JP6541465B2 - トナー - Google Patents
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Description
有機ケイ素重合体を含有する表層を有するトナー粒子を有するトナーであって、
前記有機ケイ素重合体が、下記式(T3)で表される部分構造を有し、
R−Si(O1/2)3 (T3)
(式(T3)中、Rは、炭素数1以上6以下のアルキル基、またはフェニル基を表す。)
透過型電子顕微鏡(TEM)を用いた前記トナー粒子の断面の観察によって測定される前記表層の平均厚みDav.が、5.0nm以上150.0nm以下であり、
集束イオンビームをプローブとして搭載した飛行時間型二次イオン質量分析(FIB−TOF−SIMS)を用いたマッピング測定において、前記トナー粒子の表面に一次イオンを照射した際に前記トナー粒子から放出されるケイ素イオンおよび炭素イオンに関し、
放出されるケイ素イオンの強度をISiとし、
放出される炭素イオンの強度をICとし、および、
照射した一次イオン量をIとしたとき、
ISi/Iで表されるASiと、IC/Iで表されるACとの比(ASi/AC)が、20.00以上であることを特徴とするトナーである。
有機ケイ素重合体を含有する表層を有するトナー粒子を有するトナーであって、
前記有機ケイ素重合体が、下記式(T3)で表される部分構造を有し、
R−Si(O1/2)3 (T3)
(式(T3)中、Rは、炭素数1以上6以下のアルキル基、またはフェニル基を表す。)
透過型電子顕微鏡(TEM)を用いた前記トナー粒子の断面の観察において、
(i)測定される前記表層の平均厚みDav.が、5.0nm以上150.0nm以下であり、
(ii)前記トナー粒子の断面の最長径を与える弦を長軸Lとし、前記長軸Lをその中点で分割した際の一方の線分を線分aとし、前記線分aを基準として、11.25°ずつずらして前記長軸Lの前記中点から前記トナー粒子の表面まで引いた32本の線分をそれぞれAr n (n=1〜32)とし、前記Ar n (n=1〜32)上における前記表層の長さをFRA n (n=1〜32)としたとき、前記FRA n が5.0nm以下である線分Ar n の割合が20.0%以下であり、
集束イオンビームをプローブとして搭載した飛行時間型二次イオン質量分析(FIB−TOF−SIMS)を用いたマッピング測定において、前記トナー粒子の表面に一次イオンを照射した際に前記トナー粒子から放出されるケイ素イオンおよび炭素イオンに関し、放出されるケイ素イオンの強度をISiとし、放出される炭素イオンの強度をICとし、および、照射した一次イオン量をIとしたとき、ISi/Iで表されるASiと、IC/Iで表されるACとの比(ASi/AC)が、20.00以上である
ことを特徴とする。
表層よりも内部に存在する、染み出しやすい低分子量(Mw1000以下)樹脂、および、
低Tg(40℃以下)樹脂、ならびに、
場合によっては離型剤
のブリードが抑えられる。その結果、トナーの撹拌性が良化し、保存安定性、ならびに、印字率が30%以上の高印字率印刷耐久時の環境安定性および現像耐久性に優れたトナーを得ることができる。
また、本発明において、トナー粒子の表層を、集束イオンビームをプローブとして搭載した飛行時間型二次イオン質量分析(以下、FIB−TOF−SIMSとも称する)を用いたマッピング測定において、トナー粒子の表面に一次イオンを照射した際にトナー粒子から放出されるケイ素イオン(m/z=27.50〜28.50)および炭素イオン(m/z=11.50〜12.50)に関し、
放出されるケイ素イオンの強度(SIMS検出器の電流値)をISiとし、
放出される炭素イオンの強度をIC(SIMS検出器の電流値)とし、
照射した一次イオン量(個)をIとしたとき、
ISi/Iで表されるASiと、IC/Iで表されるACとの比(ASi/AC)が、20.00以上であることが重要である。有機ケイ素重合体を含有する表層を有するトナー粒子においてASi/ACが20.00以上であることは、有機ケイ素重合体が表層に多く存在していることを意味する。これによりトナー粒子の表面の表面自由エネルギーが下がるため、部材汚染を抑制することができ、その結果、現像耐久性を向上させることができる。尚、本発明における比(ASi/AC)は、集束イオンビームを用いたエッチングによってトナー粒子が受けた一次イオンの総量を意味するトナー粒子の累積ドーズレート(dose rate)が1.66×1019(個/m2)のときの値である。
透過型電子顕微鏡(TEM)を用いたトナー粒子の断面の観察によって測定される前記トナー粒子の有機ケイ素重合体を含有する表層の平均厚みDav.が5.0nm以上150.0nm以下である必要がある。本発明において、有機ケイ素重合体を含有する表層とトナー粒子表層以外の部分(いわゆる芯部分)は、隙間なく接していることが好ましい。換言すれば、粒塊状の被覆層でないことが好ましい。これにより、離型剤や樹脂成分によるブリードの発生が抑えられ、低温定着性を阻害することなく、保存安定性、環境安定性および現像耐久性に優れたトナーを得ることができる。保存安定性の観点から、トナー粒子の有機ケイ素重合体を含有する表層の平均厚みDav.は10.0nm以上150.0nm以下であることが好ましい。より好ましくは、10.0nm以上125.0nm以下であり、さらに好ましくは、15.0nm以上100.0nm以下である。
i)前記トナー粒子断面の最長径を与える弦を長軸Lとし、
ii長軸Lをその中点で分割した際の一方の線分を線分aとし、
iii)該線分aを基準として、11.25°ずつずらして長軸Lの中点からトナー粒子表面まで引いた32本の線分をそれぞれArn(n=1〜32)とする。
D(n)=(FRAn(n=1〜32)の合計)/32
この計算をトナー粒子10個に対して行った。得られたトナー粒子の表層の厚みD(n)(nは1から10の整数)から、トナー粒子1つあたりの平均値を下記式に従って計算し、トナー粒子の有機ケイ素重合体を含有する表層の平均厚みDav.を求めた。
Dav.={D(1)+D(2)+D(3)+D(4)+D(5)+D(6)+D(7)+D(8)+D(9)+D(10)}/10
(FRAnが5.0nm以下であるArnの割合K’)=((FRAnが5.0nm以下である線分の数)/32)×100
この計算をトナー粒子10個に対して行い、10個のトナー粒子における割合の相加平均を計算し、その値を割合Kとした。
本発明のトナーは、トナー粒子の表面のX線光電子分光分析(ESCA:Electron Spectroscopy for Chemical Analysis)を用いた測定において、ケイ素元素の濃度が2.5atomic%以上であることが好ましく、より好ましくは5.0atomic%以上であり、さらに好ましくは10.0atomic%以上である。ESCAは数nmの最表面の元素分析を行うものであり、トナー粒子の最表層にケイ素元素の濃度が2.5atomic%以上あることで最表層の表面自由エネルギーを小さくすることができる。ケイ素元素の濃度を2.5atomic%以上に調整することによって、流動性がさらに向上し、部材汚染やカブリの発生をより抑制することができる。トナー粒子の最表層にケイ素元素の濃度は前記式(T3)のRの炭素数、式(1)のR1の構造、反応温度、反応時間、反応溶媒およびpHによって制御することができる。また、有機ケイ素重合体の含有量によっても制御することができる。
有機ケイ素重合体は、下記式(1)で表される構造を有する化合物を含む重合性単量体を重合させることによって得られることが好ましい。
本発明の有機ケイ素重合体の代表的な製造例としては、ゾルゲル法と呼ばれる製造方法が挙げられる。ゾルゲル法は、金属アルコキシドM(OR)n(M:金属、O:酸素、R:炭化水素、n:金属の価数)を出発原料に用いて、溶媒中で加水分解および縮合重合させ、ゾル状態を経て、ゲル化する方法である。この方法は、ガラス、セラミックス、有機−無機ハイブリット、ナノコンポジットの合成に用いられる。この製造方法によれば、表層、繊維、バルク体、微粒子といった種々の形状の機能性材料を液相から低温で作製することができる。
メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルジエトキシメトキシシラン、メチルエトキシジメトキシシラン、メチルトリクロロシラン、メチルメトキシジクロロシラン、メチルエトキシジクロロシラン、メチルジメトキシクロロシラン、メチルメトキシエトキシクロロシラン、メチルジエトキシクロロシラン、メチルトリアセトキシシラン、メチルジアセトキシメトキシシラン、メチルジアセトキシエトキシシラン、メチルアセトキシジメトキシシラン、メチルアセトキシメトキシエトキシシラン、メチルアセトキシジエトキシシラン、メチルトリヒドロキシシラン、メチルメトキシジヒドロキシシラン、メチルエトキシジヒドロキシシラン、メチルジメトキシヒドロキシシラン、メチルエトキシメトキシヒドロキシシラン、メチルジエトキシヒドロキシシランなどの三官能性のメチルシラン。
エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリクロロシラン、エチルトリアセトキシシラン、エチルトリヒドロキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、プロピルトリクロロシラン、プロピルトリアセトキシシラン、プロピルトリヒドロキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、ブチルトリエトキシシラン、ブチルトリクロロシラン、ブチルトリアセトキシシラン、ブチルトリヒドロキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン、ヘキシルトリクロロシラン、ヘキシルトリアセトキシシラン、ヘキシルトリヒドロキシシランなどの三官能性のシラン。
フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリクロロシラン、フェニルトリアセトキシシラン、フェニルトリヒドロキシシランなどの三官能性のフェニルシラン。
一分子中に4つの反応基を有する有機ケイ素化合物(四官能性シラン)、
一分子中に2つの反応基を有する有機ケイ素化合物(二官能性シラン)または
一分子中に1つの反応基を有する有機ケイ素化合物(一官能性シラン)
を併用して得られた有機ケイ素重合体を用いてもよい。併用してもよい有機ケイ素化合物としては以下のようなものが挙げられる。
ジメチルジエトキシシラン、テトラエトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、3−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリエトキシシラン、3−フェニルアミノプロピルトリメトキシシラン、3−アニリノプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、ヘキサメチルジシラン、テトライソシアネートシラン、メチルトリイソシアネートシラン、t−ブチルジメチルクロロシラン、t−ブチルジメチルメトキシシラン、t−ブチルジメチルエトキシシラン、t−ブチルジフェニルクロロシラン、t−ブチルジフェニルメトキシシラン、t−ブチルジフェニルエトキシシラン、クロロ(デシル)ジメチルシラン、メトキシ(デシル)ジメチルシラン、エトキシ(デシル)ジメチルシラン、クロロジメチルフェニルシラン、メトキシジメチルフェニルシラン、エトキシジメチルフェニルシラン、クロロトリメチルシラン、メトキシトリメチルシラン、エトキシトリメチルシラン、トリフェニルクロロシラン、トリフェニルメトキシシラン、トリフェニルエトキシシラン、クロロメチル(ジクロロ)メチルシラン、クロロメチル(ジメトキシ)メチルシラン、クロロメチル(ジエトキシ)メチルシラン、ジ−tert−ブチルジクロロシラン、ジ−tert−ブチルジメトキシシラン、ジ−tert−ブチルジエトキシシラン、ジブチルジクロロシラン、ジブチルジメトキシシラン、ジブチルジエトキシシラン、ジクロロデシルメチルシラン、ジメトキシデシルメチルシラン、ジエトキシデシルメチルシラン、ジクロロジメチルシラン、ジメトキシジメチルシラン、ジエトキシジメチルシラン、ジクロロ(メチル)−n−オクチルシラン、ジメトキシ(メチル)−n−オクチルシラン、ジエトキシ(メチル)−n−オクチルシラン。
o−アリルオキシ(ポリエチレンオキシド)トリイソプロポキシチタネート、チタンアリルアセトアセテートトリイソプロポキシド、チタンビス(トリエタノールアミン)ジイソプロポキシド、チタンテトラノルマルブトキシド、チタンテトラノルマルプロポキシド、チタンクロライドトリイソプロポキシド、チタンジn−ブトキシド(ビス−2,4−ペンタンジオネート)、チタンクロライドジエトキシド、チタンジイソプロポキシド(ビス−2,4−ペンタンジオネート)、チタンジイソプロポキシドビス(テトラメチルヘプタンジオネート)、チタンジイソプロポキシドビス(エチルアセトアセテート)、チタンテトラエトキシド、チタン2−エチルヘキシオキシド、チタンテトライソブトキシド、チタンテトライソプロポキシド、チタンラクテート、チタンメタクリレートイソプロポキシド、チタンメタクリルオキシエチルアセトアセテートトリイソプロポキシド、(2−メタクリルオキシエトキシ)トリイソプロポキシチタネート、チタンテトラメトキシド、チタンメトキシプロポキシド、チタンメチルフェノキシド、チタンn−ノニルオキシド、チタンオキシドビス(ペンタンジオネート)、チタンn−プロポキシド、チタンステアリルオキシド、チタンテトラキス(ビス2,2−(アリルオキシメチル)ブトキシド)、チタントリイソステアロイルイソプロポキシド、チタンメタクリレートメトキシエトキシド、テトラキス(トリメチルシロキシ)チタン、チタントリス(ドデシルベンゼンスルフォネート)イソプロポキシド、チタノセンジフェノキシド。
アルミニウム(III)トリノルマルブトキシド、アルミニウム(III)トリs−ブトキシド、アルミニウム(III)ジs−ブトキシドビス(エチルアセトアセテート)、アルミニウム(III)トリt−ブトキシド、アルミニウム(III)ジ−s−ブトキシドエチルアセトアセテート、アルミニウム(III)ジイソプロポキシドエチルアセトアセテート、アルミニウム(III)トリエトキシド、アルミニウムヘキサフルオロペンタンジオネート、アルミニウム(III)3−ヒドロキシ−2−メチル−4−ピロネート、アルミニウム(III)トリイソプロポキシド、アルミニウム−9−オクタデセニルアセトアセテートジイソプロポキシド、アルミニウム(III)2,4−ペンタンジオネート、アルミニウムトリフェノキシド、アルミニウム(III)2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオネート。
次に、トナー粒子の製造方法について説明する。
水、メタノール、エタノールおよびプロパノールなどのアルコール類、ならびに、これらの混合溶媒。
上記低分子量樹脂として、本発明の効果に影響を与えない範囲で、以下の樹脂を用いることができる。
ポリスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレンおよびその置換体の単重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−アクリル酸ジメチルアミノエチル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ジメチルアミノエチル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルエチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体などのスチレン系共重合体、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリビニルブチラール、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、ポリアクリル樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、フェノール樹脂、脂肪族または脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂。
上記極性樹脂としては、飽和または不飽和のポリエステル樹脂が好ましい。
上記離型剤としては、以下のものが挙げられる。
パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ペトロラタムなどの石油系ワックスおよびその誘導体、モンタンワックスおよびその誘導体、フィッシャートロプシュ法による炭化水素ワックスおよびその誘導体、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィンワックスおよびその誘導体、カルナバワックス、キャンデリラワックスなどの天然ワックスおよびその誘導体、高級脂肪族アルコール、ステアリン酸、パルミチン酸などの脂肪酸、またはその化合物、酸アミドワックス、エステルワックス、ケトン、硬化ヒマシ油およびその誘導体、植物系ワックス、動物性ワックス、シリコ−ン樹脂。なお、誘導体には酸化物や、ビニル系モノマーとのブロック共重合物、グラフト変性物を含む。
上記懸濁重合法における重合性単量体として、以下に示すビニル系重合性単量体が好適に例示できる。
スチレン、α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェニルスチレンなどのスチレン系単量体、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、iso−プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、iso−ブチルアクリレート、tert−ブチルアクリレート、n−アミルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリレート、n−ノニルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ベンジルアクリレート、ジメチルフォスフェートエチルアクリレート、ジエチルフォスフェートエチルアクリレート、ジブチルフォスフェートエチルアクリレート、2−ベンゾイルオキシエチルアクリレートなどのアクリル系単量体、
メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルメタクリレート、iso−プロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、iso−ブチルメタクリレート、tert−ブチルメタクリレート、n−アミルメタクリレート、n−ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、n−オクチルメタクリレート、n−ノニルメタクリレート、ジエチルフォスフェートエチルメタクリレート、ジブチルフォスフェートエチルメタクリレートなどのメタクリル系単量体、メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニル、酪酸ビニル、蟻酸ビニルなどのビニルエステル、
ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテルなどのビニルエーテル、ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルイソプロピルケトン。
重合性単量体の重合に際して、重合開始剤を添加してもよい。重合開始剤としては、以下のものが挙げられる。
2,2’−アゾビス−(2,4−ジバレロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスイソブチロニトリルなどのアゾ系、またはジアゾ系重合開始剤、ベンゾイルペルオキシド、メチルエチルケトンペルオキシド、ジイソプロピルペルオキシジカーボネート、クメンヒドロペルオキシド、2,4−ジクロロベンゾイルペルオキシド、ラウロイルペルオキシドなどの過酸化物系重合開始剤。これらの重合開始剤は、重合性単量体に対して0.5質量%以上30.0質量%以下の添加が好ましく、単独でもまたは併用してもよい。
ジビニルベンゼン、ビス(4−アクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン、エチレングリコールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,5−ペンタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコール#200、#400、#600の各ジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、ポリエステル型ジアクリレート(MANDA 日本化薬)、および以上のアクリレートをメタクリレートに変えたもの。
ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、オリゴエステルアクリレートおよびそのメタクリレート、2,2−ビス(4−メタクリロキシ・ポリエトキシフェニル)プロパン、ジアクリルフタレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルトリメリテート、ジアリルクロレンデート。架橋剤の添加量としては、重合性単量体に対して0.001質量%以上15.000質量%以下であることが好ましい。
トナー粒子を構成する結着樹脂はビニル系樹脂であることが好ましい。ビニル系樹脂は前述したビニル系重合性単量体の重合により生成される。ビニル系樹脂は、環境安定性に優れている。 また、ビニル系樹脂は、前記式(T3)で表されるT単位構造を有する有機ケイ素重合体または前記式(1)で表される構造を有する化合物を含む重合性単量体を重合させて得られる有機ケイ素重合体を、トナー粒子の表面に均一に析出させやすいという点で優れており、好ましい。
リン酸三カルシウム、リン酸マグネシウム、リン酸亜鉛、リン酸アルミニウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、メタ珪酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、ベントナイト、シリカ、アルミナ。また、有機系の分散剤としては、以下のものが挙げられる。ポリビニルアルコール、ゼラチン、メチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩、デンプン。
ドデシル硫酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウム、ペンタデシル硫酸ナトリウム、オクチル硫酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、ラウリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム。
本発明のトナーに用いられる着色剤としては、特に限定されず、以下に示す公知のものを使用することができる。
C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントイエロー15、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー62、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー83、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー94、C.I.ピグメントイエロー95、C.I.ピグメントイエロー109、C.I.ピグメントイエロー110、C.I.ピグメントイエロー111、C.I.ピグメントイエロー128、C.I.ピグメントイエロー129、C.I.ピグメントイエロー147、C.I.ピグメントイエロー155、C.I.ピグメントイエロー168、C.I.ピグメントイエロー180。
パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、ベンジジンオレンジG、インダスレンブリリアントオレンジRK、インダスレンブリリアントオレンジGK。
C.I.ピグメントレッド2、C.I.ピグメントレッド3、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメントレッド6、C.I.ピグメントレッド7、C.I.ピグメントレッド23、C.I.ピグメントレッド48:2、C.I.ピグメントレッド48:3、C.I.ピグメントレッド48:4、C.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグメントレッド81:1、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド144、C.I.ピグメントレッド146、C.I.ピグメントレッド166、C.I.ピグメントレッド169、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド184、C.I.ピグメントレッド185、C.I.ピグメントレッド202、C.I.ピグメントレッド206、C.I.ピグメントレッド220、C.I.ピグメントレッド221、C.I.ピグメントレッド254。
本発明のトナーは、荷電制御剤を有していてもよい。前記荷電制御剤としては、公知のものが使用できる。特に帯電スピードが速く、かつ、一定の帯電量を安定して維持できる荷電制御剤が好ましい。さらに、トナー粒子を直接重合法により製造する場合には、重合阻害性が低く、水系媒体への可溶化物が実質的にない荷電制御剤が特に好ましい。
本発明のトナーは、各種特性付与を目的として、トナー粒子に各種有機微粒子または無機微粒子を外添し、トナーとすることができる。前記有機微粒子または無機微粒子は、トナー粒子に添加したときの耐久性から、トナー粒子の重量平均粒径の1/10以下の粒径であることが好ましい。
(1)流動性付与剤:シリカ、アルミナ、酸化チタン、カーボンブラックおよびフッ化カーボン。
(2)研磨剤:チタン酸ストロンチウム、酸化セリウム、アルミナ、酸化マグネシウム、酸化クロムなどの金属酸化物、窒化ケイ素などの窒化物、炭化ケイ素などの炭化物、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、炭酸カルシウムなどの金属塩。
(3)滑剤:フッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレンなどのフッ素系樹脂粉末、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウムなどの脂肪酸金属塩。
(4)荷電制御性粒子:酸化錫、酸化チタン、酸化亜鉛、シリカ、アルミナなどの金属酸化物、カーボンブラック。
以下に、トナーの物性について説明する。
トナーは、定荷重押し出し方式の細管式レオメータにより測定された80℃粘度が、1,000Pa・s以上40,000Pa・s以下であることが好ましい。この80℃粘度が1,000Pa・s以上40,000Pa・s以下であることで、トナーは低温定着性に優れる。80℃粘度は、より好ましくは2,000Pa・s以上20,000Pa・s以下である。なお、本発明において、上記80℃粘度は、低分子量樹脂の添加量や結着樹脂製造時の単量体種、開始剤量、反応温度および反応時間により調整することができる。
・サンプル:1.0gのトナーを秤量し、これを100kg/cm2の荷重で1分間加圧成型器を用いて成型してサンプルとする。
・ダイ穴径:1.0mm
・ダイ長さ:1.0mm
・シリンダ圧力:9.807×105(Pa)
・測定モード:昇温法
・昇温速度:4.0℃/分
上記の方法により、30℃以上200℃以下におけるトナーの粘度(Pa・s)を測定し、80℃の粘度(Pa・s)を求める。当該値をトナーの定荷重押し出し方式の細管式レオメータにより測定された80℃粘度とする。
トナーの重量平均粒径(D4)は、4.0μm以上9.0μm以下であることが好ましく、より好ましくは5.0μm以上8.0μm以下であり、さらに好ましくは5.0μm以上7.0μm以下である。
本発明のトナーのガラス転移温度(Tg)は35℃以上100℃以下であることが好ましく、より好ましくは40℃以上80℃以下であり、さらに好ましくは45℃以上70℃以下である。ガラス転移温度が上記範囲であることによって、耐ブロッキング性、耐低温オフセット性、オーバーヘッドプロジェクター用フィルムの透過画像の透明性をさらに向上させることができる。
トナーのテトラヒドロフラン(THF)不溶分の含有量は、トナーの着色剤および無機微粒子以外のトナー成分に対して50.0質量%未満であることが好ましい。より好ましくは45.0質量%未満であり、さらに好ましくは5.0質量%以上40.0質量%未満である。THF不溶分の含有量を50.0質量%未満とすることによって、低温定着性を向上させることができる。
THF不溶分の含有量(質量%)={(W1−(W3+W2))/(W1−W3)}×100
トナーのTHF不溶分の含有量は、結着樹脂の重合度、架橋度によって調整することが可能である。
本発明において、トナーのテトラヒドロフラン(THF)可溶分のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定された重量平均分子量(Mw)(以下、トナーの重量平均分子量ともいう)は、5,000以上50,000以下であることが好ましい。トナーの重量平均分子量(Mw)が上記範囲内であることによって、耐ブロッキング性および現像耐久性と、低温定着性および画像のグロスとの両立をさせることができる。なお、本発明において、トナーの重量平均分子量(Mw)は、低分子樹脂の添加量および重量平均分子量(Mw)やトナー製造時の反応温度、反応時間、開始剤量、連鎖移動剤量および架橋剤量により調整することができる。
FIB−TOF−SIMSによる測定は、株式会社トヤマ社製 FIB加工機能付きの二次イオン質量分析装置「FIB−TOF−SIMS」(単一微粒子履歴解析装置の市販機バージョン)を使用した。
サンプルの前処理:なし
測定方法:FIBエッチングによりトナー粒子の表面を掘り、以下の分析条件で等比間隔ごとにSIMSを測定する。
分析条件:二次イオン質量分析(SIMS、1ステップ)
一次イオン源情報:イオン種(自然同位体比)Ga+
加速電圧(keV):30
ビーム電流(pA):180
マッピング時間(分):12
ピクセル数(pixel):65536
電荷中和モード:ON
測定モード:positive
分析面積:10.0μm×14.1μm
パルス数(sweep/pix):5
ピクセル数(pixel/map):65536
繰り返し数(/map):10
イオン照射回数(パルス数×繰り返し数=sweep):50
パルス幅(秒):2.00×10−7
照射イオン量(個):7.37×108
ドーズレート(個/m2):5.2×1018
周波数(Hz):16000
1マッピングで視野全体に照射される一次イオン量をIaとする。
上記分析条件の場合、一次イオン量Iaは以下のようになる。なお、素電荷は1.6×10−19(C)とした。
(180×1.0×10−12×2.00×10−7×65536×50)/1.6×10−19)=7.37×108
Ap:粒子投影面積(m2)または粒子像のピクセル数
粒子投影面積は、SEMによりマッピングする面積中に存在する粒子の平均粒子径Dmp(μm)を求めて計算する。
Am:マッピングの面積(m2)またはマッピング視野のピクセル数
Ap/Am:マッピング面積における粒子投影面積の割合
Ap/Amは面積換算で計算してもよく、ピクセル換算Ap/Am=(粒子像があるPixel数/(マッピング視野のPixel数)で求めてもよい。
Imp=Ia×(Ap/Am)
上記条件で測定されたマススペクトルにおいてM/Z=27.5〜28.5の検出値(Intensity counts)の合計ISiを、1マッピングで粒子に照射される一次イオン量(Imp)で割る。
ASi=ISi/Imp
ASi=(ISi/Imp)−(ISiB/Ia)
上記条件で測定されたマススペクトルにおいてM/Z=11.5〜12.5の検出値(Intensity counts)の合計ICを、1マッピングで粒子に照射される一次イオン量(Imp)で割る。
AC=IC/Imp
AC=(IC/Imp)−(ICB/Ia)
Ae:エッチング面積(m2)
Ap/Ae:エッチング面積当たりのトナー粒子投影面積の割合
前述の計算からIa=7.37×108、および、分析結果からAp/Am=0.3、ISi=20000、IC=15000、ISiB=0、ICB=0が求められたとする。
Imp=7.37×108×0.3=2.21×108
ASi=(ISi/Imp)−(ISiB/Ia)=20000/2.21×108=9.04×10−5
AC=(ISi/Imp)−(ISiB/Ia)=15000/2.21×108=1.05×10−6
ASi/AC=86.10
照射経過時間T(秒)におけるエッチング面積あたりの累積ドーズレートEDRt、すなわち照射経過時間T(秒)におけるエッチング時に単位面積あたりに受けた一次イオンの総量は以下のように求める。
ビーム電流(pA):180
エッチング面積:10.0(μm)×14.0(μm)
ステップ数:照射経過時間T(秒)=0.00、2.07、4.13、8.27、16.53、33.07、66.13、529.07の8回
EDRt={ビーム電流(A)×照射経過時間(秒)}/{素電荷(C)(1.6×10−19)×エッチング面積(m2)}
=180(pA)×1.0×10−12×T(秒)/{1.6×10−19×10.0×1.0×10−6×14.0×1.0×10−6}
T:照射経過時間(秒)、EDRt:累積ドーズレート(個/m2)
0段目:T=0.00(秒)、EDRt=0.00(個/m2)
1段目:T=2.07(秒)、EDRt=1.66×1019(個/m2)
2段目:T=4.13(秒)、EDRt=3.11×1019(個/m2)
3段目:T=8.27(秒)、EDRt=6.64×1019(個/m2)
4段目:T=16.53(秒)、EDRt=1.33×1020(個/m2)
5段目:T=33.07(秒)、EDRt=2.65×1020(個/m2)
6段目:T=66.13(秒)、EDRt=5.31×1020(個/m2)
7段目:T=529.07(秒)、EDRt=4.25×1021(個/m2)
照射経過時間Tにおけるトナーの投影面積あたりの累積ドーズレートPDRtは以下のようにして求める。
PDRt=(照射経過時間T(秒)におけるエッチング面積あたりの累積ドーズレート)×Ap/Ae
本発明のトナー粒子の断面の観察は以下の方法により行うことができる。
TEMの顕微鏡写真より得られるトナーの断面積から求めた円相当径Dtemav.は後述する方法で求めた。
Dtem=(RA1+RA2+RA3+RA4+RA5+RA6+RA7+RA8+RA9+RA10+RA11+RA12+RA13+RA14+RA15+RA16+RA17+RA18+RA19+RA20+RA21+RA22+RA23+RA24+RA25+RA26+RA27+RA28+RA29+RA30+RA31+RA32)/16
この測定および計算をトナー粒子10個に対して行う。得られた円相当径のトナー粒子1個あたりの平均値を計算したものを、トナー粒子の断面積から求めた円相当径Dtemav.とする。
本発明におけるトナー粒子の表面に存在するケイ素元素の含有量(atomic%)は、ESCA(X線光電子分光分析)により表面組成分析を行い算出した。
使用装置:ULVAC−PHI社製 Quantum2000
X線光電子分光装置測定条件:X線源 Al Kα
X線:100μm 25W 15kV
ラスター:300μm×200μm
PassEnergy:58.70eV StepSize:0.125eV
中和電子銃:20μA、1V Arイオン銃:7mA、10V
Sweep数:Si 15回、C 10回、O 5回
本発明では、測定された各元素のピーク強度から、PHI社提供の相対感度因子を用いて表面原子濃度(原子%)を算出した。
トナーおよび各種樹脂の重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)およびメインピーク分子量(Mp)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用い、下記条件により測定される。
・カラム(昭和電工株式会社製):Shodex GPC KF−801、KF−802、KF−803、KF−804、KF−805、KF−806、KF−807(直径8.0mm、長さ30cm)の7連
・溶離液:テトラヒドロフラン(THF)
・温度:40℃
・流速:0.6mL/分
・検出器:RI
・試料濃度および量:0.1質量%の試料を10μL
測定対象(トナー、各種樹脂)0.04gをテトラヒドロフラン20mLに分散、溶解後、24時間静置し、0.2μmフィルター[マイショリディスクH−25−2(東ソー社製)]で濾過し、その濾液を試料として用いる。
トナーおよび各種樹脂のガラス転移温度(Tg)は、示差走査熱量計(DSC)M−DSC(商品名:Q1000、TA−インストルメンツ社製)を用いて、下記手順にて測定する。測定する試料(トナー、各種樹脂)6mgを精秤する。これをアルミパン中に入れ、リファレンスとして空のアルミパンを用い、測定温度範囲20℃以上200℃以下の間で、昇温速度1℃/分、常温常湿下で測定を行う。このときのモジュレーション振幅±0.5℃、周波数1/分で測定する。得られるリバーシングヒートフロー曲線からガラス転移温度(Tg:℃)を計算する。Tgは、吸熱前後のベースラインと吸熱による曲線の接線との交点の中心値をTg(℃)として求めたものである。
トナーの重量平均粒径(D4)および個数平均粒径(D1)は、100μmのアパーチャーチューブを備えた細孔電気抵抗法による精密粒度分布測定装置「コールターカウンター Multisizer 3」(登録商標、ベックマン・コールター社製)と、測定条件設定および測定データ解析をするための付属の専用ソフト「ベックマン・コールター Multisizer 3 Version3.51」(ベックマン・コールター社製)を用いて、実効測定チャンネル数2万5千チャンネルで測定し、測定データの解析を行い、算出する。
(1)Multisizer 3専用のガラス製250mL丸底ビーカーに前記電解水溶液約200mLを入れ、サンプルスタンドにセットし、スターラーロッドの撹拌を反時計回りで24回転/秒にて行う。そして、解析ソフトの「アパーチャーのフラッシュ」機能により、アパーチャーチューブ内の汚れと気泡を除去しておく。
(2)ガラス製の100mL平底ビーカーに前記電解水溶液約30mLを入れる。この中に分散剤として「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業社製)をイオン交換水で3質量倍に希釈した希釈液を約0.3mL加える。
(3)発振周波数50kHzの発振器2個を、位相を180度ずらした状態で内蔵し、電気的出力120Wの超音波分散器「Ultrasonic Dispersion System Tetora150」(日科機バイオス社製)の水槽内に所定量のイオン交換水を入れ、この水槽中に前記コンタミノンNを約2mL添加する。
(4)前記(2)のビーカーを前記超音波分散器のビーカー固定穴にセットし、超音波分散器を作動させる。そして、ビーカー内の電解水溶液の液面の共振状態が最大となるようにビーカーの高さ位置を調整する。
(5)前記(4)のビーカー内の電解水溶液に超音波を照射した状態で、トナー約10mgを少量ずつ前記電解水溶液に添加し、分散させる。そして、さらに60秒間超音波分散処理を継続する。なお、超音波分散にあたっては、水槽の水温が10℃以上40℃以下となる様に適宜調節する。
(6)サンプルスタンド内に設置した前記(1)の丸底ビーカーに、ピペットを用いてトナーを分散させた前記(5)の電解質水溶液を滴下し、測定濃度が約5%となるように調整する。そして、測定粒子数が50000個になるまで測定を行う。
(7)測定データを装置付属の前記専用ソフトにて解析を行い、重量平均粒径(D4)および個数平均粒径(D1)を算出する。なお、専用ソフトでグラフ/体積%と設定したときの、分析/体積統計値(算術平均)画面の「平均径」が重量平均粒径(D4)である。専用ソフトでグラフ/個数%と設定したときの、「分析/個数統計値(算術平均)」画面の「平均径」が個数平均粒径(D1)である。
トナーの平均円形度の測定には、フロー式粒子像分析装置である「FPIA−3000型」(シスメックス社製)を用い、校正作業時の測定・解析条件で測定する。
還流管、撹拌機、温度計、窒素導入管、滴下装置および減圧装置を備えた反応容器に、溶媒としてメタノール255質量部、2−ブタノン145質量部および2−プロパノール100質量部、単量体としてスチレン88質量部、アクリル酸2−エチルヘキシル6.2質量部、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸6.6質量部を添加して撹拌しながら常圧の還流下で加熱した。重合開始剤である2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.8質量部を2−ブタノン20質量部で希釈した溶液を30分かけて滴下して5時間撹拌を継続した。さらに2,2’−アゾビスイソブチロニトリル1.2質量部を2−ブタノン20質量部で希釈した溶液を30分かけて滴下して、さらに常圧の還流下で5時間撹拌して重合を終了した。
・テレフタル酸:11.1mol
・ビスフェノールA−プロピレンオキシド2モル付加物(PO−BPA):10.8mol
上記単量体をエステル化触媒とともにオートクレーブに仕込み、減圧装置、水分離装置、窒素ガス導入装置、温度測定装置および撹拌装置をオートクレーブに装着する。そして、窒素雰囲気下、減圧しながら、常法に従って220℃でTgが70℃になるまで反応を行い、ポリエステル樹脂(1)を得た。重量平均分子量(Mw)は8,200、数平均分子量(Mn)は3,220であった。
(イソシアネート基含有プレポリマーの合成)
・ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物:720質量部
・フタル酸:280質量部
・ジブチルチンオキサイド:2.5質量部
220℃にて攪拌して7時間反応し、さらに減圧下で5時間反応させた後、80℃まで冷却し、酢酸エチル中にてイソホロンジイソシアネート190質量部と2時間反応し、イソシアネート基含有ポリエステル樹脂を得た。イソシアネート基含有ポリエステル樹脂を26質量部とイソホロンジアミン1質量部を50℃で2時間反応させ、ウレア基を含有するポリエステルを主成分とするポリエステル樹脂(2)を得た。得られたポリエステル樹脂(2)の重量平均分子量(Mw)は25000、数平均分子量(Mn)は3200、ピーク分子量は6200であった。
還流管、撹拌機、温度計、窒素導入管を備えた四つ口容器中にイオン交換水700質量部と0.1mol/LのNa3PO4水溶液1000質量部と1.0mol/LのHCl水溶液24.0質量部を添加し、高速撹拌装置TK−ホモミキサーを用いて12,000rpmで撹拌しながら、60℃に保持した。ここに1.0mol/LのCaCl2水溶液85質量部を徐々に添加し、微細な難水溶性分散安定剤Ca3(PO4)2を含む水系分散媒体を調製した。
・スチレン:70.0質量部
・n−ブチルアクリレート:30.0質量部
・ジビニルベンゼン:0.10質量部
・メチルトリエトキシシラン:15.0質量部
・銅フタロシアニン顔料(ピグメントブルー15:3):6.5質量部
・ポリエステル樹脂(1):5.0質量部
・荷電制御剤(3,5−ジ−tert−ブチルサリチル酸のアルミニウム化合物):0.5質量部
・荷電制御樹脂1:0.5質量部
・離型剤(ベヘン酸ベヘニル、吸熱メインピーク温度72.1℃):10.0質量部
トナー粒子1の製造例において、製造条件、処方を表1〜6に記載したように変更する以外は同様にしてトナー粒子2〜7、9〜13、17〜21、23、28、29を得た。各トナー粒子の処方、重合条件および物性を表1〜6に示した。
トナー粒子1の製造例において、メチルトリエトキシシラン15.0質量部をメチルジエトキシクロロシラン15.0質量部に変更し、1.0mol/LのNaOH水溶液を2.0質量部を用いてpHを5.1に調整した以外は同様にして、トナー粒子8を得た。トナー粒子8の処方、条件および物性を表2に示した。
トナー粒子1の製造例において、1.0mol/LのNaOHの添加量を21.0質量部に変更し、pH10.2に変更した以外は同様にして、トナー粒子14を得た。トナー粒子14処方、条件および物性を表3に示した。
トナー粒子1の製造例において、1.0mol/LのNaOHを加えなかった以外はトナー粒子1の製造例と同様にしてトナー粒子15を得た。トナー粒子15の処方、条件および物性を表3に示した。
還流管、撹拌機、温度計、窒素導入管を備えた四つ口容器中にイオン交換水700質量部と0.1mol/LのNa3PO4水溶液1200質量部と1.0mol/LのHCl水溶液30.0質量部を添加し、高速撹拌装置TK−ホモミキサーを用いて12,000rpmで撹拌しながら、60℃に保持した。ここに1.0mol/LのCaCl2水溶液100質量部を徐々に添加し、微細な難水溶性分散安定剤Ca3(PO4)2を含む水系分散媒体を調製した。
・スチレン:70.0質量部
・n−ブチルアクリレート:30.0質量部
・ジビニルベンゼン:0.10質量部
・メチルトリエトキシシラン:15.0質量部
・銅フタロシアニン顔料(ピグメントブルー15:3):6.5質量部
・ポリエステル樹脂(1):5.0質量部
・荷電制御剤(3,5−ジ−tert−ブチルサリチル酸のアルミニウム化合物):0.5質量部
・荷電制御樹脂1:0.5質量部
・離型剤(ベヘン酸ベヘニル、吸熱メインピーク温度:72.1℃):10.0質量部
・ポリエステル樹脂(1):60.0質量部
・ポリエステル樹脂(2):40.0質量部
・銅フタロシアニン顔料:6.5質量部
・荷電性制御剤(3,5−ジ−tert−ブチルサリチル酸のアルミニウム化合物):0.5質量部
・荷電制御樹脂1:0.5質量部
・離型剤〔ベヘン酸ベヘニル、吸熱メインピーク温度72.1℃〕:10.0質量部
上記材料をヘンシェルミキサーで混合した後、135℃で二軸混練押出機によって溶融混練を行い、混練物を冷却後、カッターミルで粗粉砕、ジェット気流を用いた微粉砕機を用いて粉砕した。そして、さらに風力分級機を用いて分級することによって、重量平均粒径5.6μmのトナー母体22を得た。
・トナー母体22:100質量部
・メチルトリエトキシシラン:15質量部
をヘンシェルミキサーで混合した。
まず、リービッヒ還流管を備え付けた四つ口容器中にイオン交換水700質量部と0.1mol/LのNa3PO4水溶液1000質量部と1.0mol/LのHCl水溶液24.0質量部を添加し、高速撹拌装置TK−ホモミキサーを用いて12,000rpmで撹拌しながら、60℃に保持した。ここに1.0mol/LのCaCl2水溶液85質量部を徐々に添加し、微細な難水溶性分散安定剤Ca3(PO4)2を含む水系分散媒体を調製した。
・ポリエステル樹脂(1):60.0質量部
・ポリエステル樹脂(2):40.0質量部
・銅フタロシアニン顔料:6.5質量部
・荷電性制御剤(3,5−ジ−tert−ブチルサリチル酸のアルミニウム化合物):0.5質量部
・荷電制御樹脂1:0.5質量部
・メチルトリエトキシシラン:15.0質量部
・離型剤〔ベヘン酸ベヘニル、吸熱メインピーク温度72.1℃〕:10.0質量部
上記材料を、トルエン400質量部に溶解させて、溶解液を得た。
(ポリエステル樹脂(3)の合成)
・ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物:10mol%
・ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物:90mol%
・テレフタル酸:50mol%
・フマル酸:30mol%
・ドデセニルコハク酸:20mol%
撹拌装置、窒素導入管、温度センサー、精留塔を備えたフラスコに上記のモノマーを仕込み、1時間で195℃まで上げて、反応系内が均一に撹拌されていることを確認した。
・ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物(両末端換算2モル付加物):50mol%
・ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物(両末端換算2モル付加物):50mol%
・テレフタル酸:65mol%
・ドデセニルコハク酸:28mol%
撹拌装置、窒素導入管、温度センサー、精留塔を備えたフラスコに上記のモノマーを投入し、1時間で195℃まで上げて、反応系内が均一に撹拌されていることを確認した。
・ポリエステル樹脂(3):100.0質量部
・メチルエチルケトン:50.0質量部
・イソプロピルアルコール:20.0質量部
容器にメチルエチルケトン、イソプロピルアルコールを投入した。その後、上記樹脂を徐々に投入して、撹拌を行い、完全に溶解させてポリエステル樹脂(3)溶解液を得た。この非晶性ポリエステル溶解液を65℃に維持しつつ、撹拌しながら10%アンモニア水溶液を合計で5質量部となるように徐々に滴下し、さらにイオン交換水230質量部を10mL/分の速度で徐々に滴下して転相乳化させた。さらにエバポレータで減圧して脱溶剤を行い、ポリエステル樹脂(3)の樹脂粒子分散液(1)を得た。この樹脂粒子の体積平均粒径は、145nmであった。また、樹脂粒子固形分量はイオン交換水で調整して20%とした。
・ポリエステル樹脂(4):100.0質量部
・メチルエチルケトン:50.0質量部
・イソプロピルアルコール:20.0質量部
容器にメチルエチルケトン、イソプロピルアルコールを投入した。その後、上記材料を徐々に投入して、撹拌を行い、完全に溶解させてポリエステル樹脂(4)溶解液を得た。このポリエステル樹脂(4)溶解液を40℃に維持しつつ、撹拌しながら10%アンモニア水溶液を合計で3.5質量部となるように徐々に滴下し、さらにイオン交換水230質量部を10mL/分の速度で徐々に滴下して転相乳化させた。さらに減圧して脱溶剤を行い、ポリエステル樹脂(4)の樹脂粒子分散液(2)を得た。樹脂粒子の体積平均粒径は、165nmであった。また、樹脂粒子固形分量はイオン交換水で調整して20%とした。
樹脂粒子分散液(1)100質量部(固形分20.0質量部)にメチルトリエトキシシラン40.0質量部を加えて撹拌しながら70℃で、1時間保持した後、昇温速度20℃/1hで80℃まで昇温し、3時間保持をした。その後、冷却して樹脂微粒子がゾルゲルで被覆された樹脂粒子分散液(1)のゾルゲル溶液を得た。この樹脂粒子の体積平均粒径は、225nmであった。また、樹脂粒子固形分量はイオン交換水で調整して20%とした。樹脂粒子分散液(1)のゾルゲル溶液は撹拌しながら10℃以下で保存し、調整後48時間以内に使用した。
・シアン顔料(ECB−308):45.0質量部
・イオン性界面活性剤ネオゲンRK(第一工業製薬(株)製):5.0質量部
・イオン交換水:190.0質量部
上記成分を混合し、ホモジナイザー(IKAウルトラタラックス)により10分間分散させた。その後、アルティマイザー(対向衝突型湿式粉砕機:(株)スギノマシン製)を用い圧力250MPaで15分間分散処理を行い、着色剤粒子の体積平均粒径が135nmで、固形分量が20%の着色剤粒子分散液1を得た。
・オレフィンワックス(融点:84℃):60.0質量部
・イオン性界面活性剤ネオゲンRK(第一工業製薬(株)製):2.0質量部
・イオン交換水:240.0質量部
以上を100℃に加熱して、IKA製ウルトラタラックスT50にて十分に分散後、圧力吐出型ゴーリンホモジナイザーで110℃に加温して分散処理を1時間行い、体積平均粒径170nm、固形分量20%の離型剤粒子分散液を得た。
・樹脂粒子分散液(1):100.0質量部
・樹脂粒子分散液(2):300.0質量部
・樹脂粒子分散液(1)のゾルゲル溶液:300.0質量部
・着色剤粒子分散液1:50.0質量部
・離型剤粒子分散液:50.0質量部
フラスコ中にイオン性界面活性剤ネオゲンRKを2.2質量部加えた後、以上の材料を撹拌した。次いで、1mol/Lの硝酸水溶液を滴下してpH3.8にした後、これにポリ硫酸アルミニウム0.35質量部を加え、ウルトラタラックスで分散を行った。加熱用オイルバスでフラスコを撹拌しながら48℃まで加熱した。48℃で40分保持した後、ここに樹脂粒子分散液(1)のゾルゲル溶液300質量部の混合液を緩やかに追加した。
トナー母体26 100.0質量部をヘンシェルミキサーで高速攪拌しながら、トルエン10.0質量部とエタノール5.0質量部と水5.0質量部とメチルトリエトキシシラン 15.0質量部を85℃で5時間反応させた有機ケイ素重合体溶解液を3.5質量部噴霧する。
トナー粒子1の製造例において、スチレンモノマー70.0質量部を62.0質量部に変更し、n−ブチルアクリレート30.0質量部を38.0質量部に変更し、チタンテトラノルマルブトキシド1.0質量部、ジメチルジエトキシシラン1.0質量部を加えた以外は、同様にしてトナー粒子27を得た。トナー粒子27の処方、条件および物性を表6に示した。
トナー粒子1の製造例において、製造条件、処方を表7、8に記載したように変更する以外は同様にして、比較トナー粒子1〜9を得た。各比較トナー粒子の処方、重合条件および物性を表7、8に示した。
高速攪拌装置TK−ホモミキサーを備えた四つ口フラスコ中に、イオン交換水900質量部とポリビニルアルコール95質量部を添加し、回転数1300rpmにて攪拌しながら、55℃に加熱して水系分散媒とした。
・スチレン:70.0質量部
・n−ブチルアクリレート:30.0質量部
・カーボンブラック:10.0質量部
・サリチル酸シラン化合物:1.0質量部
・離型剤(べヘン酸ベヘニル):10.0質量部
上記材料をアトライターで3時間分散させた後、重合開始剤であるt−ブチルパーオキシピバレート14.0質量部を添加してモノマー分散液を調製した。
トナー粒子1 100質量部に対し、疎水性シリカ(BET比表面積200m2/g、ヘキサメチルジシラザン2.5質量%と100cpsのシリコーンオイル2.5質量%とで表面を疎水化処理されたもの)0.5質量部と酸化アルミニウム(BET比表面積60m2/g)0.2質量部を、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)で混合してトナー1を得た。
(トナーの摩擦帯電量の測定)
トナーの摩擦帯電量は、以下に示す方法によって求めることができる。まずトナーと負帯電性トナー用標準キャリア(商品名:N−01、日本画像学会製、但し、250メッシュを通過したもののみを使用)を以下の環境下でそれぞれ所定時間放置する。低温低湿(10℃/15%RH)、常温常湿(25℃/50%RH)、高温高湿(32.5℃/85%RH)での評価においては24時間、過酷環境の評価においては、過酷環境(40℃/95%)に168時間放置後に、超高温高湿(32.5℃/90%RH)環境に24時間放置する。放置後、各環境下でターブラミキサを用いて、トナーが5質量%となるようにトナーとキャリアとを120秒間混合する。次に、混合後1分以内に、常温常湿(25℃/50%RH)環境において、トナーの摩擦帯電量を測定する。具体的には、底部に目開き20μmの導電性スクリーンを装着した金属製の容器に混合された現像剤を入れ、吸引機で導電性スクリーンを介してトナーを吸引し、吸引前後の質量差と、容器に接続されたコンデンサに蓄積された電位とを測定する。この際、吸引圧を4.0kPaとする。前記質量差、蓄電された電位、およびコンデンサの容量から、トナーの摩擦帯電量は、下記式から算出される。
Q(mC/kg)=C×V/(W)
Q:荷電制御樹脂およびトナーの摩擦帯電量
C(μF):コンデンサの容量
V(volt):コンデンサに蓄積された電位
W(g):吸引前後の質量差
画像濃度の評価には、図3のような構成を有するタンデム方式のキヤノン製レーザービームプリンタLBP7700を用いた。
A:1.45以上
B:1.40以上1.45未満
C:1.30以上1.40未満
D:1.25以上1.30未満
E:1.20以上1.25未満
F:1.20未満
画像濃度測定における1,100枚出力後に、1ページにおいて前半部分がハーフトーン画像(トナー載り量0.25mg/cm2)であり、後半部分がベタ画像(トナー載り量0.40mg/cm2)である画像をプリントアウトした。得られた画像を用い、下記基準に従い評価した。なお、転写紙は70g/m2のA4サイズを用い、A4横方向に印字した。
A:現像ローラー上にも、ハーフトーン部、ベタ部の画像上にも排紙方向の縦スジや濃度の異なる点は見られない。
B:現像ローラーの両端に周方向の細いスジが1〜2本存在する、または感光ドラム上に1〜3個の融着物があるものの、ハーフトーン部、ベタ部の画像上に排紙方向の縦スジや濃度の異なる点は見られない。
C:現像ローラーの両端に周方向の細いスジが3〜5本存在する、または感光ドラム上に4〜5個の融着物ある。またはハーフトーン部、ベタ部の画像上に排紙方向の縦スジや濃度の異なる点がほんの少し見られるが、画像処理で消せるレベル。
D:現像ローラーの両端に周方向の細いスジが6〜20本存在する、または感光ドラム上に6〜20個の融着物がある。またはハーフトーン部、ベタ部の画像上に数本の細かいスジや濃度の異なる点が見られ、画像処理でも消せない。
E:現像ローラーの両端に周方向の細いスジが21本以上存在する、または感光ドラム上に21個以上の融着物がある、またはハーフトーン部、ベタ部の画像上にスジや濃度の異なる点が見られ、画像処理でも消せない。
キヤノン製レーザービームプリンタLBP7700の定着ユニットを定着温度が調整できるように改造した改造定着器を用意した。該定着器を用いて、プロセススピ−ド230mm/秒で、定着温度を5℃ずつ変化させて、トナー載り量が0.4mg/cm2の未定着トナー画像を、記録紙に加熱加圧した。
「リフレクトメータ」(東京電色社製)により測定したプリントアウト画像の白地部分の白色度と、画像形成に供する前の転写紙の白色度の差から、カブリ濃度(%)を算出し、下記の基準で画像カブリを評価した。
A:1.0%未満
B:1.0%以上1.5%未満
C:1.5%以上2.0%未満
D:2.0%以上2.5%未満
E:2.5%以上3.0%未満
F:3.0%以上
約10gのトナーを100mLガラス瓶にいれ、温度55℃、湿度20%で15日間放置した後に目視で判定した。
A:変化なし
B:凝集体があるが、すぐにほぐれる
C:ほぐれにくい
D:流動性なし
E:明白なケーキング
約10gのトナーを100mLガラス瓶にいれ、温度45℃、湿度95%で3カ月間放置した後に目視で判定した。
A:変化なし
B:凝集体があるが、すぐにほぐれる
C:ほぐれにくい
D:流動性なし
E:明白なケーキング
実施例1においてトナー粒子1をトナー粒子2〜29に変更した以外は同様にしてトナー2〜29を得た。また、実施例1と同様の評価を行い、その結果を表13、表14および表15に示した。
実施例1においてトナー粒子1を比較トナー粒子1〜10に変更した以外は同様にして比較トナー1〜10を得た。また、実施例1と同様の評価を行い、その結果を表16に示した。
実施例1のトナー1をトナー粒子1に変更した(即ち、外添剤が添加されていないトナー粒子を用いた)以外は実施例1と同様の評価を行った。その結果を表15に示した。尚、実施例1と比べて、遜色ない結果が得られた。
図3のような構成を有するタンデム方式のキヤノン製レーザービームプリンタLBP7700Cの各色トナーカートリッジに、トナー1(シアン)、トナー23(ブラック)、トナー28(マゼンタ)、トナー29(イエロー)をそれぞれ150gずつ充填した。前記4色のカートリッジをそれぞれ低温低湿L/L(10℃/15%RH)、常温常湿N/N(25℃/50%RH)、高温高湿H/H(32.5℃/85%RH)の各環境下に24時間放置した。各環境下で24時間放置後に、各色カートリッジをLBP7700にセットして、ベタ画像領域を含む30.0%の印字比率の画像を1,100枚までプリントアウトした。初期と1,100枚出力時のベタ画像濃度とカブリ、1,100枚出力時の部材汚染(フィルミング、現像スジ)の評価を行ったところ良好な結果であった。
2 現像ローラー
3 トナー供給ローラー
4 トナー
5 規制ブレード
6 現像装置
7 レーザー光
8 帯電装置
9 クリーニング装置
10 クリーニング用帯電装置
11 撹拌羽根
12 駆動ローラー
13 転写ローラー
14 バイアス電源
15 テンションローラー
16 転写搬送ベルト
17 従動ローラー
18 紙
19 給紙ローラー
20 吸着ローラー
21 定着装置
Claims (12)
- 有機ケイ素重合体を含有する表層を有するトナー粒子を有するトナーであって、
前記有機ケイ素重合体が、下記式(T3)で表される部分構造を有し、
R−Si(O1/2)3 (T3)
(式(T3)中、Rは、炭素数1以上6以下のアルキル基、またはフェニル基を表す。)
透過型電子顕微鏡(TEM)を用いた前記トナー粒子の断面の観察において、
(i)測定される前記表層の平均厚みDav.が、5.0nm以上150.0nm以下であり、
(ii)前記トナー粒子の断面の最長径を与える弦を長軸Lとし、前記長軸Lをその中点で分割した際の一方の線分を線分aとし、前記線分aを基準として、11.25°ずつずらして前記長軸Lの前記中点から前記トナー粒子の表面まで引いた32本の線分をそれぞれAr n (n=1〜32)とし、前記Ar n (n=1〜32)上における前記表層の長さをFRA n (n=1〜32)としたとき、前記FRA n が5.0nm以下である線分Ar n の割合が20.0%以下であり、
集束イオンビームをプローブとして搭載した飛行時間型二次イオン質量分析(FIB−TOF−SIMS)を用いたマッピング測定において、前記トナー粒子の表面に一次イオンを照射した際に前記トナー粒子から放出されるケイ素イオンおよび炭素イオンに関し、放出されるケイ素イオンの強度をISiとし、放出される炭素イオンの強度をICとし、および、照射した一次イオン量をIとしたとき、ISi/Iで表されるASiと、IC/Iで表されるACとの比(ASi/AC)が、20.00以上である
ことを特徴とするトナー。 - 前記トナー粒子の表面のX線光電子分光分析(ESCA)を用いた測定において、ケイ素元素の濃度が2.5atomic%以上である請求項1に記載のトナー。
- 前記ケイ素元素の濃度が5.0atomic%以上である請求項2に記載のトナー。
- 前記ケイ素元素の濃度が10.0atomic%以上である請求項3に記載のトナー。
- 前記式(T3)中のRがメチル基である請求項1〜4のいずれか1項に記載のトナー。
- 前記式(1)中のR1が、メチル基、エチル基、プロピル基、または、フェニル基である請求項6に記載のトナー。
- 前記式(1)中のR1が、メチル基である請求項7に記載のトナー。
- 前記式(1)中のR2、R3およびR4が、それぞれ独立して、アルコキシ基である請求項6〜8のいずれか1項に記載のトナー。
- 前記式(1)中のR2、R3およびR4が、それぞれ独立して、メトキシ基、または、エトキシ基である請求項9に記載のトナー。
- 前記トナー粒子が、着色剤および重合性単量体を含有する重合性単量体組成物の粒子を水系媒体中で形成し、前記重合性単量体を重合させることによって製造されたものである請求項1〜10のいずれか1項に記載のトナー。
- 前記重合性単量体組成物が、前記重合性単量体として、スチレン系単量体と、アクリル系単量体またはメタクリル系単量体を含有する請求項11に記載のトナー。
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