以下、本発明の実施形態に係る電流センサ及び分電盤について、図面を用いて説明する。以下、特に断りのない限り、図1〜5において、矢印で示す向きによって電流センサ21の上下、左右、前後を規定する。また、図6において、矢印で示す向きによって分電盤1の上下、左右を規定する。また、図6において、紙面の手前側を分電盤1の前と規定する。すなわち、電流センサ21における、後述の第一筐体41と第二筐体42とが結合している場合において、第一筐体41と第二筐体42とが並んでいる方向を左右方向とし、第一筐体41側を左とし、第二筐体42側を右とする。また、後述の貫通孔418が第一筐体41と第二筐体42とを貫通している方向を、上下方向とする。また、互いに結合している第一筐体41と第二筐体42とが並んでいる方向及び貫通孔418が第一筐体41と第二筐体42とを貫通している方向との両方に対して直交する方向を前後方向とする。
本実施形態の分電盤1は、図6に示すように、キャビネット10と、主幹ブレーカ14と、複数(本実施形態では18個)の分岐ブレーカ15と、複数(本実施形態では3本)の母線導体16と、複数(本実施形態では3つ)の電流測定装置2と、を備えている。本実施形態の分電盤1は、単相三線式配線に対応した構成である。なお、分電盤1の配線方式は単相三線式に限定されず、単相二線式、三相三線式、三相四線式などいずれの配線方式であってもよい。
キャビネット10は、矩形板状の底板101と、底板101の周縁から突出した周壁102とを有する箱状に形成されている。底板101には、2つのレール部材103が取り付けられている。2つのレール部材103は、上下方向に長尺の矩形板状に形成されている。2つのレール部材103の前面には、第一取付板104及び第二取付板105が固定されている。第一取付板104及び第二取付板105は、2つのレール部材103の間に架け渡されるようにして設置されている。第二取付板105は、第一取付板104の下方に配置されている。第二取付板105の前面には、取付ベース106が固定されている。取付ベース106は、例えば合成樹脂などにより形成されている。取付ベース106は、図1に示すように、板状部107と、複数の鉤部108と、を有している。本実施形態では、鉤部108は、3つの電流測定装置2の各々に対応して2つずつ、計6つ(図1では2つのみを図示)設けられている。鉤部108は、板状部107から前向きに突出している。鉤部108は、突出している向きの先端付近が屈曲しており、断面L字状に形成されている。
図6に示すように、主幹ブレーカ14は、第一取付板104の前面に取り付けられている。複数の分岐ブレーカ15は、取付ベース106に取り付けられている。主幹ブレーカ14の3つの一次側端子141は、L1相、L2相、N相の3本の電力線142を介して、図示しない交流電源に電気的に接続されている。主幹ブレーカ14の3つの二次側端子143には、L1相、L2相、N相の3本(図6では1本のみに符号を付す。)の母線導体16が電気的に接続されている。3本の母線導体16は、3本の電力線142に一対一に電気的に接続されている。3本の母線導体16の各々は、主幹ブレーカ14に直接接続されているジョイントバー161と、ジョイントバー161を介して主幹ブレーカ14に接続されている導電バー(導電部材162)と、を備えている。すなわち、本実施形態では、図1に示すように、分電盤1は3つの導電部材162を備えている。
導電部材162は、例えば銅などの導電性材料により形成されている。導電部材162は、平板状に形成されている。導電部材162は、上下方向に長手方向を有しており、電力を上下方向に伝達する。また、3つの導電部材162は、互いに間隔を空けて、前後方向に並んで配置されている。3つの導電部材162は、前側からL1相、N相、L2相の順に並んでいる。
図6に示すように、複数の分岐ブレーカ15は、導電部材162に電気的に接続されている。18個の分岐ブレーカ15は、ブレーカ群G1、G2、G3に分かれている。ブレーカ群G1、G2、G3はそれぞれ、6つの分岐ブレーカ15を有している。ブレーカ群G1、G2、G3において、ブレーカ群G1が主幹ブレーカ14に最も近く、ブレーカ群G3が主幹ブレーカ14から最も遠い。3つの電流測定装置2のうち1つはブレーカ群G1とジョイントバー161との間に設置されており、他の1つはブレーカ群G1とブレーカ群G2との間に設置されており、残りの1つはブレーカ群G2とブレーカ群G3との間に設置されている。すなわち、3つの電流測定装置2はそれぞれ、導電部材162を通ってブレーカ群G1へ流れる電流、導電部材162を通ってブレーカ群G2へ流れる電流、及び、導電部材162を通ってブレーカ群G3へ流れる電流を測定するために設けられている。
分電盤1に設けられている複数の電流測定装置2の各々は、図1に示すように、2つの電流センサ21、22を含む。電流センサ21は、L1相の導電部材162を流れる電流を測定し、測定結果を計測装置300(図6参照)に出力する。電流センサ22は、L2相の導電部材162を流れる電流を測定し、測定結果を計測装置300に出力する。計測装置300は、電流センサ21及び電流センサ22の出力を用いて、例えば、ブレーカ群G1、G2、G3(図6参照)における電流、電力、電力量を計測する。以下では、電流センサ21及び電流センサ22に共通の事項について、電流センサ21を参照して説明する。
本実施形態の電流センサ21は、測定部3と、着脱構造9と、を備えている。測定部3は、コア30と、巻線314、315、316と、を有している。測定部3は、カレントトランスを構成している。
本実施形態の着脱構造9は、筐体4と、弾性部材200(図5参照)と、解除スイッチ5と、解除スイッチカバー6と、を備えている。図3、4では、第二筐体42は、は、解除スイッチカバー6が第二筐体42から分解している状態で示している。
図1に示すように、コア30は、第一コア31と、第二コア32とを含む。第一コア31及び第二コア32は、珪素鋼板などの磁性体から構成されている。第一コア31及び第二コア32は、上下方向から見て断面U字状に形成されている。第一コア31は、前後方向に長尺の中央片311と、中央片311の前後方向の両端からそれぞれ右向きに突出している一対の脚片312と、を有している。第二コア32は、前後方向に長尺の中央片321と、中央片321の前後方向の両端からそれぞれ左向きに突出している一対の脚片322と、を有している。第一コア31は、第二コア32に対向して配置されている。すなわち、第一コア31における脚片312の先端部313は、第二コア32における脚片322の先端部323に対向している。第二コア32は、平板状の導電部材162を囲む閉磁路を第一コア31と共に形成している。電流センサ21において、閉磁路は、3つの導電部材162のうちL1相の導電部材162を囲んでいる。第一コア31は、左右方向において第二コア32よりも長尺に形成されている。なお、第一コア31と第二コア32との間には、誘電体が挟まれていてもよい。また、第一コア31及び第二コア32の材料は、珪素鋼板に限らず、例えば、パーマロイ又はフェライト、アモルファス、ナノ結晶合金等であってもよい。
第一コア31の前側の脚片312には、巻線314が巻かれている。第一コア31の後側の脚片312は、筒状のボビン317により部分的に覆われている。ボビン317は、樹脂等の電気絶縁性の材料により形成されている。ボビン317には、巻線315、316が巻かれている。巻線314、315、316は、銅などの電気伝導性の材料により形成されている。巻線314、315、316は、互いに電気的に直列に接続されている。巻線314、315、316は、計測装置300(図6参照)に電気的に接続されており、電流センサ21で測定されたL1相の導電部材162を流れる電流に応じた電流を計測装置300に出力する。
筐体4は、直方体状に形成されている。筐体4は、樹脂等の電気絶縁性の材料により形成されている。筐体4は、第一筐体41と、第二筐体42とを含む。第一筐体41は、第二筐体42に結合している。第一筐体41は、第二筐体42から分離することができる。
第一筐体41は、第一収納部410と、4つの第一嵌め込み部460(図3参照。図3では3つのみを図示。)と、を含む。第一収納部410は、本体部411と、第一側部412(図2参照)と、第二側部413と、を有している。図1は、第一側部412が取り外された状態を図示している。本体部411は、上下方向から見て断面U字状に形成されている。本体部411は、前後方向に長尺の中央板414と、中央板414の前後方向の両端からそれぞれ右向きに突出している一対の脚板415と、を含む。第二側部413は、本体部411の上側を覆うように設けられている。図2に示すように、第一側部412は、本体部411の下側を覆うように本体部411に取り付けられている。第一収納部410は、本体部411と、第一側部412と、第二側部413とにより、全体として有底筒状に形成されている。図1に示すように、第一筐体41は、内部に第一コア31を収納している。さらに、第一筐体41は、内部に基板303を保持している。基板303には、巻線314、315、316からの出力信号を増幅する図示しない増幅回路が設けられている。なお、第一側部412及び第二側部413は、本体部411と一体に形成されていてもよいし、本体部411とは別々に形成された後に、本体部411に取り付けられていてもよい。
また、第一筐体41は、第二筐体42と結合することにより、第一側部412と第二側部413とが対向する方向(上下方向)において、第一筐体41及び第二筐体42を貫通する貫通孔418を、第二筐体42と共に形成している。第一筐体41には、貫通孔418の外縁に沿って、保持部材419が設けられている。保持部材419は、上下方向から見て断面U字状に形成されており、第一側部412と第二側部413との間を架け渡すように設けられている。導電部材162は、貫通孔418を通っている。導電部材162が貫通孔418を通っていることによって、筐体4は、導電部材162に対して位置決めされている。対向方向100において、貫通孔418は、導電部材162よりも長い。対向方向100は、後述の突起470(図3参照)が後述の嵌め込み孔462(図3参照)に嵌め込まれているとき、第一筐体41に対して第二筐体42が位置する方向である。なお、本実施形態において、対向方向100は左右方向に一致している。
電流センサ21において、第一筐体41の内部には、シリコン樹脂等の電気絶縁性の封止部材が充填されている。第一コア31、巻線314、315、316及び基板303は、封止部材で封止されることにより、電流センサ21の内部に位置決めされている。すなわち、第一コア31、巻線314、315、316及び基板303は、電流センサ21の内部にポッティングされている。
また、第二側部413からは、仕切部304が突出している。仕切部304は板状に形成されている。仕切部304は、第二側部413に直交しており、第一筐体41の内部に向かって突出している。第一筐体41の内部において、第一コア31は、仕切部304により基板303との接触が抑制されている。また、第二側部413からは、4つの保持片305が突出している。4つの保持片305は、第二側部413に直交しており、第一筐体41の内部に向かって突出している。第一コア31は、2箇所において、1箇所につき2つの保持片305の間に配置されることにより、第一筐体41に保持されている。
図3に示すように、第一筐体41の4つの第一嵌め込み部460の各々は板状である。第一嵌め込み部460は、第一側部412及び第二側部413の第二筐体42側の端(右端)から、第二筐体42側(右側)へ突出している。第一嵌め込み部460は、第一側部412及び第二側部413と一体に形成されている。また、第一嵌め込み部460は、貫通孔である嵌め込み孔462を有している。嵌め込み孔462は、凹部に相当する。ここで、凹部という語は、貫通孔のほかに、底を有する穴及び溝をも含む意味で用いている。
第一筐体41において4つの第一嵌め込み部460は、1箇所につき1つずつ、4箇所に分かれて設けられている。すなわち、4つの第一嵌め込み部460の4つの嵌め込み孔462は、4箇所に分かれて設けられている。4つの第一嵌め込み部460は、第一収納部410の第一側部412及び第二側部413においてそれぞれ2つずつ設けられている。また、第一側部412及び第二側部413の各々において、2つの第一嵌め込み部460は、貫通孔418を挟んで設けられている。すなわち、第一側部412及び第二側部413の各々において、2つの第一嵌め込み部460は、貫通孔418が第一筐体41及び第二筐体42を貫通している方向(上下方向)及び対向方向100(左右方向)の両方に直交する方向(前後方向)に並んで設けられている。また、第一筐体41が第二筐体42に結合しているとき、各第一嵌め込み部460の嵌め込み孔462と、貫通孔418との中で、貫通孔418の方が、第二筐体42の後述の端422(右端)に対して、対向方向100において遠くに設けられている。
第一嵌め込み部460は弾性を有している。第一嵌め込み部460は、弾性部に相当する。第一嵌め込み部460は、力が加えられることにより、第一収納部410の外側へ向かって弾性変形する。第一嵌め込み部460は、第二筐体42側の先端に作用面461(第一作用面)を含む。作用面461は、板状の第一嵌め込み部460の角部が面取りされるようにして形成されている。つまり、作用面461は、対向方向100に対して傾斜した傾斜面である。作用面461は、上下方向において、第一筐体41の内側に面している。また、作用面461は、左右方向において、第二筐体42側(右側)に面している。
図5は、図2のA−A断面における第二筐体42を図示している。図4、5に示すように、第二筐体42は、上下方向から見て断面U字状に形成されている。第二筐体42は、第二収納部420を有している。第二収納部420は、ケース部43と、第二嵌め込み部44と、を備えている。
ケース部43は、一対の筒状部431と、枠部432と、規制部433と、を有している。ケース部43は、中空状に形成されている。枠部432は、枠状に形成されており、第一端434(右端)に開口435を含む。枠部432における第一端434とは反対側の第二端436(左端)からは、一対の筒状部431が突出している。各筒状部431は、枠部432から突出している向き(左向き)の先端に開口437を含む。ケース部43の内部の空間は、開口437から、枠部432の開口435まで繋がっている。第二筐体42は、一対の筒状部431の開口437側の端(左端)において、第一筐体41(図1参照)の第一収納部410(図1参照)に接している。また、枠部432の第二端436において、一対の筒状部431の間は、板状の規制部433により覆われている。第一筐体41の保持部材419(図1参照)は、一対の筒状部431の間に配置されている。枠部432の第一端434からは、一対(図4では1つのみを図示)の取付片438が突出している。取付片438には、ねじ孔439が設けられている。
第二嵌め込み部44は、底部441と、筒状部442と、バネ挿入部443と、バネ引掛片444と、軸受445と、を有している。底部441は、左右方向に対して直交する矩形板状に形成されている。底部441は、貫通孔である一対の規制孔446と、貫通孔である4つ(図4では3つのみを図示)のガイド孔447と、引掛溝448と、を含む。また、底部441は、第二筐体42の端422を含む。端422は、第二筐体42のうち対向方向100(左右方向)における第一筐体41(図3参照)側(左側)とは反対側の端である。筒状部442は、底部441の周縁付近から、左向きに突出している。筒状部442は、一対(図4では1つのみを図示)のねじ孔449を含む。筒状部442は、ケース部43の枠部432に結合している。すなわち、ケース部43と第二嵌め込み部44とは、ケース部43の取付片438のねじ孔439と、第二嵌め込み部44のねじ孔449とが合わさってねじ止めにより互いに結合している。バネ挿入部443は筒状に形成されており、底部441から筒状部442が突出している向き(左向き)と同じ向きに、底部441の中央から突出している。また、バネ挿入部443の内部には、底部441から突出しているバネ引掛片444が位置している。バネ引掛片444は円柱状に形成されている。
第二筐体42には弾性部材200が内蔵されている。弾性部材200としては、例えばコイルバネを用いている。弾性部材200は、バネ挿入部443に挿入されており、コイル構造の内側にバネ引掛片444が挿入されている。
軸受445は、突片450と、円柱状の2つの軸支部451と、を含む。突片450は、底部441から筒状部442が突出している向きとは反対向き(右向き)に、底部441から突出している。2つの軸支部451のうち、1つは突片450から上向きに突出しており、他の1つは突片450から下向きに突出している。引掛溝448は、底部441における右前の角部に形成されている。引掛溝448には、貫通孔である引掛孔452が設けられている。
第二筐体42の第二嵌め込み部44は、4つ(図4では2つのみを図示)の突起470を更に有している。すなわち、第二嵌め込み部44は、4つの嵌め込み孔462(図3参照)と同数である4つの突起470を有している。第二嵌め込み部44の4つの突起470は、上下方向において、第二収納部420の筒状部442から外向きに突出している。図3、4に示すように、第二筐体42において4つの突起470は、1箇所につき1つずつ、4箇所に分かれて設けられている。すなわち、突起470は、第二収納部420において、貫通孔418が第一筐体41及び第二筐体42を貫通している方向(上下方向)に対向する2つの面453、454に2つずつ設けられている。面453、454の各々において、2つの突起470は互いに離れて設けられている。また、面453、454の各々において、2つの突起470は、貫通孔418が第一筐体41及び第二筐体42を貫通している方向(上下方向)及び対向方向100(左右方向)の両方に直交する方向(前後方向)に並んで設けられている。第一筐体41が第二筐体42に結合しているとき、各突起470と貫通孔418との中で、貫通孔418の方が、第二筐体42の端422(右端)に対して、対向方向100においてより遠くに設けられている。
第二嵌め込み部44において、突起470は、第一筐体41側(左側)に作用面471(第二作用面)を含む。作用面471は、対向方向100に対して傾斜した傾斜面である。作用面471は、上下方向において、第二筐体42の外側に面している。また、作用面471は、左右方向において、第一筐体41側(左側)に面している。ところで、底部441において、ガイド孔447は、突起470に対して第一筐体41側(左側)とは反対側(突起470の右側)に形成されている。また、突起470が嵌め込み孔462に嵌め込まれているとき、ガイド孔447は、第一嵌め込み部460(弾性部)に対向している。
第二筐体42は、図5に示すように、内部に第二コア32を収納している。すなわち、第二コア32の2つの脚片322はそれぞれ、第二筐体42の2つの筒状部に一対一で対応しており、各脚片322の先端部323は、枠部432の開口435を通って対応する筒状部431に挿入されている。また、第二コア32の中央片321における脚片322側(左側)の第一面324が、規制部433との間に所定の間隔を空けて規制部433に対向している。さらに、第二コア32において第一面324とは反対側(右側)の第二面325において、第二嵌め込み部44が第二コア32に対向し、弾性部材200が第二コア32に接している。
上記の通り、弾性部材200は、第二筐体42と第二コア32との間に配置されており、第二筐体42及び第二コア32に力を加えている。弾性部材200は、図1に示す第一コア31を第二コア32に相対的に近づけ、第一筐体41を第二筐体42から相対的に遠ざける弾性力を有している。また、弾性部材200は、上記弾性力を第二コア32及び第二筐体42に加えている。
図3に示すように、第二筐体42の4つの突起470は、第一筐体41の4つの第一嵌め込み部460に一対一で対応しており、各突起470は対応する第一嵌め込み部460の嵌め込み孔462に嵌め込まれる。図3は、突起470が第一嵌め込み部460の嵌め込み孔462に嵌め込まれている状態を示している。
以下、各突起470が対応する第一嵌め込み部460の嵌め込み孔462に嵌め込まれる過程を説明する。まず、第二筐体42が、第一筐体41の右側から第一筐体41側(左側)へ移動する。つまり、第一筐体41が第二筐体42に相対的に近づく。これにより、突起470の作用面471が第一嵌め込み部460の作用面461に接する。作用面471と作用面461とは、互いに向かい合うように形成されている。第二筐体42が第一筐体41側へ更に移動しようとすると、作用面471において突起470から第一嵌め込み部460の作用面461に力が加えられて、第一嵌め込み部460(弾性部)が弾性変形する。すなわち、第一嵌め込み部460は、作用面471の傾斜に沿って、第一収納部410に対して外向きに曲がる。これにより、第二筐体42が第一筐体41側へ更に移動して、突起470は、第一嵌め込み部460の嵌め込み孔462に嵌め込まれる。
このような、いわゆるスナップフィット結合によって、各突起470は対応する第一嵌め込み部460に結合する。突起470を第一嵌め込み部460の嵌め込み孔462に嵌め込む動作は、第一筐体41を第二筐体42に相対的に近づける1度の操作により、4つの突起470及び4つの嵌め込み孔462に対して同時にされる。なお、第二筐体42を第一筐体41に近づけるのではなく、第一筐体41を第二筐体42に近づけて、突起470を嵌め込み孔462に嵌め込むこともできる。
突起470が嵌め込み孔462に嵌め込まれることにより、第一筐体41及び第二筐体42が互いに結合するので、第一筐体41が第二筐体42から相対的に遠ざかることが抑制される。
解除スイッチ5は、図4、5に示すように、操作部51と、2つの変形部52と、一対の規制部53と、4つ(図4では3つのみを図示)の作用部54と、を有している。
解除スイッチ5は、第二筐体42に取り付けられている。より詳細には、解除スイッチ5は、第二筐体42のうち対向方向100(左右方向)における第一筐体41(図3参照)側(左側)とは反対側(右側)の端422(右端)に取り付けられている。すなわち、解除スイッチ5は、対向方向100における筐体4(図3参照)の端422に設けられている。したがって、第一筐体41が第二筐体42に結合しているとき、解除スイッチ5と貫通孔418(図3参照)との中で、貫通孔418の方が、第二筐体42の端422に対して、対向方向100においてより遠くに設けられている。また、第一筐体41が第二筐体42に結合しているとき、解除スイッチ5と、貫通孔418と、突起470と、嵌め込み孔462との中で、貫通孔418は、第二筐体42の端422に対して、対向方向100において最も遠い。
操作部51は矩形板状に形成されている。操作部51は中心に開口510を有している。開口510の周縁からは、2つの変形部52が第二筐体42側(左側)へ突出している。2つの変形部52は、弾性を有している。各規制部53は、突出片531と、引掛爪532とを含む。突出片531は、操作部51から第二筐体42側へ突出している。引掛爪532は、突出片531の先端に設けられている。規制部53の突出片531は、第二筐体42の第二嵌め込み部44における規制孔446(孔)に通されており、規制部53の引掛爪532は、規制孔446(孔)の周縁において、第二筐体42の第二嵌め込み部44の底部441に引っ掛けられる。これにより、解除スイッチ5が第二筐体42から外れることが抑制される。
4つの作用部54は、操作部51において一の面511とは反対側から、第二筐体42に向かって突出している。操作部51の一の面511は、第二筐体42側とは反対側に面している。つまり、一の面511は、操作部51における右側の面である。4つの作用部54は、第二筐体42における4つのガイド孔447に通されている。作用部54は、第二筐体42側の先端に作用面541(第三作用面)を含む。作用面541は、対向方向100(左右方向)に対して傾斜した傾斜面である。作用面541は、上下方向において、第二筐体42の外側に面している。また、作用面541は、左右方向において、第一筐体41側(左側)に面している。
以下、解除スイッチ5の基本的な動作について説明する。解除スイッチ5は、操作部51において一の面511に力が加えられることにより、第二筐体42側(左側)へと押される。解除スイッチ5が第二筐体42側へ押されていくと、やがて変形部52が第二筐体42に当たるので、解除スイッチ5は押されにくくなる。さらに解除スイッチ5が第二筐体42側へ押されていくと、作用部54が突起470に当たるので、解除スイッチ5はそれ以上は第二筐体42側へ押されない。
次に、解除スイッチ5が突起470と第一嵌め込み部460(図3参照)の嵌め込み孔462(図3参照)との嵌め込みを解除する動作について説明する。図3は、突起470が嵌め込み孔462に嵌め込まれている状態を示している。操作部51に力が加えられて操作部51が第一筐体41側(左側)へ向かって押されると、図3に示すように、作用部54の作用面541(第三作用面)が第一嵌め込み部460(弾性部)の作用面461(第四作用面)に接する。さらに操作部51に力が加えられて、操作部51が第一筐体41側へ押されると、作用部54が操作部51から力を与えられ、作用部54が作用面541において、第一嵌め込み部460の作用面461に力を加える。これにより、第一嵌め込み部460が弾性変形して、第一嵌め込み部460は、作用面541の傾斜に沿って、第一収納部410に対して外向きに曲がる。したがって、突起470と第一嵌め込み部460との嵌め込みが解除される。
上記の、突起470と嵌め込み孔462との嵌め込みを解除する動作は、操作部51が第二筐体42側へ押される1度の操作により、4つの突起470及び4つの嵌め込み孔462に対して同時にされる。すなわち、解除スイッチ5の4つの作用部54は、4つの第一嵌め込み部460に同時に接して、4つの第一嵌め込み部460に同時に力を加える。4つの突起470の各々において嵌め込み孔462との嵌め込みが解除されると、第二筐体42に作用している弾性部材200(図5参照)の弾性力により、第二筐体42は第一筐体41から遠ざかる向き(右向き)に移動する。これにより、突起470は第一嵌め込み部460の嵌め込み孔462から離れるので、第一嵌め込み部460が、第一収納部410に対して外向きに弾性変形する前の形状に戻っても、突起470は第一嵌め込み部460の嵌め込み孔462に嵌め込まれない。
解除スイッチカバー6は、第一面部61と、第二面部62と、一対(図3では1つのみを図示)の側面部63と、軸部64と、引掛部65と、を有している。第一面部61、第二面部62及び一対の側面部63はそれぞれ、矩形板状に形成されている。第二面部62は、第一面部61の前側の一辺から第一面部61に直交する方向に延びている。一対の側面部63は、互いに向かい合って設けられている。一対の側面部63は、第一面部61及び第二面部62に直交し、かつ、第一面部61及び第二面部62の各々の一辺に繋がっている。軸部64は、第一面部61の後側に設けられている。引掛部65は、第二面部62から左向きに突出している。軸部64は、第二筐体42の第二嵌め込み部44の2つの軸支部451に取り付けられている(図1参照)。さらに、引掛部65が第二筐体42の引掛溝448(図4参照)に引っ掛けられ、引掛孔452(図4参照)に挿入されている。解除スイッチカバー6は、上記のように、軸部64及び引掛部65において、第二筐体42に取り付けられている。
解除スイッチカバー6は、第一面部61、第二面部62及び一対の側面部63によって、解除スイッチ5の操作部51を覆っている。したがって、解除スイッチカバー6は、操作部51に力が加えられて突起470と嵌め込み孔462との嵌め込みが解除されることを抑制する。図1に示すように、解除スイッチカバー6は、軸部64を軸として、第二筐体42に対して回転可能に取り付けられている。図1では、電流センサ21の解除スイッチカバー6は、軸部64を軸として回転して、解除スイッチ5の操作部51を覆っていない状態で図示されている。このように、解除スイッチカバー6は、操作部51に力が加えられるように、軸部64を軸として回転して操作部51を露出させることができる。
解除スイッチカバー6が操作部51を覆っている状態で、解除スイッチカバー6は、第二筐体42側(左側)に向かって押される。すると、解除スイッチカバー6は、操作部51に力を加えることなく第二筐体42に力を加えて、第二筐体42を第一筐体41に向かって左向きに押す。これにより、図3に示す作用面471において突起470から第一嵌め込み部460の作用面461に力が加えられて、第一嵌め込み部460を弾性変形させ、突起470を第一嵌め込み部460の嵌め込み孔462に嵌め込むことができる。つまり、解除スイッチカバー6を押す操作により、第二筐体42を第一筐体41に向かって押して、突起470を第一嵌め込み部460の嵌め込み孔462に嵌め込み、第一筐体41を第二筐体42に結合することができる。
突起470を第一嵌め込み部460の嵌め込み孔462に嵌め込む動作は、解除スイッチカバー6を第二筐体42側に向かって押して第一筐体41を第二筐体42に相対的に近づける1度の操作により、4つの嵌め込み孔462及び4つの突起470に対して同時にされる。ところで、第一筐体41と第二筐体42とを結合するために操作部51に力を加える操作と、第一筐体41を第二筐体42から取り外すための解除スイッチカバー6に力を加える操作とは、いずれも同じ側(第一筐体41側とは反対側)から行うことができる。したがって、両方の操作を行うための空間を確保しやすい。
次に、電流センサ22について説明する。ただし、電流センサ21と共通の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
図1、2に示すように、電流センサ22は、2つの脚部7と、2つの取付部8と、を更に備えている。電流センサ22において、コア30により形成されている閉磁路は、3つの導電部材162のうちL2相の導電部材162を囲んでいる。また、N相の導電部材162は、電流センサ21と電流センサ22との間に位置している。
各脚部7は、第二筐体42の後方に設けられている。すなわち、脚部7は、第二筐体42に取り付けられている。脚部7は、第一側壁71と、第二側壁72と、第三側壁73と、を有している。第一側壁71、第二側壁72、第三側壁73は、第二嵌め込み部44の後面4401に直交し、後面4401から後方に突出している。第一側壁71は第三側壁73に直交している。第二側壁72は、第一側壁71と第三側壁73との間に設けられており、第一側壁71及び第三側壁73に繋がっている。脚部7は、第二筐体42の第二嵌め込み部44と一体に形成されている。脚部7は、分電盤1(図6参照)内の取付ベース106と電流センサ22との間隔を所定の間隔に保っている。脚部7は、取付ベース106と電流センサ22との間隔を保ったまま、取付ベース106に沿って第一筐体41及び第二筐体42と共に移動する。
各取付部8は、引掛部81と、側壁部82と、を備えている。2つの取付部8のうち1つは、第一筐体41の第一側部412の後方に設けられて第一側部412と一体に形成されており、残りの1つは、第一筐体41の第二側部413の後方に設けられて第二側部413と一体に形成されている。取付ベース106の鉤部108は、2つの取付部8の側壁部82の間に位置して、2つの取付部8の引掛部81に引っ掛けられる。これにより、電流測定装置2が取付ベース106に取り付けられる。すなわち、第一筐体41は、取付部8によって分電盤1(図6参照)に取り付けられる。
電流センサ21の第一収納部410と電流センサ22の第一収納部410とは、複数(本実施形態では2つ)の連結部500により互いに連結されている。各連結部500は、板状に形成されている。連結部500は、樹脂等により形成されている。連結部500は、力を受けて変形する。導電部材162の変位に追随して、連結部500を変形させながら、電流センサ21を電流センサ22に対して変位させることができる。
なお、連結部500の材料及び構造は、上記に限定されない。連結部500としては、弾性又は可撓性を有する部材を用いることができる。連結部500は例えば、金属又は樹脂を材料に用いたヒンジ構造であってもよいし、コイルバネ又は板バネ等のバネであってもよい。あるいは、弾性又は柔軟性を有する材料で形成された部材を、両面テープ等によって、連結部500として電流センサ21の第一収納部410と電流センサ22の第一収納部410との間に挟んでもよい。こうした材料としては、緩衝材として用いられるジェル状の物質及びゴム等が知られている。
上記の通り、本実施形態に係る電流センサ21(22)は、第一コア31と、第二コア32と、第一筐体41と、第二筐体42と、弾性部材200と、を備える。第二コア32は、閉磁路を第一コア31と共に形成する。閉磁路は、導電部材162を囲む。導電部材162は、平板状である。第一筐体41は、第一コア31を内部に収納する。第二筐体42は、第二コア32を内部に収納する。第二筐体42は、第一筐体41と結合する。弾性部材200は、弾性力を有する状態で、第一筐体41と第一コア31との間及び第二筐体42と第二コア32との間のうち少なくとも一方に配置されている。弾性力は、第一コア31を第二コア32に相対的に近づけ、第一筐体41を第二筐体42から相対的に遠ざける。
電流センサ21(22)では、第一コア31を内部に収納する第一筐体41と、第二コア32を内部に収納する第二筐体42とが互いに結合しており、弾性部材200は、第一コア31を第二コア32に相対的に近づける弾性力を有している。したがって、第一コア31と第二コア32との間の位置関係を保ち、第一コア31と第二コア32とが形成する閉磁路をより安定させることができる。
また、弾性部材200は、第一筐体41を第二筐体42から相対的に遠ざける弾性力を有している。そのため、第一筐体41と第二筐体42との結合を解除すると、第一筐体41が第二筐体42から相対的に離れ、第一筐体41を第二筐体42から容易に取り外すことができる。したがって、電流センサ21(22)は、導電部材162から容易に取り外すことができる。
また、本実施形態に係る電流センサ21(22)において、第一筐体41と第二筐体42とのうちの一方の筐体は、少なくとも1つの凹部(嵌め込み孔462)を第一嵌め込み部460に有し、他方の筐体は、凹部(嵌め込み孔462)と同数の少なくとも1つの突起470を第二嵌め込み部44に有する。第一嵌め込み部460と第二嵌め込み部44とのうち少なくとも一方は、弾性を有する弾性部(第一嵌め込み部460)である。第一筐体41及び第二筐体42は、突起470が凹部(嵌め込み孔462)に嵌め込まれることにより互いに結合する。
上記の構成により、電流センサ21(22)では、突起470を凹部(嵌め込み孔462)に嵌め込むことにより、第一筐体41と第二筐体42とを容易に結合することができる。
また、弾性部材200は第一筐体41を第二筐体42から相対的に遠ざける弾性力を有しているので、弾性部材200の弾性力の方向において、突起470は、嵌め込み孔462の周縁において、第一嵌め込み部460に接触するように位置決めされる。したがって、第一筐体41が第二筐体42に対して位置ずれすることを抑制することができる。
また、本実施形態に係る電流センサ21(22)において、凹部(嵌め込み孔462)は複数設けられている。突起470は複数設けられている。第一筐体41と第二筐体42とのうち一方の筐体において、複数の凹部(嵌め込み孔462)はそれぞれ複数箇所に分かれて設けられており、他方の筐体において、複数の突起470はそれぞれ複数箇所に分かれて設けられている。
上記の構成により、電流センサ21(22)では、複数箇所において突起470を第一嵌め込み孔462に嵌め込むことにより、第一筐体41と第二筐体42とを安定的に結合することができる。
また、本実施形態に係る電流センサ21(22)において、第一嵌め込み部460は第一作用面(作用面461)を含む。第二嵌め込み部44は第二作用面(作用面471)を含む。作用面461と作用面471とのうち少なくとも一方は、対向方向100に対して傾斜した傾斜面である。対向方向100は、突起470が凹部(嵌め込み孔462)に嵌め込まれているとき、第一筐体41に対して第二筐体42が位置する方向である。第一筐体41が第二筐体42に相対的に近づくと、作用面461において第一嵌め込み部460から第二嵌め込み部44の作用面471に力が加えられて、弾性部(第一嵌め込み部460)が弾性変形し、突起470が凹部(嵌め込み孔462)に嵌め込まれる。
上記の構成により、電流センサ21(22)では、第一筐体41を第二筐体42に相対的に近づけるという簡単な操作により、突起470を嵌め込み孔462に嵌め込み、第一筐体41と第二筐体42とを結合することができる。
また、本実施形態に係る電流センサ21(22)は、解除スイッチ5を更に備える。解除スイッチ5は、作用部54と、操作部51と、を有する。作用部54は、第三作用面(作用面541)を含む。操作部51は、作用部54が弾性部(第一嵌め込み部460)に加える力を作用部54に与える。弾性部(第一嵌め込み部460)は、第四作用面(作用面461)を更に含む。第三作用面(作用面541)と第四作用面(作用面461)とのうち少なくとも一方は、対向方向100に対して傾斜した傾斜面である。作用部54は、操作部51に力が加えられることにより、第三作用面(作用面541)において弾性部(第一嵌め込み部460)の第四作用面(作用面461)に力を加え、弾性部(第一嵌め込み部460)を弾性変形させ、突起470と凹部(嵌め込み孔462)との嵌め込みを解除する。
上記の構成により、電流センサ21(22)では、解除スイッチ5の作用部54において弾性部(第一嵌め込み部460)に力を加えることにより、弾性部を弾性変形させ、突起470と凹部(嵌め込み孔462)との嵌め込みを解除することができる。したがって、第一筐体41と第二筐体42との結合を容易に解除することができる。
また、本実施形態に係る電流センサ21(22)において、解除スイッチ5は第二筐体42に取り付けられている。第一筐体41は、第二筐体42と結合することにより第二筐体42と共に、貫通孔418を形成する。導電部材162は、貫通孔418を通る。第一筐体41が第二筐体42に結合しているとき、解除スイッチ5と、貫通孔418と、突起470と、凹部(嵌め込み孔462)との中で、貫通孔418は、端422に対して、対向方向100において最も遠い。端422は、第二筐体42のうち対向方向100における第一筐体41側とは反対側の端である。
上記の通り、電流センサ21(22)において、対向方向100は、第一筐体41が第二筐体42に結合しているとき、第一筐体41に対して第二筐体42が位置する方向である。解除スイッチ5と、貫通孔418と、突起470が凹部(嵌め込み孔462)に嵌め込まれている位置との中で、貫通孔418は、第二筐体42のうち対向方向100における第一筐体41側とは反対側の端422に対して、対向方向100において最も遠い。すなわち、対向方向100において、解除スイッチ5が設けられている位置と、突起470が嵌め込み孔462に嵌め込まれている位置とは、貫通孔418が形成されている領域に含まれない。したがって、解除スイッチ5の操作を行って突起470と嵌め込み孔462との嵌め込みを解除するときに、貫通孔418に通されている導電部材162を誤って他の部材に短絡する可能性を低減することができる。
また、本実施形態に係る電流センサ21(22)において、解除スイッチ5は、端422に取り付けられている。端422は、第二筐体42のうち対向方向100における第一筐体41側とは反対側の端である。
上記の通り、電流センサ21(22)の解除スイッチ5は、第二筐体42のうち第一筐体41側とは反対側の端422に取り付けられているので、解除スイッチ5の操作部51に力を加えるための空間を確保することが容易である。
また、本実施形態に係る電流センサ21(22)は、解除スイッチカバー6を更に備える。解除スイッチカバー6は、操作部51を覆う。
上記の通り、電流センサ21(22)では、解除スイッチ5の操作部51が解除スイッチカバー6により覆われているので、操作部51を誤って操作することを抑制することができる。
また、本実施形態に係る電流センサ22は、脚部7を更に備える。脚部7は、第一筐体41又は第二筐体42に取り付けられている。脚部7は、分電盤1内の取付ベース106に沿って第一筐体41及び第二筐体42と共に移動する。
上記の構成により、電流センサ22では、分電盤1内において取付ベース106に沿って脚部7を移動させることにより、導電部材162に対する第一筐体41及び第二筐体42の位置合わせを容易に行うことができる。
また、本実施形態に係る電流センサ22は、取付部8を更に備える。取付部8は、第一筐体41又は第二筐体42を分電盤に取り付ける。
上記の構成により、電流センサ22では、第一コア31及び第二コア32が導電部材162を囲むだけでなく、第一筐体41又は第二筐体42が取付部8によって分電盤1に取り付けられる。したがって、導電部材162に対する第一コア31及び第二コア32の位置が安定する。
また、本実施形態に係る分電盤1は、電流センサ21(22)と、導電部材162と、を備える。
上記の構成により、分電盤1では、第一コア31を内部に収納する第一筐体41と、第二コア32を内部に収納する第二筐体42とが互いに結合しており、弾性部材200は、第一コア31を第二コア32に相対的に近づける弾性力を有している。したがって、第一コア31と第二コア32との間の位置関係を保ち、第一コア31と第二コア32とが形成する閉磁路をより安定させることができる。
また、弾性部材200は、第一筐体41を第二筐体42から相対的に遠ざける弾性力を有している。そのため、第一筐体41と第二筐体42との結合を解除すると、第一筐体41が第二筐体42から相対的に離れ、第一筐体41を第二筐体42から容易に取り外すことができる。したがって、電流センサ21(22)は、導電部材162から容易に取り外すことができる。
なお、本実施形態では、弾性部材200は第二筐体42と第二コア32との間に配置されているが、弾性部材200は、第一筐体41と第一コア31との間に配置されていてもよい。この場合であっても、弾性部材200は、第一コア31を第二コア32に相対的に近づけ、第一筐体41を第二筐体42から相対的に遠ざける弾性力を有する。
また、第一筐体41を第二筐体42に結合する方法は、突起470を第一嵌め込み部460の嵌め込み孔462に嵌め込むスナップフィット結合でなくてもよい。例えば、第一収納部410から突出する、回転又は変位可能な突出部を第一筐体41に設けて、当該突出部を第二筐体42に引掛ける方法により、第一筐体41を第二筐体42に結合してもよい。あるいは、閂構造による方法、クランプ締めによる方法、若しくはねじ止めによる方法等により、第一筐体41を第二筐体42に結合してもよい。
また、嵌め込み孔462及び突起470の数は、4つに限定されない。すなわち、嵌め込み孔462及び突起470は、それぞれ少なくとも1つあればよい。
また、本実施形態では、第二作用面(作用面471)において突起470から第一嵌め込み部460の第一作用面(作用面461)に力が加えられることにより、突起470が第一嵌め込み部460の嵌め込み孔462に嵌め込まれる。しかし、突起470を嵌め込み孔462に嵌め込む方法はこれに限定されない。例えば、マイナスドライバー等を用いて第一嵌め込み部460を弾性変形させることにより、突起470を第一嵌め込み部460の嵌め込み孔462に嵌め込む構成であってもよい。
また、電流センサ21及び電流センサ22は、解除スイッチ5、解除スイッチカバー6、脚部7及び取付部8を備えていなくてもよい。
また、解除スイッチ5は、第二筐体42に取り付けられていなくてもよい。例えば、解除スイッチ5は、第一筐体41に取り付けられていてもよい。
また、脚部7は、第一筐体41に取り付けられていてもよい。
また、取付部8は、第二筐体42に設けられていて、第二筐体42を分電盤1に取り付ける構成であってもよい。
また、本実施形態において、電流測定装置2は、電流センサを2つ(電流センサ21及び電流センサ22)備えているが、電流センサは1つであってもよいし、3つ以上であってもよい。すなわち、電流測定装置2は1つ以上の導電部材162を流れる電流を測定することができる。
また、電流センサ21(22)の測定部3として、カレントトランスに代えて、ホール素子型電流センサ等を用いることもできる。
また、第一作用面(作用面461)と第二作用面(作用面471)とのうち、いずれか一方が対向方向100に対して傾斜していてもよいし、作用面461と作用面471との両方が対向方向100に対して傾斜していてもよい。
また、本実施形態では第三作用面(作用面541)と第四作用面(作用面461)との両方の面が傾斜しているが、第三作用面だけが傾斜していてもよいし、第四作用面だけが傾斜していてもよい。
また、第二筐体42が第二嵌め込み部44に代えて第一嵌め込み部460を有していて、第一筐体41が第一嵌め込み部460に代えて第二嵌め込み部44を有していてもよい。
また、第一嵌め込み部460の形状及び第二嵌め込み部44の形状は、本実施形態とは異なっていてもよい。例えば、第一嵌め込み部460は、貫通孔である嵌め込み孔462に代えて、突起470が嵌め込まれる、底を有する凹部を有していてもよい。あるいは、嵌め込み孔は、第一収納部410に設けられている貫通孔又は、底を有する凹部であってもよい。あるいは、第二嵌め込み部44の形状を変更して、第二嵌め込み部は、第二収納部420の左端から左向きに突出した突出片と、突出片の先端に設けられている引掛爪(突起)と、を備えるようにしてもよい。つまり、第二嵌め込み部は、図5に示す規制部53のような形状であってもよい。さらに、第一嵌め込み部と第二嵌め込み部とのうち一方のみが弾性を有していてもよいし、第一嵌め込み部と第二嵌め込み部との両方が弾性を有していてもよい。
また、本実施形態においては、第二作用面(作用面471)と接触するための第一作用面(作用面461)は、第三作用面(作用面541)に接触するための第四作用面に一致しているが、第四作用面は第一作用面とは別に設けられていてもよい。また、第二嵌め込み部が弾性を有する場合は、第二嵌め込み部における第二作用面(作用面471)が第四作用面に一致していてもよい。
また、嵌め込み孔462及び突起470は、例えば、第一筐体41及び第二筐体42の前側又は後側に設けられていてもよい。
また、解除スイッチ5は、例えば、第一筐体41及び第二筐体42の左側、前側、後側、上側又は下側に設けられていてもよい。
また、解除スイッチカバー6は、軸部64において第二筐体42に固定されていなくてもよい。すなわち、解除スイッチカバー6は、第二筐体42など電流センサ21及び電流センサ22の構成から着脱できるように電流センサ21及び電流センサ22に備えられていてもよい。
また、弾性部材200はコイルバネに限定されない。弾性部材200は例えば、板バネ等のバネであってもよい。
また、取付部8の構成は本実施形態に限定されず、第一筐体41又は第二筐体42を分電盤1に取り付けることができる構成であればよい。取付部8は、例えば引掛部81を有していればよい。
上記の各変形例であっても、電流センサ21(22)は、第一コア31と第二コア32との間の位置関係を保ち、第一コア31と第二コア32とが形成する閉磁路をより安定させることができる。また、電流センサ21(22)は、導電部材162から容易に取り外すことができる。
なお、以上説明した実施形態は本発明の一例である。このため、本発明はこれらの実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変形が可能である。