JP2012031297A - 活性エネルギー線硬化型樹脂組成物用帯電防止剤、活性エネルギー線硬化型組成物、硬化皮膜および帯電防止処理光学フィルム - Google Patents
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Abstract
【課題】活性エネルギー線硬化型樹脂との相溶性に優れ、かつ、硬化皮膜に優れた帯電防止性を付与できる、新規な帯電防止剤を提供する。
【解決手段】当該帯電防止剤として、四級アンモニウム塩構造を有するビニルモノマー(a1)、水酸基含有ビニルモノマー類とラクトン類が開環重付加してなり、かつ、重量平均分子量が4000〜10000であるビニルモノマー(a2)、脂環構造を有するビニルモノマー(a3)、および必要に応じ他のビニルモノマー(a4)の共重合体(A)を用いる。
【選択図】なし
【解決手段】当該帯電防止剤として、四級アンモニウム塩構造を有するビニルモノマー(a1)、水酸基含有ビニルモノマー類とラクトン類が開環重付加してなり、かつ、重量平均分子量が4000〜10000であるビニルモノマー(a2)、脂環構造を有するビニルモノマー(a3)、および必要に応じ他のビニルモノマー(a4)の共重合体(A)を用いる。
【選択図】なし
Description
本発明は、活性エネルギー線硬化型樹脂組成物用帯電防止剤、当該帯電防止剤を用いた活性エネルギー線硬化型組成物、および当該組成物からなる帯電防止性の硬化皮膜、ならびに当該硬化皮膜を有する帯電防止処理光学フィルムに関する。
一般に活性エネルギー線硬化型樹脂組成物とは、ペンタエリスリトールポリ(メタ)アクリレートやジトリメチロールプロパンポリ(メタ)アクリレート等の、分子内に多数の(メタ)アクリロイル基を有する化合物(所謂活性エネルギー線硬化性樹脂)、反応性希釈剤等から構成されている。活性エネルギー線硬化型樹脂組成物は、紫外線や電子線の照射により瞬時に硬化するため生産性が高く、また、各種基材の表面に硬度や耐擦傷性に優れた硬化皮膜を形成できるため、各種基材のコーティング剤として用いられており、近年、特に液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイ(以下、フラットパネルディスプレイと総称する)等の各種表示装置の前面板のハードコート剤として賞用されている。
ところで、フラットパネルディスプレイ用途に供する場合には、コーティング剤として用いる活性エネルギー線硬化型樹脂組成物には、高精細画像を実現するため、或いはディスプレイの組立や作動中の静電気に起因したトラブルを防止するため、得られる硬化皮膜について、高い透明性や優れた帯電防止性が要求される。
硬化皮膜に帯電防止性を付与する方法としては、例えば、活性エネルギー線硬化型樹脂組成物に導電性フィラーを添加する方法が公知であり、例えば特許文献1には、導電性フィラーとしてアンチモン酸亜鉛微粒子を使用した例が記載されている。しかし、導電性フィラーは、十分な帯電防止効果を得るためには多量で使用する必要があり、硬化皮膜の透明性や硬度等に悪影響を及ぼすことがある。また、アンチモン酸亜鉛微粒子の場合には、可視光に由来する着色が硬化皮膜に認められるため、特に前記フラットパネルディスプレイ用途には不適であった。
また、帯電防止剤としてポリ(チオフェン)やポリ(アニリン)等の導電性高分子を使用することも考えられるが、これらは一般に強く着色しているため、透明性の点で難がある。
一方、導電性高分子であっても、四級アンモニウム塩構造を有する共重合体を使用すれば硬化皮膜の透明性を確保できる。しかし、かかる共重合体は、四級アンモニウム塩という親水性の構造を有しているため、活性エネルギー線硬化性樹脂のような有機化合物、特に、(メタ)アクリロイル基の数が多いポリ(メタ)アクリレート化合物や、高分子量で水酸基価を有するようなポリ(メタ)アクリレート化合物との相溶性が一般に不十分であるとされており、得られる活性エネルギー線硬化型樹脂組成物に濁りが生ずる場合があった。
この点、特許文献2には、アルキル基末端のアルキレンオキシド鎖を四級アンモニウム塩構造含有共重合体に導入することによって、活性エネルギー線硬化性樹脂との相溶性が向上することが記載されているが、単位使用量あたりの帯電防止効果が十分ではなかった。
また、特許文献3には、四級アンモニウム塩構造含有共重合体にオルガノポリシロキサン単位を導入することによって活性エネルギー線硬化性樹脂との相溶性が改善することが記載されているが、得られる硬化皮膜の透明性(ヘイズ)が十分ではなく、特に前記したフラットパネルディスプレイ用途には不向きであると考えられる。また、硬化皮膜のリコート性が不十分であるため、用途も制限されると考えられる。
一方、光学フィルムに帯電防止性を付与する方法としては他にも、例えば基材フィルムに透明導電層を設ける方法が公知であり、特許文献4には、活性エネルギー線硬化性樹脂と導電性微粒子からなる透明導電層とその上に設けたハードコート層とを有する光学フィルムが記載されている。しかし、このような光学フィルムは所謂ツーコート仕様であるため、製造コストの点で難がある。
本発明は、活性エネルギー線硬化型樹脂(ポリ(メタ)アクリレート化合物)との相溶性に優れ、かつ、優れた帯電防止性を硬化皮膜に付与できる、新規な帯電防止剤を提供することを主たる課題とする。
また、本発明は、帯電防止性、透明性、耐擦傷性及び硬度等が良好な硬化皮膜をワンコートで形成可能な活性エネルギー線硬化型樹脂組成物をも課題とする。
また、本発明は、帯電防止性、透明性、表面硬度、耐擦傷性等に優れた帯電防止処理フィルムを提供することをも課題とする。
本発明者は鋭意検討した結果、四級アンモニウム塩構造含有共重合体に脂環族構造と所定のポリエステル構造の双方を導入したものにより前記課題を解決できることを見出した。
また、本発明者は、当該帯電防止剤と特定の(ポリ)メタアクリレート化合物を含む活性エネルギー線硬化型樹脂組成物により、前記課題を解決した硬化皮膜及び帯電防止処理フィルムを提供できることも見出した。
すなわち本発明は、四級アンモニウム塩構造を有するビニルモノマー(a1)、水酸基含有ビニルモノマー類とラクトン類が開環重付加してなり、かつ、重量平均分子量が4000〜10000であるビニルモノマー(a2)、脂環構造を有するビニルモノマー(a3)、および必要に応じ他のビニルモノマー(a4)の共重合体(A)を用いてなる、活性エネルギー線硬化型樹脂組成物用帯電防止剤(1);当該帯電防止剤(1)、分子内に少なくとも5個の(メタ)アクリロイル基を有するポリ(メタ)アクリレート類(2)、ならびに必要に応じて反応性希釈剤(3)および光重合開始剤(4)を含む、活性エネルギー線硬化型樹脂組成物;当該活性エネルギー線硬化型組成物から得られる硬化皮膜;当該硬化皮膜を基材フィルムの少なくとも片面に有する帯電防止処理光学フィルム、に関する。
本発明の帯電防止剤は、活性エネルギー線硬化型樹脂、特に(メタ)アクリロイル基数が多いポリ(メタ)アクリレート化合物や、高分子量で水酸基価を有するようなポリ(メタ)アクリレート化合物との相溶性に優れており、透明な活性エネルギー線硬化型樹脂組成物が得られる。また、当該帯電防止剤は、単位使用量あたりの帯電防止効果に優れる。
また、当該帯電防止剤を用いた活性エネルギー線硬化型樹脂組成物は透明性に優れており、これによれば、帯電防止性、透明性、硬度、耐擦傷性だけでなく、耐候性やリコート性等に優れた平滑な硬化皮膜をワンコートで得ることができる。それゆえ、当該活性エネルギー線硬化型樹脂組成物は、各種フラットパネルディスプレイの前面板のコーティング剤として有用である他、陰極線管のコーティング剤等としても好適に使用できる。
また、本発明の帯電防止処理フィルムは、帯電防止性、透明性、表面硬度、耐擦傷性、耐候性等に優れているため、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイ等のフラットパネルディスプレイ用途に好適である。
本発明の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物用帯電防止剤(1)(以下、(1)成分という)は、四級アンモニウム塩構造を有するビニルモノマー(a1)(以下、(a1)成分という)、水酸基含有ビニルモノマー類とラクトン類が開環重付加してなり、かつ、重量平均分子量が4000〜10000であるビニルモノマー(a2)(以下、(a2)成分という)、脂環構造を有するビニルモノマー(a3)(以下、(a3)成分という)、および必要に応じ他のビニルモノマー(a4)(以下、(a4)成分という)の共重合体(A)(以下、(A)成分という)を用いたものである。
(a1)成分は、分子内に四級アンモニウム塩構造を有するビニルモノマーであれば、各種公知のものを特に制限なく用い得る。具体的には、式(1):CH2=C(R1)−CO−A−B−N+(R2)(R3)(R4)・X−(式中、R1はHまたはCH3、R2〜R4は炭素数1〜3程度のアルキル基を、AはOまたはNHを、Bは炭素数1〜3程度のアルキレン基を、Xはカウンターアニオン種を表す)で表される(メタ)アクリレート化合物が好適であり、1種を単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。また、X−としては、Cl−、SO4 −、SO3 −、C2H5SO4 −、Br−等が挙げられるが、帯電防止効果の点よりCl−が最も好ましい。なお、(a1)成分は、四級アンモニウム塩構造を有する(メタ)アクリルモノマーとして、市販品(共栄社化学(株)製「ライトエステルDQ−100」、(興人(株)製「DMAEA−Q」等)を利用できる。
(a2)成分は、水酸基含有ビニルモノマー類とラクトン類を開環重付加反応させたものであり、各種公知のものを特に制限なく用い得る。なお、(a2)成分に代えて他の長鎖モノマー、例えば、アルキル基末端のアルキレンオキシド構造を分子内に有するビニルモノマーを使用した場合には、硬化皮膜の帯電防止性が不十分になる傾向にある。
水酸基含有ビニルモノマー類としては、例えば、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド等の水酸基含有(メタ)アクリレートや、ヒドロキシエチルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル、ヒドロキシジエチレングリコールビニルエーテル等の水酸基含有ビニルモノマーが挙げられ、1種を単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、特にラジカル共重合性の点より、水酸基含有(メタ)アクリレートが好ましい。
ラクトン類としては、β−プロピオラクトン、γ−ブチロラクトン、δ−バレロラクトン、β−メチル―δ−バレロラクトン、ε−カプロラクトン等が挙げられ、1種を単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、特に開環重合の反応性の点より、ε−カプロラクトンおよび/またはδ−バレロラクトンが好ましい。
また、(a2)成分は、重量平均分子量(ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによるポリスチレン換算値をいう。以下、同様。)が4000〜10000程度、好ましくは5000〜8000である。重量平均分子量が4000未満であると相溶性が不十分となり、硬化皮膜の透明性が損なわれる傾向にある。また、10000を超えるものは、合成が困難である。
(a2)成分は各種公知の方法で得ることができる。具体的には、例えば、前記水酸基含有ビニルモノマー類を開始剤として、前記ラクトン類を開環重付加反応させればよい。また、反応の際に水酸基含有単官能ビニルモノマー類とラクトン類の仕込み比率や、反応温度、触媒種・量を適宜選択することによって、ポリエステル構造が繰り返され、前記重量平均分子量が達成される。
反応の際には、硫酸、リン酸等の鉱酸;リチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属、n−ブチルリチウム、t−ブチルリチウム等のアルキル金属化合物;チタンテトラブトキシド等の金属アルコキシド;ジブチルスズジラウリレート、ジブチルスズジオクトレート、ジブチルスズメルカプチド、オクリル酸スズ等のスズ化合物等の触媒を使用でき、その使用量は通常、水酸基含有ビニルモノマー類およびラクトン類の合計100重量%に対して0.01〜10重量%程度である。
(a3)成分としては、分子内に脂環構造を有するビニルモノマーであれば、各種公知のものを特に制限なく使用できる。具体的には、例えば、シクロヘキシルモノ(メタ)アクリレート、イソボルニルモノ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンモノ(メタ)アクリレート、アダマンチルモノ(メタ)アクリレート等の脂環構造含有モノ(メタ)アクリレート類や、ビニルシクロヘキサン等の脂環構造含有ビニルモノマー類が挙げられ、1種を単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。なお、(a3)成分に代えて例えば以下のその他モノマーを使用した場合には、硬化皮膜の帯電防止性が不十分になる傾向にある。
(a4)成分としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート等の、炭素数1〜10程度の炭化水素基を有するモノ(メタ)アクリレート類や、スチレン、α−メチルスチレン、4−メチルスチレン等の芳香環構造ビニルモノマー類が挙げられ、1種を単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
(A)成分は、前記(a1)成分〜(a4)成分を各種公知の方法(塊状重合、溶液重合、乳化重合等)でラジカル共重合させることにより得られる。反応温度は通常40〜160℃程度、反応時間は2〜12時間程度である。
(a1)成分〜(a4)成分の共重合比率は特に制限されないが、相溶性や硬化皮膜の帯電防止性、透明性等を考慮すると、通常は順に40〜60:20〜40:10〜30:0〜20(重量比)程度であり、好ましくは45〜55:25〜35:10〜25:0〜10(重量比)である。
反応の際には、過酸化水素、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム等の無機過酸化物;ベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ラウリルパーオキサイド等の有機過酸化物;2、2−アゾビス(イソブチロニトリル)、2,2´−アゾビス(メチルブチロニトリル)等のアゾ系化合物等のラジカル重合開始剤を使用でき、その使用量は通常、(a1)成分〜(a4)成分の総重量に対し、0.01〜10重量%程度である。
また、ラウリルメルカプタン、ドデシルメルカプタン、2−メルカプトベンゾチアゾール、ブロムトリクロルメタン等の連鎖移動剤を使用してもよく、その使用量は通常、(a1)成分〜(a4)成分の総重量に対し、0.01〜10重量%程度である。
また、溶液重合の場合には、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールエーテル類;メタノール、エタノール、n−プロパノール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類;ベンセン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;酢酸エチル、酢酸ブチル等の酢酸エステル類;クロロホルム、ジメチルホルムアミド等の有機溶剤を使用できる。これらの中でも(a1)成分〜(a4)成分の溶解力の点よりグリコールエーテル類が好ましい。また、乳化重合の場合には、各種公知のアニオン性、ノニオン性、カチオン性の界面活性剤を使用できる。
こうして得られる(A)成分の物性は特に限定されないが、例えば、(A)成分のプロピレングリコールモノメチルエーテル希薄溶液(1〜2重量%程度)の25℃における極限粘度が0.05dl/g以上、具体的には0.1〜1dl/g程度である。極限粘度を0.05dl/g以上にすることによって、硬化皮膜からの(A)成分のブリードアウトを低減できるため、帯電防止性が良好になる。
(1)成分は(A)成分を主成分とするが、固形物として利用できる他、例えば溶液重合により得た場合には、(A)成分と前記有機溶剤を含む溶液(不揮発分が通常5〜50重量%程度)として利用できる。
本発明の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物は、(1)成分、分子内に少なくとも5個の(メタ)アクリロイル基を有するポリ(メタ)アクリレート類(2)(以下、(2)成分という)、ならびに必要に応じて反応性希釈剤(3)(以下、(3)成分といい、(2)成分に該当するものを除く)および光重合開始剤(4)(以下、(4)成分という)を含むものである。
(2)成分には、例えば、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールポリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールポリ(メタ)アクリレート等の、分子内に少なくとも5個(具体的には5〜12個)の(メタ)アクリロイル基を有する非ウレタン変性ポリ(メタ)アクリレート化合物(2−1)(以下、(2−1)成分という)や、当該(2−1)成分と各種公知のポリイソシアネート化合物との反応により得られる、分子内に少なくとも5個(具体的には5〜30個)の(メタ)アクリロイル基を有するウレタン変性ポリ(メタ)アクリレート化合物(2−2)(以下、(2−2)成分という)が含まれる。なお、(2)成分としては市販品を使用してもよく、通常、(メタ)アクリロイル基個の数が異なるポリ(メタ)アクリレート化合物が複数種混在している。
前記ポリイソシアネート化合物としては、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、1,3−キシレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4−ジイソシアネート、3−メチル−ジフェニルメタンジイソシアネートもしくは1,5−ナフタレンジイソシアネート等の芳香族系ジイソシアネート化合物;ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等の脂環族ジイソシアネート化合物;ヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート化合物;これらの2〜6量体等が挙げられ、これらの中でも硬化皮膜の耐候性の観点より脂環族ジイソシアネート化合物が好ましい。
また、(2)成分として、それぞれ重量平均分子量が通常550〜10000程度(好ましくは550〜7000)であり、かつ、水酸基価が通常0〜60mgKOH/g程度(好ましくは15〜50mgKOH/g)であるのものは特に(1)成分との相溶性に優れており、かつ、硬化皮膜の帯電防止性、透明性、硬度、および耐擦傷性等に寄与するため好ましい。
(3)成分は必要に応じて使用できる成分であり、(2)成分と併用することによって、(2)成分と(1)成分の相溶性が一層良好になる結果、活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の透明性が向上し、かつ、帯電防止性、透明性、硬度、および耐擦傷性等に特に優れた硬化皮膜が得られる。(3)成分としては、例えば、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート等の、分子内に3〜4個の(メタ)アクリロイル基を有するポリ(メタ)アクリレート類(以下、(3−1)成分という)、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヘキサエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタジエンジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAエチレンオキシド変性ジ(メタ)アクリレート等の、分子内に(メタ)アクリロイル基を2個有するジ(メタ)アクリレート類(以下、(3−2)成分という)、前記(a1)〜(a4)成分、前記水酸基含有ビニルモノマー類等(以下、(3−3)成分という)が挙げられる。これらの中でも、特に前記相溶化作用と硬化皮膜性能(硬度、耐擦傷性等)の観点より(3−1)成分が好ましい。
本発明の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物における(1)成分、(2)成分および(3)成分、ならびに(4)成分の含有量は特に制限されないが、通常は、当該活性エネルギー線硬化型樹脂組成物全量を100重量%(固形分換算)とした場合において、順に0.3〜20重量%程度、80〜99.7重量%程度、ならびに0〜15重量%程度であり、具体的には、1〜15重量%、80〜98重量%、ならびに1〜5重量%である。かかる量で使用することにより、硬化皮膜の帯電防止性、硬度、耐擦傷性、耐溶剤性等のバランスが良好になる。
また、(2)成分および(3)成分の使用量比は特に制限されず、通常は、両者の合計を100重量%とした場合において、順に20〜100重量%程度、および0〜80重量%程度であるが、得られる活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の透明性や、硬化皮膜の硬度、耐擦傷性等を考慮すると、好ましくは順に50〜95重量%程度、5〜45重量%程度である。
また、本発明の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物には、塗布作業性等を考慮して、前記した有機溶剤を希釈溶剤として使用できる。それらの中でも当該組成物の表面平滑性を考慮すると、前記グリコールエーテル類、アルコール類、およびケトン類からなる群より選ばれる少なくとも1種を使用することが好ましい。また、希釈後の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の固形分濃度は通常1〜60重量%程度である。
また、本発明の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物には、光増感剤、表面調整剤、界面活性剤、紫外線吸収剤、無機フィラー、シランカップリング剤、コロイダルシリカ、接着性改良剤、消泡剤、湿潤剤、防錆剤、安定化剤等の添加剤を含有させることができる。
本発明の硬化皮膜は、本発明の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物から得られる。具体的には、たとえば、当該組成物を各種基材フィルム上に、乾燥後の重量が0.05〜30g/m2程度、好ましくは0.1〜20g/m2程度になるように塗布し、乾燥させた後、活性エネルギー線(紫外線または電子線)を照射して硬化させることにより得ることができる。
塗布方法としては、例えばバーコーター塗工、メイヤーバー塗工、エアナイフ塗工、グラビア塗工、リバースグラビア塗工、オフセット印刷、フレキソ印刷、スクリーン印刷法等が挙げられる。
活性エネルギー線としては、紫外線や電子線が挙げられる。紫外線光源としては、キセノンランプ、高圧水銀灯、メタルハライドランプを有する紫外線照射装置が挙げられる。また、光量、光源、搬送速度等の条件は適宜調整すればよく、例えば高圧水銀灯を使用する場合には、光量が通常80〜160W/cm程度、搬送速度が通常5〜50m/分程度である。
本発明の帯電防止処理フィルムは、当該硬化皮膜を基材フィルムの少なくとも片面に有するものである。
基材フィルムとしては、例えば、ポリカーボネートフィルム、ポリエステルフィルム、ポリオレフィンフィルム、ポリスチレンフィルム、エポキシ樹脂フィルム、メラミン樹脂フィルム、トリアセチルセルロースフィルム、ABS樹脂フィルム、AS樹脂フィルム、アクリル系樹脂フィルム、脂環式ポリオレフィン系樹脂フィルム等が挙げられ、これらの中でも透明性、硬化皮膜との密着性の観点より、ポリカーボネートフィルム、トリアセチルセルロースフィルム、アクリル系樹脂フィルム、脂環式ポリオレフィン系樹脂フィルムが好ましい。
また、基材フィルムの平均厚みは特に限定されないが、通常30〜1000μm程度、好ましくは30〜200μmである。
当該帯電防止処理フィルムの硬化皮膜は、平均膜厚が通常0.05〜30μm程度、好ましくは0.1〜20μmである。
また、当該帯電防止処理フィルムの硬化皮膜面の表面抵抗値は通常2.0×1011Ω/□未満、好ましくは1.0×109〜1.0×1011Ω/□である。
また、硬化皮膜面の鉛筆硬度(JIS K 5400準拠、荷重500g)は通常2H以上、好ましくは1〜2Hである。
また、ヘイズ値は通常0.4以下、好ましくは0.2以下である。
以下に本発明を実施例により更に具体的に説明する。ただし、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。また実施例中、「%」及び「部」は特に断りのない限り「重量%」を意味する。
<(a2)成分の合成>
合成例1
撹拌装置、冷却管を備えた反応装置に、ヒドロキシエチルメタクリレート130部、ε−カプロラクトン1140部、オクチル酸スズ1.3部を加え、150℃まで昇温し、6時間保温した後に冷却して、重量平均分子量約5500のポリエステル構造含有単官能ビニルモノマー(以下、(a2−1)成分という)を得た。なお、当該重量平均分子量は、市販の分子量測定機(本体製品名「HLC−8220GPC」、東ソー(株)製;カラム製品名「TSKGel G1000H」、「TSKGel G2000H」、東ソー(株)製;展開溶媒 テトラヒドロフラン)を用いて得た値である(以下、同様。)
合成例1
撹拌装置、冷却管を備えた反応装置に、ヒドロキシエチルメタクリレート130部、ε−カプロラクトン1140部、オクチル酸スズ1.3部を加え、150℃まで昇温し、6時間保温した後に冷却して、重量平均分子量約5500のポリエステル構造含有単官能ビニルモノマー(以下、(a2−1)成分という)を得た。なお、当該重量平均分子量は、市販の分子量測定機(本体製品名「HLC−8220GPC」、東ソー(株)製;カラム製品名「TSKGel G1000H」、「TSKGel G2000H」、東ソー(株)製;展開溶媒 テトラヒドロフラン)を用いて得た値である(以下、同様。)
合成例2
合成例1と同様の反応装置に、ヒドロキシエチルメタクリレート130部、δ−バレロラクトン1140部、オクチル酸スズ1.3部を加え、150℃まで昇温し、6時間保温した後に冷却して、重量平均分子量約7400のポリエステル構造含有単官能ビニルモノマー(以下、(a2−2)成分という)を得た。
合成例1と同様の反応装置に、ヒドロキシエチルメタクリレート130部、δ−バレロラクトン1140部、オクチル酸スズ1.3部を加え、150℃まで昇温し、6時間保温した後に冷却して、重量平均分子量約7400のポリエステル構造含有単官能ビニルモノマー(以下、(a2−2)成分という)を得た。
比較合成例1
合成例1と同様の反応装置に、ヒドロキシエチルメタクリレート130部、ε-カプロラクトン570部、オクチル酸スズ0.7部を加え、150℃まで昇温し、6時間保温した後に冷却して、重量平均分子量約2900のポリエステル構造含有単官能ビニルモノマー(以下、(b−1)成分という)を得た。
合成例1と同様の反応装置に、ヒドロキシエチルメタクリレート130部、ε-カプロラクトン570部、オクチル酸スズ0.7部を加え、150℃まで昇温し、6時間保温した後に冷却して、重量平均分子量約2900のポリエステル構造含有単官能ビニルモノマー(以下、(b−1)成分という)を得た。
<(A)成分の合成>
実施例1
合成例1と同様の反応装置に、メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリド(DMC)(以下、(a1−1)成分という)100部、(a2−1)成分60部、シクロヘキシルメタクリレート(CHMA)(以下、(a3−1)成分という)40部、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGM)800部を加え、80℃まで昇温した。次いで2,2´−アゾビス(メチルブチロニトリル)(AMBN)8部、PGM32部を加え、重合反応を開始、90℃で6時間保温した後に冷却し、四級アンモニウム塩構造含有ポリマー(A−1)の溶液(不揮発分20%)を得た。
実施例1
合成例1と同様の反応装置に、メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリド(DMC)(以下、(a1−1)成分という)100部、(a2−1)成分60部、シクロヘキシルメタクリレート(CHMA)(以下、(a3−1)成分という)40部、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGM)800部を加え、80℃まで昇温した。次いで2,2´−アゾビス(メチルブチロニトリル)(AMBN)8部、PGM32部を加え、重合反応を開始、90℃で6時間保温した後に冷却し、四級アンモニウム塩構造含有ポリマー(A−1)の溶液(不揮発分20%)を得た。
実施例2
合成例1と同様の反応装置に、(a1−1)成分100部、(a2−2)成分60部、(a3−1)成分40部、PGM800部を加え、80℃まで昇温した。次いでAMBN8部、PGM32部を加え、重合反応を開始、90℃で6時間保温した後に冷却し、四級アンモニウム塩構造含有ポリマー(A−2)の溶液(不揮発分20%)を得た。
合成例1と同様の反応装置に、(a1−1)成分100部、(a2−2)成分60部、(a3−1)成分40部、PGM800部を加え、80℃まで昇温した。次いでAMBN8部、PGM32部を加え、重合反応を開始、90℃で6時間保温した後に冷却し、四級アンモニウム塩構造含有ポリマー(A−2)の溶液(不揮発分20%)を得た。
実施例3
合成例1と同様の反応装置に、(a1−1)成分100部、(a2−1)成分60部、トリシクロデカンメタクリレート(TCDA)(以下、(a3−2)成分という)40部、PGM800部を加え、80℃まで昇温した。次いでAMBN8部、PGM32部を加え、重合反応を開始、90℃で6時間保温した後に冷却し、四級アンモニウム塩構造含有ポリマー(A−3)の溶液(不揮発分20%)を得た。
合成例1と同様の反応装置に、(a1−1)成分100部、(a2−1)成分60部、トリシクロデカンメタクリレート(TCDA)(以下、(a3−2)成分という)40部、PGM800部を加え、80℃まで昇温した。次いでAMBN8部、PGM32部を加え、重合反応を開始、90℃で6時間保温した後に冷却し、四級アンモニウム塩構造含有ポリマー(A−3)の溶液(不揮発分20%)を得た。
比較例1
合成例1と同様の反応装置に、(a1−1)成分を100部、(b−1)成分60部、(a3−1)成分40部、PGM800部を加え、80℃まで昇温した。次いでAMBN8部、PGM32部を加え、重合反応を開始、90℃で6時間保温した後に冷却し、四級アンモニウム塩構造含有ポリマー(α−1)の溶液(不揮発分20%)を得た。
合成例1と同様の反応装置に、(a1−1)成分を100部、(b−1)成分60部、(a3−1)成分40部、PGM800部を加え、80℃まで昇温した。次いでAMBN8部、PGM32部を加え、重合反応を開始、90℃で6時間保温した後に冷却し、四級アンモニウム塩構造含有ポリマー(α−1)の溶液(不揮発分20%)を得た。
比較例2
合成例1と同様の反応装置に、(a1−1)成分100部、オクチルポリエチレングリコールポリプロピレングリコールメタクリレート(商品名「ブレンマー50POEP−800B」、日油(株)製)60部、(以下、(b−2)成分という)、(a3−1)成分40部、PGM800部を加え、80℃まで昇温した。AMBN8部、PGM32部を加え、重合反応を開始、90℃で6時間保温した後に冷却し、四級アンモニウム塩構造含有ポリマー(α−2)の溶液(不揮発分20%)を得た。
合成例1と同様の反応装置に、(a1−1)成分100部、オクチルポリエチレングリコールポリプロピレングリコールメタクリレート(商品名「ブレンマー50POEP−800B」、日油(株)製)60部、(以下、(b−2)成分という)、(a3−1)成分40部、PGM800部を加え、80℃まで昇温した。AMBN8部、PGM32部を加え、重合反応を開始、90℃で6時間保温した後に冷却し、四級アンモニウム塩構造含有ポリマー(α−2)の溶液(不揮発分20%)を得た。
比較例3
合成例1と同様の反応装置に、(a1−1)成分100部、ポリ(メタクリル酸メチル)モノメタクリレート(商品名「マクロモノマーAA−6」、東亞合成(株)製)60部、(以下、(b−3)成分という)、(a3−1)成分40部、PGM800部を加え、80℃まで昇温した。AMBN8部、PGM32部を加え、重合反応を開始、90℃で6時間保温した後に冷却し、四級アンモニウム塩構造含有ポリマー(α−3)の溶液(不揮発分20%)を得た。
合成例1と同様の反応装置に、(a1−1)成分100部、ポリ(メタクリル酸メチル)モノメタクリレート(商品名「マクロモノマーAA−6」、東亞合成(株)製)60部、(以下、(b−3)成分という)、(a3−1)成分40部、PGM800部を加え、80℃まで昇温した。AMBN8部、PGM32部を加え、重合反応を開始、90℃で6時間保温した後に冷却し、四級アンモニウム塩構造含有ポリマー(α−3)の溶液(不揮発分20%)を得た。
比較例4
合成例1と同様の反応装置に、(a1−1)成分200部、PGM800部を加え、80℃まで昇温した。次いでAMBN8部、PGM32部を加え、重合反応を開始、90℃で6時間保温した後に冷却し、四級アンモニウム塩構造含有ポリマー(α−4)の溶液(不揮発分20%)を得た。
合成例1と同様の反応装置に、(a1−1)成分200部、PGM800部を加え、80℃まで昇温した。次いでAMBN8部、PGM32部を加え、重合反応を開始、90℃で6時間保温した後に冷却し、四級アンモニウム塩構造含有ポリマー(α−4)の溶液(不揮発分20%)を得た。
比較例5
合成例1と同様の反応装置に、(a1−1)成分100部、(a2−1)成分100部、PGM800部を加え、80℃まで昇温した。次いでAMBN8部、PGM32部を加え、重合反応を開始、90℃で6時間保温した後に冷却し、四級アンモニウム塩構造含有ポリマー(α−5)の溶液(不揮発分20%)を得た。
合成例1と同様の反応装置に、(a1−1)成分100部、(a2−1)成分100部、PGM800部を加え、80℃まで昇温した。次いでAMBN8部、PGM32部を加え、重合反応を開始、90℃で6時間保温した後に冷却し、四級アンモニウム塩構造含有ポリマー(α−5)の溶液(不揮発分20%)を得た。
比較例6
合成例1と同様の反応装置に、(a1−1)成分100部、(a3−1)成分100部、PGM800部を加え、80℃まで昇温した。次いでAMBN8部、PGM32部を加え、重合反応を開始、90℃で6時間保温した後に冷却し、四級アンモニウム塩構造含有ポリマー(α−6)の溶液(不揮発分20%)を得た。
合成例1と同様の反応装置に、(a1−1)成分100部、(a3−1)成分100部、PGM800部を加え、80℃まで昇温した。次いでAMBN8部、PGM32部を加え、重合反応を開始、90℃で6時間保温した後に冷却し、四級アンモニウム塩構造含有ポリマー(α−6)の溶液(不揮発分20%)を得た。
比較例7
合成例1と同様の反応装置に、(a1−1)成分100部、(a2−1)成分60部、メチルメタクリレート(MMA)(以下、(a4−1)成分という)40部、PGM800部を加え、80℃まで昇温した。AMBN8部、PGM32部を加え、重合反応を開始、90℃で6時間保温した後に冷却し、四級アンモニウム塩構造含有ポリマー(α−7)の溶液(不揮発分20%)を得た。
合成例1と同様の反応装置に、(a1−1)成分100部、(a2−1)成分60部、メチルメタクリレート(MMA)(以下、(a4−1)成分という)40部、PGM800部を加え、80℃まで昇温した。AMBN8部、PGM32部を加え、重合反応を開始、90℃で6時間保温した後に冷却し、四級アンモニウム塩構造含有ポリマー(α−7)の溶液(不揮発分20%)を得た。
<活性エネルギー線硬化型組成物の調製>
実施例4
溶液状の(A−1)成分からなる帯電防止剤を3部、ジペンタエリスリトールポリアクリレート(DPHA)((メタ)アクリロイル基が5個のものと6個のものとの混合物:荒川化学工業(株)製、商品名「KU‐702」)を92部、および1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニルケトン(BASFジャパン(株)製、商品名「イルガキュアー184」、以下HCPKという)を5部、固形分割合で配合し、メチルエチルケトン(MEK)で希釈して、不揮発分50%の活性エネルギー線硬化型組成物を調製した。また、当該組成物の相溶性(外観)を目視評価した。
実施例4
溶液状の(A−1)成分からなる帯電防止剤を3部、ジペンタエリスリトールポリアクリレート(DPHA)((メタ)アクリロイル基が5個のものと6個のものとの混合物:荒川化学工業(株)製、商品名「KU‐702」)を92部、および1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニルケトン(BASFジャパン(株)製、商品名「イルガキュアー184」、以下HCPKという)を5部、固形分割合で配合し、メチルエチルケトン(MEK)で希釈して、不揮発分50%の活性エネルギー線硬化型組成物を調製した。また、当該組成物の相溶性(外観)を目視評価した。
実施例4〜11、比較例7〜15
(A−2)成分〜(α−5)成分についても、表2で示す原料、表3で示す配合量の条件で不揮発分50%の活性エネルギー線硬化型組成物を調製した。また、各組成物の相溶性を目視評価した。
(A−2)成分〜(α−5)成分についても、表2で示す原料、表3で示す配合量の条件で不揮発分50%の活性エネルギー線硬化型組成物を調製した。また、各組成物の相溶性を目視評価した。
表2中、各記号は以下の通りである。
N:当該整数個の(メタ)アクリロイル基を有する化合物が混在していることを意味する
Mw:重量平均分子量
OHV:水酸基価
DPHA:ジペンタエリスリトールポリアクリレート(商品名「KU‐702」、荒川化学工業(株)製)
TPPA:トリペンタエリスリトールポリアクリレート(商品名「ビスコート#802」、大阪有機化学工業(株)製)
PEUA:ペンタエリスリトールポリアクリレートを主原料とするウレタン変性ポリアクリレート(商品名「KU-PEUA」、荒川化学工業(株)製)
DPUA:ジペンタエリスリトールポリアクリレートを主原料とするウレタン変性ポリアクリレート(商品名「KU-DPUA」、荒川化学工業(株)製)
PETA:ペンタエリスリトールポリアクリレート(商品名「ビスコート#300」、大阪有機化学工業(株)製)
N:当該整数個の(メタ)アクリロイル基を有する化合物が混在していることを意味する
Mw:重量平均分子量
OHV:水酸基価
DPHA:ジペンタエリスリトールポリアクリレート(商品名「KU‐702」、荒川化学工業(株)製)
TPPA:トリペンタエリスリトールポリアクリレート(商品名「ビスコート#802」、大阪有機化学工業(株)製)
PEUA:ペンタエリスリトールポリアクリレートを主原料とするウレタン変性ポリアクリレート(商品名「KU-PEUA」、荒川化学工業(株)製)
DPUA:ジペンタエリスリトールポリアクリレートを主原料とするウレタン変性ポリアクリレート(商品名「KU-DPUA」、荒川化学工業(株)製)
PETA:ペンタエリスリトールポリアクリレート(商品名「ビスコート#300」、大阪有機化学工業(株)製)
なお、表3中、相溶性の評価基準は以下の通りである。
○:透明
×:白濁、完全分離
○:透明
×:白濁、完全分離
<硬化皮膜、帯電防止処理フィルムの作製>
実施例12〜19、比較例16〜18
実施例4に係る組成物を、100μm厚のポリエステルフィルム(東洋紡績(株)製、商品名「コスモシャインA−4100」)上に、#9バーコーターで塗布し(計算値:膜厚5〜6μm)、80℃で1分乾燥させ、空気中、高圧水銀灯(200mJ/cm2)の下を2度通過させることにより、実施例12用の、硬化皮膜を供えた帯電防止処理フィルムを作製した。実施例5〜11、および比較例7、9および13に係る組成物についても同様にして、実施例13〜19用、および比較例16〜18用の帯電防止処理フィルムを作製した。結果を表4に示す。
実施例12〜19、比較例16〜18
実施例4に係る組成物を、100μm厚のポリエステルフィルム(東洋紡績(株)製、商品名「コスモシャインA−4100」)上に、#9バーコーターで塗布し(計算値:膜厚5〜6μm)、80℃で1分乾燥させ、空気中、高圧水銀灯(200mJ/cm2)の下を2度通過させることにより、実施例12用の、硬化皮膜を供えた帯電防止処理フィルムを作製した。実施例5〜11、および比較例7、9および13に係る組成物についても同様にして、実施例13〜19用、および比較例16〜18用の帯電防止処理フィルムを作製した。結果を表4に示す。
[硬化皮膜についての各種試験]
<表面抵抗試験>
実施例12に係る帯電防止処理フィルムの表面抵抗を、市販抵抗率計(三菱化学(株)製、製品名「ハイレスタMCP−HT−450」)を用い、JIS K 6911に準じ、印加電圧500Vで測定した。実施例13〜19用、および比較例16〜18用の帯電防止処理フィルムについても同様に測定した。結果を表4に示す。
<表面抵抗試験>
実施例12に係る帯電防止処理フィルムの表面抵抗を、市販抵抗率計(三菱化学(株)製、製品名「ハイレスタMCP−HT−450」)を用い、JIS K 6911に準じ、印加電圧500Vで測定した。実施例13〜19用、および比較例16〜18用の帯電防止処理フィルムについても同様に測定した。結果を表4に示す。
<透明性の測定>
実施例12に係る帯電防止処理フィルムのヘイズ値を、村上色彩技術研究所製カラーへイズメーターを用い、JIS K 5400に準拠して測定した。実施例13〜19用、および比較例16〜18用の帯電防止処理フィルムについても同様に測定した。結果を表4に示す。なお、各ヘイズ値は基材であるポリエステルフィルムのヘイズ値を含めた数値である。
実施例12に係る帯電防止処理フィルムのヘイズ値を、村上色彩技術研究所製カラーへイズメーターを用い、JIS K 5400に準拠して測定した。実施例13〜19用、および比較例16〜18用の帯電防止処理フィルムについても同様に測定した。結果を表4に示す。なお、各ヘイズ値は基材であるポリエステルフィルムのヘイズ値を含めた数値である。
<耐擦傷性試験>
実施例12に係る帯電防止処理フィルムの硬化皮膜を、スチールウール(10mm×10mm)を底に貼り付けた重りで50回擦り、塗膜外観を基準で目視評価したが、何ら傷を見出せなかった。実施例13〜19用、および比較例16〜18用の帯電防止処理フィルムの硬化皮膜についても同様に試験したが、本条件下では差が生じなかった。結果を表4に示す。
実施例12に係る帯電防止処理フィルムの硬化皮膜を、スチールウール(10mm×10mm)を底に貼り付けた重りで50回擦り、塗膜外観を基準で目視評価したが、何ら傷を見出せなかった。実施例13〜19用、および比較例16〜18用の帯電防止処理フィルムの硬化皮膜についても同様に試験したが、本条件下では差が生じなかった。結果を表4に示す。
<鉛筆硬度試験>
実施例12に係る帯電防止処理フィルムの硬化皮膜を、荷重500gの鉛筆引っかき試験(JIS K 5400準拠)により評価した。実施例13〜19用、および比較例16〜18用の帯電防止処理フィルムの硬化皮膜についても同様に試験したが、本条件下では差が生じなかった。結果を表4に示す。
実施例12に係る帯電防止処理フィルムの硬化皮膜を、荷重500gの鉛筆引っかき試験(JIS K 5400準拠)により評価した。実施例13〜19用、および比較例16〜18用の帯電防止処理フィルムの硬化皮膜についても同様に試験したが、本条件下では差が生じなかった。結果を表4に示す。
Claims (14)
- 四級アンモニウム塩構造を有するビニルモノマー(a1)、水酸基含有ビニルモノマー類とラクトン類が開環重付加してなり、かつ、重量平均分子量が4000〜10000であるビニルモノマー(a2)、脂環構造を有するビニルモノマー(a3)、および必要に応じ他のビニルモノマー(a4)の共重合体(A)を用いてなる、活性エネルギー線硬化型樹脂組成物用帯電防止剤(1)。
- ラクトン類がε−カプロラクトンおよび/またはδ−バレロラクトンである、請求項1の帯電防止剤(1)。
- (a1)成分、(a2)成分、(a3)成分、および(a4)成分の共重合比率が順に40〜60:20〜40:10〜30:0〜20(重量比)である、請求項1または2の帯電防止剤(1)。
- 請求項1〜3のいずれかの帯電防止剤(1)、分子内に少なくとも5個の(メタ)アクリロイル基を有するポリ(メタ)アクリレート類(2)、ならびに必要に応じて反応性希釈剤(3)および光重合開始剤(4)を含む、活性エネルギー線硬化型樹脂組成物。
- (2)成分が、重量平均分子量が550〜10000であり、かつ、水酸基価が0〜60mgKOH/gのものである、請求項4の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物。
- (1)成分、(2)成分および(3)成分、ならびに(4)成分の含有量が順に0.3〜20重量%、80〜99.7重量%、ならびに0〜15重量%である、請求項4〜7のいずれかの活性エネルギー線硬化型樹脂組成物。
- 請求項4〜6のいずれかの活性エネルギー線硬化型組成物から得られる硬化皮膜。
- 請求項7の硬化皮膜を基材フィルムの少なくとも片面に有する帯電防止処理光学フィルム。
- 基材フィルムが、ポリエステルフィルム、トリアセチルセルロースフィルム、ポリカーボネートフィルム、アクリル系樹脂フィルム、脂環オレフィン系樹脂フィルムからなる群より選ばれる1種である、請求項8の帯電防止処理光学フィルム。
- 基材フィルムの平均厚みが30〜1000μmである請求項8または9の帯電防止処理光学フィルム。
- 硬化皮膜の平均膜厚が0.05〜30μmである請求項8〜10のいずれかの帯電防止処理光学フィルム。
- 硬化皮膜面の表面抵抗値が2.0×1011Ω/□未満である請求項8〜11のいずれかの帯電防止処理光学フィルム。
- 硬化皮膜面の鉛筆硬度(JIS K 5400準拠、荷重500g)が2H以上である請求項8〜12のいずれかの帯電防止処理光学フィルム。
- 硬化皮膜を有するフィルムのヘイズ値が0.4以下である請求項8〜13のいずれかの帯電防止処理光学フィルム。
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