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JP2880060B2 - メタノールのカルボニル化による酢酸、酢酸メチルおよび無水酢酸の製造方法 - Google Patents

メタノールのカルボニル化による酢酸、酢酸メチルおよび無水酢酸の製造方法

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JP2880060B2
JP2880060B2 JP6003763A JP376394A JP2880060B2 JP 2880060 B2 JP2880060 B2 JP 2880060B2 JP 6003763 A JP6003763 A JP 6003763A JP 376394 A JP376394 A JP 376394A JP 2880060 B2 JP2880060 B2 JP 2880060B2
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methanol
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    • C10K3/00Modifying the chemical composition of combustible gases containing carbon monoxide to produce an improved fuel, e.g. one of different calorific value, which may be free from carbon monoxide
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  • Carbon And Carbon Compounds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はメタノールを一酸化炭素
でカルボニル化して酢酸および/または酢酸メチルを選
択的に製造する方法ならびに該カルボニル化により得ら
れた酢酸メチルから無水酢酸を生成する方法に関する。
また、本発明は前記カルボニル化法またはヒドロホルミ
ル化法に用いられる一酸化炭素または合成ガスの前処理
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】酢酸と無水酢酸は工業用化学物質、例え
ば、溶媒、原料および多様な反応生成物の製造のための
中間体として長期間利用されてきた。酢酸は通常、石油
精製工程で生成されたエチレンまたは低沸点ラフィネー
トからワッカ(Wacker)法により製造されたアセトアルデ
ヒドまたはエタノールの酸化により製造されてきた。か
かる酸化方法は、ヨウ化メチルの存在下、ロジウム触媒
を用いてメタノールと一酸化炭素を反応させる液相カル
ボニル化方法に置き換えられた。しかし、かかる液相カ
ルボニル化法は、液相反応によって、高価な触媒の損失
および装置の腐食を生じるので製造コストが非常に高く
なるという決定的な短所がある。
【0003】無水酢酸は酢酸の熱分解により得られたケ
トン中間体1モルと1モルの酢酸を反応させて製造し得
る。この方法も、ロジウム触媒とヨウ化促進剤の存在下
で一酸化炭素を用いて酢酸メチルを無水酢酸に転化させ
る液相カルボニル化法に代替できる。
【0004】酢酸メチルは、一般的に、酢酸とメタノー
ルのエステル化により製造され、今までは無水酢酸、エ
タノール、酢酸アルキル、酢酸ビニル単量体などの工業
的に重要な化学物質に対する中間体として利用可能性が
高いにもかかわらず、製造コストが高いため使用が制限
されていた。
【0005】酢酸の製造のためメタノールの液相カルボ
ニル化法による問題点を克服するため、気相の酢酸を製
造する方法などが提案された。例えば、トーヨーエンジ
ニアリング社(Toyo Engineering Corporation)に譲渡さ
れたヨーロッパ特許公開第0069514(A2) 号、ドイツ特許
第3323654 号および文献[Ind.chem.Prod.,Res.Dev.122,
436(1983)]および[Chemistry Letters,895(1987)] に知
られた方法は、ニッケル触媒の存在下、メタノールのカ
ルボニル化による酢酸の気相製造方法に関する。しか
し、これら方法は全て種々の問題点のため、商業的に実
用化されなかった。
【0006】ヨーロッパ特許公開第0,335,625(A2) 号は
188 ℃で活性炭上に担持されたニッケル/ロジウム触媒
を用いる酢酸の製造方法を提供する。この方法において
は、CO/H2(1:2)のガス混合物を9atmの圧力下に導入する
が、メタノール対ヨウ化メチルの比は100:19.1であり、
供給原料のLHSVは1 である。しかし、この方法は、9.7
%の低い収率であって、特に、反応過程中に触媒からニ
ッケルが気化され易いので、触媒の寿命が短縮されると
いう短所がある。
【0007】米国特許第3,717,670 号(ホックマン(Hoc
kman) )および第3,689,533 号( シュルツ(Schultz))は
ロジウム触媒を用いる非均質気相反応による酢酸の製造
方法を記述している。これら特許は、メタノールの転化
率と酢酸の収率が、Rh触媒と金属成分との混合によって
改善され得ることを開示する。しかしながら、これら特
許によると、285 ℃の反応温度、200psiの圧力および1:
12.3:26.2 のCH3I:CH3OH:COのモル比のような最適の反
応条件下でも、メタノール転化率、酢酸の選択率および
収率が各々78.5%、58%および45.5%以下である。
【0008】日本特許公開昭48-80511号公報には、触媒
としてロジウム化合物を用い、助触媒として少量のコバ
ルト、ニッケルまたは鉄塩および/またはアルミニウ
ム、銅、チタン、水銀またはリチウム塩を加えることを
特徴とする酢酸の製造のための気相方法が記述されてい
る。この方法は、活性炭25g にRhCl3 ・4H2O 0.43g,NiC
l2 0.43g,AlCl3 0.44gおよびLiCl 0.43gを用い、メタノ
ール、一酸化炭素およびヨウ化メチルを各々、169g/hr,
224g/hr および27g/hrの速度で導入して、230 ℃および
220psiで反応を行う。しかし、この方法における酢酸の
収率は71%であった。
【0009】ミューラ(Muller)らの米国特許第4,918,21
8 号およびドイツ特許第3606169 号記載の発明は各々、
ニッケル/パラジウム錯体触媒を用いる気相方法とゼオ
ライト上に担持されたコバルト触媒を用いる方法に関す
る。しかし、二つの方法は全て反応性、転化率および酢
酸選択率が低いので商業的に実用性がない。前記内容と
は別に、酢酸の製造のための前記気相カルボニル化工程
における種々の問題点の中、商業的な側面で、供給ガ
ス、即ち、COガス中の不純物に起因する汚染のため、高
価な触媒、例えば、ロジウム触媒の寿命が短縮されると
いう決定的な欠点がある。
【0010】したがって、多数の化学物質が合成ガス(C
O/H2) および一酸化炭素のような工業用ガスを用いる触
媒反応により製造されるので、化学産業分野で触媒の汚
染と関わった問題は広く知られている。前記触媒反応の
代表的な例としては、前述のように、例えば、酢酸と無
水酢酸の製造のための種々の反応物のヒドロホルミル化
およびカルボニル化がある。これらの反応では、触媒と
してロジウムのような高価な貴金属が一般に用いられ
る。
【0011】前述の工業用ガスなどは公知の方法により
製造し得る。工程中、ガスが鉄と接触するので多様な不
純物など、特に鉄カルボニル化合物が、形成される。ま
た、これらを室温で長期間鉄製容器に貯蔵すると、多量
の鉄カルボニル化合物が形成される。
【0012】前記鉄カルボニル化合物は、触媒の活性表
面上に蓄積されて、触媒に悪影響を及ぼすなど、前記触
媒反応過程に深刻な問題を招く。鉄カルボニル化合物は
場合によっては少量でも、長期間の使用後、触媒の反応
性および選択率などを低下させる。
【0013】無水酢酸の製造のための従来の方法とし
て、英国特許第1,523,346 号は、酢酸メチルと一酸化炭
素からルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウ
ム、イリジウムおよび白金のような金属触媒の存在下で
液相反応で無水酢酸を製造する方法を示す。この方法で
は、出発物質を無水物形態で用いるが、かかる出発物質
は25%以下のメタノールと 5%の水を含むこともでき
る。この方法において、反応系に存在する水は酢酸を形
成するために、高収率または高選択率の無水酢酸を得る
ためには、実際に反応物から水を除去することが肝要で
ある。
【0014】無水酢酸の製造時の水除去の問題を解決す
るために、ヨーロッパ特許公開第0,087,870(A2) 号では
生成した酢酸とメタノールのエステル化反応後に、生成
物の脱水反応、カルボニル化反応および生成物分離を行
う方法を提示した。具体的にこの方法は循環させた酢酸
とメタノールをエステル化反応させて酢酸メチル、メタ
ノールおよび水の混合物を得る工程、エステル化反応産
物から水を除去し、例えば、無水酢酸を注入して酢酸メ
チルを脱水し、脱水された酢酸メチルとCOを液相カルボ
ニル化反応によって、無水酢酸を生成させると同時に、
反応物中の水とメタノールの含有によって、酢酸を生成
する工程;反応生成物の中、ハロゲン化物促進剤、酢酸
及び無水酢酸を含む低沸点留分と触媒を含有する高沸点
留分を分離する工程;低沸点留分と高沸点留分を各々別
に回収して、高沸点留分をカルボニル化反応器へ再循環
する工程;および分離された酢酸をエステル化反応器へ
再循環する工程から成る。しかし、この方法は、工程が
比較的複雑で、エステル化反応後の水除去が困難であ
る。例えば、メタノール:酢酸を2:1 の比で用いてエス
テル化反応を行う場合、57.5%の酢酸メチル、27.9%の
メタノール、13.6%の水が生成する。生成した水はメタ
ノールとの共沸蒸留により分離しなければならない。さ
らに、メタノールと水を分離するための別の工程が必要
である。
【0015】水除去の問題以外にも、前記無水酢酸の製
造方法においては、費用の問題が関係する。即ち、酢酸
とメタノールのエステル化により酢酸メチルを製造した
後、製造された酢酸メチルは、後続のカルボニル化工程
(ここで、酢酸と無水酢酸が生成する)の出発物質とし
て用いられるので、無水酢酸の製造コストが高くなる。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明者
らは前述の問題点を解決しようと鋭意研究を重ねた結
果、気相カルボニル化またはヒドロホルミル化反応に用
いられる工業用ガス、例えば一酸化炭素または合成ガス
を予備処理して精製するか、メタノールと一酸化炭素と
のカルボニル化反応における反応条件を調整し、さらに
該カルボニル化反応から得られた酢酸メチルを無水酢酸
の製造の原料として直接用いることによって、商業的に
実用可能であり、製造コストも低い本発明の酢酸および
/または酢酸メチル、及び無水酢酸の製造方法を完成す
るに至った。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、Rh触媒
とハロゲン化物助触媒の存在下、任意に水素と混合され
た一酸化炭素とメタノールとを気相カルボニル化反応さ
せ、ここで生成した混合物から分離された酢酸メチルの
全てまたは殆ど全部を助触媒と共に再循環することを特
徴とする、酢酸の選択的な製造方法を提供するものであ
る。
【0018】本発明の他の目的は、Rh触媒とハロゲン化
物助触媒を用いて、穏和なカルボニル化反応条件下、メ
タノールの高いGHSVでメタノールと、任意に水素と混合
された一酸化炭素との気相カルボニル化反応を行い、生
成した酢酸メチルの一部、例えば、共沸量と助触媒の全
量を再循環することを特徴とする、酢酸メチルの選択的
な製造方法を提供するものである。
【0019】本発明のもう一つの目的は、本発明によっ
て製造された酢酸メチルと、そこに混合されている助触
媒から直接無水酢酸を製造する経済的な方法を提供する
ものである。
【0020】本発明のもう一つの目的は、気相カルボニ
ル化またはヒドロホルミル化反応に用いられる一酸化炭
素または合成気体を予備処理することによって、前記カ
ルボニル化反応およびヒドロホルミル化反応に用いられ
た触媒の活性寿命を保持する新規な方法を提供するもの
である。
【0021】本発明の第1態様によると、 (a)カルボニ
ル化反応器で、不活性物質上にロジウム化合物およびア
ルカリ金属、アルカリ土類金属、遷移金属およびこれら
の混合物から成る群から選択された第2金属成分が担持
されたロジウム触媒とハロゲン化物助触媒の存在下、気
相のメタノールを任意に水素と混合した一酸化炭素でカ
ルボニル化して、多量の酢酸と少量の酢酸メチルとの混
合物を生成させ、(b)少量の前記酢酸メチルと助触媒を
分離し、分離した酢酸メチルと助触媒を前記カルボニル
化反応器へ再循環および(c) 前記混合物から酢酸を回収
することを特徴とする酢酸の選択的な製造方法が提供さ
れる。
【0022】本発明の第2態様によると(a) カルボニル
化反応器で、不活性物質上にロジウム化合物およびアル
カリ金属、アルカリ土類金属、遷移金属およびこれらの
混合物から成る群から選択された第2金属成分が担持さ
れたロジウム触媒とハロゲン化物助触媒の存在下、穏和
なカルボニル化反応条件下およびメタノールの高GHSV
で、気相のメタノールを任意に水素と混合した一酸化炭
素でカルボニル化して、酢酸と酢酸メチルとの混合物を
生成させ、(b) 蒸留カラムで、生成混合物を高沸点留分
としての酢酸、低沸留分としての少量、例えば、共沸量
の酢酸メチルと助触媒の混合物および中間沸点留分とし
ての残り主要量の酢酸メチルに分留し、(c) このように
して分離された助触媒と少量の酢酸メチルの混合物を前
記カルボニル化反応器へ再循環および(d) 前記酢酸と残
りの主要量の酢酸メチルを各々回収することを特徴とす
る酢酸メチルの選択的製造方法が提供される。
【0023】本発明の第3態様によると、(a) 第1カル
ボニル化反応器で、不活性物質上にロジウム化合物およ
びアルカリ金属、アルカリ土類金属、遷移金属およびこ
れらの混合物から成る群から選択された第2金属成分が
担持されたロジウム触媒とハロゲン化物助触媒の存在
下、穏和なカルボニル化反応条件下、およびメタノール
の高GHSVで、気相のメタノールを任意に水素と混合した
一酸化炭素でカルボニル化して、酢酸と酢酸メチルの混
合物を生成させ、(b) 蒸留カラムで、生成混合物を高沸
点留分としての酢酸および低沸点留分としての助触媒と
酢酸メチルの混合物に分留し、(c) 場合によって、低沸
点留分から一部の助触媒を除去して前記第1カルボニル
化反応器へ再循環し、(d) 全てまたは残量の助触媒と酢
酸メチルを第2カルボニル化反応器へ導入し、(e) 第2
カルボニル化反応器において、ロジウム触媒と助触媒の
存在下、気相または液相の酢酸メチルを任意に水素と混
合した一酸化炭素でカルボニル化して、無水酢酸含有混
合物を生成させ、そして(f)前記無水酢酸を生成混合物
から分離し、助触媒と未反応酢酸メチルを前記第1カル
ボニル反応器へ再循環することを特徴とする無水酢酸の
経済的な製造方法が提供される。
【0024】本発明の第4態様によると、金属カルボニ
ル化合物−含有工業用ガスをハロゲンと接触させること
によって、内在された金属カルボニル化合物をハロゲン
化金属に転換させて、除去することを特徴とする前記工
業用ガスの予備処理方法が提供される。
【0025】〔一酸化炭素または合成ガスの予備処理〕
前述したように、工業用ガス、例えば、一酸化炭素また
は合成ガスは不純物として、金属(例えば、鉄)カルボ
ニル化合物を含む。これら不純物はオキソ法またはカル
ボニル化法に用いられた触媒の汚染または有害作用をも
たらす。かかる触媒の汚染問題は、本発明によりヒドロ
ホルミル化またはカルボニル化触媒と接触させる前に、
合成ガスまたは一酸化炭素をハロゲンで処理することに
よって効果的に解決し得る。
【0026】具体的に、工業用ガス、例えば、金属カル
ボニル化合物を含有するCOガスを、ハロゲン、例えば、
ヨウ素が導入された転換カラムに供給する。ヨウ素の使
用量は供給ガスの流量およびカラムの温度によって決定
される。
【0027】前記ヨウ素は供給ガス中の鉄含量の0.1 な
いし1,000 モル倍、さらに好ましくは0.5 ないし100 モ
ル倍、最も好ましくは1 ないし10モル倍の量でカラムへ
導入する。前記カラムにはいくつかの段(tray)が設け
られて、供給ガスとヨウ素との間の混合を容易にする。
前記カラムは一定温度、例えば、150 ないし200 ℃に保
持して、全ての金属カルボニル不純物がヨウ素ガスと完
全に反応するようにする。次に、ハロゲン化金属、例え
ば、ヨウ化鉄を吸着カラムへ移送してカラム内の吸着剤
の上に吸着させ、所望の精製供給ガスを得る。本発明に
用いられる吸着剤の例としては活性炭、粘土、アルミ
ナ、シリカ、シリカ−アルミナ、ゼオライトおよび本分
野で通常使用される吸着剤がある。このようにして精製
された供給ガスは、例えば、カルボニル化反応器へ供給
される。
【0028】本発明によって処理された工業用ガスは、
通常の分析方法によっては検出しにくいほどの微々たる
量、例えば、1ppb以下の金属カルボニル化合物を含有し
得る。したがって、オキソ法またはカルボニル化法にお
ける触媒活性の破壊および不活性化の問題は効果的に解
決される。
【0029】〔酢酸および/または酢酸メチルの選択的
製造〕本発明のもう一つの態様によると、酢酸および/
または酢酸メチルの選択的製造方法はロジウム触媒とハ
ロゲン化物助触媒(促進剤とも称する)の存在下、メタ
ノールと一酸化炭素の気相カルボニル化反応条件を調整
することによって達成し得る。
【0030】一酸化炭素は前述のように、ハロゲンで前
処理することが望ましく、場合によって、酢酸または酢
酸メチルの選択率および収率を高めるために、適切な量
の水素ガスと共に導入することができる。一酸化炭素は
殆ど反応圧力、またはそれより高い圧力、例えば、13at
m で所望の反応温度に予熱された温度、例えば、250 ℃
で導入し得る。一酸化炭素はメタノール対一酸化炭素の
1:0.1 ないし1:100 、さらに好ましくは1:0.5 ないし1:
50、最も好ましくは1:0.8 ないし1:3 のモル比で用いら
れる。同様に、メタノールは、反応系への導入前、所望
の温度および圧力で予熱および気化されることが望まし
い。
【0031】〔酢酸の選択的な製造方法〕具体的に、本
発明によると、酢酸を主に製造する場合、酢酸に対する
選択率は、反応条件を調整することによって、即ち、反
応温度を室温ないし500 ℃、さらに好ましくは150 ない
し300 ℃、最も好ましくは200 ないし280 ℃の範囲に調
整し、反応圧力を大気圧ないし300atm、さらに好ましく
は5 ないし30atm 、最も好ましくは10ないし20atm の範
囲に調整し、触媒と反応物の接触時間( メタノールのGH
SV、逆数で表す) を1 ないし100,000hr-1 、さらに好ま
しくは100 ないし10,000hr-1、最も好ましくは300 ない
し5,000hr-1 の範囲に調整することによって向上する。
【0032】本発明の望ましい実施態様によると、酢酸
に対する選択率は、はじめにメタノールの供給ストリー
ムに適量( 例えば、用いられたメタノールを基準として
約10モル%)の酢酸メチルを加えた後、酢酸メチルと助
触媒、例えば、ヨウ化メチルを分離して、これらを共に
再循環することによって、99%以上の水準を保持し得
る。
【0033】本発明のもう一つの望ましい実施態様によ
ると、供給ガス、即ち、一酸化炭素に50モル%以下の水
素を加えることが有利である。通常の液相反応の場合、
一酸化炭素中に水素が存在すれば、種々の副反応が生じ
るので、反応効率が下る。しかし、本発明の気相触媒反
応の場合、反応系内の水素の存在は、実際にメタノール
の転化率および酢酸に対する選択率を非常に向上させ
る。さらに、水素非含有の一酸化炭素を製造する必要性
がないので、水素と一酸化炭素の混合物をそのまま使用
することができる。
【0034】本発明のもう一つの望ましい実施態様にお
いて、酢酸に対する選択率を改善するために、反応系、
特に再循環された酢酸メチルに用いられたメタノールを
基準として20モル%以下の水を加えることもできる。し
かし、より高収率の酢酸メチルを得るためには、反応物
中の含水量をできるだけ低く保持して酢酸の生成を抑制
しなければならない。
【0035】〔酢酸メチルの選択的製造〕一方、酢酸よ
り酢酸メチルを製造しようとする場合、所望の酢酸メチ
ルに対する選択率は、本発明によって簡単な方法で増大
させ得る。即ち、第1カルボニル化反応を、1 ないし10
0,000hr-1 、さらに好ましくは、500 ないし50,000h
r-1、最も好ましくは1,000 ないし10,000hr-1範囲のメ
タノールのGHSVとして表された、反応物と触媒とのより
短い接触時間およびより穏和な反応条件、即ち、1 ない
し300atm、さらに好ましくは5 ないし25atm 、最も好ま
しくは8 ないし15atm のより低い圧力、および室温ない
し500 ℃、さらに好ましくは100 ないし300 ℃、最も好
ましくは150 ないし270 ℃の温度で行って酢酸メチルを
より高収率で得る。前述した通り、一酸化炭素の供給ス
トリームに適量の水素(例えば、一酸化炭素の約10モル
%)の添加は、調節された反応条件下でメタノールの反
応性及び酢酸メチルに対する選択率の改善をもたらす。
【0036】一実施態様として、255 ℃の反応温度およ
び200psiの反応圧力下で触媒としてのRhCl3 +IrCl3
助触媒としてのCH3Iを用いて一酸化炭素とメタノールと
のカルボニル化反応を行い得る。前記メタノールを2500
hr-1のGHSVで触媒床を通して、82モル%の酢酸メチルと
18モル%の酢酸を生成させる。次には、生成した混合物
をヨウ化メチルと共に、蒸留塔へ移送して、塔底生成物
としての酢酸と水( 在すれば) ;軽質の最終生成物とし
ての酢酸メチル共沸量と殆ど全量のヨウ化メチル( この
時、42.1℃の沸点でCH3I:CH3COOCH3の共沸組成は94.2モ
ル%:5.8モル%であり、これらはカルボニル反応器へ再
循環される) ;および塔の中間部生成物としての残りの
酢酸メチルに分留する。このようにして回収された酢酸
メチルは、実際に乾燥の状態であり、例えば、無水酢酸
の製造に用いるに適合している。
【0037】〔触媒系〕本発明によるメタノールの気相
カルボニル化反応に用いられる触媒は、ロジウム化合物
と、アルカリ金属、アルカリ土類金属、遷移金属および
これらの混合物から成る群から選択された第2金属成分
を含み、水または有機溶媒、例えば、アルコールに溶か
したロジウム化合物の溶液を前記第2金属化合物と共に
不活性担持体に担持させ、これを200 ないし500 ℃の温
度で焼結して製造する。前記不活性担持体としては活性
炭、粘土、アルミナ、シリカ、シリカ−アルミナ、アル
ミナ−ホスフェート、アルミナ−シリカ−ホスフェー
ト、マグネシア、ジルコニアなどが用いられる。
【0038】前記ロジウム化合物としては、水または有
機溶媒に対して可溶性であり、200いし500 ℃で焼結さ
れてロジウム酸化物を形成し得る全ての形態のロジウム
化合物が用いられる。例えば、RhX3,RhX3・3H2O,Rh2(CO)
4X2,[Rh(CO)X4]Y,Rh2(CO)8,Rh(CH3COO)3,Rh(NO3)3,[Rh
(CO)2X2]Y,Rh2O3,[Rh(C2H4)2X]2,Rh[(C6H5)3P2](CO)X,
金属Rh、RhX[(C6H5)3P]2(CH3X)2,Rh(SnX3)[(C6H5)P]3,R
hX(CO)[(C6H5)3Q]2,(R4Z)[Rh(CO)2X]2,(R4Z)2[Rh(CO)
X4],RhX[(C6H5)3P]3,RhX[(C6H5)3P]H2,[(C6H5)3P]3Rh(C
O)H およびY4Rh2X2(SnX3)4( この時、X はCl,Br または
I であり、Y はLi,Na またはK であり、Z はN,As, また
はP であり、Q はAs,PまたはSbであり、R はC1-12 アル
キル基またはアリール基である) などが用いられ、その
中、RhCl3・3H2OまたはRh(NO3)3が望ましい。
【0039】ロジウム化合物の使用量は不活性担持体の
量を基準として0.01ないし20重量%、好ましくは0.1 な
いし10重量%、最も好ましくは0.3 ないし5 重量%のRh
量であり、遷移金属化合物の使用量はロジウムの量を基
準として、1 ないし1000モル%好ましくは10ないし500
モル%、最も好ましくは30ないし300 モル%の量であ
る。また、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の使用
量は、ロジウムの量を基準として、1ないし2,000 モル
%、好ましくは50ないし1,000 モル%、最も好ましくは
200 ないし800 モル%の量である。ロジウム触媒におい
て、第2成分として用いられるアルカリ金属としては、
Li,Na,K,Rb,Cs およびFrがある。
【0040】第2成分として用いられるアルカリ土類金
属としては、Be,Mg,Ca,Sr,BaおよびRaがある。第2成分
として用いられる遷移金属としては、Co,Ru,Pd,Pt,Os,I
r,Ni,Mn,Re,Cr,Mo,W,V,Nb,Ta,Ti,ZrおよびHfがある。
【0041】本発明によるカルボニル化反応用触媒は、
不活性物質上に担持されたロジウム化合物に、一定量の
CoCl2,RuCl3,PdCl2,PtCl2,OsCl3,IrCl3,NiCl2,MnCl2,Re
Cl5,CrCl3,MoCl3,WCl6,VCl3,NbCl5,TaCl5,TiCl4,ZrCl4,
HfCl4,LiI,NaI,KI,RbCl,BeCl2,MgCl2,CaCl2,SrCl2,BaCl
2 などのような第2金属化合物の少なくとも一種を加え
ることによって容易に製造し得る。
【0042】酢酸および/または酢酸メチルの選択的な
製造のために、本発明の気相方法はロジウム触媒の存在
下でハロゲン化物助触媒を用いる。助触媒として用いら
れるハロゲン化物としては、CH3I,CH3Br,CH3Cl,I2,Br2,
Cl2,HI,HBr,HClなどがあり、その中でもCH3Iが望まし
い。ハロゲン化物助触媒は用いられたメタノールの総量
を基準として、0.001 ないし5 、好ましくは0.01ないし
1、最も好ましくは0.05ないし0.15のモルの割合で用い
られる。
【0043】〔無水酢酸の製造〕本発明の第3態様によ
ると、前述のように本発明のカルボニル化工程によって
得られた酢酸メチルから直接的に無水酢酸を製造し得
る。
【0044】第1カルボニル化反応において、用いられ
た反応条件を簡単に調整し、さらに、適切な触媒、例え
ば、活性炭上のRhCl3 +IrCl3 を用いることによって、
酢酸メチルを高選択率、例えば、82%の選択率で製造し
得る。蒸留塔で、反応混合物から低沸点留分としての酢
酸メチルと助触媒の混合物を分離し得る。分離された酢
酸メチルと助触媒の混合物を、全てまたは一部、第2カ
ルボニル化反応器へ導入して、気相または液相カルボニ
ル化反応によって無水酢酸を得る。第2カルボニル化反
応器で、酢酸メチルは触媒および助触媒の存在下、新た
に供給された一酸化炭素との反応によりカルボニル化さ
れる。本発明の第1カルボニル化工程から得られた殆ど
乾燥状態の酢酸メチルは、第2カルボニル化工程に有利
に用い得るので、従来技術の、酢酸とメタノールとのエ
ステル化による酢酸メチルの製造時に必要な高価の乾燥
工程を省略し得る。
【0045】第2カルボニル化反応の後、生成された無
水酢酸から助触媒を分離して、それを第1カルボニル化
反応器へ再循環して再使用できる。
【0046】酢酸メチルの第2カルボニル化反応は、本
発明による酢酸メチルの選択的製造について詳述したよ
うなロジウム触媒および助触媒の存在下、大気圧ないし
500atm、さらに好ましくは5 ないし25atm 、最も好まし
くは10ないし20atm の範囲の反応圧力、100 ないし500
℃、さらに好ましくは150 ないし300 ℃、最も好ましく
は200 ないし280 ℃の温度範囲および1 ないし100,000h
r-1 、さらに好ましくは10ないし10,000hr-1、最も好ま
しくは100 ないし2,000hr-1 範囲の酢酸メチルのGHSVで
気体状態において行う。ハロゲン化物助触媒、特にCH3I
は用いた酢酸メチルの総量を基準として0.001 ないし5
、さらに望ましくは0.01ないし5 、最も望ましくは0.0
5ないし0.15モル比で反応器へ導入し得る。一酸化炭素
は酢酸メチル対一酸化炭素の1:0.1 ないし1:100 、さら
に好ましくは1:0.5 ないし1:50、最も好ましくは1:0.8
ないし1:3 のモル比で用い得る。
【0047】前記の第2カルボニル化反応を液相で行う
場合、貴金属化合物、促進剤および/またはリガンドの
存在下で行い得る。具体的に、触媒として用いられる貴
金属としては、周期率表第VIII族貴金属、望ましくはロ
ジウムであり、促進剤として用いられる代表的な元素は
有機陽イオン、原子量5 以上のIA,IIA,IIIA,IVB または
VIB 族金属、VIII族非−貴金属およびランタン系および
アクチニウム系金属、好ましくはLi,Mg,Ca,Ti,Cr,Fe,Ni
およびAlである。
【0048】触媒および促進剤は元素形態、例えば、微
粉または粉末形態の金属として用いるか、反応系に該元
素を導入し得る、それらの無機および有機化合物として
用いられる。かかる化合物には酸化物、水酸化物、ハロ
ゲン化物(例えば、臭化物)、オキシハロゲン化物、水
素化物、アルコキシ化物などがある。触媒として用いら
れる貴金属化合物は特に、酢酸ロジウムが望ましい。促
進剤として用いられる化合物は望ましくは、LiI,LiOAc,
LiCl,PPNI(即ち、Ph3p=N+=PPh3I-) 、二酢酸ジルコニル
および四級アンモニウムリチウム塩、好ましくは、LiI
、LiOAc およびPPNIがあり、リガンドとしてはホスフ
ィン、アミン、アンチモンおよびスズ化合物、好ましく
はホスフィンおよびアミンリガンドがある。
【0049】カルボニル化反応混合物において、貴金属
化合物の使用量は、酢酸メチルのモルを基準として0.00
01ないし50モル%、さらに好ましくは0.001 ないし10モ
ル%、最も好ましくは0.01ないし1 モル%であり、促進
剤の使用量は、用いられた酢酸メチルの量を基準として
0.01ないし200 モル%、さらに好ましくは0.1 ないし50
モル%、最も好ましくは1ないし10モル%であり、リガ
ンドの使用量は、触媒、例えば、用いられたロジウムの
モルを基準として1 ないし10,000モル%、さらに好まし
くは10ないし1,000 モル%、最も好ましくは50ないし50
0 モル%である。
【0050】例えば、オートクレーブに、第一カルボニ
ル化反応で生成した酢酸メチルと助触媒、金属触媒、促
進剤および/またはリガンドを入れて、そこに一酸化炭
素を導入する。前記反応は室温ないし500 ℃、さらに好
ましくは50ないし300 ℃、最も好ましくは150 ないし20
0 ℃の温度範囲および、1ないし500atm、さらに好まし
くは10ないし300atm、最も好ましくは20ないし100atmの
圧力範囲で行い得る。前記カルボニル化反応は殆ど無水
状態で行って、副産物としての酢酸の生成を避けること
が望ましい。所望の反応圧力に至って、その圧力を保持
するまで、(場合によって、予備処理された)一酸化炭
素を反応器へ導入する。
【0051】第2カルボニル化反応で生成した反応混合
物は、蒸留により、助触媒および未反応酢酸メチル(存
在すれば)を含む塔上部留分、無水酢酸および酢酸を含
む中間部留分、および触媒/促進剤/リガンドを含む液
状残留物に分留し得る。蒸留塔の上部から分離された助
触媒および未反応酢酸メチルは第一カルボニル化反応器
へ再循環して再使用する。無水酢酸と酢酸は中間部留分
からさらに分離し、残りの触媒成分含有液相残留物は第
二カルボニル化反応器へ再循環する。
【0052】前述の通りに、本発明によると、生成物の
収率を調整し得る。したがって、酢酸メチルは第一カル
ボニル化反応の条件を調整することによって得られ、か
つ本発明の第一カルボニル化反応で生成した酢酸メチル
から無水酢酸を直接製造し得る。下記実施例で本発明を
さらに詳細に説明し、これらは本発明の範囲を限るもの
ではない。
【0053】
【実施例】
実施例1 精溜塔において、主にFe(CO)5 の形態の鉄カルボニル化
合物1ppmを含有する一酸化炭素を室温および100atmの圧
力下でヨウ素約5ppmで処理した。このようにして処理さ
れたガス約10m3を活性炭が充填された200 ℃の吸着カラ
ムを通した。標準温度と圧力下で、前記のように処理さ
れた一酸化炭素(10m3)を集めた後、濃硫酸1L が含まれ
ているガス洗浄機を通して残留の鉄化合物を溶かした。
一酸化炭素を全て通した後、硫酸中の鉄イオンの濃度を
測定した。硫酸中の鉄の濃度は0.01ppm 以下であった。
本明細書中の以下の実施例で用いられた一酸化炭素は、
特に断らない限り、実施例1と同様な手順でヨウ素によ
り予備処理されている。
【0054】実施例2 活性炭の量を基準として0.6 重量%のRhとRhの量を基準
として400 モル%のLiI を活性炭の上に担持させた後、
300 ℃で焼結して触媒を製造した。この触媒5gを直径約
1.27cm(1/2インチ) 、長さ40cmのチタン製反応管に充填
した後、反応管の上部と低部にアルカリで前処理された
ガラス繊維を充填して、触媒床の長さが10cmになるよう
にし、管の中間には直径約0.64cm(1/4インチ) のチタン
を入れて熱電対を装着した。反応管の外部はオイルジャ
ケットで被って、熱媒により反応管を加熱し得るように
した。かかる反応管にメタノールと一酸化炭素を1:2.3
のモル比で流入し、メタノール量を基準として10モル%
の助触媒CH3Iの存在下、反応圧力200psi、反応器の内部
温度約240 ℃で反応を行なった。前記反応の条件下で、
ガス空間速度(GHSV)によるメタノールの転化率および酢
酸の収率などを求めて次の表1に示した。
【0055】
【表1】
【0056】1)GHSV= 時間当りガス空間速度[Gas Hou
rly Space Velocity(hr-1)]:時間当り触媒床を通す気相
の反応物、即ち、メタノールの量を測定する尺度とし
て、このGHSV値が高ければ高いほど触媒と反応物の接触
時間はさらに短くなり、単位時間当り反応物の処理量は
増加する。
【0057】
【数1】
【0058】
【数2】
【0059】実施例3 二つの別の一酸化炭素供給ストリームを用いた以外は、
実施例2と同様に行って、一つのストリームではヨウ素
ガスで充填されたカラムを通した後シリカで充填された
吸着カラムを通すことによって処理し、もう一つのスト
リームは前記処理を行なわなかった。非処理の一酸化炭
素(実験1)と予備処理の一酸化炭素(実験2)を各々
用いて一定期間カルボニル化反応を行って、各々、600h
r-1 および5000hr-1のメタノールのGHSVで生成物の収率
を測定した。その結果は次の表2に示した。
【0060】
【表2】
【0061】前記表2から見られるように、カルボニル
化ガス、即ち、一酸化炭素をヨウ素ガスで予備処理する
場合、触媒の活性は長期間使用後も保持された。
【0062】実施例4 GHSVの値を異にし、反応圧力を150psiに、反応温度を23
3 ℃に変化させた以外は実施例2と同様にして反応を行
い、その結果を下記の表3に示した。
【0063】
【表3】
【0064】前記表1および3から見られるように、同
一の触媒を用いても、反応条件を相異にすれば、酢酸メ
チルと酢酸の生成比を調整し易い。即ち、実施例4の結
果から見られるように、反応条件を調整して、即ち、圧
力および温度を低くし触媒との接触時間を減らすことに
よって、酢酸メチルを高収率および高選択度で得られ
る。
【0065】実施例5 GHSVの値を異にし、活性炭の上に800 モル%のLiI を支
持させた触媒を用いた以外は実施例2と同様に反応を行
い、その結果を下記の表4に示した。
【0066】
【表4】
【0067】実施例6 GHSVの値を異にし、1.8 重量%のRhとRhの量を基準とし
て400 モル%のLiI を活性炭の上に担持させた触媒を用
い、150psiのCO圧力および270 ℃の穏和な反応条件を用
いた以外は、実施例2と同様に行い、その結果を下記の
表5に示した。
【0068】
【表5】
【0069】実施例7 0.6 重量%のRhとRhの量を基準として200 モル%のNaI
を活性炭に担持させた触媒、200psiの反応圧力および24
0 ℃の反応温度を用いた以外は、実施例2と同様に反応
を行って、その結果を下記の表6に示した。
【0070】
【表6】
【0071】実施例8 GHSVを異にし、0.6 重量%のRhとRhの量%を基準として
200 モル%のKIを活性炭に担持させた触媒を用いた以外
は実施例2と同様に反応を行って、その結果を下記の表
7に示した。
【0072】
【表7】
【0073】実施例9 GHSVを異にし、0.6 重量%のRhとRhの量を基準として50
モル%のMgCl2 を活性炭に担持させた触媒を用いた以外
は実施例2と同様に実施した。その結果を下記の表8に
示した。
【0074】
【表8】
【0075】実施例10 GHSVを異にし、0.6 重量%のRhとRhの量を基準として50
モル%のIrCl3 を活性炭に担持させた触媒を用い、反応
温度を255 ℃とした以外は実施例2と同様に実施した。
その結果を下記の表9に示した。
【0076】
【表9】
【0077】実施例11 GHSVを異にし、活性炭に0.6 重量%のRhとRhの量を基準
として200 モル%のPdCl2 を担持させた触媒と255 ℃の
反応温度および150psiの圧力を用いた以外は実施例2と
同様に行なった。その結果を下記の表10に示した。
【0078】
【表10】
【0079】実施例12 GHSVを異にし、0.6 重量%のRhとRhの量を基準として50
モル%のRuCl3 を活性炭上に担持させた触媒と、255 ℃
の反応温度を用いた以外は実施例2と同様に行なった。
その結果を下記の表11に示した。
【0080】
【表11】
【0081】実施例13 GHSVを異にし、0.6 重量%のRhとRhの量を基準として50
モル%のCoCl2 を活性炭に担持させた触媒と210 ℃の反
応温度を用いた以外は実施例2と同様に行なった。その
結果を下記の表12に示した。
【0082】
【表12】
【0083】実施例14 GHSVを異にし、0.6 重量%のRhとRhの量を基準として50
モル%のNiCl2 を活性炭に担持させた触媒と210 ℃の反
応温度を用いた以外は実施例2と同様に行なった。その
結果を下記の表13に示した。
【0084】
【表13】
【0085】実施例15 GHSVを異にし、一酸化炭素に特定量の水素を混合した以
外は実施例2と同様に行なった。一酸化炭素と水素の割
合を変化させ、一酸化炭素と水素との混合ガスをメタノ
ールと共に14.1kg/cm2(200psi)で反応器へ導入した。こ
の時、メタノール対一酸化炭素のモル比は1:1.6 になる
ようにし、メタノールのGHSVは250 ℃で1500hr-1を保持
した。その結果を下記の表14に示した。
【0086】
【表14】
【0087】前記表14から見られるように、特定反応
条件下、特定量の水素を一酸化炭素に混入すると、酢酸
の収率が向上した。
【0088】実施例16 活性炭に0.6 重量%のロジウムとロジウムの量を基準と
して200 モル%のLiIが担持されるようにRhCl3・3H2OとL
iI を水溶液状態で活性炭に担持させ、300 ℃で焼結し
て触媒を製造した。該触媒を用い、GHSVを3000hr-1に保
持した以外は実施例15と同様に行なった。その結果を
下記の表15に示した。
【0089】
【表15】
【0090】実施例17 0.6%重量のロジウムとロジウムの量を基準として200 モ
ル%のKCl を担持させた触媒を用い、メタノールのGHSV
を2000hr-1に保持した以外は実施例2と同様に行なっ
た。その結果を下記の表16に示した。
【0091】
【表16】
【0092】実施例18 活性炭に0.6%重量のロジウムとロジウムの量を基準とし
て50モル%のPdCl2 が担持されるようにRhCl3・3H2OとPd
Cl2 を水溶液状態で活性炭に担持させ、300 ℃で焼結し
て触媒を製造した。該触媒を用い、メタノールのGHSVを
1,000hr-1 にして反応器へ投入した以外は実施例15と
同様に行なった。その結果を下記の表17に示した。
【0093】
【表17】
【0094】実施例19 活性炭に0.6%重量のロジウムとロジウムの量を基準とし
て50モル%のRuCl3 が担持された触媒を用い、メタノー
ルのGHSVを2,000hr-1 にした以外は実施例15と同様に
行なった。その結果を下記の表18に示した。
【0095】
【表18】
【0096】実施例20 GHSVを異にし、0.6 重量%のRhとRhの量を基準として50
モル%のMnを活性炭の上に担持させた触媒を用い、反応
温度を270 ℃とした以外は実施例2と同様に行なった。
その結果を表19に示した。
【0097】
【表19】
【0098】実施例21 GHSVを異にし、0.6 重量%のRhとRhの量を基準として10
0 モル%のLiと25モル%のMnを活性炭の上に担持させた
触媒を用い、反応温度を270 ℃とした以外は実施例2と
同様に行なった。その結果を表20に示した。
【0099】
【表20】
【0100】実施例22 GHSVを異にし、0.6 重量%のRhとRhの量を基準として50
モル%のOsを活性炭に担持させた触媒を用い、反応温度
を270 ℃とした以外は実施例2と同様に行なった。その
結果を表21に示した。
【0101】
【表21】
【0102】実施例23 活性炭に1.8%重量のロジウムとロジウムの量を基準とし
て400 モル%のLiI を担持させた触媒を用い、メタノー
ルの供給ストリームに多様な量の酢酸メチルを加えなが
ら、反応温度および圧力を各々250 ℃および200psiに変
更し、メタノールのGHSVを1,800hr-1 に保持した以外は
実施例2と同様に行なった。その結果を下記の表22に
示した。
【0103】
【表22】
【0104】*注)反応系に加えられた酢酸メチルの1
モル%は得られた酢酸メチル2%に当たる。
【0105】実施例24 GHSVを異にし、用いられたメタノールを基準として10モ
ル%の酢酸メチルを反応混合物に加えた以外は実施例2
0と同様に行なった。その結果を下記の表23に示し
た。
【0106】
【表23】
【0107】実施例25 GHSVを異にし、用いられたメタノールを基準として10モ
ル%の酢酸メチルを反応混合物に加えた以外は実施例2
1と同様に行なった。その結果を下記の表24に示し
た。
【0108】
【表24】
【0109】実施例26 GHSVを異にし、用いられたメタノールを基準として10モ
ル%の酢酸メチルを反応混合物に加えた以外は実施例2
2と同様に行なった。その結果を下記の表25に示し
た。
【0110】
【表25】
【0111】前記表22ないし25から見られるよう
に、メタノールを適量の酢酸メチルと共に導入すれば、
酢酸の収率が大きく向上する。したがって、カルボニル
化により生成された酢酸メチルの適量をカルボニル化反
応器へ再循環させると、酢酸の収率が大きく増大され
る。
【0112】実施例27 10モル%の酢酸メチルを含有するメタノール供給物に水
の量を異にして加えた以外は実施例23と同様に行なっ
た。その結果を下記の表26に示した。
【0113】
【表26】
【0114】前記表26から見られるように、反応物に
水を加えると、酢酸の収率は向上する。
【0115】実施例28 実施例2と同一な反応装置および触媒を用いて、その反
応器へ酢酸メチルとCH3Iを10:1のモル比で導入した後、
一酸化炭素を導入して200psiの圧力および250℃の温度
で気相カルボニル化反応を行なった。その結果を下記の
表27に示した。
【0116】
【表27】
【0117】*酢酸メチルのGHSVである。
【0118】実施例29 酢酸メチルのGHSVを異にし、実施例10で製造された触
媒を用いた以外は実施例28と同様に行なった。その結
果を表28に示した。
【0119】
【表28】
【0120】実施例30 実施例6で製造された触媒を用い、酢酸メチルのGHSVを
500hr-1 に保持しながら、反応温度を変化させた以外は
実施例28と同様に行なった。その結果を下記の表29
に示した。
【0121】
【表29】
【0122】実施例31 酢酸メチルの液相カルボニル化反応を次のように実施し
て、無水酢酸を製造した。用いられたカルボニル化反応
器は磁石撹拌棒が備えられたハスタロイ(hastalloy) 製
50mLのオトークレーブである。反応器に93.5モル%の酢
酸メチル、2.25モル%のヨウ化メチル、4 モル%のヨウ
化リチウム(LiI) (促進剤として)および0.25モル%の
酢酸ロジウムを含む反応混合物を導入した。該混合物を
170 ℃の温度及び300psiのCO分圧(総圧は500psiであ
る)の反応条件下で3時間加熱した。無水酢酸の収率は
用いられた酢酸メチルを基準として95%以上であった。
【0123】実施例32 反応時間を2時間に変更し、促進剤の効果を比較するた
めに、促進剤としてLiI,LiOAc,LiClおよびPPNI(Ph3P=N+
=PPh3・I)を用いた以外は実施例31と同様に行なった。
酢酸メチルの無水酢酸への転化率は下記の表30に示し
た。
【0124】
【表30】
【0125】実施例33 LiI の代わりに、二酢酸ジルコニル(ロジウムに対して
200 モル%)および四級アンモニウム塩即ち、ヨウ化テ
トラメチルアンモニウム(ロジウムに対して2,000 モル
%)を促進剤として用い、165 ℃および800psiで2時間
反応を行なった以外は実施例31と同様に行なった。無
水酢酸の収率は90%であった。
【0126】実施例34 LiI の代わりにトリフェニルホスフィンリガンド(ロジ
ウムに対して500 モル%)を促進剤として用い、160 ℃
および、1000psi で2時間反応を行なった以外は実施例
31と同様に行なった。無水酢酸の収率は88%であっ
た。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C07C 69/14 C07C 69/14 // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300 (72)発明者 朱 五 心 大韓民国ソウル特別市城北区上月谷洞41 番地7号 (56)参考文献 特開 昭63−233936(JP,A) 特開 平4−266843(JP,A) 特開 平4−295445(JP,A) 特開 平4−257538(JP,A) 特開 昭63−69719(JP,A) 特開 昭58−189136(JP,A) 特開 平2−104551(JP,A) 特開 昭62−212211(JP,A) 特開 昭59−116115(JP,A) 特開 昭61−242638(JP,A) 特公 昭52−3926(JP,B2) 英国特許247050(GB,B) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C07C 27/00 320 C07C 51/12 C07C 53/08 C07C 67/36 C07C 69/14

Claims (18)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)一酸化炭素をヨウ素で処理した
    後、吸着剤が充填された吸着カラムを通すこと、 (b)カルボニル化反応器で、ロジウム化合物の第1成
    分と、アルカリ金属、アルカリ土類金属、遷移金属およ
    びこれらの混合物から成る群から選ばれた第2成分とを
    不活性物質に担持したロジウム触媒、ならびにヨウ化物
    助触媒の存在下、200ないし280℃、10ないし2
    0atmおよび300ないし5,000hr-1のメタノール
    のGHSV(Gas Hourly Space Velocity)の条件下で、メタ
    ノールを前記(a)段階で処理された一酸化炭素で気相
    カルボニル化して、多量の酢酸と少量の酢酸メチルとの
    混合物を生成させること、 (c)少量の前記酢酸メチルと助触媒を分離して、前記
    カルボニル化反応器へ再循環すること、および (d)前記混合物から多量の酢酸を回収することを特徴
    とする、酢酸の選択的な製造方法。
  2. 【請求項2】 前記アルカリ金属が、Li,Na,K,Rbおよび
    Csから成る群から選択されることを特徴とする、請求項
    1記載の方法。
  3. 【請求項3】 前記アルカリ土類金属が、Be,Mg,Ca,Sr
    およびBaから成る群から選択されることを特徴とする、
    請求項1記載の方法。
  4. 【請求項4】 前記遷移金属が、Co,Ru,Pd,Os,Ir,Niお
    よびMnから成る群から選択されることを特徴とする、請
    求項1記載の方法。
  5. 【請求項5】 前記助触媒が、CH3I,I2およびHIから成
    る群から選択されることを特徴とする、請求項1記載の
    方法。
  6. 【請求項6】 前記反応混合物が、一酸化炭素の量を基
    準として50モル%以下の水素を加えることを特徴とす
    る、請求項1記載の方法。
  7. 【請求項7】 前記メタノールの量を基準として20モ
    ル%以下の水を前記カルボニル化反応器に加えることを
    特徴とする、請求項1記載の方法。
  8. 【請求項8】 (a)一酸化炭素をヨウ素で処理した
    後、吸着剤が充填された吸着カラムを通すこと、 (b)カルボニル化反応器で、ロジウム化合物の第1成
    分と、アルカリ金属、アルカリ土類金属、遷移金属およ
    びこれらの混合物から成る群から選ばれた第2成分とを
    不活性物質に担持したロジウム触媒、ならびにヨウ化物
    助触媒の存在下、150ないし270℃、8ないし15
    atmおよび1,000ないし10,000hr-1のメタノ
    ールのGHSVの条件下で、メタノールを前記(a)段階で
    処理された一酸化炭素で気相カルボニル化して、酢酸と
    酢酸メチルとの混合物を得ること、 (c)蒸留カラムで、前記混合物を蒸留して、酢酸を含
    む高沸点留分、助触媒と少量の酢酸メチルを含む低沸点
    留分、および主要量の酢酸メチルを含む中間沸点留分に
    分留すること、および (d)前記低沸点留分を前記カルボニル化反応器へ再循
    環させるとともに、前記高沸点留分および中間沸点留分
    から酢酸と酢酸メチルを各々回収することを特徴とす
    る、酢酸メチルの選択的製造方法。
  9. 【請求項9】 前記アルカリ金属が、Li,Na,K,Rbおよび
    Csから成る群から選択されることを特徴とする、請求項
    8記載の方法。
  10. 【請求項10】 前記アルカリ土類金属が、Be,Mg,Ca,S
    rおよびBaから成る群から選択されることを特徴とす
    る、請求項8記載の方法。
  11. 【請求項11】 前記遷移金属が、Co,Ru,Pd,Os,Ir,Ni
    およびMnから成る群から選択されることを特徴とする、
    請求項8記載の方法。
  12. 【請求項12】 前記助触媒が、CH3I,I2およびHIから
    成る群から選択されることを特徴とする、請求項8項記
    載の方法。
  13. 【請求項13】 カルボニル化反応の際に、一酸化炭素
    の量を基準として50モル%以下の水素を加えることを
    特徴とする、請求項8記載の方法。
  14. 【請求項14】 (a)一酸化炭素をヨウ素で処理した
    後、吸着剤が充填された吸着カラムを通すこと、 (b)第1カルボニル化反応器で、ロジウム化合物の第
    1成分と、アルカリ金属、アルカリ土類金属、遷移金属
    およびこれらの混合物から成る群から選ばれた第2成分
    とを不活性物質に担持したロジウム触媒、ならびにヨウ
    化物助触媒の存在下、150ないし270℃、8ないし
    15atmおよび1,000ないし10,000hr-1のメ
    タノールのGHSVの条件下で、メタノールを前記(a)段
    階で処理された一酸化炭素で気相カルボニル化して、酢
    酸と酢酸メチルとの混合物を得ること、 (c)蒸留カラムで、前記混合物を蒸留して、酢酸を含
    む高沸点留分と、助触媒と酢酸メチルを含む低沸点留分
    に分留すること、 (d)第2気相カルボニル化反応器で、前記低沸点留分
    を、ロジウム触媒とヨウ化物助触媒の存在下、200な
    いし280℃、10ないし20atmおよび100ないし
    2,000hr-1の酢酸メチルのGHSVの条件の下でカルボ
    ニル化して無水酢酸を含有する第2の混合物を得るこ
    と、および (e)蒸留カラムで、前記第2の混合物を蒸留して、無
    水酢酸を含む第2高沸点留分と、助触媒と未反応酢酸メ
    チルを含む第2低沸点留分に分留し、前記第2低沸点留
    分を前記第1カルボニル化反応器へ再循環させるととも
    に、前記第2高沸点留分から無水酢酸を回収することを
    特徴とする、無水酢酸の製造方法。
  15. 【請求項15】 前記アルカリ金属が、Li,Na,K,Rbおよ
    びCsから成る群から選択されることを特徴とする、請求
    項14記載の方法。
  16. 【請求項16】 前記アルカリ土類金属が、Be,Mg,Ca,S
    rおよびBaから成る群から選択されることを特徴とす
    る、請求項14記載の方法。
  17. 【請求項17】 前記遷移金属が、Co,Ru,Pd,Os,Ir,Ni
    およびMnから成る群から選択されることを特徴とする、
    請求項14記載の方法。
  18. 【請求項18】 前記助触媒が、CH3I,I2およびHIから
    成る群から選択されることを特徴とする、請求項14記
    載の方法。
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