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JP5190244B2 - 調剤装置のカッティング機構 - Google Patents

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Description

本発明は、調剤装置のカッティング機構に関し、特にPTP(プレス スルー パッケージ)錠剤シートと呼ばれる包装形式の錠剤を、錠剤カセットに入れて自動的に調剤する調剤装置における当該錠剤シートを所定形状にカッティングする機構に好適である。
従来、病院等の薬局における調剤作業は錠剤師が医師の処方箋に従って行っているが、特に診療分野が広い総合病院等にあっては、常時取り出し可能にしておく錠剤の種類が多くなり、保管場所を必要とするばかりか、処方箋に基づいて調剤する作業は非常に精神的、肉体的に負担を強いられるものであった。
そこで、予め設定したプログラムに基づいて所定の錠剤の所定個数分を、PTP錠剤シートの端数分を含めて自動的に調剤する調剤装置が開発された(例えば特許文献1,2参照)。なお、PTP錠剤シートとは、錠剤側を押圧することで底のアルミシート部分を破ることにより錠剤を取り出すようにした包装形式であり、一般には錠剤の10個以上を1枚のシート状にして供給される。
ここでは、PTP錠剤シートを載置した錠剤カセットはカセット棚に収容されており、ヘッド装置に搭載されているチャッキング装置の爪部が、錠剤カセット内の最下位置にあるPTP錠剤シートをチャッキングしてカッティング装置に搬送し、そこで所定形状にカッティングするようになっている。
しかしながら、このカッティング装置でPTP錠剤シートの端数カットを行う場合、刃を下ろして当該PTP錠剤シートをカットした後、刃を持ち上げてもとの位置に復帰させようとしたときに、PTP錠剤シートに刃が食い込んでいるために、その刃と一緒にPTP錠剤シートが持ち上げられ、次の動作に移るときに支障が出てしまうといった問題があった。
そこで、このカッティング装置では、PTP錠剤シートの端数カットを行う場合、刃を下ろして当該PTP錠剤シートをカットするときに、刃とは別駆動のリテーナを用いて、PTP錠剤シート全体を押え付けるとともに、そのカット後に刃を持ち上げてもとの位置に復帰させようとしたときにも、前記リテーナを用いて、PTP錠剤シート全体を押え付けるようにしていた。
したがって、PTP錠剤シートに刃が食い込んでいても、刃とは別駆動のリテーナで、その刃と一緒にPTP錠剤シートが持ち上げられることが防止され、次の動作に移るときに支障が出ることがなくなる。
特開平4−269960号公報 実開平5−054223号公報
ところが、上記特許文献1,2のカッティング装置では、刃とは別駆動のリテーナを用いているため、装置が複雑化し、コストアップを招くといった問題があった。また、そのリテーナの取り付けスペースが必要となって装置が大型化するといった問題もあった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、刃とは別駆動のリテーナを用いることなく、PTP錠剤シートをカット後に、刃と一緒にそのPTP錠剤シートが持ち上げられることを防止することのできる調剤装置のカッティング機構を提供することを目的とする。
ところで、本発明者らは、先にPTP錠剤シートのシート部分を弾性的に押えるように、カッタ刃と同時に上下移動するシート押え部材を発明した(特願2007−77921)。このシート押え部材は、PTP錠剤シートのシートポケットとシートポケットとの間に入り込むような形状となっているため、シートポケットの位置がずれると、そのシートポケットを圧潰してしまうおそれがあることがわかった。そこで、発明は、かかる問題をも解消するべくなされたものであって、チャッキング機構を用いてカッタ刃とベースとの間に錠剤シートを挿入し、このカッタ刃をベースに対して相対的に移動させることにより、該錠剤シートのカッティングを行う調剤装置のカッティング機構であって、前記ベースに固定され、前記カッタ刃の移動ルート中の所定位置で、錠剤シートの移動を規制する規制部材を備え、前記カッタ刃でカッティングを行った錠剤シートを、該カッタ刃とともに前記チャッキング機構を用いて前記カッティング時とは逆方向に移動させることを特徴とするものである。上記のごとき構成としたのは、前記規制部材を設けただけで、錠剤シートをカッタ刃とともに移動させない場合には、該錠剤シートがカッタ刃に傾斜した状態となるので、その錠剤シートからのカッタ刃の引き抜きが困難となるからである。
発明によれば、前記ベースに固定され、前記カッタ刃の移動ルート中の所定位置で、錠剤シートの移動を規制する規制部材を備え、前記カッタ刃でカッティングを行った錠剤シートを、該カッタ刃とともに前記チャッキング機構を用いて前記カッティング時とは逆方向に移動させるので、カッタ刃と一緒に錠剤シートが持ち上げられた場合であっても、その錠剤シートが、規制部材でカッタ刃から引き離されることとなり、次の動作に支障がでることがなくなる。したがって、カッティング動作を迅速に行うことができるようになり、その結果、作業効率が大幅に向上する。
しかも、ここではカッタ刃とは別駆動のリテーナを用いていないので、装置が複雑化し、コストアップを招くといった問題もなく、そのリテーナの取り付けスペースが不要となって装置が大型化するといった問題もない。その結果、簡単な構成で省スペース化を図ることができるようになる。さらに、本発明者らによる先行発明のように、PTP錠剤シートのシートポケットとシートポケットとの間に入り込むような形状を採用していないので、万一シートポケットの位置がずれたとしても、そのシートポケットを圧潰してしまうおそれがない。
請求項記載の発明のように、前記所定位置は、錠剤シートの最大高さ以上で、かつ前記カッタ刃の先端が前記ベースから最も離間した距離以下となる位置であることが好ましい。
請求項記載の発明によれば、前記所定位置は、錠剤シートの最大高さ以上で、かつ前記カッタ刃の先端が前記ベースから最も離間した距離以下となる位置であるので、ベースとカッタ刃との間に錠剤シートを挿入して、良好なカッティングを行うことができるとともに、そのカッティングが終了したときに、カッタ刃と一緒に錠剤シートが持ち上げられた場合であっても、その錠剤シートが規制部材でカッタ刃から引き離されることとなり、次の動作に支障がでることがなくなる。
請求項3記載の発明のように、前記カッタ刃でカッティングを行った錠剤シートを、該錠剤シートが規制部材に当接するまで、カッタ刃とともに前記チャッキング機構を用いて移動させることが好ましい。
請求項4記載の発明のように、前記規制部材は、前記ベースと平行に設置された部材本体と、この部材本体の前記カッタ刃の移動ルート中に、該カッタ刃が通過可能な大きさの切り欠き部とを有するものであることが好ましい。
請求項4記載の発明によれば、前記規制部材は、前記ベースと平行に設置された部材本体と、この部材本体の前記カッタ刃の移動ルート中に、該カッタ刃が通過可能な大きさの切り欠き部とを有するものであるので、部品点数が少なくて簡単かつ安価な構成となる。
請求項5記載の発明のように、前記カッタ刃は、錠剤シートの幅方向と直角方向のカッティングを行うための縦刃と、該錠剤シートの幅方向のカッティングを行うための横刃とを別個に備えており、前記規制部材の部材本体は、この縦刃と横刃とにそれぞれ対応する部位に前記切り欠き部を有することが好ましい。
請求項5記載の発明によれば、前記カッタ刃は、錠剤シートの幅方向と直角方向のカッティングを行うための縦刃と、該錠剤シートの幅方向のカッティングを行うための横刃とを別個に備えており、前記規制部材の部材本体は、この縦刃と横刃とにそれぞれ対応する部位に前記切り欠き部を有するので、カッタ刃として縦刃と横刃とを備えた場合にも、簡単に適用できる。
発明によれば、前記ベースに固定され、前記カッタ刃の移動ルート中の所定位置で、錠剤シートの移動を規制する規制部材を備え、前記カッタ刃でカッティングを行った錠剤シートを、該カッタ刃とともに前記チャッキング機構を用いて前記カッティング時とは逆方向に移動させるので、カッタ刃と一緒に錠剤シートが持ち上げられた場合であっても、その錠剤シートが、規制部材でカッタ刃から引き離されることとなり、次の動作に支障がでることがなくなる。したがって、カッティング動作を迅速に行うことができるようになり、その結果、作業効率が大幅に向上する。
しかも、ここではカッタ刃とは別駆動のリテーナを用いていないので、装置が複雑化し、コストアップを招くといった問題もなく、そのリテーナの取り付けスペースが不要となって装置が大型化するといった問題もない。その結果、簡単な構成で省スペース化を図ることができるようになる。さらに、先行発明のように、PTP錠剤シートのシートポケットとシートポケットとの間に入り込むような形状を採用していないので、万一シートポケットの位置がずれたとしても、そのシートポケットを圧潰してしまうおそれがない。
図1は本発明の一実施形態に係る調剤装置1の主たる構成要素を示す分解斜視図である。
図1に示すように、この調剤装置1は、箱状の装置本体100の奥側左右に2台設けられたYキャリッジ200,200と、これらのYキャリッジ200,200にそれぞれ支持されたXキャリッジ300,300と、これらのXキャリッジ300,300にそれぞれ支持されたチャッキングユニット(チャッキング機構に相当する。)400,400と、前記装置本体100の手前側左右に2台設けられ、複数の錠剤カセット500,500,・・・を左右方向に並べて搭載可能なカセット棚600,600と、これらのカセット棚600,600の下部にそれぞれ配置されたカッティングユニット(カッティング機構に相当する。)700,700と、左右のカセット棚600,600の下方に、両カセット棚600,600の左右両端間に亘って配置された1台の搬送コンベアユニット800とを備えている。
以下、複数存在する構成要素については、その代表的なものについて説明する。
Yキャリッジ200は、サーボモータ210と、このサーボモータ210で駆動される縦軸方向(図1中のY方向)のボールネジ220と、ボールネジ220の左右にそれぞれ配置された縦ガイド230,230と、ボールネジ220の回転により上下動するナット240とを備えており、Xキャリッジ300は、縦ガイド230,230に案内されつつ、ボールネジ220の回転によりナット240とともに上下動するキャリッジ本体310と、このキャリッジ本体310上に、サーボモータ410と、このサーボモータ410で駆動される横軸方向(図1中のX方向)のボールネジ415と、図示しないナットとを備えている。
図2は錠剤カセット500のチャッキングユニット400に対向する側から見た斜視図、図3は錠剤カセット500のシート頭出し前の状態を示す側断面図,図4は錠剤カセット500のシート頭出し時の状態を示す側断面図である。なお、以下では、錠剤カセット500のチャッキングユニット400に対向する側を前、その反対側を後という。
本実施形態における錠剤カセット500は、積載される各種PTP錠剤シート(錠剤シートに相当する。)900よりも若干幅広に形成されている。したがって、錠剤カセット500としては、各種PTP錠剤シート900の有する幅に応じて、幅寸法のみが異なるものが複数用意される。それらの具体的な構成は、いずれも図2に示すように、断面凹状をなす長尺のカセット基部510と、このカセット基部510の長手方向から着脱自在に嵌合されるカセット本体520とからなっている。
カセット基部510の底板511の裏面側には、図3,図4に示すように、側面視L字状の突起512,512が前後(及び左右)にそれぞれ形成され、その底板511の後端は上方に屈曲されて弾性を有する舌片513が形成されている。前記底板511の後部の表面側には断面逆凹状の支持部材514が形成され、この支持部材514で片持ち支持される左右二条の舌片515,515がそれぞれ前部に向かって先下がりに形成されている。
なお、支持部材514と、舌片515,515とは、前記図2に示すように、ともにカセット基部510の左右側壁516,517内に配置されており、この舌片515,515でPTP錠剤シート900,900,・・・の端数分がチャッキングされるようになっている。ただし、前記舌片515の条数は二条に限定されず、一条でもよいし、三条以上であってもよい。
カセット本体520は、さらに複数のPTP錠剤シート900,900,・・・を積載可能な本体上部530と、この本体上部530の下部に一体となるように取り付けられた本体下部540とからなっている。
本体下部540は、カセット本体520のカセット基部510への組み立て状態で、該カセット基部510の左右側壁516,517内に埋没して配置されるものであるが、その単体で見ると、断面凹状の長尺形状をなした底板541上に前記本体上部530の一番下に積載されたPTP錠剤シート900を順次に取り出すための図略のリンク機構を備えている。
本体上部530は、図2〜図4に示すように、カセット本体520のカセット基部510への組み立て状態で、その後部から中間部にかけてカセット基部510の左右側壁516,517内に埋没して配置され、その中間部から前部にかけてカセット基部510の左右側壁516,517の上方に突出して配置される側面視L字状をなしており、当該突出させた前壁531が前端で互いに内側に屈曲されることにより、所定の間隙を介して対向配置されている。前壁531の上端同士は補強板532で互いに連結されている。
この本体上部530の後部には、棒状部材533が起伏可能に立設されており、PTP錠剤シート900,900,・・・の充填時に倒伏させて、前記前壁531間にPTP錠剤シート900,900,・・・を挟み込んだ状態で、この棒状部材533を起立させることで、各PTP錠剤シート900,900,・・・を整列させるようになっている。
チャッキングユニット400は、図1に示すように、キャリッジ本体310から前方(図1中のZ方向)に延びるZキャリッジ411と、このZキャリッジ411に配置されたロータリーソレノイド420と、このロータリーソレノイド420で駆動されるチャック430と、このチャック430の左右にそれぞれ配置された横ガイド440,440と、横ガイド440,440間の下部に設けられた一次バケット450と、この一次バケット450の前部に設けられたラインセンサー460と、一次バケット450の下方に設けられたシャッター470付きの二次バケット480とを備えている。Zキャリッジ411は、いずれも図示しないサーボモータと、ボールネジと、ナットとからなっている。
そして、PTP錠剤シート900の端数打ち抜きが不要である場合には、図示しないコントローラからの動作指令を受けて、チャッキングユニット400のチャック430が前方へ移動して、そのチャック430で直接に錠剤カセット500の押圧部材543を押圧することで、前記リンク機構の働きでもって図略の押出部材を前向きに移動させる。
この移動された押出部材で、錠剤カセット500の一番下側に積載されたPTP錠剤シート900の後端を押圧することにより、そのPTP錠剤シート900の先端が若干当該錠剤カセット500より突出して図3に示す状態から図4に示す状態となって、いわゆる頭出しがなされる。前記チャック430でその頭出しされたPTP錠剤シート900をチャッキングして前方に引っ張り出し、その引っ張り出したPTP錠剤シート900を一次バケット450内に落下させるためにチャック430によるチャッキングを解除する。Xキャリッジ300と、Yキャリッジ200とを用いて一次バケット450を二次バケット480上に移動させる。そして、一次バケット450の図示しない底部シャッターを開口して、PTP錠剤シート900を二次バケット480内に落下させる。ついで、二次バケット480の底部シャッター470を開口して、PTP錠剤シート900を搬送コンベアユニット800上に落下させる。
図5はカッティングユニット700の縦上刃740と横上刃750とがともにホームポジションにある状態を示す斜視図、図6はPTP錠剤シート900をカッティングしている状態を示す斜視図、図7は横上刃750をPTP錠剤シート900から引き抜いている状態を示す斜視図である。
このカッティングユニット700は、図5〜図7に示すように、正面視ロの字状のユニット本体710と、このユニット本体710の前部左右に立設されたスライドシャフト715と、所定の剛性を有する上部構造720に組み込まれたサーボモータ725と、このサーボモータ725でそれぞれ上下方向にスライド移動するように、前記左右のスライドシャフト715,715に架設され、縦上刃(縦刃、カッタ刃に相当する。)740と横上刃750(横刃、カッタ刃に相当する。)とを取り付けた上刃取り付け部材735と、この上刃取り付け部材735の縦上刃740と横上刃750とにそれぞれ対向配置された、縦下刃760と横下刃770とを取り付けた下刃取り付けテーブル(ベースに相当する。)780と、この下刃取り付けテーブル780の上方に配置された規制部材785と、下刃取り付けテーブル780の切り欠き部の下方に配置されたトレイ790と、このトレイ790内に図略のPTP錠剤シートのカット片等を落とし込む払出機構730とを備えている。
さらに詳しく説明すると、ユニット本体710は、底板と、この底板の左右両側に立設された側板と、この側板で支持された天板とからなっているが、この天板は前記下刃取り付けテーブル780を構成している。
上刃取り付け部材735には、その下部に縦上刃740が着脱可能に垂設されており、前記下部に横上刃750が着脱可能に垂設されている。また、この上刃取り付け部材735は、図略のラックアンドピニオン機構を介して前記サーボモータ725の回転により上下方向に駆動されるようになっている。
下刃取り付けテーブル780には、その上部に縦下刃760が水平に取り付けされており、前記上部に横下刃770が水平に取り付けられている。縦下刃760には、前記縦上刃740が挿脱可能な縦溝が形成されており、横下刃770には、前記横上刃750が挿脱可能な横溝が形成されている。
図8はチャッキングユニットのチャックでPTP錠剤シートがチャッキングされる様子を示す図であって、(a)は平面図、(b)は側面図である。前記縦上刃740のカット長さは、図8(a)に示すような、採用薬品のPTP錠剤シート900における最小のミシン目940のピッチpに基づいて設定し、横上刃750のカット長さは、採用薬品のPTP錠剤シート900における最大幅よりも若干長く設定している。
PTP錠剤シート900は、例えば図8(a)(b)に示すように、複数の錠剤ピース(カッティングユニット700でカットされる最小単位である。)901,901,・・・が互いに繋がってマトリックス状に配置されている。通常、縦上刃740と横上刃750とでPTP錠剤シート900のカッティング動作を行う場合には、PTP錠剤シート900のカッティング動作の順番を工夫して、カット片970が複数化して錠剤ピース901,901,・・・がばらばらにならないようにしている。
また、下刃取り付けテーブル780の左右には、前記上部構造720が取り付けられており、この上部構造720の左右壁の所定高さ位置に、左右水平部材721,722が互いに対向するように突出している。
図9は規制部材785の詳細構造を示す図である。
図9に示すように、規制部材785は、前記下刃取り付けテーブル780と平行に設置される長尺の部材本体7851と、この部材本体7851の前記横上刃750の移動ルート中に、該横上刃750が通過可能な大きさの切り欠き部7853と、この部材本体7851の前記縦上刃740の移動ルート中に、該縦上刃740が通過可能な大きさの切り欠き部7854とを有するものである。
そして、部材本体7851は、図中の背面側で上方に折り返して補強部7852を構成している。部材本体7851の左端手前側で上方に折り返して左側取り付け部7855を構成し、この左側取り付け部7855の左端付近に取り付け孔7856を設けている。この取り付け孔7856に、図略のビス等を介して、前記下刃取り付けテーブル780の左水平部材721に固定されるようになっている。
また、部材本体7851の右端で上方に折り返して右側取り付け部7857を構成し、この右側取り付け部7857の中央付近に取り付け孔7858を設けている。この取り付け孔7858に、図略のビス等を介して、前記下刃取り付けテーブル780の右水平部材722に固定されるようになっている。
以下、カッティングユニット700とチャッキングユニット400との連係動作を説明する。図10はカッティングユニット700でPTP錠剤シート900をカッティングしている状態を示す側面図、図11はチャッキングユニット400でPTP錠剤シート900を、カッティングユニット700の横上刃750とともに上昇させている状態を示す側面図、図12は規制部材785にPTP錠剤シート900を当接させたまま、カッティングユニット700の横上刃をさらに上昇させている状態を示す側面図である。なお、初期状態は、前記図5に示したように、縦上刃740と横上刃750とがともにホームポジションにあり、前記図6に示すように、PTP錠剤シート900が挿入されているものとする。
そして、図示しない制御装置で処方箋データに応じてカッティングするべきPTP錠剤シート900の端数が計算され、この計算値に応じた図示しないコントローラからの動作指令信号を受けてサーボモータ725が回転する。これにより、縦上刃740と縦下刃760とによるカッティングを行うものとする。この場合、当該サーボモータ725が回転すると、前記ラックアンドピニオン機構を介して、上刃取り付け部材735が水平状態を保ったまま下がって、横上刃750と縦上刃740とが同時に押し下げられる。
ここでは、PTP錠剤シート900の幅方向のカッティングが必要な場合であるので、チャック430が横上刃750と横下刃770との間にPTP錠剤シート900を移動させている。この状態で、図10に示すように、横上刃750を押し下げて、横下刃770の図略の横溝に挿入することでPTP錠剤シート900のミシン目940に沿って切り込み950を入れることになる(図8(a)を参照)。
図10中のh1はPTP錠剤シート900の最大高さ、h2は下刃取り付けテーブル780の上面から規制部材785の下面までの距離を示す。したがって、ここでは、チャック430の上方移動量h=h2−h1となる。
いま、サーボモータ725を前記と逆向きに回転させると、前記ラックアンドピニオン機構を介して、上刃取り付け部材735が水平状態を保ったまま上がって、横上刃750と縦上刃740とが押し上げられる。これと同時に、図11に示すように、チャック430でPTP錠剤シート900をチャックしたまま移動量hだけ持ち上げる。すると、PTP錠剤シート900のシートポケット上端が規制部材785の下面に当接する。
サーボモータ725を前記と逆向きに回転させつづけると、前記ラックアンドピニオン機構を介して、上刃取り付け部材735が水平状態を保ったままさらに上がって、横上刃750と縦上刃740とがさらに押し上げられる。このときには、図12に示すように、PTP錠剤シート900のシートポケット上端が規制部材785の下面に当接したままであるので、PTP錠剤シート900から横上刃750が引き離されることとなる。このときの状態は前記図7に示したとおりである。
ついで、PTP錠剤シート900の幅方向と直角方向のカッティングが必要な場合には、縦上刃740によるカッティングを行う。この場合には、チャッキングユニット400のチャック430が縦上刃740と縦下刃760との間にPTP錠剤シート900を移動させるので、図8(a)に示したような、ミシン目940と直角方向にそのピッチpに対応する量だけ切り込み960を入れることになる。このようにしてPTP錠剤シート900に切り込み950,950,960をいれると、チャック430で挟み込んだPTP錠剤シート900のみが端数シート(残部)980となる。
そして、PTP錠剤シート900の端数打ち抜きが必要である場合には、前述したように、チャッキングユニット400のチャック430で錠剤カセット500の押圧部材543を押圧して図略のリンク機構で図略の押出部材を前向きに移動させる。
この移動された押出部材で、錠剤カセット500の一番下側に積載されたPTP錠剤シート900の後端を押圧することにより、そのPTP錠剤シート900の頭出しがなされる。前記チャック430でその頭出しされたPTP錠剤シート900をチャッキングして前方に引っ張り出し、今度はその引っ張り出したPTP錠剤シート900をチャッキングしたまま、カッティングユニット700に搬送する。
ここで、PTP錠剤シート900の端数打ち抜きを行うが、具体的には、図8(a)(b)に示すように、PTP錠剤シート900は、アルミ箔製のシート本体裏面915上に錠剤920を所定数載せた状態で透明な合成樹脂性のシート本体表面910が被覆されて一体となっている。このシート本体表面910側には所定ピッチpでミシン目940,940,・・・が付されており、その端部にはチャッキングユニット400のチャック430でチャッキングするための耳部930が設けられているのが通常である。
この場合には、チャック430の上刃431と下刃432とでPTP錠剤シート900の耳部930を挟み込んでPTP錠剤シート900を、第一の所定位置に移動させる。そして、処方箋データに従った錠剤の端数を得るために、PTP錠剤シート900のミシン目940と直角方向に縦上刃740を押し下げることで、縦下刃760に挿入してPTP錠剤シート900の幅方向と直角方向のカッティングを行う。このときの切り込みを図8(a)中の960で示している。
さらに、PTP錠剤シート900を、第二、第三の所定位置にそれぞれ移動させた上で、PTP錠剤シート900のあるミシン目940,970に沿って横上刃750を押し下げることで、横下刃770に挿入してPTP錠剤シート900の幅方向のカッティングを行う。このときの切り込みを図8(a)中の950,950で示している。
このようにして、当該打ち抜いた端数分のPTP錠剤シート(カット片)970は錠剤ピース901,901,・・・を3個含んでいるが、これらの錠剤ピース901,901,・・・は互いに繋がっている。
このカット片970は、カッティングユニット700の払出機構730の働きにより、トレイ790を介して搬送コンベアユニット800上に落下させるようになっている。
前記PTP錠剤シート900の端数打ち抜きを行った残部980は、チャック430でチャッキングしたまま、もとの錠剤カセット500に戻す。その残部980は、カセット基部510の舌片515,515下の残部収納部515aに頭出しした状態で挿入して収納される。
この残部収納部515aに収納されたPTP錠剤シート900の残部980は、その後、前記チャック430でその頭出しされたPTP錠剤シート900の残部980をチャッキングして前方に引っ張り出して、ラインセンサー460で形状をチェックする。そして、PTP錠剤シート900の残部980のさらなる端数打ち抜きが不要である場合には、そのPTP錠剤シート900の残部980を、一次バケット450内に落下させるためにチャック430によるチャッキングを解除する。Xキャリッジ300と、Yキャリッジ200を用いて一次バケット450を二次バケット480上に移動させる。そして、一次バケット450の図示しない底部シャッターを開口して、PTP錠剤シート900を二次バケット480内に落下させる。ついで、二次バケット480の底部シャッター470を開口して、PTP錠剤シート900を搬送コンベアユニット800上に落下させる。
一方、PTP錠剤シート900の残部980のさらなる端数打ち抜きが必要である場合にも、前述したように、前記チャック430でカセット基部510の舌片515,515下の残部収納部515aから、その頭出しされたPTP錠剤シート900の残部980をチャッキングして前方に引っ張り出す。その引っ張り出したPTP錠剤シート900の残部980をチャッキングしたまま、カッティングユニット700に搬送する。そして、前記縦上刃740と横上刃750とを用いて、PTP錠剤シート900残部980のさらなる端数打ち抜きを行って、当該打ち抜いたさらなるカット片970を前述のようにして搬送コンベアユニット800上に落下させる。
一方、前記PTP錠剤シート900のさらなる端数打ち抜きを行った残部980は、チャック430でチャッキングしたまま、もとの錠剤カセット500に戻す。その残部980は、カセット基部510の舌片515,515下の残部収納部515aに頭出しした状態で挿入して収納される。
このようにして、錠剤カセット500に積載されたPTP錠剤シート900はその端数まで無駄なく調剤に供されることとなる。
搬送コンベアユニット800は、ローラ群等801と、このローラ群等801で前後・左右方向に移動される錠剤取出バケット802,802とを備えている。そして、前記二次バケット480からシャッター470を介して落下したPTP錠剤シート900又はその残部980は、ローラ群等801で前後・左右方向に移動され、錠剤取出バケット802,802のいずれかに落下されるようになっている。
一方、前記カッティングユニット700から落下したPTP錠剤シート900の残部980又はさらなる残部980も、同様に、ローラ群等801で前後・左右方向に移動され、錠剤取出バケット802,802のいずれかに落下される。
このようにして、錠剤取出バケット802,802には、調剤されたPTP錠剤シート900又はその残部980が収納されるようになっている。
この実施形態によれば、チャッキングユニット400を用いて縦上刃740と横上刃750でカッティングを行ったPTP錠剤シート900を、縦上刃740と横上刃750とともに押し上げ、下刃取り付けテーブル780上方の所定位置に設置された規制部材785で、PTP錠剤シート900のさらなる押し上げを規制する一方、縦上刃740と横上刃750とのさらなる押し上げを許可するようにしたので、縦上刃740又は横上刃750と一緒にPTP錠剤シートが持ち上げられた場合でもあっても、そのPTP錠剤シート900が、規制部材785で縦上刃740又は横上刃750から引き離されることとなり、次の動作に支障がでることがなくなる。したがって、カッティング動作を迅速に行うことができるようになり、その結果、作業効率が大幅に向上する。
しかも、ここでは縦上刃740及び横上刃750とは別駆動のリテーナを用いていないので、装置が複雑化し、コストアップを招くといった問題もなく、そのリテーナの取り付けスペースが不要となって装置が大型化するといった問題もない。その結果、簡単な構成で省スペース化を図ることができるようになる。さらに、本発明者らによる先行発明のように、PTP錠剤シートのシートポケットとシートポケットとの間に入り込むような形状を採用していないので、万一シートポケットの位置がずれたとしても、そのシートポケットを圧潰してしまうおそれがない。
なお、上記実施形態では、左右に2台のカセット棚600,600を配置しているが、前後に配置することとしてもよいし、1台、或いは3台以上のカセット棚を配置することとしてもよい。その場合には、各キャリッジ、チャッキングユニット、カッティングユニット等の台数もこれに対応したものとするのが作業効率の点から好ましい。
また、上記実施形態では、各PTP錠剤カセット500,500,・・・は、カセット棚600の棚板602上に、該各PTP錠剤カセット500,500,・・・の幅方向に列設されているが、この棚板は静止した平板状のものに限定されず、例えば所定の軸心まわりに回転する円筒形状のものであってもよい。その場合には、チャッキングユニット400を、この回転する棚板上に搭載された各PTP錠剤カセット500,500,・・・に対して相対移動させることで足りる。
本発明の一実施形態に係る調剤装置の主たる構成要素を示す分解斜視図である。 錠剤カセットのチャッキングユニットに臨む側から見た斜視図である。 錠剤カセットのシート頭出し前の状態を示す側断面図である。 錠剤カセットのシート頭出し時の状態を示す側断面図である。 カッティングユニットの縦上刃横上刃とがともにホームポジションにある状態を示す斜視図である。 PTP錠剤シートをカッティングしている状態を示す斜視図である。 横上刃をPTP錠剤シートから引き抜いている状態を示す斜視図である。 チャッキングユニットのチャックでPTP錠剤シートがチャッキングされる様子を示す図であって、(a)は平面図、(b)は側面図である。 規制部材785の詳細構造を示す斜視図である。 カッティングユニットでPTP錠剤シートをカッティングしている状態を示す側面図である。 チャッキングユニットでPTP錠剤シートを、カッティングユニットの横上刃750とともに上昇させている状態を示す側面図である。 規制部材にPTP錠剤シートを当接させたまま、カッティングユニットの横上刃をさらに上昇させている状態を示す側面図である。
符号の説明
1 調剤装置
100 装置本体
200 Yキャリッジ
300 Xキャリッジ
400 チャッキングユニット(チャッキング機構に相当する。)
500 錠剤カセット
600 カセット棚
700 カッティングユニット(カッティング機構に相当する。)
710 ユニット本体
715 スライドシャフト
720 上部構造
735 上刃取り付け部材
740 縦上刃(縦刃、カッタ刃に相当する。)
750 横上刃(横刃、カッタ刃に相当する。)
760 縦下刃
770 横下刃
780 下刃取り付けテーブル(ベースに相当する。)
785 規制部材
7851 部材本体
7853,7854 切り欠き部
800 搬送コンベアユニット
900 PTP錠剤シート(錠剤シートに相当する。)

Claims (5)

  1. チャッキング機構を用いてカッタ刃とベースとの間に錠剤シートを挿入し、このカッタ刃をベースに対して相対的に移動させることにより、該錠剤シートのカッティングを行う調剤装置のカッティング機構であって、
    前記ベースに固定され、前記カッタ刃の移動ルート中の所定位置で、錠剤シートの移動を規制する規制部材を備え、
    前記カッタ刃でカッティングを行った錠剤シートを、該カッタ刃とともに前記チャッキング機構を用いて前記カッティング時とは逆方向に移動させることを特徴とする調剤装置のカッティング機構。
  2. 前記所定位置は、錠剤シートの最大高さ以上で、かつ前記カッタ刃の先端が前記ベースから最も離間した距離以下となる位置であることを特徴とする請求項1記載の調剤装置のカッティング機構。
  3. 前記カッタ刃でカッティングを行った錠剤シートを、該錠剤シートが規制部材に当接するまで、カッタ刃とともに前記チャッキング機構を用いて移動させることを特徴とする請求項1又は2記載の調剤装置のカッティング機構。
  4. 前記規制部材は、前記ベースと平行に設置された部材本体と、この部材本体の前記カッタ刃の移動ルート中に、該カッタ刃が通過可能な大きさの切り欠き部とを有するものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の調剤装置のカッティング機構。
  5. 前記カッタ刃は、錠剤シートの幅方向と直角方向のカッティングを行うための縦刃と、該錠剤シートの幅方向のカッティングを行うための横刃とを別個に備えており、前記規制部材の部材本体は、この縦刃と横刃とにそれぞれ対応する部位に前記切り欠き部を有することを特徴とする請求項4記載の調剤装置のカッティング機構。
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