JP5516500B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents
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Description
この空気入りタイヤでは、サイプの端部における凸部の設置密度Aが大きく設定されるので、タイヤ制動時にて凹凸部が噛み合うことにより、サイプの端部における陸部の剛性が高められる。これにより、サイプの底上げと同様の効果が得られる利点がある。
また、この発明にかかる空気入りタイヤは、複数の溝と、前記溝に区画されて成る陸部とをトレッド部に備えると共に、前記陸部がタイヤ幅方向に延在する複数のサイプを有する空気入りタイヤであって、前記サイプが、相互に対向するサイプ壁面のうち一方のサイプ壁面に凸部を有すると共に他方のサイプ壁面に前記凸部に噛み合う凹部を有し、前記サイプが、前記陸部の踏面にてタイヤ幅方向にジグザグ形状に延在すると共に、前記ジグザグ形状の直線部に前記凸部および前記凹部を有し、前記サイプ壁面を展開したときの前記凸部の投影図にて、前記サイプの開口部からサイプ深さの半分までの領域における前記凸部の設置密度Xと、前記サイプの底部からサイプ深さの半分までの領域における前記凸部の設置密度YとがX>Yの関係を有し、且つ、前記サイプの中央部を中心としたサイプ長さの20%の領域における前記凸部の設置密度Bとサイプ壁面の全領域における前記凸部の設置密度Sとの比B/Sが105[%]≦(B/S)×100≦200[%]の範囲内にあることを特徴とする。
また、この発明にかかる空気入りタイヤでは、前記サイプが、いずれの前記溝にも開口しないクローズドサイプあるいは一方の端部にて前記溝に開口するセミクローズドサイプである。
また、この発明にかかる空気入りタイヤでは、前記凸部が、前記サイプ壁面から球面状に突出すると共に、前記凹部が、前記サイプ壁面に対して球面状に陥没する。
また、この発明にかかる空気入りタイヤでは、前記凸部と前記凹部とが、前記サイプの一方の溝壁にて、サイプ長さ方向に向かって交互に配列される。
この空気入りタイヤは、例えば、スタッドレスタイヤに適用される。空気入りタイヤは、複数の溝と、これらの溝に区画されて成る陸部とをトレッド部に備える(図示省略)。トレッド部には、これらの溝および陸部により、ブロックパターンあるいはリブパターンを基調とするトレッドパターンが形成される。例えば、ブロックパターンを有する構成では、タイヤ周方向に延在する複数の周方向主溝と、これらの周方向主溝に交差する横溝と、これらの主溝および横溝に区画されて成るブロック状の陸部とが、トレッド部に形成される。
図1は、この発明の実施の形態にかかる空気入りタイヤのサイプを示す平面図である。図2は、図1に記載したサイプを示すA−A視断面図である。
この空気入りタイヤは、サイプ1が、相互に対向するサイプ壁面のうち一方のサイプ壁面に凸部2を有し、他方のサイプ壁面にこの凸部2に噛み合う凹部3を有する(図1および図2参照)。
図3は、図1に記載したサイプの凸部の配列パターンを示す説明図である。同図は、サイプ壁面を展開したときの凸部2の投影図を示している。
以上説明したように、この空気入りタイヤでは、サイプ1が、相互に対向するサイプ壁面のうち一方のサイプ壁面に凸部2を有すると共に、他方のサイプ壁面に凸部2に噛み合う凹部3を有する(図1および図2参照)。また、サイプ壁面を展開したときの凸部2の投影図にて、サイプ1の開口部からサイプ深さHの半分までの領域における凸部2の設置密度Xと、サイプ1の底部からサイプ深さHの半分までの領域における凸部2の設置密度YとがX>Yの関係を有する(図2参照)。
また、この空気入りタイヤでは、サイプ1の少なくとも一方の端部にて、サイプ1の端部からサイプ長さWの20%(0.2W)までの領域における凸部2の設置密度Aと、サイプ壁面の全領域における凸部2の設置密度Sとの比A/Sが105[%]≦(A/S)×100≦250[%]の範囲内にあることが好ましい(図4参照)。かかる構成では、サイプ1の端部における凸部2の設置密度Aが大きく設定されるので、タイヤ制動時にて凹凸部2、3が噛み合うことにより、サイプ1の端部における陸部10の剛性が高められる。これにより、サイプ1の底上げと同様の効果が得られる利点がある。
また、この空気入りタイヤでは、サイプ1の中央部を中心としたサイプ長さWの20%の領域における凸部2の設置密度Bと、サイプ壁面の全領域における凸部2の設置密度Sとの比B/Sが105[%]≦(B/S)×100≦200[%]の範囲内にあることが好ましい(図5参照)。かかる構成では、サイプ1の中央部における凸部2の設置密度Bが大きく設定されるので、タイヤ制動時にて凹凸部2、3が噛み合うことにより、サイプ1の中央部における陸部10の剛性が高められる。これにより、サイプ1の底上げと同様の効果が得られる利点がある。
図6および図7は、この発明の実施の形態にかかる空気入りタイヤの性能試験の結果を示す表である。この実施の形態では、条件が異なる複数の空気入りタイヤについて、(1)ドライ制動性能および(2)氷上制動性能に関する性能試験が行われた(図6および図7参照)。この性能試験では、タイヤサイズ195/65R15のラジアルスタッドレスタイヤがJATMA規定の適用リムに組み付けられ、この空気入りタイヤに規定内圧および規定荷重が負荷される。
2 凸部
3 凹部
10 陸部
Claims (7)
- 複数の溝と、前記溝に区画されて成る陸部とをトレッド部に備えると共に、前記陸部がタイヤ幅方向に延在する複数のサイプを有する空気入りタイヤであって、
前記サイプが、相互に対向するサイプ壁面のうち一方のサイプ壁面に凸部を有すると共に他方のサイプ壁面に前記凸部に噛み合う凹部を有し、
前記サイプが、前記陸部の踏面にてタイヤ幅方向にジグザグ形状に延在すると共に、前記ジグザグ形状の直線部に前記凸部および前記凹部を有し、
前記サイプ壁面を展開したときの前記凸部の投影図にて、前記サイプの開口部からサイプ深さの半分までの領域における前記凸部の設置密度Xと、前記サイプの底部からサイプ深さの半分までの領域における前記凸部の設置密度YとがX>Yの関係を有し、且つ、
前記サイプの少なくとも一方の端部にて、前記サイプの端部からサイプ長さの20%までの領域における前記凸部の設置密度Aとサイプ壁面の全領域における前記凸部の設置密度Sとの比A/Sが105[%]≦(A/S)×100≦250[%]の範囲内にあることを特徴とする空気入りタイヤ。 - 前記凸部の設置密度Xとサイプ壁面の全領域における前記凸部の設置密度Sとの比X/Sが105[%]≦(X/S)×100≦200[%]の範囲内にある請求項1に記載の空気入りタイヤ。
- 前記サイプの中央部を中心としたサイプ長さの20%の領域における前記凸部の設置密度Bとサイプ壁面の全領域における前記凸部の設置密度Sとの比B/Sが105[%]≦(B/S)×100≦200[%]の範囲内にある請求項1または2に記載の空気入りタイヤ。
- 複数の溝と、前記溝に区画されて成る陸部とをトレッド部に備えると共に、前記陸部がタイヤ幅方向に延在する複数のサイプを有する空気入りタイヤであって、
前記サイプが、相互に対向するサイプ壁面のうち一方のサイプ壁面に凸部を有すると共に他方のサイプ壁面に前記凸部に噛み合う凹部を有し、
前記サイプが、前記陸部の踏面にてタイヤ幅方向にジグザグ形状に延在すると共に、前記ジグザグ形状の直線部に前記凸部および前記凹部を有し、
前記サイプ壁面を展開したときの前記凸部の投影図にて、前記サイプの開口部からサイプ深さの半分までの領域における前記凸部の設置密度Xと、前記サイプの底部からサイプ深さの半分までの領域における前記凸部の設置密度YとがX>Yの関係を有し、且つ、
前記サイプの中央部を中心としたサイプ長さの20%の領域における前記凸部の設置密度Bとサイプ壁面の全領域における前記凸部の設置密度Sとの比B/Sが105[%]≦(B/S)×100≦200[%]の範囲内にあることを特徴とする空気入りタイヤ。 - 前記サイプが、いずれの前記溝にも開口しないクローズドサイプあるいは一方の端部にて前記溝に開口するセミクローズドサイプである請求項1または4に記載の空気入りタイヤ。
- 前記凸部が、前記サイプ壁面から球面状に突出すると共に、前記凹部が、前記サイプ壁面に対して球面状に陥没する請求項1または4に記載の空気入りタイヤ。
- 前記凸部と前記凹部とが、前記サイプの一方の溝壁にて、サイプ長さ方向に向かって交互に配列される請求項1または4に記載の空気入りタイヤ。
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