JPH0620545B2 - Coの選択的吸着剤及びその製造方法 - Google Patents
Coの選択的吸着剤及びその製造方法Info
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- JPH0620545B2 JPH0620545B2 JP61233349A JP23334986A JPH0620545B2 JP H0620545 B2 JPH0620545 B2 JP H0620545B2 JP 61233349 A JP61233349 A JP 61233349A JP 23334986 A JP23334986 A JP 23334986A JP H0620545 B2 JPH0620545 B2 JP H0620545B2
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- Y02C20/40—Capture or disposal of greenhouse gases of CO2
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- Separation Of Gases By Adsorption (AREA)
- Solid-Sorbent Or Filter-Aiding Compositions (AREA)
- Silicates, Zeolites, And Molecular Sieves (AREA)
- Carbon And Carbon Compounds (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、COの選択的吸着剤及び製造方法に関する。
(先行技術) COを含む混合ガス中のCOを分離,濃縮又は除去する
プロセスの1つにPSA法(圧力変動式吸着分離法)が
あることは周知の通りである。
プロセスの1つにPSA法(圧力変動式吸着分離法)が
あることは周知の通りである。
本発明者らは先に特開昭61-17413号、及び特開昭18431
号においてCOの吸着剤及びCOの分離方法を提案し
た。これらの発明はシリカ/アルミナ比が10以下のゼ
オライトに、Ni,Mn,Rn,Cu(I),Agの1
つ又は、2つ以上の混合物を担持させてなる吸着剤を用
いて、COを含有する混合ガスから50℃以上150℃
以下で、COを分離するものである。更に本発明者ら
は、高純度に分離精製するために、「COの分離方法」
特開昭61-232210号において、150℃を超え250℃
以下という通常の吸着温度(常温付近)以上で高温、P
SA法を実施することにより、1段の処理で、COを選
択的に分離,濃縮又は除去出来る吸着剤及び方法を提案
した。
号においてCOの吸着剤及びCOの分離方法を提案し
た。これらの発明はシリカ/アルミナ比が10以下のゼ
オライトに、Ni,Mn,Rn,Cu(I),Agの1
つ又は、2つ以上の混合物を担持させてなる吸着剤を用
いて、COを含有する混合ガスから50℃以上150℃
以下で、COを分離するものである。更に本発明者ら
は、高純度に分離精製するために、「COの分離方法」
特開昭61-232210号において、150℃を超え250℃
以下という通常の吸着温度(常温付近)以上で高温、P
SA法を実施することにより、1段の処理で、COを選
択的に分離,濃縮又は除去出来る吸着剤及び方法を提案
した。
そして、これら発明は、蒸気提案の吸着剤が常温付近で
はCO2の平衡吸着量がCOのそれの数倍あるにも拘わ
らず吸着温度約50℃で、COとCO2の平衡吸着量が
ほぼ同量になり、それ以上の温度に上昇せしめることに
よって、COの吸着量がCO2のそれを大きく上まわる
という事実に基ずくものであった。即ち、COの吸着量
の温度上昇に対する平衡吸着量の低下割合は、極めて緩
やかなのに対して、CO2のそれは、温度上昇に伴なっ
て急激に低下するという吸着特性を利用して、CO吸着
量>CO2吸着量なる温度領域で、PSA法を実施する
ことにより、COを含む混合ガスから、COを1段の処
理で分離,濃縮出来るプロセスを発明するに至ったもの
である。
はCO2の平衡吸着量がCOのそれの数倍あるにも拘わ
らず吸着温度約50℃で、COとCO2の平衡吸着量が
ほぼ同量になり、それ以上の温度に上昇せしめることに
よって、COの吸着量がCO2のそれを大きく上まわる
という事実に基ずくものであった。即ち、COの吸着量
の温度上昇に対する平衡吸着量の低下割合は、極めて緩
やかなのに対して、CO2のそれは、温度上昇に伴なっ
て急激に低下するという吸着特性を利用して、CO吸着
量>CO2吸着量なる温度領域で、PSA法を実施する
ことにより、COを含む混合ガスから、COを1段の処
理で分離,濃縮出来るプロセスを発明するに至ったもの
である。
しかるに、本発明者らは、その后も更に先の提案に基ず
く吸着剤を用いて、通常の吸着工程→パージ工程→脱着
工程→昇圧工程を繰り返すことの出来る4塔式PSA試
験装置により、主として、製鉄所内の通常の転炉ガスを
想定して鋭意研究した結果、先の提案による吸着剤では
製品CO純度90〜95%,CO回収率70%以上、好
ましくは、135%以上要する。同様に、純度98%以
上、回収率70%以上を得るためには、165℃以上、
好ましくは200℃以上を要することが明らかとなっ
た。
く吸着剤を用いて、通常の吸着工程→パージ工程→脱着
工程→昇圧工程を繰り返すことの出来る4塔式PSA試
験装置により、主として、製鉄所内の通常の転炉ガスを
想定して鋭意研究した結果、先の提案による吸着剤では
製品CO純度90〜95%,CO回収率70%以上、好
ましくは、135%以上要する。同様に、純度98%以
上、回収率70%以上を得るためには、165℃以上、
好ましくは200℃以上を要することが明らかとなっ
た。
しかしながら、COの選択的吸着能を向上させるため
に、操作温度を逐次上げていくことは、 (1)CO吸着量自体も徐々に減少して、単位処理ガス量
当りの所要吸着剤量が増大していくこと、 (2)吸着塔および/または処理ガスを加熱するためのエ
ネルギーが増大していくこと、 (3)PSA装置の切換弁等の材質を耐熱性を考慮して選
択する必要が生ずること、 など問題点も派生してくることになる。
に、操作温度を逐次上げていくことは、 (1)CO吸着量自体も徐々に減少して、単位処理ガス量
当りの所要吸着剤量が増大していくこと、 (2)吸着塔および/または処理ガスを加熱するためのエ
ネルギーが増大していくこと、 (3)PSA装置の切換弁等の材質を耐熱性を考慮して選
択する必要が生ずること、 など問題点も派生してくることになる。
(発明が解決しようとする技術的課題) 本発明の第1の目的は、より常温に近いPSA操作温度
で、主としてCO,CO2,N2等を含む混合ガスから1
段処理により、COを選択的に分離し、濃縮を可能なら
しめる吸着剤及びその製造方法を提供することにある。
で、主としてCO,CO2,N2等を含む混合ガスから1
段処理により、COを選択的に分離し、濃縮を可能なら
しめる吸着剤及びその製造方法を提供することにある。
本発明の第2の目的は、少ない吸着剤で多量のガスを処
理できる吸着剤及びその製造方法を提供することにあ
る。
理できる吸着剤及びその製造方法を提供することにあ
る。
本発明の第3の目的は、吸着塔や処理ガスの加熱を不要
とし、運転費を低減可能な吸着剤及びその製造方法を提
供することにある。
とし、運転費を低減可能な吸着剤及びその製造方法を提
供することにある。
本発明の第4の目的は、PSA装置の切換弁等の材質に
耐熱性を要求しないですむ吸着剤及びその製造方法を提
供することにある。
耐熱性を要求しないですむ吸着剤及びその製造方法を提
供することにある。
(技術的課題を解決する手段) この発明は、シリカ/アルミナ比10以下のゼオライト
に、その陽イオン交換サイトにイオン交換率50%以
上、好ましくは70%以上にイオン交換担持せられた主に
Cu(I)と、当該ゼオライトの細孔内に分散担持され
た、Cu(I),Fe,Zn,Ni及びMgからなる群
から選択された1又は2以上の金属の塩、好ましくはC
u(I)塩、特に好ましくはCu(I)の塩化物等のハ
ロゲン化物を主体とする金属塩を、イオン交換Cu
(I)ゼオライト1gに対して好ましくは、0.8mmol〜
2.5mmol、特に好ましくは、1.0mmol〜2.0mmol具備して
いるCOの選択的吸着剤である。
に、その陽イオン交換サイトにイオン交換率50%以
上、好ましくは70%以上にイオン交換担持せられた主に
Cu(I)と、当該ゼオライトの細孔内に分散担持され
た、Cu(I),Fe,Zn,Ni及びMgからなる群
から選択された1又は2以上の金属の塩、好ましくはC
u(I)塩、特に好ましくはCu(I)の塩化物等のハ
ロゲン化物を主体とする金属塩を、イオン交換Cu
(I)ゼオライト1gに対して好ましくは、0.8mmol〜
2.5mmol、特に好ましくは、1.0mmol〜2.0mmol具備して
いるCOの選択的吸着剤である。
そしてこの吸着剤を製造する方法は、上記ゼオライトの
陽イオン交換サイトにCu(II)をイオン交換担持せし
める工程と、上記ゼオライトの細孔内に主にCu(II)
塩を含浸法により分散担持せしめる工程と、これら工程
後Cu(II)及びCu(II)塩をH2,CO等の還元ガ
スで還元して主にCu(I)及びCu(I)塩とする工
程とを具備したもので、好ましくはイオン交換法による
Cu(II)の担持後、Cu(II)塩を含浸法により分散
担持するのがよい。
陽イオン交換サイトにCu(II)をイオン交換担持せし
める工程と、上記ゼオライトの細孔内に主にCu(II)
塩を含浸法により分散担持せしめる工程と、これら工程
後Cu(II)及びCu(II)塩をH2,CO等の還元ガ
スで還元して主にCu(I)及びCu(I)塩とする工
程とを具備したもので、好ましくはイオン交換法による
Cu(II)の担持後、Cu(II)塩を含浸法により分散
担持するのがよい。
またこの吸着剤の性能をさらに向上せしめたるための製
造方法は、上記ゼオライトの陽イオン交換サイトにCu
(II)をイオン交換担持せしめる工程と、上記ゼオライ
トの細孔内に主にCu(II)塩を含浸法により分散担持
せしめる工程と、これら工程後、含浸法によって分散担
持せられたCu(II)塩を加熱処理してCu(I)塩に
せしめる工程と、続いてCu(II)及び残存するCu
(II)塩をH2,CO等の還元ガスで還元して主にCu
(I)及びCu(I)塩とする工程とを具備したもの
で、好ましくはイオン交換法によるCu(II)の担持
後、Cu(II)塩を含浸法により分散担持するのがよ
い。
造方法は、上記ゼオライトの陽イオン交換サイトにCu
(II)をイオン交換担持せしめる工程と、上記ゼオライ
トの細孔内に主にCu(II)塩を含浸法により分散担持
せしめる工程と、これら工程後、含浸法によって分散担
持せられたCu(II)塩を加熱処理してCu(I)塩に
せしめる工程と、続いてCu(II)及び残存するCu
(II)塩をH2,CO等の還元ガスで還元して主にCu
(I)及びCu(I)塩とする工程とを具備したもの
で、好ましくはイオン交換法によるCu(II)の担持
後、Cu(II)塩を含浸法により分散担持するのがよ
い。
(発明の具体的説明) ゼオライト担体は、シリカ/アルミナ比10以下のゼオ
ライトであれば、A型,X型,Y型,モルデナイト型な
どの任意のゼオライトを適用可能である。シリカ/アル
ミナ比が小なる程、第1段階のイオン交換法で担持させ
得る金属量が多くなり、この段階でのCO吸着量は、増
加する傾向にあるが、反面、一般に耐酸強度が大とな
り、CO2の吸着量も大となる傾向が生ずる。従って、
耐酸強度が弱くなることから、シリカ/アルミナ比が小
なるもの程、イオン交換法次いで含浸法により吸着剤を
調製するに当っては、溶液のpHに考慮を払う必要があ
る。このような、ゼオライトの持つ化学性質から、シリ
カ/アルミナ比10以下のゼオライトとして好ましくは
その値が約5のY型ゼオライトがよい。
ライトであれば、A型,X型,Y型,モルデナイト型な
どの任意のゼオライトを適用可能である。シリカ/アル
ミナ比が小なる程、第1段階のイオン交換法で担持させ
得る金属量が多くなり、この段階でのCO吸着量は、増
加する傾向にあるが、反面、一般に耐酸強度が大とな
り、CO2の吸着量も大となる傾向が生ずる。従って、
耐酸強度が弱くなることから、シリカ/アルミナ比が小
なるもの程、イオン交換法次いで含浸法により吸着剤を
調製するに当っては、溶液のpHに考慮を払う必要があ
る。このような、ゼオライトの持つ化学性質から、シリ
カ/アルミナ比10以下のゼオライトとして好ましくは
その値が約5のY型ゼオライトがよい。
ゼオライトの陽イオン交換サイトにイオン交換法で担持
されるCu(I)は、イオン交換率50%以上、好まし
くは70%以上とする。その理由は、イオン交換率を高
めることによりCO吸着量が増大するためである。陽イ
オン交換サイトにCu(I)の他に若干のCu(II)や
Cuが含まれていてもよい。
されるCu(I)は、イオン交換率50%以上、好まし
くは70%以上とする。その理由は、イオン交換率を高
めることによりCO吸着量が増大するためである。陽イ
オン交換サイトにCu(I)の他に若干のCu(II)や
Cuが含まれていてもよい。
ゼオライトの細孔内に含浸法で担持される金属塩は、C
u(I),Fe,Zn,Ni又はMgの塩から選択され
る。これら金属塩を含浸担持したものは、その含浸量を
増加していくと、CO2の吸着量が低下していき、この
結果CO吸着量/CO2吸着量が、基本となるCu
(Y)ゼオライトよりも大きくなる。具体的には、金属
塩は、好ましくはハロゲン化物、特に好ましくはCuC
l,FeCl3,ZnCl2,NiCl2, MgCl2などの塩化物である。なお、CuClはCu
Cl2を担持後、還元ガスで還元処理してCuClとす
るか、加熱処理して分解反応を生ぜしめてCuClとす
る方法によって担持してもよい。
u(I),Fe,Zn,Ni又はMgの塩から選択され
る。これら金属塩を含浸担持したものは、その含浸量を
増加していくと、CO2の吸着量が低下していき、この
結果CO吸着量/CO2吸着量が、基本となるCu
(Y)ゼオライトよりも大きくなる。具体的には、金属
塩は、好ましくはハロゲン化物、特に好ましくはCuC
l,FeCl3,ZnCl2,NiCl2, MgCl2などの塩化物である。なお、CuClはCu
Cl2を担持後、還元ガスで還元処理してCuClとす
るか、加熱処理して分解反応を生ぜしめてCuClとす
る方法によって担持してもよい。
このうちCuClは常温でのCO/CO2吸着量比が1
を超え、最適である。CuClを含浸すると、CO2の
吸着量とほぼ比例関係にあるが、COの吸着に関して
は、Cu+の増加によるCO吸着能増大効果と、CuC
lの含浸により細孔が被覆されて表面積が減少する効果
がある。従ってその含浸量は、イオン交換Cu(I)ゼ
オライト1gに対して、20℃のCOとCO2の平衡吸
着量が等しくなる範囲、即ち0.8〜2.5mmol/gが好まし
く、とくにCO/CO2が、1.1以上となる1.0〜2.0mmol
/gが好ましい。第6図は含浸量CuCl/CuYとC
u(I)Y+CuClのCO,CO2吸着量(20℃)
の関係を調べた実験結果を示している。なお、ここでい
うCu(I)Y+CuClはCu(II)Y+CuCl2
をCOガス雰囲気下、250℃、1時間の還元処理によ
って得たものである。
を超え、最適である。CuClを含浸すると、CO2の
吸着量とほぼ比例関係にあるが、COの吸着に関して
は、Cu+の増加によるCO吸着能増大効果と、CuC
lの含浸により細孔が被覆されて表面積が減少する効果
がある。従ってその含浸量は、イオン交換Cu(I)ゼ
オライト1gに対して、20℃のCOとCO2の平衡吸
着量が等しくなる範囲、即ち0.8〜2.5mmol/gが好まし
く、とくにCO/CO2が、1.1以上となる1.0〜2.0mmol
/gが好ましい。第6図は含浸量CuCl/CuYとC
u(I)Y+CuClのCO,CO2吸着量(20℃)
の関係を調べた実験結果を示している。なお、ここでい
うCu(I)Y+CuClはCu(II)Y+CuCl2
をCOガス雰囲気下、250℃、1時間の還元処理によ
って得たものである。
先の提案においては、Ni,Mn,Rh,Cu(I),
Agの1つ又は2つ以上の混合物を、シリカ/アルミナ
比10以下のゼオライトへの担持方法として、 (1)ゼオライトの特性でもあるイオン交換能を利用した
イオン交換法か、又は、 (2)広く触媒調整法等で用いられる含浸法のいずれでも
よいものとしている。
Agの1つ又は2つ以上の混合物を、シリカ/アルミナ
比10以下のゼオライトへの担持方法として、 (1)ゼオライトの特性でもあるイオン交換能を利用した
イオン交換法か、又は、 (2)広く触媒調整法等で用いられる含浸法のいずれでも
よいものとしている。
しかるに本発明者らのその後の研究によれば、イオン交
換法では、上記金属イオンは、ゼオライトの結晶構造を
構成する原子の中でAl点の電荷の不測を補うために存
在するNa+,K+,Ca2+などの陽イオンと交換される
ので、極めて規則的に均一に分散されるものの、担持量
は、シリカ/アルミナ比によって制約されると共に、イ
オン交換率も通常の操作では70〜90%であって、先
の提案の吸着特性を大幅には改良し得ないことが分っ
た。
換法では、上記金属イオンは、ゼオライトの結晶構造を
構成する原子の中でAl点の電荷の不測を補うために存
在するNa+,K+,Ca2+などの陽イオンと交換される
ので、極めて規則的に均一に分散されるものの、担持量
は、シリカ/アルミナ比によって制約されると共に、イ
オン交換率も通常の操作では70〜90%であって、先
の提案の吸着特性を大幅には改良し得ないことが分っ
た。
一方、含浸法では、Na+,K+,Ca2+などの陽イオン
は、一部は、上記金属イオンと交換されるものの大部分
は、ゼオライトの結晶格子中に残るため、ゼオライトの
イオン交換能が生かされないと共に、イオン交換法に比
べ均一分散させることが容易でなく、外表面および細孔
内表面における分散性状により、吸着特性が影響され、
概して、イオン交換法に比べ、担持量は制御し易いもの
の、吸着特性は、むしろ劣ることが分った。
は、一部は、上記金属イオンと交換されるものの大部分
は、ゼオライトの結晶格子中に残るため、ゼオライトの
イオン交換能が生かされないと共に、イオン交換法に比
べ均一分散させることが容易でなく、外表面および細孔
内表面における分散性状により、吸着特性が影響され、
概して、イオン交換法に比べ、担持量は制御し易いもの
の、吸着特性は、むしろ劣ることが分った。
そこで、本発明者らは、イオン交換法と含浸法とを併用
する方法を試みた結果、常温に近い温度でCO吸着量>
CO2吸着量であり、1段処理でCOを選択的に分離で
きる吸着剤を得られることがわかった。
する方法を試みた結果、常温に近い温度でCO吸着量>
CO2吸着量であり、1段処理でCOを選択的に分離で
きる吸着剤を得られることがわかった。
上記COの選択的吸着剤の製造方法の1つは、上記ゼオ
ライトの陽イオン交換サイトにCu(II)をイオン交換
法で担持させる工程と、ゼオライトの細孔内にCu(I
I),Fe,Zn,Ni,及びMgからなる群から選択
された1又は2以上の金属の塩を含浸法により分散担持
せしめる工程と、これら工程後、主としてCu(II)及
びCu(II)塩をH2,CO等の還元ガスで還元してC
u(I)及びCu(I)塩とする工程とを具備した方法
であり、イオン交換法を行った後、含浸法を行うのが好
ましい。
ライトの陽イオン交換サイトにCu(II)をイオン交換
法で担持させる工程と、ゼオライトの細孔内にCu(I
I),Fe,Zn,Ni,及びMgからなる群から選択
された1又は2以上の金属の塩を含浸法により分散担持
せしめる工程と、これら工程後、主としてCu(II)及
びCu(II)塩をH2,CO等の還元ガスで還元してC
u(I)及びCu(I)塩とする工程とを具備した方法
であり、イオン交換法を行った後、含浸法を行うのが好
ましい。
この方法では、化学的に安定なCu(II)をゼオライト
に担持させるので、好ましい。
に担持させるので、好ましい。
またこの吸着剤の性能をさらに向上せしめたるための製
造方法は、上記ゼオライトの陽イオン交換サイトにCu
(II)をイオン交換担持せしめる工程と、上記ゼオライ
トの細孔内に主にCu(II)塩を含浸法により分散担持
せしめる工程と、これら工程後、含浸法によって分散担
持せられたCu(II)塩を加熱処理してCu(I)塩に
せしめる工程と、続いてCu(II)及び残存するCu
(II)塩をH2,CO等の還元ガスで還元して、主にC
u(I)及びCu(I)塩とする工程とを具備したもの
で、好ましくはイオン交換法によるCu(II)の担持
後、含浸法によるCu(II)塩を含浸担持するのがよ
い。
造方法は、上記ゼオライトの陽イオン交換サイトにCu
(II)をイオン交換担持せしめる工程と、上記ゼオライ
トの細孔内に主にCu(II)塩を含浸法により分散担持
せしめる工程と、これら工程後、含浸法によって分散担
持せられたCu(II)塩を加熱処理してCu(I)塩に
せしめる工程と、続いてCu(II)及び残存するCu
(II)塩をH2,CO等の還元ガスで還元して、主にC
u(I)及びCu(I)塩とする工程とを具備したもの
で、好ましくはイオン交換法によるCu(II)の担持
後、含浸法によるCu(II)塩を含浸担持するのがよ
い。
この方法では、含浸法が担持せられたCu(II)塩を、
空気中あるいは不活性ガス中で、Cu(I)塩に分解す
る温度域で加熱処理した後還元ガスで還元処理するが、
こうすることによってCu(II)塩は空気中で暗転なC
u(I)塩に容易に転化させることができるうえ、還元
処理工程においてハロゲン化物水素等の有害ガスの発生
が抑制されるとともに、主としてイオン交換担持せられ
たCu(II)を還元することになるので還元操作が容易
になるので好ましい。具体的にはCu(II)Yに担持し
たCuCl2を、CuCl2→CuCl+Cl2の分離が
始まる温度以上、CuCl2の蒸気圧が760mmHgとな
る温度以下、すなわち、350℃以上550℃以下、好
ましくは400℃以上500℃以下で加熱処理するのが
よい。
空気中あるいは不活性ガス中で、Cu(I)塩に分解す
る温度域で加熱処理した後還元ガスで還元処理するが、
こうすることによってCu(II)塩は空気中で暗転なC
u(I)塩に容易に転化させることができるうえ、還元
処理工程においてハロゲン化物水素等の有害ガスの発生
が抑制されるとともに、主としてイオン交換担持せられ
たCu(II)を還元することになるので還元操作が容易
になるので好ましい。具体的にはCu(II)Yに担持し
たCuCl2を、CuCl2→CuCl+Cl2の分離が
始まる温度以上、CuCl2の蒸気圧が760mmHgとな
る温度以下、すなわち、350℃以上550℃以下、好
ましくは400℃以上500℃以下で加熱処理するのが
よい。
(発明の作用、効果) 本発明のイオン交換法及び含浸法による担持で調製せる
吸着剤は、イオン交換法又は、含浸法のどちらか一方だ
けで調製した吸着剤に比べ、COの吸着量が向上すると
共に、CO2の吸着量は低減する。このため、常温(約
20℃)でCOの吸着量がCO2のそれを上まわる。こ
の傾向は、温度を60℃まで、好ましくは、100℃ま
で上げれば顕著になり、COの選択吸着能が格段に向上
すると共に、脱着性能も向上する。尚、この温度域にお
けるN2の吸着量は、極めて微量であって、COの選択
吸着能には、全く問題がない。
吸着剤は、イオン交換法又は、含浸法のどちらか一方だ
けで調製した吸着剤に比べ、COの吸着量が向上すると
共に、CO2の吸着量は低減する。このため、常温(約
20℃)でCOの吸着量がCO2のそれを上まわる。こ
の傾向は、温度を60℃まで、好ましくは、100℃ま
で上げれば顕著になり、COの選択吸着能が格段に向上
すると共に、脱着性能も向上する。尚、この温度域にお
けるN2の吸着量は、極めて微量であって、COの選択
吸着能には、全く問題がない。
常温から100℃程度までの温度領域は、PSA装置入
口の昇圧機で、原ガスを1Kg/cm2G程度まで昇圧すれ
ば、断熱圧縮熱による温度上昇で容易に得られるもので
ある。従って本発明者らが先に提案した「COの分離方
法」(特願昭60−72696)、即ち原ガスを0.5kg/cm2
G以上7kg/cm2G以下の範囲で断熱圧縮することによっ
て生ずるガス温度上昇を利用して、原ガスを吸着温度に
設定してCOを分離する方法と組み合わせることによ
り、外部加熱装置を設置する必要がなく、極めて経済的
なプロセスと成り得る。
口の昇圧機で、原ガスを1Kg/cm2G程度まで昇圧すれ
ば、断熱圧縮熱による温度上昇で容易に得られるもので
ある。従って本発明者らが先に提案した「COの分離方
法」(特願昭60−72696)、即ち原ガスを0.5kg/cm2
G以上7kg/cm2G以下の範囲で断熱圧縮することによっ
て生ずるガス温度上昇を利用して、原ガスを吸着温度に
設定してCOを分離する方法と組み合わせることによ
り、外部加熱装置を設置する必要がなく、極めて経済的
なプロセスと成り得る。
本発明の吸着剤は、 (1)COの吸着能がCO2の吸着能より高い温度域で、C
O2を共存するガスから1段の操作でCOを分離するこ
とができ、分離特性が向上する。
O2を共存するガスから1段の操作でCOを分離するこ
とができ、分離特性が向上する。
(2)先願吸着剤に比べ、CO吸着量が向上したので、単
位処理ガス量当りの所要吸着剤量が低減される。
位処理ガス量当りの所要吸着剤量が低減される。
(3)吸着塔および/または処理ガスを加熱するためのエ
ネルギーが全く不要となり、運転費が極めて低減され
る。
ネルギーが全く不要となり、運転費が極めて低減され
る。
(4)PSA装置の切換弁等の耐熱性は、全く問題がなく
なること などの効果を得ることができる。
なること などの効果を得ることができる。
尚、本発明のCOの選択的吸着剤は、CO,CO2,
N2,H2などを含有する天然ガス、ナフサなどの改質ガ
ス、石炭、コークスおよび重質油などのガス化ガス、製
鉄所副生ガス特に高炉ガス、転炉ガス、又製油所、石油
化学工場の副生ガスなどに適用出来る。
N2,H2などを含有する天然ガス、ナフサなどの改質ガ
ス、石炭、コークスおよび重質油などのガス化ガス、製
鉄所副生ガス特に高炉ガス、転炉ガス、又製油所、石油
化学工場の副生ガスなどに適用出来る。
以下参考例,比較例および実施例を示す。
参考例1) CuCl2の1N溶液を作成し、100ml丸底フラスコにN
aY型ゼオライト(1.5mmφ、5mmLペレット、バイン
ダ20%含む)10gと、1NCuCl2溶液50mlを加
え、丸底フラスコにコンデンサーを取付けてマントルヒ
ータで、100℃で加熱還流を2時間行なった。静置後、
デカンテーションにより上澄みを回収し、更に1NCu
Cl2溶液50mlを加え、同様に還流を行なった。還流
操作は合計5回行ない。ゼオライトは純水で十分に水洗
し、110℃で乾燥後、電気炉で550℃2時間焼成し
て吸着剤を作成した。尚、回収した上澄み液と濾液を混
合し、発光分析で放出したNa量を求めてイオン交換率
を測定した結果、86.5%であり、単位吸着剤当りの担持
Cu量は、8.87wt%であった。
aY型ゼオライト(1.5mmφ、5mmLペレット、バイン
ダ20%含む)10gと、1NCuCl2溶液50mlを加
え、丸底フラスコにコンデンサーを取付けてマントルヒ
ータで、100℃で加熱還流を2時間行なった。静置後、
デカンテーションにより上澄みを回収し、更に1NCu
Cl2溶液50mlを加え、同様に還流を行なった。還流
操作は合計5回行ない。ゼオライトは純水で十分に水洗
し、110℃で乾燥後、電気炉で550℃2時間焼成し
て吸着剤を作成した。尚、回収した上澄み液と濾液を混
合し、発光分析で放出したNa量を求めてイオン交換率
を測定した結果、86.5%であり、単位吸着剤当りの担持
Cu量は、8.87wt%であった。
このようにして調製した吸着剤1gを20mlの試料ビン
に入れ、定圧式吸着量測定装置にセットし、試料ビンを
シリコンオイル槽に入れて10-3mmHg、250℃で2
時間加熱真空排気して脱水した。次に、COガス(純度
99.9%以上)を送り込み、1気圧、250℃で1時間還
元操作を行なった。還元操作後、再び250℃、10-3
mmHg2時間加熱真空排気した。
に入れ、定圧式吸着量測定装置にセットし、試料ビンを
シリコンオイル槽に入れて10-3mmHg、250℃で2
時間加熱真空排気して脱水した。次に、COガス(純度
99.9%以上)を送り込み、1気圧、250℃で1時間還
元操作を行なった。還元操作後、再び250℃、10-3
mmHg2時間加熱真空排気した。
つづいて、放冷後、再び試料ビンをシリコンオイル槽に
入れ、20〜30分間放置し、測定温度に保ちながら、
1気圧のHeガス(純度99.9%以上)を送り込み、平衡
吸着量に達するまでの吸着量を測定して死容積を求め
た。測定温度は、20℃〜150℃まで順次平衡吸着量
を測定した後、昇温度設定した。測定後は、再び250
℃、10-3mmHgで1時間加熱脱着させ、放冷後、被測
定ガスを用いて上記方法と同様にして、1気圧の吸着量
を測定した。CO,CO2およびN2夫々について、測定
を終了した後、加熱真空脱着後の試料を精秤し、この値
を用いて単位重量当りの平衡吸着量を求めた。
入れ、20〜30分間放置し、測定温度に保ちながら、
1気圧のHeガス(純度99.9%以上)を送り込み、平衡
吸着量に達するまでの吸着量を測定して死容積を求め
た。測定温度は、20℃〜150℃まで順次平衡吸着量
を測定した後、昇温度設定した。測定後は、再び250
℃、10-3mmHgで1時間加熱脱着させ、放冷後、被測
定ガスを用いて上記方法と同様にして、1気圧の吸着量
を測定した。CO,CO2およびN2夫々について、測定
を終了した後、加熱真空脱着後の試料を精秤し、この値
を用いて単位重量当りの平衡吸着量を求めた。
結果を第1図に示す。COとCO2の平衡吸着量が約5
0℃を境として逆転し、50℃以上になると次第にCO
とCO2との平衡吸着量の比CO/CO2が大となり、C
Oの選択吸着能が増大するが、反面COの平衡吸着量自
体は徐々に減少していくことが分る。
0℃を境として逆転し、50℃以上になると次第にCO
とCO2との平衡吸着量の比CO/CO2が大となり、C
Oの選択吸着能が増大するが、反面COの平衡吸着量自
体は徐々に減少していくことが分る。
実施例1) 参考例1)に記載した方法でイオン交換したCu(II)
Y型ゼオライト(1.5mmφ、5mmLペレット)10gを
秤量し、100mlのナス型スラスコに入れ、ロータリー
バキュームエバポレータにセットし、95℃以上で真空
脱気する。脱気後、真空しながら試料を室温にまで冷却
する。
Y型ゼオライト(1.5mmφ、5mmLペレット)10gを
秤量し、100mlのナス型スラスコに入れ、ロータリー
バキュームエバポレータにセットし、95℃以上で真空
脱気する。脱気後、真空しながら試料を室温にまで冷却
する。
一方、CuCl2・2H2O8.3gを室温の水に溶解させ
20mlとする。これはほぼCuCl2の飽和溶液とな
る。
20mlとする。これはほぼCuCl2の飽和溶液とな
る。
ロータリーバキュームエバポレータのリークコックにキ
ャピラリを取付け、ナス型フラスコ内を真空に保持させ
ながら、上記溶液を、2〜3滴ずつ吸着液に滴下含浸さ
せる。
ャピラリを取付け、ナス型フラスコ内を真空に保持させ
ながら、上記溶液を、2〜3滴ずつ吸着液に滴下含浸さ
せる。
吸着剤が一様に漏れた時点で滴下をやめフラスコ内を常
圧に戻す。さら金網をつけた吸引濾過器に含浸させた試
料を移し、残りの溶液を試料上に注ぎ、約30分間吸引
濾過した後、磁性皿上に広げて一昼夜風乾させる。風乾
後の試料を真空乾燥器内で110℃で3時間真空乾燥さ
せて、本発明の吸着剤を得た。当吸着剤の担持Cu量
は、 15.96wt%であった。
圧に戻す。さら金網をつけた吸引濾過器に含浸させた試
料を移し、残りの溶液を試料上に注ぎ、約30分間吸引
濾過した後、磁性皿上に広げて一昼夜風乾させる。風乾
後の試料を真空乾燥器内で110℃で3時間真空乾燥さ
せて、本発明の吸着剤を得た。当吸着剤の担持Cu量
は、 15.96wt%であった。
上記手順で得た吸着剤(Cu(II)Y+CuCl2と記
す)を、参考例1)に記載したと同様の方法で還元した
後、20℃〜約100℃の範囲で、CO,CO2,N2に
ついて平衡吸着量を求めた。ここで、還元操作によって
Cu(II)Y+CuCl2はCu(I)Y+CuClと
なる。
す)を、参考例1)に記載したと同様の方法で還元した
後、20℃〜約100℃の範囲で、CO,CO2,N2に
ついて平衡吸着量を求めた。ここで、還元操作によって
Cu(II)Y+CuCl2はCu(I)Y+CuClと
なる。
結果を第2図に示す。本発明による吸着剤では、参考例
1)に示したイオン交換法だけで調製した先願の吸着剤
に比べCO平衡吸着量が向上し、CO2吸着量が低減す
るため、常温でCO吸着量がCO2のそれを上まわり、
100℃までの温度域で、充分なCOの選択吸着能が発
現していることが分かる。
1)に示したイオン交換法だけで調製した先願の吸着剤
に比べCO平衡吸着量が向上し、CO2吸着量が低減す
るため、常温でCO吸着量がCO2のそれを上まわり、
100℃までの温度域で、充分なCOの選択吸着能が発
現していることが分かる。
実施例2) 実施例1)に示したものと同様の方法で CuCl2・2H2Oに代ってCuBr211.2gを室温の
水に溶解させ20mlとし、含浸担持させて得た吸着剤
(Cu(II)Y+CuBr2、担持Cu量16.42wt%)を
参考例1)に記載したと同様の方法で還元した後、同様
の方法でCOと CO2の平衡吸着量を求めた。ここでも還元操作によっ
てCu(II)Y+CuBr2はCu(I)Y+CuBr
となる。
水に溶解させ20mlとし、含浸担持させて得た吸着剤
(Cu(II)Y+CuBr2、担持Cu量16.42wt%)を
参考例1)に記載したと同様の方法で還元した後、同様
の方法でCOと CO2の平衡吸着量を求めた。ここでも還元操作によっ
てCu(II)Y+CuBr2はCu(I)Y+CuBr
となる。
結果を第3図に示す。この結果からも、実施例1)と同
様に常温から100℃付近までの温度で、充分なCOの
選択吸着能が発現していることが分かる。
様に常温から100℃付近までの温度で、充分なCOの
選択吸着能が発現していることが分かる。
比較例1) 参考例1)に示したようなイオン交換法による担持をし
ないNaY型ゼオライトを、実施例1)に示した方法
で、CuCl2を含浸法だけで担持させて得た吸着剤
(NaY+CuCl2、担持Cu量11.93wt%)を参考例
1)に示した方法で還元操作を行った後、同様の方法で
CO,CO2の平衡吸着量を求めた。還元操作によって
NaY+CuCl2はNaY+CuClとなる。
ないNaY型ゼオライトを、実施例1)に示した方法
で、CuCl2を含浸法だけで担持させて得た吸着剤
(NaY+CuCl2、担持Cu量11.93wt%)を参考例
1)に示した方法で還元操作を行った後、同様の方法で
CO,CO2の平衡吸着量を求めた。還元操作によって
NaY+CuCl2はNaY+CuClとなる。
結果を第4に示す。この結果から、含浸法だけでは、C
Oの選択的吸着能が不充分で、参考例1)のイオン交換
法だけで担持させたものより劣ることが分かる。
Oの選択的吸着能が不充分で、参考例1)のイオン交換
法だけで担持させたものより劣ることが分かる。
実施例3) Cu(II)YにFeCl3,ZnCl2,NiCl2,M
gCl2を所定量含浸せしめ、参考例1)に示した方法
で還元した後、同様の方法で20℃でのCO吸着量、C
O2吸着量及び選択率CO/CO2を調べた。還元によっ
てCu(II)Y+MCl2はCu(I)Y+MCl2とな
る。
gCl2を所定量含浸せしめ、参考例1)に示した方法
で還元した後、同様の方法で20℃でのCO吸着量、C
O2吸着量及び選択率CO/CO2を調べた。還元によっ
てCu(II)Y+MCl2はCu(I)Y+MCl2とな
る。
ここでMCl2は金属塩化物である。その結果を、本発
明以外の金属塩化物MnCl2,CuCl2,BaCl2
を含浸せしめたもの、及び金属塩化物を含浸しないもの
の測定結果とともに、表1及び第5図に示す。表1から
本発明の選択率CO/CO2は金属塩化物を含浸しない
Cu(I)Yよりも向上していることがわかる。
明以外の金属塩化物MnCl2,CuCl2,BaCl2
を含浸せしめたもの、及び金属塩化物を含浸しないもの
の測定結果とともに、表1及び第5図に示す。表1から
本発明の選択率CO/CO2は金属塩化物を含浸しない
Cu(I)Yよりも向上していることがわかる。
実施例4) Cu(II)Y1gに対するCuCl2の含浸量を変え
て、参考例1)に示した方法で還元した後、同様の方法
でCu(I)Y+CuClのCO,CO2吸着量(20
℃)を調べた。その結果を第6図に示す。この結果含浸
量0.8〜2.5mmol/gでCOの吸着量がCO2のそれを越
え、1.0〜2.0mmol/gではCO/CO2が1.1以上である
ことがわかる。
て、参考例1)に示した方法で還元した後、同様の方法
でCu(I)Y+CuClのCO,CO2吸着量(20
℃)を調べた。その結果を第6図に示す。この結果含浸
量0.8〜2.5mmol/gでCOの吸着量がCO2のそれを越
え、1.0〜2.0mmol/gではCO/CO2が1.1以上である
ことがわかる。
実施例5) 実施例1)に示したものと同様の方法で作成したCu
(II)Y+CuCl210gを22φのガラス管に充填
し、環状電気炉にセットした。充填高さは約2cmであっ
た。N2を1.0N/minで流通しながら昇温し、設定温
度に達してから1時間保持した後、常温まで降温してか
ら吸着剤を取り出した。
(II)Y+CuCl210gを22φのガラス管に充填
し、環状電気炉にセットした。充填高さは約2cmであっ
た。N2を1.0N/minで流通しながら昇温し、設定温
度に達してから1時間保持した後、常温まで降温してか
ら吸着剤を取り出した。
このように加熱処理した吸着剤約1gを20mlの試料ビン
に入れ、定圧式吸着量測定装置にセットし、10-3mmH
g、250℃で2時間加熱真空排気して脱水した。
に入れ、定圧式吸着量測定装置にセットし、10-3mmH
g、250℃で2時間加熱真空排気して脱水した。
続いて、試料ビンをシリコンオイル槽に入れ、20℃に
保ちつつ1気圧のHeガス(純度99.9%以上)を送り込
み、平衡吸着量を達するまで吸着量を測定して死容積を
求めた。測定後、再び250℃、10-3mmHgで1時間加
熱真空脱着し、放冷後、20℃のシリコンオイル槽に試
料ビンを入れCOガス(99.9%以上)を送り込み、1気
圧の平衡吸着量を求めた。この吸着量は還元前の吸着量
である。
保ちつつ1気圧のHeガス(純度99.9%以上)を送り込
み、平衡吸着量を達するまで吸着量を測定して死容積を
求めた。測定後、再び250℃、10-3mmHgで1時間加
熱真空脱着し、放冷後、20℃のシリコンオイル槽に試
料ビンを入れCOガス(99.9%以上)を送り込み、1気
圧の平衡吸着量を求めた。この吸着量は還元前の吸着量
である。
次に、シリコンオイル槽を加熱して250℃に設定し、
CO雰囲気下で60分間還元操作を行った。還元操作
後、再び250℃、10-3mmHgで2時間加熱真空脱着
してから、放冷した。放冷後、シリコンオイル槽に入
れ、20℃に保ちつつ、 COガス(純度99.9%以上)送り込み、1気圧の平衡吸
着量を測定した。この吸着量は還元後の吸着量である。
同様にして、加熱真空脱着後、1気圧20℃のCO2の
平衡吸着量を測定した。以上の測定を終了した後、加熱
真空脱着後の試料を精秤し、この値を用いて単位重量あ
たりの平衡吸着量を求めた。
CO雰囲気下で60分間還元操作を行った。還元操作
後、再び250℃、10-3mmHgで2時間加熱真空脱着
してから、放冷した。放冷後、シリコンオイル槽に入
れ、20℃に保ちつつ、 COガス(純度99.9%以上)送り込み、1気圧の平衡吸
着量を測定した。この吸着量は還元後の吸着量である。
同様にして、加熱真空脱着後、1気圧20℃のCO2の
平衡吸着量を測定した。以上の測定を終了した後、加熱
真空脱着後の試料を精秤し、この値を用いて単位重量あ
たりの平衡吸着量を求めた。
加熱処理温度が350,400,450,500,55
0℃の還元前後のCOの平衡吸着量と還元後のCO2の
平衡吸着量及び選択率CO/CO2を表2に示す。ま
た、比較のため、600℃と平衡吸着量測定の前処理温
度である250℃の測定結果を合わせて示す。表2か
ら、加熱処理温度を上げる程、還元前のCOの平衡吸着
量は増加し、含浸担持したCuCl2がCO吸着能を有
するCuClを転化していくことがわかる。
0℃の還元前後のCOの平衡吸着量と還元後のCO2の
平衡吸着量及び選択率CO/CO2を表2に示す。ま
た、比較のため、600℃と平衡吸着量測定の前処理温
度である250℃の測定結果を合わせて示す。表2か
ら、加熱処理温度を上げる程、還元前のCOの平衡吸着
量は増加し、含浸担持したCuCl2がCO吸着能を有
するCuClを転化していくことがわかる。
一方、加熱温度が500℃までは、還元前後のCOの平
衡吸着量は増加するが、それ以上では低下し、還元後の
CO2の平衡吸着量は、500℃であっても増加してい
くことから、加熱温度の上昇とともに、含浸担持したC
uCl2および転化したCuClが吸着剤から揮散して
いくことがわかる。
衡吸着量は増加するが、それ以上では低下し、還元後の
CO2の平衡吸着量は、500℃であっても増加してい
くことから、加熱温度の上昇とともに、含浸担持したC
uCl2および転化したCuClが吸着剤から揮散して
いくことがわかる。
第1図は参考例1の実験における温度と吸着量との関係
を示す説明図、第2図乃至第3図は、実施例1乃至2の
実験における温度と吸着量との関係を示す説明図、第4
図は比較例1の実験における温度と吸着量との関係を示
す説明図、第5図は実施例3におけるMCl2の含浸量
とCu(I)Y+MCl2のCO及びCO2吸着量との関
係を示す図、第6図は実施例4におけるCuClの含浸
量とCu(I)Y+CuClのCO及びCO2吸着量と
の関係を示す図である。
を示す説明図、第2図乃至第3図は、実施例1乃至2の
実験における温度と吸着量との関係を示す説明図、第4
図は比較例1の実験における温度と吸着量との関係を示
す説明図、第5図は実施例3におけるMCl2の含浸量
とCu(I)Y+MCl2のCO及びCO2吸着量との関
係を示す図、第6図は実施例4におけるCuClの含浸
量とCu(I)Y+CuClのCO及びCO2吸着量と
の関係を示す図である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C01B 33/34 F 6750−4G
Claims (19)
- 【請求項1】シリカ/アルミナ比10以下のゼオライト
に、その陽イオン交換サイトにイオン交換率50%以上
でイオン交換担持せられた主にCu(I)と、当該ゼオ
ライトの細孔内に分散担持されたCu(I),Fe,Z
n,Ni及びMgからなる群から選択された1又は2以
上の金属の塩とを具備しているCOの選択的吸着能を有
する吸着剤。 - 【請求項2】ゼオライトの陽イオン交換サイトに、イオ
ン交換率70%以上で担持されたCu(I)を備えてい
る特許請求の範囲第1項記載のCOの選択的吸着剤。 - 【請求項3】ゼオライトの細孔内に、主にCu(I)塩
を分散担持している特許請求の範囲第1項記載のCOの
選択的吸着剤。 - 【請求項4】ゼオライトの細孔内に分散担持されている
Cu(I)塩は、イオン交換Cu(I)ゼオライト1g
に対して、0.8mmol以上2.5mmol以下とする特許
請求の範囲第3項記載のCOの選択的吸着剤。 - 【請求項5】ゼオライトの細孔内に分散担持されている
Cu(I)塩は、イオン交換Cu(I)ゼオライト1g
に対して、1.0m mol以上、2.0m mol以下とする特許請求
の範囲第3項記載のCOの選択的吸着剤。 - 【請求項6】Cu(I)塩は、Cu(I)のハロゲン化
物である特許請求の範囲第3項記載のCOの選択的吸着
剤。 - 【請求項7】Cu(I)のハロゲン化物はCu(I)の
塩化物である特許請求の範囲第6項記載のCOの選択的
吸着剤。 - 【請求項8】ゼオライトの細孔内に分散担持された金属
塩はハロゲン化物である特許請求の範囲第1項記載のC
Oの選択的吸着剤。 - 【請求項9】ハロゲン化物は塩化物である特許請求の範
囲第8項記載のCOの選択的吸着剤。 - 【請求項10】シリカ/アルミナ比10以下のゼオライ
トをY型ゼオライトとする特許請求の範囲第1項記載の
COの選択的吸着剤。 - 【請求項11】シリカ/アルミナ比10以下のゼオライ
トに、その陽イオン交換サイトにイオン交換率50%以
上でCu(II)をイオン交換担持せしめる工程と、 ゼオライトの細孔内に、Cu(II),Fe,Zn,Ni
及びMgからなる群から選択された1又は2以上の金属
の塩を含浸法により分散担持せしめる工程と、 これら工程後、主としてCu(II)及びCu(II)塩を
還元ガスで還元してCu(I)及びCu(I)塩とする
工程と、 を具備したCOの選択的吸着剤の製造方法。 - 【請求項12】ゼオライトのイオン交換サイトにCu
(II)をイオン交換率70%以上でイオン交換担持せし
める特許請求の範囲第11項記載のCOの選択的吸着剤
の製造方法。 - 【請求項13】ゼオライトの細孔内に、主にCu(II)
塩を含浸法により分散担持せしめる特許請求の範囲第1
1項記載のCOの選択的吸着剤の製造方法。 - 【請求項14】ゼオライトにイオン交換法でCu(II)
を担持した後に、含浸法によりゼオライトの細孔内に上
記金属塩を分散担持する特許請求の範囲第11項記載の
COの選択的吸着剤の製造方法。 - 【請求項15】シリカ/アルミナ比10以下のゼオライ
トにイオン交換率50%以上でCu(II)をイオン交換
担持せしめる工程と、 ゼオライトの細孔内に、Cu(II)塩を含浸法により分
散担持せしめる工程と、 これら工程後、含浸法によって分散担持せられたCu
(II)塩を加熱処理してCu(I)塩にせしめる工程
と、 続いて、Cu(II)及び残存するCu(II)塩を還元し
て主にCu(I)及びCu(I)塩とする工程と、 を具備したCOの選択的吸着剤の製造方法。 - 【請求項16】ゼオライトのイオン交換サイトにCu
(I)をイオン交換率70%以上でイオン交換担持せし
める特許請求の範囲第15項記載のCOの選択的吸着剤
の製造方法。 - 【請求項17】ゼオライトにイオン交換法でCu(II)
を担持した後に、含浸法によりゼオライトの細孔内に主
にCu(II)塩を分散担持する特許請求の範囲第15項
記載のCOの選択的吸着剤の製造方法。 - 【請求項18】加熱処理する温度を350℃以上550
℃以下とする特許請求の範囲第15項記載のCOの選択
的吸着剤の製造方法。 - 【請求項19】加熱処理する温度を400℃以上500
℃以下とする特許請求の範囲第15項記載のCOの選択
的吸着剤の製造方法。
Priority Applications (5)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP61233349A JPH0620545B2 (ja) | 1985-11-19 | 1986-10-02 | Coの選択的吸着剤及びその製造方法 |
US06/929,089 US4783433A (en) | 1985-11-19 | 1986-11-10 | Selective adsorbent for CO and method of manufacturing the same |
DE8686115857T DE3684416D1 (de) | 1985-11-19 | 1986-11-14 | Selektives adsorbentmittel fuer kohlenstoffmonoxyd und methode zur herstellung desselben. |
EP86115857A EP0224150B1 (en) | 1985-11-19 | 1986-11-14 | Selective adsorbent for carbon monoxide and method of manufacturing the same |
CA000523163A CA1269089A (en) | 1985-11-19 | 1986-11-17 | Selective adsorbent for co and method of manufacturing the same |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25782085 | 1985-11-19 | ||
JP60-257820 | 1985-11-19 | ||
JP61233349A JPH0620545B2 (ja) | 1985-11-19 | 1986-10-02 | Coの選択的吸着剤及びその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS62212211A JPS62212211A (ja) | 1987-09-18 |
JPH0620545B2 true JPH0620545B2 (ja) | 1994-03-23 |
Family
ID=26531003
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP61233349A Expired - Lifetime JPH0620545B2 (ja) | 1985-11-19 | 1986-10-02 | Coの選択的吸着剤及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0620545B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR960007736B1 (ko) * | 1993-07-27 | 1996-06-11 | 한국과학기술연구원 | 원료 가스 중에 함유된 철 카르보닐 화합물의 제거 방법 |
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-
1986
- 1986-10-02 JP JP61233349A patent/JPH0620545B2/ja not_active Expired - Lifetime
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