JP3185614B2 - 車体速度検出装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、少なくとも1つの
車輪の回転速度に基づいて車体速度を推定する車体速度
推定手段を備えた車体速度検出装置に関するものであ
る。
車輪の回転速度に基づいて車体速度を推定する車体速度
推定手段を備えた車体速度検出装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】この種の車体速度検出装置の一つが特開
平2─141355号公報に記載されている。この公報
に記載の車体速度検出装置は、(1) それぞれ1つ以上の
車輪を含む複数の車輪群の回転速度をそれぞれ検出する
複数個の回転速度検出装置と、(2) それら複数個の回転
速度検出装置によって検出された各々の回転速度の少な
くとも1つと推定規則とに基づいて車体速度を推定する
車体速度推定手段と、(3) 前記回転速度検出装置によっ
て検出された回転速度,回転速度の変化量である回転加
速度に基づいて前記複数個の車輪のうち少なくとも1個
の車輪の制動スリップあるいは駆動スリップが過大であ
るか否かを検出する過大スリップ検出手段と、(4) 前記
過大スリップ検出手段による検出結果に応じて前記推定
規則を変える過大スリップ対応推定規則変更手段とを含
むものである。この車体速度検出装置においては、過大
スリップ検出手段による検出結果に応じて推定規則が変
更されるため、過大なスリップの発生に起因して誤った
車体速度が推定されることを良好に回避することができ
る。
平2─141355号公報に記載されている。この公報
に記載の車体速度検出装置は、(1) それぞれ1つ以上の
車輪を含む複数の車輪群の回転速度をそれぞれ検出する
複数個の回転速度検出装置と、(2) それら複数個の回転
速度検出装置によって検出された各々の回転速度の少な
くとも1つと推定規則とに基づいて車体速度を推定する
車体速度推定手段と、(3) 前記回転速度検出装置によっ
て検出された回転速度,回転速度の変化量である回転加
速度に基づいて前記複数個の車輪のうち少なくとも1個
の車輪の制動スリップあるいは駆動スリップが過大であ
るか否かを検出する過大スリップ検出手段と、(4) 前記
過大スリップ検出手段による検出結果に応じて前記推定
規則を変える過大スリップ対応推定規則変更手段とを含
むものである。この車体速度検出装置においては、過大
スリップ検出手段による検出結果に応じて推定規則が変
更されるため、過大なスリップの発生に起因して誤った
車体速度が推定されることを良好に回避することができ
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述の公報に
は、車輪の回転速度にノイズが重畳したか否かの検出結
果に応じて推定規則を変更することは記載されていな
い。この公報に記載された車体速度検出装置において
は、実際上、車輪の回転速度にノイズが重畳すれば過大
スリップが生じた場合と同様に推定規則が変えられ、正
しい車体速度が検出されるものと推測されるが、過大ス
リップの発生とノイズの重畳とを分けて検出することは
行われていないのである。過大スリップの発生とノイズ
の重畳とは別のことである。回転速度にノイズが重畳す
るのは、例えば、回転速度検出装置の電気系が発振した
場合や、エンジンがレーシング状態になったことに起因
して車両の駆動系に振動が生じた場合等がある。エンジ
ンのレーシング状態とはエンジンが無負荷状態でかつ回
転数が設定回転数以上の状態である。過大なスリップが
生じていても、回転速度検出装置によって検出される回
転速度は実際の車輪の回転速度である。それに対して、
ノイズが重畳した場合における回転速度検出装置によっ
て検出される回転速度は実際の回転速度ではなく、見か
けの回転速度である。したがって、過大スリップの検出
とノイズ重畳の検出とは異なることなのである。
は、車輪の回転速度にノイズが重畳したか否かの検出結
果に応じて推定規則を変更することは記載されていな
い。この公報に記載された車体速度検出装置において
は、実際上、車輪の回転速度にノイズが重畳すれば過大
スリップが生じた場合と同様に推定規則が変えられ、正
しい車体速度が検出されるものと推測されるが、過大ス
リップの発生とノイズの重畳とを分けて検出することは
行われていないのである。過大スリップの発生とノイズ
の重畳とは別のことである。回転速度にノイズが重畳す
るのは、例えば、回転速度検出装置の電気系が発振した
場合や、エンジンがレーシング状態になったことに起因
して車両の駆動系に振動が生じた場合等がある。エンジ
ンのレーシング状態とはエンジンが無負荷状態でかつ回
転数が設定回転数以上の状態である。過大なスリップが
生じていても、回転速度検出装置によって検出される回
転速度は実際の車輪の回転速度である。それに対して、
ノイズが重畳した場合における回転速度検出装置によっ
て検出される回転速度は実際の回転速度ではなく、見か
けの回転速度である。したがって、過大スリップの検出
とノイズ重畳の検出とは異なることなのである。
【0004】ノイズが重畳しているか否かを検出するこ
とができれば、例えば次のような利点がある。ノイズ
が、回転速度検出装置における電気系の振動(異常)に
起因して生じたと検出された場合には、電気系に異常が
発生したことを警告したり、その回転速度検出装置によ
って検出された回転速度に基づく種々の制御を変更した
り、禁止したりすることができる。駆動系の振動が原因
で生じたと検出された場合にも、同様に、駆動系に振動
が生じたことを警告したり、種々の制御を変更したり、
禁止したりすることができる。駆動系の振動が長時間継
続することは、車両にとって望ましいことではないた
め、駆動系に振動が生じたことを運転者に警告すれば、
運転者がアクセルペダルの踏込みを緩めることができ、
振動が長時間継続することを回避することができるので
ある。さらに、ノイズの重畳と過大スリップの発生とを
弁別できれば、車体速度のみならず車輪回転速度も正し
く検出することが可能となる。両者を正しく検出するこ
とは、過大な制動スリップの発生を防止するアンチスキ
ッド制御装置、過大な駆動スリップの発生を防止するト
ラクション制御装置、車両の走行安定性を向上させる走
行安定性制御装置等において強く求められていることで
ある。
とができれば、例えば次のような利点がある。ノイズ
が、回転速度検出装置における電気系の振動(異常)に
起因して生じたと検出された場合には、電気系に異常が
発生したことを警告したり、その回転速度検出装置によ
って検出された回転速度に基づく種々の制御を変更した
り、禁止したりすることができる。駆動系の振動が原因
で生じたと検出された場合にも、同様に、駆動系に振動
が生じたことを警告したり、種々の制御を変更したり、
禁止したりすることができる。駆動系の振動が長時間継
続することは、車両にとって望ましいことではないた
め、駆動系に振動が生じたことを運転者に警告すれば、
運転者がアクセルペダルの踏込みを緩めることができ、
振動が長時間継続することを回避することができるので
ある。さらに、ノイズの重畳と過大スリップの発生とを
弁別できれば、車体速度のみならず車輪回転速度も正し
く検出することが可能となる。両者を正しく検出するこ
とは、過大な制動スリップの発生を防止するアンチスキ
ッド制御装置、過大な駆動スリップの発生を防止するト
ラクション制御装置、車両の走行安定性を向上させる走
行安定性制御装置等において強く求められていることで
ある。
【0005】
【本発明が解決しようとする課題,課題解決手段および
効果】 そこで本発明の課題は車体速度検出装置の信頼性
を一層高めることである。上記課題は、車体速度検出装
置を、下記各態様の構成のものとすることによって解決
される。各態様は、請求項と同様に、項に区分し、各項
に番号を付し、必要に応じて他の項の番号を引用する形
式で記載する。これは、本発明の理解を容 易にするため
であり、本明細書に記載の技術的特徴およびそれらの組
合わせが以下の各項に限定されると解釈されるべきでは
ない。また、1つの項に複数の事項が記載されている場
合、常に、すべての事項を一緒に採用しなければならな
いものではなく、一部の事項のみを取り出して採用する
ことも可能である。 (1)それぞれ1つ以上の車輪を含む複数の車輪群の回
転速度をそれぞれ検出する複数個の回転速度検出装置
と、 それら複数個の回転速度検出装置によって検出され
た各々の回転速度の少なくとも1つと推定規則とに基づ
いて車体速度を推定する車体速度推定手段とを含む車体
速度検出装置であって、 当該車体速度検出装置が、前記
複数の回転速度の少なくとも1つにノイズが重畳してい
るか否かを検出するノイズ重畳検出手段を含み、前記車
体速度推定手段が、そのノイズ重畳検出手段による検出
結果に応じて前記推定規則を変えるノイズ重畳対応推定
規則変更手段を含む車体速度検出装置。 本項に記載の車
体速度検出装置においては、車体速度は、車体速度推定
手段によって少なくとも1つの回転速度と推定規則とに
基づいて推定されるが、その推定規則は、ノイズ重畳検
出手段によって複数の回転速度のうちの少なくとも1つ
にノイズが重畳したことが検出されたとき変更される。
ノイズが重畳していても支障のない推定規則に変更され
るのであり、ノイズの重畳が原因で誤った車体速度が検
出されることが回避される。したがって、本車体速度検
出装置によれば、ノイズの重畳に起因して誤った車体速
度が検出されることを回避することができる。また、必
要に応じて、ノイズの重畳による誤りを回避しつつ車輪
の回転速度を検出することができ、さらに、ノイズ重畳
検出手段の検出結果に基づいて運転者にノイズの重畳を
警告したり、種々の制御を変更したり、禁止したりする
こともできる。 ノイズ重畳検出手段は、前述のように、
エンジンがレーシング状態にあることに起因して生じた
駆動系の共振に伴うノイズの重畳や、回転速度検出装置
の電気系の振動等に起因するノイズの重畳等を検出する
手段である。 また、ノイズ重畳検出手段は、複数個の回
転速度検出装置によって検出された複数の回転速度各々
にノイズが重畳しているか否かをそれぞれ検出する個別
ノイ ズ重畳検出手段を含むものであっても、例えば1つ
以上の回転速度と他の1つ以上の回転速度との回転速度
差が設定速度より大きいか否か等これらの相対関係に基
づいて、少なくとも1つの回転速度にノイズが重畳して
いるか否かを検出する相対ノイズ重畳検出手段を含むも
のであってもよい。 なお、過大なスリップが生じていて
も、回転速度検出装置によって検出される回転速度は実
際の車輪の回転速度であるため、回転加速度はほぼ車輪
が一方向に加速させる場合に現実に生じ得る範囲内にあ
る。それに対して、ノイズが重畳した場合における回転
速度検出装置によって検出される回転速度は実際の回転
速度ではなく振動であるため、回転加速度は走行状態に
ある車両において実際に生じ得る範囲から大きく外れ
る。このことを利用すれば、ノイズの重畳を過大スリッ
プの発生と区別して検出することができる。 相対ノイズ
重畳検出手段には、例えば、(7) 項の発明に係る車体速
度検出装置におけるように、前輪側と後輪側との少なく
とも一方の側に属する左側車輪の回転速度と右側車輪の
回転速度との差に関連する回転速度差関連量が設定量よ
り大きいか否かを検出する左右回転速度差依拠ノイズ重
畳判定手段等が含まれる。相対ノイズ重畳検出手段によ
ってノイズの重畳が検出された場合には、どの位置にあ
る車輪の回転速度にノイズが重畳しているかを特定でき
る場合と特定できない場合とがある。 個別ノイズ重畳検
出手段は、複数の回転速度すべてについて各々ノイズが
重畳しているか否かを検出するものであっても、予め定
められた車輪の回転速度のみについてノイズが重畳して
いるか否かを検出するものであってもよい。例えば、車
両の構造等により共振し易い車輪が予め決められている
場合には、それら車輪の回転速度のみについてノイズが
重畳しているか否かを検出すればよい場合もある。 (2)さらに、前記ノイズ重畳検出手段によって前記少
なくとも1つの回転速度にノイズが重畳していると検出
されたときにノイズの重畳が解消したか否かのノイズ重
畳解消検出を開始し、ノイズの重畳が解消したことを検
出したときノイズ重畳解消検出を終了するノイズ重畳解
消検出手段を含む(1) 項に記載の車体速度検出装置。 本
項に記載の車体速度検出装置においては、ノイズ重畳検
出手段によってノイズの重畳が検出されると、ノイズ重
畳解消検出手段による検出が開始され、ノイズ重畳の解
消が検出されれば、ノイズ重畳解消検出手段による検出
が終了させられる。 ノイズ重畳の検出とノイズ重畳解消
の検出とは相異なる条件で行われる。検出の目的にもよ
るが、通常はノイズ重畳解消の検出条件がノイズ重畳検
出の検出条件より緩くされるのである。例えば、同一の
事象の測定値に基づいて両検出が行われる場合には、ノ
イズ重畳解消検出のためのしきい値がノイズ重畳検出の
ためのしきい値より低くされる。また、相異なる事象に
基づいて検出が行われる場合もある。したがって、ノイ
ズ重畳の検出とノイズ重畳解消の検出とは別個に行う必
要があるが、常に両方を行うことは無駄であるため、ノ
イズ重畳解消の検出はノイズの重畳が検出されるまでは
行われないようにし、無駄なノイズ重畳解消検出の実行
を回避することが望ましいのである。したがって、本車
体速度検出装置によれば、さらに、ノイズ重畳解消検出
手段の無駄な検出作動を回避することができる。 ノイズ
重畳解消検出手段は、個別ノイズ重畳解消検出手段を含
むものであっても、全体ノイズ重畳解消検出手段を含む
もの等であってもよい。全体ノイズ重畳解消検出手段に
は、例えば、車両が設定速度以上で走行していることを
検出する走行状態検出手段や、最大回転速度や最大回転
加速度が適正範囲内になったことを検出する適正範囲内
検出手段等が含まれる。 個別ノイズ重畳検出手段によっ
て、回転速度各々についてノイズが重畳しているか否か
が検出された場合でも、個別ノイズ重畳解消検出手段に
よってノイズ重畳が解消されたか否かが検出される場合
と、全体ノイズ重畳解消検出手段によってノイズ重畳が
解消されたか否かが検出される場合とがある。全体ノイ
ズ重畳解消検出手段によってノイズの重畳が解消された
と検出されれば、回転速度各々に対してもノイズの重畳
が解消されたと検出することができるからである。ま
た、個別ノイズ重畳解消検出手段によってノイズ重畳の
解消を検出する場合に、個別ノイズ重畳検出手段によっ
てノイズが重畳していると検出された回転速度に対して
のみノイズの重畳が解消されたか否かを検出しても、複
数の回転速度すべてに 対してノイズの重畳が解消された
か否かを検出してもよい。 同様に、相対ノイズ重畳検出
手段によって、少なくとも1つの回転速度にノイズが重
畳していると検出された場合には、全体ノイズ重畳解消
検出手段によってノイズの重畳が解消されたか否かを検
出しても、個別ノイズ重畳解消検出手段によって回転速
度各々に対してノイズの重畳が解消されたか否かを検出
してもよい。 (3)前記ノイズ重畳検出手段が、前記複数の回転速
度の少なくとも1つを選択して基準回転速度とする基準
回転速度選択手段と、その基準回転速度選択手段によ
って選択された基準回転速度に基づいて前記複数の回転
速度の少なくとも1つにノイズが重畳しているか否かを
検出する基準回転速度依拠ノイズ重畳検出手段とを含む
(1) 項または(2) 項に記載の車体速度検出装置(請求項
1)。 (4)前記基準回転速度依拠ノイズ重畳検出手段が、前
記基準回転速度が設定速度以下である場合に、前記複数
の回転速度の少なくとも1つにノイズが重畳しているか
否かを検出する(3) 項に記載の車体速度検出装置(請求
項2)。 (5)前記基準回転速度依拠ノイズ重畳検出手段が、前
記複数の回転速度のうち少なくとも1つの回転速度と前
記基準回転速度との差が設定速度より大きいか否かを検
出する対基準回転速度差検出手段を含み、その対基準回
転速度差検出手段によって、少なくとも1つの回転速度
と基準回転速度との差が設定速度差より大きいと検出さ
れた場合には、その少なくとも1つの回転速度にノイズ
が重畳していると検出するものである(3) 項に記載の車
体速度検出装置(請求項3)。 本項に記載の車体速度検
出装置においては、ノイズの重畳が基準回転速度に基づ
いて検出される。基準回転速度は基準回転速度選択手段
によって選択され、ノイズの重畳は基準回転速度依拠ノ
イズ重畳検出手段によって検出される。 例えば、(4) 項
に記載の車体速度検出装置におけるように、基準回転速
度に基づいて当該車体速度検出装置が搭載された車両が
停止状態にあるか否かが判定され、基準回転速度が設定
速度以下であり、車両が停止状態にあると検出された場
合において、回転速度自体またはそれの時間当たりの変
化量が設定回転速度または設定回転速度変化量より大き
い場合には、その回転速度にノイズが重畳していると検
出されるようにすることができる。レーシングに起因し
て生じるノイズは 、車両が停止状態にある場合に生じ易
いからである。この場合には、基準回転速度依拠ノイズ
重畳検出手段が、ノイズがレーシングの発生に起因して
生じたことを検出するレーシング起因ノイズ重畳検出手
段であると考えることができる。 また、(5) 項に記載の
車体速度検出装置におけるように、回転速度と基準回転
速度との差が設定速度差より大きい場合に、その回転速
度にノイズが重畳していると検出することもできる。例
えば、(7) 項に記載の左側車輪の回転速度と右側車輪の
回転速度とにおいて、小さい方の回転速度が基準回転速
度として選択されたと考えた場合がこれに該当する。 基
準回転速度は、通常、大きさが異常でなく、ノイズが重
畳しているわけでもないものとされる。したがって、基
準回転速度との差が設定速度差より大きい場合には、そ
の回転速度にはノイズが重畳していると推定することが
できる。ノイズが重畳しているか否かが検出される被検
出回転速度は1つであっても複数であってもよく、複数
の場合には、例えば、複数の被検出回転速度の平均と基
準回転速度との差が設定速度差より大きいか否かを検出
してもよい。また、被検出回転速度各々についてそれぞ
れ検出してもよく、その場合には、基準回転速度依拠ノ
イズ重畳検出手段は、個別ノイズ重畳検出手段の一種と
考えることができる。 基準回転速度選択手段によって選
択される基準回転速度は1つであっても2つ以上であっ
てもよい。1つの場合には、予め定められた位置の車輪
の回転速度としても、複数の回転速度のうちの最大値,
最小値あるいは中間値等としてもよい。2つ以上の場合
には、複数の回転速度の平均値を基準回転速度としても
よい。 (6)前記基準回転速度選択手段が、前記基準回転速度
を、複数の回転速度から大きさが異常な回転速度を除い
た回転速度から選択する異常除外型基準回転速度選択手
段を含む(1) 項ないし(5) 項のいずれか1つに記載の車
体速度検出装置(請求項4) 。基準回転速度は、ノイズ
重畳検出またはノイズ重畳解消検出に使用するために選
択される回転速度であるが、基準回転速度をノイズ重畳
の目的以外にも使用できる。例えば、基準回転速度に基
づいて車体速度を推定することもでき、特に、本項の発
明によれば、基準回転速度が大きさが異常な回転速度を
除いた回転速度から選択されるため、車体速度を良好に
推定することができる。そのため、ノイ ズが重畳してい
るか否かの検出精度を向上させることができ、ノイズの
重畳に起因して誤った車体速度が検出されることを良好
に回避することができる。 ここで、大きさが異常な回転
速度には、例えば、断線等の異常が発生していると推定
された回転速度検出装置によって出力された回転速度が
該当する。また、他の回転速度の大きさとの差または比
率が設定回転速度差または設定比率より大きい場合、ま
たは小さい場合にその回転速度の大きさが異常であると
考えることもできる。 (7)前記回転速度検出装置が、少なくとも前輪側およ
び後輪側のいずれか一方の側に属する左側車輪および右
側車輪の回転速度をそれぞれ検出する左側回転速度検出
装置および右側回転速度検出装置を含み、かつ、前記ノ
イズ重畳検出手段が、左側回転速度検出装置によって検
出された左側回転速度と右側回転速度検出装置によって
検出された右側回転速度との左右回転速度差に関連する
回転速度差関連量が設定量より大きい場合に、左側回転
速度と右側回転速度とのいずれか一方にノイズが重畳し
ていると判定する左右回転速度差依拠ノイズ重畳判定手
段を含む(1) 項ないし(6) 項のいずれか1つに記載の車
体速度検出装置(請求項5)。 左側回転速度検出装置お
よび右側回転速度検出装置は、前輪側に属する左側車輪
および右側車輪の回転速度をそれぞれ検出するものであ
っても、後輪側に属するそれらの回転速度をそれぞれ検
出するものであってもよく、左前輪および左後輪の回転
速度の平均値,右前輪および右後輪の回転速度の平均値
をそれそれ検出するものであってもよい。 本項に記載の
車体速度検出装置においては、左右の回転速度差に関連
する回転速度差関連量が設定量より大きい場合には、左
右回転速度のいずれか一方にノイズが重畳していると検
出することができる。 回転速度差関連量は、左側回転速
度検出装置によって検出された回転速度と右側回転速度
検出装置によって検出された回転速度との差であって
も、その回転速度差を予め定められた関数に基づいて演
算した結果であっても、左側回転速度と右側回転速度と
をそれぞれ予め定められた回転速度差に関連する関数に
基づいて演算した結果であってもよい。 回転速度差関連
量の設定量は、例えば、実際に車輪の回転によって生じ
ると推定される理論上の最大回転速度差関連量とするこ
とができる。ノイズが重畳している場合には、回転速度
差関連量が実際の車輪の回転によっては生じ得ないほど
大きくなるため、最大速度差関連量より大きい場合に
は、いずれか一方の回転速度にノイズが重畳していると
検出することができる。 (8) それぞれ1つ以上の車輪を含む複数の車輪群の回
転速度をそれぞれ検出する複数個の回転速度検出装置
と、それら複数個の回転速度検出装置によって検出され
た各々の回転速度の少なくとも1つを指定回転速度に指
定する回転速度指定手段と、その回転速度指定手段によ
って指定された少なくとも1つの指定回転速度に基づい
て車体速度を推定する車体速度推定手段とを含む車体速
度検出装置であって、当該車体速度検出装置が、前記複
数の回転速度各々にノイズが重畳しているか否かを検出
するノイズ重畳検出手段を含み、前記回転速度指定手段
が、そのノイズ重畳検出手段によってノイズが重畳して
いると検出された回転速度を除いた回転速度から少なく
とも1つの指定回転速度を指定するノイズ重畳輪除外型
回転速度指定手段を含む車体速度検出装置(請求項
7)。ノイズが重畳している回転速度に基づいて車体速
度が推定されると、車体速度が誤って推定される。それ
を回避するために、ノイズが重畳していない回転速度に
基づいて車体速度を推定することが望ましい。本項に記
載のノイズ重畳検出手段は、回転速度各々にノイズが重
畳しているか否かを検出する前記個別ノイズ重畳検出手
段を含むものと考えることができる。また、本項に記載
の回転速度指定手段は、ノイズ重畳検出手段による検出
結果に応じた回転速度を指定するものであるため、車体
速度推定手段の車体速度推定規則を変更する手段の一態
様であると考えることもでき、その場合には、回転速度
指定手段は、(1) 項にいうノイズ重畳対応推定規則変更
手段の一種と考えることができる。(9) 前記回転速度指定手段が、前記ノイズ重畳検出手
段によってすべての回転速度にノイズが重畳していない
と検出された場合には、予め定められた車輪の回転速度
を前記指定回転速度に指定する通常回転速度指定手段を
含む(8) 項に記載の車体速度検出装置。「予め定められ
た車輪」は1個でも複数個でもよい。「予め定められた
車輪」は位置が予め定められている場合と、例えば、最
大,最小あるいは中間の回転速度で回転する車輪のよう
に、決定規則が予め定められている場合とがある。ま
た、予め定められた車輪が複数個である場合には、複数
個の車輪の回転速度の平均値としたり、複数個の車輪の
うちの最大あるいは最小の回転速度等としたりすること
ができる。(10) 当該車体速度検出装置が、駆動輪と非駆動輪と
を含む車両に搭載され、前記回転速度検出装置が、前記
駆動輪の回転速度を検出する駆動輪回転速度検出装置
と、前記非駆動輪の回転速度を検出する非駆動輪回転速
度検出装置とを含み、かつ、前記通常回転速度指定手段
が、前記駆動輪回転速度検出装置によって検出された回
転速度を前記指定回転速度に指定する駆動輪回転速度指
定手段を含む(9) 項に記載の車体速度検出装置。予め定
められた車輪は駆動輪であっても非駆動輪であってもよ
いが、本項に記載の車体速度検出装置によれば、駆動輪
の回転速度が指定され、車体速度が駆動輪の回転速度に
基づいて推定される。本車体速度検出装置が、車体速度
をスピードメータに供給する車体速度スピードメータ供
給手段を備えている場合には、駆動輪の回転速度を指定
する。スピードメータが表示する車体速度は、非駆動輪
の方が精度上望ましいが、車両検査時のメータ精度評価
や駆動軸の回転に基づいて車両速度を求める従来の方法
との共用化のためにも、駆動輪の回転速度に基づいて速
度を出力することとされている。駆動輪回転速度検出装
置は、複数個の駆動輪各々の回転速度を検出するもので
あっても、複数個の駆動輪の回転速度の平均値を検出す
るものであってもよい。逆に、通常回転速度指定手段
を、非駆動輪回転速度検出装置によって検出された回転
速度を指定回転速度に指定する非駆動輪回転速度指定手
段を含むものとしてもよい。技術上は、非駆動輪の回転
速度に基づいて車体速度を推定した方が車体速度の推定
精度が高くなることが多いのである。(11) 前記ノイズ重畳検出手段が、ノイズが重畳して
いるか否かが検出されるべき回転速度を指定する被検出
回転速度指定手段を含み、その被検出回転速度指定手段
によって指定された回転速度に対してノイズが重畳して
いるか否かを検出するものである(1) 〜(10)項のいずれ
か1つに記載の車体速度検出装置。本項の被検出回転速
度指定手段は、複数の回転速度すべてを指定する手段と
しても、複数の回転速度のうちの予め定められた一部の
回転速度を指定する手段としてもよい。後者の被検出回
転速度指定手段を含む態様が請求項6の態様であり、例
えば、当該車体速度検出装置が搭載された車両の構造等
に起因して共振し易い車輪が決まっている場合に有効で
あり、その共振し易い車輪の回転速度のみが指定される
ようにするのである。当該車体速度検出装置が搭載され
た車両が駆動輪と非駆動輪とを含む場合には、レーシン
グに起因して駆動系に共振が生じると、その共振が駆動
輪に生じ易く非駆動輪には生じ難い。そのため、非駆動
輪の回転速度にノイズが重畳したか否かを検出する必要
性は低い。また、同様に、車体速度が駆動輪の回転速度
に基づいて推定されるようになっている場合には、その
駆動輪の回転速度に対してのみノイズが重畳したか否か
を検出すればよい。車体速度を推定するための回転速度
以外の回転速度に対してノイズが重畳したか否かを検出
する必要性は低いのである。また、(7) 項の左右回転速
度差回転差依拠ノイズ重畳検出手段によって左右車輪の
いずれか一方にノイズが重畳しているか否かが検出され
る場合において、前輪側および後輪側の少なくとも一方
の側に属する1つ以上の右側車輪の回転速度および左側
車輪の回転速度は、本項に記載の被検出回転速度指定手
段によって指定された被検出回転速度であると考えるこ
とができる。(12) 前記被検出回転速度指定手段が、予め定められ
た優先順位に従って被検出回転速度を指定する優先順位
対応被検出回転速度指定手段を含む(11)項に記載の車体
速度検出装置。回転速度にノイズが重畳し易い車輪の順
序が車両の構造等により予めわかっている場合がある。
この場合には、被検出回転速度を、ノイズが重畳し易い
順番に指定すれば、ノイズが重畳しているか否かの検出
を早く行うことが可能となる。駆動輪と非駆動輪とを備
えている車両においては、通常、駆動輪の回転速度の優
先順位が非駆動輪のそれより上位となる。(13) 前記ノイズ重畳検出手段が、前記複数の回転速
度の少なくとも1つの回転速度に関連する回転速度関連
量が予め定められたノイズ重畳条件を満たす場合にノイ
ズが重畳していると検出するものである(1) 〜(12)項の
いずれか1つに記載の車体速度検出装置。回転速度関連
量には、回転速度そのものだけでなく、回転速度の時間
当たりの変化量である回転加速度や回転減速度等も含ま
れる。例えば、回転速度が車両が停止状態にある場合に
は生じ得ないほどの大きさになった場合や、回転加速度
が車輪を一方向に加速させた場合に現実に生じ得る大き
さより大きくなった場合に、ノイズ重畳条件が満たされ
たと検出することができる。(14) 前記ノイズ重畳条件が、前記複数の回転速度各
々の単位時間当たりの変化量が設定変化量より大きいこ
とを含む(13)項に記載の車体速度検出装置。回転速度関
連量の一態様としての回転速度の時間当たり変化量は、
車輪速度センサ等、車輪の回転速度を検出するセンサの
出力信号、すなわち、フィルタ処理を行う以前の出力信
号(または弱いフィルタ処理後の出力信号や処理回数が
少ない出力信号)の変化量とすることも、フィルタ処理
後の出力信号(または強いフィルタ処理後の出力信号や
処理回数が多い出力信号)の変化量とすることも可能で
ある。前者は後者より回転速度の変化量がより大きく、
ノイズの重畳を検出し易いが、検出すべきノイズの種類
によってはフィルタ処理後の出力信号による方がよい場
合もあるのである。また、上記変化量が負の場合には、
それが負の設定変化量より小さいこと(回転減速度が設
定減速度より大きいこと)がノイズ重畳条件となる。(15) 前記ノイズ重畳解消検出手段が、複数の回転速
度各々に関連する回転速度関連量が予め定められたノイ
ズ重畳解消条件を満たす場合にノイズの重畳が解消した
と検出するものである(2) ,(13), (14)項のいずれか1
つに記載の車体速度検出装置。(16) 前記ノイズ重畳条件およびノイズ重畳解消条件
が、それら両条件が共に満たされない領域が存在するよ
うに設定された(15)項に記載の車体速度検出装置。ノイ
ズ重畳条件が満たされなくなると直ちにノイズ重畳解消
条件が満たされる場合には、回転速度関連量がノイズ重
畳条件(ノイズ重畳解消条件)近傍の大きさである場合
に、ノイズ重畳と重畳解消とが交互に頻繁に検出され、
車体速度検出装置の出力が振動的になるおそれがある。
それに対して、上記両条件が共に満たされない領域があ
り、ノイズ重畳条件が満たされなくなっても直ちにはノ
イズ重畳解消条件が満たされないようにすれば、そのお
それを解消することができる。通常は、一旦ノイズ重畳
が検出された場合には、容易に重畳の解消が検出されな
いようにすることが望ましい。(17) 前記ノイズ重畳解消検出手段が、当該車体速度
検出装置が搭載された車両のエンジンがレーシング状態
にある可能性があるか否かを推定するレーシング可能性
推定手段と、そのレーシング可能性推定手段によってエ
ンジンがレーシング状態にある可能性がないと推定され
た場合に、前記ノイズ重畳解消条件が満たされたとする
非レーシング時ノイズ重畳解消検出手段を含む(2) ,(1
5), (16)項のいずれか1つに記載の車体速度検出装置。
ノイズは、レーシングの発生に起因して重畳する場合が
多い。そのため、レーシング状態にある可能性がなくな
れば、ノイズが重畳する可能性が非常に低くなり、ノイ
ズの重畳が解消されたと検出することができる。(18) 前記ノイズ重畳解消検出手段が、(a) 前記回転
速度関連量がノイズ重畳条件が満たされない大きさとな
り、その状態が設定時間以上続いたことと、(b)前記複
数の回転速度のうちノイズが重畳していない回転速度が
設定速度以上になったことと、(c) すべての回転速度が
0となり、その状態が設定時間以上続いたこととの少な
くとも1つの条件が満たされた場合に前記ノイズ重畳解
消条件が満たされたとするものである(15)項または(16)
項に記載の車体速度検出装置。例えば、ノイズが重畳し
ていると検出された回転速度の単位時間当たりの変化量
が設定変化量以下になり、その状態が設定時間以上継続
した場合に、ノイズの重畳が解消したと検出される。こ
のように、条件(a) が満たされた場合にノイズ重畳解消
条件が満たされるとする回転速度関連量依拠ノイズ重畳
解消検出手段は前記個別ノイズ重畳解消検出手段の一種
である。また、ノイズが重畳していない回転速度が設定
回転速度以上になれば、実際に車両が通常走行状態にな
ったと見なすことができ、その場合はすべての回転速度
についてノイズの重畳が解消したと見なすことができ
る。この設定速度の大きさは、例えば10km/hとするこ
とができる。このように、条件(b) が満たされた場合に
ノイズ重畳解消条件が満たされたとする走行状態依拠ノ
イズ重畳解消検出手段は前記全体ノイズ重畳解消検出手
段の一種と考えることができる。また、車両が走行状態
にあれば、エンジンがレーシング状態にある可能性が低
いと推定することができるため、(17)項の非レーシング
時対応ノイズ重畳解消検出手段の一種と考えることもで
きる。さらに、すべての車輪の回転速度、換言すれば、
複数の回転速度のうちの最大値が0となり、その状態が
設定時間以上続いた場合にはノイズの重畳が解消したと
見なすことができる。(c) のノイズ重畳解消検出条件
が、複数の車輪の回転速度すべてが0になった場合に満
たされると考えれば、この0回転速度依拠ノイズ重畳解
消検出手段は、個別ノイズ重畳解消検出手段の一種と考
えることができるが、このノイズ重畳解消条件が、上述
のように、複数の回転速度のうちの最大値が0である場
合に満たされると考えれば、全体ノイズ重畳解消検出手
段の一種と考えることもできる。(19) 前記基準回転速度選択手段が、複数個の回転速
度検出装置によって検出された複数の回転速度の中で大
きさが異常であるものを検出する回転速度異常検出手段
を含み、前記異常除外型基準回転速度選択手段が、その
回転速度異常検出手段によって検出された異常な回転速
度を除く回転速度のうちの最も小さい回転速度を基準回
転速度とする正常最小回転速度選択手段を含む(3) 〜
(6),(11)〜(18)項のいずれか1つに記載の車体速度検出
装置。大きさが異常である回転速度は、例えば、断線等
異常が生じていると推定される回転速度検出装置によっ
て検出された回転速度であり、大きさが0の回転速度で
ある。したがって、大きさが0である異常な回転速度を
除いた回転速度のうちで最も小さい回転速度を基準回転
速度とすれば、その回転速度にノイズが重畳している確
率は非常に低くなる。大きさが0でない回転速度すべて
にノイズが重畳していることは稀だからである。(20) 前記回転速度異常検出手段が、前記複数の回転
速度が大きさが適正範囲内にある回転速度と大きさが0
である回転速度とを含む場合に、大きさが0である回転
速度を異常な回転速度であるとする相対的異常検出手段
を含む(19)項に記載の車体速度検出装置。複数の回転速
度が、大きさが0でない適正範囲内にあるものと大きさ
が0であるものとを含む場合には、大きさが0である回
転速度を検出した回転速度検出装置においては断線等の
異常が生じているおそれがあると推定することができ
る。回転速度の大きさが0であると検出された場合であ
っても、実際に車輪が回転していないのか、回転速度検
出装置において断線等の異常が生じているのかいずれか
が判定し難い場合があるが、本項に記載の車体速度検出
装置によれば、断線等の異常が生じているか否かを容易
に検出することができる。しかし、(31)項において述べ
るように、他の回転速度の大きさと比較することなく回
転速度の大きさが異常か否かを検出することも可能であ
る。また、本項に記載の回転速度異常検出手段は、回転
速度検出装置内において断線等異常が生じているか否か
を検出する断線検出手段と称することもできる。(21) 当該車体速度推定手段が、前記回転速度異常検
出手段によって大きさが異常であると検出された回転速
度を出力した回転速度検出装置の個数と、前記ノイズ重
畳検出手段によって、ノイズが重畳したと検出された回
転速度を出力した回転速度検出装置の個数とを合わせた
個数が設定個数以上である場合には、車体速度を0とす
る車体速度0決定手段を含む(19)項または(20)項に記載
の車体速度検出装置。断線している回転速度検出装置や
ノイズが重畳している回転速度を出力する回転速度検出
装置が多数個ある場合には、精度よく車体速度を推定す
ることが不可能である。その場合には、車体速度を0と
することが望ましい場合がある。多数個は、4個の車輪
を備えた車両においては例えば3個である。本項に記載
の車体速度検出装置において、ノイズが重畳したと検出
された回転速度を出力した回転速度検出装置が1個以上
含まれる場合にのみ、車体速度の大きさを0と決定する
ようにすれば、車体速度0決定手段は、そのノイズ重畳
検出結果に応じて車体速度の大きさを0であると決定す
るノイズ重畳時車体速度0決定手段であることになる。
このノイズ重畳時車体速度0決定手段は、ノイズ重畳推
定規則変更手段の一種であると考えることができる。(22) 当該車体速度検出装置が、当該車体速度検出装
置が搭載された車両のエンジンがレーシング状態にある
可能性があるか否かを推定するレーシング可能性推定手
段を含み、前記ノイズ重畳推定手段が、そのレーシング
可能性推定手段によってレーシング状態にある可能性が
あると推定された場合に前記複数の回転速度の少なくと
も1つにノイズが重畳しているか否かを検出するレーシ
ング起因ノイズ重畳検出手段を含む(1) 〜(6),(8) 〜(2
1)項のいずれか1つに記載の車体速度検出装置。本項に
記載の車体速度検出装置においては、車体速度がレーシ
ング起因ノイズ重畳検出手段による検出結果に応じた推
定規則に基づいて推定される。レーシング起因ノイズ重
畳検出手段によってノイズが重畳していることが検出さ
れれば、レーシング状態にあるとの推定が正しい確率は
高い。(23) 前記レーシング可能性推定手段が、エンジンが
無負荷状態にあることと、エンジンの回転数が設定数以
上であることとの少なくとも一方の条件が満たされた場
合に、エンジンがレーシング状態にある可能性があると
検出するものである(22)項に記載の車体速度検出装置。
レーシング状態は、エンジンが無負荷状態にあってかつ
回転数が設定回転数以上の状態であるため、いずれか一
方の状態にあれば、レーシング状態にある可能性がある
と推定できる。また、上述のいずれか一方の状態にある
場合と、両方の状態にある場合とでは、前者の方がレー
シング状態にあるとの推定が正しい確率が低く、後者の
場合の方が確率が高い。このように、いずれか一方の状
態にある場合と、両方の状態にある場合とで、レーシン
グ状態にあるとの推定が正しい確率が低いか高いかを決
定することが可能であり、この場合には、レーシング可
能性推定手段を、推定確率決定手段を含むものとするこ
とができる。シフトレバーがニュートラル位置やパーキ
ング位置にある場合、あるいはクラッチが非接続状態に
ある場合に、エンジンが無負荷状態にあるとみなすこと
ができる。また、オートマチックトランスミッションを
備えた車両においては、シフトレバーがドライブ位置に
あっても車両が停止状態にある場合にはレーシング状態
にある可能性があると推定することができる。この場
合、ブレーキペダルが踏み込まれていることを検出する
ことによって車両が停止状態にあるか否かを推定するこ
とができる。エンジンの回転数はエンジンの出力軸の回
転数を直接検出することによって検出できるが、アクセ
ルペダルが踏み込まれたか否か、スロットルバルブ開度
が設定開度以上か否か等に基づいてエンジン回転数が設
定回転数になる可能性があるか否かを検出することがで
きる。このように、運転者の操作部材の操作に基づいて
車両がレーシング状態にあるか可能性があるか否かを推
定する場合には、レーシングの可能性の推定が車両が四
輪駆動車であっても、二輪駆動車であっても可能とな
る。(24) 前記レーシング可能性推定手段が、前記基準回
転速度が設定速度以下の場合にレーシング状態になる可
能性があると推定する基準回転速度依拠レーシング可能
性推定手段を含む(23)項に記載の車体速度検出装置。前
述のように、基準回転速度が設定速度以下であれば、車
両が停止状態にあると検出することができるため、上記
基準回転速度依拠レーシング可能性推定手段は、基準回
転速度依拠停止状態推定手段と称することができる。(25) 当該車体速度検出装置が搭載された車両が、少
なくとも前輪側および後輪側に複数個の車輪を含むもの
であり、前記レーシング起因ノイズ重畳検出手段が、前
記レーシング可能性検出手段によってレーシング状態に
なる可能性があると検出された場合に前記前輪側および
後輪側のいずれか一方の側に属するすべての車輪の回転
速度関連量が共に適正範囲外にあるか否かを検出し、共
に適正範囲外にある場合にその一方の側に属するすべて
の車輪の回転速度にノイズが重畳していると検出する適
正範囲外依拠レーシング起因ノイズ重畳検出手段を含む
(22)項〜(24)項のいずれか1つに記載の車体速度検出装
置。例えば、回転速度の大きさが車両が停止状態にある
場合には生じえないほどの大きさになれば、適正範囲外
の大きさにあると検出される。また、回転加速度の大き
さが車輪を一方向に加速させた場合に現実に生じ得る大
きさより大きくなった場合に適正範囲外の大きさにある
と検出される。(26) 当該車体速度検出装置が搭載された車両が、駆
動輪と非駆動輪とを含むものであり、前記回転速度検出
装置が、前記駆動輪の回転速度を検出する駆動輪回転速
度検出装置と、前記非駆動輪の回転速度を検出する非駆
動輪回転速度検出装置とを含み、かつ、前記レーシング
起因ノイズ重畳検出手段が、前記レーシング可能性推定
手段によってレーシング状態にある可能性があると推定
された場合に前記駆動輪回転速度検出装置によって検出
された駆動輪回転速度と非駆動輪回転速度検出装置によ
って検出された非駆動輪回転速度との差が設定速度差よ
り大きいか否かを検出し、これら回転速度の差が設定速
度差より大きい場合にいずれか一方の車輪の回転速度に
ノイズが重畳していると検出する駆動輪非駆動輪差依拠
レーシング起因ノイズ重畳検出手段を含む(22)項〜(25)
項のいずれか1つに記載の車体速度検出装置。レーシン
グが発生した場合には、前輪側と後輪側とのいずれか一
方の側のみに、あるいは駆動輪側と非駆動輪側とのいず
れか一方の側のみに共振が生じることが多い。したがっ
て、これらの現象が生じたか否かをレーシング状態にあ
る可能性があると推定された場合に検出すれば、レーシ
ングに起因してノイズが重畳したか否かを検出すること
ができる。通常、レーシングに起因したノイズは、駆動
輪の回転速度に重畳し易い。したがって、本項に記載の
車体速度検出装置においては、たいてい、駆動輪の回転
速度の方が非駆動輪の回転速度より大きくなる。また、
(25)項に記載の車体速度検出装置においては、車両が二
輪駆動車である場合と四輪駆動車である場合とがある
が、二輪駆動車である場合には、前輪側と後輪側とのい
ずれか一方の側に属する車輪が駆動輪でいずれか他方の
側に属する車輪が非駆動輪となり、駆動輪側に共振が生
じ、ノイズが重畳し易い。駆動輪側に属するすべての車
輪の回転速度関連量が適正範囲外の大きさとなるのであ
る。しかし、稀に、駆動輪のうちのいずれか片輪にのみ
ノイズが重畳し易くなっている車両があり、その場合に
は、その駆動輪の回転速度関連量が適正範囲外の大きさ
が否かを検出すればよいことになる。適正範囲外にある
か否かの検出は、駆動輪片輪適正範囲外検出手段によっ
て行われることになる。それに対して、四輪駆動車であ
る場合には、どの車輪に共振が生じるかは一般的にはわ
からないが、車の構造等によって前輪側と後輪側とのい
ずれか一方に属する車輪に共振が生じ易くなっているこ
とがあり、この場合には、(25)項に記載の適正範囲外依
拠レーシング起因ノイズ重畳検出手段によりノイズの重
畳を検出することができる。(27) 前記レーシング起因ノイズ重畳検出手段が、前
記基準回転速度依拠レーシング可能性推定手段によって
エンジンがレーシング状態にある可能性があると推定さ
れた場合に、前記複数個の回転速度検出装置によって検
出された複数の回転速度の少なくとも1つの回転速度の
単位時間当たり変化量が設定変化量より大きい場合にノ
イズ重畳条件が満たされたと検出する回転速度変化量依
拠レーシング起因ノイズ重畳検出手段を含む(24)〜(26)
項のいずれか1つに記載の車体速度検出装置。本項に記
載の車体速度検出装置においては、基準回転速度に基づ
いて車両が停止状態にあると推定された場合において、
少なくとも1つの回転速度の単位時間当たりの変化量が
設定変化量より大きい場合に、その回転速度にノイズが
重畳していると検出される。ここで、基準回転速度が、
(6) 項の異常除外型基準回転速度選択手段や(19)項の正
常最小回転速度選択手段によって選択された回転速度で
ある場合には、基準回転速度の大きさが正常であるた
め、車両が停止状態にあるか否かの推定精度を向上させ
ることができ、ノイズが重畳しているか否かの検出の信
頼性を向上させることができる。さらに、本項の回転速
度変化量依拠レーシング起因ノイズ重畳検出手段は、
(3) 〜(5) 項の基準回転速度依拠ノイズ重畳検出手段の
一種である。(28) 前記回転速度差関連量が前記左側車輪と右側車
輪との回転速度差を含み、前記左右回転速度差依拠ノイ
ズ重畳検出手段がノイズ重畳を判定するためにその回転
速度差と比較する設定量が、車両が最小回転半径で旋回
していると仮定した場合の回転速度差である極限旋回時
回転速度差と、スリップに起因して左側車輪と右側車輪
とに実際に生じ得る回転速度差の最大値であるスリップ
起因最大回転速度差との和である(7) 項に記載の車体速
度検出装置。左側車輪と右側車輪との回転速度差が、旋
回とスリップとの両方を考慮して理論上生じ得る最大の
回転速度差より大きい場合に、大きい側の回転速度にノ
イズが重畳したとすることができる。ノイズが重畳する
場合には、左右両輪に同時にノイズが重畳し始めること
は稀で、時間差があるのが普通だからである。(29) 前記回転速度検出装置が、複数個の車輪各々と
一体的に回転可能な被検出部と、その被検出部と相対回
転可能に車体側部材に設けられ、被検出部との距離の周
期的変化に応じた信号を出力する検出部とを含む(1) 〜
(28)項のいずれか1つに記載の車体速度検出装置。(30) 前記被検出部が磁性材料によって形成されたも
のであり、前記検出部が磁気発生部およびコイルを備
え、被検出部との距離の周期的変化に起因する磁束の周
期的な変化に伴ってコイルに発生する交流電流を前記出
力信号とするものである(29)項に記載の車体速度検出装
置。回転速度検出装置が、車輪側の被検出部と車体側の
検出部との距離の周期的な変化に基づいて車輪の回転速
度を検出するものである場合には、車体側部材と車輪と
の間に相対的な振動が生ずれば、回転速度にノイズが重
畳する。検出部に回転速度演算手段が接続されるが、こ
の演算手段が出力信号の周波数に基づいて回転速度を演
算するものである場合には特にノイズが回転速度の演算
結果に影響を及ぼし易い。車輪の回転速度を検出する場
合には、通常、本項の電磁ピックアップ式回転速度検出
装置が使用される。この場合には、回転速度演算手段
が、コイルから出力された交流電流の周波数に基づいて
回転速度を演算するものとされるのが普通である。(31) 前記回転速度異常検出手段が、前記回転速度検
出装置によって出力されるはずの交流電流を検出できな
い場合に、その回転速度検出装置によって出力された回
転速度(出力信号)の大きさが異常であると検出する絶
対的異常検出手段を含むものとする(19)項に記載の車体
速度検出装置。交流電流が検出されるべきときに検出さ
れない場合には、その回転速度検出装置において断線等
異常が生じていると検出することができる。交流電流が
出力されれば、必ず、しきい値と交差する信号があるは
ずである。それに対して、交差する信号が設定時間以上
検出されない場合には、交流電流が出力されていないと
判定することができる。(32) 当該車体速度検出装置が、前記車体速度推定手
段によって推定された車体速度を外部機器に供給する車
体速度供給手段を含む(1) 項〜(31)項のいずれか1つに
記載の車体速度検出装置。(33) 前記外部機器が、駆動系制御装置(エンジン制
御装置,駆動力配分制御装置,トランスミッション制御
装置),操舵系制御装置(後輪操舵制御装置),サスペ
ンション制御装置,制動系制御装置(アンチスキッド制
御装置,トラクション制御装置),ナビゲータ制御装
置,スピードメータのうちの1個以上を含み、前記車体
速度供給手段が、これらのうち少なくとも1個の装置に
車体速度を供給するものである(32)項に記載の車体速度
検出装置。車体速度検出装置によって推定された車体速
度を外部機器に供給すれば、その外部機器において車体
速度を推定する必要がなくなり、その分、制御プログラ
ムを簡単にすることができる。また、車体速度を複数個
の外部機器に供給すれば、それぞれの外部機器において
個別に車体速度を推定する必要がなくなり、車両全体の
センサの統合化を図ることができ、その結果、コストダ
ウンを図ることができる。また、車体速度の他に、ノイ
ズ重畳検出手段による検出結果、回転速度検出装置の出
力値等を外部装置に供給することもできる。各外部機器
において、これらが利用されれば、制御プログラムを容
易にしたり、制御精度を向上させたりすることができる
とともにセンサの統合化およびコストダウンをより一層
図ることができる。なお、エンジン制御装置なる用語
は、燃料噴射制御,点火時期制御,ノック制御,アイド
ル回転数制御等を総合的に行うエンジン総合制御装置
と、これら制御を個々に行うエンジン個別制御装置との
両方を包含するものとする。(34) 前記車体速度供給手段が、前記車体速度推定手
段によって推定された車体速度を複数個の外部機器に供
給するものであり、かつ、当該車体速度検出装置が、前
記車体速度推定手段によって推定された車体速度を処理
する処理手段と、その処理手段を、前記外部機器の種類
に対応して制御する処理手段制御手段とを含む(32)項ま
たは(33)項に記載の車体速度検出装置。ここで、処理手
段による処理は、例えば、フィルタ処理であり、フィル
タ自体を処理手段と考えることも可能である。車体速度
推定手段によって推定された車体速度を、複数個の外部
機器にそれぞれ供給する場合には、外部機器各々に供給
される車体速度はすべて同じであっても、外部機器の種
類に応じて異なっていてもよい。例えば、車体速度推定
手段によって推定された車体速度をアンチスキッド制御
装置とスピードメータとに供給する場合において、アン
チスキッド制御装置に供給する車体速度は、制御精度を
向上させるため、変動が多少大きくても遅れが小さい方
が望ましい。したがって、車体速度推定手段によって推
定された車体速度のフィルタ処理の回数を少なくした
り、弱いフィルタ処理を施したりして、フィルタ処理の
度合いを小さくすることが望ましい。それに対して、ス
ピードメータに供給する車体速度は、表示速度の変動が
小さい方がよいため、フィルタ処理回数を多くしたり、
強いフィルタ処理を施したりして、フィルタ処理の度合
いを大きくすることが望ましい。このような処理は、外
部機器各々において行われるようにしてもよいが、車体
速度検出装置において行われるようにしてもよい。ま
た、これら処理手段および処理手段制御手段は、車体速
度推定手段が有していても、車体速度供給手段が有して
いても、両方が有していてもよい。(35) (1)項〜(34)項の いずれか1つに記載の車体速
度検出装置を含むアンチスキッド制御装置あるいはトラ
クション制御装置。本車体速度検出装置は、車輪の回転
速度に基づいて車体速度を推定により求めるものである
ため、車輪の回転速度と車体速度との両方を必要とする
アンチスキッド制御装置やトラクション制御装置の一部
とするのに適している。その上、本車体速度検出装置
を、アンチスキッド制御装置やトラクション制御装置以
外の1個以上の外部機器に車体速度を供給する装置にも
兼用すれば、専用の車体速度検出装置を省略することが
でき、コストダウンを図ることができる。また、本車体
速度検出装置の車体速度推定手段によって推定された車
体速度およびノイズ重畳検出手段によって検出されたノ
イズ重畳有無の検出結果に基づいてトラクション制御が
行われる場合において、駆動スリップが過大で、かつ、
ノイズが重畳していないと検出された場合にトラクショ
ン制御が開始されるようにすれば、ノイズの重畳に起因
して誤ってトラクション制御が開始されることを回避す
ることができる。(36)(1) 〜(9),(11)〜(25),(27)〜(35)項のいずれ
か1つに 記載の車体速度検出装置を搭載した四輪駆動
車。レーシングが発生すると、駆動系に共振が生じ易く
なり、駆動輪の回転速度にノイズが重畳し易くなる。そ
のため、二輪駆動車の場合には、駆動輪の回転速度と非
駆動輪の回転速度とを比較すること等によってノイズが
重畳したか否かを高い信頼性をもって検出することがで
きる。それに対して、四輪駆動車においては、すべての
車輪が駆動輪であるため、ノイズが重畳したか否かを二
輪駆動車における場合と同様に検出することができず、
特殊な対策が必要となる。(37) 複数個の車輪の回転速度を各々検出する複数個
の回転速度検出装置と、前記複数の回転速度のうちの少
なくとも1つに基づいて車体速度を推定する車体速度推
定手段と、その車体速度推定手段によって推定された車
体速度を複数の外部機器に供給する車体速度供給手段と
を含む車体速度供給装置。複数の外部機器、特に3個以
上の外部機器に車体速度を共通に供給する車体速度供給
装置を設ければ、車両全体としてセンサを統合すること
ができ、コストダウンあるいは車両重量の軽減を図るこ
とができる。(38) 複数個の車輪の回転速度各々を検出する複数個
の回転速度検出装置と、前記複数の回転速度各々にノイ
ズが重畳しているか否かを検出するノイズ重畳検出手段
と、そのノイズ重畳検出手段による検出結果および前記
回転速度検出装置によって検出された回転速度に基づい
て車輪速度を推定する車輪速度推定手段とを含む車輪速
度検出装置。回転速度にノイズが重畳している場合に
は、回転速度検出装置によって検出された回転速度は実
際の車輪の回転速度ではない。その回転速度に基づいて
車輪速度が推定されると誤って推定される。それに対し
て、本項に記載の車体速度検出装置においては、車輪速
度が回転速度およびノイズ重畳検出手段による検出結果
に基づいて推定されるため、ノイズの重畳に起因して誤
った車輪速度が検出されることを良好に回避することが
できる。車輪に過大スリップが生じた場合に回転速度検
出装置によって検出される回転速度は実際の車輪の回転
速度である。車輪速度を推定する際に、ノイズが重畳し
ているか否かを検出する必要はあるが、過大スリップが
生じているか否かを検出する必要はないのである。(39) 前記車輪速度推定手段によって推定された車輪
速度に基づいて車体速度を推定する車体速度推定手段を
備えた(38)項に記載の車体速度等検出装置。(40) さらに、前記車輪速度推定手段によって推定さ
れた車輪速度と、前記車体速度推定手段によって推定さ
れた車体速度とを外部機器に供給する車体速度等出力手
段を含む(39)項に記載の車体速度等検出装置。外部装置
においてスリップ量が求められる場合において、車体速
度推定装置によって推定された車体速度と回転速度検出
装置によって検出された回転速度とが供給される場合に
は、誤って駆動スリップが過大であると検出される場合
がある。ノイズの重畳により回転速度が過大に検出さ
れ、車体速度との関係において駆動スリップが過大であ
ると検出されてしまうのである。それに対して、(38)項
の車輪速度検出装置によって検出された車輪速度と車体
速度とが供給されれば、ノイズに起因して誤って駆動ス
リップが過大であると検出されることが回避される。外
部装置がトラクション制御装置の場合には、本項に記載
の車体速度等検出装置における効果を、特に享受するこ
とができる。トラクション制御は、駆動スリップが過大
になった場合に行われ、各車輪の駆動スリップがほぼ適
正値にあるように行われる制御である。駆動スリップ
が、回転速度検出装置の出力値自体に基づいて求められ
る場合において、回転速度にノイズが重畳している場合
には、実際には駆動スリップが生じていないにもかかわ
らず、駆動スリップが過大であると検出され、トラクシ
ョン制御が誤って行われることがある。それに対して、
ノイズ重畳検出手段による検出結果と回転速度検出装置
によって検出された回転速度とに基づいて車輪速度を推
定する車輪速度推定手段によって推定された推定車輪速
度が使用されれば、回転速度にノイズが重畳していて
も、駆動スリップが過大になることが回避され、トラク
ション制御が誤って行われることが良好に回避される。
効果】 そこで本発明の課題は車体速度検出装置の信頼性
を一層高めることである。上記課題は、車体速度検出装
置を、下記各態様の構成のものとすることによって解決
される。各態様は、請求項と同様に、項に区分し、各項
に番号を付し、必要に応じて他の項の番号を引用する形
式で記載する。これは、本発明の理解を容 易にするため
であり、本明細書に記載の技術的特徴およびそれらの組
合わせが以下の各項に限定されると解釈されるべきでは
ない。また、1つの項に複数の事項が記載されている場
合、常に、すべての事項を一緒に採用しなければならな
いものではなく、一部の事項のみを取り出して採用する
ことも可能である。 (1)それぞれ1つ以上の車輪を含む複数の車輪群の回
転速度をそれぞれ検出する複数個の回転速度検出装置
と、 それら複数個の回転速度検出装置によって検出され
た各々の回転速度の少なくとも1つと推定規則とに基づ
いて車体速度を推定する車体速度推定手段とを含む車体
速度検出装置であって、 当該車体速度検出装置が、前記
複数の回転速度の少なくとも1つにノイズが重畳してい
るか否かを検出するノイズ重畳検出手段を含み、前記車
体速度推定手段が、そのノイズ重畳検出手段による検出
結果に応じて前記推定規則を変えるノイズ重畳対応推定
規則変更手段を含む車体速度検出装置。 本項に記載の車
体速度検出装置においては、車体速度は、車体速度推定
手段によって少なくとも1つの回転速度と推定規則とに
基づいて推定されるが、その推定規則は、ノイズ重畳検
出手段によって複数の回転速度のうちの少なくとも1つ
にノイズが重畳したことが検出されたとき変更される。
ノイズが重畳していても支障のない推定規則に変更され
るのであり、ノイズの重畳が原因で誤った車体速度が検
出されることが回避される。したがって、本車体速度検
出装置によれば、ノイズの重畳に起因して誤った車体速
度が検出されることを回避することができる。また、必
要に応じて、ノイズの重畳による誤りを回避しつつ車輪
の回転速度を検出することができ、さらに、ノイズ重畳
検出手段の検出結果に基づいて運転者にノイズの重畳を
警告したり、種々の制御を変更したり、禁止したりする
こともできる。 ノイズ重畳検出手段は、前述のように、
エンジンがレーシング状態にあることに起因して生じた
駆動系の共振に伴うノイズの重畳や、回転速度検出装置
の電気系の振動等に起因するノイズの重畳等を検出する
手段である。 また、ノイズ重畳検出手段は、複数個の回
転速度検出装置によって検出された複数の回転速度各々
にノイズが重畳しているか否かをそれぞれ検出する個別
ノイ ズ重畳検出手段を含むものであっても、例えば1つ
以上の回転速度と他の1つ以上の回転速度との回転速度
差が設定速度より大きいか否か等これらの相対関係に基
づいて、少なくとも1つの回転速度にノイズが重畳して
いるか否かを検出する相対ノイズ重畳検出手段を含むも
のであってもよい。 なお、過大なスリップが生じていて
も、回転速度検出装置によって検出される回転速度は実
際の車輪の回転速度であるため、回転加速度はほぼ車輪
が一方向に加速させる場合に現実に生じ得る範囲内にあ
る。それに対して、ノイズが重畳した場合における回転
速度検出装置によって検出される回転速度は実際の回転
速度ではなく振動であるため、回転加速度は走行状態に
ある車両において実際に生じ得る範囲から大きく外れ
る。このことを利用すれば、ノイズの重畳を過大スリッ
プの発生と区別して検出することができる。 相対ノイズ
重畳検出手段には、例えば、(7) 項の発明に係る車体速
度検出装置におけるように、前輪側と後輪側との少なく
とも一方の側に属する左側車輪の回転速度と右側車輪の
回転速度との差に関連する回転速度差関連量が設定量よ
り大きいか否かを検出する左右回転速度差依拠ノイズ重
畳判定手段等が含まれる。相対ノイズ重畳検出手段によ
ってノイズの重畳が検出された場合には、どの位置にあ
る車輪の回転速度にノイズが重畳しているかを特定でき
る場合と特定できない場合とがある。 個別ノイズ重畳検
出手段は、複数の回転速度すべてについて各々ノイズが
重畳しているか否かを検出するものであっても、予め定
められた車輪の回転速度のみについてノイズが重畳して
いるか否かを検出するものであってもよい。例えば、車
両の構造等により共振し易い車輪が予め決められている
場合には、それら車輪の回転速度のみについてノイズが
重畳しているか否かを検出すればよい場合もある。 (2)さらに、前記ノイズ重畳検出手段によって前記少
なくとも1つの回転速度にノイズが重畳していると検出
されたときにノイズの重畳が解消したか否かのノイズ重
畳解消検出を開始し、ノイズの重畳が解消したことを検
出したときノイズ重畳解消検出を終了するノイズ重畳解
消検出手段を含む(1) 項に記載の車体速度検出装置。 本
項に記載の車体速度検出装置においては、ノイズ重畳検
出手段によってノイズの重畳が検出されると、ノイズ重
畳解消検出手段による検出が開始され、ノイズ重畳の解
消が検出されれば、ノイズ重畳解消検出手段による検出
が終了させられる。 ノイズ重畳の検出とノイズ重畳解消
の検出とは相異なる条件で行われる。検出の目的にもよ
るが、通常はノイズ重畳解消の検出条件がノイズ重畳検
出の検出条件より緩くされるのである。例えば、同一の
事象の測定値に基づいて両検出が行われる場合には、ノ
イズ重畳解消検出のためのしきい値がノイズ重畳検出の
ためのしきい値より低くされる。また、相異なる事象に
基づいて検出が行われる場合もある。したがって、ノイ
ズ重畳の検出とノイズ重畳解消の検出とは別個に行う必
要があるが、常に両方を行うことは無駄であるため、ノ
イズ重畳解消の検出はノイズの重畳が検出されるまでは
行われないようにし、無駄なノイズ重畳解消検出の実行
を回避することが望ましいのである。したがって、本車
体速度検出装置によれば、さらに、ノイズ重畳解消検出
手段の無駄な検出作動を回避することができる。 ノイズ
重畳解消検出手段は、個別ノイズ重畳解消検出手段を含
むものであっても、全体ノイズ重畳解消検出手段を含む
もの等であってもよい。全体ノイズ重畳解消検出手段に
は、例えば、車両が設定速度以上で走行していることを
検出する走行状態検出手段や、最大回転速度や最大回転
加速度が適正範囲内になったことを検出する適正範囲内
検出手段等が含まれる。 個別ノイズ重畳検出手段によっ
て、回転速度各々についてノイズが重畳しているか否か
が検出された場合でも、個別ノイズ重畳解消検出手段に
よってノイズ重畳が解消されたか否かが検出される場合
と、全体ノイズ重畳解消検出手段によってノイズ重畳が
解消されたか否かが検出される場合とがある。全体ノイ
ズ重畳解消検出手段によってノイズの重畳が解消された
と検出されれば、回転速度各々に対してもノイズの重畳
が解消されたと検出することができるからである。ま
た、個別ノイズ重畳解消検出手段によってノイズ重畳の
解消を検出する場合に、個別ノイズ重畳検出手段によっ
てノイズが重畳していると検出された回転速度に対して
のみノイズの重畳が解消されたか否かを検出しても、複
数の回転速度すべてに 対してノイズの重畳が解消された
か否かを検出してもよい。 同様に、相対ノイズ重畳検出
手段によって、少なくとも1つの回転速度にノイズが重
畳していると検出された場合には、全体ノイズ重畳解消
検出手段によってノイズの重畳が解消されたか否かを検
出しても、個別ノイズ重畳解消検出手段によって回転速
度各々に対してノイズの重畳が解消されたか否かを検出
してもよい。 (3)前記ノイズ重畳検出手段が、前記複数の回転速
度の少なくとも1つを選択して基準回転速度とする基準
回転速度選択手段と、その基準回転速度選択手段によ
って選択された基準回転速度に基づいて前記複数の回転
速度の少なくとも1つにノイズが重畳しているか否かを
検出する基準回転速度依拠ノイズ重畳検出手段とを含む
(1) 項または(2) 項に記載の車体速度検出装置(請求項
1)。 (4)前記基準回転速度依拠ノイズ重畳検出手段が、前
記基準回転速度が設定速度以下である場合に、前記複数
の回転速度の少なくとも1つにノイズが重畳しているか
否かを検出する(3) 項に記載の車体速度検出装置(請求
項2)。 (5)前記基準回転速度依拠ノイズ重畳検出手段が、前
記複数の回転速度のうち少なくとも1つの回転速度と前
記基準回転速度との差が設定速度より大きいか否かを検
出する対基準回転速度差検出手段を含み、その対基準回
転速度差検出手段によって、少なくとも1つの回転速度
と基準回転速度との差が設定速度差より大きいと検出さ
れた場合には、その少なくとも1つの回転速度にノイズ
が重畳していると検出するものである(3) 項に記載の車
体速度検出装置(請求項3)。 本項に記載の車体速度検
出装置においては、ノイズの重畳が基準回転速度に基づ
いて検出される。基準回転速度は基準回転速度選択手段
によって選択され、ノイズの重畳は基準回転速度依拠ノ
イズ重畳検出手段によって検出される。 例えば、(4) 項
に記載の車体速度検出装置におけるように、基準回転速
度に基づいて当該車体速度検出装置が搭載された車両が
停止状態にあるか否かが判定され、基準回転速度が設定
速度以下であり、車両が停止状態にあると検出された場
合において、回転速度自体またはそれの時間当たりの変
化量が設定回転速度または設定回転速度変化量より大き
い場合には、その回転速度にノイズが重畳していると検
出されるようにすることができる。レーシングに起因し
て生じるノイズは 、車両が停止状態にある場合に生じ易
いからである。この場合には、基準回転速度依拠ノイズ
重畳検出手段が、ノイズがレーシングの発生に起因して
生じたことを検出するレーシング起因ノイズ重畳検出手
段であると考えることができる。 また、(5) 項に記載の
車体速度検出装置におけるように、回転速度と基準回転
速度との差が設定速度差より大きい場合に、その回転速
度にノイズが重畳していると検出することもできる。例
えば、(7) 項に記載の左側車輪の回転速度と右側車輪の
回転速度とにおいて、小さい方の回転速度が基準回転速
度として選択されたと考えた場合がこれに該当する。 基
準回転速度は、通常、大きさが異常でなく、ノイズが重
畳しているわけでもないものとされる。したがって、基
準回転速度との差が設定速度差より大きい場合には、そ
の回転速度にはノイズが重畳していると推定することが
できる。ノイズが重畳しているか否かが検出される被検
出回転速度は1つであっても複数であってもよく、複数
の場合には、例えば、複数の被検出回転速度の平均と基
準回転速度との差が設定速度差より大きいか否かを検出
してもよい。また、被検出回転速度各々についてそれぞ
れ検出してもよく、その場合には、基準回転速度依拠ノ
イズ重畳検出手段は、個別ノイズ重畳検出手段の一種と
考えることができる。 基準回転速度選択手段によって選
択される基準回転速度は1つであっても2つ以上であっ
てもよい。1つの場合には、予め定められた位置の車輪
の回転速度としても、複数の回転速度のうちの最大値,
最小値あるいは中間値等としてもよい。2つ以上の場合
には、複数の回転速度の平均値を基準回転速度としても
よい。 (6)前記基準回転速度選択手段が、前記基準回転速度
を、複数の回転速度から大きさが異常な回転速度を除い
た回転速度から選択する異常除外型基準回転速度選択手
段を含む(1) 項ないし(5) 項のいずれか1つに記載の車
体速度検出装置(請求項4) 。基準回転速度は、ノイズ
重畳検出またはノイズ重畳解消検出に使用するために選
択される回転速度であるが、基準回転速度をノイズ重畳
の目的以外にも使用できる。例えば、基準回転速度に基
づいて車体速度を推定することもでき、特に、本項の発
明によれば、基準回転速度が大きさが異常な回転速度を
除いた回転速度から選択されるため、車体速度を良好に
推定することができる。そのため、ノイ ズが重畳してい
るか否かの検出精度を向上させることができ、ノイズの
重畳に起因して誤った車体速度が検出されることを良好
に回避することができる。 ここで、大きさが異常な回転
速度には、例えば、断線等の異常が発生していると推定
された回転速度検出装置によって出力された回転速度が
該当する。また、他の回転速度の大きさとの差または比
率が設定回転速度差または設定比率より大きい場合、ま
たは小さい場合にその回転速度の大きさが異常であると
考えることもできる。 (7)前記回転速度検出装置が、少なくとも前輪側およ
び後輪側のいずれか一方の側に属する左側車輪および右
側車輪の回転速度をそれぞれ検出する左側回転速度検出
装置および右側回転速度検出装置を含み、かつ、前記ノ
イズ重畳検出手段が、左側回転速度検出装置によって検
出された左側回転速度と右側回転速度検出装置によって
検出された右側回転速度との左右回転速度差に関連する
回転速度差関連量が設定量より大きい場合に、左側回転
速度と右側回転速度とのいずれか一方にノイズが重畳し
ていると判定する左右回転速度差依拠ノイズ重畳判定手
段を含む(1) 項ないし(6) 項のいずれか1つに記載の車
体速度検出装置(請求項5)。 左側回転速度検出装置お
よび右側回転速度検出装置は、前輪側に属する左側車輪
および右側車輪の回転速度をそれぞれ検出するものであ
っても、後輪側に属するそれらの回転速度をそれぞれ検
出するものであってもよく、左前輪および左後輪の回転
速度の平均値,右前輪および右後輪の回転速度の平均値
をそれそれ検出するものであってもよい。 本項に記載の
車体速度検出装置においては、左右の回転速度差に関連
する回転速度差関連量が設定量より大きい場合には、左
右回転速度のいずれか一方にノイズが重畳していると検
出することができる。 回転速度差関連量は、左側回転速
度検出装置によって検出された回転速度と右側回転速度
検出装置によって検出された回転速度との差であって
も、その回転速度差を予め定められた関数に基づいて演
算した結果であっても、左側回転速度と右側回転速度と
をそれぞれ予め定められた回転速度差に関連する関数に
基づいて演算した結果であってもよい。 回転速度差関連
量の設定量は、例えば、実際に車輪の回転によって生じ
ると推定される理論上の最大回転速度差関連量とするこ
とができる。ノイズが重畳している場合には、回転速度
差関連量が実際の車輪の回転によっては生じ得ないほど
大きくなるため、最大速度差関連量より大きい場合に
は、いずれか一方の回転速度にノイズが重畳していると
検出することができる。 (8) それぞれ1つ以上の車輪を含む複数の車輪群の回
転速度をそれぞれ検出する複数個の回転速度検出装置
と、それら複数個の回転速度検出装置によって検出され
た各々の回転速度の少なくとも1つを指定回転速度に指
定する回転速度指定手段と、その回転速度指定手段によ
って指定された少なくとも1つの指定回転速度に基づい
て車体速度を推定する車体速度推定手段とを含む車体速
度検出装置であって、当該車体速度検出装置が、前記複
数の回転速度各々にノイズが重畳しているか否かを検出
するノイズ重畳検出手段を含み、前記回転速度指定手段
が、そのノイズ重畳検出手段によってノイズが重畳して
いると検出された回転速度を除いた回転速度から少なく
とも1つの指定回転速度を指定するノイズ重畳輪除外型
回転速度指定手段を含む車体速度検出装置(請求項
7)。ノイズが重畳している回転速度に基づいて車体速
度が推定されると、車体速度が誤って推定される。それ
を回避するために、ノイズが重畳していない回転速度に
基づいて車体速度を推定することが望ましい。本項に記
載のノイズ重畳検出手段は、回転速度各々にノイズが重
畳しているか否かを検出する前記個別ノイズ重畳検出手
段を含むものと考えることができる。また、本項に記載
の回転速度指定手段は、ノイズ重畳検出手段による検出
結果に応じた回転速度を指定するものであるため、車体
速度推定手段の車体速度推定規則を変更する手段の一態
様であると考えることもでき、その場合には、回転速度
指定手段は、(1) 項にいうノイズ重畳対応推定規則変更
手段の一種と考えることができる。(9) 前記回転速度指定手段が、前記ノイズ重畳検出手
段によってすべての回転速度にノイズが重畳していない
と検出された場合には、予め定められた車輪の回転速度
を前記指定回転速度に指定する通常回転速度指定手段を
含む(8) 項に記載の車体速度検出装置。「予め定められ
た車輪」は1個でも複数個でもよい。「予め定められた
車輪」は位置が予め定められている場合と、例えば、最
大,最小あるいは中間の回転速度で回転する車輪のよう
に、決定規則が予め定められている場合とがある。ま
た、予め定められた車輪が複数個である場合には、複数
個の車輪の回転速度の平均値としたり、複数個の車輪の
うちの最大あるいは最小の回転速度等としたりすること
ができる。(10) 当該車体速度検出装置が、駆動輪と非駆動輪と
を含む車両に搭載され、前記回転速度検出装置が、前記
駆動輪の回転速度を検出する駆動輪回転速度検出装置
と、前記非駆動輪の回転速度を検出する非駆動輪回転速
度検出装置とを含み、かつ、前記通常回転速度指定手段
が、前記駆動輪回転速度検出装置によって検出された回
転速度を前記指定回転速度に指定する駆動輪回転速度指
定手段を含む(9) 項に記載の車体速度検出装置。予め定
められた車輪は駆動輪であっても非駆動輪であってもよ
いが、本項に記載の車体速度検出装置によれば、駆動輪
の回転速度が指定され、車体速度が駆動輪の回転速度に
基づいて推定される。本車体速度検出装置が、車体速度
をスピードメータに供給する車体速度スピードメータ供
給手段を備えている場合には、駆動輪の回転速度を指定
する。スピードメータが表示する車体速度は、非駆動輪
の方が精度上望ましいが、車両検査時のメータ精度評価
や駆動軸の回転に基づいて車両速度を求める従来の方法
との共用化のためにも、駆動輪の回転速度に基づいて速
度を出力することとされている。駆動輪回転速度検出装
置は、複数個の駆動輪各々の回転速度を検出するもので
あっても、複数個の駆動輪の回転速度の平均値を検出す
るものであってもよい。逆に、通常回転速度指定手段
を、非駆動輪回転速度検出装置によって検出された回転
速度を指定回転速度に指定する非駆動輪回転速度指定手
段を含むものとしてもよい。技術上は、非駆動輪の回転
速度に基づいて車体速度を推定した方が車体速度の推定
精度が高くなることが多いのである。(11) 前記ノイズ重畳検出手段が、ノイズが重畳して
いるか否かが検出されるべき回転速度を指定する被検出
回転速度指定手段を含み、その被検出回転速度指定手段
によって指定された回転速度に対してノイズが重畳して
いるか否かを検出するものである(1) 〜(10)項のいずれ
か1つに記載の車体速度検出装置。本項の被検出回転速
度指定手段は、複数の回転速度すべてを指定する手段と
しても、複数の回転速度のうちの予め定められた一部の
回転速度を指定する手段としてもよい。後者の被検出回
転速度指定手段を含む態様が請求項6の態様であり、例
えば、当該車体速度検出装置が搭載された車両の構造等
に起因して共振し易い車輪が決まっている場合に有効で
あり、その共振し易い車輪の回転速度のみが指定される
ようにするのである。当該車体速度検出装置が搭載され
た車両が駆動輪と非駆動輪とを含む場合には、レーシン
グに起因して駆動系に共振が生じると、その共振が駆動
輪に生じ易く非駆動輪には生じ難い。そのため、非駆動
輪の回転速度にノイズが重畳したか否かを検出する必要
性は低い。また、同様に、車体速度が駆動輪の回転速度
に基づいて推定されるようになっている場合には、その
駆動輪の回転速度に対してのみノイズが重畳したか否か
を検出すればよい。車体速度を推定するための回転速度
以外の回転速度に対してノイズが重畳したか否かを検出
する必要性は低いのである。また、(7) 項の左右回転速
度差回転差依拠ノイズ重畳検出手段によって左右車輪の
いずれか一方にノイズが重畳しているか否かが検出され
る場合において、前輪側および後輪側の少なくとも一方
の側に属する1つ以上の右側車輪の回転速度および左側
車輪の回転速度は、本項に記載の被検出回転速度指定手
段によって指定された被検出回転速度であると考えるこ
とができる。(12) 前記被検出回転速度指定手段が、予め定められ
た優先順位に従って被検出回転速度を指定する優先順位
対応被検出回転速度指定手段を含む(11)項に記載の車体
速度検出装置。回転速度にノイズが重畳し易い車輪の順
序が車両の構造等により予めわかっている場合がある。
この場合には、被検出回転速度を、ノイズが重畳し易い
順番に指定すれば、ノイズが重畳しているか否かの検出
を早く行うことが可能となる。駆動輪と非駆動輪とを備
えている車両においては、通常、駆動輪の回転速度の優
先順位が非駆動輪のそれより上位となる。(13) 前記ノイズ重畳検出手段が、前記複数の回転速
度の少なくとも1つの回転速度に関連する回転速度関連
量が予め定められたノイズ重畳条件を満たす場合にノイ
ズが重畳していると検出するものである(1) 〜(12)項の
いずれか1つに記載の車体速度検出装置。回転速度関連
量には、回転速度そのものだけでなく、回転速度の時間
当たりの変化量である回転加速度や回転減速度等も含ま
れる。例えば、回転速度が車両が停止状態にある場合に
は生じ得ないほどの大きさになった場合や、回転加速度
が車輪を一方向に加速させた場合に現実に生じ得る大き
さより大きくなった場合に、ノイズ重畳条件が満たされ
たと検出することができる。(14) 前記ノイズ重畳条件が、前記複数の回転速度各
々の単位時間当たりの変化量が設定変化量より大きいこ
とを含む(13)項に記載の車体速度検出装置。回転速度関
連量の一態様としての回転速度の時間当たり変化量は、
車輪速度センサ等、車輪の回転速度を検出するセンサの
出力信号、すなわち、フィルタ処理を行う以前の出力信
号(または弱いフィルタ処理後の出力信号や処理回数が
少ない出力信号)の変化量とすることも、フィルタ処理
後の出力信号(または強いフィルタ処理後の出力信号や
処理回数が多い出力信号)の変化量とすることも可能で
ある。前者は後者より回転速度の変化量がより大きく、
ノイズの重畳を検出し易いが、検出すべきノイズの種類
によってはフィルタ処理後の出力信号による方がよい場
合もあるのである。また、上記変化量が負の場合には、
それが負の設定変化量より小さいこと(回転減速度が設
定減速度より大きいこと)がノイズ重畳条件となる。(15) 前記ノイズ重畳解消検出手段が、複数の回転速
度各々に関連する回転速度関連量が予め定められたノイ
ズ重畳解消条件を満たす場合にノイズの重畳が解消した
と検出するものである(2) ,(13), (14)項のいずれか1
つに記載の車体速度検出装置。(16) 前記ノイズ重畳条件およびノイズ重畳解消条件
が、それら両条件が共に満たされない領域が存在するよ
うに設定された(15)項に記載の車体速度検出装置。ノイ
ズ重畳条件が満たされなくなると直ちにノイズ重畳解消
条件が満たされる場合には、回転速度関連量がノイズ重
畳条件(ノイズ重畳解消条件)近傍の大きさである場合
に、ノイズ重畳と重畳解消とが交互に頻繁に検出され、
車体速度検出装置の出力が振動的になるおそれがある。
それに対して、上記両条件が共に満たされない領域があ
り、ノイズ重畳条件が満たされなくなっても直ちにはノ
イズ重畳解消条件が満たされないようにすれば、そのお
それを解消することができる。通常は、一旦ノイズ重畳
が検出された場合には、容易に重畳の解消が検出されな
いようにすることが望ましい。(17) 前記ノイズ重畳解消検出手段が、当該車体速度
検出装置が搭載された車両のエンジンがレーシング状態
にある可能性があるか否かを推定するレーシング可能性
推定手段と、そのレーシング可能性推定手段によってエ
ンジンがレーシング状態にある可能性がないと推定され
た場合に、前記ノイズ重畳解消条件が満たされたとする
非レーシング時ノイズ重畳解消検出手段を含む(2) ,(1
5), (16)項のいずれか1つに記載の車体速度検出装置。
ノイズは、レーシングの発生に起因して重畳する場合が
多い。そのため、レーシング状態にある可能性がなくな
れば、ノイズが重畳する可能性が非常に低くなり、ノイ
ズの重畳が解消されたと検出することができる。(18) 前記ノイズ重畳解消検出手段が、(a) 前記回転
速度関連量がノイズ重畳条件が満たされない大きさとな
り、その状態が設定時間以上続いたことと、(b)前記複
数の回転速度のうちノイズが重畳していない回転速度が
設定速度以上になったことと、(c) すべての回転速度が
0となり、その状態が設定時間以上続いたこととの少な
くとも1つの条件が満たされた場合に前記ノイズ重畳解
消条件が満たされたとするものである(15)項または(16)
項に記載の車体速度検出装置。例えば、ノイズが重畳し
ていると検出された回転速度の単位時間当たりの変化量
が設定変化量以下になり、その状態が設定時間以上継続
した場合に、ノイズの重畳が解消したと検出される。こ
のように、条件(a) が満たされた場合にノイズ重畳解消
条件が満たされるとする回転速度関連量依拠ノイズ重畳
解消検出手段は前記個別ノイズ重畳解消検出手段の一種
である。また、ノイズが重畳していない回転速度が設定
回転速度以上になれば、実際に車両が通常走行状態にな
ったと見なすことができ、その場合はすべての回転速度
についてノイズの重畳が解消したと見なすことができ
る。この設定速度の大きさは、例えば10km/hとするこ
とができる。このように、条件(b) が満たされた場合に
ノイズ重畳解消条件が満たされたとする走行状態依拠ノ
イズ重畳解消検出手段は前記全体ノイズ重畳解消検出手
段の一種と考えることができる。また、車両が走行状態
にあれば、エンジンがレーシング状態にある可能性が低
いと推定することができるため、(17)項の非レーシング
時対応ノイズ重畳解消検出手段の一種と考えることもで
きる。さらに、すべての車輪の回転速度、換言すれば、
複数の回転速度のうちの最大値が0となり、その状態が
設定時間以上続いた場合にはノイズの重畳が解消したと
見なすことができる。(c) のノイズ重畳解消検出条件
が、複数の車輪の回転速度すべてが0になった場合に満
たされると考えれば、この0回転速度依拠ノイズ重畳解
消検出手段は、個別ノイズ重畳解消検出手段の一種と考
えることができるが、このノイズ重畳解消条件が、上述
のように、複数の回転速度のうちの最大値が0である場
合に満たされると考えれば、全体ノイズ重畳解消検出手
段の一種と考えることもできる。(19) 前記基準回転速度選択手段が、複数個の回転速
度検出装置によって検出された複数の回転速度の中で大
きさが異常であるものを検出する回転速度異常検出手段
を含み、前記異常除外型基準回転速度選択手段が、その
回転速度異常検出手段によって検出された異常な回転速
度を除く回転速度のうちの最も小さい回転速度を基準回
転速度とする正常最小回転速度選択手段を含む(3) 〜
(6),(11)〜(18)項のいずれか1つに記載の車体速度検出
装置。大きさが異常である回転速度は、例えば、断線等
異常が生じていると推定される回転速度検出装置によっ
て検出された回転速度であり、大きさが0の回転速度で
ある。したがって、大きさが0である異常な回転速度を
除いた回転速度のうちで最も小さい回転速度を基準回転
速度とすれば、その回転速度にノイズが重畳している確
率は非常に低くなる。大きさが0でない回転速度すべて
にノイズが重畳していることは稀だからである。(20) 前記回転速度異常検出手段が、前記複数の回転
速度が大きさが適正範囲内にある回転速度と大きさが0
である回転速度とを含む場合に、大きさが0である回転
速度を異常な回転速度であるとする相対的異常検出手段
を含む(19)項に記載の車体速度検出装置。複数の回転速
度が、大きさが0でない適正範囲内にあるものと大きさ
が0であるものとを含む場合には、大きさが0である回
転速度を検出した回転速度検出装置においては断線等の
異常が生じているおそれがあると推定することができ
る。回転速度の大きさが0であると検出された場合であ
っても、実際に車輪が回転していないのか、回転速度検
出装置において断線等の異常が生じているのかいずれか
が判定し難い場合があるが、本項に記載の車体速度検出
装置によれば、断線等の異常が生じているか否かを容易
に検出することができる。しかし、(31)項において述べ
るように、他の回転速度の大きさと比較することなく回
転速度の大きさが異常か否かを検出することも可能であ
る。また、本項に記載の回転速度異常検出手段は、回転
速度検出装置内において断線等異常が生じているか否か
を検出する断線検出手段と称することもできる。(21) 当該車体速度推定手段が、前記回転速度異常検
出手段によって大きさが異常であると検出された回転速
度を出力した回転速度検出装置の個数と、前記ノイズ重
畳検出手段によって、ノイズが重畳したと検出された回
転速度を出力した回転速度検出装置の個数とを合わせた
個数が設定個数以上である場合には、車体速度を0とす
る車体速度0決定手段を含む(19)項または(20)項に記載
の車体速度検出装置。断線している回転速度検出装置や
ノイズが重畳している回転速度を出力する回転速度検出
装置が多数個ある場合には、精度よく車体速度を推定す
ることが不可能である。その場合には、車体速度を0と
することが望ましい場合がある。多数個は、4個の車輪
を備えた車両においては例えば3個である。本項に記載
の車体速度検出装置において、ノイズが重畳したと検出
された回転速度を出力した回転速度検出装置が1個以上
含まれる場合にのみ、車体速度の大きさを0と決定する
ようにすれば、車体速度0決定手段は、そのノイズ重畳
検出結果に応じて車体速度の大きさを0であると決定す
るノイズ重畳時車体速度0決定手段であることになる。
このノイズ重畳時車体速度0決定手段は、ノイズ重畳推
定規則変更手段の一種であると考えることができる。(22) 当該車体速度検出装置が、当該車体速度検出装
置が搭載された車両のエンジンがレーシング状態にある
可能性があるか否かを推定するレーシング可能性推定手
段を含み、前記ノイズ重畳推定手段が、そのレーシング
可能性推定手段によってレーシング状態にある可能性が
あると推定された場合に前記複数の回転速度の少なくと
も1つにノイズが重畳しているか否かを検出するレーシ
ング起因ノイズ重畳検出手段を含む(1) 〜(6),(8) 〜(2
1)項のいずれか1つに記載の車体速度検出装置。本項に
記載の車体速度検出装置においては、車体速度がレーシ
ング起因ノイズ重畳検出手段による検出結果に応じた推
定規則に基づいて推定される。レーシング起因ノイズ重
畳検出手段によってノイズが重畳していることが検出さ
れれば、レーシング状態にあるとの推定が正しい確率は
高い。(23) 前記レーシング可能性推定手段が、エンジンが
無負荷状態にあることと、エンジンの回転数が設定数以
上であることとの少なくとも一方の条件が満たされた場
合に、エンジンがレーシング状態にある可能性があると
検出するものである(22)項に記載の車体速度検出装置。
レーシング状態は、エンジンが無負荷状態にあってかつ
回転数が設定回転数以上の状態であるため、いずれか一
方の状態にあれば、レーシング状態にある可能性がある
と推定できる。また、上述のいずれか一方の状態にある
場合と、両方の状態にある場合とでは、前者の方がレー
シング状態にあるとの推定が正しい確率が低く、後者の
場合の方が確率が高い。このように、いずれか一方の状
態にある場合と、両方の状態にある場合とで、レーシン
グ状態にあるとの推定が正しい確率が低いか高いかを決
定することが可能であり、この場合には、レーシング可
能性推定手段を、推定確率決定手段を含むものとするこ
とができる。シフトレバーがニュートラル位置やパーキ
ング位置にある場合、あるいはクラッチが非接続状態に
ある場合に、エンジンが無負荷状態にあるとみなすこと
ができる。また、オートマチックトランスミッションを
備えた車両においては、シフトレバーがドライブ位置に
あっても車両が停止状態にある場合にはレーシング状態
にある可能性があると推定することができる。この場
合、ブレーキペダルが踏み込まれていることを検出する
ことによって車両が停止状態にあるか否かを推定するこ
とができる。エンジンの回転数はエンジンの出力軸の回
転数を直接検出することによって検出できるが、アクセ
ルペダルが踏み込まれたか否か、スロットルバルブ開度
が設定開度以上か否か等に基づいてエンジン回転数が設
定回転数になる可能性があるか否かを検出することがで
きる。このように、運転者の操作部材の操作に基づいて
車両がレーシング状態にあるか可能性があるか否かを推
定する場合には、レーシングの可能性の推定が車両が四
輪駆動車であっても、二輪駆動車であっても可能とな
る。(24) 前記レーシング可能性推定手段が、前記基準回
転速度が設定速度以下の場合にレーシング状態になる可
能性があると推定する基準回転速度依拠レーシング可能
性推定手段を含む(23)項に記載の車体速度検出装置。前
述のように、基準回転速度が設定速度以下であれば、車
両が停止状態にあると検出することができるため、上記
基準回転速度依拠レーシング可能性推定手段は、基準回
転速度依拠停止状態推定手段と称することができる。(25) 当該車体速度検出装置が搭載された車両が、少
なくとも前輪側および後輪側に複数個の車輪を含むもの
であり、前記レーシング起因ノイズ重畳検出手段が、前
記レーシング可能性検出手段によってレーシング状態に
なる可能性があると検出された場合に前記前輪側および
後輪側のいずれか一方の側に属するすべての車輪の回転
速度関連量が共に適正範囲外にあるか否かを検出し、共
に適正範囲外にある場合にその一方の側に属するすべて
の車輪の回転速度にノイズが重畳していると検出する適
正範囲外依拠レーシング起因ノイズ重畳検出手段を含む
(22)項〜(24)項のいずれか1つに記載の車体速度検出装
置。例えば、回転速度の大きさが車両が停止状態にある
場合には生じえないほどの大きさになれば、適正範囲外
の大きさにあると検出される。また、回転加速度の大き
さが車輪を一方向に加速させた場合に現実に生じ得る大
きさより大きくなった場合に適正範囲外の大きさにある
と検出される。(26) 当該車体速度検出装置が搭載された車両が、駆
動輪と非駆動輪とを含むものであり、前記回転速度検出
装置が、前記駆動輪の回転速度を検出する駆動輪回転速
度検出装置と、前記非駆動輪の回転速度を検出する非駆
動輪回転速度検出装置とを含み、かつ、前記レーシング
起因ノイズ重畳検出手段が、前記レーシング可能性推定
手段によってレーシング状態にある可能性があると推定
された場合に前記駆動輪回転速度検出装置によって検出
された駆動輪回転速度と非駆動輪回転速度検出装置によ
って検出された非駆動輪回転速度との差が設定速度差よ
り大きいか否かを検出し、これら回転速度の差が設定速
度差より大きい場合にいずれか一方の車輪の回転速度に
ノイズが重畳していると検出する駆動輪非駆動輪差依拠
レーシング起因ノイズ重畳検出手段を含む(22)項〜(25)
項のいずれか1つに記載の車体速度検出装置。レーシン
グが発生した場合には、前輪側と後輪側とのいずれか一
方の側のみに、あるいは駆動輪側と非駆動輪側とのいず
れか一方の側のみに共振が生じることが多い。したがっ
て、これらの現象が生じたか否かをレーシング状態にあ
る可能性があると推定された場合に検出すれば、レーシ
ングに起因してノイズが重畳したか否かを検出すること
ができる。通常、レーシングに起因したノイズは、駆動
輪の回転速度に重畳し易い。したがって、本項に記載の
車体速度検出装置においては、たいてい、駆動輪の回転
速度の方が非駆動輪の回転速度より大きくなる。また、
(25)項に記載の車体速度検出装置においては、車両が二
輪駆動車である場合と四輪駆動車である場合とがある
が、二輪駆動車である場合には、前輪側と後輪側とのい
ずれか一方の側に属する車輪が駆動輪でいずれか他方の
側に属する車輪が非駆動輪となり、駆動輪側に共振が生
じ、ノイズが重畳し易い。駆動輪側に属するすべての車
輪の回転速度関連量が適正範囲外の大きさとなるのであ
る。しかし、稀に、駆動輪のうちのいずれか片輪にのみ
ノイズが重畳し易くなっている車両があり、その場合に
は、その駆動輪の回転速度関連量が適正範囲外の大きさ
が否かを検出すればよいことになる。適正範囲外にある
か否かの検出は、駆動輪片輪適正範囲外検出手段によっ
て行われることになる。それに対して、四輪駆動車であ
る場合には、どの車輪に共振が生じるかは一般的にはわ
からないが、車の構造等によって前輪側と後輪側とのい
ずれか一方に属する車輪に共振が生じ易くなっているこ
とがあり、この場合には、(25)項に記載の適正範囲外依
拠レーシング起因ノイズ重畳検出手段によりノイズの重
畳を検出することができる。(27) 前記レーシング起因ノイズ重畳検出手段が、前
記基準回転速度依拠レーシング可能性推定手段によって
エンジンがレーシング状態にある可能性があると推定さ
れた場合に、前記複数個の回転速度検出装置によって検
出された複数の回転速度の少なくとも1つの回転速度の
単位時間当たり変化量が設定変化量より大きい場合にノ
イズ重畳条件が満たされたと検出する回転速度変化量依
拠レーシング起因ノイズ重畳検出手段を含む(24)〜(26)
項のいずれか1つに記載の車体速度検出装置。本項に記
載の車体速度検出装置においては、基準回転速度に基づ
いて車両が停止状態にあると推定された場合において、
少なくとも1つの回転速度の単位時間当たりの変化量が
設定変化量より大きい場合に、その回転速度にノイズが
重畳していると検出される。ここで、基準回転速度が、
(6) 項の異常除外型基準回転速度選択手段や(19)項の正
常最小回転速度選択手段によって選択された回転速度で
ある場合には、基準回転速度の大きさが正常であるた
め、車両が停止状態にあるか否かの推定精度を向上させ
ることができ、ノイズが重畳しているか否かの検出の信
頼性を向上させることができる。さらに、本項の回転速
度変化量依拠レーシング起因ノイズ重畳検出手段は、
(3) 〜(5) 項の基準回転速度依拠ノイズ重畳検出手段の
一種である。(28) 前記回転速度差関連量が前記左側車輪と右側車
輪との回転速度差を含み、前記左右回転速度差依拠ノイ
ズ重畳検出手段がノイズ重畳を判定するためにその回転
速度差と比較する設定量が、車両が最小回転半径で旋回
していると仮定した場合の回転速度差である極限旋回時
回転速度差と、スリップに起因して左側車輪と右側車輪
とに実際に生じ得る回転速度差の最大値であるスリップ
起因最大回転速度差との和である(7) 項に記載の車体速
度検出装置。左側車輪と右側車輪との回転速度差が、旋
回とスリップとの両方を考慮して理論上生じ得る最大の
回転速度差より大きい場合に、大きい側の回転速度にノ
イズが重畳したとすることができる。ノイズが重畳する
場合には、左右両輪に同時にノイズが重畳し始めること
は稀で、時間差があるのが普通だからである。(29) 前記回転速度検出装置が、複数個の車輪各々と
一体的に回転可能な被検出部と、その被検出部と相対回
転可能に車体側部材に設けられ、被検出部との距離の周
期的変化に応じた信号を出力する検出部とを含む(1) 〜
(28)項のいずれか1つに記載の車体速度検出装置。(30) 前記被検出部が磁性材料によって形成されたも
のであり、前記検出部が磁気発生部およびコイルを備
え、被検出部との距離の周期的変化に起因する磁束の周
期的な変化に伴ってコイルに発生する交流電流を前記出
力信号とするものである(29)項に記載の車体速度検出装
置。回転速度検出装置が、車輪側の被検出部と車体側の
検出部との距離の周期的な変化に基づいて車輪の回転速
度を検出するものである場合には、車体側部材と車輪と
の間に相対的な振動が生ずれば、回転速度にノイズが重
畳する。検出部に回転速度演算手段が接続されるが、こ
の演算手段が出力信号の周波数に基づいて回転速度を演
算するものである場合には特にノイズが回転速度の演算
結果に影響を及ぼし易い。車輪の回転速度を検出する場
合には、通常、本項の電磁ピックアップ式回転速度検出
装置が使用される。この場合には、回転速度演算手段
が、コイルから出力された交流電流の周波数に基づいて
回転速度を演算するものとされるのが普通である。(31) 前記回転速度異常検出手段が、前記回転速度検
出装置によって出力されるはずの交流電流を検出できな
い場合に、その回転速度検出装置によって出力された回
転速度(出力信号)の大きさが異常であると検出する絶
対的異常検出手段を含むものとする(19)項に記載の車体
速度検出装置。交流電流が検出されるべきときに検出さ
れない場合には、その回転速度検出装置において断線等
異常が生じていると検出することができる。交流電流が
出力されれば、必ず、しきい値と交差する信号があるは
ずである。それに対して、交差する信号が設定時間以上
検出されない場合には、交流電流が出力されていないと
判定することができる。(32) 当該車体速度検出装置が、前記車体速度推定手
段によって推定された車体速度を外部機器に供給する車
体速度供給手段を含む(1) 項〜(31)項のいずれか1つに
記載の車体速度検出装置。(33) 前記外部機器が、駆動系制御装置(エンジン制
御装置,駆動力配分制御装置,トランスミッション制御
装置),操舵系制御装置(後輪操舵制御装置),サスペ
ンション制御装置,制動系制御装置(アンチスキッド制
御装置,トラクション制御装置),ナビゲータ制御装
置,スピードメータのうちの1個以上を含み、前記車体
速度供給手段が、これらのうち少なくとも1個の装置に
車体速度を供給するものである(32)項に記載の車体速度
検出装置。車体速度検出装置によって推定された車体速
度を外部機器に供給すれば、その外部機器において車体
速度を推定する必要がなくなり、その分、制御プログラ
ムを簡単にすることができる。また、車体速度を複数個
の外部機器に供給すれば、それぞれの外部機器において
個別に車体速度を推定する必要がなくなり、車両全体の
センサの統合化を図ることができ、その結果、コストダ
ウンを図ることができる。また、車体速度の他に、ノイ
ズ重畳検出手段による検出結果、回転速度検出装置の出
力値等を外部装置に供給することもできる。各外部機器
において、これらが利用されれば、制御プログラムを容
易にしたり、制御精度を向上させたりすることができる
とともにセンサの統合化およびコストダウンをより一層
図ることができる。なお、エンジン制御装置なる用語
は、燃料噴射制御,点火時期制御,ノック制御,アイド
ル回転数制御等を総合的に行うエンジン総合制御装置
と、これら制御を個々に行うエンジン個別制御装置との
両方を包含するものとする。(34) 前記車体速度供給手段が、前記車体速度推定手
段によって推定された車体速度を複数個の外部機器に供
給するものであり、かつ、当該車体速度検出装置が、前
記車体速度推定手段によって推定された車体速度を処理
する処理手段と、その処理手段を、前記外部機器の種類
に対応して制御する処理手段制御手段とを含む(32)項ま
たは(33)項に記載の車体速度検出装置。ここで、処理手
段による処理は、例えば、フィルタ処理であり、フィル
タ自体を処理手段と考えることも可能である。車体速度
推定手段によって推定された車体速度を、複数個の外部
機器にそれぞれ供給する場合には、外部機器各々に供給
される車体速度はすべて同じであっても、外部機器の種
類に応じて異なっていてもよい。例えば、車体速度推定
手段によって推定された車体速度をアンチスキッド制御
装置とスピードメータとに供給する場合において、アン
チスキッド制御装置に供給する車体速度は、制御精度を
向上させるため、変動が多少大きくても遅れが小さい方
が望ましい。したがって、車体速度推定手段によって推
定された車体速度のフィルタ処理の回数を少なくした
り、弱いフィルタ処理を施したりして、フィルタ処理の
度合いを小さくすることが望ましい。それに対して、ス
ピードメータに供給する車体速度は、表示速度の変動が
小さい方がよいため、フィルタ処理回数を多くしたり、
強いフィルタ処理を施したりして、フィルタ処理の度合
いを大きくすることが望ましい。このような処理は、外
部機器各々において行われるようにしてもよいが、車体
速度検出装置において行われるようにしてもよい。ま
た、これら処理手段および処理手段制御手段は、車体速
度推定手段が有していても、車体速度供給手段が有して
いても、両方が有していてもよい。(35) (1)項〜(34)項の いずれか1つに記載の車体速
度検出装置を含むアンチスキッド制御装置あるいはトラ
クション制御装置。本車体速度検出装置は、車輪の回転
速度に基づいて車体速度を推定により求めるものである
ため、車輪の回転速度と車体速度との両方を必要とする
アンチスキッド制御装置やトラクション制御装置の一部
とするのに適している。その上、本車体速度検出装置
を、アンチスキッド制御装置やトラクション制御装置以
外の1個以上の外部機器に車体速度を供給する装置にも
兼用すれば、専用の車体速度検出装置を省略することが
でき、コストダウンを図ることができる。また、本車体
速度検出装置の車体速度推定手段によって推定された車
体速度およびノイズ重畳検出手段によって検出されたノ
イズ重畳有無の検出結果に基づいてトラクション制御が
行われる場合において、駆動スリップが過大で、かつ、
ノイズが重畳していないと検出された場合にトラクショ
ン制御が開始されるようにすれば、ノイズの重畳に起因
して誤ってトラクション制御が開始されることを回避す
ることができる。(36)(1) 〜(9),(11)〜(25),(27)〜(35)項のいずれ
か1つに 記載の車体速度検出装置を搭載した四輪駆動
車。レーシングが発生すると、駆動系に共振が生じ易く
なり、駆動輪の回転速度にノイズが重畳し易くなる。そ
のため、二輪駆動車の場合には、駆動輪の回転速度と非
駆動輪の回転速度とを比較すること等によってノイズが
重畳したか否かを高い信頼性をもって検出することがで
きる。それに対して、四輪駆動車においては、すべての
車輪が駆動輪であるため、ノイズが重畳したか否かを二
輪駆動車における場合と同様に検出することができず、
特殊な対策が必要となる。(37) 複数個の車輪の回転速度を各々検出する複数個
の回転速度検出装置と、前記複数の回転速度のうちの少
なくとも1つに基づいて車体速度を推定する車体速度推
定手段と、その車体速度推定手段によって推定された車
体速度を複数の外部機器に供給する車体速度供給手段と
を含む車体速度供給装置。複数の外部機器、特に3個以
上の外部機器に車体速度を共通に供給する車体速度供給
装置を設ければ、車両全体としてセンサを統合すること
ができ、コストダウンあるいは車両重量の軽減を図るこ
とができる。(38) 複数個の車輪の回転速度各々を検出する複数個
の回転速度検出装置と、前記複数の回転速度各々にノイ
ズが重畳しているか否かを検出するノイズ重畳検出手段
と、そのノイズ重畳検出手段による検出結果および前記
回転速度検出装置によって検出された回転速度に基づい
て車輪速度を推定する車輪速度推定手段とを含む車輪速
度検出装置。回転速度にノイズが重畳している場合に
は、回転速度検出装置によって検出された回転速度は実
際の車輪の回転速度ではない。その回転速度に基づいて
車輪速度が推定されると誤って推定される。それに対し
て、本項に記載の車体速度検出装置においては、車輪速
度が回転速度およびノイズ重畳検出手段による検出結果
に基づいて推定されるため、ノイズの重畳に起因して誤
った車輪速度が検出されることを良好に回避することが
できる。車輪に過大スリップが生じた場合に回転速度検
出装置によって検出される回転速度は実際の車輪の回転
速度である。車輪速度を推定する際に、ノイズが重畳し
ているか否かを検出する必要はあるが、過大スリップが
生じているか否かを検出する必要はないのである。(39) 前記車輪速度推定手段によって推定された車輪
速度に基づいて車体速度を推定する車体速度推定手段を
備えた(38)項に記載の車体速度等検出装置。(40) さらに、前記車輪速度推定手段によって推定さ
れた車輪速度と、前記車体速度推定手段によって推定さ
れた車体速度とを外部機器に供給する車体速度等出力手
段を含む(39)項に記載の車体速度等検出装置。外部装置
においてスリップ量が求められる場合において、車体速
度推定装置によって推定された車体速度と回転速度検出
装置によって検出された回転速度とが供給される場合に
は、誤って駆動スリップが過大であると検出される場合
がある。ノイズの重畳により回転速度が過大に検出さ
れ、車体速度との関係において駆動スリップが過大であ
ると検出されてしまうのである。それに対して、(38)項
の車輪速度検出装置によって検出された車輪速度と車体
速度とが供給されれば、ノイズに起因して誤って駆動ス
リップが過大であると検出されることが回避される。外
部装置がトラクション制御装置の場合には、本項に記載
の車体速度等検出装置における効果を、特に享受するこ
とができる。トラクション制御は、駆動スリップが過大
になった場合に行われ、各車輪の駆動スリップがほぼ適
正値にあるように行われる制御である。駆動スリップ
が、回転速度検出装置の出力値自体に基づいて求められ
る場合において、回転速度にノイズが重畳している場合
には、実際には駆動スリップが生じていないにもかかわ
らず、駆動スリップが過大であると検出され、トラクシ
ョン制御が誤って行われることがある。それに対して、
ノイズ重畳検出手段による検出結果と回転速度検出装置
によって検出された回転速度とに基づいて車輪速度を推
定する車輪速度推定手段によって推定された推定車輪速
度が使用されれば、回転速度にノイズが重畳していて
も、駆動スリップが過大になることが回避され、トラク
ション制御が誤って行われることが良好に回避される。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、請求項1,2,6,7の発
明に共通の一実施形態である車体速度検出装置について
説明する。本車体速度検出装置は液圧制御装置に含ま
れ、この液圧制御装置は図1に示す液圧ブレーキ装置に
備えられている。本液圧ブレーキ装置はオートマチック
トランスミッションを備え、かつ、駆動輪が後輪である
二輪駆動車に搭載されている。
明に共通の一実施形態である車体速度検出装置について
説明する。本車体速度検出装置は液圧制御装置に含ま
れ、この液圧制御装置は図1に示す液圧ブレーキ装置に
備えられている。本液圧ブレーキ装置はオートマチック
トランスミッションを備え、かつ、駆動輪が後輪である
二輪駆動車に搭載されている。
【0007】図1において、10はマスタシリンダであ
り、12,13は駆動輪としての左右後輪14,15に
設けられたホイールシリンダであり、16,17は、非
駆動輪としての左右前輪18,19に設けられたホイー
ルシリンダである。マスタシリンダ10の一方の加圧室
に発生させられた液圧は液通路20を経てそれぞれホイ
ールシリンダ12,13に供給される。液通路20の途
中には3位置電磁弁22が設けられている。3位置電磁
弁22は、常には図示のマスタシリンダ10とホイール
シリンダ12,13とを連通させる第一位置にあるが、
図示しないソレノイドの強弱2段階の励磁により、ホイ
ールシリンダ12,13をマスタシリンダ10からもマ
スタシリンダ10とは別の後述する副液圧源24からも
遮断する第二位置と、ホイールシリンダ12,13をマ
スタシリンダ10から遮断して副液圧源24に連通させ
る第三位置とにそれぞれ切換え可能なものである。ソレ
ノイドは、後に詳述する液圧制御装置26の指令に基づ
いて図示しない駆動回路により制御される。
り、12,13は駆動輪としての左右後輪14,15に
設けられたホイールシリンダであり、16,17は、非
駆動輪としての左右前輪18,19に設けられたホイー
ルシリンダである。マスタシリンダ10の一方の加圧室
に発生させられた液圧は液通路20を経てそれぞれホイ
ールシリンダ12,13に供給される。液通路20の途
中には3位置電磁弁22が設けられている。3位置電磁
弁22は、常には図示のマスタシリンダ10とホイール
シリンダ12,13とを連通させる第一位置にあるが、
図示しないソレノイドの強弱2段階の励磁により、ホイ
ールシリンダ12,13をマスタシリンダ10からもマ
スタシリンダ10とは別の後述する副液圧源24からも
遮断する第二位置と、ホイールシリンダ12,13をマ
スタシリンダ10から遮断して副液圧源24に連通させ
る第三位置とにそれぞれ切換え可能なものである。ソレ
ノイドは、後に詳述する液圧制御装置26の指令に基づ
いて図示しない駆動回路により制御される。
【0008】液通路20のホイールシリンダ12,13
と3位置電磁弁22との間には、3位置電磁弁30が設
けられている。3位置電磁弁30をバイパスするバイパ
ス通路32の途中には、逆止弁34が設けられている。
3位置電磁弁30は、ホイールシリンダ12,13をマ
スタシリンダ10に連通させる増圧位置と、ホイールシ
リンダ12,13をマスタシリンダ10からもリザーバ
38からも遮断する保持位置と、ホイールシリンダ1
2,13をリザーバ38に連通させ、マスタシリンダ1
0から遮断する減圧位置とに切り換え可能なものであ
る。本実施形態においては、駆動輪としての後輪側につ
いてはローセレクト制御が行われるようになっている。
と3位置電磁弁22との間には、3位置電磁弁30が設
けられている。3位置電磁弁30をバイパスするバイパ
ス通路32の途中には、逆止弁34が設けられている。
3位置電磁弁30は、ホイールシリンダ12,13をマ
スタシリンダ10に連通させる増圧位置と、ホイールシ
リンダ12,13をマスタシリンダ10からもリザーバ
38からも遮断する保持位置と、ホイールシリンダ1
2,13をリザーバ38に連通させ、マスタシリンダ1
0から遮断する減圧位置とに切り換え可能なものであ
る。本実施形態においては、駆動輪としての後輪側につ
いてはローセレクト制御が行われるようになっている。
【0009】逆止弁34はホイールシリンダ12,13
からマスタシリンダ10への作動液の流れを許容する
が、逆方向の流れを阻止するものである。バイパス通路
32および逆止弁34は、ブレーキペダル36の踏込み
が緩められた場合に、ホイールシリンダ12,13の作
動液をマスタシリンダ10に早急に戻すために設けられ
たものである。また、アンチスキッド制御中に3位置電
磁弁30が保持位置にあってホイールシリンダ12,1
3をマスタシリンダ10からもリザーバ38からも遮断
している状態でブレーキペダル36の踏込みが緩められ
た場合に、ホイールシリンダ12,13の作動液がマス
タシリンダ10に戻ることを許容し、ホイールシリンダ
圧を低下させる機能も果たす。
からマスタシリンダ10への作動液の流れを許容する
が、逆方向の流れを阻止するものである。バイパス通路
32および逆止弁34は、ブレーキペダル36の踏込み
が緩められた場合に、ホイールシリンダ12,13の作
動液をマスタシリンダ10に早急に戻すために設けられ
たものである。また、アンチスキッド制御中に3位置電
磁弁30が保持位置にあってホイールシリンダ12,1
3をマスタシリンダ10からもリザーバ38からも遮断
している状態でブレーキペダル36の踏込みが緩められ
た場合に、ホイールシリンダ12,13の作動液がマス
タシリンダ10に戻ることを許容し、ホイールシリンダ
圧を低下させる機能も果たす。
【0010】前記リザーバ38は、ポンプ42を介して
液通路20に接続されている。リザーバ38に収容され
た作動液は、ポンプ42によってくみ上げられてマスタ
シリンダ10に戻される。ポンプ42を駆動するモータ
44は、液圧制御装置26の指令に基づいて図示しない
駆動回路によって制御される。モータ44は、アンチス
キッド制御中あるいはトラクション制御中は継続して駆
動される。
液通路20に接続されている。リザーバ38に収容され
た作動液は、ポンプ42によってくみ上げられてマスタ
シリンダ10に戻される。ポンプ42を駆動するモータ
44は、液圧制御装置26の指令に基づいて図示しない
駆動回路によって制御される。モータ44は、アンチス
キッド制御中あるいはトラクション制御中は継続して駆
動される。
【0011】前記副液圧源24は、アキュムレータ5
4,ポンプ56,モータ58等を備えたものである。モ
ータ58の駆動によりポンプ56が作動させられると、
マスタシリンダ10に取り付けられたリザーバ60の作
動液が加圧されてアキュムレータ54に蓄えられる。モ
ータ58は、圧力センサ62によって検出されるアキュ
ムレータ圧がほぼ設定範囲内にあるように制御される。
また、副液圧源24とリザーバ60との間には、リリー
フ弁64が設けられ、万一圧力センサ62が故障した場
合にもアキュムレータ圧が設定圧以上にならないように
されている。
4,ポンプ56,モータ58等を備えたものである。モ
ータ58の駆動によりポンプ56が作動させられると、
マスタシリンダ10に取り付けられたリザーバ60の作
動液が加圧されてアキュムレータ54に蓄えられる。モ
ータ58は、圧力センサ62によって検出されるアキュ
ムレータ圧がほぼ設定範囲内にあるように制御される。
また、副液圧源24とリザーバ60との間には、リリー
フ弁64が設けられ、万一圧力センサ62が故障した場
合にもアキュムレータ圧が設定圧以上にならないように
されている。
【0012】同様に、非駆動輪としての前輪18,19
のホイールシリンダ16,17とマスタシリンダ10の
他方の加圧室とを接続する液通路68の途中には、3位
置電磁弁70,72がそれぞれ設けられている。また、
3位置電磁弁70,72をバイパスするバイパス通路7
4,76の途中には逆止弁78,80が設けられてい
る。リザーバ82はポンプ84を介して液通路68に接
続されており、ポンプ84はモータ86によって作動さ
せられるようになっている。前輪側においては、各車輪
18,19に対して独立にアンチスキッド制御が行われ
る。3位置電磁弁70,72は、それぞれ独立に制御さ
れる。3位置電磁弁70,72のソレノイドが、図示し
ない駆動回路により、液圧制御装置26の指令に基づい
て制御される。
のホイールシリンダ16,17とマスタシリンダ10の
他方の加圧室とを接続する液通路68の途中には、3位
置電磁弁70,72がそれぞれ設けられている。また、
3位置電磁弁70,72をバイパスするバイパス通路7
4,76の途中には逆止弁78,80が設けられてい
る。リザーバ82はポンプ84を介して液通路68に接
続されており、ポンプ84はモータ86によって作動さ
せられるようになっている。前輪側においては、各車輪
18,19に対して独立にアンチスキッド制御が行われ
る。3位置電磁弁70,72は、それぞれ独立に制御さ
れる。3位置電磁弁70,72のソレノイドが、図示し
ない駆動回路により、液圧制御装置26の指令に基づい
て制御される。
【0013】前記液圧制御装置26は、図2に示すよう
に、CPU90,ROM92,RAM94,入力部9
6,出力部98等を含むコンピュータを主体として構成
されたものであり、入力部96には、各車輪14,1
5,18,19の回転速度を検出する車輪速センサ14
2〜145,ブレーキペダル36が踏み込まれた場合に
ON信号を出力するブレーキスイッチ146,図示しな
いシフトレバーの位置を検出するシフトポジションセン
サ148,図示しないエンジンの出力軸の回転数を検出
する回転数センサ150等が接続され、出力部98に
は、各3位置電磁弁22,30,70,72のソレノイ
ド,モータ44,58,86が図示しない駆動回路を介
して接続されるとともに、スピードメータ152および
エンジン制御装置154が接続されている。回転数セン
サ150は、エンジン制御装置154の入力部にも直接
接続されている。また、ROM92には、図4のフロー
チャートで表される車体速度推定プログラムの他に、フ
ローチャートは省略するが、アンチスキッド制御プログ
ラム,トラクション制御プログラム等が格納されてい
る。RAM94には、車体速度一時メモリ,車体速度メ
モリ等が設けられている。
に、CPU90,ROM92,RAM94,入力部9
6,出力部98等を含むコンピュータを主体として構成
されたものであり、入力部96には、各車輪14,1
5,18,19の回転速度を検出する車輪速センサ14
2〜145,ブレーキペダル36が踏み込まれた場合に
ON信号を出力するブレーキスイッチ146,図示しな
いシフトレバーの位置を検出するシフトポジションセン
サ148,図示しないエンジンの出力軸の回転数を検出
する回転数センサ150等が接続され、出力部98に
は、各3位置電磁弁22,30,70,72のソレノイ
ド,モータ44,58,86が図示しない駆動回路を介
して接続されるとともに、スピードメータ152および
エンジン制御装置154が接続されている。回転数セン
サ150は、エンジン制御装置154の入力部にも直接
接続されている。また、ROM92には、図4のフロー
チャートで表される車体速度推定プログラムの他に、フ
ローチャートは省略するが、アンチスキッド制御プログ
ラム,トラクション制御プログラム等が格納されてい
る。RAM94には、車体速度一時メモリ,車体速度メ
モリ等が設けられている。
【0014】本実施形態においては、車体速度推定プロ
グラムの実行により、車輪速センサ142〜145によ
って検出された回転速度に基づいて車体速度が推定さ
れ、その車体速度が車体速度メモリに格納される。車体
速度メモリに格納された車体速度がスピードメータ15
2およびエンジン制御装置154に供給されるととも
に、その車体速度に基づいてアンチスキッド制御プログ
ラムやトラクション制御プログラムが実行される。な
お、ノイズ重畳有無の検出結果は、トラクション制御プ
ログラムが実行される際に考慮される。
グラムの実行により、車輪速センサ142〜145によ
って検出された回転速度に基づいて車体速度が推定さ
れ、その車体速度が車体速度メモリに格納される。車体
速度メモリに格納された車体速度がスピードメータ15
2およびエンジン制御装置154に供給されるととも
に、その車体速度に基づいてアンチスキッド制御プログ
ラムやトラクション制御プログラムが実行される。な
お、ノイズ重畳有無の検出結果は、トラクション制御プ
ログラムが実行される際に考慮される。
【0015】アンチスキッド制御プログラムの実行に従
って、アンチスキッド制御が行われる。ホイールシリン
ダ12,13,16,17の液圧が、各車輪14,1
5,18,19の制動スリップ率がほぼ適正値になるよ
うに、3位置電磁弁30,70,72が増圧位置,保持
位置,減圧位置にそれぞれ切り換えられるのである。ア
ンチスキッド制御は、車輪のスリップ量Sが、回転減速
度(負の回転加速度)が設定値以上になった時点のスリ
ップ量(ΔVSN)に設定量(ΔVR )を加えた値より大
きくなった場合(S>ΔVSN+ΔVR が満たされた場
合)に開始される。
って、アンチスキッド制御が行われる。ホイールシリン
ダ12,13,16,17の液圧が、各車輪14,1
5,18,19の制動スリップ率がほぼ適正値になるよ
うに、3位置電磁弁30,70,72が増圧位置,保持
位置,減圧位置にそれぞれ切り換えられるのである。ア
ンチスキッド制御は、車輪のスリップ量Sが、回転減速
度(負の回転加速度)が設定値以上になった時点のスリ
ップ量(ΔVSN)に設定量(ΔVR )を加えた値より大
きくなった場合(S>ΔVSN+ΔVR が満たされた場
合)に開始される。
【0016】トラクション制御プログラムの実行に従っ
て、トラクション制御が行われる。3位置電磁弁22が
第三位置に切り換えられた状態において、3位置電磁弁
30が増圧位置,保持位置,減圧位置にそれぞれ切り換
えられ、ホイールシリンダ12,13の液圧が、駆動輪
14,15の駆動スリップ率がほぼ適正値になるように
制御されるのである。本実施形態においてトクション制
御は、駆動スリップが過大となった場合(駆動輪である
後輪14,15の回転速度が車体速度に基づいて設定さ
れた設定速度より大きくなった場合)に開始されるが、
ノイズ重畳が検出された場合には行われないようになっ
ている。
て、トラクション制御が行われる。3位置電磁弁22が
第三位置に切り換えられた状態において、3位置電磁弁
30が増圧位置,保持位置,減圧位置にそれぞれ切り換
えられ、ホイールシリンダ12,13の液圧が、駆動輪
14,15の駆動スリップ率がほぼ適正値になるように
制御されるのである。本実施形態においてトクション制
御は、駆動スリップが過大となった場合(駆動輪である
後輪14,15の回転速度が車体速度に基づいて設定さ
れた設定速度より大きくなった場合)に開始されるが、
ノイズ重畳が検出された場合には行われないようになっ
ている。
【0017】上記車輪速センサ142〜145は、電磁
ピックアップ式のものである。図2に示すように、ヨー
ク160,コイル162,永久磁石164等を備えてお
り、固定部166において図示しない車体側部材に固定
される。ヨーク160の先端部が車輪14,15,1
8,19と一体的に回転可能に取り付けられているロー
タ168の外周部に近接した姿勢で固定されるのであ
る。また、ロータ168の外周部にはセレーション部が
形成され、多数個の凸部170と凹部172とが設けら
れている。永久磁石164による磁束がヨーク160,
ギャップ174,ロータ168を経て形成され、ロータ
168の回転につれてギャップ174の大きさが周期的
に変化するのに伴い、コイル162に交流電圧が発生さ
せられる。ロータ168の回転速度が大きいほどコイル
162に発生させられる交流電圧の周波数が大きくな
る。
ピックアップ式のものである。図2に示すように、ヨー
ク160,コイル162,永久磁石164等を備えてお
り、固定部166において図示しない車体側部材に固定
される。ヨーク160の先端部が車輪14,15,1
8,19と一体的に回転可能に取り付けられているロー
タ168の外周部に近接した姿勢で固定されるのであ
る。また、ロータ168の外周部にはセレーション部が
形成され、多数個の凸部170と凹部172とが設けら
れている。永久磁石164による磁束がヨーク160,
ギャップ174,ロータ168を経て形成され、ロータ
168の回転につれてギャップ174の大きさが周期的
に変化するのに伴い、コイル162に交流電圧が発生さ
せられる。ロータ168の回転速度が大きいほどコイル
162に発生させられる交流電圧の周波数が大きくな
る。
【0018】上記電磁ピックアップ式の車輪速センサ1
42〜145においては、ロータ168が現実には回転
していなくてもコイル162に交流電圧が発生させられ
る場合がある。例えば、駆動系に共振が生じた場合であ
る。駆動系の共振により車体側部材と車輪とが相対的に
振動させられると、ヨーク160とロータ168との距
離(ギャップ174の大きさ)が周期的に変化させられ
る。それに伴ってコイル162に交流電圧が発生させら
れ、大きさが0でない回転速度が検出されるのである。
駆動系の共振は、例えば、エンジンがレーシング状態に
あることに起因して生じる。レーシングに起因してギャ
ップ174の大きさが変化させられる場合には、コイル
162に発生させられる交流電圧の周波数の変化が、車
両の走行中には生じ得ないほどの大きさになる。車輪速
センサ142〜145によって検出される回転速度は車
輪の実際の回転速度ではなく、ノイズなのである。この
状態を車輪速センサ142〜145の回転速度にノイズ
が重畳したと称する。
42〜145においては、ロータ168が現実には回転
していなくてもコイル162に交流電圧が発生させられ
る場合がある。例えば、駆動系に共振が生じた場合であ
る。駆動系の共振により車体側部材と車輪とが相対的に
振動させられると、ヨーク160とロータ168との距
離(ギャップ174の大きさ)が周期的に変化させられ
る。それに伴ってコイル162に交流電圧が発生させら
れ、大きさが0でない回転速度が検出されるのである。
駆動系の共振は、例えば、エンジンがレーシング状態に
あることに起因して生じる。レーシングに起因してギャ
ップ174の大きさが変化させられる場合には、コイル
162に発生させられる交流電圧の周波数の変化が、車
両の走行中には生じ得ないほどの大きさになる。車輪速
センサ142〜145によって検出される回転速度は車
輪の実際の回転速度ではなく、ノイズなのである。この
状態を車輪速センサ142〜145の回転速度にノイズ
が重畳したと称する。
【0019】図3は、車両の停止状態において図示しな
いアクセルペダルが踏み込まれた場合に生じた駆動系の
振動の状態を示す図である。図において、破線Aはエン
ジンの回転数を表し、実線Bは右後輪15の回転速度を
検出する車輪速センサ143の出力値に基づいて求めら
れた回転速度を表し、実線Cは同じく車輪速センサ14
3の出力値に基づいて求められた回転速度の単位時間当
たりの変化量である回転加速度を表している。この回転
加速度は、フィルタ処理以前の車輪速センサ143の出
力値に基づいて求められた加速度であるため、以下、生
回転加速度と称する。
いアクセルペダルが踏み込まれた場合に生じた駆動系の
振動の状態を示す図である。図において、破線Aはエン
ジンの回転数を表し、実線Bは右後輪15の回転速度を
検出する車輪速センサ143の出力値に基づいて求めら
れた回転速度を表し、実線Cは同じく車輪速センサ14
3の出力値に基づいて求められた回転速度の単位時間当
たりの変化量である回転加速度を表している。この回転
加速度は、フィルタ処理以前の車輪速センサ143の出
力値に基づいて求められた加速度であるため、以下、生
回転加速度と称する。
【0020】破線Aが示すようにエンジンの回転数が大
きくなると、実際には車輪が回転していないにもかかわ
らず、実線Bが示すように、時点P以降において0でな
い大きさの回転速度が検出される。レーシングの発生に
起因して駆動系に共振が生じ、車体側部材と車輪との間
に相対的な振動が生じたため、車輪速センサ143の出
力値である回転速度にノイズが重畳したからである。こ
の車輪速センサ143の出力値に基づいて車体速度が推
定されると、実際には車両が停止状態にあるにもかかわ
らず、大きさが0でない車体速度が推定されることにな
る。
きくなると、実際には車輪が回転していないにもかかわ
らず、実線Bが示すように、時点P以降において0でな
い大きさの回転速度が検出される。レーシングの発生に
起因して駆動系に共振が生じ、車体側部材と車輪との間
に相対的な振動が生じたため、車輪速センサ143の出
力値である回転速度にノイズが重畳したからである。こ
の車輪速センサ143の出力値に基づいて車体速度が推
定されると、実際には車両が停止状態にあるにもかかわ
らず、大きさが0でない車体速度が推定されることにな
る。
【0021】それを回避するために、本実施形態におい
ては、車輪速センサ142〜145の回転速度にレーシ
ングに起因するノイズが重畳しているか否かが検出され
るようになっており、ノイズが重畳していると推定され
た場合には、車体速度の推定規則が変更されるようにな
っている。ノイズが重畳していないと検出された場合に
は、車体速度は、駆動輪である後輪14,15の回転速
度の平均値に基づいて推定されるが、ノイズの重畳が検
出された場合には、車体速度の推定の基本となる回転速
度が変更される。本実施形態においては、車体速度の推
定の基本となる回転速度が変更されることが推定規則の
変更なのである。
ては、車輪速センサ142〜145の回転速度にレーシ
ングに起因するノイズが重畳しているか否かが検出され
るようになっており、ノイズが重畳していると推定され
た場合には、車体速度の推定規則が変更されるようにな
っている。ノイズが重畳していないと検出された場合に
は、車体速度は、駆動輪である後輪14,15の回転速
度の平均値に基づいて推定されるが、ノイズの重畳が検
出された場合には、車体速度の推定の基本となる回転速
度が変更される。本実施形態においては、車体速度の推
定の基本となる回転速度が変更されることが推定規則の
変更なのである。
【0022】スピードメータ152においては、供給さ
れた車体速度が表示される。なお、スピードメータにお
いて表示される車体速度の大きさは、車両検査時のメー
タ精度評価や駆動軸の回転に基づいて車両速度を求める
従来の方法との共用化のためにも、駆動輪の回転速度に
基づいた速度を出力することとされている。エンジン制
御装置154においては、車体速度およびエンジン回転
数等に基づいて燃料噴射量制御が行われる。燃料噴射量
は、通常、エンジン回転数に基づいて制御されるが、エ
ンジンがレーシング状態にあると推定された場合には、
過レーシング防止制御が開始され、車体速度に基づいて
制御される。エンジンがレーシング状態にあると推定さ
れた場合には、エンジンは空回り状態にあるため、燃料
噴射量がエンジン回転数に基づいて制御されると過剰に
なる。これを回避するために過レーシング防止制御が開
始され、燃料噴射量が抑制されるのである。車両が停止
状態にあり(車体速度が設定速度以下であり)、かつ、
エンジン回転速度が設定値以上の場合にエンジンがレー
シング状態にあると推定される。
れた車体速度が表示される。なお、スピードメータにお
いて表示される車体速度の大きさは、車両検査時のメー
タ精度評価や駆動軸の回転に基づいて車両速度を求める
従来の方法との共用化のためにも、駆動輪の回転速度に
基づいた速度を出力することとされている。エンジン制
御装置154においては、車体速度およびエンジン回転
数等に基づいて燃料噴射量制御が行われる。燃料噴射量
は、通常、エンジン回転数に基づいて制御されるが、エ
ンジンがレーシング状態にあると推定された場合には、
過レーシング防止制御が開始され、車体速度に基づいて
制御される。エンジンがレーシング状態にあると推定さ
れた場合には、エンジンは空回り状態にあるため、燃料
噴射量がエンジン回転数に基づいて制御されると過剰に
なる。これを回避するために過レーシング防止制御が開
始され、燃料噴射量が抑制されるのである。車両が停止
状態にあり(車体速度が設定速度以下であり)、かつ、
エンジン回転速度が設定値以上の場合にエンジンがレー
シング状態にあると推定される。
【0023】前記車体速度の推定規則の変更については
後に車体速度推定プログラムを表す図4のフローチャー
トに従って説明するが、ここではその概略について説明
する。 (a)後輪14,15に共にレーシングに起因する共振
が生じていない場合、すなわち、車輪速センサ142,
143の回転速度のいずれにもレーシングに起因するノ
イズが重畳していないと検出された場合には、車体速度
は後輪14,15の回転速度の平均値に等しいと推定さ
れる。 (b)車輪速センサ142,143のいずれか一方の回
転速度のみにノイズが重畳していると検出された場合に
おいて、他方のノイズが重畳していないと検出された回
転速度の大きさが正常の場合には、その正常でノイズが
重畳していない回転速度に等しいと推定される。他方の
回転速度の大きさが異常の場合には推定規則(c)に基
づいて推定される。 (c)車輪速センサ142,143の回転速度に共にノ
イズが重畳していると検出された場合において、非駆動
輪である前輪18,19の回転速度を検出する車輪速セ
ンサ144,145の回転速度の大きさが正常の場合に
は、前輪18,19の回転速度の平均値に等しいと推定
され、異常の場合には、車体速度が0と推定される。
後に車体速度推定プログラムを表す図4のフローチャー
トに従って説明するが、ここではその概略について説明
する。 (a)後輪14,15に共にレーシングに起因する共振
が生じていない場合、すなわち、車輪速センサ142,
143の回転速度のいずれにもレーシングに起因するノ
イズが重畳していないと検出された場合には、車体速度
は後輪14,15の回転速度の平均値に等しいと推定さ
れる。 (b)車輪速センサ142,143のいずれか一方の回
転速度のみにノイズが重畳していると検出された場合に
おいて、他方のノイズが重畳していないと検出された回
転速度の大きさが正常の場合には、その正常でノイズが
重畳していない回転速度に等しいと推定される。他方の
回転速度の大きさが異常の場合には推定規則(c)に基
づいて推定される。 (c)車輪速センサ142,143の回転速度に共にノ
イズが重畳していると検出された場合において、非駆動
輪である前輪18,19の回転速度を検出する車輪速セ
ンサ144,145の回転速度の大きさが正常の場合に
は、前輪18,19の回転速度の平均値に等しいと推定
され、異常の場合には、車体速度が0と推定される。
【0024】ここで、前輪18,19については共振が
生じているか否かが検出されないのは、非駆動輪には共
振が生じ難いからである。また、原則として車体速度が
駆動輪の回転速度に基づいて推定されるため、非駆動輪
18,19に共振が生じたか否かを検出する必要性が低
いからである。このように、本実施形態においては、駆
動輪である後輪14,15の回転速度に対してのみノイ
ズが重畳したか否かが検出されるようになっているので
あり、ノイズ重畳有無の検出対象である被検出回転速度
が後輪14,15の回転速度とされる。これは、被検出
回転速度指定の優先順位が、駆動輪の方が非駆動輪より
上位とされる場合の例であると考えることができる。
生じているか否かが検出されないのは、非駆動輪には共
振が生じ難いからである。また、原則として車体速度が
駆動輪の回転速度に基づいて推定されるため、非駆動輪
18,19に共振が生じたか否かを検出する必要性が低
いからである。このように、本実施形態においては、駆
動輪である後輪14,15の回転速度に対してのみノイ
ズが重畳したか否かが検出されるようになっているので
あり、ノイズ重畳有無の検出対象である被検出回転速度
が後輪14,15の回転速度とされる。これは、被検出
回転速度指定の優先順位が、駆動輪の方が非駆動輪より
上位とされる場合の例であると考えることができる。
【0025】大きさが正常な回転速度は、大きさが異常
でない回転速度であり、大きさが異常な回転速度は、内
部において断線等の異常が生じていると推定される車輪
速センサの出力値であり、本実施形態においては、出力
されるはずの交流電圧が全く検出されない車輪速センサ
の回転速度が異常な回転速度とされる。車輪速センサの
出力信号は、交流電圧であるため、電圧が0になる点が
必ずあるはずである。しかし、交流電圧が全く出力され
ない場合には、電圧が0となる点が検出されなかった
り、電圧が0の状態が設定時間以上継続したりする。こ
れらの場合には、交流電圧が全く検出されず、その車輪
速センサにおいて断線等の異常が生じているおそれがあ
ると推定される。断線等の異常が生じていると推定され
た場合には、その車輪速センサによって検出された回転
速度がノイズ重畳の検出や車体速度の推定に使用されな
いようにするのである。
でない回転速度であり、大きさが異常な回転速度は、内
部において断線等の異常が生じていると推定される車輪
速センサの出力値であり、本実施形態においては、出力
されるはずの交流電圧が全く検出されない車輪速センサ
の回転速度が異常な回転速度とされる。車輪速センサの
出力信号は、交流電圧であるため、電圧が0になる点が
必ずあるはずである。しかし、交流電圧が全く出力され
ない場合には、電圧が0となる点が検出されなかった
り、電圧が0の状態が設定時間以上継続したりする。こ
れらの場合には、交流電圧が全く検出されず、その車輪
速センサにおいて断線等の異常が生じているおそれがあ
ると推定される。断線等の異常が生じていると推定され
た場合には、その車輪速センサによって検出された回転
速度がノイズ重畳の検出や車体速度の推定に使用されな
いようにするのである。
【0026】本実施形態において、レーシングに起因す
るノイズが重畳しているか否かの検出は、エンジンがレ
ーシング状態にある可能性があると推定された場合に、
生回転加速度が設定加速度より大きいか否かに基づいて
行われる。レーシング状態にある可能性があるか否か
は、車両が停止状態にあるか否かに基づいて推定され
る。本液圧ブレーキ装置はオートマチックトランスミッ
ションを備えた車両に搭載されているため、シフトレバ
ー位置がニュートラルやパーキングにある場合のみなら
ず、ドライブにある場合でもレーシング状態となる可能
性があり、停止状態にあればレーシング状態にある可能
性があると推定するのが妥当なのである。
るノイズが重畳しているか否かの検出は、エンジンがレ
ーシング状態にある可能性があると推定された場合に、
生回転加速度が設定加速度より大きいか否かに基づいて
行われる。レーシング状態にある可能性があるか否か
は、車両が停止状態にあるか否かに基づいて推定され
る。本液圧ブレーキ装置はオートマチックトランスミッ
ションを備えた車両に搭載されているため、シフトレバ
ー位置がニュートラルやパーキングにある場合のみなら
ず、ドライブにある場合でもレーシング状態となる可能
性があり、停止状態にあればレーシング状態にある可能
性があると推定するのが妥当なのである。
【0027】車両が停止状態にあるか否かは、非駆動輪
である前輪18,19の回転速度の大きい方が設定速度
以下か否かに基づいて検出される。車体速度は非駆動輪
の回転速度のうちの大きい方に基づいて推定した方が推
定精度が高くなるからである。また、非駆動輪には共振
が生じ難いため、非駆動輪の回転速度にはノイズが重畳
している可能性が低い。この点においても、車両が停止
状態にあるか否かを、非駆動輪の回転速度に基づいて推
定することは妥当である。設定速度は、車両が停止状態
にあるとみなし得る速度である。本実施形態において
は、非駆動輪である前輪18,19の回転速度の大きい
方が請求項1にいう基準回転速度とされるのである。
である前輪18,19の回転速度の大きい方が設定速度
以下か否かに基づいて検出される。車体速度は非駆動輪
の回転速度のうちの大きい方に基づいて推定した方が推
定精度が高くなるからである。また、非駆動輪には共振
が生じ難いため、非駆動輪の回転速度にはノイズが重畳
している可能性が低い。この点においても、車両が停止
状態にあるか否かを、非駆動輪の回転速度に基づいて推
定することは妥当である。設定速度は、車両が停止状態
にあるとみなし得る速度である。本実施形態において
は、非駆動輪である前輪18,19の回転速度の大きい
方が請求項1にいう基準回転速度とされるのである。
【0028】生回転加速度は、図3の実線Cが示すよう
に、回転速度にノイズが重畳すると非常に大きくなる。
実線Cは、変極点付近が平らになっており、この図にお
いては、スケールオーバーしていることがわかり、生回
転加速度は、実際には図に示されるより大きな値とな
る。設定加速度は12Gぐらいの大きさであり、車両が
実際に走行している場合には生じ得ないほどの大きさで
ある。
に、回転速度にノイズが重畳すると非常に大きくなる。
実線Cは、変極点付近が平らになっており、この図にお
いては、スケールオーバーしていることがわかり、生回
転加速度は、実際には図に示されるより大きな値とな
る。設定加速度は12Gぐらいの大きさであり、車両が
実際に走行している場合には生じ得ないほどの大きさで
ある。
【0029】また、本実施形態においては、回転速度に
レーシングに起因するノイズが重畳していると検出され
たときに、ノイズの重畳が解消したか否かのノイズ重畳
解消検出が開始され、ノイズ重畳の解消が検出されたと
きにノイズ重畳解消検出が終了させられる。ノイズ重畳
は、以下に示すノイズ重畳解消条件が満たされた場合に
解消されたと検出される。 (1)車輪速センサ142,143の生回転加速度が共
に上記設定加速度以下になり、その状態が設定時間以上
継続したこと、 (2)車輪速センサ142〜145のうちで最も大きい
回転速度の大きさが0、換言すれば、すべての回転速度
の大きさが0であり、その状態が設定時間以上継続した
こと、 (3)非駆動輪である前輪18,19の回転速度のうち
の大きい方が設定速度以上になったことの3つの条件の
うちのいずれか1つの条件が満たされた場合にノイズ重
畳解消条件が満たされたとされ、ノイズ重畳が解消され
たと検出される。
レーシングに起因するノイズが重畳していると検出され
たときに、ノイズの重畳が解消したか否かのノイズ重畳
解消検出が開始され、ノイズ重畳の解消が検出されたと
きにノイズ重畳解消検出が終了させられる。ノイズ重畳
は、以下に示すノイズ重畳解消条件が満たされた場合に
解消されたと検出される。 (1)車輪速センサ142,143の生回転加速度が共
に上記設定加速度以下になり、その状態が設定時間以上
継続したこと、 (2)車輪速センサ142〜145のうちで最も大きい
回転速度の大きさが0、換言すれば、すべての回転速度
の大きさが0であり、その状態が設定時間以上継続した
こと、 (3)非駆動輪である前輪18,19の回転速度のうち
の大きい方が設定速度以上になったことの3つの条件の
うちのいずれか1つの条件が満たされた場合にノイズ重
畳解消条件が満たされたとされ、ノイズ重畳が解消され
たと検出される。
【0030】条件(1),(2)が満たされれば、共振
が終了したと推定され、条件(3)が満たされれば、車
両が実際に走行しているためレーシング状態にある可能
性が低いと推定される。このように、ノイズ重畳解消検
出条件は、実際にノイズの重畳が解消されたことが検出
された場合だけでなく、エンジンがレーシング状態にあ
る可能性が低いと推定された場合にも満たされる。な
お、ノイズの重畳が検出されると、ノイズフラグがセッ
トされ、ノイズ重畳の解消が検出されればノイズフラグ
はリセットされる。
が終了したと推定され、条件(3)が満たされれば、車
両が実際に走行しているためレーシング状態にある可能
性が低いと推定される。このように、ノイズ重畳解消検
出条件は、実際にノイズの重畳が解消されたことが検出
された場合だけでなく、エンジンがレーシング状態にあ
る可能性が低いと推定された場合にも満たされる。な
お、ノイズの重畳が検出されると、ノイズフラグがセッ
トされ、ノイズ重畳の解消が検出されればノイズフラグ
はリセットされる。
【0031】以上のノイズ重畳の検出および車体速度推
定規則の変更を含む車体速度の推定について図4のフロ
ーチャートに基づいてさらに具体的に説明する。まず、
ステップ11(以下、S11と略称する。他のステップ
においても同様とする)においてノイズフラグがセット
されているか否かが判定される。セットされていない場
合には、S12において、車体速度が、駆動輪である後
輪14,15の回転速度の平均値に等しいと推定され、
RAM94の車体速度一時メモリに格納される。S13
において、左右後輪14,15の少なくとも一方にレー
シングに起因する共振が生じたか否か、すなわち、車輪
速センサ142,143の少なくとも一方の回転速度に
レーシングに起因するノイズが重畳しているか否かが検
出される。図5のフローチャートに示すように、S4
1,42において、車両が停止状態にあるか否か、車輪
速センサ142,143の少なくとも一方の生回転加速
度が設定加速度より大きいか否かがそれぞれ判定され
る。いずれのステップにおける判定もYESである場合
には、S43において、車輪速センサ142,143に
よって検出された回転速度のうちの少なくとも一方にノ
イズが重畳していると検出される。
定規則の変更を含む車体速度の推定について図4のフロ
ーチャートに基づいてさらに具体的に説明する。まず、
ステップ11(以下、S11と略称する。他のステップ
においても同様とする)においてノイズフラグがセット
されているか否かが判定される。セットされていない場
合には、S12において、車体速度が、駆動輪である後
輪14,15の回転速度の平均値に等しいと推定され、
RAM94の車体速度一時メモリに格納される。S13
において、左右後輪14,15の少なくとも一方にレー
シングに起因する共振が生じたか否か、すなわち、車輪
速センサ142,143の少なくとも一方の回転速度に
レーシングに起因するノイズが重畳しているか否かが検
出される。図5のフローチャートに示すように、S4
1,42において、車両が停止状態にあるか否か、車輪
速センサ142,143の少なくとも一方の生回転加速
度が設定加速度より大きいか否かがそれぞれ判定され
る。いずれのステップにおける判定もYESである場合
には、S43において、車輪速センサ142,143に
よって検出された回転速度のうちの少なくとも一方にノ
イズが重畳していると検出される。
【0032】車輪速センサ142,143のいずれの回
転速度にもノイズの重畳が検出されない場合には、S1
3の判定がNOとなり、S14において、S12におい
て求められた車体速度の値が確定され、車体速度メモリ
に格納される。この車体速度がスピードメータ152,
エンジン制御装置154に供給されるとともに、この車
体速度に基づいてアンチスキッド制御プログラムやトラ
クション制御プログラムが実行される。車体速度一時メ
モリに格納された車体速度は消去される。
転速度にもノイズの重畳が検出されない場合には、S1
3の判定がNOとなり、S14において、S12におい
て求められた車体速度の値が確定され、車体速度メモリ
に格納される。この車体速度がスピードメータ152,
エンジン制御装置154に供給されるとともに、この車
体速度に基づいてアンチスキッド制御プログラムやトラ
クション制御プログラムが実行される。車体速度一時メ
モリに格納された車体速度は消去される。
【0033】それに対して、少なくとも一方の車輪速セ
ンサ142,143の回転速度にノイズが重畳している
と検出された場合には、S15においてノイズフラグが
セットされ、S16以降において、推定規則が変更さ
れ、車体速度がその変更された推定規則に基づいて推定
される。S16において、回転速度にノイズが重畳して
いると検出された車輪速センサが、車輪速センサ14
2,143のいずれか一方か両方かが判定される。いず
れか一方であれば判定がYESとなり、S17におい
て、他方のノイズが重畳していないと検出された車輪速
センサの回転速度が正常か否かが判定される。例えば、
車輪速センサ142の回転速度にノイズが重畳している
と検出された場合には、車輪速センサ143において断
線等の異常が生じているか否かが判定されるのである。
ンサ142,143の回転速度にノイズが重畳している
と検出された場合には、S15においてノイズフラグが
セットされ、S16以降において、推定規則が変更さ
れ、車体速度がその変更された推定規則に基づいて推定
される。S16において、回転速度にノイズが重畳して
いると検出された車輪速センサが、車輪速センサ14
2,143のいずれか一方か両方かが判定される。いず
れか一方であれば判定がYESとなり、S17におい
て、他方のノイズが重畳していないと検出された車輪速
センサの回転速度が正常か否かが判定される。例えば、
車輪速センサ142の回転速度にノイズが重畳している
と検出された場合には、車輪速センサ143において断
線等の異常が生じているか否かが判定されるのである。
【0034】他方の車輪速センサの回転速度が正常であ
る場合には、S17における判定がYESとなり、S1
8において、車体速度が、車輪速センサ142,143
の回転速度のうちの小さい方に等しいと推定される。車
体速度一時メモリに記憶されているS12において求め
られた後輪14,15の回転速度の平均値に等しいと推
定された車体速度は消去され、このS18において推定
された車体速度が車体速度メモリに格納されるのであ
る。この他方の車体速度センサの回転速度は、大きさが
正常で、かつ、ノイズが重畳していないからである。
る場合には、S17における判定がYESとなり、S1
8において、車体速度が、車輪速センサ142,143
の回転速度のうちの小さい方に等しいと推定される。車
体速度一時メモリに記憶されているS12において求め
られた後輪14,15の回転速度の平均値に等しいと推
定された車体速度は消去され、このS18において推定
された車体速度が車体速度メモリに格納されるのであ
る。この他方の車体速度センサの回転速度は、大きさが
正常で、かつ、ノイズが重畳していないからである。
【0035】他方の車輪速センサの回転速度が異常であ
る場合には、S17における判定がNOとなり、S19
において、前輪18,19の回転速度を検出する車輪速
センサ144,145の回転速度の大きさが正常か否か
が判定される。車輪速センサ144,145の回転速度
が共に正常である場合には、判定がYESとなり、S2
0において、車体速度が前輪18,19の回転速度の平
均値に等しいと推定され、この車体速度が車体速度メモ
リに格納される。それに対して、車輪速センサ144,
145の少なくとも一方において断線が生じている場合
には、判定がNOとなり、S21において車体速度は0
と推定される。車体速度を正確に推定することができな
いからである。
る場合には、S17における判定がNOとなり、S19
において、前輪18,19の回転速度を検出する車輪速
センサ144,145の回転速度の大きさが正常か否か
が判定される。車輪速センサ144,145の回転速度
が共に正常である場合には、判定がYESとなり、S2
0において、車体速度が前輪18,19の回転速度の平
均値に等しいと推定され、この車体速度が車体速度メモ
リに格納される。それに対して、車輪速センサ144,
145の少なくとも一方において断線が生じている場合
には、判定がNOとなり、S21において車体速度は0
と推定される。車体速度を正確に推定することができな
いからである。
【0036】以上は、車輪速センサ142,143のい
ずれか一方の回転速度にノイズが重畳し、他方の回転速
度が異常であるためにS19以降が実行される場合につ
いて説明したが、S19以降の実行は、車輪速度センサ
142,143の回転速度に共にノイズが重畳してお
り、S16における判定がNOとなった場合にも行われ
る。これらいずれの場合においても、車体速度を後輪1
4,15の回転速度に基づいて推定することはできない
からである。
ずれか一方の回転速度にノイズが重畳し、他方の回転速
度が異常であるためにS19以降が実行される場合につ
いて説明したが、S19以降の実行は、車輪速度センサ
142,143の回転速度に共にノイズが重畳してお
り、S16における判定がNOとなった場合にも行われ
る。これらいずれの場合においても、車体速度を後輪1
4,15の回転速度に基づいて推定することはできない
からである。
【0037】ノイズの重畳が検出され、S18,20,
21のいずれかのステップにおいて車体速度が推定され
た場合には、ノイズ重畳解消条件が満たされるか否かが
S22以降において検出される。まず、S22におい
て、車輪速センサ142,143の生回転加速度が共
に、設定加速度以下か否かが判定され、少なくとも一方
の生回転加速度が設定加速度より大きい場合には、S2
2における判定がNOとなり、S23において、後述す
る解消フラグAがリセットされた後、S24において、
車輪速センサ142〜145の回転速度のうちの最大値
が0か否かが判定される。最大値が0より大きい場合に
は、S24における判定がNOとなり、S25におい
て、S23と同様に、解消フラグBがリセットされ、S
26において、非駆動輪である前輪18,19の大きい
方の回転速度が設定速度より大きいか否かが判定され
る。
21のいずれかのステップにおいて車体速度が推定され
た場合には、ノイズ重畳解消条件が満たされるか否かが
S22以降において検出される。まず、S22におい
て、車輪速センサ142,143の生回転加速度が共
に、設定加速度以下か否かが判定され、少なくとも一方
の生回転加速度が設定加速度より大きい場合には、S2
2における判定がNOとなり、S23において、後述す
る解消フラグAがリセットされた後、S24において、
車輪速センサ142〜145の回転速度のうちの最大値
が0か否かが判定される。最大値が0より大きい場合に
は、S24における判定がNOとなり、S25におい
て、S23と同様に、解消フラグBがリセットされ、S
26において、非駆動輪である前輪18,19の大きい
方の回転速度が設定速度より大きいか否かが判定され
る。
【0038】解消フラグAは、前記条件(1)が満たさ
れる可能性が生じた場合にセットされ、条件(1)が満
たされる可能性がなくなった場合あるいは条件(1)が
満たされることによってノイズフラグがリセットされた
場合にリセットされるフラグである。条件(1)は、前
述のように生回転加速度が設定加速度以下の状態が設定
時間以上継続した場合に満たされるため、生回転加速度
が設定加速度以下になると解消フラグAがセットされる
ようにされているのである。また、タイマAは、その生
回転加速度が設定加速度以下の状態が継続している時間
を計測するタイマである。解消フラグBは条件(2)が
満たされる可能性が生じた場合、すなわち最大回転速度
が0になった場合にセットされるフラグであり、タイマ
Bは、最大回転速度が0の状態が継続している時間を計
測するタイマである。
れる可能性が生じた場合にセットされ、条件(1)が満
たされる可能性がなくなった場合あるいは条件(1)が
満たされることによってノイズフラグがリセットされた
場合にリセットされるフラグである。条件(1)は、前
述のように生回転加速度が設定加速度以下の状態が設定
時間以上継続した場合に満たされるため、生回転加速度
が設定加速度以下になると解消フラグAがセットされる
ようにされているのである。また、タイマAは、その生
回転加速度が設定加速度以下の状態が継続している時間
を計測するタイマである。解消フラグBは条件(2)が
満たされる可能性が生じた場合、すなわち最大回転速度
が0になった場合にセットされるフラグであり、タイマ
Bは、最大回転速度が0の状態が継続している時間を計
測するタイマである。
【0039】S22,24,26すべてのステップにお
ける判定がNOの場合には、プログラムの実行がS11
に戻される。ここでは、ノイズフラグがセットされてい
るため、判定がYESとなり、S16〜21において、
車体速度が推定され、再び、S22,24,26におい
て、各条件が満たされるか否かが判定される。ノイズフ
ラグがセットされている場合には、ノイズが重畳してい
ることが明らかであるため、S13のノイズが重畳して
いるか否かの判定が行われないのである。ノイズが重畳
している間、すなわち、ノイズフラグがセットされてい
る間であって、S22,24,26における判定がいず
れもNOの場合には、S11,S16〜21,S22〜
26が繰り返し実行され、車体速度が推定される。
ける判定がNOの場合には、プログラムの実行がS11
に戻される。ここでは、ノイズフラグがセットされてい
るため、判定がYESとなり、S16〜21において、
車体速度が推定され、再び、S22,24,26におい
て、各条件が満たされるか否かが判定される。ノイズフ
ラグがセットされている場合には、ノイズが重畳してい
ることが明らかであるため、S13のノイズが重畳して
いるか否かの判定が行われないのである。ノイズが重畳
している間、すなわち、ノイズフラグがセットされてい
る間であって、S22,24,26における判定がいず
れもNOの場合には、S11,S16〜21,S22〜
26が繰り返し実行され、車体速度が推定される。
【0040】これらが繰り返し実行されるうちに、車輪
速センサ142,143の生回転加速度が共に設定加速
度以下になった場合には、S22における判定がYES
となり、S27以降が実行される。S27においては、
解消フラグAがセットされているか否かが判定される。
ここでは、セットされていないため、判定はNOとな
り、S28において解消フラグAがセットされ、S29
においてタイマAがスタートされる。その後、S30に
おいて、設定時間が経過したか否かが判定されるが、S
30が最初に実行される場合には、判定はNOであるた
め、そのまま、S11の実行に戻る。同様に、S18,
20,21のいずれか1つのステップにおいて、車体速
度が推定された後、S22が実行される。
速センサ142,143の生回転加速度が共に設定加速
度以下になった場合には、S22における判定がYES
となり、S27以降が実行される。S27においては、
解消フラグAがセットされているか否かが判定される。
ここでは、セットされていないため、判定はNOとな
り、S28において解消フラグAがセットされ、S29
においてタイマAがスタートされる。その後、S30に
おいて、設定時間が経過したか否かが判定されるが、S
30が最初に実行される場合には、判定はNOであるた
め、そのまま、S11の実行に戻る。同様に、S18,
20,21のいずれか1つのステップにおいて、車体速
度が推定された後、S22が実行される。
【0041】車輪速センサ142,143の生回転加速
度が共に設定加速度以下の状態が継続すれば、判定は再
びYESとなり、S27において、解消フラグAがセッ
トされているか否かが判定される。ここでは、解消フラ
グAがセットされているため、判定はYESとなり、S
30において、設定時間経過したか否か判定される。設
定加速度以下の状態が設定時間以上継続すれば、S30
における判定がYESとなり、S31,32においてノ
イズフラグがリセットされ、解消フラグAがリセットさ
れる。前記ノイズ重畳解消条件のうちの条件(1)が満
たされてノイズフラグがリセットされるのである。
度が共に設定加速度以下の状態が継続すれば、判定は再
びYESとなり、S27において、解消フラグAがセッ
トされているか否かが判定される。ここでは、解消フラ
グAがセットされているため、判定はYESとなり、S
30において、設定時間経過したか否か判定される。設
定加速度以下の状態が設定時間以上継続すれば、S30
における判定がYESとなり、S31,32においてノ
イズフラグがリセットされ、解消フラグAがリセットさ
れる。前記ノイズ重畳解消条件のうちの条件(1)が満
たされてノイズフラグがリセットされるのである。
【0042】ノイズフラグがリセットされれば、次に、
S11が実行された場合に、判定がNOとなり、S12
において、前述のように、後輪14,15の回転速度の
平均値に等しいと車体速度が推定され、車体速度一時メ
モリに格納される。その後、S13において、車輪速セ
ンサ142,143の回転速度にノイズが重畳したか否
かが検出され、その検出結果に基づいて推定規則が変更
され、その変更された推定規則に基づいて車体速度が推
定される。ノイズの重畳解消が検出されたため、ノイズ
が重畳したか否かが検出されるのである。それに対し
て、生回転加速度が設定加速度以下の状態が設定時間継
続されなかった場合には、S22における判定がNOと
なり、S23において、解消フラグAがリセットされ
る。
S11が実行された場合に、判定がNOとなり、S12
において、前述のように、後輪14,15の回転速度の
平均値に等しいと車体速度が推定され、車体速度一時メ
モリに格納される。その後、S13において、車輪速セ
ンサ142,143の回転速度にノイズが重畳したか否
かが検出され、その検出結果に基づいて推定規則が変更
され、その変更された推定規則に基づいて車体速度が推
定される。ノイズの重畳解消が検出されたため、ノイズ
が重畳したか否かが検出されるのである。それに対し
て、生回転加速度が設定加速度以下の状態が設定時間継
続されなかった場合には、S22における判定がNOと
なり、S23において、解消フラグAがリセットされ
る。
【0043】前記S11,S16〜21,S22〜26
の実行中に、回転速度のうちの最大値が0になれば、S
24における判定がYESとなり、S33以降が実行さ
れる。S27〜32における実行と同様に、最大値が0
の状態が設定時間以上保たれれば、S36における判定
がYESとなり、S37,38において、ノイズフラグ
がリセットされ、解消フラグBがリセットされる。ノイ
ズ重畳解消条件(2)が満たされたからである。前輪1
8,19の大きい方の回転速度が設定速度より大きくな
れば、S26における判定がYESとなり、S39にお
いてノイズフラグがリセットされる。ノイズ解消条件
(3)が満たされたからである。
の実行中に、回転速度のうちの最大値が0になれば、S
24における判定がYESとなり、S33以降が実行さ
れる。S27〜32における実行と同様に、最大値が0
の状態が設定時間以上保たれれば、S36における判定
がYESとなり、S37,38において、ノイズフラグ
がリセットされ、解消フラグBがリセットされる。ノイ
ズ重畳解消条件(2)が満たされたからである。前輪1
8,19の大きい方の回転速度が設定速度より大きくな
れば、S26における判定がYESとなり、S39にお
いてノイズフラグがリセットされる。ノイズ解消条件
(3)が満たされたからである。
【0044】なお、本実施形態においては、交流電圧が
全く検出されない車輪速センサに断線等の異常が生じて
いるとされる。しかし、交流電圧が全く検出されないの
は異常発生時のみではなく、車輪の回転が停止している
場合もある。異常ではなく、停止している場合でもS1
9やS17において異常と判定されることとなるが、こ
れらの場合には最終的にS21において車体速度が0と
されるため差し支えはない。
全く検出されない車輪速センサに断線等の異常が生じて
いるとされる。しかし、交流電圧が全く検出されないの
は異常発生時のみではなく、車輪の回転が停止している
場合もある。異常ではなく、停止している場合でもS1
9やS17において異常と判定されることとなるが、こ
れらの場合には最終的にS21において車体速度が0と
されるため差し支えはない。
【0045】次に、本車体速度検出装置において車体速
度が検出される場合について図3に基づいて説明する。
時点P以前において、ノイズフラグがセットされていな
い場合には、車体速度が車輪速センサ142,143の
回転速度の平均値に等しいと推定される。車両は停止状
態にあり、車体速度の大きさは0と推定される。時点P
において、車輪速センサ143の生回転加速度が設定加
速度より大きくなると、レーシングに起因するノイズが
重畳したと検出され、ノイズフラグがセットされる。車
輪速センサ142の回転速度が正常で、かつ、ノイズが
重畳していない場合には、車体速度は車輪速センサ14
2の回転速度に等しいと推定され、車輪速センサ142
の回転速度にも重畳している場合において、車輪速セン
サ144,145の出力値が正常であれば、前輪18,
19の回転速度の平均値に等しいと推定され、少なくと
も一方が異常であれば、大きさが0と推定される。いず
れの場合においても、車両は停止状態にあるため、ノイ
ズが重畳していない回転速度の大きさはほぼ0である。
したがって、車体速度の大きさは、一点鎖線Dが示すよ
うに、時点P以降においても0であると推定される。
度が検出される場合について図3に基づいて説明する。
時点P以前において、ノイズフラグがセットされていな
い場合には、車体速度が車輪速センサ142,143の
回転速度の平均値に等しいと推定される。車両は停止状
態にあり、車体速度の大きさは0と推定される。時点P
において、車輪速センサ143の生回転加速度が設定加
速度より大きくなると、レーシングに起因するノイズが
重畳したと検出され、ノイズフラグがセットされる。車
輪速センサ142の回転速度が正常で、かつ、ノイズが
重畳していない場合には、車体速度は車輪速センサ14
2の回転速度に等しいと推定され、車輪速センサ142
の回転速度にも重畳している場合において、車輪速セン
サ144,145の出力値が正常であれば、前輪18,
19の回転速度の平均値に等しいと推定され、少なくと
も一方が異常であれば、大きさが0と推定される。いず
れの場合においても、車両は停止状態にあるため、ノイ
ズが重畳していない回転速度の大きさはほぼ0である。
したがって、車体速度の大きさは、一点鎖線Dが示すよ
うに、時点P以降においても0であると推定される。
【0046】このように、本実施形態においては、回転
速度にノイズが重畳しているか否かを検出することがで
きる。また、ノイズ重畳の検出結果に応じて車体速度推
定規則が変更されるため、ノイズの重畳に起因して誤っ
た車体速度が検出されることを回避することができる。
車両が停止状態にあるにもかかわらず大きさが0でない
車体速度が検出されることを良好に回避することができ
るのである。
速度にノイズが重畳しているか否かを検出することがで
きる。また、ノイズ重畳の検出結果に応じて車体速度推
定規則が変更されるため、ノイズの重畳に起因して誤っ
た車体速度が検出されることを回避することができる。
車両が停止状態にあるにもかかわらず大きさが0でない
車体速度が検出されることを良好に回避することができ
るのである。
【0047】本車体速度検出装置によって検出された車
体速度がスピードメータ152に供給されれば、スピー
ドメータ152において誤った大きさの車体速度が表示
されることを回避することができる。車体速度がエンジ
ン制御装置154に供給されれば、エンジン制御装置1
54において、レーシング状態にないと検出された場合
には燃料噴射量がエンジン回転数に基づいて制御され、
レーシング状態にあると検出された場合には車体速度に
基づいて制御される。ノイズの重畳に起因して誤った車
体速度が供給されることがないため、車両が実際には停
止状態にあるにもかかわらず停止状態にないと検出され
ることが回避され、良好に、過レーシング防止制御を開
始させることができる。また、過レーシング防止制御が
行われる際においても、ノイズの重畳に起因して誤った
車体速度が推定されることが回避されるため、燃料噴射
量を良好に抑制することができる。
体速度がスピードメータ152に供給されれば、スピー
ドメータ152において誤った大きさの車体速度が表示
されることを回避することができる。車体速度がエンジ
ン制御装置154に供給されれば、エンジン制御装置1
54において、レーシング状態にないと検出された場合
には燃料噴射量がエンジン回転数に基づいて制御され、
レーシング状態にあると検出された場合には車体速度に
基づいて制御される。ノイズの重畳に起因して誤った車
体速度が供給されることがないため、車両が実際には停
止状態にあるにもかかわらず停止状態にないと検出され
ることが回避され、良好に、過レーシング防止制御を開
始させることができる。また、過レーシング防止制御が
行われる際においても、ノイズの重畳に起因して誤った
車体速度が推定されることが回避されるため、燃料噴射
量を良好に抑制することができる。
【0048】また、本車体速度検出装置によって検出さ
れた車体速度に基づいてアンチスキッド制御プログラム
が実行されれば、制動スリップが過大であると誤って推
定されることが回避される。そのため、ノイズ重畳に起
因してアンチスキッド制御開始条件が誤って満たされる
ことを回避し得、不要なアンチスキッド制御が開始され
ることを回避し得る。無駄なエネルギの消費を防止し、
騒音が発生する回数を減らすことができるのである。
れた車体速度に基づいてアンチスキッド制御プログラム
が実行されれば、制動スリップが過大であると誤って推
定されることが回避される。そのため、ノイズ重畳に起
因してアンチスキッド制御開始条件が誤って満たされる
ことを回避し得、不要なアンチスキッド制御が開始され
ることを回避し得る。無駄なエネルギの消費を防止し、
騒音が発生する回数を減らすことができるのである。
【0049】さらに、本車体速度検出装置によって検出
された車体速度およびノイズ重畳検出結果に基づいてト
ラクション制御プログラムが実行される場合において
は、駆動スリップが過大であると検出されても、ノイズ
が重畳していると検出された場合にはトラクション制御
が行われない。したがって、ノイズの重畳に起因して駆
動スリップが誤って過大であると検出されても、不要な
トラクション制御が行われることを良好に回避し得る。
された車体速度およびノイズ重畳検出結果に基づいてト
ラクション制御プログラムが実行される場合において
は、駆動スリップが過大であると検出されても、ノイズ
が重畳していると検出された場合にはトラクション制御
が行われない。したがって、ノイズの重畳に起因して駆
動スリップが誤って過大であると検出されても、不要な
トラクション制御が行われることを良好に回避し得る。
【0050】また、ノイズフラグがセットされると、ノ
イズ重畳の検出が行われることなくノイズ重畳解消の検
出が行われる。すなわち、S13が実行されないでS2
2以降が実行される。それに対して、ノイズ重畳解消条
件が満たされ、ノイズフラグがリセットされると、S1
3が実行され、S22以降が実行されない。このよう
に、ノイズ重畳解消の検出が、ノイズの重畳が検出され
た場合に開始され、ノイズ重畳の解消が検出されると終
了させられ、また、ノイズ重畳の検出についても同様で
あるため、ノイズ重畳解消およびノイズ重畳の検出が無
駄に行われることを回避することができ、車体速度推定
プログラムの実行時間が不要に長くなることを回避する
ことができる。
イズ重畳の検出が行われることなくノイズ重畳解消の検
出が行われる。すなわち、S13が実行されないでS2
2以降が実行される。それに対して、ノイズ重畳解消条
件が満たされ、ノイズフラグがリセットされると、S1
3が実行され、S22以降が実行されない。このよう
に、ノイズ重畳解消の検出が、ノイズの重畳が検出され
た場合に開始され、ノイズ重畳の解消が検出されると終
了させられ、また、ノイズ重畳の検出についても同様で
あるため、ノイズ重畳解消およびノイズ重畳の検出が無
駄に行われることを回避することができ、車体速度推定
プログラムの実行時間が不要に長くなることを回避する
ことができる。
【0051】さらに、ノイズ重畳条件とノイズ重畳解消
条件とが、ノイズ重畳条件が満たされなくなっても直ち
にノイズ重畳解消条件が満たされないように、換言すれ
ば、ノイズ重畳解消条件とノイズ重畳条件とが、いずれ
の条件も満たされない領域が存在するように設定されて
いるため、ノイズフラグのセットおよびリセットが頻繁
に繰り返される事態の発生が良好に回避される。車体速
度の推定規則の変更が頻繁に行われたり、車体速度の大
きさが必要以上に変動されることを良好に回避すること
ができるのである。
条件とが、ノイズ重畳条件が満たされなくなっても直ち
にノイズ重畳解消条件が満たされないように、換言すれ
ば、ノイズ重畳解消条件とノイズ重畳条件とが、いずれ
の条件も満たされない領域が存在するように設定されて
いるため、ノイズフラグのセットおよびリセットが頻繁
に繰り返される事態の発生が良好に回避される。車体速
度の推定規則の変更が頻繁に行われたり、車体速度の大
きさが必要以上に変動されることを良好に回避すること
ができるのである。
【0052】また、本実施形態においては、基準回転速
度として非駆動輪である前輪18,19の回転速度の大
きい方が選択され、選択された基準回転速度が設定速度
以下の場合には、車両が停止状態にあると検出され、エ
ンジンがレーシング状態にある可能性があると推定され
る。このように、ノイズが重畳する可能性が低い回転速
度から基準回転速度が選択されるため、車両が停止状態
にあるか否かを精度よく推定することができる。また、
一般に、非駆動輪の回転速度の方が駆動輪の回転速度よ
り車体速度に近いため、車両が停止状態にあるか否かを
一層精度よく推定することができる。さらに、本実施形
態においては、車体速度検出装置がアンチスキッド制御
およびトラクション制御の可能な液圧制御装置に備えら
れており、その検出結果がスピードメータ152やエン
ジン制御装置154にも供給されるようになっているた
め、それぞれにおいて車体速度を検出する必要がないと
いう利点がある。
度として非駆動輪である前輪18,19の回転速度の大
きい方が選択され、選択された基準回転速度が設定速度
以下の場合には、車両が停止状態にあると検出され、エ
ンジンがレーシング状態にある可能性があると推定され
る。このように、ノイズが重畳する可能性が低い回転速
度から基準回転速度が選択されるため、車両が停止状態
にあるか否かを精度よく推定することができる。また、
一般に、非駆動輪の回転速度の方が駆動輪の回転速度よ
り車体速度に近いため、車両が停止状態にあるか否かを
一層精度よく推定することができる。さらに、本実施形
態においては、車体速度検出装置がアンチスキッド制御
およびトラクション制御の可能な液圧制御装置に備えら
れており、その検出結果がスピードメータ152やエン
ジン制御装置154にも供給されるようになっているた
め、それぞれにおいて車体速度を検出する必要がないと
いう利点がある。
【0053】以上詳記した実施形態においては、液圧制
御装置26の車体速度推定プログラムを実行する部分お
よび車輪速センサ142〜145等によって車体速度検
出装置が構成されている。また、車体速度推定プログラ
ムのS13を除いた部分を実行する部分等によって車体
速度推定手段が構成され、S13(S41〜43)のノ
イズ重畳検出プログラムを実行する部分等によってノイ
ズ重畳検出手段が構成され、車体速度推定プログラムの
うちのS14,S15〜21を実行する部分等によって
ノイズ重畳対応推定規則変更手段が構成されている。さ
らに、S22〜39を実行する部分等によってノイズ重
畳解消検出手段が構成され、ノイズ重畳検出プログラム
のS41の実行のため前輪18,19の回転速度の大き
い方を基準回転速度として選択する部分等によって基準
回転速度選択手段が構成されている。
御装置26の車体速度推定プログラムを実行する部分お
よび車輪速センサ142〜145等によって車体速度検
出装置が構成されている。また、車体速度推定プログラ
ムのS13を除いた部分を実行する部分等によって車体
速度推定手段が構成され、S13(S41〜43)のノ
イズ重畳検出プログラムを実行する部分等によってノイ
ズ重畳検出手段が構成され、車体速度推定プログラムの
うちのS14,S15〜21を実行する部分等によって
ノイズ重畳対応推定規則変更手段が構成されている。さ
らに、S22〜39を実行する部分等によってノイズ重
畳解消検出手段が構成され、ノイズ重畳検出プログラム
のS41の実行のため前輪18,19の回転速度の大き
い方を基準回転速度として選択する部分等によって基準
回転速度選択手段が構成されている。
【0054】なお、車体速度推定手段が、液圧制御装置
26の車体速度推定プログラム全体を実行する部分等に
よって構成されると考えれば、ノイズ重畳検出手段は、
そのうちのS13を実行する部分等によって構成される
ことになり、ノイズ重畳検出手段が車体速度推定手段に
含まれると考えることもできる。このように、ノイズ重
畳検出手段が車体速度推定手段に含まれるものであって
も差し支えないのである。
26の車体速度推定プログラム全体を実行する部分等に
よって構成されると考えれば、ノイズ重畳検出手段は、
そのうちのS13を実行する部分等によって構成される
ことになり、ノイズ重畳検出手段が車体速度推定手段に
含まれると考えることもできる。このように、ノイズ重
畳検出手段が車体速度推定手段に含まれるものであって
も差し支えないのである。
【0055】なお、上記実施形態においては、車体速度
検出装置がアンチスキッド制御およびトラクション制御
が可能な液圧制御装置26に含ませられていたが、液圧
制御装置26に含ませないことも可能である。例えば、
スピードメータ152やエンジン制御装置154に本発
明に係る車体速度検出装置を設け、あるいはすべての装
置から独立させて車体速度検出装置を設けることも可能
であり、いずれの場合でも、車両全体または一部の装置
においてセンサの統合を図ることが可能となり、コスト
ダウンを図ることができる。また、上記実施形態におい
ては、駆動輪である後輪14,15の回転速度に対して
のみノイズが重畳しているか否かが検出されていたが、
前輪18,19の回転速度に対してもノイズが重畳して
いるか否かが検出されるようにしてもよく、その検出結
果に基づいて推定規則が変更されてもよい。
検出装置がアンチスキッド制御およびトラクション制御
が可能な液圧制御装置26に含ませられていたが、液圧
制御装置26に含ませないことも可能である。例えば、
スピードメータ152やエンジン制御装置154に本発
明に係る車体速度検出装置を設け、あるいはすべての装
置から独立させて車体速度検出装置を設けることも可能
であり、いずれの場合でも、車両全体または一部の装置
においてセンサの統合を図ることが可能となり、コスト
ダウンを図ることができる。また、上記実施形態におい
ては、駆動輪である後輪14,15の回転速度に対して
のみノイズが重畳しているか否かが検出されていたが、
前輪18,19の回転速度に対してもノイズが重畳して
いるか否かが検出されるようにしてもよく、その検出結
果に基づいて推定規則が変更されてもよい。
【0056】上記実施形態においては、基準回転速度が
設定速度以下であり、車両が停止状態にある場合に、レ
ーシング状態にある可能性があると推定されていたが、
第一,第二発明においては、シフトポジションセンサ1
48によって検出されたシフトレバー位置がニュートラ
ルやパーキングにあるか否か、回転数センサ150によ
って検出されたエンジン回転数が設定回転数より大きい
か否か等に基づいてレーシング状態にある可能性がある
か否かが推定されるようにしてもよく、これら条件の2
つ以上が満たされた場合に可能性があると推定されるよ
うにしてもよい。車両が停止状態にあるか否かを、ブレ
ーキスイッチ146の出力信号がON信号か否かに基づ
いて推定してもよく、これらの場合には、基準回転速度
を選択する必要がなくなる。さらに、基準回転速度が設
定速度以下であるか否か、シフトレバー位置がニュート
ラルやパーキングにあるか否か、エンジン回転数が設定
回転数より大きいか否か、ブレーキペダルが操作されて
いるか否か等上記すべての条件の複数、望ましくは2個
以上が満たされているか否かに基づいてレーシング状態
にある可能性があるか否かが推定されるようにしてもよ
い。
設定速度以下であり、車両が停止状態にある場合に、レ
ーシング状態にある可能性があると推定されていたが、
第一,第二発明においては、シフトポジションセンサ1
48によって検出されたシフトレバー位置がニュートラ
ルやパーキングにあるか否か、回転数センサ150によ
って検出されたエンジン回転数が設定回転数より大きい
か否か等に基づいてレーシング状態にある可能性がある
か否かが推定されるようにしてもよく、これら条件の2
つ以上が満たされた場合に可能性があると推定されるよ
うにしてもよい。車両が停止状態にあるか否かを、ブレ
ーキスイッチ146の出力信号がON信号か否かに基づ
いて推定してもよく、これらの場合には、基準回転速度
を選択する必要がなくなる。さらに、基準回転速度が設
定速度以下であるか否か、シフトレバー位置がニュート
ラルやパーキングにあるか否か、エンジン回転数が設定
回転数より大きいか否か、ブレーキペダルが操作されて
いるか否か等上記すべての条件の複数、望ましくは2個
以上が満たされているか否かに基づいてレーシング状態
にある可能性があるか否かが推定されるようにしてもよ
い。
【0057】上記実施形態においては、ノイズ重畳が解
消されたか否かの検出が、ノイズフラグがセットされて
いる場合にのみ行われていたが、第一,第三発明におい
ては、ノイズフラグがリセットされている間にも行われ
るようにしてても差し支えない。さらに、ノイズ重畳検
出プログラムやノイズ重畳解消検出プログラムが車体速
度推定プログラムに含まれないようにすることもでき
る。ノイズ重畳検出やノイズ重畳解消検出が別のノイズ
フラグ設定プログラムの実行に従って行われ、車体速度
推定プログラムの実行時に、ノイズフラグがセットされ
ているかリセットされているかが読み込まれるようにす
るのである。
消されたか否かの検出が、ノイズフラグがセットされて
いる場合にのみ行われていたが、第一,第三発明におい
ては、ノイズフラグがリセットされている間にも行われ
るようにしてても差し支えない。さらに、ノイズ重畳検
出プログラムやノイズ重畳解消検出プログラムが車体速
度推定プログラムに含まれないようにすることもでき
る。ノイズ重畳検出やノイズ重畳解消検出が別のノイズ
フラグ設定プログラムの実行に従って行われ、車体速度
推定プログラムの実行時に、ノイズフラグがセットされ
ているかリセットされているかが読み込まれるようにす
るのである。
【0058】上記実施形態においては、基準回転速度が
非駆動輪としての前輪18,19の回転速度の大きい方
とされていたが、小さい方としても、前輪18,19の
回転速度の平均値としてもよい。また、車体速度の推定
規則は、上記実施形態のものに限定されず、他の推定規
則に基づいて推定されるようにしてもよい。例えば、後
輪14,15の回転速度の少なくとも一方にノイズの重
畳が検出された場合には、常に前輪18,19の回転速
度に基づいて車体速度が推定されるようにしてもよい。
非駆動輪としての前輪18,19の回転速度の大きい方
とされていたが、小さい方としても、前輪18,19の
回転速度の平均値としてもよい。また、車体速度の推定
規則は、上記実施形態のものに限定されず、他の推定規
則に基づいて推定されるようにしてもよい。例えば、後
輪14,15の回転速度の少なくとも一方にノイズの重
畳が検出された場合には、常に前輪18,19の回転速
度に基づいて車体速度が推定されるようにしてもよい。
【0059】上記実施形態においては、当該車体速度検
出装置によって検出された車体速度がスピードメータ1
52やエンジン制御装置154に供給されるとともに、
その車体速度に基づいてアンチスキッド制御プログラム
やトラクション制御プログラムが実行されるようになっ
ていた。換言すれば、スピードメータ152やエンジン
制御装置154に供給される車体速度と、アンチスキッ
ド制御プログラムやトラクション制御プログラムの実行
に使用される車体速度とが同じであったが、互いに異な
るようにしてもよい。例えば、フィルタ処理回数の少な
い車体速度に基づいてアンチスキッド制御プログラムや
トラクション制御プログラムが実行され、フィルタ処理
回数の多い車体速度を、スピードメータ152やエンジ
ン制御装置154に供給してもよい。アンチスキッド制
御プログラムやトラクション制御プログラムの実行時に
は、多少変動があっても遅れが小さい方が望ましく、ス
ピードメータ152やエンジン制御装置154において
は、遅れが大きくても変動が小さい方が望ましいからで
ある。この場合、液圧制御装置26に複数種類のフィル
タを設け、弱いフィルタで処理された車体速度に基づい
てアンチスキッド制御プログラムやトラクション制御プ
ログラムが実行され、強いフィルタで処理された車体速
度がスピードメータ152やエンジン制御装置154に
供給されるようにしてもよく、液圧制御装置26には一
種類のフィルタのみを設け、スピードメータ152やエ
ンジン制御装置154にさらに別のフィルタを設けるこ
とも可能である。
出装置によって検出された車体速度がスピードメータ1
52やエンジン制御装置154に供給されるとともに、
その車体速度に基づいてアンチスキッド制御プログラム
やトラクション制御プログラムが実行されるようになっ
ていた。換言すれば、スピードメータ152やエンジン
制御装置154に供給される車体速度と、アンチスキッ
ド制御プログラムやトラクション制御プログラムの実行
に使用される車体速度とが同じであったが、互いに異な
るようにしてもよい。例えば、フィルタ処理回数の少な
い車体速度に基づいてアンチスキッド制御プログラムや
トラクション制御プログラムが実行され、フィルタ処理
回数の多い車体速度を、スピードメータ152やエンジ
ン制御装置154に供給してもよい。アンチスキッド制
御プログラムやトラクション制御プログラムの実行時に
は、多少変動があっても遅れが小さい方が望ましく、ス
ピードメータ152やエンジン制御装置154において
は、遅れが大きくても変動が小さい方が望ましいからで
ある。この場合、液圧制御装置26に複数種類のフィル
タを設け、弱いフィルタで処理された車体速度に基づい
てアンチスキッド制御プログラムやトラクション制御プ
ログラムが実行され、強いフィルタで処理された車体速
度がスピードメータ152やエンジン制御装置154に
供給されるようにしてもよく、液圧制御装置26には一
種類のフィルタのみを設け、スピードメータ152やエ
ンジン制御装置154にさらに別のフィルタを設けるこ
とも可能である。
【0060】上記実施形態においては、車体速度がスピ
ードメータ152およびエンジン制御装置154に供給
されるようになっていたが、その他のトランスミッショ
ン制御装置等にも供給されるようにしてもよい。また、
ノイズが重畳したか否かの検出結果を、警告装置に供給
するようにしてもよい。警告装置によってノイズが重畳
したこと、すなわち、駆動系に振動が生じていることが
知らされれば、運転者はアクセルペダルの踏込みを緩
め、駆動系の振動が長時間継続することを回避すること
ができる。また、上記実施形態においては、液圧ブレー
キ装置が、後輪駆動車に搭載されていたが、前輪駆動車
に搭載することもできる。
ードメータ152およびエンジン制御装置154に供給
されるようになっていたが、その他のトランスミッショ
ン制御装置等にも供給されるようにしてもよい。また、
ノイズが重畳したか否かの検出結果を、警告装置に供給
するようにしてもよい。警告装置によってノイズが重畳
したこと、すなわち、駆動系に振動が生じていることが
知らされれば、運転者はアクセルペダルの踏込みを緩
め、駆動系の振動が長時間継続することを回避すること
ができる。また、上記実施形態においては、液圧ブレー
キ装置が、後輪駆動車に搭載されていたが、前輪駆動車
に搭載することもできる。
【0061】さらに、車体速度推定プログラムのS12
とS13との間に、車輪速センサ142〜145の回転
速度の大きさが異常か否かを判定するステップを設け、
基準回転速度を、異常でない回転速度から選択するよう
にすれば、本実施形態は、第四発明の一実施形態とな
る。上記実施形態においては、ノイズ重畳解消が、条件
(1)〜(3)のいずれか1つが満たされた場合に検出
されるようになっていたが、2つ以上が満たされた場合
に検出されるようにしてもよい。さらに、ノイズ重畳
が、車輪速センサ142,143の生回転加速度が設定
加速度より大きいか否かに基づいて検出されるようにな
っていたが、フィルタ処理回数が少ない回転加速度ある
いは弱いフィルタによって処理された回転加速度に基づ
いて検出されるようにすることも可能であり、この回転
加速度を、フィルタ処理回数が多い回転加速度、あるい
は強いフィルタにより処理された回転加速度に対して生
回転加速度と称することも可能である。
とS13との間に、車輪速センサ142〜145の回転
速度の大きさが異常か否かを判定するステップを設け、
基準回転速度を、異常でない回転速度から選択するよう
にすれば、本実施形態は、第四発明の一実施形態とな
る。上記実施形態においては、ノイズ重畳解消が、条件
(1)〜(3)のいずれか1つが満たされた場合に検出
されるようになっていたが、2つ以上が満たされた場合
に検出されるようにしてもよい。さらに、ノイズ重畳
が、車輪速センサ142,143の生回転加速度が設定
加速度より大きいか否かに基づいて検出されるようにな
っていたが、フィルタ処理回数が少ない回転加速度ある
いは弱いフィルタによって処理された回転加速度に基づ
いて検出されるようにすることも可能であり、この回転
加速度を、フィルタ処理回数が多い回転加速度、あるい
は強いフィルタにより処理された回転加速度に対して生
回転加速度と称することも可能である。
【0062】上記実施形態においては、後輪14,15
の生回転加速度が共に設定加速度以下の状態が設定時間
以上継続した場合に条件(1)が満たされるようにされ
ていたが、後輪14,15の生回転加速度が設定加速度
以下の状態が設定時間以上継続したか否かが、それぞれ
判定されるようにすることもできる。本実施形態におい
ては、ノイズ重畳が解消したか否かが車輪速センサ14
2,143各々の回転速度に対して検出されることにな
る。その一実施形態を図6に示す。
の生回転加速度が共に設定加速度以下の状態が設定時間
以上継続した場合に条件(1)が満たされるようにされ
ていたが、後輪14,15の生回転加速度が設定加速度
以下の状態が設定時間以上継続したか否かが、それぞれ
判定されるようにすることもできる。本実施形態におい
ては、ノイズ重畳が解消したか否かが車輪速センサ14
2,143各々の回転速度に対して検出されることにな
る。その一実施形態を図6に示す。
【0063】本実施形態においては、図4のS11,1
6〜21の実行により、車体速度が推定された後、図6
のS48が実行される。S48において、左右後輪1
4,15の一方である左後輪14の生回転加速度が設定
加速度以下か否かが判定され、判定がNOの場合には、
S49,50において、後述する経過フラグAi がリセ
ットされるとともに、解消フラグAi がリセットされ、
S51において、左右後輪14,15の他方である右後
輪15の生回転加速度が設定加速度以下か否かが判定さ
れる。S51における判定がNOの場合には、S52,
53において、後述する経過フラグAj がリセットされ
るとともに、解消フラグAj がリセットされ、前述のよ
うにS24以降が実行される。
6〜21の実行により、車体速度が推定された後、図6
のS48が実行される。S48において、左右後輪1
4,15の一方である左後輪14の生回転加速度が設定
加速度以下か否かが判定され、判定がNOの場合には、
S49,50において、後述する経過フラグAi がリセ
ットされるとともに、解消フラグAi がリセットされ、
S51において、左右後輪14,15の他方である右後
輪15の生回転加速度が設定加速度以下か否かが判定さ
れる。S51における判定がNOの場合には、S52,
53において、後述する経過フラグAj がリセットされ
るとともに、解消フラグAj がリセットされ、前述のよ
うにS24以降が実行される。
【0064】経過フラグAi は、左後輪14の生回転加
速度が設定加速度以下の状態が設定時間以上継続すると
セットされるフラグである。左後輪14の車輪速センサ
の回転速度に対してノイズ重畳の解消が検出された場合
にセットされ、ノイズフラグがリセットされた場合、生
回転加速度が設定加速度以下になった場合にリセットさ
れるフラグなのである。経過フラグAj も同様に、右後
輪15の生回転加速度が設定加速度以下の状態が設定時
間以上継続されるとセットされるフラグである。また、
解消フラグAi ,Aj は、経過フラグAi ,Aj がセッ
トされるとリセットされる。
速度が設定加速度以下の状態が設定時間以上継続すると
セットされるフラグである。左後輪14の車輪速センサ
の回転速度に対してノイズ重畳の解消が検出された場合
にセットされ、ノイズフラグがリセットされた場合、生
回転加速度が設定加速度以下になった場合にリセットさ
れるフラグなのである。経過フラグAj も同様に、右後
輪15の生回転加速度が設定加速度以下の状態が設定時
間以上継続されるとセットされるフラグである。また、
解消フラグAi ,Aj は、経過フラグAi ,Aj がセッ
トされるとリセットされる。
【0065】まず、左後輪14の生回転加速度が設定加
速度以下の状態が設定時間以上継続した後、右後輪15
の生回転加速度が設定加速度以下の状態が設定時間以上
継続したため、条件(1)が満たされ、ノイズフラグが
リセットされる場合について説明する。左後輪14の生
回転加速度が設定加速度以下であるため、S48におけ
る判定がYESとなり、S54において、経過フラグA
i がセットされているか否かが、また、S55におい
て、解消フラグAi がセットされているか否かがそれぞ
れ判定される。S54,55が最初に実行される場合に
は、いずれの判定もNOとなるため、S56において、
解消フラグAi がセットされるとともにタイマAiがス
タートさせられる。右後輪15の生回転加速度が設定加
速度以下でない場合には、S51における判定がNOと
なり、S52,53の実行後、S24以降が実行される
が、設定加速度以上になれば、S51における判定がY
ESとなり、同様に、S57〜59が実行され、解消フ
ラグAj がセットされるとともにタイマAj がスタート
させられる。その後、S11に戻され、S18〜21の
いずれか1つのステップにおいて車体速度が推定され、
S48が実行される。
速度以下の状態が設定時間以上継続した後、右後輪15
の生回転加速度が設定加速度以下の状態が設定時間以上
継続したため、条件(1)が満たされ、ノイズフラグが
リセットされる場合について説明する。左後輪14の生
回転加速度が設定加速度以下であるため、S48におけ
る判定がYESとなり、S54において、経過フラグA
i がセットされているか否かが、また、S55におい
て、解消フラグAi がセットされているか否かがそれぞ
れ判定される。S54,55が最初に実行される場合に
は、いずれの判定もNOとなるため、S56において、
解消フラグAi がセットされるとともにタイマAiがス
タートさせられる。右後輪15の生回転加速度が設定加
速度以下でない場合には、S51における判定がNOと
なり、S52,53の実行後、S24以降が実行される
が、設定加速度以上になれば、S51における判定がY
ESとなり、同様に、S57〜59が実行され、解消フ
ラグAj がセットされるとともにタイマAj がスタート
させられる。その後、S11に戻され、S18〜21の
いずれか1つのステップにおいて車体速度が推定され、
S48が実行される。
【0066】左後輪14の生回転加速度が設定加速度以
下の状態が継続する場合には、S48の判定がYESと
なる。ここでは、経過フラグAi はセットされていない
が、解消フラグAi はセットされているため、S54の
判定がNO、S55の判定がYESとなり、S60にお
いて生回転加速度が設定加速度より小さくなってから設
定時間経過したか否かが判定される。最初にS60が実
行される場合には、設定時間が経過していることはない
ため、判定はNOとなり、S51以降が同様に実行され
る。右後輪15の生回転加速度が設定加速度以下の状態
が継続される場合には、S51における判定がYESと
なり、上述と同様に、S57における判定がNO,S5
8における判定がYESとなり、S61において、設定
時間経過したか否かが判定されるが、設定時間経過して
いない場合には、判定はNOとなり、S11の実行に戻
される。
下の状態が継続する場合には、S48の判定がYESと
なる。ここでは、経過フラグAi はセットされていない
が、解消フラグAi はセットされているため、S54の
判定がNO、S55の判定がYESとなり、S60にお
いて生回転加速度が設定加速度より小さくなってから設
定時間経過したか否かが判定される。最初にS60が実
行される場合には、設定時間が経過していることはない
ため、判定はNOとなり、S51以降が同様に実行され
る。右後輪15の生回転加速度が設定加速度以下の状態
が継続される場合には、S51における判定がYESと
なり、上述と同様に、S57における判定がNO,S5
8における判定がYESとなり、S61において、設定
時間経過したか否かが判定されるが、設定時間経過して
いない場合には、判定はNOとなり、S11の実行に戻
される。
【0067】以下、S11,16〜21,48,54,
55,60,51,57,58,61が繰り返し実行さ
れる間に、タイマAi によって計測された時間が設定時
間になれば、S60における判定がYESとなり、S6
2において経過フラグAi がセットされ、S63におい
て経過フラグAj がセットされているか否かが判定され
る。ここでは、経過フラグAj はセットされていないた
め、判定がNOとなり、S51以降が実行される。同様
に、タイマAj によって計測された時間が設定時間以上
になったか否かがS61において判定される。設定時間
より短い場合には、判定がNOとなり、S11に戻され
る。
55,60,51,57,58,61が繰り返し実行さ
れる間に、タイマAi によって計測された時間が設定時
間になれば、S60における判定がYESとなり、S6
2において経過フラグAi がセットされ、S63におい
て経過フラグAj がセットされているか否かが判定され
る。ここでは、経過フラグAj はセットされていないた
め、判定がNOとなり、S51以降が実行される。同様
に、タイマAj によって計測された時間が設定時間以上
になったか否かがS61において判定される。設定時間
より短い場合には、判定がNOとなり、S11に戻され
る。
【0068】次にS48の判定がYESとなってS54
が実行される場合には、経過フラグAi がセットされて
いるため判定がYESとなり、S50において解消フラ
グAi がリセットされた後、S51以降が実行される。
タイマAj によって計測された時間が設定時間以上にな
れば、S61における判定がYESとなり、S64にお
いて経過フラグAj がセットされた後、S65におい
て、経過フラグAi がセットされているか否かが判定さ
れる。経過フラグAi はすでにセットされているため、
判定がYESとなり、S66においてノイズフラグがリ
セットされる。経過フラグAi ,Aj の両方がセットさ
れていれば、車輪速センサ142,143の両方の回転
速度にノイズの重畳解消が検出されたことになる。その
後、S67において経過フラグAi ,Aj がリセットさ
れる。上記実施形態における条件(1)が満たされたた
めノイズフラグがリセットされるのである。
が実行される場合には、経過フラグAi がセットされて
いるため判定がYESとなり、S50において解消フラ
グAi がリセットされた後、S51以降が実行される。
タイマAj によって計測された時間が設定時間以上にな
れば、S61における判定がYESとなり、S64にお
いて経過フラグAj がセットされた後、S65におい
て、経過フラグAi がセットされているか否かが判定さ
れる。経過フラグAi はすでにセットされているため、
判定がYESとなり、S66においてノイズフラグがリ
セットされる。経過フラグAi ,Aj の両方がセットさ
れていれば、車輪速センサ142,143の両方の回転
速度にノイズの重畳解消が検出されたことになる。その
後、S67において経過フラグAi ,Aj がリセットさ
れる。上記実施形態における条件(1)が満たされたた
めノイズフラグがリセットされるのである。
【0069】次に、右後輪15の生回転加速度が設定加
速度以下の状態が設定時間以上継続した後、左後輪14
の生回転加速度が設定加速度以下になり、その状態が設
定時間以上継続したため、ノイズフラグがリセットされ
る場合について簡単に説明する。当初、右後輪15の生
回転加速度が設定加速度以下となるが、左後輪14の生
回転加速度が設定加速度より大きいため、S48の判定
がNO、S51の判定がYESとなる。そして、S59
において解消フラグAj がセットされるとともにタイマ
Aj がスタートさせられる。以下、上述と同様に、S1
1,16〜21,48〜51,57,58,61が繰り
返し実行される。これらが繰り返し実行されるうちに、
S61の判定がYESとなれば、S64において経過フ
ラグAj がセットされ、S65において、経過フラグA
i がセットされているか否かが判定される。ここでは、
セットされていないため、判定はNOとなり、以下、S
11の実行に戻る。
速度以下の状態が設定時間以上継続した後、左後輪14
の生回転加速度が設定加速度以下になり、その状態が設
定時間以上継続したため、ノイズフラグがリセットされ
る場合について簡単に説明する。当初、右後輪15の生
回転加速度が設定加速度以下となるが、左後輪14の生
回転加速度が設定加速度より大きいため、S48の判定
がNO、S51の判定がYESとなる。そして、S59
において解消フラグAj がセットされるとともにタイマ
Aj がスタートさせられる。以下、上述と同様に、S1
1,16〜21,48〜51,57,58,61が繰り
返し実行される。これらが繰り返し実行されるうちに、
S61の判定がYESとなれば、S64において経過フ
ラグAj がセットされ、S65において、経過フラグA
i がセットされているか否かが判定される。ここでは、
セットされていないため、判定はNOとなり、以下、S
11の実行に戻る。
【0070】左後輪14の生回転加速度が設定加速度以
下になれば、S48における判定がYESとなり、S5
6において、解消フラグAi がセットされるとともにタ
イマAi がスタートさせられる。以下、S51,57,
53,24〜26が実行された後、S11の実行に戻
る。タイマAi による計測時間が設定時間以上になれ
ば、S48,54,55の実行後、S60における判定
がYESとなり、S62において経過フラグAi がセッ
トされ、S63が実行されるが、ここでは、経過フラグ
Aj がすでにセットされているため、判定がYESとな
り、S66においてノイズフラグがリセットされる。
下になれば、S48における判定がYESとなり、S5
6において、解消フラグAi がセットされるとともにタ
イマAi がスタートさせられる。以下、S51,57,
53,24〜26が実行された後、S11の実行に戻
る。タイマAi による計測時間が設定時間以上になれ
ば、S48,54,55の実行後、S60における判定
がYESとなり、S62において経過フラグAi がセッ
トされ、S63が実行されるが、ここでは、経過フラグ
Aj がすでにセットされているため、判定がYESとな
り、S66においてノイズフラグがリセットされる。
【0071】このように、本実施形態においては、車輪
速センサ142,143の回転速度各々に対してノイズ
の重畳が解消されたか否かが検出されることになる。た
だし、経過フラグAi ,Aj が共にセット状態とされな
ければノイズフラグはリセットされず、かつ、例えばS
62において経過フラグAi が一旦セットされても、S
64において経過フラグAj がセットされる前にS48
の判定がNOになれば、S49において経過フラグAi
がリセットされるため、S48とS51との判定が同時
にYESの状態が設定時間継続しなければノイズフラグ
はリセットされず、生回転加速度に基づくノイズ重畳解
消の検出条件は図4のフローチャートにおける条件と同
じである。
速センサ142,143の回転速度各々に対してノイズ
の重畳が解消されたか否かが検出されることになる。た
だし、経過フラグAi ,Aj が共にセット状態とされな
ければノイズフラグはリセットされず、かつ、例えばS
62において経過フラグAi が一旦セットされても、S
64において経過フラグAj がセットされる前にS48
の判定がNOになれば、S49において経過フラグAi
がリセットされるため、S48とS51との判定が同時
にYESの状態が設定時間継続しなければノイズフラグ
はリセットされず、生回転加速度に基づくノイズ重畳解
消の検出条件は図4のフローチャートにおける条件と同
じである。
【0072】次に、請求項1,2,4,6,7の発明に
共通の一実施形態である車体速度検出装置について説明
する。この車体速度検出装置は液圧制御装置に含まれ、
液圧制御装置は、図1に示す液圧ブレーキ装置と同様な
液圧ブレーキ装置に備えられている。液圧ブレーキ装置
は、本実施形態においてはオートマチックトランスミッ
ションを備えた四輪駆動車に搭載されている。図1に示
す液圧ブレーキ装置におけるすべての車輪18,19,
14,15が駆動輪なのである。また、ROM92に
は、図7のフローチャートで表される車体速度推定プロ
グラムが格納されている。
共通の一実施形態である車体速度検出装置について説明
する。この車体速度検出装置は液圧制御装置に含まれ、
液圧制御装置は、図1に示す液圧ブレーキ装置と同様な
液圧ブレーキ装置に備えられている。液圧ブレーキ装置
は、本実施形態においてはオートマチックトランスミッ
ションを備えた四輪駆動車に搭載されている。図1に示
す液圧ブレーキ装置におけるすべての車輪18,19,
14,15が駆動輪なのである。また、ROM92に
は、図7のフローチャートで表される車体速度推定プロ
グラムが格納されている。
【0073】四輪駆動車の場合には、レーシング状態に
あることに起因して共振が生じ易い車輪が決まっていな
いことが多い。車両の構造によって共振が生じ易い車輪
が予め決まっている場合もあるが、そのような車輪が決
まっていない場合もある。しかし、後者の場合にすべて
の車輪各々について共振が生じているか否かを検出する
とノイズ重畳検出に要する時間が長くなり、車体速度検
出のためのプログラムの実行時間が長くなる。そこで、
本実施形態においては、車体速度を推定する際に使用さ
れる回転速度の指定順序が予め設定されるとともに、ノ
イズが重畳しているか否かの検出対象となる被検出回転
速度の指定順序も予め設定されている。
あることに起因して共振が生じ易い車輪が決まっていな
いことが多い。車両の構造によって共振が生じ易い車輪
が予め決まっている場合もあるが、そのような車輪が決
まっていない場合もある。しかし、後者の場合にすべて
の車輪各々について共振が生じているか否かを検出する
とノイズ重畳検出に要する時間が長くなり、車体速度検
出のためのプログラムの実行時間が長くなる。そこで、
本実施形態においては、車体速度を推定する際に使用さ
れる回転速度の指定順序が予め設定されるとともに、ノ
イズが重畳しているか否かの検出対象となる被検出回転
速度の指定順序も予め設定されている。
【0074】回転速度にノイズが重畳しているか否か
は、第一実施形態における図5のフローチャートで表さ
れるノイズ重畳検出プログラムと同様なプログラムの実
行により検出されるが、ここでは、S41における判定
で使用される基準回転速度には、異常でない回転速度の
うちで最小の回転速度がその都度選択され、その選択さ
れた基準回転速度に基づいて車両が停止状態にあるか否
かが検出される。最小のものとされているのは、断線等
の異常が生じていない車輪速センサの出力値のうちでノ
イズが重畳している確率が最も低い回転速度を基準回転
速度として選択するためである。
は、第一実施形態における図5のフローチャートで表さ
れるノイズ重畳検出プログラムと同様なプログラムの実
行により検出されるが、ここでは、S41における判定
で使用される基準回転速度には、異常でない回転速度の
うちで最小の回転速度がその都度選択され、その選択さ
れた基準回転速度に基づいて車両が停止状態にあるか否
かが検出される。最小のものとされているのは、断線等
の異常が生じていない車輪速センサの出力値のうちでノ
イズが重畳している確率が最も低い回転速度を基準回転
速度として選択するためである。
【0075】基準回転速度は、以下に示す順序で選択さ
れる。 (1)断線等の異常が生じている車輪速センサがない場
合、すなわち、すべての車輪速センサ142〜145の
出力値である回転速度の大きさが正常な場合には、すべ
ての回転速度のうちの最小値(VMIN )が基準回転速度
として選択される。 (2)車輪速センサ142〜145のうち1個の車輪速
センサのみにおいて異常が生じている場合には、小さい
方から2番目の回転速度、換言すれば、大きさが中間の
回転速度のうちの小さい方の回転速度(VMEDL)が選択
される。 (3)2個の車輪速センサにおいて異常が生じている場
合には、小さい方から3番目の回転速度、すなわち、中
間の回転速度のうちの大きい方の回転速度(VMEDH)が
選択される。このように基準回転速度として、大きさが
正常な回転速度のうちの最小値が選択されれば、基準回
転速度に基づいて車両が停止状態にあるか否かを信頼性
高く推定することができ、レーシングの可能性があるか
否かを信頼性高く推定することができる。
れる。 (1)断線等の異常が生じている車輪速センサがない場
合、すなわち、すべての車輪速センサ142〜145の
出力値である回転速度の大きさが正常な場合には、すべ
ての回転速度のうちの最小値(VMIN )が基準回転速度
として選択される。 (2)車輪速センサ142〜145のうち1個の車輪速
センサのみにおいて異常が生じている場合には、小さい
方から2番目の回転速度、換言すれば、大きさが中間の
回転速度のうちの小さい方の回転速度(VMEDL)が選択
される。 (3)2個の車輪速センサにおいて異常が生じている場
合には、小さい方から3番目の回転速度、すなわち、中
間の回転速度のうちの大きい方の回転速度(VMEDH)が
選択される。このように基準回転速度として、大きさが
正常な回転速度のうちの最小値が選択されれば、基準回
転速度に基づいて車両が停止状態にあるか否かを信頼性
高く推定することができ、レーシングの可能性があるか
否かを信頼性高く推定することができる。
【0076】次に、車体速度を推定するための推定規則
について図8を参照しつつ説明する。本実施形態におい
ては、原則として前輪18,19の回転速度に基づいて
推定される。 (A)車輪速センサ144,145において共に断線等
の異常が生じておらず、かつ、これらの回転速度に共に
ノイズが重畳していない場合には、左右前輪18,19
の回転速度の平均値{(VFR+VFL)/2}に等しいと
推定される。 (B)車輪速センサ144,145のいずれか一方にお
いて異常が生じていたり、回転速度にノイズが重畳して
いたりする場合、換言すれば、車輪速センサ144,1
45のいずれか一方において、異常が生じておらず、か
つ、回転速度にノイズが重畳していない場合には、その
回転速度(VFMINあるいはVFMAX)に等しいと推定され
る。 (C)車輪速センサ144,145のうちに異常が生じ
ておらず、かつ回転速度にノイズが重畳していない車輪
速度センサがない場合、すなわち、車輪速センサ14
4,145の両方において異常とノイズ重畳との少なく
とも一方が生じている場合には、後輪14,15の回転
速度に基づいて推定される。後輪14,15の回転速度
を検出する車輪速センサ142,143において共に異
常が生じておらず、かつ、回転速度にノイズが重畳して
いない場合には、後輪14,15の回転速度の平均値に
等しいと推定され、車輪速度センサ142,143の少
なくとも一方において異常が生じているか、回転速度に
ノイズが重畳しているかの場合には、車体速度の大きさ
は0と推定される。 (D)異常が生じている車輪速センサの個数と回転速度
にノイズが重畳している車輪速センサの個数との合計が
3個以上の場合には、原則として車体速度は0と推定さ
れる。しかし、この推定規則(D)には例外がある。後
述するが、両車輪速センサ142,143において異常
が生じ、かつ、車輪速度センサ144,145のいずれ
か一方の回転速度にノイズが重畳している場合には、ノ
イズが重畳していない他方の回転速度に等しいと推定さ
れるのである。
について図8を参照しつつ説明する。本実施形態におい
ては、原則として前輪18,19の回転速度に基づいて
推定される。 (A)車輪速センサ144,145において共に断線等
の異常が生じておらず、かつ、これらの回転速度に共に
ノイズが重畳していない場合には、左右前輪18,19
の回転速度の平均値{(VFR+VFL)/2}に等しいと
推定される。 (B)車輪速センサ144,145のいずれか一方にお
いて異常が生じていたり、回転速度にノイズが重畳して
いたりする場合、換言すれば、車輪速センサ144,1
45のいずれか一方において、異常が生じておらず、か
つ、回転速度にノイズが重畳していない場合には、その
回転速度(VFMINあるいはVFMAX)に等しいと推定され
る。 (C)車輪速センサ144,145のうちに異常が生じ
ておらず、かつ回転速度にノイズが重畳していない車輪
速度センサがない場合、すなわち、車輪速センサ14
4,145の両方において異常とノイズ重畳との少なく
とも一方が生じている場合には、後輪14,15の回転
速度に基づいて推定される。後輪14,15の回転速度
を検出する車輪速センサ142,143において共に異
常が生じておらず、かつ、回転速度にノイズが重畳して
いない場合には、後輪14,15の回転速度の平均値に
等しいと推定され、車輪速度センサ142,143の少
なくとも一方において異常が生じているか、回転速度に
ノイズが重畳しているかの場合には、車体速度の大きさ
は0と推定される。 (D)異常が生じている車輪速センサの個数と回転速度
にノイズが重畳している車輪速センサの個数との合計が
3個以上の場合には、原則として車体速度は0と推定さ
れる。しかし、この推定規則(D)には例外がある。後
述するが、両車輪速センサ142,143において異常
が生じ、かつ、車輪速度センサ144,145のいずれ
か一方の回転速度にノイズが重畳している場合には、ノ
イズが重畳していない他方の回転速度に等しいと推定さ
れるのである。
【0077】このように、車体速度推定規則が変更され
るのであるが、回転速度にノイズが重畳しているか否か
の検出対象となる被検出回転速度もそれに伴って予め決
められた順序に従って指定されることになる。 (イ)すべての車輪速センサ142〜145において異
常が生じていない場合、左右前輪18,19の回転速度
を検出する車輪速センサ144,145のいずれか一方
において異常が生じている場合、左右後輪14,15の
回転速度を検出する車輪速センサ142,143の少な
くとも一方において異常が生じている場合には、車輪速
センサ144,145の回転速度にノイズが重畳してい
るか否かが検出される。 (ロ)車輪速センサ144,145の両方に異常が生じ
ている場合には、車輪速センサ142,143の回転速
度にノイズが重畳しているか否かが検出される。
るのであるが、回転速度にノイズが重畳しているか否か
の検出対象となる被検出回転速度もそれに伴って予め決
められた順序に従って指定されることになる。 (イ)すべての車輪速センサ142〜145において異
常が生じていない場合、左右前輪18,19の回転速度
を検出する車輪速センサ144,145のいずれか一方
において異常が生じている場合、左右後輪14,15の
回転速度を検出する車輪速センサ142,143の少な
くとも一方において異常が生じている場合には、車輪速
センサ144,145の回転速度にノイズが重畳してい
るか否かが検出される。 (ロ)車輪速センサ144,145の両方に異常が生じ
ている場合には、車輪速センサ142,143の回転速
度にノイズが重畳しているか否かが検出される。
【0078】このように、本実施形態においては、原則
として、車輪速センサ144,145の回転速度にノイ
ズが重畳しているか否かが検出されるようになってい
る。車体速度が原則として前輪18,19の回転速度に
基づいて推定されるため、後輪14,15の回転速度に
ノイズが重畳しているか否かを検出する必要性が低いか
らである。車輪速センサ144,145の回転速度にノ
イズが重畳しているか否かの検出が車輪速センサ14
2,143の回転速度に対する検出より優先して行われ
るようになっているのである。
として、車輪速センサ144,145の回転速度にノイ
ズが重畳しているか否かが検出されるようになってい
る。車体速度が原則として前輪18,19の回転速度に
基づいて推定されるため、後輪14,15の回転速度に
ノイズが重畳しているか否かを検出する必要性が低いか
らである。車輪速センサ144,145の回転速度にノ
イズが重畳しているか否かの検出が車輪速センサ14
2,143の回転速度に対する検出より優先して行われ
るようになっているのである。
【0079】以下、図7のフローチャートに基づいてさ
らに具体的に説明する。S97において、車体速度が左
右前輪18,19の回転速度の平均値に等しいと推定さ
れ、車体速度一時メモリに格納される。その後、S98
において、車輪速センサ142〜145のいずれかにお
いて断線等の異常が生じているか否かが検出される。
らに具体的に説明する。S97において、車体速度が左
右前輪18,19の回転速度の平均値に等しいと推定さ
れ、車体速度一時メモリに格納される。その後、S98
において、車輪速センサ142〜145のいずれかにお
いて断線等の異常が生じているか否かが検出される。
【0080】異常が生じている車輪速センサがない場合
には、S98における判定がNOとなり、S102以降
が実行されるが、異常が生じているセンサがある場合に
は、判定はYESとなり、S99において、異常が生じ
ているのが車輪速センサ144,145の両方か否かが
判定される。車輪速センサ144,145の両方でない
場合には、S100において、車輪速センサ144,1
45のいずれか一方か否かが判定される。車輪速センサ
144,145のいずれか一方の場合には、S107以
降が実行され、両方の場合には、S117以降が実行さ
れる。車輪速センサ144,145のいずれでもない場
合には、車輪速センサ142,143のいずれか一方か
両方かがS101において判定され、その判定に基づい
てS119以降が実行される。
には、S98における判定がNOとなり、S102以降
が実行されるが、異常が生じているセンサがある場合に
は、判定はYESとなり、S99において、異常が生じ
ているのが車輪速センサ144,145の両方か否かが
判定される。車輪速センサ144,145の両方でない
場合には、S100において、車輪速センサ144,1
45のいずれか一方か否かが判定される。車輪速センサ
144,145のいずれか一方の場合には、S107以
降が実行され、両方の場合には、S117以降が実行さ
れる。車輪速センサ144,145のいずれでもない場
合には、車輪速センサ142,143のいずれか一方か
両方かがS101において判定され、その判定に基づい
てS119以降が実行される。
【0081】異常が生じている車輪速センサがない場合
には、S98における判定がNOとなり、S102にお
いて、基準回転速度として最小回転速度(VMIN )が選
択される。ここでは、すべての回転速度の大きさが正常
であるため、最小回転速度が基準回転速度として選択さ
れるのである。次に、S103において、その選択され
た基準回転速度に基づいて、車輪速センサ144,14
5の回転速度にノイズが重畳しているか否かがそれぞれ
検出される。いずれの回転速度にもノイズが重畳してい
ない場合には、判定がNOとなり、S104において,
車体速度一時メモリに格納されていた車体速度が車体速
度メモリに格納される。この車体速度がスピードメータ
152やエンジン制御装置154に供給されるととも
に、この車体速度に基づいてアンチスキッド制御プログ
ラムやトラクション制御プログラムが実行される。
には、S98における判定がNOとなり、S102にお
いて、基準回転速度として最小回転速度(VMIN )が選
択される。ここでは、すべての回転速度の大きさが正常
であるため、最小回転速度が基準回転速度として選択さ
れるのである。次に、S103において、その選択され
た基準回転速度に基づいて、車輪速センサ144,14
5の回転速度にノイズが重畳しているか否かがそれぞれ
検出される。いずれの回転速度にもノイズが重畳してい
ない場合には、判定がNOとなり、S104において,
車体速度一時メモリに格納されていた車体速度が車体速
度メモリに格納される。この車体速度がスピードメータ
152やエンジン制御装置154に供給されるととも
に、この車体速度に基づいてアンチスキッド制御プログ
ラムやトラクション制御プログラムが実行される。
【0082】それに対して、車輪速センサ144,14
5の少なくとも一方の回転速度にノイズが重畳している
場合には、S103における判定がYESとなり、S1
05において、さらに、ノイズが重畳している回転速度
が車輪速センサ144,145の回転速度のいずれか一
方か否かが判定される。いずれか一方の場合には判定が
YESとなり、S106において、車輪速センサ14
4,145の回転速度のうちの小さい方の回転速度に基
づいて車体速度が推定される。すなわち、ノイズが重畳
していない方の回転速度と等しいと推定されるのであ
る。大きい方の回転速度にはノイズが重畳しているから
である。両方の車輪速センサ144,145の回転速度
にノイズが重畳している場合には、S105における判
定がNOとなり、S117以降において、両方の車輪速
センサ144,145において異常が生じている場合と
同様に扱われる。ノイズが重畳していても異常が生じて
いても、これら回転速度を、車体速度の推定に使用でき
ない点においては同じだからである。
5の少なくとも一方の回転速度にノイズが重畳している
場合には、S103における判定がYESとなり、S1
05において、さらに、ノイズが重畳している回転速度
が車輪速センサ144,145の回転速度のいずれか一
方か否かが判定される。いずれか一方の場合には判定が
YESとなり、S106において、車輪速センサ14
4,145の回転速度のうちの小さい方の回転速度に基
づいて車体速度が推定される。すなわち、ノイズが重畳
していない方の回転速度と等しいと推定されるのであ
る。大きい方の回転速度にはノイズが重畳しているから
である。両方の車輪速センサ144,145の回転速度
にノイズが重畳している場合には、S105における判
定がNOとなり、S117以降において、両方の車輪速
センサ144,145において異常が生じている場合と
同様に扱われる。ノイズが重畳していても異常が生じて
いても、これら回転速度を、車体速度の推定に使用でき
ない点においては同じだからである。
【0083】車輪速センサ144,145のいずれか一
方において異常が生じている場合には、S99における
判定がNO、S100における判定がYESとなる。S
107において、さらに、後輪14,15の回転速度を
検出する車輪速センサ142,143の少なくとも一方
に異常が生じているか否かが判定される。車輪速センサ
142,143のいずれにも異常が生じていない場合に
は、判定がNOとなり、S108において基準回転速度
として2番目に小さい回転速度(VMEDL)が選択され
る。異常が発生している車輪速センサが1個であるた
め、正常な回転速度を出力する3個の車輪速センサの回
転速度のうちの最小値が選択されるのである。
方において異常が生じている場合には、S99における
判定がNO、S100における判定がYESとなる。S
107において、さらに、後輪14,15の回転速度を
検出する車輪速センサ142,143の少なくとも一方
に異常が生じているか否かが判定される。車輪速センサ
142,143のいずれにも異常が生じていない場合に
は、判定がNOとなり、S108において基準回転速度
として2番目に小さい回転速度(VMEDL)が選択され
る。異常が発生している車輪速センサが1個であるた
め、正常な回転速度を出力する3個の車輪速センサの回
転速度のうちの最小値が選択されるのである。
【0084】その基準回転速度に基づいて、S109に
おいて、車輪速センサ144,145の回転速度の少な
くとも一方にノイズが重畳しているか否かが判定され
る。車輪速センサ144,145の回転速度に共にノイ
ズが重畳していない場合には、判定がNOとなり、S1
10において、車体速度が、車輪速センサ144,14
5の回転速度のうちの大きい方に等しいと推定される。
車輪速センサ144,145のうちのいずれか一方にお
いては異常が生じているが、両方の回転速度にはノイズ
が重畳していないため、大きい方の回転速度は正常で、
かつ、ノイズが重畳していないことになる。
おいて、車輪速センサ144,145の回転速度の少な
くとも一方にノイズが重畳しているか否かが判定され
る。車輪速センサ144,145の回転速度に共にノイ
ズが重畳していない場合には、判定がNOとなり、S1
10において、車体速度が、車輪速センサ144,14
5の回転速度のうちの大きい方に等しいと推定される。
車輪速センサ144,145のうちのいずれか一方にお
いては異常が生じているが、両方の回転速度にはノイズ
が重畳していないため、大きい方の回転速度は正常で、
かつ、ノイズが重畳していないことになる。
【0085】車輪速センサ144,145の回転速度の
少なくとも一方にノイズが重畳している場合には、S1
09における判定がYESとなり、S111において、
車輪速センサ142,143の回転速度の少なくとも一
方にノイズが重畳しているか否かが判定される。車輪速
センサ142,143のいずれの回転速度にもノイズが
重畳していない場合には、判定がNOとなり、S112
において、車体速度が左右後輪14,15の回転速度の
平均値に等しいと推定される。車輪速センサ142,1
43のいずれにも異常が生じておらず、かつ、いずれの
回転速度にもノイズが重畳していないからである。
少なくとも一方にノイズが重畳している場合には、S1
09における判定がYESとなり、S111において、
車輪速センサ142,143の回転速度の少なくとも一
方にノイズが重畳しているか否かが判定される。車輪速
センサ142,143のいずれの回転速度にもノイズが
重畳していない場合には、判定がNOとなり、S112
において、車体速度が左右後輪14,15の回転速度の
平均値に等しいと推定される。車輪速センサ142,1
43のいずれにも異常が生じておらず、かつ、いずれの
回転速度にもノイズが重畳していないからである。
【0086】車輪速センサ142,143の回転速度の
少なくとも一方にノイズが重畳している場合には、S1
11の判定がYESとなり、S113において車体速度
の大きさが0と推定される。ここでは、車輪速センサ1
44,145のいずれか一方において異常が生じ、他方
の回転速度にノイズが重畳しており、かつ、車輪速度1
42,143の少なくとも一方の回転速度にノイズが重
畳しているからである。すなわち、異常が生じている車
体速度センサと回転速度にノイズが重畳している車輪速
センサとの合計が3個以上になるため、車体速度を信頼
性高く推定することができないため、0と推定されるの
である。
少なくとも一方にノイズが重畳している場合には、S1
11の判定がYESとなり、S113において車体速度
の大きさが0と推定される。ここでは、車輪速センサ1
44,145のいずれか一方において異常が生じ、他方
の回転速度にノイズが重畳しており、かつ、車輪速度1
42,143の少なくとも一方の回転速度にノイズが重
畳しているからである。すなわち、異常が生じている車
体速度センサと回転速度にノイズが重畳している車輪速
センサとの合計が3個以上になるため、車体速度を信頼
性高く推定することができないため、0と推定されるの
である。
【0087】それに対して、車輪速センサ142,14
3の少なくとも一方において異常が生じている場合に
は、S107における判定がYESとなり、S114に
おいて、異常が生じている車輪速センサが車輪速センサ
142,143のいずれか一方か両方かが判定される。
いずれか一方の場合には、判定はYESとなり、S11
5において、基準回転速度として小さい方から3番目の
回転速度(VMEDH)が選択される。異常な回転速度を出
力する車輪速センサが、車輪速センサ144,145の
いずれか一方と車輪速センサ142,143のいずれか
一方との合計2個だからである。
3の少なくとも一方において異常が生じている場合に
は、S107における判定がYESとなり、S114に
おいて、異常が生じている車輪速センサが車輪速センサ
142,143のいずれか一方か両方かが判定される。
いずれか一方の場合には、判定はYESとなり、S11
5において、基準回転速度として小さい方から3番目の
回転速度(VMEDH)が選択される。異常な回転速度を出
力する車輪速センサが、車輪速センサ144,145の
いずれか一方と車輪速センサ142,143のいずれか
一方との合計2個だからである。
【0088】そして、その選択された基準回転速度に基
づいて、S116において、車輪速センサ144,14
5の回転速度の少なくとも一方にノイズが重畳している
か否かが判定される。少なくとも一方の回転速度にノイ
ズが重畳している場合には、判定がYESとなり、S1
13において車体速度が0と推定される。異常が生じて
いる車輪速センサが前述のように2個で、さらに、車輪
速センサ144,145の回転速度の少なくとも一方に
ノイズが重畳しているからである。いずれにもノイズが
重畳していない場合には、S116の判定がNOとな
り、S110において、車体速度が車輪速センサ14
4,145の大きい方の回転速度に等しいと推定され
る。車輪速センサ144,145のいずれの回転速度に
もノイズが重畳していないため、異常が生じていない車
輪速センサの回転速度に基づいて車体速度を推定するこ
とができるからである。
づいて、S116において、車輪速センサ144,14
5の回転速度の少なくとも一方にノイズが重畳している
か否かが判定される。少なくとも一方の回転速度にノイ
ズが重畳している場合には、判定がYESとなり、S1
13において車体速度が0と推定される。異常が生じて
いる車輪速センサが前述のように2個で、さらに、車輪
速センサ144,145の回転速度の少なくとも一方に
ノイズが重畳しているからである。いずれにもノイズが
重畳していない場合には、S116の判定がNOとな
り、S110において、車体速度が車輪速センサ14
4,145の大きい方の回転速度に等しいと推定され
る。車輪速センサ144,145のいずれの回転速度に
もノイズが重畳していないため、異常が生じていない車
輪速センサの回転速度に基づいて車体速度を推定するこ
とができるからである。
【0089】車輪速センサ144,145の両方におい
て異常が生じている場合には、S99における判定がY
ESとなり、S117において、さらに、車輪速センサ
142,143の回転速度が共に正常か否が判定され
る。車輪速センサ142,143のいずれにおいても異
常が生じていない場合には、判定がYESとなり、S1
18において、基準回転速度として小さい方から3番目
の回転速度(VMEDH)が選択される。異常が生じている
車輪速センサが、車輪速センサ144,145の合計2
個だからである。そして、S111において、その選択
された基準回転速度に基づいて、車輪速センサ142,
143の回転速度の少なくとも一方にノイズが重畳して
いるか否かが判定される。
て異常が生じている場合には、S99における判定がY
ESとなり、S117において、さらに、車輪速センサ
142,143の回転速度が共に正常か否が判定され
る。車輪速センサ142,143のいずれにおいても異
常が生じていない場合には、判定がYESとなり、S1
18において、基準回転速度として小さい方から3番目
の回転速度(VMEDH)が選択される。異常が生じている
車輪速センサが、車輪速センサ144,145の合計2
個だからである。そして、S111において、その選択
された基準回転速度に基づいて、車輪速センサ142,
143の回転速度の少なくとも一方にノイズが重畳して
いるか否かが判定される。
【0090】前述の場合と同様に、車輪速センサ14
2,143のいずれの回転速度にもノイズが重畳してい
ない場合には、S112において、車体速度が後輪1
4,15の回転速度の平均値に等しいと推定され、少な
くとも一方の回転速度にノイズが重畳している場合に
は、S113において、0と推定される。前記車輪速セ
ンサ142,143の少なくとも一方に異常が生じてい
ると検出された場合にも、S117における判定がNO
となり、同様に、S113において車体速度が0と推定
される。異常が生じている車輪速センサの個数が3個以
上になるからである。
2,143のいずれの回転速度にもノイズが重畳してい
ない場合には、S112において、車体速度が後輪1
4,15の回転速度の平均値に等しいと推定され、少な
くとも一方の回転速度にノイズが重畳している場合に
は、S113において、0と推定される。前記車輪速セ
ンサ142,143の少なくとも一方に異常が生じてい
ると検出された場合にも、S117における判定がNO
となり、同様に、S113において車体速度が0と推定
される。異常が生じている車輪速センサの個数が3個以
上になるからである。
【0091】車輪速センサ144,145のいずれにも
異常が生じていない場合には、S99,100の判定が
いずれもNOとなり、S101において、異常が生じて
いる車輪速センサが、車輪速センサ142,143のい
ずれか一方か両方かが判定される。両方において異常が
生じている場合には、S101における判定がYESと
なり、S119において基準回転速度として3番目に小
さい回転速度(VMEDH)が選択され、いずれか一方にお
いて異常が生じている場合には、判定がNOとなり、S
120において基準回転速度として2番目に小さい回転
速度(VMEDL)が選択される。大きさが0でない回転速
度のうちの最小値がそれぞれ選択されるのである。
異常が生じていない場合には、S99,100の判定が
いずれもNOとなり、S101において、異常が生じて
いる車輪速センサが、車輪速センサ142,143のい
ずれか一方か両方かが判定される。両方において異常が
生じている場合には、S101における判定がYESと
なり、S119において基準回転速度として3番目に小
さい回転速度(VMEDH)が選択され、いずれか一方にお
いて異常が生じている場合には、判定がNOとなり、S
120において基準回転速度として2番目に小さい回転
速度(VMEDL)が選択される。大きさが0でない回転速
度のうちの最小値がそれぞれ選択されるのである。
【0092】その後、選択された基準回転速度に基づい
て、それぞれ、S121において、車輪速センサ14
4,145の回転速度の少なくとも一方にノイズが重畳
したか否かが判定される。共にノイズが重畳していない
場合には、S121における判定がNOとなり、S10
4において、左右前輪18,19の回転速度の平均値に
等しいと推定された車体速度が車体速度メモリに格納さ
れる。車輪速センサ144,145のいずれにも異常が
生じておらず、回転速度には共にノイズが重畳していな
いからである。また、少なくとも一方の回転速度にノイ
ズが重畳している場合には、S121における判定がY
ESとなり、さらに、S122において、回転速度にノ
イズが重畳している車輪速センサが1個か2個かが判定
される。2個の場合には、判定がNOとなり、S113
において車体速度が0と推定され、1個の場合には、判
定がYESとなり、S106において、車体速度が車輪
速センサ144,145の回転速度のうち小さい方に等
しいと推定される。
て、それぞれ、S121において、車輪速センサ14
4,145の回転速度の少なくとも一方にノイズが重畳
したか否かが判定される。共にノイズが重畳していない
場合には、S121における判定がNOとなり、S10
4において、左右前輪18,19の回転速度の平均値に
等しいと推定された車体速度が車体速度メモリに格納さ
れる。車輪速センサ144,145のいずれにも異常が
生じておらず、回転速度には共にノイズが重畳していな
いからである。また、少なくとも一方の回転速度にノイ
ズが重畳している場合には、S121における判定がY
ESとなり、さらに、S122において、回転速度にノ
イズが重畳している車輪速センサが1個か2個かが判定
される。2個の場合には、判定がNOとなり、S113
において車体速度が0と推定され、1個の場合には、判
定がYESとなり、S106において、車体速度が車輪
速センサ144,145の回転速度のうち小さい方に等
しいと推定される。
【0093】車輪速センサ142,143において共に
異常が生じ、かつ、回転速度のいずれか一方にノイズが
重畳していると検出された場合(S101における判定
がYESで、S121における判定がYESの場合)に
は、異常が生じている車輪速センサの個数とノイズが重
畳した回転速度を検出する車輪速センサの個数との合計
が3個となる。しかし、この場合には、車体速度の推定
の基礎となる車輪速センサ144,145の回転速度の
いずれか一方が正常で、ノイズが重畳していないため、
車体速度として使用することができる。この場合には、
この正常でノイズが重畳していない回転速度に等しいと
車体速度が推定される。上述の推定規則(D)に対する
例外なのである。しかし、原則通り、車体速度が0であ
ると推定されるようにしても差し支えない。
異常が生じ、かつ、回転速度のいずれか一方にノイズが
重畳していると検出された場合(S101における判定
がYESで、S121における判定がYESの場合)に
は、異常が生じている車輪速センサの個数とノイズが重
畳した回転速度を検出する車輪速センサの個数との合計
が3個となる。しかし、この場合には、車体速度の推定
の基礎となる車輪速センサ144,145の回転速度の
いずれか一方が正常で、ノイズが重畳していないため、
車体速度として使用することができる。この場合には、
この正常でノイズが重畳していない回転速度に等しいと
車体速度が推定される。上述の推定規則(D)に対する
例外なのである。しかし、原則通り、車体速度が0であ
ると推定されるようにしても差し支えない。
【0094】以上のように、本実施形態によれば、回転
速度にノイズが重畳したか否かを基準回転速度に基づい
て検出することができる。車両が停止状態にあるか否か
の検出が、基準回転速度に基づいて行われるため、停止
状態にあるか否かを信頼性高く検出することができるの
であり、基準回転速度の大きさが異常でない回転速度か
ら選択されるため、さらに、停止状態にあるか否かを信
頼性高く検出することができる。また、車体速度が、ノ
イズ重畳検出結果に応じた推定規則に基づいて推定され
るため、ノイズ重畳に起因して誤った大きさの車体速度
が推定されることを良好に回避し得る。さらに、本実施
形態においては、ノイズ重畳の有無の検出が駆動輪およ
び非駆動輪の区別なく行われるため、四輪駆動車におい
てレーシングに起因するノイズ重畳の有無を良好に検出
することができる。
速度にノイズが重畳したか否かを基準回転速度に基づい
て検出することができる。車両が停止状態にあるか否か
の検出が、基準回転速度に基づいて行われるため、停止
状態にあるか否かを信頼性高く検出することができるの
であり、基準回転速度の大きさが異常でない回転速度か
ら選択されるため、さらに、停止状態にあるか否かを信
頼性高く検出することができる。また、車体速度が、ノ
イズ重畳検出結果に応じた推定規則に基づいて推定され
るため、ノイズ重畳に起因して誤った大きさの車体速度
が推定されることを良好に回避し得る。さらに、本実施
形態においては、ノイズ重畳の有無の検出が駆動輪およ
び非駆動輪の区別なく行われるため、四輪駆動車におい
てレーシングに起因するノイズ重畳の有無を良好に検出
することができる。
【0095】また、本実施形態の車体速度検出装置によ
って検出された車体速度がスピードメータ152に供給
されれば、スピードメータ152において誤った大きさ
の車体速度が表示されることを回避し得る。車体速度が
エンジン制御装置154に供給されれば、エンジン制御
装置154において、過レーシング防止制御により燃料
噴射量を良好に制御することができる。さらに、車体速
度に基づいてアンチスキッド制御プログラムが実行され
れば、制動スリップが過大であると誤って検出されるこ
とが回避されるため、ノイズ重畳に起因して不要なアン
チスキッド制御が開始されることを回避することができ
る。また、車体速度およびノイズ重畳検出結果に基づい
てトラクション制御プログラムが実行されれば、不要な
トラクション制御が行われることを回避することがで
き、無駄なエネルギが消費されることを回避し得、騒音
が発生する回数を減らすことができる。
って検出された車体速度がスピードメータ152に供給
されれば、スピードメータ152において誤った大きさ
の車体速度が表示されることを回避し得る。車体速度が
エンジン制御装置154に供給されれば、エンジン制御
装置154において、過レーシング防止制御により燃料
噴射量を良好に制御することができる。さらに、車体速
度に基づいてアンチスキッド制御プログラムが実行され
れば、制動スリップが過大であると誤って検出されるこ
とが回避されるため、ノイズ重畳に起因して不要なアン
チスキッド制御が開始されることを回避することができ
る。また、車体速度およびノイズ重畳検出結果に基づい
てトラクション制御プログラムが実行されれば、不要な
トラクション制御が行われることを回避することがで
き、無駄なエネルギが消費されることを回避し得、騒音
が発生する回数を減らすことができる。
【0096】以上の説明から明らかなように、本実施形
態においては、液圧制御装置26の車体速度推定プログ
ラムのS98〜102,S107,S108,S11
4,S115,S117〜120を実行する部分等によ
って基準回転速度選択手段が構成される。基準回転速度
選択手段は異常輪除外型基準回転速度選択手段でもあ
る。
態においては、液圧制御装置26の車体速度推定プログ
ラムのS98〜102,S107,S108,S11
4,S115,S117〜120を実行する部分等によ
って基準回転速度選択手段が構成される。基準回転速度
選択手段は異常輪除外型基準回転速度選択手段でもあ
る。
【0097】なお、上記実施形態においては、車体速度
の推定が、原則として前輪18,19の回転速度に基づ
いて行われるようになっているが、原則として後輪1
4,15の回転速度に基づいて行われるようにしてもよ
い。いずれも駆動輪であるため、後輪14,15の回転
速度に基づいて推定されても差し支えないのである。た
だし、共振が生じ易い車輪が予め決まっている場合に
は、それ以外の車輪の回転速度に基づいて推定されるよ
うにする方がよい。また、推定規則は上記実施形態に限
定されず、他の推定規則に基づいて車体速度が推定され
るようにしてもよい。例えば、大きさが異常な回転速度
を出力する車輪速センサの個数と、ノイズが重畳してい
る回転速度を出力する車輪速センサの個数との合計が3
個である場合には、残りの車輪の回転速度に基づいて推
定されるようにすることもできる。
の推定が、原則として前輪18,19の回転速度に基づ
いて行われるようになっているが、原則として後輪1
4,15の回転速度に基づいて行われるようにしてもよ
い。いずれも駆動輪であるため、後輪14,15の回転
速度に基づいて推定されても差し支えないのである。た
だし、共振が生じ易い車輪が予め決まっている場合に
は、それ以外の車輪の回転速度に基づいて推定されるよ
うにする方がよい。また、推定規則は上記実施形態に限
定されず、他の推定規則に基づいて車体速度が推定され
るようにしてもよい。例えば、大きさが異常な回転速度
を出力する車輪速センサの個数と、ノイズが重畳してい
る回転速度を出力する車輪速センサの個数との合計が3
個である場合には、残りの車輪の回転速度に基づいて推
定されるようにすることもできる。
【0098】次に、請求項3,5〜7の発明に共通の一
実施形態としての車体速度検出装置について説明する。
本車体速度検出装置は液圧制御装置に含まれ、この液圧
制御装置は、図1に示す液圧ブレーキ装置と同様の液圧
ブレーキ装置に備えられている。この液圧ブレーキ装置
は第一実施形態における場合と同様に、後輪駆動車に搭
載されている。液圧制御装置26のROM92には、図
9のフローチャートに示す車体速度推定プログラムが格
納されている。また、上記各実施形態においては設けら
れていたRAM94の車体速度一時メモリは不要であ
る。
実施形態としての車体速度検出装置について説明する。
本車体速度検出装置は液圧制御装置に含まれ、この液圧
制御装置は、図1に示す液圧ブレーキ装置と同様の液圧
ブレーキ装置に備えられている。この液圧ブレーキ装置
は第一実施形態における場合と同様に、後輪駆動車に搭
載されている。液圧制御装置26のROM92には、図
9のフローチャートに示す車体速度推定プログラムが格
納されている。また、上記各実施形態においては設けら
れていたRAM94の車体速度一時メモリは不要であ
る。
【0099】本実施形態においては、駆動輪である左右
後輪14,15の左右回転速度差に関連する左右回転速
度差関連量が設定量より大きい場合には、左右車輪のい
ずれか一方にレーシングに起因するノイズが重畳してい
るとされる。エンジンがレーシング状態にあると駆動系
に共振が生じ、たいていの場合には、駆動輪側に属する
左右車輪14,15の回転速度にノイズが重畳する。し
かし、左右後輪14,15の回転速度に同時にノイズが
重畳するのは稀であり、大部分の場合には、時間差があ
る。そして、そのいずれか一方の車輪の回転速度のみに
ノイズが重畳している間においては、左右後輪14,1
5の回転速度差関連量が設定量より大きくなるのであ
る。
後輪14,15の左右回転速度差に関連する左右回転速
度差関連量が設定量より大きい場合には、左右車輪のい
ずれか一方にレーシングに起因するノイズが重畳してい
るとされる。エンジンがレーシング状態にあると駆動系
に共振が生じ、たいていの場合には、駆動輪側に属する
左右車輪14,15の回転速度にノイズが重畳する。し
かし、左右後輪14,15の回転速度に同時にノイズが
重畳するのは稀であり、大部分の場合には、時間差があ
る。そして、そのいずれか一方の車輪の回転速度のみに
ノイズが重畳している間においては、左右後輪14,1
5の回転速度差関連量が設定量より大きくなるのであ
る。
【0100】回転速度差関連量は、本実施形態において
は、左右後輪14,15の回転速度差(VH −VL )で
ある。VH は左右後輪14,15の回転速度のうち大き
い方の高速回転速度、VL は小さい方の低速回転速度で
ある。この回転速度差(VH −VL )は、ノイズの重畳
がない限り、理論上、車両がスリップなしで最小回転半
径で旋回している場合における外輪と内輪との回転速度
差(A−1)VL と、2輪ドラムテスタにおいて測定さ
れた左右後輪14,15の間の最大回転速度差Bとの和
より大きくなることはあり得ない。必ず、(VH −
VL )<(A−1)VL +Bが成立するのである。した
がって、もし、 (VH −VL )>(A−1)VL +B・・・・(1) となれば、高速回転速度VH にノイズが重畳したと言い
得る。
は、左右後輪14,15の回転速度差(VH −VL )で
ある。VH は左右後輪14,15の回転速度のうち大き
い方の高速回転速度、VL は小さい方の低速回転速度で
ある。この回転速度差(VH −VL )は、ノイズの重畳
がない限り、理論上、車両がスリップなしで最小回転半
径で旋回している場合における外輪と内輪との回転速度
差(A−1)VL と、2輪ドラムテスタにおいて測定さ
れた左右後輪14,15の間の最大回転速度差Bとの和
より大きくなることはあり得ない。必ず、(VH −
VL )<(A−1)VL +Bが成立するのである。した
がって、もし、 (VH −VL )>(A−1)VL +B・・・・(1) となれば、高速回転速度VH にノイズが重畳したと言い
得る。
【0101】上記2輪ドラムテスタは、シャシダイナモ
メータの一種で、2個の独立したローラに車両の左右駆
動輪14,15をそれぞれ載せて回転させて、左右駆動
輪14,15の特性をそれぞれ検出する装置であり、左
右駆動輪14,15の回転速度はローラの回転速度に基
づいて求めることができる。この装置において、駆動輪
のローラへの押付け荷重,駆動輪の回転速度,ローラに
対する負荷トルク等が変更可能である。左右駆動輪1
4,15のローラへの押付け力の和を変更することによ
って路面の摩擦係数が変わったに等しい状況を作ること
ができる。これらローラへの押付け荷重,駆動輪の回転
速度およびローラに対する負荷を変更しつつ左右駆動輪
14,15の回転速度を各々測定し、これらの差を求
め、その差のうちの最大値を上述の最大回転速度差Bと
したのである。
メータの一種で、2個の独立したローラに車両の左右駆
動輪14,15をそれぞれ載せて回転させて、左右駆動
輪14,15の特性をそれぞれ検出する装置であり、左
右駆動輪14,15の回転速度はローラの回転速度に基
づいて求めることができる。この装置において、駆動輪
のローラへの押付け荷重,駆動輪の回転速度,ローラに
対する負荷トルク等が変更可能である。左右駆動輪1
4,15のローラへの押付け力の和を変更することによ
って路面の摩擦係数が変わったに等しい状況を作ること
ができる。これらローラへの押付け荷重,駆動輪の回転
速度およびローラに対する負荷を変更しつつ左右駆動輪
14,15の回転速度を各々測定し、これらの差を求
め、その差のうちの最大値を上述の最大回転速度差Bと
したのである。
【0102】上記符号Aは、図10に示すように、最小
回転半径をL、トレッドをDとした場合に、L/(L−
D)で表される値である。一般に、車両がスリップなし
で旋回半径Rで旋回している場合には、左右後輪14,
15のうち外側輪の回転速度が高速回転速度VH 、内側
輪の回転速度が低速回転速度VL となる。そして、これ
ら両回転速度VH ,VL の間には、 VH :VL =R:R−D VH −{R/(R−D)}・VL =0 ・・・・(2) が成立する。車両が最小回転半径で旋回していると仮定
した場合には、上記式(2)の回転半径Rに最小回転半
径Lを代入すればよく、VH −{L/(L−D)}・V
L =0となり、VH −VL =(A−1)VL となる。ま
た、L≦Rであるから、{L/(L−D)}≧{R/
(R−D)}であり、VH −VL ≦(A−1)VL とな
る。そして、この式の右辺のみに正の値である最大回転
速度差Bを加えれば、(VH −VL )<(A−1)VL
+Bとなるのである。
回転半径をL、トレッドをDとした場合に、L/(L−
D)で表される値である。一般に、車両がスリップなし
で旋回半径Rで旋回している場合には、左右後輪14,
15のうち外側輪の回転速度が高速回転速度VH 、内側
輪の回転速度が低速回転速度VL となる。そして、これ
ら両回転速度VH ,VL の間には、 VH :VL =R:R−D VH −{R/(R−D)}・VL =0 ・・・・(2) が成立する。車両が最小回転半径で旋回していると仮定
した場合には、上記式(2)の回転半径Rに最小回転半
径Lを代入すればよく、VH −{L/(L−D)}・V
L =0となり、VH −VL =(A−1)VL となる。ま
た、L≦Rであるから、{L/(L−D)}≧{R/
(R−D)}であり、VH −VL ≦(A−1)VL とな
る。そして、この式の右辺のみに正の値である最大回転
速度差Bを加えれば、(VH −VL )<(A−1)VL
+Bとなるのである。
【0103】したがって、回転速度差関連量としての回
転速度差(VH −VL )に基づいてノイズの重畳を検出
するための設定値は上記(A−1)VL +Bであること
となるが、本実施形態においては、(1)式の代わり
に、項(A−1)VL を左辺に移項して整理した VH −AVL >B・・・・(3) によってノイズの重畳が検出されるようにされている。
このように、一見異なる判定に見えても、実質上は、左
右後輪14,15の回転速度差(VH −VL )が設定値
{(A−1)VL +B}より大きいか否かの判定と同じ
なのであり、本実施形態は請求項5に係る発明の一実施
形態である。
転速度差(VH −VL )に基づいてノイズの重畳を検出
するための設定値は上記(A−1)VL +Bであること
となるが、本実施形態においては、(1)式の代わり
に、項(A−1)VL を左辺に移項して整理した VH −AVL >B・・・・(3) によってノイズの重畳が検出されるようにされている。
このように、一見異なる判定に見えても、実質上は、左
右後輪14,15の回転速度差(VH −VL )が設定値
{(A−1)VL +B}より大きいか否かの判定と同じ
なのであり、本実施形態は請求項5に係る発明の一実施
形態である。
【0104】図9のフローチャートに基づいて本実施形
態をさらに具体的に説明する。まず、S151におい
て、右後輪15の回転速度VRRが左後輪14の回転速度
VRLより大きいか否かが判定される。すなわち、左右後
輪14,15の回転速度のうち大きい方の回転速度がい
ずれかが判定されるのである。右後輪15の回転速度の
方が大きい場合には、判定がYESとなり、S152に
おいて、高速回転速度VH が右後輪15の回転速度
VRR、低速回転速度VL が左後輪14の回転速度VRLと
される。逆に、右後輪15の回転速度の方が小さい場合
には、判定がNOとなり、S153において、高速回転
速度VH が左後輪14の回転速度VRLとされ、低速回転
速度VL が右後輪15の回転速度VRRとされる。
態をさらに具体的に説明する。まず、S151におい
て、右後輪15の回転速度VRRが左後輪14の回転速度
VRLより大きいか否かが判定される。すなわち、左右後
輪14,15の回転速度のうち大きい方の回転速度がい
ずれかが判定されるのである。右後輪15の回転速度の
方が大きい場合には、判定がYESとなり、S152に
おいて、高速回転速度VH が右後輪15の回転速度
VRR、低速回転速度VL が左後輪14の回転速度VRLと
される。逆に、右後輪15の回転速度の方が小さい場合
には、判定がNOとなり、S153において、高速回転
速度VH が左後輪14の回転速度VRLとされ、低速回転
速度VL が右後輪15の回転速度VRRとされる。
【0105】このように、高速回転速度VH と低速回転
速度VL とが決定されれば、S154において、上記式
(3)が満たされるか否かが判定される。上記式(3)
が満たされない場合には、S154における判定がNO
となり、ノイズが重畳していないと判定される。回転速
度差はノイズの重畳に起因して生じたわけないと判定さ
れるのである。この場合には、S155において車体速
度が駆動輪である後輪14,15の回転速度の平均値に
等しいと推定され、車体速度メモリに格納される。車体
速度は、上記各実施形態における場合と同様に、原則と
して駆動輪の回転速度に基づいて推定されるのである。
上記式(3)が満たされる場合には、S154における
判定がYESとなり、S156において非駆動輪である
前輪18,19の回転速度の平均値として車体速度が推
定される。後輪14,15のいずれか一方の回転速度に
ノイズが重畳していると推定されたことに基づいて車体
速度の推定規則が変更されるのである。
速度VL とが決定されれば、S154において、上記式
(3)が満たされるか否かが判定される。上記式(3)
が満たされない場合には、S154における判定がNO
となり、ノイズが重畳していないと判定される。回転速
度差はノイズの重畳に起因して生じたわけないと判定さ
れるのである。この場合には、S155において車体速
度が駆動輪である後輪14,15の回転速度の平均値に
等しいと推定され、車体速度メモリに格納される。車体
速度は、上記各実施形態における場合と同様に、原則と
して駆動輪の回転速度に基づいて推定されるのである。
上記式(3)が満たされる場合には、S154における
判定がYESとなり、S156において非駆動輪である
前輪18,19の回転速度の平均値として車体速度が推
定される。後輪14,15のいずれか一方の回転速度に
ノイズが重畳していると推定されたことに基づいて車体
速度の推定規則が変更されるのである。
【0106】以上のように、本実施形態においては、左
右後輪14,15の回転速度差関連量に基づいてノイズ
重畳の有無を検出することができる。そのため、レーシ
ングに起因して回転速度にノイズが重畳したか否かを精
度よく検出することができ、実際にはノイズが重畳して
いないのにノイズが重畳したと検出される確率を低くす
ることができる。そして、車体速度がノイズ重畳の検出
結果に応じた推定規則に基づいて推定されるため、誤っ
た車体速度が推定されることが良好に回避される。
右後輪14,15の回転速度差関連量に基づいてノイズ
重畳の有無を検出することができる。そのため、レーシ
ングに起因して回転速度にノイズが重畳したか否かを精
度よく検出することができ、実際にはノイズが重畳して
いないのにノイズが重畳したと検出される確率を低くす
ることができる。そして、車体速度がノイズ重畳の検出
結果に応じた推定規則に基づいて推定されるため、誤っ
た車体速度が推定されることが良好に回避される。
【0107】また、駆動輪14,15の回転速度関連量
の大きさが適正範囲外になった場合にノイズ重畳か否か
を検出する場合より、ノイズ重畳検出可能な時期を早め
ることができる。すなわち、駆動系に共振が生じれば、
駆動輪14,15の両方の回転速度関連量が適正範囲外
の大きさとなるが、駆動輪14,15の回転速度関連量
が同時に適正範囲外の大きさとなることは稀であり、時
間差を有して適正範囲外の大きさになる。駆動輪14,
15の回転速度関連量が共に適正範囲外になったことを
検出すれば、ノイズが重畳したことを検出することが可
能なのであるが、本実施形態においては、それ以前にノ
イズ重畳を検出することが可能となるのである。
の大きさが適正範囲外になった場合にノイズ重畳か否か
を検出する場合より、ノイズ重畳検出可能な時期を早め
ることができる。すなわち、駆動系に共振が生じれば、
駆動輪14,15の両方の回転速度関連量が適正範囲外
の大きさとなるが、駆動輪14,15の回転速度関連量
が同時に適正範囲外の大きさとなることは稀であり、時
間差を有して適正範囲外の大きさになる。駆動輪14,
15の回転速度関連量が共に適正範囲外になったことを
検出すれば、ノイズが重畳したことを検出することが可
能なのであるが、本実施形態においては、それ以前にノ
イズ重畳を検出することが可能となるのである。
【0108】さらに、本実施形態の車体速度検出装置に
よって検出された車体速度がスピードメータ152に供
給される場合には、スピードメータ152において、誤
った車体速度が表示されることを回避し得る。また、車
体速度がエンジン制御装置154に供給される場合に
は、過レーシング防止制御により燃料噴射量を良好に制
御し得る。また、ノイズ重畳に起因して不要なアンチス
キッド制御やトラクション制御が、行われることを回避
することができ、無駄なエネルギが消費されることを回
避し得、騒音が発生する回数を減らすことができる。
よって検出された車体速度がスピードメータ152に供
給される場合には、スピードメータ152において、誤
った車体速度が表示されることを回避し得る。また、車
体速度がエンジン制御装置154に供給される場合に
は、過レーシング防止制御により燃料噴射量を良好に制
御し得る。また、ノイズ重畳に起因して不要なアンチス
キッド制御やトラクション制御が、行われることを回避
することができ、無駄なエネルギが消費されることを回
避し得、騒音が発生する回数を減らすことができる。
【0109】なお、本実施形態においては、液圧ブレー
キ装置が二輪駆動車に搭載されていたが、四輪駆動車に
搭載してもよい。その場合には、左右前輪18,19の
回転速度差関連量が設定量より大きいか否かに基づいて
ノイズ重畳の有無を検出してもよい。また、上記実施形
態においては、左右後輪14,15の回転速度差関連量
が設定量より大きく、式(3)を満たす場合にノイズが
重畳していると検出されたが、他の式が満たされる場合
に重畳していると検出されてもよい。さらに、(VH−
AVL )を回転速度差関連量とみなすこともできる。
キ装置が二輪駆動車に搭載されていたが、四輪駆動車に
搭載してもよい。その場合には、左右前輪18,19の
回転速度差関連量が設定量より大きいか否かに基づいて
ノイズ重畳の有無を検出してもよい。また、上記実施形
態においては、左右後輪14,15の回転速度差関連量
が設定量より大きく、式(3)を満たす場合にノイズが
重畳していると検出されたが、他の式が満たされる場合
に重畳していると検出されてもよい。さらに、(VH−
AVL )を回転速度差関連量とみなすこともできる。
【0110】本実施形態においては、液圧制御装置26
の車体速度推定プログラムのS151〜154を実行す
る部分等によってノイズ重畳検出手段が構成され、S1
55,156を実行する部分等によって車体速度推定手
段が構成される。また、本実施形態を第一,第三および
第五発明に共通な一実施形態であると考えることも可能
であり、その場合には、後輪14,15の回転速度の小
さい方VL が基準回転速度として選択されたと考えるこ
とができる。その場合には、S154において、式 VH /A−VL >B/A・・・(4) が満たされるか否かが判定される。式(4)は式(3)
の両辺を係数Aで除した式であるが、大きい方の高速回
転速度VH を係数Aで除した値(VH /A)の基準回転
速度VL からの差が設定量(B/A)より大きい場合に
は、高速回転速度VH にノイズが重畳していると検出す
ることができる。このように考えた場合には、液圧制御
装置26のS151〜153を実行する部分等によって
基準回転速度選択手段が構成され、S154を実行する
部分等によって基準回転速度依拠ノイズ重畳検出手段が
構成されると考えることも可能である。
の車体速度推定プログラムのS151〜154を実行す
る部分等によってノイズ重畳検出手段が構成され、S1
55,156を実行する部分等によって車体速度推定手
段が構成される。また、本実施形態を第一,第三および
第五発明に共通な一実施形態であると考えることも可能
であり、その場合には、後輪14,15の回転速度の小
さい方VL が基準回転速度として選択されたと考えるこ
とができる。その場合には、S154において、式 VH /A−VL >B/A・・・(4) が満たされるか否かが判定される。式(4)は式(3)
の両辺を係数Aで除した式であるが、大きい方の高速回
転速度VH を係数Aで除した値(VH /A)の基準回転
速度VL からの差が設定量(B/A)より大きい場合に
は、高速回転速度VH にノイズが重畳していると検出す
ることができる。このように考えた場合には、液圧制御
装置26のS151〜153を実行する部分等によって
基準回転速度選択手段が構成され、S154を実行する
部分等によって基準回転速度依拠ノイズ重畳検出手段が
構成されると考えることも可能である。
【0111】その他、いちいち例示することはしない
が、特許請求の範囲を逸脱することなく当業者の知識に
基づいて種々の変形,改良を施した態様で本発明を実施
することができる。
が、特許請求の範囲を逸脱することなく当業者の知識に
基づいて種々の変形,改良を施した態様で本発明を実施
することができる。
【図1】請求項1〜7の発明に共通の一実施形態である
車体速度検出装置を含む液圧制御装置を備えた液圧ブレ
ーキ装置の回路図である。
車体速度検出装置を含む液圧制御装置を備えた液圧ブレ
ーキ装置の回路図である。
【図2】上記液圧ブレーキ装置に設けられた車輪速セン
サの周辺を表した一部断面図である。
サの周辺を表した一部断面図である。
【図3】上記液圧ブレーキ装置が搭載された車両におい
て、右後輪の回転速度にノイズが重畳した状態を表すデ
ータである。
て、右後輪の回転速度にノイズが重畳した状態を表すデ
ータである。
【図4】請求項1,2,6,7の発明に共通の一実施形
態である車体速度検出装置を含む上記液圧制御装置のR
OMに格納された車体速度推定プログラムを表すフロー
チャートである。
態である車体速度検出装置を含む上記液圧制御装置のR
OMに格納された車体速度推定プログラムを表すフロー
チャートである。
【図5】上記ROMに格納されたノイズ重畳検出プログ
ラムを表すフローチャートである。
ラムを表すフローチャートである。
【図6】請求項1,2,6,7に共通の別の実施形態で
ある車体速度検出装置を含む液圧制御装置のROMに格
納された車体速度推定プログラムの一部を表すフローチ
ャートである。
ある車体速度検出装置を含む液圧制御装置のROMに格
納された車体速度推定プログラムの一部を表すフローチ
ャートである。
【図7】請求項1,2,4,6,7の発明に共通の一実
施形態である車体速度検出装置を含む液圧制御装置のR
OMに格納された車体速度推定プログラムを表すフロー
チャートである。
施形態である車体速度検出装置を含む液圧制御装置のR
OMに格納された車体速度推定プログラムを表すフロー
チャートである。
【図8】上記車体速度推定プログラムの実行をテーブル
化した図である。
化した図である。
【図9】請求項3,5〜7の発明に共通の一実施形態で
ある車体速度検出装置を含む液圧制御装置のROMに格
納された車体速度推定プログラムを表すフローチャート
である。
ある車体速度検出装置を含む液圧制御装置のROMに格
納された車体速度推定プログラムを表すフローチャート
である。
【図10】車両の最小回転半径を示す図である。
14,15,18,19 車輪 26 液圧制御装置 142〜145 車輪速センサ 152 スピードメータ 154 エンジン制御装置
フロントページの続き (72)発明者 鈴木 智清 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (56)参考文献 特開 昭60−25836(JP,A) 特開 昭62−255871(JP,A) 特開 平1−109265(JP,A) 特開 平7−306218(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01P 3/42 - 3/489 G01D 5/245 102
Claims (7)
- 【請求項1】 それぞれ1つ以上の車輪を含む複数の車
輪群の回転速度をそれぞれ検出する複数個の回転速度検
出装置と、 それら複数個の回転速度検出装置によって検出された各
々の回転速度の少なくとも1つと推定規則とに基づいて
車体速度を推定する車体速度推定手段とを含む車体速度
検出装置であって、 当該車体速度検出装置が、前記複数の回転速度の少な
くとも1つを選択して基準回転速度とする基準回転速度
選択手段と、その基準回転速度選択手段によって選択
された基準回転速度に基づいて前記複数の回転速度の少
なくとも1つにノイズが重畳しているか否かを検出する
基準回転速度依拠ノイズ重畳検出手段とを含むノイズ重
畳検出手段を含み、 前記車体速度推定手段が、そのノイズ重畳検出手段によ
る検出結果に応じて前記推定規則を変えるノイズ重畳対
応推定規則変更手段を含むことを特徴とする車体速度検
出装置。 - 【請求項2】 前記基準回転速度依拠ノイズ重畳検出手
段が、前記基準回転速度が設定速度以下である場合に、
前記複数の回転速度の少なくとも1つにノイズが重畳し
ているか否かを検出する請求項1に記載の車体速度検出
装置。 - 【請求項3】 前記基準回転速度依拠ノイズ重畳検出手
段が、前記複数の回転速度のうち少なくとも1つの回転
速度と前記基準回転速度との差が設定速度より大きいか
否かを検出する対基準回転速度差検出手段を含み、その
対基準回転速度差検出手段によって、少なくとも1つの
回転速度と基準回転速度との差が設定速度差より大きい
と検出された場合には、その少なくとも1つの回転速度
にノイズが重畳していると検出するものである請求項1
に記載の車体速度検出装置。 - 【請求項4】 前記基準回転速度選択手段が、前記基準
回転速度を、複数の回転速度から大きさが異常な回転速
度を除いた回転速度から選択する異常除外型基準回転速
度選択手段を含むことを特徴とする請求項1ないし3の
いずれか1つに記載の車体速度検出装置。 - 【請求項5】 前記回転速度検出装置が、少なくとも前
輪側および後輪側のいずれか一方の側に属する左側車輪
および右側車輪の回転速度をそれぞれ検出する左側回転
速度検出装置および右側回転速度検出装置を含み、か
つ、前記ノイズ重畳検出手段が、左側回転速度検出装置
によって検出された左側回転速度と右側回転速度検出装
置によって検出された右側回転速度との左右回転速度差
に関連する回転速度差関連量が設定量より大きい場合
に、左側回転速度と右側回転速度とのいずれか一方にノ
イズが重畳していると判定する左右回転速度差依拠ノイ
ズ重畳判定手段を含む請求項1ないし4のいずれか1つ
に記載の車体速度検出装置。 - 【請求項6】前記ノイズ重畳検出手段が、前記複数の回
転速度のうちの一部の回転速度をノイズが重畳している
か否かが検出されるべき回転速度として指定する被検出
回転速度指定手段を含み、その被検出回転速度指定手段
によって指定された回転速度に対してノイズが重畳して
いるか否かを検出するものである請求項1ないし5のい
ずれか1つに記載の車体速度検出装置。 - 【請求項7】それぞれ1つ以上の車輪を含む複数の車輪
群の回転速度をそれぞれ検出する複数個の回転速度検出
装置と、 それら複数個の回転速度検出装置によって検出された各
々の回転速度の少なくとも1つを指定回転速度に指定す
る回転速度指定手段と、 その回転速度指定手段によって指定された少なくとも1
つの指定回転速度に基づいて車体速度を推定する車体速
度推定手段とを含む車体速度検出装置であって、 当該車体速度検出装置が、前記複数の回転速度各々にノ
イズが重畳しているか否かを検出するノイズ重畳検出手
段を含み、前記回転速度指定手段が、そのノイズ重畳検
出手段によってノイズが重畳していると検出された回転
速度を除いた回転速度から少なくとも1つの指定回転速
度を指定するノイズ重畳輪除外型回転速度指定手段を含
む車体速度検出装置。
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