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JP4340112B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents

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JP4340112B2
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Description

本発明は、エッジ効果を損ねることなくブロック剛性を向上させうる空気入りタイヤに関する。
氷雪路を走行するのに好適なスノータイヤ、スタッドレスタイヤ等の空気入りタイヤでは、トレッド部に設けられたブロックに、タイヤ軸方向にのびる複数本のサイピングが周方向に設けられる。サイピングは、溝幅の狭い切り込みであり、ブロックの柔軟性を高めて実接地面積を増加させ、かつ、サイピングのエッジが路面を引っ掻くこと等により氷雪路での走行性能を向上させる。
氷雪路での走行性能をさらに向上させるため、サイピングの配設本数を増やしてエッジ成分を多く確保する試みがなされる。しかしながら、このような試みは、ブロック剛性を過度に低下させ、接地時にブロックの大きく倒れ込みを招き、ひいては一般路での操縦安定性を悪化させる。
図14にサイピングに沿った断面を略示するように、下記特許文献1では、サイピングaの溝底でのクラックを防ぐことを課題として、サイピングaの溝底bから隆起したタイバーcを間隔を隔てて形成することにより、サイピングaに底の浅い上げ底部dを設けることが記載されている。
特開平10ー151915号公報
前記特許文献1のサイピングでは、サイピングのエッジ長さを損ねることなしにブロック剛性を高め、溝底bでのクラックを抑制しうる点で評価できる。しかしながら、上げ底部dの深さが一つのサイピング内において一定とされているため、摩耗が進行した場合、特にサイピングaの両端部に設けられたタイバーc1、c1によってサイピングの開きが抑制されてしまい、このためサイピングのエッジが路面を掻き取るエッジ効果が低下し、氷雪路、ウエット路での走行性能が低下するという欠点がある。
本発明は、以上のような問題点に鑑み案出なされたもので、サイピングに、サイピング溝底からタイヤ半径方向外方に隆起しかつサイピング長さ方向に間隔を隔てて設けられたタイバーにより深さを減じられた上げ底部を含ませるとともに、上げ底部を、サイピング長さ方向で両端に位置する一対の端部タイバーにより形成される端部上げ底部と、この一対の端部タイバー間に設けられかつ前記端部タイバーよりも隆起高さを大とした1以上の中間タイバーにて形成されることにより端部上げ底部よりも深さが小の中間上げ底部とで構成することを基本として、エッジ効果を損ねることなくブロック剛性を向上させうる空気入りタイヤを提供することを目的としている。
本発明のうち請求項1記載の発明は、トレッド部に、トレッド溝により区切られかつサイピングが設けられたブロックを有する空気入りタイヤであって、前記サイピングは、サイピング最深溝底からタイヤ半径方向外方に隆起しかつサイピング長さ方向に間隔を隔てて設けられた複数個のタイバーにより深さを減じられた上げ底部を有し、この上げ底部は、サイピング長さ方向で両端に位置する一対の端部タイバーにより形成される端部上げ底部と、この一対の端部タイバー間に設けられかつ前記端部タイバーよりも隆起高さを大とした1以上の中間タイバーにて形成されることにより前記端部上げ底部よりも深さが小の中間上げ底部とを含み、前記上げ底部は、深さが最も小さい最浅上げ底部の深さhaがサイピング溝底深さHの0.4〜0.7倍であり、かつ最も深さが大きい最深上げ底部の深さhfが前記深さhaの1.2〜2.5倍であることを特徴とする空気入りタイヤである。
また請求項2記載の発明は、前記中間上げ底部は、深さが異なる複数個からなり、かつサイピング長さ方向の中央にむかって深さが連続的ないし段階的に小となることを特徴とする請求項1記載の空気入りタイヤである。
また請求項3記載の発明は、前記各上げ底部は、サイピング長さ方向の幅Wnが少なくとも1mm以上でしかもサイピングの全長さWの0.05〜0.3倍であり、かつ隣り合う上げ底部の間隔Wmが少なくとも1mm以上でしかも前記上げ底部の幅Wnの0.5〜2.0倍であることを特徴とする請求項1又は2記載の空気入りタイヤである。
また請求項4記載の発明は、前記タイバーは、タイヤ半径方向にのびる一対の側壁面と、この側壁面間を継ぐタイヤ半径方向の外面とを有し、前記側壁部と前記外面とのコーナ部が円弧面で滑らかに面取される請求項1乃至3のいずれかに記載の空気入りタイヤである。
また請求項5記載の発明は、前記サイピングは、前記タイバー間の溝底深さが前記サイピング最深溝底深さHに等しいことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の空気入りタイヤである。
また請求項6記載の発明は、前記サイピングは、タイバー間をつなぐ継ぎ部により前記タイバー間の溝底深さが前記サイピング最深溝底深さHよりも小さい副上げ底部を含むことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の空気入りタイヤである。
また請求項7記載の発明は、前記継ぎ部の高さは、その両側のタイバーのうち小さい方の高さの0.2〜0.5倍であることを特徴とする請求項6記載の空気入りタイヤである。
サイピングは、このサイピング溝底から隆起しかつサイピング長さ方向に間隔を隔てて設けられたタイバーにより深さを減じられた上げ底部を有するため、ブロック剛性を向上させる。またブロックで開口するサイピングのエッジ長さは短くならないため、エッジ効果を損ねることもない。さらに、上げ底部は、間隔を隔てて設けられるため該間隔で水分等を吸収する空間を確保できる。また上げ底部は、サイピング長さ方向で両端に位置する一対の端部タイバーにより形成される端部上げ底部と、この一対の端部タイバー間に設けられかつ前記端部タイバーよりも隆起高さを大とした1以上の中間タイバーにて形成される中間上げ底部とを有するため、摩耗が進行しても、端部上げ底部がサイピング深さを確保し、サイピングの開きが抑制されるのを防ぐ。また上げ底部の深さをサイピングの両端部と中間部とで異ならせたため、サイピングの開き量は、中間部に比して両端部で大きくなり、この部分から水、雪などをより捕捉しやすくして、ウエット路及び氷雪路での走行性能をさらに向上させる。また、前記上げ底部は、最浅上げ底部の深さhaと最深上げ底部の深さhfとをそれぞれ限定しているので、新品時ないし摩耗時においてもサイピングの開きを十分に確保し、ウエット路及び氷雪路での走行性能を確実に向上しうる。
また請求項2記載の発明のように、前記中間上げ底部は、深さが異なる複数個からなり、かつサイピング長さ方向の中央にむかって深さが連続的ないし段階的に小となるときには、ブロックに大きな剛性段差が生じるのを防ぐ。これにより、ブロックに偏摩耗が発生するのを抑制する。
また請求項3記載の発明のように、前記各上げ底部は、サイピング長さ方向の幅Wnと隣り合う上げ底部の間隔Wmとを限定した場合、製造時に不具合を生じることなくかつ耐久性の高いサイピングを形成でき、前記効果をより確実に奏しうる。
また請求項4記載の発明では、タイバーの側壁部と外面とのコーナ部が円弧面で滑らかに面取されるため、コーナ部に集中しがちな応力の分散を図り、吸水性能を損ねることなくサイピング底部分での耐クラック性をより一層向上させることができる。
また請求項5記載の発明のように、前記サイピングは、タイバー間の溝底深さを、サイピング最深溝底深さHに等しく設定した場合、前記上げ底部の間により深い水ない雪の吸収領域を確保することができる点で好ましい。
また請求項6記載の発明のように、前記サイピングは、タイバー間をつなぐ継ぎ部によりタイバー間の溝底深さがサイピング最深溝底深さHよりも小さい副上げ底部を含むときには、ブロック剛性のさらなる向上に役立つほか、副上げ底部によって上げ底部間の深さを減じることにより、サイピング溝底部での大きな剛性差が生じるのを防ぐ。これは、溝底クラック等を防止しサイピングの耐久性を高めるのに役立つ。
また請求項7記載の発明のように、前記継ぎ部の高さを、その両側のタイバーのうち小さい方の高さに関連づけて規制した場合、サイピングによる吸水効果の低下を抑制しつつサイピング溝底部での大きな剛性差が生じるのを防止しうる。
以下、本発明の実施の一形態を図面に基づき説明する。
図1は、本実施形態の空気入りタイヤのトレッドパターンの展開図を示し、この実施形態では乗用車用のスタッドレスタイヤのものが例示される。空気入りタイヤ(全体不図示)は、トレッド部2に、タイヤ周方向にのびる複数本の縦主溝3と、この縦主溝3と交わる向きにのびる横溝4とを含むトレッド溝5が設けられている。これによりトレッド部2には、トレッド溝5(又はトレッド溝5とトレッド縁E)により区切られたブロック6が形成される。本実施形態のトレッド部2は、縦長矩形状のブロック6が複数個区分されたブロックパターンが例示されるが、タイヤ周方向に連続するリブ等を含むことができる。
前記縦主溝3及び横溝4は、特に限定はされないが排水性能を向上するためにいずれも溝幅が3.5mm以上で形成されることが望ましい。また本実施形態の縦主溝3及び横溝4はいずれも直線状でタイヤ周方向及びタイヤ軸方向にのびるものを示すが、これ以外にも曲線状、波状及び/又はジグザグ状など種々の形状で形成しうる。
本実施形態のブロック6には、略タイヤ軸方向(少なくともタイヤ軸方向線に対して±20゜程度の範囲の傾きを包含する。)にのびる複数本のサイピング7…がタイヤ周方向に隔設される。この例では、1個のブロック6に、4本のサイピング7が形成されているものを示し、いずれもブロック6のタイヤ軸方向両側で開口したいわゆるフルオープンタイプで形成されるている。ただし、片側だけが開口するセミオープンであっても良く、必要に応じて種々変更しうる。またサイピング7の溝幅は特に限定はされないが、大きすぎるとブロック6の剛性が過度に低下する傾向があり、逆に小さすぎても加工が困難となり生産性を悪化させる。このような観点より、サイピングの溝幅は好ましくは2mm以下、さらに好ましくは0.5〜1.5mmとするのが望ましい。本例のサイピング7は、一定の溝幅で形成されたものを示す。
図2はサイピング面に沿った図1のA−A断面図を、図3はその斜視図をそれぞれ示している。本実施形態のサイピング7は、サイピング最深溝底8(最も深い溝底を指す。)からタイヤ半径方向外方に隆起しかつサイピング長さ方向に間隔を隔てて設けられたタイバー9により深さを減じられた上げ底部10を有する。本形態のタイバー9は、サイピング面に沿う断面においてタイヤ半径方向にのびる矩形状で形成されたものを示している。またタイバー9は、タイヤ半径方向にのびる一対の側壁面9sと、この側壁面9s、9s間を継ぐタイヤ半径方向の外面9tとを有し、向き合うサイピング面7s、7s間を互いに連結する。
またタイバー9は、サイピング長さ方向で両端に位置する一対の端部タイバー9A、9Aと、この一対の端部タイバー9A、9A間に設けられかつ前記端部タイバー9Aよりも隆起高さを大とした1以上、本例では6つの中間タイバー9Bとが含まれている。本形態の中間タイバー9Bは、隆起高さが異なる3種類、具体的には高さが小さいものから順に第1ないし第3の中間タイバー9B1、9B2及び9B3が含まれている。また中間タイバー9Bは、サイピング長さ方向の中央にむかって隆起高さが連続的に大きくなるよう、第1ないし第3の中間タイバー9B1、9B2、9B3を配したものを例示するが、同じ高さのものが並ぶ段階的な変化をもって配置されても良い。
以上のようなタイバー9により、サイピング7の上げ底部10は、一対の端部タイバー9Aにより形成される端部上げ底部10a、10aと、中間タイバー9Bにて形成されることにより端部上げ底部10aよりも深さが小の中間上げ底部10bとを含む。なお本例のサイピング7は、タイバー9、9間の溝底深さを前記サイピング最深溝底深さHに等しく設定されたものが例示される。これにより、タイバー9、9間により多くの水分等を取り込む空間を確保できる点で好ましい。
そして、上げ底部10は、サイピング長さ方向で両端に位置する一対の端部タイバー9A、9Aにより形成される端部上げ底部10a、10aと、前記一対の端部タイバー9A、9A間に設けられかつ前記端部タイバー9Aよりも隆起高さを大とした1以上の中間タイバー9B1、9B2…にて形成されることにより前記端部上げ底部10aよりも浅い中間上げ底部10bとを含んでいる。また本形態では、第1ないし第3の中間タイバー9B1、9B2及び9B3により、中間上げ底部10bは、深さが異なる複数個、具体的には深さが大きいものから順に第1ないし第3の中間上げ底部10b1、10b2及び10b3を含み、サイピング長さ方向の中央にむかって深さが連続的に小さくなるよう配されている。
このようなサイピング7は、深さを減じられた上げ底部10を有するため、ブロック6の接地表面で開口するエッジ長さを減じることなくブロック剛性を向上でき一般路での操縦安定性の悪化を防止しうる。また上げ底部10は、間隔を隔てて設けられるため該間隔を利用して毛細管現象の如く路面の水分等を吸収する吸水効果を期待できる。さらに、このようなサイピング7は、摩耗が進行しても、端部上げ底部10aによって、サイピングの両端部において十分な深さを確保でき、サイピング7の開きが抑制されてしまうのを防ぐ。
また図4(A)、(B)にはブロック6の部分平面図を示し、(A)のものはタイバーの無い従来のサイピング7が設けられたもの、(B)のものは本発明の実施品である。各図において、いずれも左側が無負荷時、右側が負荷転動時の様子をそれぞれ示している。(A)のものでは、転動時のせん断力によって、サイピング7がその長さ方向でほぼ均等に開いているのに対して、(B)のものでは、底上げ部10によってサイピングの開き量は、中央部で小さく両端部で大きくなる。このようなサイピング7の開きは、該サイピング7の両端部から水ないし雪をより効率良く取り込むことができ、かつ路面からの蹴り出し時に外部に放出しうる。しかもサイピングの両端部でのエッジの接地圧を部分的に高めることで路面掻き取り効果をさらに向上しうる。
図3に示したように、各上げ底部10のサイピング長さ方向の幅Wnは、少なくとも1mm以上とし、しかもサイピングの全長さWの0.05〜0.3倍であることが望ましい。上げ底部10の幅Wnが1mm未満である場合又はサイピングの全長さWの0.05倍未満であると、上げ底部を形成するためのタイバー9の耐久性が著しく悪化し、走行によるゴム欠けやクラックなどの他、タイヤを金型から抜き取る際にサイピング7を成形するためのナイフブレードでタイバーをカットしやすくなる等の不具合がある。逆に上げ底部10の幅Wnがサイピングの全長さWの0.3倍を超えると、サイピングが占める体積、すなわち水分等を捕捉する体積が低下し、ウエット性能や氷雪路での走行性能を悪化させる傾向がある。
このような観点より、特に好ましくは上げ底部10の幅Wnはサイピングの全長さWの0.10〜0.25倍、さらに好ましくは0.15〜0.20倍であることが望ましい。なお各上げ底部10の幅Wnは、一定で形成されていても良く、またそれぞれ異ならせることもできる。幅Wnを異ならせる場合、例えばサイピング長さ方向の両端部で上げ底部10の幅Wnを相対的に小とし、またサイピング長さ方向の中間部で上げ底部10の幅Wnを相対的に大とすると、図4(B)に示した効果をより顕著としうる。
またサイピング7は、隣り合う上げ底部10、10の間隔Wmが少なくとも1mm以上でしかも前記上げ底部の幅Wnの0.5〜2.0倍であることが望ましい。前記間隔Wmが1mm未満である場合又は上げ底部の幅Wnの0.5倍未満であると、ナイフブレードの製作が困難となる他、サイピングの吸水性能を悪化させるため好ましくない。逆に前記間隔Wmが上げ底部の幅Wnの2.0倍を超えると、ブロック剛性向上に対する寄与が小さくなる。このような観点より、特に好ましくは隣り合う上げ底部10の間隔Wmは上げ底部の幅Wnの0.8〜1.7倍、さらに好ましくは1.0〜1.5倍であることが望ましい。なおこの幅Wnも、一定又は変化させることができる。
また上げ底部10は、図2に示すように、深さが最も小さい最浅上げ底部12の深さhaがサイピング最深溝底深さHの0.4〜0.7倍に設定される。本形態では第3の中間タイバー9B3によって形成される第3の中間上げ底部10b3が最浅上げ底部12となっている。そして、この最浅上げ底部12はサイピング長さ方向の実質的な中央部に位置する。前記深さの比(ha/H)が0.4倍未満であると、この部分でサイピング7の開きが著しく損なわれエッジ効果が低下する他、摩耗の進行につれて新品時に比べるとエッジ効果の低下代が大きくなるため好ましくない。逆に前記比(ha/H)が0.7倍を超えると、ブロック剛性を高める効果が十分に得られない傾向がある。特に好ましくは前記比(ha/H)を0.45〜0.65、より好ましくは0.50〜0.60とするのが望ましい。
さらに上げ底部10は、最も深さが大きい最深上げ底部13の深さhfが前記深さhaの1.2〜2.5倍に設定される。本形態では、端部上げ底部10a,10aが最深上げ底部13となっている。そして、この最深上げ底部13は、上げ底部10のうち、サイピング長さ方向の最も外側に位置している。前記深さの比(hf/ha)が1.2倍未満であると、サイピング7の開きが著しく損なわれエッジ効果が低下する。逆に前記比(hf/ha)が2.5倍を超えると、ブロック剛性を高める効果が十分に得られない傾向がある。但し、深さhfの上限は、サイピング溝底深さHに制限されるのは言うまでもない。
また本実施形態のサイピング7は、実質的な二次元形状で形成される。即ち、サイピング面7sを実質的に平面としている。ただし、本発明は、このような形態に限定されるものではなく、サイピング面が三次元形状となるものを含む。これについては後で述べる。
図5、図6には本発明の他の実施形態を示している。
この実施形態では、サイピング7が、タイバー9、9間をつなぐ継ぎ部18によりタイバー間深さZ(図6に示す)がサイピング溝底深さHよりも小さい副上げ底部19を含むものが例示される。このような副上げ底部19は、ブロック剛性をさらに高めるとともに、上げ底部10、10間の深さを減じることにより、サイピングの底部分での大きな剛性差が生じるのを防ぐ。これは、溝底クラック等を防止しサイピングの耐久性を高めるのに役立つ。
なお前記継ぎ部18の高さが大きすぎると、上げ底部10、10間での吸水効果が低下しやすいため、継ぎ部18の高さhtは、その両側のタイバー9、9のうち小さい方の高さの0.2〜0.5倍、より好ましくは0.3〜0.4倍とすることが望ましい。本実施形態の継ぎ部18は、前記高さhtがタイバー9の高さと同様、異なる複数種類のものを含み、かつサイピング長さ方向の中央にむかって高さが大となる特に好ましい態様を示している。これにより、前記効果をより一層高めうる。
図7には、本発明のさらに別の実施形態を示している。
この実施形態では、タイバー9の側壁部9sと外面9tとのコーナ部及び/又はタイバー9の側壁面9sと副上げ底部19とのコーナ部を円弧面20で滑らかに面取したものを示す。これにより、コーナ部に集中しがちな応力の分散を図り、吸水性能を損ねることなくサイピング底部分での耐クラック性をより一層向上させることができる。
図8〜10には、本発明のさらに他の実施形態を示す。図は、いずれもサイピング7が占めるサイピング空間(換言すれば、サイピング7を成形するナイフブレード)を示し、これらの実施形態では、サイピング面を3次元形状としたものが例示される。具体的には、サイピング7のタイバー9、9間の部分は、タイヤ周方向の一方及び他方に交互に折り曲げられた態様を示す。これにより、溝底付近でのブロック剛性がさらに効果的に高められ負荷走行時におけるサイピングの過度の開きをより確実に抑制しうる。なお図8は折り曲げ位置を深い方の上げ底部としたもの、図9は折り曲げ位置を深さ方向に実質的に同一としたもの、図10は滑らかな円弧状で折り曲げたものをそれぞれ例示している。これらの態様を1ブロック内、或いは1サイピング内で混在して用いることもできる。
図11及びそのB−B断面である図12A〜Eに示すようなブロックを有限要素モデルとして定義し、これを用いた数値解析法によりサイピングの性能を評価した。各ブロックモデルは、図13に示すように、実車相当条件として平面に接地させ接地圧を0.0274kgf /mm2 (268.7kPa)とした状態で平面をブロックのサイピングと直角方向に水平に0〜3mmまで変位させてせん断力を与えた。そして、2.5mm変位時の反力をブロック剛性として計算した。結果は、タイバーのない比較例1を100とする指数で評価している。
評価の結果を表1に示す。
Figure 0004340112
評価の結果、実施例のものは、比較例に比べてせん断力に対するブロック剛性を大巾に高めていることが確認できる。また表1の評価結果において、サイピングの開口端からタイバーまでの最短距離Sfは、サイピングの開き量に相関があるパラメータで、この距離Sfが大きい程サイピングの開き量は大きくエッジ効果が得られ易い。またサイピング面の面積はサイピングの吸水性の一つの指標となるパラメータであり、これが大きい程、吸水性能が向上する目安となる。実施例では、これらのパラメータの低下を抑制していることが分かる。
次にタイヤサイズが195/65R15の冬用タイヤを、前記比較例3、実施例1の各ブロックをベースとして表2の仕様に基づき試作するとともに、排気量2000cm3 の国産FF乗用車の全輪に装着し(リム6 1/2JJ、内圧200kPa)、ウエット制動能力、雪上走行性能を評価した。なお実施例4は、図8に示すごとく、サイピングを3次元形状で形成したものである。
ウエット制動性能は、テストコースの制動試験路面においてWET状態で速度100km/hからの制動距離を測定した。結果は、比較例3を基準とした指数で評価した。数値が大きいほど良好である。また雪上走行性能については、雪路テストコースにおいて、雪上周回走行を行い、発進、加速時の状況、制動状況、コーナリング時の応答性について、ドライバーの官能により10点法で評価した。数値が大きいほど良好である。テストの結果を表2に示す。
Figure 0004340112
本発明の実施形態を示すトレッドパターンの展開図である。 そのA−A断面図である。 図2の斜視図である。 (A)、(B)は、サイピングの開きを説明するブロックの部分平面図である。 本発明の他の実施形態を示す図1のA−A断面相当図である。 その斜視図である。 本発明の他の実施形態を示す図1のA−A断面相当図である。 本発明の他の実施形態を示すナイフブレードの斜視図である。 本発明の他の実施形態を示すナイフブレードの斜視図である。 本発明の他の実施形態を示すナイフブレードの斜視図である。 評価したブロックの有限要素モデルの正面図及び平面図である。 A〜Eは、図11のBーB断面図である。 有限要素法でのテスト方法を示す概略図である。 従来のサイピングの断面図である。
符号の説明
2 トレッド部
3 縦主溝
4 横溝
5 トレッド溝
6 ブロック
7 サイピング
9 タイバー
9A 端部タイバー
9B 中間タイバー
10 上げ底部
10a 端部上げ底部
10b 中間上げ底部
12 最浅上げ底部
13 最深上げ底部

Claims (7)

  1. トレッド部に、トレッド溝により区切られかつサイピングが設けられたブロックを有する空気入りタイヤであって、
    前記サイピングは、サイピング最深溝底からタイヤ半径方向外方に隆起しかつサイピング長さ方向に間隔を隔てて設けられた複数個のタイバーにより深さを減じられた上げ底部を有し、
    この上げ底部は、サイピング長さ方向で両端に位置する一対の端部タイバーにより形成される端部上げ底部と、
    この一対の端部タイバー間に設けられかつ前記端部タイバーよりも隆起高さを大とした1以上の中間タイバーにて形成されることにより前記端部上げ底部よりも深さが小の中間上げ底部とを含み、
    前記上げ底部は、深さが最も小さい最浅上げ底部の深さhaがサイピング溝底深さHの0.4〜0.7倍であり、
    かつ最も深さが大きい最深上げ底部の深さhfが前記深さhaの1.2〜2.5倍であることを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 前記中間上げ底部は、深さが異なる複数個からなり、かつサイピング長さ方向の中央にむかって深さが連続的ないし段階的に小となることを特徴とする請求項1記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記各上げ底部は、サイピング長さ方向の幅Wnが少なくとも1mm以上でしかもサイピングの全長さWの0.05〜0.3倍であり、
    かつ隣り合う上げ底部の間隔Wmが少なくとも1mm以上でしかも前記上げ底部の幅Wnの0.5〜2.0倍であることを特徴とする請求項1又は2記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記タイバーは、タイヤ半径方向にのびる一対の側壁面と、この側壁面間を継ぐタイヤ半径方向の外面とを有し、前記側壁部と前記外面とのコーナ部が円弧面で滑らかに面取される請求項1乃至3のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  5. 前記サイピングは、前記タイバー間の溝底深さが前記サイピング最深溝底深さHに等しいことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  6. 前記サイピングは、タイバー間をつなぐ継ぎ部により前記タイバー間の溝底深さが前記サイピング最深溝底深さHよりも小さい副上げ底部を含むことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  7. 前記継ぎ部の高さは、その両側のタイバーのうち小さい方の高さの0.2〜0.5倍であることを特徴とする請求項6記載の空気入りタイヤ。
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