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JP6349220B2 - 分電盤 - Google Patents

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JP6349220B2 JP2014201532A JP2014201532A JP6349220B2 JP 6349220 B2 JP6349220 B2 JP 6349220B2 JP 2014201532 A JP2014201532 A JP 2014201532A JP 2014201532 A JP2014201532 A JP 2014201532A JP 6349220 B2 JP6349220 B2 JP 6349220B2
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Description

本発明は、分岐開閉器に供給される電源電圧の測定が可能な分電盤に関する。
分電盤は、主開閉器と、その主開閉器の二次側に接続される母線と、その母線と各々接続される分岐開閉器等の内部機器と、これらを収容するキャビネットとによって構成されており、例えば住宅等における電路の引込口装置として用いられている。近年、住宅内で使用される電気機器において、電源供給のために専用回路を必要とするものが増え、上記の分岐開閉器と直接配線して接続する機器が増えている。例えば、24時間換気システムや、ビルトインタイプの食器洗浄器等が該当する。
このような専用回路を必要とする電気機器は、200Vの電源電圧を必要とするものが多くあり、単相3線式電路(100/200V)から主開閉器を介して3線式の母線を引き込み、分岐開閉器側で使用する電源電圧の選択や切り替えをできるようにした分電盤が知られている。このように、分岐開閉器側で電源電圧の選択や切り替えができるようにしているため、誤配線等によって電気機器への過電圧の印加や、電気機器への供給電圧の不足が生じる場合がある。
特許文献1には、プラグイン端子構造を有する分岐開閉器の操作ハンドルをオンする前に、負荷回路に供給される電圧を作業性よく確認することができる供給電源電圧測定構造を備えた住宅用分電盤が開示されている。
特開2011−142800号公報
ところで、近年の住宅等における発電方法や受電方法の多様化、電気機器への電源供給方法の多様化等に伴い、分岐開閉器数の増加や分電盤の複数個設置等に対するニーズが増え、住宅用途、増設用途等の分電盤において、その小型化が望まれている。
特許文献1の供給電源電圧測定構造は、分岐開閉器のプラグイン端子間に印加された電源電圧の測定を行えるように構成されているが、2つの電圧極の母線に母線側電圧測定部をそれぞれ設ける必要がある。一般的に、分電盤の母線には、感電等を防止するために絶縁性のカバーが取り付けられるが、特許文献1の分電盤では、母線側電圧測定部も含めた領域を上記カバーで覆う必要がある。したがって、特許文献1の分電盤では、上記の母線側電圧測定部の面積分だけ、上記カバーが分電盤の幅方向及び/又は厚さ方向に大きくなったり、分電盤自体の幅方向のサイズが大きくなったりするという課題がある。
上記の点に鑑み、本発明は、分岐開閉器の操作ハンドルをオンする前に分岐開閉器の接続端子間に印加される電源電圧を測定する機能を有し、その電源電圧測定の作業容易性を確保しつつ、小型化された分電盤を実現することを目的とする。
本発明に係る分電盤は、互いに電位の異なる第1電圧線、第2電圧線及び中性線の母線を含む母線グループと、この母線グループを収納する母線収納体とを有し、母線収納体に設けられた開口部を介して、母線収納体の表面側から第1電圧線、第2電圧線及び中性線にそれぞれアクセスが可能となるようにした。
すなわち、本発明の一態様では、互いに電位の異なる第1電圧線の母線、第2電圧線の母線及び中性線の母線を含む母線グループと、前記母線グループが収納される箱状の母線収納体と、前記母線グループに接続される複数の分岐開閉器とを有する分電盤であって、前記各分岐開閉器は、長手方向の一側面に前記母線グループが接続される開閉器側接続端子を有し、かつ、前記複数の分岐開閉器は、前記開閉器側接続端子と前記母線収納体の一側面とが対向するように該分岐開閉器の幅方向に並べて配置され、前記母線グループの各母線は、前記母線収納体の一側面側において前記各分岐開閉器の前記各接続端子とそれぞれ接続可能な母線側接続端子を有し、前記母線収納体は、前記各分岐開閉器の長手方向の延長上における該母線収納体の一側面と直交する表面に、前記第1電圧線へのアクセスを可能にする第1開口と、前記第2電圧線へのアクセスを可能にする第2開口と、前記中性線へのアクセスを可能にする第3開口とを含む開口部を有し、複数の前記開口部が、前記各分岐開閉器と対応する位置に該分岐開閉器の幅方向に並ぶように設けられている。
なお、本開示において、「アクセスを可能にする」とは、プローブ等を接触させて電源電圧等の電気的な測定を可能にすること指すものとする。より具体的には、例えば、測定者が第1開口〜第3開口に対してプローブ等を挿入することにより、母線収納体の表面側から第1電圧線、第2電圧線及び中性線に上記プローブ等を接触させて、電源電圧等の測定ができるようにすることを指すものとする。
この態様によると、母線収納体は、第1開口〜第3開口を含む開口部を有しており、この開口部を介して、母線収納体の表面側から第1電圧線、第2電圧線及び中性線にアクセスをそれぞれ可能にしている。これにより、電源電圧測定専用の端子等を設けることなく、分岐開閉器の接続端子間に印加される電源電圧の測定ができるようにすることができる。具体的には、例えば、工事業者等の測定者は、母線収納体の表面側から開口部(第1開口〜第3開口)に対して測定機器のプローブ等を挿入して、分岐開閉器の接続端子間に印加される電源電圧を測定することができる。このように、電源電圧測定専用の端子等を設けるスペースを削減することにより、例えば、電源電圧測定専用の端子が分電盤の幅方向に延びるような構成の場合にあっては、分電盤の幅方向のサイズを小型化することができ、例えば、電源電圧測定専用の端子が分電盤の厚さ方向に延びるような構成の場合にあっては、分電盤内で母線を覆うカバーの分電盤の厚さ方向の高さを低くすることができる。このようにカバーの高さを低くすることにより、カバーの高さが高い場合と比較して放熱効果を上げたり、カバーの高さ方向の差分領域に説明書やアタッチメントを設置したりすることができるようになる。
また、母線収納体の第1開口〜第3開口は、各分岐開閉器の長手方向の延長上に設けられているため、複数の分岐開閉器をその幅方向に並べて配置する場合に、各分岐開閉器間の間隔を狭めることができ、分電盤の小型化を実現することができる。
さらに、母線収納体の複数の開口部が、各分岐開閉器と対応する位置(各分岐開閉器の長手方向の延長上の位置)に分岐開閉器の幅方向に並ぶように設けられているため、測定者が、例えば、隣接する複数の分岐開閉器の接続端子間に印加される電源電圧を測定する場合においても、複数箇所の測定におけるプローブの移動距離が少なくてすむため、容易に測定を実施することができる。
また、上の態様の分電盤において、前記第1開口及び第2開口の一方は、前記第1開口及び第2開口のいずれか他方及び前記第3開口に対して前記分岐開閉器の長手方向側に配置されている、ように構成されていてもよい。
この構成によると、分電盤の幅方向が薄型化された場合においても、JIS等で規定された電圧線間の距離(例えば、各母線間の距離や各接続端子間の距離)を保ちつつ、母線収納体の第1開口〜第3開口を各分岐開閉器の長手方向の延長上に設けることができる。これにより、複数の分岐開閉器をその幅方向に並べて配置する場合に、各分岐開閉器間の間隔を狭めることができ、分電盤の小型化を実現することができる。
また、上の態様の分電盤において、前記母線グループの第1母線は、前記母線収納体の表面に沿って延びる板状母線であり、前記母線グループの第2母線は、前記第1母線の裏側において前記第1母線と平行に延びており、前記第1母線は、前記第2母線へのアクセスを可能にする開口と対応する位置に、前記母線収納体の表面側から該前記第2母線へのアクセスを可能とするように表裏方向に貫通する貫通部を有し、前記母線収納体内に、前記貫通部を表裏方向に貫通する絶縁体からなる筒状部が該母線収納体と一体的に設けられ、前記母線収納体の表側から前記第2母線へのアクセスが可能に構成されていてもよい。
なお、本開示において、「平行」とは、実質的に平行であることを指すものとする。例えば、取付状態等によって第1の母線及び第2の母線の少なくともいずれか一方が平行な状態から当該2つの母線間隔が広がる方向又は狭まる方向に若干傾いているものも含む概念である。
この構成によると、例えば、分岐開閉器の一次側の接続端子が表裏方向に重なっている場合、すなわち、第1母線と第2の母線とが表裏方向に重なっている場合においても、近接する位置に第1母線へのアクセスを可能にする開口と、第2母線へのアクセスを可能にする開口とを配置することができる。すなわち、分電盤の小型化を実現しつつ、測定者による電圧測定をより容易化することができる。
また、上の態様の分電盤において、前記各分岐開閉器は、前記第1電圧線の母線、前記第2電圧線の母線及び前記中性線の母線のうちから2つの母線の前記母線側接続端子を選択して接続できるように構成されており、かつ、該母線の選択がされた場合に、該選択がされていない母線へのアクセスを可能にする開口を閉じるように構成されていてもよい。
この構成によると、選択がされていない母線へのアクセスを可能にする開口が閉じられているため、測定者が選択されていない母線に対応する開口にプローブを挿入して、誤測定をすることを防止することができる。
本発明によれば、各分岐開閉器の長手方向の延長上における母線収納体の表面に開口部を設け、その開口部から各電圧線(中性線)へのアクセスを可能にしたことにより、電源電圧測定の作業容易性を確保しつつ、小型化された分電盤を実現することができる。
実施形態に係る分電盤の内部ユニットを前方から見た斜視図である。 母線グループが収納された状態における母線収納体を前方斜め下側から見た斜視図である。 母線収納体及び母線グループを前方斜め下側から見た分解斜視図である。 母線収納体の前面カバーの斜視図であり、(a)は前方斜め下側から見た斜視図、(b)は後方斜め上側から見た斜視図である。 母線収納体の収納体本体を後方斜め上側から見た斜視図である。 分岐開閉器を前方斜め上側から見た斜視図である。
以下、本発明の実施形態を図1〜図6を参照しながら説明する。以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用範囲あるいはその用途を制限することを意図するものではない。
(分電盤の概要説明)
本実施形態に係る分電盤は、例えば住宅用の分電盤であり、単相3線式の商用電路に接続され、この分電盤には、筐体(図示しない)の内部に、図1に示すような内部ユニット10が取り付けられている。内部ユニット10は、一次側に商用電路に接続される主開閉器11と、主開閉器11の二次側に導電性の接続部材(図示しない)を介して接続される母線グループ2と、母線グループ2が収納される箱状の母線収納体3と、母線グループ2に対して下側から接続される6個の分岐開閉器4,5(分岐開閉器4が3個,分岐開閉器5が3個)とを備えている。主開閉器11は、取付板12に前側から取り付けられ、取付板12は分電盤の筐体に対してねじ止め等で固定されている。また、主開閉器11の二次側と後述する母線グループ2の各母線との接続は、導電性の板(例えば銅板)を折り曲げ又は打ち抜き形成して構成した接続板や、両端に端子板を接続した電線等を用いて行われる。また、図示しないが上記の接続板の外側は、絶縁性のカバー(例えば樹脂製のカバー)で覆われている。
なお、以下の説明において、「前」とは主開閉器11が取付板12に取り付けられた状態で後述する分岐開閉器4,5の操作部43側(図6参照)を指すものとし、「後」とは取付板12側を指すものとする。また、「上」及び「下」とは、分電盤を住宅の壁面等に設置したときの上側及び下側をそれぞれ指すものとする。図1では、内部ユニット10が取付板12に取り付けられた状態において、母線収納体3側が上側であり、分岐開閉器4,5側が下側である。また、前後方向及び上下方向に直交する方向を左右方向と呼ぶものとする。
分岐開閉器4,5は同一又は類似の構成であり、図6に示すように、箱状の開閉器本体40を有する。開閉器本体40の前端における上下左右の中間部分(下側寄りの位置)には、電源側と負荷側との電気的接続の入切をオンオフ操作するための操作部43が設けられている。
開閉器本体40の上端部における前側寄りの部位には、下側に向かって凹んだ開閉器側接続端子としてのプラグイン端子41が設けられている。プラグイン端子41の前側は開口しており、分岐開閉器4の前側からプラグイン端子41へのアクセス(例えば、プローブ等の測定端子を挿入して電気的に接触させること)が可能になっている。また、プラグイン端子41の下側における開閉器本体40の前端部には、負荷側に供給される電圧を表示した表示部45が設けられている。
図6の実線で示すように、プラグイン端子41が右側にある場合(以下、右プラグイン端子41ともいう)、右プラグイン端子41には中性線の母線23(図1及び図3参照)が接続される。一方で、図6の仮想線で示すように、プラグイン端子41が左側にある場合(以下、左プラグイン端子41ともいう)、左プラグイン端子41には第1電圧線の母線21又は第2電圧線の母線22(図1及び図3参照)が接続される。したがって、図1において、分岐開閉器4A,4B,4C,5Aは右プラグイン端子41の状態であり、分岐開閉器5B,5Cは左プラグイン端子41の状態である。46は、プラグイン端子41が右側にある場合、すなわち右プラグイン端子41の状態において、右プラグイン端子41の左側に設けられた閉鎖部であり、後述する前カバー32の測定孔32b(図4参照)を閉じて、前側からのアクセスができないようにしている。これにより、測定者による計測間違いを防止することができる。なお、プラグイン端子41が左側にある場合、すなわち左プラグイン端子41の状態において、閉鎖部46は、左プラグイン端子41の右側に設けられ、これにより、後述する前カバー32の測定孔32c(図4参照)を閉じて、前側からのアクセスができないようすることができる。
図6に戻り、開閉器本体40の上端部における後側寄りの部位には、下側に向かって凹んだ開閉器側接続端子としてのプラグイン端子42が設けられている。プラグイン端子42には第1電圧線の母線21又は第2電圧線の母線22が接続される。また、開閉器本体40の前方下側の隅角部には、負荷側プラグイン端子44が設けられている。
なお、分岐開閉器4,5は、100V/200Vのいずれか一方を出力できるように構成されていてもよく、100V/200Vを切り替え可能に構成されていてもよい。すなわち、プラグイン端子41が左右いずれかに固定されていてもよく、左右に移動可能に構成されていてもよい。なお、図1において、分岐開閉器4A,4B,5A,5Bは、プラグイン端子41が固定されている(100V/200Vのいずれか一方を出力する)例を示しており、分岐開閉器4C,5Cは、プラグイン端子41が左右に移動可能に構成されている(100V/200Vを切り替え可能である)例を示している。分岐開閉器4C,5Cでは、閉鎖部46が表示窓32d側まで延びており、プラグイン端子41の左右方向への移動にあわせて閉鎖部46も左右方向に移動する。
(母線及び母線収納体の組立構造)
図3に示すように、母線グループ2は、互いに電位の異なる第1電圧線の母線21、第2電圧線の母線22及び中性線の母線23を備えている。そして、分岐開閉器4,5のプラグイン端子41,42(図6参照)を第1電圧線の母線21及び中性線の母線23にそれぞれ接続した場合、分岐開閉器4,5の二次側に接続された負荷(例えば、電気機器)に対して100Vが供給される。一方、分岐開閉器4,5のプラグイン端子41,42(図6参照)を第1電圧線の母線21及び第2電圧線の母線22にそれぞれ接続した場合、分岐開閉器4,5の二次側に接続された負荷に対して200Vが供給される。また、分岐開閉器4,5のプラグイン端子41,42(図6参照)を第2電圧線の母線22及び中性線の母線23にそれぞれ接続した場合、分岐開閉器4,5の二次側に接続された負荷に対して前述の第1電圧線の母線21及び中性線の母線23にそれぞれ接続した場合に対して、電圧位相が反転した100Vが供給される。なお、図1では、分岐開閉器4A,4B,4C,5Aに対して負荷側に100Vが供給されるように設定した例を示しており、分岐開閉器5B,5Cに対して負荷側に200Vが供給されるように設定した例を示している。
第1電圧線の母線21は、導電性(例えば銅製)の板状の部材である。21aは、母線21の左端部に設けられた下側から見た底面視でL字状の接続部であり、接続部21aの左端部には、主開閉器の二次側に接続された接続板を連結するためのねじを挿通するねじ挿通孔21eが形成されている。21bは、接続部21aの右下端から右側に延びるように一体形成されたベース部である。21cは、分岐開閉器5のプラグイン端子41と対応する位置において、ベース部21bの前端を下側に折り曲げて形成した母線側接続端子であり、前側から見た正面視でL字状になっている。21dは、分岐開閉器4のプラグイン端子42と対応する位置において、ベース部21bの後端を下側に折り曲げて形成した母線側接続端子である。
第2電圧線の母線22は、導電性(例えば銅製)の板状の部材である。22aは、母線22の左端部において上下方向に延びる接続部であり、接続部22aの下端部には、主開閉器の二次側に接続された接続板を連結するためのねじを挿通するねじ挿通孔22eが形成されている。22bは、接続部22aの上端から右側に延びるように一体形成されたベース部である。22cは、分岐開閉器4のプラグイン端子41と対応する位置において、ベース部22bの前端を下側に折り曲げて形成した母線側接続端子であり、前側から見た正面視でL字状になっている。22dは、分岐開閉器5のプラグイン端子42と対応する位置において、ベース部22bの後端を下側に折り曲げて形成した母線側接続端子である。22fは、後述する筒状部35と対応する位置において、ベース部22bの前端を上側に折り曲げて形成した測定端子部であり、左側から見た側面視でL字状になっている。また、測定端子部22fの上端部には、右方向に向かって矩形状に一体的に延びる測定端子22gが設けられている。
中性線の母線23は、導電性(例えば銅製)の板状の部材である。23aは、左右方向に延びる板状のベース部であり、ベース部23aの左端部には、主開閉器の二次側に接続された接続板を連結するためのねじを挿通するねじ挿通孔23eが形成されている。23bは、後述する筒状部34と対応する位置に設けられた前後方向(表裏方向)に貫通する貫通孔である。同様に、23cは、後述する筒状部35と対応する位置に設けられた前後方向(表裏方向)に貫通する貫通孔である。貫通孔23b,23cの直径は、それぞれ筒状部34,35の外径より若干大きくなっており、筒状部34,35を前後方向に挿通できるようになっている。23dは、分岐開閉器4,5のプラグイン端子41と対応する位置において、ベース部21bの後端を下側に折り曲げて形成した母線側接続端子であり、後側から見た背面視でL字状になっている。
図1に示すように、母線収納体3は絶縁性(例えば樹脂製)の箱状であり、箱状の収納体本体31と、収納体本体31の前側に取り付けられ、収納体本体31の前面をカバーする前カバー32と、収納体本体31の上側に取り付けられ、収納体本体31の上面をカバーする上カバー33とを備えている。
図3に示すように、収納体本体31の下板31aには、左プラグイン端子41(図6の仮想線参照)と対応する位置において上下方向に貫通する端子孔31cと、プラグイン端子42と対応する位置において上下方向に貫通する端子孔31dとが形成されている。また、収納体本体31の下板31aには、右プラグイン端子41(図6の実線参照)と対応する位置において前後方向に切り欠かれた端子用切欠部31gが形成されている。
さらに、収納体本体31の前板31bには、母線21の母線側接続端子21c及び母線22の測定端子22gと対応する位置において、前側に突出する筒状部34,35が一体的に設けられている。前板31bの筒状部34,35と対応する位置には、前後方向に貫通する貫通孔34a,35aが形成されている(図5参照)。38は、前板31bの右下の隅角部において前方向に向かって突設され、後述する前カバー32の右端の側面に設けられた被係合部32eと係合させる係合爪である。また、31eは、分岐開閉器4,5のプラグイン端子41,42を各母線側接続端子に接続した際に、分岐開閉器4,5が左右方向に位置ずれしないようにするための位置決め部である。
図5(a)に示すように、収納体本体31の上面は開口しており、第2電圧線の母線22を上側の開口から挿入した後、右側にスライドさせて下側に抜けないように嵌め込むことができるように構成されている。このとき、母線22の各測定端子22gが各筒状部35(貫通孔35a)の下側に位置するようになっており、各筒状部35の前側から母線22の各測定端子22gへのアクセス(例えば、測定者による電圧測定プローブの接触)が可能になっている。また、図2に示すように、母線22が収納体本体31に嵌め込まれたとき、各母線側接続端子22c,22dは、対応する各端子孔31c,31dからそれぞれ下側に向かって突出するようになっている。
さらに、図5(b)に示すように、収納体本体31は、第2電圧線の母線22を嵌め込んだ後に、第1電圧線の母線21を上側の開口から挿入し、その後、右側にスライドさせて下側に抜けないように嵌め込むことができるように構成されている。このとき、母線21の各母線側接続端子21cの一部が各筒状部34(貫通孔34a)の下側に位置するようになっており、各筒状部34の前側から母線21の各母線側接続端子21cへのアクセスが可能になっている。また、図2に示すように、母線21が収納体本体31に嵌め込まれたとき、各母線側接続端子21c,21dは、対応する各端子孔31c,31dからそれぞれ下側に向かって突出するようになっている。ここで、収納体本体31の内側には、母線21の上記嵌め込みの際に、各母線側接続端子21c,21dの折り返し部分とそれぞれ当接する支持部36a,36bが設けられており、母線21と母線22とが接触しないようにしている。その後、図1に示すように、収納体本体31の上側から上カバー33が取り付けられる。
図4に示すように、前カバー32は絶縁性(例えば樹脂製)の板状のものであり、前カバー32の各筒状部34,35(貫通孔23b,23c)と対応する位置には、前後方向に延びる第1開口又は第2開口としてのカバー側筒状部32aが一体的に設けられている。カバー側筒状部32aの内径は、それぞれ各筒状部34,35の外径よりも若干大きくなっている。
上記のような構成とすることにより、中性線の母線23は、各貫通孔23b,23cの位置を各筒状部34,35にあわせた状態で、収納体本体31の前側から取り付け可能になる。その後、前カバー32の各カバー側筒状部32aと各筒状部34,35との位置をあわせた状態で、前カバー32が前側から後側に押し込まれることにより、前板31bの係合爪38と前カバー32の被係合部32eとが係合され、抜け止めされるようになっている。
図4において、32bは、左プラグイン端子41の前側の開口と対応する位置に設けられ、前カバー32の前後方向に貫通する第1開口又は第2開口としての測定孔である。32cは、右プラグイン端子41の前側の開口と対応する位置に設けられ、前カバー32の前後方向に貫通する第3開口としての測定孔である。開口部30は、カバー側筒状部32aと、測定孔32b,32cとによって構成されている。32dは、表示窓であり、前側から分岐開閉器4,5の表示部45(電源電圧表示)が確認できるようになっている。32hは、カバー側筒状部32aの左側の空き領域に設けられた表示部であり、例えば、工事業者、測定者等の作業者やユーザーが、各負荷(電気機器)と分岐開閉器4,5との関係を特定したり、不具合があった場合に報告したりしやすいようになっている。
32gは、分岐開閉器4,5の取外し部であり、表示窓32dの上側において、測定孔32b,32cの両外側を囲むように上方向に延びており、かつ、上側に向かうにつれて徐々に幅狭になるように構成されている。32fは、取外し部32gの上端部に設けられた先端部であり、前側にはドライバー等で前側から押すための凹部が形成され、後側には前側から当該凹部が押された際に、取付板12に装着された分岐開閉器4,5の前方上側の隅角部を下側に押すための突状部が設けられている。上記のように、測定孔32b,32cの両外側を囲むように取外し部32gを設けたことにより、取外し部32gの測定孔32b,32cの略中心を結ぶ方向が取外し部32gの前後方向における揺動軸として作用しやすくなるから、前後方向の弾性的な強度が周辺部と比べて相対的に弱まり、分岐開閉器4,5の取り外しを容易化することができる。すなわち、測定孔32b,32cは、取外し部32gの弾性的な強度を調整する機能も兼ねている。
(電源電圧測定作業)
次に、工事業者等の測定者による分岐開閉器4,5の接続端子間に印加される電源電圧測定について説明する。
測定者は、例えば、片手に測定モニタを持ちつつ、もう一方の手で2本のプローブを把持し、そのプローブを母線収納体の第1開口〜第3開口のうちのいずれか2つの開口に挿入することによって分岐開閉器の接続端子間に印加される電源電圧を測定することができる。本実施形態では、図1の斜線で示したように、測定孔32b,32cのうちの一方(プラグイン端子41に接続されていない母線側接続端子に対応する孔)は、閉鎖部46によって閉じられているため、測定者は、測定孔32b,32cのうちの他方(プラグイン端子41に接続されている母線側接続端子に対応する孔)と、カバー側筒状部32aとにそれぞれプローブを挿入して電源電圧測定を行う。
以上のように、本実施形態によると、各分岐開閉器4,5の長手方向の延長上における母線収納体3(前カバー32)の表面の開口部30から各電圧線(中性線)へのアクセスを可能にしたことにより、電源電圧を測定するためにプローブを挿入する2つの開口を近接して配置することができる。これにより、仮に、測定者が片手に測定モニタを持っているような場合においても、もう一方の手で2本のプローブを把持して電源電圧の測定をすることができる。すなわち、電源電圧測定の作業容易性を確保することができる。また、各分岐開閉器4,5の長手方向の延長上に開口部30を設けたため、専用の測定端子等が不要になり、小型化された分電盤を実現することができる。
なお、図2に示すように、分岐開閉器4と分岐開閉器5とでは、第1電圧線の母線側接続端子21c,21dと、第2電圧線の母線側接続端子22c,22dとの位置が反対になっている。すなわち、分岐開閉器4ではプラグイン端子42に第1電圧線の母線側接続端子21dが接続され、分岐開閉器5ではプラグイン端子42に第2電圧線の母線側接続端子22dが接続されている。これは電路の相バランスを取ることを目的としてこのような構成となっている。一方で、本実施形態に係る分電盤は、測定者が分岐開閉器4,5のどちらを測定するかに関わらず同じような測定方法で測定することができるようになっており、この点においても電源電圧測定の作業容易性を確保している。
本発明は、小型化された分電盤を実現することができるため、例えば、住宅用の分電盤及び増設用の分電盤として極めて有用である。
2 母線グループ
3 母線収納体
4,5 分岐開閉器
21 第1電圧線の母線
21c,21d 母線側接続端子
22c,22d 母線側接続端子
23d 母線側接続端子
22 第2電圧線の母線
23 中性線の母線
30 開口部
32a カバー側筒状部(第1開口、第2開口)
32b 測定孔(第1開口、第2開口)
32c 測定孔(第3開口)
34,35 筒状部
41,42 プラグイン端子(開閉器側接続端子)

Claims (4)

  1. 互いに電位の異なる第1電圧線の母線、第2電圧線の母線及び中性線の母線を含む母線グループと、前記母線グループが収納される箱状の母線収納体と、前記母線グループに接続される複数の分岐開閉器とを有する分電盤であって、
    前記各分岐開閉器は、長手方向の一側面に前記母線グループが接続される開閉器側接続端子を有し、かつ、前記複数の分岐開閉器は、前記開閉器側接続端子と前記母線収納体の一側面とが対向するように該分岐開閉器の幅方向に並べて配置され、
    前記母線グループの各母線は、前記母線収納体の一側面側において前記各分岐開閉器の前記各接続端子とそれぞれ接続可能な母線側接続端子を有し、
    前記母線収納体は、前記各分岐開閉器の長手方向の延長上における該母線収納体の一側面と直交する表面に、前記第1電圧線へのアクセスを可能にする第1開口と、前記第2電圧線へのアクセスを可能にする第2開口と、前記中性線へのアクセスを可能にする第3開口とを含む開口部を有し、
    複数の前記開口部が、前記各分岐開閉器と対応する位置に該分岐開閉器の幅方向に並ぶように設けられている
    ことを特徴とする分電盤。
  2. 請求項1記載の分電盤において、
    前記第1開口及び第2開口の一方は、前記第1開口及び第2開口のいずれか他方及び前記第3開口に対して前記分岐開閉器の長手方向側に配置されている
    ことを特徴とする分電盤。
  3. 請求項1又は2に記載の分電盤において、
    前記母線グループの第1母線は、前記母線収納体の表面に沿って延びる板状母線であり、
    前記母線グループの第2母線は、前記第1母線の裏側において前記第1母線と平行に延びており、
    前記第1母線は、前記第2母線へのアクセスを可能にする開口と対応する位置に、前記母線収納体の表面側から該前記第2母線へのアクセスを可能とするように表裏方向に貫通する貫通部を有し、
    前記母線収納体内に、前記貫通部を表裏方向に貫通する絶縁体からなる筒状部が該母線収納体と一体的に設けられ、前記母線収納体の表側から前記第2母線へのアクセスが可能に構成されている
    ことを特徴とする分電盤。
  4. 請求項1から3のうちのいずれか1項に記載の分電盤において、
    前記各分岐開閉器は、前記第1電圧線の母線、前記第2電圧線の母線及び前記中性線の母線のうちから2つの母線の前記母線側接続端子を選択して接続できるように構成されており、かつ、該母線の選択がされた場合に、該選択がされていない母線へのアクセスを可能にする開口を閉じるように構成されている
    ことを特徴とする分電盤。
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