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JP5983004B2 - 中間転写ベルト、及びそれを用いた画像形成装置 - Google Patents

中間転写ベルト、及びそれを用いた画像形成装置 Download PDF

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JP5983004B2 JP2012105331A JP2012105331A JP5983004B2 JP 5983004 B2 JP5983004 B2 JP 5983004B2 JP 2012105331 A JP2012105331 A JP 2012105331A JP 2012105331 A JP2012105331 A JP 2012105331A JP 5983004 B2 JP5983004 B2 JP 5983004B2
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Description

本発明は、中間転写ベルト、及びそれを用いた画像形成装置に関する。
従来、電子写真方式の画像形成装置では、様々な用途でベルト、特にシームレスベルトが部材として用いられている。特に近年のフルカラー画像形成装置においては、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色の現像画像を一旦中間転写媒体上に色重ねし、その後一括して紙などの転写媒体に転写する中間転写ベルト方式が用いられている。
このような中間転写ベルト方式は、1つの感光体に対して4色の現像器を用いるシステムで用いられていたが、プリント速度が遅いという欠点があった。そのため、高速プリントとしては、感光体を4色分並べ、各色を連続して紙に転写する4連タンデム方式が用いられている。
しかし、この方式では紙の環境による変動などもあり、各色画像を重ねる位置精度を合わせることが非常に困難であり、画像の色ずれを引き起こしていた。
そこで、近年では、4連タンデム方式に中間転写ベルト方式を採用することが主流になってきている。
このような情勢の中で、中間転写ベルトにおいても、従来よりも要求特性(高速転写、位置精度)が厳しいものとなっており、これらの要求に対応する特性を満足することが必要となってきている。特に、位置精度に対しては、連続使用によるベルト自体の伸びなどの変形による変動を抑えることが求められている。また、中間転写ベルトは、装置の広い領域に亘ってレイアウトされ、転写のために高電圧が印加されることから難燃性であることが求められている。このような要求に対応するため、中間転写ベルト材料として主に、高弾性率で高耐熱樹脂であるポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂などが用いられている。
ところが、ポリイミド樹脂による中間転写ベルトにおいては、高強度であるためその表面硬度も高いので、トナー像を転写する際にトナー層に高い圧力がかかり、トナーが局部的に凝集し画像の一部が転写されない、いわゆる中抜け画像が発生することがある。また、感光体、用紙などの転写部での接触部材との接触追従性が劣るため、転写部において部分的な接触不良部(空隙)が発生し、転写ムラが発生することがある。
また、近年、フルカラー電子写真方式を用いてさまざまな用紙に画像を形成することが多くなり、通常の平滑な用紙だけでなく、コート紙のようなスリップ性のある平滑度の高いものからリサイクルペーパー、エンボス紙、和紙、クラフト紙のような表面性の粗いものが使用されることが増えてきている。このような表面性状の異なる用紙への追従性が重要であり、追従性が悪いと、用紙の凹凸状の濃淡ムラ及び色調のムラが発生する。この課題を解決するために、比較的柔軟性のある層を基材層上に積層した様々な中間転写ベルトが提案されている。
しかしながら、比較的柔軟性のある層(弾性層)を表面層とした場合、転写圧力が低減されたり、用紙凹凸への追従性が向上する反面、表面の離型性が劣るためにトナーがうまく離型できず転写効率が低下し、前者の効果を生かせないという問題がある。また、耐摩耗性及び耐擦傷性にも劣るという問題もある。
また、上述した弾性層は、凹凸への追従性の効果を出すために基材層に比べて厚い膜とすることが多いが、一般的に弾性層と呼ばれる柔軟な材料はポリイミドなどの基材層よりも熱膨張係数が大きいため、でき上がったベルトが外側に大きく反ってしまう。これらのベルトを画像形成装置に組み込んだ場合は、走行不良及びクリーニング不良などを引き起こしやすいという問題がある。
この問題を解決するために、中間転写ベルトに熱膨張係数の異なる材料を積層し、外側に反ったベルトの端部に反り抑制用の部材を取り入れた中間転写ベルトが提案されている(特許文献1参照)。しかし、この提案の技術は、抑制部材との接触で摩耗しやすいことに加え、中央部と端部で転写圧が変わりやすいので転写性能にばらつきが発生し、昨今の画像形成装置に要求される高いレベルの画質を満足しうるものが得られないという問題がある。
また、ポリイミド樹脂を主体とする外層と内層とを有し、該外層と該内層の線膨張係数の差を30ppm/℃以下にした半導電性ベルトが提案されている(特許文献2参照)。しかし、この提案の技術は、厚みが200μmぐらいまでは、反り量を低減する効果があるが、それ以上の厚みとなると反り量の抑制が難しいという問題がある。
また、特に最近では、画像形成装置の印刷枚数の高速化に伴って装置の大型化が進んでおり、そのため中間転写ベルトにおいてもベルト周長が長いベルトが求められている。
このような中間転写ベルトは、従来の中間転写ベルトに比べて乾燥時の熱収縮量が大きくなることにより、端部がさらに反りやすくなるという課題がある。その結果、ベルト端部がさらに破損しやすいという不具合が生じる。
したがって、高品質な画像が得られ、かつベルトの反りによる紙詰まり、及び画像ムラを起こさず耐久性に優れ、更にクリーニング性に優れる中間転写ベルトの提供が求められているのが現状である。
本発明は、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、高品質な画像が得られ、かつベルトの反りによる紙詰まり、及び画像ムラを起こさず耐久性に優れ、更にクリーニング性に優れる中間転写ベルトを提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としては、以下のとおりである。即ち、
本発明の中間転写ベルトは、像担持体上に形成された潜像をトナーにより現像して得られたトナー像が転写される中間転写ベルトであって、
基材層と、該基材層上に形成された弾性層とを有し、
前記基材層が、ピロメリット酸に由来する構造単位とジアミノジフェニルエーテルに由来する構造単位とを有するポリイミドを含み、
反り量の絶対値が、1.5mm以下であることを特徴とする。
本発明によれば、従来における前記諸問題を解決でき、高品質な画像が得られ、かつベルトの反りによる紙詰まり、及び画像ムラを起こさず耐久性に優れ、更にクリーニング性に優れる中間転写ベルトを提供することができる。
図1は、本発明の中間転写ベルトの層構成の一例を説明する図である。 図2は、本発明の中間転写ベルトの表面構造の一例を説明する図である。 図3は、弾性層の表面に球形微粒子を均一に埋設する様子の一例を示す図である。 図4は、本発明の画像形成装置の一例を説明するための要部模式図である。 図5は、本発明の画像形成装置の他の一例を説明するための要部模式図である。
(中間転写ベルト)
本発明の中間転写ベルトは、基材層と弾性層とを少なくとも有し、更に必要に応じて、その他の層を有する。
前記中間転写ベルトは、像担持体上に形成された潜像をトナーにより現像して得られたトナー像が転写される中間転写ベルトである。
前記基材層は、ピロメリット酸に由来する構造単位とジアミノジフェニルエーテルに由来する構造単位とを有するポリイミドを含む。
前記中間転写ベルトは、反り量の絶対値が、1.5mm以下である。
本発明者らは、基材層と、該基材層上に形成された弾性層とを有する中間転写ベルトにおいて、前記基材層がピロメリット酸に由来する構造単位とジアミノジフェニルエーテルに由来する構造単位とを有するポリイミドを含むことにより、前記中間転写ベルトにおける前記基材層の反る方向と前記弾性層の反る方向が逆向きとなって前記中間転写ベルトの反りを小さくでき、結果、高品質な画像が得られ、かつベルトの反りによる紙詰まり、及び画像ムラを起こさず耐久性に優れることを見出した。
例えば、ピロメリット酸に由来する構造単位とジアミノジフェニルエーテルに由来する構造単位とを有するポリイミドを、金型上で形成すると、金型での乾燥後に離型した際に、前記ポリイミドにより得られた膜が内側(金型面側)に反る。一方、熱膨張係数の小さいポリイミドのような材料の上に、弾性層(例えば、ゴムのような熱膨張係数の大きい材料を含有する弾性層)を積層すると前記弾性層は外側(ポリイミド面と反対面)に反ろうとする。本発明者らは、このように反る方向が異なる材料を組合せて反りを相殺することにより中間転写ベルト全体としての反り量を調整できることを見出した。
<基材層>
前記基材層は、ピロメリット酸に由来する構造単位とジアミノジフェニルエーテルに由来する構造単位とを有するポリイミドを少なくとも含み、更に必要に応じて、その他の成分を含む。
−ポリイミド−
前記ポリイミドは、ピロメリット酸に由来する構造単位とジアミノジフェニルエーテルに由来する構造単位とを少なくとも有し、更に必要に応じて、その他の構造単位を有する。
−−ピロメリット酸に由来する構造単位−−
前記ピロメリット酸に由来する構造単位は、ピロメリット酸、及びピロメリット酸二無水物の少なくともいずれかを用いてポリイミドを合成することにより、前記ポリイミドに導入することができる。
前記ポリイミドにおける前記ピロメリット酸に由来する構造単位の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記ポリイミドにおける多価カルボン酸に由来する構造単位全量に対するモル比(ピロメリット酸に由来する構造単位/多価カルボン酸に由来する構造単位全量)で、0.1〜1.0が好ましく、0.2〜1.0がより好ましく、0.3〜0.7が特に好ましい。前記含有量が、前記特に好ましい範囲内であると、内反りさせやすくなる点で有利である。
−−ジアミノジフェニルエーテルに由来する構造単位−−
前記ジアミノジフェニルエーテルに由来する構造単位は、ジアミノジフェニルエーテルを用いてポリイミドを合成することにより、前記ポリイミドに導入することができる。
前記ジアミノジフェニルエーテルとしては、例えば、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテルなどが挙げられる。
前記ポリイミドにおける前記ジアミノジフェニルエーテルに由来する構造単位の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記ポリイミドにおけるアミン化合物に由来する構造単位全量に対するモル比(ジアミノジフェニルエーテルに由来する構造単位/アミン化合物に由来する構造単位全量)で、0.1〜1.0が好ましく、0.2〜1.0がより好ましく、0.3〜0.7が特に好ましい。前記含有量が、前記特に好ましい範囲内であると、屈曲性が高くなる点で有利である。
−−その他の構造単位−−
前記その他の構造単位としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、多価カルボン酸に由来する構造単位(ただし、前記ピロメリット酸に由来する構造単位を除く)、アミン化合物に由来する構造単位(ただし、前記ジアミノジフェニルエーテルに由来する構造単位を除く)などが挙げられる。
前記ポリイミドが前記その他の構造単位を適宜含むことにより、前記基材層の機械強度(高弾性)、及び屈曲性を適宜設定することができる。
前記多価カルボン酸に由来する構造単位としては、例えば、芳香族テトラカルボン酸に由来する構造単位などが挙げられる。前記芳香族テトラカルボン酸に由来する構造単位としては、例えば、4,4’−オキシジフタル酸に由来する構造単位、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸に由来する構造単位などが挙げられる。
前記芳香族多価カルボン酸に由来する構造単位は、例えば、芳香族多価カルボン酸、及び芳香族多価カルボン酸無水物の少なくともいずれかを用いてポリイミドを合成することにより、前記ポリイミドに導入することができる。
前記芳香族多価カルボン酸無水物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、4,4’−オキシジフタル酸二無水物、エチレンテトラカルボン酸二無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、1,1−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシルフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−ベンゼンテトラカルボン酸二無水物、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−アントラセンテトラカルボン酸二無水物、1,2,7,8−フェナントレンテトラカルボン酸二無水物などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記アミン化合物に由来する構造単位としては、例えば、芳香族ジアミン化合物に由来する構造単位などが挙げられる。前記芳香族ジアミン化合物に由来する構造単位としては、例えば、p−フェニレンジアミンに由来する構造単位などが挙げられる。
前記芳香族ジアミン化合物に由来する構造単位は、例えば、芳香族ジアミン化合物を用いてポリイミドを合成することにより、前記ポリイミドに導入することができる。
前記芳香族ジアミン化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、m−フェニレンジアミン、o−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、m−アミノベンジルアミン、p−アミノベンジルアミン、ビス(3−アミノフェニル)スルフィド、(3−アミノフェニル)(4−アミノフェニル)スルフィド、ビス(4−アミノフェニル)スルフィド、ビス(3−アミノフェニル)スルフィド、(3−アミノフェニル)(4−アミノフェニル)スルホキシド、ビス(3−アミノフェニル)スルホン、(3−アミノフェニル)(4−アミノフェニル)スルホン、ビス(4−アミノフェニル)スルホン、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、3,4’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、3,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕メタン、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕メタン、1,1−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕エタン、1,1−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕−エタン、1,2−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕エタン、1,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕エタン、2,2−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕ブタン、2,2−ビス〔3−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕ケトン、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕ケトン、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕スルフィド、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕スルフィド、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホキシド、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホキシド、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕エーテル、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕エーテル、1,4−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル〕ベンゼン、1,3−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル〕ベンゼン、4,4’−ビス〔3−(4−アミノフェノキシ)ベンゾイル〕ジフェニルエーテル、4,4’−ビス〔3−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル〕ジフェニルエーテル、4,4’−ビス〔4−(4−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)フェノキシ〕ベンゾフェノン、4,4’−ビス〔4−(4−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)フェノキシ〕ジフェニルスルホン、ビス〔4−{4−(4−アミノフェノキシ)フェノキシ}フェニル〕スルホン、1,4−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェノキシ〕−α,α−ジメチルベンジル〕ベンゼン、1,3−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル〕ベンゼンなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記ポリイミドが前記その他の構造単位を適宜含むことにより、前記基材層の機械強度(高弾性)、及び屈曲性を適宜設定することができる。
−−ポリイミドの合成方法−−
前記ポリイミド、特に芳香族系ポリイミドは、その剛直な主鎖構造により溶媒などに対して不溶であり、また不融の性質を有する。そのため、例えば、前記ポリイミドは、先ず、芳香族多価カルボン酸無水物と芳香族ジアミン化合物との反応により、有機溶媒に可溶なポリイミド前駆体(ポリアミック酸、又はポリアミド酸)を合成し、このポリアミック酸の段階で様々な方法で成形加工を行い、その後ポリアミック酸を加熱又は化学的な方法で脱水反応させて環化(イミド化)することで合成される。芳香族系ポリイミドを得る反応を例にして、前記ポリイミドの合成方法の一例の概略を下記反応式(1)に示す。
ただし、前記反応式(1)中、Arは、少なくとも1つの芳香族基を有する4価の芳香族残基を表し、Arは、少なくとも1つの芳香族基を有する2価の芳香族残基を表す。
ここで、本発明において、前記芳香族多価カルボン酸であるテトラカルボン酸に由来する構造単位とは、イミド結合から窒素原子を除いた構造を有する下記一般式(1)で表される構造単位を意味する。前記ピロメリット酸に由来する構造単位についても同様である。
ただし、前記一般式(1)中、Arは、前記反応式(1)中のArと同じである。
また、前記芳香族ジアミン化合物に由来する構造単位とは、イミド結合から2つのカルボニル基を除いた下記一般式(2)で表される構造単位を意味する。前記ジアミノジフェニルエーテルに由来する構造単位についても同様である。
ただし、前記一般式(2)中、Arは、前記反応式(1)中のArと同じである。
例えば、前記芳香族多価カルボン酸無水物と前記芳香族ジアミン化合物とを略等モル用いて有機溶媒中で重合反応させることにより、ポリイミド前駆体(ポリアミック酸)を得ることができる。なお、この際に、前記ポリイミドを得るために、前記ピロメリット酸、及び前記ピロメリット酸二無水物の少なくともいずれかと、前記ジアミノジフェニルエーテルとが少なくとも用いられる。
前記ポリアミック酸を得るための重合反応に使用される有機溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、有機極性溶媒が好ましい。
前記有機極性溶媒としては、例えば、ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシド等のスルホキシド系溶媒;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド等のホルムアミド系溶媒;N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド等のアセトアミド系溶媒;N−メチル−2−ピロリドン、N−ビニル−2−ピロリドン等のピロリドン系溶媒;フェノール、o−、m−、又はp−クレゾール、キシレノール、ハロゲン化フェノール、カテコール等のフェノール系溶媒;テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジオキソラン等のエーテル系溶媒;メタノール、エタノール、ブタノール等のアルコール系溶媒;ブチルセロソルブ等のセロソルブ系溶媒;ヘキサメチルホスホルアミド、γ−ブチロラクトンなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドンが、溶解性が高く重合しやすい点で、好ましい。
前記ポリイミド前駆体の合成方法の一例を以下に示す。
まず、アルゴン、窒素などの不活性ガス雰囲気下において、前記ジアミノジフェニルエーテルを少なくとも含むジアミン化合物を前記有機溶媒に溶解するか、又はスラリー状に分散させる。この溶液に前記ピロメリット酸二無水物を少なくとも含む芳香族多価カルボン酸無水物、又はその誘導体を添加(固体状態のままでも、有機溶媒に溶解した溶液状態でも、スラリー状態でもよい)すると、発熱を伴って開環重付加反応が起こり、急速に溶液の粘度増大が見られ、高分子量のポリアミック酸(ポリイミド前駆体)溶液が得られる。
前記ポリイミド前駆体の合成における反応時間としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、30分間〜12時間程度が挙げられる。
前記ポリイミド前駆体の合成における反応温度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、−20℃〜100℃が好ましく、−20℃〜60℃がより好ましい。
上記は一例であり、反応における上記添加手順とは逆に、まず芳香族多価カルボン酸無水物又はその誘導体を有機溶媒に溶解又は分散させておき、この溶液中に前記芳香族ジアミン化合物を添加させてもよい。芳香族ジアミン化合物の添加は、固体状態のままでも、有機溶媒に溶解した溶液状態でも、スラリー状態でもよい。即ち、芳香族多価カルボン酸二無水物と、芳香族ジアミン化合物との混合順序は限定されない。更には、芳香族多価カルボン酸無水物としての芳香族テトラカルボン酸二無水物と芳香族ジアミン化合物とを同時に有機極性溶媒中に添加して反応させてもよい。
上記のようにして、芳香族多価カルボン酸無水物又はその誘導体と、芳香族ジアミン化合物とをおよそ等モル、有機極性溶媒中で重合反応することにより、ポリアミック酸が有機極性溶媒中に均一に溶解した状態でポリアミック酸(ポリイミド前駆体)溶液が得られる。
前記ポリアミック酸は、加熱する方法(1)、又は化学的方法(2)によってイミド化することができる。加熱する方法(1)は、前記ポリアミック酸を、例えば、200℃〜350℃に加熱処理することによってポリイミドに転化(イミド化)する方法であり、ポリイミド(ポリイミド樹脂)を得る簡便かつ実用的な方法である。一方、化学的方法(2)は、前記ポリアミック酸を脱水環化試薬(カルボン酸無水物と第3アミンの混合物など)により反応した後、加熱処理して完全にイミド化する方法であり、(1)の加熱する方法に比べると煩雑でコストのかかる方法であるため、通常(1)の方法が多く用いられている。
なお、ポリイミドの本来的な性能を発揮させるためには、相当するポリイミドのガラス転移温度以上に加熱して、イミド化を完結させることが好ましい。
−その他の成分−
前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、電気抵抗調整剤、分散助剤、補強剤、潤滑剤、熱伝導剤、酸化防止剤などが挙げられる。
−−電気抵抗調整剤−−
前記電気抵抗調整剤は、前記基材層中の電気抵抗を調整する充填剤(又は、添加剤)である。
前記電気抵抗調整剤としては、例えば、金属酸化物、カーボンブラック、イオン導電剤、導電性高分子材料などが挙げられる。
前記金属酸化物としては、例えば、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、酸化珪素などが挙げられる。また、分散性を良くするため、前記金属酸化物に予め表面処理を施したものも挙げられる。
前記カーボンブラックとしては、例えば、ケッチェンブラック、ファーネスブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、ガスブラックなどが挙げられる。
前記イオン導電剤としては、例えば、テトラアルキルアンモニウム塩、トリアルキルベンジルアンモニウム塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルサルフェート、グルセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレン脂肪アルコールエステル、アルキルベタイン、過塩素酸リチウムなどが挙げられる。
前記導電性高分子材料としては、例えば、ポリパラフェニレン、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリパラフェニレンビニレンなどが挙げられる。
前記電気抵抗調整剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記基材層における前記電気抵抗調整剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記電気抵抗調整剤が前記カーボンブラックの場合には、前記基材層に対して、10質量%〜25質量%が好ましく、15質量%〜20質量%がより好ましい。また、前記電気抵抗調整剤が前記金属酸化物の場合には、前記基材層に対して、1質量%〜50質量%が好ましく、10質量%〜30質量%がより好ましい。
前記含有量が、前記好ましい範囲の下限値未満であると、電気抵抗を調整する効果が十分に得られないことがあり、前記好ましい範囲の上限値を超えると、前記中間転写ベルトの機械強度が低下することがある。
前記基材層の平均厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、40μm〜120μmが好ましく、50μm〜80μmがより好ましい。前記平均厚みが、40μm未満であると、充分な強度が得られずに、形状安定性が低下することがある。また、反り量(例えば、金型を用いて製造した場合、金型と接触する面側に反る量)が少なく中間転写ベルト全体として反りやすくなる(例えば、基材層と弾性層との積層体において、弾性層側に反る)ことがある。前記平均厚みが、120μmを超えると、中間転写ベルトが反りやすくなってしまう(例えば、金型を用いて製造した場合、金型と接触する面側に反りやすくなる)だけではなく、中間転写ベルト走行時のローラーでの屈曲により割れやすくなり、耐久性に欠けてしまうことがある。
前記平均厚みは、任意に10点の厚みを測定した際の平均値である。なお、前記厚みは、例えば、アンリツ社のエレクトリックマイクロメーターにより測定することができる。
前記基材層の電気抵抗としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、表面抵抗値で1×10Ω/□〜1×1014Ω/□、体積抵抗値で1×10Ω・cm〜1×1013Ω・cmであることが好ましい。
前記基材層としては、無端の基材層が好ましい。
−基材層の形成方法−
前記基材層の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記ポリイミド前駆体溶液(ポリアミック酸溶液)に、必要に応じて、前記電気抵抗調整剤などの前記その他の成分を分散した塗工液を調製し、該塗工液を支持体に塗布した後、加熱などの処理をすることにより、層を形成するとともに、ポリイミド前駆体であるポリアミック酸からポリイミドへ転化(イミド化)を行うことにより形成する方法などが挙げられる。
前記支持体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、円筒状の金属金型などが挙げられる。
前記基材層の製造方法の一例を具体的に説明する。
円筒状の型、例えば、円筒状の金属金型をゆっくりと回転させながら、ポリイミド前駆体を含有する塗工液を、ノズル、ディスペンサーなどの液供給装置にて前記円筒状の型の外面全体に均一になるように塗布し流延(塗膜を形成)する。その後、回転速度を所定速度まで上げ、所定速度に達したら一定速度に維持し、所望の時間回転を継続する。そして、回転させつつ徐々に昇温させながら、80℃〜150℃の温度で塗膜中の溶媒を蒸発させていく。この過程では、雰囲気の蒸気(揮発した溶媒等)を効率よく循環して取り除くことが好ましい。自己支持性のある膜が形成されたところで金型ごと高温処理の可能な加熱炉(焼成炉)に移し、段階的に昇温し、最終的に250℃〜450℃程度で高温加熱処理(焼成)し、十分にポリイミド前駆体のイミド化を行う。
<弾性層>
前記弾性層は、少なくとも、弾性を有する材料を有してなり、更に必要に応じて、その他の成分を有する。
前記弾性層とは、25℃50%RH環境下でのマイクロゴム硬度が90°以下の層をいう。前記マイクロゴム硬度は、市販のマイクロゴム硬度計を使用することができ、例えば、高分子計器株式会社製のMD−1により測定することができる。
−弾性を有する材料−
前記弾性を有する材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、エラストマー、ゴムなどが挙げられる。
−−エラストマー−−
前記エラストマーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、熱可塑性エラストマー、熱硬化性エラストマーなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記熱可塑性エラストマーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリエステルエラストマー、ポリアミドエラストマー、ポリエーテルエラストマー、ポリウレタンエラストマー、ポリオレフィンエラストマー、ポリスチレンエラストマー、ポリアクリルエラストマー、ポリジエンエラストマー、シリコーン変性ポリカーボネートエラストマー、フッ素共重合体エラストマーなどが挙げられる。
前記熱硬化性エラストマーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリウレタンエラストマー、シリコーン変性エポキシエラストマー、シリコーン変性アクリルエラストマーなどが挙げられる。
−−ゴム−−
前記ゴムとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、イソプレンゴム、スチレンゴム、ブタジエンゴム、ニトリルゴム、エチレンプロピレンゴム、ブチルゴム、シリコーンゴム、クロロプレンゴム、アクリルゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、フッ素ゴム、ウレタンゴム、ヒドリンゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム、加硫ゴムなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、アクリロニトリルブタジエンゴム、加硫ゴムが、弾性層の表面に粒子を固定化する際に、硬化反応に寄与する官能基の効果により前記粒子との密着性、接着性に優れ、接着層などを設けずに確実に前記粒子を固定化することができる点で、好ましい。
−その他の成分−
前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、電気抵抗調整剤、難燃性を得るための難燃剤、酸化防止剤、補強剤、充填剤、加硫促進剤などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
−−電気抵抗調整剤−−
前記電気抵抗調整剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、カーボンブラック、金属酸化物などは柔軟性を損なうため、使用量を抑えることが好ましく、また、イオン導電剤、導電性高分子材料などを用いることが好ましい。
前記弾性層の平均厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、400μm〜1,500μmが好ましく、500μm〜1,000μmがより好ましい。前記弾性層の平均厚みが、400μm未満であると、転写媒体の表面性状への追従性、及び転写圧力低減効果が低くなることがあり、1,500μmを超えると、膜の重さが重くなりたわみやすく、走行性が不安定になること、及びベルトを張架させるためのローラ曲率部での屈曲により亀裂が発生しやすくなることがある。
また、前記中間転写ベルトが無端ベルトであって、そのベルト周長が1,000mm以上となるような中間転写ベルトの場合は、熱収縮量がより大きくなり更に外反りしやすくなることからも、前記弾性層の平均厚みは、1,500μm以下が好ましい。
前記平均厚みは、任意に10点の厚みを測定した際の平均値である。なお、前記厚みは、例えば、キーエンス社製の走査型電子顕微鏡VE−7800でベルト断面を観察することにより測定することができる。
前記弾性層の電気抵抗としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、表面抵抗値で1×10Ω/□〜1×1013Ω/□、体積抵抗値で1×10Ω・cm〜1×1013Ω・cmであることが好ましい。
−弾性層の表面−
前記弾性層の表面の形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、球形微粒子を面方向に配列させて形成される凹凸形状であることが、紙への転写性の点で好ましい。
−−球形微粒子−−
前記球形微粒子としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アクリル樹脂、メラミン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂などの樹脂、ゴムを主成分としてなる球形微粒子、これらの球形微粒子の表面を異種材料で表面処理を施してなる中空、多孔質の球形微粒子、ゴム系材料で作製された粒子の表面を硬い樹脂を用いてコートしてなる球形微粒子、重合の際に形状を制御することにより作製された球形のシリコーン樹脂粒子やフッ素樹脂粒子などが挙げられる。
これらの中でも、重合の際に形状を制御することにより作製された球形のシリコーン樹脂粒子やフッ素樹脂粒子が、滑性を有し、トナーに対しての離型性、耐磨耗性を付与できる機能が高い点で、好ましく、真球に近いものほどより好ましい。
ここで、球形微粒子とは、平均粒子径が100μm以下で真球状の形状をしており、有機溶剤に不溶で3%熱分解温度が200℃以上である微粒子のことをいう。
前記球形微粒子としては、特に制限はなく、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。前記市販品としては、シリコーン粒子(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製、商品名「トスパール120」、商品名「トスパール145」、商品名「トスパール2000B」)、アクリル粒子(積水化成品工業社製、商品名「テクポリマーMBX−SS」)などが挙げられる。
前記球形微粒子の配列の形態としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、弾性層の厚み方向に単一層で形成される形態、厚み方向に複数の球形微粒子を含むような形態などが挙げられる。
これらの中でも、弾性層の厚み方向に単一層で形成される形態が、前記弾性層の上に粉体をそのまま直接塗布して、ならすことにより容易に均一に整列させることができ、安定した高品質画像を維持することができる点で、好ましい。
一方、前記厚み方向に複数の球形微粒子を含むような形態は、球形微粒子の分布がムラになり、球形微粒子の有する電気抵抗値の影響により、ベルト表面の電気特性が不均一となり画像乱れを生じることがある。具体的には、球形微粒子が多く存在する部分での電気抵抗値が高くなり、ここに残留電荷による表面電位が発生し、ベルト表面において表面電位のばらつきが発生し、隣接した部分での画像濃度に差が生じる等による画像乱れが顕在化することがある。
前記球形微粒子の体積平均粒径としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.1μm〜10.0μmが好ましく、0.3μm〜3.0μmがより好ましい。また、分布がシャープな単分散であることが好ましい。
−−凹凸形状を有する弾性層の形成方法−−
前記凹凸形状を有する弾性層の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、図3に示すように、粉体供給装置35と押し当て部材33を設置し、回転させながら粉体供給装置35から球形微粒子34を表面に均一にまぶし、表面にまぶされた球形微粒子34を押し当て部材33により一定圧力にて押し当てることにより、金属ドラム31上に形成された基材層及び弾性層を積層したベルト32の弾性層へ球形微粒子34を埋設させて、余剰な球形微粒子34を取り除き、弾性層の表面に均一な凹凸形状を形成した後、回転させながら所定温度、所定時間で加熱することにより、硬化させる方法が挙げられる。
前記凹凸形状を有する弾性層の形成に用いられる球形微粒子として、単分散の球形微粒子を用いると、前記押し当て部材での、ならし工程のみで、均一な粒子層を形成することができる。
−弾性層の形成方法−
前記弾性層の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、射出成形、押し出し成形などにより前記基材層上に弾性層を形成する方法、弾性層を形成する材料を含有する塗工液を前記基材層上に塗布し、弾性層を形成する方法などが挙げられる。
前記弾性層の形成方法の一例を具体的に説明する。
円筒状の金属金型を嵌め込んだ無端の前記基材層をゆっくりと回転させながら、弾性層を形成する材料を含有する塗工液を、ノズル、ディスペンサーなどの液供給装置にて円筒の外面全体に均一になるように塗布し流延(塗膜を形成)する。その後、回転速度を所定速度まで上げ、所望の時所定速度に達したら一定速度に維持し、回転を継続し、十分にレベリングすることにより、弾性層を形成する。なお回転中には、必要に応じて、加熱を行ってもよい。
<その他の層>
前記の他の層としては、例えば、離型層などが挙げられる。
−離型層−
前記離型層は、トナーとの離型性、クリーニング性を高めるために、必要に応じて形成される。
前記離型層は、例えば、前記弾性層上に、樹脂によるコーティング処理などのより形成される。
前記中間転写ベルトのマイクロゴム硬度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、凹凸紙への追従性、ベルト変形性の点から、60°以下が好ましく、50°以下がより好ましい。
前記マイクロゴム硬度は、例えば、マイクロゴム硬度計(高分子計器株式会社製、MD−1)により測定することができる。
前記中間転写ベルトの反り量は、反り量の絶対値として、1.5mm以下であり、1.0mm以下が好ましく、0.9mm以下がより好ましい。
前記中間転写ベルトの反り量は、10cm角に切り出したサンプルを用い、25℃50RH環境下で24時間放置後、最も反りの大きい箇所を測定することにより求めることができる。なお、外反り(基材層と弾性層との積層体における弾性層側への反り)をプラス、内反り(基材層と弾性層との積層体における基材層側への反り)をマイナスとする。
前記中間転写ベルトは、無端ベルト、即ちシームレスベルトであることが好ましい。前記中間転写ベルトが無端ベルトの場合の前記中間転写ベルトの周長としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1,000mm以上が好ましく、1,100mm〜3,000mmがより好ましい。前記中間転写ベルトは、ベルトの反りが少ないことから、ベルトの反りが発生し易い周長が長い無端ベルトに用いた場合でも、本発明の効果を充分に発揮できる。周長が長い(例えば、1,000mm以上)無端ベルトは、例えば、印刷枚数の高速化に伴う大型の画像形成装置に好適に適用できる。前記大型の画像形成装置は、近年求められている画像形成装置である。
<中間転写ベルトの製造方法>
前記中間転写ベルトの製造方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、円筒状の金属金型上に、基材層を形成し、前記基材層の上に弾性層を積層する方法などが挙げられる。
前記基材層の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記基材層の説明において例示した方法などが挙げられる。
前記弾性層の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記弾性層の説明において例示した方法などが挙げられる。
前記金属金型は、充分に冷却後、脱離することができる。
(画像形成装置)
本発明の画像形成装置は、潜像が形成され、トナー像を担持可能な像担持体と、該像担持体上に形成された潜像をトナーで現像する現像手段と、該現像手段により現像されたトナー像が1次転写される中間転写ベルトと、該中間転写ベルト上に担持されたトナー像を記録媒体に2次転写する転写手段とを有してなり、更に必要に応じて適宜選択したその他の手段、例えば、除電手段、クリーニング手段、リサイクル手段、制御手段等を有してなる。
この場合、前記画像形成装置がフルカラー画像形成装置であって、各色の現像手段を有
する複数の像担持体を直列に配置してなるものが好ましい。
本発明における画像形成装置に装備されるベルト構成部に用いられる中間転写ベルトについて、要部模式図を参照しながら以下に詳しく説明する。なお、模式図は一例であって本発明はこれに限定されるものではない。
図1に、本発明に好適に用いられる中間転写ベルトの層構成の一例を示す。
図1に示す層構成は、比較的屈曲性が得られる剛性な基材層1の上に柔軟な弾性層2が積層されており、更に球形微粒子3が弾性層2上に一部埋め込まれ、弾性層2に凹凸形状を形成した構成である。
また、図2に、本発明に好適に用いられる中間転写ベルトの表面構造の一例を示す。
前記弾性層の表面形状は、弾性層2上に、球形微粒子3を面方向に単層に配列させて形成された凹凸形状である。
図4は、本発明の中間転写ベルトをベルト部材として装備する本発明の画像形成装置の一例(カラー複写機)を説明するための要部模式図である。図4に示すベルト部材を含む中間転写ユニット500は、複数のローラに張架された中間転写ベルトである中間転写ベルト501などにより構成されている。この中間転写ベルト501の周りには、2次転写ユニット600の2次転写電荷付与手段である2次転写バイアスローラ605、中間転写ベルトクリーニング手段であるベルトクリーニングブレード504、潤滑剤塗布手段の潤滑剤塗布部材である潤滑剤塗布ブラシ505などが対向するように配設されている。
また、位置検知用マークが中間転写ベルト501の外周面、又は内周面に図示しない位置検知用マークが設けられる。ただし、中間転写ベルト501の外周面側については位置検知用マークがベルトクリーニングブレード504の通過域を避けて設ける工夫が必要であり、配置上の困難さを伴うことがあるので、その場合には位置検知用マークを中間転写ベルト501の内周面側に設けてもよい。マーク検知用センサとしての光学センサ514は、中間転写ベルト501が架け渡されている1次転写バイアスローラ507とベルト駆動ローラ508との間の位置に設けられる。
この中間転写ベルト501は、1次転写電荷付与手段である1次転写バイアスローラ507、ベルト駆動ローラ508、ベルトテンションローラ509、2次転写対向ローラ510、クリーニング対向ローラ511、及びフィードバック電流検知ローラ512に張架されている。各ローラは導電性材料で形成され、1次転写バイアスローラ507以外の各ローラは接地されている。1次転写バイアスローラ507には、定電流、又は定電圧制御された1次転写電源801により、トナー像の重ね合わせ数に応じて所定の大きさの電流、又は電圧に制御された転写バイアスが印加されている。
中間転写ベルト501は、図示しない駆動モータによって矢印方向に回転駆動されるベルト駆動ローラ508により、矢印方向に駆動される。このベルト部材である中間転写ベルト501は、通常、半導体、又は絶縁体で、単層、又は多層構造となっているが、本発明においてはシームレスベルトが好ましく用いられ、これによって耐久性が向上すると共に、優れた画像形成が実現できる。また、中間転写ベルトは、像担持体である感光体ドラム200上に形成されたトナー像を重ね合わせるために、通紙可能最大サイズより大きく設定されている。
2次転写手段である2次転写バイアスローラ605は、2次転写対向ローラ510に張架された部分の中間転写ベルト501のベルト外周面に対して、後述する接離手段としての接離機構によって、接離可能に構成されている。2次転写バイアスローラ605は、2次転写対向ローラ510に張架された部分の中間転写ベルト501との間に被記録媒体である転写紙Pを挟持するように配設されており、定電流制御される2次転写電源802によって所定電流の転写バイアスが印加されている。
レジストローラ610は、2次転写バイアスローラ605と2次転写対向ローラ510に張架された中間転写ベルト501との間に、所定のタイミングで転写材である転写紙Pを送り込む。また、2次転写バイアスローラ605には、クリーニング手段であるクリーニングブレード608が当接している。該クリーニングブレード608は、2次転写バイアスローラ605の表面に付着した付着物を除去してクリーニングするものである。
このような構成のカラー複写機において、画像形成サイクルが開始されると、感光体ドラム200は、図示しない駆動モータによって矢印で示す半時計方向に回転され、該感光体ドラム200上に、BK(ブラック)トナー像形成、C(シアン)トナー像形成、M(マゼンタ)トナー像形成、Y(イエロー)トナー像形成が行われる。中間転写ベルト501はベルト駆動ローラ508によって矢印で示す時計回りに回転される。この中間転写ベルト501の回転に伴って、1次転写バイアスローラ507に印加される電圧による転写バイアスにより、BKトナー像、Cトナー像、Mトナー像、Yトナー像の1次転写が行われ、最終的にBK、C、M、Yの順に中間転写ベルト501上に各トナー像が重ね合わせて形成される。
例えば、上記BKトナー像形成は次のように行われる。図4において、帯電チャージャ203は、コロナ放電によって感光体ドラム200の表面を負電荷で所定電位に一様に帯電する。上記ベルトマーク検知信号に基づき、タイミングを定め、図示しない書き込み光学ユニットにより、BKカラー画像信号に基づいてレーザ光によるラスタ露光を行う。このラスタ像が露光されたとき、当初一様帯電された感光体ドラム200の表面の露光された部分は、露光光量に比例する電荷が消失し、BK静電潜像が形成される。このBK静電潜像に、BK現像器231BKの現像ローラ上の負帯電されたBKトナーが接触することにより、感光体ドラム200の電荷が残っている部分にはトナーが付着せず、電荷の無い部分つまり露光された部分にはトナーが吸着し、静電潜像と相似なBKトナー像が形成される。
このようにして感光体ドラム200上に形成されたBKトナー像は、感光体ドラム200と接触状態で等速駆動回転している中間転写ベルト501のベルト外周面に1次転写される。この1次転写後の感光体ドラム200の表面に残留している若干の未転写の残留トナーは、感光体ドラム200の再使用に備えて、感光体クリーニング装置201で清掃される。この感光体ドラム200側では、BK画像形成工程の次にC画像形成工程に進み、所定のタイミングでカラースキャナによるC画像データの読み取りが始まり、そのC画像データによるレーザ光書き込みによって、感光体ドラム200の表面にC静電潜像を形成する。
そして、先のBK静電潜像の後端部が通過した後で、且つC静電潜像の先端部が到達する前にリボルバ現像ユニット230の回転動作が行われ、C現像器231Cが現像位置にセットされ、C静電潜像がCトナーで現像される。以後、C静電潜像領域の現像を続けるが、C静電潜像の後端部が通過した時点で、先のBK現像器231BKの場合と同様にリボルバ現像ユニットの回転動作を行い、次のM現像器231Mを現像位置に移動させる。これもやはり次のY静電潜像の先端部が現像位置に到達する前に完了させる。なお、M現像器231Mを用いたM、及びY現像器231Yを用いたYの画像形成工程については、それぞれのカラー画像データ読み取り、静電潜像形成、現像の動作が上述のBK、Cの工程と同様であるので説明は省略する。
このようにして感光体ドラム200上に順次形成されたBK、C、M、Yのトナー像は、中間転写ベルト501上の同一面に順次位置合わせされて1次転写される。これにより、中間転写ベルト501上に最大で4色が重ね合わされたトナー像が形成される。一方、上記画像形成動作が開始される時期に、転写紙Pが転写紙カセット又は手差しトレイなどの給紙部から給送され、レジストローラ610のニップで待機している。そして、2次転写対向ローラ510に張架された中間転写ベルト501と2次転写バイアスローラ605によりニップが形成された2次転写部に、上記中間転写ベルト501上のトナー像の先端がさしかかるときに、転写紙Pの先端がこのトナー像の先端に一致するように、レジストローラ610が駆動されて、転写紙ガイド板601に沿って転写紙Pが搬送され、転写紙Pとトナー像とのレジスト合わせが行われる。
このようにして、転写紙Pが2次転写部を通過すると、2次転写電源802によって2次転写バイアスローラ605に印加された電圧による転写バイアスにより、中間転写ベルト501上の4色重ねトナー像が転写紙P上に一括転写(2次転写)される。この転写紙Pは、転写紙ガイド板601に沿って搬送されて、2次転写部の下流側に配置した除電針からなる転写紙除電チャージャ606との対向部を通過することにより除電された後、ベルト構成部であるベルト搬送装置210により定着装置270に向けて送られる(図4参照)。そして、この転写紙Pは、定着装置270の定着ローラ271、272のニップ部でトナー像が溶融定着された後、図示しない排出ローラで装置本体外に送り出され、図示しないコピートレイに表向きにスタックされる。なお、定着装置270は必要によりベルト構成部を備えた構成とすることもできる。
一方、上記ベルト転写後の感光体ドラム200の表面は、感光体クリーニング装置201でクリーニングされ、上記除電ランプ202で均一に除電される。また、転写紙Pにトナー像を2次転写した後の中間転写ベルト501のベルト外周面に残留した残留トナーは、ベルトクリーニングブレード504によってクリーニングされる。該ベルトクリーニングブレード504は、図示しないクリーニング部材離接機構によって、該中間転写ベルト501のベルト外周面に対して所定のタイミングで接離されるように構成されている。
このベルトクリーニングブレード504の上記中間転写ベルト501の移動方向上流側には、該中間転写ベルト501のベルト外周面に対して接離するトナーシール部材502が設けられている。このトナーシール部材502は、上記残留トナーのクリーニング時に上記ベルトクリーニングブレード504から落下した落下トナーを受け止めて、該落下トナーが上記転写紙Pの搬送経路上に飛散するのを防止している。このトナーシール部材502は、上記クリーニング部材離接機構によって、上記ベルトクリーニングブレード504とともに、該中間転写ベルト501のベルト外周面に対して接離される。
このようにして残留トナーが除去された中間転写ベルト501のベルト外周面には、上記潤滑剤塗布ブラシ505により削り取られた潤滑剤506が塗布される。該潤滑剤506は、例えば、ステアリン酸亜鉛などの固形体からなり、該潤滑剤塗布ブラシ505に接触するように配設されている。また、この中間転写ベルト501のベルト外周面に残留した残留電荷は、該中間転写ベルト501のベルト外周面に接触した図示しないベルト除電ブラシにより印加される除電バイアスによって除去される。ここで、上記潤滑剤塗布ブラシ505及び上記ベルト除電ブラシは、それぞれの図示しない接離機構により、所定のタイミングで、上記中間転写ベルト501のベルト外周面に対して接離されるようになっている。
ここで、リピートコピーの時は、カラースキャナの動作及び感光体ドラム200への画像形成は、1枚目の4色目(Y)の画像形成工程に引き続き、所定のタイミングで2枚目の1色目(BK)の画像形成工程に進む。また、中間転写ベルト501は、1枚目の4色重ねトナー像の転写紙への一括転写工程に引き続き、ベルト外周面の上記ベルトクリーニングブレード504でクリーニングされた領域に、2枚目のBKトナー像が1次転写されるようにする。その後は、1枚目と同様動作になる。以上は、4色フルカラーコピーを得るコピーモードであったが、3色コピーモード、2色コピーモードの場合は、指定された色と回数の分について、上記同様の動作を行うことになる。また、単色コピーモードの場合は、所定枚数が終了するまでの間、リボルバ現像ユニット230の所定色の現像器のみを現像動作状態にし、ベルトクリーニングブレード504を中間転写ベルト501に接触させたままの状態にしてコピー動作を行う。
なお、図4において各符号、Lは露光手段、70は除電ローラ、80はアースローラ、204は電位センサ、205はトナー画像濃度センサ、503は帯電チャージャ、513はトナー画像をそれぞれ示す。
上記実施形態では、感光体ドラム1を一つだけ備えた複写機について説明したが、本発明は、例えば、図5の要部模式図に一構成例を示すような、複数の感光体ドラムをシームレスベルトからなる一つの中間転写ベルトに沿って並設した画像形成装置にも適用できる。図5は、4つの異なる色(ブラック、イエロー、マゼンタ、シアン)のトナー像を形成するための4つの感光体ドラム21BK、21Y、21M、21Cを備えた4ドラム型のデジタルカラープリンタの一構成例を示す。
図5において、プリンタ本体10は電子写真方式によるカラー画像形成を行うための、画像書込部12、画像形成部13、給紙部14から構成されている。画像信号を元に画像処理部で画像処理して画像形成用のブラック(BK)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、シアン(C)の各色信号に変換し、画像書込部12に送信する。画像書込部12は、例えば、レーザ光源と、回転多面鏡等の偏向器と、走査結像光学系、及びミラー群、からなるレーザ走査光学系であり、上記の各色信号に対応した4つの書込光路を有し、画像形成部13の各色毎に設けられた像担持体(感光体)21BK、21M、21Y、21Cに各色信号に応じた画像書込を行う。
画像形成部13はブラック(BK)用、マゼンタ(M)用、イエロー(Y)用、シアン(C)用の各像担持体である感光体21BK、21M、21Y、21Cを備えている。この各色用の各感光体としては、通常OPC感光体が用いられる。各感光体21BK、21M、21Y、21Cの周囲には、帯電装置、上記画像書込部12からのレーザ光の露光部、ブラック、マゼンタ、イエロー、シアンの各色用の現像装置20BK、20M、20Y、20C、1次転写手段としての1次転写バイアスローラ23BK、23M、23Y、23C、クリーニング装置(表示略)、及び図示しない感光体除電装置等が配設されている。なお、上記現像装置20BK、20M、20Y、20Cには、2成分磁気ブラシ現像方式を用いている。ベルト構成部である中間転写ベルト22は、各感光体21BK、21M、21Y、21Cと、各1次転写バイアスローラ23BK、23M、23Y、23Cとの間に介在し、各感光体上に形成された各色のトナー像が順次重ね合わせて転写される。
一方、転写紙Pは、給紙部14から給紙された後、レジストローラ16を介して、ベルト構成部である転写搬送ベルト50に担持される。そして、中間転写ベルト22と転写搬送ベルト50とが接触するところで、上記中間転写ベルト22上に転写されたトナー像が、2次転写手段としての2次転写バイアスローラ60により2次転写(一括転写)される。これにより、転写紙P上にカラー画像が形成される。このカラー画像が形成された転写紙Pは、転写搬送ベルト50により定着装置15に搬送され、この定着装置15により転写された画像が定着された後、プリンタ本体外に排出される。
なお、上記2次転写時に転写されずに上記中間転写ベルト22上に残った残留トナーは、ベルトクリーニング部材25によって中間転写ベルト22から除去される。このベルトクリーニング部材25の下流側には、潤滑剤塗布装置27が配設されている。この潤滑剤塗布装置27は、固形潤滑剤と、中間転写ベルト22に摺擦して固形潤滑剤を塗布する導電性ブラシとで構成されている。前記導電性ブラシは、中間転写ベルト22に常時接触して、中間転写ベルト22に固形潤滑剤を塗布している。固形潤滑剤は、中間転写ベルト22のクリーニング性を高め、フィルミィングの発生を防止し耐久性を向上させる作用がある。
なお、図5において、符号26はベルト従動ローラ、符号40はバイアスローラをそれぞれ示す。
次に、実施例及び比較例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるものではない。
なお、以下の実施例において、実施例1〜7、及び実施例9〜12は、それぞれ参考例1〜7、及び参考例9〜12と読み替える。
(粘度)
ポリイミド前駆体溶液の粘度は、HAAKE社製のRheoStress600を用いて測定した。具体的には、直径35mmチタン製コーンセンサー(角度1°)を使い、25℃で、1rpmで60秒間回転させた後の粘度を測定した。
実施例における中間転写ベルトの反り量及びマイクロゴム硬度は以下の方法により測定した。
(中間転写ベルトの反り量)
中間転写ベルトの反り量は、10cm角に切り出したサンプルを用い、最も反りの大きい箇所を測定した。なお、外反り(基材層と弾性層との積層体における弾性層側への反り)をプラス、内反り(基材層と弾性層との積層体における基材層側への反り)をマイナスとした。
(マイクロゴム硬度)
マイクロゴム硬度は、マイクロゴム硬度計(高分子計器株式会社製、MD−1)を使用して、25℃50%RH環境下で測定した。
(実施例1)
<シームレスベルトAの作製>
<<ポリイミド前駆体溶液Aの調製>>
ピロメリット酸二無水物(PMDA)と4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(DDE)とをモル比(PMDA:DDE)=1.0:1.0で、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)中で重合して固形分18質量%のポリイミド前駆体溶液Aを調製した。
固形分18質量%のポリイミド前駆体溶液A(NMP溶液)の粘度は、6.2Pa・sであった。
<<カーボンブラック分散液A、及び基材層用塗工液Aの調製>>
エボニックデグサ社製のSpecial Black 4と上記ポリイミド前駆体溶液AとNMPとを、Special Black 4:ポリイミド前駆体溶液A:NMP(質量比)=12:13:75で混合した溶液をφ(直径)1mmジルコニア製メディアのボールミルにて12時間分散し、カーボンブラック分散液Aを調製した。
その後、上記カーボンブラック分散液Aとポリイミド前駆体溶液Aをカーボンブラックが固形分に対して17.5質量%となるように混合して充分に攪拌、脱泡して基材層用塗工液Aを調製した。
<<ポリイミド基材層ベルトAの作製>>
次に、外面をブラスト処理にて粗面化した外径375mm、周長1,178mm、長さ360mmの金属製円筒を型として用い、この円筒型を50rpm(回/分間)で回転させながら、上記基材層用塗工液Aを該円筒外面に均一に流延するようにディスペンサーにて塗布した。所定の全量を流し終えて塗膜が均一に広がった時点で、回転数を100rpmに上げ、熱風循環乾燥機に導入して、120℃まで徐々に昇温して120℃で60分間加熱した。更に昇温して200℃で20分間加熱し、回転を停止、徐冷して成形膜が形成された円筒型を取り出し、これを高温処理の可能な加熱炉(焼成炉)に導入し、段階的に320℃まで昇温して320℃で60分間加熱処理(焼成)し、平均厚み60μmのポリイミド基材層ベルトAを得た。
<<弾性層用塗工液>>
下記に示す各構成材料を混合し、2軸混練機を用いて十分に混練し、溶剤に溶解させて弾性層用塗工液を作製した。
・アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR) Nipol DN003(日本ゼオン社製) 100質量部
・カーボンブラック MA77(三菱化学社製) 4質量部
・酸化亜鉛 Pazet CK(ハクスイテック社製) 3質量部
・硫黄 Sulfax PS(鶴見化学工業社製) 1質量部
・2−ヘプタノン(協和発酵ケミカル社製 ※溶解用) 200質量部
<<シームレスベルトAの作製>>
上記弾性層用塗工液を、ディスペンサーを用い、金型(前記金属製円筒)を回転させながらポリイミド基材層ベルトA上に均一に流延して塗布した。塗布量としては、弾性層の最終的な平均厚みが500μmになるような液量の条件とした。その後、金型をそのまま回転しながら熱風循環乾燥機に投入して、昇温速度4℃/分間で90℃まで昇温して、90℃で30分間加熱した。続いて、昇温速度4℃/分間で150℃まで昇温して、150℃で60分間加熱処理し、シームレスベルトAを得た。
得られたシームレスベルトAの反り量は、プラス0.58mm、マイクロゴム硬度は、43°であった。
なお、弾性層(平均厚みが500μm)単独のマイクロゴム硬度は、32°であった。
<評価>
得られたシームレスベルトAを図4の画像形成装置に搭載し、以下の評価を実施した。
<<初期画像評価>>
転写紙として、表面に凹凸を施してある紙(レザック66、175kg紙)を用い、これに青色のベタ画像を出力する操作を実施した。出力後のベタ画像を観察し以下の評価基準により評価した。結果を表1に示す。
○:ベタ濃度が均一
△:紙の凹部の濃度がやや薄いが使用可能レベル
×:紙の凹部の濃度が薄すぎて使用不可
<<耐久性評価>>
テストチャートを連続1万枚出力した後、連量215kgレザック紙に全面シアン単色のハーフトーン画像を出力した。この連続出力中(ハーフトーン画像の出力中)にベルト反りによる紙詰まり及び端部と中央部の濃度ムラを確認し、下記評価基準により評価した。結果を表1に示す。
〔紙詰まり〕
○:ベルト反りによる紙詰まりが1度も起こらなかった。
×:ベルト反りによる紙詰まりが少なくとも1度起こった。
〔濃度ムラ〕
○:端部と中央部の濃度ムラが起こらなかった。
×:端部と中央部の濃度ムラが起こった。
(実施例2)
<シームレスベルトBの作製>
<<ポリイミド前駆体溶液Bの調製>>
4,4’−オキシジフタル酸二無水物(ODPA)とピロメリット酸二無水物(PMDA)と4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(DDE)とをモル比(ODPA:PMDA:DDE)=0.8:0.2:1.0で、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)中で重合して固形分18質量%のポリイミド前駆体溶液Bを調製した。
固形分18質量%のポリイミド前駆体溶液B(NMP溶液)の粘度は、24.5Pa・sであった。
<<シームレスベルトBの作製>>
実施例1において、ポリイミド前駆体溶液Aをポリイミド前駆体溶液Bに代えた以外は、実施例1と同様にして、シームレスベルトBを得た。
得られたシームレスベルトBの反り量は、プラス0.47mm、マイクロゴム硬度は、42°であった。
実施例1と同様の評価に供した。結果を表1に示す。
(実施例3)
<シームレスベルトCの作製>
<<ポリイミド前駆体溶液Cの調製>>
3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)とピロメリット酸二無水物(PMDA)と4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(DDE)とをモル比(BPDA:PMDA:DDE)=0.7:0.3:1.0で、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)中で重合して固形分18質量%のポリイミド前駆体溶液Cを調製した。
固形分18質量%のポリイミド前駆体溶液C(NMP溶液)の粘度は、15.4Pa・sであった。
<<シームレスベルトCの作製>>
実施例1において、ポリイミド前駆体溶液Aをポリイミド前駆体溶液Cに代えた以外は、実施例1と同様にして、シームレスベルトCを得た。
得られたシームレスベルトCの反り量は、プラス0.38mm、マイクロゴム硬度は、43°であった。
実施例1と同様の評価に供した。結果を表1に示す。
(実施例4)
<シームレスベルトDの作製>
実施例1において、ポリイミド基材層ベルトの平均厚みを130μmに変えた以外は、実施例1と同様にして、シームレスベルトDを作製した。
得られたシームレスベルトDの反り量は、マイナス0.82mm、マイクロゴム硬度は、43°であった。
実施例1と同様の評価に供した。結果を表1に示す。
(実施例5)
<シームレスベルトEの作製>
実施例1において、弾性層の平均厚みを1,500μmに変えた以外は、実施例1と同様にして、シームレスベルトEを作製した。
得られたシームレスベルトEの反り量は、プラス0.94mm、マイクロゴム硬度は、25°であった。
実施例1と同様の評価に供した。結果を表1に示す。
(実施例6)
<シームレスベルトFの作製>
実施例1において、ポリイミド基材層ベルトの平均厚みを35μmに変えた以外は、実施例1と同様にして、シームレスベルトFを作製した。
得られたシームレスベルトFの反り量は、プラス0.97mm、マイクロゴム硬度は、43°であった。
実施例1と同様の評価に供した。結果を表1に示す。
(実施例7)
<シームレスベルトGの作製>
実施例1において、弾性層の平均厚みを190μmに変えた以外は、実施例1と同様にして、シームレスベルトGを作製した。
得られたシームレスベルトGの反り量は、マイナス0.91mm、マイクロゴム硬度は、62°であった。
実施例1と同様の評価に供した。結果を表1に示す。
(比較例1)
<シームレスベルトHの作製>
<<ポリイミド前駆体溶液Hの調製>>
3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)とp−フェニレンジアミン(PDA)とをモル比(BPDA:PDA)=1.0:1.0で、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)中で重合して固形分18質量%のポリイミド前駆体溶液Hを調製した。
固形分18質量%のポリイミド前駆体溶液H(NMP溶液)の粘度は、6.1Pa・sであった。
<<シームレスベルトHの作製>>
実施例1において、ポリイミド前駆体溶液Aをポリイミド前駆体溶液Hに代えた以外は、実施例1と同様にして、シームレスベルトHを作製した。
得られたシームレスベルトHの反り量は、プラス3.11mm、マイクロゴム硬度は、42°であった。
実施例1と同様の評価に供した。結果を表1に示す。
(比較例2)
<シームレスベルトIの作製>
<<ポリイミド前駆体溶液Iの調製>>
3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)と4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(DDE)とp−フェニレンジアミン(PDA)とをモル比(BPDA:DDE:PDA)=1.0:0.5:0.5で、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)中で重合して固形分18質量%のポリイミド前駆体溶液Iを調製した。
固形分18質量%のポリイミド前駆体溶液I(NMP溶液)の粘度は、6.5Pa・sであった。
<<シームレスベルトIの作製>>
実施例1において、ポリイミド前駆体溶液Aをポリイミド前駆体溶液Iに代えた以外は、実施例1と同様にして、シームレスベルトIを作製した。
得られたシームレスベルトIの反り量は、プラス3.87mm、マイクロゴム硬度は、42°であった。
実施例1と同様の評価に供した。結果を表1に示す。
(実施例8)
<シームレスベルトJの作製>
実施例1で調製したポリイミド基材層ベルトAに、実施例1で調製した弾性層用塗工液を外面に均一にディスペンサーを用いて金型を回転させながら流延して塗布した。塗布量としては弾性層の最終的な膜厚が500μmになるような液量の条件とした。その後、金型をそのまま回転しながら熱風循環乾燥機に投入して、昇温速度4℃/分間で90℃まで昇温して30分間加熱した。その後乾燥機から取り出し室温まで冷却後、シリコーン球形粒子「トスパール120」(体積平均粒子径2.0μm品;モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製)を均一に表面にまぶし、図3の装置を用いてポリウレタンゴムブレードの押し付け部材を押し当てて弾性層に固定化した。その後150℃で60分間加熱処理をし、弾性層上に球形微粒子を面方向に配列させて凹凸形状を形成させた粒子層を形成して、シームレスベルトJを得た。
得られたシームレスベルトJの反り量は、プラス0.55mm、マイクロゴム硬度は、44°であった。
実施例1と同様の評価に供した。結果を表1に示す。
(比較例3)
<シームレスベルトKの作製>
実施例1において、弾性層の平均厚みを2,200μmに変えた以外は、実施例1と同様にして、シームレスベルトKを作製した。
得られたシームレスベルトKの反り量は、プラス1.74mm、マイクロゴム硬度は、21°であった。実施例1と同様の評価に供した。結果を表1に示す。
(実施例9)
実施例1において、弾性層用塗工液を以下の弾性層用塗工液に代えた以外は、実施例1と同様にして、シームレスベルトLを得た。
<<弾性層用塗工液>>
・アクリルゴム(日本ゼオン社製、NipolAR12) 100質量部
・ステアリン酸(日油社製、ビーズステアリン酸つばき) 1質量部
・赤リン(燐化学工業社製、ノーバエクセル140F) 10質量部
・水酸化アルミニウム(昭和電工社製、ハイジライトH42M) 50質量部
・架橋剤(デュポン ダウ エラストマー ジャパン社製、Diak.No1(ヘキサメチレンジアミンカーバメイト)) 0.6質量部
・架橋促進剤(Safic alcan社製、VULCOFAC ACT55(70質量%1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7と二塩基酸との塩、30%質量アモルファスシリカ)) 0.6質量部
・ニトリルゴム(アクリロニトリルとブタジエンとのゴム状共重合体)(日本ゼオン社製、Nipol 1042) 10質量部
・硫黄(鶴見化学工業社製、200mesh硫黄) 0.1質量部
・酸化亜鉛(正同化学工業社製、亜鉛華2種) 0.3質量部
・加硫促進剤(大内新興化学工業社製、ノクセラーCZ) 0.1質量部
・導電剤(日本カーリット社製、QAP−01(過塩素酸テトラブチルアンモニウム)) 0.3質量部
得られたシームレスベルトLの反り量は、プラス1.36mm、マイクロゴム硬度は、43°であった。実施例1と同様の評価に供した。結果を表1に示す。
なお、弾性層(平均厚みが500μm)単独のマイクロゴム硬度は、33°であった。
(実施例10)
実施例1のポリイミド前駆体溶液の調製において、ジアミンとしての4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(DDE)を3,4’−ジアミノジフェニルエーテルに代えた以外は、実施例1と同様にして、固形分18質量%のポリイミド前駆体溶液Mを調製した。
固形分18質量%のポリイミド前駆体溶液M(NMP溶液)の粘度は、6.9Pa・sであった。
実施例1において、ポリイミド前駆体溶液Aをポリイミド前駆体溶液Mに代えた以外は、実施例1と同様にして、シームレスベルトMを得た。
得られたシームレスベルトMの反り量は、プラス0.77mm、マイクロゴム硬度は、43°であった。実施例1と同様の評価に供した。結果を表1に示す。
(実施例11)
実施例1のポリイミド前駆体溶液の調製において、ジアミンとしての4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(DDE)を4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(DDE)とm−フェニレンジアミン(m−PDA)とに代え、PMDA:DDE:m−PDAをモル比で1.0:0.6:0.4に変えた以外は、実施例1と同様にして、固形分18質量%のポリイミド前駆体溶液Nを調製した。
固形分18質量%のポリイミド前駆体溶液N(NMP溶液)の粘度は、12.4Pa・sであった。
実施例1において、ポリイミド前駆体溶液Aをポリイミド前駆体溶液Nに代えた以外は、実施例1と同様にして、シームレスベルトNを得た。
得られたシームレスベルトNの反り量は、プラス0.88mm、マイクロゴム硬度は、43°であった。実施例1と同様の評価に供した。結果を表1に示す。
(実施例12)
<シームレスベルトOの作製>
<<ポリイミド前駆体溶液Oの調製>>
3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)とピロメリット酸二無水物(PMDA)と4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(DDE)とをモル比(BPDA:PMDA:DDE)=0.3:0.7:1.0で、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)中で重合して固形分18質量%のポリイミド前駆体溶液Oを調製した。
固形分18質量%のポリイミド前駆体溶液O(NMP溶液)の粘度は、16.2Pa・sであった。
<<シームレスベルトOの作製>>
実施例1において、ポリイミド前駆体溶液Aをポリイミド前駆体溶液Oに代えた以外は、実施例1と同様にして、シームレスベルトOを得た。
得られたシームレスベルトOの反り量は、プラス0.29mm、マイクロゴム硬度は、43°であった。
実施例1と同様の評価に供した。結果を表1に示す。
表1のその他に記載のとおり、比較例1〜3では、一部でクリーニング不良が発生したものの、本発明の実施例1〜12においては、クリーニング不良は見られなかった。
なお、クリーニング不良とは、出力した画像が異常画像である場合に、トナー、外添剤、紙粉などが残っていることが原因により起こる不良を意味し、シームレスベルトを観察することにより確認できる。
また、ポリイミドにおけるピロメリット酸に由来する構造単位の含有量が、ポリイミドにおける多価カルボン酸に由来する構造単位全量に対するモル比(前記ピロメリット酸に由来する構造単位/前記多価カルボン酸に由来する構造単位全量)で、0.3〜0.7である実施例3及び12では、反り量が非常に小さく非常に優れたシームレスベルトを得ることができた。
本発明の態様は、例えば、以下の通りである。
<1> 像担持体上に形成された潜像をトナーにより現像して得られたトナー像が転写される中間転写ベルトであって、
基材層と、該基材層上に形成された弾性層とを有し、
前記基材層が、ピロメリット酸に由来する構造単位とジアミノジフェニルエーテルに由来する構造単位とを有するポリイミドを含み、
反り量の絶対値が、1.5mm以下であることを特徴とする中間転写ベルトである。
<2> 弾性層の平均厚みが、400μm〜1,500μmである前記<1>に記載の中間転写ベルトである。
<3> 無端ベルトであり、前記無端ベルトの周長が、1,000mm以上である前記<1>から<2>のいずれかに記載の中間転写ベルトである。
<4> ポリイミドにおけるピロメリット酸に由来する構造単位の含有量が、前記ポリイミドにおける多価カルボン酸に由来する構造単位全量に対するモル比(前記ピロメリット酸に由来する構造単位/前記多価カルボン酸に由来する構造単位全量)で、0.3〜0.7である前記<1>から<3>のいずれかに記載の中間転写ベルトである。
<5> 基材層の平均厚みが、40μm〜120μmである前記<1>から<4>のいずれかに記載の中間転写ベルトである。
<6> 弾性層の表面が、球形微粒子を面方向に配列させて形成される凹凸形状である前記<1>から<5>のいずれかに記載の中間転写ベルトである。
<7> マイクロゴム硬度が、60°以下である前記<1>から<6>のいずれかに記載の中間転写ベルトである。
<8> 潜像が形成され、トナー像を担持可能な像担持体と、該像担持体上に形成された潜像をトナーで現像する現像手段と、該現像手段により現像されたトナー像が1次転写される中間転写ベルトと、該中間転写ベルト上に担持されたトナー像を記録媒体に2次転写する転写手段とを有してなり、
前記中間転写ベルトが前記<1>から<7>のいずれかに記載の中間転写ベルトであることを特徴とする画像形成装置である。
<9> フルカラー画像形成装置であって、各色の現像手段を有する複数の像担持体を直列に配置してなる前記<8>に記載の画像形成装置である。
1 基材層
2 弾性層
3 球形微粒子
10 プリンタ本体
12 画像書込部
13 画像形成部
14 給紙部
15 定着装置
16 レジストローラ
20BK、20M、20Y、20C 現像装置
21BK、21M、21Y、21C 感光体
22 中間転写ベルト
23BK、23M、23Y、23C 1次転写バイアスローラ
25 ベルトクリーニング部材
26 ベルト従動ローラ
27 潤滑剤塗布装置
31 金属ドラム
32 基材層及び弾性層を積層したベルト
33 押し当て部材
34 球形微粒子
35 粉体供給装置
40 バイアスローラ
50 転写搬送ベルト
60 2次転写バイアスローラ
70 除電ローラ
80 アースローラ
200 感光体ドラム
201 感光体クリーニング装置
202 除電ランプ
203 帯電チャージャ
204 電位センサ
205 トナー画像濃度センサ
210 ベルト搬送装置
230 リボルバ現像ユニット
231Y Y現像器
231BK BK現像器
231C C現像器
231M M現像器
270 定着装置
271 定着ローラ
272 定着ローラ
500 中間転写ユニット
501 中間転写ベルト
502 トナーシール部材
503 帯電チャージャ
504 ベルトクリーニングブレード
505 潤滑剤塗布ブラシ
506 潤滑剤
507 1次転写バイアスローラ
508 ベルト駆動ローラ
509 ベルトテンションコントローラ
510 2次転写対向ローラ
511 クリーニング対向ローラ
512 フィードバッグ電流検知ローラ
513 トナー画像
514 光学センサ
600 2次転写ユニット
601 転写紙ガイド板
605 2次転写バイアスローラ
606 転写紙除電チャージャ
608 クリーニングブレード
610 レジストローラ
801 1次転写電源
802 2次転写電源
P 転写紙
L 露光手段
特開2005−309181号公報 特許第4396959号公報

Claims (8)

  1. 像担持体上に形成された潜像をトナーにより現像して得られたトナー像が転写される中間転写ベルトであって、
    基材層と、該基材層上に形成された弾性層とを有し、
    前記基材層が、ピロメリット酸に由来する構造単位とジアミノジフェニルエーテルに由来する構造単位とを有するポリイミドを含み、
    前記弾性層の表面が、球形微粒子を面方向に配列させて形成される凹凸形状であり、
    反り量の絶対値が、1.5mm以下であることを特徴とする中間転写ベルト。
  2. 弾性層の平均厚みが、400μm〜1,500μmである請求項1に記載の中間転写ベルト。
  3. 無端ベルトであり、前記無端ベルトの周長が、1,000mm以上である請求項1から2のいずれかに記載の中間転写ベルト。
  4. ポリイミドにおけるピロメリット酸に由来する構造単位の含有量が、前記ポリイミドにおける多価カルボン酸に由来する構造単位全量に対するモル比(前記ピロメリット酸に由来する構造単位/前記多価カルボン酸に由来する構造単位全量)で、0.3〜0.7である請求項1から3のいずれかに記載の中間転写ベルト。
  5. 基材層の平均厚みが、40μm〜120μmである請求項1から4のいずれかに記載の中間転写ベルト。
  6. マイクロゴム硬度が、60°以下である請求項1から5のいずれかに記載の中間転写ベルト。
  7. 潜像が形成され、トナー像を担持可能な像担持体と、該像担持体上に形成された潜像をトナーで現像する現像手段と、該現像手段により現像されたトナー像が1次転写される中間転写ベルトと、該中間転写ベルト上に担持されたトナー像を記録媒体に2次転写する転写手段とを有してなり、
    前記中間転写ベルトが請求項1から6のいずれかに記載の中間転写ベルトであることを特徴とする画像形成装置。
  8. フルカラー画像形成装置であって、各色の現像手段を有する複数の像担持体を直列に配置してなる請求項7に記載の画像形成装置。
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