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JP4160319B2 - 歯科用切削装置及びサックバック防止方法 - Google Patents

歯科用切削装置及びサックバック防止方法 Download PDF

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JP4160319B2 JP2002135785A JP2002135785A JP4160319B2 JP 4160319 B2 JP4160319 B2 JP 4160319B2 JP 2002135785 A JP2002135785 A JP 2002135785A JP 2002135785 A JP2002135785 A JP 2002135785A JP 4160319 B2 JP4160319 B2 JP 4160319B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は歯科用切削装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、歯科用の空気式切削装置であるハンドピースはその先端にヘッド部を備えており、このヘッド部に必要な切削工具が着脱できる構成を採用している。また、ヘッド部の内部には、切削工具を保持する回転筒(ロータ軸)と、回転軸を支持する2つの軸受部と、これら2つの軸受部の間に配置された翼車が収容されており、ハンドピースのグリップ部内に配置されている給気路から供給される高圧空気を翼車に当てて切削工具に回転を与えている。また、グリップ部には排気路が形成されており、翼車に当たった高圧空気が排気路を介して放出されるようにしてある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、このような構成を有する空気式切削装置では、高圧空気の供給を停止しても、回転筒と翼車は惰性によってしばらく回転を続ける。そして、この回転によってヘッド部の内部に形成されている空間の空気が給気路と排気路に強制的に押し出され、この空間が負圧状態になる。また、回転筒や切削工具の外周に存在する隙間を通じて外部の空気がヘッド部の内部に吸引される。したがって、例えば歯科治療中に切削工具の回転を停止したとき、患者の唾液や血液、更には切削された歯粉が唾液等と共に、ヘッド部の内部に吸引される現象(サックバック現象)が発生する。
【0004】
このサックバック現象は従来から問題点として指摘されており、その解決策が種々提案されている。しかし、過去に提案された種々の方法はいずれも機構的に複雑であり、実際の適用に当たっては更に工夫の必要がある。また、切削工具に回転停止時に、給気路と排気路に圧力空気を供給する方式も提案されているが、装置本体の制御や構成が極めて複雑になるという問題がある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明は、簡単なヘッド部の改良によってサックバック現象を防止した歯科用切削装置を提供することを目的としてなされたもので、切削工具を保持する回転筒と該回転筒に外装されて固定された翼車をヘッド部に収容し、給気口から供給された空気を翼車に当てて該翼車に回転を与えるとともに、翼車に当たった空気を排気口から排出する歯科用切削装置において、上記ヘッド部は、上記翼車の外周端部に対向する部分に配置され、上記回転筒の中心軸から外側に向かって形成された第1の空隙と、上記中心軸の方向に関する上記翼車の一端側又は両端側に隣接すると共に上記第1の空隙に連通した第2の空隙とを有し、上記給気口からの空気の供給が停止された後の上記翼車の回転によって上記第 1 の空隙に上記空気が押し込まれて高圧空気を形成し、上記高圧空気が上記第2の空隙を介して外部に放出されるようにしたことを特徴とする。
【0006】
本発明の他の形態は、切削工具を保持する回転筒と該回転筒に外装されて固定された翼車をヘッド部に収容し、給気口から供給された空気を翼車に当てて該翼車に回転を与えるとともに、翼車に当たった空気を排気口から排出する歯科用切削装置において、上記ヘッド部は、上記翼車の外周端部に対向し、上記翼車の回転方向に関して上記排気から上記給気口の間の領域に配置され、上記回転筒の中心軸から外側に向かって形成された第1の空隙と、上記中心軸の方向に関する上記翼車の一端側又は両端側に隣接すると共に上記第1の空隙に連通した第2の空隙とを有し、上記給気口からの空気の供給が停止された後の上記翼車の回転によって上記第1の空隙に上記空気が押し込まれて高圧空気を形成し、上記高圧空気が上記第2の空隙を介して外部に放出されるようにしたことを特徴とする。
【0007】
本発明の他の形態は、切削工具を保持する回転筒と、上記回転筒を支持する2つの軸受部と、上記2つの軸受部の間に配置されると共に上記回転筒に外装されて固定された翼車をヘッド部に収容し、給気口から供給された空気を翼車に当てて該翼車に回転を与えるとともに、翼車に当たった空気を排気口から排出する歯科用切削装置において、上記ヘッド部は、上記翼車の外周端部に対向する部分に配置され、上記回転筒の中心軸から外側に向かって形成された第1の空隙と、上記中心軸の方向に関する上記翼車の少なくとも一端側に隣接すると共に上記第1の空隙に連通した第2の空隙と、上記中心軸の方向に関する上記翼車の他端側に配置され、上記2つの軸受部と上記翼車を収容する空室と外部空間との間をシールするシール部材とを備えており、上記給気口からの空気の供給が停止された後の上記翼車の回転によって上記第 1 の空隙に上記空気が押し込まれて高圧空気を形成し、上記高圧空気が上記第2の空隙を介して外部に放出されるようにしていることを特徴とする
【0008】
本発明の他の形態は、切削工具を保持する回転筒と、上記回転筒を支持する2つの軸受部と、上記2つの軸受部の間に配置されると共に上記回転筒に外装されて固定された翼車をヘッド部に収容し、給気口から供給された空気を翼車に当てて該翼車に回転を与えるとともに、翼車に当たった空気を排気口から排出する歯科用切削装置において、上記ヘッド部は、上記翼車の外周端部に対向し、上記翼車の回転方向に関して上記排気から上記給気口の間の領域に配置され、上記回転筒の中心軸から外側に向かって形成された第1の空隙と、上記中心軸の方向に関する上記翼車の一端側又は両端側に隣接すると共に上記第1の空隙に連通した第2の空隙と、上記中心軸の方向に関する上記翼車の他端側に配置され、上記2つの軸受部と上記翼車を収容する空室と外部空間との間をシールするシール部材とを備えており上記給気口からの空気の供給が停止された後の上記翼車の回転によって上記第1の空隙に上記空気が押し込まれて高圧空気を形成し、上記高圧空気が上記第2の空隙を介して外部に放出されるようにしたことを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】
実施の形態1:
図1と図2は、本発明に係る歯科用切削装置であるハンドピース1の先端に設けたヘッド部11を拡大した図である。図示するように、ヘッド部11は、図示しない把持部(グリップ部)に接続される軸部11と、軸部11の先端に設けたハウジング12を有する。
【0010】
ハウジング12は、椀型のアウターハウジング13と、このアウターハウジング13の内側に着脱可能に装着された椀型のインナーハウジング14と、インナーハウジング14の上部に配置されたトップハウジング15を備えており、これらインナーハウジング14とトップハウジング15の内側に空室16が形成されている。空室16の上下には上部軸受部17と下部軸受部18が配置されており、それぞれトップハウジング15とインナーハウジング14に保持されている。上部軸受部17と下部軸受部18は、ハウジング12の中心軸19と同軸的に配置された回転筒(ロータ軸)20を回転自在に支持している。回転筒20は、上部軸受部17と下部軸受部18の間に配置された翼車21を保持しており、これら回転筒20と翼車21が中心軸19を中心として回転するようにしてある。また、回転筒20の下部は、アウターハウジング13とインナーハウジング14の下部にそれぞれ形成されている開口部を介して外部空間に露出しており、回転筒20にはその下端から切削工具22が挿入できるようにしてある。さらに、アウターハウジング13の上部開口部は、トップハウジング15の上に配置されたキャップ23によって閉鎖されている。
【0011】
把持部に接続される軸部11には、インナーハウジング14とアウターハウジング13を貫通して給気路24と排気路25が形成されている。図2に示すように、本実施の形態では翼車21が図2の時計回り方向に回転するように設計されており、そのために給気路24は回転方向上流側から下流側に向けて空気を噴き出すように方向付けられている。また、給気路24と排気路25の間の領域には、インナーハウジング14を貫通してアウターハウジング13内に拡大された外周空隙(第1の空隙)26が形成されている。図2に詳細に示すように、本実施の形態において、外周空隙26は、中心軸19と平行な平面内で略長方形の断面を有する。また、図1に示すように、外周空隙26は、中心軸19から外側に向かって、翼車21の回転方向下流側に傾斜して形成されている。その傾斜角度、具体的には中心軸19と外周空隙26の側壁との交角θは、約50〜80度に設定するのが好ましい。また、翼車21の上下、具体的には中心軸19と平行な方向にある翼車の端部(上下端部)に隣接する領域に、上部空隙(第2の空隙)27と下部空隙(第2の空隙)28が形成されており、これら上部空隙27と下部空隙29は外周空隙26の上部と下部にそれぞれ接続されている。
【0012】
このように構成されたハンドピース1によれば、給気路24を介して空室16内に供給された高圧空気は翼車21に当たって該翼車21を図2の時計回り方向に回転する。また、高圧空気は翼車21と共に中心軸19の回りを時計回り方向に移動し、排気路25から排気される。一方、翼車21の回転は、回転筒20を介して切削工具22に伝達される。したがって、この状態から高圧空気の供給を停止すると、翼車21に加わる回転力は消滅するが、慣性によって翼車21はしばらく回転を続ける。そのため、翼車21の回転と共に空室16内を回転する空気は、遠心力によって給気路24と排気路25に押し込まれるだけでなく外周空隙26に押し込まれ、この外周空隙26内に高圧空気を形成する。この外周空隙26に形成された高圧空気は、図1に示すように外周空隙26の上部と下部に連通している上部空隙27と下部空隙29に戻され、上部軸受部17と下部軸受部18を介して、トップハウジング15と回転筒20との上部隙間29、及びインナーハウジング14及びアウターハウジング13と回転筒20との下部隙間30から外部に放出される。そのため、上部隙間29と下部隙間30は実質的にエアシールされることになり、上部隙間29や下部隙間30を通じて、外部の空気、更に歯科治療中であれば口腔内の唾液や血液などが空室16内に侵入することが防止される。
【0013】
なお、以上の説明では、翼車21の上下にそれぞれ上部空隙27と下部空隙29を形成したが、例えば図示する実施の形態のようにアウターハウジング13の上部開口部がキャップ29等によって十分にシールされている場合には、このシールされている側の空隙は無くてもよい。
【0014】
また、本実施の形態では歯車状の翼車21を採用しているが、翼車の形状や大きさ等はいかなるものであってもよい。
【0015】
実施の形態2:
図3は、実施の形態2に係る歯科用切削装置であるハンドピース101の一部、特に術者が手にとって握る把持部102の一部と、この把持部102の先端に取り付けたヘッド部103を拡大した図である。図示するように、把持部102は、先端(図面上左側の端部)に開口部を有する筒状部材からなる。一方、ヘッド部103は、概略、筒状部材の先端開口部に挿入されて固定された軸部104と、以下に説明する軸受機構等を収容するハウジング105を有する。
【0016】
ハウジング105は、軸部104と一体的に構成された椀型のアウターハウジング106と、このアウターハウジング106の内側に着脱可能に装着された椀型のインナーハウジング107と、インナーハウジング107の上部開口部に装着された環状のトップハウジング108を有し、インナーハウジング107とトップハウジング108の内側に空室109が形成されている。空室109の上下には上部軸受部110と下部軸受部111が配置されており、それぞれトップハウジング108とインナーハウジング107に保持されている。上部軸受部110と下部軸受部111は、ハウジング105の中心軸112と同軸的に配置された回転筒(ロータ軸)113を回転自在に支持している。回転筒113は、上部軸受部110と下部軸受部111の間に配置された翼車114を保持しており、これら回転筒113と翼車114が中心軸112を中心として回転するようにしてある。また、回転筒113の下部は、アウターハウジング106とインナーハウジング107の下部にそれぞれ形成されている開口部を介して外部空間に露出しており、回転筒113にはその下端から切削工具115が挿入できるようにしてある。さらに、アウターハウジング106の上部開口部には保持リング116が着脱可能に嵌め込まれており、この保持リング116によってトップハウジング108が位置決めされている。保持リング116はまた、トップハウジング108を覆うキャップ117を保持している。
【0017】
翼車114は、外周上部に形成された上段ブレード部118と、外周下部に形成された下段ブレード部119を有する。本明細書では翼車114の構成は詳細に説明しないが、この翼車114には特開2001−162416号公報に開示されている二段式の翼車が好適に利用できる。一方、上段ブレード部118に対向するインナーハウジング107と軸部104の部分には給気路120、121が形成されている。また、下段ブレード部119に対向するインナーハウジング107と軸部104の部分には排気路122、123が形成されている。そして、インナーハウジング107の内面には、上段ブレード部118と下段ブレード部119にそれぞれ流体的に連結する空気路124が形成されている。
【0018】
インナーハウジング107はまた、下段ブレード部119の外周端部に対向する部分に、このインナーハウジング107を貫通する複数の外周空隙(第1の空隙)125が形成されている。このように外周空隙125はインナーハウジング107を貫通しているので、このインナーハウジング107の外側から容易に形成することができる。また、図4、5に詳細に示すように、本実施の形態では翼車114が矢印方向に回転するように設計されており、そのために外周空隙125は、中心軸112から外側に向かって、翼車114の回転方向下流側に傾斜して形成されている。その傾斜角度、具体的には中心軸112と外周空隙125の側壁126との交角θは、約50〜80度に設定するのが好ましい。また、翼車114の下、具体的には中心軸112と平行な方向にある翼車の下端部に隣接する領域に下部空隙(第2の空隙)127が形成されており、この下部空隙127は外周空隙125の下部に接続されている。
【0019】
一方、トップハウジング108と上部軸受部110との間には、回転筒113の外周面に対向する環状溝128が形成されており、この環状溝128に収容された弾性の環状シール(リップシール)129〔図6参照〕によって、トップハウジング108と回転筒113との隙間がシールされている。
【0020】
本実施の形態において、リップシール129はゴム成形品からなり、図6に詳細に示すように、環状基部129aと、この環状基部129aの内周面から径方向内側に向かって突出する薄肉部129bを有する。薄肉部129bは、その内周先端部129cに向かって次第に厚みが薄くなるように形成されており、この内周先端部129cの内径が回転筒113の外径よりも僅かに小さくしてある。そして、図7に示すように、上部軸受部110の上に配置されたリップシール129はその内周先端部129cが上に向いた状態で回転筒113の外周面に接触し、また下部軸受部111の下に配置されたリップシール129はその内周先端部129cが下に向いた状態で回転筒113の外周面に接触した状態で、環状溝128に収容されている。したがって、空室109に高圧空気が供給され該空室109の内圧が高くなっている状態では、この内圧によってリップシール129の内周先端部129cが外側に向かって容易に変形して回転筒114から離れ、この変形した内周先端部129cと回転筒114との間に形成された隙間を介して、空室109の高圧空気が外部空間に流れる。そのため、回転筒114の回転時に該回転筒114はリップシール129から抵抗を受けることがなく、正常な回転が保証される。
【0021】
その他、アウターハウジング106の底部には複数の注水孔130が等間隔に形成されている。これらの注水孔130は、インナーハウジング107に対向する内面に形成された環状水路131によって相互に接続されているとともに、軸部104に形成された給水路(図示せず)に接続されている。
【0022】
以上の構成を備えたハンドピース101によれば、把持部102に収容されている給水管(図示せず)を介して供給された水は、軸部104の給水路とハウジング105の環状水路131を介して複数の注水孔130から切削工具115の先端に向けて噴射される。また、把持部102に収容されている給気管(図示せず)を介して供給された高圧空気は、軸部104とインナーハウジング107の給気路121、120を介して、翼車114の上段ブレード部118に当てられる。また、上段ブレード部118に当たった高圧空気は、空気路124を介して下段ブレード部119に当てられる。その結果、翼車114に回転が与えられる共に、この翼車114を備えた回転筒113が回転する。また、回転筒113に保持された切削工具115が回転する。
【0023】
次に、高圧空気の供給を停止すると、翼車114に加わる回転力は消滅するが、慣性によって翼車114はしばらく回転を続ける。そのため、翼車114の回転と共に空室109内を回転する空気は、遠心力によって給気路120、121と排気路123、124に押し込まれるだけでなく外周空隙125に押し込まれ、この外周空隙125内に高圧空気を形成する。この外周空隙125に形成された高圧空気は、外周空隙125の下部に連通している下部空隙127に戻され、下部軸受部111を介して、インナーハウジング107と回転筒113との下部隙間から外部に放出される。そのため、下部隙間は実質的にエアシールされることになり、下部隙間を通じて、外部の空気、更に歯科治療中であれば口腔内の唾液や血液などが空室109内に侵入することが防止される。また、トップハウジング108と回転筒113との間は環状シール129によってシールされているので、それらの間から外部空気等が空室109内に侵入することもない。さらに、環状シール129は回転筒113と物理的に接触しており、翼車114の惰性による回転を抑止する効果もあり、そのために空室109に負圧が発生する時間が更に短くなり、サックバック防止の一助となる。加えて、高圧空気の供給を停止すると環状シール129が回転筒113と接触し、翼車114が素早く停止するので、診療時間の短縮にも繋がる。
【0024】
なお、本実施の形態では、トップハウジング108と回転筒113との間だけに環状シール129を設けたが、図7に示すように、下部軸受部111の下方に、インナーハウジング107と回転筒113との間をシールする環状シール129を設け、上述したエアシールと共に、インナーハウジング107と回転筒113との間から外部空気等が侵入するのを防止してもよい。
【0025】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、ヘッド部に特に複雑な構成を加えることなく、翼車の回転を止めたときに発生するサックバックによって唾液等がヘッド部の内部に侵入するのを効果的に禁止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施の形態1に係る歯科用切削装置の部分拡大断面図。
【図2】 図1に示す歯科用切削装置のII−II線断面図。
【図3】 実施の形態2に係る歯科用切削装置の部分断面図。
【図4】 インナーハウジングの斜視図。
【図5】 インナーハウジングの斜視図。
【図6】 環状シールの部分斜視図。
【図7】 実施の形態3に係る歯科用切削装置の部分断面図。
【符号の説明】
1:ハンドピース
10:ヘッド部
11:軸部
12:ハウジング
13:アウターハウジング
14:インナーハウジング
15:トップハウジング
16:空室
17:上部軸受部
18:下部軸受部
21:翼車
24:給気口
25:排気口
26:外周空隙(第1の空隙)
27:上部空隙(第2の空隙)
28:下部空隙(第2の空隙)

Claims (17)

  1. 切削工具を保持する回転筒と該回転筒に外装されて固定された翼車をヘッド部に収容し、給気口から供給された空気を翼車に当てて該翼車に回転を与えるとともに、翼車に当たった空気を排気口から排出する歯科用切削装置において、
    上記ヘッド部は、上記翼車の外周端部に対向する部分に配置され、上記回転筒の中心軸から外側に向かって形成された第1の空隙と、
    上記中心軸の方向に関する上記翼車の一端側又は両端側に隣接すると共に上記第1の空隙に連通した第2の空隙とを有し、
    上記給気口からの空気の供給が停止された後の上記翼車の回転によって上記第1の空隙に上記空気が押し込まれて高圧空気を形成し、上記高圧空気が上記第2の空隙を介して外部に放出されるようにしたことを特徴とする歯科用切削装置。
  2. 切削工具を保持する回転筒と該回転筒に外装されて固定された翼車をヘッド部に収容し、給気口から供給された空気を翼車に当てて該翼車に回転を与えるとともに、翼車に当たった空気を排気口から排出する歯科用切削装置において、
    上記ヘッド部は、
    上記翼車の外周端部に対向し、上記翼車の回転方向に関して上記排気から上記給気口の間の領域に配置され、上記回転筒の中心軸から外側に向かって形成された第1の空隙と、
    上記中心軸の方向に関する上記翼車の一端側又は両端側に隣接すると共に上記第1の空隙に連通した第2の空隙とを有し、
    上記給気口からの空気の供給が停止された後の上記翼車の回転によって上記第1の空隙に上記空気が押し込まれて高圧空気を形成し、上記高圧空気が上記第2の空隙を介して外部に放出されるようにしたことを特徴とする歯科用切削装置。
  3. 上記第1の空隙は、上記翼車の回転方向下流側に傾斜して形成されていることを特徴とする請求項1又は2の歯科用切削装置。
  4. 上記第1の空隙が複数形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかの歯科用切削装置。
  5. 上記第1の空隙は上記中心軸と平行な平面内で略長方形の断面を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一に記載の歯科用切削装置。
  6. 上記ヘッド部は、アウターハウジングと、上記アウターハウジングの内側に着脱自在に嵌め込まれたインナーハウジングとを備えており、上記第1の空隙が上記インナーハウジングに形成されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかの歯科用切削装置。
  7. 上記第1の空隙は上記インナーハウジングを貫通して形成されていることを特徴とする請求項6に記載の歯科用切削装置。
  8. 切削工具を保持する回転筒と、上記回転筒を支持する2つの軸受部と、上記2つの軸受部の間に配置されると共に上記回転筒に外装されて固定された翼車をヘッド部に収容し、給気口から供給された空気を翼車に当てて該翼車に回転を与えるとともに、翼車に当たった空気を排気口から排出する歯科用切削装置において、
    上記ヘッド部は、
    上記翼車の外周端部に対向する部分に配置され、上記回転筒の中心軸から外側に向かって形成された第1の空隙と、
    上記中心軸の方向に関する上記翼車の少なくとも一端側に隣接すると共に上記第1の空隙に連通した第2の空隙と、
    上記中心軸の方向に関する上記翼車の他端側に配置され、上記2つの軸受部と上記翼車を収容する空室と外部空間との間をシールするシール部材とを備えており、
    上記給気口からの空気の供給が停止された後の上記翼車の回転によって上記第1の空隙に上記空気が押し込まれて高圧空気を形成し、上記高圧空気が上記第2の空隙を介して外部に放出されるようにしていることを特徴とする歯科用切削装置。
  9. 切削工具を保持する回転筒と、上記回転筒を支持する2つの軸受部と、上記2つの軸受部の間に配置されると共に上記回転筒に外装されて固定された翼車をヘッド部に収容し、給気口から供給された空気を翼車に当てて該翼車に回転を与えるとともに、翼車に当たった空気を排気口から排出する歯科用切削装置において、
    上記ヘッド部は、
    上記翼車の外周端部に対向し、上記翼車の回転方向に関して上記排気から上記給気口の間の領域に配置され、上記回転筒の中心軸から外側に向かって形成された第1の空隙と、
    上記中心軸の方向に関する上記翼車の一端側又は両端側に隣接すると共に上記第1の空隙に連通した第2の空隙と、
    上記中心軸の方向に関する上記翼車の他端側に配置され、上記2つの軸受部と上記翼車を収容する空室と外部空間との間をシールするシール部材とを備えており
    上記給気口からの空気の供給が停止された後の上記翼車の回転によって上記第1の空隙に上記空気が押し込まれて高圧空気を形成し、上記高圧空気が上記第2の空隙を介して外部に放出されるようにしたことを特徴とする歯科用切削装置。
  10. 上記第1の空隙は、上記翼車の回転方向下流側に傾斜して形成されていることを特徴とする請求項8又は9の歯科用切削装置。
  11. 上記シール部材は、上記回転筒又は上記切削工具の外周面に周方向に接触し、上記ヘッド部の内部の圧力が高圧になると上記回転筒又は上記切削工具の外周面から離れて上記回転筒又は上記切削工具との間に隙間を形成することを特徴とする請求項8〜10のいずれかの歯科用切削装置。
  12. 上記第1の空隙が複数形成されていることを特徴とする請求項8〜11のいずれかの歯科用切削装置。
  13. 上記第1の空隙は上記中心軸と平行な平面内で略長方形の断面を有することを特徴とする請求項8〜12のいずれかの歯科用切削装置。
  14. 上記ヘッド部は、アウターハウジングと、上記アウターハウジングの内側に着脱自在に嵌め込まれたインナーハウジングとを備えており、上記第1の空隙が上記インナーハウジングに形成されていることを特徴とする請求項8〜13のいずれかの歯科用切削装置。
  15. 上記第1の空隙は上記インナーハウジングを貫通して形成されていることを特徴とする請求項14に記載の歯科用切削装置。
  16. 切削工具を保持する回転筒と該回転筒に外装されて固定された翼車をヘッド部に収容し、給気口から供給された空気を翼車に当てて該翼車に回転を与えるとともに、翼車に当たった空気を排気口から排出する歯科用切削装置におけるサックバック防止方法であって、
    上記歯科用切削装置は、上記ヘッド部が、上記翼車の外周端部に対向する部分に配置され且つ上記回転筒の中心軸から外側に向かって形成された第1の空隙と、上記中心軸の方向に関する上記翼車の一端側又は両端側に隣接すると共に上記第1の空隙に連通した第2の空隙とを備えており、
    上記給気口から空気を上記翼車に当てて上記翼車を回転し、
    上記給気口からの空気の供給が停止した後、上記翼車の回転によって上記第1の空隙に上記空気が押し込んで高圧空気を形成し、上記高圧空気を上記第2の空隙から外部に放出させることを特徴とする歯科用切削装置のサックバック防止方法。
  17. 上記第1の空隙は上記翼車の回転方向下流側に傾斜して形成されていることを特徴とする請求項16のサックバック防止方法。
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