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JP2022037547A - 端子金具および連鎖端子 - Google Patents

端子金具および連鎖端子 Download PDF

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Abstract

【課題】弾性接触部が撓み変形するときに生じる応力の集中を抑制しつつ歩留まりを向上させる。【解決手段】端子金具10は、本体部11と、第1凸部31と、弾性接触部42と、第1支点部41とを備える。本体部11は、前後方向に開放された角筒状をなしている。第1凸部31は、本体部11の一角を挟んで隣接する二つの壁部のうち、一方の壁部から他方の壁部に向けて突出する。弾性接触部42は、本体部11内に配置される。第1支点部41は、弾性接触部42が撓み変形するときの支点となる。端子金具10を前後方向および幅方向に沿って展開した展開状態において、幅方向の一側の端部に、弾性接触部42の一側端が配置される。幅方向の他側の端部に、第1凸部31の先端が配置される。弾性接触部42の一側端には、幅方向から見て第1凸部31と重なる位置で、且つ前後方向において第1支点部41から離れた位置に、凹部(例えば第1凹部50)が設けられている。【選択図】図6

Description

本開示は、端子金具および連鎖端子に関する。
特許文献1~3には、雌型の端子金具が開示されている。この端子金具は、以下のように製造される。まず、金属板を打ち抜いて連鎖端子が製造される。連鎖端子は、帯状のキャリアと、複数の展開状態の端子金具とを備える。複数の展開状態の端子金具は、キャリアの長さ方向に沿って、キャリアに個別に連結されている。展開状態の端子金具は、キャリアから個別に分離され、折り曲げ加工等が施される。このようにして端子金具が製造される。
特開2013-251072号公報 特開2010-73440号公報 特許第4075825号公報
この種の端子金具では、歩留まり向上の観点から、キャリアに連結される展開状態の端子金具の配置間隔を小さくすることが求められている。特許文献1の端子金具は、展開状態において、幅方向の一側に凸部を有し、他側に凹部を有している。そして、隣接する2つの端子金具において、一方の端子金具の凸部が他方の端子金具の凹部に対向して配置される。このため、一方の端子金具を他方の端子金具側に寄せることができ、その結果、端子金具の配置間隔を小さくすることができる。しかし、相手側端子金具のタブと接触する弾性接触部が端子金具の他側の端部に設けられる構成においては、端子金具の他側の端部に上記凹部を設けると、幅が部分的に小さくなり、弾性接触部が撓み変形するときに生じる応力が集中するおそれがある。
そこで、本開示は、弾性接触部が撓み変形するときに生じる応力の集中を抑制しつつ歩留まりを向上させることを目的とする。
本開示の端子金具は、前後方向に開放された角筒状の本体部と、前記本体部の一角を挟んで隣接する二つの壁部のうち、一方の壁部から他方の壁部に向けて突出する凸部と、前記本体部内に配置される弾性接触部と、前記弾性接触部が撓み変形するときの支点となる支点部と、を備え、前記前後方向および幅方向に沿って展開した展開状態において、前記幅方向の一側の端部に、前記弾性接触部の一側端が配置され、前記幅方向の他側の端部に、前記凸部の先端が配置され、前記弾性接触部の前記一側端には、前記幅方向から見て前記凸部と重なる位置で、且つ前記前後方向において前記支点部から離れた位置に、凹部が設けられている、端子金具である。
本開示の連鎖端子は、本開示の端子金具を展開状態で複数備えた連鎖端子であって、前記幅方向に延びるキャリアを備え、複数の前記端子金具は、前記キャリアに対して前記幅方向に並んで連結され、前記凹部と前記凸部は、前記幅方向に隣接する前記端子金具間の隙間を介して対向して配置されている、連鎖端子である。
本開示によれば、弾性接触部が撓み変形するときに生じる応力の集中を抑制しつつ歩留まりを向上させることができる。
図1は、実施形態1に係る端子金具を右側から見た斜視図である。 図2は、実施形態1に係る端子金具を左側から見た斜視図である。 図3は、端子金具の第1凸部を含む部分の断面図である。 図4は、端子金具における本体部の側断面図である。 図5は、端子金具における本体部の底断面図である。 図6は、端子金具の展開図である。 図7は、図6における2つの端子金具の隣接部分の拡大図である。
[本開示の実施形態の説明]
最初に本開示の実施態様を列記して説明する。
本開示の端子金具は、
(1)前後方向に開放された角筒状の本体部と、前記本体部の一角を挟んで隣接する二つの壁部のうち、一方の壁部から他方の壁部に向けて突出する凸部と、前記本体部内に配置される弾性接触部と、前記弾性接触部が撓み変形するときの支点となる支点部と、を備え、前記前後方向および幅方向に沿って展開した展開状態において、前記幅方向の一側の端部に、前記弾性接触部の一側端が配置され、前記幅方向の他側の端部に、前記凸部の先端が配置され、前記弾性接触部の前記一側端には、前記幅方向から見て前記凸部と重なる位置で、且つ前記前後方向において前記支点部から離れた位置に、凹部が設けられている。
この端子金具は、展開状態において、一側の端部に弾性接触部の一側端が配置され、他側の端部に凸部の先端が配置される。そして、弾性接触部の一側端には、幅方向から見て凸部と重なる位置に凹部が設けられている。このため、展開状態の複数の端子金具を幅方向に並べてキャリアに個別に連結させた連鎖端子を製造する場合、隣接する2つの端子金具のうち一方の端子金具の凹部が、他方の端子金具の凸部と幅方向に対向して配置される。よって、この端子金具によれば、連鎖端子における端子金具の配置間隔を小さくすることができる。さらに、凹部は、前後方向において支点部から離れた位置に設けられている。このため、弾性接触部が撓み変形するときに生じる応力の集中を抑制することができる。したがって、この端子金具によれば、弾性接触部が撓み変形するときに生じる応力の集中を抑制しつつ歩留まりを向上させることができる。
(2)前記前後方向において、前記凹部の長さは、前記凸部の長さよりも長いことが好ましい。
この端子金具によれば、凹部の奥面だけでなく、凹部の前後の端部も、凸部から離間させることができる。
(3)前記弾性接触部は、前記幅方向において前記一側端とは反対側の他側端に、第2の凹部を有し、前記第2の凹部は、前記幅方向から見て前記凹部と重なる位置に配置されていることが好ましい。
この端子金具によれば、弾性接触部が撓み変形したときに生じる応力が幅方向の一側と他側とで均等にかかりやすい。
(4)前記本体部を構成する4つの壁部のうち、前記弾性接触部を挟んだ両側に配置される2つの壁部は、それぞれ前記幅方向の内方に張り出した張出部を有し、各前記張出部は、それぞれ前記凹部および前記第2の凹部に対応する位置に配置されていることが好ましい。
この端子金具によれば、本体部内に挿入された相手側端子金具のタブが張出部によって誘導される。但し、この張出部は、幅方向の内方に張り出しているため、弾性接触部と干渉するおそれがある。しかし、この端子金具では、各張出部が、それぞれ凹部および第2の凹部に対応する位置に配置されている。このため、弾性接触部と張出部とが干渉しにくい。
(5)前記弾性接触部は、前記支点部から斜め後方に延びる延出部と、前記延出部の後端に設けられる屈曲部と、前記延出部と異なる傾斜角度で前記屈曲部の後端から延びる接触本体部と、を有し、前記凹部は、前記前後方向において前記屈曲部から離れた位置に設けられていることが好ましい。
この端子金具によれば、弾性接触部が接触本体部と支点部との間に屈曲部を有するため、接触本体部が押圧されたときに生じる応力が支点部だけでなく屈曲部にも分散される。さらに、前後方向において前記屈曲部から離れた位置に凹部が設けられているため、屈曲部に応力が集中することを抑制することができる。
本開示の連鎖端子は、
(6)本開示の端子金具を展開状態で複数備えた連鎖端子であって、前記幅方向に延びるキャリアを備え、複数の前記展開形状の端子金具は、前記キャリアに対して前記幅方向に並んで連結され、前記凹部と前記凸部は、前記幅方向に隣接する前記端子金具間の隙間を介して対向して配置されている。
この連鎖端子は、隣接する2つの端子金具において、一方の端子金具の凹部と他方の端子金具の凸部が、端子金具間の隙間を介して対向して配置されている。よって、この連鎖端子によれば、端子金具の配置間隔を小さくすることができる。さらに、凹部は、前後方向において支点部から離れた位置に設けられている。このため、弾性接触部が撓み変形するときに生じる応力の集中を抑制することができる。したがって、この連鎖端子によれば、弾性接触部が撓み変形するときに生じる応力の集中を抑制しつつ歩留まりを向上させることができる。
[本開示の実施形態の詳細]
本開示の具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
<実施形態1>
実施形態1は、端子金具10および連鎖端子100を例示する。端子金具10は、雌型の端子金具であり、相手側端子金具のタブ94と接触する弾性接触部42を有する。なお、以下の説明において、端子金具10における相手側端子金具が接続される側を前方側とし、その反対側を後方側とする。また、弾性接触部42の撓み方向を上下方向とし、タブ94に押されて撓む方向を上方とし、その反対方向を下方とする。また、前方側から見た左右方向を左右方向とする。なお、左右方向が「幅方向」の一例に相当する。
端子金具10は、図1および図2に示すように、本体部11、ワイヤバレル12、およびインシュレーションバレル13を備える。本体部11は、前後方向に開放された角筒状をなしており、前方側から内部に相手側端子金具のタブ94が挿入される。ワイヤバレル12は、電線90の導体91に接続される部位であり、本体部11よりも後方に配置される。ワイヤバレル12は、オープンバレル状をなしており、電線90の先端部の被覆92を除去して露出した導体91に圧着される。インシュレーションバレル13は、電線90の被覆92に接続される部位であり、ワイヤバレル12よりも後方に配置される。インシュレーションバレル13は、オープンバレル状をなしており、電線90の被覆92に圧着される。これにより、端子金具10における本体部11よりも後方側の部位に、電線90が接続される。
本体部11は、第1板部21、第2板部22、第3板部23、第4板部24、第5板部25、および第6板部26を有する。第1板部21、第2板部22、第3板部23、および第4板部24は、角筒状をなしており、上側に配置された第1板部21を基点とし前方側から見て反時計回り方向に順に連続している。第5板部25は、第4板部24の上端に連なり、第1板部21の外側面に沿って配置される。第1板部21および第5板部25は、本体部11の前側部分にのみ配置される。第6板部26は、第1板部21および第5板部25から後方に離れた位置において、第4板部24の上端に連なる。第3板部23は、本体部11の底壁部を構成している。第2板部22および第4板部24は、本体部11の側壁部を構成している。第1板部21、第5板部25および第6板部26は、本体部11の天壁部を構成している。なお、本体部11の天壁部および左側の側壁部が「本体部の一角を挟んで隣接する二つの壁部」の一例に相当する。また、本体部11の天壁部が「一方の壁部」の一例に相当し、本体部11の左側の側壁部が「他方の壁部」の一例に相当する。
端子金具10は、図1~3に示すように、第1凸部31、第2凸部32および第3凸部33を備える。本体部11は、第1貫通孔34、第2貫通孔35および第3貫通孔36を有する。第1凸部31は、「凸部」の一例に相当する。第1凸部31は、本体部11の第5板部25の左端から突出し、下方に延びた形態をなしている。第1貫通孔34は、第1板部21と第2板部22とがなす角部を貫通した形態をなしている。第1凸部31は、第1貫通孔34内に配置され、第2板部22に向けて突出している。第1凸部31は、第1板部21の左方に配置され、第1板部21の下面よりも下方に突出している。第2凸部32は、第1板部21の右端から右方に突出した形態をなしている。第2貫通孔35は、第4板部24と第5板部25とがなす角部を貫通した形態をなしている。第2凸部32は、第2貫通孔35内に配置される。第3凸部33は、第6板部26の内側面に沿って配置される後述の第2支持部60の右端から右方に突出した形態をなしている。第3貫通孔36は、第4板部24と第6板部26とがなす角部を貫通した形態をなしている。第3凸部33は、第3貫通孔36内に配置される。
本体部11は、切欠部37を有する。切欠部37は、本体部11の前端部に配置され、第4板部24と第5板部25とがなす角部を貫通し、且つ前方に開放された形態をなしている。
本体部11は、第1リブ38および第2リブ39を有する。第1リブ38は、第5板部25の上面から上方に突出した形態をなしている。第2リブ39は、第6板部26の上面から上方に突出した形態をなしている。
端子金具10は、図4に示すように、第1支持部40、第1支点部41、弾性接触部42、および第1連結部43を備える。第1支持部40は、板状をなし、平面視において左右方向に長い矩形状をなしている。第1支持部40は、図1に示すように、U字に屈曲された第1連結部43を介して第1板部21の前端部に連結されており、第1板部21の内側面に沿って配置されている。第1支点部41は、「支点部」の一例に相当する。第1支点部41は、図4に示すように、弾性接触部42が撓み変形するときの支点となる部位であり、第1支持部40の後端部に設けられている。弾性接触部42は、図6に示すように、左右方向を幅方向とした板状をなしており、平面視において前後方向に長い矩形状をなしている。弾性接触部42は、本体部11内に配置され、第1支点部41の後端から斜め後方(図4の左方)に延びている。弾性接触部42は、後方に向かうにつれて第1板部21から遠ざかるように(つまり、後方に向かうにつれて第3板部23に近づくように)傾斜している。弾性接触部42は、後端が自由端となっており、第1支点部41を支点として上下方向に撓み変形しうる。
弾性接触部42は、延出部44、屈曲部45、および接触本体部46を有する。延出部44は、第1支点部41から斜め後方に延びている。延出部44と第1板部21との間には、隙間が形成されている。屈曲部45は、延出部44の後端に連なり、屈曲している。接触本体部46は、屈曲部45の後端に連なり、延出部44とは異なる傾斜角度で斜め後方に延びている。第1板部21の内側面に対する接触本体部46の傾斜角度は、第1板部21の内側面に対する延出部44の傾斜角度よりも小さい。接触本体部46の前後方向の長さは、延出部44の前後方向の長さよりも長い。接触本体部46は、下方に膨出した膨出部47を有する。膨出部47は、曲面状をなしている。膨出部47には、本体部11内に挿入された相手側端子金具のタブ94が接触しうる。
接触本体部46は、図4および図5に示すように、第1凹部50を有する。第1凹部50は、「凹部」の一例に相当する。第1凹部50は、接触本体部46の左側の側面に設けられている。第1凹部50は、接触本体部46の左側の側面を右側に凹ませた形状をなしており、左方および上下方向に開放されている。第1凹部50は、左方に向かうにつれて前後方向の開口幅が広がっている。第1凹部50は、第1奥面51および一対の第1側面52を有する。第1奥面51は、前後方向に沿って延びている。一対の第1側面52は、それぞれ第1奥面51の前後両端に連なり、左方に向かうにつれて前後方向外方に傾斜している。一対の第1側面52の各々は、本実施形態では曲面状をなしているが、平面状としてもよい。
接触本体部46は、図5に示すように、第2凹部53を有する。第2凹部53は、「第2の凹部」の一例に相当する。第2凹部53は、接触本体部46の右側の側面に設けられている。第2凹部53は、左右方向から見て第1凹部50と重なる位置に配置されている。第2凹部53は、接触本体部46の道側の側面を左側に凹ませた形状をなしており、右方および上下方向に開放されている。第2凹部53は、右方に向かうにつれて前後方向の開口幅が広がっている。第2凹部53は、第2奥面54および一対の第2側面55を有する。第2奥面54は、前後方向に沿って延びている。一対の第2側面55は、それぞれ第2奥面54の前後両端に連なり、右方に向かうにつれて前後方向外方に傾斜している。一対の第2側面55の各々は、本実施形態1では平面状をなしているが、曲面状としてもよい。
端子金具10は、図4に示すように、第2支持部60、第2支点部61、撓み抑制部62および第2連結部63を有する。第2支持部60は、図6に示すように、板状をなし、平面視において方形状をなしている。第2支持部60は、直角に屈曲された第2連結部63を介して第2板部22の後端部の上端に連結されており、第6板部26の内側面に沿って配置されている。第2支点部61は、第2支持部60の前端部に設けられている。撓み抑制部62は、第2支点部61を介して第2支持部60の前端部に連なり、斜め前方に延びる形態をなしている。撓み抑制部62は、前方に向かうにつれて第1板部21から遠ざかるように(つまり、後方に向かうにつれて第3板部23に近づくように)傾斜している。撓み抑制部62は、前端が自由端となっており、第2支点部61を支点として撓み変形しうる。撓み抑制部62の前端部は、弾性接触部42の後端部の上側に配置されている。よって、弾性接触部42は、上方に撓むとき、撓み抑制部62も上方へ撓ませる。このため、弾性接触部42は、撓み抑制部62の弾性復帰力を受け、上方への撓みが抑制される。
図5に示すように、第2板部22は、第1張出部65を有し、第4板部24は、第2張出部66を有する。第1張出部65および第2張出部66は、弾性接触部42を挟んだ左右両側に配置される。第1張出部65および第2張出部66は、例えば叩き出しによって形成される。第1張出部65は、第2板部22の内側面から右方に張り出した形状をなしている。第1張出部65は、第1凹部50と対応する位置に配置されている。具体的には、第1張出部65は、平面視において、第1凹部50と左右方向に重なる位置に配置されている。第1張出部65の最右端は、接触本体部46の最左端と左右方向の位置が揃っている。第1張出部65の最右端は、第1凹部50の第1奥面51よりも左方に配置されている。第1張出部65の前後両端は、第1凹部50の前後両端よりも前後方向内方に配置されている。
第2張出部66は、第4板部24の内側面から左方に張り出した形状をなしている。第2張出部66は、第2凹部53と対応する位置に配置されている。具体的には、第2張出部66は、平面視において、第2凹部53と左右方向に重なる位置に配置されている。第2張出部66の最左端は、接触本体部46の最右端と左右方向の位置が揃っている。第2張出部66の最左端は、第2凹部53の第2奥面54よりも右方に配置されている。第2張出部66の前後両端は、第2凹部53の前後両端よりも前後方向内方に配置されている。第1張出部65および第2張出部66の最も狭い部分の間隔は、相手側端子金具のタブ94の左右方向の幅と同じであってもよいし、相手側端子金具のタブ94の左右方向の幅より大きくても小さくてもよい。
図6には、連鎖端子100が示されている。ここで、連鎖端子100とは、展開状態の複数の端子金具10がキャリア80に連結された構成のことを意味する。連鎖端子100は、上述した端子金具10を前後方向および幅方向(本実施形態1では左右方向)に沿って展開した展開状態の複数の端子金具10と、各端子金具10と個別に連結されたキャリア80と、を備える。連鎖端子100は、金属板を打ち抜いて形成される。キャリア80は左右方向に延びる帯状をなしている。各端子金具10は、キャリア80の長さ方向に並んだ状態で、後端部がキャリア80に連結されている。
展開状態の端子金具10においては、左端に第1支持部40および弾性接触部42が配置されており、第1支持部40から右方に向けて、第1連結部43、第1板部21、第2板部22、第3板部23、第4板部24、第5板部25が順に連なって配置される。第1凸部31は、第5板部25の右端から右方に突出した形態をなしている。これにより、展開状態の端子金具10の右端には、第1凸部31の先端が配置される。弾性接触部42の左端には、第1凹部50が配置されている。第1凹部50、第2凹部53および第2凸部32は、左右方向から見て第1凸部31と重なる位置に配置されている。第2凹部53および第2凸部32は、左右方向に対向して配置される。
図7に示すように、第1凸部31は、方形状をなしており、先端の前後両側が面取りされている。図6に示す2つの端子金具10のうち左側の第1端子金具10Aの第1凸部31は、右側の第2端子金具10Bの第1凹部50と左右方向に対向して配置される。第1端子金具10Aの第1凸部31の先端は、第2端子金具10Bの第1凹部50の前後両端と左右方向の位置が揃っている。第1凹部50の開口端における前後方向の長さは、第1凸部31の前後方向の長さよりも長い。第1端子金具10Aと第2端子金具10Bとの左右方向の間隔は、第1凸部31と第1凹部50との左右方向の間隔が最も小さくなっている。例えば、第1凸部31と第1凹部50との左右方向の間隔は、第5板部25と第1支持部40との左右方向の間隔よりも小さい。
端子金具10は以下のように製造される。まず、金属板を打ち抜いて図6に示す連鎖端子100が製造される。連鎖端子100における展開状態の端子金具10は、キャリア80に付いた状態で個々に叩き加工や曲げ加工が施されることで、組立てられる。このようにしてキャリア80につながった連鎖状の端子金具10が製造される。
以上説明したように、本実施形態1の端子金具10は、展開状態において、左側の端部に弾性接触部42の一側端が配置され、右側の端部に第1凸部31の先端が配置される。そして、弾性接触部42の一側端には、左右方向から見て第1凸部31と重なる位置に第1凹部50が設けられている。このため、展開状態の複数の端子金具10を左右方向に並べてキャリア80に個別に連結させた連鎖端子100を製造する場合、隣接する2つの端子金具10のうち第2端子金具10Bの第1凹部50が、第1端子金具10Aの第1凸部31と左右方向に対向して配置される。よって、この端子金具10によれば、連鎖端子100における端子金具10の配置間隔を小さくすることができる。さらに、第1凹部50は、前後方向において第1支点部41から離れた位置に設けられている。このため、弾性接触部42が撓み変形するときに生じる応力の集中を抑制することができる。したがって、この端子金具10によれば、弾性接触部42が撓み変形するときに生じる応力の集中を抑制しつつ歩留まりを向上させることができる。
さらに、この端子金具10の第1凹部50の長さは、第1凸部31の長さよりも長い。このため、第1凹部50の第1奥面51だけでなく、第1凹部50の前後の端部も、第1凸部31から離間させることができる。
さらに、この端子金具10の弾性接触部42は、左端に第1凹部50を有し、右端に第2凹部53を有する。そして、第2凹部53は、左右方向から見て第1凹部50と重なる位置に配置されている。このため、弾性接触部42が撓み変形したときに生じる応力が左右方向に均等にかかりやすい。
さらに、この端子金具10では、本体部11内に挿入された相手側端子金具のタブ94が第1張出部65および第2張出部66によって誘導される。但し、第1張出部65および第2張出部66は、左右方向の内方に張り出しているため、弾性接触部42と干渉するおそれがある。しかし、この端子金具10では、第1張出部65が第1凹部50と対応する位置に配置されており、第2張出部66が第2凹部53と対応する位置に配置されている。より具体的には、平面視において、第1張出部65は第1凹部50と左右方向に重なる位置に配置されており、第2張出部66は第2凹部53と左右方向に重なる位置に配置されている。このため、弾性接触部42と第1張出部65および第2張出部66とが干渉しにくい。
さらに、この端子金具10によれば、弾性接触部42が接触本体部46と第1支点部41との間に屈曲部45を有するため、接触本体部46が押圧されたときに生じる応力が第1支点部41だけでなく屈曲部45にも分散される。さらに、前後方向において屈曲部45から離れた位置に第1凹部50が設けられているため、屈曲部45に応力が集中することを抑制することができる。
また、本実施形態1の連鎖端子100は、第2端子金具10Bの第1凹部50と第1端子金具10Aの第1凸部31が、端子金具10間の隙間を介して対向して配置されている。よって、この連鎖端子100によれば、端子金具10の配置間隔を小さくすることができる。さらに、第1凹部50は、前後方向において第1支点部41から離れた位置に設けられている。このため、弾性接触部42が撓み変形するときに生じる応力の集中を抑制することができる。したがって、この連鎖端子100によれば、弾性接触部42が撓み変形するときに生じる応力の集中を抑制しつつ歩留まりを向上させることができる。
[本開示の他の実施形態]
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えるべきである。
(1)上記実施形態1では、弾性接触部が延出部および屈曲部を有する構成としたが、延出部および屈曲部を有さない構成としてもよい。
(2)上記実施形態1では、弾性接触部の支点部が本体部内の上側に配置される構成としたが、本体部内の下側に配置される構成としてもよい。この場合、弾性接触部がタブに押されて撓む方向は下方となる。
(3)上記実施形態1では、第1張出部65の最右端が接触本体部46の最左端と左右方向の位置が揃う構成としたが、第1張出部65の最右端が、接触本体部46の最左端よりも左方に配置されてもよいし、接触本体部46の最左端よりも右方に配置されてもよい。また、上記実施形態1では、第2張出部66の最左端が接触本体部46の最右端と左右方向の位置が揃う構成としたが、第2張出部66の最左端が、接触本体部46の最右端よりも右方に配置されてもよいし、接触本体部46の最右端よりも左方に配置されてもよい。
(4)上記実施形態1では、第1端子金具10Aの第1凸部31の先端が、第2端子金具10Bの第1凹部50の前後両端と左右方向の位置が揃う構成としたが、第2端子金具10Bの第1凹部50の前後両端よりも左方に配置されるようにしてもよいし、右方に配置されるようにしてもよい。
10…端子金具
10A…第1端子金具
10B…第2端子金具
11…本体部
12…ワイヤバレル
13…インシュレーションバレル
21…第1板部
22…第2板部
23…第3板部
24…第4板部
25…第5板部
26…第6板部
31…第1凸部(凸部)
32…第2凸部
33…第3凸部
34…第1貫通孔
35…第2貫通孔
36…第3貫通孔
37…切欠部
38…第1リブ
39…第2リブ
40…第1支持部
41…第1支点部(支点部)
42…弾性接触部
43…第1連結部
44…延出部
45…屈曲部
46…接触本体部
47…膨出部
50…第1凹部(凹部)
51…第1奥面
52…第1側面
53…第2凹部(第2の凹部)
54…第2奥面
55…第2側面
60…第2支持部
61…第2支点部
62…撓み抑制部
63…第2連結部
65…第1張出部
66…第2張出部
80…キャリア
90…電線
91…導体
92…被覆
94…タブ
100…連鎖端子

Claims (6)

  1. 前後方向に開放された角筒状の本体部と、
    前記本体部の一角を挟んで隣接する二つの壁部のうち、一方の壁部から他方の壁部に向けて突出する凸部と、
    前記本体部内に配置される弾性接触部と、
    前記弾性接触部が撓み変形するときの支点となる支点部と、を備え、
    前記前後方向および幅方向に沿って展開した展開状態において、
    前記幅方向の一側の端部に、前記弾性接触部の一側端が配置され、
    前記幅方向の他側の端部に、前記凸部の先端が配置され、
    前記弾性接触部の前記一側端には、前記幅方向から見て前記凸部と重なる位置で、且つ前記前後方向において前記支点部から離れた位置に、凹部が設けられている、端子金具。
  2. 前記前後方向において、前記凹部の長さは、前記凸部の長さよりも長い、請求項1に記載の端子金具。
  3. 前記弾性接触部は、前記幅方向において前記一側端とは反対側の他側端に、第2の凹部を有し、前記第2の凹部は、前記幅方向から見て前記凹部と重なる位置に配置されている、請求項1または請求項2に記載の端子金具。
  4. 前記本体部を構成する4つの壁部のうち、前記弾性接触部を挟んだ両側に配置される2つの壁部は、それぞれ前記幅方向の内方に張り出した張出部を有し、
    各前記張出部は、それぞれ前記凹部および前記第2の凹部に対応する位置に配置されている、請求項3に記載の端子金具。
  5. 前記弾性接触部は、
    前記支点部から斜め後方に延びる延出部と、
    前記延出部の後端に設けられる屈曲部と、
    前記延出部と異なる傾斜角度で前記屈曲部の後端から延びる接触本体部と、を有し、
    前記凹部は、前記前後方向において前記屈曲部から離れた位置に設けられている、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の端子金具。
  6. 請求項1から請求項5のいずれか1項に記載された端子金具を展開状態で複数備えた連鎖端子であって、
    前記幅方向に延びるキャリアを備え、
    複数の前記端子金具は、前記キャリアに対して前記幅方向に並んで連結され、
    前記凹部と前記凸部は、前記幅方向に隣接する前記端子金具間の隙間を介して対向して配置されている、連鎖端子。
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