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JP4202685B2 - 紙キャリアテープ用カバーテープ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、チップ型電子部品を搬送するための紙キャリアテープに熱接着されて使用されるカバーテープに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、小型電子部品を収納する収納ポケットを連続的に形成したプラスチック製キャリアテープに熱シールして使用するカバーテープにおいて、プラスチックフィルム層とシーラント層と帯電防止層の3層からなる構成のカバーテープとしては、例えば、特開平7−251860号公報に記載されているような、2軸延伸ポリエステル等からなる透明熱可塑性樹脂フィルム層と、低融点ポリエステルや低融点ポリエチレン、ポリプロピレン等からなるシーラント層と、平均粒径0.1μm以下の錫、アンチモン及び/又はインジュウムの酸化物微粒子20〜80重量%と透明樹脂80〜15重量%とからなり104 〜107 Ωの表面抵抗値を有する帯電防止層を備えたカバーテープが知られている。
【0003】
しかしながら、上記の構成のカバーテープでは、帯電防止層が、ホリビニルアルコール系、ポリエチレングリコール系、ポリエステルポリオール系、ポリオレフィン系等からなる透明樹脂と、平均粒径0.1μm以下の錫、アンチモン及び/又はインジュウムの酸化物微粒子からなる構成であり、金属酸化物微粒子を含む帯電防止層であるため価格が高くなるとともに、帯電防止層をシーラント層面にコーテイング等により形成する工程の作業性が良くないという欠点がある。また、紙キャリアテープとの熱接着性及び易剥離性の点で問題があるという欠点を有している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、紙キャリアテープへの熱接着性、易剥離性、帯電防止性が優れるとともに、低コスト化が可能な紙キャリアテープ用のカバーテープを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
プラスチックフィルム層とポリエチレン層と帯電防止接着層を有する積層体からなるカバーテープとすることにより、帯電防止性が優れるので、紙キャリアテープからカバーテープを剥離して内容物である電子部品を取り出す際に、剥離帯電による電子部品のカバーテープへの付着及び電子部品の静電破壊を防止できるとともに、紙キャリアテープからカバーテープを剥離する際の剥離強度が安定しているので、紙キャリアテープからカバーテープを剥離する際に紙キャリアテープに収納されている電子部品が飛び出すのを防止することができる。また、カバーテープの熱接着性樹脂層としてEVA、EMAA等からなる樹脂に必要に応じて粘着性付与剤を添加した樹脂を使用した構成のものと比較してカバーテープの低コスト化を図ることができる。
【0006】
上記のカバーテープにおいて、帯電防止接着層が4級アンモニウム塩型カチオン系界面活性剤をアクリル系樹脂に分散した組成物により、0.5〜1.0μmの厚さに形成されたものである構成とすることにより、帯電防止性に優れるとともに紙キャリアテープとの熱接着性及び易剥離性に優れたカバーテープとすることができる。
【0007】
上記のカバーテープにおいて、積層体が、プラスチックフィルム層とポリエチレン層間に帯電防止層が形成され、帯電防止層が、側鎖にカルボキシル基及び4級アンモニウム塩基を有する帯電防止剤により形成された構成とすることにより、カバーテープの帯電防止性を更に優れたものとすることができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、図面を用いて本発明の実施の形態を説明する。
図1は本発明の第1実施形態の積層構成を示す図、図2は本発明の第2実施形態の積層構成を示す図であって、1はプラスチックフィルム層、2はポリエチレン層、3は帯電防止接着層、4は帯電防止層をそれぞれ表す。
【0009】
本発明の第1実施形態の積層構成は、図1に示すとおりであり、外面から順にプラスチックフィルム層1とポリエチレン層2と帯電防止接着層3が積層された構成である。ポリエチレン層2面に帯電防止接着層3を形成することにより、カバーテープの帯電防止性、及び紙キャリアテープに熱接着した際の熱接着性、易剥離性を優れたものとすることができる。
【0010】
本発明の第2実施形態の積層構成は、図2に示すとおりであって、外面から順にプラスチックフィルム層1と帯電防止層4とポリエチレン層2と帯電防止接着層3が積層された構成である。積層体のプラスチックフィルム層1とポリエチレン層2間に帯電防止層4を形成することにより、カバーテープの帯電防止性を更に優れたものとすることができる。
【0011】
プラスチックフィルム層1としては、2軸延伸ポリエチレンテレフタレート、2軸延伸ポリプロピレン、2軸延伸ナイロン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンナスタレート、ポリカーボネート等を使用することができる。ポリエチレン層2としては低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、メタロセンポリエチレン等が使用できる。
【0012】
帯電防止接着層3は、4級アンモニウム塩型カチオン系界面活性剤をアクリル系樹脂に分散させた組成物により形成される。アクリル系樹脂としては、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、エチレン−メタクリル酸エステル共重合体等を使用することができる。これらのアクリル系樹脂はバージン紙や再生紙からなる紙キャリアテープへの熱接着性及び易剥離性が優れている。上記の樹脂からなる水性エマルジョンに4級アンモニウム塩型カチオン系界面活性剤を0.1〜2.0%添加した組成物をグラビア印刷、コーテイング等によりポリエチレン層2面に厚さが0.5〜1.0μmとなるように塗布して形成される。
【0013】
帯電防止層4としては、例えば、特許第2608383号に記載されているような、側鎖に、少なくとも、カルボキシル基及び4級アンモニウム塩基を有する静電誘導防止性を有する架橋性重合体からなる接着プライマーを使用することができる。
【0014】
プラスチックフィルム層1に上記の接着プライマーを塗布した後に、イソシアネート系のアンカーコートを行ってポリエチレンを押出ラミネーションによりポリエチレン層2を積層するか、ないしはプラスチックフィルム層1に上記の接着プライマーを塗布した後に、ウレタン系接着剤を使用したドライラミネーションによりポリエチレンフィルムを積層することによりポリエチレン層2を積層した後に、ポリエチレン層2面に帯電防止接着層3を塗布することにより積層体を作製することができる。
【0015】
実施例1
片面にコロナ処理を施した厚さ25μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムのコロナ処理面に、ウレタン系接着剤を酢酸エチルにて15倍に希釈調整したアンカーコート剤をコーテイングし、溶融押出し加工によりポリエチレンを25μmの厚さに積層した。ポリエチレンを積層する際にポリエチレンの表面をオゾン処理した。その後、オゾン処理したポリエチレン表面に、4級アンモニウム塩型カチオン系界面活性剤をアクリル系樹脂に分散させた帯電防止接着剤(コルコート (株) 、コルコートNR−121X−9)を使用して1.0μmの厚さに塗布し、2軸延伸ポリエチレンテレフタレート25μm/アンカーコート/ポリエチレン25μm/オゾン処理/帯電防止接着層1.0μmからなる構成のカバーテープを作製した。
【0016】
実施例2
片面にコロナ処理を施した厚さ25μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムのコロナ処理面に、側鎖にカルボキシル基及び4級アンモニウム塩基を有する帯電防止剤(アルテック(株)、ボンディップ)を塗布し、その後、ウレタン系接着剤を酢酸エチルにて15倍に希釈調整したアンカーコート剤をコーテイングし、溶融押出し加工によりポリエチレンを25μmの厚さに積層した。ポリエチレンを積層する際にポリエチレンの表面をオゾン処理した。その後、オゾン処理したポリエチレン表面に、4級アンモニウム塩型カチオン系界面活性剤をアクリル系樹脂に分散させた帯電防止接着剤(コルコート (株) 、コルコートNR−121X−9)を使用して1.0μmの厚さに塗布し、2軸延伸ポリエチレンテレフタレート25μm/帯電防止層/アンカーコート/ポリエチレン25μm/オゾン処理/帯電防止接着層1.0μmからなる構成のカバーテープを作製した。
【0017】
比較例1
片面にコロナ処理を施した厚さ25μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムのコロナ処理面に、側鎖にカルボキシル基及び4級アンモニウム塩基を有する帯電防止剤(アルテック(株)、ボンディップ)を塗布し、その後、ウレタン系接着剤を酢酸エチルにて15倍に希釈調整したアンカーコート剤をコーテイングし、溶融押出し加工によりポリエチレンを25μmの厚さに積層して、2軸延伸ポリエチレンテレフタレート25μm/帯電防止層/アンカーコート/ポリエチレン25μmからなる構成のカバーテープを作製した。
【0018】
Figure 0004202685
シール強度測定
カバーテープとキャリアテープを5.25mm幅の短冊状にカットし、幅1mmのバーが3mm間隔で2本平行に並んでいるヒートシーラーを使用。
シール条件
160℃×0.6kgf/cm2 ×0.2s
剥離条件
180°剥離、剥離速度:300mm/分
【0019】
【発明の効果】
プラスチックフィルム層とポリエチレン層と帯電防止接着層が積層された構成からなり、帯電防止接着層が4級アンモニウム塩型カチオン系界面活性剤をアクリル系樹脂に分散した組成物により、0.5〜1.0μmの厚さに形成された構成のカバーテープとすることにより、帯電防止性が優れるので、紙キャリアテープからカバーテープを剥離して内容物である電子部品を取り出す際に、剥離帯電による電子部品のカバーテープへの付着及び電子部品の静電破壊を防止できるとともに、紙キャリアテープからカバーテープを剥離する際の剥離強度が安定しているので電子部品の飛び出しを防止することができる。また、カバーテープの熱接着性樹脂層としてEVA、EMAA等からなる樹脂に必要に応じて粘着性付与剤を添加した樹脂を使用した構成のものと比較してカバーテープの低コスト化を図ることができる。
【0020】
上記のカバーテープにおいて、積層体のプラスチックフィルム層とポリエチレン層間に帯電防止層を形成した構成とすることにより、カバーテープの帯電防止性を更に優れたものとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態の積層構成を示す図。
【図2】本発明の第2実施形態の積層構成を示す図。
【符号の説明】
1 プラスチックフィルム層
2 ポリエチレン層
3 帯電防止接着層
4 帯電防止層

Claims (2)

  1. チップ型電子部品を搬送するための紙キャリアテープに熱接着されて使用されるカバーテープであって、少なくともプラスチックフィルム層とポリエチレン層と帯電防止接着層を有する積層体からなり、前記帯電防止接着層が、4級アンモニウム塩型カチオン系界面活性剤をアクリル系樹脂に分散した組成物により0.5〜1.0μmの厚さに形成されたものであることを特徴とする紙キャリアテープ用カバーテープ。
  2. 前記積層体が、前記プラスチックフィルム層と前記ポリエチレン層間に帯電防止層が形成され、前記帯電防止層が、側鎖にカルボキシル基及び4級アンモニウム塩基を有する帯電防止剤により形成された構成からなることを特徴とする請求項1に記載の紙キャリアテプ用カバーテープ。
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