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JP2009029976A - 耐熱安定性に優れた硬化性樹脂組成物 - Google Patents

耐熱安定性に優れた硬化性樹脂組成物 Download PDF

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JP2009029976A JP2007196962A JP2007196962A JP2009029976A JP 2009029976 A JP2009029976 A JP 2009029976A JP 2007196962 A JP2007196962 A JP 2007196962A JP 2007196962 A JP2007196962 A JP 2007196962A JP 2009029976 A JP2009029976 A JP 2009029976A
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Abstract

【課題】 硬化後の色相安定性、耐熱安定性に優れ、伸び特性が良好で破断伸度が高く、柔軟な硬化物を得ることのできる硬化性樹脂組成物を提供すること。
【解決手段】 (A)分子内に(メタ)アクリロイル基を有するポリイソプレン、(B)(メタ)アクリレートモノマー、(C)ラジカル重合開始剤および(D)分子内に第二級アミノ基を有さないヒンダードアミン系化合物からなり、前記(メタ)アクリロイル基を有するポリイソプレン(A)と(メタ)アクリレートモノマー(B)の質量比が1/99〜99/1の範囲であって、両者の合計量100質量部に対してラジカル重合開始剤(C)0.01〜20質量部およびヒンダードアミン系化合物(D)0.01〜10質量部を含む硬化性樹脂組成物。
【選択図】 なし

Description

本発明は、耐熱安定性に優れた硬化性樹脂組成物、耐熱安定効果増強剤および耐熱安定効果増強方法に関する。本発明の硬化性樹脂組成物は、耐熱性、色相安定性および柔軟性に優れ、例えば接着剤、粘着剤、コーティング剤、封止材、インキ、シーリング材、ポッティング材などの用途に有用である。
近年、デジタル技術の発展に伴い、電気・電子部品の小型化、軽量化が進展しており、これらに使用される接着剤、粘着剤、コーティング剤、封止材、インキ、シーリング材、ポッティング材にも小型化、薄膜化に伴う性能の向上が求められている。一方、これら電気・電子部品の使用に際しては発熱を伴うものもあり、基材の熱膨張により発生する応力を小型化・薄膜化された封止層、接着層等で緩和するため、柔軟性と長期の熱履歴に対して弾性率の変化が小さいことなどが要求されている。また、光学材料の接着剤やコーティング剤においては色相の安定性も要求されている。
これらの要求を満たす手法としては、例えば、
(1)(メタ)アクリロイル基を1分子あたりの平均として1個以上を有する共役ジエン系ポリマー(A)、(メタ)アクリルモノマー(B)および光開始剤(C)からなる紫外線硬化性樹脂組成物(特許文献1参照);
(2)光硬化性の水素添加ポリブタジエン系樹脂、重合性末端基を有する反応性化合物および光重合開始剤を配合してなる光硬化性樹脂組成物(特許文献2参照);
(3)光重合性オリゴマー(A)、光重合性モノマー(B)、第一成分の光重合開始剤(Ca)及び第二成分の光重合開始剤(Cb)、光安定剤(D)、紫外線吸収剤(E)、酸化防止剤(F)および帯電防止剤(G)からなる紫外線硬化型成形用材料(特許文献3参照);
(4)1個の(メタ)アクリロイルオキシ基およびポリオレフィン骨格を有し数平均分子量500〜10,000の化合物(A)、2個の(メタ)アクリロイルオキシ基および炭化水素骨格を有し炭素数25〜200の化合物(B)および光ラジカル重合開始剤(C)を含む光硬化性樹脂組成物(特許文献4参照);
などが提案されている。
特開2003−192750号公報 特開平1−113417号公報 特開2003−26715号公報 特開2006−16549号公報
しかしながら、特許文献1で開示されている紫外線硬化性樹脂組成物は柔軟性を有するが、実質的に有用とされている「1分子あたりの平均としてメタクリロイル基を3個有するポリイソプレン」は分子内に二重結合を有するため、耐熱性が不十分であるなどの問題点があった。
また、特許文献2で開示されている「水素添加ポリブタジエン系樹脂」を含む光硬化性樹脂組成物は、比較例で示されている「ポリブタジエン系樹脂」に対して長期高温処理後の弾性率、外観変化が少なく優れているが、ポリブタジエン系樹脂に水素添加する工程が必要なため、製造方法が煩雑になるなどの問題点があった。
さらに、特許文献3で実質的に有用とされているポリブタジエン(メタ)アクリレートを含む紫外線硬化型成形用材料は、柔軟性が不十分であるなどの問題点があった。
そして、特許文献4で示されている1個の(メタ)アクリロイルオキシ基およびポリオレフィン骨格を有し数平均分子量500〜10,000の化合物(A)を含む光硬化性樹脂組成物は、比較例に対して色相安定性が改善されているが、市場の要求には未だ不十分であるという問題があった。
しかして、本発明の目的は、上記の問題を解決すべく、長期間高温に曝されても弾性率の変化が小さく、かつ色相安定性に優れる柔軟性な硬化性樹脂組成物を提供することにある。
本発明者は、上記目的を達成すべく鋭意検討を重ねた結果、(A)分子内に(メタ)アクリロイル基を有するポリイソプレン、(B)(メタ)アクリレートモノマーおよび(C)ラジカル重合開始剤からなる組成物に、さらに(D)分子内に第二級アミノ基を有さないヒンダードアミン系化合物を配合することによって、上記従来の問題点が解決でき、耐熱安定性に優れた硬化性樹脂組成物が得られることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明によれば、上記の目的は、
(1)(A)分子内に(メタ)アクリロイル基を有するポリイソプレン、(B)(メタ)アクリレートモノマー、(C)ラジカル重合開始剤および(D)分子内に第二級アミノ基を有さないヒンダードアミン系化合物からなり、前記(メタ)アクリロイル基を有するポリイソプレン(A)と(メタ)アクリレートモノマー(B)の質量比が1/99〜99/1の範囲であって、両者の合計量100質量部に対してラジカル重合開始剤(C)0.01〜20質量部およびヒンダードアミン系化合物(D)0.01〜10質量部を含む耐熱安定性に優れた硬化性樹脂組成物により達成される。
また、本発明は、
(2)(メタ)アクリロイル基を有するポリイソプレン(A)の数平均分子量が5,000〜200,000の範囲であり、かつ(メタ)アクリル当量が700〜20,000g/eqの範囲である上記硬化性樹脂組成物、
(3)(メタ)アクリロイル基を有するポリイソプレン(A)が、ポリイソプレンに無水マレイン酸を付加させた後、さらに水酸基を有する(メタ)アクリレートとのエステル化反応で得られる上記硬化性樹脂組成物、および
(4)分子内に第二級アミノ基を有さないヒンダードアミン系化合物(D)が、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、メチル1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルセバケート、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラキス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)の群から選ばれる少なくとも1種である上記硬化性樹脂組成物を好適な態様として包含する。
そして、本発明によれば、上記の目的は、
(5)分子内に第二級アミノ基を有さないヒンダードアミン系化合物(D)を有効成分とする、(A)分子内に(メタ)アクリロイル基を有するポリイソプレン、(B)(メタ)アクリレートモノマーおよび(C)ラジカル重合開始剤からなる硬化性樹脂組成物の耐熱安定効果増強剤、あるいは
(6)分子内に第二級アミノ基を有さないヒンダードアミン系化合物(D)を有効成分として利用した、(A)分子内に(メタ)アクリロイル基を有するポリイソプレン、(B)(メタ)アクリレートモノマーおよび(C)ラジカル重合開始剤からなる硬化性樹脂組成物の耐熱安定効果増強方法、
によっても達成される。
本発明によれば、硬化後の色相安定性、耐熱安定性に優れ、伸び特性が良好で破断伸度が高く、柔軟な硬化物を得ることのできる硬化性樹脂組成物が提供される。
本発明の硬化性組成物の必須成分としては、(A)分子内に(メタ)アクリロイル基を有するポリイソプレン(分子内にアクリロイル基および/またはメタアクリロイル基を有するポリイソプレンを意味する)、(B)(メタ)アクリレートモノマー(アクリレートモノマーおよび/またはメタアクリレートモノマーを意味する)、(C)ラジカル重合開始剤および(D)分子内に第二級アミノ基を有さないヒンダードアミン系化合物が含まれる。
まず、本発明の硬化性樹脂組成物を構成する第1の成分である(A)分子内に(メタ)アクリロイル基を有するポリイソプレン(以下、単にポリイソプレン(A)あるいは(メタ)アクリロイル基を有するポリイソプレン(A)と称することがある)としては、本発明の効果を奏することのできるものであれば特に制限なく用いることができるが、その数平均分子量が5,000〜200,000の範囲であるのが好ましく、8,000〜100,000の範囲であるのがより好ましく、11,000〜60,000の範囲であるのがさらに好ましい。ポリイソプレン(A)の数平均分子量が5,000から200,000の範囲内にあることが、硬化物の柔軟性や硬化性樹脂組成物の調製作業性の観点から望ましい。
なお、本明細書における数平均分子量とは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定したポリスチレン換算の数平均分子量を意味する。
また、ポリイソプレン(A)は、その(メタ)アクリル当量(アクリル当量および/またはメタアクリル当量を意味する)が700〜20,000g/eqの範囲であるのが好ましく、1,100〜15,000g/eqであるのがより好ましく、2,000〜10,000g/eqであるのがさらに好ましい。ポリイソプレン(A)の(メタ)アクリル当量が700g/eqから20,000g/eqの範囲内にあることが、柔軟な硬化物が得られる観点から望ましい。
なお、本明細書における(メタ)アクリル当量とは、(メタ)アクリロイル基1個当たりの分子量を意味する。
(メタ)アクリロイル基を有するポリイソプレン(A)を製造する前の原料となるポリイソプレンは、イソプレンを重合することにより製造される。ポリイソプレンの製造方法としては、特に限定されず、例えばアニオン重合法、チーグラー触媒を用いる重合法などを採用することができる。アニオン重合法の場合、例えば、アルゴン、窒素などの不活性ガス雰囲気下で、ヘキサン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエンなどの重合反応に不活性な溶媒中で、金属ナトリウム、金属リチウムなどのアルカリ金属;メチルリチウム、エチルリチウム、n−ブチルリチウム、s−ブチルリチウムなどのアルキルリチウム化合物などを開始剤として用いて、通常、重合温度−100℃〜100℃の範囲、重合時間0.01〜200時間の範囲でイソプレンを重合させる方法が採用される。
(メタ)アクリロイル基を有するポリイソプレン(A)の製造方法としては、特に制限されないが、例えば、上記の方法で製造されたポリイソプレンに無水マレイン酸を付加させた後、さらに水酸基を有する(メタ)アクリレート(水酸基を有するアクリレートおよび/またはメタアクリレートを意味する)とエステル化反応する方法を好ましい方法として採用することができる。
無水マレイン酸を付加させる方法としては、特に限定されず、例えば、ポリイソプレンに無水マレイン酸、さらに必要に応じてラジカル触媒を加えて、有機溶剤の存在下または非存在下に、加熱する方法を挙げることができる。
上記方法で使用される有機溶剤としては、一般的には炭化水素系溶剤、ハロゲン化炭化水素系溶剤が挙げられる。これら有機溶媒の中でも、n−ブタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の炭化水素系溶剤が好ましい。
また、上記方法で使用されるラジカル触媒としては、ジ−s−ブチルペルオキシジカーボネート、t−アミルペルオキシピバレート、t−アミルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート、アゾビスイソブチロニトリルなどが挙げられる。これらラジカル触媒の中でも、アゾイソブチロニトリルが好ましく用いられる。
また、無水マレイン酸を付加させたポリイソプレンと水酸基を有する(メタ)アクリレートを反応させる方法としては、特に限定されず、例えば、無水マレイン酸を付加させたポリイソプレンに水酸基を有する(メタ)アクリレート、さらに必要に応じてエステル化触媒を加えて、有機溶剤の存在下または非存在下に、加熱する方法を挙げることができる。
水酸基を有する(メタ)アクリレートとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらは1種単独で或いは2種以上を併用することができる。これら水酸基を有する(メタ)アクリレートの中でも2−ヒドロキシエチル(メタ)クリレートが好ましく用いられる。
ポリイソプレンと水酸基を有する(メタ)アクリレートを反応させる方法で使用される有機溶剤としては、一般的には炭化水素系溶剤、ハロゲン化炭化水素系溶剤が挙げられる。これら有機溶媒の中でも、n−ブタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の炭化水素系溶剤が好ましい。
また、上記方法で使用されるエステル化触媒としては、トリエチルアミン、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジン、4−ピロリジノピリジン、N,N−ジメチルベンジルアミンなどのアミン触媒、硫酸、塩酸、p−トルエンスルホン酸などの酸触媒、塩化亜鉛、酢酸ナトリウムなどの金属塩触媒が挙げられる。これらエステル化触媒の中でも、アミン触媒が好ましく用いられる。
次に、本発明の硬化性組成物を構成する第2成分である(メタ)アクリレートモノマー(B)としては、ラジカル重合開始剤(C)により硬化可能なものであれば特に制限はなく、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ブチルエトキシ(メタ)アクリレート、ブチルエチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニロキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、フェノキシヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、モルフォリン(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレートなどの単官能モノマー;1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ジメチロールトリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレートなどの二官能モノマー;トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレートなどの多官能モノマーなどが挙げられる。これらの(メタ)アクリレートモノマーは1種類を単独で使用してもよく、2種類以上を混合して用いてもよい。
上記分子内に(メタ)アクリロイル基を有するポリイソプレン(A)および(メタ)アクリレートモノマー(B)の使用量は、分子内に(メタ)アクリロイル基を有するポリイソプレン(A)と(メタ)アクリレートモノマー(B)の混合比が質量比として1/99〜99/1の範囲であり、好ましくは5/95〜95/5、より好ましくは10/90〜90/10の範囲である。分子内に(メタ)アクリロイル基を有するポリイソプレン(A)と(メタ)アクリレートモノマー(B)の混合比が質量比として1/99を外れる場合、すなわち(メタ)アクリレートモノマー(B)の使用量比が99質量%より多い場合には柔軟な硬化物が得られなくなる傾向がある。一方、分子内に(メタ)アクリロイル基を有するポリイソプレン(A)と(メタ)アクリレートモノマー(B)の混合比が質量比として99/1を外れる場合、すなわち(メタ)アクリレートモノマー(B)の使用量比が1質量%より少ない場合には、硬化速度が遅くなる傾向にある。
また、本発明の硬化性組成物を構成する第3成分であるラジカル重合開始剤(C)としては、例えば、紫外線などの活性エネルギー線により分解してラジカルを発生するラジカル系光重合開始剤、加熱により分解してラジカルを発生する加熱分解型ラジカル重合開始剤などが挙げられる。
ラジカル系光重合開始剤としては、例えば、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルフォリノ−1−プロパノン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−〔4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル〕−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−ヒロドキシ−1−{4−〔4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオニル)ベンジル〕フェニル}−2−メチルプロパン−1−オン、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタノン、2−(ジメチルアミノ)−2−〔(4−メチルフェニル)メチル〕−1−〔4−(4−モルホリニル)フェニル〕−1−ブタノン、カンファーキノン、ベンゾフェノン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテルなどのケトン類;2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイドなどのアシルホスフィンオキサイド類;ビス(η5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)フェニル)チタニウムなどのチタノセン類;1,2−オクタンジオン−1−〔4−(フェニルチオ)−2−(O−ベンゾイルオキシム)〕、エタノン−1−〔9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル〕−1−(O−アセチルオキシム)などのオキシムエステル類;オキシフェニル酢酸 2−〔2−オキソ−2−フェニルアセトキシエトキシ〕エチルエステル、オキシフェニル酢酸 2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチルエステルなどのオキシフェニル酢酸エステル類などが挙げられる。これらのうち、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンなどのケトン類、および2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイドなどのアシルホスフィンオキサイド類が好ましく用いられる。
また、加熱分解型ラジカル重合開始剤としては、例えば、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロドデカン、ジ−t−ブチルパーオキシイソフタレート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)−3−ヘキシン、クメンハイドロパーオキサイド等の過酸化物が挙げられる。
上記ラジカル重合開始剤(C)は、1種類を単独で使用してもよく、2種類以上を混合して用いてもよい。ラジカル重合開始剤(C)の添加量は、(メタ)アクリロイル基を有するポリイソプレン(A)と(メタ)アクリレートモノマー(B)の合計量100質量部に対して、0.01〜20質量部の範囲であり、好ましくは0.05〜15質量部、より好ましくは0.1〜10質量部、さらに好ましくは0.5〜8質量部の範囲である。ラジカル開始剤(C)の添加量が0.01質量部より少ない場合は硬化速度が低下し、20質量部を超える場合は得られる硬化物の力学物性が低下する傾向にある。
本発明の硬化性組成物を構成する第4の成分であるヒンダードアミン系化合物(D)は、分子内に第二級アミノ基を有さないものであることが重要である。分子内に第二級アミノ基を有するヒンダードアミン系化合物を用いる場合には、硬化物の色相安定性、耐熱安定性などに劣るものとなる。
本発明に用いる分子内に第二級アミノ基を有さないヒンダードアミン系化合物(D)としては、例えば、デカン二酸ビス(2,2,6,6−テトラメチル−1−(オクチルオキシ)−4−ピペリジニル)エステル、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−4ピペリジル)〔〔3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル〕メチル〕ブチルマロネート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、メチル1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルセバケート、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラキス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルメタクリラートなどが挙げられ、これらのうち、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、メチル1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルセバケート、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラキス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)が好ましく用いられる。また、本発明に用いるヒンダードアミン系化合物(D)としては、分子内に第二級アミノ基を有さないヒンダードアミン系光安定剤を使用することができ、例えば、市販の「TINUVIN 765」、「TINUVIN 292」、「TINUVIN 622LD」(商品名、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ株式会社製);「アデカスタブLA−52」、「アデカスタブLA−62」、「アデカスタブ LA−63P」、「アデカスタブLA−82」(商品名、株式会社ADEKA製)などが好ましく用いられる。
これらのヒンダードアミン系化合物(D)は、1種類を単独で使用してもよく、2種類以上を混合して用いてもよい。ヒンダードアミン系化合物(D)の添加量は、(メタ)アクリロイル基を有するポリイソプレン(A)と(メタ)アクリレートモノマー(B)の合計量100質量部に対して、0.01〜10質量部の範囲であり、好ましくは0.02〜5質量部、より好ましくは0.04〜3質量部、さらに好ましくは0.05〜2.5質量部の範囲、最も好ましくは0.1〜1質量部の範囲である。ヒンダードアミン系化合物(D)の添加量が0.01質量部より少ない場合は耐熱性が悪化し、10質量部を超える場合は得られる硬化物の力学物性が低下する傾向にある。
また、本発明は、上記分子内に第二級アミノ基を有さないヒンダードアミン系化合物(D)を有効成分として含有する耐熱安定効果増強剤を、(A)分子内に(メタ)アクリロイル基を有するポリイソプレン、(B)(メタ)アクリレートモノマーおよび(C)ラジカル重合開始剤からなる硬化性樹脂組成物に配合することによっても同様な効果を奏することができる。(D)分子内に第二級アミノ基を有さないヒンダードアミン系化合物を有効成分とする耐熱安定効果増強剤としては、本発明の効果が奏されるものであれば特に制限されないが、例えば、分子内に第二級アミノ基を有さない上記ヒンダードアミン系光安定剤を挙げることができる。該耐熱安定効果増強剤は、(A)分子内に(メタ)アクリロイル基を有するポリイソプレン、(B)(メタ)アクリレートモノマーおよび(C)ラジカル重合開始剤からなる硬化性樹脂組成物中の(メタ)アクリロイル基を有するポリイソプレン(A)と(メタ)アクリレートモノマー(B)の合計量100質量部に対して、耐熱安定効果増強剤中に含まれる、分子内に第二級アミノ基を有さないヒンダードアミン系化合物(D)の添加量が0.01〜10質量部の範囲である場合に有効であり、好ましくは0.02〜5質量部、より好ましくは0.04〜3質量部、さらに好ましくは0.05〜2.5質量部の範囲、最も好ましくは0.1〜1質量部の範囲である。
本発明の硬化性樹脂組成物または上記硬化性樹脂組成物は、その特性を損なわない範囲において、硬化促進剤、粘着付与剤、可塑剤、老化防止剤、紫外線吸収剤、軟化剤、消泡剤、顔料、染料、有機充填剤、香料などを配合することが可能である。
本発明の硬化性樹脂組成物の調製方法としては、特に制限されないが、例えば、分子内に(メタ)アクリロイル基を有するポリイソプレン(A)、(メタ)アクリレートモノマー(B)、ラジカル重合開始剤(C)および分子内に第二級アミノ基を有さないヒンダードアミン系化合物(D)、さらに必要に応じて添加剤等を室温下、攪拌機やニーダーなどの通常の混合手段を用いて混合することで調製することができる。
また、本発明の硬化性樹脂組成物は、分子内に(メタ)アクリロイル基を有するポリイソプレン(A)、(メタ)アクリレートモノマー(B)、ラジカル重合開始剤(C)および分子内に第二級アミノ基を有さないヒンダードアミン系化合物(D)を有効成分として含有する耐熱安定効果増強剤、さらに必要に応じて添加剤等を室温下、攪拌機やニーダーなどの通常の混合手段を用いて混合することによっても調製することができる。
本発明の硬化性樹脂組成物は、通常、活性エネルギー線および/または熱により硬化させることができるが、好ましくは、活性エネルギー線を照射し、さらに必要に応じて、硬化中または硬化後に熱を加えることにより硬化させることができる。
活性エネルギー線としては、粒子線、電磁波およびこれらの組み合わせが挙げられる。粒子線としては電子線(EB)、α線などが挙げられ、また電磁波としては紫外線(UV)、可視光線、赤外線、γ線、X線などが挙げられる。これらの中でも、電子線(EB)または紫外線(UV)が好ましく用いられる。
上記活性エネルギー線は、公知の装置を用いて照射することができる。例えば、電子線(EB)の場合の加速電圧としては0.1〜10MeV、照射線量としては1〜500kGyの範囲が適当である。また、紫外線(UV)の場合、その線源として例えば放射波長が200nm〜450nmのランプを好適に用いることができる。線源としては、電子線(EB)の場合は、例えばタングステンフィラメントが挙げられ、紫外線(UV)の場合は、低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、ハロゲンランプ、エキシマーランプ、カーボンアーク灯、キセノンランプ、ジルコニウムランプ、蛍光灯、自然光に含まれる紫外線などが挙げられる。なお、活性エネルギー線の硬化性樹脂組成物への照射時間は、エネルギーの大きさによっても異なるが、概ね0.5〜300秒の範囲である。
本発明の硬化性樹脂組成物は、引張り弾性率が低く柔軟な硬化物が得られ、かつ耐熱性、色相安定性に優れるため、硬化物の割れ、剥がれなどが低減され、接着剤、粘着剤(接着剤および粘着剤を粘接着剤ということがある)、コーティング剤、封止材、インキなどの用途に好適に用いることができる。粘接着剤の用途としては、例えばデジタルバーサティルディスク(DVD)などの光ディスクの貼り合せ用途、液晶ディスプレイやプラズマディスプレイなどのフラットパネルディスプレイに使用される光学フィルムの張り合わせ用途、カメラやDVD、コンパクトディスク(CD)再生用光ヘッドに用いられる光学レンズの接着用途、光ファイバなど光学部材の接着用途、半導体などの精密部品とプリント配線板との接着用途、半導体製造のダイシング工程においてウェハーを保持するダイシングテープとしての用途などが挙げられる。コーティング剤の用途としては、例えば自動車用ヘッドランプのコーティング用途、光ファイバのコーティング用途などが挙げられる。封止材の用途としては、例えば液晶表示素子、半導体などの精密部品の封止材用途などが挙げられる。インキの用途としては、例えば半導体やプリント配線板の製造の際に使用されるレジストインキの用途、アルミホイル紙、ポリエチレンコート紙、塩化ビニルシート、ポリエステルシート、ポリプロピレンシート、食缶、飲料缶などの印刷に使用する印刷インキの用途などが挙げられる。
また、本発明の耐熱安定効果増強方法は、(D)分子内に第二級アミノ基を有さないヒンダードアミン系化合物を利用した、(A)分子内に(メタ)アクリロイル基を有するポリイソプレン、(B)(メタ)アクリレートモノマーおよび(C)ラジカル重合開始剤からなる硬化性樹脂組成物の耐熱安定効果増強方法であり、(D)分子内に第二級アミノ基を有さないヒンダードアミン系化合物を上記のとおり、有効性成分として利用することにより、(A)分子内に(メタ)アクリロイル基を有するポリイソプレン、(B)(メタ)アクリレートモノマーおよび(C)ラジカル重合開始剤からなる硬化性樹脂組成物の耐熱安定効果を増強することができ、本発明の硬化性樹脂組成物と同様の効果が奏される。
以下、実施例によって本発明を詳細に説明するが、本発明はかかる実施例に何ら限定されるものではない。なお、各実施例および比較例における得られた重合体の測定および硬化性樹脂組成物の物性評価は以下のようにして行った。
(1)数平均分子量の測定
東ソー株式会社製GPC−8020を使用し、サンプル/THF=5mg/10mLの濃度で調整し、測定した。なお、展開溶液としては和光純薬株工業式会社製THFを使用した。
(2)(メタ)アクリロイル基の測定
日本電子株式会社製1H−NMR(500MHz)を使用し、サンプル/重クロロフォルム=100mg/1mLの濃度、積算回数512回、測定温度50度で測定した。
(3)相溶性
下記の実施例および比較例で得られた硬化性樹脂組成物の均一性を目視により観察して評価した。
○:相溶性良好(均一である)
△:濁りが生じる
×:相分離が生じる
(4)硬化物の透明性
下記の実施例および比較例で得られた硬化性樹脂組成物を、厚さ0.8mmの型枠に注入し、組成物表面を厚さ50μmのPETフィルムで覆った後、UV照射装置(株式会社ジーエス・ユアサコーポレーション製、水銀ランプとしてHAK125L−Fを使用)を用い、照度75mW/cm、コンベアー速度1m/minに設定し、1回の作業で700mJ/cmのUVを照射した。これを4回繰り返して硬化物を得た。硬化物よりPETフィルムを剥がした後、目視により観察して透明性を評価した。
○:透明性良好
△:濁りが生じる
×:透明性無し
(5)耐熱性試験(色相安定性試験)
上記(4)においてPETフィルムを剥がして得られた硬化物を、25℃雰囲気で24時間放置後、縦60mm×横6mm×厚さ0.8mmの短冊状試験片を作製した。次に、作製した試験片を100℃のギアオーブン内に72時間、240時間、480時間それぞれ静置し、それぞれの試験片における色相変化を熱処理前の試験片(0時間で表示)と共に目視で確認した。
◎:無色
○:淡黄色
△:黄色
×:茶色
(6)耐熱性試験(引張り試験)
上記(5)において作製した試験片を50mm/minの引張り速度で引張り試験を行い、加熱処理前後での破断強度、破断伸度、引張り弾性率を測定した。
以下に、実施例および比較例で用いた各成分の詳細を記す。
(A)分子内に(メタ)アクリロイル基を有するポリイソプレン
参考例1
〈1〉窒素置換を行った容量1リットルのオートクレーブ中に、ヘキサン245gおよびsec−ブチルリチウム0.8gを仕込んだ後、50℃まで昇温し、イソプレン300gを添加し、2時間重合を行った。得られた重合溶液をメタノール中に注いで重合体を再沈させて濾別し、80℃で10時間真空乾燥することにより300gのポリイソプレンを得た。サンプルの一部をGPCで分析したところ、ポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)=36,000、分子量分布(Mw/Mn)=1.04であった。
〈2〉窒素置換を行った容量1リットルのオートクレーブ中に上記〈1〉で得られたポリイソプレン300gを仕込み、無水マレイン酸4.5gを添加し、160℃で20時間反応させてポリイソプレンに無水マレイン酸を付加させた。次に、2−ヒドロキシエチルメタクリレート6.3g、ヒドロキノン0.15g、N,N−ジメチルベンジルアミン0.9gを加え、80℃で6時間反応させ、分子内にメタアクリロイル基を有するポリイソプレン(以下、M−IR−1と略称する)を得た。得られたM−IR−1をGPCで分析したところMn=36,800、Mw/Mn=1.06であった。また、NMRで分析したところM−IR−1の(メタ)アクリル当量は6,700g/eqであった。
(B)(メタ)アクリレートモノマー
B−1:日立化成工業株式会社製、商品名「ファンクリルFA−513A」(ジシクロペンタニルアクリレート)
B−2:大阪有機化学工業株式会社製、商品名「IBXA」(イソボルニルアクリレート)
(C)ラジカル重合開始剤
C−1:チバ・スペシャルティ・ケミカルズ株式会社製、商品名「DAROCUR 1173」(2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン)
(D)分子内に第二級アミノ基を有さないヒンダードアミン系化合物
D−1:チバ・スペシャルティ・ケミカルズ株式会社製、商品名「TINUVIN 765」(ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケートとメチル1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルセバケートの混合物)
D−2:株式会社ADEKA製、商品名「アデカスタブLA−52」(1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラキス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)
実施例1〜3
参考例1で得られたメタクリロイル基を有するポリイソプレン(M−IR−1)、(メタ)アクリレートモノマー(B−1またはB−2)、ラジカル重合開始剤(C−1)およびヒンダードアミン系化合物(D−1またはD−2)を、表1に示す配合に従ってステンレス製300mL容器に投入し、室温下、攪拌翼を用いて20分混合することによって硬化性樹脂組成物を調製した。得られた硬化性樹脂組成物を上記の方法により評価した結果を表1に併せて示す。
比較例1〜4
実施例1で用いたヒンダードアミン系化合物(D−1)の代わりに、下記の耐熱安定剤を用いた以外は実施例1と同様にして硬化性樹脂組成物を得、その評価を行った。得られた結果を表2に併せて示す。
耐熱安定剤1:チバ・スペシャルティ・ケミカルズ株式会社製、商品名「IRGANOX 1076」(オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)
耐熱安定剤2:チバ・スペシャルティ・ケミカルズ株式会社製、商品名「IRGANOX 1726」(4,6−ビス(ドデシルチオメチル)−o−クレゾール)
耐熱安定剤3:チバ・スペシャルティ・ケミカルズ株式会社製、商品名「IRGASTAB FS 301 FF」(N,N−オクタデシルヒドロキシルアミンとトリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)フォスファイトの混合物)
耐熱安定剤4:住友化学株式会社製、商品名「Sumilizer GS」(2−〔1−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ペンチルフェニル)エチル〕−4,6−ジ−tert−ペンチルフェニルアクリレート)
耐熱安定剤5:住友化学株式会社製、商品名「Sumilizer TP−D」(ペンタエリスリチルテトラキス(3−ラウリルチオプロピオネート))
比較例5
実施例1で用いたヒンダードアミン系化合物(D−1)の配合量を本発明で規定した範囲よりも低くした以外は実施例1と同様にして、硬化性樹脂組成物を得、その評価を行った。得られた結果を表2に併せて示す。
比較例6
実施例1で用いたヒンダードアミン系化合物(D−1)の代わりに、分子内に第二級アミノ基を有するヒンダードアミン系化合物(株式会社ADEKA製、商品名「アデカスタブLA−77」(ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート))を用いた以外は実施例1と同様にして、硬化性樹脂組成物を得、その評価を行った。得られた結果を表2に併せて示す。
比較例7および8
実施例1で用いたメタクリロイル基を有するポリイソプレン(M−IR−1)の代わりに、下記の(メタ)アクリロイル基含有ポリブタジエンを使用した以外は実施例1と同様にして、硬化性樹脂組成物を得、その評価を行った。得られた結果を表2に併せて示す。
(メタ)アクリロイル基含有ポリブタジエン1:日本曹達株式会社製、商品名「TEA−1000」
(メタ)アクリロイル基含有ポリブタジエン2:大阪有機化学工業株式会社製、商品名「BAC−45」
Figure 2009029976
Figure 2009029976
表1に示す結果から、本発明の硬化性樹脂組成物は、分子内に第二級アミノ基を有さないヒンダードアミン系化合物を配合することで、100℃、480時間の耐熱試験後においても色相変化が小さく、破断強度、破断伸度、引張り弾性率の変化が小さい柔軟な硬化物を得ることができ、耐熱安定性を著しく改善させることができることが分かる。
一方、表2に示す結果から、一次酸化防止作用を有する代表的なヒンダードフェノール系酸化防止剤を使用した比較例1、分子内にチオエーテル結合を有し、一次、二次酸化防止作用を併せ持つヒンダードフェノール系酸化防止剤を使用した比較例2(240時間経過時点で色相変化が激しく、以後評価せず)、耐着色性に優れ、一次酸化防止作用を有するヒンダードフェノール系酸化防止剤と二次酸化防止作用を有するチオエーテル系耐熱安定剤を使用した比較例4(240時間経過時点で色相変化が激しく、以後評価せず)、本発明の規定よりも少ない量の分子内に第二級アミノ基を有さないヒンダードアミン系化合物を使用した比較例5(72時間経過時点で色相変化が激しく、以後評価せず)、および本発明の規定とは異なる構造のヒンダードアミン系化合物を使用した比較例6では耐熱試験後の色相、破断強度、破断伸度、引張り弾性率の変化が大きく、耐熱性が不十分であることが分かる。
また、ヒドロキシルアミン系加工熱安定剤とリン系加工安定剤のブレンド物を使用した比較例3では相溶性が悪く、良好な硬化物は得られなかった。このため、透明性試験、色相安定性試験、耐熱性試験等は評価できなかった。
さらに、(メタ)アクリロイル基含有ポリブタジエンを使用した比較例7では、耐熱試験前の引張り弾性率が高く柔軟な硬化物を得ることができなかった。
そして、比較例8では、(メタ)アクリロイル基含有ポリブタジエンを使用して比較的柔軟な硬化物が得られたが、耐熱試験後の色相変化が大きく、また破断強度、破断伸度、引張り弾性率が大きく変化し、物性が悪化していることが分かる。
本発明の硬化性樹脂組成物は、引張り弾性率が低く柔軟な硬化物が得られ、かつ耐熱性、色相安定性に優れるため、接着剤、粘着剤、コーティング剤、封止材、インキなどの用途に好適に用いることができる。

Claims (6)

  1. (A)分子内に(メタ)アクリロイル基を有するポリイソプレン、(B)(メタ)アクリレートモノマー、(C)ラジカル重合開始剤および(D)分子内に第二級アミノ基を有さないヒンダードアミン系化合物からなり、前記(メタ)アクリロイル基を有するポリイソプレン(A)と(メタ)アクリレートモノマー(B)の質量比が1/99〜99/1の範囲であって、両者の合計量100質量部に対してラジカル重合開始剤(C)0.01〜20質量部およびヒンダードアミン系化合物(D)0.01〜10質量部を含むことを特徴とする耐熱安定性に優れた硬化性樹脂組成物。
  2. (メタ)アクリロイル基を有するポリイソプレン(A)の数平均分子量が5,000〜200,000の範囲であり、かつ(メタ)アクリル当量が700〜20,000g/eqの範囲であることを特徴とする請求項1に記載の耐熱安定性に優れた硬化性樹脂組成物。
  3. (メタ)アクリロイル基を有するポリイソプレン(A)が、ポリイソプレンに無水マレイン酸を付加させた後、さらに水酸基を有する(メタ)アクリレートとのエステル化反応で得られることを特徴とする請求項1または2に記載の耐熱安定性に優れた硬化性樹脂組成物。
  4. 分子内に第二級アミノ基を有さないヒンダードアミン系化合物(D)が、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、メチル1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルセバケート、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラキス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)の群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の耐熱安定性に優れた硬化性樹脂組成物。
  5. 分子内に第二級アミノ基を有さないヒンダードアミン系化合物(D)を有効成分とする、(A)分子内に(メタ)アクリロイル基を有するポリイソプレン、(B)(メタ)アクリレートモノマーおよび(C)ラジカル重合開始剤からなる硬化性樹脂組成物の耐熱安定効果増強剤。
  6. 分子内に第二級アミノ基を有さないヒンダードアミン系化合物(D)を利用した、(A)分子内に(メタ)アクリロイル基を有するポリイソプレン、(B)(メタ)アクリレートモノマーおよび(C)ラジカル重合開始剤からなる硬化性樹脂組成物の耐熱安定効果増強方法。
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