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JP3122310B2 - 小型流体駆動タービンハンドピース - Google Patents

小型流体駆動タービンハンドピース

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JP3122310B2
JP3122310B2 JP06164799A JP16479994A JP3122310B2 JP 3122310 B2 JP3122310 B2 JP 3122310B2 JP 06164799 A JP06164799 A JP 06164799A JP 16479994 A JP16479994 A JP 16479994A JP 3122310 B2 JP3122310 B2 JP 3122310B2
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head
handpiece
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driven turbine
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昌 松井
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J Morita Manufaturing Corp
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、加工工作用や医療用な
どとして有用な小型の流体駆動タービン方式のハンドピ
ースに関する。更に詳しくは、本発明は、ハンドピース
の運転中もしくは停止時に、ハンドピースのヘッド部に
固定された切削工具などの工具軸の近傍部位にある切削
屑などの汚染物質に対して、これら汚染物質のヘッド内
部への吸込みを防止した小型流体駆動タービンハンドピ
ースに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より小型流体駆動タービンハンドピ
ースは、例えば、材料の切削加工に使用されたり、ある
いは医療用として ・外科(脳外科、成形外科、口腔外科、耳鼻科)におけ
る整形手術において、 ・歯科における口腔内治療において、 骨や歯牙の開削、切削、切断などに広く使用されている
ものである。
【0003】前記した小型流体駆動タービンハンドピー
スにおいて、例えばタービンの駆動媒体である加圧流体
として加圧空気を使用した歯科用の小型流体駆動タービ
ンハンドピースは、歯科用エアータービンハンドピース
と呼ばれ、その外観形状は、後述する本発明の技術的構
成の説明で引用する図1に示されるようなものである。
即ち、図1に示されるように、前記歯科用エアータービ
ンハンドピース(A)は、ヘッド部(H)と前記ヘッド
部(H)に連接したネック部(N)からなるものであ
る。そして前記ネック部(N)はヘッド部(H)内に配
設されたエアータービンへ加圧空気を給気、排気する機
構を内部に有するものである。図1において、(G)は
把持部(グリップ部)、(B)はエアータービンのロー
タ軸に固定保持された工具を示す。以下、説明の便宜の
ために、小型流体駆動タービンハンドピースの代表例と
して、タービンの駆動媒体として加圧空気を利用した前
記歯科用エアータービンハンドピースを例にとって従来
技術及び本発明を説明する。
【0004】いうまでもないことであるが、本発明にお
いて、タービンの駆動媒体は前記加圧空気に限定される
ものではない。例えば、タービンの駆動媒体としての加
圧流体は、加圧空気に限定されずに加圧液体、加圧蒸気
を含む加圧気体などの各種のものが使用される。従っ
て、以下の説明において加圧空気との関連で使用した給
気・給気口や排気・排気口という用語は、他の加圧流体
を適用するものにおいては供給・供給口や排出・排出口
に読みかえなければならないことはいうまでもないこと
である。また、本発明の小型流体駆動タービンハンドピ
ースの応用分野としては、前記した歯科用に限定されず
に広く材料の切削加工や医療用などの分野に応用される
ものである。更にまた、これら応用分野においてハンド
ピースということで手に把持されて使用される形態のも
のだけでなく、機器の一構成要素(部材、部品)として
使用されてもよいことはいうまでもないことである。
【0005】従来の歯科用エアータービンハンドピース
の構造について、特にそのヘッド部及び前記ヘッド部に
連接されたネック部(N)の内部構造について、後述す
る本発明の歯科用エアタービンハンドピース(A)の第
一実施態様を説明する図2を引用して説明する。なお、
従来技術の歯科用エアータービンハンドピースの構造を
本発明の第一実施態様に係る図2を引用して説明するの
は、図2に従来技術の問題点とその解決手段が明確にし
めされているからである。具体的には、図2において、
連通路(参照番号:4、41、42………)を除いたも
のが従来技術に属するものである。
【0006】図2に示されるように、この種のエアータ
ービンハンドピースのヘッド部(H)は、ヘッド本体
(1)内部のチャンバー(12)内に、周縁部にタービ
ンブレード(31)を有するタービンロータ軸(3)を
配置させるとともに、ヘッド本体(1)内部に前記ター
ビンロータ軸(3)を回転自在に軸受部(2)を介して
支承するものである。
【0007】図2に示されるように、前記ヘッド本体
(1)は、上部にヘッドキャップ(13)を有するもの
であり、かつ下部に下面部(14)を有するとともに前
記下面部(14)に前記タービンロータ軸(3)の下部
を突出させて配置するための開口部(141)を有する
もので構成される。また、図2に示されるように、前記
ヘッドキャップ(13)は、ヘッドキャップ(13)を
ヘッド本体(1)へ固定したり、タービンロータ軸
(3)から工具軸(5)を取り外すための穴部(13
1)を有するもので構成される。
【0008】図2に示されるように、前記タービンロー
タ軸(3)の軸心部には、歯科用切削工具などの工具軸
(5)が固定保持されて、各種の治療行為が行なわれ
る。前記工具軸(5)の周側部には、図示されるように
工具軸(5)を把持するためのチャック(51)が配設
される。図示のチャック(51)は摩擦式チャック機構
のものであるが、公知のワンタッチチャック機構のもの
であってもよいことはいうまでもないことである。な
お、前記チャック機構がワンタッチ式の場合、ヘッドキ
ャップ(13)として穴部(131)を持たないものが
使用されるが、ヘッド本体(1)とワンタッチチャック
機構の間に僅かに間隙部(機械部品の公差を含む。)が
形成されるものである。
【0009】図2に示されるように、前記軸受部(2)
は、内輪(内レース)(21)、外輪(外レース)(2
2)、ボール(23)、及びリテーナ(24)から成る
ボールベアリングより構成される玉軸受機構のものであ
る。なお、軸受部(2)の端部や側部には、前記した軸
剛性を高めるためのウェーブワッシャーや軸求芯のため
のO−リングなどの公知の機構が配設されてもよいこと
はいうまでもないことである。
【0010】図2に示されるように、前記ヘッド部
(H)に連接されるネック部(N)は、その本体(6)
の内部に前記チャンバー(12)への給気・排気システ
ムが配設される。具体的には、前記給気・排気システム
は、給気路(7)の給気口(7a)から加圧空気がチャ
ンバー(12)内へ噴射され、チャンバー(12)内の
加圧空気は排気口(8a)より排気路(8)へ導かれ、
系外へ排気されるようにように構成される。なお、図示
しないが、ネック部(N)の本体(6)内には、給水路
や照明用管路などが配設されてもよいことはいうまでも
ないことである。
【0011】従来の歯科用エアータービンハンドピース
の構造を示す図2において、特に留意すべき点は、構造
上、ハンドピースの運転停止時にヘッド本体の周辺外部
から切削屑などの汚染物質をヘッド内部に吸込みやすい
構造となっている点である。前記した汚染物質のヘッド
本体内部への侵入ルートは、前記した構造から明らかの
ように、ヘッド本体(1)の下面部(14)の開口部
(141)にタービンロータ軸(3)が配設されたとき
に形成される間隙(141a)、軸受部(2)とヘッド
キャップ(13)及びヘッド本体(1)部材との間に形
成される間隙(2a,2b)、ヘッドキャップ(13)
の開口部(131)などである。
【0012】前記汚染物質のヘッド本体内部への吸込み
は、この種の歯科用エアータービンハンドピースにおい
て、従来より問題視されて来たものである。前記汚染物
質のヘッド本体(1)内部のチャンバー内などへの吸込
みは、次の理由によるものである。即ち、ハンドピース
の運転停止時に、給気系を遮断してもタービンロータは
少しの時間、回転し続けるためチャンバー内が負圧にな
り、工具軸の近傍部位にある切削屑などの汚染物質がヘ
ッド本体(1)の内部に吸込まれることになる。
【0013】前記した汚染物質のハンドピース内への吸
込みを防止する一つの方法が、特開平5−42169号
公報に開示されている。これは、特に歯科用ハンドピー
スの運転操作時における切削屑等の異物のヘッド本体内
部への侵入防止に関するものである。前記提案による汚
染物質の具体的な侵入防止策は、以下の通りである。 (i) カートリッジケース(前記したヘッド本体に相当す
る)の下端面にバースリーブ(前記したタービンロータ
軸に相当する)の一端部を突出させる開口部を配設する
とともに、前記バースリーブの外周面と前記開口部の内
周面を同心円状に隔離させる。 (ii) そして、前記同心円状の離隔部において、所定の
部材、即ち固定仕切部材、回転仕切部材(防塵ディス
ク)、及びディスクカバーの三部材を使用し、互いに連
通状態でかつリング状に第1間隙、第2間隙及び第3間
隙が形成されるように配設する。 前記(i)(ii) の構成により、バースリーブの回転にとも
ない前記部材の回転半径が異なるため、これら第1〜第
3間隙の部位に位置する空気流は、この順序で速くな
る。別言すれば第3間隙の気圧を最も低くすることがで
きる。従って、切削屑等の汚染物質は、前記第3間隙に
吸引されるものの、第1〜第2間隙への侵入が防止され
る。なお、吸引された汚染物質はディスクカバーに配設
された開口部から外部へ排出される。
【0014】前記提案による汚染物質のヘッド本体内部
への侵入防止策は、その構成が複雑であるとともに作用
効果において不十分なものである。例えば、ヘッド本体
上部のヘッドキャップ部からの侵入の問題や、特に運転
停止時のチャンバー内の負圧状態における汚染物質の侵
入の問題に対しては有効なものではない。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】本発明は前記した従来
技術の問題点を解消しようとするものである。本発明者
らは、歯科用などの医療用小型流体駆動タービンハンド
ピースにおいて、運転操作時はもとより運転停止時にお
ける切削屑などの汚染物質のヘッド本体内部への侵入防
止について鋭意、検討した。
【0016】その結果、ハンドピースの運転停止時にお
いて、ヘッド本体内部のチャンバー内の圧力分布に相違
があること、より具体的にはチャンバー中心部が負圧、
チャンバー周側部が若干の正圧になること、そしてチャ
ンバー周側部からチャンバーの上下に配設された軸受部
へバイパスを配設したとき、ヘッド本体内部の前記圧力
分布の相違をキャンセルするように空気流が生じるため
汚染物質のヘッド本体内部への侵入を効果的に防止する
こと、という知見を得た。本発明は、前記知見をベース
に完成されたものであり、本発明により切削屑などの汚
染物質のヘッド本体内部への侵入を防止した、特に軸受
部やチャンバー内への侵入を防止した歯科用などの医療
用小型流体駆動タービンハンドピースを提供しようとす
るものである。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明を概説すれば、本
発明は、ヘッド部のヘッド本体(1)のチャンバー(1
2)内に、ヘッド部内に配設された軸受部(2)により
回動自在に支承されたタービンロータ軸(3)のタービ
ンブレード(31)を有するヘッド部(H)、及び前記
ヘッド部(H)に連接されるとともに前記チャンバー
(12)内に配設されたタービンブレード(31)へ加
圧流体を供給する供給路と前記チャンバー(12)内の
加圧流体を排出する排出路とを内部に有するハンドピー
ス本体(B)、とからなる小型流体駆動タービンハンド
ピース(A)において、 (i) 前記ヘッド部(H)が、ヘッド本体(1)のチャン
バー(12)の周側部からチャンバー(12)の上下に
配設された軸受部(2)の外側を通ってその端面部に
通する連通路(4)を有するもので構成されたこと、を
特徴とする小型流体駆動タービンハンドピースに関する
ものである。
【0018】以下、本発明の技術的構成及び実施態様
を、引続き前記した歯科用エアータービンハンドピース
を例にとり、図面を参照して詳しく説明する。なお、本
発明は、図示のものに限定されないことはいうまでもな
いことである。
【0019】図1〜図3は、本発明の第一実施態様の歯
科用エアータービンハンドピース(A)を説明するため
の図である。前記したように、図1は斜視図、図2は図
1の工具軸(C)の軸方向にみた縦断面図、図3は図2
のI−I線断面図である。ここで、歯科用エアータービ
ンハンドピースにおいて、歯牙の切削屑などの汚染物質
によりハンドピースのヘッド本体内部が汚染される原因
について説明する。ハンドピース(A)の運転時におい
て、ヘッド部(H)のヘッド本体(1)の内部に形成さ
れたチャンバー(12)の内部は、給気路(7)の給気
口(7a)からの加圧空気の噴射及びタービンロータ軸
(3)の回転により、若干の正圧(+)となる。このた
め、チャンバー(12)、前記チャンバー(12)の上
下に配設された二組の軸受部(2)、及び前記軸受部
(2)とヘッドキャップ(13)またはヘッド本体の下
面部(14)に配設された開口部(141)などからな
る汚染経路によってヘッド本体(1)内部が汚染される
ことはない。これは、前記正圧(+)が、前記汚染経路
に印加されるためである。ただし、後述されるように、
ハンドピースの運転時に前記正圧(+)を、積極的に前
記汚染経路に印加させるようにした場合、汚染物質によ
る汚染が確実に防止されることはいうまでもないことで
ある。
【0020】一方、ハンドピース(A)の運転停止時に
おいて、給気路(7)からの給気が断たれたあともター
ビンロータ軸(3)が慣性回転を続けるため、チャンバ
ー(12)内の空気は遠心力でチャンバー周側内壁面部
(123)へ押し付けられ給気路(7)と排気路(8)
はともに若干の正圧(+)となり、かつチャンバー(1
2)の中心部が負圧(−)となる。前記したように、チ
ャンバー(12)の中心部が負圧(−)となるため、前
記した汚染経路を通じて切削屑などの汚染物質がヘッド
本体(1)内部などに吸込まれ、例えば軸受部(2)の
ベアリング(23)の内輪(21)と外輪(22)の間
を通ってチャンバー(12)中心部へ汚染物質が吸込ま
れ、チャンバー(12)の内部が汚染される。なお、前
記汚染プロセスにおいて軸受部(2)の汚染、損傷も大
きくなることはいうまでもないことである。
【0021】本発明は、前記汚染物質のヘッド本体
(1)内部へ吸引される原因の解明から創案されたもの
であり、その要点はチャンバー(12)の周側部と軸受
部(2)にバイパスを配設し、正圧(+)と負圧(−)
が相殺されるように、前記汚染物質の吸引を防止する点
にある。本発明において、前記したバイパスは、図2に
示されるようにヘッド本体(1)のチャンバー(12)
の内壁面部から軸受部(2)へ連通する連通路(4)に
より構成されるものである。
【0022】より具体的には、前記連通路(4)は、図
2に示されるようにヘッド本体(1)のチャンバー(1
2)の内壁面部、特に正圧(+)となっているチャンバ
ー周側内壁面部(123)寄りの上側及び下側内壁面部
(121、122)からチャンバー(12)の上下部に
配設された軸受部(2)の端面部へ二組の連通路(41
と42、43と44)が配設されるものである。なお、
本発明において、前記連通路(4)は、後述する第二実
施態様のようにチャンバー(12)から上下の軸受部
(2)の端面部へ一組の連通路が配設されるようにして
もよいことはいうまでもないことである。図3は、図2
のI−I線断面図である。図3は、特に第一実施態様の
歯科用ハンドピース(A)における給気・排気システム
を説明するものである。前記第一実施態様の給気・排気
システムの特徴点は、次の第二実施態様のハンドピース
との関連で後述される。
【0023】図4〜図5は、本発明の第二実施態様の歯
科用エアータービンハンドピース(A)を説明するもの
である。図4は、前記図2に対応する図であり、図5は
図4のII−II線断面図である。図4〜図5に示される第
二実施態様のエアータービンハンドピース(A)と前記
図2〜図3に示される第一実施態様のものとの間にみら
れる大きな相違点は、以下の通りである。 (i) ヘッド本体(1)のチャンバー(12)に配設され
るタービンブレード(31)とチャンバー(12)内壁
面部との間隔が大きく異なっている。即ち、図4と図2
に示されるように第二実施態様(図3)のd1 (タービ
ンブレードとチャンバー上下側内壁面部の間の間隔)は
第一実施態様(図2)のd1' より極端に小さくなって
いる。なお、タービンブレードとチャンバー周側内壁面
部の間の間隔は、両者とも略同一のものである(d2
2 ' )。
【0024】(ii) チャンバー(12)への給気・排気
システムの構造が大きく異なっている。即ち、第二実施
態様(図4〜図5)の給気・排気システムにおいて、給
気路(7)はチャンバー(12)内に配設されたタービ
ンブレード(31)の中央部に加圧空気流を噴射するよ
うに配設される。また、排気路は、前記給気路(7)の
給気口(7a)の近接部位、具体的にはチャンバー(1
2)内に噴射された加圧空気をチャンバー(12)内を
周回させない(非周回)ように給気口(7a)の上下近
接部位に排気口(8a,9a)を有する二本の排気路
(8、9)で構成される。前記チャンバー(12)内の
加圧空気流の非周回は、図5において矢線(b)で示さ
れている。
【0025】一方、第一実施態様(図2〜図3)の給気
・排気システムは、従来のこの種のハンドピースに適用
されている典型例を示すものである。即ち、チャンバー
(12)内への加圧空気の給気は、給気路(7)によ
り、チャンバー(12)の1側に配設された給気口(7
a)を介して給気される。またチャンバー(12)内の
加圧空気の排気は、前記給気口(7a)と同じ側におい
て、かつ給気された加圧空気がチャンバー(12)内を
周回した部位、具体的には図3に示されるように給気口
(7a)に対し距離(D)をおいて配設された排気口
(8a)を介して排気路(8)により系外へ排気され
る。前記チャンバー(12)内の加圧空気流が周回タイ
プであることは、図3の矢線(a)で示されている。な
お、前記第二実施態様(図3)の給気口(7a)と排気
口(8a、9a)の配設位置関係は、前記第一実施態様
(図2)の給気口(7a)と排気口(8a)の配設位置
関係と比較して、前者は後者より極めて接近した位置に
配置されているものである。
【0026】(iii) 前記(ii)の構成を反映して、即ちネ
ック部(N)の強度を考慮して、第二実施態様(図3)
のものにおいては、一組の連通路(4)が配設されてい
る。
【0027】本発明の前記第二実施態様(図3)におい
て、一組の連通路(4)を配設しない構造の歯科用エア
ータービンハンドピースは、先に本発明者らが先に提案
した新しい構造のハンドピースである(特願平6−36
404号)。前記本発明者らが先に提案した新しい構造
のハンドピースにおいて、例えば(1) 前記間隔(d1
を500μm 以下(なお、従来製品として、例えば
1 ' が1150μm のものが知られている)に設定
し、かつ、(2) 給気・排気システムを前記した構成(排
気口を給気口の近接部位に配設するという構成)のもの
にした場合、従来のようにチャンバー(12)内に給気
された加圧空気は、チャンバー(12)内を周回するこ
となく(非周回、図5参照)、タービンブレードに運動
量を伝達した後、直ちに排気されるようになる。別言す
れば給気された加圧空気は非周回となる。このことの意
義は大きく、従来の周回タイプ(図3参照)のものでは
チャンバー内で加圧空気がブレードの回転を抑制してし
まうのに対し、新しい非周回タイプのものにおいてはこ
のような欠点が排除される。具体的には、同形状のハン
ドピースにおいて、従来の周回タイプのものの最高回転
数42.0×104 rpm に対し非周回タイプの最高回転
数47.5×104 rpm が達成される。
【0028】即ち、前記第二実施態様の歯科用エアータ
ービンハンドピース(A)においては、その回転力が極
めて大く運転停止時の慣性回転も大きいため、特に運転
停止時の汚染物質のヘッド本体内部への吸込み防止が重
要である。また、運転中においても従来のものと比較し
て高速回転であるため、汚染物質のヘッド本体内部への
吸込み防止が重要である。本発明は、前記ニーズに答え
るために、図4に示されるようにヘッド本体(1)のチ
ャンバー(12)の内壁面部、特に正圧(+)となって
いるチャンバー周側内壁面部(123)寄りの上側及び
下側内壁面部(121、122)からチャンバー(1
2)の上下部に配設された軸受部(2)の端面部へ一組
の連通路(41、42)を配設するものである。
【0029】本発明は、種々の変形例が可能である。図
6は、本発明の第三実施態様の歯科用エアータービンハ
ンドピース(A)を説明するためのものである。第三実
施態様のものは、前記第二実施態様のものと比較して大
きく異なる点は、ヘッド本体(1)内部に装着される受
軸部(2)やタービンロータ軸(3)などがベアリング
押え(C1 〜C2 )により一体化されたカートリッジ
(C)とされている点である。第三実施態様のものにお
いて、上部の連通路(41)は、カートリッジ(C)及
び/又はヘッド本体(1)の内周面、あるいはヘッドキ
ャップ(13)の軸受部(2)側などに孔または溝を穿
設することにより形成すればよい。また、下部の連通路
(42)は、カートリッジ(C)及び/又はヘッド本体
(1)の内周面に孔または溝を穿設することにより形成
すればよい。
【0030】また、本発明の他の実施態様として、図示
しないが軸受部(2)の構造が、前記第一〜第三実施態
様に示されるボールベアリングを使用した玉軸受機構の
ものにかえて、空気軸受機構のものであってもよいこと
はいうまでもないことである。
【0031】
【発明の効果】本発明の歯科用などに使用される医療用
小型流体駆動タービンハンドピースは、この種のハンド
ピースにみられる切削屑などの汚染物質によるヘッド本
体内部の汚染を効果的に防止することが出来るものであ
る。即ち、この種のハンドピースにおいて、ハンドピー
スの運転操作中、特に運転停止時に給気系を遮断しても
タービンロータ軸が慣性回転し続ける。そしてチャンバ
ー内の圧力分布(正圧と負圧の分布)に差が生じ、チャ
ンバー中心部が負圧となるため、切削工具などを固定し
たタービンロータ軸部、前記ロータ軸を支承する軸受
部、ヘッドキャップ部などからヘッド本体内部へ汚染物
質とともに空気が吸込まれ、ヘッド内が汚染される。
【0032】本発明は、前記ヘッド本体内部の汚染の問
題を、運停止時の前記チャンバー内の圧力分布の相違
に注目し、ヘッド部内にチャンバーから軸受部に連通す
る連通路を配設することにより解決したものである。ま
た、本発明の前記汚染防止手段は、特に高速回転するタ
ービンハンドピースにおいて、チャンバー内のタービン
ブレードの回転力増大に対して抑制因子(ネガティブ・
ファクター)として作用する加圧空気を積極的に軸受部
に誘導するため、軸受部などに確実に正圧(+)が印加
され、ハンドピースの運転中においても汚染物質がヘッ
ド本体内部へ侵入するのを防止することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第一実施態様の歯科用エアータービ
ンハンドピースの斜視図である。
【図2】 本発明の第一実施態様の歯科用エアータービ
ンハンドピースの縦断面図である。
【図3】 図2のI−I線断面図である。
【図4】 本発明の第二実施態様の歯科用エアータービ
ンハンドピースの縦断面図である。
【図5】 図4のII−II線断面図である。
【図6】 本発明の第三実施態様の歯科用エアータービ
ンハンドピースの縦断面図である。
【符号の説明】
A ……… 歯科用エアータービンハンドピース G ……… グリップ部 B ……… 工具 H ……… ヘッド部 1 ……… ヘッド本体 12 ……… チャンバー 121 ……… チャンバー上側内壁面部 122 ……… チャンバー下側内壁面部 123 ……… チャンバー周側内壁面部 13 ……… ヘッドキャップ 14 ……… ヘッド本体下面部 2 ……… 軸受部 3 ……… タービンロータ軸 31 ……… タービンブレード 32 ……… ブレード支持体 4、41、42 ……… 連通路 5 ……… 工具軸 51 ……… チャック N ……… ネック部 6 ……… ネック部本体 7 ……… 給気路 7a ……… 給気口 8、9 ……… 排気路 8a,9a ……… 排気口 C ……… カートリッジ C1 ,C2 ………ベアリング押え
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61C 1/00 - 1/08 A61B 17/00 A61F 11/00 B23Q 5/06

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ヘッド部(H)のヘッド本体(1)のチ
    ャンバー(12)内に、ヘッド部内に配設された軸受部
    (2)により回動自在に支承されたタービンロータ軸
    (3)のタービンブレード(31)を有するヘッド部
    (H)、及び前記ヘッド部(H)に連接されるとともに
    前記チャンバー(12)内に配設されたタービンブレー
    ド(31)へ加圧流体を供給する供給路(7)と前記チ
    ャンバー(12)内の加圧流体を排出する排出路(8)
    とを内部に有するネック部(N)、とからなる小型流体
    駆動タービンハンドピース(A)において、 (i) 前記ヘッド部(H)が、ヘッド本体(1)のチャン
    バー(12)の周側部からチャンバー(12)の上下に
    配設された軸受部(2)の外側を通ってその端面部に
    通する連通路(4)を有するもので構成されたこと、 を特徴とする小型流体駆動タービンハンドピース。
  2. 【請求項2】 ヘッド部(H)が、下面部(14)を有
    するとともに前記下面部(14)にタービンロータ軸
    (3)の下部を突設するための開口部(141)を有す
    るヘッド本体、及び/又は前記ヘッド本体の上部に穴部
    (131)を有するヘッドキップ(13)、で構成され
    たものである請求項1に記載の小型流体駆動タービンハ
    ンドピース。
  3. 【請求項3】 連通路(4)が、チャンバー(12)の
    上側内壁面部(121)及び/又は下側内壁面部(12
    2)の周側内壁面部(123)側の近傍部位から軸受部
    (2)の端面部へ連通するものである請求項1に記載の
    小型流体駆動タービンハンドピース。
  4. 【請求項4】 連通路(4)が、チャンバー(12)の
    周側内壁面部(123)の上側内壁面部(121)及び
    /又は下側内壁面部(122)側の近傍部位から軸受部
    (2)の端面部へ連通するものである請求項1に記載の
    小型流体駆動タービンハンドピース。
  5. 【請求項5】 軸受部(2)が、チャンバー(12)の
    上方向及び下方向に延在するタービンロータ軸(3)に
    対して上下二組、配設されたものである請求項1に記載
    の小型流体駆動タービンハンドピース。
  6. 【請求項6】 連通路(4)が、上下二組の軸受部
    (2)に対して、チャンバー(12)から一組または二
    組以上の連通路が配設されたものである請求項4に記載
    の小型流体駆動タービンハンドピース。
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