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JP3955528B2 - ペン用プリントヘッド - Google Patents

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JP3955528B2
JP3955528B2 JP2002560442A JP2002560442A JP3955528B2 JP 3955528 B2 JP3955528 B2 JP 3955528B2 JP 2002560442 A JP2002560442 A JP 2002560442A JP 2002560442 A JP2002560442 A JP 2002560442A JP 3955528 B2 JP3955528 B2 JP 3955528B2
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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)
  • Pens And Brushes (AREA)
  • Recording Measured Values (AREA)
  • Common Mechanisms (AREA)
  • Facsimile Heads (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、基板上への筆記や描写等のマーキングを行うための道具に関し、より詳しくは、色、ライン幅及びスタイルなどの特性を選択できるマーキングを行うことのできる装置に関する。マーキングはインク、トナー等の材料を乗せること、或いは熱又は静電気的手段等により基板自身を修正することを含む。
【0002】
(同時係属出願)
本発明に関連する種々の方法、システム及び装置が本発明の出願人或いは出願人により、本発明と同時に出願された以下の同日出願に開示されている:
PCT/AU00/01273,PCT/AU00/01279,PCT/AU00/01288,PCT/AU00/01282,PCT/AU00/01276,PCT/AU00/01280,PCT/AU00/01274,PCT/AU00/01289,PCT/AU00/01275,PCT/AU00/01277,PCT/AU00/01286,PCT/AU00/01281,PCT/AU00/01278,PCT/AU00/01287,PCT/AU00/01285,PCT/AU00/01284,PCT/AU00/01283。
【0003】
これらの同日出願の開示は、参照して本明細書に組み入れる。
【0004】
本発明に関連する種々の方法、システム及び装置は、本発明の出願人或いは出願人により、2000年9月15日に出願された以下の同日出願に開示されている:
PCT/AU00/01108,PCT/AU00/01110,PCT/AU00/011111。
【0005】
これらの同日出願の開示は、参照して本明細書に組み入れる。
【0006】
本発明に関連する種々の方法、システム及び装置は、本発明の出願人或いは出願人により、2000年6月30日に出願された以下の同日出願に開示されている:
PCT/AU00/00762,PCT/AU00/00763,PCT/AU00/00761,PCT/AU00/00760,PCT/AU00/00759,PCT/AU00/00758,PCT/AU00/00764,PCT/AU00/00765,PCT/AU00/00766,PCT/AU00/00767,PCT/AU00/00768,PCT/AU00/00773,PCT/AU00/00774,PCT/AU00/00775,PCT/AU00/00776,PCT/AU00/00777,PCT/AU00/00770,PCT/AU00/00769,PCT/AU00/00771,PCT/AU00/00772,PCT/AU00/00754,PCT/AU00/00755,PCT/AU00/00756,PCT/AU00/00757。
【0007】
これらの同日出願の開示は、参照して本明細書に組み入れる。
【0008】
本発明に関連する種々の方法、システム及び装置は、本発明の出願人或いは出願人により、2000年5月24日に出願された以下の同日出願に開示されている:
PCT/AU00/00518,PCT/AU00/00519,PCT/AU00/00520,PCT/AU00/00521,PCT/AU00/00522,PCT/AU00/00523,PCT/AU00/00524,PCT/AU00/00525,PCT/AU00/00526,PCT/AU00/00527,PCT/AU00/00528,PCT/AU00/00529,PCT/AU00/00530,PCT/AU00/00531,PCT/AU00/00532,PCT/AU00/00533,PCT/AU00/00534,PCT/AU00/00535,PCT/AU00/00536,PCT/AU00/00537,PCT/AU00/00538,PCT/AU00/00539,PCT/AU00/00540,PCT/AU00/00541,PCT/AU00/00542,PCT/AU00/00543,PCT/AU00/00544,PCT/AU00/00545,PCT/AU00/00547,PCT/AU00/00546,PCT/AU00/00554,PCT/AU00/00556,PCT/AU00/00557,PCT/AU00/00558,PCT/AU00/00559,PCT/AU00/00560,PCT/AU00/00561,PCT/AU00/00562,PCT/AU00/00563,PCT/AU00/00564,PCT/AU00/00565,PCT/AU00/00566,PCT/AU00/00567,PCT/AU00/00568,PCT/AU00/00569,PCT/AU00/00570,PCT/AU00/00571,PCT/AU00/00572,PCT/AU00/00573 PCT/AU00/00574,PCT/AU00/00575,PCT/AU00/00576,PCT/AU00/00577,PCT/AU00/00578,PCT/AU00/00579,PCT/AU00/00581,PCT/AU00/00580,PCT/AU00/00582,PCT/AU00/00587,PCT/AU00/00588,PCT/AU00/00589,PCT/AU00/00583,PCT/AU00/00593,PCT/AU00/00590,PCT/AU00/00591,PCT/AU00/00592,PCT/AU00/00594,PCT/AU00/00595,PCT/AU00/00596,PCT/AU00/00597,PCT/AU00/00598,PCT/AU00/00516,PCT/AU00/00517,PCT/AU00/00511。
【0009】
これらの同日出願の開示は、参照して本明細書に組み入れる。
【0010】
【発明の背景】
現在、ペンや鉛筆等の描写及び筆記道具は、書こうとするマーキングの特性に関して静的な道具である。鉛筆、万年筆或いはボールペンは、一般に一色の芯或いはインクを付着させる単一のマーキングを有している。ペンのマーキングポイントは交換する以外に変更できず、マーキングの特性の変更は道具の向き、運動方向及び基板への力を変更するユーザーに依存する。あるボールペンは複数の別個のカートリッジを利用できるが、これは単にユーザーに特定の色の選択を可能にするだけである。各色は別個のカートリッジにより提供されるため、実際に提供可能な色の数には限度がある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
有用性を向上させた筆記或いはマーキングの道具を提供すべく、1つの広い形態として、本発明はペン或いは鉛筆の従来のニブ或いは芯に代わるインクジェット式プリントヘッドを含むペン或いはペン用のカートリッジを提供する。インクジェット式プリントヘッドを提供することにより、従来のペンや鉛筆と比較して、作成されるマーキングの特性のバリエーションが豊富となり、またその特性の制御も容易となる。
【0012】
本発明は更に、1つの広い形態として、表面に見える経路をマークするマーキング装置を有し、このマーキング装置は経路の少なくとも1つの属性を変更するよう電子的に制御可能であり、ユーザインターフェースを更に有し、これによりユーザは少なくとも1つの属性を修正できるペンを提供する。
【0013】
マーキング装置はペンと一体か、もしくはユーザが交換可能なカートリッジの一部であっても良い。
【0014】
従って、1つの広い形態として、本発明は、表面に見える経路をマークするマーキング装置を有し、このマーキング装置は経路の少なくとも1つの属性を変更するよう電子的に制御可能であるペン用のカートリッジを提供する。
【0015】
ペン或いはカートリッジは、ノンマーキングスタイラスニブを有する。スタイラスニブは、好ましくはカートリッジ本体或いはペンに対して第1軸線に沿って移動自在である。或いはスタイラスニブを固定しても良い。好適な形態では、スタイラス及びマーキング装置は両方共ユーザにより交換自在なカートリッジの一部であるが、スタイラスニブはペンの一部であっても良く、マーキング装置は使い捨てカートリッジの一部であっても良い。
【0016】
スタイラスニブの相対的位置を感知する位置センサ、或いはスタイラスニブに加えられる圧縮力を感知する力センサ、又はこれらの両方を設けても良い。感知された情報は、マーキング装置をオン或いはオフとするためにだけ使用しても良く、或いは付着させた経路の属性を制御するために使用しても良い。
【0017】
スタイラスニブの所定量以上の運動を感知した場合、或いはスタイラスニブへ所定以上の圧縮力が加わった場合に、オンオフスイッチを「オン」状態にしても良い。
【0018】
マーキング装置は好ましくは、プリントヘッドが表面にインクを付着させる開放位置と、プリントヘッドがインクを付着させるのがキャッパが防ぐ閉鎖位置との間で移動自在なキャッピング装置を有する。
【0019】
好適な形態では、キャッピング装置は開放位置と閉鎖位置との間の軸線回りで回転する。この運動はスタイラスニブの運動により行われるのが好ましい。
【0020】
好適な実施の形態では、スタイラスニブは第1軸線に対して0度或いは90度以外の角度で延びるスロット或いは溝を有する、第1軸線に沿って移動自在なスタイラスニブが設けられる。キャッピング装置は、マーキング装置の前方に取り付けられ、開放位置と閉鎖位置との間の第1軸線と平行な第2軸線回りに回転自在である。キャッピング装置は、スロット或いは溝に係合するアームを有し、これにより、第1軸線に沿ったスタイラスニブの運動がキャッピング装置を開放位置と閉鎖位置との間で移動する。
【0021】
カートリッジ或いはペンは、少なくともマーキング装置のため、好ましくはユーザインターフェースのための電源を有する。電源は使い捨てのバッテリ或いは交換式バッテリでも良い。
【0022】
カートリッジが設けられる場合、カートリッジはペンからの少なくとも1つの属性を変更する少なくとも1つの制御信号を受信するための電気入力部を有するのが好ましい。
【0023】
マーキング装置は表面に作動しても良く、或いはマーキング装置が作動する表面に移動装置を設けても良い。
【0024】
カートリッジを設ける場合、カートリッジは少なくとも属性或いは修正可能な属性を記憶する不揮発性メモリを有していても良い。
【0025】
マーキング装置はインク噴射式プリントヘッドであるのが好ましいが、その他のマーキング装置を使用しても良い。
【0026】
別の実施の形態では、本発明は、表面に見える経路をマークするマーキング装置を有し、このマーキング装置は経路の少なくとも1つの属性を変更するよう電子的に制御可能であり、ユーザが少なくとも1つの属性を修正できるためのユーザインターフェースと、イメージ或いは色、又はその両方を感知する少なくとも1つの感知装置を有するペンを提供する。
【0027】
少なくとも1つの属性を、感知されたイメージ或いは色に基づいて、修正しても良い。
【0028】
ペンはユーザが定義した少なくとも1組の属性を記憶するメモリを有するのが好ましく、オプションとしてユーザの定義した組は感知装置が感知したイメージ或いは色から得られる属性を有する。
【0029】
感知装置の1つは属性に関する符号化されたデータを有するイメージを感知できても良い。
【0030】
感知装置はマーキング装置に隣接して配置してしても、或いはペンの一端に配置して他端にマーキング装置を配置しても良い。
【0031】
感知装置はそれを表面に対して押し付けることにより作動するのが好ましい。
【0032】
ユーザインターフェースは、少なくとも1つのスライダ、或いは少なくとも1つのコントロールボタン、或いは少なくとも1つのスライダと少なくとも1つの制御ボタンを有していても良い。
【0033】
ユーザインターフェースは、少なくとも1つの属性に関する情報を表示するディスプレイを有していても良い。
【0034】
ユーザインターフェースは、記憶された少なくとも1つの属性の組を循環するよう作動するのが好ましい。
【0035】
本発明は、表面に見える経路をマークするマーキング装置を有し、このマーキング装置は経路の少なくとも1つの属性を変更するよう電子的に制御可能であり、ユーザが少なくとも1つの属性を修正できるためのユーザインターフェースと、符号化されたデータを含むイメージを感知する少なくとも1つの感知装置を有するペンを提供する。
【0036】
ペンは符号化されたデータを解読し、解読されたデータに応答して少なくとも1つの属性を変更するデコーダを有するのが好ましい。
【0037】
ペンは外部からの制御源からのコマンドを受信する受信装置を有していてもよく、少なくとも1つの属性は受信したコマンドに応答して変更される。
【0038】
ペンは属性の値の複数の異なる組を記憶するメモリを有するのが好ましい。このメモリは少なくとも1つの属性の、ユーザが定義した少なくとも1つの組を記憶しても良い。
【0039】
ペンは感知したイメージデータ、符号化されたデータ或いは解読されたデータを外部制御源に送信するための送信機を有するのが好ましい。
【0040】
ペンは感知したイメージの場所の経路の少なくとも1つの属性の値と共に、感知したイメージデータ、符号化されたデータ或いは解読されたデータを外部制御源に送信するのが好ましい。
【0041】
ペンは位置感知装置或いは運動感知装置又はその両方を有していても良く、少なくとも1つの属性はペンの相対位置或いはペンの相対速度又はその両方に依存する。
【0042】
ペンの位置或いは速度はイメージの感知された位置から得ても良く、あるいは感知されたイメージの符号化されたデータから得ても良い。
【0043】
本発明は更に、1つの広い形態として、複数のインク噴射装置と中心軸線とを有し、インク噴射装置は一連のグループに配置され、各グループは平行でない線に沿って概ね延びており、各インク噴射装置は、出口ノズルを含んでおり、各グループの出口ノズルは、半径方向の線の両側に交互に配置されているインク噴射式ペン用のプリントヘッドを提供する。
【0044】
各グループの隣接するインク噴射装置は、半径方向線の両側に交互に配置されるか、或いは半径方向線上に配置されても良い。
【0045】
1組のインク噴射装置は、共通のインク供給源に連結されても良い。好ましくは、各組は1つのグループの装置を有し、更に好ましくは、各組は他の組とは異なるインク供給源を有する。グループの装置は同じ組の一部であるのが好ましく、隣接するグループは異なる組に属する。
【0046】
異なる組のグループは、繰り返しのパターンで配置されるのが好ましい。
【0047】
好ましくは組の数は4で、グループの数は12である。
【0048】
好ましくは、装置の各グループは共通のギャラリーからインクが供給され、全てのギャラリーはプリントヘッドの第1にあり、装置の組のギャラリーは第2の少なくとも1つの相互連結通路により一部が互いに連結されており、各組の相互連結通路は少なくとも1つの別の組のギャラリーの下方を通過している。
【0049】
プリントヘッドは堅い材料の第1層と、その第1層の上方のインク噴射装置層と、第1層の下方の堅い材料の第2層を有するのが好ましい。
【0050】
ギャラリーは第1層の厚さを貫通して延びたスロットであるのが好ましく、相互連結通路は第2層の厚さを部分的に貫通して延びた第2層の下面の溝であるのが好ましい。
【0051】
第2層はギャラリーを相互連結通路に連結する連結通路を有し、この連結通路は第2層の厚さを貫通して延びているのが好ましい。
【0052】
第1及び第2層、及びインク噴射装置層は別個の層、或いは一体の装置の一部である。
【0053】
【発明の実施の形態】
注)「MemjetTM 」は、オーストラリア、Silverbrook Research Pty Ltdの登録商標である。
ペンとカートリッジの基本的構造
図1〜6は、本発明の第1の実施の形態によるペン1110を示す。ペンは略管状のペン本体1112を有し、その中に交換式のカートリッジ組立体1114が設けられる。カートリッジ組立体1114は、インク供給部1116と、スタイラスニブ1118と、プリントヘッド1120とを有し、インク供給部が空になったりスタイラス或いはプリントヘッドが損傷すると、カートリッジ組立体1114は捨てられ、新たなカートリッジがペン本体に挿入される。しかし、ペンを使い捨てとして製造し、カートリッジとペン本体を一体に成形しても良いし、一般ユーザに別体として提供しなくても良い。
【0054】
インク供給部1116は長い中空管1122を有し、この中空管1122の一端は第1エンドキャップ1124により閉鎖され、他端は第2エンドキャップ1126により閉鎖される。管1122は熱可塑性材料で出来ているのが好ましいが、他の材料で出来ていても良い。樹脂製とした場合、管は一定の断面を有するように押し出し成形されるのが好ましい。しかしながら、管は、成形してもよい。金属で成形した場合は、管は、押出されても良い。管を射出成形しても良い。管1122は自身を4つの別個のチャンバ1130、1132,1134及び1136に分割する多数のリブ1128を有する。これらのリブは剛性を有する。チャンバにはインクが充填される。最も簡単な例は、チャンバは全て同じ色のインクを有する。各チャンバには異なる色のインクを充填しても良い。4色と適切なプリントヘッドがあれば、シアン、マゼンタ、黄色及び黒(CMYK)のインクの組み合わせを用いて、殆どの所望の色を生成することができる。
【0055】
チャンバ1130は管の容積の略半分を占有し、残りの3つのチャンバは管の容積の6分の1をそれぞれ占有する。CMYK色印刷装置では、黒は通常他の色より多く印刷されるため、黒インクはチャンバ1130に入れられ、他の3色はチャンバ1132,1134及び1136に入れられる。チャンバの数及び相対的な容積は必要に応じて変更して良い。現在のデスクトップ型インクジェットプリンタは黒の他に異なる6色のインクを使用しており、必要に応じて管を6つのチャンバに分割している。色インクチャンバは全て同じ容積である必要はなく、また黒インクチャンバ(黒インクを使用する場合)は利用可能な容積の半分である必要もな。色インクの使用が多ければ、黒インクを使用する印刷の比を下げてもよく、色インクに対する黒インクの比を変更しても良い。同様に、色インクは同量で供給され、例えばマゼンタの大量供給ができない理由はない。
【0056】
第1エンドキャップ1124は、各チャンバの端部を略シール出来る形状とされる。エンドキャップ1124は、インクを使用する際に空気をチャンバに導入する小さな空気入口1140を有する。蒸発によりインクが乾燥するのを防ぐために(使用されるインクは通常は水性である)、インクとエンドキャップ1124との間に図示しない可動シールが設けられる。インクの使用時に、シールはそれぞれのチャンバに沿って移動する。
【0057】
第2エンドキャップ1126も各チャンバの端部を略シール出来る形状とされるが、第2エンドキャップ1126にはチャンバをプリントヘッド1120に連通させる通路1178(図15を参照)が設けられ、この通路はキャップ1126の自由端に結合される。プリントヘッドはインクジェット式プリントヘッドであるのが好ましく、より好ましくはマイクロエレクトロメカニカルシステム(MEMS)式のインクジェットである。MEMS式インクジェットは現在殆どのインクジェット式プリンタで使用されているインクを加熱することによる方式ではなく、機械的なアクチュエータを使用してインクを噴射する。このようなMEMS式インクジェットは上記のプリンタと比較して消費電力が低いため、使用電力が制限される携帯型装置にMEMS式インクジェットを使用することが望まれている。MEMS式インクジェット及び製造方法をより良く理解するために、本出願人による先願である米国出願整理番号IJ052USを参照されたい。その内容は参照して本明細書に組み入れる。
【0058】
プリントヘッドはエンドキャップ1126に結合されているが、制御及び電力接点1146を有する可撓性プリント回路基板(PCB)1144に取り付けられている。
【0059】
スタイラスニブ1118は、少量の軸方向への移動が可能なようにエンドキャップ1126に取り付けられる。スタイラスニブ1118の軸方向への移動は一体型アーム1148により制御される。アーム1148はスタイラスの内端から横方向及び軸方向に延び、ランド1184(図15を参照)を支持する。使用時には、スタイラスを基板に押し付け、アーム1148を曲げてスタイラスを後退させる。スタイラスは熱可塑性材料により射出成形で形成するのが好ましく、アセチレンが最も好ましい。この移動は典型的には最大で0.5mmであり、ユーザーにフィードバックを提供する。また、スタイラスニブの可撓性は基板の表面粗さを少量であれば吸収する。必要であればスタイラスニブを殆ど動かないように固定しても良い。
【0060】
第1エンドキャップ1124は、小さなボタン或いは円筒状バッテリ1138を受容できる形状とされる。バッテリはエンドキャップの端部の上に単に着座させても良く、或いはエンドキャップのチャンバ内に横から挿入しても良い。チャンバ内にバッテリを配置することにより、ボタン或いは円筒状バッテリの両端子をチャンバ内の電気接点により容易に係合させることができる。バッテリを端部だけに着座させることにより、1方の端子との係合が容易となる。1本或いは2本のワイヤ、或いは他の電気路1139が設けられており、これはバッテリ1138の1つ或いは両方の端子をプリント回路基板1114に接続する。
【0061】
ニブキャブ1152は、エンドキャップ1126、プリントヘッド1120、プリント回路基板1114及びスタイラスニブ1118にわたり延びている。穴1154を貫通してスタイラスニブ1118の自由端1156が突出している。穴1154は楕円形を成し、スタイラスニブの下方の穴を介してプリントヘッド1120にインクを噴射させる。
【0062】
カートリッジ1116はペン本体1112内に設けられ、ニブキャブ1152に一体に形成された単数或いは複数の弾性スナップアクションアーム1158により適所に固定される。バッテリ1138がエンドキャップに固定され、両端子がプリント回路基板1114に電気的に接続される場合は、カートリッジはペン本体1112と係合する必要はない。一方の端子のみがプリント回路基板に接続される場合には、必要であればスイッチを介して他方の端子の通路を提供するためにペン本体を使用しても良い。その場合、バッテリの自由端はペン本体1112の閉鎖端1160内に取り付けられた端子と係合する。
【0063】
単色のペンでは、プリントヘッドを制御するのに必要な最小限の機能はオンオフスイッチと、インクジェットアクチュエータを制御する回路である。プリント回路基板或いはプリントヘッド自身がインクジェットアクチュエータ用の制御回路を内している。オンオフスイッチはスタイラスニブが基板に押し付けられた時にだけインクを噴射するように制御されるのが好ましい。スタイラスを基板に押し付けることにより、スタイラスニブに圧縮力が生じる。この実施の形態では、これによりスタイラスが動き、この動き、或いは圧縮力を感知することにより、或いは他の手段により、オンオフスイッチが起動する。スタイラスが実質的に固定されている場合、ペンの他の部分に対するスタイラスニブの動きは生じない。
【0064】
プリント回路基板及びプリントヘッド回路は、バッテリに永久的に連結されていても良く、或いはペンが別個の「マスター」オンオフスイッチを有していても良い。「マスター」オンオフスイッチを設けることで、個人用のオーガナイザー式装置のタッチスクリーンと共に使用するなどのノンマーキングモードでユーザがペンを使用することが可能となる。後述するように、印刷しないというペンの機能を確保すべく、他の機構を使用しても良い。機能を無効にするシステムがない場合、ペンは永久的の「オン」であり、プリントヘッド或いはプリント回路基板回路或いはその両方がバッテリ電力を節約すべく殆どの電気回路をオフにする「スリープモード」式の回路を有するのが好ましい。スタイラスニブを押すと電気システム及び印刷が「目覚める」。固形状態の装置であれば、スリープモードからアクティブモードへの切り替えにより生じる印刷開始の遅れはユーザが気づかない程小さい。ペンが加速度計等の運動感知装置を有している場合、このセンサは特定の閾値以上の動きを感知してペンを「目覚めさせる」ことができる。
【0065】
図1及び3に最も明瞭に示すように、ペン本体1112は対称ではなく、フィンガーグリップ1162が設けられている。フィンガーグリップ1162によりユーザはプリントヘッド1120上のスタイラスニブ1118の方向にペンを持つことが容易になる。しかし、ペンの方向は重要ではなく、図7に示すように、ペンはスタイラスニブがどの方向でもプリントヘッドから紙へのインクの通路を妨げないように構成されている。
【0066】
図7は、3つの異なる方向1164,1166,1168で紙に接しているスタイラスニブを示している。プリントヘッドからのインク通路は線1170で示す。紙1164はスタイラスニブがプリントヘッド上方にある方向を示しており、紙1166はスタイラスニブがプリントヘッドの下方にある方向を示している。紙1168はスタイラスニブがプリントヘッドの側部にある方向を示している。図示されるように、スタイラスニブはどの方向でも紙へのインク通路を妨げていない。
【0067】
図8は、カートリッジがバッテリを有していない点を除けば、図1〜6と同様なカートリッジ1172を示している。このカートリッジは図1〜6のカートリッジと実質的に同じであるため、同じ部品には同じ番号を付す。主な違いはエンドキャップ1174は簡単なプラグであり、バッテリを受容するものは持っていない。また、プリント回路基板1144まで延びた電気接続部或いはワイヤもない。カートリッジ1172はバッテリやワイヤで接続などの電源を有するペン本体に使用されることを意図している。ペン本体はプリント回路基板1146に接続される電機端子を有する。インク供給部1116はその自家動力の実施の形態と同じ長さ、或いは異なる長さでも良い。ペン内のバッテリは使い捨て式でも交換式でも良い。
【0068】
カートリッジはそれが単色或いは色カートリッジであるかどうか、線の可能な最大幅などのカートリッジの特性の1つ或いは複数の特性を識別するコード化された、或いは不揮発性メモリに記憶された個体情報を有しているのが好ましい。また、カートリッジは各チャンバ内のインクの液面を監視するか、いつインク切れになるかを検出するための回路を有していても良い。この情報はプリント回路基板1144の接点を介してペンに伝えられる。或いは、印刷が開始された際に、計算された、或いは予測された、或いはカートリッジに供給される初期インク容量をペンのコントローラが減少させていく。1つの形態では、カートリッジは初期インク容量を不揮発メモリに記憶しても良く、カートリッジの取り付け時にカートリッジからこの情報をペンに入力しても良い。これにより、カートリッジを比較的「簡易」な装置とすることができる。
【0069】
センサ付きペン
光学センサ装置を内したペンを図9及び10に示す。ペン1200は本体モルディング1202、シャーシモルディング1204及び前部モルディング1206を有する。ペン1200は図1〜6に示すものとおなじカートリッジ1208、即ち、自家動力式使い捨てカートリッジを使用する。
【0070】
またペンは、プリント回路基板1212及び光学モルディング1214からなる光学感知パッケージ1210を有する。プリント回路基板1212はイメージセンサ装置1216、光源装置1218、プロセシングチップ1220、無線送信チップ1222、ディスプレイ光ダイオード1224及びアンテナ1226を有する。アンテナ1226はワイヤ1228を介してプリント回路基板1212に接続されている。プリント回路基板は、加速度計1230をオプションとして有している。イメージセンサ装置1216は、電磁波長の狭帯域或いは広帯域に応答しても良い。光源装置1218は、センサ装置が応答する幾つか或いは全ての波長で電磁放射を発する。イメージセンサ装置1216は単数或いは複数の電荷結合素子(CCD)或いはCMOSイメージセンサを有するのが好ましい。光源1218は事前に選択された単数或いは複数の波長で電磁放射を発する単数或いは複数のダイオードよりなるのが好ましい。光源及びイメージセンサは、不要な波長を除去する単数或いは複数のフィルタを有していても良い。ある状況では、赤外線だけに反応する第1組のイメージセンサと、可視光線だけに反応する第2組のイメージセンサを有するのが好ましい。同様に、赤外線だけを発する第1組の光源と、可視光線だけを発する第2組の光源を有するのが好ましい。波長の他の組み合わせも可能であり、装置は2つ以上の波長帯域に反応しても良い。
【0071】
本出願人による先願であるPCT/AUOO/00565(整理番号NPS001),PCT/AUOO/00560(整理番号NPP001)及びPCT/AUOO/00569(整理番号NPT002)の中で、紙に印刷された見えないタグを感知するペンを有する、ネットページと呼ばれるシステムを開示している。このペン1200は上記先願に開示されるネットページペンの全ての機能を有していても良く、制御可能なマーキング機能を有するネットページペンであっても良い。
【0072】
光源装置1218から発せられる光は、光学モルディング1214からレンズ1232に案内され、更に使用中の基板に案内される。レンズが受け取った光は、光学モルディング1214によりイメージセンサ装置1216に案内される。複数の光源或いはイメージセンサがある場合、光学モルディングには必要に応じてビーム結合器、スプリッタ及びフィルタが設けられる。好ましくはレンズは光学モルディングの一部であり、前部モルディングは穴1233を有し、この穴を介して光が光学モルディング1214に行き来する。穴1233はその材料に穴をあけるか、或いはイメージセンサ装置1216に使用される実質的に光を通す材料を設けることにより形成される。
【0073】
プリント回路基板は、シャーシモルディング1204のスロット1234内に取り付けられ、アンテナはシャーシモルディング1204の上面のスロット(図示せず)内で延びている。シャーシモルディングは本体モルディング内でスライドし、前部モルディング1206により適所に保持される。前部モルディング1206は本体モルディングの凹部1236に嵌合(図示せず)及び係合するスナップを有する、本体モルディングにおけるスナップフィットである。ペンのプリント回路基板1212は、カートリッジプリント回路基板1144の接点1144と係合してカートリッジのバッテリから電力を受け取り、プリントヘッド1120の作業を制御する。プリントヘッドの制御はその用途と処理装置に依存するが、これについては後述する。
【0074】
プリントヘッドの制御
図11〜13は、本発明の別の実施の形態によるペン1250を示す。このペンは単純な筒状体1252を有し、その中にインクカートリッジ1114が設けられる。カートリッジ1114は単色インクカートリッジでも色カートリッジでも良い。筒状体1252はプリント回路基板1254を備え、その上にプロセッサチップ或いはチップ1256及び電位差計1257が取り付けられる。電位差計は筒状体1252の上面の下に配置され、外部スライダ1258に連結されている。スライダ1258は筒状体1260のスロット内でスライドする。プリント回路基板1254はカートリッジ1114の接点1146を係合して電力を受け取りプリントヘッド1120を制御する接点パッド1262を有する。
【0075】
電位差計は、プリントヘッド1120により付着したインクの1つの特性を調節可能である。この特性とは、付着させるインクの量、作成するライン幅、付着させるインクの色(色カートリッジ内)又はそのほかの属性である。
【0076】
上述したように、カートリッジはそれが単色或いは色カートリッジであるかどうか、線の可能な最大幅などのカートリッジの特性の1つ或いは複数の特性を含んでいる。プリント回路基板1254のプロセッサ1256カートリッジからこの情報を得て、プリントヘッド1120の関連する属性を変更することができる。カートリッジ1114は変更しても良い属性を示すエリア1268を有する。この情報はカートリッジ本体に直接印刷しても良いし、ステッカー等により貼っても良い。本体はスライダ1256に隣接する透明エリア1265を有し、このエリアを介してエリア1268を見ることができる。従って、例えば出力された色を変更したい色カートリッジのエリア1268に虹のストライプを付け、それをエリア1264を介して見ることができる。ユーザは欲しい色がインデックス線1266に隣接するように、スライダ1258をただスライドさせれば色を選択することができる。調整可能なライン幅を備えた単色カートリッジは、軸方向に伸びるライン幅を表わす楔を有することが出来る。明らかに、他の属性は制御可能である。
【0077】
プリントヘッド及びスタイラスニブ
図14及び15は、本発明のカートリッジ及びペン、図5,6及び8のカートリッジに使用される、プリントヘッド及びスタイラスニブの好適な構成を詳細に示す。同じ部品には同じ参照番号を付す。
【0078】
プリントヘッド1120はプリント回路基板1114に取り付けられ、エンドキャップ1126の凹部1176内に受容される。プリントヘッド及び凹部は両方とも正しい方向では非円形である。エンドキャップ1126は4つのインクギャラリ1178を有し、これらギャラリはインク出口1180で凹部1176内に出る。これら出口はプリントヘッド1120のインク位置口1182に連通している。
【0079】
スタイラスニブ1118はニブキャブ1152のスロット1184内に取り付けられ、エンドキャップ1126の面1190により適所に保持される。片持ちアーム1148はランド1184を支持し、スタイラスニブを外方に押圧する。スタイラスニブの前部1186の断面は円形であるが、後部1188は平坦部1191を有し、これがエンドキャップ1126の面1190上をスライドする。
【0080】
スタイラスニブは平面1191に沿って斜めに延びたスロット1181を有する。プリントヘッド1120は回転キャッパ1183を有する。キャッパは第1及び第2作動位置間で移動自在である。第1位置では、プリントヘッドのインク噴射ノズルが覆われ、好ましくはシールされてプリントヘッド内のインクが乾燥するのを防いだり、異物の進入を防ぐ。第2位置では、プリントヘッドのインク噴射ノズルは覆われず、プリントヘッドが作動し得る。キャッパ1183はスロット1181に係合するアーム1185を有する。従って、スタイラスニブがプリントヘッドに対して出入りすると、キャッパ1183は回転する。スタイラスニブには負荷がかからず、完全に延びている時にはキャッパは第1位置にあり、スタイラスニブが押し下げられている時にはキャッパは第2位置にある。キャッパ1183内にはプリントヘッド1120用のオンオフスイッチが設けられ、キャッパが第2作動位置にある時にのみプリントヘッドが作動し得る。スロットはキャッパを開閉する傾斜部と、スタイラスニブの動きに対してキャッパが動かない軸方向に延びた部分とを有する。
【0081】
プリントヘッド及びキャッパの構造
プリントヘッド1120及びキャッパ1183の構造及び構成を図16〜24に示す。プリントヘッド1120は半導体材料で作製された4つの層1302、1304、1306及び1308からなる組立体である。層1306は電気的に活性である半導体素子であり、MEMSインク噴射装置1310を有する。層1306は標準的な半導体製造技術で製造される。層1302及び1304はプリントヘッドでにおいて電気的に不活性であり、インク入口1182からインク噴射装置1310にインクを供給する通路を提供する。層1308も電気的に不活性であり、各インク噴射装置1310の上方にインクをプリントヘッドから噴射させる穴1312を有するガードを形成する。層1302,1304及び1308は層1306と同じ材質でなくても良く、或いは半導体でなくても良いが、同じ材質を用いることにより、材質の境界面の問題を避けることができる。更に、全ての構成要素に半導体材料を使用することにより、組立体全体を半導体製造技術により製造しても良い。
【0082】
プリントヘッド1120は4つのインク入口1182を有し、インク噴射装置1310を12組設け、各インク噴射装置をプリントヘッドの中心1300から略半径方向外方に延出させる。3つおきのインク噴射装置1310の半径方向線を同じインク入口に連結する。同じインク入口に連結されたインク噴射装置は、一組のインク噴射装置を構成する。インク噴射装置1310を半径方向の線の両側に交互に配置し、中心の半径方向の間隔が短くなる(他の理由があるか?)インク噴射装置1310の12本の「線」をプリントヘッドの中心1300回りに30度間隔で対称に配列する。インク噴射装置1310の「線」の数は12より多くても少なくても良い。同様にインク入口1182の数の4つより多くても少なくても良い。各インク入口1182の線の数は等しいことが好ましい。カートリッジに単一のインクを用いる場合には、インク入口はインク噴射装置の同じ数の「線」を供給しなくても良い。
【0083】
層1306はタブ1311を有し、その上には多数組の電気制御接点1312が設けられる。明瞭化のために4つの接点しか示していないが、使用される色インクの数、各インク噴射装置1310に望まれる制御の度合い、またその他の要件により接点の数を増やしても良い。タブをプリント回路基板1114に接着することによりプリントヘッドをプリント回路基板1114に取り付ける。電気接点1312がプリント回路基板1114上の対応する接点(図示せず)に係合する。インク噴射装置がオンとなった時にこの装置を制御するために、層1306は各インク噴射装置用に制御回路を有する。しかし、一般には、何色のインクで印刷するか、相対的な量などの高いレベルの制御はプリントヘッドの外部で行われる。これはプリント回路基板1114の回路、図9及び10の装置の1210等のペンプリント回路基板、或いは図11〜13の装置の1254により行っても良い。このような高いレベルの制御は接点1312を介してプリントヘッド1120に送られる。インク噴射装置の各組に対して少なくとも1組の接点1312を設けるのが好ましい。しかし、各線、或いは各インク噴射装置はアドレス指定できても良い。最も簡単な例は、制御信号により各組をオン、オフさせることである。
【0084】
図16の平面図から分かるように、プリントヘッド1120は略八角形の形状であり、その八角形の両側から延びたタブ1314及び1316を有する。タブ1314は層1302,1304及び1306からしか形成されていないのに対し、タブ1316は1302,1304,1306及び1308の4層全てから形成されている。これにより、プリント回路基板1114を最上層1308の上方に延ばすことなく層1306に固定することができる。タブを有する八角形の形状はプリントヘッドをエンドキャップ1126の凹部1180内に配置する助けにもなる。
【0085】
キャッパ1183もプリントヘッドと同じ半導体材料で形成し、プリントヘッドにその中心1300の回りに回転自在に取り付けるのが好ましい。電気的に不活性な層と同じく、キャッパをプリントヘッドと同じ材料で形成しなくとも良く、また半導体でなくても良い。キャッパは開放位置(図17参照)と閉鎖位置(図18参照)との間で回転させても良い。開放位置は図16及び18に点線で示す閉鎖位置と共に示される。キャッパ1183は半径方向に延びる12個の穴1318を有する。開放位置において、全てのインク噴射装置が穴を介して自由にインクを噴射できるように穴の寸法及び配列が設計される。閉鎖位置では穴1318はインク噴射装置の線の間の材料に重なり、穴1318間のキャッパの材料は上部層1308の穴1320に重なる。従ってインクはプリントヘッドから漏れず、異物も穴1320やインク噴射装置内に入らず、閉塞される。好ましくは標準的な半導体エッチング方法を用いてキャッパ1183に穴1318を形成する。各穴に示される実施の形態は一部重なる一連の円筒状の穴であり、その直径はキャッパの中心1300からの半径方向の距離である。代わりに互いに小さな角度をなす半径方向に延びる2本の線により穴を画成しても良い。穴の半径方向の距離が延びるとその幅も増加するようにキャッパの外側は内側よりも多く移動する。
【0086】
キャッパは実質的に平面であり、8本の脚1322が下面1326の周囲から下方に延びている。これらの脚は周囲を中心に等間隔で配置され、上部層1308の上面1329の周縁部に形成された対応するスロット1328内に係合する。スロットは四角形であり、内角が丸まっている。スロット1328の内面1330と脚の内面1332は弓形であり、その中心がプリントヘッドの中心1300にあり、キャッパが中心1300の回りに回転することを保証しても良い。しかし、これは不可欠なことではない。実施の形態では八角形の各面はスロット1328を有しているが、これも不可欠なものではなく、例えば1つおきの面がスロットを有していても良い。脚1322やスロット1328の対称性も不可欠なものではない。
【0087】
アーム1185をスタイラスニブの角度をなすスロット1181内に係合させることによりキャッパが回転する。キャッパの回転は脚1322及びスロット1328により結局は制限される。キャッパの損傷を防ぐために、プリントヘッド、スタイラスニブ或いはアーム1185は狭幅部1334を有する。スタイラスニブを押しこみ過ぎた場合、アーム1185が狭幅部を中心に屈曲する。また、ガードアーム1336がアーム1185の何れかの側に設けられ、回転を制限する。プリントヘッドが挿入される凹部1176は開口部を有し、その中にガードアームが配置される。何らかの理由でキャッパが回転し過ぎた時に、ガードアームが開口部の側部に接触して、脚1322がスロット1328の端部に接する前に回転を制限する。
【0088】
プリントヘッドの作動
ペンがオンの間、スタイラスニブが基板に押圧された時にだけプリントヘッドが作動するのが好ましい。スタイラスニブは簡単なオンオフスイッチをそれがペン内に移動された時に閉鎖しても良い。代わりに、力センサがスタイラスニブに加えられた力の量を計測しても良い。これに関し、片持ちアーム1148を電気センサとして直接使用しても良い。代わりに、スタイラスニブのない端部により個別力センサを作動させても良い。力センサを使用する場合、プリントヘッドを(電気的に)オン或いはオフにしてより強い力でインク噴射率を制御し、噴射率を高めても良い。コントローラにより力センサを使用してライン幅等の他の属性を制御しても良い。キャッパの回転によりオン/オフスイッチに状態を変更させても良い。
【0089】
プリントヘッドのインク通路
プリントヘッドは半径方向に配列された異なる色のインク噴射装置を有する。これにより、異なる色のインク噴射装置が交互に配置される場合に、インクを噴射装置に供給する問題が生じる。従来のプリンタでは、インク噴射装置は平行な列に配置されているため、異なるインクは列の何れかの一端或いは両端から各列に供給される。半径方向の配置ではこれは不可能である。
【0090】
底層1302の後面には4つのインク入口1182が設けられる。インク入口は層1302の厚さの略半分までの後面が楕円形であり、それから上面まで円形の穴1340として連続する。層1302の後面は中央領域に設けられた4つの溝1342,1344,1346及び1348をも有する。これらの溝は溝から層1302(図21及び24参照)から延びた多数の穴である。下層1302の下面はエンドキャップ1126に対してシールされ、これらの溝がシールされた通路を画成する。
【0091】
上述のように4つのインク入口とインク噴射装置1310の12本の線があるため、インク噴射装置の3本の線は同じインク入口からインクを受ける必要がある。図21aを参照し、インク噴射装置の3本の線の第1組に番号1370、1371及び1372を付す。この組がインク入口1182aにより供給されるインクを受ける。第2層1304はその厚さを介してインク噴射装置の線の下を延びるスロット1350を有する。スロット1350の外端はインク入口1182aを整合し、図19に示すように、その上方の装置の線1370にインクを供給する。スロット1350の他端は層1302の穴1356に整合して溝1342に連通する。溝1342の端部は上面への穴1358及び1360を有し、これらがスロット1352及び1354にそれぞれ連通する。これらのスロットはインクを線1371及び1372にそれぞれ供給する。対向するインク入口1182cからインク噴射装置の線1376,1377及び1378へのインクの供給はスロットと溝の対称配置により行われる。
【0092】
インク入口1182bはスロット1362に連通し、インク噴射装置の線1373を供給する。スロット1362の内端は層1302の穴1364に連通している。この穴1364は溝1344に連通している。溝1344の他端はスロット1368に連通する上面まで延びた穴1366を有する。スロット1368はインク噴射装置の線1374及び1375の下を延びており、3本全ての線は同じインクを受ける。入口1182dから線1379,1380及び1381へのインクの供給はスロット及び溝を対称に設けることにより行われる。
【0093】
印刷されるインクの属性の制御
電位差計による色の制御
図23は、ペン本体1402及び交換可能な4色インクカートリッジ1114を有する4色ペン1400を示す。ペン本体1401は3つの回転電位差計1404,1406及び1408を有する。これらの電位差計はそれぞれ色調、彩度及び 輝度を制御する。ペン本体は設定に対応する色を表示するディスプレイ1410をも有する。ディスプレイ1410は要求される色を表示可能な有機光放射ダイオード(OLED)ディスプレイであるのが好ましい。或いはこのディスプレイは、異なる何色かの色のパルス幅変調LED或いは色LCDの組み合わせであっても良い。受信ディスプレイはそれぞれの制御に隣接する面に印刷された各制御の効果を示すグラフィカルな表示を有していても良い。更に変化させれば、ディスプレイにHSVの数値或いはテキストを出力させることができる。ディスプレイを省略して、ユーザが簡単な線を描くことにより所望の属性を得ても良い。電位差計を回転電位差計ではなく線状であっても良い。
【0094】
他の色制御モデルを使用しても良い。HSVを制御する代わりに、電位差計が赤、緑、青(RGB)属性、或いは付着させるシアン、マゼンタ及び黄色(CMY)インクを制御しても良い。電位差計にHSV、RGB或いはCMYを変更させる能力をペンに与えても良い。
【0095】
サイクルボタンによる色の制御
図24は、ペン本体1422及び交換式の4つの色インクカートリッジ1114を有するペン1420を示す。ペン本体1422はカラーディスプレイ1424、好ましくはOLED、及び3つの制御ボタン1426,1428及び1430を有する。ペン本体は不揮発性メモリを有し、その中に複数の異なる色値が記憶されている。制御ボタン1426はペンを「選択」モードにし、これによりボタン1428及び1430がペンを記憶されている利用可能な値を循環させ、ディスプレイ1424が対応する印刷される色を表示する。ボタン1428及び1430はペンを異なる方向に値をスクロールさせる。一方向へのスクロールしかできない場合はボタン1430を省略してもよい。所望の値が表示されると、ボタン1426によりそれを選択し、ペンはそれが変更されるまで選択された組み合わせを生成する。
【0096】
サイクルボタンによる線の属性制御
図25は、ペン本体1434及び交換式の4つの色インクカートリッジ1114を有するペン1432を示す。ペン本体1434はカラーディスプレイ1436、好ましくはOLED、及び3つの制御ボタン1438,1440及び14420を有する。ペン本体は不揮発性メモリを有し、その中に実線、点線、二点鎖線等の複数の異なる線のタイプが記憶されている。制御ボタン1438はペンを「選択」モードにし、これによりボタン1440及び1442がペンを記憶されている利用可能な線のタイプを循環させ、ディスプレイ1436が対応する印刷される色を表示する。ボタン1428及び1430はペンを両方向にタイプをスクロールさせる。所望の値が表示されると、ボタン1438によりそれを選択し、ペンはそれが変更されるまで選択された線のタイプを生成する。ペンに記憶された多数の線幅を設け、それをユーザに選択させることにより、ライン幅も同様に変更しても良い。
【0097】
その他の制御モードも本発明の範囲内であり、本発明は電位差計或いは制御ボタンによる属性の制御に限定されない。
【0098】
単一のペンが色、線のタイプ、ライン幅、また必要に応じてその他の属性に対して、単一のディスプレイ、3つの制御ボタンを有していても良く、選択ボタンによりペンに色、線のタイプ、ライン幅等の属性を循環させても良い。また色調、彩度、値等の個々の色成分を循環させるボタンを設けても良い。
【0099】
サンプリングによる色の制御
ネットページ感知
図26は4つの色インクカートリッジ1114及びペン本体1452を有するペン1450を示す。ペン本体は図9及び10を参照して説明したセンサパッケージ1454を内しており、このセンサパッケージは基板をイメージすることができる。ペン本体は制御ボタン1456及び不揮発性メモリ(図示せず)を有している。ペンは単体で、或いはボタン1456の1つを押して、物体に対してスタイラスニブ1154を「クリック」することによりその物体から色を「抽出」する。図27に示す色カード1510に、ペンと共に使用するように前もって定義した色1512の虹を設けても良い。カードは色の輝度を設定するためのエリア1514、及び線幅及び/或いはスタイルを設定するためのエリア1516を有している。
【0100】
センサパッケージ1454は本出願人による先願PCT/AUOO/00569(整理番号NPT002)に記載されるネットページタグを検出及び解読可能であっても良い。「色カード」はネットページタイプのタグが見えないようにコード化された一連の色サンプルを有していても良い。各いろサンプルのタグは位置ではなく、例えば「色をXに設定」(Xはサンプルの色)等の機能を示すだけで良い。ペンは特定のタグコードに関連する機能が記憶されたメモリを有する。ペンを特定の色に設定するためには、ユーザは所望の色をクリックするだけで、ペンはタグを感知して解読する。
【0101】
色カード(図示せず)の別の構造として、2つの共通エリアを有していても良い。第1のエリアは「色選択モードに移動」或いは「抽出」モードのコマンドに相当するタグを有し、第2エリアは「色を現在の色に設定」或いは「設定」モードのコマンドに相当するタグを有する。色を選択するには、ユーザは第1エリア上で「クリック」し、所望の色サンプルをクリックし、次いで第2エリアの「設定」をクリックするだけで良い。
【0102】
更なるバリエーションとして、色カードは値が単一のタグに符号化された異なる一連の色を有していても良い。ユーザがこのエリアをクリックして1つではく一連の色をアップロードできるように、カードは上記タグが符号化されたエリアを有していても良い。
【0103】
或いは、タグを解読してネットページサーバに転送するネットページシステムにおけるようにタグを作動させても良い。サーバはタグに関する機能を判断し、ペンに適切な支持を送る。これに関しては、情報を外部装置との間でやりとりする適切なハードウェア(送信機及び端手名)を含む図9及び10の実施の形態を参照されたい。
【0104】
ペンをコンピュータシステムに接続した場合、印刷するものの属性を、ペンの制御ではなくコンピュータを用いてユーザが設定しても良い。
【0105】
色カードは、線のタイプ或いは線幅等のその他の印刷される線の属性をユーザに設定させるエリアを有していても良い。
【0106】
ディスプレイは以下を含むモード、選択及び状態の情報を表示するために使用しても良い:
・ モード名
・ 描写/印刷用の現在の色/テクスチャー
・ 描写用の現在の線幅
・ ペイント用の現在のブラシ
・ 現在のテキスト選択の最初の数文字
・ 現在のイメージ選択のイメージ部分
・ ハイパーリンク選択のURI
・ ペンの状態(電力、プリンタとの連結等)
・ エラーメッセージ
ペン頂部のセンサの感知
図28〜33は交換式の4つの色インクカートリッジ1114を有するペン1470を示す。ペン本体1472はその上端に光学センサ装置1474を有する。ペン本体はカラーディスプレイ1476と制御ボタン1478を有する。ディスプレイと制御ボタンはコントローラチップ或いはチップ1479と共に第1プリント回路基板1480に取り付けられる。チップ1479は少量の色(或いは他の属性)サンプルを記憶可能な少量の不揮発性メモリを有する。プリント回路基板は電力を受け取りプリントヘッド1120を制御するためのインクカートリッジ1114の接点パッドに接触する接点パッド1482を有する。センサ装置1474は第2プリント回路基板に取り付けられ、これは第1プリント回路基板の接点(図示せず)に係合している。製造を容易とするために2つのプリント回路基板が設けられ、全ての構成要素が取り付けられた単一のプリント回路基板を設けても良い。
【0107】
センサ装置1474はシャーシモルディング1484を有する。このモルディングはペン本体の内端の凹部内に着座しており、略固定位置にある。いかなる可視色をも抽出できるイメージセンサが設けられる。センサ1486はRGB光受容体であるのが好ましい。他の点として、線或いはイメージセンサを使用しても良い。
【0108】
モルディング1484は凹部1488を有し、その中に移動スイッチ1490が設けられる。このスイッチはイメージセンサ1486が取り付けられたプリント回路基板1483とモルディングとの間で切り替えられる。スイッチ1490は通常は開いているが、圧縮力により閉じる。レンズ1494を有するレンズモルディング1492がペンの端部に摺動自在に取り付けられ、プリント回路基板1482を支持している。モルディング1492はレンズ1494が略平坦な基板に接触するのを防ぐスタンドオフリング1496を有する。光がレンズ1494に入り、焦点が点、線あるいはイメージセンサ1496に合わされてそこに向けられる。レンズモルディング1492はペン内に押し込まれ、スイッチを押してスイッチを開放状態から閉鎖状態にする。圧縮力を解除するとスイッチはモルディング1492を外方に押圧する。
【0109】
ペンにより生成される線の色は多種の方法で制御しても良い。上述のように、コントローラチップ1479は多数の異なる色を記憶できる。印刷すべき色は制御ボタン1478を使用して記憶された色から選択しても良い。選択された色はカラーディスプレイに表示される。イメージ感知装置1474を用いてカスタム色を抽出してメモリに記憶させることもできる。ユーザは所望の色のサンプルに対してイメージセンサ1474を「クリック」する。これによりスイッチ1490が閉じて、イメージセンサ1486により検出された色がコントローラチップ1479に送られる。その後、コントローラチップは印刷されて表示される色を抽出された色に設定する。ユーザに異なる色のサンプルを「クリック」させるか、制御ボタン1478を使用することにより、色を変更して記憶された色の1つを選択させても良い。
【0110】
感知装置により抽出された色を後で使用するために、メモリに記憶させても良い。サンプルを「クリック」した後、ユーザはボタン1474を好ましくは予め設定して時間、例えば5秒間押して、抽出した色をメモリに記憶させても良い。ボタンが押されなかった場合、その色は「一時的」な色として扱われ、記憶されない。メモリは例えば5或いは10色等の少ない数しか記憶できなくても良い。多くの色を記憶することも可能であるが、所望の色を増やすとユーザにとって選択が困難になる。メモリの容量が限界に達すると、ペンは新たな色のための空き容量を作るために記憶された色を削除する数多くの方法の1つを実行しても良い。削除は、記憶された色の古い順、最近最も使用されなかった色、使用頻度の少ない順、等で行われる。或いは、ユーザに手動で色を削除させ、その後、記憶すべき色を再度抽出させても良い。その他の削除方法も本発明の範囲内である。
【0111】
その他の作動モードも可能である。例えば、ペンはユーザに入力を要求せずに抽出された全ての色を自動的に記憶しても良い。ペンに2つ或いはそれ以上の別個のメモリ(1つの物理的メモリ装置しかなくても)を設けても良い。第1のメモリを「お気に入り」の色を記憶させ、第2のメモリに「一時的」な色を記憶させても良い。
【0112】
センサを線幅や線のスタイル等の色以外属性を抽出するために使用しても良い。
【0113】
描写による線のスタイル或いは色の制御
図34はペン本体1502及び交換式カートリッジ1114を有するペン1500を示す。カートリッジは単色カートリッジ或いは4色カートリッジである。ペン本体は制御ボタン1504及びインジケータ1506を有する。インジケータは単色或いは多色ダイオード組立体であっても良く、また別個のものでも制御ボタンに組み込まれていても良い。ペンはプリントヘッド1120を制御するコントローラ回路と、印刷する線の属性を記憶する不揮発性メモリを有する。ペンは、現在選択されている属性の組を印刷する第1モードと、記憶されている属性の組の1つを選択する第2モードとの2つのモードを有する。通常ペンは第1モードにあり、ユーザが制御ボタン1504を押すと第2モードになる。通常の使用ではユーザはボタンを不用意に押すことがありそうもなく、押そうと思えば容易に押せるように、制御ボタン1504はペン上に配置されるのが好ましい。1つの位置としてはペン1508の頂点部があるが、これは操作するのに両手が必要である。ニブの近くであれば片手で操作できる。
【0114】
ペンが第2モードにある時に、ペンがこのモードであることをインジケータ1506により示すことが好ましい。インジケータは第1モードでは不活動状態であり、第2モードではフラッシュするか色を変えても良い。必要なければインジケータは省略しても良い。
【0115】
利用可能な属性の組を循環するために、ユーザは一枚の紙等に線を引くだけで良い。上述のように、プリントヘッドはスタイラスニブが紙に対して押された時にのみ作動する。従って、線引きを開始するか中断すれば組の循環が行われる。好適な形態では、ユーザは線を引き、ペンを持ち上げる。今描かれた属性の組が、スタイラスニブが離れた時点で「現在」の属性の組として設定される。ユーザがボタン1504を押した場合、ペンは「現在」の属性の組、即ち今描かれた線で印刷を続行する。ボタンが押されなかった場合、スタイラスニブが「置かれた」時点で「現在」の属性の組がメモリ内の次の組に変更され、その新たな属性の組が印刷される。次々に線を引くことにより、ペンは利用可能な属性の組を循環する。属性の組は色、線幅、線のスタイル或いはその他の特性であっても良く、これらは変更しても良いし、或いは特性の組み合わせであっても良い。ペンは属性の組の多くのグループを有していても良い。例えば、第1のグループは色の選択を可能とし、第2のグループは線のスタイルの選択を可能とし、第3のグループは線幅の選択を可能にさせても良い。修正を行うために適切なグループを選択することを制御ボタン1504を使用して行っても良い。或いは、全てのグループの全ての部材を連続して循環しても良い。
【0116】
間接的な印刷
インクを直接基板に印刷するのが好ましい印刷方法であるが、間接的な印刷も可能である。ユニバーサル描写方法として小さな「Memjet」プリントヘッドを使用できる。小さな円筒状ローラがページに接触している。ローラはスタイラスの軸線回りに自由に回転し、ローラがページを横断してドラッグされ、それが自身を自動的に方向付けして運動方向と直角になる。Memjetプリントヘッドはローラの裏に取り付けられる。それがローラの背面に印刷し、印刷されたイメージをローラがページに転送する。ローラがページに接触した後、小さなクリーニングステーションがローラの表面からインクを除去するため、プリントヘッドは常にきれいな面に印刷を行う。プリントヘッドはディザーリングされた二段式のCMY或いはCMYKを介してコントン色のイメージを再生する。スタイラスは、如何なる色やテクスチャーの連続した線或いはペイントストロークをも生成するようにプログラムすることが出来る。印刷率がページに対するローラの運動速度により命令される。これはローラの実際の回転から、或いは連続的に面をイメージして第2世代の光学マウスと同じ方法で運動を検出することにより、或いは自動マッピング面のマップを感知して解読することにより、等の幾つかの方法で判断することができる。
【0117】
スタイラスを、マーキングニブ及びノンマーキングニブを両方共必要としないノンマーキングモードに切り替えることもできる。
【0118】
ユーザは仮想の色、テクスチャー及び線のスタイルを、印刷されたパレットからユニバーサルペンにロードすることができる。オプションとして、スタイラスはその現在の設定を1つ或いは複数のダイオードを介して表示することができる。
【0119】
ストロークの効果
本発明のペンは多種のストローク効果が可能である。色及び線幅などの幾つかのストローク効果は時間及び位置とは独立している。点線の印刷などの他のストローク効果は時間やペンの相対的位置に依存する。図9及び10の実施の形態はオプションとして加速度計配列を有する。この配列はペンが基板上を移動する際にペンの相対的位置を検出する。従って、点線はペンの速度が変化しても同じ長さで描かれる。その他以下のような多くの効果が可能である:
ストロークスタイル
色テクスチャー(平坦、イメージ、手順)
不透明度テクスチャー(平坦、イメージ、手順)
ニブの形状(2D形、3D形、方向)
ストローク幅を判断
「キャップ」及び角部の形状を判断
以下の要素と共にスタイルを変更
時間(速度)
ストローク幅
不透明度(エアブラシ)
スペース(方向を含む)
「リビール」イメージ
「色とりどりのペイント」
破線
虹色
「イメージホース」
場所
オン/オフ
特定のスタイル/現在のスタイル
傾き
3D ニブ形状
力(「圧力」)
ストローク幅
不透明度(エアブラシ)
ニブ、インク、紙、ブラシ、ペイント及びキャンバスのシミュレートされた物理学
インク/ペイントをニブ/ブラシから紙/キャンバスに転送ストライプドブラシストローク
レイヤー(キャンバス上のストローク及びストローク上のストローク)
拡散
粘性
混合
Kubelka−Munk 色モデル
シミュレートされた照明
光源の方向及び色
媒体の色の物理学
レイヤーの地形

ペン
ボールポイント
カリグラフィー
鉛筆
グラファイト

チャコール
油絵の具
水彩絵の具
クレヨン
パステル
これに関し、本出願人による以下の先願を参照されたい:PCT/AUOO/112,777(整理番号ART24),PCT/AUOO/112,797(整理番号ART30),PCT/AUOO/113,091(整理番号ART47) 及びPCT/AUOO/113,054(整理番号ART52)。
【0120】
運動の感知
図9及び10の実施の形態は、オプションとして加速度計を有する。この加速度計はペンのストローク或いはストローク数内の感知/位置決めの相対的運動を提供するために使用しても良い。この運動は記録してユーザのストロークのデジタルインク記録を提供しても良い。相対運動はジャイロスコープ等の他の手段や、基板に接触しているローリングボールを用いて感知しても良い。
【0121】
ストローク内で絶対的な位置決めを行うのが更に好ましい。図9及び10のペンはネットページ機能を有する。これは基板に印刷された見えないタグを伝出して解読できる。このネットページ機能はタグ内の解読された絶対位置を用いてペンの位置をネットページの解読された基板に絶対的に固定する(従って、絶対的にストローク内)能力をペンに与える。或いは、ペンをタグのレイアウトに基づくグリッドに依存させて、タグを解読せずに絶対的にストローク内に位置決めしても良い。基板の面のイメージして基板のテクスチャーを使用して運動を検出する等の他の手段を用いてストローク内への絶対的な位置決めを行っても良い。
【0122】
上述のように、ネットページタグを使用することによりページ内に絶対的に位置決めを行うことができる。これにより、ペンをネットページアプリケーションにより制御してネットページ面を作成することが可能になる。ユーザはページ上でペンを移動させる。ペンが移動すると、ページ上の絶対位置を確立できるタグを検出する。ネットページアプリケーションはその位置に従ってそのページをマークするようペンを制御する。ページの関連する部分の上でスタイラスを擦ることにより、イメージを「見せる」ためにこのようなenを使用することができる。
【0123】
コンピュータインターフェース
図9及び10のペンはネットページ可能であり、ネットページのサーバとのコミュニケーションが2通りある。適切なソフトウェアを使用し、ネットページアプリケーションからマーキング装置の属性を制御することができる。例えば、ユーザが色、色パレット、ニブスタイル、或いは線スタイルを選択し、それらをペンのメモリにダウンロードしても良い。
【0124】
ネットページのタグは機能或いは位置を符号化しても良い。ネットページサーバに逆戻りしなくて良いように感知されたタグによりペンを制御できるように、ペンには多くの機能を記憶させても良い。通常は位置コードの判読はネットページサーバにより行う必要がある。
【0125】
ネットページシステムは「デジタルインク」と呼ばれる特徴を有する。これにより、システムはペンの経路を記録して署名の記録が可能となる。図9及び10のペンはデジタルインクの「スタイル」をも記録する能力を提供する。ペンは基板上の見えるマークの1つ或いは複数の属性に関する情報をネットページサーバに転送しても良い。これらの属性には色、線幅及び線のスタイルが含まれるが、これらには限定されない。
【0126】
ペンとのコミュニケーションは、ローカルリレー(Bluetoothから移動電話)を介して、或いは一時的又は永久的なワイヤ接続を介して、赤外線、短距離(DECT,Bluetooth)或いは長距離(CDMA,GSM)無線伝送により行っても良い。全体のパレットのダウンロードには一時的なワイヤ接続が有効かも知れない。
【0127】
結論
本発明をインクジェット式マーキング装置に関して説明したが、本発明はインクジェット式装置或いは基板に材料を付着させる装置に限定されない。本発明は、基板の電気的に交換可能な要素の状態を変化させる、感熱式プリンタ及び電子紙タイプ(eインク)プリンタなどの基板を変える装置を有する。電子活性インクをより良く理解するために、以下の米国特許:USP6,017,584;6,124,851;6,120,839;6,120,588;6,118,426及び6,067,185を参照されたい。これらは全て、E Ink Corporationに譲渡されている。これらの内容は、本明細書に組み入れる。
【0128】
各実施の形態には本発明の特徴の一部しか含まれておらず、2つ或いはそれ以上の異なる実施の形態に開示される特徴の一部或いは全てを組み合わせても良い。
【0129】
本発明は、好適な実施の形態及び多くの代替的な実施の形態を参照して記載されている。しかし、当業者であれば、記載された特定のものとは異なるその他の多くの実施の形態も本発明の思想及び範囲に属することを理解できよう。従って、本発明はクロスレフェレンスとして盛り込まれた文献を含む、本明細書に記載された特定の実施の形態に限定されることを意図したものではないことを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施の形態によるペンの斜視図を示す。
【図2】 図1のペンの平面図を示す。
【図3】 図1のペンの側面図を示す。
【図4】 図1のペンの端面図を示す。
【図5】 図1のペンに使用するカートリッジの斜視図を示す。
【図6】 図5のカートリッジの分解斜視図を示す。
【図7】 種々の方向に設定された紙と共に示す図1のペンのニブ領域の側面図を示す。
【図8】 本発明の第2の実施の形態によるペンに使用するカートリッジの分解斜視図を示す。
【図9】 本発明の第3の実施の形態によるペンに使用するカートリッジの分解斜視図を示す。
【図10】 図9のペンの軸線からの断面図を示す。
【図11】 本発明の第4の実施の形態によるペン斜視図を示す。
【図12】 図11のペンの分解斜視図を示す。
【図13】 図11のペンの部分分解斜視図を示す。
【図14】 図5,6及び8のカートリッジの第1部分分解斜視図を示す。
【図15】 図5,6及び8のカートリッジの第2部分分解斜視図を示す。
【図16】 図5,6及び8のカートリッジに使用するプリントヘッドの平面図を示す。
【図17】 開口位置にある、図16のプリントヘッドの上方から見た斜視図を示す。
【図18】 閉鎖位置にある、図16のプリントヘッドの上方から見た斜視図を示す。
【図19】 開口位置にある、図16のプリントヘッドの上方から見た断面斜視図を示す。
【図20】 閉鎖位置にある、図16のプリントヘッドの下方から見た断面斜視図を示す。
【図20a】 開口位置にある、図16のプリントヘッドの下方から見た平面図を示す。
【図21】 開口位置にある、図16のプリントヘッドの上方から見た分解斜視図を示す。
【図22】 図16のプリントヘッドのMEMSインクジェット層の上方から見た斜視図を示す。
【図23】 本発明の第1の実施の形態によるペンの斜視図を示す。
【図24】 本発明の別の実施の形態によるペンの斜視図を示す。
【図25】 本発明の更に別のの実施の形態によるペンの斜視図を示す。
【図26】 本発明の更に別の実施の形態によるペンの斜視図を示す。
【図27】 本発明の種々の実施の形態で使用される色カードを示す
【図28】 本発明の更に別の実施の形態によるペンにキャップを被せた斜視図を示す。
【図29】 図28のペンからキャップを外した斜視図を示す。
【図30】 図29のペンの分解斜視図を示す。
【図31】 図29の部分分解斜視図を示す。
【図32】 図29の別の部分分解斜視図を示す。
【図33】 図29の別の部分分解斜視図を示す。
【図34】 本発明の更に別の実施の形態によるペンの斜視図を示す。
【符号の説明】
1183 回転キャッパ
1328、1350、1368、1354、1352、1362 スロット
1302、1304、1306、1308 層
1370、1375、1377、1379、1372、1374、1376、1381、1371,1375、1378、1380 線
1182a、1182b、1182c、1182d インク入口
1366、1356、1364、1358 穴

Claims (7)

  1. 複数のインク噴射装置及び中心軸線を有するインク噴射式ペン用のプリントヘッドであって、
    前記インク噴射装置は、一連のグループに並べられ、
    各グループは、平行ではない線にほぼ沿って延びており、
    各インク噴射装置は、出口ノズルを含んでおり、
    各グループの前記出口ノズルは、半径方向の線の両側に交互に配置されており、
    各グループは、共通のギャラリーからインクが供給され、
    全てのギャラリーは、プリントヘッドの第1層にあり、
    装置の組のギャラリーは、第2層で少なくとも1つの相互連結通路により部分的に相互連結しており、
    各組の前記相互連結通路は、少なくとも1つの他の組のギャラリーの下方を通過している、インク噴射式ペン用のプリントヘッド。
  2. 固形材料の第1層を含み、インク噴射装置は、前記第1層及びそれよりも下方の固定材料の第2層よりも上方に重ねられている、請求項に記載のプリントヘッド。
  3. 前記ギャラリーは、第1層の厚さを貫通して延びるスロットである、請求項に記載のプリントヘッド。
  4. 前記相互連結通路は、前記第2層の厚さの途中まで延びる第2層の下面に設けられた溝である、請求項に記載のプリントヘッド。
  5. 前記第2層は、前記ギャラリー相互連結通路とを連結する連結通路を含み、この連結通路は前記第2層の厚さを貫通して延びる、請求項に記載のプリントヘッド。
  6. 前記第1、第2及びインク噴射装置の層は、別々の層である、請求項に記載のプリントヘッド。
  7. 前記第1、第2及びインク噴射装置の層は、一体の装置の一部である、請求項に記載のプリントヘッド。
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