JP2003194208A - トロイダル型無段変速機及び無段変速装置 - Google Patents
トロイダル型無段変速機及び無段変速装置Info
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Abstract
るトルクが急激に変動する状態でも、変速比の変動を低
く抑えて、運転者に違和感を与える事を防止する。しか
も、油圧センサ65の故障時にも、この故障がより重大
な故障に結び付く事を防止する。 【解決手段】 油圧式の押圧装置59により、各入力側
ディスク2A、2B及び各出力側ディスク4、4の内側
面2a、4aと各パワーローラ9の周面9aとの当接圧
を確保する構造を採用する。伝達すべきトルクが急変す
る際には、上記押圧装置59による押圧力を、上記トロ
イダル型無段変速機32aにより伝達すべき最大のトル
クに対応したものとする。この構成により、各部の弾性
変形量の変動に基づく、上記変速比の変動を抑える。
又、油圧センサ65の故障時には、上記押圧装置59
に、最大トルクの伝達を可能な押圧力を発生させる。
Description
変速機及び無段変速装置は、自動車用の自動変速機を構
成する変速ユニットとして利用する。
に略示する様なトロイダル型無段変速機が、一部で実施
されている。このトロイダル型無段変速機は、例えば実
開昭62−71465号公報に開示されている様に、入
力軸1と同心に入力側ディスク2を支持し、この入力軸
1と同心に配置された出力軸3の端部に出力側ディスク
4を固定している。トロイダル型無段変速機を納めたケ
ーシング5(後述する図6〜7参照)の内側には、上記
入力軸1並びに出力軸3に対し捻れの位置にある枢軸
6、6を中心として揺動する、請求項1に記載した支持
部材である、トラニオン7、7を設けている。
面に上記枢軸6、6を、各トラニオン7、7毎に1対ず
つ、互いに同心に設けている。これら各枢軸6、6の中
心軸は、上記各ディスク2、4の中心軸と交差する事は
ないが、これら各ディスク2、4の中心軸の方向に対し
て直角方向若しくは直角に近い方向である、捩れの位置
に存在する。又、上記各トラニオン7、7の中心部には
変位軸8、8の基半部を支持し、上記枢軸6、6を中心
として各トラニオン7、7を揺動させる事により、上記
各変位軸8、8の傾斜角度の調節を自在としている。各
トラニオン7、7に支持された変位軸8、8の先半部周
囲には、それぞれパワーローラ9、9を回転自在に支持
している。そして、これら各パワーローラ9、9を、上
記入力側、出力側両ディスク2、4の内側面2a、4a
同士の間に挟持している。
いに対向する内側面2a、4aは、それぞれ断面が、上
記枢軸6を中心とする円弧若しくはこの様な円弧に近い
曲線を回転させて得られる、断面円弧状の凹面をなして
いる。そして、球状凸面に形成された各パワーローラ
9、9の周面9a、9aを、上記内側面2a、4aに当
接させている。又、上記入力軸1と入力側ディスク2と
の間には、ローディングカム装置等の押圧装置10を設
け、この押圧装置10によって上記入力側ディスク2
を、出力側ディスク4に向け弾性的に押圧しつつ、回転
駆動自在としている。
速機の使用時、入力軸1の回転に伴って上記押圧装置1
0が上記入力側ディスク2を、上記複数のパワーローラ
9、9に押圧しつつ回転させる。そして、この入力側デ
ィスク2の回転が、上記複数のパワーローラ9、9を介
して出力側ディスク4に伝達され、この出力側ディスク
4に固定の出力軸3が回転する。
場合で、先ず入力軸1と出力軸3との間で減速を行なう
場合には、枢軸6、6を中心として前記各トラニオン
7、7を揺動させ、各パワーローラ9、9の周面9a、
9aが図3に示す様に、入力側ディスク2の内側面2a
の中心寄り部分と出力側ディスク4の内側面4aの外周
寄り部分とにそれぞれ当接する様に、各変位軸8、8を
傾斜させる。
ラニオン7、7を揺動させ、各パワーローラ9、9の周
面9a、9aが図4に示す様に、入力側ディスク2の内
側面2aの外周寄り部分と出力側ディスク4の内側面4
aの中心寄り部分とに、それぞれ当接する様に、各変位
軸8、8を傾斜させる。各変位軸8、8の傾斜角度を図
3と図4との中間にすれば、入力軸1と出力軸3との間
で、中間の変速比を得られる。
3号(実開平1−173552号)のマイクロフィルム
に記載された、より具体化されたトロイダル型無段変速
機を示している。入力側ディスク2と出力側ディスク4
とは円管状の入力軸11の周囲に、それぞれ回転自在に
支持している。又、この入力軸11の端部と上記入力側
ディスク2との間に、押圧装置10を設けている。一
方、上記出力側ディスク4には、出力歯車12を結合
し、これら出力側ディスク4と出力歯車12とが同期し
て回転する様にしている。
同心に設けた枢軸6、6は1対の支持板(ヨーク)1
3、13に、揺動並びに軸方向(図5の表裏方向、図6
の上下方向)の変位自在に支持している。そして、上記
各トラニオン7、7の中間部に、変位軸8、8の基半部
を支持している。これら各変位軸8、8は、基半部と先
半部とを互いに偏心させている。そして、このうちの基
半部を上記各トラニオン7、7の中間部に回転自在に支
持し、それぞれの先半部にパワーローラ9、9を回転自
在に支持している。又、上記各トラニオン7、7の端部
同士の間には同期ケーブル27を、襷掛けで掛け渡し
て、これら各トラニオン7、7同士の傾斜角度を、機械
的に同期させる様にしている。
軸11に対して180度反対側位置に設けている。又、
これら各変位軸8、8の基半部と先半部とが偏心してい
る方向は、上記入力側、出力側両ディスク2、4の回転
方向に関して同方向(図6で上下逆方向)としている。
又、偏心方向は、上記入力軸11の配設方向に対してほ
ぼ直交する方向としている。従って上記各パワーローラ
9、9は、上記入力軸11の配設方向に関して若干の変
位自在に支持される。
上記各トラニオン7、7の中間部内側面との間には、こ
れら各パワーローラ9、9の外側面の側から順に、スラ
スト玉軸受14、14とスラストニードル軸受15、1
5とを設けている。このうちのスラスト玉軸受14、1
4は、上記各パワーローラ9、9に加わるスラスト方向
の荷重を支承しつつ、これら各パワーローラ9、9の回
転を許容する。又、上記各スラストニードル軸受15、
15は、上記各パワーローラ9、9から上記各スラスト
玉軸受14、14を構成する外輪16、16に加わるス
ラスト荷重を支承しつつ、上記各変位軸8、8の先半部
及び上記外輪16、16が、これら各変位軸8、8の基
半部を中心として揺動する事を許容する。更に、上記各
トラニオン7、7は、油圧式のアクチュエータ(油圧シ
リンダ)17、17により、前記各枢軸6、6の軸方向
に変位自在としている。
速機の場合、入力軸11の回転は、押圧装置10を介し
て入力側ディスク2に伝えられる。そして、この入力側
ディスク2の回転が、1対のパワーローラ9、9を介し
て出力側ディスク4に伝えられ、更にこの出力側ディス
ク4の回転が、出力歯車12より取り出される。
度比を変える場合には、上記各アクチュエータ17、1
7により上記1対のトラニオン7、7を、それぞれ逆方
向に、例えば、図6の右側のパワーローラ9を同図の下
側に、同図の左側のパワーローラ9を同図の上側に、そ
れぞれ変位させる。この結果、これら各パワーローラ
9、9の周面9a、9aと上記入力側ディスク2及び出
力側ディスク4の内側面2a、4aとの当接部に作用す
る、接線方向の力の向きが変化(当接部にサイドスリッ
プが発生)する。そして、この力の向きの変化に伴って
上記各トラニオン7、7が、支持板13、13に枢支さ
れた枢軸6、6を中心として、互いに逆方向に揺動す
る。この結果、前述の図3〜4に示した様に、上記各パ
ワーローラ9、9の周面9a、9aと上記各内側面2
a、4aとの当接位置が変化し、上記入力軸11と出力
歯車12との間の回転速度比が変化する。
の給排状態は、これら各アクチュエータ17、17の数
に関係なく1個の制御弁により行ない、何れか1個のト
ラニオン7の動きをこの制御弁にフィードバックする様
にしている。この部分の構造に就いては、例えば特開平
6−257661号公報に記載されて、従来から知られ
ているが、後述する、従来の具体的構造の第2例を示
す、図9により簡単に説明する。制御弁18は、ステッ
ピングモータ19により軸方向(図9の左右方向)に変
位させられるスリーブ20と、このスリーブ20の内径
側に軸方向の変位自在に嵌装されたスプール21とを有
する。上記何れか1個のトラニオン7に付属のロッド2
2の端部にはプリセスカム23を固定しており、このプ
リセスカム23とリンク腕24とを介して、上記ロッド
22の動きを上記スプール21に伝達する、フィードバ
ック機構を構成している。
ピングモータ19により上記スリーブ20を、所定量だ
け変位させて、上記制御弁18の流路を開く。この結
果、上記各アクチュエータ17、17に圧油が、所定方
向に送り込まれて、これら各アクチュエータ17、17
が上記各トラニオン7、7を所定方向に変位させる。即
ち、上記圧油の送り込みに伴ってこれら各トラニオン
7、7が、前記各枢軸6、6の軸方向に変位しつつ、こ
れら各枢軸6、6を中心に揺動する。そして、上記何れ
か1個のトラニオン7の動き(軸方向及び揺動変位)
が、上記ロッド22の端部に固定したプリセスカム23
とリンク腕24とを介して上記スプール21に伝達さ
れ、このスプール21を軸方向に変位させる。この結
果、上記トラニオン7が所定量変位した状態で、上記制
御弁18の流路が閉じられ、上記各アクチュエータ1
7、17への圧油の給排が停止される。従って、上記各
トラニオン7、7の軸方向及び揺動方向の変位量は、上
記ステッピングモータ19によるスリーブ20の変位量
に応じただけのものとなる。
達時には、構成各部の弾性変形に基づいて、上記各パワ
ーローラ9、9が上記入力軸11(図5〜6)の軸方向
に変位する。そして、これら各パワーローラ9、9を支
持した前記各変位軸8、8が、それぞれの基半部を中心
として僅かに回動する。この回動の結果、上記各スラス
ト玉軸受14、14の外輪16、16の外側面と上記各
トラニオン7、7の内側面とが相対変位する。これら外
側面と内側面との間には、前記各スラストニードル軸受
15、15が存在する為、この相対変位に要する力は小
さい。
7〜9に示す様に、入力軸11aの周囲に入力側ディス
ク2A、2Bと出力側ディスク4、4とを2個ずつ設
け、これら2個ずつの入力側ディスク2A、2Bと出力
側ディスク4、4とを動力の伝達方向に関して互いに並
列に配置する、所謂ダブルキャビティ型の構造も、従来
から知られている。この図7〜9に示した構造は、上記
入力軸11aの中間部周囲に出力歯車12aを、この入
力軸11aに対する回転を自在として支持し、この出力
歯車12aの中心部に設けた円筒部の両端部に上記各出
力側ディスク4、4を、スプライン係合させている。
又、上記各入力側ディスク2A、2Bは、上記入力軸1
1aの両端部に、この入力軸11aと共に回転自在に支
持している。この入力軸11aは、駆動軸25により、
ローディングカム式の押圧装置10を介して回転駆動す
る。
ル型無段変速機の場合には、入力軸11aから出力歯車
12aへの動力の伝達を、一方の入力側ディスク2Aと
出力側ディスク4との間と、他方の入力側ディスク2B
と出力側ディスク4との間との、2系統に分けて行なう
ので、大きな動力の伝達を行なえる。尚、この様なダブ
ルキャビティ型のトロイダル型無段変速機の場合も、変
速時には油圧式のアクチュエータ17、17により、ト
ラニオン7、7を枢軸6、6の軸方向に変位させる。変
速の為に上記各アクチュエータ17、17への圧油の給
排を制御する為の制御弁18は、前述した通り、トロイ
ダル型無段変速機全体で1個だけ設けている。そして、
この1個の制御弁18により、複数のアクチュエータ1
7、17への圧油の給排を制御している。
無段変速機を実際の自動車用の無段変速機に組み込む場
合、遊星歯車機構と組み合わせて無段変速装置を構成す
る事が、特開平1−169169号公報、同1−312
266号公報、同10−196759号公報、同11−
63146号公報等に記載されている様に、従来から提
案されている。このうちのパワー・スプリット型と呼ば
れる無段変速装置は、、低速走行時にはエンジンの駆動
力をトロイダル型無段変速機のみで伝達し、高速走行時
には上記駆動力を遊星歯車機構で伝達する事により、高
速走行時に上記トロイダル型無段変速機に加わるトルク
の低減を図る様にしている。この様に構成する事によ
り、上記トロイダル型無段変速機の構成各部材の耐久性
を向上させる事ができる。或は、トロイダル型無段変速
機と遊星歯車機構とを組み合わせる事により、入力軸を
回転させたまま出力軸を停止させる事を可能とした、ギ
ヤード・ニュートラルと呼ばれる無段変速装置も、従来
から知られている。
−196759号公報に記載された無段変速装置を示し
ている。この無段変速装置は、駆動源であるエンジン2
6のクランクシャフト28の出力側端部(図10の右端
部)と入力軸29の入力側端部(図10の左端部)との
間に発進クラッチ30を設けている。又、上記入力軸2
9の回転に基づく動力を取り出す為の出力軸31を、こ
の入力軸29と平行に配置している。そして、この入力
軸29の周囲にトロイダル型無段変速機32を、上記出
力軸31の周囲に遊星歯車機構33を、それぞれ設けて
いる。
置10を構成するカム板34は、上記入力軸29の中間
部で出力側端部寄り(図10の右寄り)部分に固定して
いる。又、入力側ディスク2と出力側ディスク4とは、
上記入力軸29の周囲に、ニードル軸受等、図示しない
軸受により、この入力軸29に対し、互いに独立した回
転を自在に支持している。そして、上記カム板34と入
力側ディスク2とにより、上記押圧装置10を構成して
いる。従って、上記入力側ディスク2は上記入力軸29
の回転に伴い、上記出力側ディスク4に向け押圧されつ
つ回転する。又、上記入力側ディスク2の内側面2aと
上記出力側ディスク4の内側面4aとの間に複数個のパ
ワーローラ9、9を挟持して、前述の図5〜6に示した
如きトロイダル型無段変速機32を構成している。尚、
このトロイダル型無段変速機32は、図10及び図5〜
6に示したシングルキャビティ型のものに限らず、前述
した図7〜8に示す様なダブルキャビティ型のものでも
良い。ダブルキャビティ型のトロイダル型無段変速機を
組み込んだ無段変速装置は、前記特開平11−6314
6等に記載されている。
歯車35は、前記出力軸31の入力側端部(図10の右
端部)に固定している。従ってこの出力軸31は、上記
太陽歯車35の回転に伴って回転する。この太陽歯車3
5の周囲にはリング歯車36を、上記太陽歯車35と同
心に、且つ回転自在に支持している。そして、このリン
グ歯車36の内周面と上記太陽歯車35の外周面との間
に、複数個(通常は3〜4個)の遊星歯車組37、37
を設けている。図示の例ではこれら各遊星歯車組37、
37は、それぞれ1対ずつの遊星歯車38a、38bを
組み合わせて成る。これら1対ずつの遊星歯車38a、
38bは、互いに噛合すると共に、外径側に配置した遊
星歯車38aを上記リング歯車36に噛合させ、内径側
に配置した遊星歯車38bを上記太陽歯車35に噛合さ
せている。この様に各遊星歯車組37、37をそれぞれ
1対ずつの遊星歯車38a、38bにより構成するの
は、上記リング歯車36と太陽歯車35との回転方向を
一致させる為である。従って、他の構成部分との関係
で、これらリング歯車36と太陽歯車35との回転方向
を一致させる必要がなければ、単一の遊星歯車をこれら
リング歯車36と太陽歯車35との両方に噛合させても
良い。上述の様な遊星歯車組37、37は、キャリア3
9の片側面(図10の右側面)に回転自在に支持してい
る。又、このキャリア39は、前記出力軸31の中間部
に、回転自在に支持している。
ク4とを、第一の動力伝達機構40により、回転力の伝
達を可能な状態に接続している。この第一の動力伝達機
構40は、互いに噛合した第一、第二の歯車41、42
により構成している。従って上記キャリア39は、上記
出力側ディスク4の回転に伴って、この出力側ディスク
4と反対方向に、上記第一、第二の歯車41、42の歯
数に応じた速度で回転する。
6とは、第二の動力伝達機構43により、回転力の伝達
を可能な状態に接続自在としている。この第二の動力伝
達機構43は、第一、第二のスプロケット44、45
と、これら両スプロケット44、45同士の間に掛け渡
したチェン46とにより構成している。即ち、第一のス
プロケット44を上記入力軸29の出力側端部(図10
の右端部)で前記カム板34から突出した部分に固定す
ると共に、第二のスプロケット45を伝達軸47の入力
側端部(図10の右端部)に固定している。従ってこの
伝達軸47は、上記入力軸29の回転に伴って、この入
力軸29と同方向に、上記第一、第二のスプロケット4
4、45の歯数に応じた速度で回転する。
モード切換手段を構成するクラッチ機構を備える。この
クラッチ機構は、上記キャリア39と第二の動力伝達機
構43の構成部材である上記伝達軸47との何れか一方
のみを、上記リング歯車36に接続する。図10に示し
た構造の場合に、このクラッチ機構は、低速用クラッチ
48と高速用クラッチ49とから成る。このうちの低速
用クラッチ48は、上記キャリア39の外周縁部と上記
リング歯車36の軸方向一端部(図10の左端部)との
間に設けている。この様な低速用クラッチ48は、接続
時には、前記遊星歯車機構33を構成する太陽歯車35
とリング歯車36と遊星歯車組37、37との相対変位
を阻止し、これら太陽歯車35とリング歯車36とを一
体的に結合する。又、高速用クラッチ49は、上記伝達
軸47と、上記リング歯車36に支持板50を介して固
定した中心軸51との間に設けている。これら低速用ク
ラッチ48と高速用クラッチ49とは、何れか一方のク
ラッチが接続された場合には、他方のクラッチの接続が
断たれる。
と、無段変速装置のハウジング(図示省略)等、固定の
部分との間に、後退用クラッチ52を設けている。この
後退用クラッチ52は、自動車を後退させるべく、前記
出力軸31を逆方向に回転させる為に設けている。この
後退用クラッチ52は、上記低速用クラッチ48と高速
用クラッチ49との何れか一方が接続された状態では、
接続が断たれる。又、この後退用クラッチ52が接続さ
れた状態では、上記低速用クラッチ48と高速用クラッ
チ49とは、何れも接続が断たれる。
ファレンシャルギヤ53とを、第三〜第五の歯車54〜
56で構成する第三の動力伝達機構57により接続して
いる。従って、上記出力軸31が回転すると、これら第
三の動力伝達機構57及びデファレンシャルギヤ53を
介して左右1対の駆動軸58、58が回転し、自動車の
駆動輪を回転駆動させる。
ず、低速走行時には、上記低速用クラッチ48を接続す
ると共に、上記高速用クラッチ49及び後退用クラッチ
52の接続を断つ。この状態で上記発進クラッチ30を
接続し、前記入力軸29を回転させると、トロイダル型
無段変速機32のみが、この入力軸29から上記出力軸
31に動力を伝達する。この様な低速走行時に、入力
側、出力側両ディスク2、4同士の間の変速比を変える
際の作用は、前述の図5〜6に示したトロイダル型無段
変速機単独の場合と同様である。勿論、この状態では、
上記入力軸29と出力軸31との間の変速比、即ち、無
段変速装置全体としての変速比は、トロイダル型無段変
速機32の変速比に比例する。又、この状態では、この
トロイダル型無段変速機32に入力されるトルクは、上
記入力軸29に加えられるトルクに等しくなる。
用クラッチ49を接続すると共に、上記低速用クラッチ
48及び後退用クラッチ52の接続を断つ。この状態で
上記発進クラッチ30を接続し、上記入力軸29を回転
させると、この入力軸29から上記出力軸31には、前
記第二の動力伝達機構43を構成する第一、第二のスプ
ロケット44、45及びチェン46と前記遊星歯車機構
33とが、動力を伝達する。
回転すると、この回転は上記第二の動力伝達機構43並
びに高速用クラッチ49を介して中心軸51に伝わり、
この中心軸51を固定したリング歯車36を回転させ
る。そして、このリング歯車36の回転が複数の遊星歯
車組37、37を介して太陽歯車35に伝わり、この太
陽歯車35を固定した上記出力軸31を回転させる。上
記リング歯車36が入力側となった場合に上記遊星歯車
機構33は、上記各遊星歯車組37、37が停止してい
る(太陽歯車35の周囲で公転しない)と仮定すれば、
上記リング歯車36と太陽歯車35との歯数の比に応じ
た変速比で増速を行なう。但し、上記各遊星歯車組3
7、37は上記太陽歯車35の周囲を公転し、無段変速
装置全体としての変速比は、これら各遊星歯車組37、
37の公転速度に応じて変化する。そこで、上記トロイ
ダル型無段変速機32の変速比を変えて、上記遊星歯車
組37、37の公転速度を変えれば、上記無段変速装置
全体としての変速比を調節できる。
37、37が、上記リング歯車36と同方向に公転す
る。そして、これら各遊星歯車組37、37の公転速度
が遅い程、上記太陽歯車35を固定した出力軸31の回
転速度が速くなる。例えば、上記公転速度とリング歯車
36の回転速度(何れも角速度)が同じになれば、上記
リング歯車36と出力軸31の回転速度が同じになる。
これに対して、上記公転速度がリング歯車36の回転速
度よりも遅ければ、上記リング歯車36の回転速度より
も出力軸31の回転速度が速くなる。反対に、上記公転
速度がリング歯車36の回転速度よりも速ければ、上記
リング歯車36の回転速度よりも出力軸31の回転速度
が遅くなる。
ダル型無段変速機32の変速比を減速側に変化させる
程、無段変速装置全体の変速比は増速側に変化する。こ
の様な高速走行時の状態では、上記トロイダル型無段変
速機32に、入力側ディスク2からではなく、出力側デ
ィスク4からトルクが加わる(低速時に加わるトルクを
プラスのトルクとした場合にマイナスのトルクが加わ
る)。即ち、前記高速用クラッチ49を接続した状態で
は、前記エンジン26から入力軸29に伝達されたトル
クは、前記押圧装置10が前記入力側ディスク2を押圧
する以前に、前記第二の動力伝達機構43を介して前記
遊星歯車機構33のリング歯車36に伝達される。従っ
て、入力軸29の側から上記押圧装置10を介して入力
側ディスク2に伝達されるトルクは殆どなくなる。
て上記遊星歯車機構33のリング歯車36に伝達された
トルクの一部は、前記各遊星歯車組37、37から、キ
ャリア39及び第一の動力伝達機構40を介して出力側
ディスク4に伝わる。この様に出力側ディスク4からト
ロイダル型無段変速機32に加わるトルクは、無段変速
装置全体の変速比を増速側に変化させるべく、トロイダ
ル型無段変速機32の変速比を減速側に変化させる程小
さくなる。この結果、高速走行時に上記トロイダル型無
段変速機32に入力されるトルクを小さくして、このト
ロイダル型無段変速機32の構成部品の耐久性向上を図
れる。
軸31を逆回転させる際には、前記低速用、高速用両ク
ラッチ48、49の接続を断つと共に、前記後退用クラ
ッチ52を接続する。この結果、上記リング歯車36が
固定され、上記各遊星歯車組37、37が、このリング
歯車36並びに前記太陽歯車35と噛合しつつ、この太
陽歯車35の周囲を公転する。そして、この太陽歯車3
5並びにこの太陽歯車35を固定した出力軸31が、前
述した低速走行時並びに上述した高速走行時とは逆方向
に回転する。
んだ状態で使用される、前述の様なトロイダル型無段変
速機は、図11に示す様に、プリセスカム23による制
御弁18(図9)の開閉制御に拘らず、トロイダル型無
段変速機32の構成部品の組み付け隙間や弾性変形等の
影響により、入力トルクの変動に伴って変速比が不必要
に変動する。この結果、エンジンの回転数が急激に変動
し、運転者に違和感を与える可能性がある。特に、トロ
イダル型無段変速機を通じて送られるトルクが変動する
場合に、上記変速比の不必要な変動が著しくなる事が、
本発明者等の研究により分かった。
上記組み付け隙間や弾性変形等が、入力トルクの変動に
伴う不必要な変速比の変動に結び付かない様にする発明
をなした(特願2001−289673号)。図12
は、この先発明の実施の形態の1例を示している。この
図12に示した無段変速装置は、ダブルキャビティ型の
トロイダル型無段変速機32aと遊星歯車機構33とを
組み合わせて成る。そして、前述の図10に示した従来
の無段変速装置の場合と同様に、低速走行時には動力を
上記トロイダル型無段変速機32aのみで伝達し、高速
走行時には動力を、主として上記遊星歯車機構33によ
り伝達すると共に、この遊星歯車機構33による変速比
を、上記トロイダル型無段変速機32aの変速比を変え
る事により調節自在としている。
2aの中心部を貫通し、両端部に1対の入力側ディスク
2A、2Bを支持した入力軸11aの先端部(図12の
右端部)と上記遊星歯車機構33を構成するリング歯車
36を支持した支持板50の中心部に固定した伝達軸4
7aとを、高速用クラッチ49を介して結合している。
尚、上記1対の入力側ディスク2A、2Bのうち、先端
側(図12の右側)の入力側ディスク2Bは上記入力軸
11aに対し、例えば前述の図7〜8に示した従来構造
の場合と同様にして、この入力軸11aと同期した回転
並びにこの入力軸11aの軸方向に関する実質的な移動
を阻止した状態で支持している。これに対して基端側
(図12の左側)の入力側ディスク2Aは上記入力軸1
1aに対し、例えばやはり図7〜8に示した従来構造の
場合と同様にして、この入力軸11aと同期した回転並
びにこの入力軸11aの軸方向に関する移動自在に支持
している。
シャフト28の出力側端部(図12の右端部)と上記入
力軸11aの入力側端部(=基端部=図12の左端部)
との間に、発進クラッチ30と油圧式の押圧装置59と
を、動力の伝達方向に関して互いに直列に設けている。
この押圧装置59は、シリンダ60内に上記基端側の入
力側ディスク2Aを油密に、且つ回転力の伝達を自在に
嵌装する事により構成している。この為に、例えば、上
記入力側ディスク2Aの外周縁部を上記シリンダ60を
構成する周壁部61の内周面に油密に且つ軸方向の変位
自在に、図示しないOリング等のシールリングを介して
摺接すると共に、上記入力側ディスク2Aと上記シリン
ダ60との間に動力伝達機構を設ける。この様な動力伝
達機構としては、例えば油密保持の為のシール構造に影
響を及ぼさない部分に設けたキー係合部、或は、上記シ
リンダ60の中心部に固定した図示しないスプライン軸
と上記入力側ディスク2A或は上記入力軸11aの基端
中心部に形成した図示しないスプライン孔とのスプライ
ン係合部等、適宜の構造を採用できる。何れにしても、
上記シリンダ60内へは、図示しない制御器の信号に基
づき、所望の油圧を導入自在としている。
を取り出す為の出力軸31を、この入力軸11aと同心
に配置している。そして、この出力軸31の周囲に前記
遊星歯車機構33を設けている。この遊星歯車機構33
を構成する太陽歯車35は、上記出力軸31の入力側端
部(図12の左端部)に固定している。従ってこの出力
軸31は、上記太陽歯車35の回転に伴って回転する。
この太陽歯車35の周囲には前記リング歯車36を、上
記太陽歯車35と同心に、且つ回転自在に支持してい
る。そして、このリング歯車36の内周面と上記太陽歯
車35の外周面との間に、それぞれが1対ずつの遊星歯
車38a、38bを組み合わせて成る、複数個の遊星歯
車組37、37を設けている。そして、これら1対ずつ
の遊星歯車38a、38bは、互いに噛合すると共に、
外径側に配置した遊星歯車38aを上記リング歯車36
に噛合させ、内径側に配置した遊星歯車38bを上記太
陽歯車35に噛合させている。この様な遊星歯車組3
7、37は、キャリア39の片側面(図12の左側面)
に回転自在に支持している。又、このキャリア39は、
上記出力軸31の中間部に、回転自在に支持している。
無段変速機32aを構成する1対の出力側ディスク4、
4とを、第一の動力伝達機構40aにより、回転力の伝
達を可能な状態に接続している。この第一の動力伝達機
構40aは、上記入力軸11a及び上記出力軸31と平
行な伝達軸62と、この伝達軸62の一端部(図12の
左端部)に固定したスプロケット63aと上記各出力側
ディスク4、4に固定したスプロケット63bとの間に
掛け渡したチェン64と、上記伝達軸62の他端(図1
2の右端)と上記キャリア39とにそれぞれ固定されて
互いに噛合した第一、第二の歯車41、42とにより構
成している。従って上記キャリア39は、上記各出力側
ディスク4、4の回転に伴って、これら出力側ディスク
4、4と反対方向に、上記第一、第二の歯車41、42
の歯数に応じた速度で回転する。尚、これは、上記1対
のスプロケット63a、63bの歯数が互いに同じ場合
である。
36とは、この入力軸11aと同心に配置された別の伝
達軸47aを介して、回転力の伝達を可能な状態に接続
自在としている。この伝達軸47aと上記入力軸11a
との間には、前記高速用クラッチ49を、これら両軸4
7a、11aに対し直列に設けている。従って図12に
示した例の場合には、上記伝達軸47aが、請求項3に
記載した第二の動力伝達機構に相当する。そして、上記
高速用クラッチ49の接続時にこの伝達軸47aは、上
記入力軸11aの回転に伴って、この入力軸11aと同
方向に同速で回転する。
モード切換手段を構成するクラッチ機構を備える。この
クラッチ機構は、上記入力軸11aと上記キャリア39
との何れか一方のみを、上記リング歯車36に接続す
る。図12に示した例の場合に、このクラッチ機構は、
上記高速用クラッチ49と、上記キャリア39の外周縁
部と上記リング歯車36の軸方向一端部(図12の右端
部)との間に設けた低速用クラッチ48とから成る。こ
れら低速用クラッチ48と高速用クラッチ49とは、何
れか一方のクラッチが接続された場合には、他方のクラ
ッチの接続が断たれる。又、図12の例では、上記リン
グ歯車36と、無段変速装置のハウジング(図示省略)
等、固定の部分との間に、後退用クラッチ52を設けて
いる。この後退用クラッチ52は、上記低速用クラッチ
48と高速用クラッチ49との何れか一方が接続された
状態では、接続が断たれる。又、この後退用クラッチ5
2が接続された状態では、上記低速用クラッチ48と高
速用クラッチ49とは、何れも接続が断たれる。
装置は、先ず、低速走行時には、上記低速用クラッチ4
8を接続すると共に、上記高速用クラッチ49及び後退
用クラッチ52の接続を断つ。この状態で上記発進クラ
ッチ30を接続し、前記入力軸11aを回転させると、
トロイダル型無段変速機32aのみが、この入力軸11
aから上記出力軸31に動力を伝達する。この様な低速
走行時には、それぞれ1対ずつの入力側ディスク2A、
2Bと出力側ディスク4、4との間の変速比を、前述の
図7〜9に示したトロイダル型無段変速機単独の場合と
同様にして調節する。
用クラッチ49を接続すると共に、上記低速用クラッチ
48及び後退用クラッチ52の接続を断つ。この状態で
上記発進クラッチ30を接続し、上記入力軸11aを回
転させると、この入力軸11aから上記出力軸31に
は、前記伝達軸47aと前記遊星歯車機構33とが、動
力を伝達する。即ち、上記高速走行時に上記入力軸11
aが回転すると、この回転は上記高速用クラッチ49及
び伝達軸47aを介してリング歯車36に伝わる。そし
て、このリング歯車36の回転が複数の遊星歯車組3
7、37を介して太陽歯車35に伝わり、この太陽歯車
35を固定した上記出力軸31を回転させる。この状態
で、上記トロイダル型無段変速機32aの変速比を変え
る事により上記各遊星歯車組37、37の公転速度を変
化させれば、上記無段変速装置全体としての変速比を調
節できる。この点に関しては、前述の図10に示した従
来構造の場合と同様である。
軸31を逆回転させる際には、前記低速用、高速用両ク
ラッチ48、49の接続を断つと共に、前記後退用クラ
ッチ52を接続する。この結果、上記リング歯車36が
固定され、上記各遊星歯車組37、37が、このリング
歯車36並びに前記太陽歯車35と噛合しつつ、この太
陽歯車35の周囲を公転する。そして、この太陽歯車3
5並びにこの太陽歯車35を固定した出力軸31が、前
述した低速走行時並びに上述した高速走行時とは逆方向
に回転する。
述の図10に示した従来構造の場合と同様に、低速走行
状態と高速走行状態との切り換え時に、上記トロイダル
型無段変速機32aを介して伝達されるトルクが急激に
変動する。そして、何らの対策も施さない場合には、前
述した様に、このトルク変動に伴って上記トロイダル型
無段変速機32aの変速比が不用意に変動してしまう。
この様な、トルク変動時に於けるトロイダル型無段変速
機32aの変速比の不用意な変動を抑えるべく、先発明
の場合には、前記押圧装置59として、前述した様な構
成を有し、前記1対の入力側ディスク2A、2Bと前記
1対の出力側ディスク4、4との間で伝達するトルクの
大きさに応じた押圧力を発生させる他、このトルクの大
きさとは独立した押圧力を、図示しない制御器からの信
号に基づいて発生自在としたものを使用している。
先発明のトロイダル型無段変速機32aの場合には、上
記制御器は、1対の入力側ディスク2A、2Bと上記1
対の出力側ディスク4、4との間で伝達するトルクの大
きさが変動する際に、上記押圧装置59に、大きな押圧
力を発生させ続ける。即ち、図12に示した無段変速装
置の運転時に伴う低速走行状態と高速走行状態との切り
換え時には、上記トロイダル型無段変速機32aを通じ
て流れるトルクの大きさ(方向)が急激に変動する。
又、この様なトルクの変動は、エンジンの出力の急激な
変動によっても生じる。この様な変動に対して何らの対
策も施さない場合には、前述した様に、上記トロイダル
型無段変速機32aの変速比が不用意に変動する。
速機32aの場合には、上述した様なトルクの変動の間
中、この変動の前後での大きい方のトルクに相当する押
圧力以上の押圧力を、上記押圧装置59に発生させ続け
る。例えば、上記トロイダル型無段変速機32aを通過
するトルクが100N・mから300N・mに急上昇す
る様な場合には、図示しない制御器が上記押圧装置59
に、実際にトルクが増大する以前から(トルクが未だ1
00N・m程度であるうちから)、300N・m以上の
トルクの伝達を行なえる当接圧を確保するのに十分な押
圧力を発生させる。反対に、上記トルクが300N・m
から100N・mに急減する様な場合には、図示しない
制御器が上記押圧装置59に、実際にトルクが低下し切
った(トルクが100N・m程度になった)後までも、
300N・m以上のトルクの伝達を行なえる当接圧を確
保するのに十分な押圧力を発生させ続ける。そして、何
れの場合も、上記トロイダル型無段変速機32aを通過
するトルクが安定した後、上記押圧装置59による押圧
力を、実際にこのトロイダル型無段変速機32aを通過
するトルクに見合ったものにする。
無段変速機によれば、伝達するトルクが変動した際に於
ける変速比の変動を抑え、運転者に与える違和感を低減
若しくは解消できる。即ち、図12に示した様な無段変
速装置に組み込んだ先発明のトロイダル型無段変速機3
2aの場合には、伝達するトルクが変動した場合でも、
上記押圧装置59が前記各入力側ディスク2A、2Bを
前記各出力側ディスク4、4に向け押圧する力の大きさ
は変化しない。この為、トルク変動に基づく構成各部の
変位量変化に基づく変速比のぶれを抑えて、トルク変動
時に変速比が不必要に変化する事を抑える事ができる。
るトロイダル型無段変速機及びこれを組み込んだ無段変
速装置の場合、トルク変動時に変速比が不必要に変化す
る事を抑える事ができるが、油圧センサの故障時に、更
に重大な故障が発生するのを防止する面からは、改良す
べき点がある。即ち、図12に示した先発明に係る構造
で、押圧装置59により一方の入力側ディスク2Aを他
方の入力側ディスク2Bに押圧する力を所望値に規制す
る為には、上記押圧装置59を構成するシリンダ60内
に導入する油圧を測定する為の油圧センサを使用する。
この油圧センサが故障した場合、何らの対策も講じてい
ない場合には、上記押圧装置59が上記一方の入力側デ
ィスク2Aを押圧する力が不足する。
は、故障に伴って油圧センサの出力信号が図13(A)
に示す様に消失した場合に、伝達トルクが同図(B)に
示す様にそのままであったとしても、上記押圧装置59
の押圧力が同図(C)に示す様に(付属の予圧ばねの弾
力だけに)低下する。そして、入力側、出力側各ディス
ク2A、2B、4の内側面2a、4aと各パワーローラ
9、9の周面9a、9a(図8参照)との当接部(トラ
クション部)の当接圧が不足し、この当接部で著しい滑
りが発生する。この結果、車両の運行が不能になるだけ
でなく、上記各面2a、4a、9aに、修理不能な程
の、著しい損傷が発生する可能性がある。
み込んだ油圧式の押圧装置に導入する油圧の制御方法と
して、特表平3−502597号公報に記載された方法
を採用できれば、油圧センサの故障時にも、上記著しい
滑りが発生する事を防止できる。即ち、上記公報に記載
されている様に、パワーローラの支持部材(ハーフトロ
イダル型無段変速機の場合にはトラニオン)を変位させ
る為の油圧式のアクチュエータの高圧室側に導入するの
と同じ油圧を、上記押圧装置内に導入する様に構成すれ
ば、この押圧装置の断面積を適正にする限り、上記著し
い滑りの発生を防止できる。
に記載された発明の場合、フルトロイダル型無段変速機
を対象としており、本発明を表す図面に示した様な、ハ
ーフトロイダル型無段変速機に適用する事は難しい。即
ち、フルトロイダル型無段変速機の場合、押圧装置に必
要とされる押圧力は、変速比に応じて変化し、減速側で
大きく、増速側で小さくなる。そして、上記アクチュエ
ータの高圧側の油圧は、大きなトラクション力を必要と
する減速側で高くなり、小さなトラクション力で済む増
速側で低くなる。この為、フルトロイダル型無段変速機
の場合には、上記高圧側の油圧を上記押圧装置に導入す
る事で、必要な押圧力を得ると言った要求を満たす事が
できる。これに対して、上記ハーフトロイダル型無段変
速機の場合には、押圧力は変速比に拘らずほぼ一定で良
いが、トラクション力は、減速側で大きくなり、増速側
で小さくなる。従って、上記特表平3−502597号
公報に記載された様に、アクチュエータの高圧側の油圧
を押圧装置に導入すると言った発明を、ハーフトロイダ
ル型無段変速機に適用する事は難しい。
段変速機及びこれを組み込んだ無段変速装置の様に、上
記押圧装置による押圧力を、伝達すべきトルクと関係な
い値にも調節する必要がある場合には、上記特表平3−
502597号公報に記載された制御方法を採用する事
は不可能になる。本発明のトロイダル型無段変速機及び
無段変速装置は、この様な事情に鑑みて発明したもので
ある。
段変速機及び無段変速装置のうち、請求項1に記載した
トロイダル型無段変速機は、前述した従来から知られて
いるトロイダル型無段変速機と同様に、第一ディスク及
び第二ディスクと、複数の支持部材と、変位軸と、パワ
ーローラと、押圧装置とを備える。このうちの第一ディ
スク及び第二ディスクは、それぞれが断面円弧形の凹面
である互いの内側面同士を対向させた状態で、互いに同
心に、且つ互いに独立した回転自在に支持されている。
又、上記各支持部材は、上記第一ディスク及び第二ディ
スクの中心軸に対し捻れの位置にある枢軸を中心として
揺動する。又、上記各変位軸は、上記各支持部材に支持
されている。又、上記各パワーローラは、上記各変位軸
の周囲に回転自在に支持された状態で、上記第一ディス
ク及び第二ディスクの内側面同士の間に挟持されたもの
で、それぞれの周面を球状凸面としている。更に、上記
押圧装置は、上記第一ディスクを上記第二ディスクに向
け押圧するものである。特に、本発明のトロイダル型無
段変速機に於いては、上記油圧制御装置は、上記油圧セ
ンサの故障時に、上記押圧装置に送り込む油圧の値を最
大とする。尚、この場合に於ける油圧の最大値とは、ト
ロイダル型無段変速機の運転時に発生する可能性がある
と考えられる範囲で設定される最大値の事を言い、一般
的には、最大トルクの伝達時に必要とされる押圧力を得
る為の油圧となる。
変速機の場合には、前述した先発明の場合と同様に、上
記押圧装置は、上記第一ディスクと上記第二ディスクと
の間で伝達するトルクの大きさに応じた押圧力を発生す
る他、このトルクの大きさとは独立した押圧力を、制御
器からの信号に基づいて発生自在としたものである。
又、この制御器は、上記第一ディスクと上記第二ディス
クとの間で伝達するトルクの大きさが変動する際に、こ
の変動の間中、この変動の前後での大きい方のトルクに
相当する押圧力以上の押圧力を上記押圧装置に発生させ
続ける機能を有するものである。
場合には、やはり前述した従来から知られている無段変
速装置と同様に、駆動源につながってこの駆動源により
回転駆動される入力軸と、この入力軸の回転に基づく動
力を取り出す為の出力軸と、トロイダル型無段変速機
と、遊星歯車機構と、上記入力軸に入力された動力をこ
のトロイダル型無段変速機を介して伝達する第一の動力
伝達機構と、上記入力軸に入力された動力を上記トロイ
ダル型無段変速機を介する事なく伝達する第二の動力伝
達機構とを備える。そして、上記遊星歯車機構は、太陽
歯車とこの太陽歯車の周囲に配置したリング歯車との間
に設けられ、この太陽歯車と同心に且つ回転自在に支持
したキャリアに回転自在に支持された遊星歯車を、上記
太陽歯車とリング歯車とに噛合させて成るものである。
又、上記第一の動力伝達機構を通じて送られる動力と上
記第二の動力伝達機構を通じて送られる動力とを、上記
太陽歯車と上記リング歯車と上記キャリアとのうちの2
個の部材に伝達自在とすると共に、これら太陽歯車とリ
ング歯車とキャリアとのうちの残りの1個の部材に上記
出力軸を結合している。又、上記入力軸に入力された動
力が上記第一の動力伝達機構と上記第二の動力伝達機構
とを通じて上記遊星歯車機構に送られる状態を切り換え
るモード切換手段を設けている。そして、このモード切
換手段は、少なくとも上記第一の動力伝達機構のみで動
力の伝達を行なう第一のモードと、この第一の動力伝達
機構と上記第二の動力伝達機構との双方で動力の伝達を
行なう第二のモードとの切換を行なうものである。特
に、請求項3に記載した無段変速装置の場合には、上記
トロイダル型無段変速機は、請求項1又は請求項2に記
載した様に、油圧センサの故障時に押圧装置に送り込む
油圧の値を最大とする油圧制御装置を組み込んでいる。
又、この押圧装置は、前述した先発明の場合と同様に、
上記モード切り換え手段が上記第一のモードと上記第二
のモードとを切り換える間中、この切換の前後での大き
い方のトルクに相当する押圧力以上の押圧力を上記押圧
装置に発生させ続けるものである。
施する場合で、トルクが急激に変動する場合にトルクの
変動幅が予測できる条件下では、この予測に基づき大き
い方のトルクに応じた押圧力を発生させる。例えば、上
述した様な無段変速装置の場合には、第一のモードと第
二のモードと(低速⇔高速)のクラッチ切り換え時に、
この切り換えの前後に於いて上記トロイダル型無段変速
機に加わるトルクの大きさを予測できる。そこで、この
様な場合には、クラッチ切り換えとアクセルセンサ等と
からの信号による、この予測に基づいて、上記押圧装置
に適切な押圧力(大きい方のトルクを伝達可能にする押
圧力)を発生させる。これに対して、急加速時や急激な
エンジンブレーキ作動時等、トルク変動の予測を行なえ
ない場合には、上記押圧装置により、上記トロイダル型
無段変速機が伝達可能なトルクの最大値(結合されるエ
ンジンの最大トルク)に対応する押圧力(最大トルクの
伝達を可能にする当接圧を得られる押圧力)を発生させ
る事が現実的である。
減する場合には、急減する直前のトルクに見合う押圧力
を発生させれば、必ずしも上記最大トルクに見合う押圧
力を発生させなくても済む。これに対してトルクが急増
する場合には、その後どこまでトルクが増大するかは、
必ずしも分からない。急激なエンジブレーキの作動時
も、トルクの伝達方向が異なるが、同様である。これに
対して、変速比のぶれを有効に防止する為には、アクセ
ルセンサ等によりトルク変動の予兆を検知した状態で制
御器により、直ちに上記押圧力を増大させる必要があ
る。そこで、トルクの変動幅の予測ができない条件下で
は、上記制御器に、アクセルセンサ、第一のモードと第
二のモードと(低速⇔高速)のクラッチ切り換え等、ト
ルク変動の予兆を検知するセンサ若しくはトルク変動に
結び付く制御が行なわれた事を検知後、直ちに最大トル
クに見合う押圧力を発生させる機能を持たせれば、上記
変速比のぶれを有効に防止できる。勿論、上記制御器
は、トルク変動が収束した後は、伝達すべきトルクに応
じた押圧力を発生させる、通常の制御に戻る。この様に
通常の制御に戻る際のトルク変動は、変化の方向及び大
きさが既知である。従って、この際のトルク変動に基づ
く変速比のぶれを抑える為の制御は容易である。
変速機及び無段変速装置によれば、油圧センサが故障し
た場合にも、車両の運行を可能にし、しかも、この故障
がより重大な故障に結び付く事を防止できる。即ち、上
記油圧センサの故障時には油圧制御装置が、押圧装置に
送り込む油圧の値を最大とする為、各ディスクの内側面
と各パワーローラの周面との当接部の当接圧を十分に確
保して、この当接部で著しい滑りが発生する事を防止す
る。この為、車両の運行を可能にすると共に、上記各面
の損傷を防止できる。この場合に、上記当接部の当接圧
が必要以上に高くなる為、この当接部の転がり抵抗が増
大して、トロイダル型無段変速機の伝達効率が悪化する
他、上記各面の転がり疲れ寿命が低下する。但し、伝達
効率の悪化は限られたものであり、トロイダル型無段変
速機を搭載した車両の運行に大きな支障を来すものでは
ない。又、上記転がり疲れ寿命の低下にしても限られた
ものであり、上記油圧センサを早期に修理すれば、トロ
イダル型無段変速機の耐久性を、実用上問題となる程に
低下させる事はない。従って、上記油圧センサの故障時
に、上記押圧装置に送り込む油圧の値を最大とすると共
に、運転席のパネル等に故障の発生を知らせる表示を出
して、乗員に修理を促せば、上記油圧センサの故障が重
大な故障に結び付く事を有効に防止できる。
の間中、この変動の前後での大きい方のトルクに相当す
る押圧力以上の押圧力を発生させ続ければ、伝達するト
ルクが変動した際に於ける変速比の変動を抑え、運転者
に与える違和感を低減若しくは解消できる。即ち、請求
項2に係るトロイダル型無段変速機の場合には、伝達す
るトルクが変動した場合でも、押圧装置が第一ディスク
を第二ディスクに向け押圧する力の大きさは変化しな
い。この為、トルク変動に基づく構成各部の変位量変化
に基づく変速比のぶれを抑えて、トルク変動時に変速比
が不必要に変化する事を抑える事ができる。尚、押圧装
置の押圧力を増大させる事に基づく変速比の変動は予測
可能である為、修正は容易である。更に、請求項3に記
載した様に、モード切換の間中、この切換の前後での大
きい方のトルクに相当する押圧力以上の押圧力を発生さ
せ続けた場合も、トロイダル型無段変速機を組み込んだ
無段変速装置の変速比の変動を抑え、運転者に与える違
和感を低減若しくは解消できる。
例を示している。尚、本発明の特徴は、油圧センサ65
の故障時にも、入力側、出力側各ディスク2A、2B、
4の内側面2a、4aと各パワーローラ9、9の周面9
a、9a(図8参照)との当接部(トラクション部)の
当接圧を確保し、この当接部で著しい滑りが発生する事
を防止する為の部分にある。その他の部分の構造及び作
用は、前述の図12に示した、先発明に係る無段変速装
置と同様であるから、同等部分には同一符号を付して重
複する説明を省略若しくは簡略にし、以下、本発明の特
徴部分を中心に説明する。
入する為に、油圧回路中に給油ポンプ66と油圧制御弁
67とを、上流側から順番に、互いに直列に設けてい
る。このうちの給油ポンプ66は、オイルタンク内に存
在する作動油(実際の場合にはケーシングの底部に溜ま
っているトラクションオイル)を吸引し、加圧してから
送り出す。又、上記油圧制御弁67は、油圧制御回路6
8からの指令信号に基づいて動作し、上記給油ポンプ6
6から吐出される圧油の圧力を所定値に制御する。上記
押圧装置59のシリンダ60内には、上記油圧制御弁6
7により所望値に制御された油圧が導入される。そし
て、上記押圧装置59が、一方の入力側ディスク2Aを
他方の入力側ディスク2Bに向け、所望の押圧力で押圧
する。
圧を所望値に制御する為、このシリンダ60と上記油圧
制御弁67とを結ぶ配管中に前記油圧センサ65を設置
し、このシリンダ60内に導入する油圧を検出自在とし
ている。そして、この油圧センサ65の検出信号を上記
油圧制御回路68に入力する事により、上記シリンダ6
0内に導入する油圧を、フィードバック制御により所望
値に制御自在としている。上記油圧制御回路68には、
上記油圧センサ65の検出信号の他、トロイダル型無段
変速機32aからの信号αと、エンジン等、変速装置外
からの信号βとを入力している。上記油圧制御回路68
は、これら両信号α、βに基づいて上記押圧装置59の
シリンダ60内に導入すべき油圧を算出し、上記油圧セ
ンサ65の検出信号に基づいてフィードバック制御を行
ないつつ、上記シリンダ60内に適正圧力の油圧を導入
する。
型無段変速機32aからの信号αとしては、このトロイ
ダル型無段変速機32aの通過トルク、各パワーローラ
9、9の傾転角、入力側、出力側各ディスク2A、2
B、4等の各回転部分の回転速度等がある。又、エンジ
ン等からの信号βとしては、スロットル開度やクランク
シャフトの回転数等がある。更に、発進クラッチ30
や、低速用、高速用、後退用各クラッチ48、49、5
2等の繋がり状態を表す信号、エンジンの出力マップに
基づく、このエンジンの出力を表す信号等、上記トロイ
ダル型無段変速機32aのトラクション部に必要とされ
る接触圧に関連する、各種状態を表す信号を、上記油圧
制御回路68に適宜入力する。
油の一部は、第二の油圧制御弁69を介して、トラニオ
ン7を変位させる為のアクチュエータ17の高圧室70
と低圧室71とに導入している。これら高圧室70と低
圧室71との圧力差は、上記トロイダル型無段変速機3
2aの通過トルクが大きくなる程大きくする。尚、この
点に就いては、トロイダル型無段変速機として一般的な
技術であって、前述の特表平3−502597号公報に
も記載されており、本発明とは直接関係しない為、詳し
い説明は省略する。
8は、上記油圧センサ65の故障時に、前記押圧装置5
9に送り込む油圧の値を最大とする。この為に、上記油
圧制御回路68に対する上記油圧センサ65の接続状態
をb接点とし、この油圧センサ65の故障に基づいて、
油圧を表す信号が上記油圧制御回路68に送り込まれな
くなった場合に、この油圧制御回路68内の接点が閉じ
られる様にしている。この為、上記油圧センサ65の故
障時に上記油圧制御回路68は、上記押圧装置59に送
り込む油圧の値を最大とする。尚、この場合に於ける油
圧の最大値とは、上記トロイダル型無段変速機32aを
組み込んだ無段変速装置の運転時に、このトロイダル型
無段変速機32aを通じて流れる可能性があると考えら
れる範囲で設定される最大値の事を言う。上記無段変速
装置の場合、低速用クラッチ48を接続し、高速用、後
退用両クラッチ49、52の接続を断った状態で、上記
トロイダル型無段変速機32aによりエンジンの最大ト
ルクを伝達する際に必要とされる押圧力を得る為の油圧
となる。
ル型無段変速機32aを組み込んだ無段変速装置によれ
ば、上記油圧センサ65が故障した場合にも、この無段
変速装置を搭載した車両の運行を可能にすると共に、こ
の故障がより重大な故障に結び付く事を防止できる。即
ち、図2(A)に示す様に、上記油圧センサ65の故障
に伴ってこの油圧センサ65からの信号が途絶えた場合
に、この油圧センサ65からの信号を受け入れて開閉動
作される、前記油圧制御回路68の接点(b接点)が閉
じられたままとなる。この結果、同図(C)に示す様
に、この油圧制御回路68が前記油圧制御弁67に対
し、前記押圧装置59に送り込む油圧の値を最大とす
る。従って、同図(B)に示す様に、伝達トルクがその
ままであったとしても、この押圧装置59が、上記最大
トルクを伝達可能な力で、前記一方の入力側ディスク2
Aを他方の入力側ディスク2Bに向け押圧する。この
為、これら各ディスク2A、2Bの内側面2a、4aと
前記各パワーローラ9、9の周面9a、9aとの当接部
の当接圧を十分に確保して、この当接部で著しい滑りが
発生する事を防止する。そして、上記車両の運行を可能
にして、例えば修理工場まで自走により持ち込む事を可
能にすると共に、上記各面2a、4a、9aの損傷を防
止できる。
って上記押圧装置59が上記一方の入力側ディスク2A
を大きな力で押圧する場合には、上記最大トルクを伝達
する場合を除き、上記当接部の当接圧が必要以上に高く
なる。この為、この当接部の転がり抵抗が増大して、上
記トロイダル型無段変速機32aを組み込んだ無段変速
装置の伝達効率が悪化する他、上記各面2a、4a、9
aの転がり疲れ寿命が低下する。但し、伝達効率の悪化
は限られたものであり、上記トロイダル型無段変速機3
2aを組み込んだ無段変速装置を搭載した車両の運行に
大きな支障を来すものではない。又、上記転がり疲れ寿
命の低下にしても限られたものであり、上記油圧センサ
65を早期に修理すれば、上記トロイダル型無段変速機
32aの耐久性を、実用上問題となる程に低下させる事
はない。
5の故障時にも、上記トロイダル型無段変速機32aを
組み込んだ無段変速装置は、通常と殆ど変わらない状態
で作動する。言い換えれば、車両の性能に関して相当に
敏感な運転者でない限り、上記押圧装置59による押圧
力が大きくなったままの状態である事には気が付かない
可能性がある。この為、そのまま対策を施さない場合に
は、上記トロイダル型無段変速機32aの耐久性を問題
となる程に低下させる可能性がある。従って、本発明を
実施する場合に好ましくは、上記油圧センサ65の故障
時に、上記押圧装置59に送り込む油圧の値を最大とす
ると共に、運転席のパネル等に故障の発生を知らせる表
示を出して、乗員に修理を促す。この様にすれば、上記
油圧センサ65の故障が、上記各面2a、4a、9aの
転がり疲れ寿命低下に基づく早期剥離等の重大な故障に
結び付く事を有効に防止できる。
トロイダル型無段変速機であれば、他の種々の構造を有
するもので実施する事ができる。例えば、特開2000
−220719号公報に記載されている様に、トロイダ
ル型無段変速機と複数段の遊星歯車機構とを組み合わせ
た無段変速装置にも本発明を適用できる。この無段変速
装置も、低速モードと高速モードとの2種類のモードを
有し、モードを切り替える際に、前述の図1に示した無
段変速装置の場合と同様にトルクの変動が生じる。従っ
て、この様な無段変速装置に本発明を適用する事は有効
である。
用して、油圧センサの故障時にも、より重大な損傷が発
生する事を防止できる。この為、特に面倒な制御を行な
う事なく、しかも運転者に違和感を与えないトロイダル
型無段変速機及び無段変速装置の信頼性を確保して、こ
の様なトロイダル型無段変速機及び無段変速装置の実現
に寄与できる。
る、油圧センサの出力信号と、伝達すべきトルクと、押
圧装置による押圧力とを示す線図。
速時の状態で示す略側面図。
を示す要部断面図。
を示す要部断面図。
速装置の1例を示す略断面図。
速比がぶれる状態を示す線図。
図。
油圧センサが故障した場合に於ける、油圧センサの出力
信号と、伝達すべきトルクと、押圧装置による押圧力と
を示す線図。
Claims (3)
- 【請求項1】 それぞれが断面円弧形の凹面である互い
の内側面同士を対向させた状態で、互いに同心に、且つ
互いに独立した回転自在に支持された第一ディスク及び
第二ディスクと、これら第一ディスク及び第二ディスク
の中心軸に対し捻れの位置にある枢軸を中心として揺動
する複数の支持部材と、これら各支持部材に支持された
変位軸と、これら各変位軸の周囲に回転自在に支持され
た状態で、上記第一ディスク及び第二ディスクの内側面
同士の間に挟持された、それぞれの周面を球状凸面とし
たパワーローラと、上記第一ディスクを上記第二ディス
クに向け押圧する油圧式の押圧装置と、この押圧装置に
導入する油圧を測定する油圧センサと、この油圧センサ
の測定値に基づいてこの押圧装置に導入する油圧を制御
する油圧制御装置とを備えたトロイダル型無段変速機に
於いて、この油圧制御装置は、上記油圧センサの故障時
に、上記押圧装置に送り込む油圧の値を最大とする事を
特徴とするトロイダル型無段変速機。 - 【請求項2】 油圧制御装置は、第一ディスクと第二デ
ィスクとの間で伝達するトルクの大きさに応じた油圧を
発生する他、このトルクの大きさとは独立した油圧を発
生自在としたものであり、上記油圧制御装置は、上記第
一ディスクと上記第二ディスクとの間で伝達するトルク
の大きさが変動する際に、この変動の間中、この変動の
前後での大きい方のトルクに相当する押圧力以上の押圧
力を押圧装置に発生させる為の油圧をこの押圧装置に導
入し続ける機能を有するものである、請求項1に記載し
たトロイダル型無段変速機。 - 【請求項3】 駆動源につながってこの駆動源により回
転駆動される入力軸と、この入力軸の回転に基づく動力
を取り出す為の出力軸と、トロイダル型無段変速機と、
遊星歯車機構と、上記入力軸に入力された動力をこのト
ロイダル型無段変速機を介して伝達する第一の動力伝達
機構と、上記入力軸に入力された動力を上記トロイダル
型無段変速機を介する事なく伝達する第二の動力伝達機
構とを備え、上記遊星歯車機構は、太陽歯車とこの太陽
歯車の周囲に配置したリング歯車との間に設けられ、こ
の太陽歯車と同心に且つ回転自在に支持したキャリアに
回転自在に支持された遊星歯車を、上記太陽歯車とリン
グ歯車とに噛合させて成るものであり、上記第一の動力
伝達機構を通じて送られる動力と上記第二の動力伝達機
構を通じて送られる動力とを、上記太陽歯車と上記リン
グ歯車と上記キャリアとのうちの2個の部材に伝達自在
とすると共に、これら太陽歯車とリング歯車とキャリア
とのうちの残りの1個の部材に上記出力軸を結合してお
り、又、上記入力軸に入力された動力が上記第一の動力
伝達機構と上記第二の動力伝達機構とを通じて上記遊星
歯車機構に送られる状態を切り換えるモード切換手段を
設けており、このモード切換手段は、少なくとも上記第
一の動力伝達機構のみで動力の伝達を行なう第一のモー
ドと、この第一の動力伝達機構と上記第二の動力伝達機
構との双方で動力の伝達を行なう第二のモードとの切換
を行なうものであり、上記トロイダル型無段変速機は請
求項1又は請求項2に記載したトロイダル型無段変速機
であって、このトロイダル型無段変速機に組み込んだ油
圧制御装置は、上記モード切り換え手段が上記第一のモ
ードと上記第二のモードとを切り換える間中、この切換
の前後での大きい方のトルクに相当する押圧力以上の押
圧力を上記押圧装置が発生する油圧をこの押圧装置に導
入し続ける無段変速装置。
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