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JPH11346782A - ヒトpltpタンパク質に対するモノクローナル抗体、このモノクローナル抗体を用いたヒトpltpの測定方法、及びこの測定方法を行うための測定キット - Google Patents

ヒトpltpタンパク質に対するモノクローナル抗体、このモノクローナル抗体を用いたヒトpltpの測定方法、及びこの測定方法を行うための測定キット

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Publication number
JPH11346782A
JPH11346782A JP10178133A JP17813398A JPH11346782A JP H11346782 A JPH11346782 A JP H11346782A JP 10178133 A JP10178133 A JP 10178133A JP 17813398 A JP17813398 A JP 17813398A JP H11346782 A JPH11346782 A JP H11346782A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
monoclonal antibody
pltp
human
hybridoma
transfer protein
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10178133A
Other languages
English (en)
Inventor
Tomoichiro Oka
智一郎 岡
Hiroaki Hattori
浩明 服部
Toru Egashira
徹 江頭
Takeo Deguchi
武夫 出口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
BML Inc
Original Assignee
BML Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by BML Inc filed Critical BML Inc
Priority to JP10178133A priority Critical patent/JPH11346782A/ja
Publication of JPH11346782A publication Critical patent/JPH11346782A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Measuring Or Testing Involving Enzymes Or Micro-Organisms (AREA)
  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】脂質代謝系において重要な役割を演じているヒ
トリン脂質転送タンパク質(PLTP)のモノクローナ
ル抗体を製造し、さらにこのモノクローナル抗体を用い
た、血液中のPLTPを、簡便かつ高感度に測定するこ
とが可能で、臨床において汎用することが可能なPLT
Pを測定する手段を確立し、脂質代謝系の異常に対して
より的確な判断を行い、適切な治療方針を決定する途を
提供すること。 【解決手段】PLTPに対する優れた特異性を有するモ
ノクローナル抗体及びその製造工程において用いるハイ
ブリドーマ、並びに動脈硬化等の脂質代謝異常が深く関
わる疾病の重要な指標となり得る,このヒトリン脂質転
送タンパク質に対するモノクローナル抗体を用いたヒト
リン脂質転送タンパク質の測定方法、及びこの測定方法
を行うための測定キット等のPLTPに関する一連の測
定手段を提供することにより、上記の課題を解決し得る
ことを見出した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、モノクローナル抗
体及びその製造工程において用いるハイブリドーマ、並
びにこのモノクローナル抗体を用いた測定方法に関する
技術分野の発明である。より具体的には、ヒトの脂質代
謝において重要な役割を担っているヒトリン脂質転送タ
ンパク質(PLTP:phospholipid transfer Protein)
に対するモノクローナル抗体及びその製造工程において
用いるハイブリドーマ、並びに動脈硬化等の脂質代謝異
常が深く関わる疾病の重要な指標となり得る,このヒト
リン脂質転送タンパク質に対するモノクローナル抗体を
用いたヒトリン脂質転送タンパク質の測定方法、及びこ
の測定方法を行うための測定キットに関する発明であ
る。
【0002】
【従来の技術】血漿中に遊離脂肪酸と共に存在するエス
テル型コレステロール(以下、単にコレステロールとも
いう)は、細胞膜の構成成分や内分泌ホルモンの起源成
分として、生体において重要な役割を果たしている。生
体内のコレステロールは、一部は食物摂取に際しての小
腸からの取り込みにより供給されるが、その大半は、各
組織(特に、肝臓)の細胞における生合成に由来する。
この生合成によるコレステロールの生体内における末梢
細胞への供給経路としては、以下の経路が知られてい
る。
【0003】すなわち、肝臓等において生合成された遊
離コレステロールは、超低比重リポ蛋白(VLDL)に
取り込まれて、血中に分泌され、さらに血中のリポ蛋白
リパーゼ(LPL)及び肝性トリグリセライドリパーゼ
(HTGL)の作用により、中間比重リポ蛋白(ID
L)を経て、低比重リポ蛋白(LDL)へと代謝され
る。次いで、このLDLは、末梢細胞膜表面に存在する
LDL受容体を介して細胞内に取り込まれ、これにより
細胞内に遊離コレステロールが供給されることが知られ
ている。このような、肝臓等から末梢細胞へのコレステ
ロールの転送系に対して、「コレステロール逆転送系」
と呼ばれる、余剰のコレステロールを、再び肝臓へと転
送する、末梢細胞から肝臓へのコレステロールの転送経
路が存在することが知られている。
【0004】すなわち、肝臓から末梢細胞に供給された
余剰の遊離コレステロールが、血中の高比重リポ蛋白
(HDL)によって引き抜かれ、レシチンコレステロー
ルアシルトランスフェラーゼ(LCAT)の作用によ
り、コレステロールエステル(CE)に転換されて、血
中のHDL中に蓄えられる。末梢細胞から引き抜かれた
HDL中に蓄えられたCEが、コレステロールエステル
転送蛋白(CETP)の作用により、血中のVLDL,
IDLやLDLに転送され、CEを受け取ったこれらの
VLDL等から、肝臓のLDL受容体を介して間接的に
肝細胞に取り込まれることにより、コレステロールが肝
臓に逆転送される。また、CEを引き抜いたHDLは、
肝細胞のHDL受容体を介して、CEを肝細胞に直接的
に取り込まれることにより、転送することもできる。
【0005】このコレステロール逆転送系は、コレステ
ロールの末梢細胞への蓄積を防御し、しいては、動脈硬
化を防御する機構として注目されている。特に、コレス
テロール逆転送系において、コレステロールを末梢細胞
から引き抜くという、重要な役割を果たしているHDL
に関しては、血中HDLコレステロールの濃度と冠動脈
疾患の発症とが逆相関するという事実が、疫学的調査に
より数多く報告されている。これにより、HDLは抗動
脈硬化作用を発揮し得るリポ蛋白として広く認識される
ようになった。
【0006】さらに、近年、HDL中のコレステロール
エステルの血中LDLへの転送を媒介するCETPの働
きの重要性が、CETP欠損症、高脂血症、糖尿病ある
いはネフローゼ症候群等の、各疾患とCETPとの関わ
りから明らかにされつつある。例えば、高脂血症発症群
では、正常のコントロール群と比べて、血中のCETP
活性が高いことが、実験的に確かめられている。また、
高HDL血症を呈するCETP欠損症のHDL粒子は、
CEに富み、大粒子化しているが、この大粒子化したH
DLは、マクロファージに対する、抗泡沫化・脱泡沫化
作用を発揮しないことが明らかにされている。
【0007】上述した、コレステロール逆転送に係わる
HDLの役割は、近年、特に積極的に研究され、HDL
前駆体ともいえるpre β−HDLは、アポリポプロテイ
ンA1を主体とする脂質成分に乏しい小粒子HDLであ
り、末梢細胞からコレステロールを引き抜き、血中に循
環している球状のHDLへと転換され、さらに、この球
状のHDLが肝臓へと運ばれることが突き止められてい
る。
【0008】また、HDLは、粒子サイズ、構成成分、
粒子密度、あるいは電気泳動の移動度における差によ
り、いくつかのサブポピュレーションに分けられ、これ
らのHDLのサブポピュレーションは、それぞれ異なる
機能を有していると考えられている。
【0009】これらHDLのサブポピュレーションの分
布を制御している因子を解明することは、コレステロー
ルの代謝や、冠動脈疾患の発症機序を知り、これを予防
する上で重要である。 この点について、いくつかの血
漿因子が、HDLの構成成分、あるいは粒子サイズに影
響していることが知られている。
【0010】例えば、LCAT,HTGL,LPL及び
CETPや、リン脂質転送蛋白(PLTP)は血中に存
在し、リポ蛋白間における脂質の転送能を有する蛋白で
あるが、特にPLTPは、HDLと他のリポプロテイン
間において、リン脂質を転送する機能を有しており(To
llefson,Albers,Methods Enzymol,129,797-816,1986,Ta
ll,J Lipid Res,34,1255-1274,1993) 、さらにHDLの
構成成分並びに粒子サイズを変化させることが、近年に
なり判明した(Lusa,Jauhiainen,Metso,Somerharju,Ehnh
olm,Biochem J,313,275-282,1996)。
【0011】また、PLTPによるHDLサブポピュレ
ーション間での脂質の転送は、HDLと他のリポプロテ
イン間との脂質の転送と同様に重要である。試験管内で
HDL3(コレステロールエステルを取り込んだ形態の
HDL)に精製したPLTPを添加することにより、2
つの新たな粒子サイズの異なるサブポピュレーション
(HDL3粒子とは異なる小粒子径及び大粒子径のサブ
ポピュレーション)を生じることが明らかにされている
(Jauhiainen,Metso,Pahlman,Blomqvist,van Tol,Ehnhol
m,J Biol Chem,268,4032-4036,1993,Tu,Nishida,J Biol
Chem,268,23098-23105,1993) 。この小粒子径のサブポ
ピュレーションは、原始HDLと考えられているpre β
1-HDLであり、細胞から余剰のコレステロールを引き
抜く能力を有している。さらに、血中のCETPの作用
によりTG−richとなったHDL粒子をPLTPは、大
粒子径及び小粒子径へのサブポピュレーションへ転換す
る効果が大きいことが知られている(Rye K-A,Jauhiaine
n M,BarterPJ,Ehnholm C,J Lipid Res,1998,39:613-62
2.) 。
【0012】さらに、ヒトPLTPcDNAをアデノウ
イルスに組み込み〔PLTPをコードする遺伝子も特定
されている(Joseph R, et al.,J Biol Chem,269:9388-9
391,1994.)〕、これをマウスに感染させることにより、
ヒトPLTPを発現させたマウスにおいては、血中のP
LTP活性の上昇に伴い、血中のHDL及びアポA1の
減少が認められ、このヒトPLTPの発現によると考え
られるHDLの減少は、肝臓へのHDLの逆転送による
ことが知られている(Foger,Santamaria-Fujo,Shambure
k,Parrot,Talley,Brewer Jr.,J Biol Chem,43,27393-27
400,1997)。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、PL
TPは、生体内でコレステロール逆転送系において、非
常に重要な役割を果たしていることは、ほぼ明らかであ
る。PLTPについては、上述したことの他に、下記
〜に示す事項がすでに明らかになっている:
【0014】リポタンパク質におけるコレステロール
エステルやトリグリセライドの転送をしない。 ヒトコレステロールエステル転送タンパク質である
「LTP−I」に対する抗体では認識されない。 このヒトコレステロールエステル転送タンパク質であ
る「LTP−I」との間では、アミノ酸配列の相同性が
認められない。
【0015】みかけ上の分子量が、セファクリルS2
00では、約70000であり、SDS−PAGEで
は、約69000である。 クロマトフォーカシングによるみかけ上の等電点は、
5.0である。 58℃,1時間の加熱処理により、活性がほぼ消失す
る。 ヘパリンセファロースに対して親和性を有する。
【0016】本発明が解決すべき課題は、このような脂
質代謝系において重要な役割を演じているPLTPのモ
ノクローナル抗体を製造し、さらにこのモノクローナル
抗体を用いた、血液中のPLTPを、簡便かつ高感度に
測定することが可能で、臨床において汎用することが可
能なPLTPを測定する手段を確立し、脂質代謝系の異
常に対してより的確な判断を行い、適切な治療方針を決
定する途を提供することにある。なお、上記のPLTP
に対するモノクローナル抗体は、臨床上のみならず、P
LTP自体の分離・精製のための試薬としても極めて有
用であると考えられる。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明者は、この課題の
解決に向けて鋭意検討を行った。その結果、所望するP
LTPに対するモノクローナル抗体と、このモノクロー
ナル抗体の製造に用いるハイブリドーマ、及びこのモノ
クローナル抗体を用いたPLTPの測定方法を確立し
た。特に、本発明者は、生物学的に活性である、組換え
ヒトPLTPを免疫源として用いることにより、ヒト由
来のPLTP、特にヒト体液中に存在するPLTPに対
して、各々異なった高い結合特異性が認められる、抗ヒ
トPLTPモノクローナル抗体を製造することに成功
し、かかる抗ヒトPLTPモノクローナル抗体を、上記
のPLTPの測定方法において用いることにより、上記
の課題を極めて的確な形で解決することが可能であるこ
とを見出して、本発明を完成した。
【0018】すなわち、本発明者は、以下の発明を本願
において提供する。第1に、ヒトPLTPに対するモノ
クローナル抗体、特に以下の性質を有するモノクローナ
ル抗体(その標識物質単独で又はその標識物質と他の物
質とを反応させることにより、検出可能なシグナルをも
たらす標識物質で標識されている「標識モノクローナル
抗体、並びに不溶性担体に固定化されている「固定化モ
ノクローナル抗体」を含む)を提供する。 ヒトPLTPに対して抗原抗体反応が認められる; 少なくともマウスPLTPに対しては、抗原抗体反応
が認められない;また、これらのモノクローナル抗体
は、ヒトPLTPの成熟アミノ酸配列の167−476
の領域、あるいは同1−165の領域を認識するモノク
ローナル抗体である。
【0019】第2に、上記のヒトPLTPに対するモノ
クローナル抗体を産生するハイブリドーマを提供する
〔具体的に、mouse hybridoma PLTP113 (以下、#11
3ともいう;寄託番号:FERM P−16605)、
mouse hybridoma PLTP114 (以下、#114ともいう;
寄託番号:FERM P−16606)及びmouse hybr
idoma PLTP110G(以下、#110Gともいう;寄託番
号:FERM P−16607)からなる群から選ばれ
るいずれかのハイブリドーマが例示される〕。
【0020】第3に、上記のヒトPLTPに対するモノ
クローナル抗体の1種又は2種以上と、エンザイムイム
ノアッセイ法等のごとく、検体中のヒトPLTPとの抗
原抗体反応を利用して、検体中のヒトリン脂質転送タン
パク質を測定する、ヒトリン脂質転送タンパク質の測定
方法を提供する。
【0021】第4に、この測定方法を行うための測定キ
ットを提供する。
【0022】なお、本発明者は、上記のハイブリドーマ
を製造する際の、免疫源として好ましい組換えヒトPL
TPを効率的に宿主内で発現させ、さらに培養上清中に
分泌させることが可能なベクターをも作出した。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。本発明に関わるモノクローナル抗体(以
下、本発明モノクローナル抗体という)は、上記のよう
にPLTPに対するモノクローナル抗体である。
【0024】A.本発明モノクローナル抗体の製造 本発明モノクローナル抗体は、組換えヒトPLTPで免
疫した動物の免疫細胞と動物の骨髄腫細胞とのハイブリ
ドーマを作出し、これによりPLTPを認識する抗体を
産生するクローンを選択し、このクローンを培養するこ
とにより製造することができる。
【0025】免疫抗原としてのPLTPは、以下のよう
にして得ることができる。ヒト又は必要な場合にはその
他の動物種の血漿より、常法、例えば超遠心法等により
得られる、リポ蛋白欠乏血清(密度:d>1.21)な
どから、通常公知の分離・分画法、例えばゲル濾過クロ
マトグラーフィー、疎水クロマトグラフィー、イオン交
換クロマトグラフィー、ヘパリンアガロース等を用いた
アフィニティークロマトグラフィー等の操作を必要に応
じて組み合わせて用いて得ることができる(例えば、Jo
hn H Tollefson et al.,J Lipid Res,29,1593-1602,198
8 や、Pirkko Pussinen et al.,J Lipid Res,36,975-98
5,1995等参照のこと)。
【0026】ここで使用される免疫抗原としてのPLT
Pは、特に限定されるものではなく、本発明で用いたよ
うにPLTP遺伝子(その塩基配列の一部を改変したも
のも含む)がコードするPLTPを用い得ることは勿論
のこと、PLTP遺伝子の一部断片がコードするPLT
P断片やPLTPに酵素処理等を施して、又は化学合成
して得られるPLTPの部分ペプチドをも本発明モノク
ローナル抗体を製造する上での免疫抗原とすることがで
きる。
【0027】また、免疫される動物も特に限定されるも
のではなく、マウス,ラット等を広く用いることができ
るが、モノクローナル抗体を製造する場合には、細胞融
合に用いる骨髄腫細胞との適合性を考慮して選択するこ
とが望ましい。
【0028】免疫は一般的方法により、例えば上記免疫
抗原を免疫の対象とする動物に静脈内,皮内,皮下,腹
腔内注射等で投与することにより行うことができる。
【0029】より具体的には、上記免疫抗原を所望によ
り通常のアジュバントと併用して、免疫の対象とする動
物に2〜14日毎に上記手段により数回投与し、本発明
モノクローナル抗体製造のための免疫細胞、例えば免疫
後の脾臓細胞を得ることができる。
【0030】モノクローナル抗体を製造する場合、この
免疫細胞と細胞融合する他方の親細胞としての骨髄腫細
胞としては、既に公知のもの、例えばSP2/0−Ag
14,P3−NS1−1−Ag4−1,MPC11−4
5,6.TG1.7(以上、マウス由来);210.R
CY.Ag1.2.3(ラット由来);SKO−00
7,GM15006TG−A12(以上、ヒト由来)等
を用いることができる。
【0031】上記免疫細胞とこの骨髄腫細胞との細胞融
合は、通常公知の方法、例えばケーラーとミルシュタイ
ンの方法(Kohler,G. and Milstein,C.,Nature,256,495
(1975))等に準じて行うことができる。
【0032】より具体的には、この細胞融合は、通常公
知の融合促進剤、例えばポリエチレングリコール(PE
G)又はセンダイウイルス(HVJ)等の存在下におい
て、融合効率を向上させるためにジメチルスルホキシド
等の補助剤を必要に応じて添加した通常の培養培地中で
行い、ハイブリドーマを調製する。
【0033】所望のハイブリドーマの分離は、通常の選
別用培地、例えばHAT(ヒポキサンチン,アミノプテ
リン及びチミジン)培地で培養することにより行うこと
ができる。すなわち、この選別用培地において目的とす
るハイブリドーマ以外の細胞が死滅するのに十分な時間
をかけて培養することによりハイブリドーマの分離を行
うことができる。このようにして得られるハイブリドー
マは、通常の限界希釈法により目的とするモノクローナ
ル抗体の検索及び単一クローン化に供することができ
る。
【0034】目的とするモノクローナル抗体産生株の検
索は、例えばELISA法,プラーク法,スポット法,
凝集反応法,オクタロニー法,RIA法等の一般的な検
索法に従い行うことができる。
【0035】このようにして得られるヒトPLTPを認
識する所望のモノクローナル抗体を産生するハイブリド
ーマは、通常の培地で継代培養することが可能であり、
さらに液体窒素中で長時間保存することもできる。
【0036】このハイブリドーマからの所望のモノクロ
ーナル抗体の採取は、このハイブリドーマを常法に従っ
て培養して、その培養上清として得る方法や、ハイブリ
ドーマをこのハイブリドーマに適合性が認められる動物
に投与して増殖させ、その腹水として得る方法等を用い
ることができる。
【0037】なお、インビトロで免疫細胞をPLTP又
はその一部の存在下で培養し、一定期間後に上記細胞融
合手段を用いて、この免疫細胞と骨髄腫細胞とのハイブ
リドーマを調製し、抗体産生ハイブリドーマをスクリー
ニングすることで本発明モノクローナル抗体を得ること
もできる(Reading,C.L.,J.Immunol.Meth.,53, 261(198
2);Pardue,R.L.,et al.,J.Cell Biol.,96,1149(198
3))。
【0038】また、上記のようにして得られるポリクロ
ーナル抗体及びモノクローナル抗体は、更に塩析,ゲル
濾過法,アフィニティクロマトグラフィー等の通常の手
段により精製することができる。
【0039】このようにして得られる本発明モノクロー
ナル抗体は、PLTPに特異反応性を有する抗体であ
る。この本発明モノクローナル抗体は、後述するよう
に、臨床において用い得ることは勿論のこと、PLTP
自体の分離・精製のための試薬としても極めて有用であ
る。
【0040】本発明モノクローナル抗体のより具体的な
内容は、実施例において後述する。このようにして得ら
れる本発明モノクローナル抗体を、必要に応じて標識物
質で標識して、後述する本発明に係わる測定方法等にお
いて用いることができる。
【0041】かかる標識物質は、その標識物質単独で又
はその標識物質と他の物質とを反応させることにより、
検出可能なシグナルをもたらす標識物質であり、具体的
には、例えば西洋ワサビペルオキシダーゼ,アルカリホ
スファターゼ,β−D−ガラクトシダーゼ,グルコース
オキシダーゼ,グルコース−6−ホスフェートデヒドロ
ゲナーゼ,アルコール脱水素酵素,リンゴ酸脱水素酵
素,ペニシリナーゼ,カタラーゼ,アポグルコースオキ
シダーゼ,ウレアーゼ,ルシフェラーゼ若しくはアセチ
ルコリンエステラーゼ等の酵素、フルオレスセインイソ
チオシアネート,フィコビリタンパク,希土類金属キレ
ート,ダンシルクロライド若しくはテトラメチルローダ
ミンイソチオシアネート等の蛍光物質、125I,14C,3
H等の放射性同位体、ビオチン,アビジン若しくはジゴ
ケシゲニン等の化学物質、又は化学発光物質等を挙げる
ことができる。
【0042】これらの標識物質による、本発明モノクロ
ーナル抗体の標識方法は、選択すべき標識物質の種類に
応じて、既に公知となっている標識方法を適宜用いるこ
とができる。
【0043】また、本発明モノクローナル抗体(標識さ
れたものを含む)を、不溶性担体に固定化した、固定化
モノクローナル抗体として、後述する本発明に係わる測
定方法等に用いることもできる。
【0044】かかる不溶性担体としては、抗体の不溶性
担体として既に用いられている各種の不溶性担体を用い
ることができる。具体的には、例えば、マイクロプレー
トに代表されるプレート、試験管、チューブ、ビーズ、
ボール、フィルター、メンブレン、あるいはセルロース
系担体、アガロース系担体、ポリアクリルアミド系担
体、デキストラン系担体、ポリスチレン系担体、ポリビ
ニルアルコール系担体、ポリアミノ酸系担体、あるいは
多孔性シリカ系担体等のアフィニティークロマトグラフ
ィーにおいて用いられる不溶性担体等が挙げられる。
【0045】これらの不溶性担体における、本発明モノ
クローナル抗体の固定化方法は、各種の不溶性担体にお
いて既に確立している抗体の固定化方法を、選択すべき
不溶性担体の種類に応じて、適宜選択することができ
る。
【0046】B.本発明に係わる測定方法 本発明に係わる測定方法(以下、本発明測定方法とい
う)は、本発明モノクローナル抗体と検体中のPLTP
との抗原抗体反応を利用して、検体中のPLTPを測定
する、PLTPの測定方法である。
【0047】この抗原抗体反応を利用した、本発明測定
方法の態様としては、例えばエンザイムイムノアッセイ
法、ラジオイムノアッセイ法、フローサイトメトリーに
よる解析、ウエスタンブロット法等を挙げることができ
るが、一般的には、その取扱いの簡便性と測定感度を考
慮するとエンザイムイムノアッセイ法を選択することが
好ましい。
【0048】このエンザイムイムノアッセイ法は、酵素
免疫定量法ともいい、標識イムノアッセイ法のうち酵素
を標識物質として用いる測定方法である。エンザイムイ
ムノアッセイ法には、いわゆるB/F分離を必要とする
"heterogeneous enzyme immunoassay"と、このB/F分
離を必要としない"homogeneous enzyme immunoassay"と
に大別される。
【0049】本発明においては、これらのうち、一般的
に測定感度が高いといわれる前者の"heterogeneous enz
yme immunoassay"を選択することがより好ましく、イム
ノソルベントを用いる"enzyme-linked immunosorbent a
ssay(ELISA)" を選択することがさらに好まし
い。
【0050】より具体的な測定態様として、いわゆるサ
ンドイッチ法によるエンザイムイムノアッセイ法(以
下、サンドイッチ法ともいう)を例示することができ
る。かかるサンドイッチ法は、特に操作上の簡便性,経
済上の利便性、とりわけ臨床検査としての汎用性を考慮
すると、特に好ましい測定態様の一つである。
【0051】このサンドイッチ法を行うに際しては、本
発明モノクローナル抗体が、96穴マイクロプレートに
代表されるような、多数のウエルを有するマイクロプレ
ートに固定化された、固定化モノクローナル抗体と、上
述した西洋ワサビペルオキシダーゼ等の酵素又はビオチ
ンにより標識された、本発明モノクローナル抗体を用い
ることが好ましい。
【0052】サンドイッチ法は、少なくとも、下記(a)
及び(b) の工程を含む、エンザイムイムノアッセイ法で
ある。 (a)不溶性担体に本発明モノクローナル抗体を固定化し
た、固定化モノクローナル抗体に、ヒト血漿等の血液検
体に代表される検体を反応させる工程。この工程(a) に
おいては、通常は、反応後、用いたマイクロプレートを
洗浄し、未反応の検体は、固定化モノクローナル抗体か
ら除去される。
【0053】(b)固定化モノクローナル抗体と、試料中
のヒトPLTPとの結合により形成される、抗原抗体複
合体に、西洋ワサビペルオキシダーゼやビオチン等によ
り標識された本発明モノクローナル抗体を反応させる工
程。
【0054】この工程(b) においては、通常は、反応
後、用いたマイクロプレートを洗浄し、未反応の標識さ
れた本発明モノクローナル抗体は、固定化モノクローナ
ル抗体から除去される。
【0055】また、この工程(b) においては、反応させ
た第2抗体における標識物質の種類に応じた、標識シグ
ナルの発現手段を用いて、標識シグナルを顕在化させる
ことが必要である。例えば、標識物質としてビオチンを
用いた場合には、アビジン等を用いて標識シグナルを顕
在化させることができる。また、例えば、標識物質とし
て、西洋ワサビペルオキシダーゼを選択した場合には、
その基質を必要に応じて発色物質と共に添加して、標識
シグナルを顕在化することができる。
【0056】このようにして、顕在化させた発色シグナ
ルを、その発色シグナルの種類に応じた、シグナルの特
定手段を用いて測定することで、所望する検体中のヒト
PLTPの測定を行うことができる。
【0057】上記の本発明測定方法によって、血漿等の
血液検体等の検体中のPLTPを簡便に、かつ高感度に
測定することができる。このようにして、検体中のPL
TPを測定することにより、特に、低HDL血症や高H
DL血症等に代表されるHDL値異常患者の詳細な病状
解析が可能になり、脂質代謝異常による動脈硬化症等の
患者に対して適切な治療を施す指標とすることができ
る。
【0058】本発明においては、本発明モノクローナル
抗体を、本発明測定方法において用いるための、本発明
モノクローナル抗体を含むPLTP測定用キットも提供
される(以下、本発明測定用キットという)。
【0059】本発明測定用キットにおいては、本発明モ
ノクローナル抗体を検体中のPLTPの測定のために供
するための要素、例えば、前記の標識された本発明モノ
クローナル抗体や固定化した本発明モノクローナル抗体
等が含まれ得る。
【0060】本発明測定用キットも、上記の本発明測定
方法に対応して、その測定原理がエンザイムイムノアッ
セイ法である、殊にサンドイッチ法を行い得る、PLT
P測定用キットであることが好ましい。
【0061】
【実施例】以下、本発明を実施例等を用いてより具体的
に説明するが、これらの実施例等により、本発明の技術
的範囲が限定的に解釈されるものではない。
【0062】〔PLTP活性測定系の構築〕本実施例に
おいては、的確なPLTP活性(リン脂質転送活性)の
測定系を確立することが、適切な実験結果の評価等を行
う上で不可欠である。
【0063】本実施例においては、特に断わらない限
り、PLTP活性(リン脂質転送活性)の測定は、以下
のように構築した系で行った。この測定系は、Cheungら
の方法(Biochim Biophys Acta,1303,103-110,1996)に準
じて行った。
【0064】すなわち、まず、放射性標識されたホス
ファチジルコリン(PC)を含むリポソーム(PCリポ
ソーム)からなるドナーリポソーム、高比重リポ蛋白
(HDL3)からなるアクセプターリポ蛋白、及びP
LTPを含有する測定試料を混合し、生理的条件下に反
応させ、
【0065】次いで、ドナーリポソームからアクセプタ
ーリポ蛋白への標識PCの、転送量を、ドナーリポソー
ムの放射活性の減少、あるいはアクセプターリポ蛋白の
放射活性の増加を測定することにより、試料中のPLT
PのPC転送活性を測定しPLTP活性とした。 以
下、測定系について、順次説明する。
【0066】ドナーリポソームの調製 PCリポソームは10μmol egg PC (シグマ社製)、
2.5μmolホスファチジルセリン(PS,ナカライテ
スク社製)、1μCi[14C]DPPC(ジパルミトイルホ
スファチジルコリン、NEN Research Product社製)
及び100nM
【0067】BHT(和光純薬社製)を、ガラス製の試
験管内で混和し、窒素気流下で溶媒を気化させた後、1
50mM 塩化ナトリウム及び1mM EDTA(エチレン
ジアミン四酢酸)を含有する10mMトリス緩衝液(pH
7.4)1.5mLに懸濁した。更に、この懸濁液を、超
音波処理(5分間、3回)し、同10mMトリス緩衝液
(pH7.4)で10mLとし、遠心処理を施し(150
00rpm、10分間)、上清の透明な層([14 C]PCリ
ポソーム)をドナーリポソームとしてPLTP活性測定
に用いた。
【0068】アクセプターリポ蛋白の調製 健常人血漿(400mL)に臭化カリウム(KBr)を加
え、比重d=1.125g /mLに調製し、超遠心分離処
理を施し(100,000×g、12℃、40時間)、
比重d>1.125gの画分を採取した。このようにし
て得られた画分を、比重d=1.21g/mLに、KBr
で調整し、超遠心分離処理(100,000×g、12
℃、40時間)を施し、比重1.125<d<1.21
の画分を得た。このHDL3画分を、更に比重d=1.
21g/mLに調整した生理食塩水を用いて、超遠心分離
処理(100,000×g、4℃、40時間)を施し
て、洗浄HDL3画分を採取した。得られた洗浄HDL
3画分を、150mM 塩化ナトリウム及び1mM EDT
Aを含有する10mMトリス緩衝液(pH7.4)で透析
した。
【0069】このようにして得られた洗浄HDL3画分
(比重d=1.125〜1.21)をアクセプターリポ
蛋白とした。この洗浄HDL3画分には、下記のPLT
P活性測定法による、PCの転送活性は認められなかっ
た。
【0070】PLTP活性の測定法 上述のようにして得た、ドナーリポソーム([14C]PC
リポソーム)、アクセプターリポ蛋白(洗浄HDL3)
及び測定試料を、ドナーリポソームのPC量が75nmo
l、アクセプターリポ蛋白の蛋白量が250μgとなる
ようにマイクロチューブに加えて、総量を150mM 塩
化ナトリウム及び1mM EDTA含有10mM トリス緩
衝液(pH7.4)にて400μL /チューブに調整
し、2秒間激しく攪拌後、このマイクロチューブを、3
7℃湯浴中で90分間インキュベートする。次いで、こ
のインキュベート後、氷上にマイクロチューブを移し、
反応を停止させ、マイクロチューブに、363mM 塩化
マンガン及び52単位 ヘパリン含有536mM 塩化ナ
トリウム溶液0.3mLを加え、10秒間激しく攪拌し、
室温で10分間放置する。次いで、このマイクロチュー
ブを、室温で、卓上遠心機(エッペンドルフ社製)を用
いて、15,000rpm,10分間遠心分離処理を施し、
遠心上清0.5mLの放射活性を、液体シンチレーション
カウンターを用いて測定する。測定試料に含まれるPL
TPのPLTP活性は、測定試料の放射活性と測定試料
の代わりに上記のトリス緩衝液を同量加えて、上記と同
様に操作した対照(ブランク)の放射活性との差に基づ
く放射活性の増加から決定し、単位時間あたりにリン脂
質(PC)を転送するPLTP活性をnmol/ml/hr、ある
いは%転送率で表わす。
【0071】〔精製ヒトPLTPの調製〕以下の精製等
の操作は、常法に従い行い、全て4℃又は氷浴上で行っ
た。疎水クロマトグラフィーによる精製 複数の健常人から採取した末梢血を、常法に従い、遠心
分離処理により、血球系細胞を除去して、ヒト血漿(1
L )を採取した。得られたヒト血漿(1L )に、KBr
を加え、超遠心分離処理により、比重d>1.21の下
層(リポ蛋白欠乏血清)を得た。このリポ蛋白欠乏血清
を、予め2M NaCl及び1mM EDTAを含有する
10mMトリス緩衝液(pH7.4)で平衡化したブチル
トヨパール650(5.0×15cm)カラムに加えた。
このカラムを、1mM EDTAを含む50mM トリス緩
衝液(pH7.4) 500mLで洗浄し、更に、50−3
mMトリス緩衝液(pH7.4)の濃度勾配で溶出させ
た。そして、この溶出パターンを、波長280nmでの吸
光度により測定した。この溶出パターンに従い、さらに
各溶出分画のPLTP活性を、上記の方法で測定し、ヒ
トPLTPを含む画分を回収した。
【0072】CMセファロースカラムクロマトグラフィ
ーによる精製 上記の疎水クロマトグラフィーにより得た、PLTP活
性を有する画分を、10mMクエン酸ナトリウム緩衝液
(pH5.5)で透析を行い、予め10mM クエン酸ナ
トリウム緩衝液(pH5.5)で平衡化したCMトヨパ
ール650(2.5×24cm)カラムに加えた。このカ
ラムに10mM クエン酸ナトリウム緩衝液(pH5.
5)を加えて洗浄し、濃度勾配が0−1.2Mの塩化ナ
トリウム溶液で溶出した。溶出パターンを、波長280
nmでの吸光度により測定した。この溶出パターンに従
い、各溶出画分のPLTP活性を上記の方法で測定し、
ヒトPLTPを含む分画(塩濃度0.15〜0.35M
の塩化ナトリウム溶出画分)を回収した。
【0073】ヘパリンセファロースカラムクロマトグラ
フィーによる精製 上記のCMセファロースカラムクロマトグラフィーによ
り得た、PLTP活性を有する画分を、50mM 塩化ナ
トリウム含有10mM トリス緩衝液(pH7.4)で透
析を行い、ヘパリンセファロースカラム(1.5×8.
5cm)に加えた。このカラムを、50mM 塩化ナトリウ
ム含有10mM トリス緩衝液(pH7.4)を加えて洗
浄し、0.5M 塩化ナトリウム含有10mM トリス緩
衝液(pH7.4)を加え溶出した。この溶出パターン
を、波長280nmでの吸光度により測定した。この溶出
パターンに従い、各溶出画分のPLTP活性を、上記の
方法を用いて測定し、ヒトPLTPを含む分画(塩濃度
0.5Mの塩化ナトリウム溶出画分,フラクションN
o.36〜40)を回収した。
【0074】Mono Qカラムクロマトグラフィーに
よる精製 上記のヘパリンセファロースカラムクロマトグラフィー
により得た、PLTP活性を有する画分を、1mM ED
TA含有25mM トリス緩衝液(pH7.4)で透析を
行い、Mono QHR 5/5カラム(1.5×8.
5cm)に加えた。このカラムを、1mM EDTA含有2
5mM トリス緩衝液(pH7.4)で洗浄後、0〜1M
塩化ナトリウムの濃度勾配で溶出した。この溶出パタ
ーンを、波長280nmでの吸光度により測定した。この
溶出パターンに従い、各溶出画分のPLTP活性を、上
記の方法を用いて測定し、ヒトPLTPを含む分画(塩
濃度200mMの塩化ナトリウム溶出画分)を回収した。
【0075】ゲルろ過クロマトグラフィーによる精製 上記のMono Qカラムクロマトグラフィーで得た、
実施例で回収し得たPLTP活性を有する画分を、予め
1mM EDTA含有25mM トリス緩衝液(pH7.
4)で平衡化した、スーパーロース6HRカラムに加
え、PBS(pH7.4)で溶出した。この溶出パター
ンを、波長280nmでの吸光度により測定した。この溶
出パターンに従い、各溶出画分のPLTP活性を上記の
方法を用いて測定し、ヒトPLTPを含む分画(フラク
ションNo.29〜34溶出画分)を回収し、これを精
製ヒトPLTPとした。
【0076】このようなステップにより、ヒト血漿から
精製された精製ヒトPLTPは、7.5%ポリアクリル
アミドゲルを用いたSDS−PAGE(ドデシル硫酸ポ
リアクリルアミドゲルナトリウム電気泳動)により、分
子量が約80,000であり、また、4200nmol/mL
/hrのPLTP活性を有していた(第1図)。
【0077】〔組換えヒトPLTP蛋白の製造〕ヒトPLTPをコードするcDNAの調製 ヒト肝臓由来のcDNAを鋳型として、特異的プライマ
ー〔センスプライマー:5’−CAGCTCCACCG
CTGAGCCCGCTC−3’(配列番号1)、アン
チセンスプライマー:5’−ACAGCTGCCAGC
TTGGGGATTGAGG−3’(配列番号2)〕を
用いて、RT−PCRを行い、PLTPのcDNAをク
ローニングした。
【0078】すなわち、特異的プライマーを用いて、R
T−PCRにより増幅したDNA断片を、常法により、
アガロース電気泳動により分離し、約1.5Kbp のDN
A断片をゲルごと切り出した後、QIAEX II gel extract
ion キット(QIAGEN社製)で抽出し、目的とする
cDNA断片を得た。
【0079】このようにして得られた、約1.5Kbp の
DNA断片を、DNAライゲーションキット(宝酒造
製)を用いて、pT7 Blueベクター(INVITROGE
N社製)に挿入した。
【0080】次いで、pT7 Blueベクターを、大腸菌JM
109コンピテントセル(東洋紡社製)に導入した。さ
らに、この大腸菌より、プラスミドDNAを抽出し、プ
ラスミドDNAのシーケンスを行い、約1.5Kbp の目
的とするcDNA断片の塩基配列を確認した。このよう
にして得られた、約1.5Kbp のPCR産物は、目的と
するヒトPLTPをコードするcDNAであることが確
認された。
【0081】組換えヒトPLTP蛋白発現系の構築 上述のようにして得られた、ヒトPLTPをコードする
cDNAを、動物細胞発現ベクターpEF321-3.1.1ベクタ
ーに組み込んだ。
【0082】すなわち、得られたヒトPLTPをコード
するcDNAを鋳型とし、プライマー〔センスプライマ
ー:5’−GGCAGGCGCACATATGGAGT
TCCCAGGCTGCAAGATC−3’(配列番号
3)、アンチセンスプライマー:5’−ACAGCTG
CCAGCTTGGGGATTGAGG−3’(配列番
号2)〕を用いて、PCRを行った。このPCRにより
増幅されたDNA断片を、常法によりアガロース電気泳
動により分離し、約1.5Kbp のDNA断片を、ゲルご
と切り出した後、QIAEX II gel extraction キット(Q
IAGEN社製)で抽出し、目的とするcDNA断片を
得た。
【0083】このようにして得られた、約1.5Kbp の
DNA断片を、DNAライゲーションキット(宝酒造
製)を用いて、pBluescript II KS(-)ベクター(STR
ATAGENE社製)に挿入した。
【0084】次いで、このpBluescript II KS(-)ベクタ
ーを、大腸菌JM109コンピテントセル(東洋紡社
製)に導入した。さらに、この大腸菌より、プラスミド
DNAを抽出し、プラスミドDNAのシーケンスを行
い、約1.5Kbp の目的とするcDNA断片の塩基配列
を確認した。
【0085】このようにして得られた、ヒトPLTPを
コードするcDNAを、pEF321-3.1.1ベクター〔ヒトE
F1αプロモーターを有するベクターpEF321(Ki
m DGet al,Gene,91,217-223,1990)に、更にCHO細胞
において細胞外への分泌を円滑にするためのインヒビン
αシグナルシークエンス、及び組換え蛋白の精製を容易
にするためのヒスチジンタッグを附加した新規の発現用
ベクター:第2図に、その構築図を示す〕に、DNAラ
イゲーションキット(宝酒造社製)を用いて挿入し、ベ
クターpEF321-3.1.1/PLTPを得た。
【0086】リポフェクチン試薬(ギブコ(Gibco)社
製)を用いて、pEF321-3.1.1/PLTP及び薬剤耐性遺伝子
を含むpEF321/neo(前記のpEF321ベクターに、常
法によりネオマイシン耐性遺伝子を導入したもの)を、
同時にCHO細胞(5×105cells)に導入し、10%
牛胎児血清含有F12培地で、3日間培養した。次い
で、培養したCHO細胞を、トリプシン/EDTAで処
理し、培地を、1mg/mLのゲネチシン(シグマ社製)含
有上記F12培地12mLに置き換え、96ウエルプレー
トに0.1mL/ウエルの割合で播き、培養した。2日毎
にゲネチシンを含有する上記F12培地で交換し、10
日間選択培養を行った。かかる選択培養において、増殖
が認められた細胞について、常法に従ってRNAを抽出
した。
【0087】得られたRNAを用いて、ヒトPLTPc
DNAをプロープとしたノーザンプロットを行い、pEF3
21-3.1.1/PLTPを導入したCHO細胞での、ヒトPLT
Pの特異的な転写発現を確認した。
【0088】培地をCHO−S−SFMII(ギブコ社
製)に換えて培養し、組換えヒトPLTPを含む培養上
清を収集した。収集した組換えヒトPLTP培養上清
を、Ni−NTAアガロース(QIAGEN社製)と、
4℃で一晩転倒混和し、翌日に、反応後のNi−NTA
アガロースをカラムに充填し、PBS(pH7.4)及
びPBS(pH6.0)で、順次洗浄後、100mM E
DTAを含むPBSで溶出し、精製組換えヒトPLTP
タンパク質画分を得た。
【0089】組換えヒトPLTPの性状 上述のようにして得られた、精製組換えヒトPLTPの
分子量を、常法に従って、SDS−PAGE(ドデシル
硫酸ナトリウムポリアクリルアミドゲル電気泳動)によ
り解析した。その結果を、第3図に示す。この結果か
ら、上記の組換えヒトPLTPは、分子量が約80kDa
であることが確認された。
【0090】ヒトPLTPの精製はこれまでも多くの研
究者によって試みられ、その分子量が報告されている
〔Jauhiainen M et al.,J Biol Chem,268:4032-4036(19
93) 、Tu A-Y et al.,J Biol Chem,268:23098-23105(19
93) 、Tollefson JH et al.,JLipid Res,29:1593-1602
(1988)等〕。報告された値は精製方法、あるいは分子量
分析方法等の違いにより、完全には一致していないが、
いずれも概ね70〜80kDa である。
【0091】これらの既に報告されている分子量との比
較から、上記の組換えヒトPLTPは、同等の分子量を
有しており、また、上記の組換えヒトPLTPは、6500
nmol/mL/hrのPLTP活性を有していることから、ヒト
精製PLTPと同等のPLTP蛋白としての生物学的活
性を有していることが示された。
【0092】〔本発明に係わるハイブリドーマの調製〕
上記の組換えヒトPLTP(190μg /mL )を、等量
のフロイント完全アジュバンドと混和し、その0.4mL
を7週齢のBalb/cマウス(雌、日本SLC社)の
腹腔に免疫した。2週間後、フロイント不完全アジュバ
ントを使用して同様に免疫を行い、それ以降は2週間に
一回、計3回免疫した。
【0093】最終免疫3日後のマウスの脾細胞4×10
8 個を、マウスミエローマ細胞〔SP2/0-Ag14(4×10
7 個)]と混和し、50%ポリエチレングリコール(平均
分子量1500:ベーリンガーマンハイム社製)PBS
溶液を用いて細胞融合を行った。処理後の細胞を、RP
MI1640培地(GIBCO社製)中に、96ウエル
プレートにウエル当り5×105 個の割合になるように
播き、翌日からHAT試薬(シグマ社製)を添加し、7
日間選択培養を行ったところ、ほぼ全ウエルにハイブリ
ドーマの増殖が認められた。
【0094】各ハイブリドーマの培養上清中のヒトPL
TPに対して特異的なモノクローナル抗体の有無は、精
製組換えヒトPLTPを抗原としたELISA法でスク
リーニングした。すなわち、精製組換えヒトPLTPタ
ンパク質をウエル当り100ngずつ固相化した96ウエ
ルプレート(固定化精製組換えヒトPLTPプレート)
にハイブリドーマの培養上清を50μl 添加し、室温下
で2時間反応させた(1次反応)。
【0095】次いで、プレートを0.1%Tween2
0を含むPBSで 6回洗浄した後、同PBSで4000
倍に希釈したパーオキシダーゼ標識ウサギ抗マウスIg
G抗体(Zymed Laboratories社製)加え、室温で 1時間
反応させた(2次反応)。プレートを上記PBSにて6
回洗浄後、0.015%過酸化水素を含む0.25mg/
ml OPD溶液(シグマ社製)を各ウェルに100μl
加え、室温で30分間反応した(基質反応)。反応後、
さらに各ウェルに2N硫酸を50μl 加えて反応を停止
した。そして、波長492nmでの吸光度をマイクロプレ
ートリーダー(ラボシステム社製)で測定した。この結
果、吸光度が1.0以上のハイブリドーマ培養上清を陽
性とした。上記のスクリーニング方法で陽性であったハ
イブリドーマ培養上清について、さらにウエスタンブロ
ット法でヒト血漿から調製した高比重リポタンパク(H
DL,1.063<d<1.210)分画中のPLTP
との反応性を確認し、上記組換えヒトPLTPを抗原と
したELISA法、及びヒトHDL画分のウエスタンブ
ロット法にて特異性が認められたクローンを選別した。
【0096】このようにして、特異性が確認されたハイ
ブリドーマについて、HT試薬(シグマ社製)を添加し
たRPMI1640培地において、96ウエルプレート
に、ウエル当り0.5個の細胞を播く操作を3回繰り返
してクローニングし、モノクローナル抗体産生ハイブリ
ドーマ(#113,#114,#110G)が得られ
た。
【0097】なお、これらのハイブリドーマは、工業技
術院微生物工業技術研究所に寄託されている〔mouse hy
bridoma PLTP113 (寄託番号:FERM P−1660
5)、mouse hybridoma PLTP114 (寄託番号:FERM
P−16606)、mousehybridoma PLTP110G(寄託
番号:FERM P−16607)〕。
【0098】〔本発明モノクローナル抗体の調製〕モノクローナル抗体の大量精製 Balb/cマウス(雌、8週齢、10匹、日本SLC
社)に、上述のようにして得られたハイブリドーマ〔#
113,#114,#110G(各々106 〜107
/0.5mL/マウス)〕の各々を、腹腔内注射により導
入した。導入10日後、マウスを麻酔下で開腹し、常法
により採取した腹水からモノクローナル抗体(#11
3、#114、#110G)を、それぞれ大量に調製し
た。
【0099】アイソタイプの決定 マウスモノクローナル抗体アイソタイプ決定用キット
(サングスタットメディカル社製)を用い、このキット
に添付の実験操作プロトコールに従って操作を行い、モ
ノクローナル抗体(#113、#114、#110G)
のアイソタイプを決定した。その結果、モノクローナル
抗体#113のアイソタイプがIgG2bで、同#11
4及び#110GがIgG1であった。
【0100】モノクローナル抗体の精製 上述のモノクローナル抗体(#113、#114、#1
10G)を、各々の遠心上清(各々5mL)を、飽和硫酸
アンモニウム溶液5mLと混和したものを氷冷し、2時間
放置した後、4℃,10000×g で10分間遠心処理
を行った。遠心処理後、沈殿物を、バインディングバッ
ファー(3M 塩化ナトリウム/1.5M グリシン溶
液、pH8.9)に溶解し、プロテインAセファロース
(ファルマシア社製)1mLと混合し、4℃で一晩転倒混
和した。翌日、プロテインAセファロースをカラムに充
填し、バインディングバッファー6mL で6回洗浄後、
溶出バッファー(0.1Mクエン酸溶液、pH4.0)
2mLずつで溶出し、溶出回収した各々の溶液を、2Mト
リス溶液(pH10.0)0.2mLで中和した。各フラ
クションの吸光度(280nm)を測定し、モノクローナ
ル抗体の溶出画分を回収し、リン酸緩衝液(pH7.
4)で透析(4℃、24時間)し、精製モノクローナル
抗体(#113、#114、#110G)を得た。
【0101】本発明に係わるヒトPLTPモノクローナ
ル抗体の性状解析 ヒトPLTPに対する反応性 上述のようにして得られた精製モノクローナル抗体(#
113、#114、#110G)のヒトPLTPに対す
る反応性は、ヒト血漿及びヒト血漿から精製した精製ヒ
トPLTP(上述した)を用いたウエスタンブロット法
にて確認した。
【0102】ヒト血漿試料は2μL /レーン、精製ヒト
PLTPは60ng/レーン、ヒトHDL画分は15μg
/レーン、マウスHDL画分は60μg /レーンの濃度
で、7.5%,10%,あるいは5〜20%SDSポリ
アクリルアミドゲル(アトー社製)を用いて、SDS−
PAGE電気泳動を行った。次いで、ゲルをPVDF膜
に転写した。更に、転写膜をブロッキング試薬〔5%ス
キムミルク含有PBS(pH7.4)〕中で、4℃で一晩
インキュベートした。
【0103】転写膜を0.1% Tween20含有P
BS(pH7.4)で5回洗浄後、0.1%Tween
20含有PBS(pH7.4)で1μg/mLの濃度に調
製した各精製モノクローナル抗体(#113、#11
4、#110G)を室温で2時間反応させた。反応後、
膜を0.1% Tween20含有PBS(pH7.
4)で5回洗浄し、0.1% Tween20含有PB
S(pH7.4)で、4000倍希釈した2次抗体(H
RP標識抗マウスIgG抗体:ザイメット製)を室温で
1時間反応させた。反応後、膜を、0.1% Twee
n20含有PBS(pH7.4)で5回洗浄し、ケミル
ミ試薬(NENライフサイエンスプロダクト製)を1分
間反応させた。次いで、ケミルミ試薬を取り除き、X線
フィルムに感光後、フィルムを現像し反応バンドを検出
した。
【0104】この結果、各精製モノクローナル抗体(#
113、#114、#110G)の、精製ヒトPLTP
に対する反応性は、分子量約80kDaの、上記の精製ヒ
トPLTPに反応することが確認された(第4図)。ま
た、これらの各精製モノクローナル抗体(#113、#
114、#110G)のヒト血漿及びHDL画分に対す
る反応性は、精製ヒトPLTPの場合と同様に、分子量
約80kDaの単一蛋白を認識しており、血漿中及びHD
L画分中のヒトPLTP蛋白を特異的に認識しているこ
とが示された(第5図,第6図)。さらに、マウスHD
L画分に対する反応性から、各精製モノクローナル抗体
(#113、#114、#110G)は、マウス由来の
PLTPには反応しないことが示された(第7図)。
【0105】固定化精製組換えヒトPLTPに対する
反応性 上述のように得られた、各精製モノクローナル抗体(#
113、#114、#110G)の組換えヒトPLTP
に対する反応性を、固定化精製組換えヒトPLTPマイ
クロプレートにて検討した。すなわち、上記した方法で
精製した組換えヒトPLTP(100ng/ウェル)をマ
イクロプレートに、4℃,24時間インキュベートし、
マイクロプレートに固相化した。
【0106】インキュベート後、マイクロプレートをリ
ン酸緩衝液(200μL )で、4回洗浄した。この洗浄
液を捨て、各ウェルに、ブロッキング試薬〔200μL
の1%ブロックエース粉末(大日本製薬社製)含有リン
酸緩衝液(200μL )〕を加え、室温で2時間インキ
ュベートし、組換えヒトPLTPが結合していない部位
をブロックした。次いで、各ウェルを0.1%Twee
n20含有リン酸緩衝液(200μl )で4回洗浄し
た。さらに各ウェルに、各濃度の精製モノクローナル抗
体(0〜1.25μg /mLの濃度)を100μl ずつ加
え、室温で2時間反応させた。
【0107】反応後、各ウェルを、0.1%Tween
20含有リン酸緩衝液(200μL)で4回洗浄した。
洗浄後、0.1%Tween20含有PBS(pH7.
4)で、4000倍に希釈した2次抗体(HRP標識抗
マウスIgG抗体:ザイメット社製)を、室温で1時間
反応させた。反応後、各ウェルを0.1%Tween2
0含有リン酸緩衝液(200μl )で5回洗浄し、0.
015%過酸化水素を含む0.25mg/ml OPD溶液
(シグマ社製)を100μl 加え、室温で30分間反応
した。さらに、各ウェルに、2N硫酸(50μL )を加
え、反応を停止した。
【0108】そして、波長492nmでの吸光度をマイク
ロプレートリーダー(ラボシステム社製)で測定した。
この結果、精製モノクローナル抗体(#113、#11
4、#110G)は、マイクロプレートに固定化された
組換えヒトPLTP(100ng)に対して、0.06〜
0.3μg /mLの濃度で反応することが示された(第8
図)。
【0109】モノクローナル抗体のエピトープ解析 大腸菌による組換えPLTP蛋白発現系の構築 各精製モノクローナル抗体のPLTP蛋白に対して反応
するエピトープを解析するために、以下に示す方法で、
PLTPのNH2 末端を有する部分組換えPLTP及び
同COOH末端を有する部分組換えPLTPを、大腸菌
を用いて発現させた。
【0110】すなわち、上述のように得られた、ヒトP
LTPをコードするcDNAを鋳型とし、プライマー
〔センスプライマー:5’−GCAGGCGCGCAT
GCAGAGTTCCCAGGCTGCAA−3’(配
列番号4)、アンチセンスプライマー:5’−GACA
GGGCAAAGCTTCTGGTTGAGGAGGA
AGCGCAT−3’(配列番号5)〕を用いて、PC
Rを行った。このPCRにより増幅されたDNA断片
を、常法により、アガロース電気泳動で分離し、約0.
5Kbp のDNA断片を、ゲルごと切り出した後、QIAEX
II gel extractionキット(QIAGEN社製)でゲル
を溶かし、目的とする約0.5Kbp のDNA断片を得
た。
【0111】このようにして得られた、約0.5Kbp の
DNA断片を、DNAライゲーションキット(宝酒造社
製)を用いて、pQE31ベクター(QIAGEN社
製)に挿入した。次いで、このpQE31ベクターを、
大腸菌JM109コンピテントセル(東洋紡社製)に導
入した。さらに、この大腸菌からプラスミドDNAを抽
出し、プラスミドDNAのシーケンスを行い、約0.5
Kbp のcDNA断片の塩基配列を確認した。
【0112】このようにして、NH2 末端を有する、部
分組換えヒトPLTPを発現させるための、約0.5Kb
p のcDNA(ヒトPLTPの成熟アミノ酸配列1−1
65に対応)を得た。
【0113】また、COOH末端を有する、部分組換え
ヒトPLTPのcDNAは、上述のようにして得られた
ヒトPLTPcDNAを含むプラスミドを、制限酵素B
glII (宝酒造社製)と、制限酵素Hind III(宝
酒造社製)で消化し、これにより切断されたDNA断片
を、アガロース電気泳動を用いて分離し、目的とする約
1.0Kbp のDNA断片をゲルごと切り出した後、QIAE
X II gel extractionキット(QIAGEN社製)でゲ
ルを溶かし、目的とする、制限酵素Bgl II(宝酒造
社製)と制限酵素Hind III(宝酒造社製)で切断さ
れた、約1.0Kbp のDNA断片を得た。
【0114】このようにして得られた、約1.0Kbp の
DNA断片を、DNAライゲーションキット(宝酒造社
製)を用いて、pQE32ベクター(QIAGEN社
製)に挿入した。
【0115】次いで、このpQE32ベクターを、大腸
菌JM109コンピテントセル(東洋紡社製)に導入し
た。さらに、この大腸菌からプラスミドDNAを抽出
し、プラスミドDNAのシーケンスを行い、約1.0Kb
p のcDNA断片の塩基配列を確認した。
【0116】このようにして、COOH末端を有する、
部分組換えヒトPLTPを発現させるための、約1.0
Kbp のcDNA(ヒトPLTPの成熟アミノ酸配列16
7−476に対応)を得た。
【0117】大腸菌による部分組換えヒトPLTPの
発現 上述の方法により得られた、NH2 末端又はCOOH末
端を有する部分組換えヒトPLTPcDNAを挿入した
プラスミドを含むクローンを、常法により、50μg /
mLのアンピシリン含有TB培地で培養した。さらに、終
濃度が0.3mMとなるように、IPTG(Isopropyl β
-D-Thiogalactopyranoside) (シグマ社製)を加え、3
7℃,3時間培養して、部分組換えヒトPLTP蛋白の
発現を誘導した。
【0118】誘導培養後、それぞれの菌体を回収し、超
音波処理を施した後、Ni−NTAアガロース(QIA
GEN社製)を用いて、各々のNH2 末端を有する部分
組換えヒトPLTP蛋白部分(組換えヒトPLTP1−
165)及びCOOH末端を有する部分組換えヒトPL
TP蛋白部分(組換えヒトPLTP167−476)を
精製した。さらに、精製したNH2 末端およびCOOH
末端を有する部分組換えヒトPLTPを12.5%ポリ
アクリルアミドゲルを用い、SDS−PAGEにて確認
したところ、NH2 末端およびCOOH末端を有する部
分組換えヒトPLTPの分子量は、それぞれ約22,0
00および約38,000であった(第9図)。
【0119】モノクローナル抗体のエピトープ解析 上記の方法により精製した、各々のNH2 末端を有する
部分組換えヒトPLTP蛋白部分(組換えヒトPLTP
1−165)及びCOOH末端を有する部分組換えヒト
PLTP蛋白部分(組換えヒトPLTP167−47
6)を、100ng/レーンの濃度で、12.5%ポリア
クリルアミドゲルを用いて、SDS−PAGE電気泳動
を行った。
【0120】次いで、ゲルをPVDF膜に転写し、転写
膜をブロッキング試薬〔5%スキムミルク含有PBS
(pH7.4)〕で、4℃,一晩インキュベートした。
さらに、転写膜を0.1% Tween20含有PBS
(pH7.4)で5回洗浄し、0.1% Tween2
0含有PBS(pH7.4)で1μg /mLの濃度に調製
した、各精製モノクローナル抗体(#113、#11
4、#110G)を、室温で2時間反応させた。
【0121】反応後、膜を、0.1% Tween20
含有PBS(pH7.4)で5回洗浄し、0.1% T
ween20含有PBS(pH7.4)で、4000倍
に希釈した2次抗体(HRP標識マウスIgG抗体:ザ
イメット社製)を、室温で1時間反応させた。反応後、
転写膜を0.1% Tween20含有PBS(pH
7.4)で、5回洗浄し、ケミルミ試薬(NENライフ
サイエンスプロダクト社製)で1分間反応させた。
【0122】次いで、膜からケミルミ試薬を除去し、膜
でX線フィルムを感光後、このフィルムを現像し、フィ
ルム上に現れたバンドを検出した。この結果、各精製モ
ノクローナル抗体(#113、#114、#110G)
のうち、#113及び#114は、COOH末端を有す
る部分組換えヒトPLTP蛋白(組換えヒトPLTP1
67−476)に対して、分子量約38000に相当す
るバンドが認められ、
【0123】#110Gは、NH2 末端を有する部分組
換えヒトPLTP蛋白(組換えヒトPLTP1−16
5)に対して、分子量約22000に相当するバンドが
認められた(第10図)。これらの結果から、精製モノ
クローナル抗体#113及び#114は、ヒトPLTP
の成熟アミノ酸配列の167−476の領域を認識し、
#110Gは、ヒトPLTPの成熟アミノ酸配列の1−
165の領域を認識することが示された。
【0124】〔サンドイッチELISAによるヒトPL
TPの定量法の確立〕固相化モノクローナル抗体の調製 上記の各精製モノクローナル抗体(#113、#11
4、#110G)を、リン酸緩衝液で希釈(10ng/ウ
ェル〜1μg/ウェル、pH7.4)し、これらの各々
のモノクローナル抗体溶液(100μL)を、ELIS
A用96穴マイクロプレート(ヌンク社製)の各ウェル
に加え、4℃で24時間インキュベートし、各々のモノ
クローナル抗体をマイクロプレートに吸着させた。次い
で、各ウェルをリン酸緩衝液200μLで4回洗浄し
た。この洗浄液を捨て、各ウェルにブロッキング試薬
〔200μLの1% ブロックエース粉末(大日本製薬
社製)含有リン酸緩衝液〕を加え、室温で2時間インキ
ュベートし、モノクローナル抗体が結合していない部位
をブロックした。次いで、各ウェルを、0.1% Tw
een20含有リン酸緩衝液(200μL)で4回洗浄
した。このようにして、所望する固相化モノクローナル
抗体を調製した。
【0125】標識モノクローナル抗体の作製 上記の各精製モノクローナル抗体(#113、#11
4、#110G:1mg/mLを1mL)を、0.1MのNa
HCO3 (pH8.2〜8.3)溶液で透析(4℃,2
4時間)した。次いで、NHS−ビオチン(1mg/mLを
60μL、ピアス社製)を加え、激しく攪拌した後、室
温下で4時間インキュベートした。次いで、リン酸緩衝
液で透析(4℃,24時間)して、各々のモノクローナ
ル抗体において、所望するビオチン標識モノクローナル
抗体(以下、標識モノクローナル抗体という)を調製し
た。
【0126】このように調製した標識モノクローナル抗
体の、精製組換えヒトPLTPに対する反応性を、上述
の固定化精製組換えヒトPLTPマイクロプレートで、
同様に検討した。その結果、各々の標識モノクローナル
抗体は、0.3〜0.6μg /mLの濃度で、固定化精製
組換えヒトPLTP(100ng)に反応することが示さ
れた(第11図,第12図)。
【0127】サンドイッチELISAによる定量法の確
上記の各固定化モノクローナル抗体(#113、#11
4、#110G:500ng/ウェル〜0.5μg/ウェ
ルの濃度で固定化した。以下、「固定化マイクロプレー
ト」ともいう。)の各々を、0.1% Tween 2
0含有リン酸緩衝液で5回洗浄した。各々の固定化マイ
クロプレートの各ウェルに、0.1%Tween20含
有リン酸緩衝液で希釈した測定試料〔健常人の血漿、
ヒト組換えPLTP含有培地)を100μL加え、室
温で2時間インキュベートした。
【0128】インキュベート後、固定化マイクロプレー
トを0.1% Tween20含有リン酸緩衝液で5回
洗浄後、各ウェルに0.1% Tween20含有リン
酸緩衝液で希釈した、上記のビオチン標識モノクローナ
ル抗体を加え(1μg/mLを100μL )、室温下で2時
間インキュベートした。
【0129】次いで、固定化マイクロプレートを、0.
1% Tween20含有リン酸緩衝液で5回洗浄後、
0.1% Tween20含有リン酸緩衝液で、200
0倍に希釈したHRP標識ストレプトアビジン(1mg/
mL:Vector Laboratories社製)100μLを各ウェル
に加え、室温下で30分間インキュベートした。
【0130】インキュベート後、固定化マイクロプレー
トを、0.1% Tween20含有リン酸緩衝液で5
回洗浄後、固定化マイクロプレートに0.015%過酸
化水素を含む0.25mg/mL OPD(シグマ社製)溶
液を100μL加え、室温で30分間インキュベートし
た。更に、固定化マイクロプレートを2N硫酸(50μ
L)を各ウェルに加え、反応を停止した。
【0131】そして、波長492nmでの吸光度を、マイ
クロプレートリーダー(ラボシステム社製)で測定し
た。このような、サンドイッチELISAによる測定試
料中のPLTP測定では、実施例で示したように、健常
人の血漿や組換えヒトPLTP含有培地中のPLTP
を、濃度依存的に測定がなされており、本発明のサンド
イッチELISAによる測定試料中のPLTP量を定量
することが十分に可能であることが示された(第13
図,第14図)。
【0132】この結果、標識モノクローナル抗体及び固
定化モノクローナル抗体の組み合わせのうち、特に、固
定化モノクローナル抗体#114と標識モノクローナル
抗体#113、あるいは固定化モノクローナル抗体#1
10Gと標識モノクローナル抗体#113のいずれかの
組み合わせにより、測定試料中のPLTP量を測定する
のが好ましい。
【0133】また、このような測定試料中のPLTPを
測定するのに最適な固定化モノクローナル抗体及び標識
モノクローナル抗体の濃度は、固定化モノクローナル抗
体の濃度が0.5μg /ウェルであり、標識モノクロー
ナル抗体の濃度が0.1μg/ウェルであることが、上
記の実施例により示された。
【0134】
【発明の効果】本発明により、ヒトの脂質代謝において
重要な役割を担っているヒトリン脂質転送タンパク質
(PLTP:phospholipid transfer Protein)に対する
モノクローナル抗体及びその製造工程において用いるハ
イブリドーマ、並びに動脈硬化等の脂質代謝異常が深く
関わる疾病の重要な指標となり得る,このヒトリン脂質
転送タンパク質に対するモノクローナル抗体を用いたヒ
トリン脂質転送タンパク質の測定方法、及びこの測定方
法を行うための測定キットが提供される。
【0135】
【配列表】
【0136】 配列番号:1 配列の長さ:23 配列の型:核酸 鎖の数:1本鎖 トポロジー:直線状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列 CAGCTCCACC GCTGAGCCCG CTC 23
【0137】 配列番号:2 配列の長さ:25 配列の型:核酸 鎖の数:1本鎖 トポロジー:直線状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列 ACAGCTGCCA GCTTGGGGAT TGAGG 25
【0138】 配列番号:3 配列の長さ:37 配列の型:核酸 鎖の数:1本鎖 トポロジー:直線状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列 GGCAGGCGCA CATATGGAGT TCCCAGGCTG CAAGATC 37
【0139】 配列番号:4 配列の長さ:32 配列の型:核酸 鎖の数:1本鎖 トポロジー:直線状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列 GCAGGCGCGC ATGCAGAGTT CCCAGGCTGC AA 32
【0140】 配列番号:5 配列の長さ:36 配列の型:核酸 鎖の数:1本鎖 トポロジー:直線状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列 GACAGGGCAA AGCTTCTGGT TGAGGAGGAA GCGCAT 36
【図面の簡単な説明】
【図1】ヒトの血漿中より精製したPLTPの分子量を
示す電気泳動像である。
【図2】CHO細胞発現ベクターpEF321-3.1.1の構築図
である。
【図3】Ni−NTAアガロースカラムにより精製し
た、組換えヒトPLTPの分子量を示す電気泳動像であ
る。
【図4】各精製モノクローナル抗体#113,#114
及び#110Gの、精製ヒトPLTPに対する反応性を
示す電気泳動像である。
【図5】各精製モノクローナル抗体#113,#114
及び#110Gの、ヒト血漿中のPLTPに対する反応
性を示す電気泳動像である。
【図6】各精製モノクローナル抗体#113,#114
及び#110Gの、ヒトHDL画分中のPLTPに対す
る反応性を示す電気泳動像である。
【図7】各精製モノクローナル抗体#113,#114
及び#110Gの、マウスHDL画分中のPLTPに対
する反応性を示す電気泳動像である。
【図8】各精製モノクローナル抗体#113,#114
及び#110Gの、固定化組換えヒトPLTPに対する
反応性を示す図面である。
【図9】各精製NH2 末端およびCOOH末端を有する
部分組換えPLTPの分子量を示す電気泳動像である。
【図10】各精製モノクローナル抗体#113,#11
4及び#110Gの、エピトープ解析の結果を示す電気
泳動像である。
【図11】ビオチン標識モノクローナル抗体#113
の、固定化組換えヒトPLTPに対する反応性を示す図
面である。
【図12】ビオチン標識モノクローナル抗体#114及
び#110Gの、固定化組換えヒトPLTPに対する反
応性を示す図面である。
【図13】標識モノクローナル抗体#113と固定化モ
ノクローナル抗体#110Gとの組み合わせによる、サ
ンドイッチELISA系における反応性を示す図面であ
る。
【図14】標識モノクローナル抗体#113と固定化モ
ノクローナル抗体#114との組み合わせによる、サン
ドイッチELISA系における反応性を示す図面であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI G01N 33/53 C12N 15/00 C (72)発明者 出口 武夫 埼玉県川越市的場1361番地1 株式会社ビ ー・エム・エル総合研究所内

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ヒトリン脂質転送タンパク質に対するモノ
    クローナル抗体。
  2. 【請求項2】モノクローナル抗体が、以下の性質を有す
    るモノクローナル抗体である、請求項1記載のモノクロ
    ーナル抗体: ヒトPLTPに対して抗原抗体反応が認められる; 少なくともマウスPLTPに対しては、抗原抗体反応
    が認められない。
  3. 【請求項3】ヒトPLTPの成熟アミノ酸配列の167
    −476の領域を認識する、請求項1又は2記載のモノ
    クローナル抗体。
  4. 【請求項4】ヒトPLTPの成熟アミノ酸配列の1−1
    65の領域を認識する、請求項1又は2記載のモノクロ
    ーナル抗体。
  5. 【請求項5】モノクローナル抗体が、mouse hybridoma
    PLTP113 (寄託番号:FERM P−16605)、mo
    use hybridoma PLTP114 (寄託番号:FERMP−16
    606)及びmouse hybridoma PLTP110G(寄託番号:F
    ERM P−16607)からなる群から選ばれるいず
    れかのハイブリドーマから産生されるモノクローナル抗
    体である、請求項1又は2記載のモノクローナル抗体。
  6. 【請求項6】モノクローナル抗体が、その標識物質単独
    で又はその標識物質と他の物質とを反応させることによ
    り、検出可能なシグナルをもたらす標識物質で標識され
    ている、請求項1乃至5のいずれかの請求項記載のモノ
    クローナル抗体。
  7. 【請求項7】標識物質が、酵素、蛍光物質、化学発光物
    質、ビオチン、アビジン及び放射性同位体からなる群の
    標識物質から選ばれるいずれかの標識物質である、請求
    項6記載のモノクローナル抗体。
  8. 【請求項8】請求項1乃至7のいずれかの請求項記載の
    モノクローナル抗体が、不溶性担体に固定化されてい
    る、固定化モノクローナル抗体。
  9. 【請求項9】不溶性担体が、プレート、試験管、チュー
    ブ、ビーズ、ボール、フィルター、メンブレン及びアフ
    ィニティークロマトグラフィーにおいて用いられる不溶
    性担体からなる群から選ばれる、いずれかの不溶性担体
    である、請求項8記載の固定化モノクローナル抗体。
  10. 【請求項10】不溶性担体が、フィルター、メンブレン
    及びアフィニティークロマトグラフィーにおいて用いら
    れる不溶性担体からなる群から選ばれるいずれかの不溶
    性担体である、請求項8記載の固定化モノクローナル抗
    体。
  11. 【請求項11】ヒトリン脂質転送タンパク質で動物を免
    疫した、その免疫動物に由来するハイブリドーマ。
  12. 【請求項12】ヒトリン脂質転送タンパク質が、組換え
    ヒトリン脂質転送タンパク質である、請求項11記載の
    ハイブリドーマ。
  13. 【請求項13】ハイブリドーマが、mouse hybridoma PL
    TP113 (寄託番号:FERM P−16605)、mous
    e hybridoma PLTP114 (寄託番号:FERMP−166
    06)及びmouse hybridoma PLTP110G(寄託番号:FE
    RM P−16607)からなる群から選ばれるいずれ
    かのハイブリドーマである、請求項11又は12記載の
    ハイブリドーマ。
  14. 【請求項14】請求項1乃至10のいずれかの請求項記
    載のモノクローナル抗体の1種又は2種以上と、検体中
    のヒトリン脂質転送タンパク質との抗原抗体反応を利用
    して、検体中のヒトリン脂質転送タンパク質を測定す
    る、ヒトリン脂質転送タンパク質の測定方法。
  15. 【請求項15】請求項14記載のヒトリン脂質転送タン
    パク質の測定手法が、エンザイムイムノアッセイ法であ
    る、ヒトリン脂質転送タンパク質の測定方法。
  16. 【請求項16】請求項1乃至10のいずれかの請求項記
    載のモノクローナル抗体を、1種又は2種以上含む、ヒ
    トリン脂質転送タンパク質測定キット。
  17. 【請求項17】請求項8乃至10のいずれかの請求項記
    載の固定化モノクローナル抗体を含む、請求項16記載
    のヒトリン脂質転送タンパク質測定キット。
  18. 【請求項18】そのキットにおいてヒトリン脂質転送タ
    ンパク質を測定する測定原理がエンザイムイムノアッセ
    イ法である、請求項17記載のヒトリン脂質転送タンパ
    ク質測定キット。
JP10178133A 1998-06-10 1998-06-10 ヒトpltpタンパク質に対するモノクローナル抗体、このモノクローナル抗体を用いたヒトpltpの測定方法、及びこの測定方法を行うための測定キット Pending JPH11346782A (ja)

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