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JP2020019611A - マルチカーエレベーター及びマルチカーエレベーター制御方法 - Google Patents

マルチカーエレベーター及びマルチカーエレベーター制御方法 Download PDF

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JP2020019611A JP2018144504A JP2018144504A JP2020019611A JP 2020019611 A JP2020019611 A JP 2020019611A JP 2018144504 A JP2018144504 A JP 2018144504A JP 2018144504 A JP2018144504 A JP 2018144504A JP 2020019611 A JP2020019611 A JP 2020019611A
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Abstract

【課題】マルチカーエレベーターにおいて、VIP運転用のかごの選定が適切にできるようにする。【解決手段】昇降路(走行路)に配置された複数のかごを、個別又は対ごとに走行させるマルチカーエレベーターにおいて、各かごの乗客が降車するのに要する時間を予測する降車時間算出部と、複数のかごのそれぞれが特定の階まで移動に要する走行時間と、降車時間算出部が予測した降車時間とを加算した、複数のかごのそれぞれが特定の階までの到着に要する時間を算出する到着時間算出部と、複数のかごの少なくとも1台を選択する際に、到着時間算出部が算出した特定の階までの到着に要する時間が最短のかごを割り当てる。【選択図】図2

Description

本発明は、マルチカーエレベーター及びマルチカーエレベーター制御方法に関する。
エレベーターの方式の1つとして、マルチカーエレベーターが従来から提案され、開発されている。マルチカーエレベーターは、昇降路内に配置した複数のかごが、個別に昇降路内を走行(昇降)するものである。マルチカーエレベーターには、様々な方式のものが存在し、釣り合い方式、自走方式、ツイン方式などがある。
これらの方式の内で、釣り合い方式のマルチカーエレベーターは、上り専用の昇降路と下り専用の昇降路を併設して、かごを循環移動させるものであり、通常のエレベーターの2基分の昇降路内で、4台や6台などの多数のかごを運行させるものである。このような釣り合い方式の循環型マルチカーエレベーターによると、エレベーターの昇降路面積あたりの輸送力を通常のエレベーターの数倍に向上させることができ、ビル内の空間を有効活用できると共に、ビル内移動の利便性を向上させることができる。
釣り合い方式のマルチカーエレベーターの詳細は後述する実施の形態で説明するが、簡単に述べると、1対(1組)の主ロープの釣り合った位置に2台のかごを接続し、その主ロープを2対、3対と増やして、かごの配置数を4台、6台と増やすものである。同じ対の主ロープに接続された2台のかご毎に個別の駆動源で駆動され、各対ごとのかごが個別に走行する。例えば、ある1つの対の2台のかごは、一方のかごが上りの昇降路を走行する際に、他方のかごが下りの昇降路を走行する。
釣り合い方式以外の方式についても簡単に説明しておくと、自走方式のマルチカーエレベーターは、昇降路に配置された複数のかごが、それぞれリニアモータなどの個別の駆動源により自走する。ツイン方式のマルチカーエレベーターは、1つの昇降路に配置した2台のかごが、それぞれ別の主ロープにより駆動されて、個別に走行する。いずれの方式であっても、マルチカーエレベーターの場合、基本的にはそれぞれのかごは、昇降路内で他のかごを追い越すことはできない。但し、昇降路内で昇降位置から水平にかごを移動できる走行路を設けた場合には、かごの昇降路(走行路)内の順序が変わる場合もある。
マルチカーエレベーターで効率よく乗客を輸送するためには、ビル内の各階の乗降場で待っている乗客の人数などに応じて、複数のかごの走行状態を、最適に制御する必要がある。
特許文献1には、リニアモータでかごを駆動する自走方式のマルチカーエレベーターにおいて、ビル内でのサービス需要に応じて、一部のかごを昇降路の昇降経路から外れた位置に水平移動させて、昇降路内で運用するかごの数を変化させる技術が記載されている。
WO2016/126627号
ところで、エレベーターには、VIP専用運転と称される専用運転モードが用意されたものがある。VIP専用運転は、エレベーターを特定の乗客(いわゆるVIP)のために専用運転するモードであり、操作盤のボタン操作や、乗り場でのカード認証などで設定される。VIP運転モードの設定中は、特定の乗客を、特定の出発階から指示された到着階まで直行で移動させる運転が行われ、一般の乗客の利用が抑止される。
ここで、マルチカーエレベーターがVIP専用運転を行うことを考えたとき、通常のエレベーターとは異なる制御処理が必要になる。すなわち、マルチカーでない通常のエレベーターの場合には、昇降路に配置されたかごは1台だけであるので、その1台のかごがVIP運転用に決まる。一方、マルチカーエレベーターの場合には、VIP専用運転モードになったとき、複数配置されたかごの内の、いずれのかごをVIP乗車用にするのかを決める必要がある。
例えば、1階などの特定階が出発階のVIP運転モードになったとき、VIP乗車用としてその特定階に配車するかごは、特定階に最も近い階を走行中のかごを割り当てるのが一般的である。しかしながら、特定階に最も近い階を走行中のかごに、多数の乗客が乗車中である場合には、全ての乗客が降車して、特定階に到着して専用運転できるまでに時間がかかる等のケースが想定される。したがって、特定階に最も近い階を走行中のかごを、専用運転用に割り当てるのが、必ずしも適切とは言えない。
また、VIP運転を行う範囲が予め決められた特定の階の間に限られるとき、マルチカーエレベーターの場合、そのVIP運転範囲から外れる範囲では、別のかごを使って、一般の乗客を搬送することも可能である。しかしながら、VIP運転用のかごと一般運転用のかごを適切に選択するのは簡単ではない。
また、特許文献1に記載されるように、特定のかごを水平移動させて、一部のかごを昇降路から外すことが可能なマルチカーエレベーターあれば、VIP運転用のかご以外を、昇降路から外して、休止状態とすることも考えられる。しかしながら、かごを水平移動できる機構を備えないマルチカーエレベーターでは、そのような一部のかごの休止処理は不可能であり、特許文献1に記載される技術は、全てのマルチカーエレベーターに適用できるものではない。
本発明は、VIP運転用のかごの選定を適切に行うことができるマルチカーエレベーター及びその制御方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、例えば特許請求の範囲に記載の構成を採用する。
本願は、上記課題を解決する手段を複数含んでいるが、その一例を挙げるならば、昇降路に配置された複数のかごを、個別又は対ごとに走行させるマルチカーエレベーターに適用される。
そして、複数のかごの各々に乗車中の乗客が降車するのに要する時間を予測する降車時間算出部と、複数のかごのそれぞれが特定の階まで移動に要する走行時間と、降車時間算出部が予測した降車時間とを加算した、複数のかごのそれぞれが特定の階までの到着に要する時間を算出する到着時間算出部と、複数のかごの少なくとも1台を選択する際に、到着時間算出部が算出した、特定の階までの到着に要する時間が最短のかごを割り当てる判定部と、を備える。
本発明によれば、複数のかごの内で、各かごに乗車中の乗客が降車する時間を考慮して、特定の階に最短で到着するかごを割り当てる処理が行われる。したがって、最も短い時間で、特定の階にかごを割り当てて、待機することができる。
上記した以外の課題、構成および効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
本発明の一実施の形態例によるマルチカーエレベーターの全体の例を示す構成図である。 本発明の一実施の形態例によるコントローラの構成(例1)を示すブロック図である。 本発明の一実施の形態例によるコントローラの構成(例2)を示すブロック図である。 本発明の一実施の形態例によるコントローラのハードウェア構成の例を示すブロック図である。 本発明の一実施の形態例によるコントローラの制御処理例を示すフローチャートである。 本発明の一実施の形態例によるかごの稼動状態の例(専用運転前)を示す動作図である。 本発明の一実施の形態例によるかごの稼動状態の例(専用運転開始時)を示す動作図である。
以下、本発明の一実施の形態例(以下、「本例」と称する)について、添付図面を参照して詳細に説明する。
[1.システム全体の構成]
図1は、本例のマルチカーエレベーターの全体構成を示す。
図1は、ビル内に設置されたマルチカーエレベーターの構成を示し、ビル内に配置された昇降路10に、マルチカーエレベーターが設置される。本例のマルチカーエレベーターは、釣り合い方式のマルチカーエレベーターである。
本例の昇降路10は、隣接して配置された上り用昇降路11と下り用昇降路12とを備える。本例の場合、上り用昇降路11と下り用昇降路12とに、合計で6台のかご1−A1,1−A2,1−B1,1−B2,1−C1,1−C2が配置されている。6台のかご1−A1,1−A2,1−B1,1−B2,1−C1,1−C2は、2台ずつが対になって、ループ状に配置されたそれぞれ別の対の主ロープ6a,6b,6c,7a,7b,7cに接続される。
すなわち、昇降路10の上端(上部反転位置)14には、駆動網車2,3が配置され、昇降路10の下端(下部反転位置)13には、下部網車4,5が配置される。
そして、駆動網車2と下部網車4とに巻き掛けられた主ロープ6aと,駆動網車3と下部網車5とに巻き掛けられた主ロープ7aの釣り合った位置に、かご1−A1,1−A2が接続される。そして、駆動源(不図示)による駆動網車2,3を介して主ロープ6a,7aを駆動することにより、かご1−A1,1−A2を走行させる。以下の説明では、この主ロープ6a、7aに接続された1対のかご1−A1,1−A2を、A対のかごと称する。
また、駆動網車2と下部網車4とに巻き掛けられた主ロープ6bと、駆動網車3と下部網車5とに巻き掛けられた主ロープ7bの釣り合った位置に、かご1−B1,1−B2が接続される。そして、駆動源による駆動網車2、3を介して主ロープ6b、7bを駆動することにより、かご1−B1,1−B2を走行させる。以下の説明では、この主ロープ6b,7bに接続された1対のかご1−B1,1−B2を、B対のかごと称する。
さらに、駆動網車2と下部網車4とに巻き掛けられた主ロープ6cと、駆動網車3と下部網車5とに巻き掛けられた主ロープ7cの釣り合った位置に、かご1−C1,1−C2が接続される。そして、駆動源による駆動網車2,3を介して主ロープ6c、7cを駆動することにより、かご1−C1,1−C2を走行させる。以下の説明では、この主ロープ6c,7cに接続された1対のかご1−C1,1−C2を、C対のかごと称する。また、以下の説明で6台のかご1−A1,1−A2,1−B1,1−B2,1−C1,1−C2のそれぞれを区別する必要がない場合には、「−」より後の符号を省略して、単にかご1と述べる。
A対のかご1−A1,1−A2を走行させる駆動源と、B対のかご1−B1,1−B2を走行させる駆動源と、C対のかご1−C1,1−C2を走行させる駆動源は、それぞれ別である。したがって、A対の2つのかご1−A1,1−A2と、B対の2つのかご1−B1,1−B2と、C対のかご1−C1,1−C2は、それぞれ個別の走行状態で上り用昇降路11と下り用昇降路12とを走行する。但し、各かご1は、他のかご1を追い越すことはできない。
駆動網車2,3が設置された昇降路10の上端は、上り用昇降路11を上端まで走行したかごを、下り用昇降路12側に反転させる上部反転位置14となっている。下部網車4,5が設置された昇降路10の下端は、下り用昇降路12を下端まで走行したかごを、上り用昇降路11側に反転させる下部反転位置13となっている。
下部反転位置13は、エレベーターでサービスを行う最下階の下側に設けられ、上部反転位置14は、エレベーターでサービスを行う最上階の上側に設けられる。これらの下部反転位置13や上部反転位置14は、乗客を乗せない状態でかご1を下り用昇降路12から上り用昇降路11へ、又は上り用昇降路11から下り用昇降路12へ反転させる。
なお、下部反転位置13や上部反転位置14は、乗客を搬送するサービスから一時的に外れたかご1を待機させる待機スペースとしても利用される。
上り用昇降路11内では、各かご1−A1,1−A2,1−B1,1−B2,1−C1,1−C2が上側Uに走行し、乗客を上側の階に搬送する。下り用昇降路12内では、各かご1−A1,1−A2,1−B1,1−B2,1−C1,1−C2が下側Dに走行し、乗客を下側の階に搬送する。したがって、上り用昇降路11に設置された各階の乗降ドア(不図示)は、上り乗客専用の乗降口になり、下り用昇降路12に設置された各階の乗降ドア(不図示)は、下り乗客専用の乗降口になる。
但し、本例の場合、各かご1に乗客が乗車していない状態では、一時的に上り用昇降路11をかご1が下降したり、下り用昇降路12をかご1が上昇することもある。
かご1の走行は、コントローラ100により制御される。コントローラ100は、対かごコントローラ(A対用)101と、対かごコントローラ(B対用)102と、対かごコントローラ(C対用)103と、運行コントローラ110とを備える。
対かごコントローラ(A対用)101は、A対のかご1−A1,1−A2を走行させる駆動源を制御する。
対かごコントローラ(B対用)102は、B対のかご1−B1,1−B2を走行させる駆動源を制御する。
対かごコントローラ(C対用)103は、C対のかご1−C1,1−C2を走行させる駆動源を制御する。
なお、上りと下りで昇降路11,12を分けているため、通常時には、上り用昇降路11は上昇側のみに走行し、下り用昇降路12は下降側のみに走行する。しかしながら、本例の場合には、後述するように一時的に設定方向とは逆の方向に走行(昇降)する場合もあるため、上り用昇降路11と下り用昇降路12は、上昇路や下降路とは言わず、昇降路と述べる。
[2.運行コントローラの構成]
運行コントローラ110は、それぞれの対かごコントローラ101〜103による各対のかご1の運行を統括制御する。
運行コントローラ110は、かご1の運行を制御するための様々な機能を備えるが、ここでは、後述する特定の運転(VIP専用運転)に対応した機能を中心に説明する。
図2は、運行コントローラ110の代表的な構成を示すブロック図である。
図2に示すように、運行コントローラ110は、かご位置判定部111、呼び受付部112、降車時間算出部113、到着時間算出部114、制御指令生成部115、VIP呼び判定部116、及び片かご切離指令部117を備える。
かご位置判定部111は、全ての対のかご1の位置を判定する。
呼び受付部112は、各階の乗降口の近傍に設置されたかご呼ボタンや、かご1内の操作盤による停止階を指示するボタンなどの操作による、いわゆるかご呼び指示を受け付ける。
降車時間算出部113は、それぞれのかご1内の乗客全員がかご外に降車するのに要する時間を算出する(降車時間算出処理)。この降車に要する時間を算出する際には、降車時間算出部113は、それぞれのかご1に取り付けられた荷重センサで検出される重量や、かご1内を撮影するカメラの映像から、各かご1内の乗車人数を取得する。そして、降車時間算出部113は、取得した乗客数に、予め決められた1人あたりの降車に要する時間を乗算して、かご1内の乗客全員がかご外に降車するのに要する時間を得る。例えば、ある1台のかご1の乗車人数が3人で、1人あたりの降車に要する時間が0.8秒であるとき、該当するかご1内の乗客が降車するのに要する時間を、3×0.8=2.4で、2.4秒とする。
なお、1人あたりの降車に要する時間を固定値とするのは一例であり、後述するように学習処理で変化させてもよい。
到着時間算出部114は、かご位置判定部111が判定したかご位置と、降車時間算出部113が算出した降車に要する時間とを使って、それぞれのかご1が到着するまでの所要時間を算出する(到着時間算出処理)。例えば、ある1台のかご1の降車に要する時間が4秒で、そのかご1の現在位置から特定の階まで走行する時間が12秒であるとき、4+12=16として、16秒を、かご1が到着するまでの所要時間とする。
但し、各対の2台のかご1は連動して走行するため、降車時間と到着時間の算出は、2台のかご1を接続した3つの対(A対、B対、C対)ごとに行う。すなわち、A対、B対、C対の3つの対のそれぞれで、各対の2台のかご1の内の、大きな値となる降車時間と、小さな値となる走行時間を加算した値を、その対のかご1が到着するまでの所要時間とする。
到着時間算出部114は、稼働中のすべてのかご1についての所要時間を算出する。
制御指令生成部115は、到着時間算出部114が算出した到着までの所要時間に基づいて、それぞれの階で呼び指令があったときに、その階に到着させるかご1を決定して、そのかご1を制御する制御指令を生成する。そして、生成した制御指令を、該当するかご1を制御する対かごコントローラ101〜103のいずれかに送り、かご1の運行を制御する。また、制御指令生成部115は、後述するVIP専用運転時の制御指令についても、該当するかご1を制御する対かごコントローラ101〜103のいずれかに送り、かご1のVIP専用運転時の運行を制御する。
VIP呼び判定部116は、VIP専用運転と称される特定の乗客だけを輸送する専用運転を行う指示があることを判定する。このVIP専用運転は、例えば、各階の乗降口の近傍に設置された専用のボタン操作、ビルの特定の場所に設置された操作盤の操作、あるいは登録された利用者が所持する特定の端末装置での操作などで指示される。なお、乗降口に設置されたボタンの操作の場合には、一般の利用者が操作できないような、特殊な操作方法とする必要がある。
VIP専用運転の指示には、VIPの乗り込む階がいずれであるかの情報が含まれる。例えば、特定の階の乗降口の近傍の専用のボタン操作で、VIP専用運転のかご呼びが行われたときには、その操作があった階が乗り込む階に設定される。また、操作盤や端末装置を使った操作時にも、乗り込む階についての指示が行われる。
VIP呼び判定部116がVIP専用運転のかご呼びを判定すると、制御指令生成部115は、到着時間算出部114が算出した稼働中のすべてのかご1についての到着予定時間を取得して、VIP専用運転でVIPが乗り込む階と指示された階に最も速く到着するかご1(複数のかごの少なくとも1台)を選択する。そして、VIP呼び判定部116は、制御指令生成部115で決定された最も速く到着するかご1を、VIP専用運転用に割り当て、該当するかご1の乗客を降車させて、指示された階に移動させる。
片かご切離指令部117は、VIP呼び判定部116が割り当てたVIP専用運転用のかご1と対になったかご1について、乗客を降車させて、利用を停止させる。
これらのVIP呼び判定部116や片かご切離指令部117からの指令についても、制御指令生成部115から対かごコントローラ101〜103の対応したものに送る。
[3.対かごコントローラが直接制御する構成例]
図2に示す構成では、運行コントローラ110が、対かごコントローラ101〜103を統括制御する構成としたが、運行コントローラ110を省略して、対かごコントローラ101〜103が直接に各対のかご1の運行を制御するようにしてもよい。
図3は、運行コントローラ110を省略した場合のコントローラの構成例を示す。
図3に示すように、運行コントローラ110を省略した場合、それぞれの対かごコントローラ101〜103は、相互に通信を行い、各対かごコントローラ101〜103は、全てのかご1の位置を把握しながら、対のかご1の運行を制御する。
各対かごコントローラ101〜103は、図2の運行コントローラ110と同様に、かご位置判定部111、呼び受付部112、降車時間算出部113、到着時間算出部114、制御指令生成部115、VIP呼び判定部116、及び片かご切離指令部117を備える。
そして、VIP専用運転のかご呼びがあったとき、3つの対かごコントローラ101〜103のいずれか1つの制御指令生成部115が、自らのかご1の運行を制御すると共に、他の2つの対かごについても指示を行う。例えば、A対用の対かごコントローラ101が、1対のかご1−A1又は1−A2をVIP専用運転用のかごに設定したとき、B対用及びC対用の対かごコントローラ102,103に対して、A対が専用運転に入ったことを指示する。
[4.コントローラのハードウェア構成例]
各対用の対かごコントローラ101〜103と、運行コントローラ110は、例えばコンピュータにより構成される。
図4は、対かごコントローラ101〜103及び運行コントローラ110を構成するコンピュータのハードウェア構成の例を示す。
図4に示すコンピュータは、バス198にそれぞれ接続されたCPU(Control Processing Unit:中央処理装置)191、ROM(Read Only Memory)192、およびRAM(Random Access Memory)193を備える。さらに、コンピュータは、記憶装置194、操作部195、表示部196、及び通信インターフェース197を備える。
CPU191は、本実施の形態例に係る各機能を実現するソフトウェアのプログラムコードをROM192から読み出して実行する。
RAM193には、演算処理の途中に発生した変数やパラメータ等が一時的に書き込まれる。本実施の形態例に係る各システムおよび装置における処理の実行は、主にCPU191がプログラムコードを実行することにより実現される。
表示部196は、例えば、液晶ディスプレイモニタであり、この表示部196によりコンピュータで実行される処理の結果が操作者に表示される。
操作部195には、例えば、キーボード、マウスなどが用いられ、操作者は操作部195を用いて所定の入力を行う。表示部196や操作部195は、エレベーターの保守時に使用される。なお、コントローラ101〜103や運行コントローラ110として、表示部196や操作部195を備えない構成としてもよい。
記憶装置194には、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)などの大容量データ記憶媒体が用いられる。記憶装置194には、運行を制御するプログラムや、運行履歴などの各種データが記録される。
通信インターフェース197には、例えば、NIC(Network Interface Card)などが用いられる。通信インターフェース197は、端子が接続されたLAN(Local Area Network)、専用線などを介して外部や他のコントローラと各種データの送受信を行う。
[5.VIP専用運転時の制御処理]
図5は、運行コントローラ110が行うVIP専用運転時の制御処理例を示すフローチャートである。ここでは、図2に示す運行コントローラ110が制御を行う場合について説明するが、運行コントローラ110を備えない図3の構成の場合には、いずれかの対かごコントローラ101〜103が同様の制御を行う。
まず、運行コントローラ110のかご位置判定部111が、全てのかご1の位置の判定処理を行い(ステップS11)、呼び受付部112が、乗り場などでのかご呼びの受付処理を行う(ステップS12)。そして、降車時間算出部113が、各かご1のその時点での乗車人数に応じた降車時間の算出処理を行う(ステップS13)。このとき、例えば各かご1に設置された荷重センサで検出した荷重及び/又はカメラで撮影した映像に基づいて乗車人数を算定し、乗車人数1人当たりの降車時間を乗車人数に乗算して、降車時間を算出する。乗車人数1人当たりの降車時間としては、例えば0.8秒などの予め決められた固定値を使用する。
そして、到着時間算出部114は、かご位置判定部111で判定したかご位置と、降車時間算出部113で算出された降車時間とに基づいて、各階までのかご1の到着時間を算出する(ステップS14)。
その後、VIP呼び判定部116は、VIP専用運転を行うためのかご呼びの指示があったか否かを判断する(ステップS15)。ここで、VIP専用運転を行うためのかご呼びの指示がない場合(ステップS15のNo)には、制御指令生成部115は、各かご1の位置とかご呼びなどの状況に応じて、通常モードで各かご1の走行を指示する指令を、それぞれの対かごコントローラ101〜103に送る(ステップS16)。そして、運行コントローラ110は、ステップS11のかご位置の判定処理に戻る。
また、ステップS15において、VIP専用運転を行うためのかご呼びの指示があると判断された場合には(ステップS15のYes)、運行コントローラ110は、エレベーターの運行モードを通常モードからVIP専用運転モードに切り替える。そして、VIP呼び判定部116は、VIP専用の指示時に押されたボタンなどから、VIPがエレベーターに乗車する階を特定し、その特定した階に最も早く到着するかご1を、VIP乗車用のかごに割り当てる(ステップS17)。判定を行う際の評価では、通常、かご内の混雑度合いを把握し、非混雑エレベーターを優先して選択する方式や、エレベーターの走行状態を把握し、消費電力を抑制するために動いているエレベーターを優先的に選択する方式など様々な方式が存在する。また総合的に評価点を算出し、待ち時間、混雑度合い、省エネルギー効果を評価点方式とし、総合的に割当てを判定する手法も存在する。ただし、VIP専用運転モードの場合、VIPを最優先にサービスを行うため、最短のエレベーターを配車する。そこで、VIP専用運転モードによるサービス要求があった際には、他方式を無視し、かご1の到着時間を最優先とする方式を優先する。このため、VIP呼び判定部116は、VIPの乗り込む階にかごが最短で到着するよう定められた専用運転のサービス要求があった際に、他の評価指標よりも、到着時間算出部114で算出した、かごがVIPの乗り込む階までの到着に要する時間を優先的に判定に使用する。
なお、VIP専用運転モードに切り替わった時点で、既に利用者がかご1内に乗車していれば、同じかご1にて利用者とVIPとが乗り合わせることを防ぐため、既にかご1内に乗車している利用者に対して強制的に降車を促す案内が実施される。
さらに、VIP呼び判定部116でVIP乗車用のかご1が決定されると、片かご切離指令部117は、そのかご1と対になっているかご1の利用を停止させる片かご切離処理を行う(ステップS18)。
そして、制御指令生成部115は、VIP乗車用に割り当てたかご1を、VIPの乗車階に停止させ、ドア開の状態でVIPの乗車があるまでドア開で待機させる(ステップS19)。その後、運行コントローラ110は、VIP乗車用に割り当てたかご1に乗客(VIP)の乗車があるか否かを判断し(ステップS20)、該当するかご1への乗車がない場合(ステップS20のNo)には、ステップS19でのドア開による待機を続ける。
そして、ステップS20でVIP乗車用に割り当てたかご1にVIPの乗車があると判断したとき(ステップS20のYes)、制御指令生成部115は、かご内の操作盤などの操作などで指示された階まで、かご1を走行させる走行制御処理を行う(ステップS21)。
その後、運行コントローラ110は、専用運転中のかご1から乗客(VIP)が降車したか否かを判断する(ステップS22)。ここで、専用運転中のかご1から乗客が降車していないと判断したとき(ステップS22のNo)、ステップS21での専用運転モードを続ける。VIP乗車用に割り当てたかご1にVIPが乗車したか否かの判断は、例えばかご内設置の過重センサや、カメラを利用し、VIPの有無を判別する方式や、IDカードによって特定人物を判定するような利用者検出手段によって、VIPを検出する方式で行われる。なお、かごが戸開して、一定時間、VIPの乗車を確認できなかった場合は、運行コントローラ110は、VIP専用運転モードを解除し、対になっているかご1の停止を解除し、通常の運転モードに戻る。
また、ステップS22で、専用運転中のかご1から乗客(VIP)が降車したと判断したとき(ステップS22のYes)、運行コントローラ110は、VIP専用運転モードを解除し(ステップS23)、ステップS11の処理に戻る。なお、ステップS23でのVIP専用運転モードの解除は、乗客の降車の判断ではなく、操作盤などでの操作に基づいて行うようにしてもよい。また、運行コントローラ110は、VIP専用運転モードの解除時、対になっているかご1の停止を解除し、通常の運転モードに戻る。
[6.VIP専用運転モード開始時の具体例]
次に、図6及び図7を参照して、本例のマルチカーエレベーターにおいて、VIP専用運転モードを開始する際の具体的な運転状況の例を説明する。
図6は、VIP専用運転モードを開始する前の、各かご1−A1,1−A2,1−B1,1−B2,1−C1,1−C2の昇降路11,12の走行位置を示す。
ここでは、図6に示すように、上り用昇降路11で、A対の一方のかご1−A1と、B対の一方のかご1−B1と、C対の一方のかご1−C1が走行中であり、下り用昇降路12でA対の他方のかご1−A2と、B対の他方のかご1−B2と、C対の他方のかご1−C2が走行中である。
そして、それぞれのかご1に、図6に示す人数の乗客が乗車中である。すなわち、かご1−A1に15人、かご1−A2に6人、かご1−B1に4人、かご1−B2に5人、かご1−C1に5人、かご1−C2に2人が乗車中である。
このような人数の乗客が乗車中に、図6に示すように、特定の階F1で、特定の乗客Vaが乗車するために、VIP専用運転の指示があるとする。
このとき、運行コントローラ110の降車時間算出部113では、それぞれのかご1の乗客が降車するのに要する時間が算出される。さらに、その降車時間と、かご1が特定の階F1に到着するまでの走行時間とを加算した、各かご1の到着時間が、到着時間算出部114で算出される。次の[表1]は、各対の2つのかごの乗車人数と、降車時間と、到着までの移動時間の一覧である。[表1]内の「かご1」は、A対のかご1−A1、B対のかご1−B1、又はC対のかご1−C1を示す。また、[表1]内の「かご2」は、A対のかご1−A2、B対のかご1−B2、又はC対のかご1−C2を示す。
なお、ここでは1人当たりの降車時間を0.8秒に設定する。
Figure 2020019611
[表1]に示す降車時間は、A対、B対、C対のそれぞれが備える2つのかごの内の降車時間の内で、大きい値となる時間を示す。[表1]に示す移動時間は、A対、B対、C対のそれぞれが備える2つのかごの移動時間の内で、小さい値となる時間を示す。
例えば、A対のかご1−A1,1−A2は、乗車人数が15人と6人で、それぞれの降車時間は12秒と6秒で、大きな値である12秒がA対のかご1−A1,1−A2の降車時間になる。また、A対のかご1−A1,1−A2の最小の移動時間は、かご1−A1についての降車時間12秒と、停止階F1までの走行時間15秒の合計の27秒になる。
B対のかご1−B1,1−B2は、乗車人数が4人と5人で、それぞれの降車時間は3.2秒と4秒で、大きな値である4秒がB対のかご1−B1,1−B2の降車時間になる。また、B対のかご1−B1,1−B2の最小の移動時間は、かご1−B1についての降車時間4秒と、停止階F1までの走行時間20秒(上側Uと逆方向の移動)の合計の24秒になる。
C対のかご1−C1,1−C2は、乗車人数が5人と2人で、それぞれの降車時間は4秒と1.6秒で、大きな値である4秒がC対のかご1−C1,1−C2の降車時間になる。また、B対のかご1−C1,1−C2の最小の移動時間は、かご1−C1についての、降車時間4秒と、停止階F1までの走行時間40秒(上側Uと逆方向の移動)の44秒になる。
このような状態のとき、VIP呼び判定部116は、最小の移動時間である、B対の一方のかご1−B1を、VIP専用運転用に割り当てるかごに決定し、かご1−B1とかご1−B2の乗客を強制的に降車させてから、特定の乗客Vaが乗車する階F1にかご1−B1を移動する。
図7は、VIP専用運転用に割り当てたかご1−B1が、特定の乗客Vaが乗車する階F1に到着した状態を示す。
本例の場合、VIP呼び判定部116は、B対の一方のかご1−B1を、VIP専用運転用に割り当てると同時に、B対の他方のかご1−B2は、利用者を強制的に降車させて、休止状態に設定する。上述したように、VIP専用運転用に割り当てられたかご1−B1は、上り用昇降路11を本来の走行方向である上側Uとは逆の下側に走行(下降)して、乗車階F1に到着する。
さらに、VIP呼び判定部116は、A対のかご1−A1,1−A2やC対のかご1−C1,1−C2についても、VIP専用運転を妨げる可能性が高い場合に、利用者を強制的に降車させて、休止状態又は待避状態に設定する。
本例の場合には、運行コントローラ110は、VIP専用運転でかご1−B1が移動する可能性が高い移動範囲Maを予め把握しておく。かご1−B1の移動範囲Maが決まると、かご1−B1と同じ主ロープ6b,7b(図1)で接続されたかご1−B2の移動範囲Mbも、図7に示すように決まる。
このようにVIP専用運転でのかご1−B1,1−B2の移動範囲Ma,Mbが決まると、運行コントローラ110は、移動範囲Ma,Mbを外れた範囲で、一般の利用客の搬送のサービスを継続して行う。
具体的には、図7の例の場合、C対のかご1−C1,1−C2は、利用客を降車させず、搬送サービスを継続して行う。
また、図7の例の場合、A対のかご1−A1,1−A2については、利用者を強制的に降車させてから、下部反転位置13と上部反転位置14に待避させる。
以上説明したように、本例のマルチカーエレベーターによると、VIP専用運転とする指示があるとき、乗車する階に最短で到着可能なかご1を、専用運転用に割り当てて、そのかご1を該当する階で待機することができる。すなわち、VIP専用運転の指示がある直前の各かご1の位置と乗車人数とを判断して、各かご1の乗客が全員降車するのに要する時間を算出して、実際の運用で最短で到着可能なかご1を割り当てることができる。
例えば、図7の例で、乗客数を考慮しない場合には、VIP専用運転とする指示があるときに、特定階F1に最も近い位置を走行中のかご1−A1を、VIP専用運転用に割り当てる可能性が高い。しかしながら、[表1]に示す移動時間の計算例では、A対のかご1−A1の特定階F1までの移動時間が27秒であり、B対のかご1−B1の方がより短い24秒である。したがって、本例の処理を行うことで、単にかご1の位置だけから専用運転を行うかごを選ぶよりも、迅速にVIP専用運転のかごを指示された階に到着させることができる。
また、本例の場合、図7に示すように、VIP専用運転での移動範囲Ma,Mbを予測して、その範囲外のかご1については、強制的なかご1からの降車を行わず、そのまま通常運用を継続することで、エレベーター利用者の強制的な降車を最小限に抑えることができる。
例えば、図7の例では、C対のかご1−C1については、上り用昇降路11の最上階までのサービスを行うと共に、かご1−C2についても、下り用昇降路12の最下階までのサービスを行う。したがって、専用運転時のエレベーター利用者の強制的な降車を最小限に抑えることができる。
[7.変形例]
本発明は、上述した実施の形態例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。
例えば、上述した各実施の形態例では、マルチカーエレベーターとして、釣り合い方式のマルチカーエレベーターに適用した。これに対して、自走式やツイン方式など、その他のマルチカーエレベーターに本発明を適用してもよい。
なお、上述した実施の形態例では、釣り合い方式のマルチカーエレベーターとしたため、かごは昇降路(走行路)内を上昇又は下降するが、自走式などの他の方式のマルチカーエレベーターにおいては、かごが走行路を水平移動する場合もある。このようにかごが水平移動できる方式の場合には、上述した実施の形態で説明したかご1の降車時間や移動時間を算出する際に、走行路での全ての方向の移動を考慮する必要がある。
また、上述した各実施の形態例で説明した釣り合い方式のマルチカーエレベーターの場合には、対となる2台のかご毎に、最短となる移動時間を算出するようにして、最短となる対のかごを選ぶようにした。これに対して、1台のかご毎に個別走行が可能な自走方式やツイン方式の場合には、1台ずつ全てのかごについて降車時間や移動時間を算出して、最短で到着するかごを専用運転のかごに割り当てるようにすればよい。
また、上述した実施の形態例では、VIP専用運転時に、かご呼びがあった階の一方(例えば図7の例では上り側)の乗降場にだけ、かご1を割り当てるようにした。
これに対して、かご呼びがあった階の上り方向の乗降場と、下り方向の乗降場のそれぞれに、1台ずつかご1を割り当てて、待機させるようにしてもよい。
このように上り方向と下り方向にかご1を割り当てる場合には、運行コントローラ110(又は個別のコントローラ101〜103)は、それぞれの方向毎に、図5のフローチャートに示す処理で最も早く到着するかご1を割り当てる処理を行う。
また、本例の場合、通常運転時には、上り用の昇降路と下り用の昇降路を分けるようにしたが、VIP専用運転などの専用運転時には、通常運転時に割り当てた上りや下りの運転方向とは逆方向にかごを走行させるようにしてもよい。
また、上述した実施の形態例では、かご1の降車時間を算出する際に、かご1の乗車人数に、1人あたりの降車に要する固定値(0.8秒など)を乗算するようにした。
これに対して、運行コントローラ110(又は個別のコントローラ101〜103)は、エレベーター運用時に、かご1が各階に停車してから、実際に乗客が降車に要する時間をかご1内のカメラの映像などから随時計測するようにしてもよい。そして、計測した実降車時間に応じて、最初に設定された固定値を修正する学習処理を行い、より正確な降車時間を算出するようにしてもよい。
また、各かご1内に設置されたカメラの映像などから、各かご1内に、乗客以外に比較的大型の荷物を搬送中であることを検出した場合や、車椅子の利用者を検出した場合に、降車時間を算出する際に予め決めた時間(例えば数秒程度の固定値)を加算してもよい。
また、図7例の場合では、VIP専用運転時に、予測したかごの移動範囲Ma,Mbから外れたとき、通常モードでの利用を継続させるようにした。これに対して、例えば移動範囲Ma,Mbの範囲内であっても、専用運転用に割り当てたかご1−B1から、十分に離れた位置(例えば移動範囲Maの上端に近い位置)のかごについては、強制的に乗客を降車させず、サービスを継続するようにしてもよい。
また、上述した実施の形態例では、エレベーターの専用運転として、特定の乗客(VIP)を載せるVIP専用運転を行う場合について説明したが、VIP専用運転としたのは一例であり、かご1を通常とは異なる専用運転を行う様々な例に本発明は適用可能である。
また、上述した実施の形態例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、図1、図2、図3などの構成図では、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものだけを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。また、図5に示すフローチャートにおいて、実施の形態例の処理結果に影響がない範囲で、一部の処理ステップの実行順序を入れ替えたり、一部の処理ステップを同時に実行したりするようにしてもよい。
1−A1,1−A2,1−B1,1−B2,1−C1,1−C2…かご、2,3…駆動網車、4,5…下部網車、6a,6b,6c,7a,7b,7c…主ロープ、10…昇降路、11…上り用昇降路、12…下り用昇降路、13…下部反転位置、14…上部反転位置、100…コントローラ、101…対かごコントローラ(A対用)、102…対かごコントローラ(B対用)、103…対かごコントローラ(C対用)、110…運行コントローラ、111…かご位置判定部、112…呼び受付部、113…降車時間算出部、114…到着時間算出部、115…制御指令生成部、116…VIP呼び判定部、117…片かご切離指令部、191…中央制御ユニット(CPU)、192…ROM、193…RAM、194…記憶装置、195…操作部、196…表示部、197…通信インターフェース、198…バスライン

Claims (8)

  1. 走行路に配置された複数のかごを、個別又は対ごとに走行させるマルチカーエレベーターであり、
    前記複数のかごの各々に乗車中の乗客が降車するのに要する時間を予測する降車時間算出部と、
    前記複数のかごのそれぞれが特定の階まで移動に要する走行時間と、前記降車時間算出部が予測した降車時間とを加算した、前記複数のかごのそれぞれが前記特定の階までの到着に要する時間を算出する到着時間算出部と、
    前記複数のかごの少なくとも1台を選択する際に、前記到着時間算出部で算出した、前記特定の階までの到着に要する時間が最短のかごを割り当てる判定部と、を備える
    マルチカーエレベーター。
  2. 前記走行路として、上り用の昇降路と下り用の昇降路とがペアとなり、前記上り用の昇降路内のかごの走行と、前記下り用の昇降路内のかごの走行とを循環して行うマルチカーエレベーターであり、
    前記判定部は、上り用の昇降路の前記特定の階に最短で到着するかごを、上り用の前記かごに割り当てると共に、下り用の昇降路の前記特定の階に最短で到着する前記かごを、下り用の前記かごに割り当てるようにした
    請求項1に記載のマルチカーエレベーター。
  3. 前記判定部は、前記特定の階にかごが最短で到着するよう定められた専用運転のサービス要求があった際に、他の評価指標よりも、前記到着時間算出部で算出した、かごが前記特定の階までの到着に要する時間を優先的に判定に使用する
    請求項1又は2に記載のマルチカーエレベーター。
  4. 前記判定部は、最短で到着するかごを判定する際に、前記上り用の昇降路と前記下り用の昇降路を、本来の走行方向と逆に走行させた場合を含めて判断する
    請求項2に記載のマルチカーエレベーター。
  5. 前記複数のかごは2台ずつが主ロープの釣り合った位置に接続され、それぞれの主ロープが個別に駆動されて、前記複数のかごが個別に走行する方式のマルチカーエレベーターであり、
    前記判定部が専用運転に割り当てたかごと、同じ主ロープで接続された別のかごを休止する指令部を備えた
    請求項2に記載のマルチカーエレベーター。
  6. 前記降車時間算出部は、各々のかごの乗車人数に、1人あたりの降車にかかる時間を乗算して、前記各々のかごの乗車人数が降車するのに要する時間を予測する
    請求項1に記載のマルチカーエレベーター。
  7. 前記1人あたりの降車にかかる時間は、当該エレベーターの運用時に計測した時間に応じて修正する学習処理を行う
    請求項6に記載のマルチカーエレベーター。
  8. 走行路に配置された複数のかごを、個別又は対ごとに走行させるマルチカーエレベーターに適用されるマルチカーエレベーター制御方法であり、
    前記複数のかごの各々に乗車中の乗客が降車するのに要する時間を予測する降車時間算出処理と、
    前記複数のかごのそれぞれが特定の階まで移動に要する走行時間と、前記降車時間算出処理により予測した降車時間とを加算した、前記複数のかごのそれぞれが前記特定の階までの到着に要する時間を算出する到着時間算出処理と、
    前記複数のかごの少なくとも1台を判定した際に、前記到着時間算出処理により算出した、前記特定の階までの到着に要する時間が最短のかごを割り当てる判定処理と、を含む
    マルチカーエレベーター制御方法。
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