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JP6429127B2 - 自動車用ガラスラン - Google Patents

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JP6429127B2 JP2015127492A JP2015127492A JP6429127B2 JP 6429127 B2 JP6429127 B2 JP 6429127B2 JP 2015127492 A JP2015127492 A JP 2015127492A JP 2015127492 A JP2015127492 A JP 2015127492A JP 6429127 B2 JP6429127 B2 JP 6429127B2
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Description

本発明は、ドアガラスの昇降を案内するとともにドアガラスをシールし、直線状部とコーナー部を有する自動車用ガラスランに関するものである。
図8に示すように、自動車のドア1のドアフレーム2の内周にドアガラス5の昇降を案内するガラスラン110が取付けられている。
従来、ガラスラン110は、図8に示すように、ドアフレーム2のチャンネル内に取付けられて、ドアガラス5の昇降を案内するとともにドアガラス5とドアフレーム2との間をシールしている。
さらに、ガラスラン110は、図7に示すように、押出成形により成形された直線部111と、この直線部111を接続し型成形により成形されたガラスランコーナー部112とからなり、直線部111はガラスラン上辺部113とガラスランフロント側縦辺部114とガラスランリヤ側縦辺部115を形成している。
ガラスラン上辺部113はドアフレーム上辺部2fに取付けられ、ガラスランフロント側縦辺部114はドアフレームフロント側縦辺部2gに取付けられ、ガラスランリヤ側縦辺部115はドアフレームリヤ側縦辺部2hに取付けられている。ガラスラン上辺部113とガラスランフロント側縦辺部114及びガラスランリヤ側縦辺部115は型成形によってドアフレームコーナー部2eの形状に合わせて形成されたガラスランコーナー部112で接続している。
なお、ドア1と車体との間のシールは、ドアパネルおよびドアフレーム2の外周に取付けられたドアウエザストリップ(図示せず)および/または車体の開口部のフランジに取付けられたオープニングトリムウエザストリップ(図示せず)によりなされている。
ガラスラン110の本体の直線部111は、図9に示すように、車外側側壁120と、車内側側壁130と、底壁140からなる断面略コ字状をなしている。車外側側壁120の先端付近から車外側シールリップ121が本体の断面略コ字状の内側に向けて延出するように設けられている。また、車内側側壁130にもその先端付近から車内側シールリップ131が断面略コ字状の内側に向けて延出するように設けられている。
さらに、車外側側壁120の先端付近から車外側側壁120の外面に並行に車外側意匠リップ122が形成され、車内側側壁130の先端付近から車内側側壁130の外面に並行に車内側意匠リップ132が形成されている。車外側意匠リップ122は、ドアアウターパネル2aの先端をカバーして、車内側意匠リップ132は、ドアインナーパネル2bの先端をカバーしている。
ガラスラン110の本体の車外側側壁120、車内側側壁130と底壁140はドアフレーム2のドアアウターパネル2a、ドアインナーパネル2bおよびドア補強パネル2cの間にはめ込まれる(例えば、特許文献1参照。)。
このとき、ドアアウターパネル2aのフランジ部分は、車外側側壁120と車外側意匠リップ122の間に挿入され、ドアインナーパネル2bのフランジ部分は、車内側側壁130と車内側意匠リップ133の間に挿入される。底壁140はドアチャンネル(図示せず)又は、ドア補強パネル2cの平面部分で保持される。
ドアフレームコーナー部2eにおいては、ガラスラン上辺部113のフロント側とリヤ側にそれぞれ、ガラスランフロント側縦辺部114及びガラスランリヤ側縦辺部115がガラスランコーナー部112で接続している。ガラスランコーナー部112は、型成形で形成されて、型成形時の熱によりガラスランコーナー部112と直線部111と接続することができる。
このガラスランコーナー部112では、図10に示すように、ドアアウターパネル2aのフランジ部分は、車外側側壁120と車外側意匠リップ122の間に挿入され、ドアインナーパネル2bのフランジ部分は、車内側側壁130と車内側意匠リップ132の間に挿入される。このとき、ドアアウターパネル2aと車外側側壁120と車外側意匠リップ122の間のシールは、車外側側壁120の車外側面に形成された車外側当接リブ123がドアアウターパネル2aに当接することにより車外側意匠リップ122をドアアウターパネル2aに強く当接させてしてシールしている(例えば、特許文献2参照。)。
しかしながら、ガラスランコーナー部112の長手方向に車外側意匠リップ122を型成形で形成する場合には、車外側当接リブ123と車外側意匠リップ122との間に金型の隔壁を挿入する必要があるが、隔壁部分の肉厚が減少して、強度が低下するため、車外側当接リブ123と車外側意匠リップ122との間の寸法を狭くすることができない。車外側当接リブ123と車外側意匠リップ122との間の寸法を狭くすることができない場合には、車外側当接リブ123がドアアウターパネル2aに当接する力が低下して、シール性が低下する場合がある
特開2007−203767号公報 特開2009−83544号公報
そこで、本発明は、製造がしやすく、ガラスランのシール性を確保することができるガラスランを提供することを目的としている。
上記課題を解決するために請求項1の本発明は、自動車ドアのドアフレームの内周に取付け、ドアガラスの昇降を案内する自動車用ガラスランであって、ガラスランは、押出成形により成形されドアフレームの上辺に装着される上辺部と、押出成形により成形されドアフレームの縦辺に装着される縦辺部と、型成形により成形され上辺部及び縦辺部を接続し、ドアフレームのコーナー部に装着されるコーナー部を有する自動車用ガラスランであり、
ガラスランは、底壁と底壁の車外側側縁部から延びる車外側側壁と、底壁の車内側側縁部から延びる車内側側壁とからなる断面略コ字形をなすガラスランの本体を備え、
ガラスランの本体は、車外側側壁と車内側側壁の先端には、それぞれ本体の断面略コ字状の内側に向かって延出する車外側シールリップと車内側シールリップを設けるとともに、それぞれガラスランの本体の外側に向かって延出する車外側意匠リップと車内側意匠リップを設け、
車外側意匠リップは、車外側意匠部材の先端部で覆われて、車外側意匠部材の先端部は、車外側意匠リップが車外側側壁と連結される部分の近傍に当接するとともに、車外側意匠リップは、車外側意匠部材の先端部が当接する車外側意匠リップと車外側側壁と連結される部分の近傍よりも先端側に、車外側意匠リップが車外方向へ突形状に湾曲して形成された湾曲部を有し、湾曲部の先端が自動車ドアパネルの車外側面に当接し、
車外側側壁の車外側面に形成され、自動車ドアパネルに当接する車外側当接リブを形成し、車外側当接リブは、湾曲部に対応する位置に形成されたことを特徴とする自動車用ガラスランである。
請求項1の本発明では、ガラスランは、押出成形により成形されドアフレームの上辺に装着される上辺部と、押出成形により成形されドアフレームの縦辺に装着される縦辺部と、型成形により成形され上辺部及び縦辺部を接続し、ドアフレームのコーナー部に装着されるコーナー部を有する自動車用ガラスランである。このため、ドア閉時に、ドアフレーム上辺部、ドアフレーム縦辺部及びドアフレームコーナー部のドアフレーム全体において、ガラスランによりドアフレームとドアガラスの間をシールすることができる。
ガラスランは、底壁と底壁の車外側側縁部から延びる車外側側壁と、底壁の車内側側縁部から延びる車内側側壁とからなる断面略コ字形をなすガラスランの本体を備えている。このため、ドア閉時に、車外側側壁と、車内側側壁と、底壁とからなる本体の断面略コ字状のガラスランの内側に、ドアガラスの先端を収納することができ、ドアガラスを確実に保持することができる。
ガラスランの本体は、車外側側壁と車内側側壁の先端には、それぞれ本体の断面略コ字状の内側に向かって延出する車外側シールリップと車内側シールリップを設けている。このため、車外側シールリップと車内側シールリップにより、ドアガラスの昇降に応じて、両方のシールリップがドアガラスの両側の先端面に当接し、車外側シールリップと車内側シールリップによりドアフレームとドアガラスとの間のシールをすることができる。
それぞれガラスランの本体の外側に向かって延出する車外側意匠リップと車内側意匠リップを設けている。このため、車外側意匠リップと車内側意匠リップによりドアフレームの先端を覆って、車外側側壁と車外側意匠リップにより、ドアフレームのドアアウターパネルのフランジ部分を挟持し、車内側側壁と車内側意匠リップによりドアフレームのドアインナーパネルのフランジ部分を挟持し、ガラスランをドアフレームに保持することができる。
車外側意匠リップは、車外側意匠部材の先端部で覆われて、車外側意匠部材の先端部は、車外側意匠リップが車外側側壁と連結される部分の近傍に当接するとともに、車外側意匠リップは、車外側意匠部材の先端部が当接する車外側意匠リップと車外側側壁と連結される部分の近傍よりも先端側に、車外側意匠リップが車外方向へ突形状に湾曲して形成された湾曲部を有し、湾曲部の先端が自動車ドアパネルの車外側面に当接している。
車外側意匠リップは、車外側意匠部材の先端部で覆われて、車外側意匠部材の先端部は、車外側意匠リップが車外側側壁と連結される部分の近傍に当接する。このため、車外側意匠リップと自動車ドアパネルの先端を車外側意匠部材で覆うことができ、見栄えを向上させることができる。さらに、車外側意匠部材の先端部で車外側意匠リップの先端を自動車ドアパネルに押圧することができ、シール性を向上させることができる。このため、車外側意匠部材の先端部で車外側意匠リップの先端を自動車ドアパネルに押圧することができ、シール性を向上させることができる。また、車外側意匠リップが車外方向へ車外方向へ突形状に湾曲して形成された湾曲部を有し、湾曲部の先端が自動車ドアパネルの車外側面に当接しているため、自動車ドアパネルと車外側当接リブとの当接による反力により、車外側意匠リップの先端は、自動車ドアパネルの車外側面に弾性的に線接触的に当接することができる。したがって、自動車ドアパネルと車外側意匠リップの間のシール性を向上することができる。
車外側側壁の車外側面に形成され、自動車ドアパネルに当接する車外側当接リブを形成している。このため、車外側当接リブが自動車ドアパネルに当接して、車外側意匠リップの先端が自動車ドアパネルに当接するように車外側意匠リップを自動車ドアパネルの方向に引っ張ることができ、車外側意匠リップと自動車ドアパネルとの間のシール性を向上させることができる。



車外側意匠リップは車外方向に突形状に湾曲して形成され、ガラスランを自動車ドアパネルに取付けたときに、車外側意匠リップの先端が弾性的に線接触的に当接することができ、シール性をより向上させることができる。また、車外側当接リブは、湾曲部に対応する位置に形成されている。このため、車外側意匠リップの湾曲部と車外側当接リブとの間に十分な空間を設けることができ、押出ダイスや型成形金型の空間部分の剛性を向上させることができ、押出ダイスや金型の形成が容易である。
請求項2の本発明は、車外側意匠リップは、円弧状に車外方向に突形状に湾曲して形成された自動車用ガラスランである。
請求項2の本発明では、車外側意匠リップは、円弧状に車外方向に突形状に湾曲して形成されたため、車外側意匠リップは応力が集中する部分が無く、より効果的にシール性を向上させることができる。
請求項3の本発明は、車外側当接リブは、コーナー部に形成され、コーナー部の車外側当接リブと湾曲部は、ガラスランのコーナー部とガラスランの縦辺部の接合部分の近傍からガラスランのコーナー部とガラスランの上辺部の接合部分の近傍まで延設されて形成された自動車用ガラスランである。
請求項3の本発明では、車外側当接リブは、コーナー部に形成され、コーナー部の湾曲部は、車外方向に突形状に湾曲して形成されているため、コーナー部の車外側当接リブと車外側意匠リップとの間の隙間を大きくとることができる。これにより、長手方向に連続する車外側意匠リップを型成形で形成する場合には、車外側当接リブと車外側意匠リップとの間に挿入する金型の隔壁の肉厚を厚くすることができる。したがって、金型の隔壁の強度を確保することができる。
コーナー部の車外側当接リブと湾曲部は、ガラスランのコーナー部とガラスランの縦辺部の接合部分の近傍からガラスランのコーナー部とガラスランの上辺部の接合部分の近傍まで延設されて形成された。このため、ガラスランのコーナー部において、車外側当接リブと車外側意匠リップがコーナー部の全体に亘り自動車ドアパネルに当接して、自動車ドアパネルとガラスランのシール性を向上させることができる。
請求項4の本発明は、車外側当接リブと湾曲部は、ガラスランのコーナー部とガラスランの上辺部の接合部分の近傍から、ガラスランの縦辺部まで連続して延設されて形成された自動車用ガラスランである。
請求項5の本発明では、車外側当接リブと湾曲部は、ガラスランのコーナー部とガラスランの上辺部の接合部分の近傍から、ガラスランの縦辺部まで連続して延設されて形成された。このため、ガラスランのコーナー部から縦辺部まで連続して、車外側当接リブと車外側意匠リップがガラスランの全体に亘り自動車ドアパネルに当接して、自動車ドアパネルとガラスランのシール性を向上させることができる。
車外側側壁の車外側面に形成され、自動車ドアパネルに当接する車外側当接リブを形成しているため、車外側当接リブが自動車ドアパネルに当接して、車外側意匠リップの先端が自動車ドアパネルに当接するように車外側意匠リップを自動車ドアパネルの方向に引っ張ることができ、車外側意匠リップと自動車ドアパネルとの間のシール性を向上させることができる。
車外側意匠リップは車外方向に突形状に湾曲して形成され、車外側当接リブは、車外側意匠リップが湾曲して形成された部分に対応する位置に形成されているため、車外側意匠リップの湾曲部分と車外側当接リブとの間に十分な空間を設けることができ、押出ダイスや型成形金型の空間部分の剛性を向上させることができ、押出ダイスや金型の形成が容易である。
本発明の第1の実施の形態のガラスランのコーナー部の断面図であり、図6におけるA−A線に沿った断面図である。
本発明の第2の実施の形態のガラスランの縦辺部の断面図であり、図6におけるB−B線に沿った断面図である。 本発明の第1の実施の形態のガラスランの縦辺部の断面図であり、図6におけるB−B線に沿った断面図である。 本発明の第1の実施の形態のガラスランのコーナー部の裏面図である。 本発明の第2の実施の形態のガラスランのコーナー部の裏面図である。 本発明の実施の形態のガラスランのコーナー部の正面図である。 本発明の実施の形態のガラスランの正面図である。 自動車ドアの正面図である。 従来のガラスランをドアフレーム上辺部に装着した状態の断面図である。 従来の他のガラスランのコーナー部の断面図である。
本発明の実施の形態を、図1〜図8に基づき説明する。
図8は、自動車のフロントのドア1の正面図であり、図7は、ドア1のドアフレーム2に取付けるフロントドアのガラスラン10の正面図である。図8に示すように、ドア1の上部にはドアフレーム2が設けられ、ドアガラス5が昇降自在に取付けられる。すなわち、ドアフレーム2の内周には、ガラスラン10が取付けられ、ドアガラス5の昇降を案内するとともに、ドアガラス5とドアフレーム2との間をシールしている。
ガラスラン10は、図7に示すように、全体として押出成形で形成された直線部11と、ドアフレーム2のドアフレームコーナー部2eに取付けられ、上記の直線部11を接続し、型成形で形成されるガラスランコーナー部12からなる。
直線部11は、ドアフレーム2のドアフレーム上辺部2fに取付けられるガラスラン上辺部13と、ドアフレームフロント側縦辺部2gに取付けられるガラスランフロント側縦辺部14と、ドアフレーム2のドアフレームリヤ側縦辺部2hに取付けられるガラスランリヤ側縦辺部15とからなる。
これらの押出成形部分をドアフレーム2に対応した形状となるように、フロント側とリヤ側のそれぞれのコーナー部分において、型成形により成形してガラスラン上辺部13とガラスランフロント側縦辺部14とを接続してフロント側のガラスランコーナー部12が形成され、型成形により成形してガラスラン上辺部13とガラスランリヤ側縦辺部15とを接続してリヤ側のガラスランコーナー部12が形成されている。
本発明について以下に、ドア1のドアフレームフロント側縦辺部2gとドアフレーム上辺部2fとでなすフロント側のコーナー部であるドアフレームコーナー部2eに装着されるガラスラン上辺部13、ガラスランフロント側縦辺部14およびガラスランコーナー部12を例に取り説明する。
まず、本発明の第1の実施の形態のガラスラン10の直線部11の形状について、ガラスランフロント側縦辺部14を例にとり説明する。
ガラスラン10の本体は、ドアフレーム上辺部2fに取付けられるガラスラン上辺部13もドアフレームリヤ側縦辺部2hに取付けられる、ガラスランリヤ側縦辺部15も基本的には、ほぼ同様な断面略コ字形の断面形状を有している。
本発明の第1の実施の形態では、ガラスラン10のガラスランフロント側縦辺部14は、図3に示すように、本体が車外側側壁20と、車内側側壁30と、底壁40とから断面略コ字状に形成されている。後述のように、車内側側壁30が車外側側壁20よりも大きく、厚肉に形成され、断面略コ字形は、車内側が大きな非対称形に形成されている。
ガラスラン10の車外側側壁20は、断面略板状に形成される。
車外側側壁20の先端付近から車外側シールリップ21が、上記本体の断面略コ字状の内側に向けて延設されている。また、車外側意匠リップ22が車外側側壁20の先端から車外方向に、車外側側壁20と平行に延設されて、ドアアウターパネル2aの先端を覆うように長く形成されている。
このため、車外側意匠リップ22は、ドアアウターパネル2aの先端を覆い、車外側から見た場合にドアアウターパネル2aが目立つことがなく、見栄えがよい。また、車外側側壁20と車外側意匠リップ22でドアアウターパネル2aとドアチャンネル2dの先端部分が接合されたフランジ部分を挟持して、保持することができる。
車外側側壁20の外面の底壁40と連結部分の近傍には車外側保持リップ24が形成されている。ドアアウターパネル2aとドアインナーパネル2bに取付けられたドアチャンネル2dは、屈曲部が形成され、屈曲部に車外側保持リップ24が係止され、車外側意匠リップ22と車外側保持リップ24で、車外側側壁20をドアアウターパネル2aとドアチャンネル2dに保持することができる。
このため、車外側側壁20を確実にドアアウターパネル2aとドアチャンネル2dに係止することができるとともに、車外側側壁20とドアアウターパネル2aとの間をシールすることができる。
上述のように、車外側側壁20の内側には、車外側シールリップ21がガラスラン10の本体の内側に向けて斜めに延設されている。
ドアガラス5が上昇して、ドアガラス5の上端がガラスラン10の本体の縦辺部の内部を摺動したときに、ドアガラス5の側端の車内外側の両面に、この車外側シールリップ21と後述する車内側シールリップ31が弾力的に当接して、ドアガラス5の側端とドアフレーム2の間をシールする。
車外側シールリップ21と後述する車内側シールリップ31の表面には低摺動部材を設けることができる。この場合は、ドアガラス5が昇降して、縦辺部のガラスラン10を摺動するときにドアガラス5と、ガラスラン10との接触面積や摩擦抵抗が少なくなり、摺動抵抗を減少させることができ、異音の発生を防止し、スムースな昇降を確保することができる。さらに、ドアガラス5が昇降時にドアガラス5の湾曲や、走行時の負圧により車外側に移動したり、撓んで、強く車外側シールリップ21に押付けられたりしても、ドアガラス5の摺動抵抗を増加させることなく、スムースな昇降を確保することができる。
底壁40は、略板状に形成され、車内側側壁30および車外側側壁20との連続部分では屈曲が容易にできるように底壁溝部42が形成されている。底壁40の外面には、底壁凹部41が形成されている。底壁凹部41の両側は、ドアチャンネル2dに当接するように突出して形成されている。
底壁40のガラスラン10の本体の断面略コ字形の内面には、車外側シールリップ21と車内側シールリップ31と同様に低摺動部材を押出成形したり、ウレタン樹脂等の低摺動部材が塗布されたりしている。このため、ドアガラス5との摺動抵抗を減少させることができる。
車内側側壁30は、車外側側壁20よりも肉厚で大きく形成されている。このため、ガラスラン10をドアフレーム2の側面に保持することができる。
車内側側壁30の先端から、車内側意匠リップ32が車内側側壁30の外面側、即ち、車内方向に車内側側壁30と平行に延設されている。この車内側意匠リップ32と車内側側壁30で、ドアインナーパネル2bの先端とドアチャンネル2dの先端が接合されたフランジ部分を挟持している。
車外側側壁20と同様に、車内側側壁30の先端からガラスラン10の本体の内部方向に斜めに車内側シールリップ31が延設されている。車内側シールリップ31は、車外側シールリップ21よりも長く、厚肉に形成されているため、ドアガラス5がガラスラン10内に侵入したときに、ドアガラス5を車外側に位置させることができ、ドアフレーム2とドアガラス5の段差を少なくすることができる。このため、空気抵抗や風切音が減少し、デザイン的にも好ましい。
車内側側壁30の内面から車内側シールリップ31の裏面方向に車内側サブシールリップ35が延設されている。ドアガラス5が車内側シールリップ31を車内側側壁30側に押圧したときに、車内側シールリップ31の先端を保持して、車内側シールリップ31のシール性を向上させるとともに、車内側シールリップ31が車内側側壁30に密着することを防止している。
車内側側壁30の外面には、底壁40との連続部分の付近に車内側保持リップ34が形成されている。ドアチャンネル2dは、屈曲部が形成され、屈曲部に車内側保持リップ34が係止される。このため、ガラスラン10を車内側意匠リップ32と車内側保持リップ34で、車内側側壁30をドアインナーパネル2bに保持することができる。
次に、本発明の第1の実施の形態のガラスランコーナー部12の説明を図1、図5及び図6に基づき説明する。
ガラスランコーナー部12は、ガラスラン上辺部13とガラスランフロント側縦辺部14及び、ガラスラン上辺部13とガラスランリヤ側縦辺部15を型成形により接続している。
ガラスランコーナー部12においても、車外側側壁20、車外側シールリップ21、車外側意匠リップ22は、ガラスランフロント側縦辺部14とほほ同じ形状である。車内側側壁30、車内側シールリップ31、車内側意匠リップ32も、ガラスランフロント側縦辺部14とほほ同じ形状である。底壁40も同様に同じ形状である。
そのため、車外側側壁20、車外側シールリップ21、車外側意匠リップ22、車内側側壁30、車内側シールリップ31、車内側意匠リップ33と底壁40のそれぞれは、ガラスランコーナー部12において、それぞれのガラスラン上辺部13とガラスランフロント側縦辺部14の部分の形状が同様であるため、容易に接続することができる。
図1に示すように、ドアフレームコーナー部2eには、ドアチャンネル2dが設けられていなく、ドアインナーパネル2bのフランジ部分と当接するドア補強パネル2cを設けている。
ドアアウターパネル2aの先端は、車外側側壁20と車外側意匠リップ22の間に挿入されて、ドアインナーパネル2bの先端は、車内側側壁30と車内側意匠リップ32の間に挿入されている。
車外側側壁20の車外側面に長手方向に延設された車外側当接リブ23が形成されている。車外側当接リブ23は、ドアアウターパネル2aの先端の車内側面に当接している。
車外側当接リブ23がドアアウターパネル2aに当接して、ドアアウターパネル2aと車外側当接リブ23との間に作用する反力により、車外側意匠リップ22をドアアウターパネル2aの方向に引き寄せることができるとともに、ドアアウターパネル2aと車外側側壁20との間をシールすることができる。
図5に示すように、コーナー部の車外側当接リブ23と車外側意匠リップ22の車外方向に突形状に湾曲して形成された湾曲部22aは、ガラスランコーナー部12とガラスランフロント側縦辺部14の接合部分の近傍からガラスランコーナー部12の上端部の近傍まで延設されて形成されている。このため、ガラスランコーナー部12において、車外側当接リブ23と車外側意匠リップ22がガラスランコーナー部12の全体に亘りドアアウターパネル2aに当接して、ドアアウターパネル2aとガラスラン10のシール性を向上させることができる。車外側当接リブ23は、突形状が断続的に形成されてもよい。
車外側意匠リップ22は断面形状が、車外方向に湾曲して突形状に形成された車外側意匠リップ22の湾曲部22aを有している。このため、ドアアウターパネル2aと車外側当接リブ23との当接による反力により、車外側意匠リップ22の先端22bは、ドアアウターパネル2aの車外側面に弾性的に線接触的に当接することができる。したがって、ドアアウターパネル2aと車外側意匠リップ22の間のシール性を向上することができる。
このとき、ドアアウターパネル2aの車外側意匠リップ22の先端22bが当接する部分は、車外側に湾曲して形成することができる。この場合は、車外側意匠リップ22の先端22bは、ドアアウターパネル2aの湾曲部分に線接触的に当接しやすく、シール性が向上する。
さらに、ガラスランコーナー部12を型成形で形成するときに、車外側意匠リップ22が湾曲部22aを有しているため、車外側当接リブ23と車外側意匠リップ22との間の隙間を大きくとることができる。これにより、型成形でガラスランコーナー部12を形成するために、車外側当接リブ23と車外側意匠リップ22との間に挿入する金型の隔壁の肉厚を厚くすることができる。したがって、金型の隔壁の強度を確保することができ、金型の耐久性が向上する。
車外側意匠リップ22は、車外側意匠部材であるガーニッシュ50の先端部51で覆われている。ガーニッシュ50の先端部51は、車外側意匠リップ22の根元である車外側側壁20と連結される部分の近傍に当接している。このため、ガーニッシュ50が車外側意匠リップ22とドアアウターパネル2aの先端を覆うことができ、見栄えを向上させることができる。
さらに、ガーニッシュ50の先端部51で車外側意匠リップ22を押圧して、車外側意匠リップ22の先端22bをドアアウターパネル2aに押圧する。このため、車外側意匠リップ22の先端22bは、ドアアウターパネル2aに強く押圧されて、ドアアウターパネル2aと車外側意匠リップ22の間のシール性を向上させることができる。
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。
本発明の第2の実施の形態では、ガラスランコーナー部12の形状は、第1の実施の形態と同じであるが、ガラスランフロント側縦辺部14の形状が異なる。第2の実施の形態では、図2と図5に示すように、ガラスランフロント側縦辺部14の車外側側壁20と車外側意匠リップ22は、ガラスランコーナー部12と同様にガラスランコーナー部12から連続して、車外側側壁20に車外側当接リブ23が形成され、車外側意匠リップ22に湾曲部22aが形成される。なお、同様にガラスランリヤ側縦辺部15にも車外側当接リブ23と車外側意匠リップ22の湾曲部22aを形成してもよい。
即ち、図2に示すように、車外側側壁20の車外側面に長手方向に延設された車外側当接リブ23が形成されている。車外側当接リブ23は、ドアアウターパネル2aの先端の車内側面に当接している。
車外側当接リブ23がドアアウターパネル2aに当接して、車外側意匠リップ22をドアアウターパネル2aの方向に引き寄せることができるとともに、ドアアウターパネル2aと車外側側壁20との間をシールすることができる。
図5に示すように、コーナー部の車外側当接リブ23と車外側意匠リップ22の車外方向に突形状に湾曲して形成された湾曲部22aは、ガラスランコーナー部12の上端部の近傍から、ガラスランフロント側縦辺部14まで連続して延設されて形成されている。このため、ガラスランフロント側縦辺部14において、車外側当接リブ23と車外側意匠リップ22がガラスランコーナー部12からガラスランフロント側縦辺部14までの全体に亘りドアアウターパネル2aに当接して、ドアアウターパネル2aとガラスラン10のシール性を向上させることができる。車外側当接リブ23は、突形状が断続的に形成されてもよい。
車外側意匠リップ22は断面形状が、車外方向に湾曲して突形状に形成された車外側意匠リップ22の湾曲部22aを有している。このため、ドアアウターパネル2aと車外側当接リブ23との当接による反力により、車外側意匠リップ22の先端22bは、ドアアウターパネル2aの車外側面に弾性的に線接触的に当接することができる。したがって、ドアアウターパネル2aと車外側意匠リップ22の間のシール性を向上することができる。
このとき、ドアアウターパネル2aの車外側意匠リップ22の先端22bが当接する部分は、車外側に湾曲して形成することができる。この場合は、車外側意匠リップ22の先端22bは、ドアアウターパネル2aの湾曲部分に線接触的に当接しやすく、シール性が向上する。
さらに、ガラスランフロント側縦辺部14を押出成形で形成するときに、車外側意匠リップ22が湾曲部22aを有しているため、車外側当接リブ23と車外側意匠リップ22との間の隙間を大きくとることができる。これにより、押出ダイスでガラスランフロント側縦辺部14を形成するために、車外側当接リブ23と車外側意匠リップ22との間に挿入する押出ダイスの隔壁の肉厚を厚くすることができる。したがって、押出ダイスの隔壁の強度を確保することができ、押出ダイスの耐久性が向上する。
次に、ガラスラン10の製造方法について説明する。
直線部11の成形においては、成形材料は、合成ゴム、熱可塑性エラストマーが使用され、例えば合成ゴムでは、EPDMゴム、熱可塑性エラストマーでは、ポリオレフィン系エラストマー等が使用される。
合成ゴムの場合は、押出成形後に加硫槽に搬送されて、熱風や高周波等により加熱されて加硫が行われる。熱可塑性エラストマーの場合は、冷却され固化される。その後、所定の長さに切断されて、押出成形部分は製造される。
次に、ガラスランコーナー部12の型成形部分の成形は、上記により製造された押出成形部材を所定寸法に長手方向とは略直角に切断して、その切断した押出部分の端部を、型成形部分を成形する金型に挟持して、その金型のキャビティーに型成形部分を形成するソリッド材を注入する。型成形部分の断面形状は押出成形部分の断面形状と略同じである。成形材料は、押出成形部分に使用した材料と同じ種類のものを使用することが好ましい。熱可塑性エラストマーの場合は、金型に注入されたときに注入材料は溶融されているため、その熱と圧力とで押出成形部分と型成形部分は一体的に融着される。
2 ドアフレーム
2a ドアアウターパネル
10 ガラスラン
11 直線部
12 ガラスランコーナー部
13 ガラスラン上辺部
14 ガラスランフロント側縦辺部
20 車外側側壁
22 車外側意匠リップ
23 車外側当接リブ
30 車内側側壁
40 底壁

Claims (4)

  1. 自動車ドアのドアフレームの内周に取付け、ドアガラスの昇降を案内する自動車用ガラスランであって、上記ガラスランは、押出成形により成形され上記ドアフレームの上辺に装着される上辺部と、押出成形により成形され上記ドアフレームの縦辺に装着される縦辺部と、型成形により成形され該上辺部及び縦辺部を接続し、上記ドアフレームのコーナー部に装着されるコーナー部を有する自動車用ガラスランであり、
    該ガラスランは、底壁と該底壁の車外側側縁部から延びる車外側側壁と、上記底壁の車内側側縁部から延びる車内側側壁とからなる断面略コ字形をなすガラスランの本体を備え、
    上記ガラスランの本体は、上記車外側側壁と車内側側壁の先端には、それぞれ本体の断面略コ字状の内側に向かって延出する車外側シールリップと車内側シールリップを設けるとともに、それぞれ上記ガラスランの本体の外側に向かって延出する車外側意匠リップと車内側意匠リップを設け、
    上記車外側意匠リップは、車外側意匠部材の先端部で覆われて、該車外側意匠部材の先端部は、上記車外側意匠リップが上記車外側側壁と連結される部分の近傍に当接するとともに、上記車外側意匠リップは、上記車外側意匠部材の先端部が当接する上記車外側意匠リップと上記車外側側壁と連結される部分の近傍よりも先端側に、上記車外側意匠リップが車外方向へ突形状に湾曲して形成された湾曲部を有し、該湾曲部の先端が自動車ドアパネルの車外側面に当接し、
    上記車外側側壁の車外側面に形成され、上記自動車ドアパネルに当接する車外側当接リブを形成し、上記車外側当接リブは、上記湾曲部に対応する位置に形成されたことを特徴とする自動車用ガラスラン。
  2. 上記車外側意匠リップは、円弧状に車外方向に突形状に湾曲して形成された請求項1に記載の自動車用ガラスラン。
  3. 上記車外側当接リブは、上記コーナー部に形成され、上記コーナー部の上記車外側当接リブと上記湾曲部は、上記ガラスランの上記コーナー部と上記ガラスランの縦辺部の接合部分の近傍から上記ガラスランの上記コーナー部と上記ガラスランの上記上辺部の接合部分の近傍まで延設されて形成された請求項1又は請求項2に記載の自動車用ガラスラン。
  4. 上記車外側当接リブと上記湾曲部は、上記ガラスランの上記コーナー部と上記ガラスランの上記上辺部の接合部分の近傍から、上記ガラスランの縦辺部まで連続して延設されて形成された請求項1又は請求項2に記載の自動車用ガラスラン。
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