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JP7487674B2 - 端子金具 - Google Patents

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Description

本開示は、端子金具に関する。
従来、筒状の本体部を有する端子金具が知られている。本体部には、相手側端子金具のタブ部が前方から挿入される。例えば下記特許文献1に記載された端子金具の本体部は、3本の弾性接触片を有している。3本の弾性接触片は、左右方向に並んで配置されている。3本の弾性接触片は、独立して上下方向に弾性変位する。各弾性接触片の上面に、接点部が設けられている。3つの接点部21,22のうち左右方向中央の接点部は、タブ部の先端側にあたる。3つの接点部21,22のうち左右方向両側の接点部は、中央の接点部よりもタブ部の後側にあたる。タブ部は、3つの接点部21,22に支持されることによって、本体部内でのがたつきを抑制される。
特開2014-82158号公報
ところで、端子金具と相手側端子金具との接続状態において、相手側端子金具のタブ部の先端側が下方(接点部を押す方向)に変位すると、後側の接点部の接点荷重は低下する。一方、相手側端子金具のタブ部の後側が下方に変位すると、先端側の接点部の接点荷重は低下する。タブ部の本体部内でのがたつきをより確実に防ぐべく、このような接点荷重の低下を抑制したいという要望があった。
そこで、本開示は、タブ部が変位しても、接点荷重の低下を抑制できる端子金具を提供することを目的とする。
本開示の端子金具は、筒状の本体部と、前記本体部の内部に設けられた第一弾性片及び第二弾性片と、前記第一弾性片に設けられ、相手側端子金具のタブ部に接触する第一接点部と、前記第二弾性片に設けられ、前記タブ部に接触する第二接点部と、を有し、前記第一弾性片は、前記本体部に固定された第一固定端から前記タブ部の長さ方向の第一方向に延び、前記第一固定端の支点を中心に弾性変位可能であり、前記第二弾性片は、前記第一弾性片に固定された第二固定端から前記第一方向とは反対方向の第二方向に延び、前記第二固定端の支点を中心に弾性変位可能であり、前記第一接点部は、前記第二固定端の支点よりも前記第一弾性片の前記第一方向の先端側に位置し、前記第二接点部は、前記第一固定端の支点よりも前記第二弾性片の前記第二方向の先端側に位置するものである。
本開示によれば、タブ部が変位しても、接点荷重の低下を抑制できる端子金具を提供することが可能となる。
図1は、本実施形態にかかる端子金具であって、相手側端子金具と接続した状態を示す斜視図である。 図2は、相手側端子金具のタブ部が挿入された状態の本体部を示す正面図である。 図3は、本体部の内部を示す平断面図である。 図4は、本体部の内部を示す一部切り欠き斜視図である。 図5は、本体部の内部を示す縦断面図である。 図6は、端子金具の展開状態を示す展開図である。 図7は、タブ部の先端側が下方に変位した状態の本体部の内部を示す断面図である。 図8は、タブ部の後側が下方に変位した状態の本体部の内部を示す断面図である。 図9は、タブ部の先端側が左方に変位した状態の本体部の内部を示す平面図である。
[本開示の実施形態の説明]
最初に本開示の実施態様を列記して説明する。
本開示の端子金具は、
(1)筒状の本体部と、前記本体部の内部に設けられた第一弾性片及び第二弾性片と、前記第一弾性片に設けられ、相手側端子金具のタブ部に接触する第一接点部と、前記第二弾性片に設けられ、前記タブ部に接触する第二接点部と、を有し、前記第一弾性片は、前記本体部に固定された第一固定端から前記タブ部の長さ方向の第一方向に延び、前記第一固定端の支点を中心に弾性変位可能であり、前記第二弾性片は、前記第一弾性片に固定された第二固定端から前記第一方向とは反対方向の第二方向に延び、前記第二固定端の支点を中心に弾性変位可能であり、前記第一接点部は、前記第二固定端の支点よりも前記第一弾性片の前記第一方向の先端側に位置し、前記第二接点部は、前記第一固定端の支点よりも前記第二弾性片の前記第二方向の先端側に位置するものである。
このような構成によれば、タブ部が第一接点部を押す方向に変位すると、主に第一弾性片が第一固定端の支点を中心に弾性変位し、シーソーのように第二接点部はタブ部側に変位できる。よって、タブ部と第二接点部との接点荷重の低下を抑制できる。一方、タブ部が第二接点部を押す方向に変位すると、主に第二弾性片が第二固定端の支点を中心に弾性変位し、シーソーのように第一接点部はタブ部側に変位できる。よって、タブ部と第一接点部との接点荷重の低下を抑制できる。したがって、タブ部が変位しても、接点荷重の低下を抑制できる。
(2)前記第一弾性片は、前記第一方向に延びる複数の延出部と、前記複数の延出部の前記第一方向の先端側を繋ぐ繋ぎ部と、を有し、複数の前記第一接点部は、前記繋ぎ部に設けられていることが好ましい。このような構成によれば、第一弾性片の延出部の間隔よりも第一接点部の間隔を小さくできるため、幅寸法が小さいタブ部に対応できる。
(3)前記本体部は、前記タブ部の長さ方向と交差する方向の両側に配置される側壁を有し、前記側壁は、前記第一弾性片及び前記第二弾性片に向けて突出した突出部を有することが好ましい。このような構成によれば、タブ部の先端側が、長さ方向と交差する方向に振れた場合、タブ部の側縁が突出部に当たり、タブ部の側縁と突出部との接点が、タブ部の先端の揺れ動きの中心になり得る。これによって、仮にタブ部の揺れ動きの中心が複数の接点部の内側になる場合と比べて、各接点部と揺れ動きの中心との間の距離は大きくなり得る。したがって、タブ部の先端を揺らすために必要な荷重は大きくなり得るから、タブ部の先端の揺れ動きを抑制できる。
[本開示の実施形態の詳細]
本開示の端子金具の具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
端子金具Tは、図1に示すように、相手側端子金具100と接続される。端子金具Tは、大電流用である。端子金具Tは雌型であり、相手側端子金具100は雄型である。端子金具T及び相手側端子金具100は、導電性に優れた金属板をプレス成形することで形成されている。端子金具T及び相手側端子金具100は、それぞれ電線Wの端末に接続されている。端子金具T及び相手側端子金具100は、電線Wの端末に圧着されるバレル部103を備えている。
相手側端子金具100は、本体部101とタブ部102とを備えている。タブ部102は、本体部101から突出している。タブ部102は、本体部101から延出した板状の部材を二重に折り重ねて形成されている(図2参照)。タブ部102は、端子金具Tの弾性片20に弾性的に支持される。
以下、端子金具Tの構成部材において、図1のX軸の正方向側(相手側端子金具100が接続される側)を前側、図1のX軸の負方向側(電線Wが接続される側)を後側、図2のY軸方向の正方向側(弾性片20を基準にタブ部102が配置される側)を上側、図2のY軸方向の負方向側(弾性片20を基準にタブ部102が配置される側とは反対側)を下側、図2のZ軸方向の正方向側(端子金具Tを正面から見て右側)を右側、図2のZ軸方向の負方向側(端子金具Tを正面から見て左側)を左側として説明する。
端子金具Tは、図2に示すように、タブ部102が挿入される本体部10を備えている。本体部10は、前後両側に開口した角筒状である。本体部10は、高さ寸法(上下方向の寸法)よりも幅寸法(左右方向の寸法)が大きい幅広形状である。本体部10の前側の開口の幅寸法は、タブ部102の幅寸法よりも大きい。
本体部10は、左右一対の側壁11、上壁12及び下壁13を備えている。左右の側壁11は、平行である。左右の側壁11は、端子金具Tと相手側端子金具100との接続状態において、タブ部102の左右両側(長さ方向と交差する方向の両側)に配置される。上壁12と下壁13とは、平行である。ここで、平行とは、完全な平行でなくてもよい。
上壁12は、2つの突条部14を備えている。2つの突条部14は、本体部10の左右に一つずつ設けられている。一対の突条部14は、本体部10の左右方向中心位置を基準に左右対称に配置されている。突条部14は、前後方向に延びている(図4参照)。2つの突条部14は平行である。ここで、平行とは、完全な平行でなくてもよい。
側壁11は、図3に示すように、本体部10内の弾性片20側に向けて突出した突出部15を有する。突出部15は、本体部10の一部を叩き出しすることによって形成されている。突出部15は、本体部10の内側に一段突出した台状をなしている。突出部15は、左右の側壁11の両方に設けられている。突出部15は、前後方向に延びている。突出部15は、弾性片20が配置される領域の左右に位置する。突出部15の前端は、前後方向において弾性片20の前端近傍に位置する。突出部15の後端は、前後方向において弾性片20の後端よりも後側に位置する。突出部15は、本体部10の左右方向中心を基準に左右対称である。突出部15は、図4に示すように、側壁11の上下方向の中央部に形成されている。突出部15は、本体部10の内部に挿入されたタブ部102と同等の高さに位置する。
本体部10の内部には、図3に示すように、過度撓み防止部16が設けられている。過度撓み防止部16は、左右に一対設けられている。過度撓み防止部16は、側壁11と対向する壁状である。過度撓み防止部16は、下壁13から上側に切り起こされて形成されている。過度撓み防止部16は、弾性片20の下側に位置する。過度撓み防止部16の後側には、スタビライザ17が設けられている。スタビライザ17によって、端子金具Tは、図示しないハウジングに正しい方向で挿入される。
本体部10の内部には、図3に示すように、弾性片20が設けられている。弾性片20は、本体部10の内部において上下方向に弾性変位する。弾性片20は、3つの接点部21,22を備えている。3つの接点部21,22は、タブ部102に接触する。3つの接点部21,22のうち2つは第一接点部21、1つは第二接点部22である。2つの第一接点部21は、左右に並んでいる。第二接点部22は、第一接点部21よりも前側に位置する。3つの接点部21,22と、上壁12の突条部14との間には、弾性片20が弾性変位していない状態において、タブ部102の厚さ寸法(上下方向の寸法)よりも小さい間隔があいている。
弾性片20は、図3に示すように、第一弾性片23と第二弾性片24とを有する。第一弾性片23と第二弾性片24とは、一体に形成されているから、3つの接点部21,22と、突条部14との間のギャップ管理を容易に行うことができる。
第一弾性片23は、2つの延出部23Aと繋ぎ部23Bとを有する。繋ぎ部23Bは、2つの延出部23Aの後端部同士を繋ぐ。繋ぎ部23Bは、左右方向に延びている。繋ぎ部23Bの幅寸法(前後方向の寸法)は、左右どちらか一つの延出部23Aの幅寸法(左右方向の寸法)よりも大きい。第一弾性片23の延出部23A及び第二弾性片24は、前後方向に長い形状である。第一弾性片23の延出部23A及び第二弾性片24は、左右に並んでいる。第一弾性片23の延出部23A及び第二弾性片24は、平行に延びている。ここで、平行とは、完全な平行でなくてもよい。
第一弾性片23の延出部23Aは、図5に示すように、本体部10に固定された第一固定端25から後方(第一方向)に延びている。延出部23Aは、弾性変位していない状態において、第一固定端25から斜め上方に延びている。第一固定端25は、本体部10の下壁13の前縁から上側に屈曲されている。第一固定端25は、円弧状に湾曲している。第一固定端25の支点25Pは、第一弾性片23の弾性変位の中心となる仮想の点である。具体的には、第一固定端25の支点25Pは、弧状をなす第一固定端25の中心点である。第一固定端25の支点25Pの位置は、図5に示す位置に限定されない。第一固定端25の支点25Pは、図5に示す位置又は同位置の近傍に位置し得る。例えば第一固定端25の支点25Pは、第一固定端25の板内に位置し得る。
第一弾性片23の後端部は、自由端である。第一弾性片23は、片持ち状である。第一弾性片23は、第一固定端25の支点25Pを中心に上下方向に弾性変位する。第一弾性片23の後端部は、上下方向において突出部15の形成範囲に位置する。
繋ぎ部23Bには、2つの第一接点部21が設けられている。各第一接点部21は、繋ぎ部23Bの前縁26Aと後縁26Bとの間に形成されている。第一接点部21は、延出部23Aに対して左右方向にずれた位置に配置されている。2つの第一接点部21は、左右方向において2つの延出部23Aの内側に位置する。2つの第一接点部21の左右方向の間隔は、2つの延出部23Aの左右方向の間隔よりも狭い。これによって、延出部23Aの左右方向の間隔よりも幅寸法が小さいタブ部にも、2つの第一接点部21を接触させることができる。第一接点部21の頂点は、第一弾性片23において最も上端に位置する(図5参照)。
第二弾性片24は、図3に示すように、繋ぎ部23Bに固定された第二固定端27から前方(第二方向)に延びている。第二固定端27は、繋ぎ部23Bを介して延出部23Aの後端部に位置する。第二固定端27は、繋ぎ部23Bの左右方向の中心に位置する。第二弾性片24の幅寸法(左右方向の寸法)は、第一弾性片23の延出部23Aの幅寸法(左右方向の寸法)よりも小さい。
第二弾性片24と第一弾性片23の延出部23Aとの間には、スリット部28が形成されている。スリット部28の幅内に、第一接点部21が設けられている。第一接点部21は、左右方向において延出部23Aと第二弾性片24との間に位置する。
第二弾性片24は、図5に示すように、弾性変位していない状態において、第二固定端27から斜め上方に延びている。第二固定端27の支点27Pは、第二弾性片24の弾性変位の中心の位置となる。第二弾性片24の前端部は、自由端である。言い換えると、第二弾性片24は、片持ち状である。第二弾性片24は、第二固定端27の支点27Pを中心に上下方向に弾性変位する。第二弾性片24の前端部は、下向きに屈曲している。第二弾性片24の前端は、第一弾性片23の第一固定端25よりも前側に位置する。
第二弾性片24には、図3に示すように、一つの第二接点部22が設けられている。第二接点部22は、上側から見た平面視において、第一接点部21よりも小さい。第二接点部22は、第一接点部21よりも前側に位置する。第二接点部22は、左右方向において、2つの第一接点部21のほぼ中央に位置する。
第二接点部22は、図5に示すように、第一固定端25の支点25Pよりも前側(第二方向の先端側)に位置する。第二接点部22は、第二弾性片24の前端よりも後側に設けられている。第二接点部22は、上下方向において、突出部15の形成範囲内に位置する。第二接点部22の頂点は、第二弾性片24において最も上端に位置する。
第二接点部22と第一接点部21とは、第一固定端25の支点25Pを中心に前側と後側とに配置されている。したがって、第二接点部22と第一接点部21とは、第一固定端25の支点25Pを中心にシーソー状に変位する。具体的には、第一固定端25の支点25Pを中心に第一接点部21が下がると、第二接点部22は上がる。
第二接点部22と第一接点部21とは、第二固定端27の支点27Pを中心に前側と後側とに配置されている。したがって、第一接点部21と第二接点部22とは、第二固定端27の支点27Pを中心にシーソー状に変位する。具体的には、第二固定端27の支点27Pを中心に第二接点部22が下がると、第一接点部21は上がる。
図6には、端子金具Tの曲げ加工する前の展開状態を示した。展開状態の端子金具Tには、2つの抜き孔31,32が形成されている。第一抜き孔31は、第一弾性片23の延出部23Aとなる部分及び第二弾性片24となる部分の間を抜いている。第一弾性片23となる部分は、本体部10の下壁13となる部分の前縁から前方に延びている。第一弾性片23の延出部23Aとなる部分の前端部は、繋ぎ部23Bとなる部分によって繋がっている。第二弾性片24となる部分は、繋ぎ部23Bとなる部分の後縁から後方に延びている。第一抜き孔31は、下壁13となる部分と、第一弾性片23となる部分と、第二弾性片24となる部分とを分断している。第一抜き孔31は、スリット部28となる部分を含んでいる。第一抜き孔31は、3つの弾性片を1つずつ分断して形成する場合の細長いスリットよりも大きいから、金型の強度を向上できる。第二抜き孔32は、本体部10の下壁13となる部分に形成されている。第二抜き孔32によって、過度撓み防止部16及びスタビライザ17となる部分が形成される。
次に、端子金具Tと相手側端子金具100との接続について説明する。端子金具Tと相手側端子金具100との正規の接続状態において、タブ部102は、図2に示すように、2つの突条部14と3つの接点部21,22とに挟持されている。左右の突条部14は、タブ部102の上面に同時に接触する。2つの第一接点部21及び1つの第二接点部22は、タブ部102の下面に同時に接触する。タブ部102は、第一弾性片23及び第二弾性片24の弾性力によって、2つの突条部14及び3つの接点部21,22との接触状態を保持される。
端子金具Tと相手側端子金具100との正規の接続状態において、タブ部102は、本体部10の内部で上下に振動することがある。タブ部102が上下に振動するとは、図7及び図8に示すように、タブ部102の先端側と、タブ部102の先端よりも後側とのうち一方が上側、他方が下側に位置するように傾いた姿勢を交互に繰り返すことである。
図7には、タブ部102の先端側が下側に変位した状態を示した。この状態において、第一接点部21は、第一固定端25の支点25Pを中心に下方に変位する。第一接点部21の接点荷重は、タブ部102に押されることによって増す。一方、第二接点部22は、第一弾性片23の弾性変位に伴うシーソー効果によって、第一固定端25の支点25Pを中心に上方に変位する。これによって、第二接点部22の接点荷重の低下を抑制できる。
図8には、タブ部102の後側が下側に変位した状態を示した。この状態において、第二接点部22は、第二固定端27の支点27Pを中心に下方に変位する。第二接点部22の接点荷重は、タブ部102に押されることによって増す。一方、第一接点部21は、第二弾性片24の弾性変位に伴うシーソー効果によって、第二固定端27の支点27Pを中心に上方に変位する。これによって、第一接点部21の接点荷重の低下を抑制できる。
このように、タブ部102が上下に振動しても、3つの接点部21,22の接点荷重は低下しないから、タブ部102の摺動を抑制できる。
端子金具Tと相手側端子金具100との正規の接続状態において、タブ部102は、左右に振れることがある。タブ部102が左右に振れるとは、図9に示すように、仮想の水平面(XZ面)上において、タブ部102の先端側が、タブ部102の先端の後側よりも左側もしくは右側に位置するように傾くことである。図9には、タブ部102の先端側が、タブ部102の後側よりも左側に位置した状態を示した。この状態において、タブ部102の右側の縁は、本体部10の突出部15に当たる。タブ部102と突出部15との接点Cは、タブ部102の先端側の振れの中心になる。接点Cと各接点部21,22の頂点との間の距離D1,D2,D3の合算は、タブ部102の先端側の振れの中心が3つの接点部21,22の内側にある場合よりも大きい。したがって、タブ部102の先端側を左右に揺らすのに必要な荷重は、当該場合よりも大きいから、タブ部102の左右の摺動を抑制し、接続信頼性を向上できる。距離D1,D2,D3は、仮想の水平面(XZ面)上における接点Cと各接点部21,22の頂点との間の最短距離である。
次に、上記のように構成された実施例の作用および効果について説明する。端子金具Tは、本体部10と、第一弾性片23及び第二弾性片24と、第一接点部21と、第二接点部22と、を有する。本体部10は、筒状である。第一弾性片23及び第二弾性片24は、本体部10の内部に設けられる。第一接点部21は、第一弾性片23に設けられ、相手側端子金具100のタブ部102に接触する。第二接点部22は、第二弾性片24に設けられ、タブ部102に接触する。第一弾性片23は、本体部10に固定された第一固定端25から後方(タブ部102の長さ方向)に延び、第一固定端25の支点25Pを中心に弾性変位可能である。第二弾性片24は、第一弾性片23に固定された第二固定端27から前方に延び、第二固定端27の支点27Pを中心に弾性変位可能である。第一接点部21は、第二固定端27の支点27Pよりも後側に位置する。第二接点部22は、第一固定端25の支点25Pよりも前側に位置する。
この構成によれば、タブ部102が第一接点部21を押す方向に変位すると、主に第一弾性片23が第一固定端25の支点25Pを中心に弾性変位し、シーソーのように第二接点部22はタブ部102側に変位できる。よって、タブ部102と第二接点部22との接点荷重の低下を抑制できる。一方、タブ部102が第二接点部22を押す方向に変位すると、主に第二弾性片24が第二固定端27の支点27Pを中心に弾性変位し、シーソーのように第一接点部21はタブ部102側に変位する。よって、タブ部102と第一接点部21との接点荷重の低下を抑制できる。したがって、タブ部102が第一接点部21又は第二接点部22のいずれか一方を押す方向に変位しても、接点部21,22の接点荷重の低下を抑制できる。
第一弾性片23は、前後方向に延びる2つの延出部23Aと、2つの延出部23Aの後端側を繋ぐ繋ぎ部23Bと、を有する。2つの第一接点部21は、繋ぎ部23Bに設けられている。この構成によれば、第一弾性片23の延出部23Aの間隔よりも第一接点部21の間隔を小さくできるため、幅寸法が小さいタブ部に対応できる。
本体部10は、タブ部102の左右方向の両側に配置される側壁11を有する。側壁11は、第一弾性片23及び第二弾性片24に向けて突出した突出部15を有する。この構成によれば、タブ部102の先端側が、左右方向に振れた場合、タブ部102の側縁が突出部15に当たり、タブ部102の側縁と突出部15との接点Cが、タブ部102の先端の揺れ動きの中心になる。これによって、仮にタブ部の揺れ動きの中心が複数の接点部の内側になる場合と比べて、各接点部21,22と揺れ動きの中心(接点C)との間の距離は大きくなり得る。したがって、タブ部102の先端を揺らすために必要な荷重は大きくなり得るから、タブ部102の先端の揺れ動きを抑制できる。
[本開示の他の実施形態]
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えるべきである。
上記実施形態の場合、第一弾性片23は、2つの延出部23Aを有する。他の実施形態として、第一弾性片は、1つの延出部のみを有しても良いし、3つ以上の延出部を有してもよい。第一弾性片は、1つの延出部のみを有する場合、繋ぎ部を有さなくてもよい。
上記実施形態の場合、弾性片20は、1つの第二弾性片24を有する。他の実施形態として、弾性片は、2つ以上の第二弾性片を備えても良い。
上記実施形態の場合、第一弾性片23は、本体部10に固定された第一固定端25から後方に延び、第二弾性片24は、第一弾性片23に固定された第二固定端27から前方に延びている。他の実施形態として、第一弾性片及び第二弾性片の延び方向は前後逆であってもよい。具体的には、第一弾性片は、本体部に固定された第一固定端から前方に延び、第二弾性片は、第一弾性片に固定された第二固定端から後方に延びていても良い。
上記実施形態の場合、第一固定端25の支点25Pは、第一固定端25の中心点であり、第二固定端27の支点27Pは、繋ぎ部23Bの前縁26Aの延長線上に位置する。他の実施形態として、第一固定端及び第二固定端の形態は、上記実施形態と異なるものであってもよい。第一固定端の支点の位置、第二固定端の支点の位置は、第一固定端及び第二固定端の形態によって変わる。
上記実施形態の場合、左右の側壁11は、突出部15を備えている。他の実施形態として、左右の側壁は、突出部を備えていなくても良い。左右の側壁は、いずれか一方のみに突出部を備えても良い。
上記実施形態の場合、第一接点部21は、繋ぎ部23Bに設けられている。他の実施形態として、第一接点部は、第一弾性片の延出部に設けても良い。
C…接点
D1…距離
D2…距離
D3…距離
T…端子金具
W…電線
10…本体部
11…側壁
12…上壁
13…下壁
14…突条部
15…突出部
16…過度撓み防止部
17…スタビライザ
20…弾性片
21…第一接点部
22…第二接点部
23…第一弾性片
23A…延出部
23B…繋ぎ部
24…第二弾性片
25…第一固定端
25P…第一固定端の支点
26A…繋ぎ部の前縁
26B…繋ぎ部の後縁
27…第二固定端
27P…第二固定端の支点
28…スリット部
31…第一抜き孔
32…第二抜き孔
100…相手側端子金具
101…本体部
102…タブ部
103…バレル部

Claims (2)

  1. 筒状の本体部と、
    前記本体部の内部に設けられた第一弾性片及び第二弾性片と、
    前記第一弾性片に設けられ、相手側端子金具のタブ部に接触する第一接点部と、
    前記第二弾性片に設けられ、前記タブ部に接触する第二接点部と、を有し、
    前記第一弾性片は、前記本体部に固定された第一固定端から前記タブ部の長さ方向の第一方向に延び、前記第一固定端の支点を中心に弾性変位可能であり、
    前記第二弾性片は、前記第一弾性片に固定された第二固定端から前記第一方向とは反対方向の第二方向に延び、前記第二固定端の支点を中心に弾性変位可能であり、
    前記第一接点部は、前記第二固定端の支点よりも前記第一弾性片の前記第一方向の先端側に位置し、
    前記第二接点部は、前記第一固定端の支点よりも前記第二弾性片の前記第二方向の先端側に位置し
    前記第一弾性片は、前記第一方向に延びる複数の延出部と、前記複数の延出部の前記第一方向の先端側を繋ぐ繋ぎ部と、を有し、
    前記延出部と前記第二弾性片とは前記タブ部の長さ方向に延びたスリット部を介して左右に並んで形成され、前記繋ぎ部は左右方向に延び、複数の前記第一接点部は、前記繋ぎ部に設けられている端子金具。
  2. 前記本体部は、前記タブ部の長さ方向と交差する方向の両側に配置される側壁を有し、
    前記側壁は、前記第一弾性片及び前記第二弾性片に向けて突出した突出部を有する請求項1に記載の端子金具。
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