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JP3136216B2 - 不等ピッチスプリングの配向検知装置 - Google Patents

不等ピッチスプリングの配向検知装置

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JP3136216B2
JP3136216B2 JP05057683A JP5768393A JP3136216B2 JP 3136216 B2 JP3136216 B2 JP 3136216B2 JP 05057683 A JP05057683 A JP 05057683A JP 5768393 A JP5768393 A JP 5768393A JP 3136216 B2 JP3136216 B2 JP 3136216B2
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雅彦 富岡
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Daihatsu Motor Co Ltd
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Daihatsu Motor Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は不等ピッチスプリングの
配向検知装置に関する。
【0002】
【従来の技術】不等ピッチスプリング(以下、スプリン
グという)とは、コイルの中心線方向におけるコイル巻
線ピッチが均等でないものをいい、とくに図8に示すよ
うに、スプリング1の両端部におけるピッチが一端部で
大きく(巻線2の中心間ピッチがn)、他端部で小さい
(巻線2の中心間ピッチがm)ものをいう。このような
スプリング1は、例えば自動車エンジンのバルブ開閉機
構にサージング対策等のために採用され、コイルピッチ
が密の一端部1aをヘッド側に、疎の一端部1bをカム
側にして装着される。
【0003】自動車のエンジン組立てラインでは、前記
スプリング1が所定の配向でパーツフィーダーにて連続
的にスプリング取付け装置に供給される。このパーツフ
ィーダー内には、図5に示すように、スプリング1の配
向を検知する装置4と、配向が逆のものを反転する装置
10と、最終的にスプリング1の配向を検査する装置1
1が組み込まれている。パーツフィーダー9による処理
の流れは図6に示される。
【0004】以下に、スプリング配向検知装置4の構造
とパーツフィーダー9における処理の内容について、説
明する。スプリングの配向検知装置としては光学的手段
を利用したものが一般的であり、例えば図4に示すもの
が知られている。この装置4は、照明部5(図5では図
示省略)、撮像部7および演算判定部8により構成され
る。
【0005】装置4は、不等ピッチスプリング1の少な
くとも一端部に、コイル中心線方向Yと平行なスリット
光6を照明部5より照射し、そのスリット光6を照射さ
れた不等ピッチスプリング1の一端部の直線上に並ぶ被
照明部分3からの反射光6’を撮像部7により撮像す
る。そして、前記撮像部7で得られた画像から、不等ピ
ッチスプリング1の一端における隣接する被照明部分3
のピッチを、演算判定部8により演算する。その演算値
をしきい値と比較することで、その一端部のピッチの疎
密を判断し、不等ピッチスプリング1の配向を判定する
ものである。そして、スプリングの配向が狙いと逆とな
っていると判定したときは、スプリング反転装置10に
よりスプリング1を反転させる。また、スプリング1の
配向が狙いの向きとなっていると判定したときは、スプ
リング1を反転させることなくスプリング反転装置10
を通過させる。これらの方向づけがされたスプリング
は、前記のスプリング配向検知装置4と同様の機能を有
する検査装置11により再度検査され、問題がなけれ
ば、図示されないスプリング取付け装置に供給され、問
題がある場合には、セット方向不良あるいは不良品とし
て、スプリング取付け装置に供給せずに、排出され、ス
プリングの組付け方向の間違いや不良品の組付けが防止
される。
【0006】ところで、スプリングの巻線の両端では、
通常、図3に示すように、巻終わりのためピッチが減少
している箇所があるので、上記スプリング配向検知装置
では、そのような影響が少ない2番目以降の巻線ピッチ
を抽出することとして判定の正確を期している。図9
は、図3のスプリング1の線間巻数と巻線ピッチの関係
を表したものであるが、例えば、2番目の巻線ピッチと
してとり得る値は、ピッチが密の側ではPamin〜P
amax(線間巻数が2〜3)であり、ピッチが疎の側
ではPbmax〜Pbmin(線間巻数が7〜8)であ
る。前記しきい値は、ピッチ疎の側の最小ピッチPbm
inを採用し、抽出されたピッチがPbminより小さ
い場合には、密であると判断し、抽出されたピッチがP
bminより大きい場合には、疎であると判断するもの
である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記のスプリ
ングの配向を検知する装置には、次のような問題が生じ
ていた。スプリングは任意の周方向位相でスプリング配
向検知装置にセットされるため、スリット光6が照射さ
れる位相(母線)によっては、密の側でも、P3で示さ
れるような線ピッチを抽出する場合があり、P3はしき
い値Pbminより大きいため、疎であると判断され
る。このため、スプリングの配向には何ら問題がないの
に、スプリングが反転装置により不必要に反転された
り、検査装置で配向不良として排出されるなど、実質的
にパーツフィーダーの稼働率を低下させるという問題が
あった。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、スプリングの
中心線方向の両端部におけるコイル巻線のピッチが相違
する不等ピッチスプリングの配向を検知する装置であっ
て、前記不等ピッチスプリングの両端部のピッチを、前
不等ピッチスプリングの外周面上の周方向に異なる2
か所以上で測定し、各測定値をピッチ疎の側の最小ピッ
チに設定したしきい値またはピッチ密の側の最大ピッチ
に設定したしきい値と比較することを特徴とする不等ピ
ッチスプリングの配向検知装置により、上記課題を解決
する。
【0009】
【作用】既述のように、スプリングの端部のピッチがス
プリングの周方向の抽出位置によっては、密であるにも
かかわらず、疎と判断される場合があるが、かかる場
そのピッチ抽出位置とスプリング外周上で周方向位
相をずらした位置でピッチを抽出すれば、ピッチの疎密
に明確な差があり、判断が正確になることが多い。本発
明に係る装置は、不等ピッチスプリングの両端部それぞ
れで、不等ピッチスプリングの外周面方向の異なる2か
所以上の巻線ピッチを抽出し、得られた全ての巻線ピッ
チの値と、ピッチ疎の側の最小ピッチに設定したしきい
値またはピッチ密の側の最大ピッチに設定したしきい値
を比較するため、必ずピッチの疎密に明確な差がある部
位が判定の対象に含まれ、スプリングのセット時の位相
に影響されず、正確にスプリング配向の検知がなされ
る。
【0010】
【実施例】以下、本発明実施例を図1〜3を参照して説
明する。図1は、不等ピッチスプリングの配向検知装置
を示す。この不等ピッチスプリング配向検知装置4は、
照明部5、13と、撮像部7、15と、撮像部16、1
7(撮像部7、15の向う側に位置する。図2参照)
と、演算判定部8により構成される。
【0011】照明部5、13は、所定位置に横置きされ
たスプリング1に対し互いに反対方向からスプリング1
の全長に亘ってスプリング1の中心線と平行なスリット
光6、14を照射する。照射位置は、スプリング1の位
置が図1(A)のX方向およびZ方向にずれても確実に
反射光が得られる範囲L1およびをL2を実験的に求
め、L1、L2のほぼ中央が照射されるように設定す
る。また、Y方向のずれについてはスリット光6、14
の幅S1、S2を広くとることで対応している。スリッ
ト光6、14によって、被照明部分3、12がスプリン
グ1の外周面に形成される。これらの被照明部分3、1
2はそれぞれスプリング1の巻線2ピッチに応じた間隔
で一直線上(各母線上)に並んだ点状光源となる。
【0012】撮像部7、15、16、17は,それぞれ
フィルタ7a、15a、16a、17a、レンズ7b、
15b、16b、17bおよびカメラ7c、15c、1
6c17cを備える。撮像部7、16は、スリット光6
のスプリング1による反射光6’が撮像できる位置にス
プリングの中心線方向に並んで配置される。撮像部1
5、17は、同様に反射光14’が撮像できる位置にス
プリング1の中心線方向に並んで配置される。反射光
6’、14’のうちスプリング1の一端部1a付近のも
のを、それぞれ撮像部7、15で撮像し、また、スプリ
ング1からのレーザー反射光6’、14’のうちスプリ
ング1の一端部1b付近のものを、それぞれ撮像部1
6、17で撮像する。
【0013】例えば、カメラ7cは反射光6’からスプ
リング1の被照明部分3のうち、1a付近を撮像して、
その画像18の画像信号を演算判定部8に出力する。カ
メラ15、16、17も同様にして、画像信号を演算判
定部8に出力する。撮像部7に設けたフィルタ7aは、
反射光6’以外のスプリング1からの外乱光をカットす
る。したがって、撮像部7で得られた画像は、スプリン
グ1の被照明部分3のうち、図3(B)に示すように1
a付近の点状の画像18となり、後の画像処理を容易に
し、画像処理の正確性が増す。ただし、撮像部7に、反
対側に設けられた照明部13からのスリット光14が直
接入射する場合は、その影響で、撮像部7は本来撮像す
べきスプリング1の被照明部分3を捉えられないので、
図1(A)のごとく、撮像部7にスリット光14が直接
入射しない位置に照明部13を配置する必要がある。こ
のような位置関係は、撮像部7、15、16、17と照
明部5、13のすべての組合わせで必要である。
【0014】演算判定部8は、撮像部7からの画像信号
を例えば図7に示すフローチャートの如く演算処理し
て、スプリング1の配向を判定する。詳細には以下のよ
うにして、処理される。演算判定部8は撮像部7から画
像入力が行われると、まず、一直線上に並ぶ複数の点状
画像18のラベリング(番号付け)を行う。次に、ラベ
リングされた各画像18の重心座標の計算を行う。つま
り、点状画像の18の形状、面積は不安定であるので、
各画像18の中心点の座標を、重心法で計算し、図3
(C)に示すような重心座標19を算出する。この重心
座標19は、スプリング1における巻線2の各照明部分
の中心点に相当する。
【0015】演算判定部8はその後、隣接する重心座標
19の距離を演算して、スプリング1の巻線ピッチの計
算を行い、スプリング1の一端部1aの2番目の巻線ピ
ッチP1を算出する。スプリング1の一端部1aから、
2番目の巻線ピッチP1を抽出するのは、スプリングの
最端部では、巻終わりのため疎密の別にかかわらずピッ
チが減少しているためである。撮像部15、16、17
からの画像入力に対しても、演算判定部8は同様の処理
を行い、各画像入力に対応して、図2(A)に示される
スプリング1の端部から2番目の巻線ピッチP2、P
3、P4を算出する。図2(A)からわかるように、P
1、P3はスプリングの密側のピッチであり、P2、P
4はスプリングの疎側のピッチである。
【0016】さらに、演算判定部8は各巻線ピッチP
1、P2、P3、P4と、スプリング1の品種に応じて
設定されたしきい値とを比較して、しきい値より小さい
巻線ピッチを密であると判断する。ここで、しきい値
は、スプリング1のピッチが疎である一端部1bの2番
目の巻線ピッチの最小値Pbminを採用する。そうす
ると、P2、P4は、必ずしきい値より大きいか、同じ
となり、実際は巻線ピッチが疎であるにも拘らず、密で
あると判断されることはない。一方、スプリング1のピ
ッチが密である一端部1aで、スプリング1の外周面方
向のピッチ抽出位置によって、例えば撮像される2番目
の巻線ピッチがP3である場合には、しきい値より大き
い値となり、密であることが検出できないのであるが、
本実施例のようにスプリング1の外周面上のほぼ反対側
の別の1箇所で、別の2番目の巻線ピッチP1を抽出す
れば、P1はしきい値Pbminよりも小さい値である
ため、必ず密であると判断される。
【0017】したがって、スプリング1が良品である限
り、その両端部の疎密が確実に判定されることになり、
また、スプリング1が不良品であれば、その両端部とも
に疎または密として確実に不良品であると判定される。
なお、しきい値は、ピッチが密である側の最大値Pam
axを採用してもよい。以上のようにして、スプリング
ピッチの疎密が判断される結果、スプリングの配向ある
いはスプリング自体の良否の判断が正確かつ確実に可能
となる。
【0018】なお、本実施例では、特に説明をしていな
いが、スプリングがパーツフィーダー内で反転装置を通
過後に、スプリング配向を検査する装置に同様の装置を
用いてもよい。ただし、この場合には一度配向について
判定された後であるので、必ずしもスプリングの両端部
で検査する必要はなく、図2で示される20、21のよ
うに一端部にのみ設けてもよい。本実施例では、一直線
上に並んだ二組の点状光源(被照射部)列を計4台のカ
メラを用いて撮像したが、同一直線上の点状光源列は1
台のカメラで両端部を撮像してもよい。また、スリット
光の照射による点状光源列ではなく、予めスプリングの
両端部の巻線外面にペンキを点状に塗布しておき、画像
からペンキ塗布部分を抽出することによって、ピッチ
を、検出してもよい。その他、本発明の要旨を逸脱しな
い範囲で種々の応用が可能である。
【0019】
【発明の効果】本発明の不等ピッチスプリング配向検知
装置は、不等ピッチスプリングの両端部において、それ
ぞれでスプリング外周方向に異なる2箇所以上の位置の
巻線ピッチを算出し、各測定値をピッチ疎の側の最小ピ
ッチに設定したしきい値またはピッチ密の側の最大ピッ
チに設定したしきい値と比較するので、外周上の1箇所
で巻線ピッチを算出する場合のようにスプリングの外周
方向のセット位相によって誤判定をするようなことがな
く、正確かつ確実にスプリングの配向検知およびスプリ
ング自体の良否の判定をすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)は本発明の不等ピッチスプリングの配向
検知装置の一実施例を示す平面図、(B)は正面図。
【図2】図1の装置を含むパーツフィーダーを示す概略
図。
【図3】図1の装置によるスプリングの配向判定のため
の画像処理を説明するための図で、(A)はスプリング
の側面図、(B)はスプリングの照明された部分の画像
図、(C)は重心法による画像処理後の画像図。
【図4】(A)は、従来の不等ピッチスプリングの配向
検知装置を示す平面図、(B)は正面図。
【図5】図4の装置を含むパーツフィーダーを示す概略
図。
【図6】パーツフィーダーにおける処理の概略を示すフ
ローチャート。
【図7】図1の装置によるスプリング配向判定の画像処
理動作順序例を示すフローチャート。
【図8】不等ピッチスプリングの一例を示す側面図。
【図9】図2(A)の不等ピッチスプリングの巻数と巻
線ピッチの関係を表す図。
【符号の説明】
1 不等ピッチスプリング 2 スプリング巻線 3 被照明部分 5 照明部 6 スリット光 6’ 反射光 7 撮像部 8 演算判定部 10 スプリング反転装置 12 被照明部分 13 照明部 14 スリット光 14’ 反射光 15 撮像部 16 撮像部 17 撮像部

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スプリングの中心線方向の両端部におけ
    るコイル巻線のピッチが相違する不等ピッチスプリング
    の配向を検知する装置であって、前記不等ピッチスプリ
    ングの両端部のピッチを、前記不等ピッチスプリングの
    外周面上の周方向に異なる2か所以上で測定し、各測定
    値をピッチ疎の側の最小ピッチに設定したしきい値また
    はピッチ密の側の最大ピッチに設定したしきい値と比較
    することを特徴とする不等ピッチスプリングの配向検知
    装置。
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