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JP2004191325A - 欠陥検査方法 - Google Patents

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JP2004191325A JP2002362712A JP2002362712A JP2004191325A JP 2004191325 A JP2004191325 A JP 2004191325A JP 2002362712 A JP2002362712 A JP 2002362712A JP 2002362712 A JP2002362712 A JP 2002362712A JP 2004191325 A JP2004191325 A JP 2004191325A
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Abstract

【課題】被検査物の位置ズレの影響を受けずに欠陥の検出感度を一定に維持
し、簡単な構成で高精度な欠陥検出を実現する。
【解決手段】ライン状照明手段とラインセンサとを備え、ライン状照明手段
およびラインセンサに対して相対的に移動する被検査物の表面にライン状照明手段によりライン状の光を照射し、その反射光を被検査物の移動に同期してラインセンサにより順次撮像し、被検査物表面の2次元画像データとして入力し、その2次元画像データを処理することにより被検査物上の欠陥部の特徴量を算出し被検査物の良否を判定する欠陥検査方法において、被検査物上におけるラインセンサの撮像位置を測定し、予め実験により求められた撮像位置と欠陥の特徴量の関係を基に欠陥の良否判定のための特徴量を補正する。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、製品の画像を撮像し、得られた画像データを処理することにより製品を検査する検査技術に関し、例えば複写機やレーザープリンタなどに使用される感光体ドラムの自動外観検査等に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ラインセンサを用いて微小な凹凸などの欠陥を検出する方法として「表面層欠陥検出装置」がある(特許文献1参照。)。これは、ラインセンサの視野をライン状光源による輝線の境界部にするものである。
また、他の「表面欠陥検出装置」もある(特許文献2参照。)。これはラインセンサを移動させることにより被検査物とラインセンサの相対位置を一定に維持するものである。
【0003】
【特許文献1】
特許第2712940号公報
【特許文献2】
特開平10−122841号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前者は、実際の検査では回転振れや被検査物の初期位置により視野が変化してしまい検出感度を一定に保つことができないという課題があった。
また、後者は、ラインセンサの移動機構が必要となり機構が複雑になってしまうという課題があった。
【0005】
そこで前記課題を解決するために、請求項1の発明では、被検査物上におけるラインセンサの撮像位置を測定し、予め実験により求められた撮像位置と欠陥の特徴量の関係を基に欠陥の良否判定のための特徴量を補正することで被検査物の位置ズレの影響を受けずに欠陥の検出感度を一定に維持し、簡単な構成で高精度な欠陥検出を実現することを目的とする。
【0006】
請求項2の発明では、撮像位置をポイントで測定する手段を備え、被検査物の移動と同期して1次元の撮像位置データを測定し、2次元画像データを処理することにより算出した被検査物上の欠陥部の特徴量をその欠陥部の副走査方向の位置に対応した撮像位置を基に良否判定の特徴量を補正することで被検査物全体の位置ズレの影響を受けずに欠陥の検出感度を一定に維持し、簡単な構成で高精度な欠陥検出を実現することを目的とする。
【0007】
請求項3の発明では、撮像位置をポイントで測定する手段が変位計により被検査物の表面の変位を計測し、測定された被検査物表面の変位データをもって撮像位置とすることで簡単な構成で高精度な欠陥検出を実現することを目的とする。
【0008】
請求項4の発明では、撮像位置をポイントで測定する手段として画像入力用のラインセンサと直交する位置に撮像位置測定用のラインセンサを備え、被検査物表面における反射光の分布を撮像位置測定用のラインセンサにより入力し、入力された被検査物表面における反射光の分布から撮像位置を算出することで被検査物全体の位置ズレに起因する反射光分布の変動の影響を受けない高精度な欠陥検出を実現することを目的とする。
【0009】
請求項5の発明では、撮像位置測定用のラインセンサより入力された被検査物表面の反射光の分布における正反射光成分の中心をもって撮像位置データとし、その反射光分布における正反射光成分の中心を求める方法が反射光の輝度分布の最大値あるいは重心を算出する方法であることで被検査物全体の位置ズレに起因する反射光分布、特に正反射光成分の変動の影響を受けない高精度な欠陥検出を実現することを目的とする。
【0010】
請求項6の発明では、撮像位置測定用のラインセンサより入力された被検査物表面の反射光の分布における正反射光成分の端部をもって撮像位置データとし、その反射光分布における正反射光成分の端部を求める方法が反射光の輝度が所定の輝度である位置あるいは反射光の輝度が所定の変化率となる位置とする方法であることで被検査物全体の位置ズレに起因する反射光分布、特に正反射光成分境界部の変動の影響を受けない高精度な欠陥検出を実現することを目的とする。
【0011】
請求項7の発明では、複数の箇所で撮像位置を測定し、被検査物の画像データ上の領域ごとに対応する撮像位置データを基に良否判定のための特徴量を補正することで領域ごとに適切に特徴量を補正する高精度な欠陥検出を実現することを目的とする。
【0012】
請求項8の発明では、複数の箇所で撮像位置を測定し、被検査物の画像データ上の欠陥部の座標を算出し、複数の撮像位置データより欠陥部の撮像位置を算出し、算出された欠陥部の撮像位置を基に良否判定のための特徴量を補正することで欠陥の位置に対応して適切に特徴量を補正する高精度な欠陥検出を実現することを目的とする。
【0013】
請求項9の発明では、撮像位置をライン状に測定する手段を備え、被検査物の移動と同期して2次元の撮像位置データを測定し、2次元画像データを処理することにより算出した被検査物上の欠陥部の特徴量をその欠陥部の位置に対応した撮像位置データを基に良否判定の特徴量を補正することで欠陥の位置に対応して適切に特徴量を補正する高精度な欠陥検出を実現することを目的とする。
【0014】
請求項10の発明では、撮像位置をライン状に測定する手段が撮像位置測定用のエリアセンサであり、被検査物表面における反射光の分布を撮像位置測定用のエリアセンサにより入力し、入力された被検査物表面における反射光の分布から撮像位置をライン状に算出することで被検査物の位置ズレに起因する反射光分布の変動の影響を受けない高精度な欠陥検出を実現することを目的とする。
【0015】
請求項11の発明では、撮像位置測定用のエリアセンサより入力された被検査物表面の反射光の分布における正反射光成分の中心をもって撮像位置データとし、その反射光分布における正反射光成分の中心を求める方法が反射光の輝度分布の最大値あるいは重心を算出する方法であることで被検査物の位置ズレに起因する反射光分布、特に正反射光成分境界部の変動の影響を受けない高精度な欠陥検出を実現することを目的とする。
【0016】
請求項12の発明では、撮像位置測定用のエリアセンサより入力された被検査物表面の反射光の分布における正反射光成分の端部をもって撮像位置データとし、その反射光分布における正反射光成分の端部を求める方法が反射光の輝度が所定の輝度である位置あるいは反射光の輝度が所定の変化率となる位置とする方法であることで被検査物の位置ズレに起因する反射光分布、特に正反射光成分境界部の変動の影響を受けない高精度な欠陥検出を実現することを目的とする。
【0017】
請求項13の発明では、撮像位置をライン状に測定する手段が被検査物の画像データより撮像位置を算出する方法であることで特に撮像位置を測定するための入力装置などを必要としない簡易な方法で高精度な欠陥検出を実現することを目的とする。
【0018】
請求項14の発明では、測定された撮像位置データに低周波通過フィルタ処理し、低周波通過処理後の撮像位置データをもとに良否判定の特徴量を補正することで画像入力時のノイズや被検査物状の欠陥部の影響を受けずに高精度な欠陥検出を実現することを目的とする。
【0019】
請求項15の発明では、検出する欠陥が濃淡欠陥であることで被検査物の位置ズレに起因する反射光量の変動の影響を受けない高精度な欠陥検出を実現することを目的とする。
【0020】
請求項16の発明では、検出する欠陥が凹凸欠陥であることで被検査物の位置ズレに起因するラインセンサが検出する正反射成分と散乱光成分の比率の変動の影響を受けない高精度な欠陥検出を実現することを目的とする。
【0021】
請求項17の発明では、欠陥の種類を判定する欠陥識別手段を備え、検出された欠陥部の種類を欠陥識別手段により判定し、欠陥識別手段により出力された欠陥の種類ごとに予め実験により求められた撮像位置と欠陥の特徴量の関係を基に欠陥の良否判定のための特徴量を補正することで欠陥の種類に対応した高精度な欠陥検出を実現することを目的とする。
【0022】
【課題を解決するための手段】
そこで上記課題を解決するために、請求項1の発明は、被検査物にライン状の参照光を照射するライン状照明手段と、被検査物表面の反射光を入力するラインセンサとを備え、ライン状照明手段およびラインセンサに対して相対的に移動する被検査物の表面にライン状照明手段によりライン状の光を照射し、その反射光を被検査物の移動に同期してラインセンサにより順次撮像し、被検査物表面の2次元画像データとして入力し、その2次元画像データを処理することにより被検査物上の欠陥部の特徴量を算出し被検査物の良否を判定する欠陥検査方法において、被検査物上におけるラインセンサの撮像位置を測定し、予め実験により求められた撮像位置と欠陥の特徴量の関係を基に欠陥の良否判定のための特徴量を補正することを特徴とする。
【0023】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、撮像位置をポイントで測定する手段を備え、被検査物の移動と同期して1次元の撮像位置データを測定し、2次元画像データを処理することにより算出した被検査物上の欠陥部の特徴量をその欠陥部の副走査方向の位置に対応した撮像位置を基に良否判定の特徴量を補正することを特徴とする。
【0024】
請求項3の発明は、請求項2の発明において、撮像位置をポイントで測定する手段が変位計により被検査物の表面の変位を計測し、測定された被検査物表面の変位データをもって撮像位置とすることを特徴とする。
【0025】
請求項4の発明は、請求項2の発明において、撮像位置をポイントで測定する手段として画像入力用のラインセンサと直交する位置に撮像位置測定用のラインセンサを備え、被検査物表面における反射光の分布を撮像位置測定用のラインセンサにより入力し、入力された被検査物表面における反射光の分布から撮像位置を算出する方法であることを特徴とする。
【0026】
請求項5の発明は、請求項4の発明において、撮像位置測定用のラインセンサより入力された被検査物表面の反射光の分布における正反射光成分の中心をもって撮像位置データとし、その反射光分布における正反射光成分の中心を求める方法が反射光の輝度分布の最大値あるいは重心を算出する方法であることを特徴とする。
【0027】
請求項6の発明は、請求項4の発明において、撮像位置測定用のラインセンサより入力された被検査物表面の反射光の分布における正反射光成分の端部をもって撮像位置データとし、その反射光分布における正反射光成分の端部を求める方法が反射光の輝度が所定の輝度である位置あるいは反射光の輝度が所定の変化率となる位置とする方法であることを特徴とする。
【0028】
請求項7の発明は、請求項1乃至6のいずれかの発明において、複数の箇所で撮像位置を測定し、被検査物の画像データ上の領域ごとに対応する撮像位置データを基に良否判定のための特徴量を補正することを特徴とする。
【0029】
請求項8の発明は、請求項1乃至6のいずれかの発明において、複数の箇所で撮像位置を測定し、被検査物の画像データ上の欠陥部の座標を算出し、複数の撮像位置データより欠陥部の撮像位置を算出し、算出された欠陥部の撮像位置を基に良否判定のための特徴量を補正することを特徴とする。
【0030】
請求項9の発明は、請求項1の発明において、撮像位置をライン状に測定する手段を備え、被検査物の移動と同期して2次元の撮像位置データを測定し、2次元画像データを処理することにより算出した被検査物上の欠陥部の特徴量をその欠陥部の位置に対応した撮像位置データを基に良否判定の特徴量を補正することを特徴とする。
【0031】
請求項10の発明は、請求項9の発明において、撮像位置をライン状に測定する手段として撮像位置測定用のエリアセンサを備え、被検査物表面における反射光の分布を撮像位置測定用のエリアセンサにより入力し、入力された被検査物表面における反射光の分布から撮像位置をライン状に算出することを特徴とする。
【0032】
請求項11の発明は、請求項10の発明において、撮像位置測定用のエリアセンサより入力された被検査物表面の反射光の分布における正反射光成分の中心をもって撮像位置データとし、その反射光分布における正反射光成分の中心を求める方法が反射光の輝度分布の最大値あるいは重心を算出する方法であることを特徴とする。
【0033】
請求項12の発明は、請求項10の発明において、撮像位置測定用のエリアセンサより入力された被検査物表面の反射光の分布における正反射光成分の端部をもって撮像位置データとし、その反射光分布における正反射光成分の端部を求める方法が反射光の輝度が所定の輝度である位置あるいは反射光の輝度が所定の変化率となる位置とする方法であることを特徴とする。
【0034】
請求項13の発明は、請求項9の発明において、撮像位置をライン状に測定する手段が被検査物の画像データより撮像位置を算出する方法であることを特徴とする。
【0035】
請求項14の発明は、請求項9乃至13のいずれかの発明において、測定された撮像位置データに低周波通過フィルタ処理し、低周波通過処理後の撮像位置データをもとに良否判定の特徴量を補正することを特徴とする。
【0036】
請求項15の発明は、請求項1乃至14のいずれかの発明において、検出する欠陥が濃淡欠陥であることを特徴とする。
【0037】
請求項16の発明は、請求項1乃至14のいずれかの発明において、検出する欠陥が凹凸欠陥であることを特徴とする。
【0038】
請求項17の発明は、請求項1乃至14のいずれかの発明において、欠陥の種類を判定する欠陥識別手段を備え、検出された欠陥部の種類を欠陥識別手段により判定し、欠陥識別手段により出力された欠陥の種類ごとに予め実験により求められた撮像位置と欠陥の特徴量の関係を基に欠陥の良否判定のための特徴量を補正することを特徴とする。
【0039】
【発明の実施の形態】
本発明の第1の実施例の構成を図1に示し、その処理の流れを図2に示す。
本実施例は回転駆動系により駆動される円筒状被検査物(1−1)、被検査物(1−1)を照明するライン状光源(1−2)、ライン状光源(1−2)の円筒状被検査物(1−1)表面での反射光を検査画像データとして撮像するラインセンサカメラ(1−3)、被検査物(1−1)の回転ブレを計測する変位計(1−4)および入力され検査画像データを処理し、欠陥の良否を判定する画像処理部により構成される。
【0040】
本来、回転ブレの無い理想的な状態では被検査物(1−1)、ライン状光源(1−2)およびラインセンサカメラ(1−3)の相対的な位置関係は変化せず欠陥検出の感度を一定に維持することができる。しかし、実際には被検査物(1−1)の精度のばらつきや被検査物(1−1)を保持する保持機構や被検査物(1−1)を回転させる駆動系などの精度上の問題により回転ブレは発生してしまう。また、このような光学系で微小突起など極めて小さい凹凸を検出するためにラインセンサカメラ(1−3)の撮像位置は被検査物(1−1)をライン状光源(1−2)で照明した反射光の正反射成分と散乱光成分の境界部に設定するが、この境界部は反射光量の変化が大きく、回転ブレが発生すると期待する検出感度を得ることができない。つまり、本実施例の場合では変位計(1−4)の示す被検査物(1−1)の変位により検出感度が変化してしまう。
【0041】
そこで、予め図3に示すような欠陥の特徴量と撮像位置の関係を測定しておくことにより、被検査物(1−1)において回転ブレが発生した場合でも図3に示す関係から欠陥の特徴量を補正し検出感度を一定に保つことができる。具体的な流れとしては円筒状の被検査物(1−1)はライン状光源(1−2)に照明され、被検査物(1−1)を軸を中心に回転させ、その回転と同期して、被検査物(1−1)表面の反射光をラインセンサカメラ(1−3)により逐次入力することにより被検査物の表面の状態を示す検査画像データとして取り込むとともに、被検査物(1−1)の回転ブレを変位計(1−4)により撮像位置データとして取り込む。次に画像処理部により欠陥の位置および特徴量を算出し、欠陥の位置より該当する変位データより欠陥部の撮像位置を求める。次に図3に示す欠陥の特徴量と撮像位置の関係より特徴量を補正後、欠陥の良否を判定する。
【0042】
また、本実施例は撮像位置をポイントで計測している請求項2に示す実施例であり、ポイントで撮像位置を得る手段として変位計を使用する請求項3に示す実施例である。ここで撮像位置をポイントで得る手段として図4に示すように撮像位置をポイントで測定する手段が画像入力用のラインセンサと直交する位置に撮像位置測定用のラインセンサ(4−3)を備え、被検査物表面における反射光の分布を撮像位置測定用のラインセンサにより入力し、入力された被検査物表面における反射光の分布から撮像位置を算出することもできる(請求項4)。
【0043】
ここで被検査物表面における反射光の分布から撮像位置を算出するには図5に示すように正反射光成分の中心(5−a)を求める方法(請求項5)や正反射光成分と散乱光成分の境界部(5−b)を求める方法(請求項6)がある。反射光成分の重心や最大値などにより正反射光成分の中心(5−a)を求めることができ、検査の基準位置を正反射光成分とした凹凸検査などに有効である。反射光の輝度が所定の輝度である位置あるいは反射光の輝度が所定の変化率となる位置を求めることにより正反射光成分と散乱光成分の境界部(5−b)を求めることができ、基準位置を正反射光成分と散乱光成分の境界部とした濃淡欠陥と凹凸欠陥を同時に検査する場合に有効である。
【0044】
また本実施例では撮像位置のポイント計測用に変位計をひとつ使用しているが被検査物(1−1)の軸方向に複数の変位計を設置し、被検査物(1−1)の倒れなどを考慮し撮像位置測定を高精度にすることも可能である。この場合、複数の箇所で撮像位置を測定し、被検査物(1−1)の検査画像データ上の領域ごとに対応する撮像位置データを基に良否判定のための特徴量を補正する方法(請求項7)や被検査物の画像データ上の欠陥部の座標を算出し、複数の撮像位置データより欠陥部の座標における撮像位置を算出し、算出された欠陥部の撮像位置を基に良否判定のための特徴量を補正する方法(請求項8)がある。
【0045】
本発明の第2の実施例の構成を図6に処理の流れを図7に示す。
本実施例は回転駆動系により駆動される円筒状被検査物(6−1)、被検査物(6−1)を照明するライン状光源(6−2)、ライン状光源(6−2)の円筒状被検査物(6−1)表面での反射光を検査画像データとして撮像するラインセンサカメラ(6−3)、被検査物(6−1)上の反射光の分布を撮像する撮像位置計測用のエリアセンサカメラ(6−4)および入力され検査画像データを処理し、欠陥の良否を判定する画像処理部により構成される。
【0046】
具体的な流れとしては円筒状の被検査物(6−1)はライン状光源(6−2)に照明され、被検査物(6−1)を軸を中心に回転させ、その回転と同期して、被検査物(6−1)表面の反射光をラインセンサカメラ(6−3)により逐次入力することにより被検査物の表面の状態を示す検査画像データとして取り込むとともに、被被検査物(6−1)上の反射光の分布を撮像する撮像位置計測用のエリアセンサカメラ(6−4)の出力から撮像位置を算出する。次に画像処理部により欠陥の周方向および軸方向の位置および特徴量を算出するとともに、撮像位置計測用のエリアセンサカメラ(6−4)の出力から該当する欠陥座標の撮像位置データを求める。ここで実施例1の場合と同様に次に図3に示す欠陥の特徴量と撮像位置の関係より特徴量を補正後、欠陥の良否を判定する。ここで撮像位置計測用のエリアセンサカメラ(6−4)の出力から撮像位置を求める方法としては実施例1のポイントで測定する手段が画像入力用のラインセンサと直交する位置の撮像位置測定用ラインセンサ(4−3)である場合と同様に、被検査物表面における反射光の分布から撮像位置を算出するには図5に示すように周方向の正反射光成分の中心(5−a)を求める方法(請求項11)や正反射光成分と散乱光成分の境界部(5−b)を求める方法(請求項12)がある。
【0047】
また、先の実施例では撮像位置計測のために特別に変位計やエリアセンサカメラなどを設置したが、被検査物の検査画像データより撮像位置を算出する方法(請求項13)もある。ここで検査画像データより撮像位置を求める方法としては該当する座標あるいはその周辺の画像輝度から撮像位置を求めることが可能である。また、撮像位置を求める手段としてどの方法を採用した場合においても、測定された撮像位置データに低周波通過フィルタ処理し、低周波通過処理後の撮像位置データをもとに良否判定の特徴量を補正することで画像入力時のノイズや被検査物状の欠陥部の影響を受けずに高精度に欠陥を検出することが可能となる(請求項14)。
【0048】
また、本発明では検出する欠陥が濃淡欠陥の場合には特に被検査物の位置ズレに起因する平均の輝度の変化の影響を受けずに高精度な欠陥検出が可能となる(請求項15)。一方、凹凸欠陥である場合は、被検査物の位置ズレに起因するラインセンサが検出する正反射成分と散乱光成分の比率の変動の影響を受けずに高精度な欠陥検出が可能となる(請求項16)。また、濃淡欠陥や凹凸欠陥など複数の種類の欠陥を検出する場合には、欠陥の種類を判別する欠陥識別手段を備え、検出された欠陥部の種類を欠陥識別手段により判定し、欠陥識別手段により出力された欠陥の種類ごとに予め実験により求められた撮像位置と欠陥の特徴量の関係を基に欠陥の良否判定のための特徴量を補正することで欠陥の種類に対応した高精度な欠陥検査が可能となる(請求項17)。
【0049】
【発明の効果】
以上述べたように請求項1の発明によれば、被検査物上におけるラインセンサの撮像位置を測定し、予め実験により求められた撮像位置と欠陥の特徴量の関係を基に欠陥の良否判定のための特徴量を補正することで被検査物の位置ズレの影響を受けずに欠陥の検出感度を一定に維持し、簡単な構成で高精度な欠陥検出を実現することができる。
【0050】
請求項2の発明によれば、撮像位置をポイントで測定する手段を備え、被検査物の移動と同期して1次元の撮像位置データを測定し、2次元画像データを処理することにより算出した被検査物上の欠陥部の特徴量をその欠陥部の副走査方向の位置に対応した撮像位置を基に良否判定の特徴量を補正することで被検査物全体の位置ズレの影響を受けずに欠陥の検出感度を一定に維持し、簡単な構成で高精度な欠陥検出を実現することができる。
【0051】
請求項3の発明によれば、撮像位置をポイントで測定する手段が変位計により被検査物の表面の変位を計測し、測定された被検査物表面の変位データをもって撮像位置とすることで簡単な構成で高精度な欠陥検出を実現することができる。
【0052】
請求項4の発明によれば、撮像位置をポイントで測定する手段として画像入力用のラインセンサと直交する位置に撮像位置測定用のラインセンサを備え、被検査物表面における反射光の分布を撮像位置測定用のラインセンサにより入力し、入力された被検査物表面における反射光の分布から撮像位置を算出することで被検査物全体の位置ズレに起因する反射光分布の変動の影響を受けない高精度な欠陥検出を実現することができる。
【0053】
請求項5の発明によれば、撮像位置測定用のラインセンサより入力された被検査物表面の反射光の分布における正反射光成分の中心をもって撮像位置データとし、その反射光分布における正反射光成分の中心を求める方法が反射光の輝度分布の最大値あるいは重心を算出する方法であることで被検査物全体の位置ズレに起因する反射光分布、特に正反射光成分の変動の影響を受けない高精度な欠陥検出を実現することができる。
【0054】
請求項6の発明によれば、撮像位置測定用のラインセンサより入力された被検査物表面の反射光の分布における正反射光成分の端部をもって撮像位置データとし、その反射光分布における正反射光成分の端部を求める方法が反射光の輝度が所定の輝度である位置あるいは反射光の輝度が所定の変化率となる位置とする方法であることで被検査物全体の位置ズレに起因する反射光分布、特に正反射光成分境界部の変動の影響を受けない高精度な欠陥検出を実現することができる。
【0055】
請求項7の発明によれば、複数の箇所で撮像位置を測定し、被検査物の画像データ上の領域ごとに対応する撮像位置データを基に良否判定のための特徴量を補正することで領域ごとに適切に特徴量を補正する高精度な欠陥検出を実現することができる。
【0056】
請求項8の発明によれば、複数の箇所で撮像位置を測定し、被検査物の画像データ上の欠陥部の座標を算出し、複数の撮像位置データより欠陥部の撮像位置を算出し、算出された欠陥部の撮像位置を基に良否判定のための特徴量を補正することで欠陥の位置に対応して適切に特徴量を補正する高精度な欠陥検出を実現することができる。
【0057】
請求項9の発明によれば、撮像位置をライン状に測定する手段を備え、被検査物の移動と同期して2次元の撮像位置データを測定し、2次元画像データを処理することにより算出した被検査物上の欠陥部の特徴量をその欠陥部の位置に対応した撮像位置データを基に良否判定の特徴量を補正することで欠陥の位置に対応して適切に特徴量を補正する高精度な欠陥検出を実現することができる。
【0058】
請求項10の発明によれば、撮像位置をライン状に測定する手段が撮像位置測定用のエリアセンサであり、被検査物表面における反射光の分布を撮像位置測定用のエリアセンサにより入力し、入力された被検査物表面における反射光の分布から撮像位置をライン状に算出することで被検査物の位置ズレに起因する反射光分布の変動の影響を受けない高精度な欠陥検出を実現することができる。
【0059】
請求項11の発明によれば、撮像位置測定用のエリアセンサより入力された被検査物表面の反射光の分布における正反射光成分の中心をもって撮像位置データとし、その反射光分布における正反射光成分の中心を求める方法が反射光の輝度分布の最大値あるいは重心を算出する方法であることで被検査物の位置ズレに起因する反射光分布、特に正反射光成分境界部の変動の影響を受けない高精度な欠陥検出を実現することができる。
【0060】
請求項12の発明によれば、撮像位置測定用のエリアセンサより入力された被検査物表面の反射光の分布における正反射光成分の端部をもって撮像位置データとし、その反射光分布における正反射光成分の端部を求める方法が反射光の輝度が所定の輝度である位置あるいは反射光の輝度が所定の変化率となる位置とする方法であることで被検査物の位置ズレに起因する反射光分布、特に正反射光成分境界部の変動の影響を受けない高精度な欠陥検出を実現することができる。
【0061】
請求項13の発明によれば、撮像位置をライン状に測定する手段が被検査物の画像データより撮像位置を算出する方法であることで特に撮像位置を測定するための入力装置などを必要としない簡易な方法で高精度な欠陥検出を実現することができる。
【0062】
請求項14の発明によれば、測定された撮像位置データに低周波通過フィルタ処理し、低周波通過処理後の撮像位置データをもとに良否判定の特徴量を補正することで画像入力時のノイズや被検査物状の欠陥部の影響を受けずに高精度な欠陥検出を実現することができる。
【0063】
請求項15の発明によれば、検出する欠陥が濃淡欠陥であることで被検査物の位置ズレに起因する反射光量の変動の影響を受けない高精度な欠陥検出を実現することができる。
【0064】
請求項16の発明によれば、検出する欠陥が凹凸欠陥であることで被検査物の位置ズレに起因するラインセンサが検出する正反射成分と散乱光成分の比率の変動の影響を受けない高精度な欠陥検出を実現することができる。
【0065】
請求項17の発明によれば、欠陥の種類を判定する欠陥識別手段を備え、検出された欠陥部の種類を欠陥識別手段により判定し、欠陥識別手段により出力された欠陥の種類ごとに予め実験により求められた撮像位置と欠陥の特徴量の関係を基に欠陥の良否判定のための特徴量を補正することで欠陥の種類に対応した高精度な欠陥検出を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例の構成を示す図である。
【図2】第1の実施例の処理の流れを示すフローチャートである。
【図3】第1の実施例における撮像位置と欠陥の特徴量の関係を示すグラフである。
【図4】第1の実施例における被検査物と光源とラインセンサカメラの配置を示す図である。
【図5】第1の実施例における周方向の座標と画像輝度の関係を示すグラフである。
【図6】本発明の第2の実施例の構成を示す図である。
【図7】第2の実施例の処理の流れを示すフローチャートである。
【符号の説明】
(1−1) 円筒状被検査物
(1−2) ライン状光源
(1−3) ラインセンサカメラ
(1−4) 変位計
(4−3) 撮像位置測定用ラインセンサ
(5−a) 正反射光成分の中心
(5−b) 正反射光成分と散乱光成分の境界部
(6−1) 円筒状被検査物
(6−2) ライン状光源
(6−3) ラインセンサカメラ
(6−4) 撮像位置計測用のエリアセンサカメラ

Claims (17)

  1. 被検査物にライン状の参照光を照射するライン状照明手段と、被検査物表面の反射光を入力するラインセンサとを備え、ライン状照明手段およびラインセンサに対して相対的に移動する被検査物の表面にライン状照明手段によりライン状の光を照射し、その反射光を被検査物の移動に同期してラインセンサにより順次撮像し、被検査物表面の2次元画像データとして入力し、その2次元画像データを処理することにより被検査物上の欠陥部の特徴量を算出し被検査物の良否を判定する欠陥検査方法において、
    被検査物上におけるラインセンサの撮像位置を測定し、予め実験により求められた撮像位置と欠陥の特徴量の関係を基に欠陥の良否判定のための特徴量を補正することを特徴とする欠陥検査方法。
  2. 請求項1記載の欠陥検査方法において、
    撮像位置をポイントで測定する手段を備え、被検査物の移動と同期して1次元の撮像位置データを測定し、2次元画像データを処理することにより算出した被検査物上の欠陥部の特徴量をその欠陥部の副走査方向の位置に対応した撮像位置を基に良否判定の特徴量を補正することを特徴とする欠陥検査方法。
  3. 請求項2記載の欠陥検査方法において、
    撮像位置をポイントで測定する手段が変位計により被検査物の表面の変位を計測し、測定された被検査物表面の変位データをもって撮像位置とすることを特徴とする欠陥検査方法。
  4. 請求項2記載の欠陥検査方法において、
    撮像位置をポイントで測定する手段として画像入力用のラインセンサと直交する位置に撮像位置測定用のラインセンサを備え、被検査物表面における反射光の分布を撮像位置測定用のラインセンサにより入力し、入力された被検査物表面における反射光の分布から撮像位置を算出する方法であることを特徴とする欠陥検査方法。
  5. 請求項4記載の欠陥検査方法において、
    撮像位置測定用のラインセンサより入力された被検査物表面の反射光の分布における正反射光成分の中心をもって撮像位置データとし、その反射光分布における正反射光成分の中心を求める方法が反射光の輝度分布の最大値あるいは重心を算出する方法であることを特徴とする欠陥検査方法。
  6. 請求項4記載の欠陥検査方法において、
    撮像位置測定用のラインセンサより入力された被検査物表面の反射光の分布における正反射光成分の端部をもって撮像位置データとし、その反射光分布における正反射光成分の端部を求める方法が反射光の輝度が所定の輝度である位置あるいは反射光の輝度が所定の変化率となる位置とする方法であることを特徴とする欠陥検査方法。
  7. 請求項1乃至6のいずれかに記載の欠陥検査方法において、
    複数の箇所で撮像位置を測定し、被検査物の画像データ上の領域ごとに対応する撮像位置データを基に良否判定のための特徴量を補正することを特徴とする欠陥検査方法。
  8. 請求項1乃至6のいずれかに記載の欠陥検査方法において、
    複数の箇所で撮像位置を測定し、被検査物の画像データ上の欠陥部の座標を算出し、複数の撮像位置データより欠陥部の撮像位置を算出し、算出された欠陥部の撮像位置を基に良否判定のための特徴量を補正することを特徴とする欠陥検査方法。
  9. 請求項1記載の欠陥検査方法において、
    撮像位置をライン状に測定する手段を備え、被検査物の移動と同期して2次元の撮像位置データを測定し、2次元画像データを処理することにより算出した被検査物上の欠陥部の特徴量をその欠陥部の位置に対応した撮像位置データを基に良否判定の特徴量を補正することを特徴とする欠陥検査方法。
  10. 請求項9記載の欠陥検査方法において、
    撮像位置をライン状に測定する手段として撮像位置測定用のエリアセンサを備え、被検査物表面における反射光の分布を撮像位置測定用のエリアセンサにより入力し、入力された被検査物表面における反射光の分布から撮像位置をライン状に算出することを特徴とする欠陥検査方法。
  11. 請求項10記載の欠陥検査方法において、
    撮像位置測定用のエリアセンサより入力された被検査物表面の反射光の分布における正反射光成分の中心をもって撮像位置データとし、その反射光分布における正反射光成分の中心を求める方法が反射光の輝度分布の最大値あるいは重心を算出する方法であることを特徴とする欠陥検査方法。
  12. 請求項10記載の欠陥検査方法において、
    撮像位置測定用のエリアセンサより入力された被検査物表面の反射光の分布における正反射光成分の端部をもって撮像位置データとし、その反射光分布における正反射光成分の端部を求める方法が反射光の輝度が所定の輝度である位置あるいは反射光の輝度が所定の変化率となる位置とする方法であることを特徴とする欠陥検査方法。
  13. 請求項9記載の欠陥検査方法において、
    撮像位置をライン状に測定する手段が被検査物の画像データより撮像位置を算出する方法であることを特徴とする欠陥検査方法。
  14. 請求項9乃至13のいずれかに記載の欠陥検査方法において、
    測定された撮像位置データに低周波通過フィルタ処理し、低周波通過処理後の撮像位置データをもとに良否判定の特徴量を補正することを特徴とする欠陥検査方法。
  15. 請求項1乃至14のいずれかに記載の欠陥検査方法において、
    検出する欠陥が濃淡欠陥であることを特徴とする欠陥検査方法。
  16. 請求項1乃至14のいずれかに記載の欠陥検査方法において、
    検出する欠陥が凹凸欠陥であることを特徴とする欠陥検査方法。
  17. 請求項1乃至14のいずれかに記載の欠陥検査方法において、
    欠陥の種類を判定する欠陥識別手段を備え、検出された欠陥部の種類を欠陥識別手段により判定し、欠陥識別手段により出力された欠陥の種類ごとに予め実験により求められた撮像位置と欠陥の特徴量の関係を基に欠陥の良否判定のための特徴量を補正することを特徴とする欠陥検査方法。
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