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JP2007005951A - 伝送回路、アンテナ共用器、高周波スイッチ回路 - Google Patents

伝送回路、アンテナ共用器、高周波スイッチ回路 Download PDF

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JP2007005951A JP2005181402A JP2005181402A JP2007005951A JP 2007005951 A JP2007005951 A JP 2007005951A JP 2005181402 A JP2005181402 A JP 2005181402A JP 2005181402 A JP2005181402 A JP 2005181402A JP 2007005951 A JP2007005951 A JP 2007005951A
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  • Surface Acoustic Wave Elements And Circuit Networks Thereof (AREA)
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Abstract

【課題】
伝送線路と外部電極への引き出し電極の対向により、伝送線路により誘導される電磁界と引き出し電極により誘導される電磁界の結合による伝送線路の特性の劣化を回避し、小型、高性能な伝送線路を提供する。
【解決手段】
上記目的を達成するため、本発明は、第1の接地電極である第1のシールド層と、第2の接地電極である第2のシールド層と、第1のシールド層及び第2のシールド層と対向し、第1のシールド層及び第2のシールド層の間に配置されたスパイラル状の伝送線路と、を備える。伝送線路のスパイラル部分は、伝送回路の上面又は下面から見た場合に第1のシールド層及び第2のシールド層の内側に配置されている。
【選択図】 図1(a)

Description

本発明は、伝送回路、アンテナ共用器、高周波スイッチ回路に関する。
従来、高周波回路に用いる伝送線路の一例として、ミアンダ状の線路とシールド電極とを積層基板内に配置したものが提案されている。
また、スパイラル状コイル導体と、このコイル導体と誘電体セラミックス層を介して対向するように、コイル導体の上下に形成されたシールド電極とを備え、コイル導体とシールド電極との間でストリップライン構造を形成した遅延線が提案されている(例えば、特許文献1)。
特開平5−29819号公報
しかしながら、上記のミアンダ状の線路とシールド電極とを積層基板内に配置した技術では、線路の特性インピーダンスが、ミアンダ状の線路の幅及びミアンダ状の線路とシールド電極との距離で決まる。つまり、図11に示すように、より高いインピーダンスを得ようとした場合、ミアンダ状の線路18とシールド電極17、19との距離が大きくなるため部品が大型化する。また、位相差がミアンダ状の線路18の長さに依存するため、大きな位相差を得ようとした場合、部品がさらに大型化する。また、ミアンダ状の線路18の幅が細くなるため線路の抵抗が増大し、特性が劣化するおそれがある。さらに、ミアンダ状の線路18は、隣接する導体部分間で電流の流れる方向が逆方向となるため、隣接する導体部分間でインダクタンス分が相殺され、全体としてのインダクタンス分が減少するおそれもある。
また、上記特許文献1記載の遅延線では、スパイラル状のコイル導体と、外部電極への引き出し電極が対向しクロスオーバー部が発生しているか、または、スパイラル状のコイル導体外縁部と、外部電極への引き出し電極の間に形成されるシールド電極の外縁部の投影配置が一致している。また、スパイラル状のコイル導体と、外部電極が対向している。このため、コイル導体により誘導される電磁界と引き出し電極により誘導される電磁界が結合するため伝送線路の特性が劣化するおそれがある。つまり、クロスオーバー部があると伝送線路の入出力間の結合容量と伝送線路のインダクタンスによる共振が発生し、高周波域での動作が困難になるおそれがある。
また、コイル導体を複数層に渡り積層し、更にビアホールにて接続して一層大きな遅延時間を得ているため、積層するコイル導体を流れる電流の方向が上下隣接コイル導体で逆方向となり、各コイル導体のインダクタンス分が相殺され、全体としてのインダクタンス分が減少してしまうおそれがある。このため、実製品、即ち移動通信端末に搭載されたSAWフィルタやFBARフィルタにおいて使用される0.5GHzから1GHzの動作周波数において伝送信号を90度以上の移相することが困難になり、移動通信端末を正確に動作させることが出来なくなる。
さらに、SAWフィルタ、あるいは、FBARフィルタ等を用いたアンテナ共用器を使用する場合、これらのフィルタの端子と遅延線の外部端子とをプリント基板等を介して接続する必要があるためアンテナ共用器デバイスのサイズが増大してしまう。
上記目的を達成するため、本発明は、第1の接地電極である第1のシールド層と、第2の接地電極である第2のシールド層と、第1のシールド層及び第2のシールド層と対向し、第1のシールド層及び第2のシールド層の間に配置されたスパイラル状の伝送線路と、を備える。伝送線路のスパイラル部分は、伝送回路の上面又は下面から見た場合に第1のシールド層及び第2のシールド層の内側に配置されている。
本発明によれば、伝送特性を向上させた伝送線路、アンテナ共用器、高周波スイッチ回路を提供することが可能になる。
本発明の実施の形態においては、高周波回路におけるLTCC(低温焼成多層セラミック)やHTCC(高温焼成多層セラミック)等の誘電体基板を使用した伝送線路を例として説明する。また、この伝送線路は、SAW(Surface Acoustic Wave)フィルタ、あるいは、FBAR(Film Bulk Acoustic Resonator)フィルタ等のフィルタを用いたアンテナ共用器やアンテナスイッチ、フロントエンドモジュール等に用いられる略0.5GHz以上の高周波回路に用いるものとして説明する。以下、本発明の実施の形態を、図を用いて説明する。
図1(a)、(b)、及び、(c)はそれぞれ本発明の第1実施例に係る伝送線路の斜視透過図、その側面透過図、及び、その各層の電極パターン図を示す。誘電体多層基板1は、例えばLTCCやHTCCなどで構成されている。図1に示すように誘電体多層基板1の内部において、伝送線路2が形成されている。
前記伝送線路2は、円形スパイラル構造の線路を形成している。伝送線路2の上層には接地電極3が、伝送線路2の下層には接地電極4がそれぞれ伝送線路2を覆い配置されている。
誘電体多層基板1の表面に配置されているランド5は、ビアホール100a、100bにより伝送線路2の一端に接続され、伝送線路2の他端は、ビアホール101b、101aにより誘電体基板1の表面に配置されているランド6に接続されている。即ち、誘電体多層基板1の上面に配置されている表面のランド5とランド6は、それぞれ第1実施例の伝送線路の入出力端となっている。
図2は、第1実施例に係る伝送線路の各層の電極パターンを上方からみた透過図を示す。図2に示すように、前記伝送線路2は接地電極3と接地電極4により覆われて配置されている。従って、A部とB部は接地電極3と接地電極4の内側に位置し、C部とA部、且つC部とB部のいずれにおいてもクロスオーバーは発生しない。つまり、伝送線路2の出力端であるC部から外部と接続する引き出し線を配置した場合においても、引き出し線と伝送線路2(具体的にはA部とB部)との間に接地電極3が配置されているため電磁界の結合を防ぐことができるようになる。即ち、伝送線路2の出力端は、高周波においても、伝送線路2の入力端から出力端の間のいずれの部分とも電磁界の結合を防ぐことができるため、伝送特性の劣化を防ぎ、良好な伝送特性を得ることができる。
なお、本実施例の構成では、接地電極3、4は、伝送線路2のスパイラル形状部分を十分広く覆うような構成とする。スパイラル形状部分を十分に広く覆わない場合、例えばスパイラル形状部分が接地電極3、4が覆う範囲からはみ出してしまう場合、電界、磁界の悪影響を排除しきれず、伝送特性の劣化を招くおそれがあるからである。また、スパイラル形状部分が接地電極3、4とほぼ同じ大きさの場合には、磁界が回り込んでくるためやはり伝送特性の劣化を招くおそれがある。従って、接地電極3、4は、電界、磁界の影響を十分低減できる程度に、伝送線路2のスパイラル形状部分を広く覆うような構成とすることが必要となる。
また本構成においては、接地電極3、4と伝送線路2間のキャパシタンス成分と、伝送線路2のクロスオーバー部の無い円形スパイラル構造によるインダクタ成分を調整することにより、所望の周波数帯域において所望のインピーダンス特性を得ることができる。
本実施例によれば、伝送線路2および接地電極3、4で構成されるクロスオーバー部の無い円形スパイラル構造によるインダクタンス成分とキャパシタンス成分により、ストリップ線路の長さのみで得られる位相シフト量よりも遙かに大きな位相シフト量が得られるため、非常に小さい構造で伝送線路を構成することができる。また本実施例の伝送線路は、単一層あたりの位相シフト量が大きく、線路を構成する層数を少なくできる。そのため伝送線路のサイズを小型化・薄型化できる。更に線路とビアホールの接続による線路の不連続点を少なくすることで、損失を小さくすることができ、且つ、積層ずれによる特性変動の小さい伝送線路を提供することができる。
図3(a)、(b)、及び、(c)は、それぞれ第1実施例に係る伝送線路の入力端ランド5から出力端ランド6までの振幅特性、位相特性、及び、反射特性である。これらの図によれば、本実施例に係る伝送線路は、2GHzにおいて、通過損失が0.3dB、位相シフト量が85度、インピーダンスが50Ωとなっている。即ちこの伝送線路は、2GHz帯近傍において、低損失で且つ優れたλ/4変成器を構成している。
図4は本発明の第2実施例に係る伝送線路の各層の電極パターン図を示す。
本実施例では、誘電体多層基板1の内部において、第1の伝送線路8が形成され、第一の伝送線路8の下層には、第2の伝送線路9が形成されている。前記第1の伝送線路8及び第2の伝送線路9は、それぞれ、円形スパイラル構造を有しており、第1の伝送線路8と第2の伝送線路9との接続は、ビアホール102bで接続され、複数層にわたって伝送線路を構成している。
第1の伝送線路8の上層には接地電極7が、第2の伝送線路9の下層には接地電極10が、それぞれ、第1の伝送線路8と第2の伝送線路9を覆って配置されている。
誘電体多層基板1の表面に配置されているランド11は、ビアホール102aにより第1の伝送線路8の一端に接続され、第1の伝送線路8の他端は、ビアホール102bにより第2の伝送線路9の一端に接続され、第2の伝送線路9の他端は、ビアホール103b、103aにより誘電体基板1の表面に配置されているランド12に接続されている。即ち、誘電体多層基板1の表面に配置されているランド11とランド12は、それぞれ、第2実施例の伝送線路の入出力端となっている。本構成によれば、本実施例の伝送線路を流れる電流は、第1の伝送線路8と第2の伝送線路9でほぼ同一方向(反時計周り方向)となるため、伝送線路8のインダクタンス分と伝送線路9のインダクタンス分が相殺されない。従って、伝送線路全体として大きなインダクタンス分を得られることができる。本伝送線路によれば、部品寸法を増大することなく、大きな位相シフト量が得られるため、伝送線路の動作周波数を低くすることができる。
図5は第2実施例に係る伝送線路の各層の電極パターンを上方からみた透過図である。図5に示すように、前記第1の伝送線路8と第2の伝送線路9は接地電極7と接地電極10により覆われて配置されている。従って、C部とD部のいずれの部分においても、伝送線路8、及び、伝送線路9は、接地電極7と接地電極10の内側に位置し、C、D部とA部、あるいは、C、D部とB部のいずれにおいてもクロスオーバーは発生しない。即ち、第1の伝送線路8の入力端と第2の伝送線路9の出力端は、高周波においても、第1の伝送線路8と第2の伝送線路9で構成される伝送線路の入力端から出力端の間のいずれの部分とも電磁界の結合を防ぐことができるため、良好な伝送線路の特性を得ることができる。
また本構成においては、接地電極7、10と第1の伝送線路8と第2の伝送線路9間のキャパシタンス成分と、第1の伝送線路8と第2の伝送線路9のクロスオーバー部の無い円形スパイラル構造によるインダクタ成分を調整することにより、所望の周波数帯域において所望のインピーダンス特性を得ることができる。
本実施例によれば、第1の伝送線路8と第2の伝送線路9および接地電極7、10で構成されるクロスオーバー部の無い円形スパイラル構造によるインダクタンス成分とキャパシタンス成分により、ストリップ線路のみで得られる位相シフト量よりも遙かに大きな位相シフト量が得られるため、非常に小さい構造でインピーダンス変換器を構成することができる。また本実施例の伝送線路は、単一層あたりの位相シフト量が大きく、線路を構成する層数を少なくできる。そのため伝送線路のサイズを小型化・薄型化できる。
図6(a)、(b)、及び、(c)はそれぞれ、第2実施例に係る伝送線路の入力端ランド11から出力端ランド12までの振幅特性、位相特性、及び、反射特性である。これらの図によれば、本実施例に係る伝送線路は、850MHzにおいて、通過損失が0.4dB、位相シフト量が88度、インピーダンスが50Ωとなっている。即ちこの伝送線路は、850MHz帯近傍において、低損失で且つ優れたλ/4変成器を構成している。
前記実施例では誘電体多層基板の内部に、2層にわたってクロスオーバー部の無い円形スパイラル構造の伝送線路8、及び、9を接続したが、本発明はこれに限定されるものではなく、3層以上においても、電流の流れる方向を同一にするように、クロスオーバー部の無い円形スパイラル構造体を接続することも可能である。
図7は、本発明の第3実施形態に係る伝送線路をインピーダンス変換器14として用いたアンテナ共用器の回路図である。本アンテナ共用器において、P1はアンテナ端子、P2は受信端子、P3は送信端子である。端子P2は受信用弾性表面波フィルタ15に、端子P3は送信用弾性表面波フィルタ16に接続される。また受信側と送信側は並列接続点20において並列接続されている。受信側と送信側を並列接続する際、受信側においては、並列接続点20から見た送信周波数帯域のインピーダンスを高インピーダンスに,また、送信側においては、並列接続点20から見た受信周波数帯域のインピーダンスを高インピーダンスにすることにより、受信信号と送信信号それぞれの漏れ込みを小さくする必要がある。このようにアンテナ共用器は、単一アンテナを用いて異なる周波数帯域の信号を共用するものであり、通信機器のアンテナに接続される。つまり、このアンテナ共用器は複数周波数の信号の送受信を共用することが可能である。
本実施形態のインピーダンス変換器14は、並列接続点20と受信用弾性表面波フィルタ15の間に接続されている。即ち受信用弾性表面波フィルタ15の並列接続点20からみたインピーダンスは、インピーダンス変換器14により送信帯域において高インピーダンスに変換される。また送信用弾性表面波フィルタ16の並列接続点20からみたインピーダンスは、受信帯域において高インピーダンスとなっているため、受信フィルタ15と送信フィルタ16は互いの信号の漏れ込みが少なく接続される。またインピーダンス変換器14のインピーダンスは受信帯域において略50Ωであるため、受信周波数帯域の高周波信号は、特性劣化が少なく端子P1から端子P2へ伝送される。従って、このインピーダンス変換器14を使用することにより、高性能なアンテナ共用器を提供することができる。
前記実施例で使用した受信フィルタ、及び、送信フィルタは、弾性表面波フィルタに限らず、例えばFBARフィルタなど、他の方式によるフィルタにも適用できる。
図8は、インピーダンス変換器を用いた本発明の第4実施例のアンテナ共用器の各層の電極パターン図を示す。図8に示すように誘電体多層基板1の内部において、上記実施例の伝送線路14を形成している。伝送線路14の上層には接地電極24が、伝送線路14の下層には接地電極25がそれぞれ伝送線路14を覆い配置されている。誘電体多層基板1の最下層は、外部出力端子用パッドが設けられ、端子26はアンテナ端子、端子27は受信端子、端子28は送信端子である。誘電体多層基板1の表面に配置されているランド21は、ビアホール104a、104bにより伝送線路14の一端に接続され、伝送線路14の他端は、ビアホール106aにより誘電体基板1の上面に配置されている表面のランド22に接続されている。更に、誘電体多層基板1の上面に配置されている表面のランド22は、ビアホール105a、105b、105cによりアンテナ用端子26へ接続されている。
図9は、インピーダンス変換器を用いた本発明の第4実施例のアンテナ共用器の各層の電極パターンを上方からみた透過図である。図9に示すように、上記実施例の伝送線路14は接地電極24と接地電極25により覆われて配置されている。従って、A部とB部においても、伝送線路14は、接地電極24と接地電極25の内側に位置し、C部とA部、及び、C部とB部のいずれにおいてもクロスオーバーは発生しない。即ち伝送線路14の出力端は高周波においても、伝送線路14の入力端から出力端の間のいずれの部分とも電磁界の結合を防ぐことができるため、良好な伝送線路の特性を得ることができる。
図10は、インピーダンス変換器を用いた本発明の第5実施例の高周波スイッチの回路図である。この高周波スイッチ回路は、端子P4を入力端子として、周波数fsにおいて、端子V1のバイアス電圧がoffの際、出力端子として端子P5を選択し、端子V1のバイアス電圧がonの際、出力端子として端子P6を選択する高周波スイッチ回路である。
端子V1に電圧を印加することで抵抗R1を介して直流電流が流れ、ダイオードD1,D2がon状態になり、直流電流はインダクタンスL1を通り帰還する。このとき、ダイオードの寄生インダクタンスとキャパシタC3で決定される共振周波数を周波数fs近傍に設定すれば、周波数fs近傍において、上記実施例の伝送線路29の出力端(直流遮断キャパシタンスC2側)が接地される。このとき伝送線路29は周波数fsにおいて、位相シフト量は90度であるため、伝送線路29の入力端(直流遮断キャパシタンスC1側)では、周波数fsにおいて高インピーダンスとなるから、高周波信号は端子4から端子P6に流れる。また、端子V1のバイアス電圧がoffのときは、ダイオードD1,D2がoff、且つ伝送線路29のインピーダンスが略50Ωであるため、高周波信号は端子P4から端子P5に流れる。この伝送線路29を使用することにより、小型で高性能な高周波スイッチ回路を得ることができる。
前記第5実施例では、特定の周波数のλ/4変成器に関して説明したが、実施例で示した周波数とインピーダンス特性に限らず、他の周波数、インピーダンスにおいて適用可能である。
なお、各実施例で説明した伝送回路、アンテナ共用器、高周波スイッチ回路は携帯電話をはじめとする通信端末において使用されるものである。これらの伝送回路、アンテナ共用器又は高周波スイッチ回路を備えた通信端末においては、受信感度がより高く、安定した通信を実現することが可能になる。
以上に述べた上記の実施例記載の技術によれば、誘電体多層基板内にクロスオーバー部の無い円形スパイラル状の伝送線路を構成することにより、伝送線路の入力端から出力端の間のいずれの部分とも電磁界の結合を防ぐことができるため、良好な伝送線路の特性を得ることができる。
また、伝送線路の形状を円形とすることで、伝送線路に流れる電流の停滞を防ぎ、伝送線路の損失を小さくすることができる。
また、伝送線路を複数層で構成し、全ての層で伝送線路を流れる電流を同一方向とすることにより、伝送線路全体として大きなインダクタンス分を得、部品寸法を増大することなく、大きな位相シフト量が得られるため、伝送線路の動作周波数を低くすることができる。
また、隣接する導体を流れる電流が同一方向となるため、大きなインダクタンス分を得ることができ、部品寸法を増大することなく1GHz以上の高周波域でも安定な特性を得ることができる。
また、単一層あたりの位相シフト量が大きくなるため線路を構成する層数を少なくすることができるため、伝送線路の小型化・薄型化、積層ずれによる特性変動の減少、層間の接続点減少(伝送線路の不連続点減少)による伝送線路の損失の低減を図ることができる。
さらに、伝送線路をインピーダンス変換器に適用して、小型、且つ、高性能なアンテナ共用器や高周波スイッチ回路などの高周波回路装置を提供することができる。
本発明の第1実施例に係る伝送線路の斜視透過図である。 本発明の第1実施例に係る伝送線路の側面透過図である。 本発明の第1実施例に係る伝送線路の各層の電極パターン図である。 本発明の第1実施例に係る伝送線路の各層の電極パターンを上方からみた透過図である。 (a)は本発明の第1実施例に係る伝送線路の入力端から出力端までの振幅特性、(b)はその位相特性、(c)はその反射特性である。 本発明の第2実施例に係る伝送線路の各層の電極パターン図である。 本発明の第2実施例に係る各層の電極パターンを上方からみた透過図である。 (a)は本発明の第2実施例に係る伝送線路の入力端から出力端までの振幅特性、(b)はその位相特性、(c)はその反射特性である。 本発明の第3実施形態に係る伝送線路をインピーダンス変換器14として用いたアンテナ共用器の回路図である。 本発明のインピーダンス変換器を用いた本発明第4実施例のアンテナ共用器の各層の電極パターン図である。 本発明のインピーダンス変換器を用いた本発明第4実施例のアンテナ共用器の各層の電極パターンを上方からみた透過図である。 本発明のインピーダンス変換器を用いた本発明第5実施例の高周波スイッチの回路図である。 従来のインピーダンス伝送線路の構造を示す図である。
符号の説明
1・・・誘電体多層基板、2、8、9、14、29・・・伝送線路、3、4、7、10、24、25・・・接地電極、5、6、11、12、21、22・・・ランド、100a、100b、101a、101b、102a、102b、103a、103b、104a、104b、105a、105b、105c、106a・・・ビアホール、15・・・受信用弾性表面波フィルタ、16・・・送信用弾性表面波フィルタ、20・・・並列接続点、26・・・アンテナ用端子、27・・・受信用端子、28・・・送信用端子、17、19・・・シールド電極、18・・・ミアンダ状の伝送線路、30・・・積層基板。

Claims (15)

  1. スパイラル状の伝送線路を備えた伝送回路において、
    第1の接地電極である第1のシールド層と、
    第2の接地電極である第2のシールド層と、
    前記第1のシールド層及び前記第2のシールド層と対向し、前記第1のシールド層及び前記第2のシールド層の間に配置されたスパイラル状の伝送線路と、を備え、
    前記伝送線路のスパイラル部分は、前記伝送回路の上面又は下面から見た場合に前記第1のシールド層及び第2のシールド層の内側に配置されていることを特徴とする伝送回路。
  2. スパイラル状の伝送線路を備えた伝送回路において、
    第1の接地電極である第1のシールド層と、
    第2の接地電極である第2のシールド層と、
    前記第1のシールド層及び前記第2のシールド層と対向し、前記第1のシールド層及び前記第2のシールド層の間に配置されたスパイラル状の伝送線路と、を備え、
    前記第1のシールド層及び前記第2のシールド層は、前記伝送回路の上面又は下面から見た場合に前記伝送線路のスパイラル部分よりも広い範囲で前記スパイラル部分を覆うことを特徴とする伝送回路。
  3. 誘電体基板と、
    前記誘電体基板に配置されたスパイラル状の伝送線路と、
    前記スパイラル状の伝送線路と対向して上面に配置された第1の接地電極である第1のシールド層と、
    前記スパイラル状の伝送線路と対向して下面に配置された第2の接地電極である第2のシールド層と、
    前記スパイラル状の伝送線路の内周端に配置された第1の端子部と、
    前記スパイラル状の伝送線路の外周端に配置された第2の端子部と、
    前記誘電体基板に配置された第3の端子部及び第4の端子部と、を備え、
    前記第1の端子部と前記第3の端子部とが接続され、
    前記第2の端子部と前記第4の端子部とが接続され、
    前記第3の端子部から外部と接続する引き出し線が前記誘電体基板に配置されていることを特徴とする伝送回路。
  4. 請求項3記載の伝送回路において、
    前記第4の端子部から外部と接続する引き出し線が前記誘電体基板に配置されていることを特徴とする伝送回路。
  5. 請求項3記載の伝送回路において、
    前記伝送線路のスパイラル部分は、前記伝送回路の上面又は下面から見た場合に前記第1のシールド層及び第2のシールド層の内側に配置されていることを特徴とする伝送回路。
  6. 請求項3記載の伝送回路において、
    前記第1のシールド層及び前記第2のシールド層は、前記伝送回路の上面又は下面から見た場合に前記伝送線路のスパイラル部分よりも広い範囲で前記スパイラル部分を覆うことを特徴とする伝送回路。
  7. 第1のスパイラル状の伝送線路と、
    前記第1のスパイラル状の伝送線路と対向して下面に配置された第2のスパイラル状の伝送線路と、
    前記第1のスパイラル状の伝送線路と対向して上面に配置された第1の接地電極である第1のシールド層と、
    前記第2のスパイラル状の伝送線路と対向して下面に配置された第2の接地電極である第2のシールド層と、を備え、
    前記第1のスパイラル状の伝送線路と第2のスパイラル状の伝送線路とでは、スパイラルの向きが逆向きであることを特徴とする伝送回路。
  8. 第1のスパイラル状の伝送線路と、
    前記第1のスパイラル状の伝送線路と対向して下面に配置された第2のスパイラル状の伝送線路と、
    前記第1のスパイラル状の伝送線路と対向して上面に配置された第1の接地電極である第1のシールド層と、
    前記第2のスパイラル状の伝送線路と対向して下面に配置された第2の接地電極である第2のシールド層と、を備え、
    前記第1のスパイラル状の伝送線路に流れる電流の向きと、第2のスパイラル状の伝送線路に流れる電流の向きが略同一方向であることを特徴とする伝送回路。
  9. 請求項7又は8記載の伝送回路において、
    前記第1のスパイラル状の伝送線路のスパイラルが外周端から内周端に向かう場合に反時計回りであるときは、前記第2のスパイラル状の伝送線路のスパイラルは外周端から内周端に向かう場合に時計回りであることを特徴とする伝送回路。
  10. 請求項7又は8記載の伝送回路において、
    前記第1のスパイラル状の伝送線路と前記第2のスパイラル状の伝送線路は異なる層に配置されており、
    前記第1のスパイラル状の伝送線路の内周端と前記第2のスパイラル状の伝送線路の内周端とが接続されていることを特徴とする伝送回路。
  11. 誘電体多層基板、及び、円形スパイラル構造を有する伝送線路により構成し、円形スパイラル構造を有する伝送線路は上記誘電体多層基板内に配置され、上記スパイラル構造を有する伝送線路の上部、あるいは、下部のうち、少なくとも一方をグランドに接地された電極にてシールドされていることを特徴とする伝送回路。
  12. 円形スパイラル構造を有する伝送線路を単一層で構成した請求項11記載の伝送回路。
  13. 円形スパイラル構造を有する伝送線路を複数層で構成し、全ての層の円形スパイラル構造を有する伝送線路を流れる電流の方向を同一としたことを特徴とする請求項11記載の伝送回路。
  14. 上記請求項1から13の何れか記載の伝送回路を備え、複数周波数の信号の送受信を共用可能なアンテナ共用器。
  15. 上記請求項1から13の何れか記載の伝送回路を備えた高周波スイッチ回路。
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