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JP3277699B2 - 信号符号化方法及び装置並びに信号復号化方法及び装置 - Google Patents

信号符号化方法及び装置並びに信号復号化方法及び装置

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JP3277699B2
JP3277699B2 JP15413494A JP15413494A JP3277699B2 JP 3277699 B2 JP3277699 B2 JP 3277699B2 JP 15413494 A JP15413494 A JP 15413494A JP 15413494 A JP15413494 A JP 15413494A JP 3277699 B2 JP3277699 B2 JP 3277699B2
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    • H03ELECTRONIC CIRCUITRY
    • H03MCODING; DECODING; CODE CONVERSION IN GENERAL
    • H03M7/00Conversion of a code where information is represented by a given sequence or number of digits to a code where the same, similar or subset of information is represented by a different sequence or number of digits
    • H03M7/30Compression; Expansion; Suppression of unnecessary data, e.g. redundancy reduction
    • H03M7/3053Block-companding PCM systems

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Theoretical Computer Science (AREA)
  • Compression, Expansion, Code Conversion, And Decoders (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ディジタルデータなど
の入力信号をいわゆる高能率符号化によって符号化する
入力信号符号化方法及び装置と、高能率符号化された信
号が記録される記録媒体又は伝送路を介して再生又は伝
送された符号化信号を復号化して再生信号を得る信号復
号化方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、オーディオ或いは音声等の信
号の高能率符号化の手法には種々あるが、例えば、時間
軸の信号を所定時間単位でフレーム化してこのフレーム
毎の時間軸の信号を周波数軸上の信号に変換(スペクト
ル変換)して複数の周波数帯域に分割し、各帯域毎に符
号化するいわゆる変換符号化方式や、時間軸上のオーデ
ィオ信号等をフレーム化しないで、複数の周波数帯域に
分割して符号化するいわゆる帯域分割符号化(サブ・バ
ンド・コーディング:SBC)等を挙げることができ
る。また、上述の帯域分割符号化と変換符号化とを組み
合わせた高能率符号化の手法も考えられており、この場
合には、例えば、上記帯域分割符号化で帯域分割を行っ
た後、該各帯域毎の信号を周波数軸上の信号にスペクト
ル変換し、このスペクトル変換された各帯域毎に符号化
が施される。
【0003】ここで、上述した帯域分割符号化において
用いられる帯域分割用フィルタとしては、例えばQMF
などのフィルタがあり、このQMFのフィルタは、文献
「ディジタル・コーディング・オブ・スピーチ・イン・
サブバンズ」("Digital coding of speech in subband
s" R.E.Crochiere, Bell Syst.Tech. J., Vol.55,No.8
1976) に述べられている。このQMFのフィルタは、
帯域を等バンド幅に2分割するものであり、当該フィル
タにおいては上記分割した帯域を後に合成する際にいわ
ゆるエリアシングが発生しないことが特徴となってい
る。
【0004】また、文献「ポリフェイズ・クァドラチュ
ア・フィルターズ −新しい帯域分割符号化技術」("Po
lyphase Quadrature filters -A new subband coding t
echnique", Joseph H. Rothweiler ICASSP 83, BOSTON)
には、等帯域幅のフィルタ分割手法が述べられている。
このポリフェイズ・クァドラチュア・フィルタにおいて
は、信号を等バンド幅の複数の帯域に分割する際に一度
に分割できることが特徴となっている。
【0005】また、上述したスペクトル変換としては、
例えば、入力オーディオ信号を所定単位時間でフレーム
化し、当該フレーム毎に離散フーリエ変換(DFT)、
離散コサイン変換(DCT)、又はモディファイド離散
コサイン変換(MDCT)等を行うことで時間軸を周波
数軸に変換するようなスペクトル変換がある。なお、上
記MDCTについては、文献「時間領域エリアシング・
キャンセルを基礎とするフィルタ・バンク設計を用いた
サブバンド/変換符号化」("Subband/Transform Coding
Using Filter Bank Designs Based on Time Domain Al
iasing Cancellation," J.P.Princen A.B.Bradley, Uni
v. of Surrey Royal Melbourne Inst. of Tech. ICASSP
1987)に述べられている。
【0006】このようにフィルタやスペクトル変換によ
って帯域毎に分割された信号を量子化することにより、
量子化雑音が発生する帯域を制御することができ、いわ
ゆるマスキング効果などの性質を利用して聴覚的により
高能率な符号化を行うことができる。また、ここで量子
化を行う前に、各帯域毎に、例えばその帯域における信
号成分の絶対値の最大値で正規化を行うようにすれば、
さらに高能率な符号化を行うことができる。
【0007】ここで、周波数帯域分割された各周波数成
分を量子化する場合の周波数分割幅としては、例えば人
間の聴覚特性を考慮した帯域幅を用いることが多い。す
なわち、一般に高域ほど帯域幅が広くなるような臨界帯
域(クリティカルバンド)と呼ばれている帯域幅で、オ
ーディオ信号を複数(例えば25バント)の帯域に分割
することがある。また、この時の各帯域毎のデータを符
号化する際には、各帯域毎に所定のビット配分或いは、
各帯域毎に適応的なビット割当て(ビットアロケーショ
ン)による符号化が行われる。例えば、上記MDCT処
理されて得られた係数データを上記ビットアロケーショ
ンによって符号化する際には、上記各フレーム毎のMD
CT処理により得られる各帯域毎のMDCT係数データ
に対して、適応的な割当てビット数で符号化が行われる
ことになる。ビット割当手法としては、次の2手法が知
られている。
【0008】例えば、文献「音声信号の適応変換符号
化」("Adaptive Transform Coding of Speech Signal
s", IEEE Transactions of Accoustics, Speech, and S
ignal Processing, vol.ASSP-25, No.4, August 1977
)では、各帯域毎の信号の大きさをもとに、ビット割
当を行っている。この方式では、量子化雑音スペクトル
が平坦となり、雑音エネルギ最小となるが、聴感覚的に
はマスキング効果が利用されていないために実際の雑音
感は最適ではない。
【0009】また、例えば文献「臨界帯域符号化器 −
聴覚システムの知覚の要求に関するディジタル符号化」
("The critical band coder --digital encoding of
theperceptual requirements of the auditory syste
m", M.A.Kransner MIT, ICASSP 1980)では、聴覚マス
キングを利用することで、各帯域毎に必要な信号対雑音
比を得て固定的なビット割当を行う手法が述べられてい
る。しかしこの手法では、サイン波入力で特性を測定す
る場合でも、ビット割当が固定的であるために特性値が
それほど良い値とならない。
【0010】これらの問題を解決するために、ビット割
当に使用できる全ビットを、上記各帯域或いは各帯域を
さらに小分割したブロック毎にあらかじめ定められた固
定のビット割当パターン分と、各ブロック内の信号の大
きさに依存したビット配分を行う分とに分割して使用す
ると共に、その分割比を入力信号に関係する信号に依存
させ、例えば信号のスペクトルが滑らかなときほど上記
固定ビット割当パターン分への分割比率を大きくするよ
うな高能率符号化装置が提案されている。
【0011】この方法によれば、例えばサイン波入力の
ように特定のスペクトルにエネルギが集中する場合に
は、そのスペクトルを含むブロックに多くのビットを割
り当てるようにすることによって、全体の信号対雑音特
性を著しく改善することができる。一般に、急峻なスペ
クトル成分をもつ信号に対する人間の聴覚は、極めて敏
感であるため、このような方法を用いることで信号対雑
音特性を改善することは、単に測定上の数値を向上させ
るばかりでなく、聴感上、音質を改善するのに有効であ
る。
【0012】なお、ビット割り当ての方法にはこの他に
も数多くの方式が提案されており、さらに聴覚に関する
モデルが精緻化され、符号化装置の能力が向上すれば聴
覚的にみてより高能率な符号化が可能になる。
【0013】しかし、上述した従来用いられた方法で
は、周波数成分を量子化する帯域が固定されているた
め、例えば、スペクトルが幾つかの特定の周波数近辺に
集中するような場合には、それらのスペクトル成分を十
分な精度で量子化しようとすると、それらのスペクトル
成分と同じ帯域に属する多数のスペクトルに対して多く
のビットを割り振らなければならなくなり、効率が低下
する。
【0014】すなわち、一般に、特定の周波数にスペク
トルのエネルギが集中するトーン性の音響信号に含まれ
る雑音は、例えばエネルギが広い周波数帯にわたってな
だらかに分布する音響信号に加わった雑音と比較すると
非常に耳につき易く、聴感上大きな障害となる。さらに
また、大きなエネルギを持つスペクトル成分すなわちト
ーン性成分が十分精度良く量子化されていないと、それ
らのスペクトル成分を時間軸上の波形信号に戻して前後
のフレームと合成した場合に、フレーム間での歪みが大
きくなり(隣接する時間フレームの波形信号と合成され
た時に大きな接続歪みが発生する)、やはり大きな聴感
上の障害となる。このため、従来の方法では、特にトー
ン性の音響信号に対して音質を劣化されることなく符号
化の効率を上げることが困難であった。
【0015】この問題を解決するために、本件出願人
は、先に、特願平5−152865号の明細書及び図面
において、入力された音響信号を特定の周波数にエネル
ギが集中するトーン性成分と広い帯域にエネルギがなだ
らかに分布する成分(ノイズ性成分或いはノントーン性
成分)に分離して符号化を施すことにより、高い符号化
効率を実現する方法を提案している。
【0016】すなわち、この先に提案している方法で
は、上記入力音響信号を周波数変換して例えば臨界帯域
で分割し、これら分割した各帯域毎のスペクトル成分を
トーン性成分とノイズ性成分(ノントーン性成分)に分
離し、この分離した各トーン性成分(帯域内のトーン性
成分が存在する周波数軸上の非常に狭い範囲のスペクト
ル成分)に対して正規化及び量子化する効率の良い符号
化を施すようにする。なお、上記効率のよい符号化が行
われる上記トーン性成分の存在する周波数軸上の非常に
狭い範囲としては、例えば、各トーン性成分である極大
エネルギを有するスペクトルを中心にした一定の個数の
スペクトル成分からなる範囲を、例に挙げることができ
る。
【0017】上述した符号化装置によれば、前述した固
定的な帯域毎にその内部の周波数成分を量子化する方法
と比較して、効率の良い符号化を実現することが可能と
なっている。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】ところで、複数チャネ
ルの信号を符号化することを考えるとき、従来知られて
いたような通常の符号化を行う場合に比べて、例えば本
件出願人が先に上記特願平5−152865号の明細書
及び図面において提案しているような技術、すなわち、
信号を周波数成分に変換し、得られた周波数成分をトー
ン性成分とノイズ性成分(ノントーン性成分)とに分離
して符号化する技術を用いることは、各チャネル毎に信
号の性質及び人間の聴覚特性に応じて適応的に圧縮符号
化がなされるため、全体の情報量を低減に非常に有効で
ある。
【0019】ここで、図12を用いて、複数チャネルの
信号に対して上記トーン性成分とノイズ性成分への分離
と符号化を行う構成について説明する。
【0020】この図12において、複数チャネル(ch
1 ,ch2 ,・・・,chn )のオーディオ信号は、こ
れら各チャネルに対応する各入力端子301 〜30n
経て、同じく各チャネルに対応する標本化及び量子化器
311 〜31n に送られる。これら標本化及び量子化器
311 〜31n では各チャネルのオーディオ信号が量子
化信号に変換され、これら各標本化及び量子化器311
〜31n からの量子化された信号は、各符号化器321
〜32n に送られる。
【0021】各符号化器321 〜32n によって符号化
された信号は、フォーマッタ33に送られる。当該フォ
ーマッタ33は、複数のチャネルの符号化された信号
を、所定のフォーマットに従って伝送又は記録媒体への
記録のためのビットストリームへ組み立てる。このビッ
トストリームは、出力端子34から出力されて、例えば
記録媒体に記録され若しくは伝送される。
【0022】この複数チャネルの符号化された信号を復
号化する復号化装置の構成は、図13に示すようにな
る。
【0023】この図13において、記録媒体から再生若
しくは伝送された符号化された信号は、入力端子40を
介してデフォーマッタ41に供給される。当該デフォー
マッタ41では、供給されたビットストリームを、所定
のフォーマットに従って各チャネル毎の符号化された信
号に分解する。当該各チャネル毎の符号化された信号
は、各チャネル毎に対応して設けられた復号器421
42n に送られる。
【0024】これら復号器421 〜42n によって復号
化された信号は、D/A(ディジタル/アナログ)変換
器431 〜43n でアナログ信号に変換される。この各
アナログ信号が、各チャネルch1 〜chn の復号化さ
れた信号として、それぞれ対応する出力端子441 〜4
n から出力される。
【0025】そこで、本発明は、このような実情を鑑み
てなされたものであり、複数チャネルを扱う場合でも、
符号化データ量の増大を抑制することができ、さらに符
号化データ量の増大を抑制しても復号化されて得られる
信号の劣化を少なくすることができる信号符号化方法及
び装置、並びにこれに対応する信号復号化方法及び装置
を提供することを目的とするものである。
【0026】
【課題を解決するための手段】本発明に係る信号符号化
方法は、上述の課題を解決するために、複数チャネルの
入力信号を周波数成分に変換し、上記周波数成分をトー
ン性成分からなる第1の信号とその他の成分からなる第
2の信号に分離して符号化する信号符号化方法であっ
て、上記複数チャネルの第1の信号をそれぞれ個別に符
号化する個別符号化処理と、上記複数チャネルの第1の
信号をチャネル間で共通化して符号化する共通符号化処
理とを選択的に切り換えて符号化することを特徴として
いる。
【0027】ここで、上記複数チャネルの第1の信号の
特性を検出し、当該特性検出結果に基づいて、複数チャ
ネルの第1の信号をそれぞれ個別に符号化する個別符号
化処理と、複数チャネルの第1の信号を共通化して符号
化する共通符号化処理とを選択的に切り換えることが好
ましい。
【0028】また、本発明に係る信号符号化装置は、複
数チャネルの入力信号をそれぞれ周波数成分に変換する
変換手段と、上記複数チャネルの周波数成分をそれぞれ
トーン性成分からなる第1の信号とその他の成分からな
る第2の信号に分離する信号成分分離手段と、上記複数
チャネルの第2の信号をそれぞれのチャネル毎に符号化
する符号化手段と、上記複数チャネルの第1の信号をそ
れぞれ個別に符号化する個別符号化手段と、上記複数チ
ャネルの第1の信号を共通化して符号化する共通符号化
手段と、上記個別符号化手段と共通符号化手段のいずれ
かの符号化出力を選択する選択手段とを有することを特
徴としている。
【0029】次に、本発明に係る信号復号化方法は、複
数チャネルの周波数成分がトーン性成分からなる第1の
信号とその他の成分からなる第2の信号とに分離されて
符号化された符号化信号を復号化する信号復号化方法で
あって、複数チャネルの第1の信号を複数チャネル間で
共通化して符号化した符号化信号を復号化すると共に、
上記複数チャネル毎にそれぞれ符号化された第2の信号
の符号化信号をそれぞれのチャネル毎に復号化すること
により、上述の課題を解決する。
【0030】ここで、上記複数チャネルの第1の信号の
符号化信号は、上記複数チャネルの第1の信号の特性の
検出結果に基づいて複数チャネルの第1の信号をそれぞ
れ個別に符号化する個別符号化処理と共通化して符号化
する共通符号化処理が選択的に切り換えられた符号化信
号であって、上記第1の信号の符号化信号を復号化する
際に、符号化の際の上記特性検出結果に基づいて、上記
個別符号化処理された信号を復号化する個別復号化処理
と、上記共通復号化処理された信号を復号化する共通復
号化処理とを選択的に切り換えることが好ましい。
【0031】また、本発明に係る信号復号化装置は、複
数チャネルの周波数成分がトーン性成分からなる第1の
信号とその他の成分からなる第2の信号とに分離されて
符号化された符号化信号を復号化する信号復号化装置で
あって、複数チャネルの上記第1の信号を複数チャネル
間で共通化して符号化した符号化信号を復号化する復号
化手段と、上記複数チャネル毎にそれぞれ符号化された
第2の信号の符号化信号をそれぞれのチャネル毎に復号
化する復号化手段とを有することを特徴としている。
【0032】
【作用】本発明の信号符号化方法及び装置によれば、複
数チャネルの第1の信号の特性検出結果に基づいて、複
数チャネルの第1の信号をそれぞれ個別に符号化する個
別符号化処理と、複数チャネルの第1の信号を共通化し
て符号化する共通符号化処理とを選択的に切り換えるよ
うにしているため、共通化した場合には圧縮率を高める
ことができ、また、共通化しないことで共通化による悪
影響の発生を防止している。
【0033】また、本発明の信号復号化方法及び装置に
よれば、各チャネルの符号化された第2の信号を復号化
し、符号化の際の特性検出結果に基づいて、個別符号化
処理された信号を復号化する個別復号化処理と、共通復
号化処理された信号を復号化する共通復号化処理とを選
択的に切り換えることにより、本発明の信号符号化方法
及び装置により得られた符号化信号から復号化信号を再
現することができる。
【0034】
【実施例】以下、本発明の好ましい実施例について、図
面を参照しながら説明する。
【0035】図1には、本発明の信号符号化方法が適用
される本発明の実施例の信号符号化装置の基本構成を示
している。なお、この図1の例では、複数チャネルの一
例としてオーディオ信号の左右2チャネルについて説明
する。
【0036】この図1において、端子1001 にはチャ
ネルch1 (例えば右チャネル)のオーディオ信号が、
端子1002 にはチャネルch2 (例えば左チャネル)
のオーディオ信号が供給される。上記チャネルch1
オーディオ信号は変換回路1011 に、チャネルch2
のオーディオ信号は変換回路1012 に供給される。こ
れら変換回路1011 、1012 は、例えば、帯域分割
フィルタとMDCT等の順スペクトル変換を行う順スペ
クトル変換回路とで構成されている。
【0037】上記変換回路1011 からの周波数成分は
信号成分分離回路1021 に、変換回路1012 からの
周波数成分は信号成分分離回路1022 に供給される。
これら信号成分分離回路1021 、1022 は前記図1
9の信号成分分離回路602同様にそれぞれが供給され
た周波数成分を、後述するようにトーン性成分とノイズ
性成分とに分離する。
【0038】上記信号成分分離回路1021 によって分
離されたトーン性成分及び信号成分分離回路1022
よって分離されたトーン性成分は、共にトーン性成分符
号化回路104に供給される。これに対して、信号成分
分離回路1021 によって分離されたノイズ性成分はノ
イズ性成分符号化回路1051 に、信号成分分離回路1
022 によって分離されたノイズ性成分はノイズ性成分
符号化回路1052 にそれぞれ供給され、これらノイズ
性成分符号化回路1051 ,1052 でそれぞれ符号化
される。トーン性成分符号化回路104では、後述する
ように、チャネルch1 とch2 のトーン性成分を信号
の特性に応じて、共通化して符号化、若しくは共通化し
ないでそれぞれを別個に符号化する。これらトーン性成
分符号化回路104とノイズ性成分符号化回路10
1 ,1052 とによって符号化された信号成分は、符
号列生成回路106に送られる。
【0039】当該符号列生成回路106では、供給され
た符号化された信号成分を、所定の符号列とした後、出
力端子107から出力させる。この出力端子107から
出力された信号は、例えば図示は省略しているが、EC
Cエンコーダでエラーコレクションコードが付加され、
EFM(8−14変調)回路によって変調され、さらに
記録ヘッドによって例えばディスク状記録媒体や映画フ
ィルム等に記録される。なお、記録媒体としては、光磁
気ディスクや相変化ディスク、ICカード等を用いるこ
ともできる。
【0040】一方、上記図1の符号化装置に対応する復
号化装置は、図2に示すような構成になる。
【0041】この図2において、入力端子110には、
例えば図示を省略しているディスク状記録媒体や映画フ
ィルム等の記録媒体から再生ヘッドによって再生され、
EFM復調とエラー訂正が行われた符号列が供給され
る。
【0042】上記入力端子110に供給された符号列
は、符号列分解回路111に送られ、ここで上記エラー
訂正された符号列からチャネルch1 とチャネルch2
のトーン性成分及びノイズ性成分を分離すると共に、こ
れらチャネルch1 とチャネルch2 のトーン性成分に
基づいて、各チャネルの符号列のどの部分がトーン性成
分符号であるかの位置を認識する。なお、この各チャネ
ルのトーン性成分符号の位置情報は、信号線の図示は省
略しているが後段の合成回路1141 ,1142に送ら
れる。
【0043】上記符号列分解回路111からの上記チャ
ネルch1 に対応するトーン性成分符号及びチャネルc
2 に対応するトーン性成分符号は、共にトーン性成分
復号化回路112に送られ、後述するように、先の符号
化の際に共通化が行われたときには当該共通化の解除
(分離)を行うと共にそれぞれ逆量子化及び正規化の解
除が行われて復号化され、先の符号化の際に共通化が行
われなかったときにはそれぞれを逆量子化及び正規化の
解除が行われて復号化される。また、符号列分解回路1
11からの上記チャネルch1 に対応するノイズ性成分
符号はノイズ性成分復号化回路1131 に、チャネルc
2 に対応するノイズ性成分符号はノイズ性成分復号化
回路1132 に送られ、ここでそれぞれ逆量子化及び正
規化の解除が行われ復号化される。
【0044】その後、上記トーン性成分復号化回路11
2によって復号化されたチャネルch1 に対応するトー
ン性成分と、ノイズ性成分復号化回路1131 によって
復号化されたチャネルch1 に対応するノイズ性成分と
は、合成回路1141 に送られる。また、上記トーン性
成分復号化回路112によって復号化されたチャネルc
2 に対応するトーン性成分と、ノイズ性成分復号化回
路1132 によって復号化されたチャネルch2 に対応
するノイズ性成分とは、合成回路1142 に送られる。
【0045】各合成回路1141 と1142 とは、符号
列分離回路111から供給された各チャネルのトーン性
成分の位置情報に基づいて、各チャネルのトーン性成分
の復号化信号を、各チャネルのノイズ性成分の復号化信
号の所定の位置に加算することにより、各チャネルのノ
イズ性成分とトーン性成分の周波数軸上での合成を行
う。
【0046】上記合成回路1141 によって合成された
チャネルch1 に対応する復号化信号は変換回路115
1 に、上記合成回路1142 によって合成されたチャネ
ルch2 に対応する復号化信号は変換回路1152 に送
られる。これら変換回路1151 と1152 は前記図2
3と同様の構成を有するものである。各変換回路115
1 と1152 によって周波数軸上の信号から元の時間軸
上の波形信号に戻された波形信号は、それぞれのチャネ
ルに対応する端子1161 と1162 から出力される。
【0047】次に、図3を用いて、図1のトーン性成分
符号化回路104の具体的構成を説明する。
【0048】すなわち、本発明実施例の信号符号化装置
は、主要構成要素としてこの図3に示すように、複数チ
ャネルのトーン性成分の特性を検出する特性検出手段と
しての判定回路123と、複数チャネルのトーン性成分
をそれぞれ個別に符号化する個別符号化手段としての第
1の符号化器124と、複数チャネルのトーン性成分を
共通化して符号化する共通符号化手段としての第2の符
号化器125と、上記判定回路123の判定出力に基づ
いて、上記第1の符号化器124と第2の符号化器12
5のいずれかの出力を選択的に切り換える選択手段とし
ての切換スイッチ126とを有するものである。
【0049】この図3において、端子121には前記
図1の信号成分分離回路102からのチャネルch
に対応するトーン性成分が供給され、端子121には
前記信号成分分離回路102からのチャネルch
対応するトーン性成分が供給される。
【0050】上記各チャネルのトーン性成分は、判定回
路123に送られると共に、第1の符号化器124と第
2の符号化器125に送られる。第1の符号化器124
は後述するようにチャネルchとchのトーン性成
分の共通化を行わずにそれぞれ符号化する符号化器であ
り、また、第2の符号化器125は後述するようにチャ
ネルchとchのトーン性成分の共通化を行って符
号化する符号化器である。上記第1の符号化器124で
符号化された各チャネルのトーン性成分は切換スイッチ
126の一方の被切換端子に、上記第2の符号化器12
5で共通化されて符号化されたトーン性成分は切換スイ
ッチ126の他方の被切換端子に送られる。
【0051】上記判定回路123は、供給された信号の
特性に応じて上記切換スイッチ126の切換を制御す
る。
【0052】ここで、当該判定回路123では、例え
ば、ステレオの2チャネルのレフトサブバンド信号成分
とライトサブバンド信号成分の高いサブバンド内信号に
ついては、それらの位相差が重要ではなく、モノ信号の
波形が非常に重要であるという、人間の聴覚系の特性に
基づく判定を行う。
【0053】或いは、当該判定回路123では、所定帯
域内の符号化の単位(符号化ユニット)のトーン性成分
の数に基づく判定を行うことも可能である。言い換えれ
ば、トーン性成分の数とは、符号化の単位となる符号化
ユニット内において、トーン性成分を抽出した残りのノ
イズ性成分の幅の総和に対応し、トーン性成分の数が多
いときにはノイズ性成分の幅の総和は小さく、逆にトー
ン性成分の数が少ないときにはノイズ性成分の幅の総和
が大きくなる。また、本実施例では、符号化ユニットの
帯域幅が人間の聴覚特性を考慮したクリティカルバンド
に対応し、低域から高域までの間で帯域幅が異なるた
め、上記ノイズ性成分の幅の総和に基づく判定を行う際
には、当該帯域幅の情報も使用することになる。
【0054】また、各チャネル毎に検出されたトーン性
成分について、複数チャネル間で同じ周波数近辺のトー
ン性成分が検出された場合に、同じ周波数範囲でトーン
性成分が抽出されるように調整してトーン性成分を抽出
し、この複数チャネル間のトーン性成分に対し、上記複
数チャネル間の特性を用いて符号化することにより、よ
り高い符号化効率を実現するものである。
【0055】上記切換スイッチ126は、当該判定回路
123の判定結果の信号に応じて被切換端子のいずれか
一方が選択されるものであり、したがって、当該切換ス
イッチ126では上記人間の聴覚系の特性に基づく判定
結果に応じて、上記第1の符号化器124と第2の符号
化器125の符号化出力のいずれか一方が選択されるこ
とになる。
【0056】当該切換スイッチ126の出力は、共通化
されたトーン性成分の符号化信号として端子128から
出力され、図1の符号列生成回路106に送られる。ま
た、符号列生成回路106には、端子127を介して上
記判定回路123による判定結果の信号も送られる。
【0057】次に、上記図3のトーン性成分符号化回路
に対応する図2の復号化装置のトーン性成分復号化回路
112の具体的構成は、例えば図4に示すようになる。
【0058】すなわち、本発明実施例の信号復号化装置
は、主要構成要素として各チャネルの符号化されたノイ
ズ性成分を復号化する図2のノイズ性成分復号化回路1
13の他に、図4に示す構成を有するものであり、個別
符号化処理された信号である共通化されずに符号化され
たトーン性成分を復号化する個別復号化手段としての第
1の復号化器134と、共通復号化処理された信号であ
る共通化されて符号化されたトーン性成分を復号化する
共通復号化手段としての第2の復号化器135と、符号
化の際の特性検出結果(図3の判定回路123の判定結
果を示す信号)に基づいて、上記第1の復号化器134
と第2の復号化器135のいずれかを切換選択する選択
手段としての切換スイッチ133及び切換スイッチ13
6とを有するものである。
【0059】この図4において、前記図2の符号列分解
回路111によって符号列から分離された符号化された
トーン性成分は、端子132に供給されて切換スイッチ
133に送られる。また、前記符号列分割回路111に
よって符号列から分離された図3の判定回路123の判
定結果の信号は、端子131に供給され、上記切換スイ
ッチ133の切換制御端子に送られる。
【0060】当該切換スイッチ133は、上記判定結果
の信号に応じて切り換えられるものであり、上記端子1
32を介して供給された符号化されたトーン性成分が、
前記共通化されていないトーン性成分である場合には一
方の被切換端子を介して第1の復号器134に送り、前
記共通化されたトーン性成分である場合には他方の被切
換端子を介して第2の復号化器135に送る。上記第1
の復号化器134は、前記図3の第1の符号化器124
に対応しており、前記共通化されていない各チャネルc
1 ,ch2 の符号化されたトーン性成分をそれぞれ復
号化する。また、第2の復号化器135は、前記図3の
第2の符号化器124に対応しており、前記共通化され
て符号化されたトーン性成分を各チャネルに分離して復
号化、或いは復号化して分離する。
【0061】これら第1,第2の復号化器134,13
5からのチャネルchの復号化されたトーン性成分
は、切換スイッチ136のスイッチ136a及び136
bの一方の被切換端子に、また、チャネルchの復号
化されたトーン性成分は、切換スイッチ136a及び1
36bの他方の被切換端子にそれぞれ送られる。当該切
換スイッチ136は、スイッチ136aと136bが連
動して切り換わるものであり、上記端子131を介して
供給される前記判定結果の信号に応じて切換選択が行わ
れる。上記スイッチ136aの出力はチャネルch
トーン性成分として、スイッチ136bの出力はチャネ
ルchのトーン性成分として、それぞれ対応する端子
137又は138から出力される。これら出力端子13
7又は138の出力が、前記図2の対応する合成回路1
14又は114に送られることになる。
【0062】次に、前記共通化を行わずに各チャネルの
トーン性成分を符号化する図3の第1の符号化器124
の具体的構成について、図5を用いて説明する。
【0063】この図5において、端子140には図3
の端子121を介したチャネルchのトーン性成分
が、端子140には図3の端子121を介したチャ
ネルchのトーン性成分が供給され、それぞれ対応す
る正規化回路141又は141に送られる。
【0064】正規化回路1411 及び正規化回路141
2 では、それぞれチャネルch1 又はチャネルch2
トーン性成分の正規化を行い、正規化した周波数成分に
ついては量子化器1451 又は1452 に、正規化のス
ケールファクタについては量子化器1431 又は143
2 に送る。
【0065】上記量子化器1431 ,1432 によって
それぞれ量子化されたスケールファクタは、対応する端
子1471 又は1472 から出力される。また、量子化
器1451 ,1452 では、それぞれ対応して設けられ
ている量子化精度決定回路1421 ,1422 からの適
応的な量子化精度情報に基づいた量子化割り当てビット
数で各チャネルの周波数成分の量子化を行う。これら量
子化器1451 ,1452 でそれぞれ量子化された周波
数成分は、対応する端子1481 又は1482を介して
出力される。
【0066】なお、それぞれ正規化回路141と量子
化器145と量子化精度決定回路142、並びに正
規化回路141と量子化器145と量子化精度決定
回路142の構成及び動作は、前記図12と対応して
いる。
【0067】また、上記量子化精度決定回路1421
び1422 の量子化精度情報も、それぞれ量子化器14
1 と1462 によって量子化され、対応する端子14
1,1492 を介して出力される。
【0068】上記端子147〜149からの符号化され
た周波数成分とスケールファクタと量子化精度情報が、
図3の切換スイッチ126の一方の被切換端子に送られ
ることになる。
【0069】次に、トーン性成分の共通化を行って符号
化する前記図3の第2の符号化回路125の具体的構成
について、図6を用いて説明する。なお、この図6に示
す第2の符号化回路は、前述したステレオ2チャネルの
レフトサブバンド信号成分とライトサブバンド信号成分
の高いサブバンド内信号については位相差が重要ではな
くモノ信号の波形が非常に重要であるという、人間の聴
覚系の特性に基づく判定を、前記図3の判定回路123
で行う場合に対応する構成であるが、当該判定回路12
3においてトーン性成分を抽出した残りのノイズ性成分
の幅の総和の情報と符号化ユニットの帯域幅の情報とに
基づいて判定を行うようにした場合も基本的には同様の
構成となる。
【0070】この図6において、端子160には図3
の端子121を介したチャネルchのトーン性成分
が、端子160には図3の端子121を介したチャ
ネルchのトーン性成分が供給され、それぞれ対応す
る正規化回路161又は161に送られる。
【0071】正規化回路1611 及び正規化回路161
2 では、それぞれ前述同様にチャネルch1 又はチャネ
ルch2 のトーン性成分の正規化を行い、得られたスケ
ールファクタについては量子化器1671 又は1672
に送る。これら量子化器1671 ,1672 によってそ
れぞれ量子化されたスケールファクタは、それぞれマル
チプレクサ168に送られる。また、正規化回路161
1 及び正規化回路1612 によって正規化された周波数
成分は、加算器162に送られる。
【0072】当該加算器162では、各チャネルで得ら
れた正規化された周波数成分を加算する。当該加算器1
62の出力は、1/2の係数を乗算する乗算器163を
介して、量子化器164に送られる。当該量子化器16
4は、乗算器163の出力に基づいて量子化精度を決定
する量子化精度決定回路165からの量子化精度情報に
基づく割り当てビット数によって供給された信号成分の
量子化を行う。当該量子化器164の出力はマルチプレ
クサ168に、上記量子化精度決定回路165からの量
子化精度情報は量子化器166で量子化された後にマル
チプレクサ168に送られる。
【0073】マルチプレクサ168では、上述のように
して共通化されて量子化器164によって量子化された
周波数成分と、量子化された量子化精度情報と、量子化
された各チャネルのスケールファクタとをマルチプレク
スして、出力端子169から出力する。この端子169
の出力が前記図3の切換スイッチ126の他方の被切換
端子に送られるようになる。
【0074】次に、前記共通化を行わずに符号化された
各チャネルのトーン性成分を復号化する図4の第1の復
号化器134の具体的構成について、図7を用いて説明
する。この図7の構成は、図3に示した前記第1の符号
化回路124と対応するものである。
【0075】この図7において、端子151,152
,153はチャネルchに対応し、端子15
,152,153はチャネルchに対応して
いる。端子151,151には図5の端子147
又は147に対応する量子化されたスケールファクタ
が、端子152,152には図5の端子148
は148に対応する正規化されて量子化された周波数
成分が、端子153,153には図5の端子149
又は149に対応する量子化された量子化精度情報
が供給される。各端子151,151〜153
153にそれぞれ供給された信号は、それぞれ対応す
る逆量子化器154,154〜156,156
に送られて逆量子化される。
【0076】すなわち、正規化されて量子化された周波
数成分が供給される逆量子化器1551 ,1552 は、
量子化された量子化精度情報を逆量子化する逆量子化器
1561 ,1562 からの量子化精度情報に基づいて逆
量子化を行う。
【0077】上記逆量子化器155,155からの
逆量子化された周波数成分は、それぞれ乗算器15
,157に送られる。この乗算器157,15
には、それぞれ量子化されたスケールファクタを逆
量子化する逆量子化器156,156からのスケー
ルファクタも供給される。
【0078】したがって、乗算器1571 ,1572
おいて周波数成分とスケールファクタとの乗算が行われ
ることで、前記正規化が解除されることになる。
【0079】当該正規化が解除された各チャネルのトー
ン性成分は、対応する端子1581又は1582 を介し
て、図4の切換スイッチ136に送られるようになる。
【0080】次に、トーン性成分の共通化を行って符号
化されたトーン性成分を復号化する図4の第2の復号化
器135の具体的構成について、図8を用いて説明す
る。この図8の構成は、図3に示した前記第2の符号化
回路125と対応するものである。
【0081】この図8において、端子170には前記図
6の端子169に対応する共通化されたトーン性成分の
符号化信号が供給される。この端子170に供給された
信号は、デマルチプレクサ171によって、量子化され
た各チャネルのスケールファクタと、量子化された量子
化精度情報と、共通化されて量子化された周波数成分と
に分離される。
【0082】上記各チャネルの量子化されたスケールフ
ァクタは、それぞれ対応する逆量子化器1721 又は1
722 に送られてそれぞれ逆量子化される。これら逆量
子化器1721 ,1722 によって逆量子化された各チ
ャネルのスケールファクタは、それぞれ対応する乗算器
1751 ,1752 に送られる。
【0083】また、上記共通化されて量子化された周波
数成分は逆量子化器173に送られ、上記量子化された
量子化精度情報は逆量子化器174に送られる。上記逆
量子化器173では、逆量子化器174によって逆量子
化された量子化精度情報に基づいて、上記共通化されて
量子化された周波数成分の逆量子化を行う。当該逆量子
化器174で逆量子化された共通化された周波数成分
は、共に上記乗算器1751 と1752 に送られる。
【0084】したがって、乗算器1751 ,1752
おいて、周波数成分に対して上記チャネルch1 とch
2 に対応するスケールファクタが乗算されることで、前
記正規化が解除されることになる。
【0085】当該正規化が解除された各チャネルのトー
ン性成分は、対応する端子1761又は1762 を介し
て、図4の切換スイッチ136に送られるようになる。
【0086】次に、前記図1の信号成分分離回路102
1 及び1022 におけるトーン性成分とノイズ性成分の
分離について、図9以降の各図を用いて説明する。
【0087】図9には、図1の変換回路1011 ,10
2 から供給されたスペクトル信号(周波数成分)の一
例を示している。また、図10には、図9のスペクトル
信号から図9の図中破線で示す4つのトーン性成分TC
A 、TCB 、TCC 、TCDを分離した残りのノイズ性
成分を示している。なお、図9は、例えばMDCTによ
って得たスペクトル信号(周波数成分)の絶対値のレベ
ルをdB値に変換して示したものであり、入力音響信号
は各フレーム毎に例えば64個のスペクトル信号に変換
されている。
【0088】ここで、上記トーン性成分は、図9の例の
ように通常は少数のスペクトル信号に集中して分布して
いるため、これらの成分を精度良く量子化しても、全体
としてはあまり多くのビット数は必要とはならない。ま
た、当該トーン性成分については、一旦、正規化してか
ら量子化することによって符号化の効率を高めることも
できるが、当該トーン性成分を構成するスペクトル信号
は上述のように比較的少数であるので、例えば正規化や
再量子化の処理を省略して装置を簡略化することも可能
である。
【0089】また、図10に示すように、ノイズ性成分
は、図9の図中破線で示したトーン性成分を全て除いた
ものとするのではなく、当該トーン性成分の所定レベル
以下についてはノイズ性成分として残しておくようにす
る。この図10に示すノイズ性成分は、例えば、トーン
性成分を符号化した後に復号化したものを元のスペクト
ル信号から差し引くことによって得ることができる。ま
た、このようにトーン性成分を抽出していく方法は、必
ずしもトーン性成分を符号化して復号化したものと同等
の信号を元のスペクトル信号から差し引いていく場合だ
けでなく、抽出されたトーン性成分のスペクトル信号を
0にした場合にも適用可能であり、本発明の記述におい
て「トーン性成分を分離した信号」等の表現はこの両者
を含むものである。この図10に示すように、各帯域b
1〜b5において元のスペクトル信号からはトーン性成
分TC,TC,TC,TCが除かれているた
め、各符号化ユニットにおける正規化係数は小さな値と
なり、したがって、少ないビット数でも発生する量子化
雑音を小さくすることができる。
【0090】さらに、聴覚の性質を利用すると上記ノイ
ズ性成分の符号化はさらに効率良く行うことができる。
すなわち、周波数軸上でトーン性の信号の近辺ではマス
キング効果が有効に働くため、トーン性成分が抽出され
た近辺のノイズ性成分を0であるとして符号化を行なっ
ても、それが後に復号化された音響信号は元の音と聴感
上、大きな差異は感じられない。
【0091】次に、図11は、図9スペクトル信号をト
ーン性成分とノイズ性成分に分離して符号化した場合の
符号列(記録媒体に記録される符号列)の具体例を示
す。
【0092】この図11では、先ず最初に、符号列とし
てトーン性成分情報数tcn(図11の例では4)が配
され、次に図9のトーン性成分TCA ,TCB ,T
C ,TCD に対応するトーン性成分情報tcA ,tc
B ,tcC ,tcD と、図10の各帯域b1〜b5に対
応するノイズ性成分情報nc1 ,nc2 ,nc3 ,nc
4,nc5 の順番に符号が配されるようになる。
【0093】ここで、上記トーン性成分情報には、先
ず、上述した複数チャネルのトーン性成分の共通化を行
ったか否かを示すチャネル間特性利用情報が配置され、
このチャネル間特性利用情報が OFF(オフ)すなわち共
通化を行わない場合には、このチャネル間特性利用情報
に続いて、当該トーン性成分の中心スペクトルの位置を
表す中心位置情報CP(例えばトーン性成分TCB の場
合には例えば15)と、量子化のためのビット数を表す
量子化精度情報(例えばトーン性成分TCB の場合には
例えば6)と、正規化係数情報とが含まれ、これらが正
規化および量子化された各信号成分情報(例えば情報S
1 ,SC2 ,SC3 )と共に符号化列に配されるよう
になる。なお、例えば、周波数によって固定的に量子化
精度が定められているような場合にはもちろん量子化精
度情報は配置する必要はなくなる。
【0094】また、上述の実施例では、トーン性成分の
位置情報として、各トーン性成分の中心スペクトルの位
置を用いるようにしたが、各トーン性成分の一番低域の
スペクトルの位置(例えばトーン性成分TCB の場合に
は14)を記録するようにしてもよい。
【0095】これに対して、上記トーン性成分の共通化
を行う場合のトーン性成分情報、例えば図11のトーン
性成分情報tcC には、ON(オン)となっているチャ
ネル間特性利用情報に続いて、共通化された周波数成分
情報が伝送されるチャネルの情報と、正規化係数情報
(スケールファクタ)とが配置される。
【0096】また、ノイズ性成分情報(例えばノイズ性
成分情報nc1 )には、量子化精度情報と、正規化係数
情報(スケールファクタ)とが、正規化及び量子化され
た各信号成分情報(例えば情報SC1 ,SC2 ,・・
・,SC8 )とが含まれる。
【0097】
【0098】なお、この図11において、量子化精度情
報が0である場合(例えば図9,図10の帯域b4 に対
応する図11のノイズ性成分情報nc4 )には、その符
号化ユニットにおいて実際に符号化が行われないことを
示す。ただし、これらのノイズ性成分情報の場合も、帯
域によって固定的に量子化精度が定められている場合に
は、量子化精度情報は記録する必要はないが、このと
き、例えば上記帯域b4のように実際には符号化が行な
われない符号化ユニットを指定することができなくな
る。このような場合には、例えば、各符号化ユニットで
実際に符号化が行なわれているかどうかを示す1ビット
のフラグ情報を付加すれば良い。
【0099】上述したように、本実施例によれば、複数
チャネルのトーン性成分を共通化して符号化することで
圧縮効率を高めて伝送レートを下げることができ、良好
な符号化と高い符号化効率を実現可能としている。
【0100】なお、特開平4−360331号公報に
は、例えばステレオ信号(2チャンネル)のレフトサブ
バンド信号成分とライトサブバンド信号成分の高いサブ
バンド内信号については、それらの位相差が重要ではな
く、モノ信号の波形が非常に重要であるという、人間の
聴覚系の特性を利用して、効率良く圧縮する方法が述べ
られている。その他、国際公開番号WO92/1260
7号公報にも複数チャネル間の特性を用いて符号化する
手法として、人間による聴取を意図する多次元音場の録
音、伝送、及び再生に関し、音場を表現する信号のサブ
バンドの符号化及び復号化であって、復号化信号が符号
化信号の相対的レベル、或いは符号化信号によって表現
される音場の明確な方位のいずれかを伝える制御信号と
共に、多重の個別信号、合成信号によって搬送されるサ
ブバンドの符号化及び復号化の手法が述べられている。
【0101】
【発明の効果】本発明に係る信号符号化方法及び装置に
よれば、複数チャネルの入力信号を周波数成分に変換
し、上記周波数成分をトーン性成分からなる第1の信号
とその他の成分からなる第2の信号に分離して符号化す
る信号符号化方法であって、上記複数チャネルの第1の
信号をそれぞれ個別に符号化する個別符号化処理と、上
記複数チャネルの第1の信号をチャネル間で共通化して
符号化する共通符号化処理とを選択的に切り換えて符号
化しているため、共通化した場合には圧縮率を高めるこ
とができ、また、共通化しないことで共通化による悪影
響の発生を防止可能である。
【0102】また、本発明に係る信号復号化方法及び装
置によれば、複数チャネルの周波数成分がトーン性成分
からなる第1の信号とその他の成分からなる第2の信号
とに分離されて符号化された符号化信号を復号化する信
号復号化方法であって、複数チャネルの第1の信号を複
数チャネル間で共通化して符号化した符号化信号を復号
化すると共に、上記複数チャネル毎にそれぞれ符号化さ
れた第2の信号の符号化信号をそれぞれのチャネル毎に
復号化することにより、上記信号符号化方法及び装置に
より得られた符号化信号から復号化信号を再現すること
ができる。
【0103】すなわち、本発明によれば、複数チャネル
を扱う場合でも、符号化データ量の増大を抑制すること
ができ、さらに符号化データ量の増大を抑制しても復号
化されて得られる信号の劣化も少なくすることが可能と
なる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施例の信号符号化装置の概略構成を示
すブロック回路図である。
【図2】本発明実施例の信号復号化装置の概略構成を示
すブロック回路図である。
【図3】本実施例の信号符号化装置のトーン性成分符号
化回路の具体的構成を示すブロック回路図である。
【図4】本実施例の信号復号化装置のトーン性成分復号
化回路の具体的構成を示すブロック回路図である。
【図5】本実施例符号化装置のトーン性成分符号化回路
内の第1の符号化回路の具体的構成を示すブロック回路
図である。
【図6】本実施例符号化装置のトーン性成分符号化回路
内の第2の符号化回路の具体的構成を示すブロック回路
図である。
【図7】本実施例復号化装置のトーン性成分復号化回路
内の第1の復号化回路の具体的構成を示すブロック回路
図である。
【図8】本実施例復号化装置のトーン性成分復号化回路
内の第2の復号化回路の具体的構成を示すブロック回路
図である。
【図9】本実施例の信号符号化における元のスペクトル
信号の一例を示す図である。
【図10】本実施例の信号符号化における元のスペクト
ル信号からトーン性成分を除いたノイズ性成分の一例を
示す図である。
【図11】本実施例の信号符号化により得られる符号列
の一例について説明するための図である。
【図12】複数チャネルの各チャネル毎に符号化を行う
符号化装置の概略構成を示すブロック回路図である。
【図13】複数チャネルの各チャネル毎に符号化が行わ
れた符号化信号を復号化する復号化装置の概略構成を示
すブロック回路図である。
【符号の説明】
101 変換回路 102 信号成分分離回路 104 トーン性成分符号化回路 105 ノイズ性成分符号化回路 106 符号列生成回路 111 符号列分解回路 112 トーン性成分復号化回路 113 ノイズ性成分復号化回路 114 合成回路 115 逆変換回路 123 判定回路 124 第1の符号化器 125 第2の符号化器 126,133,136 切換スイッチ 134 第2の復号化器 135 第2の復号化器 141,161 正規化回路 142,165 量子化精度決定回路 143〜146,164,166,167 量子化器 154〜156,172〜174 逆量子化器 157,163,175 乗算器 162 加算器
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H03M 7/30

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数チャネルの入力信号を周波数成分に
    変換し、上記周波数成分をトーン性成分からなる第1の
    信号とその他の成分からなる第2の信号に分離して符号
    化する信号符号化方法であって、上記複数チャネルの第1の信号をそれぞれ個別に符号化
    する個別符号化処理と、 上記複数チャネルの第1の信号
    チャネル間で共通化して符号化する共通符号化処理と
    を選択的に切り換えて符号化することを特徴とする信号
    符号化方法。
  2. 【請求項2】 上記個別符号化処理と共通符号化処理の
    選択的な切り換えは、トーン性成分毎に行うことを特徴
    とする請求項1記載の信号符号化方法。
  3. 【請求項3】 上記複数のチャネルの第1の信号の共通
    化は、複数のチャネルのそれぞれ対応する位置にトーン
    性成分が存在することを必要条件とすることを特徴とす
    る請求項1記載の信号符号化方法。
  4. 【請求項4】 複数チャネルの入力信号をそれぞれ周波
    数成分に変換する変換手段と、 上記複数チャネルの周波数成分をそれぞれトーン性成分
    からなる第1の信号とその他の成分からなる第2の信号
    に分離する信号成分分離手段と、 上記複数チャネルの第2の信号をそれぞれのチャネル毎
    に符号化する符号化手段と、上記複数チャネルの第1の信号をそれぞれ個別に符号化
    する個別符号化手段と、 上記複数チャネルの第1の信号を共通化して符号化する
    共通符号化手段と、 上記個別符号化手段と共通符号化手段のいずれかの符号
    化出力を選択する選択手段と を有することを特徴とする
    信号符号化装置。
  5. 【請求項5】 複数チャネルの周波数成分がトーン性成
    分からなる第1の信号とその他の成分からなる第2の信
    号とに分離されて符号化された符号化信号を復号化する
    信号復号化方法であって 複数チャネルの第1の信号を複数チャネル間で共通化し
    符号化した符号化信号を復号化すると共に、 上記複数チャネル毎にそれぞれ符号化された第2の信号
    の符号化信号をそれぞれのチャネル毎に復号化すること
    を特徴とする信号復号化方法。
  6. 【請求項6】 上記複数チャネルの第1の信号の符号化
    信号は、上記複数チャネルの第1の信号をそれぞれ個別
    に符号化する個別符号化処理と、上記複数チャンネルの
    第1の信号を複数チャンネル間で共通化して符号化する
    共通符号化処理が選択的に切り換えられ符号化された
    符号化信号であって 上記個別符号化処理された信号を復号化する個別復号化
    処理と、上記共通復号化処理された信号を復号化する共
    通復号化処理とを選択的に切り換えて復号化することを
    特徴とする請求項記載の信号復号化方法。
  7. 【請求項7】 複数チャネルの周波数成分がトーン性成
    分からなる第1の信号とその他の成分からなる第2の信
    号とに分離されて符号化された符号化信号を復号化する
    信号復号化装置であって 複数チャネルの上記第1の信号を複数チャネル間で共通
    化して符号化した符号化信号を復号化する復号化手段
    と、 上記複数チャネル毎にそれぞれ符号化された第2の信号
    の符号化信号をそれぞれのチャネル毎に復号化する復号
    化手段とを有することを特徴とする信号復号化装置。
  8. 【請求項8】 上記複数チャネルの第1の信号の符号化
    信号は、上記複数チャネルの第1の信号をそれぞれ個別
    に符号化する個別符号化処理と、上記複数チャネルの第
    1の信号を複数チャネル間で共通化して符号化する共通
    符号化処理が選択的に切り換えられた符号化信号であっ
    て、 上記第1の信号の符号化信号の復号化手段は、上記個別
    符号化処理された信号を復号化する個別復号化手段と、
    上記共通復号化処理された信号を復号化する共通復号化
    手段と、上記個別復号化手段と上記共通復号化手段とを
    選択的に切り換える選択手段とを有することを特徴とす
    る請求項記載の信号復号化方法。
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