JP7580503B2 - 通信システム、通信端末装置およびプライマリセル - Google Patents
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Description
本開示は、通信システム、通信端末装置およびプライマリセルに関する。
第3世代と呼ばれる通信方式のうち、W-CDMA(登録商標)(Wideband Code division Multiple Access)方式が2001年から日本で商用サービスが開始されている。また、下りリンク(個別データチャネル、個別制御チャネル)にパケット伝送用のチャネル(High Speed-Downlink Shared Channel:HS-DSCH)を追加することにより、下りリンクを用いたデータ送信の更なる高速化を実現するHSDPA(High Speed Downlink Packet Access)のサービスが開始されている。さらに、上り方向のデータ送信をより高速化するために、HSUPA(High Speed Uplink Packet Access)方式についてもサービスが開始されている。W-CDMAは、移動体通信システムの規格化団体である3GPP(3rd Generation Partnership Project)により定められた通信方式であり、リリース10版の規格書がとりまとめられている。
また、3GPPにおいて、W-CDMAとは別の通信方式として、無線区間についてはロングタームエボリューション(Long Term Evolution:LTE)、コアネットワーク(単にネットワークとも称する)を含めたシステム全体構成については、システムアーキテクチャエボリューション(System Architecture Evolution:SAE)と称される新たな通信方式が検討されている。この通信方式は3.9G(3.9 Generation)システムとも呼ばれる。
LTEでは、アクセス方式、無線のチャネル構成やプロトコルが、現在のW-CDMA(HSDPA/HSUPA)とは全く異なるものになる。例えば、アクセス方式は、W-CDMAが符号分割多元接続(Code Division Multiple Access)を用いているのに対して、LTEは下り方向はOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)、上り方向はSC-FDMA(Single Career Frequency Division Multiple Access)を用いる。また、帯域幅は、W-CDMAが5MHzであるのに対し、LTEでは1.4MHz,3MHz,5MHz,10MHz,15MHz,20MHzの中で基地局毎に選択可能となっている。また、LTEでは、W-CDMAのように回線交換を含まず、パケット通信方式のみになる。
LTEは、W-CDMAのコアネットワーク(General Packet Radio Service:GPRS)とは異なる新たなコアネットワークを用いて通信システムが構成されるため、W-CDMA網とは別の独立した無線アクセス網として定義される。したがって、W-CDMAの通信システムと区別するため、LTEの通信システムでは、移動端末(User Equipment:UE)と通信を行う基地局(Base station)はeNB(E-UTRAN NodeB)と称され、複数の基地局と制御データやユーザデータのやり取りを行う基地局制御装置(Radio Network Controller)は、EPC(Evolved Packet Core)またはaGW(Access Gateway)と称される。
このLTEの通信システムでは、ユニキャスト(Unicast)サービスとE-MBMSサービス(Evolved Multimedia Broadcast Multicast Service)とが提供される。E-MBMSサービスとは、放送型マルチメディアサービスであり、単にMBMSと称される場合もある。複数の移動端末に対してニュースや天気予報、モバイル放送などの大容量放送コンテンツが送信される。これを1対多(Point to Multipoint)サービスともいう。
3GPPでの、LTEシステムにおける全体的なアーキテクチャ(Architecture)に関する現在の決定事項が、非特許文献1(4章)に記載されている。全体的なアーキテクチャについて図1を用いて説明する。図1は、LTE方式の通信システムの構成を示す説明図である。図1において、移動端末101に対する制御プロトコル、例えばRRC(Radio Resource Control)と、ユーザプレイン、例えばPDCP(Packet Data Convergence Protocol)、RLC(Radio Link Control)、MAC(Medium Access Control)、PHY(Physical layer)とが基地局102で終端するならば、E-UTRAN(Evolved Universal Terrestrial Radio Access)は1つあるいは複数の基地局102によって構成される。
基地局102は、MME(Mobility Management Entity)103から通知されるページング信号(Paging Signal、ページングメッセージ(paging messages)とも称される)のスケジューリング(Scheduling)および送信を行う。基地局102は、X2インタフェースにより、互いに接続される。また基地局102は、S1インタフェースによりEPC(Evolved Packet Core)に接続される。より明確には、基地局102は、S1_MMEインタフェースによりMME(Mobility Management Entity)103に接続され、S1_UインタフェースによりS-GW(Serving Gateway)104に接続される。
MME103は、複数あるいは単数の基地局102へのページング信号の分配を行う。また、MME103は待受け状態(Idle State)のモビリティ制御(Mobility control)を行う。MME103は、移動端末が待受け状態の際、および、アクティブ状態(Active State)の際に、トラッキングエリア(Tracking Area)リストの管理を行う。
S-GW104は、ひとつまたは複数の基地局102とユーザデータの送受信を行う。S-GW104は、基地局間のハンドオーバの際、ローカルな移動性のアンカーポイント(Mobility Anchor Point)となる。EPCには、さらにP-GW(PDN Gateway)が存在し、ユーザ毎のパケットフィルタリングやUE-IDアドレスの割当などを行う。
移動端末101と基地局102との間の制御プロトコルRRCは、報知(Broadcast)、ページング(paging)、RRC接続マネージメント(RRC connection management)などを行う。RRCにおける基地局と移動端末の状態として、RRC_Idle、RRC_CONNECTEDがある。RRC_IDLEでは、PLMN(Public Land Mobile Network)選択、システム情報(System Information:SI)の報知、ページング(paging)、セル再選択(cell re-selection)、モビリティ等が行われる。RRC_CONNECTEDでは、移動端末はRRC接続(connection)を有し、ネットワークとのデータの送受信を行うことができ、また、ハンドオーバ(Handover:HO)、隣接セル(Neighbour cell)のメジャメント等が行われる。
非特許文献1(5章)に記載される3GPPでの、LTEシステムにおけるフレーム構成に関する現在の決定事項について、図2を用いて説明する。図2は、LTE方式の通信システムで使用される無線フレームの構成を示す説明図である。図2において、1つの無線フレーム(Radio frame)は10msである。無線フレームは10個の等しい大きさのサブフレーム(Subframe)に分割される。サブフレームは、2個の等しい大きさのスロット(slot)に分割される。無線フレーム毎に1番目と6番目のサブフレームに下り同期信号(Downlink Synchronization Signal:SS)が含まれる。同期信号には、第一同期信号(Primary Synchronization Signal:P-SS)と、第二同期信号(Secondary Synchronization Signal:S-SS)とがある。
サブフレーム単位にてMBSFN(Multimedia Broadcast multicast service Single Frequency Network)用とMBSFN以外用のチャネルの多重が行われる。MBSFN送信(MBSFN Transmission)とは、同時に複数のセルから同じ波形の送信により実現される同時放送送信技術(simulcast transmission technique)である。MBSFN領域(MBSFN Area)の複数のセルからのMBSFN送信は、移動端末によって1つの送信であると見える。MBSFNとは、このようなMBSFN送信をサポートするネットワークである。以降、MBSFN送信用のサブフレームをMBSFNサブフレーム(MBSFN subframe)と称する。
非特許文献2に、MBSFNサブフレームの割り当て時のシグナリング例が記載されている。図3は、MBSFNフレームの構成を示す説明図である。図3において、割当周期(radio Frame Allocation Period)毎にMBSFNサブフレームを含む無線フレームが割り当てられる。MBSFNサブフレームは、割当周期と割当オフセット(radio Frame Allocation Offset)によって定義された無線フレームにてMBSFNのために割り当てられるサブフレームであり、マルチメディアデータを伝送するためのサブフレームである。以下の式(1)を満たす無線フレームが、MBSFNサブフレームを含む無線フレームである。
SFN mod radioFrameAllocationPeriod=radioFrameAllocationOffset …(1)
SFN mod radioFrameAllocationPeriod=radioFrameAllocationOffset …(1)
MBSFNサブフレームの割当は6ビットにて行われる。1番左のビットは、サブフレーム2番目(#1)のMBSFN割当を定義する。2番目のビットはサブフレーム3番目(#2)、3番目のビットはサブフレーム4番目(#3)、4番目のビットはサブフレーム7番目(#6)、5番目のビットはサブフレーム8番目(#7)、6番目のビットはサブフレーム9番目(#8)のMBSFN割当を定義する。該ビットが「1」を示す場合、対応するサブフレームがMBSFNのために割当てられることを示す。
3GPPでの、LTEシステムにおけるチャネル構成に関する現在の決定事項が、非特許文献1(5章)に記載されている。CSGセル(Closed Subscriber Group cell)においてもnon-CSGセルと同じチャネル構成が用いられると想定されている。物理チャネル(Physical channel)について、図4を用いて説明する。図4は、LTE方式の通信システムで使用される物理チャネルを説明する説明図である。
図4において、物理報知チャネル(Physical Broadcast channel:PBCH)401は、基地局102から移動端末101へ送信される下りチャネルである。BCHトランスポートブロック(transport block)は、40ms間隔中の4個のサブフレームにマッピングされる。40msタイミングの明白なシグナリングはない。物理制御チャネルフォーマットインジケータチャネル(Physical Control Format Indicator Channel:PCFICH)402は、基地局102から移動端末101へ送信される。PCFICHは、PDCCHsのために用いるOFDMシンボルの数について基地局102から移動端末101へ通知する。PCFICHは、サブフレーム毎に送信される。
物理下り制御チャネル(Physical Downlink Control Channel:PDCCH)403は、基地局102から移動端末101へ送信される下りチャネルである。PDCCHは、DL-SCH(後述の図5に示されるトランスポートチャネルの1つである下り共有チャネル)とPCH(図5に示されるトランスポートチャネルの1つであるページングチャネル)のリソース割り当て(allocation)、DL-SCHに関するHARQ情報を通知する。PDCCHは、上りスケジューリンググラント(Uplink Scheduling Grant)を運ぶ。PDCCHは、上り送信に対する応答信号であるAck(Acknowledgement)/Nack(Negative Acknowledgement)を運ぶ。PDCCHは、L1/L2制御信号とも呼ばれる。
物理下り共有チャネル(Physical Downlink Shared Channel:PDSCH)404は、基地局102から移動端末101へ送信される下りチャネルである。PDSCHには、トランスポートチャネルであるDL-SCH(下り共有チャネル)やトランスポートチャネルであるPCHがマッピングされている。物理マルチキャストチャネル(Physical Multicast Channel:PMCH)405は、基地局102から移動端末101へ送信される下りチャネルである。PMCHには、トランスポートチャネルであるMCH(マルチキャストチャネル)がマッピングされている。
物理上り制御チャネル(Physical Uplink Control Channel:PUCCH)406は、移動端末101から基地局102へ送信される上りチャネルである。PUCCHは、下り送信に対する応答信号(response signal)であるAck/Nackを運ぶ。PUCCHは、CQI(Channel Quality Indicator)レポートを運ぶ。CQIとは、受信したデータの品質、もしくは通信路品質を示す品質情報である。またPUCCHは、スケジューリングリクエスト(Scheduling Request:SR)を運ぶ。物理上り共有チャネル(Physical Uplink Shared Channel:PUSCH)407は、移動端末101から基地局102へ送信される上りチャネルである。PUSCHには、UL-SCH(図5に示されるトランスポートチャネルの1つである上り共有チャネル)がマッピングされている。
物理HARQインジケータチャネル(Physical Hybrid ARQ Indicator Channel:PHICH)408は、基地局102から移動端末101へ送信される下りチャネルである。PHICHは、上り送信に対する応答信号であるAck/Nackを運ぶ。物理ランダムアクセスチャネル(Physical Random Access Channel:PRACH)409は、移動端末101から基地局102へ送信される上りチャネルである。PRACHは、ランダムアクセスプリアンブル(random access preamble)を運ぶ。
下りリファレンスシグナル(Reference signal)は、移動体通信システムとして既知のシンボルである。移動端末の物理レイヤの測定として、リファレンスシグナルの受信電力(Reference Signal Received Power:RSRP)測定がある。
非特許文献1(5章)に記載されるトランスポートチャネル(Transport channel)について、図5を用いて説明する。図5は、LTE方式の通信システムで使用されるトランスポートチャネルを説明する説明図である。図5(A)には、下りトランスポートチャネルと下り物理チャネルとの間のマッピングを示す。図5(B)には、上りトランスポートチャネルと上り物理チャネルとの間のマッピングを示す。
下りトランスポートチャネルについて説明する。報知チャネル(Broadcast Channel:BCH)は、その基地局(セル)のカバレッジ全体に報知される。BCHは、物理報知チャネル(PBCH)にマッピングされる。
下り共有チャネル(Downlink Shared Channel:DL-SCH)には、HARQ(Hybrid ARQ)による再送制御が適用される。DL-SCHは、基地局(セル)のカバレッジ全体への報知が可能である。DL-SCHは、ダイナミックあるいは準静的(Semi-static)なリソース割り当てをサポートする。準静的なリソース割り当ては、パーシステントスケジューリング(Persistent Scheduling)とも言われる。DL-SCHは、移動端末の低消費電力化のために移動端末の間欠受信(Discontinuous reception:DRX)をサポートする。DL-SCHは、物理下り共有チャネル(PDSCH)へマッピングされる。
ページングチャネル(Paging Channel:PCH)は、移動端末の低消費電力を可能とするために移動端末のDRXをサポートする。PCHは、基地局(セル)のカバレッジ全体への報知が要求される。PCHは、動的にトラフィックに利用できる物理下り共有チャネル(PDSCH)のような物理リソースへマッピングされる。
マルチキャストチャネル(Multicast Channel:MCH)は、基地局(セル)のカバレッジ全体への報知に使用される。MCHは、マルチセル送信におけるMBMSサービス(MTCHとMCCH)のSFN合成をサポートする。MCHは、準静的なリソース割り当てをサポートする。MCHは、PMCHへマッピングされる。
上り共有チャネル(Uplink Shared Channel:UL-SCH)には、HARQ(Hybrid ARQ)による再送制御が適用される。UL-SCHは、ダイナミックあるいは準静的(Semi-static)なリソース割り当てをサポートする。UL-SCHは、物理上り共有チャネル(PUSCH)へマッピングされる。
図5(B)に示されるランダムアクセスチャネル(Random Access Channel:RACH)は、制御情報に限られている。RACHは、衝突のリスクがある。RACHは、物理ランダムアクセスチャネル(PRACH)へマッピングされる。
HARQについて説明する。HARQとは、自動再送(Automatic Repeat reQuest)と誤り訂正(Forward Error Correction)との組み合わせにより、伝送路の通信品質を向上させる技術である。通信品質が変化する伝送路に対しても、再送により誤り訂正が有効に機能するという利点がある。特に、再送にあたって初送の受信結果と再送の受信結果との合成をすることで、更なる品質向上を得ることも可能である。
再送の方法の一例を説明する。受信側にて、受信データが正しくデコードできなかった場合、換言すればCRC(Cyclic Redundancy Check)エラーが発生した場合(CRC=NG)、受信側から送信側へ「Nack」を送信する。「Nack」を受信した送信側は、データを再送する。受信側にて、受信データが正しくデコードできた場合、換言すればCRCエラーが発生しない場合(CRC=OK)、受信側から送信側へ「Ack」を送信する。「Ack」を受信した送信側は次のデータを送信する。
HARQ方式の一例として、チェースコンバイニング(Chase Combining)がある。チェースコンバイニングとは、初送と再送とにおいて、同じデータを送信するものであり、再送において初送のデータと再送のデータとの合成を行うことで、利得を向上させる方式である。これは、初送データに誤りがあったとしても、部分的に正確なものも含まれており、正確な部分の初送データと再送データとを合成することで、より高精度にデータを送信できるという考え方に基づいている。また、HARQ方式の別の例として、IR(Incremental Redundancy)がある。IRとは、冗長度を増加させるものであり、再送においてパリティビットを送信することで、初送と組み合わせて冗長度を増加させ、誤り訂正機能により品質を向上させるものである。
非特許文献1(6章)に記載される論理チャネル(Logical channel、以下「ロジカルチャネル」という場合がある)について、図6を用いて説明する。図6は、LTE方式の通信システムで使用される論理チャネルを説明する説明図である。図6(A)には、下りロジカルチャネルと下りトランスポートチャネルとの間のマッピングを示す。図6(B)には、上りロジカルチャネルと上りトランスポートチャネルとの間のマッピングを示す。
報知制御チャネル(Broadcast Control Channel:BCCH)は、報知システム制御情報のための下りチャネルである。論理チャネルであるBCCHは、トランスポートチャネルである報知チャネル(BCH)、あるいは下り共有チャネル(DL-SCH)へマッピングされる。
ページング制御チャネル(Paging Control Channel:PCCH)は、ページング情報(Paging Information)およびシステム情報(System Information)の変更を送信するための下りチャネルである。PCCHは、移動端末のセルロケーションをネットワークが知らない場合に用いられる。論理チャネルであるPCCHは、トランスポートチャネルであるページングチャネル(PCH)へマッピングされる。
共有制御チャネル(Common Control Channel:CCCH)は、移動端末と基地局との間の送信制御情報のためのチャネルである。CCCHは、移動端末がネットワークとの間でRRC接続(connection)を持っていない場合に用いられる。下り方向では、CCCHは、トランスポートチャネルである下り共有チャネル(DL-SCH)へマッピングされる。上り方向では、CCCHは、トランスポートチャネルである上り共有チャネル(UL-SCH)へマッピングされる。
マルチキャスト制御チャネル(Multicast Control Channel:MCCH)は、1対多の送信のための下りチャネルである。MCCHは、ネットワークから移動端末への1つあるいはいくつかのMTCH用のMBMS制御情報の送信のために用いられる。MCCHは、MBMS受信中の移動端末のみに用いられる。MCCHは、トランスポートチャネルであるマルチキャストチャネル(MCH)へマッピングされる。
個別制御チャネル(Dedicated Control Channel:DCCH)は、1対1にて、移動端末とネットワークとの間の個別制御情報を送信するチャネルである。DCCHは、移動端末がRRC接続(connection)である場合に用いられる。DCCHは、上りでは上り共有チャネル(UL-SCH)へマッピングされ、下りでは下り共有チャネル(DL-SCH)にマッピングされる。
個別トラフィックチャネル(Dedicated Traffic Channel:DTCH)は、ユーザ情報の送信のための個別移動端末への1対1通信のチャネルである。DTCHは、上りおよび下りともに存在する。DTCHは、上りでは上り共有チャネル(UL-SCH)へマッピングされ、下りでは下り共有チャネル(DL-SCH)へマッピングされる。
マルチキャストトラフィックチャネル(Multicast Traffic channel:MTCH)は、ネットワークから移動端末へのトラフィックデータ送信のための下りチャネルである。MTCHは、MBMS受信中の移動端末のみに用いられるチャネルである。MTCHは、マルチキャストチャネル(MCH)へマッピングされる。
GCIとは、グローバルセル識別子(Global Cell Identity)のことである。LTE、後述のLTE-A(Long Term Evolution Advanced)およびUMTS(Universal Mobile Telecommunication System)において、CSGセル(Closed Subscriber Group cell)が導入される。CSGについて以下に説明する(非特許文献3 3.1章参照)。CSGセル(Closed Subscriber Group cell)とは、利用可能な加入者をオペレータが特定しているセル(以下「特定加入者用セル」という場合がある)である。
特定された加入者は、PLMN(Public Land Mobile Network)の1つ以上のセルにアクセスすることが許可される。特定された加入者がアクセスを許可されている1つ以上のセルを「CSGセル(cell(s))」と呼ぶ。ただし、PLMNにはアクセス制限がある。CSGセルとは、固有のCSGアイデンティティ(CSG identity:CSG ID;CSG-ID)を報知し、CSGインジケーション(CSG Indication)にて「TRUE」を報知するPLMNの一部である。予め利用登録し、許可された加入者グループのメンバーは、アクセス許可情報であるところのCSG-IDを用いてCSGセルにアクセスする。
CSG-IDは、CSGセルまたはセルによって報知される。移動体通信システムにCSG-IDは複数存在する。そして、CSG-IDは、CSG関連のメンバーのアクセスを容易にするために、移動端末(UE)によって使用される。
移動端末の位置追跡は、1つ以上のセルからなる区域を単位に行われる。位置追跡は、待受け状態であっても移動端末の位置を追跡し、呼び出す(移動端末が着呼する)ことを可能にするためである。この移動端末の位置追跡のための区域をトラッキングエリアと呼ぶ。
CSGホワイトリスト(CSG White List)とは、加入者が属するCSGセルのすべてのCSG IDが記録されている、USIM(Universal Subscriber Identity Module)に格納されることもあるリストである。CSGホワイトリストは、単にホワイトリスト、あるいは許可CSGリスト(Allowed CSG List)と呼ばれることもある。CSGセルを通しての移動端末のアクセスは、MMEがアクセスコントロール(access control)を実行する(非特許文献9 4.3.1.2章参照)。移動端末のアクセスの具体例としては、アタッチ(attach)、コンバインドアタッチ(combined attach)、デタッチ(detach)、サービスリクエスト(service request)、トラッキングエリアアップデートプロシジャー(Tracking Area Update procedure)などがある(非特許文献9 4.3.1.2章参照)。
待受け状態の移動端末のサービスタイプについて以下に説明する(非特許文献3 4.3章参照)。待受け状態の移動端末のサービスタイプとしては、制限されたサービス(Limited service、限られたサービスとも称される)、標準サービス(Normal service)、オペレータサービス(Operator service)がある。制限されたサービスとは、後述のアクセプタブルセル上の緊急呼(Emergency calls)、ETWS(Earthquake and Tsunami Warning System)、CMAS(Commercial Mobile Alert System)である。標準サービス(通常サービス、ノーマルサービスとも称される)とは、後述の適切なセル上の公共のサービスである。オペレータサービスとは、後述のリザーブセル上のオペレータのためのみのサービスである。
「適切なセル」(Suitable cell)について以下に説明する。「適切なセル」(Suitable cell)とは、UEが通常(normal)サービスを受けるためにキャンプオン(Camp ON)するかもしれないセルである。そのようなセルは、以下の(1),(2)の条件を満たすものとする。
(1)セルは、選択されたPLMNもしくは登録されたPLMN、または「Equivalent PLMNリスト」のPLMNの一部であること。
(2)NAS(Non-Access Stratum)によって提供された最新情報にて、さらに以下の(a)~(d)の条件を満たすこと。
(a)そのセルが禁じられた(barred)セルでないこと。
(b)そのセルが「ローミングのための禁止されたLAs」リストの一部でないトラッキングエリア(Tracking Area:TA)の一部であること。その場合、そのセルは前記(1)を満たす必要がある。
(c)そのセルが、セル選択評価基準を満たしていること。
(d)そのセルが、CSGセルとしてシステム情報(System Information:SI)によって特定されたセルに関しては、CSG-IDはUEの「CSGホワイトリスト」(CSG WhiteList)の一部であること(UEのCSG WhiteList中に含まれること)。
(a)そのセルが禁じられた(barred)セルでないこと。
(b)そのセルが「ローミングのための禁止されたLAs」リストの一部でないトラッキングエリア(Tracking Area:TA)の一部であること。その場合、そのセルは前記(1)を満たす必要がある。
(c)そのセルが、セル選択評価基準を満たしていること。
(d)そのセルが、CSGセルとしてシステム情報(System Information:SI)によって特定されたセルに関しては、CSG-IDはUEの「CSGホワイトリスト」(CSG WhiteList)の一部であること(UEのCSG WhiteList中に含まれること)。
「アクセプタブルセル」(Acceptable cell)について以下に説明する。これは、UEが制限されたサービスを受けるためにキャンプオンするかもしれないセルである。そのようなセルは、以下の(1),(2)のすべての要件を充足するものとする。
(1)そのセルが禁じられたセル(Barred cell、バードセルとも称される)でないこと。(2)そのセルが、セル選択評価基準を満たしていること。
「バードセル」(Barred cell)とは、システム情報で指示がある。「リザーブセル」(Reserved cell)とは、システム情報で指示がある。
「セルにキャンプオン(camp on)する」とは、UEがセル選択(cell selection)またはセル再選択(cell reselection)の処理を完了し、UEがシステム情報とページング情報とをモニタするセルを選択した状態である。UEがキャンプオンするセルを「サービングセル(Serving cell)」と称することがある。
3GPPにおいて、Home-NodeB(Home-NB;HNB)、Home-eNodeB(Home-eNB;HeNB)と称される基地局が検討されている。UTRANにおけるHNB、またはE-UTRANにおけるHeNBは、例えば家庭、法人、商業用のアクセスサービス向けの基地局である。非特許文献4には、HeNBおよびHNBへのアクセスの3つの異なるモードが開示されている。具体的には、オープンアクセスモード(Open access mode)と、クローズドアクセスモード(Closed access mode)と、ハイブリッドアクセスモード(Hybrid access mode)である。
各々のモードは、以下のような特徴を有する。オープンアクセスモードでは、HeNBやHNBは通常のオペレータのノーマルセルとして操作される。クローズドアクセスモードでは、HeNBやHNBがCSGセルとして操作される。これはCSGメンバーのみアクセス可能なCSGセルである。ハイブリッドアクセスモードでは、非CSGメンバーも同時にアクセス許可されているCSGセルとして操作される。ハイブリッドアクセスモードのセル(ハイブリッドセルとも称する)は、言い換えれば、オープンアクセスモードとクローズドアクセスモードの両方をサポートするセルである。
3GPPでは、全PCI(Physical Cell Identity)のうち、CSGセルによって使用するためにネットワークによって予約されたPCI範囲がある(非特許文献1 10.5.1.1章参照)。PCI範囲を分割することをPCIスプリットと称することがある。PCIスプリット情報は、システム情報にて基地局から傘下の移動端末に対して報知される。非特許文献5は、PCIスプリットを用いた移動端末の基本動作を開示する。PCIスプリット情報を有していない移動端末は、全PCIを用いて、例えば504コード全てを用いて、セルサーチを行う必要がある。これに対して、PCIスプリット情報を有する移動端末は、当該PCIスプリット情報を用いてセルサーチを行うことが可能である。
また3GPPでは、リリース10として、ロングタームエボリューションアドヴァンスド(Long Term Evolution Advanced:LTE-A)の規格策定が進められている(非特許文献6、非特許文献7参照)。
LTE-Aシステムでは、高い通信速度、セルエッジでの高いスループット、新たなカバレッジエリアなどを得るために、リレー(Relay)およびリレーノード(RN)をサポートすることが検討されている。リレーノードは、ドナーセル(Donor cell;Donor eNB;DeNB)を介して無線アクセスネットワークに無線で接続される。ドナーセルの範囲内で、ネットワーク(Network:NW)からリレーノードへのリンクは、ネットワークからUEへのリンクと同じ周波数帯域(以下「周波数バンド」という場合がある)を共用する。この場合、リリース8のUEも該ドナーセルに接続することを可能とする。ドナーセルとリレーノードとの間のリンクをバックホールリンク(backhaul link)と称し、リレーノードとUEとの間のリンクをアクセスリンク(access link)と称する。
FDD(Frequency Division Duplex)におけるバックホールリンクの多重方法として、DeNBからRNへの送信は下り(DL)周波数バンドで行われ、RNからDeNBへの送信は上り(UL)周波数バンドで行われる。リレーにおけるリソースの分割方法として、DeNBからRNへのリンクおよびRNからUEへのリンクが一つの周波数バンドで時分割多重され、RNからDeNBへのリンクおよびUEからRNへのリンクも一つの周波数バンドで時分割多重される。こうすることで、リレーにおいて、リレーの送信が自リレーの受信へ干渉することを防ぐことができる。
3GPPでは、通常のeNB(マクロセル)だけでなく、ピコeNB(ピコセル(pico cell))、HeNB/HNB/CSGセル、ホットゾーンセル用のノード、リレーノード、リモートラジオヘッド(Remote Radio Head:RRH)などのいわゆるローカルノードが検討されている。
LTEでは、通信に使用可能な周波数バンド(以下「オペレーティングバンド」という場合がある)が予め決められている。非特許文献8には、該周波数バンドが記載されている。FDD(Frequency Division Duplex)による通信においては、下りリンクの周波数バンド(以下「下り周波数バンド」という場合がある)と、それと対をなす上りリンクの周波数バンド(以下「上り周波数バンド」という場合がある)とが予め決められており、上り周波数バンドは下り周波数バンドと異なっている。これは、従来の音声のような通信においては必ず下りリンクと上りリンクとが必要であり、FDDにおいては下りと上りとで周波数を分割することによって、送信と受信とを同時に行えるようにしているためである。
FDDにおいて、下りリンクに用いるリソースのキャリア周波数(以下「下りキャリア周波数」という場合がある)と、上りリンクに用いるリソースのキャリア周波数(以下「上りキャリア周波数」という場合がある)との間隔(TX-RX frequency separation:TX-RX周波数間隔)のデフォルト値が、周波数バンド毎に決められている。非特許文献8には、該TX-RX周波数間隔のデフォルト値が記載されている。
LTEにおいて、セルは、自セルが運用している周波数バンド情報と上りキャリア周波数とを報知情報として、傘下のUEに対して報知する。具体的には、周波数バンド情報は、SIB1に含まれる。上りキャリア周波数は、SIB2に含まれる。上りキャリア周波数がSIB2に含まれない場合、上りキャリア周波数は、TX-RX周波数間隔のデフォルト値を用いて下りキャリア周波数から導出される。UEは、セル選択あるいは再選択をすることによって、下りキャリア周波数を認識し、セルからの報知情報を受信することによって、セルが運用している周波数バンドと上りキャリア周波数とを得ることが可能となる。
非特許文献1に開示されているとおり、3GPPでは、リリース10として「ロングタームエボリューション アドヴァンスド」(Long Term Evolution Advanced:LTE-A)の規格策定が進められている。
LTE-Aシステムでは、100MHzまでのより広い周波数帯域幅(transmission bandwidths)をサポートするため、二つ以上のコンポーネントキャリア(Component Carrier:CC)をアグリゲーション(aggregation)すなわち集約する、キャリアアグリゲーション(Carrier Aggregation:CA)が検討されている。
LTE対応であるリリース8または9対応のUEが、一つのサービングセルに相当するCC上のみで送受信可能であるのに対して、リリース10対応のUEは、同時に複数のサービングセルに相当するCC上で送受信、あるいは受信のみ、あるいは送信のみをするための能力(ケーパビリティ、capability)を持つことが考えられている。
各CCは、リリース8または9の構成を用いており、CAは、連続CC、非連続CC、異なる周波数帯域幅のCCをサポートする。UEが下りリンクのCC(DL CC)数以上の上りリンクのCC(UL CC)数を構成することは不可能である。同一eNBから構成されるCCは、同じカバレッジを提供する必要は無い。CCは、リリース8または9と互換性を有する。
CAにおいて、上りリンク、下りリンクともに、サービングセル毎に一つの独立したHARQエンティティがある。トランスポートブロックは、サービングセル毎にTTI毎に生成される。各トランスポートブロックとHARQ再送とは、シングルサービングセルにマッピングされる。
CAが構成される場合、UEはNWと唯一つのRRC接続(RRC connection)を有する。RRC接続において、一つのサービングセルがNASモビリティ情報とセキュリティ入力を与える。このセルをプライマリセル(Primary Cell:PCell)と呼ぶ。下りリンクで、PCellに対応するキャリアは、下りプライマリコンポーネントキャリア(Downlink Primary Component Carrier:DL PCC)である。上りリンクで、PCellに対応するキャリアは、上りプライマリコンポーネントキャリア(Uplink Primary Component Carrier:UL PCC)である。
UEケーパビリティに応じて、セカンダリセル(Secondary Cell:SCell)が、PCellとサービングセルとの組を形成するために構成される。下りリンクで、SCellに対応するキャリアは、下りセカンダリコンポーネントキャリア(Downlink Secondary Component Carrier:DL SCC)である。上りリンクで、SCellに対応するキャリアは、上りセカンダリコンポーネントキャリア(Uplink Secondary Component Carrier:UL SCC)である。
一つのUEに対して、一つのPCellと、一つ以上のSCellからなるサービングセルとの組が構成される。
各SCellにおいて、下りリンク(DL)用リソースに加えて、UEによる上りリンク(UL)用リソースの利用が可能である。DL SCCの数は、UL SCCの数以上となる。UL用リソースのみに使用されるSCellは無い。一つのUEにとって、各UL用リソースは、一つのサービングセルのみに属する。サービングセルの数は、UEのケーパビリティによる。
PCellは、HOプロシージャのみで変更される。PCellは、PUCCHの送信に用いられる。なお、UL-SCHの無いDL-SCHのHARQのためのPUCCHは、UL PCCのみで送信される。PCellは、SCellsとは異なり、デアクティベート(de-activate)されない。
PCellがRLF(Radio link failure)となったとき、リエスタブリッシュメント(Re-establishment)がトリガされる。SCellsではトリガされない。NAS情報は、PCellから得られる。
SCellsの再構成(reconfiguration)、追加(addition)、削除(removal)は、RRCによってなされる。LTE内のハンドオーバでもまた、RRCは、ターゲットPCellとともに使用されるSCellsを追加(addition)、削除(removal)、再構成(reconfiguration)する。
SCell追加の際、そのSCellの必要な全システム情報(SI)を送信するため、個別RRCシグナリング(dedicated RRC signalling)が用いられる。すなわち、コネクテッドモードで行われ、UEは、SCellから報知されるSIを受信する必要は無い。
SCellの追加(addition)、更新(modification)は、個別RRCシグナリングの「RRC Connection Reconfiguration message」を用いて、PCellが移動端末へ通知することが検討されている(非特許文献2参照)。SCellの削除(release)は、個別RRCシグナリングの「RRC Connection Reconfiguration message」を用いて、PCellが移動端末へ通知する、あるいは「RRC Connection re-establishment」によりトリガされることが検討されている(非特許文献2参照)。個別RRCシグナリングの「RRC Connection Reconfiguration message」の中には、「SCell To AddModList」、「SCell To ReleaseList」が含まれる。
また、各セルにおいて、SIB2は上りリンク用リソースのキャリア周波数を示す。
非特許文献10には、セル(CC)毎にCSGインジケーション、CSG-IDを設定可能とすることが開示されている。しかし、移動端末へ該設定内容を通知する方法については、非特許文献10には記載されていない。また非特許文献10には、SCellが属するCSGと、移動端末の属するCSGの関係についての問題提起、および解決策について開示されていない。
非特許文献2には、SCellの追加(addition)、更新(modification)は、個別RRCシグナリングの「RRC Connection Reconfiguration message」を用いて、PCellが移動端末へ通知することが開示されている。SCellの追加(addition)、更新(modification)の個別RRCシグナリングの「RRC Connection Reconfiguration message」には、CSGインジケーションおよびCSG-IDは含まれていない。SCell毎のCSGインジケーションおよびCSG-IDの設定方法、移動端末へ該設定内容を通知する方法については、非特許文献2には記載されていない。また非特許文献2には、SCellが属するCSGと、移動端末の属するCSGとの関係についての問題提起、および解決策について開示されていない。
3GPP TS36.300 V10.2.0
3GPP TS36.331 V10.0.0
3GPP TS36.304 V10.0.0 3.1章、4.3章、5.2.4章
3GPP S1-083461
3GPP R2-082899
3GPP TR 36.814 V9.0.0
3GPP TR 36.912 V9.3.0
3GPP TS 36.101 V10.0.0
3GPP TR 23.830 V9.0.0
3GPP R2-104041
LTE-Aシステムでは、通信速度を向上するために、LTEシステムの周波数帯域幅よりも大きい周波数帯域幅、具体的には100MHzまでの周波数帯域幅をサポートすることが考えられている。これをサポートする一つの方法として、キャリアアグリゲーション(Carrier Aggregation:CA)の検討が行われている。キャリアアグリゲーションでは、移動端末に対してPCellとSCellとによって、サービングセルの組が形成される。
前述のように、非特許文献2および非特許文献10には、SCell毎のCSGインジケーション、CSG-IDの移動端末への通知方法は記載されていない。また、SCellが属するCSGと、移動端末の属するCSGの関係についても、非特許文献2および非特許文献10には記載されていない。したがって、通信システムの動作が一意に決まらず、適切なサービスの提供ができないという問題が発生する。
本開示の目的は、キャリアアグリゲーションを用いて通信速度の向上を実現しつつ、適切なサービスの提供が可能な通信システム等を提供することである。
本開示の通信システムは、通信端末装置およびその通信端末装置との間で無線通信可能な複数のセルを備える通信システムであって、前記複数のセルのうちの一つであるプライマリセルと前記通信端末装置との間に接続が確立された状況において、前記通信端末装置は、前記プライマリセルと並列して無線通信可能なセルであるセカンダリセルの候補である候補セルへの接続が可能か判断し、その判断結果をRRC(Radio Resource Control)メッセージを用いて前記プライマリセルに通知し、前記プライマリセルは、前記候補セルへの接続が可能であると判断した判断結果が前記通信端末装置から通知された場合に、前記候補セルを前記セカンダリセルとして設定することを特徴とする。
本開示の通信端末装置は、通信端末装置およびその通信端末装置との間で無線通信可能な複数のセルを含み、前記複数のセルのうちの一つであるプライマリセルと前記通信端末装置との間に接続が確立された状況の通信システムにおける通信端末装置であって、前記プライマリセルと並列して無線通信可能なセルであるセカンダリセルの候補である候補セルへの接続が可能か判断し、その判断結果をRRC(Radio Resource Control)メッセージを用いて前記プライマリセルに通知することを特徴とする。
本開示のプライマリセルは、通信端末装置およびその通信端末装置との間で無線通信可能な複数のセルを含み、前記複数のセルのうちの一つであるプライマリセルと前記通信端末装置との間に接続が確立された状況において、前記通信端末装置は、前記プライマリセルと並列して無線通信可能なセルであるセカンダリセルの候補である候補セルへの接続が可能か判断し、その判断結果をRRC(Radio Resource Control)メッセージを用いて前記プライマリセルに通知する通信システムにおけるプライマリセルであって、前記候補セルへの接続が可能であると判断した判断結果が前記通信端末装置から通知された場合に、前記候補セルを前記セカンダリセルとして設定することを特徴とする。
本開示によれば、キャリアアグリゲーションを用いた通信速度の向上を実現しつつ、通信システムとしての動作を安定させることができ、適切なサービスの提供を行うことが可能となる。
本開示の目的、特徴、局面、および利点は、以下の詳細な説明と添付図面とによって、より明白となる。
実施の形態1.
図7は、現在3GPPにおいて議論されているLTE方式の移動体通信システムの全体的な構成を示すブロック図である。現在3GPPにおいては、CSG(Closed Subscriber Group)セル(E-UTRANのHome-eNodeB(Home-eNB;HeNB)、UTRANのHome-NB(HNB))と、non-CSGセル(E-UTRANのeNodeB(eNB)、UTRANのNodeB(NB)、GERANのBSS)とを含めたシステムの全体的な構成が検討されており、E-UTRANについては、図7のような構成が提案されている(非特許文献1 4.6.1章参照)。
図7は、現在3GPPにおいて議論されているLTE方式の移動体通信システムの全体的な構成を示すブロック図である。現在3GPPにおいては、CSG(Closed Subscriber Group)セル(E-UTRANのHome-eNodeB(Home-eNB;HeNB)、UTRANのHome-NB(HNB))と、non-CSGセル(E-UTRANのeNodeB(eNB)、UTRANのNodeB(NB)、GERANのBSS)とを含めたシステムの全体的な構成が検討されており、E-UTRANについては、図7のような構成が提案されている(非特許文献1 4.6.1章参照)。
図7について説明する。移動端末装置(以下「移動端末」または「UE」という)71は、基地局装置(以下「基地局」という)72と無線通信可能であり、無線通信で信号の送受信を行う。移動端末装置は、通信端末装置に相当する。基地局72は、マクロセルであるeNB72-1と、ローカルノードであるHome-eNB72-2とに分類される。eNB72-1は、大規模基地局装置に相当し、移動端末(UE)71と通信可能な範囲であるカバレッジとして、比較的大きい大規模カバレッジを有する。Home-eNB72-2は、小規模基地局装置に相当し、カバレッジとして、比較的小さい小規模カバレッジを有する。
eNB72-1は、MME、あるいはS-GW、あるいはMMEおよびS-GWを含むMME/S-GW部(以下「MME部」という場合がある)73とS1インタフェースにより接続され、eNB72-1とMME部73との間で制御情報が通信される。ひとつのeNB72-1に対して、複数のMME部73が接続されてもよい。eNB72-1間は、X2インタフェースにより接続され、eNB72-1間で制御情報が通信される。
Home-eNB72-2は、MME部73とS1インタフェースにより接続され、Home-eNB72-2とMME部73との間で制御情報が通信される。ひとつのMME部73に対して、複数のHome-eNB72-2が接続される。あるいは、Home-eNB72-2は、HeNBGW(Home-eNB GateWay)74を介してMME部73と接続される。Home-eNB72-2とHeNBGW74とは、S1インタフェースにより接続され、HeNBGW74とMME部73とはS1インタフェースを介して接続される。ひとつまたは複数のHome-eNB72-2がひとつのHeNBGW74と接続され、S1インタフェースを通して情報が通信される。HeNBGW74は、ひとつまたは複数のMME部73と接続され、S1インタフェースを通して情報が通信される。MME部73およびHeNBGW74は、上位ノード装置に相当し、基地局であるeNB72-1およびHome-eNB72-2と、移動端末(UE)71との接続を制御する。
さらに現在3GPPでは、以下のような構成が検討されている。Home-eNB72-2間のX2インタフェースはサポートされる。すなわち、Home-eNB72-2間は、X2インタフェースにより接続され、Home-eNB72-2間で制御情報が通信される。MME部73からは、HeNBGW74はHome-eNB72-2として見える。Home-eNB72-2からは、HeNBGW74はMME部73として見える。Home-eNB72-2が、HeNBGW74を介してMME部73に接続される場合および直接MME部73に接続される場合のいずれの場合も、Home-eNB72-2とMME部73との間のインタフェースは、S1インタフェースで同じである。HeNBGW74は、複数のMME部73にまたがるような、Home-eNB72-2へのモビリティ、あるいはHome-eNB72-2からのモビリティはサポートしない。Home-eNB72-2は、唯一のセルをサポートする。
図8は、移動端末(図7の移動端末71)の構成を示すブロック図である。図8に示す移動端末71の送信処理を説明する。まず、プロトコル処理部801からの制御データ、およびアプリケーション部802からのユーザデータが、送信データバッファ部803へ保存される。送信データバッファ部803に保存されたデータは、エンコーダー部804へ渡され、誤り訂正などのエンコード処理が施される。エンコード処理を施さずに、送信データバッファ部803から変調部805へ直接出力されるデータが存在してもよい。エンコーダー部804でエンコード処理されたデータは、変調部805にて変調処理が行われる。変調されたデータは、ベースバンド信号に変換された後、周波数変換部806へ出力され、無線送信周波数に変換される。その後、アンテナ807から基地局72に送信信号が送信される。
また、移動端末71の受信処理は、以下のとおりに実行される。基地局72からの無線信号がアンテナ807により受信される。受信信号は、周波数変換部806にて無線受信周波数からベースバンド信号に変換され、復調部808において復調処理が行われる。復調後のデータは、デコーダー部809へ渡され、誤り訂正などのデコード処理が行われる。デコードされたデータのうち、制御データはプロトコル処理部801へ渡され、ユーザデータはアプリケーション部802へ渡される。移動端末71の一連の処理は、制御部810によって制御される。よって制御部810は、図8では省略しているが、各部801~809と接続している。
図9は、基地局(図7の基地局72)の構成を示すブロック図である。図9に示す基地局72の送信処理を説明する。EPC通信部901は、基地局72とEPC(MME部73、HeNBGW74など)との間のデータの送受信を行う。他基地局通信部902は、他の基地局との間のデータの送受信を行う。EPC通信部901および他基地局通信部902は、それぞれプロトコル処理部903と情報の受け渡しを行う。プロトコル処理部903からの制御データ、ならびにEPC通信部901および他基地局通信部902からのユーザデータおよび制御データは、送信データバッファ部904へ保存される。
送信データバッファ部904に保存されたデータは、エンコーダー部905へ渡され、誤り訂正などのエンコード処理が施される。エンコード処理を施さずに、送信データバッファ部904から変調部906へ直接出力されるデータが存在してもよい。エンコードされたデータは、変調部906にて変調処理が行われる。変調されたデータは、ベースバンド信号に変換された後、周波数変換部907へ出力され、無線送信周波数に変換される。その後、アンテナ908より一つもしくは複数の移動端末71に対して送信信号が送信される。
また、基地局72の受信処理は以下のとおりに実行される。ひとつもしくは複数の移動端末71からの無線信号が、アンテナ908により受信される。受信信号は、周波数変換部907にて無線受信周波数からベースバンド信号に変換され、復調部909で復調処理が行われる。復調されたデータは、デコーダー部910へ渡され、誤り訂正などのデコード処理が行われる。デコードされたデータのうち、制御データはプロトコル処理部903あるいはEPC通信部901、他基地局通信部902へ渡され、ユーザデータはEPC通信部901および他基地局通信部902へ渡される。基地局72の一連の処理は、制御部911によって制御される。よって制御部911は、図9では省略しているが、各部901~910と接続している。
現在3GPPにおいて議論されているHome-eNB72-2の機能を以下に示す(非特許文献1 4.6.2章参照)。Home-eNB72-2は、eNB72-1と同じ機能を有する。加えて、HeNBGW74と接続する場合、Home-eNB72-2は、適当なサービングHeNBGW74を発見する機能を有する。Home-eNB72-2は、1つのHeNBGW74に唯一接続する。つまり、HeNBGW74との接続の場合は、Home-eNB72-2は、S1インタフェースにおけるFlex機能を使用しない。Home-eNB72-2は、1つのHeNBGW74に接続されると、同時に別のHeNBGW74や別のMME部73に接続しない。
Home-eNB72-2のTACとPLMN IDは、HeNBGW74によってサポートされる。Home-eNB72-2をHeNBGW74に接続すると、「UE attachment」でのMME部73の選択は、Home-eNB72-2の代わりに、HeNBGW74によって行われる。Home-eNB72-2は、ネットワーク計画なしで配備される可能性がある。この場合、Home-eNB72-2は、1つの地理的な領域から別の地理的な領域へ移される。したがって、この場合のHome-eNB72-2は、位置によって、異なったHeNBGW74に接続する必要がある。
図10は、MMEの構成を示すブロック図である。図10では、前述の図7に示すMME部73に含まれるMME73aの構成を示す。PDN GW通信部1001は、MME73aとPDN GWとの間のデータの送受信を行う。基地局通信部1002は、MME73aと基地局72との間のS1インタフェースによるデータの送受信を行う。PDN GWから受信したデータがユーザデータであった場合、ユーザデータは、PDN GW通信部1001から、ユーザプレイン通信部1003経由で基地局通信部1002に渡され、1つあるいは複数の基地局72へ送信される。基地局72から受信したデータがユーザデータであった場合、ユーザデータは、基地局通信部1002から、ユーザプレイン通信部1003経由でPDN GW通信部1001に渡され、PDN GWへ送信される。
PDN GWから受信したデータが制御データであった場合、制御データは、PDN GW通信部1001から制御プレイン制御部1005へ渡される。基地局72から受信したデータが制御データであった場合、制御データは、基地局通信部1002から制御プレイン制御部1005へ渡される。
HeNBGW通信部1004は、HeNBGW74が存在する場合に設けられ、情報種別によって、MME73aとHeNBGW74との間のインタフェース(IF)によるデータの送受信を行う。HeNBGW通信部1004から受信した制御データは、HeNBGW通信部1004から制御プレイン制御部1005へ渡される。制御プレイン制御部1005での処理の結果は、PDN GW通信部1001経由でPDN GWへ送信される。また、制御プレイン制御部1005で処理された結果は、基地局通信部1002経由でS1インタフェースにより1つあるいは複数の基地局72へ送信され、またHeNBGW通信部1004経由で1つあるいは複数のHeNBGW74へ送信される。
制御プレイン制御部1005には、NASセキュリティ部1005-1、SAEベアラコントロール部1005-2、アイドルステート(Idle State)モビリティ管理部1005―3などが含まれ、制御プレインに対する処理全般を行う。NASセキュリティ部1005―1は、NAS(Non-Access Stratum)メッセージのセキュリティなどを行う。SAEベアラコントロール部1005―2は、SAE(System Architecture Evolution)のベアラの管理などを行う。アイドルステートモビリティ管理部1005―3は、待受け状態(LTE-IDLE状態、単にアイドルとも称される)のモビリティ管理、待受け状態時のページング信号の生成および制御、傘下の1つあるいは複数の移動端末71のトラッキングエリア(TA)の追加、削除、更新、検索、トラッキングエリアリスト(TA List)管理などを行う。
MME73aは、UEが登録されている(registered)追跡領域(トラッキングエリア:Tracking Area:TA)に属するセルへ、ページングメッセージを送信することで、ページングプロトコルに着手する。MME73aに接続されるHome-eNB72-2のCSGの管理やCSG-IDの管理、そしてホワイトリスト管理は、アイドルステートモビリティ管理部1005―3で行ってもよい。
CSG-IDの管理では、CSG-IDに対応する移動端末とCSGセルとの関係が管理(追加、削除、更新、検索)される。例えば、あるCSG-IDにユーザアクセス登録された一つまたは複数の移動端末と該CSG-IDに属するCSGセルとの関係であってもよい。ホワイトリスト管理では、移動端末とCSG-IDとの関係が管理(追加、削除、更新、検索)される。例えば、ホワイトリストには、ある移動端末がユーザ登録した一つまたは複数のCSG-IDが記憶されてもよい。これらのCSGに関する管理は、MME73aの中の他の部分で行われてもよい。MME73aの一連の処理は、制御部1006によって制御される。よって制御部1006は、図10では省略しているが、各部1001~1005と接続している。
現在3GPPにおいて議論されているMME73aの機能を以下に示す(非特許文献1 4.6.2章参照)。MME73aは、CSG(Closed Subscriber Groups)のメンバーの1つ、あるいは複数の移動端末のアクセスコントロールを行う。MME73aは、ページングの最適化(Paging optimization)の実行をオプションとして認める。
図11は、HeNBGWである図7に示すHeNBGW74の構成を示すブロック図である。EPC通信部1101は、HeNBGW74とMME73aとの間のS1インタフェースによるデータの送受信を行う。基地局通信部1102は、HeNBGW74とHome-eNB72-2との間のS1インタフェースによるデータの送受信を行う。ロケーション処理部1103は、EPC通信部1101経由で渡されたMME73aからのデータのうちレジストレーション情報などを、複数のHome-eNB72-2に送信する処理を行う。ロケーション処理部1103で処理されたデータは、基地局通信部1102に渡され、ひとつまたは複数のHome-eNB72-2にS1インタフェースを介して送信される。
ロケーション処理部1103での処理を必要とせず通過(透過)させるだけのデータは、EPC通信部1101から基地局通信部1102に渡され、ひとつまたは複数のHome-eNB72-2にS1インタフェースを介して送信される。HeNBGW74の一連の処理は、制御部1104によって制御される。よって制御部1104は、図11では省略しているが、各部1101~1103と接続している。
現在3GPPにおいて議論されているHeNBGW74の機能を以下に示す(非特許文献1 4.6.2章参照)。HeNBGW74は、S1アプリケーションについてリレーする。Home-eNB72-2へのMME73aの手順の一部分であるが、HeNBGW74は、移動端末71に関係しないS1アプリケーションについて終端する。HeNBGW74が配置されるとき、移動端末71に無関係な手順がHome-eNB72-2とHeNBGW74との間、そしてHeNBGW74とMME73aとの間を通信される。HeNBGW74と他のノードとの間でX2インタフェースは設定されない。HeNBGW74は、ページングの最適化(Paging optimization)の実行をオプションとして認める。
次に移動体通信システムにおける一般的なセルサーチ方法の一例を示す。図12は、LTE方式の通信システムにおいて移動端末(UE)が行うセルサーチから待ち受け動作までの概略を示すフローチャートである。移動端末は、セルサーチを開始すると、ステップST1201で、周辺の基地局から送信される第一同期信号(P-SS)、および第二同期信号(S-SS)を用いて、スロットタイミング、フレームタイミングの同期をとる。P-SSとS-SSとを合わせて、同期信号(SS)には、セル毎に割り当てられたPCI(Physical Cell Identity)に1対1に対応するシンクロナイゼーションコードが割り当てられている。PCIの数は現在504通りが検討されており、この504通りのPCIを用いて同期をとるとともに、同期がとれたセルのPCIを検出(特定)する。
次に同期がとれたセルに対して、ステップST1202で、基地局からセル毎に送信される参照信号RS(cell-specific Reference Signal:CRS)を検出し受信電力(RSRPとも称される。)の測定を行う。参照信号RSには、PCIと1対1に対応したコードが用いられており、そのコードで相関をとることによって他セルと分離できる。ステップST1201で特定したPCIから、該セルのRS用のコードを導出することによって、RSを検出し、RS受信電力を測定することが可能となる。
次にステップST1203で、ステップST1202までで検出されたひとつ以上のセルの中から、RSの受信品質が最もよいセル(例えば、RSの受信電力が最も高いセル、つまりベストセル)を選択する。
次にステップST1204で、ベストセルのPBCHを受信して、報知情報であるBCCHを得る。PBCH上のBCCHには、セル構成情報が含まれるMIB(Master Information Block)がのる。したがってPBCHを受信してBCCHを得ることで、MIBが得られる。MIBの情報としては、例えば、DL(ダウンリンク)システム帯域幅(送信帯域幅設定(transmission bandwidth configuration:dl-bandwidth)とも呼ばれる)、送信アンテナ数、SFN(System Frame Number)などがある。
次にステップST1205で、MIBのセル構成情報をもとに該セルのDL-SCHを受信して、報知情報BCCHの中のSIB(System Information Block)1を得る。SIB1には、該セルへのアクセスに関する情報や、セルセレクションに関する情報、他のSIB(SIBk;k≧2の整数)のスケジューリング情報が含まれる。また、SIB1には、TAC(Tracking Area Code)が含まれる。
次にステップST1206で、移動端末は、ステップST1205で受信したSIB1のTACと、移動端末が既に保有しているTA(Tracking Area)リスト内のTACとを比較する。比較した結果、ステップST1205で受信したTACがTAリスト内に含まれるTACと同じならば、該セルで待ち受け動作に入る。比較して、ステップST1205で受信したTACがTAリスト内に含まれなければ、移動端末は該セルを通してコアネットワーク(Core Network,EPC)(MMEなどが含まれる)へ、TAU(Tracking Area Update)を行うためにTAの変更を要求する。コアネットワークは、TAU要求信号とともに移動端末から送られてくる該移動端末の識別番号(UE-IDなど)をもとに、TAリストの更新を行う。コアネットワークは、移動端末に更新後のTAリストを送信する。移動端末は、受信したTAリストにて移動端末が保有するTACリストを書き換える(更新する)。その後、移動端末は、該セルで待ち受け動作に入る。
LTE、LTE-AおよびUMTS(Universal Mobile Telecommunication System)においては、CSG(Closed Subscriber Group)セルの導入が検討されている。前述したように、CSGセルに登録したひとつまたは複数の移動端末のみにアクセスが許される。CSGセルと登録されたひとつまたは複数の移動端末とがひとつのCSGを構成する。このように構成されたCSGには、CSG-IDと呼ばれる固有の識別番号が付される。なお、ひとつのCSGには、複数のCSGセルがあってもよい。移動端末は、どれかひとつのCSGセルに登録すれば、そのCSGセルが属するCSGの他のCSGセルにはアクセス可能となる。
また、LTEおよびLTE-AでのHome-eNBやUMTSでのHome-NBが、CSGセルとして使われることがある。CSGセルに登録した移動端末は、ホワイトリストを有する。具体的には、ホワイトリストはSIM(Subscriber Identity Module)/USIMに記憶される。ホワイトリストには、移動端末が登録したCSGセルのCSG情報が格納される。CSG情報として具体的には、CSG-ID、TAI(Tracking Area Identity)、TACなどが考えられる。CSG-IDとTACとが対応付けられていれば、どちらか一方でよい。また、CSG-IDおよびTACと、GCI(Global Cell Identity)とが対応付けられていればGCIでもよい。
以上から、ホワイトリストを有しない(本開示においては、ホワイトリストが空(empty)の場合も含める)移動端末は、CSGセルにアクセスすることは不可能であり、non-CSGセルのみにしかアクセスできない。一方、ホワイトリストを有する移動端末は、登録したCSG-IDのCSGセルにも、non-CSGセルにもアクセスすることが可能となる。
3GPPでは、全PCI(Physical Cell Identity)を、CSGセル用とnon-CSGセル用とに分割することが議論されている(非特許文献1参照)。全PCIのうち、CSGセルによって使用するためにネットワークによって予約されたPCI範囲がある(非特許文献1 10.5.1.1章参照)。PCI範囲を分割することをPCIスプリットと称することがある。PCIスプリット情報は、システム情報にて基地局から傘下の移動端末に対して報知される。非特許文献5は、PCIスプリットを用いた移動端末の基本動作を開示する。PCIスプリット情報を有していない移動端末は、全PCIを用いて(例えば504コード全てを用いて)セルサーチを行う必要がある。これに対して、PCIスプリット情報を有する移動端末は、当該PCIスプリット情報を用いてセルサーチを行うことが可能である。
また3GPPでは、ハイブリッドセルのためのPCIは、CSGセル用のPCI範囲の中には含まれないことが決定されている(非特許文献1 10.7章参照)。
3GPPでは、移動端末がCSGセルをセレクション、あるいはリセレクションする方法について2つのモードが存在する。1つ目は、自動(Automatic)モードである。自動モードの特徴を以下に示す。移動端末内の許可CSGリスト(Allowed CSG ID List)を利用して、セレクション、あるいはリセレクションを行う。PLMNの選択が完了した後、non-CSGセル、あるいは許可CSGリストに存在するCSG IDを伴うCSGセルである場合にのみ、選択している該PLMN中の1つのセルにキャンプオンする。移動端末の許可CSGリストが空であるならば、移動端末は、CSGセルの自立(autonomous)サーチ機能を停止する(非特許文献3 5.2.4.8.1章参照)。
2つ目は、手動(Manual)モードである。手動モードの特徴を以下に示す。移動端末は、現在選択されているPLMNで利用可能なCSGのリストを、ユーザに示す。移動端末がユーザに提供するCSGのリストは、移動端末に保存されている許可CSGリストに含まれるCSGに限られない。ユーザが該CSGのリストに基づいてCSGを選定した後、移動端末は、選択されたCSG IDを伴うセルへキャンプオンし、登録(register)を試みる(非特許文献3参照)。
HeNBおよびHNBに対しては、様々なサービスへの対応が求められている。例えば、オペレータは、ある決められたHeNBおよびHNBに移動端末を登録させ、登録した移動端末のみにHeNBおよびHNBのセルへのアクセスを許可することで、該移動端末が使用できる無線リソースを増大させて、高速に通信を行えるようにする。その分、オペレータは、課金料を通常よりも高く設定する、といったサービスである。
このようなサービスを実現するため、登録した(加入した、メンバーとなった)移動端末のみがアクセスできるCSGセル(Closed Subscriber Group cell)が導入されている。CSGセル(Closed Subscriber Group cell)は、商店街やマンション、学校、会社などへ数多く設置されることが要求される。例えば、商店街では店舗毎、マンションでは部屋毎、学校では教室毎、会社ではセクション毎にCSGセルを設置し、各CSGセルに登録したユーザのみが該CSGセルを使用可能とするような使用方法が要求されている。HeNB/HNBは、マクロセルのカバレッジ外での通信を補完するため(エリア補完型HeNB/HNB)だけでなく、上述したような様々なサービスへの対応(サービス提供型HeNB/HNB)が求められている。このため、HeNB/HNBがマクロセルのカバレッジ内に設置される場合も生じる。
前述のように、LTE-Aシステムでは、LTEシステムの周波数帯域幅よりも広い100MHzまでの周波数帯域幅をサポートするために、二つ以上のCCをアグリゲーション、すなわち集約する、CAが検討されている。
図13は、CAの概念を示す図である。図13に示すeNBは、DL CCnと、SIB2によるDL/ULリンクによってDL-CCnとそれぞれ関連付けられたUL CCnとからなるセルnを構成する。DL CCnのキャリア周波数をFn(DL)で示し、UL CCnのキャリア周波数をFn(UL)で示す。ここで、nは1~5の整数である。
UEは、セル1にキャンプオンし、矢符1301で示されるRRC接続を行う。これによって、セル1がPCellとなる。
その後、eNBは、該UEに対して、矢符1302で示される個別RRCシグナリングによって、アグリゲーションするCCに関する情報を通知する。CCに関する情報としては、DL CCmとUL CCmとからなるセルmに関する情報、例えばシステム情報を通知する。ここで、mは2~5の整数である。このように、eNBがUEに対して前記CCに関する情報を通知することによって、セル2~セル5がSCellとなる。
以上のようにして、eNBは、UEに対して、セル1~セル5によってCAを行う。そして、UEは、セル1~セル5との間で、CAに基づいて、矢符1303で示されるように通信を行う。
CAをサポートするUEの構成例を示す。前述の図8で示した構成で、変調部805、周波数変換部806、アンテナ807および復調部808の一部あるいは全部を広帯域化すればよい。送信側においては、変調部805、周波数変換部806およびアンテナ807の一部あるいは全部を、所定の数の連続したUL CCを含む帯域で動作するようにすればよい。受信側においては、アンテナ807、周波数変換部806および復調部808の一部あるいは全部を、所定の数の連続したDL CCを含む帯域で動作するようにすればよい。このようにすることによって、所定の数の連続したUL CCあるいはDL CCによるCAをサポートすることが可能となる。
また、別の方法として、変調部805、周波数変換部806、アンテナ807および復調部808の一部あるいは全部を複数並列に設けて、所定の数の複数の非連続なUL CCあるいはDL CCを含む帯域で動作するようにすればよい。送信側においては、変調部805、周波数変換部806およびアンテナ807の一部あるいは全部を複数並列に設けて、所定の数の非連続なUL CCを含む帯域で動作するようにすればよい。受信側においては、アンテナ807、周波数変換部806および復調部808の一部あるいは全部を複数並列に設けて、所定の数の非連続なDL CCを含む帯域で動作するようにすればよい。このようにすることによって、所定の数の非連続なUL CCあるいはDL CCによるCAをサポートすることが可能となる。また、前記二つの構成を適宜組み合わせてもよい。
CAをサポートするeNBの構成例を示す。前述の図9で示した構成において、プロトコル処理部903で、eNBが構成するセル毎のCAを行うUEに対する処理を行い、送信データバッファ部904、エンコーダー部905、変調部906、周波数変換部907、アンテナ908、復調部909およびデコーダー部910をセル毎に構成すればよい。このようにすることによって、eNBが構成するセルにより、UEに対してCAを行うことが可能となる。
実施の形態1で解決する課題について、以下に説明する。非特許文献10には、セル(CC)毎にCSGインジケーション、CSG-IDを設定可能とすることが開示されている。しかし、移動端末へ該設定内容を通知する方法については、非特許文献10には記載されていない。したがって、通信システムの動作が一意に決まらず、適切なサービスの提供ができないという問題が発生する。
実施の形態1での解決策を以下に示す。各セル(CC)は、セル(CC)毎に設定されたCSGインジケーション、CSG-IDを傘下の移動端末へ報知情報を用いて通知する。また、通話中、すなわちRRC_CONNECTEDの移動端末へのSCellのCSGインジケーション、CSG-IDの通知は、PCellからの個別RRCシグナリングの「RRC Connection Reconfiguration message」によって行う。
以上の実施の形態1によって、以下の効果を得ることができる。セル(CC)毎に設定されたCSGインジケーション、CSG-IDの移動端末への通知方法が一意に決まり、安定したサービスの提供が可能となる。実施の形態1によって、安定したキャリアアグリゲーションを用いた通信速度の向上を実現することが可能となる。
実施の形態2.
実施の形態2で解決する課題について、以下に説明する。実施の形態1を用いた場合、以下の課題が発生する。前述の通り、CSGセルを通しての移動端末のアクセスでは、MMEがアクセスコントロールを実行、すなわちUEからCSGセルへのアクセスを制限する。つまり基地局は、CSGのアクセス制限を行わない。そのため、セルが属するCSGに未登録のUEに対して、該セル(CC)をSCellとして設定して、アクティブとする可能性がある。
実施の形態2で解決する課題について、以下に説明する。実施の形態1を用いた場合、以下の課題が発生する。前述の通り、CSGセルを通しての移動端末のアクセスでは、MMEがアクセスコントロールを実行、すなわちUEからCSGセルへのアクセスを制限する。つまり基地局は、CSGのアクセス制限を行わない。そのため、セルが属するCSGに未登録のUEに対して、該セル(CC)をSCellとして設定して、アクティブとする可能性がある。
したがって、通信システムにおいて、CSGセルを通しての移動端末のアクセスで、MMEがアクセスコントロールを実行すれば、以下の問題が生じる。基地局が、セルの属するCSGに未登録の移動端末へ、該セルをSCellとする設定を行った場合を考える。この場合、該セルをSCellとする設定が行われた後に、MMEでのアクセスコントロールによって、該セルを通しての該移動端末のアクセスが許可されないこととなる。このような場合、キャリアアグリゲーションが実行できないこととなる。このように、基地局内にCSGに属するセルを有する場合、キャリアアグリゲーションを用いた通信速度の向上を実現できないことがあるという問題が生じる。
また、基地局が、セルの属するCSGに未登録の移動端末へ、該セルをSCellとする設定を行った場合、移動端末では以下の問題が生じる。移動端末は、PCellから通知されるSCellの追加、あるいは更新に従って該セル(CC)を通じて通信するのか、移動端末内のUSIMに保存されているホワイトリストに基づいたCSGアクセス制限を用いて該セル(CC)にアクセス不可能と判断するのかが不明となる。これによって、移動端末の動作が不安定となるという問題が発生する。したがって、通信システムの動作が一意に決まらず、適切なサービスの提供ができないという問題が発生する。
実施の形態2での解決策を以下に示す。通信システムは、SCellとして設定する場合には、移動端末に対して該セルを通じて通常のサービスを提供可能とする。移動端末は、SCellを設定された場合には、該セルを通じて通常のサービスを受けることが可能と判断する。
また、通信システムは、SCellとして設定する場合には、該セル(SCell)がCSGに属するセルであり、かつ移動端末が該CSGに未登録の移動端末であるときでも、該移動端末に対して該セルを通じて通常のサービスを提供可能としてもよい。移動端末は、SCellとして設定された場合には、該セル(SCell)の属するCSGへ未登録であるときでも、該セルを通じて通常のサービスを受けることが可能であると判断してもよい。
SCellとして設定する場合の具体例として、以下の(1),(2)の2つを開示する。
(1)SCellとして設定内容を移動端末へ通知する。設定内容の具体例としては、CC毎のCSG-ID、CSGインジケーションなどがある。
(2)SCellとして設定内容を移動端末へ通知しない。設定内容の具体例としては、CC毎のCSG-ID、CSGインジケーションなどがある。設定内容を移動端末へ通知しない具体例として、以下の(a1),(a2)の2つを開示する。(a1)設定内容の通知を省略する場合。設定内容の具体例としては、CC毎のCSG-ID、CSGインジケーションなどがある。(a2)SCellがCSGに属さない場合。すなわち、SCellがCSGセルでない場合。
SCellとして設定される場合の具体例として、以下の(1),(2)の2つを開示する。
(1)SCellとして設定内容を受信する。設定内容の具体例としては、CC毎のCSG-ID、CSGインジケーションなどがある。
(2)SCellとして設定内容を受信しない。
以上の実施の形態2での解決策を行うことによって、基地局内にCSGに属するセルを有する場合であっても、キャリアアグリゲーションを用いた通信速度の向上を実現することができる。また、移動端末の動作を一意にすることができ、適切なサービスの提供が可能となる。
MMEの動作の具体例を以下に開示する。MMEは、基地局によってSCellに設定されたセルを通しての移動端末のアクセスコントロールを実行しない。MMEは、基地局によってSCellに設定されたCSGセルを通しての移動端末のアクセスコントロールを実行しないようにしてもよい。MMEは、PCellを通しての移動端末のアクセスコントロールのみを実行するようにしてもよい。MMEは、CSGに属するPCellを通しての移動端末のアクセスコントロールのみを実行するようにしてもよい。MMEは、CSGセルであるPCellを通しての移動端末のアクセスコントロールのみを実行するようにしてもよい。
基地局の動作の具体例として、以下の(1),(2)の2つを開示する。
(1)基地局は、キャリアアグリゲーションを行う場合、基地局内のいずれのセルをもSCellとして設定可能とする。また、基地局は、キャリアアグリゲーションを行う場合、基地局内にCSGに属するセルが含まれていても、いずれのセルをもSCellとして設定可能としてもよい。
(2)基地局は、キャリアアグリゲーションを行う場合、基地局内のいずれのセルをもSCellとしてアクティブ可能とする。また、基地局は、キャリアアグリゲーションを行う場合、基地局内にCSGに属するセルが含まれていても、いずれのセルをもSCellとしてアクティブ可能としてもよい。
移動端末の動作の具体例を以下に開示する。移動端末は、SCellとして設定内容が通知されたセル(以下、単に「SCell」と称する場合もある)に対して、CSGアクセス制限を行わない。移動端末がCSGアクセス制限を行わない方法の具体例として、以下の(1)~(3)の3つを開示する。
(1)SCellとしての設定内容中に、SCellのCSG-indication、CSG-IDが含まれていた場合であっても、移動端末は、該CSG-indication、CSG-IDを用いたアクセス制限を行わないとする。例えば、SCellとしての設定内容中に含まれるSCellのCSG-IDと、移動端末のUSIM内のCSG-IDとを比較しないようにする。あるいは、SCellとしての設定内容中に含まれるSCellのCSG-IDが、移動端末のUSIM内に含まれるCSG-IDと一致しない場合であっても、アクセス不可能と判断しないようにしてもよい。また、SCellとしての設定によって、SCellのCSG-indication、CSG-IDを通知しないようにしてもよい。
(2)SCellとして設定されたセルから報知情報を用いて報知されているCSG-indication、CSG-IDを用いたアクセス制限を行わないとする。例えば、SCellとして設定されたセルから報知情報を用いて報知されているCSG-IDと、移動端末のUSIM内のCSG-IDとを比較しないようにする。あるいは、SCellとして設定されたセルから報知情報を用いて報知されているCSG-IDが、移動端末のUSIM内に含まれるCSG-IDと一致しない場合であっても、アクセス不可能と判断しないようにしてもよい。また、SCellとして設定されたセルからの報知情報を用いて報知されているCSG-IDを受信しない、あるいは無視するようにしてもよい。また、SCellとして設定されたセルから報知されているSIB1を受信しない、あるいは無視するようにしてもよい。また、SCellとして設定されたセルから報知されているSIBを受信しない、あるいは無視するようにしてもよい。また、SCellとして設定されたセルから報知されている報知情報を受信しない、あるいは無視するようにしてもよい。
(3)前記(1)と(2)との組み合わせ。
前述の通り、CSGセルにおいては、同じCSGに属するCSGメンバーに対して、サービスを優遇する運用が検討されている。優遇措置の具体例としては、CSGメンバーに対してリソースが優先的に割当てられる、あるいはCSGメンバーに対して通信費の割引が行われる、などが考えられる。それに伴い、CSGメンバーと、CSGメンバー以外とで、課金設定が異なる場合が考えられる。
実施の形態2を用いた場合の課金設定の具体例を以下に示す。判断主体の具体例としては、コアネットワーク側が考えられる。コアネットワーク側のエンティティの具体例として、以下の(1),(2)の2つを開示する。(1)MME。(2)HSS(Home Subscriber Server)。
課金設定の具体例として、以下の(1)~(3)の3つを開示する。(1)CSG未登録のSCellの利用について、CSG登録メンバーの課金と同様とする。(2)CSG未登録のSCellの利用について、CSG未登録メンバーの課金と同様とする。(3)CSG未登録のSCellの利用について、PCellと同じ課金とする。
サービスの取扱いの具体例として、以下の(1)~(3)の3つを開示する。(1)CSG未登録のSCellの利用について、CSG登録メンバーのサービスの取扱いと同様とする。(2)CSG未登録のSCellの利用について、CSG未登録メンバーのサービスの取扱いと同様とする。(3)CSG未登録のSCellの利用について、PCellと同じサービスの取扱いとする。
次に、図14を用いて、実施の形態2における通信システムのシーケンスの具体例について説明する。図14は、実施の形態2における通信システムのシーケンスの一例を示す図である。本動作例においては、セル1およびセル2を含む複数のセル(CC)を有する基地局Aが存在し、基地局A内のセル1をUEがベストセルとして選択してキャンプオンし、通信を開始した後、セル2がSCellとして設定される場合について説明する。基地局Aの複数のセルは、異なる周波数のコンポーネントキャリアで構成される。基地局Aは、複数のセルのうち、2つ以上のセルを集約、すなわちキャリアアグリゲーション(CA)して、集約されたセルのコンポーネントキャリアを並列に送受信してUEと無線通信可能である。
ステップST1401において、UEは、RSの受信品質が最も良いセル、例えば、RSの受信電力が最も高いセルであるベストセルを選択する。本動作例では、ステップST1401において、UEは、基地局A内のセル1をベストセルとして選択する。ステップST1401において、ベストセルが選択されると、ステップST1402に移行する。
ステップST1402において、UEは、ステップST1401において選択したベストセルのMIBを受信する。具体的には、UEは、ステップST1401において選択したベストセルのPBCHを受信して、報知情報であるBCCHを得る。PBCH上のBCCHには、セル構成情報が含まれるMIBがのる。したがって、PBCHを受信してBCCHを得ることで、MIBが得られる。MIBの情報としては、例えば、DL(ダウンリンク)システム帯域幅(送信帯域幅設定(transmission bandwidth configuration:dl-bandwidth)とも呼ばれる)、送信アンテナ数、SFN(System Frame Number)などがある。
ステップST1403において、基地局AはSIBをUEに通知する。SIBのSIB1には、該セルへのアクセスに関する情報、例えばCSGアイデンティティ(CSG-ID)、CSGインジケーションや、セルセレクションに関する情報、他のSIB(SIBk;k≧2の整数)のスケジューリング情報が含まれる。
具体的には、セルがオープンアクセスモード、あるいはハイブリッドアクセスモードで動作している場合には、CSGインジケーションは「FALSE」と設定され、該セルから報知される。また、セルがクローズドアクセスモードで動作している場合には、CSGインジケーションは「TRUE」と設定され、該セルから報知される。CSGインジケーションが「TRUE」に設定される場合、CSGアイデンティティ(CSG-ID)が、移動端末の例えばUSIM内に保管しているホワイトリスト内のCSGアイデンティティ(CSG-ID)と一致している場合だけ、移動端末は該セルにアクセスできる(非特許文献2参照)。
本動作例では、セル1は、CSGインジケーションとして「CSG-indication_セル1」をUEへ報知し、CSGアイデンティティとして「CSG-ID_セル1」をUEへ報知する。
ステップST1404において、UEは、SIBを受信する。具体的には、UEは、MIBのセル構成情報に基づいて、該セルのDL-SCHを受信して、報知情報BCCHの中のSIB1を得る。UEは、SIB1内の他のSIBのスケジューリング情報に基づいて、他のSIBを受信する。このようにしてステップST1404においてSIBを受信すると、ステップST1405に移行する。
ステップST1405において、UEは、ステップST1404において受信したSIB内のCSGインジケーション(CSG-indication)が「TRUE」であるか否かを判断する。言い換えれば、該SCellのアクセスモードが、クローズドアクセスモードであるか否かを判断する。UEは、ステップST1405において、CSGインジケーションが「TRUE」であると判断した場合は、ステップST1406へ移行する。UEは、ステップST1405において、CSGインジケーションが「TRUE」でない、つまり「FALSE」であると判断した場合は、ステップST1407へ移行する。
ステップST1406において、UEは、ステップST1404において受信したSIB内のCSGアイデンティティが示すCSGに、自UEが登録しているか否かを判断する。UEは、ステップST1404において受信したSIB内のCSGアイデンティティが、UEの例えばUSIM内に保管しているホワイトリスト内のCSGアイデンティティと一致しているか否かを判断してもよい。
UEは、ステップST1406において、自UEが登録していると判断した場合は、ステップST1407へ移行する。あるいは、UEは、ステップST1406において、受信したSIB内のCSGアイデンティティが、UEの例えばUSIM内に保管しているホワイトリスト内のCSGアイデンティティと一致していると判断した場合は、ステップST1407へ移行するようにしてもよい。
UEは、ステップST1406において、自UEが未登録であると判断した場合は、別のセルをベストセルとして選択するために、ステップST1401へ戻る。あるいは、UEは、ステップST1406において、受信したSIB内のCSGアイデンティティが、UEの例えばUSIM内に保管しているホワイトリスト内のCSGアイデンティティと一致していないと判断した場合は、別のセルをベストセルとして選択するために、ステップST1401へ戻るようにしてもよい。
ステップST1407において、UEは、ステップST1401で選択したセルにキャンプオンする。本動作例では、UEは、基地局A内のセル1にキャンプオンする。
ステップST1408において、UEは、ステップST1407においてキャンプオンしたセルとRRC接続を行う。キャリアアグリゲーション可能な基地局では、RRC接続を行ったセルをPCellと称する。PCellは、接続セルに相当する。本動作例では、UEは、基地局A内のセル1とRRC接続を行う。
ステップST1409において、UEは、RRC接続を行ったセルを経由して、最初のNASメッセージをMMEへ通知する。本動作例では、UEは、基地局A内のセル1を経由して、MMEへ最初のNASメッセージを通知する。
ステップST1410において、セル1は、ステップST1409においてUEから受信したNASメッセージをMMEへ通知する。NASメッセージを通知する方法の具体例としては、セル1は、UEから受信したNASメッセージを「INITIAL UE MESSAGE」へマッピングし、MMEへ通知する。該通知は、ステップST1409においてUEから受信したNASメッセージの他に、該基地局(セル)のCSGアイデンティティ、セルアクセスモードを含む(3GPP TS 36.413 V9.5.0(以下「非特許文献11」という)参照)。本動作例では、セル1は、CSGアイデンティティとして、CSG-ID_セル1を、セルアクセスモードとして、Cell Access Mode_セル1をMMEへ通知する。
ステップST1411において、MMEは、ステップST1410において受信したセルアクセスモードが、「クローズドアクセスモード」であるか否かを判断する。MMEは、ステップST1411において、セルアクセスモードが「クローズドアクセスモード」であると判断した場合は、ステップST1412へ移行する。MMEは、ステップST1411において、セルアクセスモードが「クローズドアクセスモード」でない、つまり「オープンアクセスモード」、あるいは「ハイブリッドアクセスモード」であると判断した場合は、ステップST1413へ移行する。
ステップST1412において、MMEは、ステップST1410において受信したCSGアイデンティティに、該UEが登録しているか否かを判断する。MMEは、ステップST1412において、該UEが登録していると判断した場合は、ステップST1413へ移行する。MMEは、ステップST1412において、該UEが登録していない、すなわち未登録であると判断した場合は、ステップST1414へ移行する。ステップST1412において、MMEが、該UEが登録しているか否かを判断する場合、HSSへ問合せてもよいし、HSS内の保管情報を用いてもよい。
ステップST1413において、MMEは、ステップST1410においてUEからのNASメッセージを通知してきたセル経由で該UEと通信可能であると判断する。本動作例では、MMEは、基地局A内のセル1経由で該UEと通信可能であると判断する。
ステップST1414において、MMEは、ステップST1410においてUEからのNASメッセージを通知してきたセル経由で該UEと通信不可能であると判断する。
ステップST1415において、MMEは、ステップST1409においてセル経由でNASメッセージを通知してきたUEに対して、該セル経由で該UEと通信可能であるか否かの判断結果を通知する。本動作例では、MMEは、UEに対して、該セル1経由で該UEと通信可能であるとの判断結果を通知する。
ステップST1416において、UEは、ステップST1415において受信した判断結果に基づいて、該セル経由で通信可能であるか否かを判断する。UEは、ステップST1416において、通信可能であると判断した場合は、ステップST1417へ移行する。UEは、ステップST1416において、通信不可能であると判断した場合は、処理を終了し、他の処理へ移行する。他の処理については、本開示の特徴的部分ではないので、説明を省略する。本動作例では、UEは、該セル経由で通信可能であると判断する。
ステップST1417において、セルは、該UEと通信を開始する。本動作例では、セル1は、PCellとして、該UEと通信を開始する。
ステップST1418において、セルは、他のセルをSCellに設定することを決定する。SCellは、集約可能セルに相当し、PCellとともに集約可能である。本動作例では、PCellとなったセル1は、セル2をSCellに設定することを決定する。本実施の形態においては、SCellの決定の際に、CSGアクセス制限を行わない。具体的には、ステップST1418においてSCellを決定する際に、ステップST1410~ステップST1415に相当する処理を行わない。
ステップST1419において、セルは、該UEへ個別RRCシグナリングを用いて、追加するSCell、あるいは更新するSCellと、該セルの設定内容とを通知する。本動作例では、個別RRCシグナリングの「RRC Connection Reconfiguration message」を用いて、追加するSCellとしてセル2と、セル2の設定内容とを通知する。その際、セル2のシステム情報も合わせて通知する。
本実施の形態においては、UEは、SCellが追加、あるいは更新された際に、該SCellに対してCSGアクセス制限を行わない。具体的には、UEは、ステップST1419において受信したセル2の設定内容、あるいはステップST1419において受信したセル2のシステム情報を用いて、ステップST1405~ステップST1406に相当する処理を行わない。
ステップST1420において、セル2は、傘下のUEに対して、SIBを報知する。具体的には、セル2へのアクセスに関する情報、例えばCSGアイデンティティとして「CSG-ID_セル2」などが報知され、CSGインジケーションとして「CSG-indication_セル2」などが報知される。本実施の形態においては、UEは、SCellが追加、あるいは更新された際に、該SCellに対してCSGアクセス制限を行わない。具体的には、UEは、ステップST1420においてセル2から報知されているセル2のシステム情報を用いて、ステップST1405~ステップST1406に相当する処理を行わない。あるいは、UEは、ステップST1420においてセル2から報知されているセル2のシステム情報を受信しないようにしてもよい。
ステップST1421において、UEは、PCellであるセルに対して、ステップST1419において受信した、追加するSCell、あるいは更新するSCellの設定が完了したことを通知する。該通知は、例えば「RRC Connection Reconfiguration Complete」を用いて通知する。本動作例では、UEは、PCellであるセル1に対して、SCellの設定が完了したことを通知する。
ステップST1422において、SCellであるセルは、該UEと通信を開始する。本動作例では、セル2は、SCellとして、該UEと通信を開始する。
以上の実施の形態2によって、以下の効果を得ることができる。キャリアアグリゲーションを用いた通信速度の向上を実現しつつ、通信システムとしての動作を安定させることができ、適切なサービスの提供を行うことが可能となる。
本実施の形態は、前述の実施の形態1と組み合わせて用いることができる。
実施の形態2 変形例1.
本変形例では、前述の実施の形態2の更なる改善点について以下に示す。本変形例では、前述の実施の形態2の解決策と異なる部分を中心に説明し、説明していない部分については、実施の形態2と同様とする。
本変形例では、前述の実施の形態2の更なる改善点について以下に示す。本変形例では、前述の実施の形態2の解決策と異なる部分を中心に説明し、説明していない部分については、実施の形態2と同様とする。
各セル(CC)において、SCellとして使用可能であるか否かを設定可能とする。該設定を「SCell使用設定」と称することもある。PCellは、各セルの「SCell使用設定」に従って、SCellに設定することを決定する。PCellは、「SCell使用設定」において、使用可能であることを示すセルをSCellに設定することを決定する。PCellは、「SCell使用設定」において、使用不可能であることを示すセルをSCellに設定しない。
SCell使用設定の具体例として、以下の(1)~(3)の3つを開示する。(1)使用可能か否か。(2)使用可能な旨。具体例(1)と比較して、情報量が少なくなるという効果を得ることができる。(3)使用不可能な旨。具体例(1)と比較して、情報量が少なくなるという効果を得ることができる。
PCellが他のセルの「SCell使用設定」を知る方法の具体例として、以下の(1)~(3)の3つを開示する。
(1)PCellがSCellに設定することを決定する前に、SCell候補セルを選択する。PCellは、SCell候補セルへ、SCell候補セルの「SCell使用設定」を問合せる。また基地局、あるいは基地局の制御部が、各セルの「SCell使用設定」を決定してもよい。
(2)各セルが基地局の制御部に対して、自セルの「SCell使用設定」を通知する。PCellがSCellに設定することを決定する前に、SCell候補セルを選択する。PCellは、基地局の制御部へ、SCell候補セルの「SCell使用設定」を問合せる。PCellからの問合せ前に、基地局の制御部が各セル(PCell)へ各セルの「SCell使用設定」を通知してもよい。また基地局、あるいは基地局の制御部が、各セルの「SCell使用設定」を決定してもよい。
(3)各セルが他のセルに対して、自セルの「SCell使用設定」を通知する。また基地局、あるいは基地局の制御部が、各セルの「SCell使用設定」を決定してもよい。
PCellは、SCellに設定することを決定する前に、1つまたは複数のセルが含まれるSCell候補セルセットを選択してもよい。SCell候補セルセットは、例えばUEケーパビリティに基づいて設定すればよい。UEケーパビリティに基づいた設定方法の具体例としては、UEが送受信可能な周波数バンドに属するセルから、SCell候補セル、あるいはSCell候補セルセットに含まれるSCell候補セルを選択する。これによって、SCellを決定するときの制御の遅延を防止することができるという効果を得ることができる。SCell候補セルは、SCell候補セルセットの中から選択するようにしておくとよい。
「SCell使用設定」は変更してもよい。「SCell使用設定」を変更可能とすることによって、柔軟なセル運営が可能となるという効果を得ることができる。
「SCell使用設定」の変更は、「SCell使用設定」の条件に基づいて行われるようにしてもよい。「SCell使用設定」の条件の具体例として、以下の(1)~(6)の6つを開示する。(1)該セルの負荷状況。例えば、高負荷、あるいは傘下の移動端末の数が多い場合には、「SCell使用設定」を「使用不可能」とすることによって、傘下の移動端末のための無線リソースを確保することができる。(2)該セルのアクセスモード。アクセスモードの具体例としては、オープンアクセスモード、クローズドアクセスモード、ハイブリッドアクセスモードなどである。(3)該セルの送信電力。(4)該セルのカバレッジ。(5)該セルの電源投入状況、あるいは低消費電力動作状況。(6)前記(1)~(5)の組み合わせ。
「SCell使用設定」の通知タイミングの具体例として、以下の(1)~(5)の5つを開示する。
(1)周期的とする。これによって、「SCell使用設定」を変更することに対応可能となる。
(2)変更の際とする。これによって、具体例(1)と同様、「SCell使用設定」を変更することに対応可能となる。また、具体例(1)と比較して、通知回数を減らすという効果を得ることができる。
(3)基地局設置時とする。これによって、具体例(1)と比較して、制御が容易となるという効果を得ることができる。
(4)各セルの運用開始の際とする。これによって、具体例(1)と比較して、制御が容易となるという効果を得ることができる。また、具体例(3)と比較して、セル毎に柔軟な運用とすることが可能となるという効果を得ることができる。
(5)各セルの電源投入の際とする。これによって、具体例(1)と比較して、制御が容易となるという効果を得ることができる。また、具体例(3)と比較して、セル毎に柔軟な運用とすることが可能となるという効果を得ることができる。
次に、図15を用いて、実施の形態2の変形例1における通信システムのシーケンスの具体例について説明する。図15は、実施の形態2の変形例1における通信システムのシーケンスの一例を示す図である。実施の形態2の変形例1では、図14のステップST1401~ステップST1416の処理については実施の形態2と同様であるので、図示および説明を省略し、図14のステップST1417の処理から図示および説明を行う。また、図15に示すシーケンスは、図14に示すシーケンスと類似しているので、同一のステップについては、同一のステップ番号を付して、共通する説明を省略する。
本動作例においては、セル1およびセル2を含む複数のセル(CC)を有する基地局Aが存在し、基地局A内のセル1をUEがベストセルとして選択してキャンプオンし、通信を開始した後、セル2がSCellとして設定される場合について説明する。PCellが他のセルの「SCell使用設定」を知る方法の具体例として、各セルが基地局の制御部に対して、自セルの「SCell使用設定」を通知する場合について開示する。「SCell使用設定」の通知タイミングの具体例として、基地局設置時の場合について開示する。
ステップST1501において、基地局が設置される。本動作例では、セル1およびセル2を含む複数のセル(CC)を有する基地局Aが設置される。
ステップST1502およびステップST1503において、基地局内の各セルは、基地局内の制御部に対して、自セルの設定を通知する。自セルの設定には、「SCell使用設定」が含まれる。本動作例では、ステップST1502において、セル1は、制御部に対して、自セルであるセル1の「SCell使用設定」を通知する。ステップST1503において、セル2は、制御部に対して、自セルであるセル2の「SCell使用設定」を通知する。
次いで、前述の図14に示すステップST1401~ステップST1407の処理が行われ、UEが、基地局A内のセル1をベストセルとして選択し、キャンプオンする。次いで、前述の図14に示すステップST1408~ステップST1416の処理が行われた後、ステップST1417に移行する。
ステップST1417において、PCellであるセルは、該UEと通信を開始する。本動作例では、セル1は、PCellとして、該UEと通信を開始する。
ステップST1504において、PCellであるセルは、他のセルをSCell候補として選択する。本動作例では、PCellとなったセル1は、セル2をSCell候補として選択する。
ステップST1505において、PCellであるセルは、制御部に対して、ステップST1504において選択したSCell候補のセルの設定について問合せる。PCellであるセルは、制御部に対して、SCell候補の「SCell使用設定」について問合せるようにしてもよい。本動作例では、PCellであるセル1は、制御部に対して、SCell候補として選択したセル2の「SCell使用設定」について問合せる。
ステップST1506において、制御部は、PCellであるセルに対して、ステップST1505の問合せに対する応答を行う。制御部は、PCellであるセルに対して、問合せ対象セルの「SCell使用設定」を通知するようにしてもよい。本動作例では、制御部は、PCellであるセル1に対して、問合せ対象セルであるセル2の「SCell使用設定」である「使用可能」を通知する。
ステップST1507において、PCellであるセルは、ステップST1504において選択したSCell候補のセルが、SCellとして使用可能であるか否かを判断する。該判断には、ステップST1506において制御部から受信した、問合せに対する応答結果を用いる。
PCellであるセルは、ステップST1507において、ステップST1504において選択したSCell候補のセルがSCellとして使用可能であると判断した場合は、ステップST1508へ移行する。PCellであるセルは、ステップST1507において、ステップST1504において選択したSCell候補のセルがSCellとして使用不可能であると判断した場合は、別のセルをSCell候補として選択するために、ステップST1504へ戻る。
本動作例では、PCellであるセル1は、SCell候補であるセル2がSCellとして使用可能であると判断し、ステップST1508へ移行する。
ステップST1508において、PCellであるセルは、SCell候補のセルをSCellに設定することを決定する。本動作例では、PCellであるセル1は、SCell候補であるセル2をSCellに設定することを決定する。本変形例では、実施の形態2と同様に、SCellの決定の際に、CSGアクセス制限を行わない。具体的には、ステップST1508においてSCellを決定する際に、前述の図14に示すステップST1410~ステップST1415に相当する処理を行わない。
以上の実施の形態2の変形例1によって、実施の形態2の効果に加えて、以下の効果を得ることができる。基地局内のセル単位で、SCellとして使用可能であるか否かの設定を行うことが可能となる。これによって、セル単位で、該セルをPCellとして用いている移動端末用に無線リソースを占有するか否かの設定を行うことが可能となる。したがって、よりきめ細やかなセル運営を実現することができる。
本変形例は、前述の実施の形態1と組み合わせて用いることができる。
実施の形態3.
実施の形態3で解決する課題について、以下に説明する。前述の実施の形態2を用いた場合、以下の課題が発生する。CSGとは、利用可能な加入者をオペレータが特定しているセルである特定加入者用セルである。したがって、セルが属するCSGに未登録の移動端末が、該セルのリソースを用いることとなる実施の形態2では、CSGの趣旨に反するという課題が発生する。
実施の形態3で解決する課題について、以下に説明する。前述の実施の形態2を用いた場合、以下の課題が発生する。CSGとは、利用可能な加入者をオペレータが特定しているセルである特定加入者用セルである。したがって、セルが属するCSGに未登録の移動端末が、該セルのリソースを用いることとなる実施の形態2では、CSGの趣旨に反するという課題が発生する。
また、CSGセルにおいては、同じCSGに属するCSGメンバーに対して、サービスを優遇する運用が検討されている。優遇措置の具体例としては、CSGメンバーに対してリソースが優先的に割当てられる、あるいはCSGメンバーに対して通信費の割引が行われる、などが考えられる。それに伴い、CSGメンバーと、CSGメンバー以外とで、課金設定が異なる場合が考えられる。
しかし、実施の形態2を用いた場合、CSGに属することによって、受けたいサービス、あるいは適用したい課金設定といったユーザの意思があったとしても、該意思とは無関係にPCellからの設定によって、CSG未登録のCCを用いることになる。したがって、ユーザフレンドリーな通信システムの構築ができないという課題が発生する。
実施の形態3での解決策を以下に示す。本実施の形態では、前述の実施の形態2の解決策と異なる部分を中心に説明し、説明していない部分については、実施の形態2と同様とする。
基地局は、PCellと同じCSGに属するセル(CC)をSCellとして設定可能とする。基地局は、PCellと同じCSGに属するセル(CC)をSCellとしてアクティブ可能としてもよい。あるいは基地局は、PCellがCSGに属する場合には、PCellと同じCSGに属するセル(CC)をSCellとして設定可能とする。基地局は、PCellがCSGに属する場合には、PCellと同じCSGに属するセル(CC)をSCellとしてアクティブ可能としてもよい。あるいは基地局は、PCellがCSGに属さない場合には、CSGに属さないセル(CC)をSCellとして設定可能とする。基地局は、PCellがCSGに属さない場合には、CSGに属さないセル(CC)をSCellとしてアクティブ可能としてもよい。
実施の形態3においても、PCellについては、実施の形態2と同様に、移動端末およびMMEでのCSGアクセス制限が行われる。したがって、本実施の形態の解決策を用いることによって、セルが属するCSGに未登録の移動端末が、SCellとして該セルのリソースを用いることを防ぐことが可能となる。
MMEの動作の具体例を以下に開示する。MMEは、基地局においてSCellに設定されたセルを通しての移動端末のアクセスコントロールを、PCellを通しての移動端末のアクセスコントロールと同様として、実行を省略する。MMEは、PCellを通しての移動端末のアクセスコントロールのみを実行するようにしてもよい。MMEは、CSGに属するPCellを通しての移動端末のアクセスコントロールのみを実行するようにしてもよい。MMEは、CSGセルであるPCellを通しての移動端末のアクセスコントロールのみを実行するようにしてもよい。
PCellが、他のセルがCSGに属するか否か、および他のセルが属するCSG-IDを知る方法の具体例として、以下の(1)~(3)の3つを開示する。
(1)PCellがSCellに設定することを決定する前に、SCell候補セルを選択する。PCellは、SCell候補セルへ、SCell候補セルがCSGに属するか否か、およびSCell候補セルが属するCSG-IDを問合せる。
「CSGに属するか否か」および「CSG-ID」を問合せる代わりに、「CSGインジケーション」および「CSG-ID」を問合せてもよい。その場合、SCellからの応答にCSG-IDが含まれず、CSGインジケーションが「FALSE」である場合は、該SCellがCSGに属さない旨が示されたと判断すればよい。またSCellからの応答にCSG-IDがあり、CSGインジケーションが「TRUE」である場合は、該SCellがCSGに属する旨が示されたと判断すればよい。またSCellからの応答にCSG-IDがあり、CSGインジケーションが「FALSE」である場合は、該SCellがCSGに属する旨が示されたと判断すればよい。
また、「CSGに属するか否か」および「CSG-ID」を問合せる代わりに、「CSG-ID」を問合せてもよい。その場合、SCellからの応答にCSG-IDが含まれない場合は、該SCellがCSGに属さない旨が示されたと判断すればよい。またSCellからの応答にCSG-IDが含まれる場合は、該SCellがCSGに属する旨が示されたと判断すればよい。
(2)各セルが基地局の制御部に対して、自セルが「CSGに属するか否か」を通知するとともに、CSGに属する場合には「CSG-ID」を通知する。PCellがSCellに設定することを決定する前に、SCell候補セルを選択する。PCellは、制御部へ、SCell候補セルがCSGに属するか否か、およびSCell候補セルが属するCSG-IDを問合せる。「CSGに属するか否か」および「CSG-ID」を問合せる代わりに、「CSGインジケーション」および「CSG-ID」を問合せてもよい。「CSGインジケーション」および「CSG-ID」の組み合わせが示す情報は、前述の具体例(1)と同様である。また、「CSGに属するか否か」および「CSG-ID」を問合せる代わりに、「CSG-ID」を問合せてもよい。「CSG-ID」が示す情報は、前述の具体例(1)と同様である。
(3)各セルが他のセルに対して、自セルが「CSGに属するか否か」を通知するとともに、CSGに属する場合には「CSG-ID」を通知する。「CSGに属するか否か」および「CSG-ID」を通知する代わりに、「CSGインジケーション」および「CSG-ID」を通知してもよい。「CSGインジケーション」および「CSG-ID」の組み合わせが示す情報は、前述の具体例(1)と同様である。また、「CSGに属するか否か」および「CSG-ID」を通知する代わりに、「CSG-ID」を通知してもよい。「CSG-ID」が示す情報は、前述の具体例(1)と同様である。
前記具体例(1)~(3)中の「CSGに属するか否か」は、「CSGに属する旨」、あるいは「CSGに属さない旨」であってもよい。
「CSGに属するか否か」および「CSG-ID」の通知タイミングの具体例は、前述の実施の形態2の変形例1の「SCell使用設定」の通知タイミングの具体例と同様であるので、説明を省略する。
PCellは、SCellに設定することを決定する前に、SCell候補セルセットを選択してもよい。SCell候補セルセットの具体例は、前述の実施の形態2の変形例1と同様であるので、説明を省略する。
移動端末の動作の具体例を以下に開示する。移動端末は、SCellとして設定内容が通知されたセルに対して、PCellのアクセスコントロールと同様として、CSGアクセス制限を省略する。移動端末がCSGアクセス制限を省略する方法の具体例として、以下の(1)~(3)の3つを開示する。
(1)SCellとしての設定内容中に、SCellのCSG-indication、CSG-IDが含まれていた場合であっても、移動端末は該CSG-indication、CSG-IDを用いたアクセス制限を行わないとする。例えば、SCellとしての設定内容中に含まれるSCellのCSG-IDと、移動端末のUSIM内のCSG-IDとを比較しないようにする。また、SCellとしての設定によって、SCellのCSG-indication、CSG-IDを通知しないようにしてもよい。
(2)SCellとして設定されたセルから報知情報を用いて報知されているCSG-indication、CSG-IDを用いたアクセス制限を行わないとする。例えば、SCellとして設定されたセルから報知情報を用いて報知されているCSG-IDと、移動端末のUSIM内のCSG-IDとを比較しないようにする。また、SCellとして設定されたセルからの報知情報を用いて報知されているCSG-IDを受信しない、あるいは無視するようにしてもよい。また、SCellとして設定されたセルから報知されているSIB1を受信しない、あるいは無視するようにしてもよい。また、SCellとして設定されたセルから報知されているSIBを受信しない、あるいは無視するようにしてもよい。また、SCellとして設定されたセルから報知されている報知情報を受信しない、あるいは無視するようにしてもよい。
(3)前記(1)と(2)との組み合わせ。
次に、図16を用いて、実施の形態3における通信システムのシーケンスの具体例について説明する。図16は、実施の形態3における通信システムのシーケンスの一例を示す図である。実施の形態3では、図14のステップST1401~ステップST1416の処理については実施の形態2と同様であるので、図示および説明を省略し、図14のステップST1417の処理から図示および説明を行う。また、図16に示すシーケンスは、図14および図15に示すシーケンスと類似しているので、同一のステップについては、同一のステップ番号を付して、共通する説明を省略する。
本動作例においては、セル1およびセル2を含む複数のセル(CC)を有する基地局Aが存在し、基地局A内のセル1をUEがベストセルとして選択してキャンプオンし、通信を開始した後、セル2がSCellとして設定される場合について説明する。PCellが、他のセルがCSGに属するか否か、および他のセルが属するCSG-IDを知る方法の具体例として、各セルが基地局の制御部に対して、自セルが「CSGに属するか否か」を通知するとともに、CSGに属する場合には「CSG-ID」を通知する場合について開示する。「CSGに属するか否か」、および「CSG-ID」の通知タイミングの具体例として、基地局設置時の場合について開示する。
ステップST1501において、基地局が設置される。本動作例では、セル1およびセル2を含む複数のセル(CC)を有する基地局Aが設置される。
ステップST1601およびステップST1602において、基地局内の各セルは、基地局内の制御部に対して、自セルの設定を通知する。自セルの設定には、「CSGに属するか否か」が含まれ、さらに、自セルがCSGに属する場合には「CSG-ID」が含まれる。本動作例では、ステップST1601において、セル1は、制御部に対して、自セルであるセル1の「CSGに属するか否か」を通知するとともに、セル1がCSGに属する場合には、セル1の「CSG-ID」を通知する。ステップST1602において、セル2は、制御部に対して、自セルであるセル2の「CSGに属するか否か」を通知するとともに、セル2がCSGに属する場合には、セル2の「CSG-ID」を通知する。
次いで、前述の図14に示すステップST1401~ステップST1407の処理が行われ、UEが、基地局A内のセル1をベストセルとして選択し、キャンプオンする。次いで、前述の図14に示すステップST1408~ステップST1416の処理が行われた後、ステップST1417に移行する。
ステップST1417において、PCellであるセルは、該UEと通信を開始する。本動作例では、セル1は、PCellとして、該UEと通信を開始する。
ステップST1504において、PCellであるセルは、他のセルをSCell候補として選択する。本動作例では、PCellとなったセル1は、セル2をSCell候補として選択する。
ステップST1603において、PCellであるセルは、制御部に対して、ステップST1504において選択したSCell候補のセルの設定について問合せる。PCellであるセルは、制御部に対して、SCell候補の「CSGに属するか否か」、およびCSGに属する場合の「CSG-ID」について問合せるようにしてもよい。本動作例では、PCellであるセル1は、制御部に対して、SCell候補として選択したセル2の「CSGに属するか否か」、およびCSGに属する場合の「CSG-ID」について問合せる。
ステップST1604において、制御部は、PCellであるセルに対して、ステップST1603の問合せに対する応答を行う。制御部は、PCellであるセルに対して、問合せ対象セルの「CSGに属するか否か」、およびCSGに属する場合の「CSG-ID」を通知するようにしてもよい。本動作例では、制御部は、PCellであるセル1に対して、問合せ対象セルであるセル2の「CSGに属するか否か」、およびCSGに属する場合の「CSG-ID」を通知する。
ステップST1605において、PCellであるセルは、ステップST1504において選択したSCell候補のセルがCSGに属するか否かを判断する。該判断には、ステップST1604において制御部から受信した問合せに対する応答結果を用いる。PCellであるセルは、ステップST1605において、ステップST1504において選択したSCell候補のセルがCSGに属すると判断した場合は、ステップST1606へ移行する。PCellであるセルは、ステップST1504において選択したSCell候補のセルがCSGに属さないと判断した場合は、本実施の形態の特徴的部分ではないが、例えば、ステップST1508へ移行する。
ステップST1606において、PCellであるセルは、ステップST1504において選択したSCell候補のセルが属するCSGと、自セルが属するCSGとが同じであるか否かを判断する。該判断には、ステップST1604において制御部から受信した問合せに対する応答結果を用いる。
PCellであるセルは、ステップST1606において、ステップST1504において選択したSCell候補のセルが属するCSG(CSG-ID_SCell候補)と、自セルが属するCSG(CSG-ID_セル1)とが同じであると判断した場合は、ステップST1508へ移行する。PCellであるセルは、ステップST1504において選択したSCell候補のセルが属するCSGと、自セルが属するCSGとが異なると判断した場合は、別のセルをSCell候補として選択するために、ステップST1504へ戻る。
ステップST1605およびステップST1606の処理によって、本実施の形態の特徴である、PCellと同じCSGに属するセル(CC)のみをSCellとして設定可能とすることを実現する。
ステップST1508において、PCellであるセルは、SCell候補のセルをSCellに設定することを決定する。本動作例では、PCellであるセル1は、SCell候補であるセル2をSCellに設定することを決定する。本実施の形態では、SCellの決定の際に、PCellを通しての移動端末のアクセスコントロールと同様であるとして、CSGアクセス制限を省略する。具体的には、ステップST1508においてSCellを決定する際に、前述の図14に示すステップST1410~ステップST1415に相当する処理を行わない。
次に、図17を用いて、実施の形態3における通信システムのシーケンスの他の具体例について説明する。図17は、実施の形態3における通信システムのシーケンスの他の一例を示す図である。実施の形態3では、図14のステップST1401~ステップST1416の処理については実施の形態2と同様であるので、図示および説明を省略し、図14のステップST1417の処理から図示および説明を行う。また、図17に示すシーケンスは、図14~図16に示すシーケンスと類似しているので、同一のステップについては、同一のステップ番号を付して、共通する説明を省略する。
本動作例においては、セル1およびセル2を含む複数のセル(CC)を有する基地局Aが存在し、基地局A内のセル1をUEがベストセルとして選択してキャンプオンし、通信を開始した後、セル2がSCellとして設定される場合について説明する。PCellが、他のセルがCSGに属するか否か、および他のセルが属するCSG-IDを知る方法の具体例として、各セルが基地局の制御部に対して、自セルの「CSG-ID」を通知する場合について開示する。「CSG-ID」の通知タイミングの具体例として、基地局設置時の場合について開示する。
ステップST1701およびステップST1702において、基地局内の各セルは、基地局内の制御部に対して、自セルの設定を通知する。自セルの設定には、自セルがCSGに属する場合、「CSG-ID」が含まれる。本動作例では、ステップST1701において、セル1は、制御部に対して、CSGに属する場合、セル1の「CSG-ID」を通知する。ステップST1702において、セル2は、制御部に対して、CSGに属する場合、セル2の「CSG-ID」を通知する。
ステップST1703において、PCellであるセルは、制御部に対して、ステップST1504において選択したSCell候補のセルの設定について問合せる。PCellであるセルは、制御部に対して、SCell候補のCSGに属する場合の「CSG-ID」について問合せるようにしてもよい。本動作例では、PCellであるセル1は、制御部に対して、SCell候補として選択したセル2のCSGに属する場合の「CSG-ID」について問合せる。
ステップST1704において、制御部は、PCellであるセルに対して、ステップST1703の問合せに対する応答を行う。制御部は、PCellであるセルに対して、問合せ対象セルのCSGに属する場合の「CSG-ID」を通知するようにしてもよい。本動作例では、制御部は、PCellであるセル1に対して、問合せ対象セルであるセル2の、CSGに属する場合の「CSG-ID」を通知する。
ステップST1705において、PCellであるセルは、ステップST1504において選択したSCell候補のセルがCSG-IDを有するか否かを判断する。言い換えれば、PCellであるセルは、該SCellがCSGに属するか否かを判断する。該判断には、ステップST1704において制御部から受信した問合せに対する応答結果を用いる。
PCellであるセルは、ステップST1705において、ステップST1504において選択したSCell候補のセルがCSG-IDを有すると判断した場合は、ステップST1606へ移行する。言い換えれば、PCellであるセルは、ステップST1705において、ステップST1504において選択したSCell候補のセルがCSG-IDを有すると判断した場合は、SCell候補のセルがCSGに属すると判断し、ステップST1606へ移行する。
PCellであるセルは、ステップST1705において、ステップST1504において選択したSCell候補のセルがCSG-IDを有していないと判断した場合は、本実施の形態の特徴的部分ではないが、例えば、ステップST1508へ移行する。言い換えれば、PCellであるセルは、ステップST1705において、ステップST1504において選択したSCell候補のセルがCSG-IDを有していないと判断した場合は、SCell候補のセルがCSGに属さないと判断し、本実施の形態の特徴的部分ではないが、例えば、ステップST1508へ移行する。
ステップST1705およびステップST1606の処理によって、本実施の形態の特徴である、PCellと同じCSGに属するセル(CC)のみをSCellとして設定可能とすることを実現する。
以上の実施の形態3によって、実施の形態2の効果に加えて、以下の効果を得ることができる。SCellについても、利用可能な加入者をオペレータが特定することを実現することができる。また、CSGに属することにより、受けたいサービス、あるいは適用したい課金設定といったユーザの意思を尊重したユーザフレンドリーな通信システムの構築が可能となる。
本実施の形態は、前述の実施の形態1、実施の形態2、実施の形態2の変形例1と組み合わせて用いることができる。
実施の形態4.
実施の形態4では、前述の実施の形態3と同じ課題について、別の解決策を開示する。実施の形態4での解決策を以下に示す。本実施の形態では、前述の実施の形態2の解決策と異なる部分を中心に説明し、説明していない部分については、実施の形態2と同様とする。
実施の形態4では、前述の実施の形態3と同じ課題について、別の解決策を開示する。実施の形態4での解決策を以下に示す。本実施の形態では、前述の実施の形態2の解決策と異なる部分を中心に説明し、説明していない部分については、実施の形態2と同様とする。
基地局は、CSGに属するセル(CC)をSCellとして設定不可能とする。基地局は、CSGに属するセル(CC)をSCellとしてアクティブ不可能としてもよい。基地局は、CSGに属さないセル(CC)をSCellとして設定可能する。基地局は、CSGに属さないセル(CC)をSCellとしてアクティブ可能としてもよい。
本実施の形態の解決策を用いることにより、セルが属するCSGに未登録の移動端末が、SCellとして該セルのリソースを用いることを防ぐことが可能となる。
さらに、以下のようにしてもよい。基地局は、CSGに属するセル(CC)のうち、クローズドアクセスモードで動作するセルをSCellとして設定不可能とする。基地局は、CSGに属するセル(CC)のうち、クローズドアクセスモードで動作するセルをSCellとしてアクティブ不可能としてもよい。
基地局は、CSGに属さないセル(CC)、あるいはCSGに属するセル(CC)のうち、オープンアクセスモードで動作するセル(CC)、あるいはCSGに属するセル(CC)のうち、ハイブリッドアクセスモードで動作するセル(CC)をSCellとして設定可能とする。基地局は、CSGに属さないセル(CC)、あるいはCSGに属するセル(CC)のうち、オープンアクセスモードで動作するセル(CC)、あるいはCSGに属するセル(CC)のうち、ハイブリッドアクセスモードで動作するセル(CC)をSCellとしてアクティブ可能としてもよい。
このように、CSGに属するセルのアクセスモードまで考慮すれば、アクセスモードを考慮しない前記方法と比較して、SCellとして設定可能なセルが増える。これによって、アクセスモードを考慮しない前記方法と比較して、キャリアアグリゲーションを用いた通信速度の向上を実現し易くしつつ、セルが属するCSGに未登録の移動端末が、SCellとして該セルのリソースを用いることを防ぐことが可能となる。
MMEの動作の具体例として、以下を開示する。MMEは、基地局においてSCellに設定されたセルを通しての移動端末のアクセスコントロールを、CSGセルを通しての移動端末のアクセスではないとして、実行しない。MMEは、基地局においてSCellに設定されたCSGセルを通しての移動端末のアクセスコントロールを、クローズドアクセスモードで動作するCSGセルを通しての移動端末のアクセスではないとして、実行しないようにしてもよい。MMEは、PCellを通しての移動端末のアクセスコントロールのみを実行するようにしてもよい。MMEは、CSGに属するPCellを通しての移動端末のアクセスコントロールのみを実行するようにしてもよい。MMEは、CSGセルであるPCellを通しての移動端末のアクセスコントロールのみを実行するようにしてもよい。
PCellが、他のセルがCSGに属するか否か、および他のセルがCSGに属する場合のアクセスモードを知る方法の具体例として、以下の(1)~(3)の3つを開示する。以下、アクセスモードを、「動作モード」と称することもある。
(1)PCellがSCellに設定することを決定する前に、SCell候補セルを選択する。PCellは、SCell候補セルへ、SCell候補セルがCSGに属するか否か、およびSCell候補セルがCSGに属する場合の動作モードを問合せる。
「CSGに属するか否か」および「動作モード」を問合せる代わりに、「CSGインジケーション」および「CSG-ID」を問合せてもよい。その場合、SCellからの応答にCSG-IDが含まれず、CSGインジケーションが「FALSE」である場合は、該SCellがCSGに属さない旨、あるいはCSGに属する場合であってオープンアクセスモードで動作することが示されたと判断すればよい。
またSCellからの応答にCSG-IDがあり、CSGインジケーションが「TRUE」である場合は、該SCellがCSGに属する場合であってクローズドアクセスモードで動作することが示されたと判断すればよい。またSCellからの応答にCSG-IDがあり、CSGインジケーションが「FALSE」である場合は、該SCellがCSGに属する場合であってハイブリッドアクセスモードで動作することが示されたと判断すればよい。
(2)各セルが基地局の制御部に対して、自セルが「CSGに属するか否か」を通知するとともに、自セルがCSGに属する場合には「CSG-ID」を通知する。PCellがSCellに設定することを決定する前に、SCell候補セルを選択する。PCellは、制御部へ、SCell候補セルがCSGに属するか否か、およびSCell候補セルがCSGに属する場合の動作モードを問合せる。「CSGに属するか否か」および「動作モード」を問合せる代わりに、「CSGインジケーション」および「CSG-ID」を問合せてもよい。「CSGインジケーション」および「CSG-ID」の組み合わせが示す情報は、前述の具体例(1)と同様である。
(3)各セルが他のセルに対して、自セルが「CSGに属するか否か」、およびCSGに属する場合の「動作モード」を通知する。「CSGに属するか否か」および「動作モード」を通知する代わりに、「CSGインジケーション」および「CSG-ID」を通知してもよい。「CSGインジケーション」および「CSG-ID」の組み合わせが示す情報は、前述の具体例(1)と同様である。
前記具体例(1)~(3)中の「CSGに属するか否か」は、「CSGに属する旨」、あるいは「CSGに属さない旨」であってもよい。
「CSGに属するか否か」および「動作モード」の通知タイミングの具体例は、前述の実施の形態2の変形例1の「SCell使用設定」の通知タイミングの具体例と同様であるので、説明を省略する。
PCellは、SCellに設定することを決定する前に、SCell候補セルセットを選択してもよい。SCell候補セルセットの具体例は、前述の実施の形態2の変形例1と同様であるので、説明を省略する。
移動端末の動作の具体例を以下に開示する。移動端末は、SCellとして設定内容が通知されたセルに対して、CSGに属するセルではないとして、移動端末におけるCSGアクセスコントロールの実行、すなわちCSGアクセス制限を省略する。移動端末は、SCellとして設定内容が通知されたセルに対して、クローズドアクセスモードで動作するCSGに属するセルではないとして、移動端末におけるCSGアクセスコントロールの実行、すなわちCSGアクセス制限を省略するようにしてもよい。移動端末がCSGアクセス制限を省略する方法の具体例は、前述の実施の形態3と同様であるので、説明を省略する。
次に、図18を用いて、実施の形態4における通信システムのシーケンスの具体例について説明する。図18は、実施の形態4における通信システムのシーケンスの一例を示す図である。実施の形態4では、図14のステップST1401~ステップST1416の処理については実施の形態2と同様であるので、図示および説明を省略し、図14のステップST1417の処理から図示および説明を行う。また、図18に示すシーケンスは、図14および図15に示すシーケンスと類似しているので、同一のステップについては、同一のステップ番号を付して、共通する説明を省略する。
本動作例においては、セル1およびセル2を含む複数のセル(CC)を有する基地局Aが存在し、基地局A内のセル1をUEがベストセルとして選択してキャンプオンし、通信を開始した後、セル2がSCellとして設定される場合について説明する。PCellが、他のセルがCSGに属するか否か、および他のセルがCSGに属する場合の動作モードを知る方法の具体例として、各セルが基地局の制御部に対して、自セルが「CSGに属するか否か」、およびCSGに属する場合の「動作モード」を通知する場合について開示する。「CSGに属するか否か」、および「動作モード」の通知タイミングの具体例として、基地局設置時の場合について開示する。
ステップST1501において、基地局が設置される。本動作例では、セル1およびセル2を含む複数のセル(CC)を有する基地局Aが設置される。
ステップST1801およびステップST1802において、基地局内の各セルは、基地局内の制御部に対して、自セルの設定を通知する。自セルの設定には、「CSGに属するか否か」、およびCSGに属する場合の「動作モード」が含まれる。本動作例では、ステップST1801において、セル1は、制御部に対して、セル1の「CSGに属するか否か」、およびCSGに属する場合の「動作モード」を通知する。ステップST1802において、セル2は、制御部に対して、セル2の「CSGに属するか否か」、およびCSGに属する場合の「動作モード」を通知する。
次いで、前述の図14に示すステップST1401~ステップST1407の処理が行われ、UEが、基地局A内のセル1をベストセルとして選択し、キャンプオンする。次いで、前述の図14に示すステップST1408~ステップST1416の処理が行われた後、ステップST1417に移行する。
ステップST1417において、PCellであるセルは、該UEと通信を開始する。本動作例では、セル1は、PCellとして、該UEと通信を開始する。
ステップST1504において、PCellであるセルは、他のセルをSCell候補として選択する。本動作例では、PCellとなったセル1は、セル2をSCell候補として選択する。
ステップST1803において、PCellであるセルは、制御部に対して、ステップST1504において選択したSCell候補のセルの設定について問合せる。PCellであるセルは、制御部に対して、SCell候補の「CSGに属するか否か」、およびCSGに属する場合の「動作モード」について問合せるようにしてもよい。本動作例では、PCellであるセル1は、制御部に対して、SCell候補として選択したセル2の「CSGに属するか否か」、およびCSGに属する場合の「動作モード」について問合せる。
ステップST1804において、制御部は、PCellであるセルに対して、ステップST1803の問合せに対する応答を行う。制御部は、PCellであるセルに対して、問合せ対象セルの「CSGに属するか否か」、およびCSGに属する場合の「動作モード」を通知するようにしてもよい。本動作例では、制御部は、PCellであるセル1に対して、問合せ対象セルであるセル2の「CSGに属するか否か」、およびCSGに属する場合の「動作モード」を通知する。
ステップST1805において、PCellであるセルは、ステップST1504において選択したSCell候補のセルがCSGに属するか否かを判断する。該判断には、ステップST1804において制御部から受信した問合せに対する応答結果を用いる。
PCellであるセルは、ステップST1805において、ステップST1504において選択したSCell候補のセルがCSGに属すると判断した場合は、ステップST1806へ移行する。PCellであるセルは、ステップST1805において、ステップST1504において選択したSCell候補のセルがCSGに属さないと判断した場合は、ステップST1508へ移行する。
ステップST1806において、PCellであるセルは、ステップST1504において選択したSCell候補のセルの動作モードが、クローズドアクセスモードであるか否かを判断する。該判断には、ステップST1804において制御部から受信した問合せに対する応答結果を用いる。
PCellであるセルは、ステップST1806において、ステップST1504において選択したSCell候補のセルの動作モードがクローズドアクセスモードでないと判断した場合は、ステップST1508へ移行する。つまり、PCellであるセルは、ステップST1806において、ステップST1504において選択したSCell候補のセルの動作モードがオープンアクセスモード、あるいはハイブリッドアクセスモードであると判断した場合は、ステップST1508へ移行する。
またPCellであるセルは、ステップST1806において、ステップST1504において選択したSCell候補のセルの動作モードがクローズドアクセスモードであると判断した場合は、別のセルをSCell候補として選択するために、ステップST1504へ戻る。
ステップST1805およびステップST1806の処理によって、本実施の形態の特徴である、CSGに属さないセル(CC)をSCellとして設定可能とすることを実現する。あるいは、CSGに属さないセル(CC)、またはCSGに属するセル(CC)のうち、オープンアクセスモードで動作するセル(CC)、またはCSGに属するセル(CC)のうち、ハイブリッドアクセスモードで動作するセル(CC)をSCellとして設定可能とすることを実現する。
ステップST1508において、PCellであるセルは、SCell候補のセルをSCellに設定することを決定する。本動作例では、PCellであるセル1は、SCell候補であるセル2をSCellに設定することを決定する。本実施の形態では、SCellの決定の際に、CSGセルを通しての移動端末のアクセスではないとして、あるいは、CSGセルを通しての移動端末のアクセスであってもクローズドアクセスモードで動作するCSGセルを通しての端末のアクセスではないとして、CSGアクセス制限を省略する。具体的には、ステップST1508においてSCellを決定する際に、ステップST1410~ステップST1415に相当する処理を行わない。
次に、図19を用いて、実施の形態4における通信システムのシーケンスの他の具体例について説明する。図19は、実施の形態4における通信システムのシーケンスの他の一例を示す図である。実施の形態4では、図14のステップST1401~ステップST1416の処理については実施の形態2と同様であるので、図示および説明を省略し、図14のステップST1417の処理から図示および説明を行う。また、図19に示すシーケンスは、図14、図15および図18に示すシーケンスと類似しているので、同一のステップについては、同一のステップ番号を付して、共通する説明を省略する。
本動作例においては、セル1およびセル2を含む複数のセル(CC)を有する基地局Aが存在し、基地局A内のセル1をUEがベストセルとして選択してキャンプオンし、通信を開始した後、セル2がSCellとして設定される場合について説明する。PCellが、他のセルがCSGに属するか否か、および属する場合の動作モードを知る方法の具体例として、各セルが基地局の制御部に対して、自セルの「CSGインジケーション」および「CSG-ID」を通知する場合について開示する。「CSGインジケーション」および「CSG-ID」の通知タイミングの具体例として、基地局設置時の場合について開示する。
ステップST1901およびステップST1902において、基地局内の各セルは、基地局内の制御部に対して、自セルの設定を通知する。自セルの設定には、「CSGインジケーション」および「CSG-ID」が含まれる。本動作例では、ステップST1901において、セル1は、制御部に対して、セル1の「CSGインジケーション」および「CSG-ID」を通知する。ステップST1902において、セル2は、制御部に対して、セル2の「CSGインジケーション」および「CSG-ID」を通知する。
ステップST1903において、PCellであるセルは、制御部に対して、ステップST1504において選択したSCell候補のセルの設定について問合せる。PCellであるセルは、制御部に対して、SCell候補の「CSGインジケーション」および「CSG-ID」について問合せるようにしてもよい。本動作例では、PCellであるセル1は、制御部に対して、SCell候補として選択したセル2の「CSGインジケーション」および「CSG-ID」について問合せる。
ステップST1904において、制御部は、PCellであるセルに対して、ステップST1903の問合せに対する応答を行う。制御部は、PCellであるセルに対して、問合せ対象セルの「CSGインジケーション」および「CSG-ID」を通知するようにしてもよい。本動作例では、制御部は、PCellであるセル1に対して、問合せ対象セルであるセル2の「CSGインジケーション」および「CSG-ID」を通知する。
ステップST1905において、PCellであるセルは、ステップST1504において選択したSCell候補のセルがCSG-IDを有するか否かを判断する。言い換えれば、PCellであるセルは、該SCellがCSGに属するか否かを判断する。該判断には、ステップST1904において制御部から受信した問合せに対する応答結果を用いる。
PCellであるセルは、ステップST1905において、ステップST1504において選択したSCell候補のセルがCSG-IDを有すると判断した場合は、ステップST1906へ移行する。言い換えれば、PCellであるセルは、ステップST1905において、ステップST1504において選択したSCell候補のセルがCSG-IDを有すると判断した場合は、SCell候補のセルがCSGに属すると判断し、ステップST1906へ移行する。
PCellであるセルは、ステップST1905において、ステップST1504において選択したSCell候補のセルがCSG-IDを有していないと判断した場合は、ステップST1508へ移行する。言い換えれば、PCellであるセルは、ステップST1905において、ステップST1504において選択したSCell候補のセルがCSG-IDを有していないと判断した場合は、SCell候補のセルがCSGに属さないと判断し、ステップST1508へ移行する。
ステップST1906において、PCellであるセルは、ステップST1504において選択したSCell候補のセルのCSGインジケーションが「TRUE」であるか否かを判断する。言い換えれば、該SCellのアクセスモードが、クローズドアクセスモードであるか否かを判断する。該判断には、ステップST1904において制御部から受信した問合せに対する応答結果を用いる。
PCellであるセルは、ステップST1906において、ステップST1504において選択したSCell候補のセルのCSGインジケーションが「TRUE」でない、つまり「FALSE」であると判断した場合は、ステップST1508へ移行する。言い換えれば、PCellであるセルは、ステップST1906において、ステップST1504において選択したSCell候補のセルの動作モードがオープンアクセスモード、あるいはハイブリッドアクセスモードであると判断した場合は、ステップST1508へ移行する。
またPCellであるセルは、ステップST1906において、ステップST1504において選択したSCell候補のCSGインジケーションが「TRUE」であると判断した場合は、別のセルをSCell候補として選択するために、ステップST1504へ戻る。言い換えれば、PCellであるセルは、ステップST1906において、ステップST1504において選択したSCell候補のセルの動作モードがクローズドアクセスモードであると判断した場合は、別のセルをSCell候補として選択するために、ステップST1504へ戻る。
ステップST1905およびステップST1906の処理によって、本実施の形態の特徴である、CSGに属さないセル(CC)をSCellとして設定可能とすることを実現する。あるいは、CSGに属さないセル(CC)、またはCSGに属するセル(CC)のうち、オープンアクセスモードで動作するセル(CC)、またはCSGに属するセル(CC)のうち、ハイブリッドアクセスモードで動作するセル(CC)を、SCellとして設定可能とすることを実現する。
以上の実施の形態4によって、実施の形態2の効果に加えて、以下の効果を得ることができる。SCellについても、利用可能な加入者をオペレータが特定することを実現することができる。また、CSGに属することにより、受けたいサービス、あるいは適用したい課金設定といったユーザの意思を尊重したユーザフレンドリーな通信システムの構築が可能となる。
本実施の形態は、前述の実施の形態1、実施の形態2、実施の形態2の変形例1、実施の形態3と組み合わせて用いることができる。
実施の形態5.
実施の形態5では、前述の実施の形態3と同じ課題、すなわち前述の実施の形態2を用いた場合に発生する課題について、さらに別の解決策を開示する。実施の形態5での解決策を以下に示す。本実施の形態では、前述の実施の形態2の課題を、実施の形態2の解決策と異なる方法を用いて解決する。
実施の形態5では、前述の実施の形態3と同じ課題、すなわち前述の実施の形態2を用いた場合に発生する課題について、さらに別の解決策を開示する。実施の形態5での解決策を以下に示す。本実施の形態では、前述の実施の形態2の課題を、実施の形態2の解決策と異なる方法を用いて解決する。
PCellがSCellに設定することを決定する前に、SCell候補セルを選択する。PCellであるセルは、移動端末に対して、SCell候補セルの設定内容を通知する。SCell候補セルの設定内容を受信した移動端末は、SCell候補セルとして設定内容が通知されたセルに対して、CSGアクセス制限を行う。該移動端末は、CSGアクセス制限の判断結果をPCellへ通知する。該判断結果を受信したPCellは、該判断結果に基づいて、SCellの決定を行う。
PCellは、SCellに設定することを決定する前に、SCell候補セルセットを選択してもよい。PCellが移動端末に対して通知するSCell候補セルの設定内容は、SCell候補セルセットの設定内容であってもよい。また、移動端末が行うCSGアクセス制限は、SCell候補セルセットに対してであってもよい。SCell候補セルセットの具体例は、前述の実施の形態2の変形例1と同様であるので、説明を省略する。
本実施の形態の解決策を用いることにより、移動端末において、SCellに対するCSGアクセス制限が実行される。これによって、キャリアアグリゲーションを用いて通信速度の向上を実現しつつ、移動端末が未登録のCSGに属するセルを、該移動端末に対してSCellとして設定することを防ぐことができる。したがって、セルが属するCSGに未登録の移動端末が、SCellとして該セルのリソースを用いることを防ぐことが可能となる。
移動端末の動作の具体例を以下に開示する。移動端末は、SCell候補セルとして設定内容が通知されたセルに対して、CSGアクセス制限を行う。移動端末は、SCell候補セルがCSGセルである場合に、CSGアクセス制限を行うようにしてもよい。移動端末がCSGアクセス制限を行う方法の具体例として、以下の(1)~(3)の3つを開示する。
(1)SCell候補セルとしての設定内容中のSCell候補セルのCSG-indicationおよびCSG-IDを用いたアクセス制限を行う。例えば、SCell候補セルとしての設定内容中に含まれるSCell候補セルのCSG-IDと、移動端末のUSIM内のCSG-IDとを比較する。比較の結果、SCell候補セルとしての設定内容中に含まれるSCell候補セルのCSG-IDが、移動端末の例えばUSIM内のホワイトリスト内に含まれている場合に、アクセス可能と判断する。また、比較の結果、SCell候補セルとしての設定内容中に含まれるSCell候補セルのCSG-IDが、移動端末のUSIM内のホワイトリスト内に含まれていない場合に、アクセス不可能と判断する。
(2)SCell候補セルとして設定されたセルから、報知情報を用いて報知されているCSG-indicationおよびCSG-IDを用いたアクセス制限を行う。例えば、SCell候補セルとして設定されたセルから報知情報を用いて報知されているCSG-IDと、移動端末のUSIM内のCSG-IDとを比較する。比較の結果、SCell候補セルとして設定されたセルから報知情報を用いて報知されているCSG-IDが、移動端末の例えばUSIM内のホワイトリスト内に含まれている場合に、アクセス可能と判断する。また、比較の結果、SCell候補セルとして設定されたセルから報知情報を用いて報知されているCSG-IDが、移動端末の例えばUSIM内のホワイトリスト内に含まれていない場合に、アクセス不可能と判断する。
(3)前記(1)と(2)との組み合わせ。
移動端末が、CSGアクセス制限の判断結果をPCellへ通知する際の条件の具体例として、以下の(1)~(3)の3つを開示する。
(1)移動端末は、CSGアクセス制限を行った場合に通知する。本具体例では、必ず判断結果が通知されることになる。これによって、無線区間で発生した通信エラーが検出し易くなる。したがって、具体例(2),(3)と比較して、通信エラーに強いシステムを構築可能となるという効果を得ることができる。
(2)移動端末は、CSGアクセス制限の判断結果が「アクセス不可能」である場合に通知する。PCellは、移動端末から、一定期間、CSGアクセス制限の判断結果を受信しない場合は、CSGアクセス制限の判断結果が「アクセス可能」であったと判断すればよい。本具体例では、具体例(1)と比較して、無線リソースを有効に活用することができるという効果を得ることができる。
(3)移動端末は、CSGアクセス制限の判断結果が「アクセス可能」である場合に通知する。PCellは、移動端末から、一定期間、CSGアクセス制限の判断結果を受信しない場合は、CSGアクセス制限の判断結果が「アクセス不可能」であったと判断すればよい。本具体例では、具体例(1)と比較して、無線リソースを有効に活用することができるという効果を得ることができる。
移動端末が、CSGアクセス制限の判断結果をPCellへ通知する方法の具体例について説明する。移動端末は、RRCシグナリング、あるいはRRCメッセージを用いて、CSGアクセス制限の判断結果をPCellへ通知する。
移動端末が、CSGアクセス制限の判断結果を、RRCメッセージを用いてPCellへ通知する方法の具体例として、以下の(1),(2)の2つを開示する。
(1)新たにRRCシグナリング、あるいはRRCメッセージを設ける。新たに設けるRRCシグナリングにマッピングするパラメータは、CSGアクセス制限の判断結果である。CSGアクセス制限の判断結果は、移動端末識別子と共に通知されてもよい。移動端末の識別子は、UE-ID、IMSIであってもよい。
(2)既存のRRCシグナリング、あるいはRRCメッセージを用いる。既存のRRCシグナリングに追加が必要なパラメータは、CSGアクセス制限の判断結果である。具体例(2)は、具体例(1)と比較して、新たなシグナリングを設ける必要がない点において有効であり、通信システムが複雑化することを回避することができる。
次に、移動端末が既存のRRCシグナリングを用いてCSGアクセス制限の判断結果を通知する方法の具体例を以下に開示する。非特許文献2に開示されている方法を用いる。具体的には、SCellの追加、あるいは更新の際に用いることが検討されている、RRCシグナリングの「RRC Connection Reconfiguration message」に対する応答方法を用いる。
既存の「RRC Connection Reconfiguration message」の応答方法について説明する。移動端末において、「RRC Connection Reconfiguration message」によって指示された再設定が無事完了した場合は、移動端末は基地局へ「RRC Connection Reconfiguration complete」を通知する。移動端末において、「RRC Connection Reconfiguration message」によって指示された再設定が無事完了していない場合は、移動端末は基地局へRRC接続再設立(RRC connection re-establishment)を要求するために、「RRC Connection reestablishment REQUEST」を通知する。
既存の応答方法を用いる場合の具体例を以下に開示する。CSGアクセス制限の判断結果が「アクセス可能」である場合は、「RRC Connection Reconfiguration message」によって指示された再設定が無事完了したとして、移動端末は、PCellに対して「RRC Connection Reconfiguration complete」を通知する。「RRC Connection Reconfiguration complete」が通知されれば、CSGアクセス制限の判断結果にて「アクセス可能」を示すとすれば、新たにRRCシグナリングを設ける必要がなくなり、追加パラメータも不要となり、後方互換性(backward compatibility:バックワードコンパチビリティ)に優れた通信システムの構築が可能となる。
あるいは、「RRC Connection Reconfiguration message」に、CSGアクセス制限の判断結果のパラメータを追加してもよい。これによって、CSGアクセス制限の判断結果を明確に通知することが可能となる。したがって、CSGアクセス制限の判断結果を通知しない場合の「RRC Connection Reconfiguration complete」と明確に分けることが可能となり、安定した通信システムを構築することができるという効果を得ることができる。
一方、CSGアクセス制限の判断結果が「アクセス不可能」である場合は、「RRC Connection Reconfiguration message」に対する既存の応答方法では以下の不具合がある。既存の応答方法では、「RRC Connection Reconfiguration message」によって指示された再設定が無事完了していない場合は、前記の通り「RRC Connection reestablishment REQUEST」を通知することとなる。
しかし、CSGアクセス制限の判断結果が「アクセス不可能」であっても、PCellとのRRC接続には問題はなく、RRC接続再設立を行う必要は無い。したがって、CSGアクセス制限の判断結果が「アクセス不可能」である場合には、移動端末において、「RRC Connection Reconfiguration message」によって指示された再設定が無事完了していないことになるが、移動端末は、PCellに対して「RRC Connection reestablishment REQUEST」を通知しないこととする。これによって、無駄なRRC接続再設立を行うことを防ぐことが可能となり、通信システムの制御の遅延を防止することができるという効果を得ることができる。
CSGアクセス制限の判断結果が「アクセス不可能」である場合の通知方法の具体例について、以下の(a1),(a2)の2つを開示する。
(a1)新たにRRCシグナリング、あるいはRRCメッセージを設ける。新たに設けるRRCシグナリングにマッピングするパラメータは、「アクセス不可能」である。
(a2)既存のRRCシグナリング、あるいはRRCメッセージを用いる。既存のRRCシグナリングに追加が必要なパラメータは、「アクセス不可能」である。具体例(a2)は、具体例(a1)と比較して、新たなシグナリングを設ける必要がない点において有効であり、通信システムが複雑化することを回避することができる。既存のRRCシグナリングの具体例としては、「RRC Connection Reconfiguration complete」がある。
基地局の動作の具体例を以下に開示する。基地局は、PCellがSCellに設定することを決定する前に、SCell候補セルを選択する。PCellは、移動端末に対してSCell候補セルの設定内容を通知する。PCellは、移動端末から、移動端末で行ったCSGアクセス制限の判断結果を受信する。該判断結果を受信したPCellは、該判断結果に基づいて、SCellの決定を行う。
移動端末で行ったCSGアクセス制限の判断結果に基づいて基地局が行う、SCellの決定の具体例を以下に開示する。移動端末から、移動端末で行ったCSGアクセス制限の判断結果として「アクセス可能」を受信した場合について開示する。PCellは、SCell候補セルをSCellに設定することを決定する。あるいは、PCellは、SCell候補セルをアクティブ可能と判断してもよい。
移動端末から、移動端末で行ったCSGアクセス制限の判断結果として「アクセス不可能」を受信した場合について開示する。PCellは、SCell候補セルをSCellに設定しないことを決定する。あるいは、PCellは、SCell候補セルをSCell候補セルから外すことを決定する。あるいは、PCellは、SCell候補セルをアクティブ不可能と判断してもよい。
MMEの動作の具体例を以下に開示する。MMEは、基地局においてSCellに設定されたセルを通しての移動端末のアクセスコントロールを実行しない。MMEは、基地局においてSCellに設定されたセルのアクセスコントロールは移動端末側で完了しているとして、MMEにおけるCSGアクセスコントロールの実行を省略するようにしてもよい。MMEは、PCellを通しての移動端末のアクセスコントロールのみを実行するようにしてもよい。MMEは、CSGに属するPCellを通しての移動端末のアクセスコントロールのみを実行するようにしてもよい。MMEは、CSGセルであるPCellを通しての移動端末のアクセスコントロールのみを実行するようにしてもよい。
次に、図20を用いて、実施の形態5における通信システムのシーケンスの具体例について説明する。図20は、実施の形態5における通信システムのシーケンスの一例を示す図である。実施の形態5では、前述の図14のステップST1401~ステップST1416の処理については実施の形態2と同様であるので、図示および説明を省略し、図14のステップST1417の処理から図示および説明を行う。また、図20に示すシーケンスは、図14および図15に示すシーケンスと類似しているので、同一のステップについては、同一のステップ番号を付して、共通する説明を省略する。
本動作例においては、セル1およびセル2を含む複数のセル(CC)を有する基地局Aが存在し、基地局A内のセル1を移動端末(UE)がベストセルとして選択してキャンプオンし、通信を開始した後、セル2がSCellとして設定される場合について説明する。
移動端末がCSGアクセス制限を行う方法の具体例として、SCell候補セルとしての設定内容中のSCell候補セルのCSG-indicationおよびCSG-IDを用いたアクセス制限を行う場合について開示する。移動端末が、CSGアクセス制限の判断結果をPCellへ通知する際の条件の具体例として、CSGアクセス制限を行った場合について開示する。移動端末が、CSGアクセス制限の判断結果をPCellへ通知する方法の具体例として、「アクセス可能」および「アクセス不可能」ともに既存のRRCシグナリングである「RRC Connection Reconfiguration complete」を用いる場合について開示する。
前述の図14に示すステップST1401~ステップST1416の処理が行われた後、ステップST1417において、PCellであるセル、本動作例ではセル1は、移動端末(UE)と通信を開始する。次いで、ステップST1504において、PCellであるセルは、他のセルをSCell候補として選択する。本動作例では、PCellとなったセル1は、セル2をSCell候補として選択する。
ステップST2001において、PCellであるセルは、移動端末(UE)へ個別RRCシグナリングを用いてSCell候補セルの設定内容を通知する。本動作例では、個別RRCシグナリングの「RRC Connection Reconfiguration message」を用いて、SCell候補セルとしてセル2と、セル2の設定内容とを通知する。その際、セル2のシステム情報も合わせて通知する。具体的には、セル2へのアクセスに関する情報、例えばCSGアイデンティティとしてCSG-ID_セル2などが通知され、CSGインジケーションとしてCSG-indication_セル2などが通知される。
ステップST2002において、セル2は、傘下の移動端末に対して、SIBを報知する。具体的には、セル2へのアクセスに関する情報、例えばCSGアイデンティティとしてCSG-ID_セル2などが報知され、CSGインジケーションとしてCSG-indication_セル2などが報知される。本動作例においては、SCell候補セルとしての設定内容中のSCell候補セルのCSG-indicationおよびCSG-IDを用いたアクセス制限を行う場合について開示する。したがって、移動端末は、セル2からの報知情報を受信してもよいし、受信しなくてもよい。
ステップST2003において、移動端末(UE)は、ステップST2001において受信したSCell候補セルの設定内容内のCSGインジケーションが「TRUE」であるか否かを判断する。本動作例では、移動端末は、CSG-indication_セル2が「TRUE」であるか否かを判断する。移動端末は、ステップST2003において、CSGインジケーションが「TRUE」であると判断した場合は、ステップST2004へ移行する。移動端末は、ステップST2003において、CSGインジケーションが「TRUE」でない、つまり「FALSE」であると判断した場合は、ステップST2005へ移行する。
ステップST2004において、移動端末(UE)は、ステップST2001において受信したSCell候補セルの設定内容内のCSGアイデンティティが示すCSGに、自移動端末が登録しているか否かを判断する。移動端末は、ステップST2004において、自移動端末が登録していると判断した場合は、ステップST2005へ移行する。移動端末は、ステップST2004において、自移動端末が未登録であると判断した場合は、ステップST2006へ移行する。
ステップST2003およびステップST2004の処理によって、本実施の形態の特徴である、移動端末が、SCell候補セルとして設定内容が通知されたセルに対して、CSGアクセス制限を行うことを実現する。
ステップST2005において、移動端末(UE)は、CSGアクセス制限の判断結果として「アクセス可能」、あるいは「アクセスOK」をセットする。本動作例においては、移動端末は、「RRC Connection Reconfiguration complete」中に、CSGアクセス制限の判断結果として「アクセスOK」をセットする。
ステップST2006において、移動端末(UE)は、CSGアクセス制限の判断結果として「アクセス不可能」、あるいは「アクセスNG」をセットする。
ステップST2007において、移動端末は、PCellであるセルに対して、ステップST2007において受信した「RRC Connection Reconfiguration」に対する「RRC Connection Reconfiguration Complete」を通知する。移動端末は、PCellであるセルに対して、「RRC Connection Reconfiguration Complete」を通知するようにしてもよい。「RRC Connection Reconfiguration Complete」には、ステップST2005あるいは、ステップST2006においてセットされたアクセス判断結果を含む。
ステップST2008において、PCellであるセルは、ステップST1504において選択したSCell候補のセルに対する、該移動端末におけるCSGアクセス制限の判断結果がアクセス可能であるか否か、あるいはOKであるか否かを判断する。PCellは、SCell候補のセルに対する、該移動端末におけるCSGアクセス制限の判断結果がアクセス不可能であるか否かを判断するようにしてもよい。該判断には、ステップST2007において移動端末から受信したアクセス判断結果を用いる。
PCellであるセルは、ステップST2008において、ステップST1504において選択したSCell候補のセルの該移動端末におけるCSGアクセス制限の判断結果がアクセス可能であると判断した場合は、ステップST1508へ移行する。PCellであるセルは、ステップST1504において選択したSCell候補のセルの該移動端末におけるCSGアクセス制限の判断結果がアクセス不可能であると判断した場合は、別のセルをSCell候補として選択するために、ステップST1504へ戻る。本動作例では、PCellであるセル1は、SCell候補であるセル2がSCellとしてアクセス可能であると判断し、ステップST1508へ移行する。
ステップST2008の処理によって、本実施の形態の特徴である、PCellであるセルが、移動端末のCSGアクセス制限の判断結果に基づいて、SCellの決定を行うことを実現する。
以上の実施の形態5によって、以下の効果を得ることができる。前述の実施の形態3と同様に、SCellについても、利用可能な加入者をオペレータが特定することを実現することができる。また、UE内に有するホワイトリスト内の1つまたは複数のCSG-IDに対応したセルをSCellとして構成することが可能となる。また、CSGに属することにより、受けたいサービス、あるいは適用したい課金設定といったユーザの意思を尊重したユーザフレンドリーな通信システムの構築が可能となる。また同時に、前述の実施の形態2と同様に、キャリアアグリゲーションを用いた通信速度の向上を実現しつつ、通信システムとしての動作を安定させることができ、適切なサービスの提供を行うことが可能となる。
本実施の形態は、前述の実施の形態1と組み合わせて用いることができる。
実施の形態5 変形例1.
本変形例では、前述の実施の形態5の更なる改善点について以下に示す。本変形例では、前述の実施の形態5の解決策と異なる部分を中心に説明し、説明していない部分については、実施の形態5と同様とする。
本変形例では、前述の実施の形態5の更なる改善点について以下に示す。本変形例では、前述の実施の形態5の解決策と異なる部分を中心に説明し、説明していない部分については、実施の形態5と同様とする。
PCellがSCellに設定することを決定する前に、SCell候補セルを選択する。各セル(CC)において、CSG未登録の移動端末(UE)がSCellとして使用可能であるか否かの設定を可能とする。該設定を「CSG未登録UEのSCell使用設定」と称することもある。PCellは、移動端末に対して、SCell候補セルの設定内容と、該セルの「CSG未登録UEのSCell使用設定」とを通知する。該セルのSCell候補セルの設定内容と「CSG未登録UEのSCell使用設定」とを受信した移動端末は、該SCell候補セルに対して、「CSG未登録UEのSCell使用設定」も考慮して、CSGアクセス制限を行う。
または、PCellがSCellに設定することを決定する前に、SCell候補セルを選択する。各セル(CC)において、CSG未登録の移動端末(UE)がSCellとして使用可能であるか否かの設定を可能とする。該設定を「CSG未登録UEのSCell使用設定」と称することもある。PCellは、SCell候補セルの「CSG未登録UEのSCell使用設定」が「使用不可能」である場合に、移動端末に対して、SCell候補セルの設定内容を通知する。
SCell候補セルの設定内容を受信した移動端末は、SCell候補セルとして設定内容が通知されたセルに対して、CSGアクセス制限を行う。該移動端末は、CSGアクセス制限の判断結果をPCellへ通知する。該判断結果を受信したPCellは、該判断結果に基づいて、SCellの決定を行うようにしてもよい。言い換えれば、PCellは、SCell候補セルの「CSG未登録UEのSCell使用設定」が「使用可能」である場合には、移動端末のCSGアクセス制限の判断結果を基にした、SCellの決定を行わないようにしてもよい。
CSG未登録UEのSCell使用設定の具体例として、以下の(1)~(3)の3つを開示する。(1)CSG未登録UEがSCellとして使用可能であるか否か。(2)CSG未登録UEがSCellとして使用可能な旨。具体例(1)と比較して、情報量が少なくなるという効果を得ることができる。(3)CSG未登録UEがSCellとして使用不可能な旨。具体例(1)と比較して、情報量が少なくなるという効果を得ることができる。
PCellが他のセルの「CSG未登録UEのSCell使用設定」を知る方法の具体例は、前述の実施の形態2の変形例1のPCellが他のセルの「SCell使用設定」を知る方法の具体例と同様であるので、説明を省略する。
「CSG未登録UEのSCell使用設定」の通知タイミングの具体例は、前述の実施の形態2の変形例1の「SCell使用設定」の通知タイミングの具体例と同様であるので、説明を省略する。
PCellは、SCellに設定することを決定する前に、SCell候補セルセットを選択してもよい。PCellが移動端末に対して通知するSCell候補セルの設定内容は、SCell候補セルセットの設定内容であってもよい。また、移動端末が行うCSGアクセス制限は、SCell候補セルセットに対してであってもよい。SCell候補セルセットの具体例は、前述の実施の形態2の変形例1と同様であるので、説明を省略する。
移動端末が、該SCell候補セルに対して、「CSG未登録UEのSCell使用設定」も考慮して、CSGアクセス制限を行う方法の具体例を以下に開示する。「CSG未登録UEのSCell使用設定」が使用可能であることを示す場合、移動端末は、CSG未登録であっても、SCell候補セルをSCellとして利用可能であると判断し、CSGアクセス制限を実行しないようにする。「CSG未登録UEのSCell使用設定」が使用不可能であることを示す場合、移動端末は、CSGアクセス制限を実行するようにする。
次に、図21を用いて、実施の形態5の変形例1における通信システムのシーケンスの具体例について説明する。図21は、実施の形態5の変形例1における通信システムのシーケンスの一例を示す図である。実施の形態5の変形例1では、前述の図14のステップST1401~ステップST1416の処理については実施の形態2と同様であるので、図示および説明を省略し、図14のステップST1417の処理から図示および説明を行う。また、図21に示すシーケンスは、図14、図15および図20に示すシーケンスと類似しているので、同一のステップについては、同一のステップ番号を付して、共通する説明を省略する。
本動作例においては、セル1およびセル2を含む複数のセル(CC)を有する基地局Aが存在し、基地局A内のセル1を移動端末(UE)がベストセルとして選択してキャンプオンし、通信を開始した後、セル2がSCellとして設定される場合について説明する。
移動端末がCSGアクセス制限を行う方法の具体例として、SCell候補セルとしての設定内容中のSCell候補セルのCSG-indicationおよびCSG-IDを用いたアクセス制限を行う場合について開示する。移動端末が、CSGアクセス制限の判断結果をPCellへ通知する際の条件の具体例として、CSGアクセス制限を行った場合について開示する。移動端末が、CSGアクセス制限の判断結果をPCellへ通知する方法の具体例として、「アクセス可能」および「アクセス不可能」ともに既存のRRCシグナリングである「RRC Connection Reconfiguration complete」を用いる場合について開示する。
PCellが他のセルの「CSG未登録UEのSCell使用設定」を知る方法の具体例として、各セルが基地局の制御部に対して、自セルの「CSG未登録UEのSCell使用設定」を通知する場合について開示する。「CSG未登録UEのSCell使用設定」の通知タイミングの具体例として、基地局設置時の場合について開示する。
ステップST1501において、基地局が設置される。本動作例では、セル1およびセル2を含む複数のセル(CC)を有する基地局Aが設置される。
ステップST2101およびステップST2102において、基地局内の各セルは、基地局内の制御部に対して、自セルの設定を通知する。自セルの設定には、「CSG未登録UEのSCell使用設定」が含まれる。本動作例では、ステップST2101において、セル1は、制御部に対して、セル1の「CSG未登録UEのSCell使用設定」を通知する。ステップST2102において、セル2は、制御部に対して、セル2の「CSG未登録UEのSCell使用設定」を通知する。
次いで、前述の図14に示すステップST1401~ステップST1407の処理が行われ、移動端末(UE)が、基地局A内のセル1をベストセルとして選択し、キャンプオンする。次いで、前述の図14に示すステップST1408~ステップST1416の処理が行われた後、ステップST1417に移行する。
ステップST1417において、PCellであるセルは、該移動端末と通信を開始する。本動作例では、セル1は、PCellとして、該移動端末と通信を開始する。
ステップST1504において、PCellであるセルは、他のセルをSCell候補として選択する。本動作例では、PCellとなったセル1は、セル2をSCell候補として選択する。
ステップST2103において、PCellであるセルは、制御部に対して、ステップST1504において選択したSCell候補のセルの設定について問合せる。PCellであるセルは、制御部に対して、SCell候補の「CSG未登録UEのSCell使用設定」について問合せるようにしてもよい。本動作例では、PCellであるセル1は、制御部に対して、SCell候補として選択したセル2の「CSG未登録UEのSCell使用設定」について問合せる。
ステップST2104において、制御部は、PCellであるセルに対して、ステップST2103の問合せに対する応答を行う。制御部は、PCellであるセルに対して、問合せ対象セルの「CSG未登録UEのSCell使用設定」を通知するようにしてもよい。本動作例では、制御部は、PCellであるセル1に対して、問合せ対象セルであるセル2の「CSG未登録UEのSCell使用設定」を通知する。
ステップST2105において、PCellであるセルは、移動端末へ個別RRCシグナリングを用いて、SCell候補セルと、SCell候補セルの設定内容とを通知する。本動作例では、個別RRCシグナリングの「RRC Connection Reconfiguration message」を用いて、SCell候補セルとしてセル2と、セル2の設定内容とを通知する。その際、セル2のシステム情報、および「CSG未登録UEのSCell使用設定」も合わせて通知する。具体的には、セル2へのアクセスに関する情報、例えばCSGアイデンティティとしてCSG-ID_セル2などが通知され、CSGインジケーションとしてCSG-indication_セル2などが通知される。
ステップST2106において、セル2は、傘下の移動端末に対して、SIBを報知する。その際、セル2の「CSG未登録UEのSCell使用設定」も合わせて報知するようにしてもよい。具体的には、セル2へのアクセスに関する情報、例えばCSGアイデンティティとしてCSG-ID_セル2などが報知され、CSGインジケーションとしてCSG-indication_セル2などが報知される。本動作例においては、SCell候補セルとしての設定内容中のSCell候補セルのCSG-indicationおよびCSG-IDを用いたアクセス制限を行う場合について開示する。したがって、移動端末は、セル2からの報知情報を受信してもよいし、受信しなくてもよい。
ステップST2107において、移動端末(UE)は、ステップST2105において受信したSCell候補セルが、CSG未登録UEにおいてSCellとして使用可能であるか否かを判断する。該判断には、ステップST2105においてセルから受信した「CSG未登録UEのSCell使用設定」を用いる。
移動端末(UE)は、ステップST2107において、ステップST2105において受信したSCell候補セルが、CSG未登録UEにおいてSCellとして使用可能であると判断した場合は、ステップST2005へ移行する。移動端末は、ステップST2107において、ステップST2105において受信したSCell候補セルが、CSG未登録UEにおいてSCellとして使用不可能であると判断した場合は、ステップST2003へ移行する。
以上の実施の形態5の変形例1によって、前述の実施の形態5の効果に加えて、以下の効果を得ることができる。基地局内のセル単位で、CSG未登録のUEがSCellとして使用可能であるか否かの設定を行うことが可能となる。これによって、よりきめ細やかなセル運営を実現することができる。
本変形例は、前述の実施の形態1と組み合わせて用いることができる。
実施の形態6.
実施の形態6では、前述の実施の形態3と同じ課題、すなわち前述の実施の形態2を用いた場合に発生する課題について、さらに別の解決策を開示する。実施の形態6での解決策を以下に示す。本実施の形態では、前述の実施の形態2の課題を、実施の形態2の解決策と異なる方法を用いて解決する。
実施の形態6では、前述の実施の形態3と同じ課題、すなわち前述の実施の形態2を用いた場合に発生する課題について、さらに別の解決策を開示する。実施の形態6での解決策を以下に示す。本実施の形態では、前述の実施の形態2の課題を、実施の形態2の解決策と異なる方法を用いて解決する。
基地局(セル)が移動端末のCSG登録状況を考慮してSCellを設定する。これによって、移動端末が、未登録のCSGに属するセルを、該移動端末に対してSCellとして設定することを防ぐことができる。したがって、キャリアアグリゲーションを用いて通信速度の向上を実現しつつ、セルが属するCSGに未登録の移動端末がSCellとして該セルのリソースを用いることを防ぐことが可能となる。移動端末のCSG登録状況は、移動端末(UE)のSCell候補セルへのアクセスの許可状況に相当する。
基地局(セル)が移動端末のCSG登録状況を考慮して、SCellを設定する方法の具体例を以下に開示する。セルは、CSGに属さないセル(CC)を、SCellとして設定可能とする。セルは、CSGに属するセル(CC)のうち、オープンアクセスモードで動作するセル(CC)、あるいはハイブリッドアクセスモードで動作するセル(CC)をSCellとして設定可能とする。セルは、CSGに属するセル(CC)のうち、該移動端末が登録しているCSGと同じCSGに属するセル(CC)を、SCellとして設定可能とする。セルは、CSGに属するセル(CC)のうち、クローズドアクセスモードで動作するセル(CC)であって、該移動端末が未登録のCSGに属するセル(CC)を、SCellとして設定不可能とする。
基地局(セル)は、CSGに属するセル(CC)のうち、ハイブリッドアクセスモードで動作するセル(CC)をSCellとして設定する場合、以下のようにしてもよい。セルの属するCSGに登録の移動端末に、未登録の移動端末より優先して、該セル(CC)をSCellとして設定可能とする。
PCellが、他のセルがCSGに属するか否か、他のセルがCSGに属する場合の動作モード、および他のセルがCSGに属する場合のCSG-IDを知る方法の具体例として、以下の(1)~(3)の3つを開示する。
(1)PCellがSCellに設定することを決定する前に、SCell候補セルを選択する。PCellは、SCell候補セルへ、SCell候補セルがCSGに属するか否か、SCell候補セルが属するCSG-ID、およびSCell候補セルの動作モードを問合せる。
「CSGインジケーション」および「CSG-ID」を問合せてもよい。その場合、SCellからの応答にCSG-IDが含まれず、CSGインジケーションが「FALSE」である場合は、該SCellがCSGに属さない旨、あるいはCSGに属する場合であってオープンアクセスモードで動作することが示されたと判断すればよい。またSCellからの応答にCSG-IDがあり、CSGインジケーションが「TRUE」である場合は、該SCellがCSGに属する場合であってクローズドアクセスモードで動作することが示されたと判断すればよい。またSCellからの応答にCSG-IDがあり、CSGインジケーションが「FALSE」である場合は、該SCellがCSGに属する場合であってハイブリッドアクセスモードで動作することが示されたと判断すればよい。
PCellは、SCellに設定することを決定する前に、SCell候補セルセットを選択してもよい。この場合、SCell候補セルセットに対して、前記問合せを行えばよい。
(2)各セルが基地局の制御部に対して、自セルが「CSGに属するか否か」、CSGに属する場合の「CSG-ID」、およびCSGに属する場合の「動作モード」を通知する。PCellがSCellに設定することを決定する前に、SCell候補セルを選択する。PCellは、制御部へ、SCell候補セルがCSGに属するか否か、SCell候補セルが属するCSG-ID、および動作モードを問合せる。「CSGインジケーション」および「CSG-ID」を問合せてもよい。「CSGインジケーション」および「CSG-ID」の組み合わせが示す情報は、前述の具体例(1)と同様である。PCellは、SCellに設定することを決定する前に、SCell候補セルセットを選択してもよい。この場合、SCell候補セルセットに対して、前記問合せを行えばよい。
(3)各セルが他のセルに対して、自セルが「CSGに属するか否か」、CSGに属する場合の「CSG-ID」、およびCSGに属する場合の「動作モード」を通知する。「CSGインジケーション」および「CSG-ID」を通知してもよい。「CSGインジケーション」および「CSG-ID」の組み合わせが示す情報は、前述の具体例(1)と同様である。
前記具体例(1)~(3)中の「CSGに属するか否か」は、「CSGに属する旨」、あるいは「CSGに属さない旨」であってもよい。
「CSGに属するか否か」、「CSG-ID」、および「動作モード」の通知タイミングの具体例は、前述の実施の形態2の変形例1の「SCell使用設定」の通知タイミングの具体例と同様であるので、説明を省略する。
基地局(セル)が移動端末のCSG登録状況を知る方法の具体例として、以下の(1),(2)の2つを開示する。
(1)基地局(セル)は、MME経由で移動端末のCSG登録状況を知る。MMEは、セルへ、該セル経由で通話中、通信中、あるいはCONNECTED中の移動端末のCSG登録状況を通知するようにしてもよい。該通知は、セルが含まれる基地局が属する1つまたは複数のCSGに対する、該移動端末の登録状況であってもよい。これによって、該セルにてSCellの選択に用いることのない情報の通知が行われないこととなり、通信リソースを有効に活用することができるという効果を得ることができる。該通知のトリガの具体例として、以下の(a1),(a2)の2つを開示する。
(a1)MMEが自発的に通知する。(a2)セルが行うMMEへの要求をトリガに、MMEが通知する。セルは、SCell候補セルの決定の際に、該要求を行ってもよい。また、セルは、SCell候補セルの属するCSGに対する、該移動端末の登録状況の通知を要求してもよい。その場合は、MMEは、SCell候補セルの属するCSGに対する、該移動端末の登録状況を通知すればよい。
(2)基地局(セル)は、UE経由で移動端末のCSG登録状況を知る。通話中、あるいは通信中、あるいはCONNECTED中の移動端末は、セルへ、移動端末のCSG登録状況を通知するようにしてもよい。該通知のトリガの具体例として、以下の(b1),(b2)の2つを開示する。
(b1)移動端末が自発的に通知する。(b2)セルが行う移動端末への要求をトリガに、移動端末が通知する。セルは、セルが含まれる基地局が属する1つまたは複数のCSGに対する、該移動端末の登録状況の通知を要求してもよい。その場合は、移動端末は、セルが含まれる基地局が属する1つまたは複数のCSGに対する、該移動端末の登録状況を通知すればよい。これによって、該セルにてSCellの選択に用いることのない情報の通知が行われないこととなり、無線リソースを有効に活用することができるという効果を得ることができる。また、セルは、SCell候補セルの決定の際に、該要求を行ってもよい。また、セルは、SCell候補セルの属するCSGに対する、該移動端末の登録状況の通知を要求してもよい。その場合は、移動端末はSCell候補セルの属するCSGに対する、該移動端末の登録状況を通知すればよい。
基地局(セル)が移動端末のCSG登録状況をMME経由で知る場合の通知方法の具体例を、以下に開示する。「UE Context」を用いる。非特許文献11に開示されている、MMEから基地局へ通知される「UE Context」のセットアップ要求である「INITIAL CONTEXT SETUP REQUEST」、あるいは「UE context modification」を用いてもよい。この方法は、新たなシグナリングを設ける必要がない点において有効であり、通信システムが複雑化することを回避することができる。
また、該移動端末の登録状況を通知するために、「INITIAL CONTEXT SETUP REQUEST」に含まれる「CSG membership Status」を用いるとよい。これによって、追加パラメータが不要となり、後方互換性(バックワードコンパチビリティ)に優れた通信システムを構築することが可能となる。また、「UE context modification」中に「CSG membership Status」を新設するとよい。これによって、移動端末が該基地局(セル)と最初に通信を開始する際以外の「UE Context」の変更時においても、基地局(セル)が移動端末のCSG登録状況をMME経由で知ることができる。したがって、柔軟な通信システムの構築が可能となるという効果を得ることができる。
既存のパラメータに対して変更が必要な点の具体例として、以下の(1)~(3)の3つを開示する。便宜上「INITIAL CONTEXT SETUP REQUEST」について説明するが、「UE context modification」も同様である。
(1)従来の技術においては、移動端末がハイブリッドアクセスモードで動作するセル経由でアクセスされる場合に、既存のパラメータである「CSG membership Status」が「INITIAL CONTEXT SETUP REQUEST」に含まれる。したがって、従来の技術においては、移動端末がCSGに属さないセル経由、あるいはCSGに属するセルのうち、オープンアクセスモードで動作するセル経由、あるいはCSGに属するセルのうち、クローズドアクセスモードで動作するセル経由でアクセスされる場合に、MMEがセルに対して該移動端末の登録状況を通知することができない。
そこで、移動端末のアクセスの経由セルによらず、全ての場合で「INITIAL CONTEXT SETUP REQUEST」に「CSG membership Status」を含めることとする。これによって、移動端末がCSGに属さないセル経由、あるいはCSGに属するセルのうち、オープンアクセスモードで動作するセル経由、あるいはCSGに属するセルのうち、クローズドアクセスモードで動作するセル経由でアクセスされる場合であっても、MMEがセルに対して該移動端末の登録状況を通知することができるようになる。
「CSG membership Status」とは別のパラメータを新設してもよい。あるいは、移動端末がキャリアアグリゲーション可能なセル経由でアクセスされる場合に、「INITIAL CONTEXT SETUP REQUEST」に「CSG membership Status」を含めるようにしてもよい。これによって、該セルにてSCellの選択に用いることのない情報の通知が行われないこととなり、通信リソースを有効に活用することができるという効果を得ることができる。
(2)従来の技術においては、移動端末がアクセス時に経由するセルに対する「CSG membership Status」が通知される。したがって、従来の技術においては、MMEがセルに対して、該セルが属するCSG以外の移動端末のCSG登録状況を通知することはできない。
そこで、「INITIAL CONTEXT SETUP REQUEST」の「CSG membership Status」に、移動端末のアクセスの経由セルによらず、UEが登録する全てのCSG-IDの登録状況を含めるようにしてもよい。これによって、アクセス時に経由するセルが属するCSG以外のCSGに対する移動端末の登録状況を通知することができるようになる。「CSG membership Status」とは別のパラメータを新設してもよい。
あるいは、移動端末のアクセス時に経由するセルが含まれる基地局内の他のセルが属するCSGについての移動端末の登録状況を通知してもよい。これによって、該セルにてSCellの選択に用いることのない情報の通知が行われないこととなり、通信リソースを有効に活用することができるという効果を得ることができる。
(3)前記(1)と(2)との組み合わせ。
MMEの動作の具体例を以下に開示する。MMEは、基地局においてSCellに設定されたセルを通しての移動端末のアクセスコントロールをPCellが実行したものとして、MMEにおけるCSGアクセスコントロールの実行を省略する。MMEは、PCellを通しての移動端末のアクセスコントロールのみを実行するようにしてもよい。MMEは、CSGに属するPCellを通しての移動端末のアクセスコントロールのみを実行するようにしてもよい。MMEは、CSGセルであるPCellを通しての移動端末のアクセスコントロールのみを実行するようにしてもよい。
移動端末の動作の具体例を以下に開示する。移動端末は、SCellとして設定内容が通知されたセルに対して、自移動端末がアクセス可能なセルであるとして、移動端末におけるCSGアクセスコントロールの実行を省略する。移動端末がCSGアクセス制限を省略する方法の具体例は、前述の実施の形態3と同様であるので、説明を省略する。
次に、図22を用いて、実施の形態6における通信システムのシーケンスの具体例について説明する。図22は、実施の形態6における通信システムのシーケンスの一例を示す図である。実施の形態6では、前述の図14のステップST1401~ステップST1416の処理については実施の形態2と同様であるので、図示および説明を省略し、図14のステップST1417の処理から図示および説明を行う。また、図22に示すシーケンスは、図14、図15および図19に示すシーケンスと類似しているので、同一のステップについては、同一のステップ番号を付して、共通する説明を省略する。
本動作例においては、セル1およびセル2を含む複数のセル(CC)を有する基地局Aが存在し、基地局A内のセル1をUEがベストセルとして選択してキャンプオンし、通信を開始した後、セル2がSCellとして設定される場合について説明する。PCellが、他のセルがCSGに属するか否か、他のセルがCSGに属する場合のCSG-ID、および他のセルがCSGに属する場合の動作モードを知る方法の具体例として、各セルが基地局の制御部に対して、自セルの「CSGインジケーション」および「CSG-ID」を通知する場合について開示する。「CSGインジケーション」および「CSG-ID」の通知タイミングの具体例として、基地局設置時の場合について開示する。基地局(セル)が移動端末のCSG登録状況を知る方法の具体例として、MME経由で移動端末のCSG登録状況を知る場合について開示する。また、基地局(セル)が移動端末のCSG登録状況をMME経由で知る場合の通知方法の具体例として、「INITIAL CONTEXT SETUP REQUEST」を用いる場合について開示する。
前述の図15に示すステップST1501、図19に示すステップST1901およびステップST1902の処理が行われた後、前述の図14に示すステップST1401~ステップST1407の処理が行われ、移動端末(UE)が、基地局A内のセル1をベストセルとして選択し、キャンプオンする。
ステップST2201において、MMEは、基地局(セル)に対して、該移動端末の「UE Context」のセットアップをリクエストする。MMEは、PCellに対して、該移動端末の「UE Context」のセットアップをリクエストするようにしてもよい。また、MMEは、基地局(セル)に対して、該移動端末のCSG登録状況を通知してもよい。該リクエストには、「INITIAL CONTEXT SETUP REQUEST」を用いてもよい。また、「INITIAL CONTEXT SETUP REQUEST」には、「CSG Membership Status」が含まれていてもよい。
次いで、前述の図14に示すステップST1408~ステップST1416の処理が行われた後、ステップST1417において、PCellであるセルは、該移動端末(UE)と通信を開始する。本動作例では、セル1は、PCellとして、該移動端末と通信を開始する。
次いで、ステップST1504およびステップST1903~ステップST1905の処理が行われた後、ステップST1906において、PCellであるセルは、ステップST1504において選択したSCell候補のセルのCSGインジケーションが「TRUE」であるか否かを判断する。言い換えれば、PCellであるセルは、該SCellのアクセスモードがクローズドアクセスモードであるか否かを判断する。該判断には、ステップST1904において制御部から受信した問合せに対する応答結果を用いる。
PCellであるセルは、ステップST1906において、ステップST1504において選択したSCell候補のセルのCSGインジケーションが「TRUE」でない、つまり「FALSE」であると判断した場合は、ステップST1508へ移行する。言い換えれば、PCellであるセルは、ステップST1906において、ステップST1504において選択したSCell候補のセルの動作モードがオープンアクセスモード、あるいはハイブリッドアクセスモードであると判断した場合は、ステップST1508へ移行する。
またPCellであるセルは、ステップST1906において、ステップST1504において選択したSCell候補のCSGインジケーションが「TRUE」であると判断した場合は、ステップST2202へ移行する。言い換えれば、PCellであるセルは、ステップST1906において、ステップST1504において選択したSCell候補のセルの動作モードがクローズドアクセスモードであると判断した場合は、ステップST2202へ移行する。
ステップST2202において、PCellであるセルは、ステップST1504において選択したSCell候補のセルが属するCSGに、該移動端末が登録しているか否かを判断する。該判断のSCell候補のセルが属するCSGには、ステップST1904において制御部から受信した問合せに対する応答結果を用いる。また、該判断の該移動端末のCSG登録状況には、ステップST2201においてMMEから受信した通知を用いる。
PCellであるセルは、ステップST2202において、該移動端末が、該SCell候補のセルが属するCSGに登録していると判断した場合は、ステップST1508へ移行する。PCellであるセルは、ステップST2202において、該移動端末が該SCell候補のセルが属するCSGに未登録であると判断した場合は、別のセルをSCell候補のセルとして選択するために、ステップST1504へ戻る。
ステップST1905、ステップST1906およびステップST2202の処理によって、本実施の形態の特徴である、CSGに属さないセル(CC)、あるいはCSGに属するセル(CC)のうち、オープンアクセスモードで動作するセル(CC)、あるいはCSGに属するセル(CC)のうち、ハイブリッドアクセスモードで動作するセル(CC)、あるいはCSGに属するセル(CC)のうち、該移動端末が登録しているCSGと同じCSGに属するセル(CC)を、SCellとして設定可能とすることを実現する。あるいは、CSGに属するセル(CC)のうち、クローズドアクセスモードで動作するセル(CC)であって、該移動端末が未登録のCSGに属するセル(CC)を、SCellとして設定不可能とすることを実現する。
以上の実施の形態6によって、以下の効果を得ることができる。前述の実施の形態3と同様に、SCellについても、利用可能な加入者をオペレータが特定することを実現することができる。また、CSGに属することにより、受けたいサービス、あるいは適用したい課金設定といったユーザの意思を尊重したユーザフレンドリーな通信システムの構築が可能となる。また同時に、前述の実施の形態2と同様に、キャリアアグリゲーションを用いた通信速度の向上を実現しつつ、通信システムとしての動作を安定させることができ、適切なサービスの提供を行うことが可能となる。
本実施の形態は、前述の実施の形態1と組み合わせて用いることができる。
実施の形態7.
実施の形態7では、前述の実施の形態2と同じ課題について、別の解決策を開示する。実施の形態7での解決策を以下に示す。各セル(CC)は、セル(CC)毎にCSG-IDを設定不可能とする。同じ基地局に含まれる1つあるいは複数のセル(CC)は、1つのCSGに属するとする。キャリアアグリゲーション可能な基地局において、各セル(CC)は、セル(CC)毎にCSG-IDを設定不可能としてもよい。キャリアアグリゲーション可能な基地局に含まれる1つあるいは複数のセル(CC)は、1つのCSGに属するとしてもよい。
実施の形態7では、前述の実施の形態2と同じ課題について、別の解決策を開示する。実施の形態7での解決策を以下に示す。各セル(CC)は、セル(CC)毎にCSG-IDを設定不可能とする。同じ基地局に含まれる1つあるいは複数のセル(CC)は、1つのCSGに属するとする。キャリアアグリゲーション可能な基地局において、各セル(CC)は、セル(CC)毎にCSG-IDを設定不可能としてもよい。キャリアアグリゲーション可能な基地局に含まれる1つあるいは複数のセル(CC)は、1つのCSGに属するとしてもよい。
MMEの動作の具体例を以下に開示する。MMEは、基地局においてSCellに設定されたセルを通しての移動端末のアクセスコントロールを、PCellを通しての移動端末のアクセスコントロールと同様として、実行を省略する。MMEは、PCellを通しての移動端末のアクセスコントロールのみを実行するようにしてもよい。MMEは、CSGに属するPCellを通しての移動端末のアクセスコントロールのみを実行するようにしてもよい。MMEは、CSGセルであるPCellを通しての移動端末のアクセスコントロールのみを実行するようにしてもよい。
基地局の動作の具体例として、以下の(1),(2)の2つを開示する。
(1)基地局は、キャリアアグリゲーションを行う場合、基地局内のいずれのセルをもSCellとして設定可能とする。また、基地局は、キャリアアグリゲーションを行う場合、基地局内にCSGに属するセルが含まれる場合であっても、いずれのセルをもSCellとして設定可能とする。
(2)基地局は、キャリアアグリゲーションを行う場合、基地局内のいずれのセルをもSCellとしてアクティブ可能とする。また、基地局は、キャリアアグリゲーションを行う場合、基地局内にCSGに属するセルが含まれる場合であっても、いずれのセルをもSCellとしてアクティブ可能とする。
セル(PCell)から移動端末へのSCellとしての設定において、SCellのCSG-indication、およびCSG-IDを通知しないようにしてもよい。
移動端末の動作の具体例を以下に開示する。移動端末は、SCellとして設定内容が通知されたセルに対して、PCellのアクセスコントロールと同様として、移動端末におけるCSGアクセスコントロールの実行、すなわちCSGアクセス制限を省略する。移動端末がCSGアクセス制限を省略する方法の具体例は、前述の実施の形態3と同様であるので、説明を省略する。
実施の形態7における通信システムのシーケンスの具体例については、図14に示すシーケンスと同様であるので、説明を省略する。
以上の実施の形態7によって、以下の効果を得ることができる。前述の実施の形態3と同様に、SCellについても、利用可能な加入者をオペレータが特定することを実現することができる。また、CSGに属することにより、受けたいサービス、あるいは適用したい課金設定といったユーザの意思を尊重したユーザフレンドリーな通信システムの構築が可能となる。また同時に、前述の実施の形態2と同様に、キャリアアグリゲーションを用いた通信速度の向上を実現しつつ、通信システムとしての動作を安定させることができ、適切なサービスの提供を行うことが可能となる。
また実施の形態7では、前述の実施の形態3、実施の形態4、実施の形態5、実施の形態6と比較して、移動端末、あるいは基地局での通信システムとしての制御が容易である。したがって、実施の形態3、実施の形態4、実施の形態5、実施の形態6と比較して、制御遅延防止の効果を得ることができる。
実施の形態8.
前述の非特許文献1には、LTEシステム内でのハンドオーバには、X2インタフェースによるハンドオーバ(X2ハンドオーバとも称される)と、S1インタフェースによるハンドオーバ(S1ハンドオーバとも称される)とがあることが開示されている。また、eNBあるいはHeNBから、CSGセルあるいはハイブリッドセルへの移動は、S1ハンドオーバを用いることが開示されている。
前述の非特許文献1には、LTEシステム内でのハンドオーバには、X2インタフェースによるハンドオーバ(X2ハンドオーバとも称される)と、S1インタフェースによるハンドオーバ(S1ハンドオーバとも称される)とがあることが開示されている。また、eNBあるいはHeNBから、CSGセルあるいはハイブリッドセルへの移動は、S1ハンドオーバを用いることが開示されている。
図23は、非特許文献1に開示されている、eNBあるいはHeNBから、CSGセルあるいはハイブリッドセルへのハンドオーバ方法に関する通信システムのシーケンスを示す図である。
ステップST2300において、ソースeNBは、移動端末(UE)と通信を開始する。ステップST2301において、ソースeNBは、移動端末にメジャメント設定(measurement configuration)を通知する。
ステップST2313において、移動端末は、ステップST2301で通知されたメジャメント設定に従って、メジャメント報告(Measurement Report)を行う。該メジャメント報告には、測定(measurement、メジャメント)対象セルのPCIなどが含まれる。
ステップST2314において、ソースeNBは、必要に応じて、測定対象セルのシステム情報を受信して報告することを要求するメジャメント設定の再設定(Reconfiguration)を行う。ソースeNBは、必要に応じて測定ギャップを設定する。測定ギャップとは、移動端末が他のシステムあるいは他の周波数を測定するために、現在サービスを受けている周波数におけるデータの送受信を中断する期間である。
ステップST2302において、移動端末は、ステップST2314で通知されたメジャメント再設定に従って、メジャメント報告(measurement report)を行う。該メジャメント報告には、メジャメント対象セルのCSG-ID、およびメジャメント対象セルに対するメンバーインジケーション(Member Indication)が含まれる。メンバーインジケーションとは、移動端末がターゲットセルから受信したCSG-IDと移動端末内のホワイトリストとに基づいて判断したメンバーシップステータス(membership status)である。メジャメント対象セルのCSG-IDなどは、移動端末がメジャメント対象セルのシステム情報を受信することによって得ることができる。
ステップST2303において、ソースeNBは、ステップST2302で移動端末から受信したメジャメント報告を考慮してハンドオーバ(HO)決定を行う。
ステップST2304において、ソースeNBは、MMEに対して、ハンドオーバリクエストを通知する。ハンドオーバリクエストは、ハンドオーバリクワイヤ(Handover required)とも称される。該ハンドオーバリクエストには、ステップST2303で決定したターゲットセルのCSG-IDが含まれる。ターゲットセルがハイブリッドセルである場合、該ハンドオーバリクエストには、ターゲットセルのアクセスモード(Cell Access Mode)が含まれる。
ステップST2305において、MMEは、アクセスコントロールを実行する。具体的には、MMEは、ステップST2304で受信したターゲットセルのCSG-IDに該移動端末が登録しているか否かを判断することによって、該移動端末がターゲットセルにアクセス可能か否かを判断する。ターゲットセルのCSG-IDに移動端末が登録しているか否かの判断には、MMEに保存されている移動端末のCSG登録データ(CSG subscription data)が用いられる。
ステップST2306において、MMEは、ステップST2305でのアクセスコントロールの結果、すなわち移動端末がターゲットセルにアクセス可能か否かの判断の結果を考慮して、ハンドオーバ可能か否かを判断する。
具体的には、MMEは、ステップST2305において、該移動端末がターゲットセルにアクセス不可能と判断した場合には、ステップST2306において、ハンドオーバ不可能と判断する。MMEは、ステップST2306においてハンドオーバ不可能と判断した場合、処理を終了し、他の処理へ移行する。他の処理については、本開示の特徴的部分ではないので、説明を省略する。
MMEは、ステップST2305において、該移動端末がターゲットセルにアクセス可能と判断した場合には、ステップST2306において、ハンドオーバ可能と判断し、ステップST2307へ移行する。
ステップST2307において、MMEは、ターゲットセルであるターゲットeNBへ、ハンドオーバリクエスト(Handover request)を通知する。該ハンドオーバリクエストには、ソースeNBから受信した、ターゲットeNBのCSG-IDが含まれる。ターゲットeNBがハイブリッドセルである場合、該ハンドオーバリクエストには、メンバーシップステータスが含まれる。
ステップST2308において、ターゲットeNBは、ステップST2307で受信したハンドオーバリクエスト中に含まれるCSG-IDと、自eNBが報知しているCSG-IDとが、同じであるか否かを判断する。以下、該判断を「CSG-IDのチェック」と称することもある。
ステップST2309において、ターゲットeNBは、ステップST2308での判断の結果を用いて、CSG-IDのチェック結果がOKか否か、すなわち良好か否かを判断する。ターゲットeNBは、ステップST2308において、CSG-IDが同じであると判断した場合、ステップST2309において、CSG-IDのチェック結果が良好であると判断して、ステップST2310へ移行する。ターゲットeNBは、ステップST2308において、CSG-IDが同じでない、すなわち異なると判断した場合、ステップST2309において、CSG-IDのチェック結果が良好でないと判断して、処理を終了し、他の処理へ移行する。他の処理については、本開示の特徴的部分ではないので、説明を省略する。
ステップST2310において、ターゲットeNBは、MMEに対して、ハンドオーバリクエスト肯定応答(Handover Request Acknowledge)を通知する。ステップST2310においてターゲットeNBからハンドオーバリクエスト肯定応答を受信したMMEは、ステップST2311において、ソースeNBに対して、ハンドオーバコマンド(Handover Command)を通知する。ステップST2311においてMMEからハンドオーバコマンドを受信したソースeNBは、ステップST2312において、移動端末に対してハンドオーバコマンドを通知する。
非特許文献1には、PCellは、ハンドオーバによってのみ変更できる旨が記載されている。しかし、非特許文献1には、ハンドオーバ先のCC(セル)が属するCSGと、移動端末が属するCSGとの関係についての問題提起、および解決策の開示はない。
また、3GPP R2-104788(以下「非特許文献12」という)には、PCellは、再設定(Reconfiguration)において変更できるべきとの開示がある。しかし、非特許文献12には、ハンドオーバ先のCC(セル)が属するCSGと、移動端末が属するCSGとの関係についての問題提起、および解決策の開示はない。
実施の形態8で解決する課題について、以下に説明する。従来の技術では、同じ基地局(eNB)内のCSGセル、あるいはハイブリッドセルへのPCellの変更における、アクセスコントロールの適切な方法が開示されていない。また、前述のように、CSGセルを通しての移動端末のアクセスでは、MMEがアクセスコントロールを実行する。つまり基地局は、CSGのアクセス制限を行わない。そのため、セルが属するCSGに未登録のUEに対して、該セル(CC)をPCellの変更先のCCとする可能性がある。したがって、適切なサービスを提供することができないという課題が発生する。
実施の形態8での解決策を以下に示す。PCellの変更先のCC(以下「ターゲットCC」と称することもある)のアクセスコントロールをMMEが行う。PCell(以下「ソースCC」と称することもある)は、ターゲットCCのCSG-IDをMMEへ通知する。
ソースセル(PCell)は、ターゲットセルが同じ基地局内に存在するか否かによって、ターゲットCCのCSG-IDの入手方法を変更してもよい。あるいは、ソースセル(PCell)は、ターゲットセルが同じ制御部に制御されるか否かによって、ターゲットCCのCSG-IDの入手方法を変更してもよい。
ソースセルが、ターゲットセルが同じ基地局内に存在するか否かを判断する方法の具体例を以下に開示する。移動端末のメジャメント報告に含まれる、測定対象セル(ターゲットセル)のセル識別情報に基づいて判断する。セル識別情報の具体例としては、PCI、GCIなどがある。ソースセルと同じ基地局内に、測定対象セルのセル識別情報をもつセルが存在する場合は、ターゲットセルが同じ基地局内に存在すると判断する。ソースセルと同じ基地局内に、測定対象セルのセル識別情報をもつセルが存在しない場合は、ターゲットセルが同じ基地局内に存在しないと判断する。ソースセル内の判断主体は、ソースセル(PCell)、あるいは制御部であってもよい。
ターゲットセルがPCell(ソースCC)と同じ基地局内に存在しない場合に、PCellがターゲットCCのCSG-IDを知る方法の具体例を以下に開示する。移動端末のメジャメント報告から入手する。この具体例は、ターゲットセルがPCell(ソースCC)と同じ制御部に制御されない場合に、PCellがターゲットCCのCSG-IDを知る方法の具体例としても挙げられる。
ターゲットセルがPCell(ソースCC)と同じ基地局内に存在する場合に、PCellがターゲットCCのCSG-IDを知る方法の具体例として、以下の(1)~(4)の4つを開示する。以下の(1)~(4)の4つの具体例は、ターゲットセルがPCell(ソースCC)と同じ制御部に制御される場合に、PCellがターゲットCCのCSG-IDを知る方法の具体例としても挙げられる。
(1)移動端末のメジャメント報告から入手する。本具体例は、非特許文献1に開示されているeNBあるいはHeNBから、CSGセルあるいはハイブリッドセルへのハンドオーバ方法と類似している。したがって本具体例によれば、後述の具体例(2)~(4)と比較して、通信システムが複雑化することを回避することができるという効果を得ることができる。
(2)PCellは、ターゲットCCへ、「CSG-ID」を問合せる。これによって、PCellは、移動端末のメジャメント報告から測定対象セル(ターゲットCC)のCSG-IDを入手する必要がなくなる。また本具体例では、具体例(1)と異なり、移動端末が測定対象セルのシステム情報を受信する必要がなくなる。したがって、移動端末に測定ギャップを設ける必要がなくなり、移動端末の通信速度の低下を防止することが可能となるという効果を得ることができる。
(3)各セルが基地局の制御部に対して、自セルの「CSG-ID」を通知する。PCellは、制御部へ、ターゲットCCの「CSG-ID」を問合せる。これによって、PCellは、移動端末のメジャメント報告から測定対象セル(ターゲットCC)のCSG-IDを入手する必要がなくなる。また本具体例では、具体例(1)と異なり、移動端末が測定対象セルのシステム情報を受信する必要がなくなる。したがって、移動端末に測定ギャップを設ける必要がなくなり、移動端末の通信速度の低下を防止することが可能となるという効果を得ることができる。また、PCellからの問合せ前に、制御部が各セル(PCell)へ各セルの「CSG-ID」を通知してもよい。
(4)各セルが他のセルに対して、自セルの「CSG-ID」を通知する。これによって、PCellは、移動端末のメジャメント報告から測定対象セル(ターゲットCC)のCSG-IDを入手する必要がなくなる。また本具体例では、具体例(1)と異なり、移動端末が測定対象セルのシステム情報を受信する必要がなくなる。したがって、移動端末に測定ギャップを設ける必要がなくなり、移動端末の通信速度の低下を防止することが可能となるという効果を得ることができる。
前記具体例(2)~(4)は、PCell(ソースCC)とターゲットCCとが、同じ基地局内に存在するので、容易に実現可能となる。あるいは、PCell(ソースCC)とターゲットCCとが、同じ制御部に制御されるので、容易に実現可能となる。
ソースCCが、ターゲットCCのCSG-IDをMMEへ通知する方法の具体例として、以下の(1),(2)の2つを開示する。
(1)新たなS1シグナリングを設ける。新たに設けるS1シグナリングにマッピングするパラメータは、ターゲットCCのCSG-IDである。移動端末の識別子と共に通知されてもよい。移動端末の識別子は、UE-ID、IMSIであってもよい。
(2)既存のS1シグナリングを用いる。既存のシグナリングの具体例としては、ハンドオーバリクエストがある。ハンドオーバリクエストは、ハンドオーバリクワイヤ(Handover required)とも称される。本具体例は、非特許文献1に開示されているeNBあるいはHeNBから、CSGセルあるいはハイブリッドセルへのハンドオーバ方法と類似している。したがって本具体例によれば、通信システムが複雑化することを回避することができるという効果を得ることができる。
MMEは、ソースCCから受信したターゲットCCのCSG-IDを用いて、アクセスコントロールを実行する。
次に、図24を用いて、実施の形態8における通信システムのシーケンスの具体例について説明する。図24は、実施の形態8における通信システムのシーケンスの一例を示す図である。本実施の形態では、前述の図14のステップST1401~ステップST1416の処理については実施の形態2と同様であるので、図示および説明を省略する。また、図24に示すシーケンスは、図23に示すシーケンスと類似しているので、同一のステップについては、同一のステップ番号を付して、共通する説明を省略する。
本動作例においては、セル1およびセル2を含む複数のセル(CC)を有する基地局Aが存在し、基地局A内のセル1をUEがベストセルとして選択してキャンプオンし、通信を開始した後、セル2がPCellの変更先のCCとされる場合について説明する。PCellがターゲットCCのCSG-IDを知る方法の具体例として、各セルが基地局の制御部に対して、自セルの「CSG-ID」を通知する場合について開示する。
ステップST2400において、基地局が設置される。本動作例では、セル1およびセル2を含む複数のセル(CC)を有する基地局Aが設置される。ステップST2401およびステップST2402において、基地局内の各セルは、基地局内の制御部に対して、自セルの設定を通知する。自セルの設定には、「CSG-ID」が含まれる。本動作例では、ステップST2401において、セル1は、制御部に対して、セル1の「CSG-ID」を通知する。ステップST2402において、セル2は、制御部に対して、セル2の「CSG-ID」を通知する。
次いで、前述の図14に示すステップST1401~ステップST1416の処理が行われた後、ステップST2300において、ソースeNBであるソースCCは、移動端末(UE)と通信を開始する。本動作例では、セル1は、ソースセル(PCell)であるソースCCとして、該移動端末(UE)と通信を開始する。
ステップST2403において、ソースCC(セル1)は、移動端末(UE)にメジャメント設定(measurement configuration)を通知する。ステップST2404において、移動端末(UE)は、ステップST2403で通知されたメジャメント設定に従って、ソースCC(セル1)に、メジャメント報告(measurement report)を行う。該メジャメント報告には、メジャメント対象セルである測定対象セルのPCIなどが含まれる。
ステップST2303において、ソースeNBであるソースCC(セル1)は、ステップST2404で移動端末(UE)から受信したメジャメント報告を考慮してハンドオーバ決定を行う。また、ソースセル(PCell)であるソースCC(セル1)は、ターゲットセルが同じ基地局内に存在するか否かを判断し、ターゲットCCのCSG-IDの入手方法を決定してもよい。本動作例では、ソースCC(セル1)は、ターゲットCC(セル2)が同じ基地局内に存在すると判断する。
また、本動作例では、ターゲットCCのCSG-IDの入手方法として、各セルが基地局の制御部に対して、自セルの「CSG-ID」を通知する方法を選択する。この場合、ソースCCは、移動端末(UE)に対して、図23のステップST2314における、測定対象セルのシステム情報を受信して報告することを要求するメジャメント設定の再設定を実行しない。これによって、移動端末が測定対象セルのシステム情報を受信する必要がなくなる。したがって、移動端末に測定ギャップを設ける必要がなくなり、移動端末の通信速度の低下を防止することが可能となるという効果を得ることができる。これは、PCellがターゲットCCのCSG-IDを制御部などから得るからである。また、CSG-IDの入手方法の決定は、ハンドオーバ決定とは別に行ってもよい。
ステップST2405において、セルは、制御部に対して、ステップST2303で決定したターゲットCCの設定について問合せる。セルは、制御部に対して、ターゲットCCの「CSG-ID」および「アクセスモード」について問合せるようにしてもよい。本動作例では、PCellであるセル1は、制御部に対して、ターゲットCCとして選択したセル2の「CSG-ID」および「アクセスモード」について問合せる。「CSG-ID」および「アクセスモード」を問合せる代わりに、「CSG-ID」および「CSGインジケーション」を問合せてもよい。
ステップST2406において、制御部は、セルに対して、ステップST2405の問合せに対する応答を行う。制御部は、セルに対して、問合せ対象セルの「CSG-ID」および「アクセスモード」を通知するようにしてもよい。本動作例では、制御部は、PCellであるセル1に対して、問合せ対象セルであるセル2の「CSG-ID」および「アクセスモード」を通知する。「CSG-ID」および「アクセスモード」を通知する代わりに、「CSG-ID」および「CSGインジケーション」を通知してもよい。
ステップST2407において、PCellは、MMEに対して、ハンドオーバリクエストを通知する。ハンドオーバリクエストは、ハンドオーバリクワイヤ(Handover required)とも称される。該ハンドオーバリクエストには、ステップST2303で決定したターゲットCCのCSG-IDが含まれる。該ハンドオーバリクエストには、ターゲットCCのアクセスモード(Cell Access Mode)が含まれていてもよい。
ステップST2305において、MMEは、アクセスコントロールを実行する。具体的には、MMEは、ステップST2407で受信したターゲットCCのCSG-IDに該移動端末が登録しているか否かを判断することによって、該移動端末がターゲットCCにアクセス可能か否かを判断する。ターゲットCCのCGS-IDに移動端末が登録しているか否かの判断には、MMEに保存されている移動端末のCSG登録データ(CSG subscription data)が用いられる。移動端末のCGS登録データは、HSSへ問合せてもよいし、HSS内の保管情報を、移動端末のCGS登録データとして用いてもよい。アクセスコントロールは、例えば前述の図14に示すステップST1411~ステップST1414の処理であってもよい。
ステップST2306において、MMEは、前述のようにして、ステップST2305でのアクセスコントロールの結果を考慮して、ハンドオーバ可能か否かを判断する。MMEは、ハンドオーバ可能と判断した場合には、ステップST2408へ移行し、ハンドオーバ不可能と判断した場合には、処理を終了して他の処理へ移行する。
ステップST2408において、MMEは、ターゲットCCであるセル2へハンドオーバリクエスト(Handover request)を通知する。該ハンドオーバリクエストには、ソースeNBであるソースCCから受信した、ターゲットeNBであるターゲットCCのCSG-IDが含まれる。該ハンドオーバリクエストには、メンバーシップステータスが含まれていてもよい。ハンドオーバリクエストを用いることによって、前述の非特許文献1に開示されているeNBあるいはHeNBから、CSGセルあるいはハイブリッドセルへのハンドオーバ方法と類似することとなり、通信システムが複雑化することを回避することができるという効果を得ることができる。
ステップST2409において、ターゲットCCであるセル2は、CSG-IDのチェックを行う。具体的には、ターゲットCCであるセル2は、ステップST2408で受信したハンドオーバリクエスト中に含まれるCSG-IDと、自eNBが報知しているCSG-IDとが、同じであるか否かを判断する。あるいは、ハンドオーバ受入可能か否かの判断(以下「ハンドオーバ受入可否の判断」または「ハンドオーバ受入のチェック」と称することもある)を行ってもよい。またCSG-IDのチェック、およびハンドオーバ受入可否の判断の双方を行ってもよい。
ステップST2410において、ターゲットCCであるセル2は、ステップST2409での判断の結果を用いて、CSG-IDのチェック結果がOKか否か、すなわち良好であるか否かを判断する。ターゲットCCであるセル2は、ステップST2409において、CSG-IDが同じであると判断した場合、ステップST2410において、CGS-IDのチェック結果が良好であると判断して、ステップST2310へ移行する。ターゲットCCであるセル2は、ステップST2409において、CSG-IDが異なると判断した場合、ステップST2410において、CGS-IDのチェック結果が良好でないと判断して、処理を終了し、他の処理へ移行する。他の処理については、本開示の特徴的部分ではないので、説明を省略する。
ターゲットCCであるセル2は、ステップST2409において、ハンドオーバ受入可否の判断を行う場合には、ステップST2410において、ハンドオーバ受入可否の判断結果がOKか否か、すなわちハンドオーバ受入可能か否かを判断する。またステップST2409において、CSG-IDのチェック、およびハンドオーバ受入可否の判断の双方を行う場合には、ターゲットCCであるセル2は、ステップST2410において、CSG-IDのチェック結果、およびハンドオーバ受入可否の判断結果がOKか否か、すなわち良好であるか否かを判断する。セル2は、ステップST2410において、良好であると判断した場合にはステップST2310に移行し、良好でないと判断した場合には処理を終了して、他の処理へ移行する。
ステップST2310において、ターゲットCCであるセル2は、MMEに対して、ハンドオーバリクエスト肯定応答を通知する。ステップST2310においてセル2からハンドオーバリクエスト肯定応答を受信したMMEは、ステップST2311において、ソースCCであるセル1に対して、ハンドオーバコマンドを通知する。ステップST2311においてMMEからハンドオーバコマンドを受信したセル1は、ステップST2312において、移動端末(UE)に対してハンドオーバコマンドを通知する。
以上の実施の形態8によって、以下の効果を得ることができる。キャリアアグリゲーションを用いた通信速度の向上を実現しつつ、通信システムとしての動作を安定させることができ、適切なサービスの提供を行うことが可能となる。また、移動端末に測定ギャップを設ける必要がなくなり、移動端末の通信速度の低下を防止することが可能となる。
本実施の形態では、PCellの変更にハンドオーバを用いる場合を中心に説明したが、本実施の形態は、PCellの変更に再設定(Reconfiguration)を用いる場合にも適用することができる。
本実施の形態は、前述の実施の形態1、実施の形態2、実施の形態2の変形例1、実施の形態3、実施の形態4、実施の形態5、実施の形態5の変形例1、実施の形態6、実施の形態7と組み合わせて用いることができる。
実施の形態8 変形例1.
本実施の形態8の変形例1では、前述の実施の形態8と同じ課題について、別の解決策を開示する。本変形例では、実施の形態8の解決策と異なる部分を中心に説明し、説明していない部分については、実施の形態8と同様とする。
本実施の形態8の変形例1では、前述の実施の形態8と同じ課題について、別の解決策を開示する。本変形例では、実施の形態8の解決策と異なる部分を中心に説明し、説明していない部分については、実施の形態8と同様とする。
ソースセル(PCell)は、ターゲットセルが同じ基地局内に存在する場合、ターゲットセル(CC)における「ハンドオーバ受入可否の判断」または「CSG-IDのチェック」を省略可能とする。例えば、図24のステップST2409において、「ハンドオーバ受入可否の判断」または「CSG-IDのチェック」を省略可能とする。また、前記「ハンドオーバ受入可否の判断」または「CSG-IDのチェック」に必要なシグナリングを省略可能とする。
あるいは、「ハンドオーバ受入可否の判断」と「CSG-IDのチェック」との双方を省略してもよい。あるいは、ターゲットセルにおける「ハンドオーバ受入可否の判断」または「CSG-IDのチェック」をソースセル(CC)が実行するようにしてもよい。ソースセル(PCell)が、ターゲットセルと同じ基地局内に存在する場合の具体例としては、PCellを変更する場合がある。
このようにすることによって、以下の効果を得ることができる。通信システムの制御の遅延を防止することができる。また基地局の処理の負荷を軽減することができる。また基地局の低消費電力化を実現することができる。
前記省略は、PCell(ソースCC)とターゲットCCとが、同じ基地局内に存在する場合に、容易に実現可能となる。あるいは、PCell(ソースCC)とターゲットCCとが、同じ制御部に制御される場合に、容易に実現可能となる。
ソースセルが、ターゲットセルが同じ基地局内に存在するか否かを判断する方法の具体例は、実施の形態8と同様であるので、説明を省略する。
省略可能な判断などの処理(以下「制御ステップ」という場合がある)、およびシグナリングの具体例として、以下の(1)~(4)の4つを開示する。
(1)ターゲットCCからMMEへのハンドオーバリクエスト肯定応答(Handover Request Acknowledge)の通知。例えば、図24のステップST2310の処理。PCellがMMEへ、ターゲットCCのCSG-IDを通知する場合に、ターゲットCCからMMEへの応答を省略する旨を通知してもよい。例えば、図24のステップST2407において、ターゲットCCからMMEへの応答を省略する旨を通知してもよい。該通知は、PCellであるソースCCがMMEへ、ターゲットCCのCSG-IDを通知するメッセージの情報要素としてもよい。該通知は、PCellの変更である旨によって代用してもよい。本具体例によって、MMEがハンドオーバリクエストを通知した後、ハンドオーバリクエストに対する応答が存在するか否かを明確に判断することが可能となる。これによって、安定した通信システムを構築することができるという効果を得ることができる。
(2)MMEからソースCCであるPCellへのハンドオーバコマンド(Handover Command)の通知。例えば、図24のステップST2311の処理。ソースCCがMMEによってハンドオーバ可能と判断されたことを認識できるメッセージを設けてもよい。新たなメッセージの具体例としては、MMEからハンドオーバリクエストを受信したターゲットCCからの通知がある。該通知の具体例としては、ハンドオーバリクエスト肯定応答などがある。
(3)ターゲットCCにおけるハンドオーバリクエスト中に含まれるCSG-IDと、自eNBが報知しているCSG-IDとが同じであるか否かの判断、すなわち「CSG-IDのチェック」。あるいは、「ハンドオーバ受入可否の判断」。あるいは、「ハンドオーバ受入可否の判断」と「CSG-IDのチェック」との双方。例えば、図24のステップST2409およびステップST2410の処理のいずれか一方、または双方。
本具体例(3)は、PCellがターゲットCCのCSG-IDを知る方法の具体例(2)~(4)を用いた場合に、特に有効である。CSG-IDを移動端末から入手する必要が無いので、通信エラーなどの問題も生じにくいからである。
前記判断を省略する場合は、MMEからターゲットCCへのハンドオーバリクエストの通知を省略可能としてもよい。例えば、図24のステップST2408の処理を省略可能としてもよい。MMEからソースCCへのハンドオーバコマンド、あるいはハンドオーバリクエストを通知してもよい。該ハンドオーバコマンド、あるいはハンドオーバリクエストには、メンバーシップステータスが含まれていてもよい。PCellがMMEへ、ターゲットCCのCSG-IDを通知する場合に、ターゲットCCが前記判断を省略する旨を通知してもよい。あるいは、ソースCCが前記判断を実行する旨を通知してもよい。該通知は、PCellがMMEへターゲットCCのCSG-IDをMMEへ通知するメッセージの情報要素としてもよい。該通知は、PCellの変更である旨によって代用してもよい。
本具体例(3)によって、MMEがハンドオーバリクエストを通知する相手先を明確に判断することが可能となる。これによって、安定した通信システムを構築することができるという効果を得ることができる。
本具体例(3)において、ターゲットセルにおける「ハンドオーバ受入可否かの判断」をソースセル(CC)が実行する場合、ターゲットCCの処理負荷状況およびリソース使用状況などを考慮してもよい。ソースセルであるPCellが、他のセルの処理負荷状況およびリソース使用状況を知る方法の具体例として、以下を開示する。処理負荷状況およびリソース使用状況などを自セルの設定として含めればよい。
(4)前記(1)~(3)の組み合わせ。
前記具体例(2)~(4)は、PCellであるソースCCとターゲットCCとが同じ基地局内に存在する場合に、容易に実現可能となる。あるいは、PCellであるソースCCとターゲットCCとが同じ制御部に制御される場合に、容易に実現可能となる。
次に、図25を用いて、実施の形態8の変形例1における通信システムのシーケンスの具体例について説明する。図25は、実施の形態8の変形例1における通信システムのシーケンスの一例を示す図である。本変形例では、前述の図14のステップST1401~ステップST1416の処理については実施の形態2と同様であるので、図示および説明を省略する。また、図25に示すシーケンスは、図23および図24に示すシーケンスと類似しているので、同一のステップについては、同一のステップ番号を付して、共通する説明を省略する。
本動作例においては、セル1およびセル2を含む複数のセル(CC)を有する基地局Aが存在し、基地局A内のセル1をUEがベストセルとして選択してキャンプオンし、通信を開始した後、セル2がPCellの変更先のCCとされる場合について説明する。PCellがターゲットCCのCSG-IDを知る方法の具体例として、各セルが基地局の制御部に対して、自セルの「CSG-ID」を通知する場合について開示する。省略可能な制御ステップの具体例として、前述の具体例(1)のターゲットCCからMMEへのハンドオーバリクエスト肯定応答(Handover Request Acknowledge)の通知と、前述の具体例(2)のMMEからソースCCであるPCellへのハンドオーバコマンド(Handover Command)の通知と、前述の具体例(3)のターゲットCCにおけるCSG-IDのチェック、すなわちハンドオーバリクエスト中に含まれるCSG-IDと、自eNBが報知しているCSG-IDとが同じであるか否かの判断、およびハンドオーバ受入可否の判断の場合について開示する。
前述のようにして、ステップST2400~ステップST2402の処理が行われた後、前述の図14に示すステップST1401~ステップST1416の処理が行われ、さらにステップST2300、ステップST2403、ステップST2404、ステップST2303、ステップST2405、およびステップST2406の処理が順次行われる。
次いで、ステップST2501において、PCellであるセル1は、MMEに対して、ハンドオーバリクエストを通知する。該ハンドオーバリクエストは、ハンドオーバリクワイヤ(Handover required)とも称される。該ハンドオーバリクエストには、ステップST2303で決定したターゲットCCのCSG-IDが含まれる。該ハンドオーバリクエストには、ターゲットCCのアクセスモード(Cell Access Mode)が含まれていてもよい。また、該ハンドオーバリクエストには、PCellの変更である旨が含まれていてもよい。
本動作例では、PCellの変更である旨によって、ターゲットCCからMMEへのハンドオーバリクエスト肯定応答(Handover Request Acknowledge)の通知を省略する旨、および、ターゲットCCにおけるハンドオーバリクエスト中に含まれるCSG-IDと、自eNBが報知しているCSG-IDとが同じであるか否かの判断、すなわちCGS-IDのチェックを省略する旨の通知とする。PCellであるソースCCが、ターゲットセルにおける「ハンドオーバ受入可否の判断」、あるいは「CSG-IDのチェック」を実行する場合は、例えば、本ステップST2501の前に行えばよい。該「ハンドオーバ受入可否の判断」、あるいは「CSG-IDのチェック」には、ステップST2406で受信したターゲットCCの設定情報を用いればよい。
次いで、ステップST2305およびステップST2306の処理が行われる。次いで、ステップST2502において、MMEは、ソースCCであるセル1へハンドオーバリクエスト(Handover request)、あるいはハンドオーバコマンドを通知する。MMEは、ステップST2501において、PCellの変更である旨を受信したことによって、ハンドオーバリクエストを通知する相手先を、ターゲットCCから、ソースCCへ変更してもよい。
以上の実施の形態8の変形例1によって、実施の形態8の効果に加えて、以下の効果を得ることができる。本変形例では、制御ステップを省略するので、通信システムの制御の遅延を防止することができる。また基地局の処理の負荷を軽減することができる。また基地局の低消費電力化を実現することができる。
本変形例では、PCellの変更にハンドオーバを用いる場合を中心に説明したが、本変形例は、PCellの変更に再設定(Reconfiguration)を用いる場合にも適用することができる。
本変形例は、前述の実施の形態1、実施の形態2、実施の形態2の変形例1、実施の形態3、実施の形態4、実施の形態5、実施の形態5の変形例1、実施の形態6、実施の形態7、実施の形態8と組み合わせて用いることができる。
実施の形態8 変形例2.
本実施の形態8の変形例2では、実施の形態8と同じ課題について、別の解決策を開示する。実施の形態8の変形例2での解決策を以下に示す。本変形例では、実施の形態8の解決策と異なる部分を中心に説明し、説明していない部分については、実施の形態8と同様とする。本変形例では、ターゲットCCのアクセスコントロールを基地局が行う。PCellが行うようにしてもよい。
本実施の形態8の変形例2では、実施の形態8と同じ課題について、別の解決策を開示する。実施の形態8の変形例2での解決策を以下に示す。本変形例では、実施の形態8の解決策と異なる部分を中心に説明し、説明していない部分については、実施の形態8と同様とする。本変形例では、ターゲットCCのアクセスコントロールを基地局が行う。PCellが行うようにしてもよい。
ソースセルであるPCellは、ターゲットセルが同じ基地局内に存在するか否かによって、ターゲットCCのアクセスコントロールの方法を変更してもよい。あるいは、ソースセルであるPCellは、ターゲットセルが同じ制御部に制御されるか否かによって、ターゲットCCのアクセスコントロールの方法を変更してもよい。
ソースセルが、ターゲットセルが同じ基地局内に存在するか否かを判断する方法の具体例は、実施の形態8と同様であるので、説明を省略する。
ターゲットセルが、PCellであるソースCCと同じ基地局内に存在しない場合の、ターゲットCCのアクセスコントロールの方法の具体例を以下に開示する。例えば前述の図23に示すように、MMEが、ターゲットCCのアクセスコントロールを実行する。本具体例は、ターゲットセルが、PCellであるソースCCと同じ制御部に制御されない場合の、ターゲットCCのアクセスコントロールの方法の具体例としても挙げられる。
ターゲットセルが、PCellであるソースCCと同じ基地局内に存在する場合の、ターゲットCCのアクセスコントロールの方法の具体例を以下に開示する。以下に開示する具体例は、ターゲットセルが、PCellであるソースCCと同じ制御部に制御される場合の、ターゲットCCのアクセスコントロールの方法の具体例としても挙げられる。
セルは、CSGに属さないセル(CC)をターゲットCCとして設定、あるいは選択可能とする。セルは、CSGに属するセル(CC)のうち、オープンアクセスモードで動作するセル(CC)、あるいはハイブリッドアクセスモードで動作するセル(CC)を、ターゲットCCとして設定、あるいは選択可能とする。セルは、CSGに属するセル(CC)のうち、移動端末が登録しているCSGと同じCSGに属するセル(CC)をターゲットCCとして設定、あるいは選択可能とする。セルは、CSGに属するセル(CC)のうち、クローズドアクセスモードで動作するセル(CC)であって、移動端末が未登録のCSGに属するセル(CC)を、ターゲットCCとして設定、あるいは選択不可能とする。
基地局(セル)は、CSGに属するセル(CC)のうち、ハイブリッドアクセスモードで動作するセル(CC)をターゲットCCとして設定、あるいは選択する場合、以下のようにしてもよい。セルが属するCSGに登録されている移動端末に、未登録の移動端末よりも優先して、該セル(CC)をターゲットCCとして設定、あるいは選択可能とする。
PCellが、他のセルがCSGに属するか否か、ならびに他のセルがCSGに属する場合の動作モードおよびCSG-IDを知る方法の具体例は、実施の形態6と同様であるので、説明を省略する。
基地局(セル)が移動端末のCSG登録状況を知る方法の具体例は、実施の形態6と同様であるので、説明を省略する。
次に、図26を用いて、実施の形態8の変形例2における通信システムのシーケンスの具体例について説明する。図26は、実施の形態8の変形例2における通信システムのシーケンスの一例を示す図である。本変形例では、前述の図14のステップST1401~ステップST1416の処理については実施の形態2と同様であるので、図示および説明を省略する。また、図26に示すシーケンスは、図23および図24に示すシーケンスと類似しているので、同一のステップについては、同一のステップ番号を付して、共通する説明を省略する。
本動作例においては、セル1およびセル2を含む複数のセル(CC)を有する基地局Aが存在し、基地局A内のセル1をUEがベストセルとして選択してキャンプオンし、通信を開始した後、セル2がPCellの変更先のCCとされる場合について説明する。PCellがターゲットCCのCSG-IDを知る方法の具体例として、各セルが基地局の制御部に対して、自セルの「CSG-ID」を通知する場合について開示する。基地局(セル)が移動端末のCSG登録状況を知る方法の具体例として、MME経由で移動端末のCSG登録状況を知る場合について開示する。また、基地局(セル)が移動端末のCSG登録状況をMME経由で知る場合の通知方法の具体例として、「INITIAL CONTEXT SETUP REQUEST」を用いる場合について開示する。
ステップST2400~ステップST2402の処理が行われた後、前述の図14に示すステップST1401~ステップST1407の処理が行われ、移動端末(UE)が、基地局A内のセル1をベストセルとして選択し、キャンプオンする。
ステップST2601において、MMEは、基地局(セル)に対して、該移動端末の「UE Context」のセットアップをリクエストする。MMEは、PCellに対して、該移動端末の「UE Context」のセットアップをリクエストするようにしてもよい。また、MMEは、基地局(セル)に対して、該移動端末のCSG登録状況を通知してもよい。該リクエストには、「INITIAL CONTEXT SETUP REQUEST」を用いてもよい。また、「INITIAL CONTEXT SETUP REQUEST」には、「CSG Membership Status」が含まれていてもよい。
次いで、前述の図14に示すステップST1408~ステップST1416の処理が行われた後、ステップST2300、ステップST2403およびステップST2404の処理が行われる。次いで、ステップST2602において、セルは、基地局の制御部に対して、ステップST2303で決定したターゲットCCの設定について問合せる。セルは、基地局の制御部に対して、決定したターゲットCCの「CSGインジケーション」および「CSG-ID」について問合せるようにしてもよい。本動作例では、PCellであるセル1は、基地局Aの制御部に対して、ターゲットCCとして決定したセル2の「CSGインジケーション」および「CSG-ID」について問合せる。
ステップST2603において、基地局の制御部は、セルに対して、ステップST2602の問合せに対する応答を行う。基地局の制御部は、セルに対して、問合せ対象セルの「CSGインジケーション」および「CSG-ID」を通知するようにしてもよい。本動作例では、基地局Aの制御部は、PCellであるセル1に対して、問合せ対象セルであるセル2の「CSGインジケーション」および「CSG-ID」を通知する。
ステップST2604において、セルは、ステップST2303で決定したターゲットCCがCSG-IDを有するか否かを判断する。言い換えれば、セルは、該ターゲットCCがCSGに属するか否かを判断する。該判断には、ステップST2603で基地局の制御部から受信した、問合せに対する応答結果を用いる。
セルは、ステップST2604において、ステップST2303で決定したターゲットCCがCSG-IDを有すると判断した場合には、ステップST2605へ移行する。言い換えれば、セルは、ステップST2604において、ステップST2303で決定したターゲットCCがCSG-IDを有すると判断した場合には、ターゲットCCがCSGに属すると判断し、ステップST2605へ移行する。
セルは、ステップST2604において、ステップST2303で決定したターゲットCCがCSG-IDを有さないと判断した場合には、ステップST2312へ移行する。言い換えれば、セルは、ステップST2604において、ステップST2303で決定したターゲットCCがCSG-IDを有さないと判断した場合には、ターゲットCCがCSGに属さないと判断し、ステップST2312へ移行する。
ステップST2605において、セルは、ステップST2303で決定したターゲットCCのCSGインジケーションが「TRUE」を示すか否かを判断する。言い換えれば、セルは、該ターゲットCCのアクセスモードがクローズドアクセスモードか否かを判断する。該判断には、ステップST2603で基地局の制御部から受信した、問合せに対する応答結果を用いる。
セルは、ステップST2605において、ステップST2303で決定したターゲットCCのCSGインジケーションが「TRUE」でない、つまり「FALSE」であると判断した場合には、ステップST2312へ移行する。言い換えれば、セルは、ステップST2605において、ステップST2303で決定したターゲットCCの動作モードがオープンアクセスモード、あるいはハイブリッドアクセスモードであると判断した場合には、ステップST2312へ移行する。
またセルは、ステップST2605において、ステップST2303で決定したターゲットCCのCSGインジケーションが「TRUE」であると判断した場合には、ステップST2606へ移行する。言い換えれば、セルは、ステップST2605において、ステップST2303で決定したターゲットCCの動作モードがクローズドアクセスモードであると判断した場合には、ステップST2606へ移行する。
ステップST2606において、セルは、ステップST2303で決定したターゲットCCのセルが属するCSGに、移動端末が登録しているか否かを判断する。該判断のターゲットCCが属するCSGには、ステップST2603で基地局の制御部から受信した、問合せに対する応答結果を用いる。また、該判断の該移動端末のCSG登録状況には、ステップST2601でMMEから受信した通知を用いる。
セルは、ステップST2606において、該移動端末が、該ターゲットCCの属するCSGに登録していると判断した場合には、ステップST2312へ移行する。セルは、ステップST2606において、該移動端末が、該ターゲットCCの属するCSGに未登録であると判断した場合には、処理を終了し、他の処理へ移行する。他の処理については、本開示の特徴的部分ではないので、説明を省略する。
ステップST2604、ステップST2605およびステップST2606の処理によって、本変形例の特徴であるCSGに属さないセル(CC)、CSGに属するセル(CC)のうち、オープンアクセスモードで動作するセル(CC)、CSGに属するセル(CC)のうち、ハイブリッドアクセスモードで動作するセル(CC)、あるいはCSGに属するセル(CC)のうち、該移動端末が登録しているCSGと同じCSGに属するセル(CC)を、ターゲットCCとして設定、あるいは選択可能とすることを実現する。あるいは、CSGに属するセル(CC)のうち、クローズドアクセスモードで動作するセル(CC)であって、該移動端末が未登録のCSGに属するセル(CC)を、ターゲットCCとして設定、あるいは選択不可能とすることを実現する。
図26に示すシーケンスとは異なるが、PCellがターゲットCCを決定する前に、ターゲットCC候補セルを選択し、該候補セルに対して、ステップST2602~ステップST2606の処理を実行した後に、ステップST2303の処理を実行してもよい。
ステップST2607において、セルは、ターゲットCCがハンドオーバ受入可能か否かを判断する。セルは、ステップST2607において、ステップST2303で決定したターゲットCCがハンドオーバ受入可能であると判断した場合には、ステップST2312へ移行する。セルは、ステップST2607において、ステップST2303で決定したターゲットCCがハンドオーバ受入不可能であると判断した場合には、処理を終了し、他の処理へ移行する。他の処理については、本開示の特徴的部分ではないので、説明を省略する。
ステップST2607の判断には、ターゲットCCの処理負荷状況およびリソース使用状況などを考慮してもよい。PCellが他のセルの処理負荷状況およびリソース使用状況を知る方法の具体例として、以下を開示する。処理負荷状況およびリソース使用状況などを自セルの設定として含めればよい。
以上の実施の形態8の変形例2によって、実施の形態8と同様に以下の効果を得ることができる。キャリアアグリゲーションを用いた通信速度の向上を実現しつつ、通信システムとしての動作を安定させることができ、適切なサービスの提供を行うことが可能となる。
本変形例では、PCellの変更にハンドオーバを用いる場合を中心に説明したが、本変形例は、PCellの変更に再設定(Reconfiguration)を用いる場合にも適用することができる。
本変形例は、前述の実施の形態1、実施の形態2、実施の形態2の変形例1、実施の形態3、実施の形態4、実施の形態5、実施の形態5の変形例1、実施の形態6、実施の形態7、実施の形態8、実施の形態8の変形例1と組み合わせて用いることができる。
実施の形態8 変形例3.
本実施の形態8の変形例3では、実施の形態8と同じ課題について、別の解決策を開示する。本変形例では、実施の形態8および実施の形態8の変形例2の解決策と異なる部分を中心に説明し、説明していない部分については、実施の形態8および実施の形態8の変形例2と同様とする。
本実施の形態8の変形例3では、実施の形態8と同じ課題について、別の解決策を開示する。本変形例では、実施の形態8および実施の形態8の変形例2の解決策と異なる部分を中心に説明し、説明していない部分については、実施の形態8および実施の形態8の変形例2と同様とする。
本変形例では、ソースセルであるPCellは、ターゲットセルが同じ基地局内に存在するか否かによって、ターゲットCCのアクセスコントロールの方法を変更する。あるいは、ソースセルであるPCellは、ターゲットセルが同じ制御部に制御されるか否かによって、ターゲットCCのアクセスコントロールの方法を変更してもよい。
ソースセルが、ターゲットセルが同じ基地局内に存在するか否かを判断する方法の具体例は、実施の形態8と同様であるので、説明を省略する。
ターゲットセルが、PCellであるソースCCと同じ基地局内に存在しない場合の、ターゲットCCのアクセスコントロールの方法の具体例を以下に開示する。例えば前述の図23に示すように、MMEが、ターゲットCCのアクセスコントロールを実行する。本具体例は、ターゲットセルが、PCellであるソースCCと同じ制御部に制御されない場合の、ターゲットCCのアクセスコントロールの方法の具体例としても挙げられる。
ターゲットセルが、PCellであるソースCCと同じ基地局内に存在する場合の、ターゲットCCのアクセスコントロールの方法の具体例を以下に開示する。ターゲットCCが、予め定める条件を満たせば、PCellの変更におけるアクセスコントロールを省略する。本具体例は、ターゲットセルが、PCellであるソースCCと同じ制御部に制御される場合の、ターゲットCCのアクセスコントロールの方法の具体例としても挙げられる。
前記予め定める条件の具体例として、以下の(1)~(3)の3つを開示する。
(1)ターゲットCCが既にアクセスコントロールされている場合。既にアクセスコントロールされている場合の具体例を以下に示す。ターゲットCCをSCellから選択する。ターゲットCCをアクセスコントロールされているSCellから選択するようにしてもよい。アクセスコントロールされているSCellの具体例としては、前述の実施の形態3、実施の形態4、実施の形態5、実施の形態6または実施の形態7を用いて設定されたSCellがある。
(2)ターゲットCCがアクセスコントロール不要なセル(CC)である場合。アクセスコントロール不要なセルの具体例を以下に示す。CSGに属さないセル(CC)、CSGに属するセル(CC)のうち、オープンアクセスモードで動作するセル(CC)、およびCSGに属するセル(CC)のうち、ハイブリッドアクセスモードで動作するセル(CC)などがある。PCellが、他のセルがCSGに属するか否か、および他のセルがCSGに属する場合の動作モードを知る方法の具体例としては、前述の実施の形態4と同様の方法を用いることができるので、説明を省略する。
(3)前記(1)と(2)との組み合わせ。
また、ターゲットCCが、予め定める他の条件を満たせば、PCellの変更におけるアクセスコントロールを行うようにしてもよい。
前記他の条件の具体例として、以下の(1)~(3)の3つを開示する。
(1)ターゲットCCがアクセスコントロールを未実行の場合。アクセスコントロールを未実行の場合の具体例を以下に示す。ターゲットCCをSCell以外から選択する。ターゲットCCをアクセスコントロールされているSCell以外から選択するようにしてもよい。ターゲットCCをアクセスコントロールされていないSCellから選択するようにしてもよい。アクセスコントロールを未実行のSCellの具体例としては、前述の実施の形態2を用いて設定されたSCellがある。
(2)ターゲットCCがアクセスコントロールの必要なセル(CC)である場合。アクセスコントロールの必要なセルの具体例としては、CSGに属するセル(CC)がある。また、CSGに属するセル(CC)のうち、クローズドアクセスモードで動作するセル(CC)としてもよい。PCellが、他のセルがCSGに属するか否か、および他のセルがCSGに属する場合の動作モードを知る方法の具体例としては、前述の実施の形態4と同様の方法を用いることができるので、説明を省略する。
(3)前記(1)と(2)との組み合わせ。
次に、図27を用いて、実施の形態8の変形例3における通信システムのシーケンスの具体例について説明する。図27は、実施の形態8の変形例3における通信システムのシーケンスの一例を示す図である。本変形例では、前述の図14のステップST1401~ステップST1416の処理については実施の形態2と同様であるので、図示および説明を省略する。また、図27に示すシーケンスは、図23および図24に示すシーケンスと類似しているので、同一のステップについては、同一のステップ番号を付して、共通する説明を省略する。
本動作例においては、セル1およびセル2を含む複数のセル(CC)を有する基地局Aが存在し、基地局A内のセル1をUEがベストセルとして選択してキャンプオンし、通信を開始した後、セル2がPCellの変更先のCCとされる場合について説明する。PCellの変更におけるアクセスコントロールを省略する条件の具体例として、ターゲットCCが既にアクセスコントロールされている場合について開示する。既にアクセスコントロールされている場合の具体例として、ターゲットCCをSCellから選択する場合について開示する。
ステップST2400~ステップST2402の処理が行われた後、前述の図14に示すステップST1401~ステップST1416の処理が行われ、さらにステップST2300、ステップST2403およびステップST2404の処理が行われる。次いで、ステップST2701において、セルは、ステップST2303で決定したターゲットCCが、SCellに含まれるか否かを判断する。セルは、ステップST2701において、ステップST2303で決定したターゲットCCがSCellに含まれると判断した場合には、ステップST2312へ移行する。セルは、ステップST2701において、ステップST2303で決定したターゲットCCがSCellに含まれないと判断した場合には、ステップST2702へ移行する。
ステップST2702において、セルは、PCellの変更におけるアクセスコントロールを実行する。アクセスコントロールの具体例として、以下の(1)~(4)の4つを開示する。
(1)実施の形態8に開示するPCellの変更におけるアクセスコントロールを実行する。具体例としては、前述の図24に示すステップST2405~ステップST2311の処理が挙げられる。
(2)実施の形態8の変形例1に開示するPCellの変更におけるアクセスコントロールを実行する。具体例としては、前述の図25に示すステップST2405~ステップST2502の処理が挙げられる。
(3)実施の形態8の変形例2に開示するPCellの変更におけるアクセスコントロールを実行する。具体例としては、前述の図26に示すステップST2602~ステップST2607の処理が挙げられる。
(4)前記(1)~(3)の組み合わせ。
以上の実施の形態8の変形例3によって、実施の形態8および実施の形態8の変形例2の効果に加えて、以下の効果を得ることができる。本変形例では、制御ステップを省略するので、通信システムの制御の遅延を防止することができる。また基地局の処理の負荷を軽減することができる。また基地局の低消費電力化を実現することができる。
本変形例では、PCellの変更にハンドオーバを用いる場合を中心に説明したが、本変形例は、PCellの変更に再設定(Reconfiguration)を用いる場合にも適用することができる。
本変形例は、前述の実施の形態1、実施の形態2、実施の形態2の変形例1、実施の形態3、実施の形態4、実施の形態5、実施の形態5の変形例1、実施の形態6、実施の形態7、実施の形態8、実施の形態8の変形例1と組み合わせて用いることができる。
LTE-Aでは、eNBとRRHとの間、またはeNBとリピータ(repeater)との間でのキャリアアグリゲーションが検討されている(非特許文献1参照)。非特許文献1には、eNBとRRHとの関係、またはeNBとリピータの属するCSGと移動端末の属するCSGとの関係については記載されていない。したがって、通信システムの動作が一意に決まらず、適切なサービスの提供ができないという問題が発生する。
前記問題に対して、本開示のセル(CC)を、eNBに含まれるCC、RRHに含まれるCC、またはリピータに含まれるCCとして、変形例を含む全実施の形態を適用することができる。これによって、eNBとRRHとの間、あるいはeNBとリピータ(repeater)との間でのキャリアアグリゲーションを用いた通信速度の向上を実現しつつ、通信システムとしての動作を安定させることができ、適切なサービスの提供を行うことが可能となる。
LTE-Aでは、多地点協調送信受信技術(Coordinated Multiple Point transmission and reception:CoMP)が検討されている(非特許文献6,7参照)。検討されているCoMPとは、地理的に分離された多地点間で協調した送信あるいは受信を行うことによって、高いデータレートのカバレッジの拡大、セルエッジでのスループットの向上、およびシステムスループットの増大を図る技術である。CoMPには、下りCoMP(DL CoMP)と上りCoMP(UL CoMP)とがある。
多地点、あるいは送信ポイント、あるいは受信ポイントの具体例としては、基地局(NB、eNB、HNB、HeNB)、RRU(Remote Radio Unit)、RRE(Remote Radio Equipment)、RRH(Remote Radio Head)、リレー(Relay)などが検討されている。多地点協調送信を行うユニット(セル)を、マルチポイントユニット(マルチポイントセル)、あるいはい多地点協調送信受信技術協力セット(CoMP cooperation set)、あるいは多地点協調送信受信技術送信ポイント(CoMP transmission point(s))と称される。
非特許文献6,7には、多地点協調送信受信技術協力セット中において、前記多地点の属するCSGと、移動端末の属するCSGとの関係については記載されていない。したがって、通信システムの動作が一意に決まらず、適切なサービスの提供ができないという問題が発生する。
前記問題に対して、本開示のセル(CC)を、CoMPにおける送信ポイント、あるいは受信ポイントとして、変形例を含む全実施の形態を適用することができる。これによって、多地点協調送信受信技術を用いて高いデータレートのカバレッジの拡大、セルエッジでのスループットの向上、およびシステムスループットの増大を実現しつつ、適切なサービスの提供が可能となる。
以上の各実施の形態では、LTEアドヴァンスド(LTE-Advanced)システムを中心に説明したが、本開示の通信システムは、他の通信システムにも適用可能である。
本開示は詳細に説明されたが、上記した説明は、すべての局面において、例示であって、本開示がそれに限定されるものではない。例示されていない無数の変形例が、本開示の範囲から外れることなく想定され得るものと解される。
71 移動端末装置(UE)、72 基地局装置、72-1 eNB、72-2 Home-eNB、73 MME/S-GW部(MME部)、74 HeNBGW、CC コンポーネントキャリア、DL 下りリンク、UL 上りリンク。
Claims (5)
- 通信端末装置およびその通信端末装置との間で無線通信可能な複数のセルを備える通信システムであって、
前記複数のセルのうちの一つであるプライマリセルと前記通信端末装置との間に接続が確立された状況において、
前記通信端末装置は、前記プライマリセルと並列して無線通信可能なセルであるセカンダリセルの候補である候補セルへの接続が可能か判断し、その判断結果をRRC(Radio Resource Control)メッセージを用いて前記プライマリセルに通知し、
前記プライマリセルは、前記候補セルへの接続が可能であると判断した判断結果が前記通信端末装置から通知された場合に、前記候補セルを前記セカンダリセルとして設定することを特徴とする通信システム。 - 前記候補セルは、接続可能な前記通信端末装置が特定される特定加入者用セルであって、
前記プライマリセルと前記通信端末装置との間に接続が確立された状況において、前記候補セルが、その候補セルの特定加入者に関する情報である特定加入者情報を前記通信端末装置に通知し、
前記通信端末装置は、前記候補セルから通知された前記特定加入者情報に基づいて、前記候補セルへの接続が可能か判断することを特徴とする請求項1記載の通信システム。 - 前記特定加入者情報は、前記候補セルを利用可能な特定加入者グループを識別する識別情報であり、
前記通信端末装置は、前記特定加入者情報から識別した前記特定加入者グループに自身が属するか判断することによって、前記候補セルへの接続が可能か判断することを特徴とする請求項2記載の通信システム。 - 通信端末装置およびその通信端末装置との間で無線通信可能な複数のセルを含み、
前記複数のセルのうちの一つであるプライマリセルと前記通信端末装置との間に接続が確立された状況の通信システムにおける通信端末装置であって、
前記プライマリセルと並列して無線通信可能なセルであるセカンダリセルの候補である候補セルへの接続が可能か判断し、その判断結果をRRC(Radio Resource Control)メッセージを用いて前記プライマリセルに通知することを特徴とする通信端末装置。 - 通信端末装置およびその通信端末装置との間で無線通信可能な複数のセルを含み、
前記複数のセルのうちの一つであるプライマリセルと前記通信端末装置との間に接続が確立された状況において、前記通信端末装置は、前記プライマリセルと並列して無線通信可能なセルであるセカンダリセルの候補である候補セルへの接続が可能か判断し、その判断結果をRRC(Radio Resource Control)メッセージを用いて前記プライマリセルに通知する通信システムにおけるプライマリセルであって、
前記候補セルへの接続が可能であると判断した判断結果が前記通信端末装置から通知された場合に、前記候補セルを前記セカンダリセルとして設定することを特徴とするプライマリセル。
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WO2010129223A2 (en) | 2009-04-28 | 2010-11-11 | Intel Corporation | Multi-carrier operational modes in wireless communications protocol, method of initializing a mobile station in order to prepare for multi-carrier operation in same, and carrier management method in same |
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