第3世代と呼ばれる通信方式のうち、W−CDMA(Wideband Code division Multiple Access)方式が2001年から日本で商用サービスが開始されている。また、下りリンク(個別データチャネル、個別制御チャネル)にパケット伝送用のチャネル(High Speed-Downlink Shared Channel:HS−DSCH)を追加することにより、下りリンクを用いたデータ送信の更なる高速化を実現するHSDPA(High Speed Down Link Packet Access)のサービスが開始されている。さらに、上り方向のデータ送信をより高速化するためHSUPA(High Speed Up Link Packet Access)方式についてもサービスが開始されている。W−CDMAは、移動体通信システムの規格化団体である3GPP(3rd Generation Partnership Project)により定められた通信方式であり、リリース8版の規格書がとりまとめられている。
また、3GPPにおいて、W−CDMAとは別の通信方式として、無線区間についてはロングタームエボリューション(Long Term Evolution:LTE)、コアネットワーク(単にネットワークとも称する)を含めたシステム全体構成については、システムアーキテクチャエボリューション(System Architecture Evolution:SAE)と称される新たな通信方式が検討されている。
LTEでは、アクセス方式、無線のチャネル構成やプロトコルが、現在のW−CDMA(HSDPA/HSUPA)とは全く異なるものになる。例えば、アクセス方式は、W−CDMAが符号分割多元接続(Code Division Multiple Access)を用いているのに対して、LTEは下り方向はOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)、上り方向はSC−FDMA(Single Career Frequency Division Multiple Access)を用いる。また、帯域幅は、W−CDMAが5MHzであるのに対し、LTEでは1.4MHz,3MHz,5MHz,10MHz,15MHz,20MHzの中で基地局毎に選択可能となっている。また、LTEでは、W−CDMAのように回線交換を含まず、パケット通信方式のみになる。
LTEは、W−CDMAのコアネットワーク(General Packet Radio Service:GPRS)とは異なる新たなコアネットワークを用いて通信システムが構成されるため、W−CDMA網とは別の独立した無線アクセス網として定義される。したがって、W−CDMAの通信システムと区別するため、LTEの通信システムでは、移動端末(User Equipment:UE)と通信を行う基地局(Base station)はeNB(E-UTRAN NodeB)と称され、複数の基地局と制御データやユーザデータのやり取りを行う基地局制御装置(Radio Network Controller)は、EPC(Evolved Packet Core)またはaGW(Access Gateway)と称される。このLTEの通信システムでは、ユニキャスト(Unicast)サービスとE-MBMSサービス(Evolved Multimedia Broadcast Multicast Service)とが提供される。E−MBMSサービスとは、放送型マルチメディアサービスであり、単にMBMSと称される場合もある。複数の移動端末に対してニュースや天気予報、モバイル放送などの大容量放送コンテンツが送信される。これを1対多(Point to Multipoint)サービスともいう。
3GPPでの、LTEシステムにおける全体的なアーキテクチャ(Architecture)に関する現在の決定事項が、非特許文献1(4.6.1章)に記載されている。全体的なアーキテクチャについて図1を用いて説明する。図1は、LTE方式の通信システムの構成を示す説明図である。図1において、移動端末101に対する制御プロトコル、例えばRRC(Radio Resource Control)と、ユーザプレイン、例えばPDCP(Packet Data Convergence Protocol)、RLC(Radio Link Control)、MAC(Medium Access Control)、PHY(Physical layer)とが基地局102で終端するならば、E−UTRAN(Evolved Universal Terrestrial Radio Access)は1つあるいは複数の基地局102によって構成される。
基地局102は、MME(Mobility Management Entity)103から通知されるページング信号(Paging Signaling、ページングメッセージ(paging messages)とも称される)のスケジューリング(Scheduling)および送信を行う。基地局102は、X2インタフェースにより、互いに接続される。また基地局102は、S1インタフェースによりEPC(Evolved Packet Core)に接続される。より明確には、基地局102は、S1_MMEインタフェースによりMME(Mobility Management Entity)103に接続され、S1_UインタフェースによりS−GW(Serving Gateway)104に接続される。
MME103は、複数あるいは単数の基地局102へのページング信号の分配を行う。また、MME103は待受け状態(Idle State)のモビリティ制御(Mobility control)を行う。MME103は、移動端末が待ち受け状態および、アクティブ状態(Active State)の際に、トラッキングエリア(Tracking Area)リストの管理を行う。
S−GW104は、ひとつまたは複数の基地局102とユーザデータの送受信を行う。S−GW104は、基地局間のハンドオーバの際、ローカルな移動性のアンカーポイント(Mobility Anchor Point)となる。EPCには、さらにP−GW(PDN Gateway)が存在し、ユーザ毎のパケットフィルタリングやUE−IDアドレスの割当などを行う。
移動端末101と基地局102との間の制御プロトコルRRCは、報知(Broadcast)、ページング(paging)、RRC接続マネージメント(RRC connection management)などを行う。RRCにおける基地局と移動端末の状態として、RRC_Idle、RRC_CONNECTEDがある。RRC_IDLEでは、PLMN(Public Land Mobile Network)選択、システム情報(System Information:SI)の報知、ページング(paging)、セル再選択(cell re-selection)、モビリティ等が行われる。RRC_CONNECTEDでは、移動端末はRRC接続(connection)を有し、ネットワークとのデータの送受信を行うことができ、また、ハンドオーバ(Handover:HO)、隣接セル(Neighbour cell)のメジャメント等が行われる。RRC_IDLEを単にIDLE、待ちうけ状態とも称する。RRC_CONNECTEDを単にCONNECTEDとも称する。
非特許文献1(5章)に記載される3GPPでの、LTEシステムにおけるフレーム構成に関する現在の決定事項について、図2を用いて説明する。図2は、LTE方式の通信システムで使用される無線フレームの構成を示す説明図である。図2において、1つの無線フレーム(Radio frame)は10msである。無線フレームは10個の等しい大きさのサブフレーム(Sub-frame)に分割される。サブフレームは、2個の等しい大きさのスロット(slot)に分割される。無線フレーム毎に1番目と6番目のサブフレームに下り同期信号(Downlink Synchronization Signal:SS)が含まれる。同期信号には、第一同期信号(Primary Synchronization Signal:P−SS)と、第二同期信号(Secondary Synchronization Signal:S−SS)とがある。サブフレーム単位にてMBSFN(Multimedia Broadcast multicast service Single Frequency Network)用とMBSFN以外のチャネルの多重が行われる。以降、MBSFN送信用のサブフレームをMBSFNサブフレーム(MBSFN sub-frame)と称する。
非特許文献2に、MBSFNサブフレームの割り当て時のシグナリング例が記載されている。図3は、MBSFNフレームの構成を示す説明図である。図3において、MBSFNフレーム(MBSFN frame)毎にMBSFNサブフレームが割り当てられる。MBSFNフレームの集合(MBSFN frame Cluster)がスケジュールされる。MBSFNフレームの集合の繰り返し周期(Repetition Period)が割り当てられる。
3GPPでの、LTEシステムにおけるチャネル構成に関する現在の決定事項が、非特許文献1(5章)に記載されている。CSGセル(Closed Subscriber Group cell)においてもnon−CSGセルと同じチャネル構成が用いられると想定されている。物理チャネル(Physical channel)について、図4を用いて説明する。図4は、LTE方式の通信システムで使用される物理チャネルを説明する説明図である。図4において、物理報知チャネル(Physical Broadcast channel:PBCH)401は、基地局102から移動端末101へ送信される下りチャネルである。BCHトランスポートブロック(transport block)は、40ms間隔中の4個のサブフレームにマッピングされる。40msタイミングの明白なシグナリングはない。物理制御チャネルフォーマットインジケータチャネル(Physical Control Format Indicator Channel:PCFICH)402は、基地局102から移動端末101へ送信される。PCFICHは、PDCCHsのために用いるOFDMシンボルの数について基地局102から移動端末101へ通知する。PCFICHは、サブフレーム毎に送信される。
物理下り制御チャネル(Physical Downlink Control Channel:PDCCH)403は、基地局102から移動端末101へ送信される下りチャネルである。PDCCHは、リソース割り当て(allocation)、DL−SCH(後述の図5に示されるトランスポートチャネルの1つである下り共有チャネル)に関するHARQ情報、PCH(図5に示されるトランスポートチャネルの1つであるページングチャネル)を通知する。PDCCHは、上りスケジューリンググラント(Uplink Scheduling Grant)を運ぶ。PDCCHは、上り送信に対する応答信号であるAck(Acknowledgement)/Nack(Negative Acknowledgement)を運ぶ。PDCCHは、L1/L2制御信号とも呼ばれる。
物理下り共有チャネル(Physical Downlink Shared Channel:PDSCH)404は、基地局102から移動端末101へ送信される下りチャネルである。PDSCHは、トランスポートチャネルであるDL-SCH(下り共有チャネル)やトランスポートチャネルであるPCHがマッピングされている。物理マルチキャストチャネル(Physical Multicast Channel:PMCH)405は、基地局102から移動端末101へ送信される下りチャネルである。PMCHは、トランスポートチャネルであるMCH(マルチキャストチャネル)がマッピングされている。
物理上り制御チャネル(Physical Uplink Control Channel:PUCCH)406は、移動端末101から基地局102へ送信される上りチャネルである。PUCCHは、下り送信に対する応答信号(response)であるAck/Nackを運ぶ。PUCCHは、CQI(Channel Quality Indicator)レポートを運ぶ。CQIとは受信したデータの品質、もしくは通信路品質を示す品質情報である。またPUCCHは、スケジューリングリクエスト(Scheduling Request:SR)を運ぶ。物理上り共有チャネル(Physical Uplink Shared Channel:PUSCH)407は、移動端末101から基地局102へ送信される上りチャネルである。PUSCHは、UL−SCH(図5に示されるトランスポートチャネルの1つである上り共有チャネル)がマッピングされている。
物理HARQインジケータチャネル(Physical Hybrid ARQ Indicator Channel:PHICH)408は、基地局102から移動端末101へ送信される下りチャネルである。PHICHは、上り送信に対する応答であるAck/Nackを運ぶ。物理ランダムアクセスチャネル(Physical Random Access Channel:PRACH)409は、移動端末101から基地局102へ送信される上りチャネルである。PRACHは、ランダムアクセスプリアンブル(random access preamble)を運ぶ。
下りリファレンスシグナル(Reference signal)は、移動体通信システムとして既知のシンボルが、毎スロットの最初、3番目、最後のOFDMシンボルに挿入される。移動端末の物理レイヤの測定として、リファレンスシンボルの受信電力(Reference Symbol Received Power:RSRP)がある。
非特許文献1(5章)に記載されるトランスポートチャネル(Transport channel)について、図5を用いて説明する。図5は、LTE方式の通信システムで使用されるトランスポートチャネルを説明する説明図である。図5(A)には、下りトランスポートチャネルと下り物理チャネルとの間のマッピングを示す。図5(B)には、上りトランスポートチャネルと上り物理チャネルとの間のマッピングを示す。下りトランスポートチャネルについて報知チャネル(Broadcast Channel:BCH)は、その基地局(セル)全体に報知される。BCHは、物理報知チャネル(PBCH)にマッピングされる。
下り共有チャネル(Downlink Shared Channel:DL−SCH)には、HARQ(Hybrid ARQ)による再送制御が適用される。DL−SCHは、基地局(セル)全体への報知が可能である。DL−SCHは、ダイナミックあるいは準静的(Semi-static)なリソース割り当てをサポートする。準静的なリソース割り当ては、パーシステントスケジューリング(Persistent Scheduling)とも言われる。DL−SCHは、移動端末の低消費電力化のために移動端末のDRX(Discontinuous reception)をサポートする。DL−SCHは、物理下り共有チャネル(PDSCH)へマッピングされる。
ページングチャネル(Paging Channel:PCH)は、移動端末の低消費電力を可能とするために移動端末のDRXをサポートする。PCHは、基地局(セル)全体への報知が要求される。PCHは、動的にトラフィックに利用できる物理下り共有チャネル(PDSCH)のような物理リソース、あるいは他の制御チャネルの物理下り制御チャネル(PDCCH)のような物理リソースへマッピングされる。マルチキャストチャネル(Multicast Channel:MCH)は、基地局(セル)全体への報知に使用される。MCHは、マルチセル送信におけるMBMSサービス(MTCHとMCCH)のSFN合成をサポートする。MCHは、準静的なリソース割り当てをサポートする。MCHは、PMCHへマッピングされる。
上り共有チャネル(Uplink Shared Channel:UL−SCH)には、HARQ(Hybrid ARQ)による再送制御が適用される。UL−SCHは、ダイナミックあるいは準静的(Semi-static)なリソース割り当てをサポートする。UL−SCHは、物理上り共有チャネル(PUSCH)へマッピングされる。図5(B)に示されるランダムアクセスチャネル(Random Access Channel:RACH)は、制御情報に限られている。RACHは、衝突のリスクがある。RACHは、物理ランダムアクセスチャネル(PRACH)へマッピングされる。
HARQについて説明する。HARQとは、自動再送(Automatic Repeat reQuest)と誤り訂正(Forward Error Correction)との組み合わせにより、伝送路の通信品質を向上させる技術である。通信品質が変化する伝送路に対しても、再送により誤り訂正が有効に機能するという利点がある。特に、再送にあたって初送の受信結果と再送の受信結果との合成をすることで、更なる品質向上を得ることも可能である。
再送の方法の一例を説明する。受信側にて、受信データが正しくデコードできなかった場合、換言すればCRC(Cyclic Redundancy Check)エラーが発生した場合(CRC=NG)、受信側から送信側へ「Nack」を送信する。「Nack」を受信した送信側は、データを再送する。受信側にて、受信データが正しくデコードできた場合、換言すればCRCエラーが発生しない場合(CRC=OK)、受信側から送信側へ「Ack」を送信する。「Ack」を受信した送信側は次のデータを送信する。
HARQ方式の一例として、チェースコンバイニング(Chase Combining)がある。チェースコンバイニングとは、初送と再送に同じデータ系列を送信するもので、再送において初送のデータ系列と再送のデータ系列との合成を行うことで、利得を向上させる方式である。これは、初送データに誤りがあったとしても、部分的に正確なものも含まれており、正確な部分の初送データと再送データとを合成することで、より高精度にデータを送信できるという考え方に基づいている。また、HARQ方式の別の例として、IR(Incremental Redundancy)がある。IRとは、冗長度を増加させるものであり、再送においてパリティビットを送信することで、初送と組み合わせて冗長度を増加させ、誤り訂正機能により品質を向上させるものである。
非特許文献1(6章)に記載される論理チャネル(Logical channel、以下「ロジカルチャネル」という場合がある)について、図6を用いて説明する。図6は、LTE方式の通信システムで使用される論理チャネルを説明する説明図である。図6(A)には、下りロジカルチャネルと下りトランスポートチャネルとの間のマッピングを示す。図6(B)には、上りロジカルチャネルと上りトランスポートチャネルとの間のマッピングを示す。報知制御チャネル(Broadcast Control Channel:BCCH)は、報知システム制御情報のための下りチャネルである。論理チャネルであるBCCHは、トランスポートチャネルである報知チャネル(BCH)、あるいは下り共有チャネル(DL−SCH)へマッピングされる。
ページング制御チャネル(Paging Control Channel:PCCH)は、ページング信号を送信するための下りチャネルである。PCCHは、移動端末のセルロケーションをネットワークが知らない場合に用いられる。論理チャネルであるPCCHは、トランスポートチャネルであるページングチャネル(PCH)へマッピングされる。共有制御チャネル(Common Control Channel:CCCH)は、移動端末と基地局との間の送信制御情報のためのチャネルである。CCCHは、移動端末がネットワークとの間でRRC接続(connection)を持っていない場合に用いられる。下り方向では、CCCHは、トランスポートチャネルである下り共有チャネル(DL−SCH)へマッピングされる。上り方向では、CCCHは、トランスポートチャネルである上り共有チャネル(UL−SCH)へマッピングされる。
マルチキャスト制御チャネル(Multicast Control Channel:MCCH)は、1対多の送信のための下りチャネルである。MCCHは、ネットワークから移動端末への1つあるいはいくつかのMTCH用のMBMS制御情報の送信のために用いられる。MCCHは、MBMS受信中の移動端末のみに用いられる。MCCHは、トランスポートチャネルである下り共有チャネル(DL−SCH)あるいはマルチキャストチャネル(MCH)へマッピングされる。
個別制御チャネル(Dedicated Control Channel:DCCH)は、移動端末とネットワークとの間の個別制御情報を送信するチャネルである。DCCHは、上りでは上り共有チャネル(UL−SCH)へマッピングされ、下りでは下り共有チャネル(DL−SCH)にマッピングされる。
個別トラフィックチャネル(Dedicate Traffic Channel:DTCH)は、ユーザ情報の送信のための個別移動端末への1対1通信のチャネルである。DTCHは、上りおよび下りともに存在する。DTCHは、上りでは上り共有チャネル(UL−SCH)へマッピングされ、下りでは下り共有チャネル(DL−SCH)へマッピングされる。
マルチキャストトラフィックチャネル(Multicast Traffic channel:MTCH)は、ネットワークから移動端末へのトラフィックデータ送信のための下りチャネルである。MTCHは、MBMS受信中の移動端末のみに用いられるチャネルである。MTCHは、下り共有チャネル(DL−SCH)あるいはマルチキャストチャネル(MCH)へマッピングされる。
GCIとは、グローバルセル識別子(Global Cell Identity)のことである。LTEおよびUMTS(Universal Mobile Telecommunication System)において、CSGセル(Closed Subscriber Group cell)が導入される。CSGについて以下に説明する(非特許文献3 3.1章参照)。CSG(Closed Subscriber Group)とは、利用可能な加入者をオペレータが特定しているセルである(特定加入者用セル)。特定された加入者は、PLMN(Public Land Mobile Network)の1つ以上のE-UTRANセルにアクセスすることが許可される。特定された加入者がアクセスを許可されている1つ以上のE−UTRANセルを「CSG cell(s)」と呼ぶ。ただし、PLMNにはアクセス制限がある。CSGセルとは、固有のCSGアイデンティティ(CSG identity:CSG ID;CSG−ID)を報知するPLMNの一部である。予め利用登録し、許可された加入者グループのメンバーは、アクセス許可情報であるところのCSG−IDを用いてCSGセルにアクセスする。
CSG−IDは、CSGセルまたはセルによって報知される。移動体通信システムにCSG−IDは複数存在する。そして、CSG−IDは、CSG関連のメンバーのアクセスを容易にするために、移動端末(UE)によって使用される。移動端末の位置追跡は、1つ以上のセルからなる区域を単位に行われる。位置追跡は、待受け状態であっても移動端末の位置を追跡し、呼び出す(移動端末が着呼する)ことを可能にするためである。この移動端末の位置追跡のための区域をトラッキングエリアと呼ぶ。CSGホワイトリスト(CSG White List)とは、加入者が属するCSGセルのすべてのCSG IDが記録されている、USIM(Universal Subscriber Identity Module)に格納されたリストである。CSGホワイトリストは、許可CSGリスト(Allowed CSG ID List)と呼ばれることもある。
「適切なセル」(Suitable cell)について以下に説明する(非特許文献3 4.3章参照)。「適切なセル」(Suitable cell)とは、UEが通常(normal)サービスを受けるためにキャンプオン(Camp ON)するセルである。そのようなセルは、以下の条件を満たすものとする。
(1)セルは、選択されたPLMNもしくは登録されたPLMN、または「Equivalent PLMNリスト」のPLMNの一部であること。
(2)NAS(Non-Access Stratum)によって提供された最新情報にて、さらに以下の条件を満たすこと
(a)そのセルが禁じられた(barred)セルでないこと
(b)そのセルが「ローミングのための禁止されたLAs」リストの一部ではなく、少なくとも1つのトラッキングエリア(Tracking Area:TA)の一部であること。その場合、そのセルは上記(1)を満たす必要がある
(c)そのセルが、セル選択評価基準を満たしていること
(d)そのセルが、CSGセルとしてシステム情報(System Information:SI)によって特定されたセルに関しては、CSG−IDはUEの「CSGホワイトリスト」(CSG WhiteList)の一部であること(UEのCSG WhiteList中に含まれること)。
「アクセプタブルセル」(Acceptable cell)について以下に説明する(非特許文献3 4.3章参照)。これは、UEが限られたサービス(緊急通報)を受けるためにキャンプオンするセルである。そのようなセルは、以下のすべての要件を充足するものとする。つまり、E−UTRANネットワークで緊急通報を開始するための最小のセットの要件を以下に示す。(1)そのセルが禁じられた(barred)セルでないこと。(2)そのセルが、セル選択評価基準を満たしていること。
セルにキャンプオン(camp on)するとは、UEがセル選択/再選択(cell selection/reselection)処理を完了し、UEがシステム情報とページング情報をモニタするセルを選択した状態である。
3GPPにおいて、Home−NodeB(Home−NB;HNB)、Home−eNodeB(Home−eNB;HeNB)と称される基地局が検討されている。UTRANにおけるHNB、またはE-UTRANにおけるHeNBは、例えば家庭、法人、商業用のアクセスサービス向けの基地局である。非特許文献4には、HeNBおよびHNBへのアクセスの3つの異なるモードが開示されている。具体的には、オープンアクセスモード(Open access mode)と、クローズドアクセスモード(Closed access mode)と、ハイブリッドアクセスモード(Hybrid access mode)である。
各々のモードは、以下のような特徴を有する。オープンアクセスモードでは、HeNBやHNBは通常のオペレータのノーマルセルとして操作される。クローズドアクセスモードでは、HeNBやHNBがCSGセルとして操作される。これはCSGメンバーのみアクセス可能なCSGセルである。ハイブリッドアクセスモードでは、非CSGメンバーも同時にアクセス許可されているCSGセルである。ハイブリッドアクセスモードのセル(ハイブリッドセルとも称する)は、言い換えれば、オープンアクセスモードとクローズドアクセスモードの両方をサポートするセルである。
3GPPでは、全PCI(Physical Cell Identity)を、CSGセル用とnon−CSGセル用とに分割(PCIスプリットと称する)することが議論されている(非特許文献5参照)。またPCIスプリット情報は、システム情報にて基地局から傘下の移動端末に対して報知されることが議論されている。非特許文献5は、PCIスプリットを用いた移動端末の基本動作を開示する。PCIスプリット情報を有していない移動端末は、全PCIを用いて(例えば504コード全てを用いて)セルサーチを行う必要がある。これに対して、PCIスプリット情報を有する移動端末は、当該PCIスプリット情報を用いてセルサーチを行うことが可能である。
また3GPPでは、リリース10として、ロングタームエボリューションアドヴァンスド(Long Term Evolution Advanced:LTE−A)の規格策定が進められている(非特許文献6、非特許文献7参照)。
LTE−Aで検討される技術の一つとして、ヘテロジーニアスネットワークス(Heterogeneous networks:HetNets)が加えられた。3GPPでは、ピコeNB(ピコセル(pico cell))、ホットゾーンセル用のノード、HeNB/HNB/CSGセル、リレーノード、リモートラジオヘッド(RRH)のような低出力電力のローカルエリアレンジのネットワークノードを扱うことが決定されている。このようなローカルエリアレンジのネットワークノードを一つ以上、通常のeNB(マクロセル)に組み入れたネットワークが、ヘテロジーニアスネットワークスである。
LTE−Aシステムでは、高い通信速度、セルエッジでの高いスループット、新たなカバレッジエリアなどを得るために、リレー(Relay:リレーノード(RN))をサポートすることが検討されている。リレーノードは、ドナーセル(Donor cell;Donor eNB;DeNB)を介して無線アクセスネットワークに無線で接続される。ドナーセルの範囲内で、ネットワーク(Network:NW)からリレーへのリンクは、ネットワークからUEへのリンクと同じ周波数バンドを共用する。この場合、3GPPのリリース8版の規格書では、UEも該ドナーセルに接続することを可能とする。ドナーセルとリレーノードとの間のリンクをバックホールリンク(backhaul link)と称し、リレーノードとUEとの間のリンクをアクセスリンク(access link)と称し、ネットワークとUEとの間のリンクをダイレクトリンク(direct link)と称す。
FDD(Frequency Division Duplex)におけるバックホールリンクの多重方法として、DeNBからRNへの送信は下り(DL)周波数バンドで行われ、RNからDeNBへの送信は上り(UL)周波数バンドで行われる。リレーにおけるリソースの分割方法として、DeNBからRNへのリンクおよびRNからUEへのリンクが一つの周波数バンドで時分割多重され、RNからDeNBへのリンクおよびUEからRNへのリンクも一つの周波数バンドで時分割多重される。こうすることで、リレーノードにおいて、リレーノードの送信が自リレーノードの受信へ干渉することを防ぐことができる。リレーノードの送信の自リレーノードの受信への干渉を、自己干渉と称することもある。
このように従来の技術では、自己干渉を防ぐために、ドナーセルからリレーノードへのリンク、およびリレーノードからリレーノード傘下の移動端末へのリンクが一つの周波数バンドで時分割多重され、リレーノードからドナーセルへのリンク、およびリレーノード傘下の移動端末からリレーノードへのリンクが一つの周波数バンドで時分割多重されている。この時分割多重によって、スループットの低下が生じ、システム性能の減少が生じるという問題がある。
この問題を解決するために、アクセスリンクとバックホールリンクとを、異なるキャリア周波数、または異なる周波数バンドで動作させることが、非特許文献8に開示されている。非特許文献8に開示される技術によれば、時分割多重を用いる必要が無くなるので、スループットの向上が図れるとしている。
移動端末は、サーチ動作によって、受信品質の良好な下りリンク(あるいはセル)を選択する。選択した下りリンクに対する上りリンクの周波数バンドは、報知情報にて通知される(非特許文献9参照)。
実施の形態1.
図7は、現在3GPPにおいて議論されているLTE方式の移動体通信システムの全体的な構成を示すブロック図である。現在3GPPにおいては、CSG(Closed Subscriber Group)セル(E−UTRANのHome−eNodeB(Home−eNB;HeNB)、UTRANのHome−NB(HNB))と、non−CSGセル(E−UTRANのeNodeB(eNB)、UTRANのNodeB(NB)、GERANのBSS)とを含めたシステムの全体的な構成が検討されており、E−UTRANについては、図7のような構成が提案されている(非特許文献1 4.6.1.章参照)。
図7について説明する。移動端末装置(以下「移動端末」または「UE」という)71は、基地局装置(以下「基地局」という)72と無線通信可能であり、無線通信で信号の送受信を行う。基地局72は、eNB72−1と、Home−eNB72−2とに分類される。eNB72−1は、MME、あるいはS−GW、あるいはMMEおよびS−GWを含むMME/S−GW部(以下「MME部」という)73とS1インタフェースにより接続され、eNB72−1とMME部73との間で制御情報が通信される。ひとつのeNB72−1に対して、複数のMME部73が接続されてもよい。eNB72−1間は、X2インタフェースにより接続され、eNB72−1間で制御情報が通信される。
Home−eNB72−2は、MME部73とS1インタフェースにより接続され、Home−eNB72−2とMME部73との間で制御情報が通信される。ひとつのMME部73に対して、複数のHome−eNB72−2が接続される。あるいは、Home−eNB72−2は、HeNBGW(Home-eNB GateWay)74を介してMME部73と接続される。Home−eNB72−2とHeNBGW74とは、S1インタフェースにより接続され、HeNBGW74とMME部73とはS1インタフェースを介して接続される。ひとつまたは複数のHome−eNB72−2がひとつのHeNBGW74と接続され、S1インタフェースを通して情報が通信される。HeNBGW74は、ひとつまたは複数のMME部73と接続され、S1インタフェースを通して情報が通信される。
さらに現在3GPPでは、以下のような構成が検討されている。Home−eNB72−2間のX2インタフェースはサポートされない。MME部73からは、HeNBGW74はeNB72−1として見える。Home−eNB72−2からは、HeNBGW74はMME部73として見える。Home−eNB72−2が、HeNBGW74を介してMME部73に接続されるか否かに関係なく、Home−eNB72−2とMME部73との間のインタフェースは、S1インタフェースで同じである。複数のMME部73にまたがるような、Home−eNB72−2へのモビリティ、あるいはHome−eNB72−2からのモビリティはサポートされない。Home−eNB72−2は、唯一のセルをサポートする。
図8は、本発明に係る移動端末(図7の移動端末71)の構成を示すブロック図である。図8に示す移動端末71の送信処理を説明する。まず、プロトコル処理部801からの制御データ、およびアプリケーション部802からのユーザデータが、送信データバッファ部803へ保存される。送信データバッファ部803に保存されたデータは、エンコーダー部804へ渡され、誤り訂正などのエンコード処理が施される。エンコード処理を施さずに、送信データバッファ部803から変調部805へ直接出力されるデータが存在してもよい。エンコーダー部804でエンコード処理されたデータは、変調部805にて変調処理が行われる。変調されたデータは、ベースバンド信号に変換された後、周波数変換部806へ出力され、無線送信周波数に変換される。その後、アンテナ807から基地局72に送信信号が送信される。
また、移動端末71の受信処理は、以下のとおりに実行される。基地局72からの無線信号がアンテナ807により受信される。受信信号は、周波数変換部806にて無線受信周波数からベースバンド信号に変換され、復調部808において復調処理が行われる。復調後のデータは、デコーダー部809へ渡され、誤り訂正などのデコード処理が行われる。デコードされたデータのうち、制御データはプロトコル処理部801へ渡され、ユーザデータはアプリケーション部802へ渡される。移動端末71の一連の処理は、制御部810によって制御される。よって制御部810は、図8では省略しているが、各部801〜809と接続している。
図9は、本発明に係る基地局(図7の基地局72)の構成を示すブロック図である。図9に示す基地局72の送信処理を説明する。EPC通信部901は、基地局72とEPC(MME部73、HeNBGW74など)との間のデータの送受信を行う。他基地局通信部902は、他の基地局との間のデータの送受信を行う。Home−eNB72−2間のX2インタフェースはサポートされない方向であるため、Home−eNB72−2では、他基地局通信部902が存在しないことも考えられる。EPC通信部901および他基地局通信部902は、それぞれプロトコル処理部903と情報の受け渡しを行う。プロトコル処理部903からの制御データ、ならびにEPC通信部901および他基地局通信部902からのユーザデータおよび制御データは、送信データバッファ部904へ保存される。
送信データバッファ部904に保存されたデータは、エンコーダー部905へ渡され、誤り訂正などのエンコード処理が施される。エンコード処理を施さずに、送信データバッファ部904から変調部906へ直接出力されるデータが存在してもよい。エンコードされたデータは、変調部906にて変調処理が行われる。変調されたデータは、ベースバンド信号に変換された後、周波数変換部907へ出力され、無線送信周波数に変換される。その後、アンテナ908より一つもしくは複数の移動端末71に対して送信信号が送信される。
また、基地局72の受信処理は以下のとおりに実行される。ひとつもしくは複数の移動端末71からの無線信号が、アンテナ908により受信される。受信信号は、周波数変換部907にて無線受信周波数からベースバンド信号に変換され、復調部909で復調処理が行われる。復調されたデータは、デコーダー部910へ渡され、誤り訂正などのデコード処理が行われる。デコードされたデータのうち、制御データはプロトコル処理部903あるいはEPC通信部901、他基地局通信部902へ渡され、ユーザデータはEPC通信部901および他基地局通信部902へ渡される。基地局72の一連の処理は、制御部911によって制御される。よって制御部911は、図9では省略しているが、各部901〜910と接続している。
現在3GPPにおいて議論されているHome−eNB72−2の機能を以下に示す(非特許文献1 4.6.2章参照)。Home−eNB72−2は、eNB72−1と同じ機能を有する。加えて、HeNBGW74と接続する場合、Home−eNB72−2は、適当なサービングHeNBGW74を発見する機能を有する。Home−eNB72−2は、1つのHeNBGW74に唯一接続する。つまり、HeNBGW74との接続の場合は、Home−eNB72−2は、S1インタフェースにおけるFlex機能を使用しない。Home−eNB72−2は、1つのHeNBGW74に接続されると、同時に別のHeNBGW74や別のMME部73に接続しない。
Home−eNB72−2のTACとPLMN IDは、HeNBGW74によってサポートされる。Home−eNB72−2をHeNBGW74に接続すると、「UE attachment」でのMME部73の選択は、Home−eNB72−2の代わりに、HeNBGW74によって行われる。Home−eNB72−2は、ネットワーク計画なしで配備される可能性がある。この場合、Home−eNB72−2は、1つの地理的な領域から別の地理的な領域へ移される。したがって、この場合のHome−eNB72−2は、位置によって、異なったHeNBGW74に接続する必要がある。
図10は、本発明に係るMME(図7のMME部73)の構成を示すブロック図である。PDN GW通信部1001は、MME部73とPDN GWとの間のデータの送受信を行う。基地局通信部1002は、MME部73と基地局72との間のS1インタフェースによるデータの送受信を行う。PDN GWから受信したデータがユーザデータであった場合、ユーザデータは、PDN GW通信部1001から、ユーザプレイン通信部1003経由で基地局通信部1002に渡され、1つあるいは複数の基地局72へ送信される。基地局72から受信したデータがユーザデータであった場合、ユーザデータは、基地局通信部1002から、ユーザプレイン通信部1003経由でPDN GW通信部1001に渡され、PDN GWへ送信される。
PDN GWから受信したデータが制御データであった場合、制御データは、PDN GW通信部1001から制御プレイン制御部1005へ渡される。基地局72から受信したデータが制御データであった場合、制御データは、基地局通信部1002から制御プレイン制御部1005へ渡される。
HeNBGW通信部1004は、HeNBGW74が存在する場合に設けられ、情報種別によって、MME部73とHeNBGW74との間のインタフェース(IF)によるデータの送受信を行う。HeNBGW通信部1004から受信した制御データは、HeNBGW通信部1004から制御プレイン制御部1005へ渡される。制御プレイン制御部1005での処理の結果は、PDN GW通信部1001経由でPDN GWへ送信される。また、制御プレイン制御部1005で処理された結果は、基地局通信部1002経由でS1インタフェースにより1つあるいは複数の基地局72へ送信され、またHeNBGW通信部1004経由で1つあるいは複数のHeNBGW74へ送信される。
制御プレイン制御部1005には、NASセキュリティ部1005−1、SAEベアラコントロール部1005−2、アイドルステート(Idle State)モビリティ管理部1005―3などが含まれ、制御プレインに対する処理全般を行う。NASセキュリティ部1005―1は、NAS(Non-Access Stratum)メッセージのセキュリティなどを行う。SAEベアラコントロール部1005―2は、SAE(System Architecture Evolution)のベアラの管理などを行う。アイドルステートモビリティ管理部1005―3は、待受け状態(LTE−IDLE状態、単にアイドルとも称される)のモビリティ管理、待受け状態時のページング信号の生成および制御、傘下の1つあるいは複数の移動端末71のトラッキングエリア(TA)の追加、削除、更新、検索、トラッキングエリアリスト(TA List)管理などを行う。
MME部73は、UEが登録されている(registered)追跡領域(トラッキングエリア:Tracking Area:TA)に属するセルへ、ページングメッセージを送信することで、ページングプロトコルに着手する。MME部73に接続されるHome−eNB72−2のCSGの管理やCSG−IDの管理、そしてホワイトリスト管理は、アイドルステートモビリティ管理部1005―3で行ってもよい。
CSG−IDの管理では、CSG−IDに対応する移動端末とCSGセルとの関係が管理(追加、削除、更新、検索)される。例えば、あるCSG−IDにユーザアクセス登録された一つまたは複数の移動端末と該CSG−IDに属するCSGセルとの関係であってもよい。ホワイトリスト管理では、移動端末とCSG−IDとの関係が管理(追加、削除、更新、検索)される。例えば、ホワイトリストには、ある移動端末がユーザ登録した一つまたは複数のCSG−IDが記憶されてもよい。これらのCSGに関する管理は、MME部73の中の他の部分で行われてもよい。MME部73の一連の処理は、制御部1006によって制御される。よって制御部1006は、図10では省略しているが、各部1001〜1005と接続している。
現在3GPPにおいて議論されているMMEの機能を以下に示す(非特許文献1 4.6.2章参照)。MMEは、CSG(Closed Subscriber Groups)のメンバーの1つ、あるいは複数の移動端末のアクセスコントロールを行う。MMEは、ページングの最適化(Paging optimization)の実行をオプションとして認める。
図11は、本発明に係るHeNBGWである図7に示すHeNBGW74の構成を示すブロック図である。EPC通信部1101は、HeNBGW74とMME部73との間のS1インタフェースによるデータの送受信を行う。基地局通信部1102は、HeNBGW74とHome−eNB72−2との間のS1インタフェースによるデータの送受信を行う。ロケーション処理部1103は、EPC通信部1101経由で渡されたMME部73からのデータのうちレジストレーション情報などを、複数のHome−eNB72−2に送信する処理を行う。ロケーション処理部1103で処理されたデータは、基地局通信部1102に渡され、ひとつまたは複数のHome−eNB72−2にS1インタフェースを介して送信される。
ロケーション処理部1103での処理を必要とせず通過(透過)させるだけのデータは、EPC通信部1101から基地局通信部1102に渡され、ひとつまたは複数のHome−eNB72−2にS1インタフェースを介して送信される。HeNBGW74の一連の処理は、制御部1104によって制御される。よって制御部1104は、図11では省略しているが、各部1101〜1103と接続している。
現在3GPPにおいて議論されているHeNBGW74の機能を以下に示す(非特許文献1 4.6.2章参照)。HeNBGW74は、S1アプリケーションについてリレーする。Home−eNB72−2へのMME部73の手順の一部分であるが、HeNBGW74は、移動端末71に関係しないS1アプリケーションについて終端する。HeNBGW74が配置されるとき、移動端末71に無関係な手順がHome−eNB72−2とHeNBGW74との間、そしてHeNBGW74とMME部73との間を通信される。HeNBGW74と他のノードとの間でX2インタフェースは設定されない。HeNBGW74は、ページングの最適化(Paging optimization)の実行をオプションとして認める。
次に移動体通信システムにおける一般的なセルサーチ方法の一例を示す。図12は、LTE方式の通信システムにおいて移動端末(UE)が行うセルサーチから待ち受け動作までの概略を示すフローチャートである。移動端末は、セルサーチを開始すると、ステップST1201で、周辺の基地局から送信される第一同期信号(P−SS)、および第二同期信号(S−SS)を用いて、スロットタイミング、フレームタイミングの同期をとる。P−SSとS−SSとを合わせて、同期信号(SS)には、セル毎に割り当てられたPCI(Physical Cell Identity)に1対1に対応するシンクロナイゼーションコードが割り当てられている。PCIの数は現在504通りが検討されており、この504通りのPCIを用いて同期をとるとともに、同期がとれたセルのPCIを検出(特定)する。
次に同期がとれたセルに対して、ステップST1202で、基地局からセル毎に送信される参照信号RS(Reference Signal)を検出し受信電力の測定を行う。参照信号RSには、PCIと1対1に対応したコードが用いられており、そのコードで相関をとることによって他セルと分離できる。ステップST1201で特定したPCIから、該セルのRS用のコードを導出することによって、RSを検出し、RS受信電力を測定することが可能となる。
次にステップST1203で、ステップST1202までで検出されたひとつ以上のセルの中から、RSの受信品質が最も良いセル(例えば、RSの受信電力が最も高いセル、つまりベストセル)を選択する。
次にステップST1204で、ベストセルのPBCHを受信して、報知情報であるBCCHを得る。PBCH上のBCCHには、セル構成情報が含まれるMIB(Master Information Block)がのる。したがってPBCHを受信してBCCHを得ることで、MIBが得られる。MIBの情報としては、例えば、DL(ダウンリンク)システム帯域幅(送信帯域幅設定(transmission bandwidth configuration:dl-bandwidth)とも呼ばれる)、送信アンテナ数、SFN(System Frame Number)などがある。
次にステップST1205で、MIBのセル構成情報をもとに該セルのDL−SCHを受信して、報知情報BCCHの中のSIB(System Information Block)1を得る。SIB1には、該セルへのアクセスに関する情報や、セルセレクションに関する情報、他のSIB(SIBk;k≧2の整数)のスケジューリング情報が含まれる。また、SIB1には、TAC(Tracking Area Code)が含まれる。
次にステップST1206で、移動端末は、ステップST1205で受信したSIB1のTACと、移動端末が既に保有しているTACとを比較する。比較した結果、同じならば、該セルで待ち受け動作に入る。比較して異なる場合は、移動端末は該セルを通してコアネットワーク(Core Network,EPC)(MMEなどが含まれる)へ、TAU(Tracking Area Update)を行うためにTAの変更を要求する。コアネットワークは、TAU要求信号とともに移動端末から送られてくる該移動端末の識別番号(UE−IDなど)をもとに、TAの更新を行う。コアネットワークは、TAの更新後、移動端末にTAU受領信号を送信する。移動端末は、該セルのTACで、移動端末が保有するTAC(あるいはTACリスト)を書き換える(更新する)。その後、移動端末は、該セルで待ち受け動作に入る。
LTEやUMTS(Universal Mobile Telecommunication System)においては、CSG(Closed Subscriber Group)セルの導入が検討されている。前述したように、CSGセルに登録したひとつまたは複数の移動端末のみにアクセスが許される。CSGセルと登録されたひとつまたは複数の移動端末とがひとつのCSGを構成する。このように構成されたCSGには、CSG−IDと呼ばれる固有の識別番号が付される。なお、ひとつのCSGには、複数のCSGセルがあってもよい。移動端末は、どれかひとつのCSGセルに登録すれば、そのCSGセルが属するCSGの他のCSGセルにはアクセス可能となる。
また、LTEでのHome−eNBやUMTSでのHome−NBが、CSGセルとして使われることがある。CSGセルに登録した移動端末は、ホワイトリストを有する。具体的には、ホワイトリストはSIM(Subscriber Identity Module)/USIMに記憶される。ホワイトリストには、移動端末が登録したCSGセルのCSG情報が格納される。CSG情報として具体的には、CSG−ID、TAI(Tracking Area Identity)、TACなどが考えられる。CSG−IDとTACとが対応付けられていれば、どちらか一方でよい。また、CSG−IDおよびTACと、GCI(Global Cell Identity)とが対応付けられていればGCIでもよい。
以上から、ホワイトリストを有しない(本発明においては、ホワイトリストが空(empty)の場合も含める)移動端末は、CSGセルにアクセスすることは不可能であり、non−CSGセルのみにしかアクセスできない。一方、ホワイトリストを有する移動端末は、登録したCSG−IDのCSGセルにも、non−CSGセルにもアクセスすることが可能となる。
3GPPでは、全PCI(Physical Cell Identity)を、CSGセル用とnon−CSGセル用とに分割(PCIスプリットと称する)することが議論されている(非特許文献5参照)。またPCIスプリット情報は、システム情報にて基地局から傘下の移動端末に対して報知されることが議論されている。非特許文献5は、PCIスプリットを用いた移動端末の基本動作を開示する。PCIスプリット情報を有していない移動端末は、全PCIを用いて(例えば504コード全てを用いて)セルサーチを行う必要がある。これに対して、PCIスプリット情報を有する移動端末は、当該PCIスプリット情報を用いてセルサーチを行うことが可能である。
また3GPPでは、ハイブリッドセルのためのPCIは、CSGセル用のPCI範囲の中には含まれないことが決定されている(非特許文献1 10.7章参照)。
HeNBおよびHNBに対しては、様々なサービスへの対応が求められている。例えば、オペレータは、ある決められたHeNBおよびHNBに移動端末を登録させ、登録した移動端末のみにHeNBおよびHNBのセルへのアクセスを許可することで、該移動端末が使用できる無線リソースを増大させて、高速に通信を行えるようにする。その分、オペレータは、課金料を通常よりも高く設定する、といったサービスである。
このようなサービスを実現するため、登録した(加入した、メンバーとなった)移動端末のみがアクセスできるCSG(Closed Subscriber Group cell)セルが導入されている。CSG(Closed Subscriber Group cell)セルは、商店街やマンション、学校、会社などへ数多く設置されることが要求される。例えば、商店街では店舗毎、マンションでは部屋毎、学校では教室毎、会社ではセクション毎にCSGセルを設置し、各CSGセルに登録したユーザのみが該CSGセルを使用可能とするような使用方法が要求されている。HeNB/HNBは、マクロセルのカバレッジ外での通信を補完するためだけでなく、上述したような様々なサービスへの対応が求められている。このため、HeNB/HNBがマクロセルのカバレッジ内に設置される場合も生じる。
LTE−Aで検討される技術の一つとして、ヘテロジーニアスネットワークス(Heterogeneous networks:HetNets)が加えられた。3GPPでは、ピコeNB(ピコセル(pico cell))、ホットゾーンセル用のノード、HeNB/HNB/CSGセル、リレーノード、リモートラジオヘッド(RRH)のような低出力電力のローカルエリアレンジ(Local-area range)のネットワークノード(ローカルエリアレンジノード(local area range node)、ローカルエリアノード(local area node)、ローカルノード(local node))を扱う。したがって、通常のeNB(マクロセル)に、このようなローカルエリアレンジノードを一つ以上組み入れたネットワークの運用が要求される。通常のeNB(マクロセル)に、このようなローカルエリアレンジノードを一つ以上組み入れたネットワークがヘテロジーニアスネットワークスと呼ばれ、干渉低減方法、キャパシティ改善方法などが検討される。
3GPPでは、リリース10として、ロングタームエボリューションアドヴァンスド(Long Term Evolution Advanced:LTE−A)の規格策定が進められている(非特許文献6、非特許文献7参照)。
LTE−Aシステムでは、高い通信速度、セルエッジでの高いスループット、新たなカバレッジエリアなどを得るために、リレー(Relay:リレーノード(RN))をサポートすることが検討されている。
リレーノードについては、以下のことが決定している。リレーノードについて、図13を用いて説明する。図13は、非特許文献7で開示されるリレーノードの説明図である。リレーノード1302と、ドナーセル(Donor cell;Donor eNB;DeNB)1301とは、リンク1305で接続される。リンク1305は、バックホールリンク(backhaul link)と称される。ドナーセル1301は、傘下に移動端末1304を持つ。ドナーセル1301と、移動端末1304とは、リンク1307で接続される。リンク1307は、ダイレクトリンク(direct link)と称される。ドナーセル1301の範囲内で、リンク1305とリンク1307とは、同じ周波数バンドを共用する。3GPPのリリース8版の規格書対応の移動端末1304も該ドナーセル1301に接続することを可能とする。リレーノード1302は、傘下に移動端末1303を持つ。リレーノード1302と、移動端末1303とは、リンク1306で接続される。リンク1306は、アクセスリンク(access link)と称される。
FDDにおけるバックホールリンクの多重方法として、ドナーセル1301からリレーノード1302への送信は下り(Downlink:DL)周波数バンドで行われ、リレーノード1302からドナーセル1301への送信は上り(Uplink:UL)周波数バンドで行われる。リレーノード1302におけるリソースの分割方法として、ドナーセル1301からリレーノード1302へのリンク1305、およびリレーノード1302から移動端末1303へのリンク1306が一つの周波数バンドで時分割多重され、リレーノード1302からドナーセル1301へのリンク1305、および移動端末1303からリレーノード1302へのリンク1306も一つの周波数バンドで時分割多重される。こうすることで、リレーにおいて、リレーの送信が自リレーの受信へ干渉することを防ぐことができる。
また非特許文献8には、上記の3GPPでのリレーノードにおける決定事項では、以下の課題が発生することが開示されている。リレーノードの送信が自リレーノードの受信へ干渉することを防ぐために、従来の技術では、ドナーセルからリレーノードへのリンク、およびリレーノードからリレーノード傘下の移動端末へのリンクが一つの周波数バンドで時分割多重され、リレーノードからドナーセルへのリンク、およびリレーノード傘下の移動端末からリレーノードへのリンクも一つの周波数バンドで時分割多重されている。リレーノードの送信の自リレーノードの受信への干渉を、自己干渉と称することもある。時分割多重により、スループットの低下が生じ、システム性能の減少という課題が発生する。
以下に、非特許文献8に開示されている解決策を説明する。非特許文献8に開示されている解決策では、アクセスリンクとバックホールリンクとを、異なるキャリア周波数、あるいは異なる周波数バンドで動作させる。非特許文献8に開示されている解決策の具体的な方法について、図14を用いて説明する。図14は、非特許文献8で開示されるリレーノードの説明図である。図14において、図13に対応する部分については、同一の参照符を付して、説明を省略する。
まず図14(a)について説明する。ダイレクトリンク1307においては、周波数バンドAを用いる。バックホールリンク1305においては、周波数バンドAを用いる。アクセスリンク1306においては、周波数バンドAの中のキャリア周波数のうち、バックホールリンク1305で用いるキャリア周波数とは異なるキャリア周波数を用いる。このように、アクセスリンクとバックホールリンクとが、異なるキャリア周波数となるように構成する。
次に図14(b)について説明する。ダイレクトリンク1307においては、周波数バンドAを用いる。バックホールリンク1305においては、周波数バンドAを用いる。アクセスリンク1306においては、周波数バンドBを用いる。このように、アクセスリンクとバックホールリンクとが、異なる周波数バンドとなるように構成する。
次に図14(c)について説明する。ダイレクトリンク1307においては、周波数バンドAを用いる。バックホールリンク1305においては、周波数バンドBを用いる。アクセスリンク1306においては、周波数バンドBの中のキャリア周波数のうち、バックホールリンク1305で用いるキャリア周波数とは異なるキャリア周波数を用いる。このように、アクセスリンクとバックホールリンクとが、異なるキャリア周波数となるように構成する。
次に図14(d)について説明する。ダイレクトリンク1307においては、周波数バンドAを用いる。バックホールリンク1305においては、周波数バンドBを用いる。アクセスリンク1306においては、周波数バンドAの中のキャリア周波数のうち、バックホールリンク1305で用いるキャリア周波数とは異なるキャリア周波数を用いる。このように、アクセスリンクとバックホールリンクとが、異なる周波数バンドとなるように構成する。
次に図14(e)について説明する。ダイレクトリンク1307においては、周波数バンドAを用いる。バックホールリンク1305においては、周波数バンドBを用いる。アクセスリンク1306においては、周波数バンドCを用いる。このように、アクセスリンクとバックホールリンクとが、異なる周波数バンドとなるように構成する。
このように、ドナーセルがバックホールをスケジューリングする際と、リレーノードがアクセスリンクをスケジューリングする際とで、異なるキャリア周波数、あるいは異なる周波数バンドを用いることにより、時分割多重を用いる必要が無くなる。これによって、非特許文献8に開示される技術では、スループットの向上が図れるとしている。
しかし、非特許文献8に開示されている技術を用いた場合であっても、以下の課題が発生する。ダイレクトリンクとアクセスリンクとにおいて、キャリア周波数が異なることにより、移動端末のサーチ動作の負荷が高くなる。これによって、移動端末の制御遅延が発生し、また消費電力が増加するという課題が発生する。
このような課題が発生する具体例について、図15を用いて説明する。図15は、非特許文献8の課題を説明するロケーション図である。ドナーセル1501は、カバレッジ1502を持つ。ドナーセル1501のセルエッジ付近に、リレーノード1503が設置されていたとする。リレーノード1503は、カバレッジ1504を持つ。ドナーセルの傘下に、待ちうけ中の移動端末1505が存在していたとする。移動端末1505が、ドナーセル1501の近傍から、リレーノード1503の近傍へ移動する場合を考える。移動端末1505は、該移動を理由に、周辺セルの測定結果に基づいて、リレーノード1503をセルリセレクトすることになる。セルサーチ動作の概略は、図12に示すとおりである。
非特許文献8に開示される技術では、ダイレクトリンクとアクセスリンクとにおいて、キャリア周波数が異なるので、図15では、サービングセルであるドナーセル1501のキャリア周波数とは異なるキャリア周波数でセルサーチ動作を行わなければ、該リレーノード1503へのセルリセレクトを実現できない。また移動端末1505は、該リレーノード1503がアクセスリンクで用いるキャリア周波数を知り得ない。このように、非特許文献8の技術では、移動端末のサーチ動作の負荷が高くなるという課題が発生する。
また、図14(c)、図14(d)および図14(e)に示した解決策の具体的方法では、リレーノードを設置するために、異なる3つのキャリア周波数が必要となる。これにより、移動体通信システムにおける周波数利用効率が低下するという課題が発生する。
そこで、本実施の形態では、アクセスリンクとダイレクトリンクとを、同じ周波数バンド、同じキャリア、同じコンポーネントキャリア、あるいは同じ周波数レイヤを用いる構成にしている。これにより、異なる周波数バンド、異なるキャリア、異なるコンポーネントキャリア、あるいは異なる周波数レイヤでのサーチ動作が不要となり、移動端末のサーチ動作の負荷軽減という効果が得られる。
また本実施の形態では、バックホールリンクのみが異なる周波数バンド、異なるキャリア、異なるコンポーネントキャリア、あるいは異なる周波数レイヤを用いる構成にしている。これにより、リレーノードの自己干渉を防止できるという効果が得られる。
周波数バンドについて、以下に説明する。UTRA(UMTS Terrestrial Radio Access)、LTE、LTE−Aなどのシステムでは、上り、下りともに、いくつかの連続した周波数からなる周波数帯域(単に、帯域と称することもある)で動作するように設計されている。これら各々の周波数帯域を、周波数バンド、あるいはオペレーティングバンドと称することもある。
コンポーネントキャリアについて、以下に説明する(非特許文献6 5章参照)。LTE−A対応の移動端末は、同時に複数のコンポーネントキャリア上の受信および送信、受信のみ、あるいは送信のみをキャリアアグリゲーション(carrier aggregation)するための能力(capability)を持つことが考えられている。
図16は、LTE−Aシステムの周波数帯域の構成の概念図である。図16において、参照符1601は、物理下り制御チャネル(PDCCH)を示す。図16においては、全てのコンポーネントキャリア毎に、物理下り制御チャネルがマッピングされる例について示したが、この限りではない。別の例としては、物理下り制御チャネルがマッピングされるコンポーネントキャリアと、物理下り制御チャネルがマッピングされないコンポーネントキャリアとが混在する場合などが考えられる。
図16において、参照符1602,1603,1604,1605,1606は、下り同期信号(SS)および物理報知チャネル(PBCH)を示す。図16においては、コンポーネントキャリア毎に、下り同期信号および物理報知チャネル(あるいは報知情報)がマッピングされる例について示したが、この限りではない。別の例としては、下り同期信号および物理報知チャネルがマッピングされるコンポーネントキャリアと、下り同期信号および物理報知チャネルがマッピングされないコンポーネントキャリアとが混在する場合などが考えられる。
図16では、LTE−Aシステムにおいて、コンポーネントキャリアとして20MHzの帯域幅を持ち、当該コンポーネントキャリアを5つ有する基地局を考える。各コンポーネントキャリアのキャリア周波数をfa,fb,fc,fd,feとする。つまり、下り送信帯域幅が100MHzである基地局を考える。コンポーネントキャリアの帯域幅は、20MHzに限らず、20MHz以下となることが3GPP会合において議論されている。また、1つの基地局がサポートするコンポーネントキャリアの帯域幅も1種類には限られない。また、LTE−Aシステムの基地局の下り送信帯域幅は、100MHzに限らず、100MHz以下となることが3GPP会合において議論されている。また、図16では、各コンポーネントキャリアが連続する場合について示したが、この限りではなく、非連続であっても受信側にてキャリアアグリゲーション可能である。
実施の形態1の解決策の具体的方法例について、図17を用いて説明する。図17は、実施の形態1の解決策を用いた場合のリレーノードの説明図である。図17において、図13に対応する部分については、同一の参照符を付して、説明を省略する。図17において、ドナーセル1301は基地局装置に相当し、リレーノード1302は中継装置に相当し、移動端末1303,1304は移動端末装置に相当する。ドナーセル1301、リレーノード1302および移動端末1303,1304を含んで、移動体通信システムが構成される。
本実施の形態では、ダイレクトリンク1307とアクセスリンク1306とでは、同じ周波数のキャリアを用い、バックホールリンク1305では、ダイレクトリンク1307およびアクセスリンク1306で用いられるキャリアとは異なる周波数のキャリアを用いる。ダイレクトリンク、アクセスリンクおよびバックホールリンクで使用されるキャリアの周波数は、周波数バンドまたはコンポーネントキャリアまたは周波数レイヤ単位で設定されてもよい。
たとえば、ダイレクトリンク1307においては、周波数バンドAを用いる。バックホールリンク1305においては、周波数バンドBを用いる。アクセスリンク1306においては、ダイレクトリンク1307と同じ周波数バンドAを用いる。このように、アクセスリンクとダイレクトリンクとを同じ周波数バンドとし、バックホールリンクのみが異なる周波数バンドとなるように構成する。
3GPPでは、ネットワークの自律運用を可能とするための、セルフオーガナイズドネットワーク(Self Organized Network:SON)の議論が進められている。本実施の形態では、ネットワークの自律運用を可能とする方法を以下に開示する。ドナーセルは、リレーノード用の周波数情報を通知する。ドナーセルは、リレーノード用の周波数情報を、ダイレクトリンクを用いて、あるいはバックホールリンクを用いて、あるいは双方を用いて通知してもよい。ダイレクトリンクを用いて、リレーノード用の周波数情報を通知することで、リレーノードが設置時などにダイレクトリンクにキャンプオンした場合であっても、リレーノードがリレーノード用の周波数情報を取得することが可能となる。バックホールリンクを用いてリレーノード用の周波数情報を通知することで、リレーノードが設置時などにバックホールリンクにキャンプオンした場合であっても、リレーノードがリレーノード用の周波数情報を取得することが可能となる。
ダイレクトリンクを用いて通知する場合のリレーノード用の周波数情報の具体例を以下に3つ開示する。
(1)バックホールリンクにて利用可能な周波数バンド、キャリア、あるいはコンポーネントキャリア。あるいは、ダイレクトリンクにて利用しない周波数バンド、キャリア、あるいはコンポーネントキャリアであってもよい。
(2)アクセスリンクにて利用可能な周波数バンド、キャリア、あるいはコンポーネントキャリア。ダイレクトリンクにて利用する周波数バンド、キャリア、あるいはコンポーネントキャリアであってもよい。あるいは、アクセスリンクでは、ダイレクトリンクと同じ周波数キャリアなどを用いるとして、該情報を省略してもよい。これにより無線リソースの有効活用という効果を得ることができる。
(3)上記(1)および(2)の両方。
バックホールリンクを用いて通知する場合のリレーノード用の周波数情報の具体例を以下に4つ開示する。
(1)該リンクがバックホールである旨の通知。あるいは該リンクがバックホール優先である旨の通知。本通知によりドナーセル傘下の移動端末が、セルセレクション、セルリセレクション、ハンドオーバなどの際に、バックホールリンクをベストセルと選択した場合であっても、他のセルを選択し直すことが可能となる。
(2)ダイレクトリンクにて利用する周波数バンド、キャリア、あるいはコンポーネントキャリア。
(3)アクセスリンクにて利用可能な周波数バンド、キャリア、あるいはコンポーネントキャリア。あるいは、アクセスリンクでは、ダイレクトリンクと同じ周波数キャリアなどを用いるとして、該情報を省略してもよい。これにより無線リソースの有効活用という効果を得ることができる。
(4)上記(1)、(2)、(3)の組合せを通知。
ドナーセルからリレーノードへのリレーノード用の周波数情報の通知方法の具体例を以下に2つ開示する。(1)報知情報として通知する。(2)個別制御情報として通知する。個別制御情報として通知する場合、ドナーセルとリレーノードは、RRC接続などを行う。該RRC接続は、リレーノードの要求により行われてもよい。該RRC接続を用いて、リレーノードはドナーセルに対して「リレーノードである旨」を通知してもよい。該通知の後に、ドナーセルからリレーノードへのリレーノード用の周波数情報の通知が行われてもよい。
次に、図17および図18を用いて、実施の形態1の解決策を用いた場合の移動体通信システムのシーケンス例を説明する。図17は、上記のとおりであるので、説明を省略する。図18は、実施の形態1の解決策を用いた場合であって、リレーノードが設置時などにダイレクトリンク(図17の例ではバンドA)をセルセレクションした場合の移動体通信システムのシーケンス例を説明する図である。ステップST1800において、リレーノード1302は、ドナーセル1301のダイレクトリンク1307をセルセレクションする。すなわち、ダイレクトリンクにキャンプオンする。ステップST1801において、ドナーセル1301は、ダイレクトリンク1307を用いて傘下のリレーノード1302に、バックホールリンク1305にて利用可能な周波数バンドと、アクセスリンク1306にて利用可能な周波数バンドとを通知する。
ステップST1802において、リレーノード1302は、バックホールリンク1305の周波数バンドを、ステップST1801において受信したバックホールリンク1305にて利用可能な周波数バンドに設定する。ステップST1801において受信した周波数バンドが複数である場合には、該複数の周波数バンドから選択し、設定する。
ステップST1803において、リレーノード1302は、アクセスリンク1306の周波数バンドを、ステップST1801において受信したアクセスリンク1306にて利用可能な周波数バンドに設定する。ステップST1801において受信した周波数バンドが複数ある場合には、該複数の周波数バンドから選択し、設定する。
ステップST1804において、リレーノード1302は、ステップST1801にて受信した、バックホールリンクにて利用可能な周波数バンドを用いて、バックホールリンク1305へキャンプオンし直す(セルリセレクションする)。
本実施の形態1によれば、以下の効果を得ることができる。アクセスリンク1306とダイレクトリンク1307とで、使用するキャリアの周波数が同じ、具体的には同じ周波数バンド、同じキャリア、同じコンポーネントキャリア、あるいは同じ周波数レイヤとなるので、移動端末のサーチ動作が簡略化できる。これによって、移動端末の負荷を低減でき、低消費電力化に貢献できる。
また、バックホールリンク1305とアクセスリンク1306とで、使用するキャリアの周波数が異なる、具体的には異なる周波数バンドなどを用いるため、リレーノード1302の自己干渉の低減を図ることができる。したがって本実施の形態では、移動体通信システム内の干渉を防ぐとともに、移動端末のサーチ動作の負荷を低減することができる。
また、リレーノード1302を設置するために、異なる2つのキャリアで足り、周波数利用効率を向上することができる。
実施の形態1 変形例1.
実施の形態1の変形例1について説明する。前述の実施の形態1では、ドナーセルの傘下の移動端末からの上りリンク(ダイレクトリンク)と、リレーノードの傘下の移動端末からの上りリンク(アクセスリンク)とに、同じ周波数バンドなどを用いることから、ドナーセルのカバレッジ内で上り干渉が発生することがある。上りスケジューリングは、サービングセルで行われる。つまり、ドナーセルとリレーノードとで、別々に傘下の移動端末に対する、上りスケジューリングが行われる。したがって、上りスケジューリングにより、上記上り干渉を低減させようとすれば、制御遅延が大きくなり、移動体通信システムとしても複雑性が増す。
図19を用いて、上り干渉について説明する。図19は、上り干渉を説明するためのロケーション図である。図19において、図15に対応する部分については、同一の参照符を付して、説明を省略する。移動端末1901は、リレーノード1503のセルエッジ付近に位置し、かつドナーセル1501のカバレッジ1502内に位置する。移動端末1901は、ドナーセル1501と送受信を行っている。もう1つの移動端末1902は、リレーノード1503のカバレッジ1504内に位置し、かつドナーセル1501のカバレッジ1502内に位置する。移動端末1902は、リレーノード1503と送受信を行っている。
2つの移動端末1901および1902の上りリンクについて検討する。移動端末1901は、ドナーセル1501と上りリンク1903を用いて通信を行う。この上りリンク1903は、ダイレクトリンクである。もう1つの移動端末1902は、リレーノード1503と上りリンク1905を用いて通信を行う。この上りリンク1905は、アクセスリンクである。実施の形態1を用いる場合、ダイレクトリンクとアクセスリンクとにおいて、周波数バンドなどは同じものとなる。したがって、移動端末1901とドナーセル1501との通信により、リレーノード1503に対して上り干渉1904が発生することがある。また、もう1つの移動端末1902とリレーノード1503との通信により、ドナーセル1501に対して上り干渉1906が発生することがある。図19では干渉を破線で示す。
実施の形態1の変形例1での解決策を以下に示す。前述の実施の形態1の解決策と異なる部分を中心に説明する。説明していない部分については、実施の形態1と同様とする。
本変形例では、ダイレクト上りリンクとアクセス上りリンクとを異なる周波数バンド、異なるキャリア、異なるコンポーネントキャリア、あるいは異なる周波数レイヤとする。これによって、ドナーセルの傘下の移動端末からドナーセルへの上りリンク(ダイレクトリンク)と、リレーノードの傘下の移動端末からリレーノードへの上りリンク(アクセスリンク)とを周波数分割することが可能となる。したがって、上記上り干渉を低減することが可能となる。
具体的な実施例としては、上りリンクについてのみ、使用するキャリアの周波数、具体的にはバックホールリンクおよびアクセスリンクの周波数バンド、キャリア、コンポーネントキャリア、あるいは周波数レイヤを入れ替える。これにより、ダイレクト上りリンクとアクセス上りリンクとにおいて、上りリンクにて使用するキャリアの周波数を異ならせる、具体的には、異なる周波数バンド、異なるキャリア、異なるコンポーネントキャリア、あるいは異なる周波数レイヤとなるように構成する。これによって、ドナーセルの傘下の移動端末からドナーセルへの上りリンク(ダイレクトリンク)と、リレーノードの傘下の移動端末からリレーノードへの上りリンク(アクセスリンク)とを周波数分割することが可能となる。したがって、上記上り干渉を低減することが可能となる。
図20および図21を用いて、実施の形態1の変形例1の解決策の具体例について説明する。図20を用いて実施の形態1の解決策について再度説明する。図20は、実施の形態1の解決策を用いた場合のリレーノードの説明図である。図20において、図13に対応する部分については、同一の参照符を付して、説明を省略する。ダイレクトリンクのうちの下りリンクであるダイレクト下りリンク2005においては、例えば周波数バンドA_DLを用いる。ダイレクトリンクのうちの上りリンクであるダイレクト上りリンク2006においては、例えば周波数バンドA_ULを用いる。図20において、ドナーセル1301は基地局装置に相当し、リレーノード1302は中継装置に相当し、移動端末1303,1304は移動端末装置に相当する。ドナーセル1301、リレーノード1302および移動端末1303,1304を含んで、移動体通信システムが構成される。上りリンクは、上り無線通信回線に相当し、下りリンクは、下り無線通信回線に相当する。
バックホールリンクのうちの下りリンクであるバックホール下りリンク2001においては、例えば周波数バンドB_DLを用いる。バックホールリンクのうちの上りリンクであるバックホール上りリンク2002においては、例えば周波数バンドB_ULを用いる。アクセスリンクのうちの下りリンクであるアクセス下りリンク2003においては、例えば周波数バンドA_DLを用いる。アクセスリンクのうちの上りリンクであるアクセス上りリンク2004においては、例えば周波数バンドA_ULを用いる。これにより、アクセスリンク2003,2004とダイレクトリンク2005,2006とを同じ周波数バンドAとし、バックホールリンク2002,2001のみが異なる周波数バンドBとなるように構成する。
次に、図21を用いて実施の形態1の変形例1の解決策について説明する。図21は、実施の形態1の変形例1の解決策を用いた場合のリレーノードの説明図である。図21において、図13および図20に対応する部分については、同一の参照符を付して、説明を省略する。本変形例では、上りリンクについてのみ、バックホールリンクおよびアクセスリンクの周波数バンドなどを入れ替える。図21において、ドナーセル1301は基地局装置に相当し、リレーノード1302は中継装置に相当し、移動端末1303,1304は移動端末装置に相当する。
つまり、バックホール上りリンク2101においては、例えば、実施の形態1で用いていた周波数バンドB_ULから、実施の形態1でアクセス上りリンク2004に用いていた周波数バンドA_ULへ変更する。アクセス上りリンク2102においては、例えば、実施の形態1で用いていた周波数バンドA_ULから、実施の形態1でバックホール上りリンク2002に用いていた周波数バンドB_ULへ変更する。ドナーセル1301の傘下の移動端末1304からドナーセル1301への上りリンク2006においては、実施の形態1と同様に、例えば周波数バンドA_ULを用いる。
これによって、ドナーセル1301の傘下の移動端末1304からドナーセル1301への上りリンク2006と、リレーノード1302の傘下の移動端末1303からリレーノード1302への上りリンク2102とを周波数分割することができる。これによって、上記上り干渉を低減することが可能となる。
一方ドナーセル1301の傘下の移動端末1304からドナーセル1301への上りリンク2006と、リレーノード1302からドナーセル1301への上りリンク2101とが同じ周波数バンドなどを用いることになる。移動端末1304およびリレーノード1302に対する上りスケジューリングは、ドナーセル1301が行う。よって、スケジューリングによる上り干渉の低減が、少ない制御遅延で容易に可能となる。
また、実施の形態1の変形例1での解決策を言い換えると、ドナーセル1301からの下りリンク2001,2005については、ダイレクトリンク2005およびバックホールリンク2001にて、異なる周波数バンドなどとする。一方、ドナーセルへの上りリンク2006,2101については、ダイレクトリンク2006用の上り周波数バンド(ダイレクト下りリンク2005のペアバンドとも称される)と、バックホールリンク2101用の上り周波数バンドなどとは、同じものを割当てる。つまり、本変形例では、ドナーセル1301は、ダイレクト下りリンク2005とバックホール下りリンク2001とには、異なる周波数バンドを割当て、ダイレクト下りリンク2005に対するペアバンドと、バックホール下りリンク2001に対するペアバンドとには、同じ周波数バンドを割当てる。
本実施の形態1の変形例1にて、ネットワークの自律運用を可能とする方法を以下に開示する。ドナーセルは、リレーノード用の周波数情報を通知する。ドナーセルは、リレーノード用の周波数情報を、ダイレクトリンクを用いて、あるいはバックホールリンクを用いて、あるいは双方を用いて通知してもよい。ダイレクトリンクを用いて、リレーノード用の周波数情報を通知することで、リレーノードが設置時などにダイレクトリンクにキャンプオンした場合であっても、リレーノードがリレーノード用の周波数情報を取得することが可能となる。バックホールリンクを用いてリレーノード用の周波数情報を通知することで、リレーノードが設置時などにバックホールリンクにキャンプオンした場合であっても、リレーノードがリレーノード用の周波数情報を取得することが可能となる。
ダイレクトリンクを用いて通知する場合のリレーノード用の周波数情報の具体例を以下に4つ開示する。
(1)バックホール下りリンクにて利用可能な周波数バンド、キャリア、あるいはコンポーネントキャリア。あるいは、ダイレクト下りリンクにて利用しない周波数バンド、キャリア、あるいはコンポーネントキャリアであってもよい。
(2)アクセス下りリンクにて利用可能な周波数バンド、キャリア、あるいはコンポーネントキャリア。ダイレクト下りリンクにて利用する周波数バンド、キャリア、あるいはコンポーネントキャリアであってもよい。あるいは、アクセス下りリンクではダイレクト下りリンクと同じ周波数キャリアなどを用いるとして、該情報を省略してもよい。これにより、無線リソースの有効活用という効果を得ることができる。
(3)アクセス上りリンクにて利用可能な周波数バンド、キャリア、あるいはコンポーネントキャリア。あるいは、アクセス上りリンクではダイレクト上りリンクと異なる周波数キャリアなどを用いるとして、該情報を省略してもよい。これにより、無線リソースの有効活用という効果を得ることができる。
(4)上記(1)、(2)、(3)を組み合わせて通知してもよい。
バックホールリンクを用いて通知する場合のリレーノード用の周波数情報の具体例を以下に4つ開示する。
(1)該リンクがバックホールである旨の通知。あるいは該リンクがバックホール優先である旨の通知。本通知によりドナーセル傘下の移動端末が、セルセレクション、セルリセレクション、ハンドオーバなどの際に、バックホールリンクをベストセルと選択した場合であっても、他のセルを選択し直すことが可能となる。
(2)アクセス下りリンクにて利用可能な周波数バンド、キャリア、あるいはコンポーネントキャリア。あるいは、ダイレクト下りリンクにて利用する周波数バンド、キャリア、あるいはコンポーネントキャリアであってもよい。
(3)アクセス上りリンクにて利用可能な周波数バンド、キャリア、あるいはコンポーネントキャリア。あるいは、ダイレクト上りリンクにて利用する周波数バンド、キャリア、あるいはコンポーネントキャリアであってもよい。あるいは、アクセス上りリンクでは、バックホール上りリンクと異なる周波数キャリアなどを用いるとして、該情報を省略してもよい。これにより、無線リソースの有効活用という効果を得ることができる。
(4)上記(1)、(2)、(3)を組み合わせて通知してもよい。
ドナーセルからリレーノードへのリレーノード用の周波数情報の通知方法の具体例を以下に2つ開示する。(1)報知情報として通知する。(2)個別制御情報として通知する。個別制御情報として通知する場合、ドナーセルとリレーノードは、RRC接続などを行う。該RRC接続は、リレーノードの要求により行われてもよい。該RRC接続を用いて、リレーノードはドナーセルに対して「リレーノードである旨」を通知してもよい。該通知の後に、ドナーセルからリレーノードへのリレーノード用の周波数情報の通知が行われてもよい。
次に、図21および図22を用いて、実施の形態1の変形例1の解決策を用いた場合の移動体通信システムのシーケンス例を説明する。図21は、上記のとおりであるので、説明を省略する。図22は、実施の形態1の変形例1の解決策を用いた場合であって、リレーノードが設置時などにダイレクトリンク(図21の例ではバンドA_DL)をセルセレクションした場合の移動体通信システムのシーケンス例を説明する図である。
ステップST2200において、リレーノード1302は、ドナーセル1301のダイレクト下りリンク2005をセルセレクションする。すなわち、ダイレクトリンクにキャンプオンする。ステップST2201において、ドナーセル1301は、ダイレクト下りリンク2005を用いて傘下のリレーノード1302に、バックホール下りリンク2001にて利用可能な周波数バンドと、アクセス下りリンク2003にて利用可能な周波数バンドと、アクセス上りリンク2102にて利用可能な周波数バンドとを通知する。
ステップST2202において、リレーノード1302は、バックホール下りリンク2001の周波数バンドを、ステップST2201において受信したバックホール下りリンク2001にて利用可能な周波数バンドに設定する。ステップST2201において受信した周波数バンドが複数である場合には、該複数の周波数バンドから選択し、設定する。
ステップST2203において、リレーノード1302は、バックホール上りリンク2101の周波数バンドを、ダイレクト下りリンク2005のペアバンドであるダイレクト上りリンク2006と同じ周波数バンドを選択し、設定する。
ステップST2204において、リレーノード1302は、アクセス下りリンク2003の周波数バンドを、ステップST2201において受信したアクセス下りリンク2003にて利用可能な周波数バンドに設定する。ステップST2201において受信した周波数バンドが複数ある場合には、該複数の周波数バンドから選択し、設定する。
ステップST2205において、リレーノード1302は、アクセス上りリンク2102の周波数バンドを、ステップST2201において受信したアクセス上りリンク2102にて利用可能な周波数バンドに設定する。ステップST2201において受信した周波数バンドが複数ある場合には、該複数の周波数バンドから選択し、設定する。
ステップST2206において、リレーノード1302は、ステップST2201にて受信したバックホール下りリンクにて利用可能な周波数バンドを用いて、バックホールリンクへキャンプオンし直す(セルリセレクションする)。
本変形例では、ドナーセルは、リレーノードに対して、アクセス下りリンク2003で用いるキャリアの周波数情報として、バックホール下りリンク2001で用いられるキャリアとは異なり、かつダイレクト下りリンク2005で用いられるキャリアとは同じ周波数などが通知される。またアクセス上りリンク2102で用いるキャリアの周波数情報としては、バックホール上りリンク2101で用いられるキャリアとは異なり、かつダイレクト上りリンク2006で用いられるキャリアとは異なる周波数などが通知される。リレーノードは、ドナーセルから通知された周波数情報に基づいて、アクセスリンクの上りリンクおよび下りリンクで用いるキャリアの周波数を設定する。
実施の形態1の変形例1により、実施の形態1の効果に加えて以下の効果を得ることができる。ドナーセルの傘下の移動端末からドナーセルへの上りリンクと、リレーノードの傘下の移動端末からリレーノードへの上りリンクとを周波数分割することが可能となる。これによって、上記上り干渉を低減することが可能となる。
実施の形態2.
本発明の実施の形態2では、本発明の課題に対して、実施の形態1とは別の解決策を開示する。実施の形態2での解決策を以下に開示する。ドナーセルは、傘下のリレーノードにおいて用いられているアクセスリンクの情報を、傘下の移動端末へ通知する。該情報を受信した移動端末は、アクセスリンクで用いられるキャリアを用いてサーチ動作を行う。
またリレーノードは、ドナーセルにおいて用いられるダイレクトリンクの情報を、傘下の移動端末へ通知してもよい。該情報を受信した移動端末は、ダイレクトリンクで用いられるキャリアを用いてサーチ動作を行う。
これにより、移動端末は、リレーノードがアクセスリンクで用いるキャリア周波数を知り得ることになる。したがって、移動端末のサーチ動作の負荷を軽減することができる。
アクセスリンクの情報の具体例としては、使用するキャリアの周波数、より詳細には周波数バンド、キャリア、コンポーネントキャリア、あるいは周波数レイヤなどがある。通知方法の具体例としては、報知情報として通知する。これにより、個別チャネルを用いることなく、傘下の移動端末に通知することが可能となる。よって、無線リソースを有効に活用することができる。また、傘下の移動端末の状態(CONNECTED状態、IDLE状態)によらずに通知することが可能となる。
報知情報の具体例を以下に3つ開示する。
(1)SIB3にマッピングする。SIB3には同周波数間のセルリセレクション、異周波数間のセルリセレクション、および異システム間のセルリセレクションに共通する情報がマッピングされている(非特許文献9参照)。したがって、「アクセスリンクの情報」をSIB3にマッピングすることにより、移動端末がセルリセレクトに関する情報である「アクセスリンクの情報」を、従来の「セルリセレクトに共通する情報」と共に受信することができる。これにより、移動端末のセルリセレクトの処理の負荷を軽減することができるとともに、制御遅延を軽減することができる。
(2)SIB5にマッピングする。SIB5には、異周波数間のセルリセレクションに関する情報がマッピングされている(非特許文献9参照)。したがって、「アクセスリンクの情報」をSIB5にマッピングすることにより、移動端末が異周波数間のセルリセレクトに関する情報である「アクセスリンクの情報」を、従来の「異周波数間のセルリセレクションに関する情報」と共に受信することができる。これにより、移動端末の異周波数間のセルリセレクトの処理の負荷を軽減することができるとともに、制御遅延を軽減することができる。
(3)周辺セル設定にマッピングする。周辺セル設定は「neighCellConfig」とも称される(非特許文献9参照)。したがって、「アクセスリンクの情報」を周辺セル設定にマッピングすることにより、移動端末がサービングセル(ドナーセル)の周辺セルに関する情報である「アクセスリンクの情報」を、従来の「周辺セル設定」と共に受信することができる。これにより、移動端末の周辺セル情報を受信するための処理の負荷を軽減することができるとともに、制御遅延を軽減することができる。
実施の形態2を用いた具体的な動作例を前述の図14(b)および図23を用いて説明する。図14(b)は、前述のとおりであるので説明を省略する。図23は、実施の形態2の解決策を用いた場合の移動体通信システムのシーケンス例を説明する図である。ステップST2301において、ドナーセル1301は、移動端末1304を含む傘下の移動端末に対して、リレーノード1302のアクセスリンクの情報を報知する。例えば図14(b)では、ドナーセル1301は、移動端末1304を含む傘下の移動端末に対して、リレーノード1302のアクセスリンクの情報として、バンドBを報知する。
ステップST2302において、移動端末1304は、ステップST2301において受信したアクセスリンクの情報を用いて、セルサーチ動作を行う。
実施の形態2により、以下の効果を得ることができる。移動端末は、リレーノードがアクセスリンクで用いるキャリア周波数などを知り得ることになる。これによって、移動端末のサーチ動作が簡略化できる。したがって、移動端末の負荷を低減することができ、低消費電力化に貢献できる。
実施の形態3.
実施の形態3で解決する課題について、以下に説明する。セルの圏内、あるいは周辺にHeNBを設置した場合、ドナーセルおよびリレーノードと同様に、上りリンクの干渉が発生する。
実施の形態3での解決策を以下に示す。HeNBは、周辺セルの上りリンクで用いるキャリアとは異なる周波数のキャリアを上りリンクに用いる。具体的には、HeNBは、周辺セルの上りリンクで用いる周波数バンド、キャリア、コンポーネントキャリア、周波数レイヤとは異なる周波数バンド、異なるキャリア、異なるコンポーネントキャリア、あるいは異なる周波数レイヤを上りリンクに用いる。これにより、周辺セルの傘下の移動端末から周辺セルへの上りリンクと、HeNBの傘下の移動端末からHeNBへの上りリンクとを周波数分割することが可能となる。よって、上記上り干渉を低減することが可能となる。
また、HeNBは、周辺セルの下りリンクで用いる周波数バンド、キャリア、コンポーネントキャリア、周波数レイヤと同じ周波数バンド、同じキャリア、同じコンポーネントキャリア、あるいは同じ周波数レイヤを用いるとしてもよい。これにより、周辺セルの下りリンクと、HeNBの下りリンクとが、同じキャリアなどとなり、移動端末のサーチ動作が簡略化できる。よって、移動端末の負荷を低減することができ、低消費電力化に貢献できる。
図24を用いて、実施の形態3の解決策の具体例について説明する。図24は、実施の形態3の解決策を用いた場合のHeNBの説明図である。周辺セル、例えばマクロセル2401とHeNB2402とは、S1インタフェース2405で接続される。周辺セル2401は、傘下に移動端末2404を持つ。周辺セル2401と移動端末2404とは、下りリンク2408、および上りリンク2409で接続される。例えば、下りリンク2408に周波数バンドAを用い、上りリンク2409に周波数バンドAを用いるとする。
図24において、マクロセル2401およびHeNB2402は基地局装置に相当し、移動端末2403,2404は移動端末装置に相当する。マクロセル2401、HeNB2402および移動端末2403,2404を含んで、移動体通信システムが構成される。
HeNB2402は、傘下に移動端末2403を持つ。HeNB2402と移動端末2403とは、下りリンク2406、および上りリンク2407で接続される。上りリンク2407では、周辺セル2401の上りリンク2409とは異なる周波数のキャリアが、使用するキャリアとして選択され、設定される。具体的には、周辺セル2401の上りリンク2409とは異なる周波数バンドなどが選択され、設定される。図24では、例えば上りリンク2407に、周波数バンドBを用いるとする。
また、下りリンク2406では、周辺セル2401の下りリンク2408と同じ周波数のキャリアが、使用するキャリアとして選択され、設定される。具体的には、周辺セル2401の下りリンク2408と同じ周波数バンドなどが選択され、設定される。図24では、例えば下りリンク2406に、周波数バンドAを用いるとする。
このようにすることによって、周辺セル2401の傘下の移動端末2404から周辺セル2401への上りリンク2409と、HeNB2402の傘下の移動端末2403からHeNB2402への上りリンク2407とを周波数分割することができる。
上記周辺セルの周波数情報を、HeNBが知る方法の具体例について、以下に2つ開示する。
(A1)周辺セルは、自セルの周波数情報を、S1インタフェース2405を用いて周辺のノードへ通知する。
(A2)HeNBは、初期化の際、電源ONの際、あるいは送信OFFの際、周辺無線環境の測定を行う場合がある。周辺無線環境の具体例としては、周辺セルの測定結果がある。周辺セルの測定の際、該周辺セルの下りリンクで用いる周波数情報を記憶する。また該周辺セルの報知情報まで受信し、報知情報をデコードし、報知情報に含まれる周辺セルの上りリンクで用いる周波数情報を知り、該周辺セルの上りリンクで用いる周波数情報を記憶する。
周波数情報の具体例としては、上りリンクで用いる周波数情報と、下りリンクで用いる周波数情報などがある。さらに、周波数バンド、キャリア、コンポーネントキャリア、あるいは周波数レイヤなどがある。LTEおよびLTE−Aにおける、上りリンクで用いる周波数情報の具体例としては、キャリア周波数(ul-CarrierFreq)、上りバンド幅(ul-bandwidth)などが考えられる。
上記周辺セルの周波数情報をHeNBが知る方法の具体例において、上記(A1)に示す具体例を用いた場合、サービングセルが、自セルの周波数情報を通知する周辺のノードを決定する方法の具体例について以下に1つ開示する。自セルの周波数情報を通知するノードは、1つであっても複数であってもよい。以下に示す方法で、自セルの周波数情報を通知するノードを選択することにより、周辺のノードを選択することが可能となる。これにより、無駄なノードにまで自セルの周波数情報を通知する必要がなくなり、サービングセルの処理の負荷を軽減することができる。
(B)現在の3GPPでは、HeNBが設置された場合、該HeNBの位置情報がネットワーク側へ通知されることが議論されている。サービングセルは、自セルの位置と上記HeNBの位置情報とに基づいて、自セルの周波数情報を通知する周辺ノードを決定する。具体例としては、自セルの位置とHeNBの位置から、両者間の距離を求める。該距離がある閾値以上(あるいは閾値より大きい)であれば、自セルの周波数情報を通知するノードとして該ノードを選択する。
上記周辺セルの周波数情報をHeNBが知る方法の具体例において、上記(A2)に示す具体例を用いた場合、HeNBが下りリンクで用いる周波数情報報知情報を記憶する周辺セル、また報知情報のデコード、上りリンクで用いる周波数情報の記憶を行う周辺セルを決定する方法の具体例について、以下に開示する。
HeNBは、HeNBの周辺無線環境の測定結果に基づいて、下りリンクで用いる周波数情報報知情報を記憶し、報知情報をデコードし、上りリンクで用いる周波数情報を記憶する周辺セルを決定する。周辺無線環境の具体例としては、周辺セルの測定結果がある。周辺セルの測定結果の具体例としては、受信品質、受信電力、パスロスなどがある。
HeNBは、周辺無線環境の測定結果において、あるノードの受信品質、あるいは受信電力がある閾値以上(あるいは閾値より大きい)であれば、下りリンクで用いる周波数情報報知情報を記憶し、報知情報の受信、報知情報のデコード、上りリンクで用いる周波数情報を記憶する周辺セルとして該セルを選択する。または、HeNBは、周辺無線環境の測定結果において、あるノードのパスロスがある閾値未満(あるいは以下)であれば、下りリンクで用いる周波数情報報知情報を記憶し、報知情報の受信、報知情報のデコード、上りリンクで用いる周波数情報を記憶する周辺セルとして該セルを選択する。
報知情報の受信、報知情報のデコード、周波数情報を記憶する周辺セルは、1つであっても複数であってもよい。上記の方法で、報知情報の受信、報知情報のデコード、周波数情報を記憶する周辺セルを選択することにより、周辺のセルを選択することが可能となる。これにより、無駄な周辺セルの報知情報の受信、報知情報のデコード、周波数情報の記憶をする必要がなくなり、HeNBの処理の負荷を軽減することができる。
HeNBの周辺無線環境の測定結果、報知情報の受信、報知情報のデコード、周波数情報を記憶する周辺セルが複数であった場合、あるいは周波数情報を通知してきた周辺セルが複数あった場合の下りリンクで用いる周波数情報の選択方法について、具体例を以下に開示する。
HeNBは、報知情報の受信、報知情報のデコード、周波数情報を記憶する周辺セルが複数であった場合、HeNBの周辺無線環境の測定結果に基づいて、下りリンクで用いる周波数情報を決定する。周辺無線環境の具体例としては、周辺セルの測定結果がある。周辺セルの測定結果の具体例としては、受信品質、受信電力、パスロスなどがある。
HeNBは、周辺無線環境の測定結果において、受信品質が最良のセル、あるいは受信電力が最も大きいセル、あるいはパスロスが最も小さいセル、の下りリンクで用いる周波数バンド、キャリア、コンポーネントキャリア、周波数レイヤと同じ周波数バンド、同じキャリア、同じコンポーネントキャリア、あるいは同じ周波数レイヤを用いる。
これにより、最も近傍にあるであろう、周辺セルの下りリンクと周波数情報を同じにすることが可能となる。つまり、自HeNBセルをリセレクションする可能性が高い移動端末を傘下に持つ周辺セルの下りリンクと、周波数情報を同じにすることが可能となる。また、自HeNBセルの傘下の移動端末が、セルリセレクション先に選択する可能性が高い周辺セルの下りリンクと周波数情報を同じにすることが可能となる。よって、移動端末のセルリセレクション動作の負荷軽減という観点において、最も効果的なセルの選択方法である。
HeNBの周辺無線環境の測定結果、報知情報の受信、報知情報のデコード、周波数情報を記憶する周辺セルが複数であった場合、あるいは周波数情報を通知してきた周辺セルが複数あった場合の上りリンクで用いる周波数情報の選択方法について、具体例を以下に2つ開示する。HeNBは、報知情報の受信、報知情報のデコード、周波数情報を記憶する周辺セルが複数であった場合、HeNBの周辺無線環境の測定結果に基づいて、上りリンクで用いる周波数情報を決定する。周辺無線環境の具体例としては、周辺セルの測定結果がある。周辺セルの測定結果の具体例としては、受信品質、受信電力、パスロスなどがある。
(1)HeNBは、周辺無線環境の測定結果において、受信品質が最良のセル、受信電力が最も大きいセル、あるいはパスロスが最も小さいセルの上りリンクで用いる周波数バンド、キャリア、コンポーネントキャリア、周波数レイヤと異なる周波数バンド、異なるキャリア、異なるコンポーネントキャリア、あるいは異なる周波数レイヤを用いる。これにより、最も近傍にあるであろう、周辺セルの上りリンクと周波数情報を異ならせることが可能となる。これによって、上り干渉低減の観点において、効果的なセルの選択方法である。
(2)HeNBは、すべての周辺セルの上りリンクで用いる周波数バンド、キャリア、コンポーネントキャリア、周波数レイヤと異なる周波数バンド、異なるキャリア、異なるコンポーネントキャリア、あるいは異なる周波数レイヤを用いる。多くの周辺セルの上りリンクと周波数情報を異ならせることが可能となる。これによって、多くのセルとの間の上り干渉低減が可能となる。
実施の形態3を用いた具体的な動作例を図24および図25を用いて説明する。図24は、上記のとおりであるので、説明を省略する。次に、図25を用いて実施の形態3を用いた場合のHeNBの周波数情報の設定動作例を説明する。図25は、実施の形態3を用いた場合のHeNBの周波数情報の設定動作例の手順を示すフローチャートである。図25に示すフローチャートの動作例では、前述の周辺セルの周波数情報をHeNBが知る方法の(A2)の具体例を用いた場合について開示する。
ステップST2501において、HeNB2402は、周辺セルの測定を行う。ステップST2502において、HeNB2402は、周波数情報を記憶するセルの決定および記憶を行う。ステップST2503において、HeNB2402は、周波数情報を記憶するセルは1つであるか否かを判断する。1つである場合は、ステップST2505へ移行し、1つでない場合は、ステップST2504へ移行する。
ステップST2504において、HeNB2402は、ステップST2501において行った周辺セルの測定で受信品質が最も良好であるセルを選択する。図24の例においては、周辺セル2401が選択されたとする。
ステップST2505において、HeNB2402は、傘下の移動端末への下りリンクに、ステップST2504で選択した周辺セルと同じ周波数情報を設定する。図24の例においては、HeNB2402は、傘下の移動端末2403への下りリンク2406に、ステップST2504で選択した周辺セル2401の下りリンク2408と同じ周波数情報である、周波数バンドAを設定する。
ステップST2506において、HeNB2402は、傘下の移動端末からの上りリンクに、ステップST2504で選択した周辺セルと異なる周波数情報を設定する。図24の例においては、HeNB2402は、傘下の移動端末2403からの上りリンク2407に、ステップST2504で選択した周辺セル2401の上りリンク2409と異なる周波数情報である、周波数バンドBを設定する。
実施の形態3により、以下の効果を得ることができる。周辺セルの下りリンクとHeNBの下りリンクとで、使用するキャリアの周波数が同じ、具体的には同じ周波数バンド、同じキャリア、同じコンポーネントキャリア、あるいは同じ周波数レイヤとなるので、移動端末のサーチ動作が簡略化できる。これによって、移動端末の負荷を低減することができ、低消費電力化に貢献できる。
また、周辺セルの上りリンクとHeNBの上りリンクとで、使用するキャリアの周波数が異なる、具体的には異なる周波数バンド、異なるキャリア、異なるコンポーネントキャリア、あるいは異なる周波数レイヤとなるので、周波数分割をすることが可能となる。これによって、上記上り干渉を低減することが可能となる。したがって本実施の形態では、移動体通信システム内の干渉を防ぐとともに、移動端末のサーチ動作の負荷を低減することができる。
この発明は詳細に説明されたが、上記した説明は、すべての局面において、例示であって、この発明がそれに限定されるものではない。例示されていない無数の変形例が、この発明の範囲から外れることなく想定され得るものと解される。