JP4724778B1 - ポリビニルアルコールラミネート紙の製造方法、ポリビニルアルコールラミネート紙及び化粧箱 - Google Patents
ポリビニルアルコールラミネート紙の製造方法、ポリビニルアルコールラミネート紙及び化粧箱 Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】ポリビニルアルコールフィルムの表面にアルミニウムを真空蒸着したアルミニウム蒸着層が設けられており、その裏面に上記水系接着剤が40〜60%の濃度であり、500〜4,000mPa・sの粘度であり、3〜5g/m2の塗布量である該水系接着剤を塗布して基紙と貼り合わせて、上記ポリビニルアルコールラミネート紙に印刷して印刷層を形成する、又は、上記ポリビニルアルコールフィルムの裏面に上記水系接着剤が40〜60%の濃度であり、500〜4,000mPa・sの粘度であり、3〜5g/m2の塗布量である該水系接着剤を塗布して基紙と貼り合わせ、上記ポリビニルアルコールフィルムにアルミニウムを真空蒸着した転写箔のアルミニウム蒸着層を転写して、上記ポリビニルアルコールラミネート紙に印刷して印刷層を形成することを特徴とする。
【選択図】 なし
Description
一方、上記緩衝部材用ラミネート紙は、紙基材に貼り合わせた水溶性ポリビニルアルコール層に吸湿性を有するのに対して、例えばPETフィルムに吸湿性がないので、PETフィルムのラミネート紙のPETフィルムを上にした場合には、該ラミネート紙は凹カールを生じることが知られている(図5参照)。
それ故に、本発明の課題は、上記従来技術の問題点に鑑み、PVAフィルムに水系接着剤を介して紙を積層したラミネート紙を製造する際に、そのラミネート紙に皺及び凹カールのないポリビニルアルコールラミネート紙の製造方法、また、皺及び凹カールのないポリビニルアルコールラミネート紙、及び簡単にリサイクル処理ができる化粧箱を提供することである。
上記課題を解決するために、請求項1に係る化粧用ポリビニルアルコールラミネート紙の製造方法は、熱可塑性樹脂フィルムの片面に接着剤を塗布して基紙と貼り合わせて製造するラミネート紙の製造方法であって、前記熱可塑性樹脂フィルムがポリビニルアルコールフィルムであり、前記接着剤が水系接着剤であり、上記ポリビニルアルコールフィルムの表面にアルミニウムを真空蒸着したアルミニウム蒸着層が設けられており、その裏面に上記水系接着剤が40〜60%の濃度であり、500〜4,000mPa・sの粘度であり、3〜5g/m2の塗布量である該水系接着剤を塗布して基紙と貼り合わせて、上記ポリビニルアルコールラミネート紙の上記アルミニウム蒸着層に印刷して印刷層を形成する、又は、上記ポリビニルアルコールフィルムの裏面に上記水系接着剤が40〜60%の濃度であり、500〜4,000mPa・sの粘度であり、3〜5g/m2の塗布量である該水系接着剤を塗布して基紙と貼り合わせ、上記ポリビニルアルコールフィルムにアルミニウムを真空蒸着した転写箔のアルミニウム蒸着層を転写して、上記ポリビニルアルコールラミネート紙の上記アルミニウム蒸着層に印刷して印刷層を形成することを特徴とする。
請求項2に係る化粧用ポリビニルアルコールラミネート紙の製造方法は、前記転写箔のアルミニウム蒸着層を転写する方法が、ホットスタンプ又はコールド転写加工であることを特徴とする。
請求項3に係る化粧用ポリビニルアルコールラミネート紙の製造方法は、ルフィルムが80〜99モル%のケン化度、5〜100μmの厚みであることを特徴とする。
請求項4に係る化粧用ポリビニルアルコールラミネート紙の製造方法は、 前記基紙が非塗被紙、アート紙、コート紙又はキャストコート紙であり、その坪量が70〜500g/m2であることを特徴とする。
請求項5に係る化粧用ポリビニルアルコールラミネート紙の製造方法は、前記アルミニウム蒸着層の上にプライマー層を形成することを特徴とする。
請求項6に係る化粧用ポリビニルアルコールラミネート紙は、 熱可塑性樹脂フィルムと基紙を接着剤で貼り合わせてなるラミネート紙であって、前記熱可塑性樹脂フィルムがポリビニルアルコールフィルムであり、前記接着剤が40〜60%の濃度であり、500〜4,000mPa・sの粘度であり、3〜5g/m 2 の塗布量である水系接着剤であり、前記基紙が非塗被紙、アート紙、コート紙又はキャストコート紙であり、前記ラミネート紙が上記基紙、上記水系接着剤、アルミニウム蒸着層及び印刷層が設けられた上記ポリビニルアルコールフィルムを積層してなり、上記ラミネート紙がしわ跡、浮き跡がないこと、温度60℃、相対湿度90%の恒温恒湿槽に3時間暴露したのちのカールの4角測定で±0mmであることを特徴とする。
請求項7に係る化粧箱は、請求項6に記載のポリビニルアルコールラミネート紙を加工してなることを特徴とする。
請求項8に係る化粧箱は、前記化粧箱のポリビニルアルコールフィルム、アルミニウム蒸着層、水系接着剤がアルカリ性水溶液により溶解することを特徴とする。
そして、上記製造方法は、水系接着剤の濃度、粘度及び塗布量が上記値の範囲内であれば、アルミニウム蒸着層を設ける方法が、ポリビニルアルコールフィルムの表面にアルミニウム蒸着層を設ける方法、ホットスタンプによる方法又はコールド転写加工による方法の何れの方法であっても使用でき、また、ポリビニルアルコールフィルムのケン化度が80〜99モル%であるので、水離解性が良好である。
本発明のポリビニルアルコールラミネート紙は、基紙、水系接着剤、アルミニウム蒸着層及び印刷層が設けられたポリビニルアルコールフィルムを積層してなり、上記ポリビニルアルコールラミネート紙のしわ跡、浮き跡がなく、温度60℃、相対湿度90%の恒温恒湿槽に3時間暴露したのちのカールの4角測定で±0mmであるので、上記ラミネート紙をオフセット印刷機で印刷する際に、コストの低減、生産効率の向上が図られ、また、上記ラミネート紙を加工して化粧箱を生産する際に、品質が良質なものである。
本発明の化粧箱は、ポリビニルアルコールフィルム、アルミニウム蒸着層、水系接着剤がアルカリ性水溶液により溶解するので、簡単に繊維回収のリサイクル処理ができる。
図1は、本発明のPVAラミネート紙の製造方法及びそのPVAラミネート紙の第1の実施の形態を示す図であり、図2は、その第2の実施の形態を示す図であり、図3は、その第3の実施の形態を示す図である。各図の各層の厚さはその内容を理解し易くするために各層ともに同じ厚さで表している。
図1〜図3の符号1は基紙を示し、符号2は水系接着剤を示し、符号3はPVAフィルムを示し、符号4はアルミニウム蒸着層を示している。PVAフィルム3の表面にアルミニウムを真空蒸着したアルミニウム蒸着層4が設けられており、その下に印刷層が設けられている。その裏面に上記水系接着剤が40〜60%の濃度であり、500〜4,000mPa・sの粘度であり、3〜5g/m2の塗布量を塗布して基紙と貼り合わせることでPVAラミネート紙が製造される。
ラミネーターの水系接着剤を塗布する塗布機は、ロールコーターが一般的であり、その水系接着剤の濃度、粘度そして塗布量は、要求性能、加工速度、乾燥能力等によって決定されるが、40〜60%の濃度であり、500〜4,000mPa・sの粘度であり、3〜5g/m2の塗布量を塗布して基紙と貼り合わせて製造することが必要である。
PETフィルムの場合は、濃度が低ければ塗布量を上げ、粘度が高ければ水等の溶媒で薄め、塗布量が2〜10g/m2の範囲のものを使用することができるが、PVAフィルム3に水系接着剤2を塗布する場合は、その水系接着剤2の濃度、粘度そして塗布量の配慮が必要である。
透明度についても85〜95%のPVAフィルムが良い。85%未満だと蒸着時の輝度が落ち、95%を超えると製造コストアップとなる。更にアルミニウムを蒸着する手段としては、特に限定されず、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等があげられる。蒸着層の厚さは、0.03〜0.06μm程度で、フィルムとの密着性を向上させる目的で、水離解性を阻害しない樹脂下塗り層を設けても良い。
使用する水系接着剤については、色の付いたものやホットメルト接着剤以外の接着剤が使用でき、酢酸ビニル樹脂、アクリル酸エステル樹脂、エチレン酢ビ共重合樹脂、酢ビアクリル共重合樹脂、スチレンブタジエン共重合物、アクリロニトリルブタジエン共重合物、PVA、澱粉、カゼイン等の蛋白、カルボキシメチルセルロース等の公知の接着剤を使用することができ、高位な再生紙として利用可能にするためにアルカリ可溶性の接着剤の使用が望ましい。
図1の説明で用いた符号1〜4は、図2の説明で用いる符号1〜4が同じものを示しているので、その符号の説明は省略する。符号5は離型層を示し、符号6はPETフィルムを示し、符号7は熱可塑性樹脂を示している。
第2の実施の形態が第1の実施の形態と異なる点は、第1の実施の形態がポリビニルアルコールフィルムの表面にアルミニウム蒸着層が設けられており、その裏面に上記水系接着剤を塗布して基紙と貼り合わせて製造するのに対して、第2の実施の形態は、ポリビニルアルコールフィルムの裏面に上記水系接着剤を塗布して基紙と貼り合わせ、このポリビニルアルコールフィルムに転写箔のアルミニウム蒸着層を転写して製造する点である。
詳細には、上記ポリビニルアルコールフィルムに転写箔のアルミニウム蒸着層を転写する方法は、従来から用いられている熱圧着によるホットスタンプの方式を用いている。
図2の説明で用いた符号1〜6は、図3の説明で用いる符号1〜6が同じものを示しているので、その符号の説明は省略する。符号8は接着剤層を示している。
第3の実施の形態は第2の実施の形態と上記ポリビニルアルコールフィルムに転写箔のアルミニウム蒸着層を転写する点で同じであるが、その転写する方法は、従来から用いられている紫外線・電子線によるコールド転写加工を用いている。
(実施例1)
基紙として、巾800mm、坪量279g/m2のキャストコート紙(五條製紙製「GLORIA」)を使用し、PVAフィルム(日本合成製「ボブロン」(厚さ12μm))にアルミニウムを真空蒸着して、その真空蒸着したPVAフィルムにエチレン酢酸ビニル共重合樹脂(サイデン化学製「DB314」、(濃度53%、粘度500mPa・s))を接着剤として、塗布量が3g/m2となるようウェットラミネーターで塗布し、PVAフィルム面とキャストコート紙のコート面を貼合して、更にアルミニウム蒸着面に蒸着層の保護と印刷適性の向上のために、ポリエステル系のプライマー剤(DIC製「UVプライマー」)を厚さが1μmとなるようグラビアコーターを用いて塗布してプライマー層を設け、その後に乾燥してポリビニルアルコールラミネート紙を得た。この時の、ラミネーター速度は100m/分、乾燥温度は90℃であった。
上記ポリビニルアルコールラミネート紙にUVオフセット印刷機にて5色(白、墨、藍、紅、黄)の印刷を行い印刷層を形成し、更にニスを印刷した後に、その印刷したポリビニルアルコールラミネート紙を打ち抜いて製函して加工し、高級な化粧箱を製作した。
基紙として、巾800mm、坪量310g/m2のコート紙(日本大昭和板紙製「JETエース」)を使用しウェットラミネーターで、PVAフィルム(日本合成製「ボブロン」(厚さ12μm))にアルミニウムを真空蒸着して、その真空蒸着したPVAフィルムにアクリル共重合樹脂(サイデン化学製「PZ905」、(濃度47%、粘度1,250mPa・s))を接着剤として、塗布量が4g/m2となるようウェットラミネーターで塗布し、PVAフィルム面とコート紙のコート面を貼合して、更にアルミニウム蒸着面に蒸着層の保護と印刷適性を向上させるため、実施例1と同じポリエステル系のプライマー剤(DIC製「UVプライマー」)を厚さが1μmとなるようグラビアコーターを用いて塗布してプライマー層を設け、その後に乾燥してポリビニルラミネート紙を得た。この時の、ラミネーター速度は100m/分、乾燥温度は90℃であった。
上記ポリビニルラミネート紙に印刷して印刷層を形成した後に、高級な化粧箱を製作する製造工程は、実施例1と同じなので省略する。
(実施例3)
基紙として、巾800mm、坪量315g/m2のキャストコート紙(五條製紙製「GLORIA」)を使用しウェットラミネーターで、PVAフィルム(日本合成製「ボブロン」(厚さ14μm))に接着剤としてエチレン酢酸ビニル共重合樹脂(コニシ製「SP2850」、(濃度51%、粘度3,000mPa・s))を塗布量が5g/m2となるよう塗布して、PVAフィルム面とキャストコート紙のコート面を貼合し乾燥して巻き取り、PVAフィルムとコート紙の積層紙を形成した。転写箔として、ポリエチレンテレフタレートフィルム12μmに剥離層を設け更にアルミニウムを真空蒸着したもの(中井工業製「ナフタップ」)を使用し、転写箔の蒸着面に塗布量が5g/m2となるように、水系ドライラミネート接着剤(日栄化工製「AP355」、(濃度45%、粘度500mPa・s))をグラビアコーターで塗布し90℃で水分を除去乾燥して、上記積層紙と転写箔を圧着させ巻き取った。
更に熟成後にポリエチレンテレフタレートフィルムを剥がしながらアルミニウム蒸着層を積層紙に転写させた。
上記ポリビニルラミネート紙に印刷して印刷層を形成した後に、高級な化粧箱を製作する製造工程は、実施例1と同じなので省略する。
基紙として、巾800mm、坪量315g/m2のキャストコート紙(五條製紙製「GLORIA」)を使用しウェットラミネーターで、実施例3と同様にPVAフィルム(日本合成製「ボブロン」(厚さ14μm))にエチレン酢酸ビニル共重合樹脂(コニシ製「SP2850」、(濃度51%、粘度3,000mPa・s))を接着剤として、塗布量が3g/m2となるようPVAフィルム面とキャストコート紙のコート面と貼合し、乾燥し巻き取った。その巻取りを平判カッターにて、シートにカッティングし、印刷用基紙とした。その印刷用基紙を使用し、シリンダー箔押し機にて、全面押し型により箔(村田金箔製「グリームホイルUPP」)を120℃で熱圧着し、アルミニウム箔転写ラミネート紙を得た。
上記ポリビニルアルコールラミネート紙に印刷して印刷層を形成した後に、高級な化粧箱を製作する製造工程は、実施例1と同じなので省略する。
(実施例5)
基紙として、巾800mm、坪量315g/m2のキャストコート紙(五條製紙製「GLORIA」)を使用しウェットラミネーターで、実施例3と同様にPVAフィルム(日本合成製「ボブロン」(厚さ14μm))にエチレン酢酸ビニル共重合樹脂(コニシ製「SP2850」、(濃度51%、粘度3,000mPa・s))を接着剤として、塗布量が3g/m2となるようPVAフィルム面とキャストコート紙のコート面と貼合し、乾燥し巻き取った。その巻取りを平判カッターにて、シートにカッティングし、印刷用基紙とした。複数のユニットを持つUVオフセット印刷機を使用し、第1のユニットで、上記基紙に接着剤(T&K TOKA製「UV糊SPP」)を全面塗布し、箔加工ユニットを設けた第2のユニットで、箔転写加工用フィルム(クルツ製「AL−KPS−OS」)を圧着し、直ちにフィルムを剥離し箔を転写した。そして、続く第3〜第8のユニットで、5色(白、墨、藍、紅、黄)とニスを印刷し、紫外線照射ランプにより紫外線を照射し、箔の接着及びインキの定着をして印刷層を形成し、その後に打ち抜いて製函して加工し、高級な化粧箱を製作した。
基紙として、巾800mm、坪量310g/m2のコート紙(日本大昭和板紙製「JETエース」)を使用しウェットラミネーターで、PVAフィルム(日本合成製「ボブロン」(厚さ12μm))にアルミニウムを真空蒸着したフィルムをアクリル共重合樹脂(サイデン化学製「PZ905」、(濃度47%、粘度1,250mPa・s))を接着剤として、塗布量が7g/m2となるようPVAフィルム面とコート紙のコート面と貼合し、更にアルミニウム蒸着面に蒸着層の保護と印刷適性の向上のために、実施例1と同じポリエステル系のプライマー剤(DIC製「UVプライマー」)を1μmとなるようグラビアコーターを用いて、塗布乾燥したが、乾燥炉内で皺が発生した。
基紙として、巾800mm、坪量310g/m2のコート紙(日本大昭和板紙製「JETエース」)を使用しウェットラミネーターで、PVAフィルム(日本合成製「ボブロン」(厚さ12μm))にアルミニウムを真空蒸着したフィルムをアクリル共重合樹脂(サイデン化学製「PZ905」、(濃度47%、粘度1,250mPa・s))を接着剤として、塗布量が2g/m2となるようPVAフィルム面とコート紙のコート面と貼合し、更にアルミニウム蒸着面に蒸着層の保護と印刷適性の向上のために、実施例1と同じポリエステル系のプライマー剤(DIC製「UVプライマー」)を1μmとなるようグラビアコーターを用いて、塗布乾燥したが、紙表面のへこんだ部分で、接着が不十分な箇所が発生した。
基紙として、巾800mm、坪量279g/m2のキャストコート紙(五條製紙製「GLORIA」)を使用しウェットラミネーターで、アルミニウム真空蒸着したPETフィルム(東レフィルム加工製「VM-PET1510」(厚さ12μm))をエチレン酢酸ビニル共重合樹脂(サイデン化学製「DB314」、(濃度53%、粘度500mPa・s))を接着剤として、塗布量が7g/m2となるようフィルム面とキャストコート紙のコート面と貼合し、更にアルミニウム蒸着面に蒸着層の保護と印刷適性を向上させる目的で、実施例1と同様のプライマー層を設けた。
(a)水離解性;ポリビニルアルコールラミネート紙を2cm×10cmの短冊状に準備し、およそ10gに量り取ったのち、1Lのカセイソーダ0.5%水に浸漬し、ミキサーにて紙繊維を解きほぐしスラリー化する。印刷インキに関しては、フローテーション法により系外に除去する。このスラリーを用いて手漉きシートを作製し(JIS P8222)、シート上にフィルムが残留するかを評価する。シート上にフィルムが残留していなければ水離解性が「有り」、シート上にフィルムが残留していれば水離解性が「無し」とした。
(b)カール;流れ方向63mm×幅方向88mmにカットした貼合紙を、温度60℃、相対湿度90%の恒温恒湿槽に3時間暴露したのちに、用紙の反りあがりを4角測定し、一番大きい数値を評価する。フィルム面を上にし、凹カールは、+カール、凸カールは、−カールで表記する。
(c) 面感;しわ跡があれば「しわ跡」、浮き跡があれば「浮き跡」、良好であれば「良好」と目視により判断した。
以上の評価結果から、PVAフィルムを用いた実施例、比較例1及び2は、水離解性が「有り」で、カールが「±0mm」であるが、水系接着剤の塗布量が3〜5g/m2である実施例の面感が「良好」であるのに対して、その範囲外の比較例1及び2の面感が「しわ跡」又は「浮き跡」であることが分かる。
2 水系接着剤
3 PVAフィルム
4 アルミニウム蒸着層
5 離型層
6 PETフィルム
7 熱可塑性樹脂
8 接着剤層
9 プライマー層
Claims (8)
- 熱可塑性樹脂フィルムの片面に接着剤を塗布して基紙と貼り合わせて製造するラミネート紙の製造方法であって、
前記熱可塑性樹脂フィルムがポリビニルアルコールフィルムであり、前記接着剤が水系接着剤であり、上記ポリビニルアルコールフィルムの表面にアルミニウムを真空蒸着したアルミニウム蒸着層が設けられており、その裏面に上記水系接着剤が40〜60%の濃度であり、500〜4,000mPa・sの粘度であり、3〜5g/m2の塗布量である該水系接着剤を塗布して基紙と貼り合わせて、上記ポリビニルアルコールラミネート紙の上記アルミニウム蒸着層に印刷して印刷層を形成する、又は、上記ポリビニルアルコールフィルムの裏面に上記水系接着剤が40〜60%の濃度であり、500〜4,000mPa・sの粘度であり、3〜5g/m2の塗布量である該水系接着剤を塗布して基紙と貼り合わせ、上記ポリビニルアルコールフィルムにアルミニウムを真空蒸着した転写箔のアルミニウム蒸着層を転写して、上記ポリビニルアルコールラミネート紙の上記アルミニウム蒸着層に印刷して印刷層を形成することを特徴とする化粧用ポリビニルアルコールラミネート紙の製造方法。 - 前記転写箔のアルミニウム蒸着層を転写する方法が、ホットスタンプ又はコールド転写加工であることを特徴とする請求項1に記載の化粧用ポリビニルアルコールラミネート紙の製造方法。
- 前記ポリビニルアルコールフィルムが80〜99モル%のケン化度、5〜100μmの厚みであることを特徴とする請求項1又は2に記載の化粧用ポリビニルアルコールラミネート紙の製造方法。
- 前記基紙が非塗被紙、アート紙、コート紙又はキャストコート紙であり、その坪量が70〜500g/m2であることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の化粧用ポリビニルアルコールラミネート紙の製造方法。
- 前記アルミニウム蒸着層の上にプライマー層を形成することを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の化粧用ポリビニルアルコールラミネート紙の製造方法。
- 熱可塑性樹脂フィルムと基紙を接着剤で貼り合わせてなるラミネート紙であって、
前記熱可塑性樹脂フィルムがポリビニルアルコールフィルムであり、前記接着剤が40〜60%の濃度であり、500〜4,000mPa・sの粘度であり、3〜5g/m 2 の塗布量である水系接着剤であり、前記基紙が非塗被紙、アート紙、コート紙又はキャストコート紙であり、前記ラミネート紙が上記基紙、上記水系接着剤、アルミニウム蒸着層及び印刷層が設けられた上記ポリビニルアルコールフィルムを積層してなり、上記ラミネート紙がしわ跡、浮き跡がないこと、温度60℃、相対湿度90%の恒温恒湿槽に3時間暴露したのちのカールの4角測定で±0mmであることを特徴とする化粧用ポリビニルアルコールラミネート紙。 - 請求項6に記載のポリビニルアルコールラミネート紙を加工してなることを特徴とする化粧箱。
- 前記化粧箱のポリビニルアルコールフィルム、アルミニウム蒸着層、水系接着剤がアルカリ性水溶液により溶解することを特徴とする請求項7に記載の化粧箱。
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