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JP6412453B2 - 粘着剤組成物及び粘着テープ - Google Patents

粘着剤組成物及び粘着テープ Download PDF

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JP6412453B2 JP2015064694A JP2015064694A JP6412453B2 JP 6412453 B2 JP6412453 B2 JP 6412453B2 JP 2015064694 A JP2015064694 A JP 2015064694A JP 2015064694 A JP2015064694 A JP 2015064694A JP 6412453 B2 JP6412453 B2 JP 6412453B2
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Description

本発明は、電子機器部品固定用途や車輌部品固定用途に好適に用いることができる、高い粘着力と高温保持力とを発揮できる粘着剤組成物、及び、該粘着剤組成物を用いた粘着テープに関する。
画像表示装置又は入力装置を搭載した携帯電子機器(例えば、携帯電話、携帯情報端末等)においては、組み立てのために両面粘着テープが用いられている。具体的には、例えば、携帯電子機器の表面を保護するためのカバーパネルをタッチパネルモジュール又はディスプレイパネルモジュールに接着したり、タッチパネルモジュールとディスプレイパネルモジュールとを接着したりするために両面粘着テープが用いられている。このような両面粘着テープは、例えば、額縁状等の形状に打ち抜かれ、表示画面の周辺に配置されるようにして用いられる(例えば、特許文献1、2)。また、車輌部品(例えば、車載用パネル)を車両本体に固定する用途にも両面粘着テープが用いられている。
近年の大型の携帯電子機器における部品の接着固定、車輌部品の接着固定等の用途においては、重量の大きな部品又は部材を貼り合わせる必要があり、両面粘着テープにかかる負荷が大きくなっている。また、近年の携帯電子機器では、表示画面の周辺を狭くしてより広い画面を確保する、いわゆる狭額縁化が進んでおり、狭額縁化した携帯電子機器では画面の周辺部の幅が極めて狭いため、接着面積が狭くとも確実に部材を固定できる高い粘着力が求められている。更に、車輌部品の接着固定では、夏場の車内において高温にさらされた場合にでも、剥離したりしない高い高温保持力が重要である。
このように、電子機器部品の固定や車載部品の固定に用いられる両面粘着テープには、従来以上に高い粘着力、高温保持力が求められるようになってきている。
特開2009−242541号公報 特開2009−258274号公報
本発明は、上記現状に鑑み、電子機器部品固定用途や車輌部品固定用途に好適に用いることができる、高い粘着力と高温保持力とを発揮できる粘着剤組成物、及び、該粘着剤組成物を用いた粘着テープを提供することを目的とする。
本発明は、極性基を有する(メタ)アクリル酸エステルランダム共重合体と、(メタ)アクリルトリブロック共重合体と、粘着付与樹脂とを含有し、(メタ)アクリルジブロック共重合体を含有しない粘着剤組成物であって、前記(メタ)アクリル酸エステルランダム共重合体は、重量平均分子量(Mw)が100万以上であり、前記極性基を有する(メタ)アクリル酸エステルランダム共重合体100重量部に対する前記(メタ)アクリルトリブロック共重合体の含有量が40〜250重量部である粘着剤組成物である。
以下に本発明を詳述する。
本発明者らは、鋭意検討の結果、極性基を有する(メタ)アクリル酸エステルランダム共重合体に(メタ)アクリルトリブロック共重合体を組み合わせることにより、粘着力と保持力とが著しく向上することを見出し、本発明を完成した。驚くべきことに、このような粘着力向上等の効果は、(メタ)アクリルトリブロック共重合体を用いた場合にのみ発揮され、(メタ)アクリルトリブロック共重合体に代えて(メタ)アクリルジブロック共重合体を用いたり、(メタ)アクリルトリブロック共重合体に加えて(メタ)アクリルジブロック共重合体を併用したりすると、所期の効果を発揮することができないことも見出した。
上記極性基を有する(メタ)アクリル酸エステルランダム共重合体は、(メタ)アクリル酸アルキルエステルと、極性基含有モノマーを含むモノマー混合物を共重合することにより得ることができる。
上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸ステアリル等が挙げられる。これらの(メタ)アクリル酸アルキルエステルは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記極性基含有モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキル、グリセリンジメタクリレート、(メタ)アクリル酸グリシジル、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、無水マレイン酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸等が挙げられる。これらの極性基含有モノマーは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
なかでも、(メタ)アクリル酸ブチルと(メタ)アクリル酸を含むモノマー混合物を共重合して得られる極性基を有する(メタ)アクリル酸エステルランダム共重合体は、特に高い粘着力、高温保持力を発揮できることから好適である。
上記モノマー混合物が(メタ)アクリル酸ブチルと(メタ)アクリル酸とを含む場合、(メタ)アクリル酸ブチル100重量部に対する上記(メタ)アクリル酸の配合量の好ましい範囲は1〜10重量部である。この範囲内であると、特に高い粘着力、高温保持力を発揮することができる。上記配合量のより好ましい範囲は3〜5である。
上記モノマー混合物が(メタ)アクリル酸ブチルと(メタ)アクリル酸とを含む場合、更に、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチルを含有することが好ましい。これにより、更に高い粘着力、高温保持力を発揮することができる。
上記モノマー混合物が(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチルを含む場合、(メタ)アクリル酸ブチル100重量部に対する(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシルの配合量の好ましい範囲は0.01〜1重量部である。
上記モノマー混合物を共重合して上記極性基を有する(メタ)アクリル酸エステルランダム共重合体を得るには、上記モノマー混合物を、重合開始剤の存在下にてラジカル反応させればよい。上記モノマー混合物をラジカル反応させる方法、即ち、重合方法としては、従来公知の方法が用いられ、例えば、溶液重合(沸点重合又は定温重合)、乳化重合、懸濁重合、塊状重合等が挙げられる。この際の重合開始剤、重合温度等の重合条件を調整することにより、得られる共重合体の重量平均分子量等を調整することができる。
上記重合開始剤は特に限定されず、例えば、有機過酸化物、アゾ化合物等が挙げられる。上記有機過酸化物として、例えば、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、t−ヘキシルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシピバレート、2,5−ジメチル−2,5−ビス(2−エチルヘキサノイルパーオキシ)ヘキサン、t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシラウレート等が挙げられる。上記アゾ化合物として、例えば、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスシクロヘキサンカルボニトリル等が挙げられる。これらの重合開始剤は単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
上記極性基を有する(メタ)アクリル酸エステルランダム共重合体は、重量平均分子量(Mw)が100万以上である。重量平均分子量(Mw)が100万以上の(メタ)アクリル酸エステルランダム共重合体を用いることにより、特に高い粘着力を有する粘着剤組成物を得ることができる。上記重量平均分子量(Mw)は120万以上であることが好ましい。
なお、重量平均分子量(Mw)とは、GPC(Gel Permeation Chromatography:ゲルパーミエーションクロマトグラフィ)による標準ポリスチレン換算の重量平均分子量である。
上記(メタ)アクリルトリブロック共重合体は、例えば、一般式A−B−Aで表される構造を有する。ここで、Aで表される重合体ブロックとBで表される重合体ブロックは、いずれも(メタ)アクリル酸エステル単位を主体とする重合体ブロックであって、互いに構造が異なるものである。
ここで構造が異なるとは、Aで表される重合体ブロックとBで表される重合体ブロックとで、それぞれの重合体ブロックを構成しているモノマー単位の種類が異なるか、モノマー単位組成が異なるか、その立体規則性が異なっていることなどによって、Aで表される重合体ブロックとBで表される重合体ブロックとの構造が互いに異なっていることを意味する。
上記(メタ)アクリルトリブロック共重合体は、なかでも、Aがメタクリル酸エステル重合体ブロックであり、Bがアクリル酸エステル重合体ブロックであることが好ましい。このような構造のアクリルトリブロック共重合体を、上記極性基を有する(メタ)アクリル酸エステルランダム共重合体に組み合わせることにより、得られる粘着剤組成物は、特に高い粘着力と高温保持力とを発揮することができる。
以下、Aがメタクリル酸エステル重合体ブロック、Bがアクリル酸エステル重合体ブロックである(メタ)アクリルトリブロック共重合体についてより詳しく説明する。
上記メタクリル酸エステル重合体ブロックを構成するメタクリル酸エステルモノマーとしては、例えば、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸sec−ブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸イソボロニル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸2−シアノエチル、メタクリル酸フェニル等が挙げられる。これらのメタクリル酸エステルモノマーは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記アクリル酸エステル重合体ブロックを構成するアクリル酸エステルモノマーとしては、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n―プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸sec−ブチル、アクリル酸n−テトラデシル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル等が挙げられる。これらのアクリル酸エステルモノマーは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
なお、上記メタクリル酸エステル重合体ブロック及びアクリル酸エステル重合体ブロックは、本発明の効果を阻害しない程度の少割合であれば、互いにアクリル酸エステルモノマーやメタクリル酸エステルモノマー、又は、エチル、プロピレン等のオレフィンやε−カプロラクトン、パレロラクトン等のラクトン等の他の構成成分(構成単位)を含有してもよい。
上記(メタ)アクリルトリブロック共重合体におけるA(メタクリル酸エステル重合体ブロック)とB(アクリル酸エステル重合体ブロック)との比は特に限定されないが、重量比で5:95〜80:20であることが好ましい。この範囲の比とすることにより、粘着剤組成物の凝集力を低下させることがなく、高い粘着力を発揮することができる。
上記(メタ)アクリルトリブロック共重合体は、重量平均分子量(Mw)の好ましい下限が5万、好ましい上限が30万である。重量平均分子量(Mw)をこの範囲内とすることにより、粘着剤組成物の凝集力を低下させることがなく、より高い粘着力を発揮することができる。重量平均分子量(Mw)のより好ましい下限は6万、より好ましい上限は20万である。
上記(メタ)アクリルトリブロック共重合体は、分子量分布(Mw/Mn)の好ましい下限が1.1、好ましい上限が2.8である。上記分子量分布分子量分布(Mw/Mn)をこの範囲内とすることにより、粘着剤組成物の凝集力を低下させることがなく、より高い粘着力を発揮することができる。
なお、分子量分布(Mw/Mn)は、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比である。重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)は、GPC(Gel Permeation Chromatography:ゲルパーミエーションクロマトグラフィ)によりポリスチレン換算分子量として測定される。
上記(メタ)アクリルトリブロック共重合体の市販品としては、例えば、クラリティLa2330、La2140e、La2250、La4825(いずれもクラレ社製)等が挙げられる。
本発明の粘着剤組成物は、(メタ)アクリルジブロック共重合体を含有しない。上記(メタ)アクリルトリブロック共重合体に代えて上記(メタ)アクリルジブロック共重合体を用いたり、上記(メタ)アクリルトリブロック共重合体に加えて上記(メタ)アクリルジブロック共重合体を併用したりすると、所期の性能を発揮することができない。この理由については不明であるが、ジブロック共重合体はトリブロック共重合体のような海島構造を取りにくく、凝集力が低くなるためではないかと考えられる。
なお、上記(メタ)アクリルジブロック共重合体は、例えば一般式A−Bで表される構造を有するものであり、これを構成するA、B等については、上記(メタ)アクリルトリブロック共重合体の場合と同様である。
本発明の粘着剤組成物において、上記極性基を有する(メタ)アクリル酸エステルランダム共重合体100重量部に対する上記(メタ)アクリルトリブロック共重合体の含有量の下限は40重量部、上限は250重量部である。上記(メタ)アクリルトリブロック共重合体の含有量をこの範囲内とすることにより、高い粘着力、高温保持力を発揮することができる。上記(メタ)アクリルトリブロック共重合体の含有量の好ましい下限は50重量部、好ましい上限は200重量部であり、より好ましい下限は80重量部、より好ましい上限は125重量部である。
上記粘着付与樹脂としては、例えば、ロジンエステル系樹脂、水添ロジン系樹脂、テルペン系樹脂、テルペンフェノール系樹脂、クマロンインデン系樹脂、脂環族飽和炭化水素系樹脂、C5系石油樹脂、C9系石油樹脂、C5−C9共重合系石油樹脂等が挙げられる。これらの粘着付与樹脂は単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。なかでも、テルペンフェノール系樹脂及びロジン系樹脂からなる群より選択される少なくとも1種が好適である。
上記粘着付与樹脂の含有量は特に限定されないが、上記極性基を有する(メタ)アクリル酸エステルランダム共重合体100重量部に対する好ましい下限は10重量部、好ましい上限は60重量部である。上記粘着付与樹脂の含有量が10重量部未満であると、粘着剤組成物の粘着力が低下することがある。上記粘着付与樹脂の含有量が60重量部を超えると、上記粘着剤組成物が硬くなって、粘着力又はタックが低下することがある。上記粘着付与樹脂の含有量のより好ましい下限は15重量部、より好ましい上限は30重量部である。
本発明の粘着剤組成物は、更に、架橋剤を含有してもよい。架橋剤を含有することにより、本発明の粘着剤組成物を用いて粘着テープの粘着剤層を形成したときに、そのゲル分率を調整することができる。
上記架橋剤は特に限定されず、例えば、イソシアネート系架橋剤、アジリジン系架橋剤、エポキシ系架橋剤、金属キレート型架橋剤等が挙げられる。なかでも、イソシアネート系架橋剤が好ましい。
上記架橋剤の添加量は、上記極性基を有する(メタ)アクリル酸エステルランダム共重合体100重量部に対して0.01〜10重量部が好ましく、0.1〜3重量部がより好ましい。
本発明の粘着剤組成物からなる粘着剤層を有する粘着テープもまた、本発明の1つである。
上記粘着テープは、基材を有しないノンサポートテープであってもよく、基材の一方の面に粘着剤層を有する片面粘着テープであってもよく、基材の両面に粘着剤層を有する両面粘着テープであってもよい。
上記基材としては特に限定されないが、例えば、ポリエステルフィルム、ポリオレフィン発泡体、ゴム系エラストマー、アクリル系エラストマー及びウレタン系エラストマーからなる群より選択される少なくとも1種を含有する単層又は多層構造の基材が好適である。
上記粘着剤層は、ゲル分率の好ましい下限が15重量%、好ましい上限が60重量%である。上記ゲル分率が15重量%未満であると、上記粘着剤層が柔らかくなりすぎて、粘着力や高温保持力が低下することがある。上記ゲル分率が60重量%を超えると、上記粘着剤層の架橋密度が高くなりすぎて、粘着テープが剥がれやすくなることがある。上記ゲル分率のより好ましい下限は20重量%、より好ましい上限は50重量%である。
なお、ゲル分率は、次のようにして測定される。まず、粘着テープを50mm×100mmの平面長方形状に裁断して試験片を作製し、試験片を酢酸エチル中に23℃にて24時間浸漬した後、酢酸エチルから取り出して、110℃の条件下で1時間乾燥させる。乾燥後の試験片の重量を測定し、下記式(1)を用いてゲル分率を算出する。なお、試験片には、粘着剤層を保護するための離型フィルムは積層されていないものとする。
ゲル分率(重量%)=100×(W2−W0)/(W1−W0) (1)
(W0:基材の重量、W1:浸漬前の試験片の重量、W2:浸漬、乾燥後の試験片の重量)
上記粘着剤層の厚みは特に限定されないが、好ましい下限は10μm、好ましい上限は100μmである。上記粘着剤層の厚みが10μm未満であると、粘着テープの粘着力や高温保持力が低下することがある。上記粘着剤層の厚みが100μmを超えると、粘着テープのリワーク性又は再剥離性が損なわれることがある。
本発明の粘着テープは、粘着テープの総厚み(基材と粘着剤層の厚みの合計)の好ましい下限が100μm、好ましい上限が2000μmである。粘着テープの総厚みが100μm未満であると、粘着テープの粘着力や高温保持力が低下することがある。粘着テープの総厚みが2000μmを超えると、携帯電子機器を構成する部品の接着固定、車載部品の接着固定等の用途に適さなくなることがある。粘着テープの総厚みのより好ましい下限は150μm、より好ましい上限は1500μmである。
本発明の粘着テープの製造方法として、例えば粘着テープが両面粘着テープの場合には、以下のような方法が挙げられる。
まず、上記極性基を有する(メタ)アクリル酸エステルランダム共重合体、(メタ)アクリルトリブロック共重合体、粘着付与樹脂、必要に応じて架橋剤等に溶剤を加えて粘着剤Aの溶液を作製して、この粘着剤Aの溶液を基材の表面に塗布し、溶液中の溶剤を完全に乾燥除去してアクリル粘着剤層Aを形成する。次に、形成されたアクリル粘着剤層Aの上に離型フィルムをその離型処理面がアクリル粘着剤層Aに対向した状態に重ね合わせる。
次いで、上記離型フィルムとは別の離型フィルムを用意し、この離型フィルムの離型処理面に粘着剤Bの溶液を塗布し、溶液中の溶剤を完全に乾燥除去することにより、離型フィルムの表面にアクリル粘着剤層Bが形成された積層フィルムを作製する。得られた積層フィルムをアクリル粘着剤層Aが形成された基材の裏面に、アクリル粘着剤層Bが基材の裏面に対向した状態に重ね合わせて積層体を作製する。そして、上記積層体をゴムローラ等によって加圧することによって、基材の両面にアクリル粘着剤層を有し、かつ、アクリル粘着剤層の表面が離型フィルムで覆われた両面粘着テープを得ることができる。
また、同様の要領で積層フィルムを2組作製し、これらの積層フィルムを基材の両面のそれぞれに、積層フィルムのアクリル粘着剤層を基材に対向させた状態に重ね合わせて積層体を作製し、この積層体をゴムローラ等によって加圧することによって、基材の両面にアクリル粘着剤層を有し、かつ、アクリル粘着剤層の表面が離型フィルムで覆われた両面粘着テープを得てもよい。
本発明の粘着テープの用途は特に限定されないが、電子機器部品の固定や車載部品の固定に特に好適に用いることができる。具体的には、大型の携帯電子機器における電子機器部品の接着固定、車載部品(例えば、車載用パネル)の接着固定等に、本発明の粘着テープを用いることができる。
これらの用途における本発明の粘着テープの形状は特に限定されないが、長方形、額縁状、円形、楕円形、ドーナツ型等が挙げられる。
本発明によれば、電子機器部品固定用途や車輌部品固定用途に好適に用いることができる、高い粘着力と高温保持力とを発揮できる粘着剤組成物、及び、該粘着剤組成物を用いた粘着テープを提供することができる。
粘着テープのPUSH粘着力の評価方法を説明する模式図である。 粘着テープの高温保持力の評価方法を説明する模式図である。
以下に実施例を挙げて本発明の態様を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例にのみ限定されるものではない。
((メタ)アクリル酸エステルランダム共重合体(A)の調製)
温度計、攪拌機、冷却管を備えた反応器にブチルアクリレート100重量部、アクリル酸3重量部及び2−ヒドロキシエチルアクリレート0.1重量部と酢酸エチル80重量部を加え、窒素置換した後、反応器を加熱して還流を開始した。続いて、上記反応器内に、重合開始剤としてアゾイソブチロニトリル(AIBN)0.15重量部を添加した。70℃、5時間還流させて、(メタ)アクリル酸エステルランダム共重合体(A)の溶液を得た。得られた(メタ)アクリル酸エステルランダム共重合体(A)について、カラムとしてWater社製「2690 Separations Model」を用いてGPC法により重量平均分子量を測定したところ、120万であった。
((メタ)アクリル酸エステルランダム共重合体(B)の調製)
AIBNの添加量を0.1重量部にしたこと以外は、(メタ)アクリル酸エステルランダム共重合体(A)の場合と同様にして(メタ)アクリル酸エステルランダム共重合体(B)を得た。得られた(メタ)アクリル酸エステルランダム共重合体(B)について、カラムとしてWater社製「2690 Separations Model」を用いてGPC法により重量平均分子量を測定したところ、124万であった。
((メタ)アクリル酸エステルランダム共重合体(C)の調製)
温度計、攪拌機、冷却管を備えた反応器にブチルアクリレート100重量部と酢酸エチル80重量部を加え、窒素置換した後、反応器を加熱して還流を開始した。続いて、上記反応器内に、重合開始剤としてAIBN10重量部を添加した。100℃、5時間還流させて、(メタ)アクリル酸エステルランダム共重合体(C)の溶液を得た。得られた(メタ)アクリル酸エステルランダム共重合体(C)について、カラムとしてWater社製「2690 Separations Model」を用いてGPC法により重量平均分子量を測定したところ、5万であった。
((メタ)アクリル酸エステルランダム共重合体(D)の調製)
モノマーとしてブチルアクリレート100重量部のみを使用したこと以外は、(メタ)アクリル酸エステルランダム共重合体(C)の場合と同様にして(メタ)アクリル酸エステルランダム共重合体(D)を得た。得られた(メタ)アクリル酸エステルランダム共重合体(D)について、カラムとしてWater社製「2690 Separations Model」を用いてGPC法により重量平均分子量を測定したところ、127万であった。
((メタ)アクリル酸エステルランダム共重合体(E)の調製)
AIBNの添加量を0.3重量部にしたこと以外は、(メタ)アクリル酸エステルランダム共重合体(A)の場合と同様にして(メタ)アクリル酸エステルランダム共重合体(E)を得た。得られた(メタ)アクリル酸エステルランダム共重合体(E)について、カラムとしてWater社製「2690 Separations Model」を用いてGPC法により重量平均分子量を測定したところ、85万であった。
(実施例1)
得られた(メタ)アクリル酸エステルランダム共重合体(A)の溶液に含まれる(メタ)アクリル酸エステルランダム共重合体(A)の固形分100重量部に対して、(メタ)アクリルトリブロック共重合体としてクラレ社製「La2330」250重量部、粘着付与剤として軟化点135℃の重合ロジンエステル20重量部、イソシアネート系架橋剤(日本ポリウレタン社製 商品名「コロネートL45」)1.5重量部を添加し、攪拌して、粘着剤組成物を得た。
離型紙を用意し、この離型紙の離型処理面に粘着剤組成物を塗布し、100℃で5分間乾燥させることにより、厚み50μmの粘着剤層を形成した。この粘着剤層を、ポリエチレン発泡体基材(発泡倍率1.8倍)からなる厚さ150μmの基材の表面と貼り合わせた。次いで、同様の要領で、この基材の反対の表面にも上記と同じ粘着剤層を貼り合わせた。これにより、離型紙で覆われた両面粘着テープを得た。
得られた両面粘着テープの粘着剤層について、ゲル分率を測定したところ17%であった。
(実施例2〜12、比較例1〜14)
(メタ)アクリル酸エステルランダム共重合体等を表1〜4に示したものに代えた以外は実施例1と同様にして両面粘着テープを得た。
<評価>
実施例、比較例で得られた両面粘着テープについて以下の評価を行った。結果を表1〜4に示した。
(1)PUSH粘着力の評価
図1に、両面粘着テープのPUSH粘着力の評価方法を説明する模式図を示す。得られた両面粘着テープを外径が幅46mm、長さ61mm、内径が幅44mm、長さ59mmに打ち抜き、幅1mmの枠状の試験片を作製した。次いで、図1(a)に示すように、中央部分に幅38mm、長さ50mmの四角い穴のあいた厚さ2mmのポリカーボネート板3に対して離型紙を剥がした試験片1を四角い穴がほぼ中央に位置するように貼り付けた後、試験片1の上面から幅55mm、長さ65mm、厚さ1mmのポリカーボネート板2を試験片1がほぼ中央に位置するように貼り付け、試験装置を組み立てた。
その後、試験装置の上面に位置するポリカーボネート板側から5kgfの圧力を10秒間加えて上下に位置するポリカーボネート板と試験片とを圧着し、常温で24時間放置した。
図1(b)に示すように、作製した試験装置を裏返して支持台に固定し、四角い穴を通して10mm/minの速度でゆっくりと荷重4をかけていき、荷重により試験片とポリカーボネート板が剥がれた時の荷重の値を計測した。
得られた計測値をもとに、以下の基準によりPUSH粘着力を判定した。
○:剥離時の荷重が75N以上
×:剥離時の荷重が75N未満
(2)高温保持力の評価
図2に、両面粘着テープの高温保持力の評価方法を説明する模式図を示す。得られた両面粘着テープを幅25mmの短冊状に打ち抜いて試験片5を作製した。次いで、図2に示すように、一方の面の離型紙を剥がした試験片5を、厚さ2mmのポリカーボネート板6に貼り付けた。貼り付けは、23℃の条件下で2kgローラーを300mm/分の速度で1往復して圧着することにより行った。このとき接着面積が25mm×25mmになるようにし、試験片5の片端がポリカーボネート板6からはみ出すようにした。次いで、試験片の片端に1kgの重り7を取り付けて吊るし、85℃、24時間放置した後、粘着テープのズレを目視にて観察して、以下の基準により高温保持力を判定した。
○:粘着テープにズレが認められなかった
×:粘着テープが落下した
Figure 0006412453
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本発明によれば、電子機器部品固定用途や車輌部品固定用途に好適に用いることができる、高い粘着力と高温保持力とを発揮できる粘着剤組成物、及び、該粘着剤組成物を用いた粘着テープを提供することができる。
1 両面粘着テープ試験片(枠状)
2 ポリカーボネート板
3 ポリカーボネート板
4 荷重
5 両面粘着テープ試験片
6 ポリカーボネート板
7 重り

Claims (9)

  1. 極性基を有する(メタ)アクリル酸エステルランダム共重合体と、(メタ)アクリルトリブロック共重合体と、粘着付与樹脂とを含有し、(メタ)アクリルジブロック共重合体を含有しない粘着剤組成物であって、
    前記(メタ)アクリル酸エステルランダム共重合体は、重量平均分子量(Mw)が100万以上であり、
    前記極性基を有する(メタ)アクリル酸エステルランダム共重合体100重量部に対する前記(メタ)アクリルトリブロック共重合体の含有量が40〜250重量部である
    ことを特徴とする粘着剤組成物。
  2. (メタ)アクリルトリブロック共重合体は、Aがメタクリル酸エステル重合体ブロック、Bがアクリル酸エステル重合体ブロックであることを特徴とする請求項1記載の粘着剤組成物。
  3. (メタ)アクリルトリブロック共重合体は、重量平均分子量(Mw)が5万〜30万、かつ、分子量分布(Mw/Mn)が1.1〜2.8であることを特徴とする請求項1記載の粘着剤組成物。
  4. 粘着付与樹脂は、テルペンフェノール系樹脂及びロジン系樹脂からなる群より選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項1、2又は3記載の粘着剤組成物。
  5. 請求項1、2、3又は4記載の粘着剤組成物からなる粘着剤層を有することを特徴とする粘着テープ。
  6. ポリエステルフィルム、ポリオレフィン発泡体、ゴム系エラストマー、アクリル系エラストマー及びウレタン系エラストマーからなる群より選択される少なくとも1種を含有する単層又は多層構造の基材を有することを特徴とする請求項5記載の粘着テープ。
  7. 粘着剤層の厚みが10〜100μmであることを特徴とする請求項5又は6記載の粘着テープ。
  8. 電子機器部品固定用途に用いられることを特徴とする請求項5、6又は7記載の粘着テープ。
  9. 車輌部品固定用途に用いられることを特徴とする請求項5、6又は7記載の粘着テープ。
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