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JP2014128194A - ブレンド茶飲料の製造方法 - Google Patents

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JP2014128194A JP2012286298A JP2012286298A JP2014128194A JP 2014128194 A JP2014128194 A JP 2014128194A JP 2012286298 A JP2012286298 A JP 2012286298A JP 2012286298 A JP2012286298 A JP 2012286298A JP 2014128194 A JP2014128194 A JP 2014128194A
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Abstract

【課題】穀物を少なくとも茶原料として使用し、非重合体カテキン類を含有しているにもかかわらず、苦味が抑制されたブレンド茶飲料の製造方法を提供すること。
【解決手段】ハト麦を含む穀物を少なくとも茶原料として使用し、非重合体カテキン類を含有するブレンド茶飲料の製造方法であって、
以下の工程(1)及び(2):
(1)ハト麦を含む穀物に水を接触させて洗浄し、水を接触させた穀物の総量に対して0.05質量倍以上4質量倍以下の洗浄水を排出し、洗浄穀物を得る工程、及び
(2)該洗浄穀物を含む茶原料に水を接触させて抽出し、抽出液を得る工程
を含む、ブレンド茶飲料の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、ブレンド茶飲料の製造方法に関する。
茶葉や穀物などを原料とし、複数種の茶原料から得られた茶飲料は、いわゆる「ブレンド茶飲料」と呼ばれ、単一の茶原料では表現できない様々な香味を表現することが可能であり、また複数種の自然素材の有用成分を摂取できるという利点を有している。
また、ブレンド茶飲料は、雑味や嫌味のないすっきりした味が好まれており、穀物原料として、例えば、大麦、玄米、トウモロコシ等が用いられることが多い。例えば、雑味や嫌味のない麦茶の製造方法として、麦茶粒に熱水を注いで抽出を開始する前に、麦茶粒に熱水を一定時間通して、この熱水を排出した後に、新たな熱水で抽出を行う方法が提案されている(特許文献1)。
一方、非重合体カテキン類を高濃度に含む飲料は健康機能が付与されることが知られており、緑茶飲料や、スポーツドリンク、炭酸飲料などの非茶系飲料として販売されている(特許文献2)。
特開平6−261686号公報 特開2002−142677号公報
本発明者らは、非重合体カテキン類と、穀物抽出液を含むブレンド茶飲料を開発すべく検討を行った。ところが、穀物抽出液に緑茶抽出物を配合し、加熱殺菌をしたところ、苦味が発生し、その苦味は非重合体カテキン類を高濃度化したときにさらに顕在化しやすいことを見出した。そして、その苦味は非重合体カテキン類を配合していない穀物抽出液には発生せず、穀物抽出液中に非重合体カテキン類が共存するときに発生する特異的な現象であることが判明した。
したがって、本発明の課題は、穀物を少なくとも茶原料として使用し、非重合体カテキン類を含有しているにもかかわらず、苦味が抑制されたブレンド茶飲料の製造方法を提供することにある。
本発明者らは、非重合体カテキン類が共存するときの苦味が穀物抽出液の穀物原料に由来するのではないかとの仮説に基づき、穀物原料について詳細に検討を行った。その結果、ハト麦を含む穀物原料から得られた穀物抽出液を用いたときに特異的に苦味が発生することが分かった。そして、ハト麦を含む茶原料から抽出液を製造する前に、ハト麦を水に接触させて洗浄し、洗浄液を一定量排出することにより、非重合体カテキン類が共存するときの苦味を抑制できることを見出した。
すなわち、本発明は、少なくともハト麦を含む穀物を茶原料として使用し、非重合体カテキン類を含有するブレンド茶飲料の製造方法であって、
以下の工程(1)及び(2):
(1)ハト麦を含む穀物に水を接触させ、水を接触させた穀物の総量に対して0.05質量倍以上4質量倍以下の洗浄水を排出し、洗浄穀物を得る工程、及び
(2)該洗浄穀物を含む茶原料に水を接触させて抽出し、抽出液を得る工程
を含む、ブレンド茶飲料の製造方法を提供するものである。
本発明によれば、少なくともハト麦を含む穀物を茶原料として使用し、非重合体カテキン類を含有しているにもかかわらず、苦味が抑制されており、かつコクや香ばしさを有するブレンド茶飲料を簡便な操作で製造することができる。
本発明のブレンド茶飲料は、茶原料として少なくともハト麦を含む穀物を用い、該穀物及び該穀物以外の茶原料から選ばれる1種又は2種以上を使用して製造されるものである。
使用するハト麦は、α化処理したものでも、発芽させたものであってもよく、更に粉砕装置により粉砕したものであってもよい。
また、ハト麦は、焙煎したものでも、非焙煎のものでもよいが、香ばしさ付与の観点から、焙煎したものが好ましい。焙煎条件は、例えば、焙煎温度は、好ましくは180〜350℃、更に好ましくは200〜300℃であり、焙煎時間は、好ましくは10〜120分、更に好ましくは15〜60分である。なお、焙煎には、回転式焙煎機等の公知の装置を使用することができる。
ハト麦以外の穀物としては、でんぷん質を主体とし、かつ食用可能な植物の種子であれば特に限定されず、例えば、麦類、米類、豆類、雑穀類等を挙げることができる。本発明においては、麦類、米類、豆類及び雑穀類から選ばれる1種又は2種以上が好ましい。
麦類としては、例えば、大麦、小麦、ライ麦、燕麦、裸麦等が挙げられ、米類としては、玄米等が挙げられる。また、豆類としては、例えば、大豆、黒大豆、ソラマメ、インゲン豆、小豆、エビスクサ、ササゲ、ラッカセイ、エンドウ、リョクトウ等が挙げられる。更に、雑穀類としては、ソバ、トウモロコシ、白ゴマ、黒ゴマ、粟、稗、黍、キヌワ等を挙げることができる。これらは1種又は2種以上を組み合わせて使用することができる。中でも、コク、香ばしさの付与の観点から、大麦、玄米、大豆及びトウモロコシから選ばれる1種又は2種以上を含有することが好ましい。なお、ハト麦以外の穀物を2種以上併用する場合、それらの割合は穀物の種類に応じて適宜決定することができる。
ハト麦以外の穀物もハト麦と同様に、α化処理したものでも、発芽させたものであってもよく、更に粉砕装置により粉砕したものであってもよい。
また、ハト麦以外の穀物も、焙煎したものでも、非焙煎のものでもよいが、香ばしさ付与の観点から、焙煎したものが好ましい。焙煎条件は穀物の種類により適宜選択することが可能である。例えば、焙煎温度は、好ましくは180〜350℃、更に好ましくは200〜300℃であり、焙煎時間は、好ましくは10〜120分、更に好ましくは15〜60分である。なお、焙煎には、回転式焙煎機等の公知の装置を使用することができる。
穀物以外の茶原料としては、例えば、カメリア・シネンシス種(Camellia sinensis)の茎葉、カメリア・シネンシス種以外の茎葉を挙げることができる。これらは1種又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
非重合体カテキン類は、通常、カメリア・シネンシス種の茎葉に含まれているため、例えば、洗浄穀物とともに、カメリア・シネンシス種の茎葉を用いて工程(2)に供することにより、非重合体カテキン類を含有するブレンド茶飲料を得ることができる。
カメリア・シネンシス種の茎葉としては、例えば、C.var.sinensis(やぶきた種を含む)、C.var.assamica及びそれらの雑種から選ばれる茶葉が挙げられる。茶葉は、その加工方法により、不発酵茶、半発酵茶、発酵茶に分類することができる。不発酵茶としては、例えば、煎茶、番茶、碾茶、釜入り茶、茎茶、棒茶、芽茶等の緑茶が挙げられる。また、半発酵茶としては、例えば、鉄観音、色種、黄金桂、武夷岩茶等の烏龍茶が挙げられる。更に、発酵茶としては、例えば、ダージリン、アッサム、スリランカ等の紅茶が挙げられる。ここでいう「緑茶、烏龍茶、紅茶」とは、飲用に供される茶抽出液ではなく、該茶抽出液を得るための茶原料である。これらは1種又は2種以上を使用することができる。中でも、非重合体カテキン類の含有量の点から、緑茶が好ましい。なお、茶葉、茎茶及び棒茶は、火入れ加工が施されていてもよい。
また、穀物以外の茶原料としては、カメリア・シネンシス種以外の茎葉、例えば、イチョウの葉、柿の葉、ビワの葉、桑の葉、クコの葉、杜仲の葉、小松菜、ルイボス、クマザサ、ドクダミ、アマチャヅル、スイカズラ、ツキミソウ、カキドオシ、カワラケツメイ、ギムネマ・シルベスタ、黄杞茶(クルミ科)、甜茶(バラ科)、キダチアロエ等を挙げることができる。また、カモミール、ハイビスカス、ペパーミント、レモングラス、レモンピール、レモンバーム、ローズヒップ、ローズマリー等のハーブも用いることができる。これらは1種又は2種以上を使用することができる。
本発明のブレンド茶飲料の製造方法は、下記の工程(1)及び(2)を含むものである。以下、各工程について詳細に説明する。
工程(1)
本工程では、先ずハト麦を含む穀物に水を接触させて洗浄する。これにより、ハト麦に付着する苦味の原因物質を水で洗い流すことができる。
水と接触させる穀物は、ハト麦のみでもよく、またハト麦が含まれていれば、それ以外の穀物を1種又は2種以上を使用してもよい。なお、ハト麦以外の穀物のうち、大麦を茶原料として使用する場合、コク、香ばしさの付与の観点から、大麦は洗浄しないことが好ましい。
接触に使用する水としては、例えば、水道水、蒸留水、イオン交換水等が挙げられ、適宜選択して使用することができる。
接触させる水の量は、ハト麦の表面に水を接触させるのに充分な量であり、かつ所望量の洗浄水を排出できれば、特に限定されないが、水を接触させる穀物の総量に対し、0.5質量倍以上が好ましく、1質量倍以上がより好ましく、1.5質量倍以上が更に好ましく、1.8質量倍以上が更に好ましく、2質量倍以上が更に好ましく、そして、8質量倍以下が好ましく、6質量倍以下がより好ましく、5質量倍以下が更に好ましく、4質量倍以下が更に好ましく、3.5質量倍以下が更に好ましい。かかる水の使用量の範囲としては、好ましくは0.5〜8質量倍、より好ましくは1〜6質量倍、更に好ましくは1.5〜5質量倍、更に好ましくは1.8〜4質量倍、更に好ましくは2〜3.5質量倍である。
また、接触させる水の量は、ハト麦に対し、0.5質量倍以上が好ましく、1質量倍以上がより好ましく、1.5質量倍以上が更に好ましく、1.8質量倍以上が更に好ましく、2質量倍以上が更に好ましく、そして、8質量倍以下が好ましく、6質量倍以下がより好ましく、5質量倍以下が更に好ましく、4質量倍以下が更に好ましく、3.5質量倍以下が更に好ましい。かかる水の使用量の範囲としては、ハト麦に対し、好ましくは0.5〜8質量倍、より好ましくは1〜6質量倍、更に好ましくは1.5〜5質量倍、更に好ましくは1.8〜4質量倍、更に好ましくは2〜3.5質量倍である。
なお、ハト麦を含む穀物に水を接触させた際に水が穀物に吸収されるため、その吸水量を考慮し、接触させる水の量を決定することが好ましい。例えば、実稼働に先立ち、洗浄する穀物の種類ごとに吸水量を測定し、取得した吸水量の総量と、所望する洗浄水の排出量とから、水の使用量を決定することができる。
接触させる水の温度は、苦味抑制の観点から、好ましくは5℃以上、より好ましくは30℃以上、更に好ましくは60℃以上、更に好ましくは75℃以上、そして、好ましくは100℃以下、より好ましくは99℃以下、より好ましくは95℃以下、更に好ましくは93℃以下である。かかる水の温度の範囲としては、好ましくは5〜100℃、より好ましくは30〜99℃、更に好ましくは60〜95℃、更に好ましくは70〜93℃、更に好ましくは75〜90℃である。
水との接触時間は、有用成分の抽出防止の観点から、好ましくは30分以下、より好ましくは10分以下、更に好ましくは5分以下、更に好ましくは3分以下、更に好ましくは2分以下、更に好ましくは1分以下であり、また苦味抑制の観点から、好ましくは15秒以上、より好ましくは30秒以上、更に好ましくは40秒以上である。かかる水との接触時間の範囲としては、好ましくは15秒〜30分、より好ましくは15秒〜30分、更に好ましくは30秒〜5分、更に好ましくは40秒〜3分、更に好ましくは40秒〜2分、更に好ましくは40秒〜1分である。
水との接触方法としては、バッチ法及びカラム法のいずれでも行うことができる。
バッチ法とは、容器に水を仕込み、そこにハト麦を含む穀物を投入するものである。
バッチ法でハト麦のみを洗浄する場合、容器に水を仕込み、容器内にハト麦を投入することで洗浄を行うことができる。
バッチ法でハト麦とともにハト麦以外の穀物を併用する場合は、容器内に仕込んだ水にハト麦を含む穀物を一括で投入してもよいが、穀物の種類ごとに時間差を設けて投入を行うことにより、水と各穀物の接触時間を変化させることができ、風味の調整の自由度を高めることができる。
カラム法とは、容器にハト麦を含む穀物を仕込み、その後、水を供給するものである。カラム法においては、水の供給は、仕込んだ穀物の上部から行う方法と仕込んだ穀物の下部から行う方法ができる。水の供給を下部から行うことで穀物の一部を洗浄することが可能になる。
カラム法でハト麦のみを洗浄する場合、カラム型抽出機にハト麦を仕込み、カラム内に水を供給すればよい。
カラム法でハト麦とともにハト麦以外の穀物を併用して洗浄する場合、カラム内にハト麦を含む穀物を混合して仕込んでもよいが、ハト麦を含む穀物を層状に仕込むことにより、原料として用いる穀物の一部を選択的に洗浄することができ、風味の調整の自由度を高めることができる。また、水の供給速度を制御することにより、各穀物の水との接触時間を制御することができ、風味の調整の自由度を高めることができる。
さらに、ハト麦を最下層に仕込み、水の供給を下部から行うことでハト麦のみを洗浄することができる。
バッチ法及びカラム法に使用する装置としては、当該技術分野で一般的に使用されているものであれば、特に限定なく使用することができる。
その他の接触方法として、ハト麦を含む穀物と水とを同時に容器に投入する方法も可能であるが、ハト麦を含む穀物と水との接触時間の管理の観点より、上述のバッチ法又はカラム法が好ましい。
次に、本工程では、水との接触後、洗浄水を排出し、洗浄穀物を得る。これにより、ハト麦に付着する苦味の原因物質を除去することができる。
洗浄水の排出量は、水を接触させた穀物の総量に対して0.05〜4質量倍であるが、より一層の苦味抑制の観点から、0.1質量倍以上が好ましく、0.3質量倍以上がより好ましく、0.5質量倍以上が更に好ましく、またコク、香ばしさの付与の観点から、3質量倍以下が好ましく、2質量倍以下がより好ましく、1質量倍以下が更に好ましい。かかる洗浄水の排出量の範囲としては、水を接触させた穀物の総量に対して、好ましくは0.1〜3質量倍、より好ましくは0.3〜3質量倍、更に好ましくは0.3〜2質量倍、更に好ましくは0.5〜1質量倍である。
また、洗浄水の排出量は、より一層の苦味抑制の観点から、ハト麦に対して、0.05質量倍以上が好ましく、0.1質量倍以上がより好ましく、0.3質量倍以上が更に好ましく、0.5質量倍以上が更に好ましく、またコク、香ばしさの付与の観点から、4質量倍以下が好ましく、3質量倍以下がより好ましく、2質量倍以下が更に好ましく、1質量倍以下が更に好ましく、0.9質量倍以下が更に好ましい。かかる洗浄水の排出量の範囲としては、ハト麦に対して、好ましくは0.05〜4質量倍、より好ましくは0.1〜3質量倍、より好ましくは0.3〜3質量倍、更に好ましくは0.3〜2質量倍、更に好ましくは0.5〜1質量倍、更に好ましくは0.5〜0.9質量倍である。
なお、本工程では、上記範囲内の洗浄水を排出できれば、洗浄に使用した容器内又はカラム型抽出機内に洗浄水の一部が残存していてもよい。残存する水の量は、洗浄穀物の乾燥質量に対して10質量%以下が好ましく、5質量%以下がより好ましく、1質量%以下が更に好ましく、実質的に全量を排出するのが更に好ましい。
工程(2)
本工程では、洗浄穀物を含む茶原料に水を接触させて抽出する。これにより、非重合体カテキン類と共存するときに苦味を生ずる原因物質が低減された抽出液を得ることができる。
本工程で使用する茶原料としては、洗浄穀物が含まれていれば、未洗浄の穀物、及び穀物以外の茶原料から選ばれる1種又は2種以上を使用してもよい。
抽出に使用する茶原料の総量に対するハト麦の割合は、通常1〜100質量%であるが、コク、香ばしさの付与の観点から、好ましくは2質量%以上、より好ましくは3質量%以上、更に好ましくは5質量%以上、そして、好ましくは75質量%以下、より好ましくは50質量%以下である。ハト麦の割合の範囲としては、抽出に使用する茶原料の総量に対して、好ましくは2〜75質量%、より好ましくは2〜50質量%、更に好ましくは5〜50質量%である。
抽出方法としては、ニーダー抽出、攪拌抽出、ドリップ抽出、カラム抽出等の公知の方法を採用することができる。例えば、工程(1)をバッチ法で行った場合には、例えば、次のa)〜e)の方法で抽出することができる。
a)ニーダー抽出機又は攪拌抽出機に、洗浄穀物と、所望により洗浄穀物以外の茶原料を、一括で投入して抽出する。
b)ニーダー抽出機又は攪拌抽出機に、洗浄穀物と、所望により洗浄穀物以外の茶原料を、抽出時間の長いものから順に投入して抽出する。
c)ドリップ抽出機又はカラム型抽出機に、洗浄穀物と、所望により洗浄穀物以外の茶原料を仕込み、抽出する。なお、茶原料の仕込み順序は、特に限定されない。
d)ドリップ抽出機又はカラム型抽出機に、洗浄穀物と、所望により洗浄穀物以外の茶原料を、その種類ごとに層状に仕込み、抽出する。
e)ドリップ抽出機又はカラム型抽出機に、洗浄穀物と、所望により洗浄穀物以外の茶原料を、抽出時間の長いものから順に仕込み、抽出する。
また、工程(1)をカラム法で行った場合には、工程(1)終了後のカラム内に、所望により洗浄穀物以外の茶原料を更に仕込み、カラム内に水を供給して抽出することができる。この場合、水の供給方法は特に限定されず、例えば、カラム内に上昇流及び下降流のいずれかで水を供給しても、カラム上方からシャワーにより水を供給しても、これらを組み合わせて行ってもよい。
抽出倍率(抽出液の質量/茶原料の総量)及び抽出時間は、抽出方法やスケール等により一様ではなく適宜決定することができるが、例えば、抽出倍率は、好ましくは15〜80倍、より好ましくは20〜70倍、更に好ましくは25〜50倍であり、また抽出時間は、好ましくは15〜60分、更に好ましくは20〜40分である。
また、抽出に使用する水としては、例えば、水道水、蒸留水、イオン交換水等が挙げられ、中でも、味の面からイオン交換水が好ましい。
抽出に使用する水の温度は、抽出効率及び風味の観点から、好ましくは50℃以上、より好ましくは70℃以上、更に好ましくは80℃以上、更に好ましくは85℃以上、そして、好ましくは100℃以下、より好ましくは98℃以下、更に好ましくは95℃以下である。水の温度の範囲としては、好ましくは50〜100℃、より好ましくは70〜100℃、更に好ましくは80〜100℃、更に好ましくは85〜95℃である。
なお、抽出後、得られた抽出液を冷却し、ろ過及び/又は遠心分離により、夾雑物等を分離してもよい。
本発明の製造方法により得られるブレンド茶飲料は、非重合体カテキン類を含有するにもかかわらず苦味が低減されている。
ブレンド茶飲料中の非重合体カテキン類の濃度は、生理効果の観点から、0.03質量%以上が好ましく、0.05質量%以上がより好ましく、0.1質量%以上が更に好ましく、また苦味低減の観点から、1質量%以下が好ましく、0.6質量%以下がより好ましく、0.4質量%以下が更に好ましい。ブレンド茶飲料中の非重合体カテキン類の含有量の範囲としては、好ましくは0.03〜1質量%、より好ましくは0.05〜0.6質量%、更に好ましくは0.1〜0.4質量%である。ここで、本明細書において「非重合体カテキン類」とは、カテキン、ガロカテキン、カテキンガレート及びガロカテキンガレート等の非エピ体カテキン類と、エピカテキン、エピガロカテキン、エピカテキンガレート及びエピガロカテキンガレート等のエピ体カテキン類を併せての総称であり、非重合体カテキン類の含有量は、これら8種の合計量に基づいて定義される。なお、本発明においては、これら8種の非重合体カテキン類のうち少なくとも1種を含有すればよい。
非重合体カテキン類の濃度調整のために、例えば、洗浄穀物及びカメリア・シネンシス種の茎葉を茶原料として用い、工程(2)に供してブレンド茶飲料を製造する方法が挙げられる。この場合、カメリア・シネンシス種の茎葉の仕込み量を調整すればよく、必要により抽出後、濃縮又は希釈してもよい。また、カメリア・シネンシス種以外の茎葉を茶原料として用いてもよい。
また、工程(2)で得られた抽出液と、カメリア・シネンシス種の茎葉から得られた茶抽出物を配合してブレンド茶飲料を製造する方法が挙げられる。この場合、工程(2)で得られた抽出液と、カメリア・シネンシス種の茎葉から得られた茶抽出物との各配合量を適宜調整すればよい。また、カメリア・シネンシス種以外の茎葉から得られた抽出物も配合してもよい。
カメリア・シネンシス種の茎葉から得られた茶抽出物、及びカメリア・シネンシス種以外の茎葉から得られた抽出物の製造方法としては、前述の工程(2)と同様の公知の抽出方法を適宜採用することができる。
これら茶抽出物として、該茶抽出物から溶媒の一部を除去して有用成分の濃度を高めた濃縮物を使用してもよい。茶抽出物の形態としては、固体、水溶液、スラリー状等の種々のものがある。該濃縮物は、例えば、特開昭59−219384号公報、特開平4−20589号公報、特開平5−260907号公報、特開平5−306279号公報等に記載の方法により調製することができる。また、カメリア・シネンシス種の茎葉から得られた茶抽出物として、例えば、三井農林社製の「ポリフェノン」、伊藤園社製の「テアフラン」、太陽化学社製の「サンフェノン」等の市販品を使用してもよい。
さらに、茶抽出物の精製物を使用してもよい。
また、ブレンド茶飲料には、茶原料由来の成分にあわせて、例えば、酸味料、有機酸、有機酸塩、無機酸、無機酸塩、無機塩、酸化防止剤、香料、各種エステル、色素類、乳化剤、保存料、調味料、甘味料、果汁エキス、野菜エキス、花蜜エキス、麦芽エキス、品質安定剤等の添加剤を単独で又は併用して配合することができる。
ブレンド茶飲料のpH(20℃)は、非重合体カテキン類の安定性、風味の観点から、5.0〜7.0が好ましく、5.2〜6.7がより好ましく、5.5〜6.5が更に好ましい。
また、得られたブレンド茶飲料は、ポリエチレンテレフタレートを主成分とする成形容器(いわゆるPETボトル)、金属缶、金属箔やプラスチックフィルムと複合された紙容器、瓶等の通常の包装容器に充填することができる。その場合、例えば、金属缶のような容器に充填後、加熱殺菌できる場合にあっては適用されるべき法規(日本にあっては食品衛生法)に定められた殺菌条件で製造できる。PETボトル、紙容器のようにレトルト殺菌できないものについては、あらかじめ上記と同等の殺菌条件、例えばプレート式熱交換器などで高温短時間殺菌後、一定の温度まで冷却して容器に充填する等の方法が採用できる。
前述の実施形態に関し、本発明は以下の製造方法を開示する。
<1>
ハト麦を含む穀物を少なくとも茶原料として使用し、非重合体カテキン類を含有するブレンド茶飲料の製造方法であって、
以下の工程(1)及び(2):
(1)ハト麦を含む穀物に水を接触させて洗浄し、水を接触させた穀物の総量に対して0.05〜4質量倍の洗浄水を排出し、洗浄穀物を得る工程、及び
(2)該洗浄穀物を含む茶原料に水を接触させて抽出し、抽出液を得る工程
を含む、ブレンド茶飲料の製造方法。
<2>
穀物が、好ましくはα化処理したもの、発芽させたもの、粉砕したもののいずれか1以上の要件を具備するものである、前記<1>記載のブレンド茶飲料の製造方法。
<3>
穀物が、好ましくは焙煎したもの、又は非焙煎のものである、前記<1>又は<2>記載のブレンド茶飲料の製造方法。
<4>
ハト麦以外の穀物として、好ましくは麦類、米類、豆類及び雑穀類から選ばれる1種又は2種以上を含有する、前記<1>〜<3>のいずれか一項に記載のブレンド茶飲料の製造方法。
<5>
麦類が、好ましくは大麦、小麦、ライ麦、燕麦及び裸麦から選ばれる1種又は2種以上である、前記<4>記載のブレンド茶飲料の製造方法。
<6>
米類が、好ましくは玄米である、前記<4>又は<5>記載のブレンド茶飲料の製造方法。
<7>
豆類が、好ましくは大豆、黒大豆、ソラマメ、インゲン豆、小豆、エビスクサ、ササゲ、ラッカセイ、エンドウ及びリョクトウから選ばれる1種又は2種以上である、前記<4>〜<6>のいずれか一に記載のブレンド茶飲料の製造方法。
<8>
雑穀類が、好ましくはソバ、トウモロコシ、白ゴマ、黒ゴマ、粟、稗、黍及びキヌワから選ばれる1種又は2種以上である、前記<4>〜<7>のいずれか一に記載のブレンド茶飲料の製造方法。
<9>
ハト麦以外の穀物として、好ましくは大麦、玄米、大豆及びトウモロコシから選ばれる1種又は2種以上を含有する、前記<4>〜<8>のいずれか一項に記載のブレンド茶飲料の製造方法。
<10>
穀物以外の茶原料として、好ましくはカメリア・シネンシス種(Camellia sinensis)の茎葉、及びカメリア・シネンシス種以外の茎葉から選ばれる1種又は2種以上を含有する、前記<1>〜<8>のいずれか一項に記載のブレンド茶飲料の製造方法。
<11>
カメリア・シネンシス種の茎葉が、好ましくはC.var.sinensis(やぶきた種を含む)、C.var.assamica及びそれらの雑種から選ばれる茶葉である、前記<10>記載のブレンド茶飲料の製造方法。
<12>
カメリア・シネンシス種の茎葉が、好ましくは不発酵茶、半発酵茶及び発酵茶から選ばれる1種又は2種以上の茶葉である、前記<10>又は<11>記載のブレンド茶飲料の製造方法。
<13>
不発酵茶が、好ましくは緑茶である、前記<12>記載のブレンド茶飲料の製造方法。
<14>
半発酵茶が、好ましくは烏龍茶である、前記<12>又は<13>記載のブレンド茶飲料の製造方法。
<15>
発酵茶が、好ましくは紅茶である、前記<12>〜<14>のいずれか一に記載のブレンド茶飲料の製造方法。
<16>
カメリア・シネンシス種以外の茎葉が、好ましくはイチョウの葉、柿の葉、ビワの葉、桑の葉、クコの葉、杜仲の葉、小松菜、ルイボス、クマザサ、ドクダミ、アマチャヅル、スイカズラ、ツキミソウ、カキドオシ、カワラケツメイ、ギムネマ・シルベスタ、黄杞茶(クルミ科)、甜茶(バラ科)、キダチアロエ及びハーブから選ばれる1種又は2種以上の茎葉である、前記<10>〜<15>のいずれか一に記載のブレンド茶飲料の製造方法。
<17>
ハーブが、好ましくはカモミール、ハイビスカス、ペパーミント、レモングラス、レモンピール、レモンバーム、ローズヒップ及びローズマリーから選ばれる1種又は2種以上である、前記<16>記載のブレンド茶飲料の製造方法。
<18>
工程(1)において、接触させる水の量が、水を接触させる穀物の総量に対し、好ましくは0.5質量倍以上、より好ましくは1質量倍以上、更に好ましくは1.5質量倍以上、更に好ましくは1.8質量倍以上、更に好ましくは2質量倍以上であって、好ましくは8質量倍以下、より好ましくは6質量倍以下、更に好ましくは5質量倍以下、更に好ましくは4質量倍以下、更に好ましくは3.5質量倍以下である、前記<1>〜<17>のいずれか一に記載のブレンド茶飲料の製造方法。
<19>
工程(1)において、接触させる水の量が、水を接触させる穀物の総量に対して、好ましくは0.5〜8質量倍、より好ましくは1〜6質量倍、更に好ましくは1.5〜5質量倍、更に好ましくは1.8〜4質量倍、更に好ましくは2〜3.5質量倍である、前記<1>〜<18>のいずれか一に記載のブレンド茶飲料の製造方法。
<20>
工程(1)において、接触させる水の量が、ハト麦に対し、好ましくは0.5質量倍以上、より好ましくは1質量倍以上、更に好ましくは1.5質量倍以上、更に好ましくは1.8質量倍以上、更に好ましくは2質量倍以上であって、好ましくは8質量倍以下、より好ましくは6質量倍以下、更に好ましくは5質量倍以下、更に好ましくは4質量倍以下、更に好ましくは3.5質量倍以下である、前記<1>〜<17>のいずれか一に記載のブレンド茶飲料の製造方法。
<21>
工程(1)において、接触させる水の量が、ハト麦に対し、好ましくは0.5〜8質量倍、より好ましくは1〜6質量倍、更に好ましくは1.5〜5質量倍、更に好ましくは1.8〜4質量倍、更に好ましくは2〜3.5質量倍である、前記<1>〜<18>のいずれか一に記載のブレンド茶飲料の製造方法。
<22>
工程(1)において、接触させる水の温度が、好ましくは5℃以上、より好ましくは30℃以上、更に好ましくは60℃以上、更に好ましくは75℃以上であって、好ましくは100℃以下、より好ましくは99℃以下、より好ましくは95℃以下、更に好ましくは93℃以下である、前記<1>〜<21>のいずれか一に記載のブレンド茶飲料の製造方法。
<23>
工程(1)において、接触させる水の温度が、好ましくは5〜100℃、より好ましくは30〜99℃、更に好ましくは60〜95℃、更に好ましくは70〜93℃、更に好ましくは75〜90℃である、前記<1>〜<22>のいずれか一に記載のブレンド茶飲料の製造方法。
<24>
工程(1)において、水との接触時間が、好ましくは30分以下、より好ましくは10分以下、更に好ましくは5分以下、更に好ましくは3分以下、更に好ましくは2分以下、更に好ましくは1分以下であって、好ましくは15秒以上、より好ましくは30秒以上、更に好ましくは40秒以上である、前記<1>〜<23>のいずれか一に記載のブレンド茶飲料の製造方法。
<25>
工程(1)において、水との接触時間が、好ましくは15秒〜30分、より好ましくは15秒〜30分、更に好ましくは30秒〜5分、更に好ましくは40秒〜3分、更に好ましくは40秒〜2分、更に好ましくは40秒〜1分である、前記<1>〜<24>のいずれか一に記載のブレンド茶飲料の製造方法。
<26>
工程(1)において、水との接触方法が、好ましくはバッチ法又はカラム法である、前記<1>〜<25>のいずれか一に記載のブレンド茶飲料の製造方法。
<27>
工程(1)において、洗浄水の排出量が、水を接触させた穀物の総量に対して、好ましくは0.1質量倍以上、より好ましくは0.3質量倍以上、更に好ましくは0.5質量倍以上であって、好ましくは3質量倍以下、より好ましくは2質量倍以下、更に好ましくは1質量倍以下である、前記<1>〜<26>のいずれか一に記載のブレンド茶飲料の製造方法。
<28>
工程(1)において、洗浄水の排出量が、水を接触させた穀物の総量に対して、好ましくは0.1〜3質量倍、より好ましくは0.3〜3質量倍、更に好ましくは0.3〜2質量倍、更に好ましくは0.5〜1質量倍である、前記<1>〜<27>のいずれか一に記載のブレンド茶飲料の製造方法。
<29>
工程(1)において、洗浄水の排出量が、ハト麦に対して、好ましくは0.05質量倍以上、より好ましくは0.1質量倍以上、更に好ましくは0.3質量倍以上、更に好ましくは0.5質量倍以上であって、好ましくは4質量倍以下、より好ましくは3質量倍以下、更に好ましくは2質量倍以下、更に好ましくは1質量倍以下、更に好ましくは0.9質量倍以下である、前記<1>〜<28>のいずれか一に記載のブレンド茶飲料の製造方法。
<30>
工程(1)において、洗浄水の排出量が、ハト麦に対して、好ましくは0.05〜4質量倍、より好ましくは0.1〜3質量倍、より好ましくは0.3〜3質量倍、更に好ましくは0.3〜2質量倍、更に好ましくは0.5〜1質量倍、更に好ましくは0.5〜0.9質量倍である、前記<1>〜<29>のいずれか一に記載のブレンド茶飲料の製造方法。
<31>
工程(1)において、洗浄に使用した容器内又はカラム型抽出機内に残存する洗浄水の量が、洗浄穀物の乾燥質量に対して、好ましくは10質量%以下、より好ましくは5質量%以下、更に好ましくは1質量%以下であり、更に好ましく実質的に残存しないことである、前記<1>〜<30>のいずれか一に記載のブレンド茶飲料の製造方法。
<32>
工程(2)において、茶原料として、未洗浄の穀物、及び穀物以外の茶原料から選ばれる1種又は2種以上を含有する、前記<1>〜<31>のいずれか一に記載のブレンド茶飲料の製造方法。
<33>
工程(2)において使用する茶原料の総量に対するハト麦の割合が、好ましくは1質量%以上、より好ましくは2質量%以上、更に好ましくは3質量%以上、更に好ましくは5質量%以上であって、好ましくは100質量%以下、より好ましくは75質量%以下、更に好ましくは50質量%以下である、前記<1>〜<32>のいずれか一に記載のブレンド茶飲料の製造方法。
<34>
工程(2)において使用する茶原料の総量に対するハト麦の割合が、好ましくは1〜100質量%、より好ましくは2〜75質量%、更に好ましくは2〜50質量%、更に好ましくは5〜50質量%である、前記<1>〜<33>のいずれか一に記載のブレンド茶飲料の製造方法。
<35>
工程(2)において、抽出方法が、好ましくはニーダー抽出、攪拌抽出、ドリップ抽出又はカラム抽出である、前記<1>〜<34>のいずれか一に記載のブレンド茶飲料の製造方法。
<36>
工程(2)において、抽出倍率(抽出液の質量/茶原料の総量)が、好ましくは15〜80倍、より好ましくは20〜70倍、更に好ましくは25〜50倍である、前記<1>〜<35>のいずれか一に記載のブレンド茶飲料の製造方法。
<37>
工程(2)において、抽出時間が、好ましくは15〜60分、更に好ましくは20〜40分である前記<1>〜<36>のいずれか一に記載のブレンド茶飲料の製造方法。
<38>
工程(2)において、抽出に使用する水が、好ましくは水道水、蒸留水又はイオン交換水、更に好ましくはイオン交換水である、前記<1>〜<37>のいずれか一に記載のブレンド茶飲料の製造方法。
<39>
工程(2)において、抽出に使用する水の温度が、好ましくは50℃以上、より好ましくは70℃以上、更に好ましくは80℃以上、更に好ましくは85℃以上であって、好ましくは100℃以下、より好ましくは98℃以下、更に好ましくは95℃以下である、前記<1>〜<38>のいずれか一に記載のブレンド茶飲料の製造方法。
<40>
工程(2)において、抽出に使用する水の温度が、好ましくは50〜100℃、より好ましくは70〜100℃、更に好ましくは80〜100℃、更に好ましくは85〜95℃である、前記<1>〜<39>のいずれか一に記載のブレンド茶飲料の製造方法。
<41>
工程(2)後、好ましくは得られた抽出液を、ろ過及び/又は遠心分離する、前記<1>〜<40>のいずれか一に記載のブレンド茶飲料の製造方法。
<42>
工程(2)後、好ましくは得られた抽出液と、カメリア・シネンシス種の茎葉から得られた茶抽出物を配合する、前記<1>〜<41>のいずれか一に記載のブレンド茶飲料の製造方法。
<43>
更に、好ましくはカメリア・シネンシス種以外の茎葉から得られた抽出物を配合する、前記<42>のいずれか一に記載のブレンド茶飲料の製造方法。
<44>
当該ブレンド茶飲料が、好ましくは茶原料として少なくともハト麦を含む穀物を用い、該穀物及び該穀物以外の茶原料から選ばれる1種又は2種以上を使用して製造されるものである、前記<1>〜<43>のいずれか一に記載のブレンド茶飲料の製造方法。
<45>
当該ブレンド茶飲料中の非重合体カテキン類の濃度が、好ましくは0.03質量%以上、より好ましくは0.05質量%以上、更に好ましくは0.1質量%以上であって、好ましくは1質量%以下、より好ましくは0.6質量%以下、更に好ましくは0.4質量%以下である、前記<1>〜<44>のいずれか一に記載のブレンド茶飲料の製造方法。
<46>
ブレンド茶飲料中の非重合体カテキン類の濃度が、好ましくは0.03〜1質量%、より好ましくは0.05〜0.6質量%、更に好ましくは0.1〜0.4質量%である、前記<1>〜<45>のいずれか一に記載のブレンド茶飲料の製造方法。
<47>
非重合体カテキン類が、好ましくはカテキン、ガロカテキン、カテキンガレート、ガロカテキンガレート、エピカテキン、エピガロカテキン、エピカテキンガレート及びエピガロカテキンガレートから選ばれる少なくとも1種である、前記<45>又は<46>記載のブレンド茶飲料の製造方法。
<48>
当該ブレンド茶飲料のpHが、好ましくは5.0〜7.0、より好ましくは5.2〜6.7、更に好ましくは5.5〜6.5である、前記<1>〜<47>のいずれか一に記載のブレンド茶飲料の製造方法。
<49>
当該ブレンド茶飲料が、好ましくは容器詰ブレンド茶飲料である、前記<1>〜<48>のいずれか一に記載のブレンド茶飲料の製造方法。
<50>
容器が、好ましくはPETボトル、金属缶、金属箔やプラスチックフィルムと複合された紙容器、又は瓶である、前記<49>記載のブレンド茶飲料の製造方法。
<51>
当該ブレンド茶飲料が、好ましくは加熱殺菌されたものである、前記<1>〜<50>のいずれか一に記載のブレンド茶飲料の製造方法。
1.非重合体カテキン類の定量
各ブレンド茶飲料をフィルタ(0.45μm)で濾過し、高速液体クロマトグラフ(型式SCL−10AVP、島津製作所製)を用い、オクタデシル基導入液体クロマトグラフ用パックドカラム(L−カラムTM ODS、4.6mmφ×250mm:財団法人 化学物質評価研究機構製)を装着し、カラム温度35℃でグラジエント法により分析した。移動相A液は酢酸を0.1mol/L含有する蒸留水溶液、B液は酢酸を0.1mol/L含有するアセトニトリル溶液とし、試料注入量は20μL、UV検出器波長は280nmの条件で行った。
2.Brixの測定
20℃における試料のBrixを、糖度計(Atago RX-5000、Atago社製)を用いて測定した。
3.官能試験
専門パネラー4名が各ブレンド茶飲料を飲用し、苦味、コク感、香ばしさについて下記の基準にしたがって評価した。そして、専門パネラー4名の評点の平均値を求めた。
苦味
評点5:苦味がほとんどない
4:苦味がわずかにある
3:苦味がある
2:苦味がやや強い
1:苦味が非常に強い
コク感
評点5:コクが非常に強い
4:コクが強い
3:コクがある
2:コクがわずかにある
1:コクがほとんどない
香ばしさ
評点5:香ばしさが非常に強い
4:香ばしさが強い
3:香ばしさがある
2:香ばしさがわずかにある
1:香ばしさがほとんどない
実施例1
・工程(1)
ステンレス製容器に、焙煎ハト麦36.5gを仕込み、90℃の熱水80gを供給した後、速やかに水を切り、洗浄ハト麦を得た。このときの洗浄水の排出量は、18.25g(洗浄ハト麦に対して0.5質量倍)であった。
・工程(2)
工程(1)で得られた洗浄ハト麦全量と、未洗浄の穀物3種、すなわち焙煎発芽玄米茶146g、焙煎大麦粒146g、及び焙煎トウモロコシ粒36.5gをジャケット付攪拌抽出機に仕込んだ。穀物の総量は365gであった。
抽出機内に90℃の熱水9125gを供給して攪拌下30分間抽出を行った。その間、水の温度を90℃に保った。
抽出後、20メッシュの篩、及び80メッシュの篩を用いて、原料残渣を分離し、8750gの分離液を得た。回収した分離液を20℃まで冷却し、孔径0.8μmのフィルタでろ過した後、フィルタ内の残液を回収するために、イオン交換水を続けて供給し、9000gの穀物抽出液を得た。
・ブレンド茶飲料
ブレンド茶飲料中の穀物の使用量が1質量%、非重合体カテキン類の含有量が0.12質量%、シクロデキストリンの含有量が0.9質量%となるように、工程(2)で得られた穀物抽出液2466gに、緑茶抽出物(ポリフェノンHG、三井農林社製)及びシクロデキストリンを添加し、次いでアスコルビン酸2gを加え、重曹にてpH6.2に調整し、イオン交換水で希釈して5Lの調合液を得た。
調合液を138℃、30秒殺菌した後、ペットボトルに充填して容器詰ブレンド茶飲料を得た。
実施例2
ステンレス製容器に、焙煎ハト麦(36.5g)とともに、焙煎大麦粒(146g)及び焙煎トウモロコシ粒(36.5g)を仕込み、90℃の熱水約480gを供給した後、速やかに水を切り、洗浄ハト麦を含む穀物を得た。このときの洗浄水の排出量は、109.5g(洗浄した穀物総量に対して0.5質量倍)であった。
以下、工程(1)で得られた洗浄穀物3種、すなわち洗浄ハト麦、洗浄大麦及び洗浄トウモロコシの全量と、未洗浄の焙煎発芽玄米146gを用いたこと以外は、実施例1と同様の操作にて容器詰ブレンド茶飲料を得た。
実施例3
洗浄水の排出量を洗浄ハト麦に対し1質量倍に変更した以外は、実施例1と同様の操作にて容器詰ブレンド茶飲料を得た。
実施例4
穀物原料中の焙煎ハト麦の割合を5質量%に変更した以外は、実施例1と同様の操作にて容器詰ブレンド茶飲料を得た。
実施例5
穀物原料中の焙煎ハト麦の割合を50質量%に変更した以外は、実施例1と同様の操作にて容器詰ブレンド茶飲料を得た。
実施例6
穀物原料中の焙煎ハト麦の割合を100質量%に変更した以外は、実施例1と同様の操作にて容器詰ブレンド茶飲料を得た。
実施例7
洗浄用水と抽出用水の温度をそれぞれ95℃に変更した以外は、実施例1と同様の操作にて容器詰ブレンド茶飲料を得た。
実施例8
洗浄用水の温度を25℃に変更した以外は、実施例1と同様の操作にて容器詰ブレンド茶飲料を得た。
比較例1
焙煎ハト麦の洗浄を行わなかったこと以外は、実施例1と同様の操作にて容器詰ブレンド茶飲料を得た。
比較例2
工程(1)において、焙煎ハト麦36.5gの代わりに焙煎大麦粒146gを仕込み、90℃の熱水約320gを供給し、洗浄水として73gを排出したこと、並びに工程(2)において、工程(1)で得られた洗浄大麦全量と、未洗浄の穀物3種、すなわち焙煎ハト麦36.5g、焙煎発芽玄米茶146g、及び焙煎トウモロコシ粒36.5gを使用したこと以外は、実施例1と同様の操作にて容器詰ブレンド茶飲料を得た。
比較例3
洗浄水の排出量を洗浄ハト麦に対し4.5質量倍に変更した以外は、実施例1と同様の操作にて容器詰ブレンド茶飲料を得た。
比較例4
焙煎ハト麦の洗浄を行わなかったこと以外は、実施例6と同様の操作にて容器詰ブレンド茶飲料を得た。
比較例5
穀物原料中の焙煎大麦の割合を100質量%に変更し、かつ焙煎大麦の洗浄を行わなかったこと以外は、実施例6と同様の操作にて容器詰ブレンド茶飲料を得た。
比較例6
穀物原料中の焙煎大麦の割合を100質量%に変更したこと以外は、実施例6と同様の操作にて容器詰ブレンド茶飲料を得た。
Figure 2014128194
比較例1に示されるように、非重合体カテキン類0.12質量%を含有するブレンド茶は苦味がやや強いものであった。
実施例に示されるように、ハト麦を含む茶原料から抽出液を製造する前に、ハト麦を水に接触させて洗浄し、洗浄液を一定量排出することにより、非重合体カテキン類を含有しているにもかかわらず、苦味が抑制されており、かつコクや香ばしさを有するブレンド茶飲料が得られることが確認された。
一方、比較例1と比較例2、及び比較例5と比較例6に示されるように、非重合体カテキン類を含有するブレンド茶においては焙煎大麦を洗浄しても苦味が改善されず、むしろ苦味がより強く感じられた。

Claims (8)

  1. 少なくともハト麦を含む穀物を茶原料として使用し、非重合体カテキン類を含有するブレンド茶飲料の製造方法であって、
    以下の工程(1)及び(2):
    (1)ハト麦を含む穀物に水を接触させ、水を接触させた穀物の総量に対して0.05〜4質量倍の洗浄水を排出し、洗浄穀物を得る工程、及び
    (2)該洗浄穀物を含む茶原料に水を接触させて抽出し、抽出液を得る工程
    を含む、ブレンド茶飲料の製造方法。
  2. 工程(1)において、ハト麦及び大麦を含む穀物を使用し、大麦を洗浄しない、請求項1記載のブレンド茶飲料の製造方法。
  3. 工程(1)において、水の温度が5℃以上100℃以下である、請求項1又は2記載のブレンド茶飲料の製造方法。
  4. 工程(1)において、水との接触時間が30分以下である、請求項の1〜3いずれか1項に記載のブレンド茶飲料の製造方法。
  5. 工程(2)において、茶原料の総量に対するハト麦の割合が1質量%以上100質量%以下である、請求項1〜4のいずれか1項に記載のブレンド茶飲料の製造方法。
  6. 工程(2)において、洗浄穀物及びカメリア・シネンシス種の茎葉を含む茶原料を使用する、請求項1〜5のいずれか1項に記載のブレンド茶飲料の製造方法。
  7. 工程(2)後において、工程(2)で得られた抽出液と、カメリア・シネンシス種の茎葉から得られた茶抽出物を配合する工程を有する、請求項1〜5のいずれか1項に記載のブレンド茶飲料の製造方法。
  8. ブレンド茶飲料中の非重合体カテキン類の含有量が0.03質量%以上1質量%以下である、請求項1〜7のいずれか1項に記載のブレンド茶飲料の製造方法。
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