JP2008237066A - 容器詰混合茶飲料 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】以下の(A)〜(E):(A) カメリア・シネンシス種の茎葉;(B) カメリア・シネンシス種以外の植物の茎葉;(C) 穀物の種子;(D) 茎葉及び穀物の種子以外の植物由来原料;及び(E) 菌類由来原料;の5つの群のうち、2つ以上の群からそれぞれ1種以上選択した原料の抽出液を含む混合茶飲料であって、(イ) カフェイン含有量が150ppm以下;(ロ) Brixが0.5%以下;(ハ) Hazeが10未満;及び(ニ) 色調が波長420nmで測定して0.8以上である、前記混合茶飲料を提供する。
【選択図】なし
Description
(A) カメリア・シネンシス種の茎葉;
(B) カメリア・シネンシス種以外の植物の茎葉;
(C) 穀物の種子;
(D) 茎葉及び穀物の種子以外の植物由来原料;及び
(E) 菌類由来原料;
の5つの群のうち、2つ以上の群(好ましくは3つ以上の群、より好ましくは4つ以上の群、さらに好ましくは5つの群)からそれぞれ1種以上選択した原料の抽出液を含む混合茶飲料であって、
(イ) カフェイン含有量が150ppm以下(好ましくは110ppm以下、より好ましくは80ppm以下、さらに好ましくは50ppm以下);
(ロ) Brixが0.5%以下(好ましくは0.45%以下、より好ましくは0.4%以下、さらに好ましくは0.35%以下);
(ハ) Hazeが10未満(好ましくは7未満、より好ましくは5未満、さらに好ましくは3未満);及び
(ニ) 色調が波長420nmで測定して0.8以上(好ましくは1.0以上、より好ましくは1.1以上、さらに好ましくは1.2以上)である、前記混合茶飲料を提供する。
本発明はまた、
(イ) カフェイン含有量が110ppm以下;
(ロ) Brixが0.45%以下;
(ハ) Hazeが7未満;及び
(ニ) 色調が波長420nmで測定して1.0以上である、前記の混合茶飲料を提供する。
本発明はまた、前記(A)〜(E)の5つの群のうち、(A)及び(C)を含む3つ以上の群(例えば、(A)、(C)及び(D)を含む3つ以上の群)からそれぞれ1種以上選択した3種以上の原料の抽出液を含む、前記の混合茶飲料を提供する。
本発明はまた、3種以上(好ましくは5種以上)の焙煎処理済原料の抽出液を含む、前記の混合茶飲料を提供する。
本発明はまた、全粒焙煎ハトムギを高温高圧下で水蒸気処理し、粉砕処理した原料(これは上記(C)群に属する原料である)の抽出液を含む、前記の混合茶飲料を提供する。
本発明はまた、透明容器(例えばPET容器)に容器詰された、前記の混合茶飲料を提供する。
(A) カメリア・シネンシス種の茎葉;
(B) カメリア・シネンシス種以外の植物の茎葉;
(C) 穀物の種子;
(D) 茎葉及び穀物の種子以外の植物由来原料;及び
(E) 菌類由来原料;
の5つの群のうち、3つ以上の群からそれぞれ1種以上選択した、3種以上の原料を溶媒で抽出し、得られた抽出液を濾過して濾過液を得ることを含む、混合茶飲料の製造方法であって、前記混合茶飲料において
(イ) カフェイン含有量が100ppm以下、
(ロ) Brixが0.5%以下、又は
(ハ) Hazeが10未満であり、
(好ましくは前記(イ)〜(ハ)のいずれか2つを満たし、より好ましくは(イ)〜(ハ)の全てを満たし)
(ニ) 色調が波長420nmで測定して1.0以上であることを特徴とする、前記の製造方法を提供する。
本発明はまた、混合茶飲料の、(イ) カフェイン含有量、(ロ) Brix、(ハ) Haze及び(ニ) 色調(波長420nmで測定)を測定することを特徴とする、混合茶飲料の判定方法を提供する。
さらに本発明は、抽出液のBrix及びOD 420値(420nmで測定した色調)を測定し、算出したOD 420値/Brixの値を指標として原料を選択する工程を含む、前記混合茶飲料の製造方法を提供する。
さらに本発明は、いずれも焙煎処理済である、クコの葉、カワラケツメイ、コフキサルノコシカケ、タンポポの根、サンザシ、桑の葉、甘草、スイカズラ、バンザクロの実、カモミール、シイタケ、ドクダミ、ハブ茶から選択される原料、好ましくは、いずれも焙煎処理済である、コフキサルノコシカケ、桑の葉、バンザクロの実、ドクダミ、ハブ茶から選択される原料の2種以上、好ましくは3種以上の抽出液を含む、前記の混合茶飲料を提供する。
さらに本発明は、原料の90w/w%以上(好ましくは95w/w%以上、例えば全ての原料)が、焙煎処理済である、前記の混合茶飲料を提供する。
本発明者らは、混合茶飲料において測定することができる様々な特性及び成分のうち、(イ) カフェイン含有量、(ロ) Brix、(ハ) Haze値及び(ニ) OD 420値(波長420nmで測定した色調)等を制御することにより、色調が濃く、かつ苦渋味が無くすっきり感を保ちながら長期保存時の沈殿を抑制した容器詰混合茶飲料が得られることを見出した。なお、得ようとする混合茶飲料の所望の香味に合わせて、上記(イ)〜(ハ)の全てを制御することも出来るし、1又は2つのみを制御することも出来るが、苦渋味が無くすっきり感を保ちながら長期保存時の沈殿を抑制した容器詰混合茶飲料を提供しようとする場合には、上記(イ)〜(ハ)の全てを制御することが望ましい。
本発明の混合茶飲料におけるカフェイン含有量は、150ppm以下、好ましくは110ppm以下、より好ましくは80ppm以下、さらに好ましくは50ppm以下である。カフェイン含有量が多いと苦渋味の顕著な飲料となる。混合茶飲料中のカフェイン含有量を少なくするために、上記(A)群のカメリア・シネンシス種の葉等、カフェインを多く含む原料の配合量を抑えることができる。カフェイン含有量の測定は汎用的な手法を用いて行うことができ、例えば後述の実施例に記載の手法を参照して測定することが出来る。
本発明の混合茶飲料におけるBrixとは、可溶性固形分のことであり、この値は0.5%以下、好ましくは0.45%以下、より好ましくは0.4%以下、さらに好ましくは0.35%以下である。Brixが高いと、後味が残りすっきり感が乏しい香味の混合茶飲料となる。ただし、飲料としての香味を考慮すれば0.1%以上であることが望ましい。混合茶飲料中のBrixを低くするための手法として、例えば原料配合率を低くする等の抽出条件適正化、原料の選択、原料の焙煎処理条件、その他の処理(後述の高温高圧下での水蒸気処理、濾過処理など)条件を変更する等の手法が挙げられる。Brixの測定は汎用的な手法を用いて行うことができ、例えば後述の実施例に記載の手法を参照して測定することが出来る。
本発明の混合茶飲料におけるHazeとは、飲料の濁りの程度を示す指標であり、この値は10未満、好ましくは7未満、より好ましくは5未満、さらに好ましくは3未満である。Hazeが高いと、長期保存時の沈殿生成が多くなるため、特に透明容器詰混合茶飲料においては望ましくない。混合茶飲料中のHazeを低くするための手法として、遠心分離やフィルター濾過によって不溶性の微粒子を除去する手法等が挙げられる。Hazeの測定は汎用的な手法を用いて行うことができ、例えば後述の実施例に記載の手法を参照して測定することが出来る。
本発明の混合茶飲料における色調とは、飲料の色の濃さを示す指標である。飲料の色調、特に茶褐色色調が濃いことにより、多種類の素材、多種類の成分が高濃度に含まれている飲料である印象を需要者に与え、健康感・高級感というイメージを想起させる、新しい価値を混合茶飲料に付与することができる。本明細書中において、色調は分光光度計で波長420nmの吸光度を測定した値で判断する。このように測定した波長420nmにおける色調を、本明細書中において、「OD 420値」ということもある。420nmは一般に「茶褐色」色調を測定する際に用いられる波長である。緑茶に代表される茶系飲料の緑色等、他の色調の測定には他の波長での測定が必要であるが、本発明の混合茶飲料においては、特に緑茶等の色調は上記のカフェイン含有量とも関連し得ることを考慮し、OD 420値で色調を判断する。
本発明の混合茶飲料において、(A)群に属する原料は、カメリア・シネンシス種の茎葉である。該茎葉は発酵条件の違いによって、発酵茶(紅茶)、半発酵茶(ウーロン茶等)、不発酵茶(緑茶等)、後発酵茶(プアール茶等)、香味品質の異なる茶葉となることが知られる。これらの異なる発酵条件は、当業者によく知られたものである。発酵条件の異なるそれぞれの茎葉についても、例えば紅茶はダージリン、ウバ、キーマン等に、ウーロン茶は鉄観音、色種、黄金桂、武夷岩茶等に、緑茶は煎茶、番茶、玉露、釜煎り茶等に、原料の原産地や処理方法の違いにより、さらに細かく香味の異なる原料に分類することが出来る。本明細書中においては、上記のような原料の原産地や処理方法の異なる原料はそれぞれ別種と考える。(A)群に属する原料として、例えば、緑茶、好ましくは焙煎処理済緑茶を用いることができる。原料の発酵、焙煎、粉砕、乾燥等の処理は、当業者に公知の手法で行うことが出来る。高温高圧下で水蒸気処理を施すことも出来る。これら(A)群に属する原料を配合することにより、本発明の混合茶飲料に、紅茶の香味、ウーロン茶の香味、緑茶の香味、等、消費者になじみがあり受け入れられ易い、飲料の基盤となる香味を与えることが可能である。(A)群に属する原料は一般にカフェイン含有量が高いため、所望の飲料の香味、特に苦渋味を考慮して配合量等を決定する。
本発明の混合茶飲料において、(B)群に属する原料は、カメリア・シネンシス種以外の植物の茎葉である。これらは一般に飲食品の製造に用いられるものであれば限定されず、例えば、イチョウの葉、柿の葉、ビワの葉、桑の葉、クコの葉、杜仲の葉、小松菜、クマザサ、ドクダミ、アマチャヅル、スイカズラ、ツキミソウ、カキドオシ、カワラケツメイ、ギムネマ・シルベスタ、黄杞茶(クルミ科)、甜茶(バラ科)、キダチアロエ等を用いることができる。また、レモングラス等、各種ハーブも用いることが出来る。大麦若葉等穀物の種子から出芽したものを摘み取って用いることも出来る。(B)群に属する原料として、例えば、桑の葉、クコの葉、ドクダミ、スイカズラ、等を用いることができる。これらはそれぞれ、所望の時期に収穫後、乾燥、焙煎、粉砕等の処理を行うことが出来る。高温高圧下で水蒸気処理を施すことも出来る。このような、カメリア・シネンシス種以外の植物の茎葉を原料として用いることにより、混合茶飲料に複雑で奥行きのある香味を付与することができ、また、漢方に用いられるような原料であればその薬効を期待することもでき、混合茶飲料に高級感、健康感、個性ある豊かな香りを付与することが出来る。
本発明の混合茶飲料において、(C)群に属する原料は、穀物の種子である。これらは一般に飲食品の製造に用いられるものであれば限定されず、例えば、ハトムギ、オオムギ、コムギ、玄米、大豆、とうもろこし、黒豆、そば、ケツメイシ(ハブ茶)、麦芽等が含まれる。これらの原料は、他の群の原料と比較して一般に固く、焙煎の程度を高める、焙煎後ロールクラッシャーで粉砕して抽出に用いる、殻つきのものについては脱穀する、等の処理を適宜施す必要があることが知られる。特に、多種類の原料を混合後、一度に抽出工程に付す場合には、他の原料と同じ抽出時間で所望の香味の抽出液を得ることが出来るよう、配慮が必要である。(C)群の原料は、発芽させたもの(例えば、発芽オオムギ(麦芽))を用いてその栄養価や香味を変化させることも可能であるし、後述のハトムギに関する記載を参照して、高温高圧下で水蒸気処理を施すこともできる。本明細書中において、発芽前後の大麦のように、処理の異なる原料は、別種と考える。(C)群に属する原料として、例えば、ハブ茶、ハトムギ、高温高圧水蒸気処理ハトムギ、オオムギ、麦芽等を用いることができる。このような、穀物の種子を原料として用いることにより、混合茶飲料に、特に香ばしさや甘さ等の香味を付与することができ、栄養価の面でも健康感の付与に役立つ。
本発明の混合茶飲料において、(D)群に属する原料は、茎葉及び穀物の種子以外の植物由来原料である。これらは一般に飲食品の製造に用いられるものであれば限定されず、例えば、植物の実、果実の皮、根、花、藻類等が挙げられる。なお、藻類は分類学上は植物と異なる生物群に属するが、混合茶飲料の香味品質に与える影響を考慮し、本明細書中においては、藻類由来原料はいずれの部位であっても(D)群に属する原料とする。具体的には、ベニバナ、カミツレ(カモミール)、クコの実、ヤマハマナスの実(ローズヒップ)、サンザシ、ウコン(根)、タンポポの根、ナルコユリ、バンザクロの実、ミカンの皮、高麗人参、サツマイモ、タマネギ、ナツメ、レモンピール、コンブ、ヒジキ等が挙げられる。これらはそれぞれ所望の時期に収穫後、乾燥、焙煎、粉砕等の処理を行うことが出来る。高温高圧下で水蒸気処理を施すことも出来る。特に根を用いる場合には、土など付着物を洗い流した後、所望により乾燥させ、特有の臭いを焙煎によって除去後、粉砕することが一般的に行われる。特に実を用いる場合には、小さな実であればそのまま、大きなものは粉砕後、乾燥、焙煎等の工程に付す。特に花を用いる場合には、乾燥品をそのまま原料とすることもできる。(D)群に属する原料として、例えば、タンポポの根、サンザシ、バンザクロの実、カモミール、ヤマハマナスの実等を用いることができる。このような、茎葉及び穀物の種子以外の植物由来原料を用いることにより、混合茶飲料に、特徴のある香味や甘み、コクを付与することができ、また、漢方に用いられるような原料であればその薬効を期待することもでき、混合茶飲料に高級感、健康感を付与することが出来る。
本発明の混合茶飲料において、(E)群に属する原料は、菌類由来原料である。これらは一般に飲食品の製造に用いられるものであれば限定されず、例えば、しいたけ、レイシ、サルノコシカケ等が挙げられる。これらはそれぞれ所望の時期に収穫後、乾燥、焙煎、粉砕等の処理を行うことが出来る。高温高圧下で水蒸気処理を施すことも出来る。(E)群に属する原料として、例えば、しいたけ、コフキサルノコシカケ等を用いることができる。このような菌類由来原料を用いることにより、混合茶飲料に、特徴のある香味、旨味、適度な塩味を付与することができ、また、漢方に用いられるような原料であればその薬効を期待することもでき、混合茶飲料に高級感、健康感を付与することが出来る。
上記の各原料の焙煎に関し、焙煎機、焙煎方法は特に限定されない。一般的な焙煎機として、連続流動式焙煎機や回転ドラム方式の焙煎機等があり、焙煎方法は、加熱方法により分類すれば、直火、熱風、遠赤外線、マイクロウェーブなどの方法がある。飲料に用いる原料の焙煎管理では、焙煎の程度を示す指標として、いずれの焙煎方法においても、L値、かさ比重、水分量、Brix等がしばしば用いられる。焙煎方法の違いにより、同一のL値を有する原料から得られる抽出液でも、その外観、色調は大きく異なることが知られる。焙煎処理においては、原料の焙煎度が高くなるにつれ、香ばしい香味が付与される反面、苦味も出てくる傾向があるため、香味を考慮した焙煎度の設定が必要である。
上記の原料は、所望により粉砕して用いることができる。特に、上記(C)群の原料に関しては、粉砕して抽出を行うことで、充分に原料の成分を抽出することが可能となるであろう。原料の粉砕の程度は、作業効率や所望の抽出液の濃度を基準に、当業者であれば適宜決定することができる。粉砕の程度が高すぎると抽出液の香味に雑味が混ざることがあり、また、抽出液を得るために加工品粉砕物の濾過をする際時間がかかることがある。粉砕の程度が低いと、抽出液を得る際抽出の程度が充分でなくなることがある。粉砕は、例えば、ロールクラッシャーにて粉砕し、原料を目開き2mmメッシュの通過率:約50%になるよう行うことができる。
上記の原料は、所望により高温高圧下で水蒸気処理して用いることができる。特に、上記(C)群に属する原料であるハトムギの場合を例に、高温高圧下での水蒸気処理について以下に説明する。他の原料の高温高圧下での水蒸気処理の際には、以下のハトムギの例を適宜参照することが出来る。
容器詰混合茶飲料の製造工程の概略を以下に示す。焙煎、粉砕等適切な処理を施した原料に対し、熱水や温水等の溶媒を加えて抽出し、得られた抽出液に対し濾過処理等の清澄化処理・冷却処理を施す。次いで、副原料や処理水を加え規定の濃度に調合し、殺菌・冷却工程を経て、充填密封される。殺菌や充填の方法によっては、殺菌・冷却工程と充填密封工程とが前後することもある。これらの工程は、用いる容器によっても異なり、例えば、PET容器詰飲料は特にその大半が無菌充填で製造される。
上記の製造工程における抽出方法には、大きく分けて浸漬抽出とドリップ抽出とがある。浸漬抽出とは、抽出中に抽出溶媒である熱水又は温水の出入りの無い抽出方法であり、一定量の熱水(又は温水)に、一定時間、茶葉等の抽出原料を接触させる方法である。抽出原料が抽出装置の全体に存在し得る方式と、カゴなどに抽出原料を入れ、場合によりこれらが抽出操作中に上下方向等に移動する方式とがある。装置としては前者にニーダー型・タンク型の多機能抽出機が、後者にバスケット型抽出機が使用され、装置により抽出原料の分離方法が異なる。このような浸漬抽出は、「茶(カメリア・シネンシス種の植物の茎葉)」を単一原料として使用する飲料において主に用いられる方法である。一方、ドリップ抽出は、「コーヒー飲料」において一般的に用いられる方法であり、抽出中連続的に熱水または温水を抽出原料の入れられた抽出機に供給し、連続的に抽出液を回収する方法である。抽出開始後、浸漬状態を作り出してから上述の操作を行う浸漬ドリップ方式と、これを行わない完全ドリップ方式とがある。装置としては多機能抽出機やコーヒー用の抽出機が用いられる。また、いくつかの小型のタンク型抽出釜を連続して操作するバッチ連続の方法をとることもある。本発明においては抽出方法は特に限定されず、いずれの抽出機を用いることもできる。ドリップ抽出の際には、目詰まりを防止すべく、原料の特性(粒度、糖度等)や、抽出条件(温度、流量等)を適正に調整することに留意が必要である。また窒素ガス等の不活性ガスを通気して溶存酸素を除去しつつ、いわゆる非酸化的雰囲気下で抽出する方法を併用してもよい。
本発明はまた、混合茶飲料の、カフェイン含有量、Brix、Haze、OD 420値を測定することを特徴とする、混合茶飲料の判定方法を提供する。苦渋味についてはカフェイン含有量を、すっきり感についてはBrixを、保存時の安定性についてはHazeを、そして、茶褐色色調についてはOD 420値を測定すれば、苦渋味が無くすっきり感を有し、長期保存時の沈殿が抑制された、色調が濃い混合茶飲料であって、高級感、健康感を有する容器詰混合茶飲料に適した飲料であるか否かを判定することが出来ることを、本発明者らは見出した。最終的な混合茶飲料についてのみならず、例えば混合茶飲料の製造に使用しようとする原料を単独又は複数組合せて得られた抽出液について、カフェイン含有量、Brix、Haze、OD 420値等を測定することで、所望の混合茶飲料を得る際の原料の選択や配合比の決定における指標とすることもできる。
実施例1 各種市販飲料の香味評価及び成分分析
新規混合茶飲料として好ましい香味品質及び成分について検討すべく、市販の容器詰茶系飲料(緑茶飲料3種、穀物茶飲料2種、混合茶飲料2種、烏龍茶1種)を用意した。緑茶A〜Cは、それぞれ濃度の異なる容器詰緑茶飲料である。穀物茶A及びBは、大麦を原料とし、それぞれ濃度の異なる容器詰穀物茶飲料である。混合茶A及びBは、共にハトムギ、オオムギ、玄米、ハブ茶を含む10種以上の原料を原材料とする容器詰混合茶飲料である。烏龍茶は、烏龍茶を原料とする容器詰烏龍茶飲料である。
<<カフェイン含有量>>
分析装置:東ソー株式会社製 TOSOH HPLCシステム LC8020 model II
[マルチステーション:LC-8020、ポンプ:CCPM-II、オートサンプラ:AS-8021、検出器:UV-
8020、カラムオーブン:CO-8020、オンラインデガッサ:SD-8023]
分析条件 [カラム:TSKgel ODS-80Ts QA、溶離液A:10%アセトニトリル/水 0.05%TFA、溶離液B:80%アセトニトリル/水 0.05%TFA、流速:1.0ml/min、温度:40℃、検出:UV 275nm]
<<Brix>>
分析装置:アタゴ株式会社製 ATAGO Differential Refractomater DD-7
<<Haze>>
分析装置:日本電色工業株式会社製 NIPPON DENSHOKU Haze Meter NDH2000
使用セル:角セル、(10mm x 40mm)
<<OD 420値>>
分析装置:島津製作所製 SHIMADZU UV-VISIBLE SPECTROPHOTO METER UV-1600
使用セル:角セル、光路長10mm
測定波長:420nm
<<L値>>
測定装置:日本電色工業株式会社製 Spectro Color Meter SE2000
次に、それぞれの茶系飲料について、専門パネラー3人による香味の評価を、すっきり感(非常にすっきり感を感じられるものを5点、非常にすっきり感に欠けるものを1点とし、5段階評価)、及び苦渋味の無さ(苦渋味の全く感じられないものを5点、苦渋味をしっかり感じるものを1点とし、5段階評価)について行った。パネラー全員の結果の平均値を以下の表1に示す。
[カフェイン] カフェイン含有量が多いと、苦渋味を顕著に感じる傾向があることが明らかになった。消費者が嗜好に応じて烏龍茶や緑茶等を選択して飲む場合には問題がなくとも、混合茶飲料として苦渋味の無いものを提供しようとする際には、カフェイン含有量は低いことが望ましいと考えられた。
[Brix] Brixの値が高いものは、すっきり感に乏しい傾向があることが明らかになった。飲後の後味を楽しみたい場合には問題が無くとも、混合茶飲料としてすっきり感を有するものを提供しようとする際には、Brixの値は低いことが望ましいと考えられた。
[Haze] Hazeの値が高いものは、安定性が悪い傾向があることが明らかになった。抽出後すぐに飲用する場合には問題が無くとも、特に容器詰混合茶飲料として長期保存時の安定性を確保したい場合、Haze値は低いことが望ましいと考えられた。
[色調] 測定した飲料において、OD420値とL値とは相関しなかった。また、緑茶飲料について、カフェイン含有量と緑色色調の濃さとは、相関があることが明らかになった。さらに、茶褐色色調の濃い飲料に関しては、混合茶飲料という概念と結びつけると、特に、高級感、沢山の原料が含まれる(健康感にも結びつく)というイメージを与えることも消費者調査により明らかになった。
混合茶飲料の茶褐色色調を濃くするための原料の処理方法に関して検討した。茶系飲料によく用いられる原料である、麦芽、大麦、緑茶の3種について、焙煎条件を変化させ、それぞれ3段階の異なる焙煎度の原料を得た。麦芽、大麦に関しては、焙煎後の原料のL値を、実施例1と同様の測定装置によりそれぞれ測定した。緑茶に関しては、強火、中火、弱火の3段階の火力でそれぞれ焙煎した。焙煎後、それぞれの原料を、等しい抽出条件(90℃熱水、配合量3g/150g、15分、浸漬抽出)で抽出し、抽出液を得た。抽出液について、実施例1と同様の手法を用いてOD 420値を測定した。結果を以下の表2に示す。
混合茶飲料の原料となり得るものの1つにハトムギがある。ハトムギは様々な薬効が知られているが、飲料の原料として用いる場合に抽出液が不快臭や苦味を有するという問題等があったため、ハトムギの処理方法について検討した。
混合茶飲料の製造に用い得る様々な原料について、それぞれ、等しい抽出条件(90℃熱水、配合量3g/150g、15分、浸漬抽出)で抽出液を得た。原料は全て焙煎済のものを用い、市販の原料に焙煎処理を加えたもの、又は既に焙煎済の市販原料を用いた。例えば、タンポポの根を焙煎処理したもの(焙煎処理をしないと色が薄く、また、苦渋味が残る)、クコの実を焙煎処理したもの(焙煎処理をしないと色が薄い。クコの実はもともと甘いので苦渋味にはさほど影響はない)等を用いた。また、上記実施例2及び3で得た各原料についても、同様の抽出条件で抽出液を得た。なお、本実施例における抽出条件で得られた抽出液は、実際の飲料と比較して濃度の高い液となっている。得られた抽出液の各々について、上記実施例1と同様の手法を用いて、Brix及びOD 420値を測定した。
また、表4に示した、等しい抽出条件で得た抽出液についてのOD 420値/Brixの値は、茶褐色色調が濃い抽出液を得るための原料を選択する指標となる。表4より、茶褐色色調が濃い混合茶飲料に用いるための原料として、特にコフキサルノコシカケ、桑の葉、バンザクロの実、ドクダミ及びハブ茶が好ましいと考えられた。また、クコの葉、カワラケツメイ、タンポポの根、サンザシ、甘草、スイカズラ、カモミール、シイタケ、ヤマハマナスの実、実施例2の緑茶も好ましいと考えられた。
上記実施例で得られた結果を踏まえ、混合茶飲料を製造した。
実施例 5-1
まず、実施例3の結果から、抽出液が濃い茶褐色色調を呈すると考えられた原料(緑茶、桑の葉、ハブ茶、バンザクロの実、シイタケ)を選択した。これらの原料は実施例3と同様の処理をしたものを用いた。単調でなく、かつ、すっきり感を有し、苦渋味がない飲料を得られるよう、香味を考慮してこれらの原料の配合比を決定した。原料を混合し、90℃熱水、15分、浸漬抽出にて抽出し、これをフィルター濾過し(0.8μm)、最終的に600gとなるよう、熱水で希釈した。混合茶飲料を得た。得られた混合茶飲料について、実施例1と同様の手法を用いて、OD 420、Brix、カフェイン含有量、Hazeの値を測定し、実施例1と同様の手法を用いて香味評価を行った。原料の配合比及び結果を表5に示す。
実施例3で得られた高温高圧水蒸気処理ハトムギを、上記実施例5-1のハブ茶の代わりに用いて、香味を考慮して、5種の原料の配合比を決定した。最終的に550gとなるよう、熱水で希釈した以外は、実施例5-1と同様の手法を用いて抽出し、濾過し、混合茶飲料を得た。得られた混合茶飲料について、実施例1と同様の手法を用いて、OD 420値、Brix、カフェイン含有量、Hazeの値を測定し、実施例1と同様の手法を用いて香味評価を行った。原料の配合比及び結果を表5に示す。
上記実施例5-1において、緑茶の配合量を増やし、5種の原料の配合比を決定した。最終的に700gとなるよう、熱水で希釈した以外は、実施例5-1と同様の手法を用いて抽出し、濾過し、混合茶飲料を得た。得られた混合茶飲料について、実施例1と同様の手法を用いて、OD 420値、Brix、カフェイン含有量、Hazeの値を測定し、実施例1と同様の手法を用いて香味評価を行った。原料の配合比及び結果を表5に示す。
実施例2で得られた大麦を、上記実施例5-1のハブ茶の代わりに用い、香味を考慮して5種の原料の配合比を決定した。最終的に700gとなるよう熱水で希釈した以外は、実施例5-1と同様の手法を用いて抽出し、濾過し、混合茶飲料を得た。得られた混合茶飲料について、実施例1と同様の手法を用いて、OD 420値、Brix、カフェイン含有量、Hazeの値を測定し、実施例1と同様の手法を用いて香味評価を行った。原料の配合比及び結果を表5に示す。
実施例5-1で用いた原料のうち、緑茶、ハブ茶及びバンザクロの実の3種のみを用いて、香味を考慮し、3種の原料の配合比を決定した。最終的に600gとなるよう熱水で希釈した以外は、実施例5-1と同様の手法を用いて抽出し、濾過し、混合茶飲料を得た。得られた混合茶飲料について、実施例1と同様の手法を用いて、OD 420値、Brix、カフェイン含有量、Hazeの値を測定し、実施例1と同様の手法を用いて香味評価を行った。原料の配合比及び結果を表5に示す。
濾過処理を行わない以外は、上記実施例5-1と同様の手法を用いて、混合茶飲料を得た。得られた混合茶飲料について、実施例1と同様の手法を用いて、OD 420値、Brix、カフェイン含有量、Hazeの値を測定し、実施例1と同様の手法を用いて香味評価を行った。原料の配合比及び結果を表5に示す。
上記実施例で得られた結果を踏まえ、多種類の成分の摂取を可能とすべく、より多くの原料を用いて混合茶飲料を製造した。
Claims (8)
- 以下の(A)〜(E):
(A) カメリア・シネンシス種の茎葉;
(B) カメリア・シネンシス種以外の植物の茎葉;
(C) 穀物の種子;
(D) 茎葉及び穀物の種子以外の植物由来原料;及び
(E) 菌類由来原料;
の5つの群のうち、2つ以上の群からそれぞれ1種以上選択した原料の抽出液を含む混合茶飲料であって、
(イ) カフェイン含有量が150ppm以下;
(ロ) Brixが0.5%以下;
(ハ) Hazeが10未満;及び
(ニ) 色調が波長420nmで測定して0.8以上である、
前記混合茶飲料。 - (イ) カフェイン含有量が110ppm以下;
(ロ) Brixが0.45%以下;
(ハ) Hazeが7未満;及び
(ニ) 色調が波長420nmで測定して1.0以上である、
請求項1の混合茶飲料。 - 前記(A)〜(E)の5つの群のうち、(A)及び(C)を含む3つ以上の群からそれぞれ1種以上選択した3種以上の原料の抽出液を含む、請求項1又は2の混合茶飲料。
- 3種以上の焙煎処理済原料の抽出液を含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の混合茶飲料。
- 全粒焙煎ハトムギを高温高圧下で水蒸気処理し、粉砕処理した原料の抽出液を含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の混合茶飲料。
- 透明容器に容器詰された、請求項1〜5のいずれか1項に記載の混合茶飲料。
- 以下の(A)〜(E):
(A) カメリア・シネンシス種の茎葉;
(B) カメリア・シネンシス種以外の植物の茎葉;
(C) 穀物の種子;
(D) 茎葉及び穀物の種子以外の植物由来原料;及び
(E) 菌類由来原料;
の5つの群のうち、3つ以上の群からそれぞれ1種以上選択した、3種以上の原料を溶媒で抽出し、得られた抽出液を濾過して濾過液を得ることを含む、混合茶飲料の製造方法であって、前記混合茶飲料において
(イ) カフェイン含有量が100ppm以下、
(ロ) Brixが0.5%以下、又は
(ハ) Hazeが10未満であり、
(ニ) 色調が波長420nmで測定して0.8以上であることを特徴とする、前記の製造方法。 - 混合茶飲料の、(イ) カフェイン含有量、(ロ) Brix、(ハ) Haze及び(ニ) 色調(波長420nmで測定)を測定することを特徴とする、混合茶飲料の判定方法。
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