JPH11335845A - 液体原料気化装置 - Google Patents
液体原料気化装置Info
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- JPH11335845A JPH11335845A JP15538098A JP15538098A JPH11335845A JP H11335845 A JPH11335845 A JP H11335845A JP 15538098 A JP15538098 A JP 15538098A JP 15538098 A JP15538098 A JP 15538098A JP H11335845 A JPH11335845 A JP H11335845A
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- vaporization
- liquid
- solvent
- vaporizer
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 高・強誘電体を成膜するための原料等の、気
化が困難である液体原料を安定に効率良く気化させるこ
とができる気化装置を提供する。 【解決手段】 溶媒中に該溶媒より気化しにくい溶質を
溶解させた原料を加熱して気化させる気化器において、
前記原料を前記溶媒が核沸騰しかつ膜沸騰しないような
状態に維持する第1の気化領域14と、前記第1の気化
領域で加熱された原料を前記溶質が気化する状態に維持
する第2の気化領域18とを有することを特徴とする。
化が困難である液体原料を安定に効率良く気化させるこ
とができる気化装置を提供する。 【解決手段】 溶媒中に該溶媒より気化しにくい溶質を
溶解させた原料を加熱して気化させる気化器において、
前記原料を前記溶媒が核沸騰しかつ膜沸騰しないような
状態に維持する第1の気化領域14と、前記第1の気化
領域で加熱された原料を前記溶質が気化する状態に維持
する第2の気化領域18とを有することを特徴とする。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば液体を原料
とする薄膜気相成長装置に用いる気化装置に係り、特
に、チタン酸バリウム/ストロンチウム等の高誘電体あ
るいは強誘電体薄膜材料を気化させるのに好適な液体原
料気化装置に関する。
とする薄膜気相成長装置に用いる気化装置に係り、特
に、チタン酸バリウム/ストロンチウム等の高誘電体あ
るいは強誘電体薄膜材料を気化させるのに好適な液体原
料気化装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、半導体産業における集積回路の集
積度の向上はめざましく、現状のメガビットオーダか
ら、将来のギガビットオーダを睨んだDRAMの研究開
発が行われている。かかるDRAMの製造のために必要
な大容量素子の製造に用いる誘電体薄膜として、誘電率
が10以下であるシリコン酸化膜やシリコン窒化膜、誘
電率が20程度である五酸化タンタル(Ta2O5)薄膜
に替わって、誘電率が300程度であるチタン酸バリウ
ム(BaTiO3)、あるいはチタン酸ストロンチウム
(SrTiO3)又はこれらの混合物であるチタン酸バリ
ウムストロンチウム等の金属酸化物薄膜材料が有望視さ
れている。
積度の向上はめざましく、現状のメガビットオーダか
ら、将来のギガビットオーダを睨んだDRAMの研究開
発が行われている。かかるDRAMの製造のために必要
な大容量素子の製造に用いる誘電体薄膜として、誘電率
が10以下であるシリコン酸化膜やシリコン窒化膜、誘
電率が20程度である五酸化タンタル(Ta2O5)薄膜
に替わって、誘電率が300程度であるチタン酸バリウ
ム(BaTiO3)、あるいはチタン酸ストロンチウム
(SrTiO3)又はこれらの混合物であるチタン酸バリ
ウムストロンチウム等の金属酸化物薄膜材料が有望視さ
れている。
【0003】ところで、このような素材の成膜を行なう
方法として化学気相成長(CVD)が有望とされてお
り、この場合、最終的に成膜室内で原料ガスを被成膜基
板に安定的に供給する必要がある。原料ガスは気化特性
を安定化するため、常温で固体のBa(DPM)2 ,Sr
(DPM)2 などを有機溶剤(例えばTHFなど)に溶
解させたものを加熱して気化するようにしている。しか
しながら、このような高誘電体あるいは強誘電体の原料
を安定的に気化させるのは非常に困難である。これは、
これらの原料の気化温度と分解温度が接近している、
原料(溶質)の気化温度と有機溶剤(溶媒)の気化温
度に差がある、原料(溶質)の蒸気圧が非常に低い、
などの理由による。
方法として化学気相成長(CVD)が有望とされてお
り、この場合、最終的に成膜室内で原料ガスを被成膜基
板に安定的に供給する必要がある。原料ガスは気化特性
を安定化するため、常温で固体のBa(DPM)2 ,Sr
(DPM)2 などを有機溶剤(例えばTHFなど)に溶
解させたものを加熱して気化するようにしている。しか
しながら、このような高誘電体あるいは強誘電体の原料
を安定的に気化させるのは非常に困難である。これは、
これらの原料の気化温度と分解温度が接近している、
原料(溶質)の気化温度と有機溶剤(溶媒)の気化温
度に差がある、原料(溶質)の蒸気圧が非常に低い、
などの理由による。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来、このような液体
原料を気化させる方法として、液体原料を液状のままあ
るいは霧化させて加熱部材の加熱面に接触させる方法が
ある。この場合、最初に加熱面に接する液部が加熱さ
れ、ここで気泡が発生してこれの移動により撹拌作用を
生じて熱伝達が促進される(核沸騰)。
原料を気化させる方法として、液体原料を液状のままあ
るいは霧化させて加熱部材の加熱面に接触させる方法が
ある。この場合、最初に加熱面に接する液部が加熱さ
れ、ここで気泡が発生してこれの移動により撹拌作用を
生じて熱伝達が促進される(核沸騰)。
【0005】ところが、加熱面の温度が高過ぎ、あるい
は圧力が低過ぎる場合には、加熱面において生成した気
泡が加熱面から離れる前に次の気泡が発生し、加熱面が
常に気泡で覆われる状態となり(膜沸騰)、熱伝達率が
大きく低下する。この結果、液体原料の気化効率が低下
する。
は圧力が低過ぎる場合には、加熱面において生成した気
泡が加熱面から離れる前に次の気泡が発生し、加熱面が
常に気泡で覆われる状態となり(膜沸騰)、熱伝達率が
大きく低下する。この結果、液体原料の気化効率が低下
する。
【0006】本発明は、このような課題に鑑み、高・強
誘電体を成膜するための原料等の、気化が困難である液
体原料を安定に効率良く気化させることができる気化装
置を提供することを目的とするものである。
誘電体を成膜するための原料等の、気化が困難である液
体原料を安定に効率良く気化させることができる気化装
置を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、溶媒中に該溶媒より気化しにくい溶質を溶解させた
原料を加熱して気化させる気化器において、前記原料を
前記溶媒が核沸騰しかつ膜沸騰しないような状態に維持
する第1の気化領域と、前記第1の気化領域で加熱され
た原料を前記溶質が気化する状態に維持する第2の気化
領域とを有することを特徴とする液体原料気化装置であ
る。
は、溶媒中に該溶媒より気化しにくい溶質を溶解させた
原料を加熱して気化させる気化器において、前記原料を
前記溶媒が核沸騰しかつ膜沸騰しないような状態に維持
する第1の気化領域と、前記第1の気化領域で加熱され
た原料を前記溶質が気化する状態に維持する第2の気化
領域とを有することを特徴とする液体原料気化装置であ
る。
【0008】このような構成においては、第1の気化領
域で核沸騰が進行し、加熱面と液体又は液滴の間の熱伝
達率が高い状態が維持され、全体が均一な気化動作温度
に昇温した気液混合相が得られる。これは、さらに第2
の気化領域に達し、原料である溶質が一気に気化する。
従って、高・強誘電体の成膜原料のような気化しにくい
液体原料を、溶媒の分離を最小限に抑えて円滑に効率良
く気化させることができる。
域で核沸騰が進行し、加熱面と液体又は液滴の間の熱伝
達率が高い状態が維持され、全体が均一な気化動作温度
に昇温した気液混合相が得られる。これは、さらに第2
の気化領域に達し、原料である溶質が一気に気化する。
従って、高・強誘電体の成膜原料のような気化しにくい
液体原料を、溶媒の分離を最小限に抑えて円滑に効率良
く気化させることができる。
【0009】請求項2に記載の発明は、前記第1の気化
領域と第2の気化領域は等しい気化動作温度に維持さ
れ、前記第1の気化領域の圧力は前記気化動作温度にお
いて前記溶媒が膜沸騰を起こさない圧力に維持されてい
ることを特徴とする請求項1に記載の液体原料気化装置
である。気化動作温度に維持する手段は、オイル等の加
熱媒体を流すジャケット構造が好適であるが、伝熱ヒー
タ等が適宜に採用可能である。
領域と第2の気化領域は等しい気化動作温度に維持さ
れ、前記第1の気化領域の圧力は前記気化動作温度にお
いて前記溶媒が膜沸騰を起こさない圧力に維持されてい
ることを特徴とする請求項1に記載の液体原料気化装置
である。気化動作温度に維持する手段は、オイル等の加
熱媒体を流すジャケット構造が好適であるが、伝熱ヒー
タ等が適宜に採用可能である。
【0010】請求項3に記載の発明は、前記第1の気化
領域と第2の気化領域は減圧手段によって区画されてい
ることを特徴とする請求項1に記載の液体原料気化装置
である。これは、例えば、細管、コイル状管、オリフィ
ス、微細隙間を有する二重管等のガス流れの抵抗体とな
るような任意の構造が採用可能である。
領域と第2の気化領域は減圧手段によって区画されてい
ることを特徴とする請求項1に記載の液体原料気化装置
である。これは、例えば、細管、コイル状管、オリフィ
ス、微細隙間を有する二重管等のガス流れの抵抗体とな
るような任意の構造が採用可能である。
【0011】請求項4に記載の発明は、前記減圧手段
は、該減圧手段の中での気化熱を補うための加熱媒体ジ
ャケット内に収容されていることを特徴とする請求項3
に記載の液体原料気化装置である。
は、該減圧手段の中での気化熱を補うための加熱媒体ジ
ャケット内に収容されていることを特徴とする請求項3
に記載の液体原料気化装置である。
【0012】請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4
のいずれかに記載の液体原料気化装置を具備することを
特徴とする成膜装置である。
のいずれかに記載の液体原料気化装置を具備することを
特徴とする成膜装置である。
【0013】請求項6に記載の発明は、内部圧力を設定
可能な気密な容器と、該容器の内部に収容された温度調
整可能な加熱板と、該加熱板上に試験液を滴下可能なノ
ズルとを備え、前記加熱板上の液滴の挙動を観察可能に
なっていることを特徴とする液体の沸騰試験装置であ
る。
可能な気密な容器と、該容器の内部に収容された温度調
整可能な加熱板と、該加熱板上に試験液を滴下可能なノ
ズルとを備え、前記加熱板上の液滴の挙動を観察可能に
なっていることを特徴とする液体の沸騰試験装置であ
る。
【0014】
【発明の実施の形態】図1は、本発明に係る気化装置の
1つの実施の形態を示すもので、これは、オイル等の加
熱媒体が流通する加熱媒体ジャケット10の中に、液体
原料及び気化原料が流通する原料流路が構成されてい
る。この原料流路12は、下方に向かう傾斜した第1の
気化流路14と、コイル状の細管からなる減圧流路16
と、減圧流路16の下流の第2の気化流路18とから構
成されている。加熱媒体ジャケット10には、加熱媒体
の温度を制御しつつ配管を介して循環供給する図示しな
い加熱媒体循環装置が設けられており、また、加熱媒体
の温度を測定する温度センサが設けられている。
1つの実施の形態を示すもので、これは、オイル等の加
熱媒体が流通する加熱媒体ジャケット10の中に、液体
原料及び気化原料が流通する原料流路が構成されてい
る。この原料流路12は、下方に向かう傾斜した第1の
気化流路14と、コイル状の細管からなる減圧流路16
と、減圧流路16の下流の第2の気化流路18とから構
成されている。加熱媒体ジャケット10には、加熱媒体
の温度を制御しつつ配管を介して循環供給する図示しな
い加熱媒体循環装置が設けられており、また、加熱媒体
の温度を測定する温度センサが設けられている。
【0015】第1及び第2の気化流路14,18はそれ
ぞれ減圧流路16より大径であり、減圧流路16とはテ
ーパ部14a,18aを介して接続されている。第2の
気化流路18の下流側は成膜室を介して真空ポンプに接
続されており、真空ポンプの動作によりその排気能力と
上流側からのキャリアガスや原料の量とのバランスで決
まる所定の圧力になる。
ぞれ減圧流路16より大径であり、減圧流路16とはテ
ーパ部14a,18aを介して接続されている。第2の
気化流路18の下流側は成膜室を介して真空ポンプに接
続されており、真空ポンプの動作によりその排気能力と
上流側からのキャリアガスや原料の量とのバランスで決
まる所定の圧力になる。
【0016】第1の気化流路14はマスフローコントロ
ーラ20、ヒータ22を備えたキャリアガス配管24を
介してAr等のキャリアガス源に接続されている。ヒー
タ22は、被加熱体(液体原料)の温度とキャリアガス
の温度を同じにするためのものである。第1の気化流路
14には、上流側部分に液体原料供給配管26が挿入さ
れて開口し、また、所定箇所には圧力センサ28が設け
られている。液体原料供給配管26は、加熱ジャケット
10に設けた貫通孔30に空気断熱層32及び伝熱性の
低いテフロン製のOリング34を介して挿通されてお
り、加熱ジャケット10からの熱による昇温を回避する
ようになっている。コイル状の減圧流路16は下流に行
くほど減圧されるので、減圧流路16内の気化された原
料は下流へ行くに従い断熱膨張し温度が下がるので、こ
れを防止するため減圧流路16を加熱ジャケット10に
より加熱している。
ーラ20、ヒータ22を備えたキャリアガス配管24を
介してAr等のキャリアガス源に接続されている。ヒー
タ22は、被加熱体(液体原料)の温度とキャリアガス
の温度を同じにするためのものである。第1の気化流路
14には、上流側部分に液体原料供給配管26が挿入さ
れて開口し、また、所定箇所には圧力センサ28が設け
られている。液体原料供給配管26は、加熱ジャケット
10に設けた貫通孔30に空気断熱層32及び伝熱性の
低いテフロン製のOリング34を介して挿通されてお
り、加熱ジャケット10からの熱による昇温を回避する
ようになっている。コイル状の減圧流路16は下流に行
くほど減圧されるので、減圧流路16内の気化された原
料は下流へ行くに従い断熱膨張し温度が下がるので、こ
れを防止するため減圧流路16を加熱ジャケット10に
より加熱している。
【0017】この気化装置には、加熱ジャケット10の
加熱媒体の温度及び第1の気化流路14の圧力を制御す
る制御装置が設けられている。この制御装置は、加熱ジ
ャケット10の温度センサの出力値に基づいて加熱媒体
循環装置のヒータや循環ポンプを制御し、加熱媒体の温
度を所定の温度(以下、「気化動作温度」と呼ぶ)に維
持するようになっている。また、第1の気化流路14の
圧力センサの出力値に基づいてキャリアガスのマスフロ
ーコントローラ20を制御し、第1の気化流路14を上
記の気化動作温度において溶媒が核沸騰するような状態
に維持するようになっている。すなわち、溶媒は沸騰す
るが膜沸騰が支配的にならず、また、この条件下で溶質
は気化しない。
加熱媒体の温度及び第1の気化流路14の圧力を制御す
る制御装置が設けられている。この制御装置は、加熱ジ
ャケット10の温度センサの出力値に基づいて加熱媒体
循環装置のヒータや循環ポンプを制御し、加熱媒体の温
度を所定の温度(以下、「気化動作温度」と呼ぶ)に維
持するようになっている。また、第1の気化流路14の
圧力センサの出力値に基づいてキャリアガスのマスフロ
ーコントローラ20を制御し、第1の気化流路14を上
記の気化動作温度において溶媒が核沸騰するような状態
に維持するようになっている。すなわち、溶媒は沸騰す
るが膜沸騰が支配的にならず、また、この条件下で溶質
は気化しない。
【0018】図2に示すのは、このような圧力条件を求
めるための試験装置40であり、オイル等の加熱媒体流
路42を有する容器44と、これを気密に覆う透明な蓋
46と、該容器44を所定圧力に真空排気する排気系4
8と、容器44の内部に水平に配置された加熱板50
と、蓋46を貫通して加熱板50の上方に所定距離(5
mm程度)置いた位置まで延びる液体原料供給パイプ5
2とを備えている。蓋46を通して外部から加熱板50
を観察するテレビカメラを配置してもよい。
めるための試験装置40であり、オイル等の加熱媒体流
路42を有する容器44と、これを気密に覆う透明な蓋
46と、該容器44を所定圧力に真空排気する排気系4
8と、容器44の内部に水平に配置された加熱板50
と、蓋46を貫通して加熱板50の上方に所定距離(5
mm程度)置いた位置まで延びる液体原料供給パイプ5
2とを備えている。蓋46を通して外部から加熱板50
を観察するテレビカメラを配置してもよい。
【0019】このような装置において、温度と圧力の条
件を変えながらパイプ52から原料液滴を加熱板50に
供給し、加熱板50上での原料液滴の挙動を観察する。
図3はその一例で、(a)〜(d)は同じ温度におい
て、圧力を、それぞれ0.0Torr,100Torr,300
Torr,760Torrと上げていった場合の状況を示すもの
である。(a)では液滴はゴロゴロ動き回っていて膜沸
騰状態であることが推定される。(b)及び(c)では
液滴が排気方向に直線的に流れるが、(c)の方が大き
さがやや大きい。(d)では、液滴が、一滴、一滴落ち
ると同時にジワーッと気化する。
件を変えながらパイプ52から原料液滴を加熱板50に
供給し、加熱板50上での原料液滴の挙動を観察する。
図3はその一例で、(a)〜(d)は同じ温度におい
て、圧力を、それぞれ0.0Torr,100Torr,300
Torr,760Torrと上げていった場合の状況を示すもの
である。(a)では液滴はゴロゴロ動き回っていて膜沸
騰状態であることが推定される。(b)及び(c)では
液滴が排気方向に直線的に流れるが、(c)の方が大き
さがやや大きい。(d)では、液滴が、一滴、一滴落ち
ると同時にジワーッと気化する。
【0020】従って、この実験から、この溶媒について
は、300Torrから760Torrの間で膜沸騰から核沸騰
に移行していると判定される。このように、この試験装
置を用いれば、任意の溶液についてこのような圧力領域
(又は温度領域)を求めることができる。
は、300Torrから760Torrの間で膜沸騰から核沸騰
に移行していると判定される。このように、この試験装
置を用いれば、任意の溶液についてこのような圧力領域
(又は温度領域)を求めることができる。
【0021】以下、図1の構成の気化装置の作用を説明
する。制御装置により、加熱ジャケット10内は温度セ
ンサの出力値に基づいて所定の気化動作温度に維持され
ている。第1の気化流路にキャリアガスをキャリアガス
供給配管24から供給しながら液体原料供給配管26よ
り液体原料を供給し、液体原料を含む液滴を生成する。
成膜室の排気系は所定の条件で稼動しており、第2の気
化流路18は気化動作温度において溶質が気化するよう
な圧力状態に維持されている。
する。制御装置により、加熱ジャケット10内は温度セ
ンサの出力値に基づいて所定の気化動作温度に維持され
ている。第1の気化流路にキャリアガスをキャリアガス
供給配管24から供給しながら液体原料供給配管26よ
り液体原料を供給し、液体原料を含む液滴を生成する。
成膜室の排気系は所定の条件で稼動しており、第2の気
化流路18は気化動作温度において溶質が気化するよう
な圧力状態に維持されている。
【0022】制御装置によってマスフローコントローラ
20を調整し、第1の気化流路14を気化動作温度にお
いて核沸騰圧力条件にすると、ここで核沸騰が主に進行
し、加熱面と液体又は液滴の間の熱伝達率が高い状態が
維持される。従って、液体や液滴の内部まで温度が均一
に昇温するとともに、加熱面近傍では比較的穏やかな沸
騰が進行する。
20を調整し、第1の気化流路14を気化動作温度にお
いて核沸騰圧力条件にすると、ここで核沸騰が主に進行
し、加熱面と液体又は液滴の間の熱伝達率が高い状態が
維持される。従って、液体や液滴の内部まで温度が均一
に昇温するとともに、加熱面近傍では比較的穏やかな沸
騰が進行する。
【0023】このように、全体が均一な気化動作温度に
昇温した気液混合相である原料流体は、コイル状の細管
からなる減圧流路16に流れ、その過程で徐々に減圧さ
れて気化が進行しながら第2の気化流路18に達する。
ここでは、溶媒が膜沸騰すると同時に溶質が気化するよ
うな圧力条件になっており、ここで原料が一気に気化す
る。この過程では多大な気化潜熱が必要であるが、減圧
流路16がコイル状の細管で形成されているので、加熱
媒体から充分な量の熱を得ることができる。
昇温した気液混合相である原料流体は、コイル状の細管
からなる減圧流路16に流れ、その過程で徐々に減圧さ
れて気化が進行しながら第2の気化流路18に達する。
ここでは、溶媒が膜沸騰すると同時に溶質が気化するよ
うな圧力条件になっており、ここで原料が一気に気化す
る。この過程では多大な気化潜熱が必要であるが、減圧
流路16がコイル状の細管で形成されているので、加熱
媒体から充分な量の熱を得ることができる。
【0024】このように、気化流路を圧力条件が異なる
2つの流路に分け、第1の流路では溶媒の沸騰を適度に
行わせて充分な均熱加熱を行い、第2の流路で溶質を含
めて一気に気化させるので、高・強誘電体の成膜原料の
ような気化しにくい液体原料を、溶媒の分離を最小限に
抑えて円滑に効率良く気化させることができる。
2つの流路に分け、第1の流路では溶媒の沸騰を適度に
行わせて充分な均熱加熱を行い、第2の流路で溶質を含
めて一気に気化させるので、高・強誘電体の成膜原料の
ような気化しにくい液体原料を、溶媒の分離を最小限に
抑えて円滑に効率良く気化させることができる。
【0025】図5に本発明に係る気化器を具備する成膜
装置の構成例を示す。図5は、例えば、チタン酸バリウ
ム/ストロンチウム等の高誘電体又は強誘電体薄膜を形
成するための成膜装置を示す図であり、本発明に係る気
化器Vの下流側に成膜室Cが設けられ、さらにその下流
側の排気経路に真空ポンプPが配置されてメインライン
1が構成されている。メインライン1には、成膜室Cに
酸素等の反応ガスを供給する反応ガス配管2が設けられ
ている。成膜室Cには、基板Wを加熱・保持する保持台
Hと、これに対向してノズル孔Nより原料ガスや反応ガ
スを噴射するシャワヘッドSが設けられている。
装置の構成例を示す。図5は、例えば、チタン酸バリウ
ム/ストロンチウム等の高誘電体又は強誘電体薄膜を形
成するための成膜装置を示す図であり、本発明に係る気
化器Vの下流側に成膜室Cが設けられ、さらにその下流
側の排気経路に真空ポンプPが配置されてメインライン
1が構成されている。メインライン1には、成膜室Cに
酸素等の反応ガスを供給する反応ガス配管2が設けられ
ている。成膜室Cには、基板Wを加熱・保持する保持台
Hと、これに対向してノズル孔Nより原料ガスや反応ガ
スを噴射するシャワヘッドSが設けられている。
【0026】このような成膜装置では、気化器において
安定な条件で気化を行うために気化器Vへの原料供給を
短い時間のピッチで遮断しないようにしており、一方、
成膜室Cでは、成膜時間の管理、処理基板の交換のため
に原料ガスの流れを正確に制御する必要がある。そこ
で、メインライン1とは別に、成膜室Cをバイパスする
バイパスライン3が設けられており、開閉弁V1,V2に
よって気化器Vをいずれかに選択的に接続するようにし
ている。従って、成膜処理を行っていない場合には原料
ガスはバイパスライン3に流れ、高い濃度で含まれる原
料ガスはトラップ4において凝結して捕集される。成膜
処理を開始する場合には、開閉弁V1,V2の切換によっ
てメインライン1より成膜室Cを経由して排気を行う。
安定な条件で気化を行うために気化器Vへの原料供給を
短い時間のピッチで遮断しないようにしており、一方、
成膜室Cでは、成膜時間の管理、処理基板の交換のため
に原料ガスの流れを正確に制御する必要がある。そこ
で、メインライン1とは別に、成膜室Cをバイパスする
バイパスライン3が設けられており、開閉弁V1,V2に
よって気化器Vをいずれかに選択的に接続するようにし
ている。従って、成膜処理を行っていない場合には原料
ガスはバイパスライン3に流れ、高い濃度で含まれる原
料ガスはトラップ4において凝結して捕集される。成膜
処理を開始する場合には、開閉弁V1,V2の切換によっ
てメインライン1より成膜室Cを経由して排気を行う。
【0027】図4は本発明の第2の実施の形態を示すも
ので、外筒60と、これに同心に所定重複長さだけ挿入
された内筒62によって気化流路が構成されている。外
筒60の外側には、上流側に冷却媒体ジャケット66が
形成され、気化流路64からの熱により原料が事前に加
熱されるのを防止する加熱防止部68を形成している。
また、下流側には、外筒60の外側に加熱媒体ジャケッ
ト70が構成され、内筒62の内部にヒータ72が内装
されて気化部74が構成されている。加熱防止部68と
気化部74の間にはマスフローコントローラ76、圧力
センサ78を有するキャリアガス供給配管80が接続さ
れている。
ので、外筒60と、これに同心に所定重複長さだけ挿入
された内筒62によって気化流路が構成されている。外
筒60の外側には、上流側に冷却媒体ジャケット66が
形成され、気化流路64からの熱により原料が事前に加
熱されるのを防止する加熱防止部68を形成している。
また、下流側には、外筒60の外側に加熱媒体ジャケッ
ト70が構成され、内筒62の内部にヒータ72が内装
されて気化部74が構成されている。加熱防止部68と
気化部74の間にはマスフローコントローラ76、圧力
センサ78を有するキャリアガス供給配管80が接続さ
れている。
【0028】気化部74では外筒60と内筒62の間の
空間が第1の気化流路82を構成し、その下流側の外筒
60内の空間が第2の気化流路84を構成する。第1の
気化流路82は外筒60の端部の液体原料供給口86に
連絡し、第2の気化流路84の下流側端部は成膜室に連
絡している。この例では、第1の気化流路82が減圧流
路を兼ねているので、第1の気化流路82で原料の圧力
が徐々に下がって行くが、圧力を溶媒が核沸騰するが膜
沸騰しないように設定すれば、第1の実施の形態と同様
の作用効果を得ることができることは自明である。第1
の気化流路82は下流へ行くほど減圧されるので、第1
の気化流路82内の気化された原料は下流へ行くに従い
断熱膨張し温度が下がるので、これを防止するため、第
1の気化流路82を加熱媒体ジャケット70により加熱
している。
空間が第1の気化流路82を構成し、その下流側の外筒
60内の空間が第2の気化流路84を構成する。第1の
気化流路82は外筒60の端部の液体原料供給口86に
連絡し、第2の気化流路84の下流側端部は成膜室に連
絡している。この例では、第1の気化流路82が減圧流
路を兼ねているので、第1の気化流路82で原料の圧力
が徐々に下がって行くが、圧力を溶媒が核沸騰するが膜
沸騰しないように設定すれば、第1の実施の形態と同様
の作用効果を得ることができることは自明である。第1
の気化流路82は下流へ行くほど減圧されるので、第1
の気化流路82内の気化された原料は下流へ行くに従い
断熱膨張し温度が下がるので、これを防止するため、第
1の気化流路82を加熱媒体ジャケット70により加熱
している。
【0029】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
第1の気化領域で核沸騰が進行し、加熱面と液体又は液
滴の間の熱伝達率が高い状態が維持され、全体が均一な
気化動作温度に昇温した気液混合相が得られ、さらに第
2の気化領域に達して溶質が一気に気化する。従って、
高・強誘電体の成膜原料のような気化しにくい液体原料
を、溶媒の分離を最小限に抑えて円滑に効率良く気化さ
せることができる。
第1の気化領域で核沸騰が進行し、加熱面と液体又は液
滴の間の熱伝達率が高い状態が維持され、全体が均一な
気化動作温度に昇温した気液混合相が得られ、さらに第
2の気化領域に達して溶質が一気に気化する。従って、
高・強誘電体の成膜原料のような気化しにくい液体原料
を、溶媒の分離を最小限に抑えて円滑に効率良く気化さ
せることができる。
【図1】本発明の第1の実施の形態の気化装置を示す断
面図である。
面図である。
【図2】本発明を実施するための試験装置を示す断面図
である。
である。
【図3】図2の試験装置における試験結果を示す図であ
る。
る。
【図4】本発明の第2の実施の形態の気化装置を示す断
面図である。
面図である。
【図5】本発明に係る気化装置を具備する成膜装置を示
す図である。
す図である。
10 加熱ジャケット 12 原料流路 14 第1の気化流路 16 減圧流路 18 第2の気化流路 24 キャリアガス供給配管 26 液体原料供給配管 28 圧力センサ 40 試験装置 60 外筒 62 内筒 64 気化流路 66 冷却媒体ジャケット 68 加熱防止部 70 加熱媒体ジャケット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 荒木 裕二 東京都大田区羽田旭町11番1号 株式会社 荏原製作所内
Claims (6)
- 【請求項1】 溶媒中に該溶媒より気化しにくい溶質を
溶解させた原料を加熱して気化させる気化器において、 前記原料を前記溶媒が核沸騰しかつ膜沸騰しないような
状態に維持する第1の気化領域と、 前記第1の気化領域で加熱された原料を前記溶質が気化
する状態に維持する第2の気化領域とを有することを特
徴とする液体原料気化装置。 - 【請求項2】 前記第1の気化領域と第2の気化領域は
等しい気化動作温度に維持され、前記第1の気化領域の
圧力は前記気化動作温度において前記溶媒が膜沸騰を起
こさない圧力に維持されていることを特徴とする請求項
1に記載の液体原料気化装置。 - 【請求項3】 前記第1の気化領域と第2の気化領域は
減圧手段によって区画されていることを特徴とする請求
項1に記載の液体原料気化装置。 - 【請求項4】 前記減圧手段は、該減圧手段の中での気
化熱を補うための加熱媒体ジャケット内に収容されてい
ることを特徴とする請求項3に記載の液体原料気化装
置。 - 【請求項5】 請求項1乃至4のいずれかに記載の液体
原料気化装置を具備することを特徴とする成膜装置。 - 【請求項6】 内部圧力を設定可能な気密な容器と、該
容器の内部に収容された温度調整可能な加熱板と、該加
熱板上に試験液を滴下可能なノズルとを備え、前記加熱
板上の液滴の挙動を観察可能になっていることを特徴と
する液体の沸騰試験装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15538098A JPH11335845A (ja) | 1998-05-20 | 1998-05-20 | 液体原料気化装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15538098A JPH11335845A (ja) | 1998-05-20 | 1998-05-20 | 液体原料気化装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11335845A true JPH11335845A (ja) | 1999-12-07 |
Family
ID=15604689
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP15538098A Pending JPH11335845A (ja) | 1998-05-20 | 1998-05-20 | 液体原料気化装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11335845A (ja) |
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005256105A (ja) * | 2004-03-12 | 2005-09-22 | Anelva Corp | Cvd装置 |
WO2007043801A1 (en) * | 2005-10-11 | 2007-04-19 | Eugene Technology Co., Ltd. | Partition-type heating apparatus |
JP2008501507A (ja) * | 2004-06-01 | 2008-01-24 | アドバンスド テクノロジー マテリアルズ,インコーポレイテッド | ガスと蒸発材料との接触を促進するのを助ける方法及び装置 |
JP2012087328A (ja) * | 2010-10-15 | 2012-05-10 | Ulvac Japan Ltd | 成膜装置及び成膜方法 |
JP5576577B1 (ja) * | 2014-02-13 | 2014-08-20 | 株式会社大和製作所 | ガス取出装置 |
WO2016199193A1 (ja) * | 2015-06-08 | 2016-12-15 | 株式会社日立国際電気 | 気化装置、基板処理装置及び半導体装置の製造方法 |
JP2019171341A (ja) * | 2018-03-29 | 2019-10-10 | 古河電気工業株式会社 | 気化装置 |
-
1998
- 1998-05-20 JP JP15538098A patent/JPH11335845A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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KR100792396B1 (ko) * | 2005-10-11 | 2008-01-08 | 주식회사 유진테크 | 파티션 구조형 가열유닛과 이를 이용한 히팅장치 |
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JP2019171341A (ja) * | 2018-03-29 | 2019-10-10 | 古河電気工業株式会社 | 気化装置 |
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