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JP5875814B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Description

本発明は、空気入りタイヤに関し、特には、トレッド部の陸部にサイプを形成した空気入りタイヤに関するものである。
空気入りタイヤのトレッド部には、ブロックやリブ等の陸部が設けられており、該陸部には、サイプと呼ばれる溝幅の狭い切込みが設けられることがある。サイプを設けることにより、そのエッジ効果や除水効果によって、氷雪路面等での走行性能や制動性能が高められる。一般に、サイプは、その長さ方向において一定の溝幅で形成されている。その場合、例えば制動時に負荷される前後力により、サイプが一様に閉塞することがあり、サイプ本来のエッジ効果が低下するという問題がある。
下記特許文献1には、サイプの長さ方向における少なくとも3箇所で、トレッド表面からサイプ底部まで溝幅を広くした幅広部を設けることが提案されている。このような幅広部を設けることにより、サイプ全体での閉塞を防止してエッジ効果を向上することができる。しかしながら、この文献では、全ての幅広部がトレッド表面からサイプ底部まで延びている。そのため、幅広部において踏み込み側と蹴り出し側の剛性差が大きく、トゥアンドヒール摩耗量が大きいという問題がある。
下記特許文献2には、サイプに、トレッド表面から深さ方向に延びてサイプの底部に至る途中で終端する第1幅広部と、該第1幅広部の底部とほぼ同じ高さからサイプ底部まで延びる第2幅広部と、を設けることが提案されている。下記特許文献3では、サイプの開口部においてサイプ底部側ほど溝幅が小となるように傾斜した傾斜面を持つ幅広部を、サイプ長さ方向に沿ってサイプ壁面の両側に交互に設けることが提案されている。これらの構造では、少なくとも摩耗初期の段階においてサイプ全体での閉塞を防止することはできる。しかしながら、サイプの長さ方向において段階的に剛性が高くなるような剛性差を持つ構造ではないため、特許文献1と同様、エッジ効果とトゥアンドヒール摩耗抑制効果とを両立することは困難である。
特開平09−272312号公報 特開2005−247105号公報 特開2010−089541号公報
本発明は、以上の点に鑑みてなされたものであり、サイプによるエッジ効果を維持しつつ、サイプでのトゥアンドヒール摩耗を抑制することができる空気入りタイヤを提供することを目的とする。
本発明係る空気入りタイヤは、トレッド部の陸部に、タイヤ周方向に交差する方向に延びるサイプが設けられた空気入りタイヤにおいて、前記サイプは溝幅の広い幅広部をサイプ長さ方向の少なくとも3箇所に備えて、トレッド表面において前記幅広部と溝幅の狭い幅狭部とがサイプ長さ方向に沿って交互に形成されたものである。そして、複数の前記幅広部は、トレッド表面からサイプ深さ方向に延在するものであり、サイプ深さ方向における延在長さが異なるものを含む。
請求項1に係る空気入りタイヤでは、前記サイプは、サイプ長さ方向の両端が前記陸部内で終端するクローズドサイプであり、前記複数の幅広部は、サイプ深さ方向における延在長さがサイプ長さ方向の一端側の幅広部から他端側の幅広部にかけて順次小さく設定される。
請求項2に係る空気入りタイヤでは、前記サイプは、トレッドショルダー領域に存在する陸部に設けられて、サイプ長さ方向の両端が前記陸部内で終端するクローズドサイプであり、前記複数の幅広部は、サイプ深さ方向における延在長さがトレッド接地端側の幅広部ほど順次小さく設定される。
請求項3に係る空気入りタイヤでは、前記サイプは、サイプ長さ方向の両端が前記陸部内で終端するクローズドサイプであり、前記複数の幅広部は、サイプ深さ方向の中心よりもサイプ底部側に延び延在長さが最大である最深幅広部と、サイプ深さ方向の中心よりもトレッド表面側で終端し延在長さが最小である最浅幅広部と、前記最深幅広部と最浅幅広部の間の延在長さを持つ少なくとも1つの中間幅広部とで構成される
請求項5に係る空気入りタイヤでは、前記サイプは、サイプ長さ方向の両端が前記陸部内で終端するクローズドサイプであり、前記幅広部は、底部側ほどサイプ長さ方向の寸法が漸次小さく形成される。
請求項7に係る空気入りタイヤでは、前記サイプは、サイプ長さ方向の両端が前記陸部内で終端するクローズドサイプであり、前記幅広部は、底部側ほど溝幅が漸次小さく形成される。
請求項9に係る空気入りタイヤでは、前記サイプは、サイプ長さ方向の両端が前記陸部内で終端するクローズドサイプであり、サイプ長さ方向において少なくとも1つの前記幅広部が設けられた位置では、サイプ深さ方向において当該幅広部の下方に前記幅狭部が設けられ、前記陸部の摩耗の進行に伴って幅広部から幅狭部に変化するよう構成される。
請求項10に係る空気入りタイヤでは、前記複数の幅広部は、サイプ深さ方向におけるサイプ深さの中心よりもサイプ底部側に延び延在長さが最大である最深幅広部と、サイプ深さ方向におけるサイプ深さの中心よりもトレッド表面側で終端し延在長さが最小である最浅幅広部と、前記最深幅広部と最浅幅広部の間の延在長さを持つ少なくとも1つの中間幅広部とからなり、サイプ長さ方向において前記最深幅広部を除く他の幅広部が設けられた位置では、サイプ深さ方向において当該幅広部の下方に前記幅狭部が設けられ、前記陸部の摩耗の進行に伴って幅広部から幅狭部に変化するよう構成される。
他の好ましい態様として、前記サイプは、前記幅広部をサイプ長さ方向の両端に備えてもよい。前記サイプは、前記幅狭部をサイプ長さ方向の両端に備えてもよい。また、前記陸部が、前記トレッド部に設けられた縦溝と該縦溝に交差する横溝とにより形成されたブロックであってもよい。以上の好ましい各態様は適宜に組み合わせることができる。
本発明によれば、制動時等にサイプの幅狭部においてサイプが閉じたとしても、幅広部においてサイプが完全に閉塞されることを防止してエッジ効果を発揮することができる。また、幅広部の踏み込み側と蹴り出し側でのトゥアンドヒール摩耗については、摩耗の進行に伴い幅広部が徐々に減ることによって低減することができる。一方、摩耗に伴い幅広部が減ることでエッジ効果の低減が懸念されるが、摩耗とともにブロック自体の剛性が増加するので、サイプの壁面同士の接触量を低減することができ、エッジ効果を維持することができる。よって、エッジ効果とトゥアンドヒール摩耗抑制効果を両立することができる。また、摩耗に伴いサイプ形状が変化することを利用して、例えば摩耗インジケータとしての役目を持たせることもできる。
第1実施形態に係るタイヤのトレッドパターンを示す展開図である。 第1実施形態に係るブロックの斜視図である。 図2のIII−III線断面図である。 図2のIV−IV線断面図である。 第1実施形態に係るサイプの各摩耗段階における平面図である。 第2実施形態に係るサイプの斜視図である。 第3実施形態に係るサイプの断面図である。 第4実施形態に係るサイプの平面図である。 第5実施形態に係るブロックの断面図である。 第5実施形態に係るサイプの各摩耗段階における平面図である。 第6実施形態に係るブロックの断面図である。 第6実施形態に係るサイプの各摩耗段階における平面図である。 比較例3に係るサイプの平面図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
(第1実施形態)
実施形態に係る空気入りタイヤは、図示を省略したが、左右一対のビード部及びサイドウォール部と、左右のサイドウォール部の径方向外方端部同士を連結するように両サイドウォール部間に設けられたトレッド部10とを備えて構成されている。また、タイヤは、一対のビード部間にまたがって延びるカーカスを備える。カーカスは、トレッド部10からサイドウォール部をへて、環状のビードコアにて両端部が係止された少なくとも1枚のカーカスプライからなり、上記各部を補強する。ビードコアは、ビード部に埋設されている。トレッド部10におけるカーカスの外周側には、2層以上のゴム被覆スチールコード層からなるベルトが設けられており、ベルトは、カーカスの外周でトレッド部10を補強する。
トレッド部10の表面には、図1に示すように、タイヤ周方向Aにストレート状に延びる複数の縦溝(主溝)12と、該縦溝12に交差する複数の横溝14が設けられている。これにより、トレッド部10は、縦溝12と横溝14により区分された複数のブロック16を備える。この例では、縦溝12がタイヤ幅方向Bに4本設けられている。これにより、トレッド部10は、タイヤ幅方向Bにおいて、タイヤ中心線C上のセンター領域18と、センター領域18を挟んでその両側に形成される中間領域20,20と、中間領域20の更に外側に形成される両端部のショルダー領域22,22との5つの領域に区画されている。中間領域20とショルダー領域22には、横溝14がタイヤ周方向Aに所定間隔をおいて並設されている。これにより中間領域20とショルダー領域22は、ブロック16をタイヤ周方向Aに多数並設してなるブロック列として構成されている。一方、センター領域18には横溝は設けられていない。そのため、センター領域18はタイヤ周方向Aに連続して延びるリブとして形成されている。なお、図1において、符号Eはトレッド接地端を示している。
ショルダー領域22に設けられた陸部であるブロック16A(以下、ショルダーブロックともいう。)には、タイヤ周方向Aに交差する方向に延びるサイプ24が設けられている。サイプ24は、両端がブロック縁に開口しない切込みである。即ち、サイプ24は、縦溝12に開口せずにブロック内で終端する切込みであり、クローズドサイプともいう。サイプ24は、タイヤ幅方向Bに延びる直線状のサイプであり、各ブロック16Aに一本ずつ設けられている。サイプ24は、この例では、タイヤ幅方向Bに対してやや傾斜した方向に延びているが、タイヤ幅方向Bに平行に延びるものでもよい。
図2〜5に基づき、サイプ24の構成を詳細に説明する。サイプ24は、その長さ方向Gの複数箇所に溝幅の広い幅広部26を備え、これにより、少なくともトレッド表面28において、上記幅広部26と溝幅の狭い幅狭部30とがサイプ長さ方向Gに沿って交互に形成されている。この例では、幅広部26は、サイプ24の長さ方向Gの両端部と、その間の2箇所との、合計4箇所に等間隔に設けられている。
幅広部26は、図2,4に示すように、サイプ24の対向する壁面24B,24Cに、互いに対向する凹部32,32を設けることで形成されている。すなわち、幅狭部30に対して、溝幅方向Wの両側において溝幅を拡張することにより、幅広部26が形成されている。幅狭部30の溝幅W1としては、通常のサイプ幅とすることができ、特に限定するものではないが、0.3〜1.0mm程度が好ましい。また、幅広部26の溝幅W2も、特に限定するものではないが、幅狭部30の溝幅W1の2倍以上であり、具体的には0.8〜3.0mm程度が好ましい。幅広部26は、図5に示されるように平面視で矩形状をなしており、図2〜4に示すように、サイプ深さ方向Hにおいて溝幅W2が一定であり、かつサイプ深さ方向Hにおいてサイプ長さ方向Gの寸法Pが一定に設定されている。該寸法Pは、この例では、4つの幅広部26で同一に設定されているが、各幅広部26で寸法Pを変えてもよい。
幅広部26は、トレッド表面28からサイプ深さ方向Hに延在するものであり、サイプ深さ方向Hにおける延在長さが複数の幅広部26の間で全て異なるように設定されている。この例では、上記4つの幅広部26は、サイプ深さ方向Hにおける延在長さがトレッド接地端E側(以下、接地端側Shといい、図において「Sh側」と表記する。)の幅広部26ほど順次小さく設定されている。
詳細には、図3に示すように、幅広部26として、サイプ深さ方向Hでの延在長さL1が最大である最深幅広部26Aと、延在長さL2が最小である最浅幅広部26Bと、最深幅広部26Aと最浅幅広部26Bの間の延在長さL3,L4を持つ2つの中間幅広部26C,26Dとを備える。ここで、L3とL4は、L1よりも小さく、かつL2よりも大きい。
最深幅広部26Aは、サイプ24の長さ方向Gにおいてタイヤ中心線C側(以下、中心線側Ceといい、図において「Ce側」と表記する。)の端部に設けられている。最深幅広部26Aは、サイプ深さ方向Hの中心Mよりもサイプ底部側に延びており、この例では、サイプ底24Aまで延びて、サイプ深さDの全体にわたって形成されている。ここで、上記中心Mは、トレッド表面28からD/2の高さに相当するサイプ深さ方向Hの中間位置である。
最浅幅広部26Bは、サイプ24の長さ方向Gにおいて接地端側Shの端部に設けられている。最浅幅広部26Bは、サイプ深さ方向Hの中心Mよりもトレッド表面28側で終端している。
中間幅広部26C,26Dは、サイプ長さ方向Gにおいて最深幅広部26Aと最浅幅広部26Bの間に設けられている。そして、最深幅広部26Aに隣接する第1中間幅広部26Cが、最浅幅広部26Bに隣接する第2中間幅広部26Dよりも、延在長さが大きく設定されている(L3>L4)。この例では、第1中間幅広部26Cは、サイプ深さ方向Hの中心Mよりもサイプ底部側に延びており、第2中間幅広部26Dは、該中心Mよりもトレッド表面28側で終端している。以上のように設定することで、4つの幅広部26の延在長さが、中心線側Ceから接地端側Shに行くほど順次小さくなっている。
そして、最深幅広部26Aを除く3つの幅広部26B,26C,26Dが設けられた部分では、サイプ深さ方向Hにおいて幅広部26から幅狭部30に変化するように構成されている。
詳細には、サイプ長さ方向Gにおいて最深幅広部26Aを除く他の幅広部26B,26C,26Dが設けられた位置では、サイプ深さ方向Hにおいて当該幅広部26B,26C,26Dの下方に幅狭部30が設けられ、ブロック16Aの摩耗の進行に伴って幅広部26から幅狭部30に変化するように構成されている。この例では、サイプ24は、図3に示すように、その長さ方向Gの全体にわたって深さDが一定に形成されており、最深幅広部26Aを除く位置では、幅狭部30で深さ方向Hに終端している。
以上よりなるサイプ24であると、タイヤ新品時及び摩耗初期では、図5(a)に示すように、4つの幅広部26を持つ開口形状を有する。この状態から摩耗が進み、ショルダーブロック16Aの高さが25%摩耗した段階では、図5(b)に示すように、接地端側Shの最浅幅広部26Bがなくなり幅狭部30となることで、3つの幅広部26を持つ開口形状となる。更に摩耗が進み、50%摩耗した段階では、図5(c)に示すように、最浅幅広部26Bに隣接していた第2中間幅広部26Dがなくなり幅狭部30となることで、2つの幅広部26を持つ開口形状となる。更に摩耗が進み、不図示のTWI(トレッドウェアインジケータ)まで摩耗が到達した段階(80%摩耗した段階)では、図5(d)に示すように、更に第1中間幅広部26Cがなくなり幅狭部30となることで、幅広部26としては最深幅広部26Aのみを持つ開口形状となる。このように、摩耗の進行に伴い、接地端側Shから順番に幅広部26がなくなり幅狭部30に変化していく。
本実施形態によれば、タイヤ新品時において、雪路等の制動時にサイプ24の幅狭部30が接触しやすく、その部分でサイプ24が閉じることによりエッジ効果が損なわれるが、溝幅の広い幅広部26を交互に設けており、その部分で高いエッジ効果が得られるので、スノー制動性能を確保することができる。
幅広部26では、幅狭部30に比べて、タイヤ周方向Aに対向する開口縁部である踏み込み側の縁部xと蹴り出し側の縁部y(図2参照)との剛性差によりトゥアンドヒール摩耗を生じやすいが、摩耗の進行に伴い幅広部26が接地端側Shから徐々に減ることによって、トゥアンドヒール摩耗量を低減することができる。詳細には、一般に、空気入りタイヤにおいては、通常走行時、とりわけ制動時において、トレッドのショルダー領域22、特にショルダー領域内の接地端側Shで接地圧が高くなるような接地圧分布となっている。一方で、幅広部26は延在長さが小さいほど、その部分での踏み込み側と蹴り出し側の剛性差が小さくなる。そのため、摩耗過程において接地圧の高い接地端側Shから幅広部26が徐々に減るように構成することにより、接地圧の高い部位の幅広部26ほど上記剛性差が小さく、かつ幅広部26が摩耗に伴ってより早期に消滅する。従って、トゥアンドヒール摩耗を効果的に低減することができる。
その一方で、摩耗に伴い幅広部26が減るとエッジ効果の低減が懸念されるが、摩耗とともにブロック16Aの高さが低くなることで、ブロック自体の剛性が増加する。そのため、サイプ24の壁面24B,24C同士の接触量を低減することができ、エッジ効果を維持することができる。
また、本実施形態では、幅広部26が幅狭部30に対して溝幅方向Wの両側に張り出して形成されたので、雪路等の制動時に幅狭部30でサイプ24が閉じたときに、幅広部26でのエッジ効果をより高めることができる。
以上より、本実施形態によれば、サイプ24によるエッジ効果を維持しつつ、幅広部26でのトゥアンドヒール摩耗を抑制することができる。
また、摩耗に伴いサイプ24の開口形状が変化する構造となっているため、トレッド部10の摩耗量を知らせるインジケータとしての役目を持たせることもできる。
(第2実施形態)
図6に示すように、第2実施形態に係るサイプ24では、幅広部26が、その底部側ほどサイプ長さ方向Gの寸法Pが漸次小さく形成された点で、上記第1実施形態とは異なる。なお、図6は、空洞部としてのサイプ24を立体的に示したもの(即ち、ブロック16Aを構成するゴムは省略)であり、サイプ24を形成する金型のブレードの形状に相当する。
詳細には、4つの幅広部26は、いずれも、その中心線側Ceの側面26Fがトレッド表面28に垂直に形成されている一方、接地端側Shの側面26Gはサイプ底部側ほど中心線側Ceに傾斜した傾斜面状に形成されている。但し、いずれの幅広部26も、サイプ深さ方向Hの全体にわたって平面視矩形状の開口形状となるように、各幅広部26の底に平面状の底面34が確保されている。
第2実施形態では、幅広部26の寸法Pを底部側ほど漸次小さく形成したことにより、各幅広部26の踏み込み側と蹴り出し側の剛性差を小さくすることができる。しかも、接地圧がより高い接地端側Shの側面26Gを上記のように傾斜させて寸法Pを小さくしているので、トゥアンドヒール摩耗を更に抑制することができる。第2実施形態について、その他の構成及び作用効果は第1実施形態と同様であり、説明は省略する。
(第3実施形態)
図7に示すように、第3実施形態に係るサイプ24では、幅広部26が、その底部側ほど溝幅W2が漸次小さく形成された点で、上記第1実施形態とは異なる。
詳細には、4つの幅広部26では、いずれも、溝幅方向Wに対向する壁面26H,26Hが底部側ほど互いに近づくように傾斜した傾斜面状に形成されている。但し、いずれの幅広部26も、サイプ深さ方向Hの全体にわたって平面視矩形状の開口形状となるように、各幅広部26の底に平面状の底面34が確保されている。
第3実施形態では、幅広部26の溝幅W2を底部側ほど漸次小さく形成したことにより、各幅広部26の踏み込み側と蹴り出し側の剛性差を小さくすることができ、そのため、トゥアンドヒール摩耗を更に抑制することができる。第3実施形態について、その他の構成及び作用効果は第1実施形態と同様であり、説明は省略する。なお、第3実施形態の構成に上記第2実施形態の構成を組み合わせてもよい。
(第4実施形態)
図8に示すように、第4実施形態に係るサイプ24では、幅広部26は、サイプ長さ方向Gの3箇所に設けられている。また、サイプ長さ方向Gにおいて、幅広部26の両外側には幅狭部30が設けられている。すなわち、この例では、サイプ24は、長手方向Gの両端部に幅狭部30を備え、その間に3つの幅広部26が幅狭部30と交互に設けられている。幅広部26としては、中心線側Ceに設けられた最深幅広部26Aと、接地端側Shに設けられた最浅幅広部26Bと、その間に設けられた1つの中間幅広部26Cとからなる。第4実施形態について、その他の構成は第1実施形態と同様であり、基本的に同様の作用効果が奏される。
(第5実施形態)
図9,10に示すように、第5実施形態に係るサイプ24では、各幅広部26A〜Dの下方に幅狭部30を設けていない点で、上記第1実施形態とは異なる。
すなわち、サイプ長さ方向Gにおいて4つの幅広部26A〜Dが設けられた位置では、サイプ深さ方向Hにおいて当該幅広部26A〜Dの下方に幅狭部30が設けられておらず、各幅広部26A〜Dでサイプ24が深さ方向Hに終端している。各幅広部26A〜Dの間で挟まれた幅狭部30は、延在長さL1〜L4が異なる両側の幅広部26の下端同士を傾斜状に繋ぐように、延在深さを漸次変化させて形成されている。
これにより、サイプ24は、ブロック16Aの摩耗の進行に伴って、延在長さが小さい幅広部(即ち、最浅幅広部)26Bが設けられた端部側(即ち、接地端側)Shから順次消失するようになっている。
詳細には、図10(a)に示すように、タイヤ新品時及び摩耗初期では、第1実施形態と同様、4つの幅広部26を持つ開口形状を有するが、この状態から摩耗が進み、ブロック16Aの高さが25%摩耗した段階では、図10(b)に示すように、接地端側Shの最浅幅広部26Bがなくなり、更に幅狭部30も端から消失していく。更に摩耗が進み、50%摩耗した段階では、図10(c)に示すように、第2中間幅広部26Dがなくなり、2つの幅広部26を持つ開口形状となり、サイブ長さは約半分となる。更に摩耗が進み、不図示のTWIまで摩耗が到達した段階(80%摩耗した段階)では、図10(d)に示すように、更に第1中間幅広部26Cがなくなり、ほぼ最深幅広部26Aのみを持つ開口形状となる。このように、摩耗の進行に伴い、接地端側Shから順番に幅広部26がなくなり、サイプ長さが短くなる。そのため、サイプ24に摩耗インジケータとしての機能を持たせる際に、視認性をより向上することができる。
また、各幅広部26A〜Dの下方に幅狭部30を設けていないので、各幅広部26A〜Dにおいて踏み込み側と蹴り出し側の剛性差をより小さくすることができ、そのため、第1実施形態に比べて、更にトゥアンドヒール摩耗を低減することができる。
なお、本実施形態の場合、摩耗の進行に伴いサイプ24の長さが短くなることから、第1実施形態に比べれば、摩耗後のエッジ効果に劣るが、残存する幅広部26によりエッジ効果を維持することができ、スノー制動性能を確保することができる。第5実施形態について、その他の構成及び作用効果は第1実施形態と同様であり、説明は省略する。
(第6実施形態)
図11,12に示すように、第6実施形態に係るサイプ24では、幅広部26をサイプ長さ方向Gの3箇所に設けた点で、4箇所に設けた第5実施形態とは異なる。
すなわち、この例では、幅広部26は、サイプの長さ方向Gの両端部と、中央部の1箇所の合計3箇所に等間隔に設けられ、その間に幅狭部30が設けられている。幅広部26としては、中心線側Ceに設けられた最深幅広部26Aと、接地端側Shに設けられた最浅幅広部26Bと、その間に設けられた1つの中間幅広部26Cとからなる。
その他の構成は基本的に第5実施形態と同様である。従って、サイプ長さ方向Gにおいて3つの幅広部26A〜Cが設けられた位置では、サイプ深さ方向Hにおいて当該幅広部26A〜Cの下方には幅狭部30が設けられておらず、各幅広部26A〜Cでサイプ24が深さ方向Hに終端している。また、各幅広部26A〜Cの間で挟まれた幅狭部30は、延在長さL1〜L3が異なる両側の幅広部26の下端同士を傾斜状に繋ぐように、延在深さを漸次変化させて形成されている。これにより、サイプ24は、ブロック16Aの摩耗の進行に伴って、延在長さが小さい幅広部(即ち、最浅幅広部)26Bが設けられた端部側(即ち、接地端側)Shから順次消失するようになっている。
詳細には、図12(a)に示すように、タイヤ新品時では、3つの幅広部26を持つ開口形状を有するが、この状態から摩耗が進み、ブロック16Aの高さが30%摩耗した段階では、図12(b)に示すように、接地端側Shの最浅幅広部26Bがなくなり、更に幅狭部30も端から消失していく。更に摩耗が進み、60%摩耗した段階では、図12(c)に示すように、中間幅広部26Cがなくなり、最深幅広部26Aと1つの幅狭部30のみからなる開口形状となる。更に摩耗が進み、TWIまで摩耗が到達した段階では、図示しないが、サイプ24は完全に消失するようになっている。
このように、摩耗の進行に伴い、接地端側Shから順番に幅広部26がなくなり、サイプ長さが短くなるので、第5実施形態と同様、サイプ24は、摩耗インジケータとしての視認性に優れる。第6実施形態について、その他の構成は第5実施形態と同様であり、基本的に同様の作用効果が奏される。
(その他の実施形態)
上記幅広部26は、サイプ長さ方向Gの3箇所以上に設けられることが好ましい。3箇所以上に設けることにより、摩耗の進行に伴って幅広部26が段階的になくなることによるトゥアンドヒール摩耗の抑制効果を高めることができる。また、サイプ24を摩耗インジケータとして利用した場合に、摩耗量のより段階的な表示が可能となる。また、上記実施形態では、全ての幅広部26でサイプ深さ方向Hにおける延在長さを変えたが、延在長さが同一の幅広部26が含まれてもよい。
また、上記実施形態では、全てのショルダーブロック16Aにサイプ24を設けたが、必ずしも全てのショルダーブロック16Aに設ける必要はない。また、サイプ24を設ける陸部としては、このようなブロック列には限定されず、タイヤ周方向Aに連続した陸部であるリブでもよい。また、ショルダー領域22以外の領域、すなわち、センター領域18や中間領域20に同様のサイプを設けることもできる。その場合、幅広部26のサイプ深さ方向Hにおける延在長さは、サイプ長さ方向Gの一端側の幅広部26から他端側の幅広部26にかけて順次に小さくなるようにして、剛性がサイプ長さ方向Gで一方向に変化するように設定されることが好ましい。また、上記サイプ24を摩耗量を知らせるインジケータとして設ける場合、例えば、タイヤ周上の複数箇所(例えば、4〜10箇所程度)にサイプ24を設けてもよい。
上記空気入りタイヤは、スノー性能に優れるため、スタッドレスタイヤ等の冬用タイヤや、オールシーズンタイヤなどに好適であるが、いわゆる夏用タイヤに適用してもよい。その他、一々列挙しないが、本発明の趣旨を逸脱しない限り、種々の変更が可能である。
実施例1として図1〜5に示す第1実施形態のトレッドパターンを有する空気入りラジアルタイヤと、実施例2として図9,10に示す第5実施形態のトレッドパターンを有する空気入りラジアルタイヤを試作した。また、サイプとして長さ方向の全体で溝幅一定のサイプを設けたトレッドパターン(比較例1)と、図5(a)に示す開口形状がサイプ深さ方向で一定のサイプを設けたトレッドパターン(比較例2)と、図13に示すサイプ100を設けたトレッドパターン(比較例3)とを、それぞれ有する空気入りラジアルタイヤを試作した。これらの試作タイヤについて、スノー制動性能とトゥアンドヒール摩耗量を評価した。
実施例1,2のタイヤにおけるサイプ24の各寸法は、次の通りである。サイプ24の全長Q=21mm、幅広部26のサイプ長さ方向Gの寸法P=3mm、幅狭部30の溝幅W1=0.3mm、幅広部26の溝幅W2=0.82mm、サイプ深さD=6.9mm、最深幅広部26Aの延在長さL1=6.9mm、最浅幅広部26Bの延在長さL2=1.7mm、第1中間幅広部26Cの延在長さL3=5.1mm、第2中間幅広部26Dの延在長さL4=3.4mm。なお、ショルダーブロック16Aの高さKは8.5mmとした。
比較例1〜3のタイヤは、実施例1,2に対して、サイプ形状のみ異なるものである。比較例1では、サイプの全長及びサイプ深さは実施例1と同一であり、溝幅は0.6mmとした。比較例2では、実施例1のサイプに対し、サイプ深さ方向の全体で図5(a)に示す開口形状を持つようにし、各寸法は実施例1と同一とした。比較例3のサイプ100は、幅広部101を形成する凹部102を、サイプ長さ方向Gに沿ってサイプ壁面の両側に交互に設けたものであり、サイプ深さ方向の全体で一定の断面形状に形成した。サイプ100の全長、サイプ深さ及び幅狭部103の溝幅は、実施例1と同一である。幅広部101の溝幅は0.56mmとし、幅広部101のサイプ長さ方向寸法T=2.5mm、幅狭部103のサイプ長さ方向寸法U=0.25mmとした。
タイヤサイズ:195/65R15、リムサイズ:15×6とし、2000cc乗用車(FFセダン)に4輪装着し(空気圧:210kPa)、性能評価を行った。評価方法は以下の通りである。
・スノー制動性能:雪路を走行し、速度40km/hから制動力をかけてABSを作動させたときの制動距離を測定した。評価は、新品時と、ショルダーブロック16Aの50%摩耗時について行った。結果は、新品時と摩耗時のそれぞれについて、制動距離の逆数につき、比較例1の値を100とした指数で表示した。数値が大きいほど、制動距離が短く、スノー制動性能に優れることを示す。
・トゥアンドヒール摩耗量:ショルダーブロック16Aの50%摩耗時において、サイプの幅広部における踏み込み側と蹴り出し側との摩耗段差を測定し、摩耗段差の逆数について、比較例1の値を100とした指数で表示した。数値が大きいほど、トゥアンドヒール摩耗量(即ち、摩耗段差)が少なく、耐偏摩耗性能に優れることを示す。
結果は、表1に示す通りであり、実施例1,2では、サイプの厚い部分である幅広部のためエッジ効果が高く、また摩耗過程において接地端側から該幅広部が無くなるためトゥアンドヒール摩耗量が少なかった。特に、実施例1では、50%摩耗時にも新品時と同じスノー制動性能が得られ、実施例2では、トゥアンドヒール摩耗の低減効果により優れていた。これに対し、比較例1ではサイプ厚みが均一であるため、サイプが閉じやすくエッジ効果が減少し、またブロックの倒れ込みが起きやすく、トゥアンドヒール摩耗量も多かった。比較例2,3では、サイプの厚い部分である幅広部があるためエッジ効果が高い反面、ブロックの倒れ込みも起きやすく、トゥアンドヒール摩耗量が多かった。
Figure 0005875814
10…トレッド部 16A…ブロック 22…ショルダー領域
24…サイプ 26…幅広部 26A…最深幅広部
26B…最浅幅広部 26C,26D…中間幅広部 28…トレッド表面
30…幅狭部 32…凹部 A…タイヤ周方向
E…トレッド接地端 G…サイプ長さ方向 H…サイプ深さ方向
L1〜4…幅広部のサイプ深さ方向における延在長さ
M…サイプ深さ方向の中心 P…幅広部のサイプ長さ方向の寸法
W…溝幅方向 W1…幅狭部の溝幅 W2…幅広部の溝幅

Claims (14)

  1. トレッド部の陸部に、タイヤ周方向に交差する方向に延びるサイプが設けられた空気入りタイヤにおいて、
    前記サイプは、サイプ長さ方向の両端が前記陸部内で終端するクローズドサイプであり、溝幅の広い幅広部をサイプ長さ方向の少なくとも3箇所に備えて、トレッド表面において前記幅広部と溝幅の狭い幅狭部とがサイプ長さ方向に沿って交互に形成されており、複数の前記幅広部は、トレッド表面からサイプ深さ方向に延在するものであって、サイプ深さ方向における延在長さが異なるものを含み、
    前記複数の幅広部は、サイプ深さ方向における延在長さがサイプ長さ方向の一端側の幅広部から他端側の幅広部にかけて順次小さく設定された
    ことを特徴とす空気入りタイヤ。
  2. トレッド部の陸部に、タイヤ周方向に交差する方向に延びるサイプが設けられた空気入りタイヤにおいて、
    前記サイプは、トレッドショルダー領域に存在する陸部に設けられて、サイプ長さ方向の両端が前記陸部内で終端するクローズドサイプであり、溝幅の広い幅広部をサイプ長さ方向の少なくとも3箇所に備えて、トレッド表面において前記幅広部と溝幅の狭い幅狭部とがサイプ長さ方向に沿って交互に形成されており、複数の前記幅広部は、トレッド表面からサイプ深さ方向に延在するものであって、サイプ深さ方向における延在長さが異なるものを含み、
    前記複数の幅広部は、サイプ深さ方向における延在長さがトレッド接地端側の幅広部ほど順次小さく設定された
    ことを特徴とす空気入りタイヤ。
  3. トレッド部の陸部に、タイヤ周方向に交差する方向に延びるサイプが設けられた空気入りタイヤにおいて、
    前記サイプは、サイプ長さ方向の両端が前記陸部内で終端するクローズドサイプであり、溝幅の広い幅広部をサイプ長さ方向の少なくとも3箇所に備えて、トレッド表面において前記幅広部と溝幅の狭い幅狭部とがサイプ長さ方向に沿って交互に形成されており、複数の前記幅広部は、トレッド表面からサイプ深さ方向に延在するものであって、サイプ深さ方向における延在長さが異なるものを含み、
    前記複数の幅広部は、サイプ深さ方向におけるサイプ深さの中心よりもサイプ底部側に延び延在長さが最大である最深幅広部と、サイプ深さ方向におけるサイプ深さの中心よりもトレッド表面側で終端し延在長さが最小である最浅幅広部と、前記最深幅広部と最浅幅広部の間の延在長さを持つ少なくとも1つの中間幅広部とからなる
    ことを特徴とす空気入りタイヤ。
  4. 前記幅広部が前記サイプの対向する壁面に互いに対向する凹部を設けることで形成されたことを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
  5. トレッド部の陸部に、タイヤ周方向に交差する方向に延びるサイプが設けられた空気入りタイヤにおいて、
    前記サイプは、サイプ長さ方向の両端が前記陸部内で終端するクローズドサイプであり、溝幅の広い幅広部をサイプ長さ方向の少なくとも3箇所に備えて、トレッド表面において前記幅広部と溝幅の狭い幅狭部とがサイプ長さ方向に沿って交互に形成されており、複数の前記幅広部は、トレッド表面からサイプ深さ方向に延在するものであって、サイプ深さ方向における延在長さが異なるものを含み、
    前記幅広部は、底部側ほどサイプ長さ方向の寸法が漸次小さく形成された
    ことを特徴とす空気入りタイヤ。
  6. 前記サイプがトレッドショルダー領域に存在する陸部に設けられ、前記複数の幅広部は、サイプ深さ方向における延在長さがトレッド接地端側の幅広部ほど順次小さく設定され、更に、前記複数の幅広部は、タイヤ中心線側の側面がトレッド表面に垂直に形成されるとともに、トレッド接地端側の側面がサイプ底部側ほどタイヤ中心線側に傾斜した傾斜面状に形成されたことを特徴とする請求項記載の空気入りタイヤ。
  7. トレッド部の陸部に、タイヤ周方向に交差する方向に延びるサイプが設けられた空気入りタイヤにおいて、
    前記サイプは、サイプ長さ方向の両端が前記陸部内で終端するクローズドサイプであり、溝幅の広い幅広部をサイプ長さ方向の少なくとも3箇所に備えて、トレッド表面において前記幅広部と溝幅の狭い幅狭部とがサイプ長さ方向に沿って交互に形成されており、複数の前記幅広部は、トレッド表面からサイプ深さ方向に延在するものであって、サイプ深さ方向における延在長さが異なるものを含み、
    前記幅広部は、底部側ほど溝幅が漸次小さく形成された
    ことを特徴とす空気入りタイヤ。
  8. 前記幅広部は、溝幅方向に対向する壁面が底部側ほど互いに近づくように傾斜した傾斜面状に形成されたことを特徴とする請求項記載の空気入りタイヤ。
  9. トレッド部の陸部に、タイヤ周方向に交差する方向に延びるサイプが設けられた空気入りタイヤにおいて、
    前記サイプは、サイプ長さ方向の両端が前記陸部内で終端するクローズドサイプであり、溝幅の広い幅広部をサイプ長さ方向の少なくとも3箇所に備えて、トレッド表面において前記幅広部と溝幅の狭い幅狭部とがサイプ長さ方向に沿って交互に形成されており、複数の前記幅広部は、トレッド表面からサイプ深さ方向に延在するものであって、サイプ深さ方向における延在長さが異なるものを含み、
    サイプ長さ方向において少なくとも1つの前記幅広部が設けられた位置では、サイプ深さ方向において当該幅広部の下方に前記幅狭部が設けられ、前記陸部の摩耗の進行に伴って幅広部から幅狭部に変化するよう構成された
    ことを特徴とす空気入りタイヤ。
  10. トレッド部の陸部に、タイヤ周方向に交差する方向に延びるサイプが設けられた空気入りタイヤにおいて、
    前記サイプは、溝幅の広い幅広部をサイプ長さ方向の少なくとも3箇所に備えて、トレッド表面において前記幅広部と溝幅の狭い幅狭部とがサイプ長さ方向に沿って交互に形成されており、複数の前記幅広部は、トレッド表面からサイプ深さ方向に延在するものであって、サイプ深さ方向における延在長さが異なるものを含み、
    前記複数の幅広部は、サイプ深さ方向におけるサイプ深さの中心よりもサイプ底部側に延び延在長さが最大である最深幅広部と、サイプ深さ方向におけるサイプ深さの中心よりもトレッド表面側で終端し延在長さが最小である最浅幅広部と、前記最深幅広部と最浅幅広部の間の延在長さを持つ少なくとも1つの中間幅広部とからなり、
    サイプ長さ方向において前記最深幅広部を除く他の幅広部が設けられた位置では、サイプ深さ方向において当該幅広部の下方に前記幅狭部が設けられ、前記陸部の摩耗の進行に伴って幅広部から幅狭部に変化するよう構成された
    ことを特徴とする空気入りタイヤ。
  11. サイプ長さ方向において前記複数の幅広部が設けられた位置では、サイプ深さ方向において当該幅広部の下方に前記幅狭部が設けられておらず、当該幅広部でサイプが深さ方向に終端しており、前記サイプは、前記陸部の摩耗の進行に伴って、前記延在長さが小さい幅広部が設けられた端部側から順次消失するよう構成されたことを特徴とする請求項又はに記載の空気入りタイヤ。
  12. 前記サイプは、前記幅広部をサイプ長さ方向の両端に備えることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
  13. 前記サイプは、前記幅狭部をサイプ長さ方向の両端に備えることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
  14. 前記陸部が、前記トレッド部に設けられた縦溝と該縦溝に交差する横溝とにより形成されたブロックであることを特徴とする請求項1〜13のいずれ1項に記載の空気入りタイヤ。
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