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JPH0733041A - 自動走行車両における制御モード変更装置 - Google Patents

自動走行車両における制御モード変更装置

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JPH0733041A
JPH0733041A JP5179290A JP17929093A JPH0733041A JP H0733041 A JPH0733041 A JP H0733041A JP 5179290 A JP5179290 A JP 5179290A JP 17929093 A JP17929093 A JP 17929093A JP H0733041 A JPH0733041 A JP H0733041A
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史朗 谷合
Takashi Yamada
隆史 山田
Taiji Mizukura
泰治 水倉
Yukio Murai
幸雄 村井
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Yanmar Co Ltd
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Yanmar Agricultural Equipment Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 自動走行車両の制御モードの切り換え操作
に、作業者の意図が反映されるようにして安全を確保す
る。 【構成】走行車両に搭載した動力源から走行装置への動
力伝達を継断するための走行クラッチ装置と、走行装置
を停止させるブレーキ装置と、自動操舵装置と、自動モ
ードと手動モードとに制御モードを切り換えてそれぞれ
の制御モードにより走行する制御装置100とを備えて
なる自動走行車両において、制御モードの設定を作業者
が切り換えるための自動モード設定スイッチ46と、作
業者の意識的操作により作動するシフトスイッチ49と
を、制御装置100に接続し、自動モード設定スイッチ
46をONにし、且つ、シフトスイッチ49をON側に
作動させることにより、制御装置100は手動モードか
ら自動モードに設定移行するように構成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、果樹園等における自動
走行型の薬剤散布機(スピードスプレヤ)等の自動走行
車両における走行等の制御モードを手動モードと自動モ
ードとに切り換え変更するための装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、果樹園等における自動走行型
の薬剤散布機(スピードスプレヤ)等においては、作業
者が走行車両に乗ったまま薬剤散布作業を実行すると、
作業者が薬剤を被ることがあり、健康上の害を伴うこと
があることを考慮して、走行車両を無人状態で走行させ
ながら薬剤散布を行うことが行われている。この場合、
作業経路(誘導経路)に沿って地中に埋設した誘導ケー
ブルに交流電流を流し、この誘導ケーブルから発生する
交流磁界の強度の変化を走行車両の前部等に装着した左
右一対のピックアップコイル等の磁気センサーにて検出
し、この誘導ケーブルに対する走行車両の横ずれの大き
さに対応して発生する左右一対の磁気センサーでの出力
値(電圧値)の差を取って、横ずれの大きさ(偏位量)
と横ずれの方向(右か左かの判別)とを求め、これらの
検出結果から走行車両を誘導ケーブルに沿って走行する
ように、走行車両における操舵車輪の向きを変えて操舵
制御することが行われている(実開平2−84909号
公報参照)。
【0003】一方、走行装置が四輪式等の車輪の走行車
両の場合には、操舵装置(ステアリング装置)と、エン
ジンからの動力を継断する走行クラッチ装置と、走行車
両の前進(後退)を停止させるブレーキ装置とを備えて
いるのが通常である。そこで、本出願人の1人は先に、
実願平5−33509号において、自動走行車両の操作
を手動(マニアル)操作する手動モードと無人で自動走
行する自動モードとに切替え可能に構成し、手動モード
時には、クラッチペタルとブレーキペタルとの両者をそ
れぞれ作業者のフットワークにて操作して、クラッチ作
動アームのON・OFF操作、及びブレーキ作動アーム
の制動操作を可能に構成する一方、自動モード時には、
1つのアクチュエータと連動リンク機構とを介して前記
クラッチ作動アーム及びブレーキ作動アームを、一斉に
作動可能となるように構成したものを提案した。
【0004】そして、前記走行車両を自動モードと手動
モードとに切り換えるためには、従来から操縦部(操作
用の各種スイッチやメータ、表示部等を備えた操作パネ
ル部)に自動モード設定スイッチを設けていた。この自
動モード設定スイッチは、例えば、オルタネイト押しボ
タンスイッチで構成し、1度目の押下操作でその押下状
態を保持して、自動モードに設定でき、再度押下する
と、押しボタン部分が突出して手動モードに設定できる
構成であり、前記自動モード設定スイッチは、シーソス
イッチ、トグルスイッチ、スライドスイッチ、ロータリ
スイッチ等の各種形式のスイッチが使用されていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな1つのスイッチの操作だけで前記のようにモード設
定を切り換えるようにしていると、次のような不都合が
あった。即ち、自動モード設定状態にて果樹園内を自動
走行しているとき、樹木の枝葉等が前記自動モード設定
スイッチに当たり、意図しない時に手動モードに戻るこ
とが考えられる。その場合、エンジンの回転力はそのま
ま走行部に伝達されている一方、操舵の制御は実行され
ないのであるから、走行車両が暴走する可能性があり、
極めて危険である。
【0006】また、手動モード設定状態にて、走行車両
に作業者が搭乗して果樹園内を操縦走行しているとき、
前述のように樹木の枝葉等が前記自動モード設定スイッ
チに当たり、意図しない時に自動モードに切り替わるこ
とが考えられる。この場合、走行車両が前記誘導ケーブ
ルに対してずれた状態で、自動モードに切り替わると、
当該走行車両は誘導ケーブルに沿うように急激に(不意
に)旋回したり、誘導ケーブルから大きく外れた位置に
走行車両があると、安全性確保のため、当該走行車両の
走行を停止させるべくブレーキ作動を実行するから、こ
の走行車両に搭乗している作業者に走行停止に伴う衝撃
力が働いて危険である。
【0007】本発明は、上述のように、自動モードと手
動モードとに切り換えるためのスイッチがただ一つであ
る場合に生じる危険性を無くすることを技術的課題とす
るものであり、この技術的問題を解決して安全に走行作
業を実行できる自動走行車両を提供することを目的とす
るものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するた
め、請求項1に記載の発明では、走行車両に搭載した動
力源から走行装置への動力伝達を継断するための走行ク
ラッチ装置と、走行装置を停止させるブレーキ装置と、
自動操舵装置と、自動モードと手動モードとに制御モー
ドを切り換えてそれぞれの制御モードにより走行する制
御手段とを備えてなる自動走行車両において、前記制御
モードの設定を作業者が切り換えるための自動モード設
定スイッチと、作業者の意識的操作により作動する第2
スイッチとを、前記制御手段に接続し、前記自動モード
設定スイッチをONにし、且つ、前記第2スイッチが自
動側に作動することにより、前記制御手段は手動モード
から自動モードに設定移行するように構成したものであ
る。
【0009】また、請求項2に記載の発明では、走行車
両に搭載した動力源から走行装置への動力伝達を継断す
るための走行クラッチ装置と、走行装置を停止させるブ
レーキ装置と、自動操舵装置と、自動モードと手動モー
ドとに制御モードを切り換えてそれぞれの制御モードに
より走行する制御手段とを備えてなる自動走行車両にお
いて、前記制御モードの設定を作業者が切り換えるため
の自動モード設定スイッチと、作業者が操作する意思確
認用スイッチとを、前記制御手段に接続し、前記自動モ
ード設定スイッチをOFFにし、且つ、前記第2スイッ
チが手動側に作動することにより、前記制御手段は自動
モードから手動モードに設定移行するように構成したも
のである。
【0010】
【実施例】次に本発明を自動走行型の薬剤散布機(スピ
ードスプレヤ)に適用した実施例について説明する。ス
ピードスプレヤの走行車両1の前部側にハンドル3を備
えた運転操作部2を有し、走行車両1には薬液タンク4
とその後部に噴霧部5とを備えている。
【0011】噴霧部5は、走行車両1の下面を除く外周
面に適宜間隔で半径外向きに臨ませた多数の噴霧ノズル
6と、その半径外向きに風を送る送風機7が装着され、
前記噴霧ノズル6は走行車両1の左右及び上面との3区
画若しくは左右2区画ごとに噴霧の作業を実行するよう
に散布制御できるものである。符号8,8は左右前輪、
符号9,9は左右後輪であり、これらの4輪はエンジン
10からの動力が走行変速機構11を介して各々伝達さ
れて駆動できるいわゆる4輪駆動型であり、エンジン1
0からの動力をPTO出力変速伝達機構12を介して送
風機7を回転させ、また噴霧ノズル6に対する動噴ポン
プ13を駆動させる。
【0012】ハンドル3付き操舵装置14は、図3に示
すような機械的または油圧系統を含むパワーステアリン
グ機構15であり、このパワーステアリング機構15は
油圧回路16における複動式の油圧シリンダ17にて作
動し、油圧シリンダ17が伸長するとき、平面視W字状
のベルクランク18を介して後輪9,9を左向きに変更
すると共に、連結ロッド19及び平面視V字状のベルク
ランク20を介して前輪8,8を右向きに変更する(油
圧シリンダ17が縮小するときには前輪は左向き後輪は
右向きに変更される)というように、前後4輪ともに向
きを変えて左右に回動変更できるいわゆる4輪操舵型で
ある。
【0013】その油圧回路16を図4に示し、符号28
は、自動操舵用の油圧シリンダ17に対する電磁ソレノ
イド式の制御弁であり、符号29は走行クラッチ及びブ
レーキ作動のためのアクチュエータとしての油圧シリン
ダ30を制御する電磁ソレノイド式の制御弁、符号23
は手動操舵操作の場合に使用する制御弁である。制御弁
29、28は、油圧ポンプ22からの作動油送りの場合
に前記手動操舵用の制御弁23よりも上流から分岐した
油圧管31に接続し、しかも、走行クラッチ及びブレー
キ作動用の制御弁29は、自動操舵用の制御弁28より
も上流側になるよう直列状に連結する。
【0014】従って、走行クラッチ及びブレーキを作動
させるべく、制御弁29を中立位置以外の位置に作動さ
せるときには、その油圧シリンダ30が優先的に作動
し、操舵用の油圧シリンダ17の作動は二次的となる。
なお、手動操舵のときには、油圧ポンプ22から送られ
てきた油が制御弁23を介して油圧モータ21に送ら
れ、この油圧モータ21からの油送り量をハンドル3の
回動角度に比例するように作動させ、この油を前記ステ
アリング機構15に取付く複動式の油圧シリンダ17に
送る。自動操舵制御のときには油圧ポンプ22から制御
弁29の中立位置及び電磁ソレノイド式制御弁28を介
して油圧シリンダ17に作動油を送る。
【0015】符号25は前輪8の操舵角度を検出できる
ポテンショメータ等の操舵角度センサであり、この場
合、左右車輪の向き角度の平均値を求めて検出しても良
い。なお、前輪と後輪とを別々の油圧シリンダ式パワー
ステアリング機構を介して連結して、前輪と後輪とを個
別的に操舵制御するようにしても良い。走行車両1の下
面には、その前部に左右一対の磁気センサ26a,26
bを設ける。この磁気センサ26a,26bは、導体を
コイル状に巻いたピックアップコイルであっても良い
し、ホール素子、ホールIC、磁気抵抗素子、磁気トラ
ンジスタであっても良く、交流電流発生装置にて誘導ケ
ーブル27に印加された適宜周波数の交流電流により、
当該誘導ケーブル27の周囲に発生する交流磁界の強度
を検出することができるものである。誘導ケーブル27
は果樹園の作業経路である誘導経路に沿って形成した溝
内に敷設するか、または地中に埋設する。
【0016】また、誘導経路に沿うように感知する手段
の他の実施例としては、誘導経路沿って設けた標識や木
立を超音波センサ、赤外線センサ等のセンサにより感知
するようなものであっても良い。図5〜図8に示す符号
60は、前記走行変速機構11に関連して設けた走行ク
ラッチ(図示せず)のためのクラッチペタル、符号61
は、従来から公知の油圧式などのブレーキ機構(ブレー
キ装置)に対するブレーキペタルを示し、これらペタル
は操縦部に設ける。
【0017】運転席のカバー板62の裏面にブラケット
64を介して支持させた受け筒65には支軸63が回動
自在に軸支され、この支軸63の一端には、前記ブレー
キペタル61の基部を固着したボス61aを回動自在に
被嵌するブレーキペタル61に隣接して配置する作動ア
ーム67の筒状基部(ボス)67aはピン66にて支軸
63に固着して一体的に回動するように構成する。前記
軸受け筒62の他端から延びる支軸63に、前記クラッ
チペタル60の筒状基部60aとクラッチ装置に対する
作動アーム68の筒状基部68aとを相隣接させて各々
回動自在に被嵌させる。前記作動アーム67,68の各
筒状の基部67a,68aにはブレーキ装置及びクラッ
チ装置(図示せず)に対する作動杆69,70が固着さ
れている。
【0018】前記両作動アーム67,68の間には、カ
バー板62から運転席方向に突出する横断面略矩形中空
状のケース71を突設する。両作動アーム67,68の
先端には各々ローラ状の押圧部72,73を各々前記ケ
ース71の側面方向に突出させ、各押圧部72,73の
先端をケース71の左右両側面に穿設した溝孔74,7
5から内部に臨ませる。また、クラッチペタル60のア
ーム部60bの長手中途部下面を前記作動アーム67の
押圧部72の上面に接当するように臨ませ、ブレーキペ
タル61のアーム部61bの長手中途部下面を前記作動
アーム68の押圧部73の上面に接当するように臨ませ
る。
【0019】前記ケース71には、アクチュエータとし
ての油圧シリンダ30と、該油圧シリンダ30のピスト
ンロッド30aに連結した天秤アーム74と、該天秤ア
ーム74に連結して揺動回動する左右一対の揺動リンク
機構75とを内蔵する。揺動リンク機構75は次のよう
な構成である。即ち、補強板76からケース71の内面
に固着したブラケット77に取付く支持軸78には左右
一対の揺動アーム79,80の各筒状ボス79a,80
aを回動自在に被嵌し、各揺動アーム79,80の各先
端を前記作動アーム67,68のローラ状の押圧部7
2,73の上面に接当するように臨ませる。
【0020】一方の揺動アーム80の筒状ボス80aに
固着した連結アーム81の先端を前記天秤アーム74に
取付く一方のピン82に回動自在に枢着し、天秤アーム
74に取付く他方のピン83に連結したリンク84の他
端を連結ピン85を介して他方の揺動アーム79の長手
中途部に連結する。符号86は油圧シリンダ30のピス
トンロッド30aと天秤アーム74とを連結する中心ピ
ンであり、符号87は油圧シリンダ30の基端(上端)
を補強板76に取りついて支持するブラケットである。
なお、クラッチペタル60のアーム部60b及びブレー
キペタル61のアーム部61bの長手方向中途部にはそ
れぞれ上向き付勢ばね88を装架し、各ペタルに足の力
を作用させない状態では各々のアーム部60b,61b
が作動アーム68,67の押圧部73,72に接当しな
いようになっている。
【0021】この構成において、手動(人力作動)で走
行クラッチ装置を作動させるときには、クラッチペタル
60を足で踏み込むと、そのアーム部60bの長手方向
の中途部下面にてクラッチ用の作動アーム68の押圧部
73を下向きに押圧することになり、作動アーム68は
支軸63を中心に下向きに回動する。この動きに連動し
て作動杆70が回動して図示しないクラッチ装置をOF
F(動力遮断)する(図8参照)。同様にブレーキ装置
を人力作動させるときにはブレーキペタル61を踏み込
むことにより、作動アーム67の押圧部72を下向きに
押圧して回動させることにより実行することができる。
【0022】次いで、自動モードにおいては、前記クラ
ッチ及びブレーキを一体的に略同時に作動させるための
油圧シリンダ30のピストンロッド30aが下向きに突
出し、これにより天秤アーム74を下降動させると、こ
の天秤アーム74の一端のピン82を介してクラッチ用
の連結アーム81を回動させ、これと一体的に回動する
揺動アーム80の先端で作動アーム68の押圧部73を
下向きに押圧し、クラッチ用の作動アーム68を下向き
回動させてクラッチOFF作動させる。このとき、天秤
アーム74の他方の端部のピン83とリンク84及び連
結ピン85を介して他方のブレーキ用の揺動アーム79
を下向き回動させ、該揺動アーム79の先端部にてブレ
ーキ用の作動アーム67の押圧部72を下押し、作動ア
ーム67の下向き回動にてブレーキ動作を実行させるの
である。
【0023】この場合、ピストンロッド30aに取付く
中心ピン86を介して回動可能に揺動する天秤アーム7
4の動きにより、クラッチ用の揺動アーム80の回動量
(及び回動速度)とブレーキ用の揺動アーム79の回動
量(及び回動速度)とが異なるから、走行車両を停止さ
せる場合にクラッチOFFが先に動作し、次いでブレー
キが効き始めるという作動を可能にでき、急制動時(緊
急停止時)のエンジンストップを防止することができ
る。
【0024】これらの自動モードにおいては、作動アー
ム67,68が下向き回動してもクラッチペタル60や
ブレーキペタル61は回動しないから、操縦席における
作業者の足元の安全性を確保できるのである。なお、ブ
レーキ装置の連動部(図示せず)と前記作動杆69との
間で、ブレーキシューの摩耗に応じてストーロク調整す
ることにより、油圧シリンダ30の動きに関連させた揺
動アーム79等の箇所の調節は行う必要がない。以上の
構成は、薬剤散布機に限らず、その他の作業用の自動走
行車両に適用できることはいうまでもない。
【0025】図9は噴霧部5の実施例を示し、薬液タン
ク4からの液状薬剤は、タンクドレイン弁32、フィル
タ33を介して動噴ポンプ13に入り、主弁34、パイ
プ35を介して薬液分配器36から左右及び中央(上)
の切換弁37,38,39を介して各方向の噴霧ノズル
6に噴出させるものであり、各切換弁37,38,39
には切換操作用モータ37a,38a,39aが設けら
れ、走行車両の走行方向と被散布物(樹木)との位置関
係により、所定の向きにのみ薬液を噴霧することを選択
することができる。なお、符号40は調圧弁、符号41
は補正噴霧用吐出パイプ42に接続した停止弁であり、
パイプ42の先端にホース(図示せず)を繋ぎ、薬液が
かからなかった樹木に手作業で噴霧する。
【0026】図10は、運転操作部2における操作パネ
ル43を示し、符号44はキースイッチであって、始動
時にキースイッチ44にキー45を差し込んで、所定角
度回動すると、後述の制御装置100が立ち上がり(起
動して)、実行準備状態(待機状態)となる。次いで、
さらに所定角度回動すると、セルモータが起動してエン
ジン作動させるためのものである。符号46は自動モー
ド設定スイッチで、実施例としてはオルタネイト押しボ
タンスイッチを使用する。従って、1回目の押下でその
押下状態(ON状態)を保持する。再度自動モード設定
スイッチ46を押下すると、突出状態(OFF状態)に
復帰する。符号48は液晶表示素子等による表示部であ
って、現在の制御の状態や作業者に対する指示を文字や
図形等にて表示するものである。符号49は作業者が別
途意思確認するためのシフトスイッチであって、押しボ
タンスイッチ部49aを透明の開閉可能なカバー体49
bにて覆ってあり、操作するにはカバー体49bを一旦
開いて押しボタンスイッチ部49aを押下する。後述す
るように、自動モードから手動モードへの切換え、反対
に手動モードから自動モードへの切換えは、前記自動モ
ード設定スイッチ46の操作に加えて、作業者の意識的
操作により作動する第2スイッチの操作の実行、例え
ば、作業者の明確な意思の元に前記シフトスイッチ49
の操作を実行するか、または後述するように、作業者の
明確な意思のもとで実行した動作に基づいて作動するス
イッチの検出信号により、モードの切換えが実現できる
ようにするものである。
【0027】なお、自動モードに設定されたときには、
自動モードランプ47が点灯し、手動モード設定時には
自動モードランプ47が消灯する。図11はエンジン1
0からの動力を4輪8,9に伝達する場合、走行変速機
構11では、主変速部11aと副変速部11bとにより
多段に変速できるものであり、主変速部11aでは、主
変速レバー90の前後回動操作にて後退(R)・中立
(N)・低速(L)・高速(H)の各段に切り換えるこ
とができ、後退位置(R)では、牽制スイッチ91がO
Nして、自動モードになるのを禁止する。また、副変速
部11bでは、副変速レバー92の前後回動操作にて低
速段(M1)、中速段(M2)、高速段(M3)に切り
換えすることができ、且つ各段の間に中立位置(N)を
設けてある。そして、副変速レバー92が高速段(M
3)に位置するときには、同じく牽制スイッチ93がO
Nとなり、自動モードになるのを禁止する。
【0028】図12は、走行車両の制御をマイクロコン
ピュータのソフトにより実行する場合の制御装置100
の機能ブロック図を示し、2つのマイクロコンピュータ
ユニット(MPU)101,102を備え、この2つの
MPU101,102はカプラを介して離脱可能な通信
線103で接続し、相互に相手側の制御が正常に作動し
ているか否かを監視している。また、各MPU101,
102は、図示しないが中央処理装置(CPU)、読み
書き可能メモリ(RAM)及び読み出し専用メモリ(R
OM)等にて構成されている。また、この2つのMPU
101,102は同一形態(同一構成部品)にて形成さ
れ、相互に交換可能であって、両者のMPUを区別する
ため、一方のMPU101の判別ポート104はローポ
ートとし、他方のMPU102の判別ポート105はハ
イポートとする。
【0029】一方のMPU101の入力ポートには、前
記噴霧ノズル6の作動区画(左側、上側、右側)を切り
換える操作スイッチ(手動による操作スイッチ)10
6,107,108の各端子と、前記シフトスイッチ4
9の端子と、送風機7への動力伝達を継断するフアンク
ラッチ操作スイッチ109の端子と、遠隔操作用送信機
110からの複数のチャネル(実施例では6チャネル)
による指令信号を受ける受信機111の各チャネルの出
力信号端子、及び受信モニタ出力端子と、走行車両1の
前部に装着した左右一対の障害物感知センサ112a,
112bの端子、薬液タンク内の薬液の有無又は量の大
小(満杯か、空か等)を検出する薬液センサ113の出
力端子と、自動モード設定スイッチ46の端子を、それ
ぞれ接続して信号入力する。
【0030】また、MPU101の出力ポートには、前
記噴霧ノズル6の作動区画(左側、上側、右側)ごとに
薬液を供給する切換弁37,38,39の切換操作用モ
ータ37a,38a,39aへの端子、前記走行クラッ
チ及びブレーキの自動操作用の油圧シリンダ30に対す
る電磁制御弁29の電磁ソレノイド端子、送風機7への
動力伝達を継断するフアンクラッチ操作用の電動シリン
ダ114の端子、動噴ポンプ13の作動を許可するリレ
ー115の端子をそれぞれ接続して信号出力する。
【0031】前記他方のMPU102の入力ポートに
は、前記自動モード設定スイッチ46の端子と、前記受
信機111の各チャネルの出力信号端子と、前記主変速
レバー90が後退位置であることを検出する牽制スイッ
チ91の端子と、副変速レバー92が高速位置であるこ
とを検出する牽制スイッチ93の端子と、走行車両1の
前バンパーの前面に取付けて障害物が接触したとき走行
停止させるためのタッチセンサ116の端子と、操舵用
の油圧シリンダ17のピストンロッドのストロークの最
大突出位置を検出するためのストロークセンサ117の
端子と、誘導ケーブル27からの磁気を検出する磁気セ
ンサ26a,26bの端子と、図示しないが、山の傾斜
面の立木に対して効果的に薬液噴霧するために前記左右
両側の噴霧ノズル6群の方向を走行車両1の進行方向軸
線と交叉する平面上で調節するための噴霧ノズル向き変
更アクチュエータ作動用のスイッチ118の端子と、エ
ンジン10の回転数検出器119の端子とをそれぞれ接
続して信号を入力する。また、MPU102の出力ポー
トには、エンジン10の作動許可用リレー120の端
子、各種パイロットランプ121の端子、前記受信機1
11の受信モニタ状態を確認できるモニタランプ122
の端子、自動モードの場合にその状態を確認するための
自動モードランプ47の端子、操舵用の制御弁28の電
磁ソレノイドの端子28R,28Lの端子をそれぞれ接
続して信号を出力する。
【0032】次に、図13のフローチャートを参照しつ
つ、本発明の手動モードから自動モードへの制御モード
切り換え、及び自動モードから手動モードへの制御モー
ド切り換えを実行する手順(方法)について説明する。
作業者が走行車両1の運転席2に搭乗して、前記操作パ
ネル43におけるキースイッチ44にキー45を差し込
み(ステップS1)、次に電源ON側に回動して(ステ
ップS2)、制御装置100を待機状態にする(ステッ
プS3)。
【0033】電源投入時からエンジン作動までは、安全
確保のため、作業者の意思で種々の作業を手作業にて実
行する必要があるので、自動モードを選択できないよう
にする。このため、ステップS4にて自動モード設定ス
イッチ46がONであるか否かを判別する。自動モード
設定スイッチ46がONの状態であれば(ステップS
4,yes )、エンジン作動許可用リレー120が非作動
となり、エンジン作動禁止状態となり(ステップS
5)、自動モードランプ47は点灯する。作業者が自動
モード設定スイッチ46をOFFにするのを待ち、OF
Fになると(ステップS4、no)、エンジン作動許可用
リレー120が作動して(ステップS6)、エンジン作
動許可状態となって、自動モードランプ47は消灯す
る。
【0034】ここまででは、未だエンジン10が回転し
ていないので、油圧ポンプ22は停止状態で油圧回路1
6の油圧は上昇しておらず、油圧シリンダ30が非作動
であり、走行クラッチ入り及びブレーキ切りの状態であ
る。作業者はフットワークにより走行クラッチを切り、
キー45をさらに回動してエンジン作動させる(ステッ
プS7)。これにより、手動モード実行される状態とな
る(ステップS8)。
【0035】次いで、作業者が自動モードに設定したい
場合には、まず、ステップS9において、自動モード設
定スイッチ46を押下し、ON状態に保持し(ステップ
S9,yes )、さらに、前記シフトスイッチ49を押下
してON状態に保持する(ステップS10,yes )と、
ここではじめて自動モードに切り換えられる(ステップ
S11)。
【0036】この自動モードでの作業を実行中に、手動
モードに切り換えるには、自動モード設定スイッチ46
を再度押下してOFF状態に保持し(ステップS12,
no)、さらに、前記シフトスイッチ49を再度押下して
OFF状態に保持する(ステップS13,no)と、ここ
ではじめて手動モードに切り換えられる(ステップS1
4)。
【0037】なお、手動モードから自動モードへの切り
換えに際して、前記ステップS10のシフトスイッチ4
9の押下動作に代えて、走行クラッチペタルの押下(ク
ラッチ切りへの動作)により作動するスイッチ(図示せ
ず)のONによるようにしても良い。また、自動モード
から手動モードへの切り換えに際しては、前記ステップ
S13のシフトスイッチ49の再度の押下に代えて、キ
ースイッチ44をエンジン始動側に戻す作業に対応して
この動作に応じて出力する信号であっても良い。
【0038】このように、自動モードから手動モードへ
の切り換え、または手動モードから自動モードへの切り
換えの動作を、1つのスイッチ操作だけでなく、作業者
の意識的操作により作動する第2スイッチの動作信号と
の両者の出力信号で始めて制御モードを移行するように
すれば、誤って1つのスイッチの切り換え、または誤動
作にてモード変更することがなくなり、暴走等の危険を
未然に防止することができる。
【0039】なお、自動モード動作中の制御装置100
に電源の電圧低下等によりリセットが掛かると、前記ス
テップS3の前に戻し、当該制御装置100は初期状態
に戻し、自動モード設定スイッチ46の出力信号がON
であっても(ステップS4,yes )、エンジン作動禁止
(ステップS5)にすることで、走行車両1の暴走とい
う危険を防止することができる。
【0040】
【発明の作用・効果】以上、要するに本発明によれば、
走行車両に搭載した動力源から走行装置への動力伝達を
継断するための走行クラッチ装置と、走行装置を停止さ
せるブレーキ装置と、自動操舵装置と、自動モードと手
動モードとに制御モードを切り換えてそれぞれの制御モ
ードにより走行する制御手段とを備えてなる自動走行車
両において、前記制御モードの設定を作業者が切り換え
るための自動モード設定スイッチと、作業者の意識的操
作により作動する第2スイッチとを、前記制御手段に接
続してなるもので、請求項1に記載の態様では、前記自
動モード設定スイッチをONにし、且つ、前記第2スイ
ッチが自動側に作動することにより、前記制御手段は手
動モードから自動モードに設定移行するように構成した
ものであり、従って、意図しない時に自動モードに切り
替わった場合、走行車両が前記誘導経路に対してずれた
状態で、自動モードに切り替わると、当該走行車両は誘
導経路に沿うように急激に(不意に)旋回したり、誘導
経路から大きく外れた位置に走行車両があると、安全性
確保のため、当該走行車両の走行を停止させるべくブレ
ーキ作動を実行するから、この走行車両に搭乗している
作業者に走行停止に伴う衝撃力が働いて危険であるが、
本発明のように、手動モード設定状態にて、走行車両に
作業者が搭乗して果樹園内を操縦走行しているとき、前
述のように樹木の枝葉等が前記自動モード設定スイッチ
に当たっても、それだけで自動モードに切り替わること
がなく、作業者が意図する動作に伴う第2スイッチの手
動側への動作と合わせて始めて、自動モードに切り換え
るから、それまでの間に作業者は安全に対する注意を充
分払うことができると言う効果を奏する。
【0041】また、請求項2の態様によれば、前記自動
モード設定スイッチをOFFにし、且つ、前記第2スイ
ッチが手動側に作動することにより、前記制御手段は自
動モードから手動モードに設定移行するように構成した
ものであり、自動モード設定状態にて果樹園内を自動走
行しているとき、樹木の枝葉等が前記自動モード設定ス
イッチに当っても、それだけで手動モードに切り替わる
ことがなく、作業者の意図を反映した第2スイッチの手
動方向への作動と合わせて始めて手動モードに切り替わ
るから、意図しない時に手動モードに戻ることがなく、
エンジンの回転力はそのまま走行部に伝達されている一
方、操舵制御は実行されない状態のまま走行車両が暴走
することがなく、安全であるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】薬剤散布機の側面図である。
【図2】薬剤散布機の平面図である。
【図3】操舵装置14の概略平面図である。
【図4】操舵装置等の制御油圧回路図である。
【図5】走行クラッチおよびブレーキ操作部の平断面図
である。
【図6】図5のVI−VI線矢視側断面図である。
【図7】図6のVII −VII 矢視側面図である。
【図8】図5の VIII −VIII矢視側面図である。
【図9】噴霧部の機構ブロック図である。
【図10】操作パネル部の斜視図である。
【図11】走行変速部の側面図である。
【図12】制御装置の機能ブロック図である。
【図13】フローチャートである。
【符号の説明】
1 走行車両 3 ハンドル 6 噴霧ノズル 7 送風機 8,8 前輪 9,9 後輪 10 エンジン 11 走行変速機構 12 動力伝達機構 13 動噴ポンプ 14 操舵装置 16 油圧回路 17 油圧シリンダ 22 油圧ポンプ 23 制御弁 26a,26b 磁気センサー 27 誘導ケーブル 28 自動操舵用制御弁 29 制御弁 30 油圧シリンダ 46 自動モード設定スイッチ 47 自動モードランプ 49 シフトスイッチ 100 制御装置 101,102 MPU
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // B62D 137:00 (72)発明者 村井 幸雄 大阪市北区茶屋町1番32号 ヤンマー農機 株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 走行車両に搭載した動力源から走行装置
    への動力伝達を継断するための走行クラッチ装置と、走
    行装置を停止させるブレーキ装置と、自動操舵装置と、
    自動モードと手動モードとに制御モードを切り換えてそ
    れぞれの制御モードにより走行する制御手段とを備えて
    なる自動走行車両において、前記制御モードの設定を作
    業者が切り換えるための自動モード設定スイッチと、作
    業者の意識的操作により作動する第2スイッチとを、前
    記制御手段に接続し、前記自動モード設定スイッチをO
    Nにし、且つ、前記第2スイッチが自動側に作動するこ
    とにより、前記制御手段は手動モードから自動モードに
    設定移行するように構成したことを特徴とする自動走行
    車両における制御モード変更装置。
  2. 【請求項2】 走行車両に搭載した動力源から走行装置
    への動力伝達を継断するための走行クラッチ装置と、走
    行装置を停止させるブレーキ装置と、自動操舵装置と、
    自動モードと手動モードとに制御モードを切り換えてそ
    れぞれの制御モードにより走行する制御手段とを備えて
    なる自動走行車両において、前記制御モードの設定を作
    業者が切り換えるための自動モード設定スイッチと、作
    業者が操作する意思確認用スイッチとを、前記制御手段
    に接続し、前記自動モード設定スイッチをOFFにし、
    且つ、前記第2スイッチが手動側に作動することによ
    り、前記制御手段は自動モードから手動モードに設定移
    行するように構成したことを特徴とする自動走行車両に
    おける制御モード変更装置。
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