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JP5225015B2 - 導光板 - Google Patents

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Description

本発明は、液晶表示装置などに用いられる導光板に関する。
液晶表示装置には、液晶表示パネルの裏面側から光を照射し、液晶表示パネルを照明するバックライトユニットが用いられている。バックライトユニットは、照明用の光源が発する光を拡散して液晶表示パネルを照射する導光板、導光板から出射される光を均一化するプリズムシートや拡散シートなどの部品を用いて構成される。
現在、大型の液晶テレビのバックライトユニットは、照明用の光源の直上に導光板を配置した、いわゆる直下型と呼ばれる方式が主流である(例えば、特許文献1参照)。この方式では、光源である冷陰極管を液晶表示パネルの背面に複数本配置し、内部を白色の反射面として均一な光量分布と必要な輝度を確保している。
しかしながら、直下型のバックライトユニットでは、光量分布を均一にするために、液晶表示パネルに対して垂直方向の厚みが30mm程度必要であり、これ以上の薄型化が困難である。
一方、コンピュータなどに用いられる小型の液晶モニタにおいては、小型化、薄型化のために、平板型導光板を用いたサイドライト方式が用いられている。また、薄型のバックライトユニットして、光源から遠ざかるにつれて厚みが薄くなる導光板を用いる方式、例えばタンデム方式なども提案されている(例えば、引用文献2から4参照。)。
また、中間部の厚みが入射側の端部及び対向側の端部の厚みに比べ大きく形成されている導光板、入光部から離れるにしたがって厚みが厚くなる方向傾斜した反射面を有する導光板、表面部と裏面部との間の距離が入射部で最小になり、入射部から最大離距離において厚さが最大になるような形状を有する形状の導光板も提案されている(例えば、引用文献5から8参照。)。
実開平5−4133号公報 特開平2−208631号公報 特開平11−288611号公報 特開2001−312916号公報 特開2003−90919号公報 特開2004−171948号公報 特開2005−108676号公報 特開2005−302322号公報
しかしながら、特許文献1から4に記載されているような光源から遠ざかるにつれて厚みが薄くなる導光板を用いるタンデム方式などのバックライトユニットや、平板の導光板を用いるバックライトユニットでは、薄型のものを実現することが可能であるが、冷陰極管とリフレクタの相対寸法の関係により光利用効率で直下型より劣っているという問題があった。また、導光板に形成された溝に冷陰極管を収容する形状の導光板を用いる場合、冷陰極管から遠ざかるにつれて厚みを薄くする形状とすることはできるが、導光板の厚みを薄くすると、溝に配置された冷陰極管の直上における輝度が強くなり、光出射面の輝度むらが顕著になるという問題があった。また、これらの方式の導光板は、いずれも、形状が複雑となるため、加工コストがアップし、大型、例えば、画面サイズが37インチ以上、特に、50インチ以上の液晶テレビのバックライト用の導光板とした時には、高コストとなってしまうという問題があった。
また、特許文献5から8には、製造安定化や、多重反射を利用した輝度(光量)むら抑制のために光入射面から離れるにしたがって厚みを厚くする導光板が提案されているが、これらの導光板は、透明体であり、光源から入射した光がそのまま反対方向の端部側に光が抜けてしまうため、下面にプリズムやドットパターンを付与する必要がある。
また、光入射面とは反対側の端部に反射部材を配置し、入射した光を多重反射させて光射出面から射出させる方法もあるが、大型化するためには導光板を厚くする必要があり、重くなり、コストも高くなる。また、光源の写りこみが生じ、輝度むら及び/または照度むらとなるという問題もある。
本発明の目的は、上記従来技術の問題点を解消し、薄型な形状であり、かつ光の利用効率が高く、輝度むらが少ない光を出射することができ、光射出面の中央部付近が周辺部に比べて明るい分布、いわゆる中高なあるいは釣鐘状の明るさの分布を得ることができる導光板を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、上記目的に加え、大画面の薄型液晶テレビに要求される中高なあるいは釣鐘状の明るさの分布を得ることができる導光板を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明の第1の形態は、矩形状の光射出面と、前記光射出面の一辺を含む光入射面と、前記光射出面とは反対側の面である背面とを有し、内部に散乱粒子が分散された導光板であって、前記光射出面側の第1層と、前記第1層とは粒子濃度が異なる前記背面側の第2層とで構成され、前記第1層の散乱粒子の粒子濃度をNpoとし、前記第2層の散乱粒子の粒子濃度をNprとすると、前記Npoと前記Nprとの関係が、Npo<Nprを満たすことを特徴とする導光板を提供するものである。
ここで、前記光入射面に垂直な方向において、前記散乱粒子の合成粒子濃度が異なることが好ましい。
また、前記光入射面が前記光射出面の長辺に設けられることが好ましい。
さらに、前記光入射面が前記光射出面の1辺に設けられることが好ましい。
あるいは、前記光入射面が前記光射出面の対向する2辺に設けられることが好ましい。
上記課題を解決するために、本発明の第2の形態は、矩形状の平坦な光射出面と、前記光射出面の対向する2つの長辺をそれぞれ含み、互いに対向する位置に配置される2つの光入射面と、これらの2つの光入射面から前記光射出面の中央に向かうに従ってそれぞれ前記光射出面からの距離が遠くなる対称な2つの傾斜背面とを有し、その内部に伝搬する光を散乱する散乱粒子を含む導光板であって、前記光射出面側の第1層と、前記背面側の第2層とを有し、前記第1層の散乱粒子の粒子濃度をNpoとし、前記第2層の散乱粒子の粒子濃度をNprとすると、前記Npoと前記Nprとの関係が、Npo<Nprを満たすことを特徴とする導光板を提供するものである。
ここで、第2の形態の導光板において、さらに、前記第1層と、前記第2層とは、前記光射出面に平行な面を境界面とすることが好ましい。
また、前記第1層と、前記第2層との境界面が、前記光入射面と前記背面との境界にあることが好ましい。
或いは、前記第1層と、前記第2層との境界面の対向する2辺が前記光入射面に含まれることが好ましい。
或いは、前記第1層と、前記第2層との境界面の対向する2辺が前記背面に含まれることが好ましい。
また、前記背面が、前記光入射面に接合し、前記光射出面に対して傾斜した2つの傾斜面からなることが好ましい。
或いは、前記背面が、前記光入射面に接合し、前記光射出面に対して傾斜した2つの傾斜面と、前記2つの傾斜面を接合する湾曲部とを有することが好ましい。
或いは、前記背面が、前記光入射面の長手方向に垂直な断面において、前記光入射面と接合する楕円での一部で表される曲線と、前記楕円の一部で表される曲線とそれぞれ接合する直線と、前記直線と接合する円の一部で表される曲線とからなることが好ましい。
或いは、前記背面が、前記光入射面の長手方向に垂直な断面において、前記光入射面と接合する楕円の一部で表される曲線と、前記楕円の一部で表される曲線を接合する円の一部で表される曲線とからなることが好ましい。
また、前記第1層の厚みをT1とし、前記光入射面の厚みをT2とすると、厚みT1と厚みT2との関係が0.3<T1/T2<2を満たすことが好ましい。
さらに、前記Npoと前記Nprとが、0wt%≦Npo≦0.15wt%、かつ、0.008wt%<Npr<0.4wt%を満たすことが好ましい。
さらに、前記Npoと前記Nprとが、Npo=0及び0.015wt%<Npr<0.75wt%を満たすことが好ましい。
本発明によれば、大型かつ薄型な形状であり、かつ光の利用効率が高く、輝度むら及び照度むらが少ない光を出射することができ、光射出面の中央部付近が周辺部に比べて明るい分布、いわゆる中高なあるいは釣鐘状の明るさの分布を得ることができる。
また、本発明によれば、大画面の薄型液晶テレビに要求される中高なあるいは釣鐘状の明るさの分布の光を射出させることができる導光板を得ることができる。
本発明に係る導光板を用いる面状照明装置を、添付の図面に示す好適実施形態に基づいて、以下に詳細に説明する。
図1は、本発明に係る導光板を用いる面状照明装置を備える液晶表示装置の概略を示す斜視図であり、図2は、図1に示した液晶表示装置のII−II線断面図である。
また、図3(A)は、図2に示した面状照明装置(以下「バックライトユニット」ともいう。)のIII−III線矢視図であり、図3(B)は、(A)のB−B線断面図である。
液晶表示装置10は、バックライトユニット20と、そのバックライトユニット20の光射出面側に配置される液晶表示パネル12と、液晶表示パネル12を駆動する駆動ユニット14とを有する。なお、図1においては、面状照明装置の構成を示すため、液晶表示パネル12の一部の図示を省略している。
液晶表示パネル12は、予め特定の方向に配列してある液晶分子に、部分的に電界を印加してこの分子の配列を変え、液晶セル内に生じた屈折率の変化を利用して、液晶表示パネル12の表面上に文字、図形、画像などを表示する。
駆動ユニット14は、液晶表示パネル12内の透明電極に電圧をかけ、液晶分子の向きを変えて液晶表示パネル12を透過する光の透過率を制御する。
バックライトユニット20は、液晶表示パネル12の背面から、液晶表示パネル12の全面に光を照射する照明装置であり、液晶表示パネル12の画像表示面と略同一形状の光射出面を有する。
第1の実施例におけるバックライトユニット20は、図1、図2、図3(A)及び図3(B)に示すように、2つの光源28、導光板30及び光学部材ユニット32を有する照明装置本体24と、下部筐体42、上部筐体44、折返部材46及び支持部材48を有する筐体26とで構成されている。また、図1に示すように筐体26の下部筐体42の裏側には、光源28に電力を供給する複数の電源を収納する電源収納部49が取り付けられている。
以下、バックライトユニット20を構成する各構成部品について説明する。
照明装置本体24は、光を射出する光源28と、光源28から射出された光を面状の光として射出する導光板30と、導光板30から射出された光を、散乱や拡散させてよりムラのない光とする光学部材ユニット32とを有する。
まず、光源28について説明する。
図4(A)は、図1及び図2に示す面状照明装置20の光源28の概略構成を示す概略斜視図であり、図4(B)は、図4(A)に示す光源28の断面図であり、図4(C)は、図4(A)に示す光源28の1つのLEDチップのみを拡大して示す概略斜視図である。
図4(A)に示すように、光源28は、複数の発光ダイオードのチップ(以下「LEDチップ」という。)50と、光源支持部52とを有する。
LEDチップ50は、青色光を射出する発光ダイオードの表面に蛍光物質を塗布したチップであり、所定面積の発光面58を有し、この発光面58から白色光を射出する。
つまり、LEDチップ50の発光ダイオードの表面から射出された青色光が蛍光物質を透過すると、蛍光物質が蛍光する。これにより、LEDチップ50から射出された青色光が透過すると、発光ダイオードから射出された青色光と蛍光物質が蛍光することで射出される光とで白色光を生成され、射出される。
ここで、LEDチップ50としては、GaN系発光ダイオード、InGaN系発光ダイオード等の表面にYAG(イットリウム・アルミニウム・ガーネット)系蛍光物質を塗布したチップが例示される。
光源支持部52は、図4(B)に示すように、アレイ基板54と複数のフィン56とを有する。上述した複数のLEDチップ50は、配置された位置に応じて所定間隔離間して一列でアレイ基板54上に配置されている。具体的には、光源28を構成する複数のLEDチップ50は、後述する導光板30の第1光入射面30dまたは第2光入射面30eの長手方向に沿って、言い換えれば、第1光入射面30dまたは第2光入射面30eと、光射出面30aとが交わる線と平行に、アレイ状に配列されアレイ基板54上に固定されている。
アレイ基板54は、一面が導光板30の最薄側端面に対向して配置された板状の部材であり、導光板30の側端面である第1光入射面30dまたは第2光入射面30eに対向して配置されている。アレイ基板54の導光板30の光入射面30bに対向する面となる側面には、LEDチップ50が支持されている。
ここで、本実施形態のアレイ基板54は、銅やアルミニウム等の熱伝導性の良い金属で形成されており、LEDチップ50から発生する熱を吸収し、外部に放散させるヒートシンクとしての機能も有する。
複数のフィン56は、それぞれ銅やアルミニウム等の熱伝導性の良い金属で形成された板状部材であり、アレイ基板54のLEDチップ50が配置されている面とは反対側の面に、隣接するフィン56と所定間隔離間して連結されている。
光源支持部52に、フィン56を複数設けることで表面積を広くすることができ、かつ、放熱効果を高くすることができる。これにより、LEDチップ50の冷却効率を高めることができる。
また、ヒートシンクは、空冷方式に限定されず、水冷方式も用いることができる。
なお、本実施形態では、光源支持部52のアレイ基板54をヒートシンクとして用いたが、LEDチップの冷却が必要ない場合は、ヒートシンクに代えて放熱機能を備えない板状部材をアレイ基板として用いてもよい。
ここで、図4(C)に示すように、本実施形態のLEDチップ50は、LEDチップ50の配列方向の長さよりも、配列方向に直交する方向の長さが短い長方形形状、つまり、後述する導光板30の厚み方向(光射出面30aに垂直な方向)が短辺となる長方形形状を有する。言い換えれば、LEDチップ50は、導光板30の光射出面30aに垂直な方向の長さをa、配列方向の長さをbとしたときに、b>aとなる形状である。また、LEDチップ50の配置間隔をqとするとq>bである。このように、LEDチップ50の導光板30の光射出面30aに垂直な方向の長さa、配列方向の長さb、LEDチップ50の配置間隔qの関係が、q>b>aを満たすことが好ましい。
LEDチップ50を長方形形状とすることにより、大光量の出力を維持しつつ、薄型な光源とすることができる。光源を薄型化することにより、面状照明装置を薄型にすることができる。また、LEDチップの配置個数を少なくすることができる。
なお、LEDチップ50は、光源をより薄型にできるため、導光板30の厚み方向を短辺とする長方形形状とすることが好ましいが、本発明はこれに限定されず、正方形形状、円形形状、多角形形状、楕円形形状等種々の形状のLEDチップを用いることができる。
また、本実施形態では、LEDチップを1列に並べ、単層構造としたが、本発明はこれに限定されず、アレイ支持体に複数のLEDチップ50を配置した構成のLEDアレイを複数個、積層させた構成の多層LEDアレイを光源として用いることもできる。このようにLEDアレイを積層させる場合でもLEDチップ50を長方形形状とし、LEDアレイ46を薄型にすることで、より多くのLEDアレイを積層させることができる。このように、多層のLEDアレイを積層させる、つまり、LEDアレイ(LEDチップ)の充填率を高くすることで、より大光量を出力することができる。また、LEDアレイのLEDチップと隣接する層のLEDアレイのLEDチップも上述と同様に配置間隔が上記式を満たすことが好ましい。つまり、LEDアレイは、LEDチップと隣接する層のLEDアレイのLEDチップとを所定距離離間させて積層させることが好ましい。
次に、導光板30について説明する。
図5は、導光板30の形状を示す概略斜視図である。
導光板30は、図2、図3及び図5に示すように、略矩形形状の平坦な光射出面30aと、この光射出面30aの両端に、光射出面30aに対してほぼ垂直に形成された2つの光入射面(第1光入射面30dと第2光入射面30e)と、光射出面30aの反対側、つまり、導光板の背面側に位置し、第1光入射面30dおよび第2光入射面30eに平行で、光射出面30aを2等分する2等分線α(図1、図3参照)を中心軸として互いに対称で、光射出面30aに対して所定の角度で傾斜する2つの傾斜面(第1傾斜面30bと第2傾斜面30c)とを有している。
第1傾斜面30b及び第2傾斜面30cは、第1光入射面30d及び第2光入射面30eから遠ざかるに従って光射出面30aからの距離が遠ざかる(長くなる)ように、つまり、それぞれ第1光入射面30d及び第2光入射面30eから導光板の中心に向かうに従って、導光板30の光射出面30aに垂直な方向の厚みが厚くなるように傾斜している。
つまり、導光板30は、両端部、すなわち第1光入射面30dと第2光入射面30eで厚みが最も薄くなり、中央部、すなわち第1傾斜面30bと第2傾斜面30cが交差する2等分線αに対応する位置で厚さが最大となる。言い換えれば、導光板30は、第1光入射面30dまたは第2光入射面30eから離れるに従って導光板の光射出面30aに垂直な方向の厚みが厚くなる形状である。なお、光射出面30aに対する第1傾斜面30b及び第2傾斜面30cの傾斜角度は特に限定されない。
ここで、上述した2つの光源28は、それぞれ導光板30の第1光入射面30d及び第2光入射面30eに対向して配置されている。具体的には、複数のLEDチップ50aと光源支持部52aで構成された光源28が第1光入射面30dに対向して配置され、複数のLEDチップ50bと光源支持部52bで構成された光源28が第2光入射面30eに対向して配置されている。ここで、本実施形態では、光射出面30aに垂直な方向において、光源28のLEDチップ50の発光面58の長さと第1光入射面30d及び第2光入射面30eの長さが略同じ長さである。
このように面状照明装置20は、2つの光源28が、導光板30をはさみこむように配置されている。つまり、所定間隔離間して、向い合って配置された2つの光源28の間に導光板30が配置されている。
導光板30は、透明樹脂に、光を散乱させるための散乱粒子が混錬分散されて形成されている。導光板30に用いられる透明樹脂の材料としては、例えば、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PP(ポリプロピレン)、PC(ポリカーボネート)、PMMA(ポリメチルメタクリレート)、ベンジルメタクリレート、MS樹脂、あるいはCOP(シクロオレフィンポリマー)のような光学的に透明な樹脂が挙げられる。導光板30に混錬分散させる散乱粒子としては、トスパール、シリコーン、シリカ、ジルコニア、誘電体ポリマなどを用いることができる。
ここで、導光板30は、光射出面30a側の第1層60と、第1傾斜面30b及び第2傾斜面30c側の第2層62とに分かれた2層構造で形成されている。具体的には、光射出面30a側の第1光入射面30d及び第2光入射面30eの厚みと同じ厚みの断面が長方形となる領域が第1層60となり、第1傾斜面30b及び第2傾斜面30c側の、第1光入射面30d及び第2光入射面30eのそれぞれの光射出面30a側とは反対側の端部(つまり、それぞれの光入射面の傾斜面側の端部)を結んだ面と第1傾斜面30d及び第2傾斜面30eとで囲まれた断面が三角となる領域が第2層62となる。つまり、第1光入射面30d及び第2光入射面30eのそれぞれの光射出面30a側とは反対側の端部を結んだ面を境界面zとして、光射出面30a側が第1層60となり、第1傾斜面30d及び第2傾斜面30e側が第2層62となる。
ここで、導光板30は、境界面zで第1層60と第2層62と分けているが、第1層60と第2層62とは、粒子濃度が異なるのみで、同じ透明樹脂に同じ散乱粒子を分散させた構成であり、構造上は一体となっている。つまり、導光板30は、境界面zを基準として分けた場合、夫々の領域の粒子濃度は異なるが、境界面zは、仮想的な線であり、第1層60と第2層62は一体となっている。
この第1層60の散乱粒子の粒子濃度をNpoとし、第2層62の散乱粒子の粒子濃度をNprとすると、NpoとNprとの関係は、Npo<Nprとなる。つまり、導光板30は、第1層60よりも第2層62の方が散乱粒子の粒子濃度が高い。
導光板30の内部の領域毎に異なる粒子濃度で散乱粒子を含有させることによって、中高で輝度むら及び照度むらの少ない照明光を光出射面から出射することができる。このような導光板30は、2層押出成形法や射出成形法を用いて製造することができる。
ここで、本発明の導光板においては、輝度分布と照度分布、輝度むらと照度むらは、基本的に同様の傾向となる。つまり、輝度むらが発生している部分には同様の照度むらが生じ、輝度分布と照度分布は同様の傾向となる。
図2に示す導光板30では、光源28から射出され第1光入射面30d及び第2光入射面30eから入射した光は、導光板30の内部に含まれる散乱体によって散乱されつつ、導光板30内部を通過し、直接、または第1傾斜面30b及び第2傾斜面30cで反射した後、光射出面30aから出射する。このとき、第1傾斜面30b及び第2傾斜面30cから一部の光が漏出する場合もあるが、漏出した光は導光板30の第1傾斜面30b及び第2傾斜面30c側に配置された反射板34によって反射され再び導光板30の内部に入射する。反射板34については後ほど詳細に説明する。
このように、導光板30を、対向する位置に光源28が配置される第1光入射面30dまたは第2光入射面30eから離れるに従って、光射出面30aに垂直な方向の厚みが厚くなる形状とすることで、光入射面から入射する光を光入射面からより遠い位置まで届けることができ、光射出面を大きくすることができる。また、光入射面から入射した光を遠い位置まで好適に届けることができるため、導光板を薄型化することができる。
さらに、導光板30内の粒子濃度を第1層60と第2層62とで2つに分け、光射出面側の第1層60の粒子濃度を第2層62の粒子濃度より低濃度とすることで、1種類の濃度の導光板(つまり、全体の濃度を均一な導光板)の場合に比べ、より中高にできる。
つまり、第1層60の散乱粒子の粒子濃度Npoと、第2層62の散乱粒子の粒子濃度Nprとの関係を、本実施形態のようにNpo<Nprとすることで、光入射面から離間するにしたがって(2つの光入射面の中心に向って)、次第に、散乱粒子の合成粒子濃度が高くなるので、光入射面から離間するにしたがって、散乱粒子の作用によって光射出面に向けて反射される光が増加し、その結果、好適な割合で照度分布を中高にすることができる。すなわち、奥行き方向に散乱粒子の濃度分布を付与した平板導光板と類似の効果を発現することができ、しかも、背面の形状を調整することで、輝度分布(散乱粒子の濃度分布)も任意に設定することができ、効率を最大限に向上できる。
なお、本発明において、合成粒子濃度とは、光入射面から他の入射面に向けて離間した或る位置において、光射出面と垂直方向に加算(合成)した散乱粒子量を用いて、導光板を光入射面の厚みの平板と見なした際における散乱粒子の濃度である。すなわち、光入射面から離間した或る位置において、該導光板を光入射面の厚みの平板導光板とみなした場合に、光射出面と垂直方向に加算した散乱粒子の単位体積あたりの数量または、母材に対する重量百分率である。
また、光の利用効率も、一種類の濃度の導光板の場合と略同じまたはより高くすることできる。つまり、本発明によれば、一種類の濃度の導光板と同程度の高い光利用効率を維持した状態で、一種類の濃度の導光板よりも照度分布及び輝度分布をより中高にすることができる。
さらに、第1層60の散乱粒子の粒子濃度Npoと、第2層62の散乱粒子の粒子濃度Nprとの関係は、0wt%≦Npo≦0.15wt%、かつ、0.008wt%<Npr<0.4wt%を満たすことが好ましい。
導光板30の第1層60と第2層62とが上記関係を満たすことで、より光の利用効率を高めつつ、好適な割合で照度分布を中高にすることができる。
ここで、粒子濃度[wt%]とは、母材の重量に対する散乱粒子の重量の割合である。
さらに、第1層60の粒子濃度Npoと第2層62の粒子濃度Nprとが、Npo=0及び0.015wt%<Npr<0.75wt%を満たすことも好ましい。すなわち、第1層60には、散乱粒子を混錬分散させず、第2層62にのみ散乱粒子を混錬分散させても良い。
導光板30の第1層60と第2層62とが上記関係を満たすことでも、より光の利用効率を高めつつ、好適な割合で照度分布を中高にすることができる。
また、第1層の厚みをT1とし、第1光入射面及び第2光入射面の厚みをT2としたとき、厚みT1と厚みT2との関係は、0.3<T1/T2<2.0を満たすことが好ましい。
このように光射出面側に配置された粒子濃度の低い第1層の厚みを上記範囲とすることで、LEDチップから射出された光を有効に導光板の奥(つまり光軸方向において光入射面から離れた位置)まで伝播させることができる。
次に、光学部材ユニット32について説明する。
光学部材ユニット32は、導光板30の光射出面30aから射出された照明光をより輝度むら及び照度むらのない光にして、照明装置本体24の光出面24aからより輝度むらのない照明光を射出するためのもので、図2に示すように、導光板30の光射出面30aから射出する照明光を拡散して輝度むら及び照度むらを低減する拡散シート32aと、光入射面と光射出面との接線と平行なマイクロプリズム列が形成されたプリズムシート32bと、プリズムシート32bから射出する照明光を拡散して輝度むら及び照度むらを低減する拡散シート32cとを有する。
拡散シート32a及び32c、プリズムシート32bとしては、特に制限的ではなく、公知の拡散シートやプリズムシートを使用することができ、例えば、本出願人の出願に係る特開2005−234397号公報の[0028]〜[0033]に開示されているものを適用することができる。
なお、本実施形態では、光学部材ユニットを2枚の拡散シート32aおよび32cと、2枚の拡散シートの間に配置したプリズムシート32bとで構成したが、プリズムシート及び拡散シートの配置順序や配置数は特に限定されず、また、プリズムシート、拡散シートとしても特に限定されず、導光板30の光射出面30aから射出された照明光の輝度むら及び照度むらをより低減することができるものであれば、種々の光学部材を用いることができる。
例えば、光学部材として、上述の拡散シート及びプリズムシートに、加えてまたは代えて、拡散反射体からなる多数の透過率調整体を輝度むら及び照度むらに応じて配置した透過率調整部材も用いることもできる。また、光学部材ユニットを、プリズムシートおよび拡散シートを各1枚ずつ用いるか、あるいは、拡散シートのみを2枚用いて、2層構成としてもよい。
次に、照明装置本体の反射板34について説明する。
反射板34は、導光板30の第1傾斜面30b及び第2傾斜面30cから漏洩する光を反射して、再び導光板30に入射させるために設けられており、光の利用効率を向上させることができる。反射板34は、導光板30の第1傾斜面30b及び第2傾斜面30cに対応した形状で、第1傾斜面30b及び第2傾斜面30cを覆うように形成される。本実施形態では、図2では、導光板30の第1傾斜面30b及び第2傾斜面30cが断面三角形状に形成されているので、反射板34もこれに補形する形状に形成されている。
反射板34は、導光板30の傾斜面から漏洩する光を反射することができれば、どのような材料で形成されてもよく、例えば、PETやPP(ポリプロピレン)等にフィラーを混練後延伸することによりボイドを形成して反射率を高めた樹脂シート、透明もしくは白色の樹脂シート表面にアルミ蒸着などで鏡面を形成したシート、アルミ等の金属箔もしくは金属箔を担持した樹脂シート、あるいは表面に十分な反射性を有する金属薄板により形成することができる。
上部誘導反射板36は、導光板30と拡散シート32aとの間、つまり、導光板30の光射出面30a側に、光源12及び導光板30の光射出面30aの端部(第1光入射面30d側の端部及び第2光入射面30e側の端部)を覆うようにそれぞれ配置されている。言い換えれば、上部誘導反射板36は、光軸方向に平行な方向において、導光板30の光射出面30aの一部から光源12のアレイ基板54の一部までを覆うように配置されている。つまり、2つの上部誘導反射板36が、導光板30の両端部にそれぞれ配置されている。
このように、上部誘導反射板36を配置することで、光源12から射出された光が導光板30に入射することなく、光射出面30側に漏れ出すことを防止できる。
これにより、光源12のLEDチップ50から射出された光を効率よく導光板30の第1光入射面30d及び第2光入射面30eに入射させることができ、光利用効率を向上させることができる。
下部誘導反射板38は、導光板30の光射出面30a側とは反対側、つまり、第1傾斜面30b及び第2傾斜面30c側に、光源12の一部を覆うように配置されている。また、下部誘導反射板38の導光板中心側の端部は、反射板34と連結されている。
ここで、上部誘導反射板36及び下部誘導反射板38としては、上述した反射板34に用いる各種材料を用いることができる。
下部誘導反射板38を設けることで、光源12から射出された光が導光板30に入射することなく、導光板30の第1傾斜面30b及び第2傾斜面30c側に漏れ出すことを防止できる。
これにより、光源12のLEDチップ50から射出された光を効率よく導光板30の第1光入射面30d及び第2光入射面30eに入射させることができ、光利用効率を向上させることができる。
なお、本実施形態では、反射板34と下部誘導反射板38と連結させたが、これに限定されず、それぞれを別々の部材としてもよい。
ここで、上部誘導反射板36及び下部誘導反射板38は、光源12から射出された光を第1光入射面30dまたは第2光入射面30e側に反射させ、光源12から射出された光を第1光入射面30dまた第2光入射面30eに入射させることができ、導光板30に入射した光を導光板30中心側に導くことができれば、その形状及び幅は特に限定されない。
また、本実施形態では、上部誘導反射板36を導光板30と拡散シート32aとの間に配置したが、上部誘導反射板36の配置位置はこれに限定されず、光学部材ユニット32を構成するシート状部材の間に配置してもよく、光学部材ユニット32と上部筐体44との間に配置してもよい。
次に、筐体26について説明する。
図2に示すように、筐体26は、照明装置本体24を収納して支持し、かつその光出面24a側と導光板30の第1傾斜面30b及び第2傾斜面30c側とから挟み込み、固定するものであり、下部筐体42と上部筐体44と折返部材46と支持部材48とを有する。
下部筐体42は、上面が開放され、底面部と、底面部の4辺に設けられ底面部に垂直な側面部とで構成された形状である。つまり、1面が開放された略直方体の箱型形状である。下部筐体42は、図2に示すように、上方から収納された照明装置本体24を底面部及び側面部で支持すると共に、照明装置本体24の光出面24a以外の面、つまり、照明装置本体24の光出面24aとは反対側の面(背面)及び側面を覆っている。
上部筐体44は、上面に開口部となる照明装置本体24の矩形状の光出面24aより小さい矩形状の開口が形成され、かつ下面が開放された直方体の箱型形状である。
上部筐体44は、図2に示すように、面状照明装置本体24及び下部筐体42の上方(光射出面側)から、照明装置本体24およびこれが収納された下部筐体42をその4方の側面部も覆うように被せられて配置されている。
折返部材46は、断面の形状が常に同一の凹(U字)型となる形状である。つまり、延在方向に垂直な断面の形状がU字形状となる棒状部材である。
折返部材46は、図2に示すように、下部筐体42の側面と上部筐体44の側面との間に嵌挿され、U字形状の一方の平行部の外側面が下部筐体42の側面部と連結され、他方の平行部の外側面が上部筐体44の側面と連結されている。
ここで、下部筐体42と折返部材46との接合方法、折返部材46と上部筐体44との接合方法としては、ボルトおよびナット等を用いる方法、接着剤を用いる方法等種々の公知の方法を用いることができる。
このように、下部筐体42と上部筐体44との間に折返部材46を配置することで、筐体26の剛性を高くすることができ、導光板が反ることを防止できる。これにより、例えば、輝度むら及び照度むらがないまたは少ない光を効率よく射出させることができる反面、反りが生じ易い導光板を用いる場合であっても、反りをより確実に矯正でき、または、導光板に反りが生じることをより確実に防止でき、輝度むら及び照度むら等のない、または低減された光を光射出面から射出させることができる。
なお、筐体の上部筐体、下部筐体及び折返部材には、金属、樹脂等の種々の材料を用いることができる。なお、材料としては、軽量で高強度の材料を用いることが好ましい。
また、本実施形態では、折返部材を別部材としたが、上部筐体または下部筐体と一体にして形成してもよい。また、折返部材を設けない構成としてもよい。
支持部材48は、延在方向に垂直な断面の形状が同一となる形状である。つまり、延在方向に垂直な断面の形状が同一の棒状部材である。
支持部材48は、図2に示すように、反射板34と下部筐体42との間、より具体的には、導光板30の第1傾斜面30bの第1光入射面30d側の端部に対応する位置の反射板34と下部筐体42との間に配置され、導光板30及び反射板34を下部筐体42に固定し、支持する。
支持部材48により反射板34を支持することで、導光板30と反射板34とを密着させることができる。さらに、導光板30及び反射板34を、下部筐体42の所定位置に固定することができる。
また、本実施形態では、支持部材を独立した部材として設けたが、これに限定されず、下部筐体42、または反射板34と一体で形成してもよい。つまり、下部筐体42の一部に突起部を形成し、この突起部を支持部材として用いても、反射板の一部に突起部を形成し、この突起部を支持部材として用いてもよい。
また、配置位置も特に限定されず、反射板と下部筐体との間の任意の位置に配置することができるが、導光板を安定して保持するために、導光板の端部側、つまり、本実施形態では、第1光入射面30d近傍、第2光入射面30e近傍に配置することが好ましい。
また、支持部材48の形状は特に限定されず、種々の形状とすることができ、また、種々の材料で作成することもできる。例えば、支持部材を複数設け、所定間隔毎に配置してもよい。
また、支持部材を反射板と下部筐体とで形成される空間の全域を埋める形状とし、つまり、反射板側の面を反射板に沿った形状とし、下部筐体側の面を下部筐体に沿った形状としてもよい。このように、支持部材により反射板の全面を支持する場合は、導光板と反射板とが離れることを確実に防止することができ、反射板を反射した光により輝度むら及び照度むらが生じることを防止することができる。
面状照明装置20は、基本的に以上のように構成される。
面状照明装置20は、導光板30の両端にそれぞれ配置された光源28から射出された光が導光板30の光入射面(第1光入射面30d及び第2光入射面30e)に入射する。それぞれの面から入射した光は、導光板30の内部に含まれる散乱体によって散乱されつつ、導光板30内部を通過し、直接、または第1傾斜面30b及び第2傾斜面30cで反射した後、光射出面30aから出射する。このとき、第1傾斜面30b及び第2傾斜面30cから漏出した一部の光は、反射板34によって反射され再び導光板30の内部に入射する。
このようにして、導光板30の光射出面30aから射出された光は、光学部材32を透過し、照明装置本体24の光出面24aから射出され、液晶表示パネル12を照明する。
液晶表示パネル12は、駆動ユニット14により、位置に応じて光の透過率を制御することで、液晶表示パネル12の表面上に文字、図形、画像などを表示する。
次に、具体的実施例を用いて、面状照明装置20についてより詳細に説明する。
本実施例では、導光板30として、第1光入射面30bから第2光入射面30cまでの長さを545mmとし、2等分線αにおける光射出面30aから背面までの長さ、つまり、厚さの最も厚い部分の厚みDを3.6mmとし、第1光入射面30d及び第2光入射面30eの厚み、つまり厚さの最も薄い部分の厚みを2.0mmとし、第1層60と第2層との境界面zを第1光入射面30dの第1傾斜面30b側の端部と第2光入射面30eの第2傾斜面30c側の端部とを結んだ面とした導光板を用いた。
まず、上記の形状の導光板を用いて、第1層60の粒子濃度Npoを0wt%に固定し、第2層62の粒子濃度Nprを種々の値(具体的には、Npr=0.046wt%、0.063wt%、0.079wt%、0.096wt%、0.113wt%、0.129wt%)とした場合についての相対照度分布、中高率、及び光の利用効率を測定した。また、参考例として、第1層60及び第2層62ともに粒子濃度を0.046wt%とした場合、つまり、導光板を均一の粒子濃度とした場合についても測定した。
ここで、中高率とは、光射出面から射出される光の最小輝度を最大輝度で割った値、つまり最小輝度/最大輝度である。また、本発明においては、最小輝度/最大輝度が小さい場合、つまり最小輝度と最大輝度との差が大きい場合を中高率が高いとする。なお、入射部近傍で測定される輝度が急激に上がっている領域は、実際の利用時はカバー反射部材が配置され、面状照明装置の光射出面からは射出されないため輝度むらとして認識されず、また、光射出面から射出される光としては認識されないため無視した。
また、利用効率とは、参考例として測定した導光板の光射出面全体から射出される光の強度の合計を100%とし、その参考例の光の強度の合計に対する割合である。
測定した中高率及び効率の結果を下記表1に示し、相対照度分布を図6に示す。ここで、図6では、縦軸を相対照度とし、横軸を導光板中心からの距離[mm]とした。
Figure 0005225015
次に、上記の形状の導光板を用いて、第2層62の粒子濃度Nprを0.096wt%に固定し、第1層60の粒子濃度Npoを種々の値(具体的には、Npo=0.00wt%、0.030wt%、0.046wt%、0.050wt%、0.053wt%、0.056wt%)とした場合についての相対照度分布、中高率、及び光の利用効率を測定した。また、参考例として、上記と同様に、第1層60及び第2層62ともに粒子濃度を0.046wt%とした場合、つまり、導光板を均一の粒子濃度とした場合についても測定した。
測定した中高率及び効率の結果を下記表2に示し、相対照度分布を図7に示す。ここで、図7では、縦軸を相対照度とし、横軸を導光板中心からの距離[mm]とした。
Figure 0005225015
ここで、図8とともに参考例について説明する。図8は、導光板の粒子濃度と導光板の光射出面から射出される光の利用効率及び中高率との関係を示すグラフである。図8では、縦軸を利用効率[%]、中高率[%]とし、横軸を粒子濃度[wt%]とした。
なお、図8に示す導光板の粒子濃度と導光板の光射出面から射出される光の利用効率及び中高率との関係は、第1層と第2層が分離されていない、つまり全体の粒子濃度が均一な導光板を種々の粒子濃度で複数作製し、それぞれの導光板についてその光射出面から射出される光を測定して、上述と同様の方法で光の利用効率と中高率を算出した。
図8に示すように、導光板の粒子濃度を均一にした場合は、粒子濃度を0.046wt%とした場合、つまり参考例の場合が、中高率を最も高くすることができ、かつ、利用効率も高く維持できることがわかる。つまり、導光板の粒子濃度を均一にした場合は、参考例の導光板が利用効率を高くできかつ中高率を最も高くすることができる導光板となる。
ここで、図8において、粒子濃度0.040wt%以下の場合の中高率は示していないが、0.046wt%の場合よりも中高率は高くならず利用効率は低くなる。
表1、表2、図6及び図7に示すように、第1層と第2層とで粒子濃度を変化させた導光板とすることで、参考例のように均一の粒子濃度の導光板とした場合よりも光射出面から射出される光を中高にできることがわかる。つまり、第1層と第2層とで粒子濃度を変化させることで、導光板を形状を変化させることなく種々の照度分布とすることができ、導光板を大型化した場合も所望の中高度の光を射出させることができることがわかる。
さらに、表2及び図7に示すように、第1層の粒子濃度Npoと第2層の粒子濃度Nprとが、0wt%≦Npo≦0.15wt%、かつ、0.008wt%<Npr<0.4wt%を満たすことで、均一の粒子濃度の導光板とした中で利用効率が高くかつ中高率も高くなる最も好適な参考例の導光板を用いた場合よりも中高率を高くすることができ、さらに光の利用効率も高くすることができる。
以上より本発明の効果は明らかである。
以上、導光板及び面状照明装置の各構成要素について詳細に説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、上記実施形態では、光射出面側の第1層と、背面側(光射出面とは反対の面)の第2層との境界面zを、光入射面と背面との境に形成したが、本発明はこれに限定はされず、導光板が、光射出面側の第1層と、背面側の第2層の2つの層とで構成されれば、光射出面と垂直な方向における境界面zの位置は特に限定されない。
図9(A)および図9(B)は、それぞれ本発明の導光板を用いる面状照明装置の他の一例を示す概略断面図である。
図9(A)に示す導光板130は、境界面zが、その対向する2辺がそれぞれ第1光入射面30dおよび第2光入射面30eに含まれる位置に形成されている。つまり、導光板130は、境界面zを境にして、光入射面(第1光入射面30dおよび第2光入射面30e)の一部を形成する第1層60と、光入射面の一部と、背面(第1傾斜面30bおよび第2傾斜面30c)を形成し、第1層60よりも粒子濃度が高い第2層62とからなる。
図9(B)に示す導光板140は、境界面zが、その対向する2辺がそれぞれ背面(第1傾斜面30bおよび第2傾斜面30c)に含まれる位置に形成されている。つまり、導光板140は、境界面zを境にして、光入射面と背面の一部を形成する第1層60と、背面の一部を形成し、第1層60よりも粒子濃度が高い第2層62とからなる。
このように、境界面zを光入射面側に設けても、背面側に設けても、光入射面と背面との境に境界面zを設けた場合と同様に、第1層よりも第2層の粒子濃度を高くすれば、光入射面から離間するにしたがって、次第に、合成粒子濃度が高くなるので、光入射面から離間するにしたがって、散乱粒子の作用によって光射出面に向けて反射される光が増加し、その結果、好適な割合で照度分布を中高にすることができる。
また、本実施形態では、第1層と第2層との境界面zを、光射出面に平行な平坦面としたが、本発明はこれに限定されず、傾斜面、曲面としてもよい。例えば、境界面zを導光板の厚さ方向に2等分する面、つまり、光射出面と傾斜面との中間点を結んだ面としてもよく、また、傾斜面と平行な面としてもよい。
また、本実施形態は、光射出面からより輝度の高い光を効率よく射出することができるため、導光板30の光入射面30aを光入射面と交わる辺が長辺となり、側面と交わる辺が短辺となる形状としたが、本発明はこれに限定されず、光射出面を正方形形状としてもよく、光入射面側を短辺とし側面側を長辺としてもよい。
また、導光板は、第1傾斜面と第2傾斜面との接続部をR形状(つまり湾曲部)とすることが好ましい。第1傾斜面と第2傾斜面との接続部をR形状とし、2つの面を滑らかに接続することで、第1傾斜面と第2傾斜面との交線で輝線等の輝度むらが生じることを防止することができる。
また、本実施形態は、導光板の傾斜面を断面が直線となる形状としたが、第1傾斜面及び第2傾斜面(つまり、背面)の形状は特に限定されず、例えば楕円のような曲面としてもよく、第1傾斜面及び第2傾斜面をそれぞれ複数の傾斜部で構成してもよい。つまり、傾斜面を位置に応じて傾斜角が異なる形状としてもよい。また、傾斜面を光射出面側に凸形状としても、凹形状としてもよく、凹凸を組み合わせた形状としてもよい。
ここで、傾斜面は、光入射面から導光板の中心(もしくは、導光板の厚みの最も厚い位置)に向かうに従って、光射出面に対する傾斜面の傾斜角が緩やかになる形状とすることが好ましい。傾斜面の傾斜角を徐々に緩やかにすることで、光射出面からより輝度むらのない光を射出させることができる。
さらに、傾斜面は、断面の形状を10次多項式で表すことができる非球面形状とすることがより好ましい。傾斜面を上記形状とすることで、導光板の厚みによらず、より輝度むらのない光を射出させることができる。
図10(A)および図10(B)は、それぞれ本発明の導光板を用いる面状照明装置の他の一例を示す概略断面図である。
図10(A)に示す導光板150は、背面150bが、第1光入射面30dおよび第2光入射面30eと接合する第1曲面152および第2曲面154と、第1曲面152および第2曲面154と接合する第3曲面156とで構成される。背面150bは、光入射面に平行で、光射出面30aを2等分する2等分線αを中心軸として互いに対称である。
また、光入射面の長手方向に垂直な断面において、第1曲面152および第2曲面154は楕円の一部で表される(形成される)曲線であり、第3曲面156は円の一部で表される曲線である。また、第1光入射面30dおよび第2光入射面30eと、第1曲面152および第2曲面154はそれぞれ滑らかに接続され、第1曲面152および第2曲面154と、第3曲面156とは、それぞれ滑らかに接続されている。
図10(B)に示す導光板160は、背面160bが、第1光入射面30dおよび第2光入射面30eとそれぞれ接合する第1曲面162および第2曲面164と、第1曲面162および第2曲面164とそれぞれ接合する第1傾斜面168および第2傾斜面170と、第1傾斜面168および第2傾斜面170と接合する第3曲面166とからなる。背面160bは2等分線αを通り光射出面30aと垂直な面に対して対称である。
また、光入射面の長手方向に垂直な断面において、第1曲面162および第2曲面164は楕円の一部で表される曲線であり、第3曲面166は円の一部で表される曲線である。また、それぞれの面の接合部は滑らかに接続されている。
図2や図9のように背面の形状が直線状でなくても、このように、導光板の背面の形状を、光入射面から離間するに従って、光射出面から遠くなる形状として、導光板を、光射出面側の第1層と、第1層よりも粒子濃度が高い背面側の第2層とで構成することにより、光入射面から離間するに従って、光射出面に垂直な方向における散乱粒子の合成粒子濃度が高くなる濃度分布を実現できる。光入射面から離間するに従って、光射出面に垂直な方向における散乱粒子の合成粒子濃度が高くなるように、導光板に散乱粒子を混錬分散することにより、中高な輝度分布を実現でき、光の利用効率を高くすることができる。
また、境界面zの位置は光入射面と背面との境に限定はされず、図9のように境界面zを光入射面側や、背面側に配置してもよい。
ここで、光入射面から離間するに従って、光射出面に垂直な方向における散乱粒子の合成粒子濃度が高くなれば、導光板の背面の形状は、光入射面から離間するに従って、光射出面から遠くなる形状でなくても、中高な輝度分布を実現でき、光の利用効率を高くすることができるが、例えば、平板形状で粒子濃度に分布を持たせるように散乱粒子を混錬分散することは困難でありコストアップの要因となる。
そこで、導光板の背面を光入射面から離間するに従って、光射出面からの距離が遠くなる形状とし、導光板を、光射出面側の第1層と、第1層よりも粒子濃度が高い背面側の第2層とで構成することによって、容易に、光射出面に垂直な方向における合成粒子濃度が、光入射面から離間するに従って高くなるように粒子濃度に分布を持たせることができる。
また、導光板の背面は、上述のように、光入射面から離間するに従って、光射出面からの距離が遠くなる形状であればよく、種々の形状が利用可能である。そこで、導光板の背面の形状と、境界面zの位置とを組み合わせることにより、光射出面に垂直な方向における合成粒子濃度の濃度分布をより好適な分布にして、より好適な輝度分布を得ることができ、光の利用効率を高くすることができる。
以下、具体的実施例を用いて、より詳細に説明する。
本実施例では、22インチサイズ(288×500mm)および65インチサイズ(830×1466mm)用として用いられる大きさの導光板について、第1層の厚み、第2層の粒子濃度、背面の形状をそれぞれ種々変更したときの相対照度分布および光の利用効率を測定した。
具体的には、長辺側の端面を光入射面とし、2等分線αにおける光射出面から背面までの長さ、つまり、厚みの最も厚い部分の厚みを0.9mmとし、光入射面の厚み、つまり、厚みの最も薄い部分の厚みを0.5mmとし、第1層の粒子濃度を0[wt%]とした2層の導光板とした。
上記形状の導光板において、第1層の厚み、つまり、光射出面から境界面zまでの距離と、第2層の粒子濃度と、背面の形状を種々変更した。ここで、第1層の厚みは0.5mm、0.3mmおよび0.2mmのいずれかとし、第2層の濃度は、0.1wt%、0.2wt%、0.3wt%、0.4wt%のいずれかとし、背面の形状は、図10(C)に表すような傾斜面182、184とそれらを接合する湾曲部186とからなる形状(以下、「テーパ+円」と表す)、楕円の一部で形成される形状(以下、「楕円」と表す)および図10(A)に表すような楕円の一部と円の一部で形成される形状(以下、「楕円+円」と表す)のいずれかとした。
まず、22インチサイズ用の導光板について詳述する。
ここで、背面形状がテーパ+円の湾曲部の曲率半径は18000mmであり、楕円形状の短径は0.4mmであり、楕円+円の楕円部分の短径は0.3mm、円部分の曲率半径は30000mmである。
また、参考例として、背面がテーパ+円で上記と同形状の1層の導光板についても測定した。このときの粒子濃度は、0.25wt%とした。
測定した光の利用効率の結果を下記表3に示し、相対照度分布を図11に示す。ここで、図11では、縦軸を相対照度とし、横軸を導光板中心からの距離[mm]とした。
なお、本例においては、光の利用効率は、上述と同様に参考例として測定した導光板の光射出面全体から射出される光の強度の合計を100%とし、その参考例の光の強度の合計に対する割合とした。この点に関しては、以下の例も同様とする。
Figure 0005225015
つぎに、65インチサイズ用の導光板について詳述する。
ここで、背面形状がテーパ+円の湾曲部の曲率半径は120000mmであり、楕円形状の短径は0.4mmであり、楕円+円の楕円部分の短径は0.3mm、円部分の曲率半径は250000mmである。
また、参考例として、同様に背面がテーパ+円で上記と同形状の1層の導光板についても測定した。このときの粒子濃度は、0.0875wt%とした。
測定した光の利用効率の結果を下記表4に示し、相対照度分布を図12に示す。ここで、図12では、縦軸を相対照度とし、横軸を導光板中心からの距離[mm]とした。
Figure 0005225015
表3、表4、図11および図12に示すように、境界面zの位置を変更しても、第2層側の粒子濃度の方が第1層側よりも高い2層の導光板とすれば、中高な輝度分布を得ることができ、光の利用効率も高くすることができることがわかる。また、第1層の粒子濃度を低くするので、全体での散乱粒子の量を少なくすることができ、コストダウンにもつながることがわかる。
また、背面の形状を変更しても、光射出面から離間するに従って、光射出面からの距離が遠くなる形状であれば、中高な輝度分布を得ることができ、光の利用効率も高くすることができることがわかる。
さらに、背面の形状と、境界面zの位置を変更することで、照度分布を変更することができ、導光板を大型化した場合も所望の中高度の光を射出させることができることがわかる。
また、上記実施形態では、導光板は、散乱粒子の粒子濃度の違いにより2層としたが、これに限定はされず、多層であればよい。このとき、光射出面に近い層ほど散乱粒子の粒子濃度が低く、背面側の層ほど散乱粒子の粒子濃度が高くなるように形成される。背面側の層ほど粒子濃度が高くなる多層の導光板であっても、中高な輝度分布を得ることができ、光の利用効率を向上させることができる。
このように、導光板の背面を光入射面から離れるに従って、光射出面からの距離が遠くなる形状とし、導光板を、光射出面側の第1層と、第1層よりも粒子濃度が高い背面側の第2層とで構成することによって、光射出面に垂直な方向における合成粒子濃度が、光入射面から離れるに従って高くなるように粒子濃度に分布を持たせることができるので、中高な輝度分布を得ることができ、光の利用効率を向上させることができる。
また、いずれも光入射面から離れるに従って厚みが厚くなる形状としたが、本発明はこれに限定されず、光射出面側の第1層と、背面(光射出面とは反対の面)側の第2層の2つの層とで構成し、第2層の粒子濃度よりも第1層の粒子濃度の方が低くければ、導光板の形状は特に限定されない。
図13(A)〜(C)は、それぞれ本発明の導光板の他の一例を示す概略断面図である。
図13(A)に示す導光板100は、光射出面100aと背面100bとが平行な平板形状である。導光板100も光射出面100a側の第1層102と、背面100b側の第2層104の2層が積層されている。また、第1層102と第2層104との境界面zは、端部(光入射面)では、背面100bと接し、かつ、端部から導光板の中央に向かうにしたがって光射出面100aに近づく方向に傾斜した傾斜面である。したがって、第2層104は、断面形状が光射出面側に頂点を有し、背面100bが底面となる二等辺三角形となる。
このように導光板を平板形状とし、第2層を断面形状が二等辺三角形となる形状することでも、上述同様に光射出面を大型化した場合でも中高な照度分布及び輝度分布の光を射出することができる。
図13(B)に示す導光板110は、光射出面110aと背面110bとが平行な平板形状である。導光板110も光射出面110a側の第1層112と、背面110b側の第2層114の2層が積層されている。また、第1層112と第2層114との境界面zは、端部(光入射面)では、光射出面110aと接しかつ、端部から導光板の中央に向かうにしたがって背面110bに近づく方向に傾斜した傾斜面である。したがって、第1層112は、断面形状が背面110b側に頂点を有し、光射出面110aが底面となる二等辺三角形となる。
このように導光板を平板形状とし、第1層を断面形状が二等辺三角形となる形状することでも、上述同様に光射出面を大型化した場合でも中高な照度分布の光を射出することができる。
図13(C)に示す導光板120は、光射出面120aと、光射出面120aに対向する面が端部(つまり、光入射面)から中央部に向かうにしたがって光射出面120aに近づく2つの傾斜面120b及び120cで形成されている。導光板120も光射出面120a側の第1層122と、傾斜面120b及び120c側の第2層124の2層が積層されている。また、第1層122と第2層124との境界面zは、光射出面120と所定距離離間し、かつ、光射出面120に平行な平坦面である。したがって、第1層122は、平板形状となる。
導光板を上記形状としても、光射出面側の層と、背面(光射出面とは反対の面)側の層の2つの層を積層させた構成とし、2つの層の散乱粒子の濃度を異なる濃度とすることで、上述同様に光射出面を大型化した場合でも中高な照度分布の光を射出することができる。
また、上記実施例では、背面の形状は、いずれも対称な形状としたが、本発明はこれに限定はされず、非対称な形状の背面であってもよい。
図14は、本発明の導光板の他の一例を示す概略断面図である。
図14に示す導光板200は、背面200bが、第1光入射面30d側の第1傾斜面202と、第2光入射面30e側の第2傾斜面204とからなり、第1傾斜面202と第2傾斜面204とが接合する位置(導光板200の最厚部)が、導光板200の中央部よりも第1光入射面30d側にある。つまり、導光板200の背面200bは、図3に示す導光板30の第1傾斜面30bと第2傾斜面30cとの接合部を、第1光入射面30d側に形成し、非対称とした形状を有する。
導光板200の、第1層60と、第1層よりも粒子濃度が高い第2層62との境界面zは、光射出面30aに平行で、第1光入射面30dと第1傾斜面202との境界に形成されており、第2傾斜部204と交わっている。
このように背面を非対称としても、光射出面側と背面側とで粒子濃度が異なる2層で形成し、背面側の粒子濃度を高くすることで、上述と同様に光射出面を大型化した場合でも中高な輝度分布の光を射出することができる。
また、導光板の背面を非対称な形状とした場合でも、境界面zの位置は、導光板が、光射出面側の第1層と、第1層よりも粒子濃度が高い背面側の第2層とで構成されれば、特に限定はされず、境界面zを第1光入射面側に設けてもよいし、第1傾斜面側に設けてもよい。
また、上述の導光板は、2つの光入射面を有していたが、導光板の背面を非対称な形状とした場合は、光入射面を1つとすることが好ましい。つまり、一方の光入射面のみに対向して光源を設けることが好ましい。このとき、第1光入射面側、つまり導光板の最厚部に近い方を光入射面としてもよいし、第2光入射面側、つまり導光板の最厚部に遠い方を光入射面としてもよい。このように、光入射面を1つとした場合でも、上述と同様に光射出面を大型化した場合でも中高な輝度分布の光を射出することができる。
以上、本発明に係る導光板及び面状照明装置について詳細に説明したが、本発明は、以上の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良や変更を行ってもよい。
例えば、上記の透明樹脂に可塑剤を混入して導光板を作製してもよい。
このように、透明材料と可塑剤とを混合した材料で導光板を作製することで、導光板をフレキシブルにすること、つまり、柔軟性のある導光板とすることができ、導光板を種々の形状に変形させることが可能となる。従って、導光板の表面を種々の曲面に形成することができる。
このように導光板をフレキシブルにすることにより、例えば、導光板、または、この導光板を用いた面状照明装置を電飾(イルミネーション)関係の表示板として用いる場合に、曲率を持つ壁にも装着することが可能となり、導光板をより多くの種類、より広い使用範囲の電飾やPOP(POP広告)等に利用することができる。
ここで、可塑剤としては、フタル酸エステル、具体的には、フタル酸ジメチル(DMP)、フタル酸ジエチル(DEP)、フタル酸ジブチル(DBP)、フタル酸ジ−2−エチルヘキシル(DOP(DEHP))、フタル酸ジノルマルオクチル(DnOP)、フタル酸ジイソノニル(DINP)、フタル酸ジノニル(DNP)、フタル酸ジイソデジル(DIDP)、フタル酸混基エステル(C〜C11)(610P、711P等)、フタル酸ブチルベンジル(BBP)が例示される。また、フタル酸エステル以外にも、アジピン酸ジオクチル(DOA)、アジピン酸ジイソノニル(DINA)、アジピン酸ジノルマルアルキル(C6、8、10)(610A)、アジピン酸ジアルキル(C7、9)(79A)、アゼライン酸ジオクチル(DOZ)、セバシン酸ジブチル(DBS)、セバシン酸ジオクチル(DOS)、リン酸トリクレシル(TCP)、アセチルクエン酸トリブチル(ATBC)、エポキシ化大豆油(ESBO)、トリメリット酸トリオクチル(TOTM)、ポリエステル系、塩素化パラフィン等が例示される。
本発明に係る導光板を用いる本発明の面状照明装置を用いる液晶表示装置の一実施形態を示す概略斜視図である。 図1に示した液晶表示装置のII−II線断面図である。 (A)は、図2に示した面状照明装置の一例の、III−III線矢視図であり、(B)は、(A)のB−B線断面図である。 (A)は、図1及び図2に示す面状照明装置の光源の概略構成を示す斜視図であり、(B)は、(A)に示す光源の断面図であり、(C)は、(A)に示す光源の1つのLEDを拡大して示す概略斜視図である。 導光板の形状を示す概略斜視図である。 導光板の光射出面から射出される光の相対照度分布を測定した結果を示すグラフである。 導光板の光射出面から射出される光の相対照度分布を測定した結果を示すグラフである。 導光板の粒子濃度と導光板の光射出面から射出される光の利用効率及び中高率との関係を示すグラフである。 (A)および(B)は、それぞれ本発明の導光板を用いる面状照明装置の他の一例を示す概略断面図である。 (A)〜(C)は、それぞれ本発明の導光板を用いる面状照明装置の他の一例を示す概略断面図である。 導光板の光射出面から射出される光の相対照度分布を測定した結果を示すグラフである。 導光板の光射出面から射出される光の相対照度分布を測定した結果を示すグラフである。 (A)〜(C)は、それぞれ本発明の導光板の他の一例を示す概略断面図である。 本発明の導光板の他の一例を示す概略断面図である。
符号の説明
10 液晶表示装置
12 液晶表示パネル
14 駆動ユニット
20 面状照明装置
24 照明装置本体
24a 光出面
26 筐体
28 主光源
30、130、140 導光板
30a 光射出面
30b 第1傾斜面
30c 第2傾斜面
30d 第1光入射面
30e 第2光入射面
32 光学部材ユニット
32a、32c 拡散シート
32b プリズムシート
34 反射板
36 上側誘導反射板
38 下側誘導反射板
42 下部筐体
44 上部筐体
46 折返部材
48 支持部材
49 電源収納部
50 LEDチップ
52 光源支持部
54 アレイ基板
56 フィン
58 発光面
60 第1層
62 第2層
z 境界面

Claims (10)

  1. 矩形状の光射出面と、前記光射出面の一辺を含む光入射面と、前記光射出面とは反対側の面である背面と、内部に分散された散乱粒子とを有する導光板であって、
    前記光入射面が前記光出射面の長辺の1辺に設けられ、
    前記光射出面側の第1層と、前記第1層とは粒子濃度が異なる前記背面側の第2層とで構成され、前記第1層の散乱粒子の粒子濃度をNpoとし、前記第2層の散乱粒子の粒子濃度をNprとすると、前記Npoと前記Nprとの関係が、Npo<Npr、0wt%≦Npo≦0.15wt%、かつ、0.008wt%<Npr<0.4wt%を満たし、
    前記第1層と前記第2層との境界面は、前記光出射面に平行な平面であり、
    前記背面は、前記光入射面、および、前記光入射面に対向する側面それぞれから前記光出射面の中央に向かうに従ってそれぞれ前記光出射面からの距離が遠くなり、
    前記光入射面に垂直な方向において、前記散乱粒子の合成粒子濃度が異なることを特徴とする導光板。
  2. 前記光入射面に対向する側面を第2の光入射面とする請求項1に記載の導光板。
  3. 前記第1層と、前記第2層との境界面が、前記光入射面と前記背面との境界にある請求項1または2に記載の導光板。
  4. 前記第1層と、前記第2層との境界面の1辺が前記光入射面に含まれる請求項1または2に記載の導光板。
  5. 前記第1層と、前記第2層との境界面の1辺が前記背面に含まれる請求項1または2に記載の導光板。
  6. 前記背面が、前記光入射面にそれぞれ接合し、前記光射出面に対して傾斜した2つの傾斜面からなる請求項2〜5のいずれかに記載の導光板。
  7. 前記背面が、前記光入射面にそれぞれ接合し、前記光射出面に対して傾斜した2つの傾斜面と、前記2つの傾斜面を接合する湾曲部とを有することを特徴とする請求項2〜5のいずれかに記載の導光板。
  8. 前記背面が、前記光入射面の長手方向に垂直な断面において、前記光入射面とそれぞれ接合する楕円での一部で表される2つの曲線と、前記楕円の一部で表される曲線とそれぞれ接合する2つの直線と、前記直線と接合する円の一部で表される曲線とからなる請求項2〜5のいずれかに記載の導光板。
  9. 前記背面が、前記光入射面の長手方向に垂直な断面において、前記光入射面とそれぞれ接合する楕円の一部で表される2つの曲線と、前記楕円の一部で表される曲線を接合する円の一部で表される曲線とからなる請求項2〜5のいずれかに記載の導光板。
  10. 前記第1層の厚みをT1とし、前記光入射面の厚みをT2とすると、厚みT1と厚みT2との関係が0.3<T1/T2<2を満たす請求項1〜9のいずれかに記載の導光板。
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