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JP4868252B2 - ガラスランの取付け構造 - Google Patents

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Description

本発明は、ドアガラスの昇降を案内するとともにドアガラスをシールし、直線状部とコーナー部を有するガラスランを、自動車ドアのドアフレームの内周に取付けるガラスランの取付け構造に関するものである。
図5に示すように、自動車のドア1のドアフレーム2の内周にドアガラス5の昇降を案内するガラスラン110が取付けられている。
従来、ガラスラン110は、図6に示すように、ドアフレーム2のチャンネル103内に取付けられて、ドアガラス5の昇降を案内するとともにドアガラス5とドアフレーム2との間をシールしている。
さらに、ガラスラン110は、図5に示すように、押出成形により成形された直線状部111と、この直線状部111を接続し型成形により成形されたガラスランコーナー部112とからなり、直線状部111はガラスラン上辺部115とガラスラン縦辺部114とを形成している。
ガラスラン上辺部115はドアフレーム上辺部2bに取付けられ、ガラスラン縦辺部114はドアフレーム縦辺部2aに取付けられている。ガラスラン上辺部115とガラスラン縦辺部114は型成形によってドアフレームコーナー部2hの形状に合わせて形成されたガラスランコーナー部112で接続している。
なお、ドア1と車体との間のシールは、ドアパネルおよびドアフレーム2の外周に取付けられたドアウエザストリップ(図示せず)および/または車体の開口部のフランジに取付けられたオープニングトリムウエザストリップ(図示せず)によりなされている。
ガラスラン110の本体の直線状部111は、図7と図8に示すように、車外側側壁120と、車内側側壁130と、底壁140からなる断面略コ字状をなしている。車外側側壁120の先端付近から車外側シールリップ121が本体の断面略コ字状の内側に向けて延出するように設けられている。また、車内側側壁130にもその先端付近から車内側シールリップ131が断面略コ字状の内側に向けて延出するように設けられている。さらに、車外側側壁120の先端付近から車外側側壁120の外面に並行に車外側カバーリップ123が形成され、車内側側壁130の先端付近から車内側側壁130の外面に並行に車内側カバーリップ133が形成されている。
ガラスラン110の本体の車外側側壁120、車内側側壁130と底壁140はドアフレーム2のドアアウターパネル2c、ドアインナーパネル2dおよびドア補強パネル2eのフランジ部分にはめ込まれる(例えば、特許文献1参照。)。
このとき、ドアアウターパネル2cのフランジ部分は、車外側側壁120と車外側カバーリップ123の間に挿入され、ドアインナーパネル2dとドア補強パネル2eのフランジ部分は、車内側側壁130と車内側カバーリップ133の間に挿入される。底壁140はドア補強パネル2eの平面部分で保持される。
ドアフレーム2のドアアウターパネル2cは、図10に示すように補強と、車外側カバーリップ123とドアアウターパネル2cとの段差を少なくするため、フランジ部分が車内側に凹んだ棚部2fが形成されている。ガラスラン上辺部115、ガラスラン縦辺部114とガラスランコーナー部112において、この棚部2fと凹んだフランジ部分を覆うように車外側カバーリップ123が形成され、車外側カバーリップ123の先端が棚部2fに当接している。
このため、ガラスラン110は黒色で形成されていることが多く、車外側からドアフレーム2を見た場合に、車外側カバーリップ123が目立つこととなる。ガラスラン上辺部115では、サンバイザー等で覆われることがあるが、特にドアフレーム縦辺部2aの部分では、車外側カバーリップ123が目立っている。
そこで、ガラスラン縦辺部114の車外側カバーリップ123の幅を短くすることが検討されているが、ガラスラン上辺部115とガラスラン縦辺部114の車外側カバーリップ123の形状が異なると、ガラスランコーナー部112における接続が段差を生じて、見栄えがよくないとともに、シール性も低下する。
特開2007−203767号公報
そこで、本発明は、ガラスラン縦辺部の車外側カバーリップを目立たなくするとともに、コーナー部の見栄えとシール性に優れたガラスランの取付け構造を提供することを目的としている。
上記課題を解決するために請求項1の本発明は、ドアガラスの昇降を案内するガラスランを自動車ドアのドアフレームの内周に取付けるガラスランの取付け構造であって、ガラスランは、押出成形により成形される直線状部と、型成形により成形され直線状部を接続しドアフレームコーナー部に装着されるガラスランコーナー部を有し、直線状部は、ガラスラン上辺部とガラスラン縦辺部とを形成するとともに、ガラスラン上辺部は、ドアフレーム上辺部に装着され、ガラスラン縦辺部は、ドアフレーム縦辺部に装着されるガラスランの取付け構造において、
ガラスランの本体は、車外側側壁と、車内側側壁と、底壁とからなる断面略コ字形をなし、車外側側壁と車内側側壁の先端には、それぞれ本体の断面略コ字状の内側に向かって延出する車外側シールリップと車内側シールリップを設けるとともに、それぞれ本体の外側に向かって延出する車外側カバーリップと車内側カバーリップを設け、車外側シールリップと車内側シールリップによりドアガラスの車外側面及び車内側面をシールし、
ドアフレーム上辺部は、ドアフレームのドアアウターパネルのフランジ部分に車内側に凹んだ棚部を形成し、ドアフレーム縦辺部のうち少なくとも後側のドアフレーム縦辺部においては、ドアフレームのドアアウターパネルに上記の棚部は形成されず平面状に形成され、
ガラスラン上辺部では、車外側カバーリップはドアアウターパネルのフランジ部分を覆い、車外側カバーリップの先端は棚部に当接するように形成され、後側のガラスラン縦辺部では、車外側カバーリップの幅方向の長さはガラスラン上辺部の車外側カバーリップの幅方向の長さよりも短く形成され、車外側カバーリップの先端はドアアウターパネルの先端を覆い、先端に係止されるように形成され、
ガラスランコーナー部の車外側カバーリップでは、ガラスラン上辺部の車外側カバーリップからガラスラン縦辺部の車外側カバーリップまで車外側カバーリップの幅方向に長さを徐々に短く形成して、連続して接続することを特徴とするガラスランの取付け構造である。
請求項1の本発明では、ガラスランの本体は、車外側側壁と、車内側側壁と、底壁とからなる断面略コ字形をなし、車外側側壁と車内側側壁の先端には、それぞれ本体の断面略コ字状の内側に向かって延出する車外側シールリップと車内側シールリップを設けるとともに、車外側シールリップと車内側シールリップによりドアガラスの車外側面及び車内側面をシールしている。
このため、ドア閉時に、ドアフレーム上辺部、ドアフレーム縦辺部及びドアフレームコーナー部において車外側側壁と、車内側側壁と、底壁とからなる本体の断面略コ字状のガラスランの内側に、ドアガラスの先端を収納することができ、ドアガラスを確実に保持することができる。また、直線状部のガラスラン上辺部、ガラスラン縦辺部及びガラスランコーナー部において、車外側シールリップと車内側シールリップにより、ドアガラスの昇降に応じて、両方のシールリップがドアガラスに当接し、車外側シールリップと車内側シールリップによりドアフレームとドアガラスとの間のシールをすることができる。
車外側側壁と車内側側壁の先端には、それぞれ本体の外側に向かって延出する車外側カバーリップと車内側カバーリップを設けたため、車外側側壁と車外側カバーリップによりドアフレームのドアアウターパネルのフランジ部分を挟持し、車内側側壁と車内側カバーリップによりドアフレームのドアインナーパネルのフランジ部分を挟持し、ガラスランをドアフレームに保持することができる。
ドアフレーム上辺部は、ドアフレームのドアアウターパネルのフランジ部分に車内側に凹んだ棚部を形成したため、ドアフレーム上辺部の剛性を高くすることができるとともに、車外側カバーリップとドアアウターパネルとの段差を小さくして、風切音を小さくして、見栄えを良くすることができる。
ドアフレーム縦辺部のうち少なくとも後側のドアフレーム縦辺部においては、ドアフレームのドアアウターパネルに棚部は形成されず平面状に形成されたため、ドアアウターパネルの段差が無く、車外側カバーリップで覆われなくとも見栄えがよい。
ガラスラン上辺部では、車外側カバーリップはドアアウターパネルのフランジ部分を覆い、車外側カバーリップの先端は、棚部に当接するように形成されたため、車外側カバーリップと車外側側壁とでドアアウターパネルのフランジ部分を挟持してガラスランを保持し、アアウターパネルのフランジ部分の凹んだ部分を覆うことができる。
ガラスラン上辺部では、車外側カバーリップはドアアウターパネルのフランジ部分を覆い、車外側カバーリップの先端は棚部に当接するように形成され、後側のガラスラン縦辺部では、車外側カバーリップの幅方向の長さはガラスラン上辺部の車外側カバーリップの幅方向の長さよりも短く形成され、車外側カバーリップの先端はドアアウターパネルの先端を覆い、先端に係止されるように形成されている。このため、ドアアウターパネルのフランジ部分を挟持することができるとともに、車外側カバーリップが車外側から目立たなくすることができ、見栄えがよい。
ガラスランコーナー部の車外側カバーリップでは、ガラスラン上辺部の車外側カバーリップからガラスラン縦辺部の車外側カバーリップまで車外側カバーリップの幅方向に長さを徐々に短く形成して、連続して接続する。このため、ガラスランコーナー部の車外側カバーリップの段差がなくスムースに変化して、シール性と見栄えがよい。
請求項2の本発明は、ガラスランコーナー部の車外側カバーリップでは、ガラスラン上辺部の車外側カバーリップから後側のガラスラン縦辺部の車外側カバーリップまで車外側カバーリップの幅方向に長さを徐々に短く形成して、連続して接続するとともに、車外側カバーリップの先端が徐々に車外側側壁に近接して、上記ドアアウターパネルと上記車外側カバーリップの先端とが実質的に段差が無いように形成したガラスランの取付け構造である。
請求項2の本発明では、ガラスランコーナー部の車外側カバーリップでは、ガラスラン上辺部の車外側カバーリップから後側のガラスラン縦辺部の車外側カバーリップまで車外側カバーリップの幅方向に長さを徐々に短く形成して、連続して接続するとともに、車外側カバーリップの先端が徐々に車外側側壁に近接して、ドアアウターパネルと上記車外側カバーリップの先端とが実質的に段差が無いように形成した。このため、ガラスラン縦辺部においては、車外側カバーリップの先端がドアアウターパネルの先端に当接して、ドアアウターパネルから突出することがなく形成され見栄えがよいとともに、ガラスランコーナー部においてスムースにガラスラン上辺部とガラスラン縦辺部の車外側カバーリップの先端を連続的に接続することができる。
請求項3の本発明は、後側のガラスラン縦辺部の車外側側壁の先端から、ドアガラスに当接するようにガラスランの本体の内方の斜め外側に向かって延出する車外側シールサブリップが形成されたガラスランの取付け構造である。
請求項3の本発明では、後側のガラスラン縦辺部の車外側側壁の先端から、ドアガラスに当接するようにガラスランの本体の内方の斜め外側に向かって延出する車外側シールサブリップが形成されたため、ドアガラスの外面に対して2重のシールをすることができ、シール性を向上させることができる。また、ドアガラスと車外側シールサブリップが鈍角で当接して、その間に溝がなくなり、風切音等を減少させることができる。
請求項4の本発明は、後側のドアフレーム縦辺部は、ドアフレームのドアアウターパネルには棚部は形成されず平面状に形成されるとともに、先端が車内側にヘヤピン状に折れ曲った折返し部を形成し、後側のガラスラン縦辺部の車外側側壁の外面から外側に突出する車外側保持リップを形成し、車外側保持リップが折返し部に係止されるガラスランの取付け構造である。
請求項4の本発明では、後側のドアフレーム縦辺部は、ドアフレームのドアアウターパネルには棚部は形成されず平面状に形成されるため、ドアフレームの車外側面が平坦であり見栄えがよい。
ドアフレーム縦辺部のドアアウターパネルの先端が、車内側にヘヤピン状に折れ曲った折返し部を形成するため、後側のフレーム縦辺部の先端部の剛性をあげることができる。
ガラスラン縦辺部の車外側側壁の外面に車外側カバーリップと車外側保持リップを形成し、車外側保持リップがドアフレーム縦辺部の先端部の折返し部に係止されるため、車外側側壁が確実にドアフレームに保持されることができる。
請求項5の本発明は、ガラスランの直線状部において、車外側シールリップ、車内側シールリップと底壁のドアガラスと当接する面に低摺動部材が設けられたガラスランの取付け構造である。
請求項5の本発明では、直線状部において、車外側シールリップ、車内側シールリップと底壁のドアガラスと当接する面に低摺動部材が設けられたため、ドアガラスがガラスランの本体内に進入し、摺動しても、シールリップや底壁との摺動抵抗を減少させることができ、ドアガラスのスムースな昇降を維持することができる。
請求項6の本発明は、ドアフレームコーナー部には、そのコーナー部において、切り欠き凹部が形成され、ガラスランコーナー部には、そのコーナー部において、リブが形成され、両者が凹凸嵌合されているガラスランの取付け構造である。
請求項6の本発明では、ドアフレームコーナー部には、そのコーナー部において、切り欠き凹部が形成され、ガラスランコーナー部には、そのコーナー部において、リブが形成され、両者が凹凸嵌合されているため、コーナー部において、ドアガラスが昇降しても、ガラスランとドアフレームとがずれることがない。
本発明は、ガラスラン縦辺部では、車外側カバーリップの先端はドアアウターパネルの先端部分を覆い、係止されるように、ガラスラン上辺部の車外側カバーリップの幅方向の長さよりも短く形成されているため、車外側カバーリップが車外側から目立たなくすることができる。ガラスランコーナー部の車外側カバーリップでは、ガラスラン上辺部の車外側カバーリップからガラスラン縦辺部の車外側カバーリップまで車外側カバーリップの幅方向に長さを徐々に短く形成して、連続して接続するため、ガラスランコーナー部の車外側カバーリップの段差がなくスムースに変化して、シール性と見栄えがよい。
本発明の実施の形態を、図1〜図6に基づき説明する。
図6は、自動車のフロントのドア1の正面図であり、図5は、ドア1のドアフレーム2に取付けるフロントドアのガラスラン10の正面図である。図6に示すように、ドア1の上部にはドアフレーム2が設けられ、ドアガラス5が昇降自在に取付けられる。すなわち、ドアフレーム2の内周には、ガラスラン10が取付けられ、ドアガラス5の昇降を案内するとともに、ドアガラス5とドアフレーム2との間をシールしている。
ガラスラン10は、図5に示すように、全体として押出成形で形成された直線状部11と、ドアフレーム2のコーナー部に取付けられ、上記の直線状部11を接続し、型成形で形成されるガラスランコーナー部12からなる。
直線状部11は、ドアフレーム2のドアフレーム上辺部2bに取付けられるガラスラン上辺部15と、ドアフレーム2のリヤ側の縦辺部であるドアフレーム縦辺部2aに取付けられるガラスラン縦辺部14と、ドアフレーム2のフロント側縦辺部をなすディビジョンサッシュに取付けられる部分とからなる。
これらの押出成形部分をドアフレーム2に対応した形状となるように、フロント側とリヤ側のそれぞれのコーナー部分において、型成形により成形してガラスラン上辺部15とガラスラン縦辺部14を接続してガラスランコーナー部12が形成されている。なお、リヤ側のガラスランコーナー部12は、ドアフレームコーナー部2hの部分に装着される。
本発明について以下に、フロント側のドア1のリヤ側縦辺部であるドアフレーム縦辺部2aとドアフレーム上辺部2bとでなすリヤ側のコーナー部であるドアフレームコーナー部2hに装着される直線状部11のガラスラン上辺部15、ガラスラン縦辺部14およびガラスランコーナー部12を例に取り説明する。
図1は、ガラスラン縦辺部14の図5のA−A線に沿った断面図であり、図2は、ガラスラン上辺部15における図5のB−B線に沿った断面図である。図3は、ガラスランコーナー部12の斜視図である。図4は、ドアフレームコーナー部2hの斜視図である。
まず、ドアフレーム2について説明する。そしてガラスラン10のガラスラン縦辺部14について説明し、その後、ガラスラン上辺部15とガラスランコーナー部12について説明する。
ドアフレーム2は、図4に示すように、ドアフレーム上辺部2bにおいて、ドアアウターパネル2cの先端のフランジ部分は車内側に凹んだ棚部2fが形成されている。ドアインナーパネル2dのフランジ部分は平面状に延設されている。ドアアウターパネル2cとドアインナーパネル2dの間にドア補強パネル2eが設けられ、ドア補強パネル2eの先端は、ドアインナーパネル2dの先端と接合されている。ドア補強パネル2eの先端よりも若干上に凸部2jが形成されている。さらに、ドア補強パネル2eは、ドアアウターパネル2cとドアインナーパネル2dの間の空間を塞ぐように、略直角に屈曲され保持面2kが形成され、さらに屈曲してドアアウターパネル2cと並行に形成され、その先端でドアアウターパネル2cと接合されている。
ドアフレーム2のドアフレーム縦辺部2aでは、ドアアウターパネル2cの先端部分が平面状に形成されている。このためドアフレーム2を車外側から見た場合は、車外側面が平坦であり見栄えがよい。
ドアフレーム縦辺部2aの先端が、車内側にヘヤピン状に折れ曲った折返し部2gを形成している。このため、ドアフレーム縦辺部2aの先端部分の剛性をあげることができる。
ドアインナーパネル2dとドア補強パネル2eの形状は、ドアフレーム上辺部2bの部分と同様である。
ドアフレームコーナー部2hにおいては、ドアアウターパネル2cはドアフレーム上辺部2bとドアフレーム縦辺部2aの延長部分が直線状に延設され、その接合する部分では凹部2mが形成されている。この凹部2mに後述するガラスランコーナー部12のリブ23bが嵌合される。ドアインナーパネル2dとドア補強パネル2eは、ドアフレーム上辺部2bからドアフレーム縦辺部2aにかけて曲線状に連続して形成されている。
次にガラスラン10について説明する。
ガラスラン10のガラスラン縦辺部14は、図1に示すように、本体が車外側側壁20と、車内側側壁30と、底壁40とから断面略コ字状に形成されている。後述のように、車内側側壁30が車外側側壁20よりも大きく、厚肉に形成され、断面略コ字形は、車内側が大きな非対称形に形成されている。
ガラスラン10の本体は、ドアフレーム2の上辺部に取付けられる部分も縦辺部に取付けられる部分も基本的には、ほぼ同様な断面略コ字形の断面形状を有している。
ガラスラン10の車外側側壁20は、断面略板状に形成される。
車外側側壁20の先端付近から車外側シールリップ21が、上記本体の断面略コ字状の内側に向けて延設されている。また、車外側カバーリップ23が車外側側壁20の先端から車外方向にドアアウターパネル2cの先端を覆うように短く形成されている、
このため、車外側カバーリップ23の先端は、ドアアウターパネル2cの平面から突出することなく、車外側から見た場合にガラスラン10が目立つことがなく、見栄えがよい。また、後述する車外側保持リップ24と車外側カバーリップ23でドアアウターパネル2cのフランジ部分を挟持して、車外側側壁20を保持することができる。
ガラスラン縦辺部14の車外側側壁20の先端から、ドアガラス5に当接するようにガラスラン10の本体の内方の斜め外側に向かって延出する車外側サブシールリップ22が形成されている。このため、車外側シールリップ21と車外側サブシールリップ22が、ドアガラス5の外面に対して2重のシールをすることができ、シール性を向上させることができる。また、ドアガラス5に対して車外側サブシールリップ22が鈍角に当接するため、その間に凹みがなくなり、風切音等を減少させることができる。
車外側側壁20の外面には車外側保持リップ24が2つ形成されている。ドアアウターパネル2cの先端は、上述の通り内側にヘヤピン状に曲げられて、折返し部2gが形成されており、この折返し部2gに車外側保持リップ24が係止され、車外側カバーリップ23と車外側保持リップ24で折返し部2gを挟持する。これにより、車外側側壁20をドアアウターパネル2cに保持することができる。
このため、車外側側壁20を確実にドアアウターパネル2cに係止することができるとともに、車外側側壁20とドアアウターパネル2cとの間をシールすることができる。
上述のように、車外側側壁20の内側には、車外側シールリップ21がガラスラン10の本体の内側に向けて斜めに延設されている。
ドアガラス5が上昇して、ドアガラス5の上端がガラスラン10の本体の上辺部の内部に侵入したときに、ドアガラス5の上端の車外側の両面に、この車外側シールリップ21と後述する車内側シールリップ31が弾力的に当接して、ドアガラス5の先端とドアフレーム2の間をシールする。
車外側シールリップ21と車内側シールリップ31の表面には低摺動部材を設けることができる。この場合は、ドアガラス5が昇降して、縦辺部のガラスラン10を摺動するときにドアガラス5と、ガラスラン10との接触面積や摩擦抵抗が少なくなり、摺動抵抗を減少させることができ、異音の発生を防止し、スムースな昇降を確保することができる。さらに、ドアガラス5が昇降時にドアガラス5の湾曲や、走行時の負圧により車外側に移動したり、撓んで、強く車外側シールリップ21に押付けられたりしても、ドアガラス5の摺動抵抗を増加させることなく、スムースな昇降を確保することができる。
車外側シールリップ21と車内側シールリップ31のドアガラス5が当接する表面に、低摺動部材を設ける場合には、この低摺動部材は、熱可塑性エラストマーのオレフィン部分の比率が多い摺動抵抗の少ない材料を、車内側シールリップ31の表面に0.1mm程度の厚さで同時押出して形成する場合や、ウレタン樹脂等の低摺動部材を塗布して形成されている。このため、ドアガラス5がガラスラン10内を摺動するときに、その摺動抵抗を減少させることができ、異音の発生防止と、ガラスラン10のずれを防止することができる。
さらに、車外側側壁20の内面と車外側シールリップ21の裏面に突条を形成したり、上記の低摺動部材を押出成形したり、塗布または貼付したりしてもよい。この場合、ドアガラス5に押されて、車外側シールリップ21が車外側側壁20と密着しても、車外側シールリップ21と車外側側壁20との貼着を防止できる。
底壁40は、略板状に形成され、車内側側壁30および車外側側壁20との連続部分では屈曲が容易にできるように溝部が形成されている。
底壁40のガラスラン10の本体の断面略コ字形の内面には、車外側シールリップ21と車内側シールリップ31と同様に低摺動部材を押出成形したり、ウレタン樹脂等の低摺動部材が塗布されたりしている。このため、ドアガラス5との摺動抵抗を減少させることができる。
車内側側壁30は、車外側側壁20よりも肉厚で大きく形成されている。このため、ガラスラン10をドアフレーム2の側面に保持することができる。
車内側側壁30の先端から、車内側カバーリップ33が車内側側壁30の外面側、即ち、車内方向に車内側側壁30と平行に延設されている。この車内側カバーリップ32と車内側側壁30で、ドアインナーパネル2dの先端とドア補強パネル2eの先端が接合されたフランジ部分を挟持している。
車外側側壁20と同様に、車内側側壁30の先端からガラスラン10の本体の内部方向に斜めに車内側シールリップ31が延設されている。車内側シールリップ31は、車外側シールリップ21よりも長く、厚肉に形成されているため、ドアガラス5がガラスラン10内に侵入したときに、ドアガラス5を車外側に位置させることができ、ドアフレーム2とドアガラス5の段差を少なくすることができる。このため、空気抵抗や風切音が減少し、デザイン的にも好ましい。
車内側側壁30の外面には、底壁40との連続部分の付近に車内側保持リップ34が形成されている。ドアフレーム2のドア補強パネル2eには、凸部2jが屈曲して形成され、この凸部2jに車内側保持リップ34が係止される。このため、ガラスラン10をドアフレーム2に保持することができる。
次に、ガラスラン上辺部15について、図2に基づき説明する。ガラスラン上辺部15において車外側カバーリップ23の形状がガラスラン縦辺部14と異なり、車外側サブシールリップ22が存在しないが、他の部分はガラスラン縦辺部14と同様であるため、異なる部分のみ説明し、同じ部分の説明は省略する。
車外側カバーリップ23は、車外側側壁20の先端から車外側側壁20の外面に並行に延設されており、ガラスラン縦辺部14の車外側カバーリップ23よりも長く形成されている。
車外側側壁20と車外側カバーリップ23の間にドアフレーム上辺部2bのドアアウターパネル2cのフランジ部分が挿入され、車外側カバーリップ23がその先端を覆い、ドアアウターパネル2cに形成された棚部2fに車外側カバーリップ23の先端が当接している。これにより、車外側カバーリップ23と車外側側壁20でドアアウターパネル2cのフランジ部分を挟持し、車外側カバーリップ23がドアアウターパネル2cに先端においてドアアウターパネル2cと同一平面をなすことができる。ガラスラン上辺部15において、ドアフレーム上辺部2bにはサンバイザー等が取り付けられることが多く、車外側カバーリップ23が車外側から見て目立つことが少ない。
ガラスランコーナー部12の説明を図3に基づき説明する。
ガラスランコーナー部12は、ガラスラン上辺部15とガラスラン縦辺部14を型成形により接続している。車内側側壁30、車内側シールリップ31と車内側カバーリップ33については、ガラスラン上辺部15とガラスラン縦辺部14の形状が同様であるため、容易に接続することができる。
車外側側壁20と車外側シールリップ21も同様にガラスラン上辺部15とガラスラン縦辺部14の形状が同様であるため、容易に接続することができる。
車外側サブシールリップ22は、ガラスランコーナー部12で車外側側壁20の先端に当接して終了する。
ガラスラン上辺部15の車外側カバーリップ23がガラスラン縦辺部14の車外側カバーリップ23よりも長く形成されている。このため、ガラスランコーナー部12の車外側カバーリップ23では、ガラスラン上辺部15の車外側カバーリップ23からガラスラン縦辺部14の車外側カバーリップ23まで車外側カバーリップ23の幅方向に長さを徐々に短く変化させて、連続して接続する。そして、ガラスランコーナー部12の車外側カバーリップ23の段差がなくスムースに変化して、ドアフレームコーナー部2hのドアアウターパネル2cに沿って装着され、シール性と見栄えがよい。
ガラスランコーナー部12の車外側カバーリップ23では、ガラスラン上辺部15の車外側カバーリップ23からガラスラン縦辺部14の車外側カバーリップ23まで車外側カバーリップ23の幅方向に長さを徐々に短く形成して、連続して接続するとともに、車外側カバーリップ23の先端が徐々に車外側側壁20に近接して、ドアアウターパネル2cのフランジ部分の先端に当接して、ドアアウターパネル2cと車外側カバーリップ23の先端とが実質的に段差が無いように形成することができる。この場合は、ガラスラン縦辺部14においては、車外側カバーリップ23の先端がドアアウターパネル2cの先端に当接して、ドアアウターパネル2cから突出することがなく形成される。このため、車外側から見栄えがよいとともに、ガラスランコーナー部12においてスムースにガラスラン上辺部15とガラスラン縦辺部14の車外側カバーリップ23の先端を連続的に接続することができる。
なお、図3に示すように、ガラスランコーナー部12の屈曲部分において、ガラスラン上辺部15側の車外側側壁20と車外側カバーリップ23の間にリブ23bが形成されている。ガラスランコーナー部12をドアフレームコーナー部2hに装着するときに、ドアアウターパネル2cの凹部2mにリブ23bが嵌めこまれて、ガラスランコーナー部12がずれることが防止できる。
直線状部11の成形においては、成形材料は、合成ゴム、熱可塑性エラストマーが使用され、例えば合成ゴムでは、EPDMゴム、熱可塑性エラストマーでは、ポリオレフィン系エラストマー等が使用される。
合成ゴムの場合は、押出成形後に加硫槽に搬送されて、熱風や高周波等により加熱されて加硫が行われる。熱可塑性エラストマーの場合は、冷却され固化される。その後所定の長さに切断されて、押出成形部分は製造される。
次に、ガラスランコーナー部12の型成形部分の成形は、上記により製造された押出成形部材を所定寸法に長手方向とは略直角に切断して、その切断した押出部分の端部を、型成形部分を成形する金型に挟持して、その金型のキャビティーに型成形部分を形成するソリッド材を注入する。型成形部分の断面形状は押出成形部分の断面形状と略同じである。成形材料は、押出成形部分に使用した材料と同じ種類のものを使用することが好ましい。熱可塑性エラストマーの場合は、金型に注入されたときに注入材料は溶融されているため、その熱と圧力とで押出成形部分と型成形部分は一体的に融着される。
直線状部11がEPDMゴムで形成される場合は、ガラスランコーナー部12は、EPDMゴム又はオレフィン系熱可塑性エラストマーで形成することが好ましい。直線状部11がオレフィン系熱可塑性エラストマーで形成される場合は、ガラスランコーナー部12は、オレフィン系熱可塑性エラストマーで形成する。この場合は、同種の材料であり、ガラスラン10の直線状部11とガラスランコーナー部12の接着性がよい。また、いずれもオレフィン系の材料であり、耐候性がよく、同時に粉砕処理ができ、リサイクル容易な製品を得ることができる。オレフィン系熱可塑性エラストマーの場合は、加硫が不要のため、製造が容易である。
合成ゴムの場合は、金型に注入した後に金型を加熱して加硫する。このとき、押出成形部分と型成形部分は同じ材料あるいは同種類の材料を使用しているため、加硫接着をすることができ、一体的に固着することができる。
本発明の実施の形態に使用するガラスランをドアフレーム縦辺部に装着した状態の断面図であり、図5におけるA−A線に沿った断面図である。 本発明の実施の形態に使用するガラスランをドアフレーム上辺部に装着した状態の断面図であり、図5におけるB−B線に沿った断面図である。 本発明の実施の形態に使用するガラスランのコーナー部の斜視図である。 本発明の実施の形態に使用するドアフレームのコーナー部の斜視図である。 本発明の実施の形態に使用するガラスランの正面図である。 自動車ドアの正面図である。 従来のガラスランをドアフレーム縦辺部に装着した状態の断面図である。 従来のガラスランをドアフレーム上辺部に装着した状態の断面図である。 従来のガラスランのコーナー部の斜視図である。 従来のドアフレームのコーナー部の斜視図である。
符号の説明
2 ドアフレーム
2a ドアフレーム縦辺部
2b ドアフレーム上辺部
2c ドアアウターパネル
2d ドアインナーパネル
2e ドア補強パネル
10 ガラスラン
11 直線部
12 ガラスランコーナー部
14 ガラスラン縦辺部
15 ガラスラン上辺部
20 車外側側壁
21 車外側シールリップ
22 サブシールリブ
23 車外側カバーリップ
30 車内側側壁
31 車内側シールリップ
40 底壁

Claims (6)

  1. ドアガラスの昇降を案内するガラスランを自動車ドアのドアフレームの内周に取付けるガラスランの取付け構造であって、上記ガラスランは、押出成形により成形される直線状部と、型成形により成形され該直線状部を接続し上記ドアフレームコーナー部に装着されるガラスランコーナー部を有し、上記直線状部は、ガラスラン上辺部とガラスラン縦辺部を形成するとともに、上記ガラスラン上辺部は、ドアフレーム上辺部に装着され、上記ガラスラン縦辺部は、ドアフレーム縦辺部に装着されるガラスランの取付け構造において、
    上記ガラスランの本体は、車外側側壁と、車内側側壁と、底壁とからなる断面略コ字形をなし、上記車外側側壁と車内側側壁の先端には、それぞれ上記本体の断面略コ字状の内側に向かって延出する車外側シールリップと車内側シールリップを設けるとともに、それぞれ上記本体の外側に向かって延出する車外側カバーリップと車内側カバーリップを設け、上記車外側シールリップと車内側シールリップにより上記ドアガラスの車外側面及び車内側面をシールし、
    上記ドアフレーム上辺部は、上記ドアフレームのドアアウターパネルのフランジ部分に車内側に凹んだ棚部を形成し、上記ドアフレーム縦辺部のうち少なくとも後ろ側のドアフレーム縦辺部においては、上記ドアフレームのドアアウターパネルに上記棚部は形成されず平面状に形成され、
    上記ガラスラン上辺部では、上記車外側カバーリップは上記ドアアウターパネルのフランジ部分を覆い、上記車外側カバーリップの先端は上記棚部に当接するように形成され、上記後側のガラスラン縦辺部では、上記車外側カバーリップの幅方向の長さは上記ガラスラン上辺部の上記車外側カバーリップの幅方向の長さよりも短く形成され、上記車外側カバーリップの先端は上記ドアアウターパネルの先端を覆い、該先端に係止されるように形成され、
    上記ガラスランコーナー部の車外側カバーリップでは、上記ガラスラン上辺部の車外側カバーリップから上記ガラスラン縦辺部の車外側カバーリップまで車外側カバーリップの幅方向に長さを徐々に短く形成して、連続して接続することを特徴とするガラスランの取付け構造。
  2. 上記ガラスランコーナー部の車外側カバーリップでは、上記ガラスラン上辺部の車外側カバーリップから上記後側のガラスラン縦辺部の車外側カバーリップまで車外側カバーリップの幅方向に長さを徐々に短く形成して、連続して接続するとともに、上記車外側カバーリップの先端が徐々に上記車外側側壁に近接して、上記ドアアウターパネルと上記車外側カバーリップの先端とが実質的に段差が無いように形成した請求項1に記載のガラスランの取付け構造。
  3. 上記後側のガラスラン縦辺部の車外側側壁の先端から、上記ドアガラスに当接するように上記ガラスランの本体の内方の斜め外側に向かって延出する車外側シールサブリップが形成された請求項1又は請求項2に記載の自動車用ガラスランの取付け構造。
  4. 上記後側のドアフレーム縦辺部は、上記ドアフレームのドアアウターパネルには上記棚部は形成されず平面状に形成されるとともに、先端が車内側にヘヤピン状に折れ曲った折返し部を形成し、
    上記後側のガラスラン縦辺部の車外側側壁の外面から外側に突出するに車外側保持リップを形成し、該車外側保持リップが上記折返し部に係止される請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のガラスランの取付け構造。
  5. 上記ガラスランの直線状部において、車外側シールリップ、車内側シールリップと底壁のドアガラスと当接する面に低摺動部材が設けられた請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のガラスランの取付け構造。
  6. 上記ドアフレームコーナー部には、そのコーナー部において、切り欠き凹部が形成され、上記ガラスランコーナー部には、そのコーナー部において、リブが形成され、両者が凹凸嵌合されている請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載のガラスランの取付け構造。
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