に基づいた量子化を施す。当該量子化回路33からは、上記量子化された信号成分に加え、上記正規化回路31での正規化における正規化係数情報と、上記量子化精度決定回路32で計算された量子化精度情報と出力され、これらが出力端子34から出力される。この出力端子34の出力が図1の符号列生成回路13に送られる。
【0035】
次に図4には、図1の高能率符号化装置によって生成された符号列から音響信号を再生して出力する高能率復号化装置の基本構成を示す。
【0036】
この図4において、入力端子40には、前記高能率符号化装置によって生成され、伝送メディアや記録メディア等を介した符号列が供給される。この符号列は符号列分解回路41に送られ、ここで各信号成分の符号が抽出される。当該抽出された各信号成分の符号は、信号成分復号化回路42に送られ、ここでそれらの符号から各信号成分が復元される。当該復元された各信号成分は、その後、逆変換回路43に送られ、ここでの逆変換によって音響波形信号となされる。当該音響波形信号は出力端子44から出力される。
【0037】
なお、上記記録メディアとしては例えば光ディスク,光磁気ディスク,磁気ディスク等のディスク状の記録媒体や、磁気テープ等のテープ状記録媒体、或いは、半導体メモリ,ICカードなどを挙げることができる。また、伝送メディアとしては、電線若しくは光ケーブルや電波等を挙げることができる。
【0038】
次に、図5には、図4の逆変換回路43の一具体例の構成を示す。なお、この図5の逆変換回路43は、図2の変換回路に対応したものである。
【0039】
この図5において、図4の信号成分復号化回路42によって復元された前記二つの帯域に対応する信号成分は、それぞれ入力端子50,51を介して対応する逆スペクトル変換回路52,53に送られ、これら逆スペクトル変換回路52,53によって逆変換される。逆スペクトル変換回路52,53によって逆変換された各帯域の信号は、帯域合成フィルタ54に送られ、ここで帯域合成され、出力端子55を介して出力される。
【0040】
以上、本発明の高能率符号化及び復号化装置の基本構成とその基本動作について説明したが、これ以降は、従来から行われてきた高能率符号化方法と比較しながら、本発明の高能率符号化方法及び復号化方法について説明する。
【0041】
先ず、図6を用いて、従来から行われてきた高能率符号化方法を図1〜図3の構成に適用した場合について説明する。
【0042】
この図6の例に示すスペクトル信号成分SPは、例えば図2のような構成の変換回路11によって得られたものである。なお、この図6の例では、MDCTにより得られたスペクトル信号成分の絶対値のレベルをデシベル(dB)値に変換して示している。すなわち、変換回路11においては、入力信号を所定の時間ブロック毎に例えば128個のスペクトル信号成分SPに変換する。
【0043】
次に、この変換回路11からのスペクトル信号成分SPは、図3に示した一般的構成の信号成分符号化回路12に送られることになる。この信号成分符号化回路12では、上記変換回路11からの128個のスペクトル信号成分SPを、図6中のU1からU15にて示す所定の帯域毎にグループ(これをここでは符号化ユニットと呼ぶことにする)にまとめて、各ユニットU1〜U15にそれぞれ対応する正規化係数NL1〜NL15にて各ユニット毎のスペクトル信号成分SPを正規化し、さらに各ユニット毎の正規化されたスペクトル信号成分SPを量子化する。なお、この例では、ブロック内の各符号化ユニットのそれぞれの帯域幅は、低域側で狭く、高域側で広くとられており、聴覚の性質に合った量子化雑音の発生の制御ができるようになっている。
【0044】
ここで、各符号化ユニットにおいて必要な量子化精度情報は、例えば、聴覚モデルに基づいて、各符号化ユニットに対応する帯域での最小可聴レベルやマスキング・レベルを計算することによって求めることができるが、マスキング・レベルは入力波形信号のスペクトルのエネルギ分布によって異なるので、各符号化ユニットにおいて必要な量子化精度はブロック毎に異なり、したがって、十分満足な音質を確保するために必要な量子化ビット数の合計もブロック毎に異なる。
【0045】
このため、例えば、前述したように、各ブロックに同一のビット数を割り当てる固定ビットレートの符号化を行う場合には、ビットレートが低くなるに従って、満足な音質を達成するために必要なビット数を確保することができないブロックが出てくる。従来は、そのようなブロックにおいては、例えば前記USP 4,972,484に述べられているように、各帯域の量子化精度をほぼ均等に低下させることによって対処する方法が知られている。しかし、この方法では、前述したように、特にビットレートが非常に低く、各帯域の周波数成分が3から7段階程度に量子化されているような場合には、量子化雑音が大きくなりすぎ、音質劣化が目立ってしまう。また、前述したように、符号化のための十分なビット数が確保できない場合のもう一つの対応策としては、そのブロックにおける高域の周波数成分を削り再生帯域を狭くする(すなわち高域の周波数成分に対してはビット割当を行わずに伝送しないようにすることで後に再生される帯域を狭くする)という方法も知られており、この方法によれば、聴感上重要な低域側の信号に対して十分な量子化精度を確保できるため、ビットレートが低い場合にも、各帯域の量子化精度をほぼ均等に低下させる方法と比較して、良好な音質を確保することができる。しかしながら、上述のように再生される帯域幅を各ブロック毎に決定すると、図7の図中斜線で示したように、時間ブロックと共に再生可能符号化ユニット数Vが変化し、ブロック毎に再生されたりされなかったりする周波数成分が変調され、耳障りな雑音になるという欠点がある。
【0046】
このようなことから、本発明の高能率符号化方法では、上述のように決定された再生可能符号化ユニット数Vをそのまま再生符号化ユニット数Wとするのではなく、過去の履歴(先行するブロックでの再生符号化ユニット数)に基づいて、現在のブロックでの再生符号化ユニット数Wを決定するようにしている。
【0047】
図9には、上記過去の履歴に基づいて再生符号化ユニット数Wを決定する本発明符号化方法における再生符号化ユニット数決定の処理方法のフローチャートを示す。
【0048】
この図9において、入力波形信号を符号化するに先立ち、先ずステップS1では、デフォルトの再生符号化ユニット数W0を再生符号化ユニット数Wとし、ステップS2では、ブロック番号Jを1にする。次にステップS3では、再生可能符号化ユニット数Vを計算し、ステップS4では、これを現在までに設定されている再生符号化ユニット数Wと比較する。
【0049】
このステップS4での比較において、上記Vの値がWの値以下であれば、ステップS5に進み、ここで当該Vの値を新たな再生符号化ユニット数として設定した後、ステップS9に進む。また、ステップS4での比較において、上記Vの値がWの値より大きな値をとるのであれば、ステップS6に進み、ここでW+1の符号化ユニットからW0までの最大レベルXを計算し、次のステップS7においてこれを所定のレベル値X0と比較する。ただし、最大レベルの近似値として正規化係数をXの値としても良い。
【0050】
ステップS7での比較において、上記Xの値が上記値X0よりも小さいのであれば、ステップS8に進み、ここで再生符号化ユニット数Wをデフォルトの値W0に設定してからステップS9に進む。また、ステップS7での比較において、上記Xの値が上記値X0以上であれば、上記Wの値を変更せずにステップS9に進む。
【0051】
ステップS9では、上記Wの符号化ユニットまでの帯域のスペクトル信号成分を符号化する。ただし、ここでWはV以下の値をとるので、W+1の符号化ユニットからVの符号化ユニットまでに含まれるスペクトル信号成分を符号化するために割り当てられたビットを、Wの符号化ユニットまでの各符号化ユニットに再割当をしてから符号化をするようにしても良い。
【0052】
次のステップS10においては、当該ブロックで符号化を終了して良いかどうかを判断し、終了で無いのであれば、ステップS11に進み、ここで次のブロック処理のためにブロック番号を1つ増加させた後、ステップS3に戻って以上の処理を繰り返す。
【0053】
ここで、図7の図中太線で示す部分は、図9のフローチャートに示した方法で処理した場合の、各ブロック毎の再生符号化ユニット数Wの変化の様子を示したものである。また、図6同様に示す図8には、例えば図7の図中N1、N2、N3、N4、N5で示すブロックにおける各符号化ユニットの各正規化係数と、再生符号化ユニット数Wの値、再生可能符号化ユニット数Vの値とを示している。
【0054】
すなわち、上記図9のフローチャートに示した方法によれば、図7及び図8に示すように、一旦、WにW0の値が設定されると、次にW0に再設定されるまで再生符号化ユニット数が増加せず、再生符号化ユニット数が変化するのは、再生可能ユニット数が、WにW0の値が設定され後の再生可能ユニット数の最小値を下回った場合のみである。このため、再生帯域幅が安定し、高域の信号が現われたり消えたりするために生じる耳障りなノイズの発生を防止することができる。また、所定のレベル値X0を十分小さく設定しておけば、WにW0が再設定され、帯域が拡がる場合でも、既に高域側の信号レベルは非常に小さくなっているので、帯域が急に拡大されたような違和感が生じることはない。
【0055】
以上述べた方法の変形として、高域側の信号レベルがすべて所定レベルより小さくなったかどうかをチェックし、そうであれば符号化ユニット数Wをデフォルト値W0に設定するのではなく、図10に示すように、減衰する帯域に合わせて、段々に拡大していくことも可能で、これも本発明の方法に含まれる。
【0056】
ただし、図8に示したように帯域を拡大する方法は、図10に示されたように帯域を拡大する方法と比較して帯域拡大の制御がより容易に行える上、再生帯域幅もより安定に決定することができる。また、実際の音響信号では、高域成分の方が先に減衰することが多いので、図8のように制御する方法をとることによって聴感上の違和感の少ない符号化をより容易に実現することができる。
【0057】
次に、図11には、上述した本発明の高能率符号化方法を実現する図1の信号成分符号化回路12の具体的構成を示す。この図11の構成は、図3に示す一般構成を以下のように変更したものである。
【0058】
すなわちこの図11に示す信号成分符号化回路(信号周波数成分符号化手段)は、先行するブロックでの再生帯域情報(ビット割当を行った帯域幅の情報、図8や図10の例では再生符号化ユニット数の値)を保持する帯域幅情報保持手段である帯域幅記憶回路62と、当該帯域幅記憶回路62が保持する先行するブロックでの上記再生帯域情報(再生符号化ユニット数の値)に基づいて現在のブロックの再生符号化ユニット数を決定する帯域幅決定手段としての制御回路63を具備するものである。
【0059】
この図11において、入力端子60を介して図1の変換回路11から供給された各信号周波数成分は、正規化回路61に送られる。ここで、当該正規化回路61では、図1の変換回路11からの信号周波数成分数を所定の帯域毎に正規化し、その正規化係数情報及び被正規化周波数成分を出力する。これら正規化係数情報及び被正規化周波数成分は、量子化回路65に送られる。また、正規化回路61からの正規化係数情報は、量子化精度決定回路64と制御回路63にも送られる。上記量子化精度決定回路64は、各ブロック毎に各符号化ユニットの量子化精度を計算し、これに基づいて再生可能符号化ユニット数Vを計算する。
【0060】
また、帯域幅記憶回路62には、現時点までの再生符号化ユニット数Wが記憶されている。制御回路63は、量子化精度決定回路64から送られてきた再生可能符号化ユニット数情報と、帯域幅記憶回路62から送られてきた再生符号化ユニット数情報及び正規化係数情報とに基づいて、処理中のブロックにおける再生符号化ユニット数Wを、図9に示した方法で決定する。
【0061】
次に、制御回路63は、決定された再生符号化ユニット数情報及び制御信号を量子化精度決定回路64に送る。当該量子化精度決定回路64は、高域側の(V−W)個の符号化ユニットに割り当てられていたビットを、決定された再生符号化ユニット数の符号化ユニット内に再割当し、最終的なビット割当を決定する。
【0062】
量子化回路65は、上記量子化精度情報に基づいて各符号化ユニット毎にスペクトル信号の量子化を行う。この量子化回路65の出力には、正規化及び量子化されたスペクトル信号と共に、正規化係数情報と量子化精度情報も含まれている。上記量子化回路65からの出力が、出力端子69を介して図1の符号列生成回路13に送られる。
【0063】
また、上記制御回路63によって決定された再生符号化ユニット数情報は、帯域幅記憶回路62にも送られ、以後のブロックの処理のためにここに記憶される。
【0064】
以上、説明したように、本発明の高能率符号化方法では、過去の再生符号化ユニット数、すなわち過去の再生帯域幅情報を参照して現在の再生帯域幅を決定するようにしているため、再生帯域が安定し、高域の信号成分が現われたり無くなったりするために生じる耳障りな雑音の発生を防ぐことができる。また、特に、帯域拡大は高域側の信号が十分に減衰してから行われるため、帯域幅が切り替わることに対する違和感を抑えることができる。
【0065】
なお、上述の実施例では、帯域分割フィルタによる帯域分割とスペクトル変換処理とにより入力波形信号をスペクトル信号成分に変換する場合について説明を行ったが、もちろん、帯域分割フィルタを使用せずに、スペクトル変換処理のみによって入力波形信号をスペクトル信号に変換する場合についても本発明の符号化方法を適用できることは言うまでもない。また、必ずしも、DFT、DCT、MDCT等のスペクトル変換を組み込んだ方法を使用しなくてもよく、例えば、帯域分割フィルタで分割した帯域毎に符号化ユニットを構成する場合にも、本発明の符号化方法を適用することができる。
【0066】
また、以上の説明では、符号化ユニット数によって再生帯域幅が決定される場合について述べたが、例えば前述の本件出願人による特願平5−152865号の明細書及び図面のように、スペクトル信号をトーン性の信号とその他の成分に分離し、トーン性の信号をその他の成分とは別に符号化する方法の場合にも、符号化ユニット数の代わりにトーン性の信号及びその他の信号の両者の再生帯域を規定する再生帯域情報、再生可能帯域情報を用いることによって、図7、図8、図9を用いて説明を行ったのと同様な方法で安定的に再生帯域を制御することが可能である。
【0067】
以上、音響信号に対して本発明の符号化方法を適用した例を中心に説明を行なったが、本発明の符号化方法は一般の波形信号の符号化にも適用することが可能である。しかし、音響信号の場合、本発明を用いると、耳障りな雑音を効果的に無くすことができ特に効果的である。
【0068】
【発明の効果】
以上の説明からも明らかなように、本発明においては、各ブロックの帯域幅を先行するブロックで決定した帯域幅を参照して決定することにより、安定した再生帯域幅を確保しており、再生帯域がブロック毎に頻繁に変化することが無いため、高域側の信号が現われたり無くなったりするために生じる耳障りな雑音が発生せず、十分なビットレートが与えられない場合にも、聴感上の音質劣化を最小限に抑えることが可能になった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施例の高能率符号化装置の基本構成を示すブロック回路図である。
【図2】実施例の高能率符号化装置の変換回路の一具体例の構成を示すブロック回路図である。
【図3】実施例の高能率符号化装置の信号成分符号化回路の一般的な構成を示すブロック回路図である。
【図4】本発明の高能率符号化方法又は装置での符号化により得られた符号列を分解復号化する高能率復号化回路の基本構成を示すブロック回路図である。
【図5】高能率復号化回路の逆変換回路の一具体例の構成を示すブロック回路図である。
【図6】本発明に係わる符号化方法の説明に用いるスペクトル信号成分と符号化ユニットとを示す図である。
【図7】本発明による符号化方法の説明及び従来の符号化方法との比較に用いるための図である。
【図8】本発明における各ブロックの符号化ユニットの正規化係数と、再生可能符号化ユニット数及び再生符号化ユニット数との関係を示す図である。
【図9】本発明による高能率符号化方法の処理手順を説明するためのフローチャートである。
【図10】本発明における各ブロックの符号化ユニットの正規化係数と、再生可能符号化ユニット数及び再生符号化ユニット数との関係の他の例を示す図である。
【図11】本発明実施例の高能率符号化装置の信号成分符号化回路の具体的な構成を示すブロック回路図である。
【符号の説明】
11 変換回路
12 信号成分符号化回路
13 符号列生成回路
61 正規化回路
62 帯域幅記憶回路
63 制御回路
64 量子化精度決定回路
65 量子化回路
Claims (4)
- 波形信号を複数の信号周波数成分からなるブロック毎に分割し、当該ブロック内の複数の信号周波数成分を符号化するに際し、波形信号の性質に応じて、ブロック毎にビット割当を行う帯域幅を可変する高能率符号化方法であって、
現在のブロックにおいてビット割当可能な帯域幅が、先行するブロックにおいてビット割当を行った帯域幅よりも広く、かつ、
先行するブロックにおいてビット割当を行った上記帯域より高域の、現在のブロックの信号周波数成分レベルが所定の値より小さいとき、
現在のブロックにおいてビット割当を行う帯域幅を、先行するブロックにおいてビット割当を行った上記帯域幅より拡大すること
を特徴とする高能率符号化方法。 - 現在のブロックにおいてビット割当を行う上記帯域幅は、所定のデフォルト値に拡大されること
を特徴とする請求項1記載の高能率符号化方法。 - 波形信号を複数の信号周波数成分からなるブロック毎に分割するブロック信号周波数成分生成手段と、当該ブロック内の複数の信号周波数成分を符号化する信号周波数成分符号化手段とを有し、当該ブロック内の複数の信号周波数成分を符号化するに際し、波形信号の性質に応じて、ブロック毎にビット割当を行う帯域幅を可変する高能率符号化装置であって、
上記信号周波数成分符号化手段は、先行するブロックでの上記ビット割当を行った帯域幅の情報を保持する帯域幅情報保持手段と、当該帯域情報保持手段が保持する先行するブロックでの上記ビット割当を行った帯域幅の情報に基づいて現在のブロックのビット割当を行う帯域幅を決定する帯域幅決定手段とを具備し、
上記帯域幅決定手段は、
現在のブロックにおいてビット割当可能な帯域幅が、上記帯域幅情報保持手段に保持された帯域幅よりも広く、かつ、
上記帯域幅情報保持手段に保持された帯域より高域における、現在のブロックの信号周波数成分レベルが所定の値より小さいとき、
現在のブロックにおいてビット割当を行う上記帯域幅を拡大すること
を特徴とする高能率符号化装置。 - 現在のブロックにおいてビット割当を行う上記帯域幅は、所定のデフォルト値に拡大されること
を特徴とする請求項3記載の高能率符号化装置。
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