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JP2017504470A - ポリ(メタ)アクリロニトリルをベースとした高分子膜の製造方法、高分子膜及び、高分子膜の製造のための溶液 - Google Patents

ポリ(メタ)アクリロニトリルをベースとした高分子膜の製造方法、高分子膜及び、高分子膜の製造のための溶液 Download PDF

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JP2017504470A JP2016536639A JP2016536639A JP2017504470A JP 2017504470 A JP2017504470 A JP 2017504470A JP 2016536639 A JP2016536639 A JP 2016536639A JP 2016536639 A JP2016536639 A JP 2016536639A JP 2017504470 A JP2017504470 A JP 2017504470A
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フラウンホーファー・ゲゼルシャフト・ツール・フェルデルング・デア・アンゲヴァンテン・フォルシュング・エー・ファウ
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Abstract

本発明は、ポリ(メタ)アクリロニトリルをベースとした高分子膜の製造方法に関するものであり、当該方法では、ポリ(メタ)アクリロニトリル含有溶液が使用される。この溶液は、ポリ(メタ)アクリロニトリルのための溶媒と、非溶媒を含む。使用される前記溶液の成分に関してはいずれも非毒性であり、しかも、水に危険なものである化学物質に相当しない。更に、ポリ(メタ)アクリロニトリルのための溶媒と、非溶媒を含む溶液も開示されている。この溶液は、特に、本発明の前記方法を行うのに適している。【選択図】なし

Description

本発明は、ポリ(メタ)アクリロニトリルをベースとした高分子膜の製造方法に関するものであり、当該方法では、ポリ(メタ)アクリロニトリル含有溶液が使用される。この溶液は、ポリ(メタ)アクリロニトリルのための溶媒と、非溶媒を含む。使用される前記溶液の成分に関してはいずれも非毒性であり、しかも、水に危険なものである化学物質に相当しない。更に、ポリ(メタ)アクリロニトリルのための溶媒と、非溶媒を含む溶液も開示されている。この溶液は、特に、本発明の前記方法を行うのに適している。
物質分離用の高分子膜は一般的には、いくつかの有機溶媒に対してしか安定ではない。ポリビニリデンフルオリド(PVDF)から又はポリアクリロニトリル(PAN)から製造される膜は、最も良好な安定性を有している。これらの膜は通常、例えばジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジメチルアセトアミド(DMAC)又はN‐メチルピロリドン(NMP)等の高沸点溶媒から転相工程(phase-inversion process)によって製造される。
転相工程によって、一般的には、完全に非対称の構造を有した膜が製造される。このことは、膜の上側(供給側)から見た際に、下側(浸透側)に向かって気孔率が増加していることを意味している。膜の上側にある実際の分離層は、原則としてマイクロメーター範囲にて、細孔無し〜細孔有りまで溶媒の選択によって調整することができる。細孔の無い膜は、気体分離用又はナノ濾過用に使用することができ、細孔径を大きくすることで、限外濾過(ultrafiltration)、精密濾過(microfiltration)用の膜が得られる。これらの膜は、物質分離に直接使用することができる。
しかしながら、50nm未満、より好ましくは25nm未満の細孔が存在する場合、前記の膜は、更に、複合膜の下部層(キャリア膜)としても適している。複合膜としては、ここでは薄層複合膜が理解され、これは、このようなキャリアと、その上に続いて塗布された層(一般的には別のポリマー)から実際に成る。この層は、物質分離が可能な実際の分離層である。
気体又は液体分離に必要な要件は、ここでは異なっている。気体分離の使用においては、キャリア膜の流量が、複合膜の末端流量よりも少なくとも10倍以上であることが必要とされる。一般的には、100m/mhbar以上のガス流量が必要となる。限外濾過又はナノ濾過等の液体利用においては、一般に、50リットル/mhbarを超える水量で足りる。原則として、小さい平均細孔径でありながら大きな流量であるのは、細孔率がより高いことを意味し、これを目指して努力すべきである。
複合膜は、多孔性のキャリア膜から成り、このキャリア膜上には、スプレー、印刷、ローラー塗布、ノズルコーティング又は射出‐又は浸漬法等の公知の方法によって実際の分離層が塗布される。このような分離層は一般には、選択性を付与する第2のポリマーから成る。商業的な応用への充分な処理量を達成するために、この分離層は、できるだけ薄くて、欠陥の無いものとして塗布されなければならない。用途及び材料によって、典型的な厚みは50〜1,000nmの間である。更に、この分離層は、例えば架橋技術等の適した方法によって、溶媒に対する安定性を有する、又は、経時劣化耐性を有するものとすることができる。
WO 2007/0125367においては、ナノ多孔性の膜が、ポリイミドから製造され、この膜は、500g/モル以下のカットオフ値を示し、原則的に、複合膜のためのキャリア材料として適している。しかしながら、これらの膜の細孔は、崩壊から保護されなければならない。このような目的のために、これらの膜は、グリセリンや低分子量ポリエチレングリコール等の吸湿性物質を用いて含浸される。一般には、このようなことは、複合膜のためのキャリア材料としての使用を妨げる。なぜなら、このような処理は、欠陥のないコーティングを妨げるからである。更に、上記の膜は、溶媒に対して安定とするために、適したジ‐又はポリアミンを用いて第2工程において架橋されなければならない。更に、これらの膜は、ポリイミド構造が攻撃されて、膜が破壊されるので、pH=9を超える塩基性のpH値において安定性を有しない。
ポリスルホンは、細孔径、孔隙率、これにより分離特性を調整するのに非常に良く適したポリマーである。EP 0362588A1には、例えば多孔性膜をもたらすキャスト溶液が開示されている。しかしながら、ここではベース溶媒としてNMPが使用されており、これは、REACH規則に従って疑わしいものとして分類されている。指摘されている細孔径は100−220nmの範囲内であり、バブルポイントは2−3バールにおいてである。この膜細孔は更に、グリセリンを用いて破壊から保護される。この製造条件を変化させることによって、恐らくより小さな細孔が可能であり、被覆性を改良するためにバブルポイントが高められ得る。しかしながら、ポリスルホン、特に膜の微細な多孔性の最上層は、しばしば用いられるコーティング溶媒に対して低い耐性しか有しない。それゆえ、ポリスルホンは、複合膜のベースポリマーとしてあまり適していない。
ポリビニリデンフルオリドは、多くの低沸点溶媒に比べて良好な耐性を有しており、複合膜の製造においても適している多孔性膜が、徹底的に調査された[F. Liu, N.A. Hashim, Y. Liu, M.R.M. Abed, K. Li, Progress in the production and modification of PVDF membranes, J. Membr. Sci., 375(2011) 1-27]。しかしながら、一般に、相対的に大きな細孔を有した膜が、この際に製造されるか、あるいは、LiCl等の塩、又は1‐オクタノール等の溶媒を含むキャスト溶液が、沈降浴に添加される。更に、変性されていないPVDFでできた膜は、強い疎水性であり、その理由は、多くの膜ポリマーでできたコーティングが、不充分にしか付着せず、長期間の使用のための分離膜として使用できないからである。
ポリアクリロニトリルでできた膜が、文献に開示された。DE 19546836及びDE 19546837には、浸透圧測定に使用できるキャピラリー膜が記載されている。好ましくは、1重量%未満のコポリマー比率を有したPANが使用され、これは、より良好な溶媒安定性が存在するからである。沈降工程のための溶媒としては、ガンマ‐ブチロラクトン(GBL)の添加を伴ったN‐メチルピロリドン(NMP)又は、N,N‐ジメチルアセトアミド(DMAC)との混合物が使用される。所望の孔隙率及び細孔径は、沈降浴にNMPを添加することにより得られる。沈降浴への溶媒の添加と、使用される溶媒は共に、REACH規則に従って避けなければならない。
DE 4325650では、かなり高いコモノマー比率を有したポリアクリロニトリルが使用される。その発明によると、「本発明による膜の製造のためのキャスト溶液又は押出し溶液が、溶媒としてNMP、NMP混合物、DMAc/DMF混合物又は、DMSO/DMF混合物を用いて製造されることが、本発明では不可欠である。この際、NMPは、それ自体で、又は少なくとも50重量%のNMPの含有量を有した混合溶媒として使用できる。混合溶媒として使用する場合、NMPの他に、γ‐ブチロラクトン、プロピレンカーボネート、N‐メチルカプロラクタム(NMC)及びN‐C‐C‐アルキルモルホリン、DMF、ジメチルスルホキシド(DMSO)、DMAc、N‐C‐C‐アルキル‐又はN‐ヒドロキシ‐C‐C‐アルキルピロリドンより成るグループからの他の極性を有した非プロトン性溶媒が、単独で、あるいは混合物として使用される」。これらの溶媒は、REACH規則に従ってDMSOとは別に避けなければならない。
DE 69831305には、中空繊維が、濾過のためにPANから製造され、これは完全な気泡構造を有している。このような目的のために、溶媒であるプロピレンカーボネートが、溶媒DMSOに添加され、沈降限界に近い状態を保つために、非溶媒として、低分子量のポリエチレングリコールと混合する。このポリマー濃度は18%以上であり、高分子量のPANが使用された。中空繊維が製造できる非常に高い粘度は、これから生じた。平膜(flat membrane)においては、キャスト可能な溶液が一般的に必要とされる。プロピレンカーボネートは、DE 69831305においてキャスト溶液の重要な成分である。この物質が無いと、望ましい特性を有した膜を得ることが困難であると記載されている。このキャスト溶液の組成は高粘度であるために、平膜には使用することができない。それゆえ、他の膨潤手段や非溶媒を見出さなければならない。膨潤手段や非溶媒を添加することなく製造され、純粋溶媒であるDMF,DMAC又はDMSOから作られた膜は、実際に膜を生じる。しかしながら、これらは、分離層のすぐ下の所まで現れる非常に大きな空洞を有している。それゆえ、欠陥の危険性が顕著に増加し、膜全体が、高い圧力での使用には適さない。
更に、ポリアクリロニトリル膜が、文献に記載されている[N. Scharnagl, H. Buschatz, Polyacrylonitrile (PAN) membranes for ultra- and microfiltration, Desalination, 139 (2001) 191-198]。ここでは、小さいコモノマー比率を有したPANが使用され、溶媒は、純粋なDMFから成る。細孔径は、キャスト溶液の濃度及び沈降浴の温度によって調整することができ、圧力に安定な膜が得られる。溶媒DMFは、REACH規則に従って避けなければならない。更に、室温(RT)を超える温度は避けなければならない。なぜなら、沈降剤である水の蒸気圧が結果的に高くなり、再生可能性が良くない沈降工程が、沈降浴において浸漬前であっても起こり得るからである。室温以下の温度では、更なるコストが上昇するのを避けることができる。
しかしながら、これまでに提示された方法において使用される溶媒、例えばNMP、DMF、DMAc等はいずれも、高い有害性を有した化学物質である。即ち、これらの化学物質は、部分的に可燃性であり、しかも、突然変異誘発性を有している。特に、温度‐制御された沈降浴、紡績溶液又は乾燥工程の場合においては、これらの化学物質は、ガス相に変化するので、これらの化学物質の蒸気が使用者と接触したり、環境中に流出したりするのを予防するために、充分な安全予防措置を取らなければならない。又、これらの紡績溶液等の処分も、大きな問題である。
WO 2007/0125367 EP 0362588A1 DE 19546836 DE 19546837 DE 4325650 DE 69831305
F. Liu, N.A. Hashim, Y. Liu, M.R.M. Abed, K. Li, Progress in the production and modification of PVDF membranes, J. Membr. Sci., 375(2011) 1-27 N. Scharnagl, H. Buschatz, Polyacrylonitrile (PAN) membranes for ultra- and microfiltration, Desalination, 139 (2001) 191-198
よって、ここから出発して、本発明の目的は、組成物中に、REACH規則に従って問題のないものとして分類される物質だけを含む、ポリアクリロニトリルのための溶媒又は溶媒混合物を見出すことである。しかしながら、同時に、このようにして製造される膜の性能が損なわれないようにしなければならない。
それゆえ、本発明の目的は、特に、以下の特性:
・ガス流量が100m/(m2*bar)以上
・平均細孔径が25nm未満
・圧力安定性が30bar以上
を有し、ポリアクリロニトリルでできた多孔性のキャリア膜を製造することにある。
乾燥及び湿潤状態にて、この膜は、ポリアクリロニトリルを著しく膨潤させたり溶解さえもしない溶媒から作られたポリマーを用いてコーティングできなければならない。
このような目的は、請求項1に記載された方法を用いて達成され、請求項7は、本発明による高分子膜を提供し、そして、請求項13は、高分子膜の製造のための溶液に関係している。それぞれの従属項は、それによって有利な発展形態を示している。
表3の膜Dの断面である(DMSO/アセトン4/1)。 表3の膜Dの表面である(DMSO/アセトン4/1)。 表3の膜Hの断面である(DMSO/アセトン7/3)。 表3の膜Hの表面である(DMSO/アセトン7/3)。 実施例2からの膜2の断面である(DMSO/ジアセトンアルコール)。 実施例2からの膜2の表面である(DMSO/ジアセトンアルコール)。 実施例3からの膜の断面である(DMSO/エチルラクテート)。 実施例3からの膜の表面である(DMSO/エチルラクテート)。 実施例4、表5、6からの膜Bの断面である(DMSO/1,3‐ジオキソラン)。 実施例4、表5、6からの膜Dの断面である(DMSO/1,3‐ジオキソラン)。 実施例4、表5、6からの膜Fの断面である(DMSO/1,3‐ジオキソラン)。 実施例4、表5、6からの膜Fの表面である(DMSO/1,3‐ジオキソラン)。 実施例4、表5、6からの膜Iの断面である(DMSO/1,3‐ジオキソラン)。 実施例4、表5、6からの膜Iの表面である(DMSO/1,3‐ジオキソラン)。 実施例5、表9からのPS no.3からの膜の高解像度表面である(DMSO/1,3‐ジオキソラン)。
それゆえ、本発明によると、高分子膜の製造のための方法が示されており、当該方法においては、
a)ポリ(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリロニトリルをベースとする共重合体、又はこれらの混合物、
b)ポリ(メタ)アクリロニトリル又は(メタ)アクリロニトリルをベースとする共重合体のための溶媒として、ジメチルスルホキシド(DMSO)、及び
c)ポリ(メタ)アクリロニトリル又は(メタ)アクリロニトリルをベースとする共重合体が溶解せず、しかも、前記溶媒と混和可能である、少なくとも1種の非溶媒
を含む、又は、a)〜c)から成る溶液が、フィルムとしてキャストされるか、あるいは、中空繊維を形成するように紡糸され、前記溶液が、ポリ(メタ)アクリロニトリル又は(メタ)アクリロニトリルをベースとする共重合体のための架橋剤を含まず、前記のポリ(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリロニトリルをベースとする共重合体、又はこれらの混合物が、転相工程により沈降(precipitate)され、当該ポリ(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリロニトリルをベースとする共重合体、又はこれらの混合物が、室温よりも高い温度での熱処理によって安定化される。
本発明によると、驚くべきことに、安全である溶媒又は非溶媒だけを含む溶液からであっても、ポリ(メタ)アクリロニトリルをベースとする高分子膜を製造することができ、当該膜が、膜の内部に空洞の最適分布を有し、しかも、高いガス流量を有していることが見出された。
それゆえ、前記の膜は、転相工程に従って製造することができる。驚くべきことに、水に対して、あるいは、少しの程度でしか有害なものではなく、しかも、容易に生物分解可能である溶媒のみを用いた場合であっても、非常に優れた結果が達成できることが示された。転相工程のための溶媒の選択においては、ヨーロッパ化学品規制REACHに従って問題のないものとして分類された溶媒だけが使用された。この転相工程が行われる沈降浴は、好ましくは、できる限り温度‐制御された水だけから成ってもよい。
更に、前記の膜は、もっぱら、添加物を含まない水中で沈降されることが意図され、水温は、沈降工程の間、15−25℃の範囲とされる。本発明による膜の特性は、複合膜用のキャリア膜として使用できるようにすべきであり、このキャリア膜は、乾燥状態又は湿潤状態においてコーティングが可能である。乾燥の間の変化から細孔構造を保護するための含浸剤を使用する必要はない。
ポリ(メタ)アクリロニトリルという用語に関しては、メチル基によって、恐らくビニル基上でも置換可能であるポリアクリロニトリルを意味し、それゆえ、ポリアクリロニトリルとポリ(メタ)アクリロニトリルの両方を含む。(メタ)アクリロニトリルをベースとする共重合体に関しては、モノマー性の(メタ)アクリロニトリルから本質的に誘導され、即ち、これらのポリマーは好ましくは、少なくとも80モル%にて(メタ)アクリロニトリルから誘導される。そのため、ポリアクリロニトリルが特に好ましい。
本発明により使用される前記の溶液に関しては、ポリ(メタ)アクリロニトリルの架橋剤を含有していない、即ち、特に、例えばポリエチレンイミン(PEI)、ポリビニルアミン、ポリアリルアミン及び/又はこれらの混合物又は配合物から成るグループより選択可能なアミノ基‐含有ポリマーで、当該ポリエチレンイミン(PEI)、ポリビニルアミン又はポリアリルアミンが、好ましくは25,000〜750,000g/モルの数平均分子量Mを有するものを含まない。
平膜が製造される場合には、前記溶液はフィルムとしてキャストされる。中空繊維膜が製造される場合には、前記溶液は環状ノズルを通して紡糸される。原則的には、これによって、空気式紡糸が行われることが考えられ、即ち、沈降浴の中に入れる前に、環状ノズルによって製造された中空繊維は、エアギャップを介して沈降浴の方向に搬送され、同様に、紡糸溶液自身の中での中空繊維の直接紡糸を行うことが可能である。本発明の溶液中で紡糸を行うことによる中空繊維の製造の場合には、同様に、前記の中空繊維を、熱い沈降浴の中に事前に導入することが可能であり、この際、沈降浴は例えば80〜99℃、好ましくは90〜97℃、特に約95℃の温度とすることができる。沈降浴の中に中空繊維を入れる時、これによって、高分子膜の沈降が早くも起こる。
安定化は、得られたフィルム又は中空繊維の熱処理によって達成され、これにより、本発明に従って、完全に均一に形成されたフィルム又は中空繊維が成し遂げられることが達成される。
平膜が製造されることを意図する場合には、前記フィルムを基材上にキャストさせることが好ましい。特に高分子材料、好ましくはポリエステルでできた不織布上である。このような具体例は特に好ましく、なぜなら、一方では、沈降浴によって、又は、別の浴によってキャスト材料上に塗布された高分子膜の連続的な搬送が可能であり、他方では、完成した複合膜が一つの工程で製造できるからである。
更に、転相工程の後に得られたフィルム又は中空繊維は、水で洗浄されても良い。
前記の安定化のために使用される熱処理に関しては、50〜150℃、好ましくは70〜120℃、特に好ましくは85〜99℃の温度で行われることが都合良い。
それによって、特に好ましくは、本発明によれば、すぐ後に続く沈降工程及び/又は恐らく行われる洗浄工程及び、熱処理が行われる。本発明の特に好ましい具体例によると、この目的のために水浴が使用され、この水浴は、50℃以上、好ましくは50〜99℃、より好ましくは70〜99℃、特に85〜95℃の温度を有する。例えば、連続的に製造されたフィルム又は中空繊維を沈降浴から取り出して、温度制御された水浴の中に入れることが可能である。これは、例えば、このような目的において従来技術から公知で、適している膜製造のための機械を用いて行える。もしくは、前記の方法を連続的に行うことも可能である。沈降工程、安定化/洗浄工程、乾燥工程は、機械にて行うことができ、本発明による乾燥した膜が得られる。又、例えば、製造されたフィルムや中空繊維を沈降浴から最初に取り出して、対応する保管ローラー上に巻き付け、このローラー自体が、例えば水浴中で温度制御されることが準備されても良い。更に、水浴中での温度制御工程を実施する間に、製造された高分子膜中にまだ存在する可能性のある全ての溶媒を、それによって完全に洗い出すことが特に好ましい。
前記の熱処理に関しては5分〜24時間、好ましくは15分〜12時間、特に好ましくは20分〜60分の時間に渡って実施することが好ましい。
できれば、安定化及び/又は洗浄工程の後に、膜の乾燥が実施されても良く、好ましくは空気流中にて60〜150℃の間、好ましくは60〜120℃の間、特に好ましくは80〜110℃の間又は110〜130℃の間の温度で行われる。
しかしながら、原則としては、同様に、好ましくは上述のように乾燥工程の間に、前記安定化工程が実施されることも考えられる。
更に、本発明は、上記のようにして製造できる高分子膜に関するものである。
この膜に関しては、原則的にはフィルムとして形成されても良く、同様に、この膜は中空繊維の形態を有していることも考えられる。
好ましくは、前記膜の厚みは、基材が全く存在しない場合において、20〜200μm、好ましくは40〜90μmである。
この膜の厚みに関しては、フィルムの層厚みか、中空繊維の壁の厚みの何れかに当てはまる。
別の基材が存在する場合には、これは、好ましくは不織布、特にポリエステル不織布である。
基材、例えば不織布、特にポリエステル不織布が存在することについては、フィルム膜の場合に特に好ましい。
好ましくは、前記の膜は細孔を有しており、バブルポイントにおける細孔径は15〜100nm、好ましくは20〜100nm、特に好ましくは30〜50nm又は20〜40nmである。膜のバブルポイントは6〜32バール(bar)、好ましくは6〜20バール又は16〜32バール、特に好ましくは15〜20バールの範囲である。例えば、これは、バブルポイントにおける40nm(16バールにおいて)〜20nm(32バールにおいて)の細孔径に相当する。バブルポイントの測定のために、ポロメーター(Porolux(登録商標)500)を使用した。バブルポイントは、最初の測定可能な流動の場合に示され、最も大きな細孔、即ちバブルポイントにおける細孔に対応している。平均細孔径は、総流動の50%の場合での細孔径として決定する。バブルポイントは、平均細孔径と共に、得られた膜の品質の尺度を表す。例えば、バブルポイントにおける30nmの平均細孔径は、20nmの平均細孔径の場合に、非常に良好な膜となる。バブルポイントにおける150nmの細孔径は、20nmの平均細孔径の場合に、むしろ良くない膜となる。ここに言い換えると、細孔径は、測定用の膜に対して加えられる圧力に常に対応する。この点に関して、同様に、細孔径を、バブルポイントを介した圧力の関数として直接的に定義することが可能である。それゆえ、好ましい細孔径は、バブルポイント試験によって定義することができる。この際、圧力は6バール以上(約100nmの細孔径に相当する)であることが好ましく、10バール以上(約60nmの細孔径に相当する)であることが好ましいか、あるいは、20バール以上(32nm以下の細孔径に相当する)であることが特に好ましい。
バブルポイントは、最も大きな細孔を表し、それゆえ、膜における欠陥の尺度となる。それゆえ、膜の品質は、2つの特徴的な値を有している。
1)バブルポイント
2)平均細孔径
最初の基準に従って、実際に、欠陥が測定され、第2の基準に従って、膜の実際の気孔率が測定される。バブルポイントにおける気体に対する膜の通過流量は、典型的には平均細孔径の場合の流量の0.01%未満である。
本発明による膜の好ましい平均又は中間細孔径に関しては、15〜30nm、好ましくは18〜25nmである。
前記の細孔に関しては、沈降工程において、あるいは、その後の洗浄工程において自動的に生成され、安定化工程によって固定される。
本発明による高分子膜の窒素透過率JN2に関しては、好ましくは10〜1,000m/(m.h.bar)である。この窒素透過率の測定は、ガスビュレットを用いて行われる。ガス流量に関しては、単位時間当たりに測定され、表面積と圧力に関連付けられる。言い換えると、気体測定装置、例えばBIOSによるDefiner220の使用は、同様に、ガス流量を測定するのにも適している。同様に、ポロメーター(例えば、Porolux(登録商標)500)を用いて、3バールでのガス流量の測定を実施することも可能である。
細孔に関しては、泡状構造内に配置されており、好ましくは、膜の上側から下側に向かって細孔径が大きくなるように非対称に配置されている。又、この膜は、下側の領域に空洞を有していても良い。この泡状構造は、少なくとも2μmの厚みを有して形成されている。好ましくは、前記泡状構造は10〜40μm以下の空洞であるか、あるいは、前記の膜には空洞は存在しない。この膜構造は、走査型電子顕微鏡写真により調査される。
更に、本発明は、高分子膜の製造のための溶液に関するものであり、当該溶液は、
a)ポリ(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリロニトリルをベースとする共重合体、又はこれらの混合物、
b)ポリ(メタ)アクリロニトリル又は(メタ)アクリロニトリルをベースとする共重合体のための少なくとも1種の溶媒で、前述の成分が溶解された状態で存在しているもの、及び
c)ポリ(メタ)アクリロニトリル又は(メタ)アクリロニトリルをベースとする共重合体が溶解せず、しかも、前記溶媒と混和可能である、少なくとも1種の非溶媒
を含む、又は、a)〜c)から成り、
前記溶液は、ポリ(メタ)アクリロニトリル又はポリ(メタ)アクリロニトリルをベースとする共重合体のための架橋剤を含んでいない。
特に好ましい具体例においては、前記の非溶媒は、アセトン、ジアセトンアルコール、エチルラクテート、1,3‐ジオキソラン、ポリアルキレングリコール、特にポリエチレングリコール、テトラアルキレングリコール、特にテトラエチレングリコール、アルコール、特にイソプロパノール、エタノール、水及び、これらの混合物から成るグループより選ばれる。
より好ましくは、前記溶媒あるいは溶媒と非溶媒の合計量に対する、ポリ(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリロニトリルをベースとする共重合体又はこれらの混合物の総量は1〜30重量%であり、好ましくは5〜20重量%、特に好ましくは7.5〜15重量%である。
前記溶媒又は少なくとも2つの溶媒の混合物の量に対する、前記非溶媒の量に関しては、好ましくは10〜60重量%であり、好ましくは15〜45重量%である。
特に好ましい具体例によると、使用されるポリマーはポリアクリロニトリルである。好ましい共重合体は、(メタ)アリルスルホン酸又はその塩から成るグループより選ばれた少なくとも1種の共重合体と、(メタ)アクリロニトリルの共重合によって得られる。
前記の溶液に関しては、1.5〜20Pa・sの好ましい粘度を有し、好ましくは4〜12Pa・s又は2〜10Pa・sである。
本発明は、以下に続く具体例、図面及び実施例に関連して詳細に説明されており、これらは、示された特殊なパラメーターに本発明を限定するものではない。
図面においては、
図1a 表3の膜Dの断面(DMSO/アセトン4/1)、
図1b 表3の膜Dの表面(DMSO/アセトン4/1)、
図2a 表3の膜Hの断面(DMSO/アセトン7/3)、
図2b 表3の膜Hの表面(DMSO/アセトン7/3)、
図3a 実施例2からの膜2の断面(DMSO/ジアセトンアルコール)、
図3b 実施例2からの膜2の表面(DMSO/ジアセトンアルコール)、
図4a 実施例3からの膜の断面(DMSO/エチルラクテート)、
図4b 実施例3からの膜の表面(DMSO/エチルラクテート)、
図5a 実施例4、表5、6からの膜Bの断面(DMSO/1,3‐ジオキソラン)、
図5b 実施例4、表5、6からの膜Dの断面(DMSO/1,3‐ジオキソラン)、
図6a 実施例4、表5、6からの膜Fの断面(DMSO/1,3‐ジオキソラン)、
図6b 実施例4、表5、6からの膜Fの表面(DMSO/1,3‐ジオキソラン)、
図7a 実施例4、表5、6からの膜Iの断面(DMSO/1,3‐ジオキソラン)、
図7b 実施例4、表5、6からの膜Iの表面(DMSO/1,3‐ジオキソラン)、
図8a 実施例5、表9からのPS no.3からの膜の高解像度表面(DMSO/1,3‐ジオキソラン)
が示されている。
ポリアクリロニトリルは、高分子膜のために容易に使用できるポリマーであり、このポリマーは、ホモポリマーとしての良好な溶媒安定性を有しているにもかかわらず、転相工程によっていくつかの高沸点溶媒から繊維又は膜を形成するのに処理できる。PANに対して良く使用される溶媒は、例えば、ジメチルアセトアミド(DMAC)、ジメチルホルムアミド(DMF)、エチレンカーボネート、γ‐ブチロラクトン(GBL)、N‐メチルピロリドン(NMP)である。商業的な繊維紡糸工程では、例えばナトリウムチオシアネート(NaSCN)や塩化亜鉛等の塩の水溶液、又は硝酸も使用される。ジメチルスルホキシド(DMSO)は少量の範囲でのみ、繊維紡糸に使用される[A. Nogaj, C. Sueling, M. Schweizer, Fibers, 8. Polyacrylonitrile Fibers, in: Ullmann’s Encyclopedia of Industrial Chemistry, Wiley-VCH Verlag GmbH & Co. KGaA, 2000参照]。
PAN膜の製造に関する文献において使用されている方法は、ほとんどが、溶媒DMFとNMPによるものである。稀には、DMACが使用される。製造されるべき膜は、高い圧力安定性を確保するために、できるだけ広範囲に気泡構造を有していなければならない。80barまでの圧力が、逆浸透においては通常であり、又、経済的な方法のためのナノ濾過及び、ガス‐又は蒸気分離において必要とされることがある。
膜製造のためには、溶媒と、膨潤手段又は非溶媒の混合物が、公知の方法に従って使用される。DMSOが、ベース溶媒としてここでは選択された。なぜなら、REACH規制によると、DMF,NMP及びDMAC又はスルホランと比べて最も良い選択であると考えるべきであったからである。
それゆえ、膨潤手段又は非溶媒として作用し、しかも、ポリマー溶液を沈降限界に近づける添加物を見出さなければならない。更に、これらの物質は、高い完全な水混和性を示さなければならず、毒性がなく、容易に生物分解可能でなければならない。
比較のために、普通の方法に従って純粋な溶媒DMF、DMAC及びDMSOから膜を製造した。これら全ての純粋な溶媒から、すぐその下に位置した大きな空洞を有する膜の上側には、薄い表面層だけが形成される。
2種類のポリアクリロニトリルを使用した。
PAN−1:アクリロニトリル(93.5%)メタクリレート(6%)ナトリウムメタアリルスルホネート(0.5%)共重合体。
固有粘度(DMF)140cm/g。

PAN−2:ポリアクリロニトリルホモポリマー(99.5%アクリロニトリル)。
固有粘度(DMF)194cm/g。
溶媒及び溶媒添加物としては、以下のものを使用した。
ジメチルスルホキシド(DMSO)、アセトン、4‐ヒドロキシ‐4‐メチル‐ペンタン‐2‐オン(ジアセトンアルコール)、1,3‐ジオキソラン(DIOX)、テトラエチレングリコール(TEG)、ポリエチレングリコール200(PEG)及びエチルラクテート。
粘度:
キャスト溶液について、動的粘度は、回転式粘度計DIN/ISO粘度計550(Thermo Haake製)を用いて測定する。回転速度100rpmにおける値が、Pasにて示されている。
SEM:走査型電子顕微鏡写真。液体窒素中にて破断又は表面、両方とも金を用いてスパッタリング。
ポロメーター:ポロメーターPorolux(登録商標)500を使用した。バブルポイントは、最初の測定可能な流動の場合に示されており、最も大きな細孔に相当している。平均細孔径は、全流量の50%での細孔径である。
窒素流量:ガス流量は、乾燥状態の曲線のポロメーター測定から3バールにおいて補間され、m/(m2*bar)にて示されている。3〜5個の試験片の平均値が示されている。
%データ:パーセンテージデータは質量%である。
連続製造方法のための膜‐延伸機での下部層としては、坪量が約100g/mで、厚みが160μmのポリエステル不織布(PET)を使用した。
膜製造:
8〜15%のポリマー溶液を、溶媒又は溶媒混合物から製造した。必要であれば、上記の溶液を製造するために、約100℃まで加熱を行う。透明な溶液を、窒素圧力下で25μmの開口幅を有した金網によって室温で濾過し、脱ガスのために室温で約16時間放置する。このようにして処理されたポリマー溶液を、膜‐延伸機でドクターブレードによりポリエステル不織布上に塗布し、20〜22℃の水が入った沈降浴中で沈降させる。この膜を、約40℃で2〜3時間、洗浄浴内で洗浄し、更に90〜95℃で30分間洗浄し、気流中で120℃にて2時間乾燥させる。このようにして製造された膜は貯蔵することができ、更なる処理を行わなくても使用できる状態である。
実施例1(非溶媒としてアセトンを含むDMSOから成る膜)
表1には、9つのキャスト溶液(pouring solution)の組成が示されている。膜製造の項目に記載されている膜を、方法パラメーターを変化させて、そこから製造した。ギャップ高さは200μmと250μmの間で変化させ、表2の膜のうち、膜A,B,Lの場合には250μmとし、C,Fの場合には225μmとし、D,E,G−Kの場合には200μmとした。延伸速度は、A,Bの場合には2m/分とし、B−Lの場合には1m/分とした。沈降浴の温度は20〜23℃であった。膜A,Bを、19℃の水を用いて40時間洗浄し、C,Dについては38℃で16時間洗浄し、E−Lについては38℃で2時間洗浄した。膜C−Lは更に、洗浄後、95℃で0.5〜0.75時間、水中にて洗浄した。全ての膜は、洗浄後に、105℃(A,B,C)又は120℃(D−L)にて2時間乾燥させた。ポロメーターを用いて、窒素流量が約3バールにて測定され、バブルポイント(BP)における細孔径及び、膜の平均細孔径が測定された。走査型電子顕微鏡写真は、内部の膜構造及び細孔径に関する情報をもたらした。
Figure 2017504470
表1から明らかであるように、全てのキャスト溶液の場合において、粘度は2〜11Pasという流動可能な範囲内であった。PAN−1(表1、no.1)の場合、5〜10Pasの範囲内の最適粘度を達成するために、濃度は、より高くなるように選ぶことができる。アセトンの比率が大きくなるにつれて、同じポリマー濃度でも粘度が低くなる。テキサノールの添加により、粘度はわずかに増加する(表1、no.7,8)。
表1のキャスト溶液から、膜A−Lが製造され、この製造パラメーター及び特性が、表2,3に要約されている。膜A,Bは、40℃でのみ洗浄され、その結果として、細孔構造は充分には安定化されなかった。乾燥後、95℃で洗浄された膜の平均流量の5%以下であるN流量しか見いだされなかった。
複合膜としての膜の適合性は、ガス流量が100m/(m2*bar)以上で、平均細孔径(MFP)が25nm未満で、しかも、バブルポイント(BP)が50nm未満であることによって決定した。ガス流量は、膜C−Lの場合、目標値の100m/(m2*bar)以上が2回〜4回である。MFPは、25〜20.5nmにおいて、充分に所望の範囲である。BPは、一部分は50nm以上である。
Figure 2017504470
膜の電子顕微鏡調査により、膜の内部構造を考察することができる。欠陥を避けるために、泡状構造は、膜厚みの10%以上でなければならず、20%以上であるか、あるいは、膜に空洞や窪みのない完全な泡状構造であるのが良い。膜H−Kは、約10μmの泡の絶対厚みを有した20%泡状構造を達成する。膜Dには、空洞は全くない。ギャップ高さ(表3の膜K,Lを参照)を変化させることによって、絶対的な膜厚みと、膜の比率を制御することができる。図1a,bには、表3からの膜Dの構造が、断面(図1a)及び表面(図1b)に関して示されている。この膜には、空洞は全くない。図2a,bには、膜Hの構造が、断面(図2a)及び表面(図2b)に関して示されている。この膜厚みの約80%が、空洞によって形成されている。この泡状構造は、膜製造における欠陥を回避し、かつ、充分な圧力安定性を確保するのに充分な強さである。
Figure 2017504470
実施例2(非溶媒としてジアセトンアルコールを含むDMSOから成る膜)
実施例2 膜1:
PAN−2から、10%ポリマー溶液を、DMSOとジアセトンアルコールの混合物(比率3/1)を用いて調製する。10.9Pasという動的粘度を有した上記溶液を、脱ガスのために一晩放置し、200μmのギャップを有した膜‐延伸機のPET不織布上に塗布し、24℃の水中に沈降させる。これを40℃で80分間洗浄し、更に95℃で50分間洗浄する。この膜は、105℃にて3時間乾燥させる。この膜は、N流量が340m/[m2*bar]で、バブルポイントにおける平均細孔径が42nm(+/−2nm)で、平均細孔径が26nm(+/−1nm)であった。
実施例2 膜2:
DMSO/ジアセトンアルコールの比率を4/1とし、PAN−2から成る10%ポリマー溶液を調製した。この動的粘度は10Pasであった。220μmのギャップを有した膜‐延伸機にて膜を延伸し、上記と同様に処理した。この乾燥された膜は、N流量が230m/[m2*bar]で、バブルポイントにおける平均細孔径が108nm(+/−60nm)で、平均細孔径が31nm(+/−4nm)であった。
ジアセトンアルコールの含量が大きくなると、バブルポイントが小さく、平均細孔径が小さく、ガス流量が大きい膜が生成する。
SEMにおいて、両方の膜は、表面にある泡状構造の絶対厚みが12+/−2nmであり、当該膜の総厚の約30%が泡の比率となっている。図3a,bには、実施例2からの膜2のSEM画像が示されている。
実施例3(非溶媒としてエチルラクテートを用いた膜)
DMSO/エチルラクテート(比率84/16)の混合物からのPAN−2より、10%ポリマー溶液を調製する。この溶液の動的粘度は10.9Pasであった。濾過して16時間放置した後、200μmのギャップを有する膜‐延伸機にて、実施例2と同様に、膜を製造した。この乾燥した膜は、N流量が270m/[m2*bar]で、バブルポイントにおける平均細孔径が82nm(+/−43nm)で、平均細孔径が26.1nm(+/−2.3nm)であった。SEM画像は、断面の凍結破面において、空洞のない泡状構造を示した(図3a参照)。この表面は、膜の多孔性を示している(図3b)。
実施例4(非溶媒として1,3‐ジオキソランと更に別の添加物を用いた膜)
DMSOをベースとしたキャスト溶液への添加物としての更に別の非溶媒として、1,3‐ジオキソランをテストした。アセトン(実施例1)、ジアセトンアルコール(実施例2)、エチルラクテート(実施例3)の添加によって、同様の効果が達成される。しかしながら、多量の非溶媒が必要となる。1,3‐ジオキソランの50%添加では、空洞の無い泡状構造が広範囲に達成される。非溶媒である1,3‐ジオキソランの一部を、TEG又はPEG200と交換した場合(表4のPS no.5−7,11)、キャスト溶液の粘度が、2.8Pas(PS no.3,表4)から8−9Pas(PS no.5−7,表4)にまで顕著に増加する。
Figure 2017504470
表4からのキャスト溶液のいくつかから、膜製造の項目に記載されるようにして、膜を製造した。乾燥されて保存可能な膜は、ポロメーターを用いて特徴付けられ、この構造はSEM画像によって調査された。その結果が、表5及び6にまとめられている。
Figure 2017504470
PAN−1から成り、40℃でのみ洗浄された膜は、乾燥後に、1m/(m2*bar)未満〜約10m/(m2*bar)という低いN流量しか示さない。95℃にて洗浄された膜はいずれも、250−400m/(m2*bar)のガス流量をもたらす。ガス流量、平均細孔径(MFP)と、低いバブルポイント(BP)の組み合わせにおいて、これらの膜は、複合膜のための下層として非常に好適である。
SEM分析を用いて、この構造をより正確に調べ、その結果を表6にまとめた。
Figure 2017504470
PAN−1と、含量が20%の1,3‐ジオキソランでできた膜で、非常に大きな空洞を有し、最上層の厚みが1μm未満しかないものが、40℃での洗浄によって得られる(膜A,表6)。1,3‐ジオキソラン含量を50%にまで増加させ、ポリマー濃度を14%にした場合、及び、これを更に95℃で洗浄した場合には、泡状の最上層の厚みは、4μm以上にまで増加し、膜厚みは46μmとなる(膜B,表6及び図5a)。前記キャスト溶液にTEGを添加し(PS6,表4)、標準的な条件に従って膜を製造することによって、非常に空洞が少ない膜タイプが得られる(膜D,表5,6及び図5b)。このような膜の厚みは43μmであり、30%の泡比率を有している。
同様の効果が、TEGをPEG200に交換することによって達成される(表6、膜E参照)。
膜形成剤としてPAN−2を用いた場合、純粋なDMSOと、DMSO/1,3‐ジオキソラン(47/53)から成るキャスト溶液の粘度は10Pasである(表4、PS8,9参照)。しかしながら、単に泡状構造を有した膜は、1,3‐ジオキソランの添加によってのみ得られる。膜F(表6)の断面及び表面が、図6a,bに示されている。
1,3‐ジオキソラン含量を変化させ、TEGを添加することによって(PS 10−14,表4;膜G−K,表5,6)、40−50%以上の泡状構造を有した膜が得られる。典型的な構造の膜(膜I,表5,6)が、図7a,bに示されている。
1,3‐ジオキソランを用いずにTEGだけを添加することによって、約20%の泡状構造を有した膜が得られ(表5,6,膜L参照)、これは、MFP及びBPにおいて、1,3‐ジオキソラン比率を含む膜の値と充分に一致している。
一般的な設計書に従って製造された、実施例4からの膜のN流量は、250−400m/(m2*bar)の範囲内にある。PAN−2でできた膜については、MFPは21〜24.5nmであり、BPは一般的には30nm付近であり、BPの標準偏差において、ばらつきが少ししかないことが表5から明らかである。この膜の良好な耐圧性は、広範囲の泡状構造によってもたらされる。それゆえ、これらの膜は、複合膜のための下地層として非常に好適である。
以下の実施例においては、膜製造の項目にて先に述べたようにして膜を製造したが、洗浄工程は変更した。
実施例5(DMSOと1,3‐ジオキソランから成る膜の複製)
52.5gのPAN−2と、223.8gのDMSOと、248.8gの1,3‐ジオキソランから3種類のキャスト溶液を製造した。200μmのギャップと1m/分の速度で、膜製造の項目に記載したようにして、これらから膜を製造した。0.3mの幅で、約6mの長さの膜が得られた。この膜をロール状に巻いたものを洗浄機にて洗浄し、乾燥オーブン内で85℃にて16時間乾燥させた。乾燥した膜から、バブルポイント、平均細孔径及びN流量をポロメーターを用いて測定した。
溶媒の濃度、混合比率、キャスト溶液の粘度が、表7に示されている。表8には、膜の洗浄条件が記載されており、表9には、測定されたポロメーターデータ、即ち、乾燥された膜のバブルポイント、細孔径及びN流量が示されている。
Figure 2017504470
Figure 2017504470
Figure 2017504470
洗浄工程の他に、前記の膜は、圧力安定性を増加させるために、90−95℃にて30分間、温度‐制御されてもよい。
細孔径、バブルポイント及びガス透過率に関しては変化されない。
表9のPS no.3でできた膜の高解像度走査型電子顕微鏡写真が、図8に示されている。規則的な細孔が見られ、この平均サイズは、使用されたモデルによると7.7〜13.8nmの間であることがわかる。
これらのキャスト溶液を用いることで、18−19nmの平均細孔径を有した膜が得られ、この膜は、22−23nmのバブルポイントを有している。ガス透過率は、約300m/m2*barであり、高い多孔性を表す。この種の膜は、高いガス‐又は蒸気処理量を有した複合膜のためのキャリア膜として非常に適している。

Claims (18)

  1. 高分子膜を製造するための方法であって、当該方法においては、
    a)ポリ(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリロニトリルをベースとする共重合体、又はこれらの混合物、
    b)ポリ(メタ)アクリロニトリル又は(メタ)アクリロニトリルをベースとする共重合体のための溶媒として、ジメチルスルホキシド(DMSO)、及び
    c)ポリ(メタ)アクリロニトリル又は(メタ)アクリロニトリルをベースとする共重合体が溶解せず、しかも、前記溶媒と混和可能である、少なくとも1種の非溶媒
    を含む、又は、a)〜c)から成る溶液が、フィルムとしてキャストされるか、あるいは、中空繊維を形成するように紡糸され、前記溶液が、ポリ(メタ)アクリロニトリル又は(メタ)アクリロニトリルをベースとする共重合体のための架橋剤を含まず、前記のポリ(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリロニトリルをベースとする共重合体、又はこれらの混合物が、転相工程により沈降され、当該ポリ(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリロニトリルをベースとする共重合体、又はこれらの混合物が、室温よりも高い温度での熱処理によって安定化されることを特徴とする高分子膜の製造方法。
  2. 前記の非溶媒が、アセトン、ジアセトンアルコール、エチルラクテート、1,3‐ジオキソラン、ポリアルキレングリコール、特にポリエチレングリコール、テトラアルキレングリコール、特にテトラエチレングリコール、アルコール、特にイソプロパノール、エタノール、水及び、これらの混合物から成るグループより選ばれたものであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 前記のフィルムが、基材上、特に高分子材料、好ましくはポリエステルでできた不織布上にキャストされることを特徴とする前記請求項の一つに記載の方法。
  4. 前記の転相工程後に得られた前記フィルム又は中空繊維が、水を用いて洗浄されることを特徴とする前記請求項の一つに記載の方法。
  5. 前記の熱処理が、特に前記転相工程の後の水を用いた洗浄工程の間、及び/又は、5分〜24時間、好ましくは15分〜12時間、特に好ましくは30分〜5時間に渡って、50〜150℃、好ましくは70〜120℃、特に好ましくは85〜99℃の温度で行われることを特徴とする前記請求項の一つに記載の方法。
  6. 架橋及び/又は洗浄後に、前記膜の乾燥が、好ましくは空気流中にて60〜150℃、より好ましくは80〜110℃の間の温度で行われることを特徴とする前記請求項の一つに記載の方法。
  7. 平膜、又は、中空繊維膜の形態であることを特徴とする前記請求項に記載の方法に従って製造可能な高分子膜。
  8. 基材が存在しない場合の前記膜の厚みが20〜200μm、好ましくは40〜90μmであることを特徴とする前記請求項に記載の高分子膜。
  9. 前記膜のバブルポイントにおける細孔径が15〜100nm、好ましくは20〜40nmであることを特徴とする請求項7〜8の1項に記載の高分子膜。
  10. 平均細孔径が15〜30nm、好ましくは18〜25nmであることを特徴とする請求項7〜9の1項に記載の高分子膜。
  11. 窒素透過率JN2が10〜1,000m/(m2*bar)であることを特徴とする請求項7〜10の1項に記載の高分子膜。
  12. 泡状構造を有していることを特徴とする請求項7〜11の1項に記載の高分子膜。
  13. a)ポリ(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリロニトリルをベースとする共重合体、又はこれらの混合物、
    b)ポリ(メタ)アクリロニトリル又は(メタ)アクリロニトリルをベースとする共重合体のための少なくとも1種の溶媒で、前述の成分が溶解された状態で存在しているもの、及び
    c)ポリ(メタ)アクリロニトリル又は(メタ)アクリロニトリルをベースとする共重合体が溶解せず、しかも、前記溶媒と混和可能である、少なくとも1種の非溶媒
    を含む、又は、a)〜c)から成り、
    前記溶液は、ポリ(メタ)アクリロニトリル又はポリ(メタ)アクリロニトリルをベースとする共重合体のための架橋剤を含んでいないことを特徴とする、高分子膜の製造のための溶液。
  14. 前記の非溶媒が、アセトン、ジアセトンアルコール、エチルラクテート、1,3‐ジオキソラン、ポリアルキレングリコール、特にポリエチレングリコール、テトラアルキレングリコール、特にテトラエチレングリコール、アルコール、特にイソプロパノール、エタノール、水及び、これらの混合物から成るグループより選ばれたものであることを特徴とする前記2つの請求項の1項に記載の溶液。
  15. 前記溶媒と非溶媒の合計量に対する、ポリ(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリロニトリルをベースとする共重合体又はこれらの混合物の総量が1〜30重量%、好ましくは5〜20重量%、特に好ましくは7.5〜15重量%であることを特徴とする請求項13〜14の1項に記載の溶液。
  16. 前記溶媒又は、少なくとも2つの溶媒の混合物の量に対する、前記非溶媒の量が10〜60重量%、好ましくは15〜45重量%であることを特徴とする請求項13〜15の1項に記載の溶液。
  17. (メタ)アクリロニトリルをベースとする前記共重合体が、(メタ)アクリロニトリルと、(メタ)アリルスルホン酸又はその塩から成るグループより選ばれた少なくとも1種の共重合体との共重合によって得られたものであることを特徴とする請求項13〜16の1項に記載の溶液。
  18. 1.5〜20Pa・s、好ましくは4〜12Pa・sの粘度であることを特徴とする請求項13〜17の1項に記載の溶液。
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