JPH0796702B2 - 無機質基板のメタライゼーションの方法 - Google Patents
無機質基板のメタライゼーションの方法Info
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- JPH0796702B2 JPH0796702B2 JP1262781A JP26278189A JPH0796702B2 JP H0796702 B2 JPH0796702 B2 JP H0796702B2 JP 1262781 A JP1262781 A JP 1262781A JP 26278189 A JP26278189 A JP 26278189A JP H0796702 B2 JPH0796702 B2 JP H0796702B2
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Description
本発明は、スパタリングによる無機質基板のメタライゼ
ーションの方法に関するものである。
ーションの方法に関するものである。
近年、衛星放送等のマイクロ波領域の機器の需要が増加
するにつれて、30GHz程度まで使用できる高周波伝送用
の回路基板が要求されており、セラミックスやガラスの
ような無機質材料よりなる基板の表面に銅のような導電
性金属層を形成した回路基板が検討されている。 一般に、非金属の表面に薄膜状の金属層を付着させるメ
タライゼーションの方法には、大きく分けて物理蒸着法
(PVD)と化学メッキ法とがある。物理蒸着法として
は、真空蒸着、スパタリング、イオンプレーティングな
どが知られている。これらの方法による無機質基板のメ
タライゼーションでは、基板に対する金属層の付着強度
がとくに問題になる。 基板に金属層が付着する際のもっとも基本的な相互作用
はファン・デル・ワールス力であるが、やや巨視的にみ
ると、基板の表面の凹凸との関連性が見られる。すなわ
ち、基板の表面の入り組んだ部分に金属層の一部が入り
込み、錨をおろしたように金属層を基板に固定する錨効
果である。錨効果による付着強度を高めるためには、基
板の表面を粗化することが考えられるが、上述したよう
な周波数が非常に高い高周波領域では、伝送損失が生じ
て実用には適さないという問題が生じる。また、基板を
粗化して付着強度を高める方法は、化学メッキ法では実
用強度を得る効果があるが、物理蒸着法では必ずしもよ
い結果が得られていない。しかも、化学メッキ法では、
金属層の腐食や高温時の付着強度の低下等の問題が生じ
やすい。これは、メッキ液の残留に起因すると考えられ
る。 これに対して、物理蒸着法では化学メッキ法の問題点を
解決することはできるが、付着強度が実用レベルに達し
ていないという問題があるために、実用化が進んでいな
い。 物理蒸着法による基板と金属層との付着強度を高める試
みとしては、たとえば、特開昭52−48527号公報に開示
された方法がある。すなわち、基板の表面を硬質研磨材
を使用して蝕刻することにより、表面を粗化して深さ2
〜5μmの微小な凹凸を形成した後、分離蒸着法により
基板を表面に金属層を形成する方法が提案されている。
金属層の厚みは5〜10μmに設定される。基板として
は、セラミックス、磁器、ガラスが例示されている。ま
た、研磨材としては、アランダムや合成ダイアモンドが
使用され、噴射研磨、皿研磨などの方法が用いられてい
る。物理蒸着法としては、真空蒸着、真空加熱蒸着、ス
パタリングが示され、金属層には銅のほか、ニッケル、
クロム、コバルト、鉄などが例示されている。付着強度
は、基板と金属層とが接触している部分(遷移層)の厚
みに依存し、蝕刻の程度が小さいと付着強度が小さくな
り、蝕刻の程度が大きすぎると遷移層が厚くなって基板
の強度が小さくなる。したがって、蝕刻の深さおよび金
属層の厚みは、上述したような範囲に設定されるのであ
る。 一方、米国特許第4,342,632号に開示された方法では、
セラミックスの基板にいわゆるスパタエッチングを施し
た後、クロム、モリブデン、銅を順次ターゲットとして
スパタリングを施すことにより3層の金属層を形成し、
1000℃で10分間焼成する方法が開示されている。すなわ
ち、基板と銅の金属層との間に、モリブデン、タングス
テン、クロムなどの中間金属層を介在させる方法であ
る。また、焼成後には銅−銀合金のメッキ層を形成して
いる。
するにつれて、30GHz程度まで使用できる高周波伝送用
の回路基板が要求されており、セラミックスやガラスの
ような無機質材料よりなる基板の表面に銅のような導電
性金属層を形成した回路基板が検討されている。 一般に、非金属の表面に薄膜状の金属層を付着させるメ
タライゼーションの方法には、大きく分けて物理蒸着法
(PVD)と化学メッキ法とがある。物理蒸着法として
は、真空蒸着、スパタリング、イオンプレーティングな
どが知られている。これらの方法による無機質基板のメ
タライゼーションでは、基板に対する金属層の付着強度
がとくに問題になる。 基板に金属層が付着する際のもっとも基本的な相互作用
はファン・デル・ワールス力であるが、やや巨視的にみ
ると、基板の表面の凹凸との関連性が見られる。すなわ
ち、基板の表面の入り組んだ部分に金属層の一部が入り
込み、錨をおろしたように金属層を基板に固定する錨効
果である。錨効果による付着強度を高めるためには、基
板の表面を粗化することが考えられるが、上述したよう
な周波数が非常に高い高周波領域では、伝送損失が生じ
て実用には適さないという問題が生じる。また、基板を
粗化して付着強度を高める方法は、化学メッキ法では実
用強度を得る効果があるが、物理蒸着法では必ずしもよ
い結果が得られていない。しかも、化学メッキ法では、
金属層の腐食や高温時の付着強度の低下等の問題が生じ
やすい。これは、メッキ液の残留に起因すると考えられ
る。 これに対して、物理蒸着法では化学メッキ法の問題点を
解決することはできるが、付着強度が実用レベルに達し
ていないという問題があるために、実用化が進んでいな
い。 物理蒸着法による基板と金属層との付着強度を高める試
みとしては、たとえば、特開昭52−48527号公報に開示
された方法がある。すなわち、基板の表面を硬質研磨材
を使用して蝕刻することにより、表面を粗化して深さ2
〜5μmの微小な凹凸を形成した後、分離蒸着法により
基板を表面に金属層を形成する方法が提案されている。
金属層の厚みは5〜10μmに設定される。基板として
は、セラミックス、磁器、ガラスが例示されている。ま
た、研磨材としては、アランダムや合成ダイアモンドが
使用され、噴射研磨、皿研磨などの方法が用いられてい
る。物理蒸着法としては、真空蒸着、真空加熱蒸着、ス
パタリングが示され、金属層には銅のほか、ニッケル、
クロム、コバルト、鉄などが例示されている。付着強度
は、基板と金属層とが接触している部分(遷移層)の厚
みに依存し、蝕刻の程度が小さいと付着強度が小さくな
り、蝕刻の程度が大きすぎると遷移層が厚くなって基板
の強度が小さくなる。したがって、蝕刻の深さおよび金
属層の厚みは、上述したような範囲に設定されるのであ
る。 一方、米国特許第4,342,632号に開示された方法では、
セラミックスの基板にいわゆるスパタエッチングを施し
た後、クロム、モリブデン、銅を順次ターゲットとして
スパタリングを施すことにより3層の金属層を形成し、
1000℃で10分間焼成する方法が開示されている。すなわ
ち、基板と銅の金属層との間に、モリブデン、タングス
テン、クロムなどの中間金属層を介在させる方法であ
る。また、焼成後には銅−銀合金のメッキ層を形成して
いる。
特開昭52−48527号公報に開示された方法では、付着強
度は0.006kg/mm2程度と低いという問題があった。ま
た、基板の表面を物理的に粗化するから、研磨工程が必
要であり、工数の増加につながるとともに工程の管理が
繁雑になり、コスト高につながっていた。さらに、基板
の表面を粗化した後に基板にスパタリングによる金属層
を形成するから、基板と金属層との間に空気が入りやす
く、膨れが発生したり、金属層にピンホールが生じ、精
度よく回路を形成することができないという問題があっ
た。しかも、表面を研磨した基板では表面が比較的粗い
から、金属層の表面が複雑な形状になり、高周波損失が
大きくなって実用に適さないという問題があった。 一方、米国特許第4,342,632号に開示された方法では、
銅よりなる金属層と基板との間に電気抵抗の大きな中間
金属層が存在するものであるから、高周波損失が大きく
なるという問題があり、実用性に制限があった。また、
工程が繁雑であるから、コスト高になっていた。 本発明は上記問題点の解決を目的とするものであり、ピ
ンホールや膨れが発生せず、緻密な金属層が形成できる
とともに、基板と金属層との付着強度が大きく、しかも
高周波損失の少ない回路を形成できるようにした無機質
基板のメタライゼーションの方法を提供しようとするも
のである。
度は0.006kg/mm2程度と低いという問題があった。ま
た、基板の表面を物理的に粗化するから、研磨工程が必
要であり、工数の増加につながるとともに工程の管理が
繁雑になり、コスト高につながっていた。さらに、基板
の表面を粗化した後に基板にスパタリングによる金属層
を形成するから、基板と金属層との間に空気が入りやす
く、膨れが発生したり、金属層にピンホールが生じ、精
度よく回路を形成することができないという問題があっ
た。しかも、表面を研磨した基板では表面が比較的粗い
から、金属層の表面が複雑な形状になり、高周波損失が
大きくなって実用に適さないという問題があった。 一方、米国特許第4,342,632号に開示された方法では、
銅よりなる金属層と基板との間に電気抵抗の大きな中間
金属層が存在するものであるから、高周波損失が大きく
なるという問題があり、実用性に制限があった。また、
工程が繁雑であるから、コスト高になっていた。 本発明は上記問題点の解決を目的とするものであり、ピ
ンホールや膨れが発生せず、緻密な金属層が形成できる
とともに、基板と金属層との付着強度が大きく、しかも
高周波損失の少ない回路を形成できるようにした無機質
基板のメタライゼーションの方法を提供しようとするも
のである。
本発明は、上記目的を達成するために、無機質よりなる
基板の表面にスパタリングにより薄膜状の金属層を形成
する無機質基板のメタライゼーションの方法において、
上記基板を表面粗度が0.005〜0.1μmとなるように研磨
しておき、900〜1200℃の温度で2時間以上加熱処理し
た後、3×10-4Pa以下の高真空中で180〜300℃に加熱
し、次いで放電ガスとして希ガスを導入して5〜10Paの
雰囲気を形成し、上記加熱基板をターゲットとするイオ
ンボンバードを電力密度が0.1〜1.6W/cm2の高周波電力
を供給して所定時間だけ施して基板表面に放電ガスのイ
オンを照射し、イオンボンバードが終了した後、放電ガ
スの圧力を0.2〜2Paに調整し、次に、導電性金属をター
ゲットとして上記基板表面への金属層の成膜速度が毎分
1.4〜6μmとなるように直流スパタリングを施すこと
を特徴とする。
基板の表面にスパタリングにより薄膜状の金属層を形成
する無機質基板のメタライゼーションの方法において、
上記基板を表面粗度が0.005〜0.1μmとなるように研磨
しておき、900〜1200℃の温度で2時間以上加熱処理し
た後、3×10-4Pa以下の高真空中で180〜300℃に加熱
し、次いで放電ガスとして希ガスを導入して5〜10Paの
雰囲気を形成し、上記加熱基板をターゲットとするイオ
ンボンバードを電力密度が0.1〜1.6W/cm2の高周波電力
を供給して所定時間だけ施して基板表面に放電ガスのイ
オンを照射し、イオンボンバードが終了した後、放電ガ
スの圧力を0.2〜2Paに調整し、次に、導電性金属をター
ゲットとして上記基板表面への金属層の成膜速度が毎分
1.4〜6μmとなるように直流スパタリングを施すこと
を特徴とする。
本発明におけるスパタリングは、通常のスパタリング装
置で行うことができる。スパタリング装置10は、第1図
に示すように、真空ポンプに接続される排気管11と、放
電ガスを導入する給気管12とが接続された真空容器13を
備えている。真空容器13の上面板14には、基板ホルダ15
が上面板14との機密を保った状態で上下に移動自在にな
るように挿通され、基板ホルダ15の下端には基板1が保
持される。また、基板ホルダ15には、熱電対16、ヒータ
17、水冷管18が挿通され、基板1の温度を所望温度に制
御するとともに、基板1の近傍の温度を測定できるよう
にしてある。また、基板ホルダ15には、基板1に電源を
接続する電極19が挿通されている。 真空容器13内で、基板1に対向する部位には、導電性金
属の金属板5が配置される。ここにおいて、基板1と金
属板5との距離は、基板ホルダ15の上下移動によって40
〜80mmの範囲で調節できるように設定してある。金属板
5は、金属板5に電源を接続する銅板よりなるバッキン
グプレート21の上に載置される。真空容器13の底板22と
バッキングプレート21との間には空間が形成されてい
て、この空間には金属板5を冷却する冷却水が循環する
ように水冷管23が接続されている。 真空容器13内において、基板1と金属板5との間には、
シャッタ24が配設されている。シャッタ24は、基板1に
対してイオンボンバードを行うときには閉じられ(基板
1と金属板5との間にシャッタ24が配設され)、基板1
との間に高周波電力が与えられる。これによって、基板
1とシャッタ24との間で放電が生じ、放電ガスのイオン
が基板1に照射され、イオンボンバードが施されること
になる。一方、スパタリングを行うときには、シャッタ
24は開かれ(基板1と金属板5との間からシャッタ24が
取り除かれ)、基板1が正極、金属板5が負極に接続さ
れる。このとき、基板1と金属板5との間に高周波バイ
アスを付与してもよい。なお、スパタリングに先立っ
て、シャッタ24を閉じている状態で、金属板5を負極に
接続し、シャッタ24を正極に接続すれば、金属板5がイ
オンボンバードを受け、金属板5の表面の酸化層が除去
されてシャッタ24に付着するから、金属板5の表面を清
浄化することができる。 さらに、このスパタリング装置10では、金属板5をター
ゲットとしてスパタリングを行うときに、金属粒子が上
方に向かって飛ぶことになるから、下方に向かって飛ぶ
場合に比較して不純物の混入する機会が少なくなる。 本発明に用いることができる基板1としては、Al2O3,Si
O2,MgO,CaO,ZnO,SiC,Si3N4等の単体または混合体を焼成
したセラミックス、パイレックス(商標名)やコージェ
ライト等のガラスがある。 本発明の構成によれば、基板の表面は、表面粗度が0.00
5〜0.1μmになるように研磨される。表面粗度がこの範
囲の上限を越えると、金属層を付着した後、回路パター
ンを形成したときに高周波伝送損失が大きくなる。ま
た、下限を下回ると精密な研磨が必要になって生産性が
低下する。 また、基板は、成膜を施す処理の前に、空気雰囲気中に
おいて900〜2000℃で2時間以上加熱されるから、基板
の汚れが焼き尽くされて、基板の表面が清浄化される
(以下、この処理をバーニングと呼称する)。その結
果、基板への金属層の付着強度が大きくなる。とくに、
有機物等による比較的大きな粒子の汚れを除去する効果
が高い。この温度範囲の下限未満では有機物が残留する
ことがあり、一方、上限を越えると基板の組成が変化
し、基板の強度が低下することがある。 基板は上述のように研磨およびバーニングが施された後
に、3×10-4Pa以下の高真空中に置かれるのであって、
水分子、酸素、窒素、酸素イオン、水酸イオン等を含む
残留ガスの総圧力を3×10-4Pa以下とするように真空容
器内を減圧することにより、基板から不純物を排出する
のである。なお、この場合、ごく微量の酸素分子(O2)
が存在するほうが好ましい。また、このとき同時に基板
は180〜300℃で加熱され、基板を加熱と同時に減圧する
ことにより、基板に吸着されている水分や、基板の表面
に吸着されている酵素ガス、窒素ガス等の気体が除去さ
れるのである。 残留ガスの総圧力が上記上限値よりも大きいときには、
基板の表面に形成される金属層に不純物を混入し、金属
層により回路パターンを形成した場合に、直流抵抗およ
び高周波損失が増加することになる。また、基板に対す
る金属層の付着強度も低下する。一方、基板の加熱温度
が上記下限値よりも低いと、基板の内部や表面の不純物
が十分に除去されないから、基板への金属層の付着強度
が不十分になる。また、加熱温度を上記上限値よりも高
くしても付着強度はほとんど変化しないから、加熱温度
を上記上限値よりも高くするのは経済条件から見て無駄
になる。 基板を真空中で加熱した後には、基板を加熱し続けた状
態で基板をターゲットとするイオンボンバードを行うの
であって、このときの雰囲気は、放電ガスの圧力が、5
〜10Paとなるように設定される。放電ガスとしては、ア
ルゴン、キセノン、クリプトン、ネオン等の希ガスが用
いられる。とくに、限定する主旨ではないが、以下に説
明する実施例ではアルゴンを用いている。このようなイ
オンボンバードにより、基板表面に放電ガスのイオンを
照射するから、加熱によって基板の表面での基板と汚れ
との間の分子凝集力が弱まり基板の表面に吸着されてい
る物質が基板から離れやすくなっている状態で、基板の
表面に放電ガスのイオンが衝突して基板の表面に吸着さ
れている物質が容易に叩き出され、基板の表面が清浄化
されるのである。さらに、基板に放電ガスのイオンを照
射することによって、基板の表面に吸着されている物質
が除去されると同時に、基板の表面も叩かれ、微視的に
みて、基板の組成上、強度が小さい部分は破壊され、強
度の大きい部分は残ることになる。すなわち、いわゆる
マイクロエッチングが施され、基板の表面の組成のうち
強度の小さい部分が除去され、直流スパタリングによっ
て形成される金属層が基板に付着しやすくなり、しか
も、基板と金属層との接触面積が大きくなるから、金属
層の付着強度が大きくなる。結局、基板を加熱した状態
でイオンボンバードを行うことにより、基板の内部およ
び表面が清浄化され、しかも、微視的にみて、基板と金
属層との接合面では強度の小さい部分が除去されて基板
の表面に微細な凹凸が形成され、金属層の基板に対する
付着強度が、常温、高温にかかわらず大きくなるのであ
る。ここにおいて、イオンボンバードによって基板の表
面に形成される凹凸は微細であって、表面粗度計でも測
定できない程度であるから、回路基板を形成しても高周
波伝送損失を増加させることはない。 放電ガスの圧力範囲は、上記範囲の下限未満であると放
電効率が悪くなり生成されるイオンの数が少なくなるか
ら、基板に対して照射されるイオン量が十分でなく、イ
オンボンバードの効果が十分に得られないことになる。
また、上記範囲の上限を越えると局所的に異常放電が生
じ、基板に損傷を与えたり、放電が不安定になったりす
る。 ところで、イオンボンバードの際には高周波電力を供給
し、電力密度を0.1〜1.6W/cm2に設定する。この範囲で
あれば、基板表面に過不足なくイオンボンバードを行う
ことができ、基板の表面を清浄化するとともにマイクロ
エッチングを十分に施すことができる。電力密度は、上
記範囲の下限未満であると、イオンボンバードの効果が
不十分になり、逆に上限を越えると、基板の表面に損傷
が生じたり、表面粗度が大きくなり過ぎることになる。
イオンボンバードの周波数は、法定周波数である13.56M
Hzに設定されているが、これに限定されるものではな
い。 イオンボンバードが終了した後、放電ガスの圧力を0.2
〜2Paに調整し、導電性金属をターゲットとして基板に
直流スパタリングを施す。ターゲットとなる導電性金属
としては、金、銀、銅、白金、ニッケル、アルミニウム
等が使用できる。回路基板を製造するために、一般には
銅を用いることが多い。放電ガスの圧力は、0.2Pa未満
であると放電が困難になったり異常放電が生じたりす
る。極端な場合には、基板上に付着した金属層が局所的
なアーク放電によって溶融する場合もある。また、こう
して形成された金属層は不均一になる。一方、直流スパ
タリングにおいて、放電ガスの圧力が2Paを越えると、
放電ガスの圧力が小さい場合と同様に異常放電を生じる
ことになる。また、放電ガスが金属層に混入することに
より、結晶構造が粗くなり、金属層の導電率が低下し、
付着強度も小さくなる。さらには、金属分子の平均自由
行程が短くなり、供給電力に対する成膜速度も遅くな
る。 直流スパタリングにおける金属層の成膜速度は、毎分1.
4〜1,6μmとなるように設定されている。この範囲の下
限未満では、金属層への放電ガスの混入率が大きくなっ
て結晶構造が粗くなり、直流抵抗や高周波損失の増加に
つながるとともに、付着強度も小さくなる。また、上記
範囲の上限を越えると、基板に付着した金属層が溶融す
ることがある。成膜速度の調節には、直流電力密度を調
節する方法が用いられる。成膜速度を上記範囲に設定す
るために、電力密度は、10〜50W/cm2の範囲に設定され
る。ここに、電力密度を比較的大きく設定しているか
ら、成膜速度が大きくなり生産性が向上するとともに、
基板に到達する金属原子の数が多くなる。すなわち、基
板上で金属原子の運動エネルギが熱エネルギに変換され
ることによる基板の温度の上昇が大きくなり、基板の表
面温度を高く保った状態で、金属層を形成することがで
きるのである。このように、基板の表面温度を高温に保
った状態で金属層を形成すれば、金属層は多結晶に近い
構造で成長し、機械的強度に優れた金属層が形成され
る。 また、金属層の線膨張係数(銅の場合1.8×10-5K-1)
は、一般に基板よりも大きいから、常温では金属層の方
が基板よりも縮むことになって、金属層の内部応力は引
張応力になり、基板の内部応力は圧縮応力になる。一般
に、金属は引張応力に強く、基板を形成する無機質は圧
縮応力に強いから、内部応力に伴う変形を抑制すること
ができ、金属層に気泡、膨れ、剥離が発生することが防
止でき、結果的に金属層の基板に対する付着強度を大き
くすることができるのである。 ところで、金属層の基板に対する付着強度は、実用レベ
ルでは、常温で4kgf/2mm□以上(2mm□は一辺2mmとした
正方形の面積を表す)、高温に加熱した後には2kgf/2mm
□以上が必要である。しかるに、イオンボンバードの前
からイオンボンバードを行っている間における基板の加
熱温度に対する金属層の付着強度、直流スパタリングの
際の成膜速度に対する金属層の付着強度、基板の表面を
研磨したときの表面粗度に対する金属層の付着強度につ
いて、実験を行った結果を第2図ないし第4図に示す。 第2図ないし第4図について、スパタリング装置は、共
通のものを用いている(日電アネルバ社製SPF−210
H)。第2図については、基板の表面粗度を0.5μm、初
期真空度を2×10-4Paとし、イオンボンバードの際には
放電ガスの圧力を10Pa、電力を200W/cm2(電力密度では
0.64W/cm2)とし、直流スパタリング時には放電ガスの
圧力を0.5Pa、電力を4kW(電力密度では12.7W/cm2)、
成膜速度を毎分1.4μmとした。この図より、基板を140
℃以上に加熱すれば、基板と金属層との付着強度が実用
レベルに達することがわかる。 第3図については、イオンボンバードの際には基板の温
度を200℃、放電ガスの圧力を2Pa、電力密度を0.64W/cm
2、時間を5分とし、直流スパタリング時には放電ガス
の圧力を0.5Paとした。また、直流スパタリングの際の
基板の温度を200℃、150℃、室温として付着強度を測定
した。その結果、成膜速度が毎分1.4μm付近に臨界点
を有することがわかった。 第4図については、基板に純度99.5%のアルミナを用
い、金属層は銅であって10μmの厚みとした。○はバー
ニングにより基板の汚れを焼き尽くした場合の付着強
度、●は基板にバーニングを施さなかった場合の付着強
度を示す。第4図によれば、表面粗度が0.005μm以上
では実用になる付着強度が得られることがわかる。ま
た、表面粗度が0.1μmを越えても付着強度は保たれる
から、高周波伝送の用途以外では0.1μmを越えてもよ
いことがわかる。また、バーニングを行ったほうが行わ
ない場合よりも付着強度が増すこともわかる。したがっ
て、請求項12のように表面粗度を0.005〜0.1μmの範囲
とするとともに、900〜1200℃の温度で2時間以上加熱
すると付着強度が大きくなることがわかる。 第5図は、イオンボンバードの際に、基板の加熱温度を
200℃、放電ガスの圧力を2Pa、電力密度を0.64W/cm2、
時間を5分とし、直流スパタリングの際に、放電ガスの
圧力を0.5Pa、成膜速度を毎分1.45μmとしたときの基
板と金属層との界面付近の組織の顕微鏡写真である。ま
た、第6図は、イオンボンバードの際に、基板を室温、
放電ガスの圧力を2Pa、電力密度を0.64W/cm2、時間を5
分とし、直流スパタリングの際に、放電ガスの圧力を5P
a、成膜速度を毎分0.56μmとしたときの基板と金属層
との界面付近の組織の顕微鏡写真である。両図を比較す
れば、イオンボンバードの際の基板温度が低く、直流ス
パタリングの際の放電ガスの圧力が大きく、成膜速度が
遅いと、金属層の組織が緻密にならないことがわかる。
なお、両図において、下部に示した白線の周期は10μm
である。 以上のようにして、基板に対する付着強度が大きく、不
純物の混入が少なく、ピンホールがほとんどない緻密な
組織を有した金属層を形成することができるのである。
また、金属層の組織が緻密であるから導電率も高くな
る。
置で行うことができる。スパタリング装置10は、第1図
に示すように、真空ポンプに接続される排気管11と、放
電ガスを導入する給気管12とが接続された真空容器13を
備えている。真空容器13の上面板14には、基板ホルダ15
が上面板14との機密を保った状態で上下に移動自在にな
るように挿通され、基板ホルダ15の下端には基板1が保
持される。また、基板ホルダ15には、熱電対16、ヒータ
17、水冷管18が挿通され、基板1の温度を所望温度に制
御するとともに、基板1の近傍の温度を測定できるよう
にしてある。また、基板ホルダ15には、基板1に電源を
接続する電極19が挿通されている。 真空容器13内で、基板1に対向する部位には、導電性金
属の金属板5が配置される。ここにおいて、基板1と金
属板5との距離は、基板ホルダ15の上下移動によって40
〜80mmの範囲で調節できるように設定してある。金属板
5は、金属板5に電源を接続する銅板よりなるバッキン
グプレート21の上に載置される。真空容器13の底板22と
バッキングプレート21との間には空間が形成されてい
て、この空間には金属板5を冷却する冷却水が循環する
ように水冷管23が接続されている。 真空容器13内において、基板1と金属板5との間には、
シャッタ24が配設されている。シャッタ24は、基板1に
対してイオンボンバードを行うときには閉じられ(基板
1と金属板5との間にシャッタ24が配設され)、基板1
との間に高周波電力が与えられる。これによって、基板
1とシャッタ24との間で放電が生じ、放電ガスのイオン
が基板1に照射され、イオンボンバードが施されること
になる。一方、スパタリングを行うときには、シャッタ
24は開かれ(基板1と金属板5との間からシャッタ24が
取り除かれ)、基板1が正極、金属板5が負極に接続さ
れる。このとき、基板1と金属板5との間に高周波バイ
アスを付与してもよい。なお、スパタリングに先立っ
て、シャッタ24を閉じている状態で、金属板5を負極に
接続し、シャッタ24を正極に接続すれば、金属板5がイ
オンボンバードを受け、金属板5の表面の酸化層が除去
されてシャッタ24に付着するから、金属板5の表面を清
浄化することができる。 さらに、このスパタリング装置10では、金属板5をター
ゲットとしてスパタリングを行うときに、金属粒子が上
方に向かって飛ぶことになるから、下方に向かって飛ぶ
場合に比較して不純物の混入する機会が少なくなる。 本発明に用いることができる基板1としては、Al2O3,Si
O2,MgO,CaO,ZnO,SiC,Si3N4等の単体または混合体を焼成
したセラミックス、パイレックス(商標名)やコージェ
ライト等のガラスがある。 本発明の構成によれば、基板の表面は、表面粗度が0.00
5〜0.1μmになるように研磨される。表面粗度がこの範
囲の上限を越えると、金属層を付着した後、回路パター
ンを形成したときに高周波伝送損失が大きくなる。ま
た、下限を下回ると精密な研磨が必要になって生産性が
低下する。 また、基板は、成膜を施す処理の前に、空気雰囲気中に
おいて900〜2000℃で2時間以上加熱されるから、基板
の汚れが焼き尽くされて、基板の表面が清浄化される
(以下、この処理をバーニングと呼称する)。その結
果、基板への金属層の付着強度が大きくなる。とくに、
有機物等による比較的大きな粒子の汚れを除去する効果
が高い。この温度範囲の下限未満では有機物が残留する
ことがあり、一方、上限を越えると基板の組成が変化
し、基板の強度が低下することがある。 基板は上述のように研磨およびバーニングが施された後
に、3×10-4Pa以下の高真空中に置かれるのであって、
水分子、酸素、窒素、酸素イオン、水酸イオン等を含む
残留ガスの総圧力を3×10-4Pa以下とするように真空容
器内を減圧することにより、基板から不純物を排出する
のである。なお、この場合、ごく微量の酸素分子(O2)
が存在するほうが好ましい。また、このとき同時に基板
は180〜300℃で加熱され、基板を加熱と同時に減圧する
ことにより、基板に吸着されている水分や、基板の表面
に吸着されている酵素ガス、窒素ガス等の気体が除去さ
れるのである。 残留ガスの総圧力が上記上限値よりも大きいときには、
基板の表面に形成される金属層に不純物を混入し、金属
層により回路パターンを形成した場合に、直流抵抗およ
び高周波損失が増加することになる。また、基板に対す
る金属層の付着強度も低下する。一方、基板の加熱温度
が上記下限値よりも低いと、基板の内部や表面の不純物
が十分に除去されないから、基板への金属層の付着強度
が不十分になる。また、加熱温度を上記上限値よりも高
くしても付着強度はほとんど変化しないから、加熱温度
を上記上限値よりも高くするのは経済条件から見て無駄
になる。 基板を真空中で加熱した後には、基板を加熱し続けた状
態で基板をターゲットとするイオンボンバードを行うの
であって、このときの雰囲気は、放電ガスの圧力が、5
〜10Paとなるように設定される。放電ガスとしては、ア
ルゴン、キセノン、クリプトン、ネオン等の希ガスが用
いられる。とくに、限定する主旨ではないが、以下に説
明する実施例ではアルゴンを用いている。このようなイ
オンボンバードにより、基板表面に放電ガスのイオンを
照射するから、加熱によって基板の表面での基板と汚れ
との間の分子凝集力が弱まり基板の表面に吸着されてい
る物質が基板から離れやすくなっている状態で、基板の
表面に放電ガスのイオンが衝突して基板の表面に吸着さ
れている物質が容易に叩き出され、基板の表面が清浄化
されるのである。さらに、基板に放電ガスのイオンを照
射することによって、基板の表面に吸着されている物質
が除去されると同時に、基板の表面も叩かれ、微視的に
みて、基板の組成上、強度が小さい部分は破壊され、強
度の大きい部分は残ることになる。すなわち、いわゆる
マイクロエッチングが施され、基板の表面の組成のうち
強度の小さい部分が除去され、直流スパタリングによっ
て形成される金属層が基板に付着しやすくなり、しか
も、基板と金属層との接触面積が大きくなるから、金属
層の付着強度が大きくなる。結局、基板を加熱した状態
でイオンボンバードを行うことにより、基板の内部およ
び表面が清浄化され、しかも、微視的にみて、基板と金
属層との接合面では強度の小さい部分が除去されて基板
の表面に微細な凹凸が形成され、金属層の基板に対する
付着強度が、常温、高温にかかわらず大きくなるのであ
る。ここにおいて、イオンボンバードによって基板の表
面に形成される凹凸は微細であって、表面粗度計でも測
定できない程度であるから、回路基板を形成しても高周
波伝送損失を増加させることはない。 放電ガスの圧力範囲は、上記範囲の下限未満であると放
電効率が悪くなり生成されるイオンの数が少なくなるか
ら、基板に対して照射されるイオン量が十分でなく、イ
オンボンバードの効果が十分に得られないことになる。
また、上記範囲の上限を越えると局所的に異常放電が生
じ、基板に損傷を与えたり、放電が不安定になったりす
る。 ところで、イオンボンバードの際には高周波電力を供給
し、電力密度を0.1〜1.6W/cm2に設定する。この範囲で
あれば、基板表面に過不足なくイオンボンバードを行う
ことができ、基板の表面を清浄化するとともにマイクロ
エッチングを十分に施すことができる。電力密度は、上
記範囲の下限未満であると、イオンボンバードの効果が
不十分になり、逆に上限を越えると、基板の表面に損傷
が生じたり、表面粗度が大きくなり過ぎることになる。
イオンボンバードの周波数は、法定周波数である13.56M
Hzに設定されているが、これに限定されるものではな
い。 イオンボンバードが終了した後、放電ガスの圧力を0.2
〜2Paに調整し、導電性金属をターゲットとして基板に
直流スパタリングを施す。ターゲットとなる導電性金属
としては、金、銀、銅、白金、ニッケル、アルミニウム
等が使用できる。回路基板を製造するために、一般には
銅を用いることが多い。放電ガスの圧力は、0.2Pa未満
であると放電が困難になったり異常放電が生じたりす
る。極端な場合には、基板上に付着した金属層が局所的
なアーク放電によって溶融する場合もある。また、こう
して形成された金属層は不均一になる。一方、直流スパ
タリングにおいて、放電ガスの圧力が2Paを越えると、
放電ガスの圧力が小さい場合と同様に異常放電を生じる
ことになる。また、放電ガスが金属層に混入することに
より、結晶構造が粗くなり、金属層の導電率が低下し、
付着強度も小さくなる。さらには、金属分子の平均自由
行程が短くなり、供給電力に対する成膜速度も遅くな
る。 直流スパタリングにおける金属層の成膜速度は、毎分1.
4〜1,6μmとなるように設定されている。この範囲の下
限未満では、金属層への放電ガスの混入率が大きくなっ
て結晶構造が粗くなり、直流抵抗や高周波損失の増加に
つながるとともに、付着強度も小さくなる。また、上記
範囲の上限を越えると、基板に付着した金属層が溶融す
ることがある。成膜速度の調節には、直流電力密度を調
節する方法が用いられる。成膜速度を上記範囲に設定す
るために、電力密度は、10〜50W/cm2の範囲に設定され
る。ここに、電力密度を比較的大きく設定しているか
ら、成膜速度が大きくなり生産性が向上するとともに、
基板に到達する金属原子の数が多くなる。すなわち、基
板上で金属原子の運動エネルギが熱エネルギに変換され
ることによる基板の温度の上昇が大きくなり、基板の表
面温度を高く保った状態で、金属層を形成することがで
きるのである。このように、基板の表面温度を高温に保
った状態で金属層を形成すれば、金属層は多結晶に近い
構造で成長し、機械的強度に優れた金属層が形成され
る。 また、金属層の線膨張係数(銅の場合1.8×10-5K-1)
は、一般に基板よりも大きいから、常温では金属層の方
が基板よりも縮むことになって、金属層の内部応力は引
張応力になり、基板の内部応力は圧縮応力になる。一般
に、金属は引張応力に強く、基板を形成する無機質は圧
縮応力に強いから、内部応力に伴う変形を抑制すること
ができ、金属層に気泡、膨れ、剥離が発生することが防
止でき、結果的に金属層の基板に対する付着強度を大き
くすることができるのである。 ところで、金属層の基板に対する付着強度は、実用レベ
ルでは、常温で4kgf/2mm□以上(2mm□は一辺2mmとした
正方形の面積を表す)、高温に加熱した後には2kgf/2mm
□以上が必要である。しかるに、イオンボンバードの前
からイオンボンバードを行っている間における基板の加
熱温度に対する金属層の付着強度、直流スパタリングの
際の成膜速度に対する金属層の付着強度、基板の表面を
研磨したときの表面粗度に対する金属層の付着強度につ
いて、実験を行った結果を第2図ないし第4図に示す。 第2図ないし第4図について、スパタリング装置は、共
通のものを用いている(日電アネルバ社製SPF−210
H)。第2図については、基板の表面粗度を0.5μm、初
期真空度を2×10-4Paとし、イオンボンバードの際には
放電ガスの圧力を10Pa、電力を200W/cm2(電力密度では
0.64W/cm2)とし、直流スパタリング時には放電ガスの
圧力を0.5Pa、電力を4kW(電力密度では12.7W/cm2)、
成膜速度を毎分1.4μmとした。この図より、基板を140
℃以上に加熱すれば、基板と金属層との付着強度が実用
レベルに達することがわかる。 第3図については、イオンボンバードの際には基板の温
度を200℃、放電ガスの圧力を2Pa、電力密度を0.64W/cm
2、時間を5分とし、直流スパタリング時には放電ガス
の圧力を0.5Paとした。また、直流スパタリングの際の
基板の温度を200℃、150℃、室温として付着強度を測定
した。その結果、成膜速度が毎分1.4μm付近に臨界点
を有することがわかった。 第4図については、基板に純度99.5%のアルミナを用
い、金属層は銅であって10μmの厚みとした。○はバー
ニングにより基板の汚れを焼き尽くした場合の付着強
度、●は基板にバーニングを施さなかった場合の付着強
度を示す。第4図によれば、表面粗度が0.005μm以上
では実用になる付着強度が得られることがわかる。ま
た、表面粗度が0.1μmを越えても付着強度は保たれる
から、高周波伝送の用途以外では0.1μmを越えてもよ
いことがわかる。また、バーニングを行ったほうが行わ
ない場合よりも付着強度が増すこともわかる。したがっ
て、請求項12のように表面粗度を0.005〜0.1μmの範囲
とするとともに、900〜1200℃の温度で2時間以上加熱
すると付着強度が大きくなることがわかる。 第5図は、イオンボンバードの際に、基板の加熱温度を
200℃、放電ガスの圧力を2Pa、電力密度を0.64W/cm2、
時間を5分とし、直流スパタリングの際に、放電ガスの
圧力を0.5Pa、成膜速度を毎分1.45μmとしたときの基
板と金属層との界面付近の組織の顕微鏡写真である。ま
た、第6図は、イオンボンバードの際に、基板を室温、
放電ガスの圧力を2Pa、電力密度を0.64W/cm2、時間を5
分とし、直流スパタリングの際に、放電ガスの圧力を5P
a、成膜速度を毎分0.56μmとしたときの基板と金属層
との界面付近の組織の顕微鏡写真である。両図を比較す
れば、イオンボンバードの際の基板温度が低く、直流ス
パタリングの際の放電ガスの圧力が大きく、成膜速度が
遅いと、金属層の組織が緻密にならないことがわかる。
なお、両図において、下部に示した白線の周期は10μm
である。 以上のようにして、基板に対する付着強度が大きく、不
純物の混入が少なく、ピンホールがほとんどない緻密な
組織を有した金属層を形成することができるのである。
また、金属層の組織が緻密であるから導電率も高くな
る。
以下に各種実施例および比較例を示す。なお、以下の実
施例と比較例とにおいて、とくに断りがないかぎり、ス
パタリング装置には日電アネルバ社製のマグネトロン方
式のもの(SPF−313H)を使用した。また、直流スパタ
リングの際のターゲットには、直径200mmの円板状に形
成された純度99.99%の無酸素銅を使用した。 各実施例1〜21および比較例の条件と、下記試験方法に
よる評価とは表(次頁)に示す通りである。 [試験方法1(常温での付着強度試験)] 周知のエッチング法により2×2mmの正方形の導電パタ
ーンを形成し、直径が0.7mmでL字状に折曲したすずメ
ッキ銅線を半田付けした後、基板を固定し、引張試験機
(島津製作所製、オートグラフ)により銅線を垂直方向
に引張って剥離強度を測定した。この試験による実用強
度は2mm平方あたり4kgf以上である。 [試験方法2(高温での付着強度試験)] 周知のエッチング法により2×2mmの正方形の導電パタ
ーンを形成した後、窒素ガス雰囲気中(酸素は5ppm未
満)の炉内において、950℃で10分間加熱し、次いで、
試験方法1と同様にして付着強度を測定した。また、金
属層と基板との界面でのふくれの発生を検査した。この
試験による実用強度は2mm平方あたり2kgf以上である。 実施例7〜12においては、金属板5(第1図参照)を指
示する部分(カソード一式)をライボルト・ヘラウス社
製のものに置き換えた。 実施例20および実施例21においては、バーニングを行っ
た後、基板をポリエチレン袋に入れ、乾燥剤としてシリ
カゲルを用いたデシケータ内で保存したものを使用し
た。 表中の試験方法1および試験方法2の結果において、≧
8.5および≧9.0は、基板と金属層との接合界面では剥離
せず、基板が破壊したときの値である。また、試験結果
から明らかなように、基板がアルミナの場合にはきわめ
て高い付着強度が得られ、パイレックスの場合にも実用
的な付着強度を達成することができた。また、各実施例
では、ふくれの発生がわずかであるか実質的には存在し
なかった。比較例では付着強度が実用レベルに達せず、
ふくれも多量に発生した。 [実施例22] 本実施例では、高周波用の回路基板を形成した例を示
す。基板には、京セラ社製の純度が99.5%、表面粗度が
0.1μm、厚みが0.635mm、大きさが3インチ平方のアル
ミナの基板を用いた。この基板をスパタリング装置に収
納し、真空容器内を1.2×10-4Paにするとともに、基板
を200℃に加熱した。次に、真空容器内にアルゴンガス
を導入して10Paの圧力に調整し、基板に13.56MHzの高周
波を200Wの電力(電力密度では0.64W/cm2)で10分間与
え、イオンボンバードを行った。その後、高周波を遮断
するとともに、アルゴンガスの圧力を0.5Paに調整し、
無酸素銅をターゲットとして基板に直流電力を5kWで与
えた。また、直流による放電が開始されるとただちに、
基板に13.56MHzで150Wの高周波電力を与えることにより
高周波バイアスをかけながら、成膜速度を毎分1.4μm
としてスパタリングを行い、最終膜厚を10μmとした。 以上のようにして、第7図に示すように、基板1の両面
に金属層2,3を形成した。一方の金属層2には液状レジ
ストを使用してフォトリソグラフィ法により導電パター
ンを形成し、伝送路の長さの異なる導電パターンについ
て伝送損失を測定した。このときのインピーダンスは50
Ωに設定した。 第8図は、15GHzの場合における伝送路の長さに対する
伝送損失の測定結果が示されており、図より明らかなよ
うに、伝送損失は長さに対して、ほぼ直線的に変化する
ことが判明した。第9図は、同様にして1〜18GHzの間
で伝送損失を測定し、その結果を伝送路1cmあたりの損
失として表したものが示されており、図より明らかなよ
うに、伝送損失は周波数に対してもほぼ直線的に変化す
ることが判明した。伝送損失は、10GHzで0.03dB/cm、18
GHzで0.06dB/cm程度であって、非常に小さく実用上十分
に小さい伝送損失であった。 また、金属層の基板に対する付着強度は、従来のものが
2mm平方あたり3kg以下であったのに対して7kg以上とな
り、十分に満足できるものであった。 さらに、基板と金属層との界面を10万倍の透過型電子顕
微鏡で検査しても酸化銅は確認されなかった。したがっ
て、界面における汚染(酸素、水、酸化銅)等が存在し
ないか、またはきわめて少ないので、界面での付着強度
が保たれ、金属層の内部応力による歪みに耐えて十分な
付着強度が確保されているものと考えられた。
施例と比較例とにおいて、とくに断りがないかぎり、ス
パタリング装置には日電アネルバ社製のマグネトロン方
式のもの(SPF−313H)を使用した。また、直流スパタ
リングの際のターゲットには、直径200mmの円板状に形
成された純度99.99%の無酸素銅を使用した。 各実施例1〜21および比較例の条件と、下記試験方法に
よる評価とは表(次頁)に示す通りである。 [試験方法1(常温での付着強度試験)] 周知のエッチング法により2×2mmの正方形の導電パタ
ーンを形成し、直径が0.7mmでL字状に折曲したすずメ
ッキ銅線を半田付けした後、基板を固定し、引張試験機
(島津製作所製、オートグラフ)により銅線を垂直方向
に引張って剥離強度を測定した。この試験による実用強
度は2mm平方あたり4kgf以上である。 [試験方法2(高温での付着強度試験)] 周知のエッチング法により2×2mmの正方形の導電パタ
ーンを形成した後、窒素ガス雰囲気中(酸素は5ppm未
満)の炉内において、950℃で10分間加熱し、次いで、
試験方法1と同様にして付着強度を測定した。また、金
属層と基板との界面でのふくれの発生を検査した。この
試験による実用強度は2mm平方あたり2kgf以上である。 実施例7〜12においては、金属板5(第1図参照)を指
示する部分(カソード一式)をライボルト・ヘラウス社
製のものに置き換えた。 実施例20および実施例21においては、バーニングを行っ
た後、基板をポリエチレン袋に入れ、乾燥剤としてシリ
カゲルを用いたデシケータ内で保存したものを使用し
た。 表中の試験方法1および試験方法2の結果において、≧
8.5および≧9.0は、基板と金属層との接合界面では剥離
せず、基板が破壊したときの値である。また、試験結果
から明らかなように、基板がアルミナの場合にはきわめ
て高い付着強度が得られ、パイレックスの場合にも実用
的な付着強度を達成することができた。また、各実施例
では、ふくれの発生がわずかであるか実質的には存在し
なかった。比較例では付着強度が実用レベルに達せず、
ふくれも多量に発生した。 [実施例22] 本実施例では、高周波用の回路基板を形成した例を示
す。基板には、京セラ社製の純度が99.5%、表面粗度が
0.1μm、厚みが0.635mm、大きさが3インチ平方のアル
ミナの基板を用いた。この基板をスパタリング装置に収
納し、真空容器内を1.2×10-4Paにするとともに、基板
を200℃に加熱した。次に、真空容器内にアルゴンガス
を導入して10Paの圧力に調整し、基板に13.56MHzの高周
波を200Wの電力(電力密度では0.64W/cm2)で10分間与
え、イオンボンバードを行った。その後、高周波を遮断
するとともに、アルゴンガスの圧力を0.5Paに調整し、
無酸素銅をターゲットとして基板に直流電力を5kWで与
えた。また、直流による放電が開始されるとただちに、
基板に13.56MHzで150Wの高周波電力を与えることにより
高周波バイアスをかけながら、成膜速度を毎分1.4μm
としてスパタリングを行い、最終膜厚を10μmとした。 以上のようにして、第7図に示すように、基板1の両面
に金属層2,3を形成した。一方の金属層2には液状レジ
ストを使用してフォトリソグラフィ法により導電パター
ンを形成し、伝送路の長さの異なる導電パターンについ
て伝送損失を測定した。このときのインピーダンスは50
Ωに設定した。 第8図は、15GHzの場合における伝送路の長さに対する
伝送損失の測定結果が示されており、図より明らかなよ
うに、伝送損失は長さに対して、ほぼ直線的に変化する
ことが判明した。第9図は、同様にして1〜18GHzの間
で伝送損失を測定し、その結果を伝送路1cmあたりの損
失として表したものが示されており、図より明らかなよ
うに、伝送損失は周波数に対してもほぼ直線的に変化す
ることが判明した。伝送損失は、10GHzで0.03dB/cm、18
GHzで0.06dB/cm程度であって、非常に小さく実用上十分
に小さい伝送損失であった。 また、金属層の基板に対する付着強度は、従来のものが
2mm平方あたり3kg以下であったのに対して7kg以上とな
り、十分に満足できるものであった。 さらに、基板と金属層との界面を10万倍の透過型電子顕
微鏡で検査しても酸化銅は確認されなかった。したがっ
て、界面における汚染(酸素、水、酸化銅)等が存在し
ないか、またはきわめて少ないので、界面での付着強度
が保たれ、金属層の内部応力による歪みに耐えて十分な
付着強度が確保されているものと考えられた。
本発明は上述のように、基板を表面粗度が0.005〜0.1μ
mとなるように研磨しているので、基板に対する金属層
の付着強度を維持したままで、高周波伝送損失を実用上
問題ない程度に抑制することができ、また基板を900〜1
200℃以上の温度で2時間以上加熱処理するバーニング
を施しているから、基板表面の汚れが焼却され、基板の
表面が清浄化されることで金属層の付着強度が高まるの
である。しかも、3×10-4Pa以下の高真空中で180〜300
℃に加熱するから、基板の内部および表面に吸着されて
いる水分や気体が除去され、基板が一層清浄化されて金
属層が付着しやすくなる。また、放電ガスとして希ガス
を導入して5〜10Paの雰囲気を形成し、基板をターゲッ
トとするイオンボンバードを電力密度が0.1〜1.6W/cm2
の高周波電力を供給して所定時間だけ施して基板表面に
放電ガスのイオンを照射するから、基板の表面にマイク
ロエッチングによる微細な凹凸が形成されると推定さ
れ、金属層が付着しやすくなる。さらに、放電ガスの圧
力を0.2〜2Paに調整し、導電性金属をターゲットとして
上記基板表面への金属薄膜の成膜速度が毎分1.4〜6μ
mとなるように直流スパタリングを施すから、金属層へ
の不純物の混入が少なくなり、緻密な金属層が形成され
るのである。以上の結果、基板と金属層との付着き強度
が高く、かつ、ピンホールなどのない緻密な金属層が形
成されるのである。また、基板の表面に大きな凹凸が形
成されず金属層が緻密であるから、回路基板を形成した
ときに、電気抵抗が少なくなるとともに、高周波伝送損
失も小さくすることができるのである。 とくに、本発明は、10μm前後の金属層を無機質基板に
形成するにあたって、上述のように成膜速度を毎分1.4
〜6μmという範囲に設定して高速に成膜することで、
金属層への放電ガスの混入率を小さくし結晶構造の緻密
な金属層を形成することができるのであって、結果的に
直流抵抗や高周波損失の少ない金属層を形成することが
できるという効果を奏する。しかも、成膜速度を比較的
大きくしていることで、生産性が向上するのはもちろん
のこと、基板に到達する金属原子の運動エネルギを熱エ
ネルギに変換して基板を加熱することができ、基板表面
を高温に保って金属層を形成することができるから、金
属層が多結晶に近い構造で成長し、機械的強度に優れた
金属層を形成することができるという利点ももたらす。 さらに、上述のような高速な成膜を行なうに際して、基
板表面を十分に清浄化しかつ金属層の基板表面への付着
強度を高めるために前処理を行なうのであって、上述し
たように、本発明では、従来のスパタリングよりも高速
に成膜することによって、電気的特性および機械的特性
に優れた品質のよい金属層を形成することができ、しか
もスパタリングの前処理として研磨、バーニング、高真
空中での加熱、イオンボンバードの各処理を順に行なう
ことにより、これらの処理の手順および条件とスパタリ
ング時の成膜速度との相乗的効果によって金属層の品質
を一層高めることができるのである。
mとなるように研磨しているので、基板に対する金属層
の付着強度を維持したままで、高周波伝送損失を実用上
問題ない程度に抑制することができ、また基板を900〜1
200℃以上の温度で2時間以上加熱処理するバーニング
を施しているから、基板表面の汚れが焼却され、基板の
表面が清浄化されることで金属層の付着強度が高まるの
である。しかも、3×10-4Pa以下の高真空中で180〜300
℃に加熱するから、基板の内部および表面に吸着されて
いる水分や気体が除去され、基板が一層清浄化されて金
属層が付着しやすくなる。また、放電ガスとして希ガス
を導入して5〜10Paの雰囲気を形成し、基板をターゲッ
トとするイオンボンバードを電力密度が0.1〜1.6W/cm2
の高周波電力を供給して所定時間だけ施して基板表面に
放電ガスのイオンを照射するから、基板の表面にマイク
ロエッチングによる微細な凹凸が形成されると推定さ
れ、金属層が付着しやすくなる。さらに、放電ガスの圧
力を0.2〜2Paに調整し、導電性金属をターゲットとして
上記基板表面への金属薄膜の成膜速度が毎分1.4〜6μ
mとなるように直流スパタリングを施すから、金属層へ
の不純物の混入が少なくなり、緻密な金属層が形成され
るのである。以上の結果、基板と金属層との付着き強度
が高く、かつ、ピンホールなどのない緻密な金属層が形
成されるのである。また、基板の表面に大きな凹凸が形
成されず金属層が緻密であるから、回路基板を形成した
ときに、電気抵抗が少なくなるとともに、高周波伝送損
失も小さくすることができるのである。 とくに、本発明は、10μm前後の金属層を無機質基板に
形成するにあたって、上述のように成膜速度を毎分1.4
〜6μmという範囲に設定して高速に成膜することで、
金属層への放電ガスの混入率を小さくし結晶構造の緻密
な金属層を形成することができるのであって、結果的に
直流抵抗や高周波損失の少ない金属層を形成することが
できるという効果を奏する。しかも、成膜速度を比較的
大きくしていることで、生産性が向上するのはもちろん
のこと、基板に到達する金属原子の運動エネルギを熱エ
ネルギに変換して基板を加熱することができ、基板表面
を高温に保って金属層を形成することができるから、金
属層が多結晶に近い構造で成長し、機械的強度に優れた
金属層を形成することができるという利点ももたらす。 さらに、上述のような高速な成膜を行なうに際して、基
板表面を十分に清浄化しかつ金属層の基板表面への付着
強度を高めるために前処理を行なうのであって、上述し
たように、本発明では、従来のスパタリングよりも高速
に成膜することによって、電気的特性および機械的特性
に優れた品質のよい金属層を形成することができ、しか
もスパタリングの前処理として研磨、バーニング、高真
空中での加熱、イオンボンバードの各処理を順に行なう
ことにより、これらの処理の手順および条件とスパタリ
ング時の成膜速度との相乗的効果によって金属層の品質
を一層高めることができるのである。
第1図は本発明に用いるスパタリング装置の一例を示す
概略構成図、第2図は同上における基板の初期加熱温度
と金属層の付着強度との関係を示す説明図、第3図は同
上における基板の表面粗度と金属層の付着強度との関係
を示す説明図、第4図は同上における金属層の成膜速度
と金属層の付着強度との関係を示す説明図、第5図は同
上における金属組織を示す顕微鏡写真、第6図は比較例
における金属組織を示す顕微鏡写真、第7図は本発明の
実施例22を示す斜視図、第8図および第9図は同上の高
周波特性を示す動作説明図である。
概略構成図、第2図は同上における基板の初期加熱温度
と金属層の付着強度との関係を示す説明図、第3図は同
上における基板の表面粗度と金属層の付着強度との関係
を示す説明図、第4図は同上における金属層の成膜速度
と金属層の付着強度との関係を示す説明図、第5図は同
上における金属組織を示す顕微鏡写真、第6図は比較例
における金属組織を示す顕微鏡写真、第7図は本発明の
実施例22を示す斜視図、第8図および第9図は同上の高
周波特性を示す動作説明図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (31)優先権主張番号 特願昭63−254662 (32)優先日 昭63(1988)10月8日 (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願昭63−254663 (32)優先日 昭63(1988)10月8日 (33)優先権主張国 日本(JP) (72)発明者 宮野 孝広 大阪府門真市大字門真1048番地 松下電工 株式会社内 (56)参考文献 特開 昭63−230862(JP,A) 特開 昭58−120876(JP,A)
Claims (1)
- 【請求項1】無機質よりなる基板の表面にスパタリング
により薄膜状の金属層を形成する無機質基板のメタライ
ゼーションの方法において、上記基板を表面粗度が0.00
5〜0.1μmとなるように研磨しておき、900〜1200℃の
温度で2時間以上加熱処理した後、3×10-4Pa以下の高
真空中で180〜300℃に加熱し、次いで放電ガスとして希
ガスを導入して5〜10Paの雰囲気を形成し、上記加熱基
板をターゲットとするイオンボンバードを電力密度が0.
1〜1.6W/cm2の高周波電力を供給して所定時間だけ施し
て基板表面に放電ガスのイオンを照射し、イオンボンバ
ードが終了した後、放電ガスの圧力を0.2〜2Paに調整
し、次に、導電性金属をターゲットとして上記基板表面
への金属層の成膜速度が毎分1.4〜6μmとなるように
直流スパタリングを施すことを特徴とする無機質基板の
メタライゼーションの方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1262781A JPH0796702B2 (ja) | 1988-10-08 | 1989-10-07 | 無機質基板のメタライゼーションの方法 |
Applications Claiming Priority (12)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63-254663 | 1988-10-08 | ||
JP63-254659 | 1988-10-08 | ||
JP63-254658 | 1988-10-08 | ||
JP25465988 | 1988-10-08 | ||
JP25466088 | 1988-10-08 | ||
JP63-254662 | 1988-10-08 | ||
JP25466288 | 1988-10-08 | ||
JP63-254660 | 1988-10-08 | ||
JP25465888 | 1988-10-08 | ||
JP25466188 | 1988-10-08 | ||
JP63-254661 | 1988-10-08 | ||
JP1262781A JPH0796702B2 (ja) | 1988-10-08 | 1989-10-07 | 無機質基板のメタライゼーションの方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH02194163A JPH02194163A (ja) | 1990-07-31 |
JPH0796702B2 true JPH0796702B2 (ja) | 1995-10-18 |
Family
ID=27554240
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1262781A Expired - Lifetime JPH0796702B2 (ja) | 1988-10-08 | 1989-10-07 | 無機質基板のメタライゼーションの方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0796702B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO1998017838A1 (fr) * | 1996-10-23 | 1998-04-30 | Kabushiki Kaisha Toyota Chuo Kenkyusho | Materiau recouvert et son procede de fabrication |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
TW200948749A (en) * | 2009-03-19 | 2009-12-01 | Holy Stone Entpr Co Ltd | Metallization processing method of ceramic substrate |
CN102776511A (zh) * | 2012-08-10 | 2012-11-14 | 昆山乔锐金属制品有限公司 | 一种陶瓷为基体的金属复合涂层的制备方法 |
DE102017126590A1 (de) * | 2017-11-13 | 2019-05-16 | Doduco Solutions Gmbh | Verfahren zum Herstellen einer Bodenplatte für ein Elektronikmodul |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS60134067A (ja) * | 1983-12-19 | 1985-07-17 | 豊田合成株式会社 | 繊維物 |
JPS61101911A (ja) * | 1984-10-24 | 1986-05-20 | 株式会社トクヤマ | 導電性フイルムの製造方法 |
-
1989
- 1989-10-07 JP JP1262781A patent/JPH0796702B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO1998017838A1 (fr) * | 1996-10-23 | 1998-04-30 | Kabushiki Kaisha Toyota Chuo Kenkyusho | Materiau recouvert et son procede de fabrication |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH02194163A (ja) | 1990-07-31 |
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