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JP3692701B2 - トロイダル型無段変速機 - Google Patents

トロイダル型無段変速機 Download PDF

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JP3692701B2
JP3692701B2 JP08723097A JP8723097A JP3692701B2 JP 3692701 B2 JP3692701 B2 JP 3692701B2 JP 08723097 A JP08723097 A JP 08723097A JP 8723097 A JP8723097 A JP 8723097A JP 3692701 B2 JP3692701 B2 JP 3692701B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、トロイド曲面を有する入力ディスクと出力ディスクとの間にパワーローラを傾転自在に配置して、入力ディスクの回転を無段階に変速して出力ディスクへ伝達するトロイダル型無段変速機に関する。
【0002】
【従来の技術】
トロイダル型無段変速機として、入力軸により駆動される入力ディスク、前記入力ディスクに対向して配置され且つ出力軸に連結された出力ディスク、及び両ディスクに摩擦接触するパワーローラからなるトロイダル変速部を同一軸上に複数組配置したトロイダル型無段変速機が知られている。このトロイダル型無段変速機においては、パワーローラの傾転角度を一斉に同じように変えることによって、入力ディスクの回転は、無段階に変速して出力ディスクに伝達される。
【0003】
トロイダル変速部を同一軸上に二組配置したトロイダル型無段変速機は、ダブルキャビティ式トロイダル型無段変速機として知られている。図5〜図8は、従来のダブルキャビティ式トロイダル型無段変速機の一例を示す図である。図5は従来のダブルキャビティ式トロイダル型無段変速機の断面図であり、切断面は図6及び図7で線W−Wで示した平面に対応している。なお、図5では、パワーローラとトラニオンとの図示が省略されている。図6は図5に示したトロイダル型無段変速機の一方のトロイダル変速部の線U−Uで示した平面で切断した断面図であり、図7は図5に示したトロイダル型無段変速機の他方のトロイダル変速部の線V−Vで示した平面で切断した断面図である。また、図8は、一方のトロイダル変速部の制御装置の一例を示す概略図である。
【0004】
図5に示したダブルキャビティ式トロイダル型無段変速機においては、2組のトロイダル変速部1,2が主軸3上に並べて配置されている。トロイダル変速部1は、入力ディスク4と、入力ディスク4に対向して配置された出力ディスク5と、入力ディスク4と出力ディスク5との間に配置され且つ両ディスク4,5のトロイド曲面に摩擦係合するパワーローラ6(図6参照)から構成されている。トロイダル変速部2もトロイダル変速部1と同様に、入力ディスク7と、入力ディスク7に対向して配置された出力ディスク8と、入力ディスク7と出力ディスク8との間に配置され且つ両ディスク7,8のトロイド曲面に摩擦係合するパワーローラ9(図7参照)とから構成されている。各トロイダル変速部1,2には、パワーローラ6,9がそれぞれ2つずつ設けられている。パワーローラ6,9は、それぞれ自己の回転軸線10の周りに回転自在であり、且つ回転軸線10に直交する傾転軸11の周りに傾転運動をする。
【0005】
トロイダル変速部1において、入力ディスク4は、ボールスプライン12を介して主軸3の一端に取り付けられており、主軸3の軸方向に移動可能で且つ主軸3と一体回転可能である。エンジンからの動力は、トルクコンバータ等を介して、主軸3と同一軸線上に配置されている入力軸13に入力される。入力軸13の先端部14は、主軸3の一端に形成された中心孔15に対して、例えば軸受により相対回転可能に嵌合し支持されている。また、入力軸13の先端に形成されたフランジ部16には爪17が設けられ、フランジ部16と対向して配置されたローディングカム18には爪19が設けられており、互いに噛み合った両爪17,19を介して入力軸13からローディングカム18へトルクが伝達される。
【0006】
トロイダル変速部2の入力ディスク7は、嵌合い等の手段によって主軸3の他端側に取り付けられている。動力は入力軸13からローディングカム18を介して入力ディスク4へ伝達され、入力ディスク4と一体回転する主軸3を介して入力ディスク7へも伝達される。このとき、ローディングカム18から入力ディスク4へ動力が伝達される際にカムローラ61の作用により伝達されるトルクに見合ったスラストが発生する。スラストは、トロイダル変速部1の入力ディスク4、パワーローラ6及び出力ディスク5に伝わり、これら回転要素間に摩擦接触を行わせる。また、カムローラ61の反作用として、主軸3を介してトロイダル変速部2の入力ディスク7、パワーローラ9及び出力ディスク8に伝わり、これら回転要素間に摩擦接触を行わせる。
【0007】
出力ディスク5,8は、一体回転できるように背面同士を出力軸22の両側に設けた筒状部22Aにスプライン嵌合等で連結されている。出力軸22は主軸3に嵌合された中空軸であって、該中空軸の中間部に出力歯車23が一体的に形成されている。出力ディスク5,8は、出力軸22を介してラジアル方向の荷重のみを支持する軸受24によってケーシング25に支持されている。出力ディスク5,8に伝達された動力は出力軸22からチェーン26を経てカウンタ軸27に取り出される。
【0008】
主軸3は軸方向に延びる油路32を有し、油路32は潤滑油の通路を構成している。油路32は、分岐して各トロイダル変速部1,2のトロイド曲面、ボールスプライン12、軸受24等に潤滑油を供給している。
【0009】
各トロイダル変速部1,2において、パワーローラ6,9は傾転軸11の周りに傾転可能であり、入力ディスク4,7の回転はそれぞれパワーローラ6,9を介して出力ディスク5,8に無段階に変速されて伝達される。パワーローラ6,9は、それぞれ回転支軸34,38によってトラニオン33,37に回転自在に支持されている。トラニオン33,37は傾転軸11を有し、ケーシング25に対して、傾転軸11の軸方向に移動し且つ傾転軸11を中心として回動できる。即ち、パワーローラ6,9が傾転すると、パワーローラ6,9の傾転角変位量θはそのままトラニオン33,37の傾転軸11を中心とした回動変位となる。
【0010】
トロイダル変速部1,2においては、入出力軸間の回転力伝達に伴ってローディングカム18が発生させるスラスト(主軸3の軸方向力)によって、入力ディスク4,7と出力ディスク5,8とはパワーローラ6,9に対して強く押し付けられ、両ディスク4,5,7,8とパワーローラ6,9との間に挟まれたオイルの剪断力に基づいて、動力伝達が行われる。
【0011】
トロイダル変速部1,2の軸方向の位置の基準は、この例では、トロイダル変速部2のトラニオン37によって定められる。即ち、図7に示すように、トロイダル変速部2のパワーローラ9はトラニオン37に取り付けられた支持軸39と同心の回転支軸38に回転支持されているので、パワーローラ9は回転支軸38周りに首振り運動をすることはなく、トラニオン37はケーシング25に対する軸方向の位置の基準となる。スラストにより主軸3の軸方向に生じる入力ディスク7及び出力ディスク8の弾性変形は、トラニオン37によって規制されたものとなる。トロイダル変速部1においては、図6に示すように、パワーローラ6を回転自在に支持する回転支軸34はトラニオン33に回動自在に支持された揺動支軸35に対して偏心した偏心軸であるので、入力ディスク4と出力ディスク5の変形と変位、及びパワーローラ6の主軸3の軸方向への変位は、パワーローラ6が揺動支軸35周りにする首振り運動によって吸収される。トロイダル変速部1のスラスト方向位置は、トロイダル変速部2の基準位置によって規制される。
【0012】
トラニオン33,37を傾転軸方向に変位させるアクチュエータ40の構造は、基本的に同一であるので、以下、図8の記載に基づいてトラニオン33を変位させるアクチュエータ40についてのみ説明し、トラニオン37を変位させるアクチュエータについての説明を省略する。トラニオン33の傾転軸11には、それぞれピストン41が設けられ、ピストン41はケーシング25に形成された油圧シリンダ42内を摺動可能に設けられている。油圧シリンダ42内には、それぞれピストン41によって区画された減速側シリンダ室43Aと増速側シリンダ室43Bとが形成されている。油圧シリンダ42のシリンダ室43Aとシリンダ室43Bとの間に差圧が生じると、トラニオン33は、パワーローラ6と共に、傾転軸11の軸方向に移動する。増速側シリンダ室43Bに油圧が供給されると、増速側に変速し、また、減速側シリンダ室43Aに油圧が供給されると、減速側に変速する。油路47A,47Bは、トロイダル変速部2においても、トロイダル変速部1の場合と同様に、対応する油圧シリンダ(図示せず)に連通されている。また、増速側シリンダ室43Bは油路47Bによってスプール弁48のBポートに連通し、減速側シリンダ室43Aは油路47Aによってスプール弁48のAポートに連通している。
【0013】
スプール弁48内にはスプール49が摺動自在に設けられており、スプール49は軸方向両端に配置されたスプリング50によって中立位置に保持されている。スプール弁48は一端にSAポートが形成され、他端にSBポートが形成されており、SAポートにはソレノイド弁51Aを介して油圧が供給され、SBポートにはソレノイド弁51Bを介して油圧が供給される。また、スプール弁48は、ライン圧(油圧源)へ連結されるPLポート、油路47Aを介して減速側シリンダ室43Aへ連結されるAポート、油路47Bを介して増速側シリンダ室43Bへ連結されるBポート、リザーバへ連結されるRポートを備えている。ソレノイド弁51A,51Bはコントローラ52から出力された制御信号に応じて作動するように構成されており、該制御信号を受けてソレノイド弁51A,51Bはスプール49を軸方向に変位させる。スプール弁48とソレノイド弁51A,51Bは、変速比を制御するため、コントローラ52からの制御信号を受けて油圧シリンダ42の油圧を調整する変速比制御弁を構成している。
【0014】
トロイダル変速部1の一方のトラニオン33の傾転軸11の先端にはプリセスカム53が連結されており、中央部を枢着されたレバー54の一端がこのプリセスカム53に当接し、レバー54の他端がポテンショメータ55に接続している。プリセスカム53は、トラニオン33の傾転軸方向変位量Yと傾転角変位量θとの合成変位量として検出する。ポテンショメータ55は、この合成変位量に対応した電圧値をコントローラ52に入力する。また、このトロイダル型無段変速機は、車速センサ56、エンジン回転数センサ57、アクセル踏込み量センサ58等の各種センサを備えており、これらのセンサで検出された車速、エンジン回転数、アクセル踏込み量等の変速情報信号がコントローラ52に入力されるように構成されている。コントローラ52は、これらの変速情報と上記合成変位量に対応した電圧値とに基づいて算出した制御信号をソレノイド弁51A,51Bに対して出力する。
【0015】
次に、このトロイダル型無段変速機の作動について説明する。エンジンの駆動に伴って、エンジンからの動力がトルクコンバータを介して入力軸13に入力され、入力軸13に入力されたトルクは、フランジ部16の爪17、ローディングカム18の爪19及びカムローラ61を介してトロイダル変速部1の入力ディスク4に伝達される。入力ディスク4の回転に伴ってパワーローラ6が回転し、その回転が出力ディスク5に伝達する。これと同時に、入力ディスク4に入力されたトルクはボールスプライン12を介して主軸3に伝達され、更に主軸3と一体回転するトロイダル変速部2の入力ディスク7へと伝達される。入力ディスク7の回転はパワーローラ9を介して出力ディスク8に伝達される。
【0016】
トラニオン33,37は、傾転軸方向変位量Yがゼロである中立位置にある状態では、変速比は一定の値を保持している。即ち、この中立位置では、トラニオン33,37は、入力ディスク4,7及び出力ディスク5,8の回転中心線とパワーローラ6,9の回転軸線10とが交叉している。変速はトラニオン33,37を中立位置から傾転軸11の軸方向に変位させることによって行われる。トルク伝達中に、トラニオン33,37が傾転軸方向に変位すると、それに伴ってパワーローラ6,9も傾転軸方向に変位し、パワーローラ6,9と入力ディスク4,7及び出力ディスク5,8との接触位置が、上記中立位置における接触位置から変位することにより、両ディスクから傾転力を受ける。その結果、パワーローラ6,9は、傾転軸11に沿った変位方向(即ち、Y>0又はY<0の方向)と変位量(Yの絶対値)に応じた向きと速さで傾転軸11周りに傾転を開始する。このような傾転が生じると、入力ディスク4,7におけるパワーローラ6,9との摩擦接触点が描く半径と、出力ディスク5,8におけるパワーローラ6,9との摩擦接触点が描く半径との比が変化することによって無段変速が行われる。
【0017】
パワーローラ6,9の傾転制御は、次のようにして行われる。まず、コントローラ52には、プリセスカム53が検出したトラニオン33,37の傾転軸方向変位量Yと傾転角変位量θとの合成変位量に対応してポテンショメータ55が出力した電圧値Vが入力される。一方、コントローラ52は、車速センサ56、エンジン回転数センサ57、スロットル開度センサ58等の各種センサから入力される車速、エンジン回転数、スロットル開度等の変速情報信号に基づいて目標変速比e0 を求め、その目標変速比e0 に対応する目標電圧値V0 を予め定められた変換テーブル等の手段によって求める。コントローラ52は、更に、電圧値Vと目標電圧値V0 との偏差Ve に基づいてソレノイド弁51A,51Bへ制御信号を出力する。ソレノイド弁51A,51Bからスプール弁48の両端のポートSB,SAに供給される油圧PA,PBは、両油圧の差圧が電圧値の偏差Ve に比例するように制御されている。
【0018】
トラニオン33が中立位置にあるときに、目標電圧値V0 が電圧値Vよりも小、即ち現在の変速比が減速し過ぎであるので目標変速比e0 を増速側に設定したとすると、コントローラ52は、スプール弁48のポートSA及びポートSBに供給される油圧PBと油圧PAの関係がPA<PBとなるようにソレノイド弁51に対して制御信号を出力する。その結果、スプール49は図8において左側へシフトし、油路47BはPLポートを介して圧力源へ連通し、油路47AはRポートを介してリザーバへ連通して、油路47Bの圧力Pupが油路47Aの圧力Pdownよりも大きくなる(Pup>Pdown)。圧力Pupと圧力Pdownの差圧は、スプール49の各ポートの弁開度によって制御される。シリンダ室43A,43Bの圧力差により、図8に示したトロイダル変速部1におけるトラニオン33は傾転軸方向変位量Yが負の方向(Y<0)、即ち、右側のトラニオン33は下方へ変位し、左側のトラニオン33は上方へ変位する。トロイダル変速部2のトラニオン37も同様に変位する。このとき、トラニオン33,37は、パワーローラ6の傾転特性によってパワーローラ6の傾転角変位量θが負(θ<0)の方向(増速側)へ、傾転軸11を中心としてその周りにそれぞれ傾転し、増速側へ変速動作が開始される。
【0019】
傾転軸方向変位量Y及び傾転角変位量θは共に減少していくので、電圧値Vも減少して目標電圧値V0 に近づいていき、その結果、スプール49の各ポートの弁開度も小さくなる。更に変速が続き、偏差Ve がゼロ、即ち電圧値V=目標電圧値V0 となるが、この時点ではYはゼロではないので傾転角は目標傾転角に達しておらず、パワーローラ6は更に傾転を続ける。しかし、偏差Ve の符号が反転するので、スプール49は各ポートをPupとPdownとの大小関係が逆転するように開き、その結果、トラニオン33,37の移動方向が逆転し、傾転軸方向変位量Yが正の方向(Y>0)へ移動を開始する。こうして、傾転角は目標傾転角に近づき、電圧値Vが目標電圧値V0 に近づくにつれて、各トラニオン33,37の傾転軸方向変位量Yはゼロに近づき、実際の変速比も目標変速比に近づいていく。電圧の偏差Ve の符号が反転する度に、上記の変速動作を繰り返して、実際の変速比が目標変速比に一致した時には、トラニオン33,37の傾転軸方向変位量Yと偏差Ve とは共にゼロとなって、パワーローラ6,9は中立位置に戻り、変速動作は終了する。
【0020】
上記のとおり、各トロイダル変速部1,2においては、それぞれ2本のトラニオン33と、2本のトラニオン37が設けられている。ローディングカム61によって入力ディスク4,7と出力ディスク5,8との間でパワーローラ6,9は大きな力で押し付けられるので、2本のトラニオン33同士、及び2本のトラニオン37同士は互いに遠ざかる方向の力を受ける。この力に対抗するため、各トロイダル変速部1,2には、2本のトラニオン同士をそれぞれ両端部において連結するヨーク70,80が設けられている。各トロイダル変速部1,2において、トラニオン33とトラニオン37とに対する一方のヨーク70,70の構造は互いに同じであり、又他方のヨーク80,80の構造も互いに同一であるので、以下、トロイダル変速部1についてのみヨーク70及び80に関する説明をし、トロイダル変速部2についての説明を省略する。
【0021】
一方のヨーク70は、2本のトラニオン33の一端33Aを互いに連結している。ヨーク70の両端部には第1円形孔71が形成され、中央部には、円形の嵌合孔72が形成されている。ヨーク70の中央位置に対応して、ケーシング25には、球面ポスト73が取り付けられている。球面ポスト73は、球面部74と球面部74を支持し且つケーシング25に取り付けられる第1ポスト部75とから成り、球面部74がヨーク70の中央位置において形成された嵌合孔72に嵌合している。ヨーク70は、球面ポスト73により、中央位置が規制される以外は、任意の方向に回動可能である。
【0022】
他方のヨーク80は、2本のトラニオン33の他端33Bを互いに連結している。ヨーク80の両端部には第2円形孔81が形成され、中央部には角形孔82が形成されている。ヨーク70の中央位置に対応して、ケーシング25には、角形ポスト83が取り付けられている。角形ポスト83は、角形部84と角形部84を支持し且つケーシング25に取り付けられる第2ポスト部85とから成り、角形部84がヨーク80の中央位置において形成された角形孔82に嵌合している。角形孔82は、角形部84に対してヨーク80の長手方向に僅かの隙間を介して嵌合しているので、ヨーク80がトラニオン33の傾転軸方向の変位に伴って僅かに回動するのを許容する以外は、すべての変位と回動を規制している。
【0023】
一方のヨーク70の第1円形孔71とトラニオン33の一端33Aとの間には、球面軸受90と径方向の力を受けても一端33Aを回転自在に支持する軸受91とが配設されている。軸受91はラジアル軸受であり、球面軸受90の内部に設けられていて、トラニオン33の一端33A及び他端33Bを回転自在に支持している。球面軸受90の球状外面はヨーク70の第1円形孔71に嵌入して、トラニオン33とヨーク70とが自由に回動できるように構成されている。
【0024】
他方のヨーク80の第2円形孔81と、トラニオン33の他端33Bとの間にも、球面軸受90と軸受91とが配設されている。球面軸受90と軸受91との機能は、既に説明したものと同じである。
【0025】
がって、両トラニオン33は、球面ポスト73と角形ポスト83とに対して、両ポスト73,83からの距離が拘束されているため、入力ディスク4と出力ディスク5とによって大きな力で挟持されても、両トラニオン33は互いに遠ざかるように外側に実質的に変位しないが、傾転軸11の軸方向の変位に対しては、球面軸受90の軸受作用によってヨーク70から何らの拘束も受けることがない。なお、上記のとおり、トラニオン33は、一端33A側では、一方のヨーク70が球面ポスト73で拘束されているのみであるから、他端33B側のヨーク80が角形ポスト83で支持されている場合と比較して揺動の方向性が広くなっている。
【0026】
各トロイダル変速部における2本のトラニオン同士をそれぞれ両端部においてヨークによって連結し、更に隣接するトロイダル変速部間において、トラニオン同士をリンクによって連結したトロイダル型無段変速機が提案されている。例えば、各トロイダル変速部における一対のトラニオンと両トラニオンの各端部をそれぞれ連結する一対のリンクとで平行リンク機構を構成し、各トロイダル変速部の少なくとも一方のリンクの中央部をケーシングに枢支し、且つ隣り合うトロイダル変速部のリンクの少なくとも一方の隣接端同士を、伸縮ジョイントを含む連節棒によって連節したトロイダル型無段変速機が提案されている(特開昭62−147159号公報参照)。このトロイダル型無段変速機は、1個のパワーローラが外乱により中立位置からオフセットされると、残りのすべてのパワーローラも平行リンク機構及び連節棒を介して同じ変速位置に移動して伝達系に捩じり力や滑りを発生するのを防止することを図ったものである。
【0027】
このトロイダル型無段変速機によれば、第1及び第2のトロイダル変速部のトラニオン間を連結する連節棒は伸縮ジョイントを含んでいるものであり、連節棒が連結するトラニオンの各端部の間隔変化を吸収している。このような構造では、伸縮ジョイントの伸縮性のためにトラニオンの軸間距離を一定に維持することができない。また、連接棒は、中央部によって枢支ジョイントで支持されているので、同じトロイダル変速部及び隣り合うトロイダル変速部で、ヨーク又はリンクで連結された隣り合うトラニオンが傾転軸方向に変位する方向は互いに逆向きとなる。本来、両トロイダル変速部の変速比を同調させるには、対応するトラニオンは同方向へ動かすべきであるところ、上記のごとき変位は、各トラニオンを逆方向へ動かす働きをしてしまい、好ましくない。
【0028】
また、隣接する二組のトロイダル変速部における各トラニオンの端部をそれぞれ連結するトロイダル型無段変速機として、すべてのトラニオンを一枚のプレート部材で連結したものがある(特開平5−126222号公報参照)。この公報に開示されているトロイダル型無段変速機は、プレートをケーシングに対して支持する支持部を中心にして、各変速部の1対のトラニオンが上下逆方向に向かう変位をするが、この変位において、トラニオンとプレート部材とを球面支持することにより、各変速ユニットにおけるトラニオンの組み付け誤差を吸収することを図ったものである。しかしながら、この球面支持によれば、第1と第2変速ユニットとの各ユニットにおいて両トラニオンを結ぶ方向(同公報図6において図示されるX方向)へも球面上の動きが許容されるため、いずれかのトラニオンが傾転しても、他方のトラニオンが傾転せず、各変速ユニットのトラニオンが同じ動きをしなくなるおそれがある。
【0029】
【発明が解決しようとする課題】
上記の従来の各技術は、以下のような問題点がある。即ち、球面ポストで支持されているヨークは、ケーシングに対してポストを中心に回転が許容されているため、外乱によりトラニオンの傾転中心がケーシングに対して変化してしまうことがある。また、この状態では、トラニオンの傾転角及び傾転軸方向オフセット量をフィードバックするプリセスカムの出力も変化し、この変化に追従してプリセスカムの出力を所定の値に戻すよう変速するので、所定の変速比を維持することができない。更に、外乱によるトラニオンの傾転軸変位が連続すると、変速比が振動的に変化し、運転者に著しい不快感を与えるという問題点がある。
【0030】
したがって、第1トロイダル変速部と第2トロイダル変速部との各トラニオンの各端部のうち、球面ポストで支持されたヨーク側の端部について、互いの挙動を拘束して、上記の外乱による影響を抑制することについて、解決すべき課題がある。
【0031】
【課題を解決するための手段】
この発明の目的は、上記問題を解決し、第1トロイダル変速部と第2トロイダル変速部の各トラニオンの各端部のうち、球面ポストで支持されたヨーク側の端部についてトラニオンの互いの挙動に関連性を持たせることにより、球面ポストで支持されているヨークが外乱の影響によってケーシングに対して球面ポストを中心とする回動を許容されていても、各トロイダル変速部における変速比が無関係に変動するのを防止することを可能にするトロイダル型無段変速機を提供することである。
【0032】
この発明は、入力軸により駆動される入力ディスク、前記入力ディスクに対向して配置され且つ出力軸に連結された出力ディスク、前記入力ディスクと前記出力ディスクとの間にそれぞれ配置され且つ前記両ディスクに対する傾転角度に応じて前記入力ディスクの回転を無段階に変速して前記出力ディスクに伝達する一対のパワーローラ、前記各パワーローラを回転自在に支持し且つ傾転軸方向に変位可能な一対のトラニオン、及び前記各トラニオンを前記傾転軸方向に変位させるアクチュエータを具備したトロイダル変速部を、ケーシング内に同軸上に複数並置したトロイダル型無段変速機であって、前記各変速部における前記一対のトラニオンの各端部は球面軸受を介して一対のヨークによって回動自在に連結され、一方の前記ヨークは前記ケーシングに対して球面ポストによって回動自在に支持され、他方の前記ヨークは前記ケーシングに対して角形ポストによって回動が制限されて支持され、且つ、前記一方のヨークによって連結された前記トラニオンの前記端部は、前記各トロイダル変速部において前記トラニオンの前記傾転軸の変位を同期させるように互いにリンクによって連結されていることから成るトロイダル型無段変速機に関する。
【0033】
この発明によるトロイダル型無段変速機は、上記のように構成されているので、次のように作動する。即ち、一方のヨークはケーシングに対して球面ポストによって回動自在に支持され、他方のヨークはケーシングに対して角形ポストによって回動が制限されて支持されているので、角形ポストによって支持されている他方のヨークは回動が制限されているのに対して、球面ポストによって支持されている一方のヨークは球面ポスト回りの自由度のある動きが許容され、トロイダル型のスムーズな変速が可能となっている。しかしながら、その自由度に起因して、球面ポストによって支持されている一方のヨークは外乱の影響を受けやすい。本発明では、隣り合うトロイダル変速部の隣接するトラニオンは球面ポストで支持されたヨーク側の端部でリンクにより互いに連結されているので、このトラニオン間の距離は一定に保たれ、球面ポストによる支持に起因したトラニオン同士の勝手な動きに制約を課すことができる。このため、隣り合うトロイダル変速部の合計4本のトラニオンは、すべてヨーク又はリンクで連結されることになり、傾転軸のケーシングに対する位置変化が抑制される。前記一方のヨークによって連結されている前記トラニオンの各端部は、各トロイダル変速部において対応する前記トラニオンの前記傾転軸の変位を同期させるようにリンクによって連結されているために、従来のトロイダル型無段変速機に見られたように傾転軸がまったく無関係な方向に変位するというようなことがない。各トロイダル変速部においてパワーローラの傾転軸が変位しても、それらの変位は、リンクによって変速比の変化を同じ方向及び速度とするような変位となり、各トロイダル変速部の変速比が互いに無関係に変動するのが抑制される。
【0034】
また、上記トロイダル型無段変速機において、前記リンクは、前記一方のヨークによって連結されたトラニオンの端部の少なくとも一方を両トロイダル変速部間において連結している。各トロイダル変速部において一対のトラニオンが既にヨークによって連結されているので、各トロイダル変速部のトラニオンの傾転軸を連結するリンクは、1本あれば充分である。
【0035】
また、上記トロイダル型無段変速機において、前記リンクは、前記隣り合うトロイダル変速部のトラニオンの前記端部を、少なくとも傾転軸回りの回転を許容する軸受を介して連結している。このような構造によれば、変速のためにトラニオンが傾転軸周りでする回動は、リンクと干渉することはなく、一方のトラニオンの挙動は、リンクを介して他方のトラニオンに伝達される。
【0036】
また、上記トロイダル型無段変速機において、前記球面ポストは、前記一方のヨークの中央位置に形成された嵌合孔に嵌合する球面部と、前記球面部を支持し且つ前記ケーシングに取り付けられた第1ポスト部とを具備している。かかる球面ポストを用いることにより、トラニオンが入力ディスクと出力ディスクによって強い力で挟持された場合でも、トラニオンの傾転軸の位置を保持するとともに、トラニオンが傾転軸の軸方向に変位するのを許容することになる。
【0037】
更に、上記トロイダル型無段変速機において、記角形ポストは、前記他方のヨークの中央位置に形成された角形嵌合孔に前記他方のヨークの長手方向に僅かの隙間を介して嵌合する角形部と前記角形部を支持し且つ前記ケーシングに取り付けられた第2ポスト部とを具備しており、前記他方のヨークは前記隙間に基づく回動以外に回動不能に支持されている。かかる角形ポストを用いることにより、角形嵌合孔でもって角形ポストと嵌合する前記他方のヨークは、トラニオンの傾転軸の軸方向の変位を許容し隙間に基づく回動以外の、事実上すべての変位や回動を規制することになる。
【0038】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、この発明によるトロイダル型無段変速機の実施例について説明する。図1は、この発明によるトロイダル型無段変速機の一実施例を主軸を通る平面で切断した断面図である。その断面は、図2及び図3の線T−Tで示す平面である。なお、図1においては、図5と同様に、パワーローラとトラニオンの図示を省略してある。図2は、図1に示すトロイダル型無段変速機の線R−Rで示す平面についての一方のトロイダル変速部の断面図である。図3は、図1に示すトロイダル型無段変速機の線S−Sで示す平面についての他方のトロイダル変速部の断面図である。図4は、トラニオンの端部を連結するリンクの平面図である。図1に示すトロイダル型無段変速機については勿論のこと、図2及び図3に示すトロイダル型無段変速機の隣り合うトロイダル変速部についても、リンクが設けられている以外の構造は、図5、図6及び図7に示した従来のトロイダル型無段変速機におけるトロイダル変速部の構造と変わるところがないので、同じ構成要素には同じ符号を付し、それらの構造と同じ構造に基づく変速比の制御動作とについての再度の説明を省略する。
【0039】
図2に示すように、トロイダル変速部1における一対のトラニオン33の対応する各端部33A,33Cは、球面ポスト73によって回動自在に支持されたヨーク70に対して球面軸受90を介して回動自在に連結されている。図3に示すように、トロイダル変速部2における一対のトラニオン37,37の対応する各端部37A,37Cも、同様にヨーク70に対して球面軸受90を介して回動自在に連結されている。また、球面軸受90は、軸受91を介して、各端部33A,33C,37A,37Cを回転自在に支持している。ヨーク70によって連結されたトラニオン33,37の端部33C,37Cは、トラニオン33,37の傾転軸11の変位が同期するように互いにリンク92によって連結されている。
【0040】
リンク92は、図4に示すように、杆状本体93とその両端に形成された環状端部94とを具備している。図1、図2及び図3の記載から理解されるように、リンク92は、各トロイダル型無段変速機1,2において、トラニオン33,37の端部33Cと37Cとの間に架け渡されている。各環状端部94に形成された軸受孔96には軸受95が配置され、軸受95は、トラニオン33,37の傾転軸11回りの回転を許容するように、端部33C,37Cを回転自在に支持している。軸受95は、通常のラジアル方向の力を受けるラジアル軸受であり、球面軸受作用を有してはいないので、例えば、一方のトロイダル変速部1のトラニオン33が傾転軸11の軸方向に変位すると、その変位は、軸受95とリンク92との間で吸収されることはなく、そのまま他方のトロイダル変速部2のトラニオン37の傾転軸11の軸方向変位として伝達される。
【0041】
角形ポスト83の角形部84は、ヨーク80の中央位置に形成された角形嵌合孔82に嵌合しているので、ヨーク80は、トラニオン33,37の傾転軸11の軸方向変位を許容する以外の、事実上すべての変位や回動を規制することになる。一方、球面ポスト73は、球面部74がヨーク70の嵌合孔72に嵌合しており、トラニオン33,37の端部33C,37Cの振れによってあらゆる方向に回動する可能性がある。しかし、上記のとおり、隣り合うトロイダル変速部1,2において、トラニオン33,37はリンク92により互いに連結されているため、端部33C,37C間の距離は、一定に保たれていると共に、隣り合うトロイダル変速部1,2の合計4本のトラニオン33,37は、すべてヨーク70,80及びリンク92で連結されることになる。
【0042】
リンク92は、ヨーク70によって連結されているトラニオン33,37の傾転軸11の変位が軸方向は勿論のこと径方向にも同期するように、トラニオン33,37の端部33C,37Cを連結しているため、各トラニオン33,37まったく無関係な変位や回動が抑制されることで傾転軸11のケーシング25に対する位置変化が抑制される。しかも、トロイダル変速部1,2でのパワーローラ6,9の少なくとも傾転軸11の軸線方向変位は互いに同じであり、パワーローラ6,9の傾転方向は同じであり且つ傾転速度も実質上同じとなるので、各トロイダル変速部1,2での変速比のまったく無関係な変化が抑制され、結果的に、所定の変速比を維持することになる。
【0043】
また、トロイダル型無段変速機において、球面ポスト73及び角形ポスト83は、図6及び図7に基づいて既に説明したとおりの構造を有しており、リンク92によって直接連結されてはいないトラニオン33,37も、球面ポスト73及び角形ポスト83によってケーシング25に支持されているヨーク70,80を介して、リンク92によって直接連結されているトラニオン33,37の動きに対応して変位する。
【0044】
【発明の効果】
この発明によるトロイダル型無段変速機は、上記のように構成されており、球面ポストで支持されているヨークが外乱によって球面ポストの球面支持を中心として揺動し、トラニオンの傾転軸をケーシングに対して変化させようとしても、隣り合うトロイダル変速部の各ラニオンはすべてヨーク又はリンクで連結されているので、各トロイダル変速部において対応する前記トラニオンの前記傾転軸の変位同期されることになり、従来のトロイダル型無段変速機に見られたように各トロイダル変速部のトラニオンの傾転軸が互いにまったく無関係な方向に変位するというようなことがない。各トロイダル変速部においてパワーローラの傾転軸が変位しても、それらの変位は、リンクによって変速比の変化を同じ方向及び速度とするような変位となり、各トロイダル変速部の変速比が互いに無関係に変動するのが抑制される。
【0045】
このように、外乱がヨークやトラニオンに作用しても、トラニオンの傾転角及び傾転軸方向オフセット量をフィードバックするプリセスカムの出力の変化も抑制され、所定の変速比からの変動を抑制し、更に、外乱によるトラニオンの傾転軸変位が連続しても、変速比が振動的な変化を抑制して、運転者に著しい不快感を与えることがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明によるトロイダル型無段変速機の一実施例を示す図であって、図2及び図3で線T−Tで示す平面についての断面図である。
【図2】図1に示すトロイダル型無段変速機の一方のトロイダル変速部の線R−Rで示す平面についての断面図である。
【図3】図1に示すトロイダル型無段変速機の他方のトロイダル変速部の線S−Sで示す平面についての断面図である。
【図4】トラニオンの端部を連結するリンクの平面図である。
【図5】従来のトロイダル型無段変速機の一例を示す図であって、図6及び図7で線W−Wで示す平面についての断面図である。
【図6】図5に示したトロイダル型無段変速機の一方のトロイダル変速部の線U−Uで示す平面についての断面図である。
【図7】図5に示したトロイダル型無段変速機の他方のトロイダル変速部の線V−Vで示す平面についての断面図である。
【図8】従来のトロイダル型無段変速機の一方のトロイダル変速部における変速制御装置の一例を説明する概略図である。
【符号の説明】
1,2 トロイダル変速部
3 主軸
4,7 入力ディスク
5,8 出力ディスク
6,9 パワーローラ
11 傾転軸
13 入力軸
22 出力軸
25 ケーシング
33,37 トラニオン
33B,37B 端部
33C,37C 端部
34,38 回転支軸
40 アクチュエータ
70,80 ヨーク
72 嵌合孔
73 球面ポスト
74 球面部
75 第1ポスト部
82 角形嵌合孔
83 角形ポスト
84 角形部
85 第2ポスト部
90 球面軸受
91 軸受
92 リンク

Claims (5)

  1. 入力軸により駆動される入力ディスク、前記入力ディスクに対向して配置され且つ出力軸に連結された出力ディスク、前記入力ディスクと前記出力ディスクとの間にそれぞれ配置され且つ前記両ディスクに対する傾転角度に応じて前記入力ディスクの回転を無段階に変速して前記出力ディスクに伝達する一対のパワーローラ、前記各パワーローラを回転自在に支持し且つ傾転軸方向に変位可能な一対のトラニオン、及び前記各トラニオンを前記傾転軸方向に変位させるアクチュエータを具備しているトロイダル変速部を、ケーシング内に同軸上に複数並置したトロイダル型無段変速機であって、前記各変速部における前記一対のトラニオンの各端部は球面軸受を介して一対のヨークによって回動自在に連結され、一方の前記ヨークは前記ケーシングに対して球面ポストによって回動自在に支持され、他方の前記ヨークは前記ケーシングに対して角形ポストによって回動が制限されて支持され、且つ、前記一方のヨークによって連結された前記トラニオンの前記端部は、前記各トロイダル変速部において前記トラニオンの前記傾転軸の変位を同期させるように互いにリンクによって連結されていることから成るトロイダル型無段変速機。
  2. 前記リンクは、前記一方のヨークによって連結された前記トラニオンの前記端部の少なくとも一方を前記両トロイダル変速部間において連結していることから成る請求項1に記載のトロイダル型無段変速機。
  3. 前記リンクは、前記隣り合うトロイダル変速部の前記トラニオンの前記端部を、少なくとも前記傾転軸回りの回転を許容する軸受を介して連結していることから成る請求項1又は2に記載のトロイダル型無段変速機。
  4. 前記球面ポストは、前記一方のヨークの中央位置に形成された嵌合孔に嵌合する球面部と、前記球面部を支持し且つ前記ケーシングに取り付けられた第1ポスト部とを具備していることから成る請求項1〜3のいずれか1項に記載のトロイダル型無段変速機。
  5. 記角形ポストは、前記他方のヨークの中央位置に形成された角形嵌合孔に前記他方のヨークの長手方向に僅かの隙間を介して嵌合する角形部と前記角形部を支持し且つ前記ケーシングに取り付けられた第2ポスト部とを具備しており、前記他方のヨークは前記隙間に基づく回動以外に回動不能に支持されていることから成る請求項1〜4のいずれか1項に記載のトロイダル型無段変速機。
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