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JP2002283512A - ヒートシール積層体およびキャリアテープ包装体 - Google Patents

ヒートシール積層体およびキャリアテープ包装体

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JP2002283512A
JP2002283512A JP2001083965A JP2001083965A JP2002283512A JP 2002283512 A JP2002283512 A JP 2002283512A JP 2001083965 A JP2001083965 A JP 2001083965A JP 2001083965 A JP2001083965 A JP 2001083965A JP 2002283512 A JP2002283512 A JP 2002283512A
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Japan
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heat
heat seal
fine particles
resin
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JP2001083965A
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Isao Inoue
功 井上
Hiroko Takamori
寛子 高森
Masumi Momotome
麻純 百留
Kazuhito Fujii
和仁 藤井
Hideki Imamura
秀機 今村
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Dai Nippon Printing Co Ltd
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Dai Nippon Printing Co Ltd
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Priority to US09/980,803 priority patent/US6635343B2/en
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Priority to TW90107961A priority patent/TWI233621B/zh
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Priority to US10/631,561 priority patent/US6926956B2/en
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 内容物を視認できる程度の透明性を有すると
共に、クッション層とヒートシール層とを十分な強さで
接着することができるヒートシール積層体およびそれを
用いたキャリアテープ包装体を提供する。 【解決手段】 ヒートシール層5と、外層2と、ヒート
シール層5と外層2との間に配置されたクッション層4
と、ヒートシール層5とクッション層4との間に配置さ
れたプライマー層6とを少なくとも含むヒートシール積
層体1であって、そのプライマー層6を、スチレン−エ
チレン−ブチレン−スチレン共重合体0〜100重量%
と、酸変性されたスチレン−エチレン−ブチレン−スチ
レン共重合体100〜0重量%との樹脂組成物により形
成することによって、上記課題を解決する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カバーテープ用の
ヒートシール積層体およびそれを用いたキャリアテープ
包装体に関し、更に詳しくは、静電気により破損しやす
い電子製品、特にチップ型電子製品、部品実装済みの電
子回路基板等の保管、輸送、装着時に用いられるキャリ
アテープ包装体の蓋体に好適に用いられるヒートシール
積層体、およびそれを用いたキャリアテープ包装体に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、ICを始めとして、トランジスタ
ー、ダイオード、コンデンサー、圧電素子レジスター、
などの表面実装用チップ型電子部品は、電子部品の形状
に合わせて、収納しうるエンボス成形されたポケットを
連続的に形成したプラスチック製キャリアテープ(以
下、キャリアテープとする。)とこのキャリアテープに
ヒートシールされるキャリアテープ蓋体(以下、単に蓋
体とする場合がある。)とからなるキャリアテープ包装
体に包装されて供給されている。内容物の電子部品は、
上記キャリアテープ包装体の蓋体を剥離した後、キャリ
アテープから自動的に取り出され、電子回路基板に表面
実装されるようになっている。こうして使用されるキャ
リアテープ蓋体には、内容物が視認できる程度の透明性
が必要とされている。
【0003】キャリアテープ蓋体101としては、図3
に示すように、ヒートシール層105と、ポリエチレン
テレフタレート樹脂からなる外層102と、ヒートシー
ル層105と外層102との間に配置されたクッション
層104と、必要に応じて設けられる接着剤層103と
からなるヒートシール積層体101が検討されている。
こうしたキャリアテープ蓋体においては、オレフィン系
樹脂である直鎖状ポリエチレンと、スチレン系樹脂であ
るポリスチレンとからなるクッション層104が設けら
れているが、そうした直鎖状ポリエチレンとポリスチレ
ンとが混ざりにくいことから、クッション層104の透
明性が若干低下することがあり、より透明性が要求され
る用途に対してはさらなる検討が要求されている。
【0004】こうした要求に対しては、ポリスチレンを
抜いてクッション層の透明性を向上させることが検討さ
れた。しかし、そうして形成されたクッション層は、そ
のクッション層に隣接するヒートシール層との間で、十
分な接着性を得ることができないという問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題点
を解決するためになされたものであり、内容物を視認で
きる程度の透明性を有すると共に、クッション層とヒー
トシール層とを十分な強さで接着することができるヒー
トシール積層体およびそれを用いたキャリアテープ包装
体を提供することを主目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、ヒートシール層と、外層と、前記ヒートシール層と
外層との間に配置されたクッション層と、前記ヒートシ
ール層と前記クッション層との間に配置されたプライマ
ー層とを少なくとも含むヒートシール積層体であって、
前記プライマー層は、スチレン−エチレン−ブチレン−
スチレン共重合体0〜100重量%と、酸変性されたス
チレン−エチレン−ブチレン−スチレン共重合体100
〜0重量%との樹脂組成物により形成されていることに
特徴を有する。
【0007】この発明によれば、ヒートシール層とクッ
ション層との間に配置されたプライマー層を、スチレン
−エチレン−ブチレン−スチレン共重合体0〜100重
量%と、酸変性されたスチレン−エチレン−ブチレン−
スチレン共重合体100〜0重量%との樹脂組成物によ
り形成することによって、プライマー層とクッション層
との接着性を顕著に向上させることができると共に、プ
ライマー層とヒートシール層との接着性も向上させるこ
とができる。その結果、本発明のヒートシール積層体
は、こうしたプライマー層を介することによって、クッ
ション層とヒートシール層とを十分な強さで接着するこ
とができる。こうした特徴を有する本発明のヒートシー
ル積層体は、特に、クッション層とヒートシール層との
間のデラミネーションを抑制することが要求されるキャ
リアテープ蓋材や、クッション層とヒートシール層との
接着性を向上させることが要求されるキャリアテープ蓋
材に好ましく適用することができる。したがって、本発
明のヒートシール積層体をキャリアテープ蓋材に適用す
れば、クッション層とヒートシール層との間のデラミネ
ーションが抑制されるので、キャリアテープにヒートシ
ールされた蓋体を剥離した際の美感を向上させることが
でき、また、クッション層とヒートシール層との接着性
を向上させることができるので、蓋体の接着力を適度な
強度以上に調整することができる。
【0008】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
のヒートシール積層体において、前記プライマー層を形
成する樹脂組成物には、アクリルゴムが樹脂組成物全体
の60重量%以下の割合で添加されていることに特徴を
有する。
【0009】この発明によれば、アクリルゴムを樹脂組
成物全体の60重量%以下の割合で添加することによ
り、上述したプライマー層の作用をより一層発揮させる
ことができ、接着性をさらに向上させることができる。
【0010】請求項3に記載の発明は、請求項1または
請求項2に記載のヒートシール積層体において、前記ク
ッション層は、結晶化度が低い高分子材料を主成分とす
る層であることに特徴を有する。
【0011】この発明によれば、クッション層が結晶化
度が低い高分子材料を主成分とすることにより、ヒート
シール積層体の製造工程においてクッション層の収縮を
抑えることができる。これにより、クッション層の収縮
に起因するヒートシール積層体のカールを防止すること
ができ、作業性が良好となる。
【0012】請求項4に記載の発明は、請求項1または
請求項2に記載のヒートシール積層体において、前記ク
ッション層は、密度が0.900〜0.910g/cm
3 の範囲内であり、かつ重量平均分子量が20,000
〜100,000の範囲内であるポリオレフィンで形成
された層であることに特徴を有する。
【0013】この発明によれば、クッション層として、
このような材料を選択することにより、クッション性が
向上する。その結果、クッション層としての厚みを低減
することが可能となる。このようにクッション層の厚み
を低減させることにより、製造時のクッション層の収縮
を減少させることが可能であり、結果として得られるヒ
ートシール積層体のカールを防止することができ、作業
性が向上する。
【0014】請求項5に記載の発明は、請求項1または
請求項2に記載のヒートシール積層体において、前記ヒ
ートシール層は、ヒートシール可能な合成樹脂に50%
粒径が1.0μm以下である導電性微粒子が少なくとも
分散されてなる透明導電性ヒートシール材によって形成
されていることに特徴を有する。
【0015】この発明によれば、ヒートシール層が、ヒ
ートシール可能な合成樹脂に、50%粒径が1.0μm
以下の導電性微粒子が分散されてなる透明導電性ヒート
シール材によって形成されているので、導電性を有しか
つ透明性に優れたヒートシール材とすることができる。
【0016】請求項6に記載の発明は、請求項5に記載
のヒートシール積層体において、前記透明導電性ヒート
シール材の表面抵抗率が、104 〜1012Ω/□である
ことに特徴を有する。
【0017】請求項7に記載の発明は、請求項5または
請求項6に記載のヒートシール積層体において、前記透
明導電性ヒートシール材の光学的特性が、前記各層を積
層してなるヒートシール積層体における全光線透過率が
70%以上、かつヘイズ25%以下となるような光学的
特性であることに特徴を有する。
【0018】請求項6および請求項7の発明によれば、
上記の特性からなる透明導電性ヒートシール材によって
形成されたヒートシール層を有するヒートシール積層体
を、最も好適な用途であるキャリアテープの蓋体に用い
た場合、優れた帯電防止特性および光学特性を発揮させ
ることができる。
【0019】請求項8に記載の発明は、請求項5乃至請
求項7の何れかに記載のヒートシール積層体において、
前記導電性微粒子が、球状または針状の微粒子であるこ
とに特徴を有する。
【0020】この発明によれば、導電性微粒子が針状で
あるので、ヒートシール可能な合成樹脂内に分散された
各微粒子間の接触が保たれている可能性が高く、少量で
も全体としての電気抵抗を下げる効果がある。また、導
電性微粒子が球状であってもよく、全体としての電気抵
抗を下げる効果がある。さらに透明性も良好であること
から、透明性を保ちつつ帯電防止効果を向上させるには
好ましい材料である。
【0021】請求項9に記載の発明は、請求項8に記載
のヒートシール積層体において、前記導電性微粒子が、
金属酸化物に導電性を付与した微粒子であることに特徴
を有する。
【0022】請求項10に記載の発明は、請求項9に記
載のヒートシール積層体において、前記金属酸化物に導
電性を付与した微粒子が、アンチモンドーピング酸化錫
の球状または針状粉末であることに特徴を有する。
【0023】請求項9および請求項10の発明によれ
ば、導電性微粒子の粉末として、金属酸化物に導電性を
付与した微粒子、中でもアンチモンドーピング酸化錫の
球状または針状粉末が、入手の容易性、性能面等を考慮
した場合に特に好ましい。
【0024】請求項11に記載の発明は、請求項5乃至
請求項10のいずれかに記載のヒートシール積層体にお
いて、前記ヒートシール可能な合成樹脂が、ポリエステ
ル樹脂、ポリウレタン樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共
重合体樹脂、アクリル樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重
合体樹脂のいずれかまたはこれらの組合せからなること
に特徴を有する。
【0025】請求項12に記載の発明は、請求項1乃至
請求項11のいずれかに記載のヒートシール積層体にお
いて、キャリアテープ蓋体として使用されることに特徴
を有する。
【0026】この発明によれば、ヒートシール積層体を
キャリアテープ蓋体として使用するので、キャリアテー
プにヒートシールされた際に、良好な帯電防止性能を有
しつつ、内容物の視認も行うことができるという効果を
奏する。
【0027】請求項13に記載の発明は、請求項1乃至
請求項12の何れかに記載のヒートシール積層体を、被
包装体を収納する収納部を連続的に有するキャリアテー
プにヒートシールしてなることに特徴を有する。
【0028】この発明によれば、上述したようなヒート
シール積層体を有するので、被包装体に対して静電気放
電等による破損を与えることがなく、かつ内容物を視認
することができるという効果を奏する。
【0029】
【発明の実施の形態】本発明のヒートシール積層体は、
ヒートシール層と、外層と、そのヒートシール層と外層
との間に配置されたクッション層と、そのヒートシール
層とクッション層との間に配置されたプライマー層とを
少なくとも含むヒートシール積層体であって、その特徴
とするところは、プライマー層が、スチレン−エチレン
−ブチレン−スチレン共重合体0〜100重量%と、酸
変性されたスチレン−エチレン−ブチレン−スチレン共
重合体100〜0重量%との樹脂組成物により形成され
ていることにある。
【0030】こうした特徴を有する本発明によれば、プ
ライマー層とクッション層との接着性を顕著に向上させ
ることができると共に、プライマー層とヒートシール層
との接着性も向上させることができる。その結果、本発
明のヒートシール積層体は、こうしたプライマー層を介
することによって、クッション層とヒートシール層とを
十分な強さで接着することができるという効果を奏す
る。
【0031】以下、本発明のヒートシール積層体および
それを構成する各層について順次詳しく説明する。
【0032】図1は本発明のヒートシール積層体1の一
例を示す概略断面図である。図1において、ヒートシー
ル積層体1は、外層2と、接着層3を介して外層2に順
に積層されたクッション層4と、プライマー層6と、ヒ
ートシール層5とを備えている。上記図1に示す例にお
いては、クッション層4と外層2との間に接着層3が形
成されているが、この接着層3は必要に応じて形成され
る層であり、本発明においては必須の層ではない。
【0033】(外層)図1において、外層2は、二軸延
伸樹脂フィルムで構成されるものであり、特にポリエチ
レンテレフタレート(PET)等のポリエステル樹脂、
ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂、ナイロン等の
ポリアミド樹脂等の二軸延伸フィルムで形成することが
できる。中でも、ポリエステルもしくはポリプロピレン
のいずれかの二軸延伸フィルムが好適に用いられる。こ
のように二軸延伸樹脂からなる外層を設けることによ
り、ヒートシール積層体に耐熱性を付与することができ
る。外層の厚さは、ヒートシール積層体の使用目的に応
じて適宜設定することができ、例えば3.5〜80μm
程度、望ましくは6〜50μmとすることができる。上
記範囲より薄い場合は、キャリアテープ包装体にヒート
シール積層体を適用した場合に、その強度が不足する可
能性があり、上記範囲より厚い場合は、ヒートシールが
困難となる可能性がある。
【0034】なお、この外層のクッション層側の面に、
必要に応じて予めコロナ処理、プラズマ処理、サンドブ
ラスト処理等の表面処理を施して接着性を高めてもよ
い。また、必要に応じて静電気発生防止処理を施したも
のも使用できる。
【0035】(接着層)図1において、外層2とクッシ
ョン層4との間に形成される接着層3は、低密度ポリエ
チレン、密度0.915〜0.940g/cm3 のエチ
レン−α・オレフィン共重合体、ポリエチレンビニルア
セテート共重合体、アイオノマー、ポリプロピレン、ポ
リブタジエン、ウレタン、ポリエステル、あるいは、そ
れらの変性物のいずれかであるポリオレフィン、イソシ
アネート系、イミン系の接着剤等により形成することが
でき、厚さは0.2〜60μm程度が好ましい。接着層
は、外層上に塗布あるいは押出し成形することができ、
この接着層上にクッション層をドライラミネーションあ
るいは押し出しラミネーションすることができる。な
お、この層は上述した通り必要に応じて形成される層で
ある。
【0036】(クッション層)次に、外層2とプライマ
ー層6との間に形成されるクッション層4について説明
する。本発明のヒートシール積層体1に用いられるクッ
ション層としては、従来よりヒートシール積層体のクッ
ション層(中間層)に用いられているものであれば特に
限定されるものではない。例えば、中密度・低密度ポリ
エチレン、直鎖状ポリエチレン、ポリエチレンビニルア
セテート共重合体、エチレン・メタクリル酸共重合体
(EMAA)、エチレン・メチルメタクリレート共重合
体(EMMA)、ポリプロピレン、アイオノマー、スチ
レン−ブタジエン−スチレン共重合体、スチレン−エチ
レン−ブチレン−スチレンブロック共重合体のいずれか
もしくは混合体からなるクッション層であって、厚みが
10〜100μm程度のものを挙げることができる。ま
たこのようなクッション層は、ドライラミネーション法
あるいは押し出しラミネーション法により形成すること
ができる。
【0037】しかしながら、本発明においては、以下に
説明するような態様のクッション層、すなわち、非結晶
性の樹脂を用いる態様(第1の態様)および低密度ポリ
オレフィンを用いる態様(第2の態様)のクッション層
が中でも好ましい。以下、それぞれの態様に分けて説明
する。
【0038】A.第1の態様 まず、本発明のヒートシール積層体1に好適に用いられ
るクッション層4の第1の態様について説明する。クッ
ション層としては従来よりポリエチレン樹脂等の結晶性
の樹脂が用いられていた。しかしながらこのような結晶
性の樹脂をクッション層に用いた場合、例えば、結晶性
の樹脂を押出ラミネーションにて外層上に積層する場
合、押出時の結晶化により基材がカールするといった問
題が発生する。また、クッション層としてこのような結
晶性の樹脂フィルムと外層のフィルムとをドライラミネ
ーションにて積層した場合でも、その後のプライマー層
や、ヒートシール層を塗工液を用いて積層する場合の乾
燥工程における熱により、上記クッション層に用いられ
ている結晶性の樹脂が収縮しカールが発生してしまうと
いう問題が生じる。
【0039】この第1の態様においては、このようなク
ッション層のカールを防止することにより、キャリアテ
ープにヒートシール積層体からなる蓋体を接着する工程
等における作業性を、より向上させることを目的として
なされたものであり、上記クッション層が、結晶化度が
低い高分子材料を主成分とする層とすることを特徴とす
るものである。
【0040】結晶化度が低い高分子材料を主成分とする
ことにより、ヒートシール積層体の製造工程においてク
ッション層の収縮を抑えることができる。これにより、
クッション層の収縮に起因するヒートシール積層体のカ
ールを防止することができ、作業性が良好となるからで
ある。
【0041】第1の態様において、結晶化度の低い高分
子材料とは、具体的には、アイオノマー、エチレン・メ
タクリル酸共重合体(EMAA)、エチレン・メチルメ
タクリレート共重合体(EMMA)、エチレン・メチル
アクリレート共重合体(EMA)、エチレン酢酸ビニル
共重合体(EVA)等を挙げることができる。
【0042】また、第1の態様においては、これらの結
晶化度の低い高分子材料をクッション層材の主成分とす
るものであるが、ここでいう主成分とは、上記結晶化度
の低い高分子材料のみを用いてクッション層を形成する
場合の他、用いる材料の種類にもよるが、結晶化度の低
い高分子材料を全体の50重量%以上、好ましくは60
重量%以上を用いている場合をも示すものである。
【0043】本態様におけるクッション層の肉厚は、上
述した従来のクッション層と同様に、10〜100μm
の範囲内で形成される。
【0044】このように結晶化度の低い高分子材料を主
成分としてクッション層を形成することにより、ヒート
シール積層体形成時において、ヒートシール積層体のカ
ールが生じることがなく、その後の作業性を向上させる
ことができる。
【0045】なお、このクッション層の第1の態様は、
プライマー層を介して、後述する透明導電性ヒートシー
ル材を用いたヒートシール層と組合せて用いる場合の
他、従来のヒートシール材からなるヒートシール層と組
合わせてヒートシール積層体としたものであってもよ
い。このような場合でも同様の効果を得ることができる
からである。
【0046】B.第2の態様 次に、本発明のヒートシール積層体に好適に用いられる
クッション層の第2の態様について説明する。第2の態
様も第1の態様と同様に、ヒートシール積層体のカール
を防止することを目的とする態様である。
【0047】すなわち、従来のクッション層は、ヒート
シール積層体のクッション性を確保するために所定の厚
みを有するものであり、このようなクッション層おいて
は、上記第1の態様に示すような種々の条件下におい
て、カールしてしまうといった問題があった。本態様に
おいては、クッション性の良好な材料を用いることによ
り、従来のクッション層と同等のクッション性を有しつ
つクッション層の厚みを薄くし、これによりクッション
層に起因するヒートシール積層体製造時のカールを軽減
・防止するようにしたものである。
【0048】本態様において、上記クッション層がクッ
ション性の良好な材料で形成されているところに特徴を
有するものであり、このようなクッション性の良好な材
料としては、密度が0.900〜0.910g/cm
3 、好ましくは0.901〜0.909g/cm3 範囲
内であり、かつ重量平均分子量が20,000〜10
0,000の範囲内、好ましくは30,000〜90,
000の範囲内であるポリオレフィンを挙げることがで
きる。
【0049】このような材料としては、具体的には、直
鎖状低密度ポリエチレン等を挙げることができる。
【0050】なお、このクッション層の第2の態様は、
上記第1態様と同様にプライマー層を介して、後述する
透明導電性ヒートシール材を用いたヒートシール層と組
合せて用いる場合の他、従来のヒートシール材からなる
ヒートシール層と組合わせてヒートシール積層体とした
ものであってもよい。このような場合でも同様の効果を
得ることができるからである。
【0051】(プライマー層)本発明においては、上記
ヒートシール層5と上記クッション層4との間にプライ
マー層6を設けたことに特徴を有する。特に、クッショ
ン層4とヒートシール層5との間のデラミネーションを
抑制することが要求される場合や、クッション層4とヒ
ートシール層5との接着性を向上させることが要求され
る場合に、好ましく適用することができる。
【0052】プライマー層6が設けられたヒートシール
積層体1は、クッション層4とヒートシール層5との間
のデラミネーションが抑制されるので、蓋体として使用
した場合、キャリアテープにヒートシールされた蓋体を
剥離した際の美感を向上させることができ、また、クッ
ション層4とヒートシール層5との接着性を向上させる
ことができるので、ヒートシール積層体からなる蓋体の
接着力を適度な強度以上に調整することができる。さら
に、ヒートシール積層体を蓋体としてキャリアテープに
ヒートシールする際においては、こうしたプライマー層
を設けることによって、デラミネーションや接着力に及
ぼすヒートシール条件の影響を緩和することができると
いう効果もある。
【0053】このようなプライマー層は、オレフィン、
変性オレフィン、ウレタン、変性ウレタン、水素化SB
Sもしくはこれらの混合物から形成することができる。
【0054】このうち、プライマー層を形成するための
好ましい樹脂組成物としては、スチレン−エチレン−ブ
チレン−スチレン共重合体(SEBS)0〜100重量
%と、酸変性されたスチレン−エチレン−ブチレン−ス
チレン共重合体100〜0重量%との樹脂組成物を挙げ
ることができる。スチレン−エチレン−ブチレン−スチ
レン共重合体と、酸変性されたスチレン−エチレン−ブ
チレン−スチレン共重合体とは、それぞれ単独でも好ま
しく用いることができるが、それらを上記範囲で混合さ
せて用いることによって、プライマー層とクッション層
との接着性を顕著に向上させることができると共に、プ
ライマー層とヒートシール層との接着性も向上させるこ
とができる。その結果、本発明のヒートシール積層体
は、こうしたプライマー層を介することによって、クッ
ション層とヒートシール層とを十分な強さで接着するこ
とができる。さらに、この樹脂組成物には、アクリルゴ
ムが樹脂組成物全体の60重量%以下の割合で添加され
ていることが好ましい。アクリルゴムを樹脂組成物全体
の60重量%以下の割合で添加することにより、プライ
マー層の作用をより一層発揮させることができ、接着性
をさらに向上させることができる。
【0055】なお、上記のスチレン−エチレン−ブチレ
ン−スチレン共重合体は、水素添加されたスチレン−ブ
タジエン−スチレン共重合体のことであり、上記の酸変
性されたスチレン−エチレン−ブチレン−スチレン共重
合体は、酸変性率が1〜100%のスチレン−エチレン
−ブチレン−スチレン共重合体のことである。
【0056】アクリルゴムは、アクリル酸アルキルエス
テルを主成分としたゴムのことである。ここで、アクリ
ル酸エステルとしては、一般的に、エチルアクリレー
ト、ブチルアクリレート、メトキシエチルアクリレー
ト、アクリロニトリルなどを挙げることができる。ま
た、アクリルゴムを構成する架橋用官能基としては、2
−クロロエチルビニルエーテル、その他活性ハロゲン含
有モノマー(モノクロロ酢酸ビニル、アリルクロロアセ
テートなど)、エポキシ基含有モノマー(アリルグリシ
ジルエーテル、グリシジルメタアクリレートなど)、エ
チリデンノルボルネンなどを挙げることができる。
【0057】プライマー層の塗工量は、0.05〜2.
5g/m2 の範囲内が好ましく、特に0.1〜2.0g
/m2 の範囲内が好ましい。上記範囲より少ない場合
は、プライマー層としての効果が十分でなく、また上記
範囲より多い場合は、効果が変わらないことからコスト
面で問題となるからである。
【0058】(ヒートシール層)本発明のヒートシール積
層体1におけるヒートシール層5は、後述する透明導電
性ヒートシール材を用いて、上記のプライマー層6上に
形成される。
【0059】透明導電性ヒートシール材をヒートシール
層として用いる場合の塗工量は、0.1〜8g/m2
範囲内であることが好ましい。上記範囲より少ない場合
は、接着強度の面で問題が生じ、上記範囲より多く塗布
した場合でも、効果があまり変わらず、材料費の無駄等
のコスト面での問題となるからである。また、塗工方法
としては、特に限定されるものではないが、グラビアダ
イレクト法、もしくはグラビアリバース法等の既知の塗
工方法を用いることができる。なお、本発明において、
ヒートシール層には、必要に応じて分散安定剤、ブロッ
キング防止剤等の添加剤を含有させることができる。
【0060】次に、ヒートシール層を構成する透明導電
性ヒートシール材について詳しく説明する。
【0061】ヒートシール層を構成する透明導電性ヒー
トシール材は、ヒートシール可能な合成樹脂と、50%
粒径が1.0μm以下である導電性微粒子とを少なくと
も有し、上記導電性微粒子が上記合成樹脂に分散されて
なるものである。
【0062】本発明に用いられるヒートシール可能な合
成樹脂とは、一般的にヒートシール材として用いること
ができる樹脂であって、可視光域において透明なもので
あれば特に限定されるものではない。具体的には、ポリ
エステル樹脂、ポリウレタン樹脂、塩化ビニル−酢酸ビ
ニル共重合体樹脂、アクリル樹脂、エチレン−酢酸ビニ
ル共重合体樹脂のいずれかまたはこれらの組合せからな
る樹脂が用いられる。透明導電性ヒートシール材の主た
る用途であるキャリアテープ蓋体において、接着性およ
び強度等の面で最も好適に用いられているからである。
【0063】また、本発明に用いられる導電性微粒子と
しては、50%粒径が1.0μm以下のものが好まし
い。なお、ここで50%粒径とは、粒径分布において、
50%の粒子が含まれる粒径をいう。このような粒径を
有する導電性微粒子は、球状(粒状に同じ。)の微粒子
であっても、針状の微粒子であってもよい。針状の微粒
子は、同じ重量添加した場合の導電性および透明性が良
好であるので、特に好ましい。
【0064】導電性微粒子が針状の微粒子である場合に
は、50%粒径が0.40μm以下のものが好ましく、
特に0.36μm以下のもの、中でも0.32μm以下
のものが好ましい。このような粒径は、いずれも可視光
の短波長域以下であることから、透明性確保の面から好
ましいからである。ここで、針状とは、微粒子の長手方
向の長さと微粒子の幅との比率が、5:1以上のものを
いうこととする。
【0065】一方、導電性微粒子が球状の微粒子である
場合には、50%粒径が1.0μm以下のものが好まし
く、特に0.8μm以下のもの、中でも0.6μm以下
のものが好ましい。このような粒径からなる球状微粒子
は、透明性を確保することが可能であり、好ましく用い
ることができる。
【0066】本発明で用いる球状または針状の導電性微
粒子としては、導電性を有する微粒子であれば特に限定
されるものではなく、金、銀、ニッケル、アルミ、銅等
の金属微粒子、カーボンブラック微粒子、酸化錫、酸化
亜鉛および酸化チタン等の金属酸化物に導電性を付与し
た導電性微粒子、硫酸バリウムに導電性を付与した導電
性微粒子、硫化亜鉛、硫化銅、硫化カドミウム、硫化ニ
ッケル、硫化パラジウム等の硫化物に導電性を付与した
導電性微粒子等を挙げることができる。
【0067】本発明においては、中でも酸化錫、酸化亜
鉛、または酸化チタンの金属酸化物に導電性を付与した
ものが好適に用いられ、特にアンチモンドーピング酸化
錫の微粉末が特に好ましい。このようなアンチモンドー
ピング酸化錫としては、体積抵抗率が500Ω・m以
下、好ましくは100Ω・m以下のものが、導電性の確
保の点で最も好ましい。
【0068】透明電導性ヒートシール材は、上記ヒート
シール可能な合成樹脂に、上記導電性微粒子を混合、分
散させることにより製造されるものであり、種々の有機
系の分散剤等を用いて、均一に分散される。本発明にお
いては、導電性微粒子として球状または針状のアンチモ
ンドーピング酸化錫を採用し、ヒートシール可能な合成
樹脂としてアクリル樹脂を採用してなる透明導電性ヒー
トシール材が特に好ましい。
【0069】本発明における上記合成樹脂と導電性微粒
子との混合比は、導電性微粒子の種類、粒径等により異
なるが、通常上記合成樹脂100重量部に対して、導電
性微粒子が10〜1000重量部であり、好ましくは1
00〜800重量部である。導電性微粒子の量が上記範
囲より少ない場合は、導電性が不足し、帯電防止性能に
問題が生じる可能性があるため好ましくない。また、導
電性微粒子の量が、上記範囲より多い場合は、ヒートシ
ール性に問題が生じたり、上記合成樹脂への分散が困難
になる等の種々の問題が生じる可能性があることから好
ましくない。
【0070】このような、透明導電性ヒートシール材の
表面抵抗率は、104 〜1012Ω/□の範囲内であるこ
とが好ましく、特に好ましくは105 〜1012Ω/□の
範囲内、最も好ましくは106〜1011Ω/□の範囲内
である。上記範囲より低い場合は、帯電防止性能に問題
が生じる可能性があり、上記範囲より高い場合は、それ
以上の帯電防止性能は要求されておらず、コスト面での
問題となる場合があるからである。
【0071】また、透明導電性ヒートシール材の光学的
特性は、この透明導電性ヒートシール材と他の積層材と
を積層して得られる積層部材における全光線透過率が7
0%以上、かつヘイズ25%以下、好ましくは全光線透
過率が75%以上、かつヘイズ23%以下、特に好まし
くは全光線透過率が80%以上、かつヘイズ20%以下
の範囲内となるような光学的特性であることが好まし
い。
【0072】透明導電性ヒートシール材を用いる場合の
塗工量は、用途によって変化するが、一般的には0.1
〜8g/m2 の範囲内である。上記範囲より少ない場合
は、接着強度の面で問題が生じ、上記範囲より多く塗布
した場合でも、効果があまり変わらず、材料費の無駄等
のコスト面での問題となるからである。
【0073】このような透明導電性ヒートシール材は、
透明性と導電性(帯電防止性)とが必要とされるヒート
シール層であれば、いかなる用途にも用いることが可能
である。しかしながら、本発明においては、透明性と導
電性の両特性が必要とされ、現在問題となっている、キ
ャリアテープ蓋体のヒートシール層に用いることが特に
好ましい。
【0074】(ヒートシール積層体の製造方法)本発明
のヒートシール積層体の製造方法は、通常のフィルムの
積層方法を用いることにより製造することが可能であ
り、その製造方法に関しては特に限定されるものではな
い。
【0075】(ヒートシール積層体)このような本発明
のヒートシール積層体は、上述した透明導電性ヒートシ
ール材でヒートシール層が形成されているので、キャリ
アテープ蓋体とされて、キャリアテープ上にヒートシー
ルされてキャリアテープ包装体とされた場合でも、静電
気放電による内容物の損傷がなく、かつ内容物の視認に
問題が生じない。
【0076】なお、本発明のヒートシール積層体自体の
光学的特性としては、ヘイズが25%以下、全光線透過
率が70%以上であることが好ましく、特にヘイズが2
0%以下、全光線透過率が80%以上であることが好ま
しい。
【0077】(キャリアテープ包装体)上記ヒートシー
ル積層体をキャリアテープ蓋体とし、キャリアテープ上
にヒートシールれることによりキャリアテープ包装体と
して用いられる。例えば、図2に示すように、被包装体
を収納する収納部12を有するキャリアテープ11上
に、ヒートシール積層体からなるキャリアテープ蓋体
が、図2に示す例では、収納部12の両端部に所定の幅
でライン状とされたヒートシール部Hをヒートシールす
ることにより接着されてキャリアテープ包装体とされ
る。上記収納部は、図2にも示すように、通常エンボス
成形されたポケット状のものであり、キャリアテープの
長手方向に連続して多数形成されている。
【0078】このようなキャリアテープは、ポリ塩化ビ
ニル(PVC)、ポリスチレン(PS)、ポリエステル
(A−PET、PEN、PET−G、PCTA)、ポリ
プロピレン(PP)、ポリカーボネート(PC)、ポリ
アクリロニトリル(PAN)、アクリロニトリル−ブタ
ジエン−スチレン共重合体(ABS)等の樹脂、また
は、これらに静電気対策として導電性カーボン微粒子、
金属微粒子、酸化錫や酸化亜鉛、酸化チタン等の金属酸
化物に導電製を付与した導電製微粉末、Si系有機化合
物、界面活性剤を練り込んだり塗布したもの等を用いて
形成される。また、PS系樹脂シートまたはABS系樹
脂シートの片面あるいは両面にカーボンブラックを含有
したPS系またはABS系樹脂フィルムまたはシートを
共押出しにより一体的に積層してなる複合プラスチック
シートを形成したものも挙げられる。あるいは、導電性
処理として、プラスチックフィルム表面に、導電性高分
子を形成させたものも挙げることができる。
【0079】なお、本発明は、上記実施形態に限定され
るものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明
の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同
一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いか
なるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
【0080】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明
する。なお、本発明は以下の実施例に限定されるもので
はない。
【0081】[実施例1]厚さ12μm、帯電防止タイ
プの二軸延伸ポリエチレンテレフタレート(表1中では
PETで表す。)フィルム(外層)の片面に、イソシア
ネート系硬化剤を適量混合したウレタン系接着剤(表1
中ではウレタンで表す。)を4.0g/m 2 となるよう
にグラビアダイレクト法により塗工し(接着層)、さら
にシングルサイト触媒により重合した直鎖状ポリエチレ
ン(表1中ではLLで表す。)フィルム(クッション
層)30μmをドライラミネーションにて積層し、外層
上に接着層を介してクッション層が形成された基材を得
た。
【0082】上記基材のクッション層側の面に、プライ
マー層を形成する樹脂組成物であるスチレン−エチレン
−ブチレン−スチレン共重合体(表1中ではSEBSで
表す。)1.0g/m2 量をグラビアダイレクト法にて
塗工した。
【0083】アクリル系ヒートシール剤の固形分100
重量部に対し、50%粒径が0.05μmである導電性
針状酸化錫微粉末の固形分200重量部混合したものを
透明導電性ヒートシール材として、上記基材のクッショ
ン層側の面に、グラビアリバース法にて2.1g/m2
となるように塗工し(ヒートシール層)、ヒートシール
積層体を得た。
【0084】上記ヒートシール積層体は、表面抵抗率3
×107 Ω/□、全光線透過率90.3%、ヘイズ6.
4%であり、良好な帯電防止性能、および透明性を有し
ていた。
【0085】また、上記ヒートシール積層体を21.5
mm幅に細切してキャリアテープ蓋体とし、ポリスチレ
ン(PS)製のキャリアテープに、シール温度150℃
にてヒートシールしたところ、ピール強度は39gfと
なり、良好なピール強度を有していた。また、内容物を
容易に視認することができた。
【0086】[実施例2〜9]プライマー層を形成する
樹脂組成物とその塗工量を表1に示すものに変更した以
外は、実施例1と同様にして蓋体を得た。蓋体の評価結
果を表2にまとめる。
【0087】
【表1】
【0088】
【表2】 [実施例10]導電性微粒子を、50%粒径が1.0μ
mである球状の微粒子に変更し、その他の事項について
も表1に示すように変更した。それ以外は、実施例1と
同様にしてヒートシール積層体を得た。評価結果を表2
にまとめる。
【0089】(ヘイズおよび全光線透過率の測定条件)
スガ試験機(株)製カラーコンピューターSM−5SC
にて測定した。
【0090】(表面抵抗率の測定条件)22℃、40%
RH下において、三菱油化(株)製ハイレスタIPにて
測定した。
【0091】(ピール強度の測定条件)得られたヒート
シール積層体を21.5mm幅に細切りしてキャリアテ
ープ蓋材とし、24mm幅のポリスチレン(PS)製キ
ャリアテープとヒートシールし、ピール強度を測定し
た。
【0092】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のヒートシ
ール積層体によれば、プライマー層とクッション層との
接着性を顕著に向上させることができると共に、プライ
マー層とヒートシール層との接着性も向上させることが
できるので、こうしたプライマー層を介することによっ
て、クッション層とヒートシール層とを十分な強さで接
着することができる。こうした特徴を有する本発明のヒ
ートシール積層体は、特に、クッション層とヒートシー
ル層との間のデラミネーションを抑制することが要求さ
れるキャリアテープ蓋材や、クッション層とヒートシー
ル層との接着性を向上させることが要求されるキャリア
テープ蓋材に好ましく適用することができる。したがっ
て、本発明のヒートシール積層体をキャリアテープ蓋材
に適用すれば、クッション層とヒートシール層との間の
デラミネーションが抑制されるので、キャリアテープに
ヒートシールされた蓋体を剥離した際の美感を向上させ
ることができ、また、クッション層とヒートシール層と
の接着性を向上させることができるので、蓋体の接着力
を適度な強度以上に調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のヒートシール積層体の一例を示す概略
断面図である。
【図2】本発明のヒートシール積層体をキャリアテープ
上に熱融着した状態を示す斜視図である。
【図3】従来のヒートシール積層体の一例を示す概略断
面図である。
【符号の説明】
1…ヒートシール積層体 2…外層 3…接着剤層 4…クッション層 5…ヒートシール層 6…プライマー層
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B65D 85/86 C08K 3/00 4J040 C08K 3/00 7/00 7/00 C08L 101/00 C08L 101/00 C09J 153/00 C09J 153/00 B65D 85/38 M (72)発明者 百留 麻純 東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号 大日本印刷株式会社内 (72)発明者 藤井 和仁 東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号 大日本印刷株式会社内 (72)発明者 今村 秀機 東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号 大日本印刷株式会社内 Fターム(参考) 3E067 AA24 AB41 AC04 BA15A BB14A BB25A BC04A CA11 CA21 CA24 EA06 EB27 EC08 FA01 FC01 3E086 AA01 AB01 AC07 AD24 BA04 BA15 BA35 BB21 BB35 CA31 3E096 AA06 BA08 BB08 CA14 DA17 EA02X EA02Y EA11X EA11Y FA07 FA12 GA07 4F100 AA17A AA28A AA29A AA33A AK01A AK01C AK03C AK04 AK04D AK04J AK09D AK09J AK12D AK12J AK15A AK15J AK22A AK22J AK25 AK25A AK25D AK41A AK42 AK42B AK51A AK51G AK62C AK66C AK68A AL01A AL01D AL05D AL07D AN02 AN02D AR00A AR00C AR00D AT00B BA04 BA07 BA10A BA10B BA15 CB00 DA03 DE01A EH46 EJ38 EJ65D GB15 GB18 JA07C JA11C JA12C JA13C JG01A JG04A JK06 JK11C JL11 JL12A JN01A JN08A YY00A YY00C YY00D 4J002 BB061 BD051 BF021 BF031 BG001 CF001 CK021 DA036 DA076 DA086 DA096 DE096 DE106 DE136 DG026 DG046 FB076 FD116 GG02 4J040 CA072 DA031 DA041 DA152 DB041 DF042 DF052 DM011 DM012 JB01 LA06 MA10 MB03 NA06 NA19 PA03 PA30

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ヒートシール層と、外層と、前記ヒート
    シール層と外層との間に配置されたクッション層と、前
    記ヒートシール層と前記クッション層との間に配置され
    たプライマー層とを少なくとも含むヒートシール積層体
    であって、 前記プライマー層は、スチレン−エチレン−ブチレン−
    スチレン共重合体0〜100重量%と、酸変性されたス
    チレン−エチレン−ブチレン−スチレン共重合体100
    〜0重量%との樹脂組成物により形成されていることを
    特徴とするヒートシール積層体。
  2. 【請求項2】 前記プライマー層を形成する樹脂組成物
    には、アクリルゴムが樹脂組成物全体の60重量%以下
    の割合で添加されていることを特徴とする請求項1に記
    載のヒートシール積層体。
  3. 【請求項3】 前記クッション層は、結晶化度が低い高
    分子材料を主成分とする層であることを特徴とする請求
    項1または請求項2に記載のヒートシール積層体。
  4. 【請求項4】 前記クッション層は、密度が0.900
    〜0.910g/cm3 の範囲内であり、かつ重量平均
    分子量が20,000〜100,000の範囲内である
    ポリオレフィンで形成された層であることを特徴とする
    請求項1または請求項2に記載のヒートシール積層体。
  5. 【請求項5】 前記ヒートシール層は、ヒートシール可
    能な合成樹脂に50%粒径が1.0μm以下である導電
    性微粒子が少なくとも分散されてなる透明導電性ヒート
    シール材によって形成されていることを特徴とする請求
    項1または請求項2に記載のヒートシール積層体。
  6. 【請求項6】 前記透明導電性ヒートシール材の表面抵
    抗率が、104 〜1012Ω/□であることを特徴とする
    請求項5に記載のヒートシール積層体。
  7. 【請求項7】 前記透明導電性ヒートシール材の光学的
    特性が、前記各層を積層してなるヒートシール積層体に
    おける全光線透過率が70%以上、かつヘイズ25%以
    下となるような光学的特性であることを特徴とする請求
    項5または請求項6に記載のヒートシール積層体。
  8. 【請求項8】 前記導電性微粒子が、球状または針状の
    微粒子であることを特徴とする請求項5乃至請求項7の
    何れかに記載のヒートシール積層体。
  9. 【請求項9】 前記導電性微粒子が、金属酸化物に導電
    性を付与した微粒子であることを特徴とする請求項8に
    記載のヒートシール積層体。
  10. 【請求項10】 前記金属酸化物に導電性を付与した微
    粒子が、アンチモンドーピング酸化錫の球状または針状
    粉末であることを特徴とする請求項9に記載のヒートシ
    ール積層体。
  11. 【請求項11】 前記ヒートシール可能な合成樹脂が、
    ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、塩化ビニル−酢
    酸ビニル共重合体樹脂、アクリル樹脂、エチレン−酢酸
    ビニル共重合体樹脂のいずれかまたはこれらの組合せか
    らなることを特徴とする請求項5乃至請求項10のいず
    れかに記載のヒートシール積層体。
  12. 【請求項12】 キャリアテープ蓋体として使用される
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項11の何れかに記
    載のヒートシール積層体。
  13. 【請求項13】 前記請求項1乃至請求項12の何れか
    に記載のヒートシール積層体を、被包装体を収納する収
    納部を連続的に有するキャリアテープにヒートシールし
    てなることを特徴とするキャリアテープ包装体。
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