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JP4843869B2 - 偽造防止用紙用スレッドおよび偽造防止用紙 - Google Patents

偽造防止用紙用スレッドおよび偽造防止用紙 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、偽造防止用紙用スレッドおよび偽造防止用紙に関するものである。さらに詳しくは、偽造防止のために紙層中に抄き込まれる糸状又はテープ状のスレッドが付与された偽造防止用紙に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、複写機技術の進歩によって、有価証券類の偽造が容易となり、大きな社会問題となっている。このため、紙幣、商品券、小切手、株券、パスポート、身分証明書、カードなどは不正に変造、偽造できないように、各種の偽造防止対策が施されている。
【0003】
偽造防止対策としては、特開昭48−75808号、特公昭52−48660号、特開昭51−130308号公報等に記載の紙層間に糸状物(以下、スレッドと称す)を抄き込んだ、いわゆる糸入り紙と称する偽造防止用紙がある。
【0004】
紙層間に抄き込むスレッドの形態は、一般的に10〜100μm程度の厚みで、0.2〜30mm程度の巾の糸状又はテープ状のものが一般的に使用されている。近年は、高度な複写機の技術による偽造を防止するため、複製が非常に困難なホログラム、ピクセルグラム、グレーティングイメージ等がクレジットカード、紙幣等に貼付されているが、これらを応用した金属蒸着フィルムもスレッドとして使用される。これらのスレッドを抄き込んだ偽造防止用紙は、複写機で複写してもスレッドの金属光沢部分は偽造できず、変造することが困難である。
【0005】
また、紙層間に抄き込んだスレッドの脱落を防ぐためにスレッドと抄き込んだ紙層とを強固に接着させる必要がある。そのため、スレッドの片面又は両面に接着剤を塗布し、紙と接着させるという方法が用いられている。
【0006】
また、接着剤を塗布して得られたスレッドは紙層間に抄き込むために、狭い巾の糸状またはテープ状のものに接着剤層を均一に塗布することは難しく、100mm〜1000mm程度の巾のものに均一に塗工後、マイクロスリッター等で0.2mm〜30mm程度の巾にスリットして巻き取られる。しかしながら、スレッドの片面又は両面に接着剤が塗布されているため、スリットして巻き取っていく過程において、スレッド表裏間の滑りが悪く、皺が入り易いという問題がある。また、10000mから25000mをボビン状のロールに巻き取った際、スレッド表裏間の滑りが悪いとロール巾方向に均一にスレッドを巻き取ることが困難になり、両サイドに落ち込みが発生する。両サイドに落ち込みのある不均一な巻取りは糸状又はテープ状のスレッドを紙層間へ繰り出す際、スレッド切れが発生し、歩留まりの低下を引き起こすほか、作業性を著しく低下させるという問題がある。
【0007】
また、特開平10−204796号公報には、スレッド表裏の接着剤のガラス転移温度に差を設けることが記載され、また、特開平10−266097号公報には、金属蒸着層上に2層以上の接着剤層を設けた構成が記載され、耐ブロッキング性および紙層との接着強度が良好であることが記載されている。
しかしながら、さらに研究を進めた結果、前記技術を実施しても、金属蒸着層と接着剤層との接着が悪く、紙層間に抄き込んだ際、金属蒸着層と接着剤層との接着力が接着剤層と紙層との接着力より劣り、金属蒸着層と接着剤層との界面で剥がれるという問題が発生することが判明した。また、抄き込み初期には問題がなくても経時で金属蒸着面および/又は接着剤層の劣化により、金属蒸着層と接着剤層が剥がれ、スレッドが紙層から剥がれるという問題が発生することが判明した。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、偽造防止用紙用スレッドおよび偽造防止用紙に関するものであり、さらに詳しくは、偽造防止のために紙層中に抄き込まれる糸状又はテープ状のスレッドにおいて、スレッド切れや歩留まりの低下等の作業性および紙層との接着力に優れ、しかもそのスレッドを用い、経時での接着力低下のない偽造防止用紙を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は偽造防止用紙の製造に使用するスレッドの金属蒸着面側に塗布する接着剤層について鋭意研究を行った結果、スレッド切れや歩留まりの低下等の作業性を改善でき、また経時による金属蒸着面と接着剤層との間での剥がれがなく、しかもスレッドと紙層との接着強度に優れた接着剤層の構成を見出し、本発明を完成させるに至った。
【0010】
本発明は以下の発明から選択される。本発明の偽造防止用紙用スレッドは、偽造防止のために紙層中に抄き込まれる糸状又はテープ状のスレッドにおいて、該スレッドが、プラスチックフィルムの片面に金属蒸着層、およびエチレン−酢酸ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル系樹脂、オレフィン系樹脂、アクリル系樹脂から選ばれる少なくとも一種を主成分とする接着剤層を有する積層体を糸状又はテープ状に加工したものであり、且つ該積層体の表裏間の静摩擦係数がJIS P 8147規定の紙および板紙の摩擦係数試験方法で0.10〜1.80であることを特徴とする。また、本発明は、スレッド表裏間の静摩擦係数が、JIS P 8147規定の紙および板紙の摩擦係数試験方法で0.15〜0.50であることが好ましい。さらに、本発明は、金属蒸着面に接する接着剤層が、2層以上積層してなり、且つ金属蒸着面に接する側の接着剤層のガラス転移温度が、その上に積層する接着剤層のガラス転移温度より低いことが好ましい。さらにまた、本発明は、上記のスレッドを紙層間に抄き込んだことを特徴とする偽造防止用紙である。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の偽造防止用紙用スレッドは、基材である金属蒸着層を有するプラスチックフィルムの少なくとも金属蒸着層上に接着剤を塗布、乾燥して得られる。また本発明のスレッド入り偽造防止用紙は、多層抄きの抄紙機で少なくとも最終の抄き合わせを行うよりも前に、糸状又はテープ状の基材の少なくとも金属蒸着層上にあらかじめ熱可塑性の接着剤層を設けたスレッドを、抄紙機の抄き合わせ工程において巻きもどしながら紙層間に挿入し、乾燥工程の熱によりスレッドの接着剤層を可塑化させて紙層と接着させて得られるものである。
【0012】
糸状スレッド基材としては、木綿、麻、絹等の天然繊維、およびアクリル系樹脂繊維、ポリエステル系樹脂繊維、ナイロン系樹脂繊維等の合成繊維からなる糸が挙げられ、中でも前記合成繊維を使用することが好ましい。また、糸状のスレッドは、染色された糸、金属蒸着層を有する糸、あるいは金属箔と共に撚られた糸からなるものが偽造防止性に優れ好ましい。
【0013】
これら糸状のスレッドの太さ(直径)としては、10〜80μm程度、特に10〜40μm程度であることが好ましい。
【0014】
テープ状スレッド基材としては、合成樹脂フィルムからなるものが挙げられる。かかる合成樹脂フィルムの具体例としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、ポリカーボネイト、ポリオレフィン、ポリスチレン等の合成樹脂、天然樹脂等の材料の単体あるいは複合体に金属蒸着層を設けたものを使用することができる。中でも、耐熱性を有し、寸法安定性が良好なポリエチレンテレフタレート(PET)およびポリエチレンナフタレート(PEN)が好ましい。また各種スレッド基材には偽造防止や装飾的な目的から、文字、図柄等の印刷、ホログラム、グレーティングイメージ等の光学的な特殊処理等を施したり、磁気記録層を設けて情報を付与したりすることもできる。
また、金属蒸着層を構成する金属としては、Al、Zn、Cu、Sn、Ag、Cr、Ni、Ni−Cr、ITO(In23に約8〜12モル%のSnO2を添加した透明高導電性薄膜)、Pd、Ti、Co、Co−Ni、Co−Cr等が挙げられる。
【0015】
また、本発明は、スレッド表裏間の静摩擦係数をJIS P8147規定の紙および板紙の摩擦係数試験方法で0.10〜1.80に調整することが必要である。中でも、表裏間の滑り性が良好なため、静摩擦係数を0.15〜0.50に調整することが好ましい。スレッド表裏の摩擦係数が1.80より大きければ、スレッドを糸状又はテープ状にスリットし、ボビン状のロールに巻き取る際、ボビン状ロールに凹凸やサイドの落ち込みが発生したりし、紙層間に挿入する際、スレッド切れの原因となり、歩留まりや作業性が著しく低下する。またロールの一部に強い圧力がかかり、ブロッキングが発生し、使用が困難となる。一方、0.10より小さければ、マイクロスリット前の広幅巻取り状態で滑りが大きくなり使用が困難となる。スレッド表裏間の静摩擦係数は、マイクロスリッターでスリットされる前の巾75mm以上のものを用い、JIS P8147規定の寸法に裁断して測定する。
【0016】
本発明に使用する接着剤層中の接着剤としては、水性(水溶性系、ラテックス系)系、有機溶剤系等の形態で、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂等の接着剤が挙げられる。これらに限定されるものではない。例えば、エチレン−酢酸ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、スチレン−イソプレン系樹脂、スチレン−ブタジエン系樹脂、酢酸ビニル−ビニルアルコール系樹脂、オレフィン系樹脂、アクリル−スチレン系樹脂、デンプン、PVA等、一般にヒートシール接着剤として使用できる公知、公用の樹脂組成物が使用可能である。中でも、スレッドの金属蒸着面の反対側にも接着剤層を設ける場合は、紙表面にスレッドが露出する際の印刷時のインキとの接着を防止するために、有機溶剤可溶型のエチレン−酢酸ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル系樹脂、アクリル系樹脂が好ましい。テープ状スレッドを用いる場合、接着剤層は、テープ状スレッド基材の少なくとも金属蒸着層側に施すことが望ましく、その反対面側に施しても良い。
【0017】
特に、金属蒸着層上に設ける接着剤層としては、熱により可塑化し接着性を有するエチレン−酢酸ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル系樹脂、オレフィン系樹脂、アクリル系樹脂から選ばれる少なくとも一種を主成分とすることが好ましい。さらに、金属蒸着面に接する接着剤層は、金属蒸着面との接着性が良好であるので、エチレン−酢酸ビニル系樹脂を主成分とすることが好ましい。
【0018】
本発明の接着剤層は、金属蒸着層と接着性が良好な引張り破断伸度の高い接着剤層を蒸着面側に設け、金属蒸着層と基材間、および金属蒸着層と接着剤層間の歪みを緩和させ、さらにその上に、スレッド表裏間の滑り性を付与する目的で引張り破断伸度の低い接着剤層を順次設けることにより、層間剥がれを防止できるとともに滑り性も付与できることから、2層以上積層されていることが好ましい。
さらに、金属蒸着面と接する側に、金属蒸着面と接着力が良好なガラス転移温度が低い接着剤層を設け、最外層部に摩擦係数を低く設定する目的で、内側よりガラス転移温度が高い接着剤層を構成することが好ましい。
【0019】
これらの樹脂はそのまま接着剤として使用してもよいし、複数の樹脂を混合して使用しても良い。また必要に応じて、各種公知の染料や顔料、消泡剤や濡れ剤等の界面活性剤、ブロッキング防止剤、滑剤、増粘剤等の助剤を添加しても良い。
特に、顔料としては、例えば、タルク、カオリン、シリカ、焼成カオリン、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化チタン、酸化亜鉛、水酸化アルミニウム、尿素−ホルマリン樹脂などが使用できる。中でも、摩擦係数を低く設定することができるので、シリカが好ましい。さらにまた、摩擦係数を低くするために、潤滑剤を含有させることが好ましい。
【0020】
接着剤の塗布方法は、ハケ塗り、スプレー塗布、ロールコーター、マイヤーバーコーター、グラビアロールコーター、ブレードコーター、エアーナイフコーター等の各種塗布装置によって行われ、乾燥は上記の塗布装置に組み合わせた従来の方法で行われる。なお、乾燥直後の接着剤層の水分量は1.0%以下にすることが、摩擦係数を低く設定するために効果的である。また、塗布量は乾燥重量で0.5〜15g/m2程度が好ましいが、0.5g/m2より少ないと、十分な接着強度が得られず、15g/m2より多いと、接着機能の飽和や過剰な乾燥エネルギーを必要とし、経済上好ましくない。
【0021】
本発明のスレッドは、接着剤を塗布、乾燥後に所定の巾にスリット加工し、ボビンに巻取り、スレッドとして使用される。
【0022】
こうして得られたスレッドを、各種のワイヤーパートを組み合わせた公知の多層抄き抄紙機の抄き合わせ工程で紙層間に挿入し、必要に応じて抄紙途中で各種表面サイズ等をサイズプレス装置等で塗工し、ドライヤーで乾燥して目的とする偽造防止用紙を得る。また、得られた偽造防止用紙にマシンカレンダーやスーパーカレンダー処理を施したり、各種塗工装置で表面に顔料塗被層、感熱記録層、熱転写受像層、インクジェット記録層等を設けてもよい。
【0023】
本発明で得られた偽造防止用紙は、通常さらに所望の印刷および断裁等を行い、紙幣や商品券、磁気記録層を設けて切符やプリペイドカード等として使用される。
【0024】
【実施例】
以下に、実施例を示し、本発明をより具体的に説明するが、もちろんこれらに限定されるものではない。また、特に断らない限り例中の部および%はそれぞれ重量部および重量%を示す。
【0025】
参考例1
〔スレッドの作製〕
基材として、厚さ12μmのアルミ蒸着PETフィルム(商品名:G1302E−12、ダイヤホイルヘキスト社製)のPETフィルム面側に、ガラス転移温度約30℃のアクリル系有機溶剤溶液型接着剤(商品名:XC−88、互応化学工業社製、溶剤:酢酸エチル)を乾燥重量で1.0g/mとなるように、グラビアロールコーターで塗布、乾燥させた。
【0026】
次に、アルミ蒸着面側にエチレン−酢酸ビニル系水分散型接着剤(商品名:スミカフレックス400、住友化学工業社製、Tg=0℃)100部に、平均粒子径2.2μmのシリカ(商品名:ミズカシルP−707、水澤化学工業社製)2部、蛍光染料(商品名:ケイコールBULC、日本曹達社製)0.6部、潤滑剤(商品名:スリップエイドSL−140、サンノプコ社製)7部を添加し、よく攪拌後、乾燥重量で6.0g/mとなるように、グラビアロールコーターで塗布、水分量が0.6%になるよう乾燥させ、スレッドを得た。
スレッド表裏間の静摩擦係数を測定したところ、0.95であった。
ついで、マイクロスリッターで1mm巾にスリット後、ボビンに巻き取り、テープ状スレッドを得た。
【0027】
〔偽造防止用紙の製造〕
二槽のシリンダーバットを備えた円網抄紙機の、一槽目の円網シリンダーの同一円周表面上にあらかじめ1cm×1cmの形のテープを1cm間隔で貼り付けて網目を塞いでおき、第一紙層として1cmおきに1cm×1cmの穴が空いた紙層を形成するようにした。二槽目の円網シリンダーには細工を施さず、無地の第二紙層を形成するようにした。また、スレッド巻き出し装置を第一槽目と第二槽目の円網シリンダー間に設置し、スレッドが第一紙層の穴と重なる位置に、第二紙層とアルミ蒸着面側が接する向きで挿入されるようにした。なお、この抄紙機で抄造される湿潤紙(水分約50%)は、12本のシリンダードライヤー(表面温度約70〜100℃)で乾燥後、マシンカレンダー処理される。
上記抄紙機により、作製したスレッドを使用して、スレッドが片面で露出と埋没を繰り返したタイプの偽造防止用紙を得た。
【0028】
実施例
アルミ蒸着PETフィルムのPETフィルム面側に、ガラス転移温度約70℃の塩化ビニル−酢酸ビニル系有機溶剤溶液型接着剤(商品名:A−201D、大日本インキ化学工業社製、溶剤:酢酸エチル/アセトン)を乾燥重量で1.3g/mとなるように塗布、乾燥させた。
次に、アルミ蒸着面側にエチレン−酢酸ビニル系水分散型接着剤(商品名:スミカフレックス400、住友化学工業社製、Tg=0℃)100部に、平均粒子径2.2μmのシリカ(商品名:ミズカシルP−707、水澤化学工業社製)2部を添加し、よく攪拌後、乾燥重量で5.0g/mとなるように、グラビアロールコーターで塗布、水分量が0.6%になるよう乾燥させた。さらにその上にポリエステル系水溶性接着剤(商品名:プラスコートZ−802、互応化学工業社製、Tg=47℃)100部に、平均粒子径2.2μmのシリカ(商品名:ミズカシルP−707、水澤化学工業社製)2部、蛍光染料(商品名:ケイコールBULC、日本曹達社製)0.6部を乾燥重量で3.0g/mとなるように、グラビアロールコーターで塗布、水分量が0.8%になるよう乾燥させ、スレッドを得た以外は、参考例1と全く同様にして偽造防止用紙を得た。スレッド表裏間の静摩擦係数は0.45であった。
【0029】
参考例2
アルミ蒸着PETフィルムのアルミ蒸着面側にエチレン−酢酸ビニル系水分散型接着剤(商品名:スミカフレックス305、住友化学工業社製、Tg=7℃)100部に、平均粒子径2.2μmのシリカ(商品名:ミズカシルP−707、水澤化学工業社製)2部、蛍光染料(商品名=ケイコールBULC、目本曹達社製)0.6部、潤滑剤(商品名:スリップエイドSL−140、サンノプコ社製)7部を添加し、よく攪拌後、乾燥重量で6.0g/mになるようにグラビアコーターで塗布し、水分量0.6%になるよう乾燥させ、スレッドを得た以外は、参考例1と全く同様にして偽造防止用紙を得た。スレッド表裏間の静摩擦係数は0.85であった。
【0030】
実施例
アルミ蒸着PETフィルムのアルミ蒸着面側にエチレン−酢酸ビニル系水分散型接着剤(商品名:スミカフレックス400、住友化学工業社製、Tg=0℃)100部に、平均粒子径2.2μmのシリカ〔商品名:ミズカシルP−707、水澤化学工業社製)2部を添加し、よく攪拌後、乾燥重量で5.0g/mとなるように、グラビアロールコーターで塗布し、水分量0.6%になるよう乾燥した。さらにその上にポリエステル系水溶性接着剤(商品名;プラスコートZ−450、互応化学工業社製、Tg=55℃)100部に、平均粒子径2.2μmのシリカ(商品名:ミズカシルP−707、水澤化学工業社製)2部、蛍光染料(商品名:ケイコールBULC、日本曹達社製)0.6部を乾燥重量で3.0g/mとなるように、グラビアロールコーターで塗布し、水分量0.8%になるよう乾燥させ、スレッドを得た以外は、参考例1と全く同様にして偽造防止用紙を得た。スレッド表裏間の静摩擦係数は0.45であった。
【0031】
実施例
厚さ12μmのニッケル蒸着PENフィルムのニッケル蒸着面側にエチレン−酢酸ビニル系水分散型接着剤(商品名:スミカフレックス400、住友化学工業社製、Tg=0℃)100部に、平均粒子径2.2μmのシリカ(商品名:ミズカシルP−707、水澤化学工業仕製)2部を添加し、よく攪拌後、乾燥重量で5.0g/mとなるように、グラビアロールコーターで塗布し、水分量0.6%になるよう乾燥させた。さらにその上にポリエステル系水溶性接着剤(商品名=プラスコートZ−850、互応化学工業社製、Tg=20℃)100部に、平均粒子径2.2μmのシリカ(商品名:ミズカシルP−707、水澤化学工業社製)2部、蛍光染料(商品名:ケイコールBULC、日本曹達社製)0.6部、潤滑剤(商品名:スリップエイドSL−140、サンノブコ社製)5部を乾燥重量で1.0g/mとなるように、グラビアロールコーターで塗布し、水分量0.8%になるよう乾燥させスレッドを得た以外は、参考例1と全く同様にして偽造防止用紙を得た。スレッド表裏間の静摩擦係数は0.37であった。
【0032】
実施例
〔スレッドの作製〕
基材として、厚さ12μmのアルミ蒸着PETフィルム(商品名:G1302E−12、ダイヤホイルヘキスト社製)のアルミ蒸着面側にエチレン−酢酸ビニル系水分散型接着剤(商品名:スミカフレックス400、住友化学工業社製、Tg=0℃)100部に、平均粒子径2.2μmのシリカ(商品名:ミズカシルP−707、水澤化学工業社製)2部、蛍光染料(商品名:ケイコールBULC、日本曹達社製)0.6部を添加し、よく攪拌後、乾燥重量で6.0g/mとなるように、グラビアロールコーターで塗布し、水分量が0.6%になるよう乾燥させた。さらにその上にポリエステル系水溶性接着剤(商品名:プラスコートZ−450、互応化学工業社製、Tg=55℃)100部に、平均粒子径2.2μmのシリカ(商品名:ミズカシルP−707、水澤化学工業社製)2部、蛍光染料(商品名:ケイコールBULC、目本曹達社製)0.6部、潤滑剤(商品名:スリップエイドSL−140、サンノプコ社製)7部を添加し、よく攪拌後、乾燥重量で1.0g/mとなるように、グラビアロールコーターで塗布、水分量0.8%になるよう乾燥させスレッドを得た以外は参考例1と全く同様にして偽造防止用紙を得た。スレッド表裏間の静摩擦係数を測定したところ、0.30であった、
【0033】
比較例1
アルミ蒸着PETフィルムのアルミ蒸着面側にエチレン−酢酸ビニル系水分散型接着剤(商品名:スミカフレックス401、住友化学工業社製、Tg=−18℃)100部に、蛍光染料(商品名:ケイコールBULC、日本曹達社製)0.6部を添加し、よく攪拌後、乾燥重量で6.0g/mになるようにグラビアコーターで塗布し、水分量0.6%になるよう乾燥させてスレッドを得た以外は、参考例1と全く同様にして偽造防止用紙を得た。スレッド表裏間の静摩擦係数は2.05であった。
【0034】
比較例2
アルミ蒸着PETフィルムのアルミ蒸着面側にガラス転移温度約7℃のスチレン−ブタジエン系水分散型接着剤(商品名:P−6321、住友化学A&L社製、Tg=7℃)100部に、蛍光染料(商品名:ケイコールBULC、日本曹達社製)0.6部を添加し、よく攪拌後、乾燥重量で6.0g/mになるようにグラビアコーターで塗布し、水分量0.6%になるよう乾燥させスレッドを得た以外は、参考例1と全く同様にして偽造防止用紙を得た。スレッド表裏間の静摩擦係数は0.90であった。
【0035】
得られた偽造防止用紙について、以下の方法で評価し、その結果を表1に示した。
【0036】
〔静摩擦係数の測定〕
JIS P8147規定の紙および板紙の摩擦係数試験方法に準じ、得られたスレッド表裏間の摩擦係数を測定した。
【0037】
〔作業性〕
得られたスレッドを1mm巾スリットし、ボビンに10000m巻取り、抄紙機の抄き合わせ工程において巻き戻しながら紙層間に挿入し、作業性を下記の基準で評価した。
◎;スレッド切れがなく、作業性良好。
○;スレッド切れが若干あり。
×;スレッド切れが多数。
【0038】
〔保存性〕
得られた偽造防止用紙用スレッドを1000m抄き込み、その後、その一部を23℃、50%RHの環境下で6ヶ月間保存したサンプルを用いて、JIS Z0237に準じる方法で、紙層からスレッドを180℃の角度、0.3m/分の速度で引き剥がし、接着強度を測定した。その結果に基づいて下記の基準で評価した。
◎;スレッド露出部分の接着強度が15gf/1mm以上。
○;スレッド露出部分の接着強度が10〜15gf/1mm。
△;スレッド露出部分の接着強度が5〜10gf/1mm。
×;スレッド露出部分の接着強度が5gf/1mm未満。
【0039】
【表1】
Figure 0004843869
【0040】
【発明の効果】
本発明になる偽造防止用紙用スレッドは、スレッド切れや歩留まりの低下等の作業性および紙層との接着力に優れ、しかもそれを用いた偽造防止用紙は、経時で接着力低下のないものが得られた。

Claims (3)

  1. 偽造防止のために紙層中に抄き込まれる糸状又はテープ状のスレッドにおいて、該スレッドが、プラスチックフィルムの片面に金属蒸着層と、該金属蒸着層面と接する側の接着剤層がエチレン−酢酸ビニル系接着剤層で、その上に積層されている接着剤層がポリエステル系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル系樹脂、オレフィン系樹脂、アクリル系樹脂から選ばれる少なくとも一種を主成分とする前記エチレン−酢酸ビニル系接着剤層よりガラス転移温度が高い接着剤層である2層以上積層された接着剤層を有する積層体を糸状又はテープ状に加工したものであり、且つ前記積層体の表裏間の静摩擦係数がJIS P 8147規定の紙および板紙の摩擦係数試験方法で0.10〜1.80であることを特徴とする偽造防止用紙用スレッド。
  2. スレッド表裏間の静摩擦係数が、JIS P 8147規定の紙および板紙の摩擦係数試験方法で0.15〜0.50であることを特徴とする請求項1記載の偽造防止用紙用スレッド。
  3. 請求項1又は2に記載の偽造防止用紙用スレッドの少なくとも1種を、紙層間に抄き込んだことを特徴とする偽造防止用紙。
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