JP2016216519A - シリコーンハイドロゲルコンタクトレンズ用点眼剤 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】(A)ビタミンB12類と、(B)界面活性剤を併用して、シリコーンハイドロゲルコンタクトレンズ用点眼剤を調製する。
【選択図】なし
Description
項1. (A)ビタミンB12類と(B)界面活性剤とを含有する、シリコーンハイドロゲルコンタクトレンズ用点眼剤。
項2. (A)成分として、シアノコバラミン、メコバラミン、ヒドロキソコバラミン、アデノシルコバラミン、アクアコバラミン、及びこれらの塩からなる群より選択される少なくとも1種を含む、項1に記載のシリコーンハイドロゲルコンタクトレンズ用点眼剤。
項3. (A)成分として、シアノコバラミンを含む、項1又は2に記載のシリコーンハイドロゲルコンタクトレンズ用点眼剤。
項4. (B)成分として、非イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤及び両性界面活性剤からなる群より選択される少なくとも1種を含む、項1乃至3のいずれかに記載のシリコーンハイドロゲルコンタクトレンズ用点眼剤。
項5. 更に(C)テルペノイドを含有する、項1乃至4のいずれかに記載のシリコーンハイドロゲルコンタクトレンズ点眼剤。
項6. 更に(D)緩衝剤を含有する、項1乃至5のいずれかに記載のシリコーンハイドロゲルコンタクトレンズ用点眼剤。
項7. (A)成分の配合割合が0.0001〜0.1w/v%である、項1乃至6のいずれかに記載のシリコーンハイドロゲルコンタクトレンズ用点眼剤。
項8. (B)成分の配合割合が0.001〜1.0w/v%である、項1乃至7のいずれかに記載のシリコーンハイドロゲルコンタクトレンズ用点眼剤。
項9. シリコーンハイドロゲルコンタクトレンズが非イオン性である、項1乃至8のいずれかに記載のシリコーンハイドロゲルコンタクトレンズ用点眼剤。
項10. シリコーンハイドロゲルコンタクトレンズがイオン性である、項1乃至8のいずれかに記載のシリコーンハイドロゲルコンタクトレンズ用点眼剤。
項11.(A)ビタミンB12類と(B)界面活性剤とを併用することを特徴とする、シリコーンハイドロゲルコンタクトレンズへの該(A)成分の透過性を向上させる方法。
項12.(A)ビタミンB12類を含有するシリコーンハイドロゲルコンタクトレンズ用点眼剤に、(B)界面活性剤を配合することを特徴とする、シリコーンハイドロゲルコンタクトレンズへの該(A)成分の透過性を向上させる作用を該点眼剤に付与する方法。
項13. (B)界面活性剤を含有する、シリコーンハイドロゲルコンタクトレンズへの(A)ビタミンB12類の透過性を向上させるための剤。
項14. シリコーンハイドロゲルコンタクトレンズに対する、ビタミンB12類の透過性を向上させる透過性向上物質のスクリーニング方法であって、
(a)ビタミンB12類を含むコントロール溶液、並びにビタミンB12類と被験物質とを含む被験溶液を、試験溶液として各々調製する工程、
(b)上記試験溶液を各々、シリコーンハイドロゲルコンタクトレンズの片側面のみに所定時間接触させ、該レンズの上記試験溶液を接触させていない他方の片側面から滲出したビタミンB12類の量を測定することにより、各試験溶液のビタミンB12類の透過量を求める工程、並びに
(c)上記工程(b)において測定されたビタミンB12類の透過量が、コントロール溶液よりも多い被験溶液を選び、該被験溶液に含まれる被験物質を上記透過性向上物質として選択する工程、を含むスクリーニング方法。
項15.(A)ビタミンB12類と(B)界面活性剤とを含有するシリコーンハイドロゲルコンタクトレンズ用点眼剤を、イオン性シリコーンハイドロゲルコンタクトレンズと接触させることを特徴とする、イオン性シリコーンハイドロゲルコンタクトレンズへの花粉タンパク質の蓄積を抑制する方法。
項16.シリコーンハイドロゲルコンタクトレンズ用点眼剤に、(A)ビタミンB12類と(B)界面活性剤とを配合することを特徴とする、イオン性シリコーンハイドロゲルコンタクトレンズへの花粉タンパク質の蓄積を抑制する作用を該点眼剤に付与する方法。
本発明のSHCL用点眼剤は、ビタミンB12類(以下、(A)成分と表記することもある)を含有する。ビタミンB12類は、目のピント調節機能改善効果を有する公知の化合物であり、公知の方法により合成してもよく市販品として入手することもできる。
抗ヒスタミン剤:例えば、イプロヘプチン、ジフェンヒドラミン、マレイン酸クロルフェニラミン等。
充血除去剤:テトラヒドロゾリン、ナファゾリン、エピネフリン、エフェドリン、メチルエフェドリン等。
殺菌剤:例えば、アクリノール、セチルピリジニウム等。
ビタミン類:フラビンアデニンジヌクレオチドナトリウム、酢酸レチノール、パルミチン酸レチノール、塩酸ピリドキシン、パンテノール、パントテン酸カルシウム、酢酸トコフェロール等。
アミノ酸類:アスパラギン酸カリウム、アスパラギン酸マグネシウム、アミノエチルスルホン酸等。
消炎剤:例えば、グリチルレチン酸、グリチルリチン酸、プラノプロフェン、サリチル酸メチル、サリチル酸グリコール、アラントイン、アズレン、アズレンスルホン酸、グアイアズレン、トラネキサム酸、ε−アミノカプロン酸、ベルベリン、リゾチーム、甘草等。
収斂剤:例えば、亜鉛華、乳酸亜鉛、硫酸亜鉛等。
その他:例えば、メチル硫酸ネオスチグミン、フマル酸ケトチフェン、クロモグリク酸ナトリウム、コンドロイチン硫酸ナトリウム、ヒアルロン酸ナトリウム、スルファメトキサゾール、インドメタシン、イブプロフェン、イブプロフェンピコノール、ブフェキサマク、フルフェナム酸ブチル、ベンダザック、ピロキシカム、ケトプロフェン、フェルビナク、紫根、セイヨウトチノキ、及びこれらの塩等。
担体:例えば、水、含水エタノール等の水性担体。
増粘剤:例えば、カルボキシビニルポリマー、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、アルギン酸、ポリビニルアルコール(完全、又は部分ケン化物)、ポリビニルピロリドン、マクロゴール、コンドロイチン硫酸ナトリウム、ヒアルロン酸ナトリウム等。
糖類:例えば、グルコース、シクロデキストリン等。
糖アルコール類:例えば、キシリトール、ソルビトール、マンニトールなど。これらはd体、l体又はdl体のいずれでもよい。
防腐剤、殺菌剤又は抗菌剤:例えば、安息香酸ナトリウム、エタノール、クロロブタノール、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸ブチル、硫酸オキシキノリン、フェネチルアルコール、ベンジルアルコール、ビグアニド化合物、グローキル(ローディア社製商品名)等。
pH調節剤:例えば、塩酸、ホウ酸、アミノエチルスルホン酸、イプシロン−アミノカプロン酸、クエン酸、酢酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、ホウ砂、トリエタノールアミン、モノエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、硫酸、リン酸、ポリリン酸、プロピオン酸、シュウ酸、グルコン酸、フマル酸、乳酸、酒石酸、リンゴ酸、コハク酸、グルコノラクトン、酢酸アンモニウム等。
等張化剤:例えば、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化ナトリウム、塩化マグネシウム、酢酸カリウム、酢酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸二水素カリウム、グリセリン、プロピレングリコール等。
安定化剤:ジブチルヒドロキシトルエン、トロメタモール、ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート(ロンガリット)、トコフェロール、ピロ亜硫酸ナトリウム、モノエタノールアミン、モノステアリン酸アルミニウム、モノステアリン酸グリセリン等。
香料又は清涼化剤:メントール、アネトール、オイゲノール、カンフル、ゲラニオール、シネオール、ボルネオール、リモネン、リュウノウ等。これらは、d体、l体又はdl体のいずれでもよく、また精油(ハッカ油、クールミント油、スペアミント油、ペパーミント油、ウイキョウ油、ケイヒ油、ベルガモット油、ユーカリ油、ローズ油等)として配合してもよい。
かかる含水率は、ISO18369-4:2006の記載に従って重量測定方法により測定され得る。
測定器の設定:
テストモード 圧縮測定
プローブタイプ φ10mmシリンダープローブ
Target Mode Distance
Distance 2.5mm
Triger Type Auto
Triger Force 0.1g
Test Speed 1.0mm/sec
プローブがレンズ頂点を押し下げ始めてから2.5mm(2.5秒)レンズを押しつぶす際の応力を測定し、その最大値を硬度として記録する。
前述するように、SHCLへの上記(A)成分の透過性を上記(B)成分によって向上させることができる。
前述するように、SHCLへの上記(A)成分の透過性を上記(B)成分によって向上せることができる。
また、前述するように、本発明者によって、上記(A)成分がSHCLへの透過性が著しく低いという新たな知見が得られている。そこで、更に、本発明は、SHCLに対する、ビタミンB12類の透過性を向上させる透過性向上物質をスクリーニングする方法をも提供する。具体的には、本スクリーニング方法は、下記(a)〜(c)工程を包含する方法である。
(a) ビタミンB12類を含むコントロール溶液、並びにビタミンB12類と被験物質とを含む被験溶液を、試験溶液として各々調製する工程、
(b)上記試験溶液を各々、シリコーンハイドロゲルコンタクトレンズの片側面のみに所定時間接触させ、該レンズの上記試験溶液を接触させていない他方の片側面から滲出したビタミンB12類の量を測定することにより、各試験溶液のビタミンB12類の透過量を求める工程、並びに
(c)上記工程(b)において測定されたビタミンB12類の透過量が、コントロール溶液よりも多い被験溶液を選び、該被験溶液に含まれる被験物質を上記透過性向上物質として選択する工程。
前述するように、上記(A)及び(B)成分を併用することによって、イオン性SHCL装用眼が花粉に晒されても、イオン性SHCLからの花粉タンパク質の除去を促進して再付着を防止できるので、イオン性SHCLへの花粉タンパク質の蓄積を抑制することが可能になる。
表1で示されるSCLを用いて、シアノコバラミンのレンズ透過性について評価した。
表2に示す点眼剤(実施例1−3、及び比較例1)を用いて、シアノコバラミンのSHCL透過性について評価した。
塩酸ピリドキシンは、角膜細胞の新陳代謝を促進し、目の疲れを緩和させる作用を発揮することが知られている。そのため、SHCL用点眼剤に塩酸ピリドキシンを配合するにも、ビタミンB12類を配合する場合と同様に、塩酸ピリドキシンがSHCLを透過して角膜に到達できるように製剤設計することが求められる。そこで、SHCLへの塩酸ピリドキシンの透過性を評価するために、以下の試験を実施した。
以上の結果から、ビタミンB12類と界面活性剤を併用した点眼剤は、SHCL装用中の眼に適用しても有効量のビタミンB12類が角膜に到達でき、ビタミンB12類に基づく薬理効果を有効に奏し得ることが確認された。また、このような界面活性剤との併用による有効成分のSHCL透過性の向上は、有効成分としてビタミンB12類を選択することによって認められる特有の効果であることも確認された。
表4に示す4種のソフトコンタクトレンズを試験に用いて、ソフトコンタクトレンズに対する花粉タンパク質の吸着特性を評価した。
上記参考試験例3にて花粉タンパク質の顕著な吸着が確認されたレンズ1(イオン性SHCL)を用いて、下記の試験を実施した。
上記試験例2と同様の方法により、表4のレンズ1(イオン性SHCL)を用いて、表6に示す各試験液(実施例5及び6)を適用した場合における、イオン性SHCLに対する花粉タンパク質吸着量を求めた。次いで、次式に従い、実施例5の試験液を用いた場合の花粉タンパク質吸着量に対する、実施例6の試験液を用いた場合の花粉タンパク質吸着量の割合から、花粉タンパク質吸着改善増強率(%)を算出した。
表7に記載の処方で、SHCL用点眼剤(実施例7−25)が調製される。
Claims (1)
- (A)ビタミンB12類と、(B)界面活性剤とを含有する、シリコーンハイドロゲルコンタクトレンズ用点眼剤。
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