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JP4500776B2 - 人工肺 - Google Patents

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JP4500776B2
JP4500776B2 JP2006011704A JP2006011704A JP4500776B2 JP 4500776 B2 JP4500776 B2 JP 4500776B2 JP 2006011704 A JP2006011704 A JP 2006011704A JP 2006011704 A JP2006011704 A JP 2006011704A JP 4500776 B2 JP4500776 B2 JP 4500776B2
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    • A61M1/14Dialysis systems; Artificial kidneys; Blood oxygenators ; Reciprocating systems for treatment of body fluids, e.g. single needle systems for hemofiltration or pheresis
    • A61M1/16Dialysis systems; Artificial kidneys; Blood oxygenators ; Reciprocating systems for treatment of body fluids, e.g. single needle systems for hemofiltration or pheresis with membranes
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Description

本発明は、人工肺に関する。
従来、人工肺としては、多数本の中空糸膜を積層した中空糸膜層を用いてガス交換を行う構成のものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
この人工肺は、ハウジングと、ハウジング内に収納された中空糸膜層(中空糸膜シート積層体)と、血液流入口および血液流出口と、ガス流入口およびガス流出口とを有し、各中空糸膜を介して血液とガスとの間でガス交換、すなわち酸素加、脱炭酸ガスが行われる。
ところで、このような構成の人工肺においては、血液流入口から流入した血液中に気泡が混在している場合があるが、この場合、気泡は、中空糸膜層で除去されるのが好ましい。
しかしながら、中空糸膜層は、ガス交換を効率良く行えるように設計されており、本来気泡を除去することを意図して作製されていないため、かかる中空糸膜層では気泡が十分に除去されずに、血液中に気泡が混入したまま血液流出口から流出し、人工肺の下流へ移送されてしまうという問題があった。
特開平11−47268号公報
本発明の目的は、血液中の気泡が血液流出部から流出するのを防止することができる人工肺を提供することにある。
このような目的は、下記(1)〜()の本発明により達成される。
(1) ハウジングと、ハウジング内に収納され、ガス交換機能を有する中空糸膜が多数本集積された中空糸膜層と、前記各中空糸膜の内腔をガス流路として、当該ガス流路の上流側および下流側にそれぞれ設けられたガス流入部およびガス流出部と、前記各中空糸膜の外側を血液流路として、当該血液流路の上流側および下流側にそれぞれ設けられた血液流入部および血液流出部と、血液中の気泡を除去する気泡除去手段とを備えた人工肺であって、
前記気泡除去手段は、前記中空糸膜層の前記血液流路下流側に配置され、該血液流路を流下した血液中の気泡を捕捉する機能を有するフィルタ部材と、
前記フィルタ部材と前記中空糸膜層との間に配置され、前記フィルタ部材で捕捉された気泡のうちの一部の気泡が透過し、該透過した気泡を排出する機能を有する排気用中空糸膜が多数本集積された排気用中空糸膜層と、
前記フィルタ部材で捕捉された気泡のうちの前記排気用中空糸膜を透過し切れなかった気泡を集積し貯留する気泡貯留部とを備え
前記フィルタ部材は、当該人工肺を使用する際に鉛直方向上方に位置する上部が前記排気用中空糸膜層から離間して該排気用中空糸膜層との間で空隙部を形成し、該空隙部で前記気泡貯留部が構成されており、前記上部以外の部分が前記排気用中空糸膜層に密着していることを特徴とする人工肺。
) 前記気泡除去手段は、さらに、前記気泡貯留部で貯留された気泡を構成する気体を前記ハウジング外へ排気する第1排気口を備える上記(1)に記載の人工肺。
前記フィルタ部材の前記第1排気口に対応する部分には、開口が形成されており、該開口を介して、前記第1排気口と前記気泡貯留部とが連通している上記(2)に記載の人工肺。
) 前記中空糸膜層を構成する中空糸膜と、前記排気用中空糸膜層を構成する前記排気用中空糸膜とは、その構成材料、特性、配設条件のうちの少なくとも1つが異なるものである上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の人工肺。
(5) 前記気泡除去手段は、さらに、前記排気用中空糸膜の内腔にある気体を前記ハウジング外へ排気する第2排気口を備える上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の人工肺。
(6) 前記ハウジングには、前記各排気用中空糸膜の両端がそれぞれ開放する小空間が設けられている上記(1)ないし(5)のいずれかに記載の人工肺。
本発明によれば、中空糸膜層の血液流出部側に気泡除去手段を設けたことにより、血液中の気泡を確実に捕捉することができるとともに、当該捕捉した気泡を血液流路外へ確実に排出することができ、よって、気泡が血液流出部から流出するのを防止することができる。
以下、本発明の人工肺を添付図面に示す好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。
<第1実施形態>
図1は、本発明の人工肺の第1実施形態を示す斜視図、図2は、図1中のA−A線断面図(断面側面図)、図3は、図1に示す人工肺における人工肺部の横断面図(断面上面図)、図4は、図2中の右側下部(中空糸膜層、フィルタ部材および排気用中空糸膜層の固定部)の拡大断面図である。なお、図1および図2中の上側を「上」または「上方」、下側を「下」または「下方」、左側を「血液流入側」または「上流側」、右側を「血液流出側」または「下流側」として説明する。
図示の実施形態の人工肺1は、血液に対しガス交換を行う人工肺部1Aと血液に対し熱交換を行う熱交換部(熱交換器)1Bとを備える熱交換器付き人工肺であり、例えば血液体外循環回路中に設置されるものである。
この人工肺1は、人工肺部1A側のハウジング2と、熱交換器1B側の熱交換器ハウジング5とを有し、これらは連結(接合)または一体化されている。まず、人工肺部1Aについて説明する。
ハウジング2は、角筒状、すなわち横断面が四角形(長方形または正方形)をなす筒状のハウジング本体(以下「角筒状ハウジング本体」と言う)21と、角筒状ハウジング本体21の上端開口を封止する皿状の第1のヘッダー(上部蓋体)22と、角筒状ハウジング本体21の下端開口を封止する皿状の第2のヘッダー(下部蓋体)23とで構成されている。
角筒状ハウジング本体21、第1のヘッダー22および第2のヘッダー23は、それぞれ、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、エステル系樹脂(例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル)、スチレン系樹脂(例えば、ポリスチレン、MS樹脂、MBS樹脂)、ポリカーボネート等の樹脂材料あるいは種々のセラミックス材料、金属材料等で構成されている。角筒状ハウジング本体21に対し、第1のヘッダー22および第2のヘッダー23は、融着や接着剤による接着等の方法により液密に固着されている。
角筒状ハウジング本体21の血液流出側には、管状の血液流出ポート28および第1排気ポート(第1排気口)211が形成されている。血液流出ポート28は、角筒状ハウジング本体21の血液流出側の下部に突出している。第1排気ポート211は、角筒状ハウジング本体21の血液流出側の上部に突出している。また、角筒状ハウジング本体21の第1排気ポート211付近の横断面は、それより下方の横断面より大きく設定されている(拡大している)。この拡大した部分に、後述する気泡貯留部43が位置する。
第1のヘッダー22の上部には、管状のガス流入ポート26が突出形成されている。また、第2のヘッダー23の下部には、管状のガス流出ポート27と、管状の第2排気ポート(第2排気口)29とが突出形成されている。ガス流入ポート26は、その途中でほぼ直角に屈曲し、先端部が血液流出ポート28と平行な方向に向いている。
このようなハウジング2は、全体形状がほぼ直方体をなしている。このハウジング2の形状に由来して、本発明の人工肺1は、次のような効果を奏する。すなわち、まず第1に、ハウジング2が直方体形状であるため、内部に中空糸膜31を効率良く収納することができ、デッドスペースが小さく、そのため、小型の人工肺1で効率の良いガス交換を行うことができる。第2に、ハウジング2を例えば固定用基板に固定する場合に、ハウジング2の外面が平面であるため、固定を容易かつ確実に行うことができる。第3に、ハウジング2の内部に中空糸膜31を収納する際、ハウジング2の内部が平面で画成されているため、中空糸膜31に対して当該中空糸膜31を曲げる等のような負荷をかけることが防止される。
なお、本発明において、ハウジング2の全体形状は、必ずしも完全な直方体形状をなしている必要はなく、例えば全部または一部の角部に面取りや丸み付けがなされているものでもよく、あるいは、一部が欠損している形状、異形部分が付加された形状などでもよい。
図2〜図4に示すように、ハウジング2の内部には、ガス交換機能を有する中空糸膜31が多数本集積された中空糸膜層3と、中空糸膜層3の血液流出ポート28(血液流出部)側に設けられた気泡除去手段4としてのフィルタ部材41および排気用中空糸膜層42とが収納されている。これらの層および部材は、血液流入側から、中空糸膜層3、排気用中空糸膜層42、フィルタ部材41の順に配置されている。
図4に示すように、中空糸膜層3を構成する中空糸膜31は、そのほとんどがほぼ平行に配置されている。この場合、各中空糸膜31は、その長手方向が上下方向(鉛直方向)となるように配置されている。
なお、中空糸膜層3における中空糸膜31の配設パターン、配設方向等は、上述したもの限定されず、例えば、各中空糸膜31が水平な方向に配置された構成、中空糸膜31同士が斜めに交差する部分(交差部)を有する構成、全部または一部の中空糸膜31が湾曲して配置された構成、全部または一部の中空糸膜31が波状、螺旋状、渦巻き状または環状に配置された構成等であってもよい。
各中空糸膜31の両端部(上端部および下端部)は、それぞれ、隔壁8および9により角筒状ハウジング本体21の内面に対し固定されている(図2参照)。隔壁8、9は、例えば、ポリウレタン、シリコーンゴム等のポッティング材により構成されている。
また、中空糸膜層3は、その幅方向の両端部がそれぞれ固着部7により、角筒状ハウジング本体21の内面に対し固定(固着)されている(図3参照)。固着部7は、前記隔壁8、9と同様の材料(ポッティング材)またはその他の接着剤で構成されている。
第1のヘッダー22と隔壁8とにより、第1の部屋221が画成されている。この第1の部屋221は、中空糸膜層3と排気用中空糸膜層42との境界部に設けられた仕切部222により、中空糸膜層3側のガス流入室261と、排気用中空糸膜層42側の小空間223とに区分されている。各中空糸膜31の上端開口は、ガス流入室261に開放し、連通している。
一方、第2のヘッダー23と隔壁9とにより、第2の部屋231が画成されている。この第2の部屋231は、中空糸膜層3と排気用中空糸膜層42との境界部に設けられた仕切部232により、中空糸膜層3側のガス流出室271と、排気用中空糸膜層42側の小空間233とに区分されている。各中空糸膜31の下端開口は、ガス流出室271に開放し、連通している(図4参照)。
各中空糸膜31の内腔は、ガスが流れるガス流路32を構成している。ガス流入ポート26およびガス流入室261により、ガス流路32の上流側に位置するガス流入部が構成され、ガス流出ポート27およびガス流出室271により、ガス流路32の下流側に位置するガス流出部が構成される。
中空糸膜層3は、角筒状ハウジング本体21の内部にほぼ隙間なく充填されており、これにより、中空糸膜層3は、全体形状としてほぼ直方体の形状をなしている。これにより、同様の形状の角筒状ハウジング本体21に対し、中空糸膜31の高い充填効率が得られ(デッドスペースが少なく)、人工肺部1Aの小型化、高性能化に寄与する。
ハウジング2内の隔壁8と隔壁9との間における各中空糸膜31は、露出しており、各中空糸膜31(中空糸膜421も同様)の外側、すなわち、中空糸膜31同士の隙間に、血液が図2中左側から右側に向かって流れる血液流路33が形成されている。
血液流路33の上流側(中空糸膜層3の上流側の面側)、すなわち角筒状ハウジング本体21と熱交換器ハウジング5との連結部には、血液流入部として、上下方向(中空糸膜31の配設方向とほぼ平行な方向)に延びる帯状またはスリット状の血液流入側開口部(血液流入側空間)24が形成されている。ハウジング2の内部と熱交換器ハウジング5の内部とは、この血液流入側開口部24を介して連通する。このような構成とすることにより、熱交換部1Bから人工肺部1Aへの血液の移送を効率良く行うことができる。
血液流入側開口部24の長さ(上下方向の長さ)は、各中空糸膜31の有効長(隔壁8の下面から隔壁9の上面までの長さ)とほぼ等しい(図2参照)か、またはそれより若干短い(有効長の70%以上)のが好ましい。これにより、熱交換部1Bから人工肺部1Aへの血液の移送を効率良く行うことができるとともに、血液流路33内で血液に対するガス交換を効率良く行うことができる。
また、血液流路33の少なくとも上流側(血液流入側開口部24側)では、血液の流れの方向は、各中空糸膜31の長手方向とほぼ直交する方向である。これにより、血液流路33を流れる血液に対し、効率の良いガス交換を行うことができる。
血液流路33の下流側(中空糸膜層3の下流側の面側)においては、後述するフィルタ部材41と角筒状ハウジング本体21の内面との間に隙間が形成され、この隙間は、血液流出側開口部(血液流出側空間)25を形成している。この血液流出側開口部25と、血液流出側開口部25に連通する血液流出ポート28とで、血液流出部が構成される。血液流出部は、血液流出側開口部25を有することにより、フィルタ部材41を透過した血液が血液流出ポート28に向かって流れる空間が確保され、血液を円滑に排出することができる。
そして、血液流入側開口部24と血液流出側開口部25との間に、中空糸膜層3、フィルタ部材41および排気用中空糸膜層42と、血液流路33とが存在している。
中空糸膜31としては、例えば、多孔質ガス交換膜が用いられる。この多孔質中空糸膜としては、内径が100〜1000μm程度、肉厚が5〜200μm程度、好ましくは10〜100μm程度、空孔率が20〜80%程度、好ましくは30〜60%程度、細孔径が0.01〜5μm程度、好ましくは0.01〜1μm程度のものを用いることができる。
また、中空糸膜31の構成材料としては、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスルホン、ポリアクリロニトリル、ポリテトラフルオロエチレン、ポリメチルペンテン等の疎水性高分子材料が用いられる。好ましくは、ポリオレフィン系樹脂であり、より好ましくは、ポリプロピレンであり、延伸法または固液相分離法により壁部に微細孔が形成されたものがより好ましい。
中空糸膜層3における各中空糸膜31の長さ(有効長)は、特に限定されないが、30〜150mm程度であるのが好ましく、50〜100mm程度であるのがより好ましい。
中空糸膜層3の厚さ(図2中横方向の長さ)は、特に限定されないが、10〜100mm程度であるのが好ましく、20〜80mm程度であるのがより好ましい。
中空糸膜層3の幅(図3中縦方向の長さ)は、特に限定されないが、10〜100mm程度であるのが好ましく、20〜80mm程度であるのがより好ましい。
さて、前述したように、中空糸膜層3の下流側(血液流出部側)には、血液中の気泡を捕捉するとともに捕捉した気泡を前記血液流路外へ排出する機能を有する気泡除去手段4が設置されている。この気泡除去手段4は、フィルタ部材41と、フィルタ部材41の上流側に設置された排気用中空糸膜層42とを有している。
フィルタ部材41は、血液流路33を流れる血液中に存在する気泡を捕捉する機能を有するものである。
排気用中空糸膜層42は、フィルタ部材41で捕捉された気泡を構成する気体を透過し排出する機能を有する排気用中空糸膜421(以下単に「中空糸膜421」と言う)が多数本集積されたものである。以下では、気泡を構成する気体を「気泡構成気体」という。
図2に示すように、フィルタ部材41の上流側の面は、その上部を除く部分が排気用中空糸膜層42の下流側(血液流出部側)の面に接合さており、前記上部が排気用中空糸膜層42の面と離間している。これにより、フィルタ部材41の血液流路33上流側の一部には、当該排気用中空糸膜層42との間に空隙部が確実に形成される。この空隙部は、フィルタ部材41で捕捉された気泡の少なくとも一部を集積し貯留する気泡貯留部(第1の気泡貯留部)43として機能する。
フィルタ部材41は、ほぼ長方形をなす平坦なシート状の部材(以下単に「シート」とも言う)で構成され、その縁部(4つの辺)が隔壁8、9および両固着部7により固着されることにより、ハウジング2に対し固定されている。
このフィルタ部材41は、前述したように排気用中空糸膜層42の下流側(血液流出部側)に設けられ、当該排気用中空糸膜層42の下流側の面のほぼ全面を覆っている。フィルタ部材41をこのように設けることにより、フィルタ部材41の有効面積を大きくすることができ、気泡を捕捉する能力を十分に発揮することができる。また、フィルタ部材41の有効面積が大きくなることにより、たとえフィルタ部材41の一部に目詰まり(例えば血液の凝集塊などの付着)が生じたとしても、全体として血液の流れを妨げることを防止(抑制)することができる。
フィルタ部材41の形態としては、例えば、メッシュ状(網状)をなすもの、織布、不織布、あるいはこれらを組み合わせたものが挙げられるが、このなかでも、メッシュ状(網状)をなすものが好ましく、特に、スクリーンフィルタが好ましい。これにより、気泡をより確実に捕捉することができるとともに、血液が容易に通過することができる。
メッシュ状をなすフィルタ部材41の場合、その目開きは、特に限定されないが、通常は、80μm以下であるのが好ましく、15〜60μm程度であるのがより好ましく、20〜45μmであるのがさらに好ましい。これにより、血液の通過抵抗を増大させることなく、比較的細かい気泡をも捕捉することができ、気泡の捕捉効率(除去能)が高い。
フィルタ部材41の構成材料としては、例えば、ポリアミド、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル、ナイロン、セルロース、ポリウレタン、アラミド繊維等が挙げられる。特に、抗血栓性に優れ、目詰まりを生じ難いという点で、フィルタ部材41の構成材料として、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリウレタンを用いるのが好ましい。
また、フィルタ部材41は、親水性を有するのが好ましい。すなわち、フィルタ部材41は、それ自体が親水性を有する材料で構成されているか、または、親水化処理(例えば、プラズマ処理等)が施されていることが好ましい。これにより、人工肺1のプライミング時の気泡除去が容易になるだけでなく、気泡が混入した血液が通過する際には、気泡の通過がより困難となるため、フィルタ部材41の気泡除去能がより向上し、血液流出ポート28からの気泡の流出をより確実に防止することができる。
このようなフィルタ部材41は、シート状(特にスクリーンフィルタのようなメッシュ)のものを1枚用いても、あるいはこれを2枚以上重ねて用いてもよい。2枚以上重ねて用いる場合、各シートは、その形態、構成材料、目開き、平坦/非平坦の別、平面形状等の条件のうちの少なくとも1つが異なるものを組み合わせて用いるのが好ましい。フィルタ部材41に多彩な(複合的な)機能を持たせたり、気泡除去能をさらに向上するのに有利だからである。例えば、フィルタ部材41として、目開きの異なる2枚のメッシュを重ねて用いた場合(上流側に目開きの大きいメッシュを配置)、目開きの大きいメッシュでまず比較的大きい気泡を捕捉し、該メッシュを通過した細かい気泡を目開きの小さいメッシュで捕捉することができ、血液の通過抵抗を増大させることなく、気泡除去能を向上することができる。
フィルタ部材41とハウジング2との間には、間隙、すなわち血液流出側開口部25が形成されている(図2〜図4参照)。これにより、フィルタ部材41がハウジング2の内面に接する(密着する)ことが抑制され、フィルタ部材41を透過した血液が血液流出側開口部25内において容易に流下し、血液流出ポート28へ向かって円滑に流れることができる。
フィルタ部材41の平面形状は、図示の実施形態では、長方形(または正方形)をなしているが、フィルタ部材41の平面形状はこれに限らず、例えば、台形、平行四辺形、楕円形、長円形等、その形状は特に限定されない。
また、フィルタ部材41は、図示の実施形態では、平坦なシートで構成されているが、これに限らず、非平坦なもの、例えば、全部または一部が湾曲した形状のもの、波状、蛇腹状等に変形したもの等であってもよい。
以上のような構成のフィルタ部材41を設置したことにより、血液流路33を流れる血液中に気泡が存在していたとしてもその気泡を捕捉することができ、よって、気泡が血液流出ポート28から流出するの防止することができる。
フィルタ部材41により捕捉された気泡は、当該フィルタ部材41の上流側に位置する(フィルタ部材41と中空糸膜層3との間に位置する)排気用中空糸膜層42によって血液流路33から除去される。
図4に示すように、排気用中空糸膜層42を構成する中空糸膜421は、そのほとんどが、中空糸膜層3を構成する中空糸膜31とほぼ平行に配置されている。また、各中空糸膜421の両端部(上端部および下端部)は、それぞれ、各中空糸膜31と同様に、隔壁8および9により角筒状ハウジング本体21の内面に対し固定されている(図2参照)。
これにより、各中空糸膜421および各中空糸膜31の両端部をそれぞれ、隔壁8および9により一括して固定することができる。すなわち、人工肺1を製造する製造工程数を抑制することができる。また、各中空糸膜421を角筒状ハウジング本体21の内部にほぼ隙間なく充填することができる、すなわち、角筒状ハウジング本体21に対し中空糸膜421の高い充填効率が得られる(デッドスペースが少なくなる)。よって、人工肺部1Aの小型化、高性能化に寄与する。
また、図3に示すように、排気用中空糸膜層42は、その幅方向の両端部がそれぞれ固着部7により、角筒状ハウジング本体21の内面に対し固定(固着)されている。
各中空糸膜421の内腔は、フィルタ部材41により捕捉され、当該中空糸膜421の壁部に形成されている多数の細孔を経て流入した気泡構成気体が流れるガス流路422を構成している。
各ガス流路422(各中空糸膜421)の上端開口は、小空間223に開放し、連通している。これにより、小空間223は、各ガス流路422を上昇した気泡構成気体を一時的に貯留する気泡貯留部(第2の気泡貯留部)として機能し得る。
また、各ガス流路422の下端開口は、小空間233に開放し、連通している(図4参照)。この小空間233は、第2排気ポート29と連通している。
このような構成により、各ガス流路422の下端開口から流出した気泡構成気体は、小空間233を通過し、さらに第2排気ポート29を通過して、人工肺1(ハウジング2)から確実に排気される。これにより、血液流路33を通過する血液中の気泡が血液流出部から流出するのを確実に防止することができる。この第2排気ポート29は、気泡除去手段4の一部として機能していると言うことができる。
なお、排気用中空糸膜層42を構成する中空糸膜421と、中空糸膜層3を構成する中空糸膜31とは、同一のものであってもよいし、異なるものであってもよい。
各中空糸膜421と各中空糸膜31とが異なるものである場合、その構成材料、特性、配設条件のうちの少なくとも1つが異なるものであるのが好ましい。
例えば、排気用中空糸膜層42の厚さ(図2中横方向の長さ)は、10〜50mm程度とすることができる。
また、排気用中空糸膜層42の幅(図3中縦方向の長さ)は、10〜80mm程度とすることができる。
また、排気用中空糸膜層42における中空糸膜421の配設パターン、配設方向等は、例えば、各中空糸膜421が水平な方向に配置された構成、中空糸膜421同士が斜めに交差する部分(交差部)を有する構成、全部または一部の中空糸膜421が湾曲して配置された構成、全部または一部の中空糸膜421が波状、螺旋状、渦巻き状または環状に配置された構成等が挙げられる。
このように諸条件が異なることにより、次のような効果を奏する。すなわち、まず第1に中空糸膜層3で血液に対して確実にガス交換が行われ、そのガス交換が行われた血液中の気泡が排気用中空糸膜層42で確実に排出される。第2に、中空糸膜層3に対しては、ガス交換に適した諸条件の選択をすることができ、排気用中空糸膜層42に対しては、排気に適した諸条件の選択をすることができ、よって、ガス交換、排気ともに高い性能を発揮することができる。第3に、ガス交換と排気との2つの性能をもつ構造のものをそれぞれ、1つのハウジング2内に無駄なく収納することができ、よって、血液流路33の間隔(充填量)を低く抑えることができる。
また、フィルタ部材41により捕捉された気泡は、前述したように排気用中空糸膜層42によって血液流路33から除去されるが、これのみならず、前記気泡の一部が上昇して、気泡貯留部43(空隙部)に流入し貯留される。
図2に示すように、フィルタ部材41の第1排気ポート211に対応する部分には、開口(孔)411が形成されている。この開口411を介して、気泡貯留部43は、第1排気ポート211と連通している。これにより、気泡貯留部43で貯留された気泡(気泡構成気体)は、開口411を通過し、第1排気ポート211を経てハウジング2外へ排気される。よって、血液流路33を通過する血液中の気泡が血液流出部から流出するのを確実に防止することができる。この第1排気ポート211も第2排気ポート29と同様に、気泡除去手段4の一部として機能していると言うことができる。
なお、フィルタ部材41は、排気用中空糸膜層42の下流側の面のほぼ全部を覆うように設けられている構成に限定されず、例えば、排気用中空糸膜層42の下流側の面の一部を覆い、残部は空隙を介して設置された構成であってもよい。この場合、前記空隙は、気泡貯留部として機能する。
また、フィルタ部材41は、ハウジング2の内面に対し離間して、当該内面との間に血液流出側開口部25が形成されているが、開口411の縁部付近は、前記内面(第1排気ポート211の上流側の開口)と液密に接合されているのが好ましい。
人工肺1は、図2に示す姿勢で使用される。この場合、血液流出ポート28は、人工肺1を使用する際の鉛直下方の位置に設けられている。すなわち、血液流出側開口部25の下部に血液流出ポート28の内腔が連通しており、フィルタ部材41を通過し、血液流出側開口部25に入った血液は、血液流出側開口部25内を下方に向けて流れ、血液流出ポート28よりハウジング2外へ流出する。血液流出ポート28がこのような位置に設けられていることにより、気泡除去手段4で除去しきれなかった気泡(特に微細な気泡)がフィルタ部材41を透過して血液流出側開口部25に流入したとしても、その一部は浮上するなどして血液流出側開口部25の下部に到達することが阻止、抑制または遅延されるため、血液流出ポート28から排出される気泡(微細な気泡)の量をできるだけ少なくすることができる。
また、人工肺1が図2に示す姿勢で使用される場合、気泡貯留部43は、人工肺1を使用する際の鉛直上方の位置に設けられている。フィルタ部材41で捕捉された気泡構成気体(気泡)は、その全てが排気用中空糸膜層42の各ガス流路422(中空糸膜421)内に入り込み第2排気ポート29から排気されるのは稀であり、このため、気泡構成気体の一部は、ハウジング2内を浮上することとなる。ハウジング2内を浮上した気泡構成気体は、前述した位置に設けられた気泡貯留部43に確実に貯留される。これにより、血液流路33を通過する血液中の気泡が血液流出部から流出するのをより確実に防止することができる。また、ハウジング2を透明な部材を使用して製作した場合、人工肺1の操作者は、気泡がハウジング2内に貯留されたことを早期に確認することができ、貯留された気泡を除去する処置を行い、気泡が人工肺1から流出する危険を防止することができるという利点もある。
次に、熱交換部(熱交換器)1Bについて説明する。熱交換器1Bは、熱交換器ハウジング5を有している。熱交換器ハウジング5は、ほぼ円筒状をなし、その上端および下端は閉じている。熱交換器ハウジング5の内部には、血液室50が形成されている。熱交換器ハウジング5の下端(下面)には、管状の熱媒体流入ポート52および熱媒体流出ポート53が突出形成されている。また、熱交換器ハウジング5の図2中左側の下部には、管状の血液流入ポート51が突出形成されている。血液流入ポート51の内腔は、血液室50と連通している。
熱交換器ハウジング5の内部には、全体形状が筒状をなす熱交換体54と、熱交換体54の内周に沿って配置された円筒状の熱媒体室形成部材(円筒壁)55と、熱媒体室形成部材55の内側空間を流入側熱媒体室57と流出側熱媒体室58とに区分する区画壁56とが設置されている。熱媒体室形成部材55は、熱交換体54の内側に熱媒体が一旦貯留される熱媒体室を形成する機能を有するとともに、筒状の熱交換体の変形を規制する機能を有している。
熱媒体室形成部材55および区画壁56は、熱交換器ハウジング5に対し例えば融着、接着剤による接着等の方法により固定されている。熱媒体室形成部材55と区画壁56とは、別部材でも一体的に形成されたものでもよい。
また、熱媒体室形成部材55には、その壁部を貫通する上下方向に延びた帯状の開口59a、59bが形成されている。開口59aと開口59bとは、区画壁56を介して対抗する位置に配置されている(図3参照)。開口59aは、流入側熱媒体室57に連通し、開口59bは、流出側熱媒体室58に連通している。
熱交換体54としては、図2に示すような、いわゆるベローズ型熱交換体(蛇腹管)を用いることができる。このベローズ型熱交換体54は、軸方向中央部の側面にほぼ平行に形成された多数の中空環状突起を備える蛇腹形成部と、その両端(上下端)に形成され、蛇腹形成部の内径とほぼ等しい円筒部とを備えている。この熱交換体54は、ステンレス、アルミニウム等の金属材料、またはポリエチレン、ポリカーボネート等の樹脂材料により構成されている。強度、熱交換効率の面からステンレス、アルミニウム等の金属材料が好ましい。特に、熱交換体54の軸方向(中心軸)に対してほぼ直交する凹凸が多数繰り返された波状となっている金属製のベローズ管で構成されているのが好ましい。
熱交換器ハウジング5、熱媒体室形成部材55および区画壁56の構成材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、エステル系樹脂(例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル)、スチレン系樹脂(例えば、ポリスチレン、MS樹脂、MBS樹脂)、ポリカーボネート等の樹脂材料あるいは種々のセラミックス材料、金属材料等が挙げられる。
以下、人工肺1の熱交換部1Bにおける熱媒体の流れについて、図1〜図3を参照しつつ説明する。
熱媒体流入ポート52より流入した熱媒体は、まず流入側熱媒体室57に入り、開口59aを通って熱媒体室形成部材55の外周側に流れ込み、熱媒体室形成部材55の外周のほぼ全周に広がり、熱交換体54の蛇腹の多数の凹部(中空環状突起の内側)に入る。これにより、熱媒体に接触した熱交換体54は加温または冷却される。そして、熱交換体54の外周側を流れる血液との間で熱交換(加温または冷却)が行われる。
熱交換体54の加温または冷却に供された熱媒体は、開口59bを通って流出側熱媒体室58に入り、熱媒体流出ポート53より排出される。
なお、図示の実施形態と異なり、本発明においては、熱交換部1Bは、人工肺部1Aの下流側に設けられていてもよい。さらに。本発明では、熱交換部1Bは、存在しなくてもよい。
次に、本実施形態の人工肺1における血液の流れについて、図1〜図4を参照しつつ説明する。
この人工肺1では、血液流入ポート51から流入した血液は、血液室50、すなわち熱交換器ハウジング5の内周面と熱交換体54との間に流れ込み、熱交換体54の複数の中空環状突起の外面と接触して熱交換(加温または冷却)がなされる。このようにして熱交換がなされた血液は、血液室50の下流側に集まり、血液流入側開口部24を通って人工肺部1Aのハウジング2内へ流入する。
血液流入側開口部24を経た血液は、血液流路33を下流方向に向かって流れる。一方、ガス流入ポート26から供給されたガス(酸素を含む気体)は、ガス流入室261より各中空糸膜31の内腔であるガス流路32に分配され、該ガス流路32を流れた後、ガス流出室271に集積され、ガス流出ポート27より排出される。血液流路33を流れる血液は、各中空糸膜31の表面に接触し、ガス流路32を流れるガスとの間でガス交換(酸素加、脱炭酸ガス)がなされる。
ガス交換がなされた血液中に気泡が混入している場合、この気泡は、フィルタ部材41により捕捉され、フィルタ部材41の下流側にはほとんど流出しない。フィルタ部材41にて捕捉された気泡(気泡構成気体)には、フィルタ部材41の上流側に隣接する排気用中空糸膜層42の各中空糸膜421の壁部の多数の細孔を経て、当該中空糸膜31の内腔(ガス流路422)に入るものと、中空糸膜31の内腔に入らずにハウジング2内を浮上して気泡貯留部43に入るものとがある。中空糸膜31の内腔に入った気泡構成気体は、小空間233を介して第2排気ポート29から排出される。また、気泡貯留部43に入った気泡構成気体は、第1排気ポート211から排出される。
以上のようにしてガス交換がなされ、気泡が除去された血液(フィルタ部材41を通過した血液)は、血液流出側開口部25に流入し、該血液流出側開口部25内を下方に向かって流れ、血液流出ポート28より流出する。
本実施形態の人工肺1において、血液と接触する面(例えば、ハウジング2の内面、熱交換器ハウジング5の内面、熱媒体室形成部材55の表面、区画壁56の表面、固着部7、隔壁8、9の血液流路33に臨む面)は、抗血栓性表面となっていることが好ましい。抗血栓性表面は、抗血栓性材料を表面に被覆し、さらには固定することにより形成することができる。抗血栓性材料としては、ヘパリン、ウロキナーゼ、HEMA−St−HEMAコポリマー、ポリHEMA等が挙げられる。
人工肺1において、血液流入ポート51から流入する血液の流量は、患者の体格、術式(手術の方式)により異なるため、特に限定されないが、一般的に、乳児から小児では、0.1〜2.0L/分程度が好ましく、中人では、2.0〜5.0L/分程度が好ましく、成人では、3.0〜7.0L/分程度が好ましい。
人工肺1において、ガス流入ポート26から供給されるガスの流量は、患者の体格、術式により異なるため、特に限定されないが、一般的に、乳児から小児では、0.05〜4.0L/分程度が好ましく、中人では、1.0〜10.0L/分程度が好ましく、成人では、1.5〜14.0L/分程度が好ましい。
また、ガス流入ポート26から供給されるガス中の酸素濃度は、手術中の患者の酸素・炭酸ガスの代謝量により異なるため、特に限定されないが、40〜100%とすることができる。
また、人工肺1の最大連続運転時間は、患者の様態、術式により異なるため、特に限定されないが、一般的に、2〜6時間程度とすることができる。また、人工肺1の最大連続運転時間は、稀に、10時間程度の長時間に及んでもよい。
<第2実施形態>
図5は、本発明の人工肺の第2実施形態を示す平面図、図6は、図5に示す人工肺を矢印B側から見た図(左側面図)、図7は、図6中のC−C線断面図、図8は、図6中のD−D線断面図、図9は、図5中のE−E線断面図、図10は、図8中の右側上部(中空糸膜層、フィルタ部材および排気用中空糸膜層の固定部)の拡大断面図である。なお、図5、図7および図8中の左側を「左」または「左方」、右側を「右」または「右方」という。また、図5〜図10中、人工肺の内側を「血液流入側」または「上流側」、外側を「血液流出側」または「下流側」として説明する。
以下、これらの図を参照して本発明の人工肺の第2実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
本実施形態は、人工肺の全体形状が異なること以外は前記第1実施形態と同様である。
図示の実施形態の人工肺10は、全体形状(外形形状)がほぼ円柱状をなしている。この人工肺10は、内側に設けられ、前記第1実施形態の熱交換部1Bとほぼ同様の構成の熱交換部(熱交換器)10Bと、熱交換部10Bの外周側に設けられ、血液に対しガス交換を行う人工肺部10Aと備える熱交換器付き人工肺である。
人工肺1は、ハウジング2Aを有しており、このハウジング2A内に人工肺部10Aと熱交換部10Bとが収納されている。また、熱交換部10Bは、ハウジング2A内において、さらに、熱交換器ハウジング5Aに収納されている。この熱交換器ハウジング5Aにより、熱交換部10Bの両端部がそれぞれハウジング2Aに対し固定されている。
ハウジング2Aは、ほぼ円筒状なすハウジング本体(以下「円筒状ハウジング本体」と言う)21Aと、円筒状ハウジング本体21Aの左端開口を封止する皿状の第1のヘッダー(上部蓋体)22Aと、円筒状ハウジング本体21Aの右端開口を封止する皿状の第2のヘッダー(下部蓋体)23Aとで構成されている。
円筒状ハウジング本体21A、第1のヘッダー22Aおよび第2のヘッダー23Aは、それぞれ、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、エステル系樹脂(例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル)、スチレン系樹脂(例えば、ポリスチレン、MS樹脂、MBS樹脂)、ポリカーボネート等の樹脂材料あるいは種々のセラミックス材料、金属材料等で構成されている。円筒状ハウジング本体21Aに対し、第1のヘッダー22Aおよび第2のヘッダー23Aは、融着や接着剤による接着等の方法により液密に固着されている。
円筒状ハウジング本体21Aの外周部には、管状の血液流出ポート28および第1排気ポート(第1排気口)211が形成されている。血液流出ポート28は、円筒状ハウジング本体21Aの外周面のほぼ接線方向に向かって突出している(図5および図6参照)。第1排気ポート211は、円筒状ハウジング本体21Aの上部に、図9中(図5も同様)上方に向かって突出している。また、円筒状ハウジング本体21Aの外周部の第1排気ポート211付近は、かまぼこ状に隆起している(図7、図9参照)。このかまぼこ状に隆起した部分212に、後述する気泡貯留部43Aが位置する。
第1のヘッダー22Aには、管状の血液流入ポート201およびガス流出ポート27が突出形成されている。血液流入ポート201は、その中心軸が第1のヘッダー22Aの中心に対し偏心するように、第1のヘッダー22Aの端面に形成されている。ガス流出ポート27は、その中心軸が第1のヘッダー22Aの中心と交差するように、第1のヘッダー22Aの外周部に形成されている(図6参照)。
第2のヘッダー23Aには、管状のガス流入ポート26、排気ポート(排気口)29、熱媒体流入ポート202および熱媒体流出ポート203が突出形成されている。ガス流入ポート26および第2排気ポート29は、それぞれ、第2のヘッダー23Aの端面の縁部に形成されている。熱媒体流入ポート202および熱媒体流出ポート203は、それぞれ、第2のヘッダー23Aの端面のほぼ中央部に形成されている。また、熱媒体流入ポート202および熱媒体流出ポート203の中心線は、それぞれ、第2のヘッダー23Aの中心線に対してやや傾斜している。
なお、本発明において、ハウジング2Aの全体形状は、必ずしも完全な円柱状をなしている必要はなく、例えば一部が欠損している形状、異形部分が付加された形状などでもよい。
図7〜図9に示すように、ハウジング2Aの内部には、その内周面に沿った円筒状をなす人工肺部10Aが収納されている。人工肺部10Aは、円筒状の中空糸膜層3Aと、中空糸膜層3Aの外周側(血液流出部側)に設けられた気泡除去手段4Aとしてのフィルタ部材41Aおよび排気用中空糸膜層42Aとを有している。これらの層および部材は、血液流入側から、中空糸膜層3A、排気用中空糸膜層42A、フィルタ部材41Aの順に配置(積層)されている。
図10に示すように、中空糸膜層3Aは、ガス交換機能を有する中空糸膜31が多数本集積されたものである。この中空糸膜層3Aを構成する中空糸膜31は、そのほとんどがハウジング2Aの中心軸とほぼ平行に配置されている。
なお、中空糸膜層3Aにおける中空糸膜31の配設パターン、配設方向等は、上述したもの限定されず、例えば、各中空糸膜31がハウジング2Aの中心軸に対して垂直な方向に配置された構成、中空糸膜31同士が斜めに交差する部分(交差部)を有する構成、全部または一部の中空糸膜31が湾曲して配置された構成、全部または一部の中空糸膜31が波状、螺旋状、渦巻き状または環状に配置された構成等であってもよい。
各中空糸膜31の両端部(左端部および右端部)は、それぞれ、隔壁8および9により円筒状ハウジング本体21Aの内面(内周面)に対し固定されている(図8および図9参照)。
また、中空糸膜層3Aは、円筒状ハウジング本体21Aと熱交換部10Bとの間にほぼ隙間なく充填されており、これにより、中空糸膜層3Aは、全体形状としてほぼ円筒状の形状をなしている。これにより、同様の形状の円筒状ハウジング本体21Aに対し、中空糸膜31の高い充填効率が得られ(デッドスペースが少なく)、人工肺部10Aの小型化、高性能化に寄与する。
ハウジング2A内の隔壁8と隔壁9との間における各中空糸膜31は、露出しており、各中空糸膜31(排気用中空糸膜層42Aの中空糸膜421も同様)の外側、すなわち、中空糸膜31同士の隙間に、血液が図2中左側から右側に向かって流れる血液流路33が形成されている。
血液流路33の上流側(中空糸膜層3Aの上流側の面側)、すなわち人工肺部10Aと熱交換部10Bとの間には、血液流入ポート201から流入した血液の血液流入部として、円筒状の血液流入側開口部(血液流入側空間)24Aが形成されている。
血液流入側開口部24Aに流入した血液は、当該血液流入側開口部24Aの周方向および長手方向に沿って流れることとなり、よって、血液流入側開口部24Aの全体に行き渡る。これにより、熱交換部10Bから人工肺部10Aへの血液の移送を効率良く行うことができる。
血液流路33の下流側(中空糸膜層3Aの下流側の面側)においては、後述するフィルタ部材41Aの外周面と円筒状ハウジング本体21Aの内周面との間に円筒状の隙間が形成され、この隙間は、血液流出側開口部(血液流出側空間)25Aを形成している。この血液流出側開口部25Aと、血液流出側開口部25Aに連通する血液流出ポート28とで、血液流出部が構成される。血液流出部は、血液流出側開口部25Aを有することにより、フィルタ部材41Aを透過した血液が血液流出ポート28に向かって流れる空間が確保され、血液を円滑に排出することができる。
そして、血液流入側開口部24Aと血液流出側開口部25Aとの間に、中空糸膜層3A、フィルタ部材41Aおよび排気用中空糸膜層42Aと、血液流路33とが存在している。
なお、中空糸膜層3Aの厚さ(図9中径方向の長さ)は、特に限定されないが、2〜100mm程度であるのが好ましく、3〜30mm程度であるのがより好ましい。
さて、前述したように、中空糸膜層3Aの下流側(血液流出部側)には、血液中の気泡を捕捉するとともに捕捉した気泡を前記血液流路外へ排出する機能を有する気泡除去手段4Aが設置されている。この気泡除去手段4Aは、フィルタ部材41Aと、フィルタ部材41Aの上流側に設置された排気用中空糸膜層42Aとを有している。
図7および図9に示すように、フィルタ部材41の上流側(内周側)の面は、円筒状ハウジング本体21Aの部分212に対応する部位(箇所)が排気用中空糸膜層42の下流側(外周側)の面と離間しており、それ以外の部位が排気用中空糸膜層42の下流側の面に接合さている。これにより、フィルタ部材41の血液流路33上流側の一部(上部)には、当該排気用中空糸膜層42との間に空隙部が確実に形成される。この空隙部は、フィルタ部材41Aで捕捉された気泡の少なくとも一部を集積し貯留する気泡貯留部(第1の気泡貯留部)43Aとして機能する。
フィルタ部材41Aは、ほぼ長方形をなすシート状の部材(以下単に「シート」とも言う)で構成され、そのシートを円柱状に巻回して形成したものである。フィルタ部材41Aは、両端部がそれぞれ隔壁8、9で固着されることにより、ハウジング2Aに対し固定されている(図7および図8参照)。
このフィルタ部材41Aは、前述したように排気用中空糸膜層42の下流側(血液流出部側)に設けられ、内周面が排気用中空糸膜層42Aの下流側(血液流出部側)の面のほぼ全面を覆っている。フィルタ部材41Aをこのように設けることにより、フィルタ部材41Aの有効面積を大きくすることができ、気泡を捕捉する能力を十分に発揮することができる。また、フィルタ部材41Aの有効面積が大きくなることにより、たとえフィルタ部材41Aの一部に目詰まり(例えば血液の凝集塊などの付着)が生じたとしても、全体として血液の流れを妨げることを防止(抑制)することができる。
なお、フィルタ部材41Aの形態としては、例えば、前記第1実施形態のフィルタ部材41と同様の形態、すなわち、メッシュ状(網状)をなすもの、織布、不織布、あるいはこれらを組み合わせたものとすることができる。
また、フィルタ部材41Aの構成材料としては、例えば、前記第1実施形態のフィルタ部材41と同様の材料を用いることができる。
以上のような構成のフィルタ部材41Aを設置したことにより、血液流路33を流れる血液中に気泡が存在していたとしてもその気泡を捕捉することができ、よって、気泡が血液流出ポート28から流出するの防止することができる。
フィルタ部材41Aにより捕捉された気泡は、当該フィルタ部材41Aの上流側に位置する排気用中空糸膜層42Aによって血液流路33から除去される。
図10に示すように、排気用中空糸膜層42Aを構成する中空糸膜421は、そのほとんどが、中空糸膜層3Aを構成する中空糸膜31とほぼ平行に配置されている。また、各中空糸膜421の両端部(上端部および下端部)は、それぞれ、各中空糸膜31と同様に、隔壁8および9により円筒状ハウジング本体21Aの内面に対し固定されている(図7および図8参照)。
なお、排気用中空糸膜層42Aにおける中空糸膜421の配設パターン、配設方向等は、上述したもの限定されず、例えば、各中空糸膜421がハウジング2Aの中心軸に対して垂直な方向に配置された構成、中空糸膜421同士が斜めに交差する部分(交差部)を有する構成、全部または一部の中空糸膜31が湾曲して配置された構成、全部または一部の中空糸膜421が波状、螺旋状、渦巻き状または環状に配置された構成等であってもよい。
また、排気用中空糸膜層42Aの厚さ(図9中径方向の長さ)は、特に限定されないが、1〜50mm程度であるのが好ましく、1〜30mm程度であるのがより好ましい。
また、フィルタ部材41により捕捉された気泡は、前述したように排気用中空糸膜層42Aよって血液流路33から除去されるが、これのみならず、前記気泡の一部が浮上して気泡貯留部43A(空隙部)に流入し貯留される。
図7および図9に示すように、フィルタ部材41Aの第1排気ポート211に対応する部分には、開口(孔)411が形成されている。この開口411を介して、気泡貯留部43Aは、第1排気ポート211と連通している。これにより、気泡貯留部43Aで貯留された気泡(気泡構成気体)は、開口411を通過し、第1排気ポート211を経てハウジング2A外へ排気される。よって、血液流路33を通過する血液中の気泡が血液流出部から流出するのを確実に防止することができる。
図8(図7も同様)に示すように、第1のヘッダー22Aと隔壁8と熱交換部10Bの熱交換器ハウジング5Aおよび熱媒体室形成部材55とにより、第1の部屋221aが画成されている。この第1の部屋221aは、中空糸膜層3Aと排気用中空糸膜層42Aとの境界部に設けられた仕切部222により、中空糸膜層3A側のガス流出室271と、排気用中空糸膜層42A側の小空間223とに区分されている。各中空糸膜31の左端開口は、ガス流出室271に開放し、連通している。
一方、第2のヘッダー23Aと隔壁9と熱交換部10Bの熱交換器ハウジング5Aおよび熱媒体室形成部材55とにより、第2の部屋231aが画成されている。この第2の部屋231aは、中空糸膜層3Aと排気用中空糸膜層42Aとの境界部に設けられた仕切部232により、中空糸膜層3A側のガス流入室261と、排気用中空糸膜層42A側の小空間233とに区分されている。各中空糸膜31の右端開口は、ガス流入室261に開放し、連通している(図10参照)。
各中空糸膜31の内腔は、ガスが流れるガス流路32を構成している。ガス流入ポート26およびガス流入室261により、ガス流路32の上流側に位置するガス流入部が構成され、ガス流出ポート27およびガス流出室271により、ガス流路32の下流側に位置するガス流出部が構成される。
また、各中空糸膜421の内腔は、当該中空糸膜421の壁部に形成されている多数の細孔を経て流入した気泡構成気体が流れるガス流路422を構成している。
各ガス流路422(各中空糸膜421)の左端開口は、小空間223に開放し、連通している。これにより、小空間223は、各ガス流路422から流出した気泡構成気体を一時的に貯留する気泡貯留部(第2の気泡貯留部)として機能し得る。
また、各ガス流路422の右端開口は、小空間233に開放し、連通している(図10参照)。この小空間233は、第2排気ポート29と連通している。
このような構成により、各ガス流路422の右端開口から流出した気泡構成気体は、小空間233を通過し、さらに第2排気ポート29を通過して、人工肺10(ハウジング2A)から確実に排気される。これにより、血液流路33を通過する血液中の気泡が血液流出部から流出するのを確実に防止することができる。
人工肺10は、図6に示す姿勢で使用される。この場合、血液流出ポート28は、人工肺10を使用する際の鉛直下方の位置に設けられている。すなわち、血液流出側開口部25Aの下部に血液流出ポート28の内腔が連通しており(図9参照)、フィルタ部材41Aを通過し、血液流出側開口部25Aに入った血液は、血液流出側開口部25A内をその周方向および長手方向に沿って血液流出ポート28に向けて流れ、血液流出ポート28よりハウジング2A外へ流出する。血液流出ポート28がこのような位置に設けられていることにより、気泡除去手段4Aで除去しきれなかった気泡(特に微細な気泡)がフィルタ部材41Aを透過して血液流出側開口部25Aに流入したとしても、その一部は浮上するなどして血液流出側開口部25Aの下部に到達することが阻止、抑制または遅延されるため、血液流出ポート28から排出される気泡(微細な気泡)の量をできるだけ少なくすることができる。
また、人工肺10が図6に示す姿勢で使用される場合、気泡貯留部43Aは、人工肺10を使用する際の鉛直上方の位置に設けられている。フィルタ部材41Aで捕捉された気泡構成気体(気泡)は、その全てが排気用中空糸膜層42Aの各ガス流路422(中空糸膜421)内に入り込み第2排気ポート29から排気されるのは稀であり、このため、気泡構成気体の一部は、ハウジング2A内を浮上することとなる。ハウジング2A内を浮上した気泡構成気体は、前述した位置に設けられた気泡貯留部43Aに確実に貯留される。これにより、血液流路33を通過する血液中の気泡が血液流出部から流出するのをより確実に防止することができる。
前述したように、人工肺部10Aの内側には、熱交換部10Bが設置されている。この熱交換部10Bは、熱交換部1Bとほぼ同様の構成であるので、その説明は省略する。
また、このように人工肺部10Aの内側に熱交換部10Bが設置されていることにより、次のような効果を奏する。すなわち、まず第1に1つのハウジング2A内に人工肺部10Aおよび熱交換部10Bを効率良く収納することができ、デッドスペースが小さく、そのため、小型の人工肺10で効率の良いガス交換を行うことができる。第2に、人工肺部10Aと熱交換部10Bとが前記第1実施形態よりも近接した状態となり、熱交換部10Bで熱交換がなされた血液が人工肺部10Aに迅速に流入することができ、よって、熱交換部10Bと人工肺部10Aとをつなぐ血液流入側開口部24A(血液流路33)中の血液の充填量を最小にすることができる。第3に、熱交換部10Bで熱交換された血液が放熱あるいは吸熱されることなく迅速に人工肺部10Aに流入することができる。
次に、本実施形態の人工肺10における血液の流れについて、図7〜図10を参照しつつ説明する。
この人工肺10では、血液流入ポート201から流入した血液は、血液室50、すなわち熱交換器ハウジング5Aの内周面と熱交換体54との間に流れ込み、熱交換体54の複数の中空環状突起の外面と接触して熱交換(加温または冷却)がなされる。このようにして熱交換がなされた血液は、熱交換器ハウジング5Aの上部に形成された開口59c、血液流入側開口部24Aを順次通過して人工肺部10Aのハウジング2A内へ流入する。
血液流入側開口部24Aを経た血液は、血液流路33を下流方向に向かって流れる。一方、ガス流入ポート26から供給されたガス(酸素を含む気体)は、ガス流入室261より各中空糸膜31の内腔であるガス流路32に分配され、該ガス流路32を流れた後、ガス流出室271に集積され、ガス流出ポート27より排出される。血液流路33を流れる血液は、各中空糸膜31の表面に接触し、ガス流路32を流れるガスとの間でガス交換(酸素加、脱炭酸ガス)がなされる。
ガス交換がなされた血液中に気泡が混入している場合、この気泡は、フィルタ部材41Aにより捕捉され、フィルタ部材41Aの下流側にはほとんど流出しない。フィルタ部材41にて捕捉された気泡(気泡構成気体)には、フィルタ部材41Aの上流側に隣接する排気用中空糸膜層42Aの各中空糸膜421の壁部の多数の細孔を経て、当該中空糸膜31の内腔(ガス流路422)に入るものと、中空糸膜31の内腔に入らずにハウジング22内を浮上して気泡貯留部43Aに入るものとがある。中空糸膜31の内腔に入った気泡構成気体は、小空間233を介して第2排気ポート29から排出される。また、気泡貯留部43Aに入った気泡構成気体は、第1排気ポート211から排出される。
以上のようにしてガス交換がなされ、気泡が除去された血液(フィルタ部材41Aを通過した血液)は、血液流出側開口部25Aに流入し、該血液流出側開口部25A内を血液流出ポート28に向かって流れ、該血液流出ポート28より流出する。
以上、本発明の人工肺を図示の実施形態について説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、人工肺を構成する各部は、同様の機能を発揮し得る任意の構成のものと置換することができ、また、任意の構成物が付加されていてもよい。
例えば、ハウジングおよび熱交換器ハウジングの構造や形状、各ハウジングに対するガス流入ポート、ガス流出ポート、血液流出ポート、血液流入ポート、熱媒体流入ポートおよび熱媒体流出ポート等の形成位置や突出方向については、図示の構成と異なる構成であってもよい。また、人工肺の使用時の姿勢(鉛直方向に対する各部の位置関係)も、図示の状態に限定されない。
また、人工肺には、第1排気ポートおよび第2排気ポートが設けられているが、これに限定されず、例えば、これらの排気ポートのうちの一方または双方が省略されていてもよい。
また、中空糸膜層とフィルタ部材との間には、排気用中空糸膜層が設けられているが、これに限定されず、例えば、排気用中空糸膜層が省略されていてもよい。
本発明の人工肺の第1実施形態を示す斜視図である。 図1中のA−A線断面図(断面側面図)である。 図1に示す人工肺における人工肺部の横断面図(断面上面図)である。 図2中の右側下部(中空糸膜層、フィルタ部材および排気用中空糸膜層の固定部)の拡大断面図である。 本発明の人工肺の第2実施形態を示す平面図である。 図5に示す人工肺を矢印B側から見た図(左側面図)である。 図6中のC−C線断面図である。 図6中のD−D線断面図である。 図5中のE−E線断面図である。 図8中の右側上部(中空糸膜層、フィルタ部材および排気用中空糸膜層の固定部)の拡大断面図である。
符号の説明
1、10 人工肺
1A、10A 人工肺部
1B、10B 熱交換部(熱交換器)
2、2A ハウジング
21 角筒状ハウジング本体
21A 円筒状ハウジング本体
211 第1排気ポート(第1排気口)
212 部分
22、22A 第1のヘッダー
221、221a 第1の部屋
222 仕切部
223 小空間
23、23A 第2のヘッダー
231、231a 第2の部屋
232 仕切部
233 小空間
24、24A 血液流入側開口部
25、25A 血液流出側開口部
26 ガス流入ポート
261 ガス流入室
27 ガス流出ポート
271 ガス流出室
28 血液流出ポート
29 第2排気ポート(第2排気口)
201 血液流入ポート
202 熱媒体流入ポート
203 熱媒体流出ポート
3、3A 中空糸膜層
31 中空糸膜
32 ガス流路(中空糸膜の内腔)
33 血液流路
4、4A 気泡除去手段
41、41A フィルタ部材
411 開口(孔)
42、42A 排気用中空糸膜層
421 中空糸膜(排気用中空糸膜)
422 ガス流路
43、43A 気泡貯留部(第1の気泡貯留部)
5、5A 熱交換器ハウジング
50 血液室
51 血液流入ポート
52 熱媒体流入ポート
53 熱媒体流出ポート
54 熱交換体
55 熱媒体室形成部材
56 区画壁
57 流入側熱媒体室
58 流出側熱媒体室
59a 開口
59b 開口
59c 開口
7 固着部
8、9 隔壁

Claims (6)

  1. ハウジングと、ハウジング内に収納され、ガス交換機能を有する中空糸膜が多数本集積された中空糸膜層と、前記各中空糸膜の内腔をガス流路として、当該ガス流路の上流側および下流側にそれぞれ設けられたガス流入部およびガス流出部と、前記各中空糸膜の外側を血液流路として、当該血液流路の上流側および下流側にそれぞれ設けられた血液流入部および血液流出部と、血液中の気泡を除去する気泡除去手段とを備えた人工肺であって、
    前記気泡除去手段は、前記中空糸膜層の前記血液流路下流側に配置され、該血液流路を流下した血液中の気泡を捕捉する機能を有するフィルタ部材と、
    前記フィルタ部材と前記中空糸膜層との間に配置され、前記フィルタ部材で捕捉された気泡のうちの一部の気泡が透過し、該透過した気泡を排出する機能を有する排気用中空糸膜が多数本集積された排気用中空糸膜層と、
    前記フィルタ部材で捕捉された気泡のうちの前記排気用中空糸膜を透過し切れなかった気泡を集積し貯留する気泡貯留部とを備え
    前記フィルタ部材は、当該人工肺を使用する際に鉛直方向上方に位置する上部が前記排気用中空糸膜層から離間して該排気用中空糸膜層との間で空隙部を形成し、該空隙部で前記気泡貯留部が構成されており、前記上部以外の部分が前記排気用中空糸膜層に密着していることを特徴とする人工肺。
  2. 前記気泡除去手段は、さらに、前記気泡貯留部で貯留された気泡を構成する気体を前記ハウジング外へ排気する第1排気口を備える請求項1に記載の人工肺。
  3. 前記フィルタ部材の前記第1排気口に対応する部分には、開口が形成されており、該開口を介して、前記第1排気口と前記気泡貯留部とが連通している請求項2に記載の人工肺。
  4. 前記中空糸膜層を構成する中空糸膜と、前記排気用中空糸膜層を構成する前記排気用中空糸膜とは、その構成材料、特性、配設条件のうちの少なくとも1つが異なるものである請求項1ないし3のいずれかに記載の人工肺。
  5. 前記気泡除去手段は、さらに、前記排気用中空糸膜の内腔にある気体を前記ハウジング外へ排気する第2排気口を備える請求項1ないし4のいずれかに記載の人工肺。
  6. 前記ハウジングには、前記各排気用中空糸膜の両端がそれぞれ開放する小空間が設けられている請求項1ないし5のいずれかに記載の人工肺。
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